JPWO2018003886A1 - 全方向移動装置及びその姿勢制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図1〜図10を用いて、本発明の第1実施の形態に係る全方向移動装置を説明する。なお、図中、適宜示される矢印X 方向は全方向移動装置の車体前方側であって進行方向を示し、矢印Y 方向は車体幅方向を示している。また、矢印Z 方向は、矢印X 方向及び矢印Y 方向に対して直交する上方向を示している。
図1(A)〜図1(D)及び図2に示されるように、本実施の形態に係る全方向移動装置10は、単一の球状の回転体12と、この回転体12上に配設された車体14とを含んで構成されている。
図2に示されるように、第1駆動ユニット40は、第1オムニホイールとしてのオムニホイール401と、減速機441と、第1駆動装置としての例えば交流(AC)サーボモータ442(1)とを含んで構成されている。オムニホイール401は、シャフト(回転軸)430を介して減速機441に連結されている。
ここで、図2に示されるように、オムニホイール401のシャフト430の回転軸をaとし、ローラ412〜414の回転軸415をbとすれば、回転軸bは回転軸aに対してねじれの位置において直交している。
一般的に、複数のオムニホイールは垂直軸(Z 軸)の軸周りに等間隔に配置されている(図9及び図10参照)。これに対して、図3(A)に示されるように、全方向移動装置10では、オムニホイール401及び402が、回転体12を転動させて直進方向に移動させる回転軸120の一端側の軸周り121において、回転体12の上半球12Bの表面に接して配設されている。ここで、回転体12には固定された回転軸が存在するのではなく、回転軸120は直進方向に回転体12が転動された際の回転体12の実効的な回転中心である。回転軸120の軸方向は、回転体12が直進方向(矢印X 方向)に転動するので、車体幅方向(矢印Y 方向)に一致する。また、回転軸120の一端側の軸周り121は、搭乗者から見て車体幅方向右側において、回転体12を天体と見なしたときの緯線に相当する。
図4に示されるように、全方向移動装置10の姿勢安定システム600は、センサユニット50及び制御ユニット60を含んで構成されている。
センサユニット50には姿勢角度検出部501が含まれている。姿勢角度検出部501には例えば慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)が使用されている。この姿勢角度検出部501では、車体14の姿勢角度及び車体14の各軸周りの姿勢角度の変化に伴う第1角速度としての角速度が検出される。姿勢角度は姿勢角度情報として、角速度は第1角速度情報として、姿勢角度検出部501から出力される。
(A)車体14の姿勢角度を検出して得られる姿勢角度情報及び姿勢角度の変化に伴う角速度を検出して得られる第1角速度情報が姿勢角度検出部501から取得される。
(B)回転数検出部607ではオムニホイール401〜404の回転数が検出される。この回転数の検出結果が回転数検出部607から取得され、この検出結果に基づいて、回転体12が転動する第2角速度としての角速度が算出される。この第2角速度は第2角速度情報として取得される。
(C)姿勢角度情報、第1角速度情報及び第2角速度情報に基づいて、車体14の姿勢を安定に維持するオムニホイール401〜オムニホイール404のホイール操作トルクが算出される。
(D)ホイール操作トルク情報に従って第1駆動ユニット40〜第4駆動ユニット46が作動される。
(a)姿勢角度情報、第1角速度情報及び第2角速度情報に基づいて、車体14の姿勢を安定に維持させる、回転体12が転動する角加速度の目標値及び車体14が旋回する角加速度の目標値が算出される。
(b)目標値に一致させる回転体12の第3角加速度としての角加速度が算出される。
(c)第3角加速度情報に基づいて、回転体12を操作する回転体操作トルクが算出される。
(d)回転体操作トルク情報に基づいて、オムニホイール401〜オムニホイール404を操作するホイール操作トルクが算出される。
