JPWO2017217381A1 - 熱可塑性重合体組成物、該組成物を用いた多層フィルム及び成形体 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物、該組成物を用いた多層フィルム及び成形体 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、両極性接着性を有する熱可塑性重合体組成物、該熱可塑性重合体組成物と基材とからなる表面平滑性に優れた多層フィルムを提供することである。上記課題は、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、(メタ)アクリル系樹脂(C)1〜20質量部、及び少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂(B)1〜50質量部を含有する熱可塑性重合体組成物、並びに該熱可塑性重合体組成物からなる層及び基材層を有する多層フィルムにより解決される。

Description

本発明は、接着性及び表面平滑性に優れる熱可塑性重合体組成物及び該組成物を用いた多層フィルム、並びに該多層フィルムを具備する成形体に関する。
家電製品、電子部品、機械部品、自動車部品などの様々な用途で意匠性、耐久性、耐熱性及び機械強度に優れたセラミックス、金属、合成樹脂が幅広く使用されている。これらの部材は用途、部品構成及び使用方法などにより、異なる材料同士を接着または複合化して使用する場合がある。例えば、家電製品の外装・壁紙、自動車の内装などには、木目調などの絵柄による加飾や、メタリック調やピアノブラック調などの意匠性の付与及び耐傷つき性や耐候性といった機能性の付与などを目的として、加飾フィルムが用いられている。
しかしながら、特に加飾フィルムと被着体とが極性の異なる異種材料である場合、加飾フィルムが被着体に接着しないという問題がある。このような場合、フィルムを被着体に接着させるために、別途接着剤の塗布が必要となる。この作業には溶剤の塗工工程や乾燥工程、養生工程が必要であり接着性の付与に長い時間を要したり、VOCによる作業環境の悪化が懸念されたり、塗布ムラによる接着不良等が発生する。したがって、接着剤を必要とせず異種材料に接着できる加飾フィルムが求められている。
これに対し、特許文献1には、エチレン系重合体、粘着剤、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックを有するブロック共重合体またはその水添物を特定の割合で含有する、同種または異種材料を積層する場合に用いられる接着性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックからなるブロック共重合体またはその水添物と、シアン化ビニル化合物単量体成分、ゴム成分及び芳香族ビニル化合物単量体成分等からなる共重合体と、非芳香族系ゴム用軟化剤とを含有してなる、複合成形に適した熱融着用樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献3には、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー及び極性基含有ポリプロピレン系樹脂を含有する熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材に貼り合せ、次いで樹脂部材をインサート成形する接着体の製造方法が提案されている。
また、特許文献4には、ポリオレフィン系重合体、及び芳香族ビニル化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体またはその水素添加物を含有する熱可塑性樹脂組成物よりなる層(I)を含む、層間接着性に優れる積層体が開示されている。
特開平7−207082号公報 特開2001−247742号公報 特開2014−168940号公報 国際公開公報2007/066576パンフレット
特許文献1に記載の接着性組成物は、含有する粘着付与物質により表面粘着性が高いためフィルムにした際の取扱い性が悪く生産性が低くなるとともに、粘着付与物質のブリードアウトにより接着性能がばらついてしまうという問題がある。特許文献2に記載の熱融着用樹脂組成物も、含有する非芳香族系ゴム用軟化剤により上記と同様の問題がある。
また、特許文献3に記載の熱可塑性重合体組成物及び該熱可塑性重合体組成物からなるフィルムについて本発明者らが検討したところ、前記熱可塑性重合体組成物の表面に凹凸や荒れが発生し、平滑なフィルムを得ることが困難であった。また、係るフィルムを三次元表面加飾成形(Three dimension Overlay Method:TOM成形)に供したところ、熱可塑性重合体組成物表面の荒れがフィルム基材の表面に伝播し、基材の表面が平滑にならず、意匠性が悪化するという問題があった。
以上より、本発明の目的は、両極性接着性を有し、かつ表面平滑性にも優れた熱可塑性重合体組成物、該熱可塑性重合体組成物と基材とからなる表面平滑性に優れた多層フィルム及び加飾フィルム、並びにこれらのフィルムを具備する成形体を提供することである。
上記の課題を解決する本発明は、下記[1]〜[10]である。
[1]
芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂(B)1〜50質量部を含有する熱可塑性重合体組成物であって、前記熱可塑性重合体組成物を250℃、50mm/分の条件でキャピラリーレオメーターにより押出しして得られた、断面が長方形(縦8mm×横0.5mm)であるフィルム表面を、下記方法に従って測定したフィルムの表面粗さ(Ra)が0.15μm以下であることを特徴とする熱可塑性重合体組成物。