前述の全方向移動装置10の姿勢制御方法は以下の通りである。ここで、図5は姿勢制御方法を説明するフローチャートである。図6は姿勢制御方法を実現するアルゴリズムである。また、姿勢制御方法の説明では、適宜、図1〜図4が参酌される。
(1)車体の姿勢角度及び第1角速度の取得
まず最初に、図4及び図6に示される姿勢角度検出部501を用いて、車体14の姿勢角度θb 及び姿勢角度の変化に伴う車体14の第1角速度(θb の1回微分)が検出される。図4〜図6に示されるように、演算処理部602は、姿勢角度検出部501から姿勢角度情報及び第1角速度情報を取得する(S10)。
次に、図4に示される回転数検出部607のACサーボモータ422(1)〜ACサーボモータ422(3)を用いて、オムニホイール401〜403の回転数が検出される。検出された回転数は、図4及び図6に示されるように、サーボアンプ605(1)〜サーボアンプ605(3)を介して角速度検出部604に出力される。角速度検出部604では、角速度情報θ0 としてオムニホイール401〜403の回転数を取得する。図5に示されるように、演算処理部602は、角速度検出部604から角速度情報θ0 を取得する(S11)。
ここで、図7に、全方向移動装置10の回転体12に対する3個のオムニホイール401〜403の配置位置を、原点O0とするX0軸、Y0 軸及びZ0 軸を含む3次元座標系により表した概略図が示されている。
回転体12に対するオムニホイール401〜403の各々の配置位置及び駆動力は、回転体12とオムニホイール401〜403の各々との接点の位置ベクトルpk と、接点における接線ベクトルtk により表される。n をオムニホイールの数として、k は1からn の整数である。位置ベクトルp1 は、回転体12の中心Ob から回転体12とオムニホイール401との接点までの位置ベクトルである。同様に、位置ベクトルp2 は中心Ob から回転体12とオムニホイール402との接点までの位置ベクトル、位置ベクトルp3 は中心Ob から回転体12とオムニホイール403との接点までの位置ベクトルである。
接線ベクトルt1 は、回転体12とオムニホイール401との接点における単位接線ベクトルである。同様に、接線ベクトルt2 は回転体12とオムニホイール402との接点における単位接線ベクトル、接線ベクトルt3 は回転体12とオムニホイール403との接点における単位接線ベクトルである。
上記式(5)により、オムニホイール401〜オムニホイール403の角速度から回転体12の第2角速度が算出される。図6に示されるように、第2角速度は演算処理部602を用いて算出され、図5に示されるように、演算処理部602は第2角速度を第2角速度情報として取得する(S12)。
車体14の姿勢を回転体12上において安定に維持するには、車体14の姿勢角度と車体14の第1角速度とに基づいて、車体14の姿勢を補正する回転体12の転動の際の角加速度の目標値及び車体14の旋回の際の角加速度の目標値が必要になる。目標値をu とすれば、目標値u は下記式(6)により算出される(図6参照)。
図5及び図6に示されるように、目標値u 、すなわち回転体12が転動する角加速度の目標値及び車体14が旋回する角加速度の目標値は演算処理部602を用いて算出される(S13)。
θxは回転体12の車体前後方向の軸周りの角度であり、角度θx は回転体12の車体前後方向の軸周りの角速度ωx から下記式(12)により表される。
θydは回転体12の車体幅方向の軸周りの目標角度であり、この目標角度θyd は下記式(14)により表される。
回転体12の操作角加速度は、第3角加速度として、図5及び図6に示されるように、演算処理部602を用いて算出される(S14)。
ここで、Ibxx ,Ibxy ,Ibxz ,Ibyy ,Ibyz ,Ibzz は車体14の慣性モーメントと慣性乗積である。mb は車体14の質量である。sz は回転体12の中心Ob から車体14の重心までの距離である。rs は回転体12の半径である。g は重力加速度定数である。ms は回転体12の質量である。
回転体12にトルクを生じさせるために、各オムニホイール401〜403が発生すべき操作トルクτo は下記式(23)により算出される。
以上説明した姿勢制御方法の手順が実行されると、全方向移動装置10では、車体14の姿勢を回転体12上において安定に維持することができる。そして、車体14の姿勢を安定に維持した状態において、全方向移動装置10を走行させることができる。
4個のオムニホイール401〜404を有する全方向移動装置10の姿勢制御方法は、基本的には3個のオムニホイール401〜403を有する全方向移動装置10の姿勢制御方法とほぼ同一である。ここでの姿勢制御方法の説明は、図4〜図6を用いて、重複する説明を極力省略しつつ、異なる手順だけを簡潔に説明する。
図4及び図6に示される姿勢角度検出部501を用いて、車体14の姿勢角度及び車体14の第1角速度が検出される。図4〜図6に示されるように、演算処理部602は、姿勢角度検出部501から姿勢角度情報及び第1角速度情報を取得する(S10)。
次に、図4に示される回転数検出部607のACサーボモータ422(1)〜ACサーボモータ422(4)を用いて、オムニホイール401〜404の回転数が検出される。検出された回転数は、図4及び図6に示されるように、サーボアンプ605(1)〜サーボアンプ605(4)を介して角速度検出部604に出力される。図5に示されるように、演算処理部602は角速度検出部604から角速度情報θ0 を取得する(S11)。
ここで、図8に、全方向移動装置10の回転体12に対する4個のオムニホイール401〜404の配置位置を3次元座標系により表した概略図が示されている。
回転体12に対するオムニホイール401〜404の各々の配置位置及び駆動力は、回転体12とオムニホイール401〜404の各々との接点の位置ベクトルpk と、接点における接線ベクトルtk により表される。位置ベクトルp1 は、回転体12の中心Obから回転体12とオムニホイール401との接点までの位置ベクトルである。同様に、位置ベクトルp2 は中心Obから回転体12とオムニホイール402との接点までの位置ベクトル、位置ベクトルp3 は中心Obから回転体12とオムニホイール403との接点までの位置ベクトルである。そして、位置ベクトルp4 は中心Obから回転体12とオムニホイール404との接点までの位置ベクトルである。
接線ベクトルt1 は、回転体12とオムニホイール401との接点における単位接線ベクトルである。同様に、接線ベクトルt2 は回転体12とオムニホイール402との接点における単位接線ベクトル、接線ベクトルt3 は回転体12とオムニホイール403との接点における単位接線ベクトルである。そして、接線ベクトルt4 は回転体12とオムニホイール404との接点における単位接線ベクトルである。
前述の式(4)に基づいて、式(25)に表される動力伝達行列T の一般化逆行列を用いると、前述の式(5)が得られ、オムニホイール401〜オムニホイール404の角速度から回転体12の第2角速度が算出される。図6に示されるように、第2角速度は演算処理部602を用いて算出され、図5に示されるように、演算処理部602は第2角速度情報を取得する(S12)。
車体14の姿勢角度と車体14の第1角速度とに基づいて、回転体12の転動の際の角加速度の目標値及び車体14の旋回の際の角加速度の目標値が算出される。目標値はu とされる。図5及び図6に示されるように、目標値uは、演算処理部602を用いて前述の式(6)により算出される(S13)。
目標値u にPID 制御が付加され、新たな角加速度の操作量が算出される(図6参照)。回転体12の操作角加速度は、第3角加速度として、図5及び図6に示されるように、演算処理部602を用いて算出される(S14)。
回転体12のトルクτs は前述の式(16)を用いて算出される(図6参照)。ここで、慣性行列の部分行列は前述の式(17)、式(18)及び式(19)により表され、又重力項は前述の式(20)、式(21)により表される。
回転体12の操作トルクは、図5及び図6に示されるように、演算処理部602を用いて算出される(S15)。
各オムニホイール401〜404が発生すべき操作トルクτoは前述の式(23)により算出される。操作トルクτoは、図5及び図6に示されるように、演算処理部602を用いて算出される(S16)。この操作トルクτoは、ホイール操作トルクとして、ACサーボモータ422(1)〜ACサーボモータ422(4)を介してオムニホイール401〜404に伝達される。
以上説明した姿勢制御方法の手順が実行されると、全方向移動装置10では、車体14の姿勢を回転体12上において安定に維持することができる。そして、車体14の姿勢を安定に維持した状態において、全方向移動装置10を走行させることができる。
図1(A)〜図1(D)に示される全方向移動装置10は、図2、図3(A)及び図3(B)に示されるように、球状の回転体12と、回転体12の表面に接して配設されたホイールとしてのオムニホイール401及び402、又はオムニホイール403及び404とを備える。オムニホイール401〜404は、円周方向Aに回転して回転体12に動力を伝達し、かつ、円周方向Aとは交差する方向Bに回転体12を転動可能とする。
このため、直進方向の移動に際して、オムニホイール401及び402、又はオムニホイール403及び404から回転体12へ動力が効率良く伝達され、最大出力により回転体12を直進方向へ転動させることができる。
ここで、rs は回転体Rbの半径である。
ここで、r0 はオムニホイールOh1 〜Oh3の半径である。
T は動力伝達行列である。
このときの位置ベクトルpkは、回転軸120に対して位置ベクトルpkが45度の傾きに設定されたとき、下記式(29)により表される。
また、単位接線ベクトルtkは下記式(30)により表される。
図10に示される比較例では、上記式(34)の動力伝達行列の1列目〜3列目の行列要素の列毎に絶対値が等しくなるので、左右方向への回転軸(水平軸Xb )、前進方向への回転軸(水平軸Yb )、旋回軸(垂直軸Zb )のそれぞれの出力が最大になる。
このときの位置ベクトルpkは、回転軸120に対して位置ベクトルpkが45度の傾きに設定されたとき、下記式(35)により表される。
また、単位接線ベクトルtkは下記式(36)により表される。
このため、姿勢安定システム600では車体14の姿勢を安定に維持する動力がオムニホイール401〜404から回転体12へ伝達されるので、車体14の姿勢が安定に維持された状態において、最大出力により回転体12を直進方向へ転動させることができる。
この結果、演算処理部602において、車体14の姿勢を安定に維持する動力が算出される。このため、動力がオムニホイール401〜404から回転体12へ伝達されるので、車体14の姿勢が安定に維持された状態において、最大出力により回転体12を直進方向へ転動させることができる。
このため、オムニホイール401〜404の配置間隔、回転体12の表面に対するオムニホイール401〜404の接触角度等に関係なく、車体14の姿勢を安定に維持することができる。表現を代えれば、本実施の形態に係る姿勢制御方法は、本実施の形態に係る全方向移動装置10の姿勢制御に適切な方法であると共に、他の装置の姿勢制御にも適用可能である。
図11を用いて、本発明の第2実施の形態に係る全方向移動装置10を説明する。ここで、本実施の形態の説明において、第1実施の形態に係る全方向移動装置10の構成要素と同一又は実質的に同一の構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
詳細な構造は省略するが、図2に示されるオムニホイール401〜404と同様に、メカナムホイール405〜408は、円周方向Aに回転して回転体12に駆動力を伝達し、かつ、円周方向Aと交差する方向Bに回転体12を転動可能とする。
図11に示される本実施の形態では、上記式(40)の動力伝達行列T の1列目〜3列目の行列要素の列毎に絶対値がすべて等しくなる。
トルク伝達行列T (TT T )-1の1列目〜3列目の行列要素の列毎に絶対値がすべて等しくなる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変形可能である。例えば、本発明は、3個のオムニホイール401〜403の場合、回転体12の回転軸120の一端側と他端側とを入れ替えてもよい。また、本発明は、5以上のオムニホイールを備えてもよい。なお、全方向移動装置の小型化並びに軽量化を図るためにはオムニホイールは3個又は4個とすることが好ましい。
さらに、上記変形例は、メカナムホイール405〜408についても同様である。
12 回転体
14 車体
40、42、44、46 駆動ユニット
401、402 オムニホイール(第1オムニホイール)
403、404 オムニホイール(第2オムニホイール)
405〜408 メカナムホイール
442(1)〜442(4) ACサーボモータ(駆動装置)
501 姿勢角度検出部
600 姿勢安定システム
602 演算処理部
604 角速度検出部
605、605(1)〜605(4) サーボアンプ
607 回転数検出部
図2に示されるように、第1駆動ユニット40は、第1オムニホイールとしてのオムニホイール401と、減速機441と、第1駆動装置としての例えば交流(AC)サーボモータ442(1)とを含んで構成されている。オムニホイール401は、シャフト(回転軸)430を介して減速機441に連結されている。
[0049]
オムニホイール401は、シャフト430の回転に従ってシャフト430の回転軸周りに回転し、かつ、回転軸方向に2連をなす第1ホイール410及び第2ホイール420を備えている。第1ホイール410のホイール本体411の円周上には、等間隔に配設された複数の樽状のローラ(バレル)412〜414が回転軸415を中心に回転自在に取り付けられている。ここで、等間隔とは120度間隔であり、3つのローラ412〜414が取り付けられている。第2ホイール420は第1ホイール410の減速機441側とは反対側に配設されている。第2ホイール420のホイール本体421の円周上には、同様に、等間隔に配設された複数の樽状のローラ422〜424が回転軸425を中心として回転自在に取り付けられている。第2ホイール420のローラ422〜424の配置間隔は、第1ホイール410のローラ412〜414の配置間隔に対して、半ピッチ、具体的には60度ずれている。このような構成により、オムニホイール401は、円周方向Aに回転して回転体12に動力を伝達し、かつ、円周方向Aと交差する方向(ここでは直交する方向)Bに回転体12を転動可能としている。
ここで、図2に示されるように、オムニホイール401のシャフト430の回転軸をaとし、ローラ412〜414の回転軸415をbとすれば、回転軸bは回転軸aに対してねじれの位置において直交している。
[0050]
第2駆動ユニット42、第3駆動ユニット44、第4駆動ユニット46のそれぞれの構成は、第1駆動ユニット40の構成と同一である。すなわち、図2に示されるように、第2駆動ユニット42は、第1オムニホイールとしてのオムニホイール402と、減速機441と、第1駆動装置としてのACサーボモータ442(2)とを含んで構成されている。第3駆動ユニット4
602を用いて算出される(S13)。
[0076]
(5)回転体の操作角加速度の算出
[0077]
車体14の姿勢を回転体12上で安定化する際に外乱の影響を低減する必要がある。このため、目標値uにPID制御(Proportional Integral Differential Controller)が付加され、新たな角加速度の操作量が算出される(図6参照)。
[数9]
[0078]
ωxdは回転体12の車体前後方向の軸周りの目標角速度であり、目標角速度ωxdは下記式(10)により表される。
[数10]
[0079]
θxdは回転体12の車体前後方向の軸周りの目標角度であり、この目標角度θxdは下記式(11)により表される。
[数11]
θxは回転体12の車体前後方向の軸周りの角度であり、角度θxは回転体12の車体前後方向の軸周りの角速度ωxから下記式(12)により表される。
イール402との接点における単位接線ベクトル、接線ベクトルt3は回転体12とオムニホイール403との接点における単位接線ベクトルである。そして、接線ベクトルt4は回転体12とオムニホイール404との接点における単位接線ベクトルである。
[0093]
回転体12の角速度ベクトルωsは、回転体12の車体前後方向の軸周りの角速度をωxとし、回転体12の車体幅方向の軸周りの角速度をωyとし、回転体12の車体上下方向の軸周りの角速度をωzとすると、前述の式(1)により表される。
[数25]
[0094]
動力伝達行列Tは、位置ベクトルp1,p2,p3,p4、接線ベクトルt1,t2,t3,t4及びオムニホイール401〜404の半径γ0から、下記式(25)により表される。
[数26]
前述の式(4)に基づいて、式(25)に表される動力伝達行列Tの一般化逆行列を用いると、前述の式(5)が得られ、オムニホイール401〜オムニホイール404の角速度から回転体12の第2角速度が算出される。図6に示されるように、第2角速度は演算処理部602を用いて算出され、図5に示されるように、演算処理部602は第2角速度情報を取得する(S12)。
姿勢を維持するオムニホイール401〜404のホイール操作トルクを算出する(S16)。このホイール操作トルクは、姿勢角度検出部501により検出される姿勢角度情報、第1角速度情報(S10)及び角速度検出部604により検出される第2角速度情報(S12)に基づいて、算出される。演算処理部602は、このホイール操作トルク情報に従って、図2及び図4に示されるACサーボモータ422(1)〜ACサーボモータ422(4)を作動させる。
このため、姿勢安定システム600では車体14の姿勢を安定に維持する動力がオムニホイール401〜404から回転体12へ伝達されるので、車体14の姿勢が安定に維持された状態において、最大出力により回転体12を直進方向へ転動させることができる。
[0125]
また、図4〜図6に示されるように、全方向移動装置10によれば、演算処理部602では、車体14の姿勢を維持させる、回転体12が転動する角加速度の目標値及び車体14が旋回する角加速度の目標値が算出される(S13)。目標値は姿勢角度情報、第1角速度情報(S10)及び第2角速度情報(S12)に基づいて算出される。演算処理部602では、更に目標値に一致させる回転体12の第3角加速度が算出され(S14)、第3角加速度に基づいて回転体12を操作する回転体操作トルクが算出される(S15)。この回転体操作トルクに基づいて、演算処理部602では、オムニホイール401〜404を操作するホイール操作トルクが算出される(S16)。
この結果、演算処理部602において、車体14の姿勢を安定に維持する動力が算出される。このため、動力がオムニホイール401〜404から回転体12へ伝達されるので、車体14の姿勢が安定に維持された状態において、最大出力により回転体12を直進方向へ転動させることができる。
[0126]
さらに、全方向移動装置10の姿勢制御方法によれば、図5に示されるように、姿勢安定システム600が、まず最初に、姿勢角度情報、第1角速度情報及び第2角速度情報を取得する(S10、S12)。 次に、姿勢角度
Claims (12)
- 球状の回転体と、
前記回転体を転動させて直進方向に移動させる回転軸の軸周りにおいて前記回転体の表面に接して複数配設され、円周方向に回転して前記回転体に動力を伝達し、かつ、円周方向と交差する方向に前記回転体を転動可能とするホイールと、
を備えた全方向移動装置。 - 球状の回転体と、
前記回転体を転動させて直進方向に移動させる回転軸の一端側の軸周りにおいて前記回転体の上半球の表面に接して複数配設され、円周方向に回転して前記回転体に動力を伝達し、かつ、円周方向と交差する方向に前記回転体を転動可能とする第1ホイールと、
前記回転軸の一端側の軸周りにおいて前記回転体の下半球の表面の特定位置に対する、前記回転体の中心対称位置の表面に接して配設され、円周方向に回転して前記回転体に動力を伝達し、かつ、円周方向と交差する方向に前記回転体を転動可能とする第2ホイールと、
を備えた全方向移動装置。 - 球状の回転体と、
前記回転体を転動させて直進方向に移動させる回転軸の一端側の軸周りにおいて前記回転体の上半球の表面に接して複数配設され、円周方向に回転して前記回転体に動力を伝達し、かつ、円周方向と交差する方向に前記回転体を転動可能とする第1ホイールと、
前記回転軸の他端側の軸周りにおいて前記回転体の上半球の表面に接して配設され、円周方向に回転して前記回転体に動力を伝達し、かつ、円周方向と交差する方向に前記回転体を転動可能とする第2ホイールと、
を備えた全方向移動装置。 - 前記第1ホイール及び前記第2ホイールは、オムニホイール又はメカナムホイールである請求項2又は請求項3に記載の全方向移動装置。
- 前記第1ホイールは2個配設され、前記第2ホイールは1個又は2個配設されている請求項2又は請求項3に記載の全方向移動装置。
- 前記第1ホイール及び前記第2ホイールは、前記回転体との接点の位置ベクトルと前記接点における接線ベクトルとで決まる動力伝達行列の行列要素のうち、前記回転軸の行列要素の列毎に絶対値が等しくなる位置に配設されている請求項2又は請求項3に記載の全方向移動装置。
- 前記動力伝達行列は、角速度を表す伝達行列を含んでいる請求項6に記載の全方向移動装置。
- 前記回転体の下半球の表面に接して又は近接させて、円周方向に回転し、かつ、円周方向とは交差する方向に前記回転体を転動可能とする補助輪を更に備えている請求項2又は請求項3に記載の全方向移動装置。
- 前記回転体上に設けられた車体と、
前記車体に取り付けられ、かつ、前記第1ホイールを回転させる第1駆動装置と、
前記車体に取り付けられ、かつ、前記第2ホイールを回転させる第2駆動装置と、
前記車体に配設され、前記車体の姿勢を安定に維持する姿勢安定システムと、
を更に備えた請求項2又は請求項3に記載の全方向移動装置。 - 前記姿勢安定システムは、
前記車体に装着され、前記車体の姿勢角度及び当該姿勢角度の変化に伴う第1角速度を検出する姿勢角度検出部と、
前記第1ホイール及び前記第2ホイールの回転数を検出する回転数検出部と、
前記回転数検出部による回転数の検出結果に基づいて、前記回転体が転動する第2角速度を検出する角速度検出部と、
前記姿勢角度検出部により検出される姿勢角度情報、第1角速度情報及び前記角速度検出部により検出される第2角速度情報に基づいて、前記車体の姿勢を維持する前記第1ホイール及び前記第2ホイールのホイール操作トルクを算出し、このホイール操作トルク情報に従って前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を作動させる演算処理部と、
を備えた請求項9に記載の全方向移動装置。 - 前記演算処理部は、
前記姿勢角度情報、前記第1角速度情報及び前記第2角速度情報に基づいて、前記車体の姿勢を維持させる、前記回転体が転動する角加速度の目標値及び前記車体が旋回する角加速度の目標値を算出し、
前記目標値に一致させる前記回転体の第3角加速度を算出し、
当該第3角加速度に基づいて前記回転体を操作する回転体操作トルクを算出し、
前記回転体操作トルク情報に基づいて、前記第1ホイール及び前記第2ホイールを操作する前記ホイール操作トルクを算出する
請求項10に記載の全方向移動装置。 - 前記請求項10に記載された全方向移動装置の姿勢安定システムが、
前記姿勢角度情報、前記第1角速度情報及び前記第2角速度情報を取得し、
前記姿勢角度情報、前記第1角速度情報及び前記第2角速度情報に基づいて、前記車体の姿勢を維持させる、前記回転体が転動する角加速度の目標値及び前記車体が旋回する角加速度の目標値を算出し、
前記目標値に一致させる前記回転体の第3角加速度を算出し、
当該第3角加速度に基づいて前記回転体を操作する回転体操作トルクを算出し、
前記回転体操作トルク情報に基づいて、前記第1ホイール及び前記第2ホイールを操作する前記ホイール操作トルクを算出する
全方向移動装置の姿勢制御方法。
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