表面粗さ測定方法:スタイラス形状測定器で先端半径12.5μmの針を用いて算術平均荒さ(Ra)を測定する方法。;
[2]
前記重合体ブロック(D)を構成する共役ジエン化合物が、ブタジエン、イソプレン、またはブタジエン及びイソプレンであり、前記重合体ブロック(D)中の1,2−結合量及び3,4−結合量の合計が40モル%以上である、上記[1]に記載の熱可塑性重合体組成物;
[3]前記ポリプロピレン系樹脂(B)が非極性ポリプロピレン系樹脂である、上記[1]または[2]に記載の熱可塑性重合体組成物;
[4] 前記熱可塑性重合体組成物が、前記熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、さらに(メタ)アクリル系樹脂(C)を1〜25質量部含んでいることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物;
[5]前記(メタ)アクリル系樹脂(C)がメタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%以上含有する、上記[4]に記載の熱可塑性重合体組成物;
[6]基材層及び上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物からなる層を少なくとも有する多層フィルム;
[7]前記基材層が非晶性樹脂からなる、上記[6]に記載の多層フィルム;
[8]上記[6]または[7]に記載の多層フィルムからなる加飾フィルム;
[9]上記[6]若しくは[7]のいずれかに記載の多層フィルムまたは上記[8]に記載の加飾フィルムを具備する成形体。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、両極性接着性を有し、かつ表面平滑性にも優れるため、多層フィルムの接着層として好適に使用できる。また、本発明の多層フィルムは、前記熱可塑性重合体組成物からなる接着層を有するため被着体への接着性に優れ、また、前記熱可塑性重合体組成物が表面平滑性に優れることから、多層フィルムの基材も同様に表面平滑性に優れ、特に三次元表面加飾成形に好適に使用できる。本発明の成形体は、前記多層フィルムを具備するため、意匠性に優れる。
[熱可塑性重合体組成物]
本発明の熱可塑性重合体組成物は、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂(B)1〜50質量部、及び(メタ)アクリル系樹脂(C)1〜20質量部を含有するものである。以下、上記成分(A)〜(C)について順に説明する。
[熱可塑性エラストマー(A)]
熱可塑性重合体組成物が含有する熱可塑性エラストマー(A)は、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物である。前記熱可塑性エラストマー(A)は、熱可塑性重合体組成物に柔軟性や、良好な力学特性及び成形加工性などを付与するものであり、該組成物中でマトリックスの役割を果たす。
−芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)−
前記重合体ブロック(S)を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックは、これらの芳香族ビニル化合物の1種のみに由来する構造単位からなっていてもよいし、2種以上に由来する構造単位からなっていてもよい。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましい。
芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)は、好ましくは芳香族ビニル化合物単位80質量%以上、より好ましくは芳香族ビニル化合物単位90質量%以上、さらに好ましくは芳香族ビニル化合物単位95質量%以上を含有する重合体ブロックである。前記重合体ブロック(S)は、芳香族ビニル化合物単位のみを有していてもよいが、本発明の効果を損なわない限り、芳香族ビニル化合物単位と共に、他の共重合性単量体単位を有していてもよい。他の共重合性単量体としては、例えば、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどが挙げられる。他の共重合性単量体単位を有する場合、その割合は、芳香族ビニル化合物単位及び他の共重合性単量体単位の合計量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
−共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)−
前記重合体ブロック(D)を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、ブタジエン、イソプレンが好ましい。
共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)は、これらの共役ジエン化合物の1種のみに由来する構造単位からなっていてもよいし、2種以上に由来する構造単位からなっていてもよい。特に、ブタジエンまたはイソプレンに由来する構造単位、またはブタジエン及びイソプレンに由来する構造単位からなっていることが好ましい。
共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)は、好ましくは共役ジエン化合物単位80質量%以上、より好ましくは共役ジエン化合物単位90質量%以上、さらに好ましくは共役ジエン化合物単位95質量%以上を含有する重合体ブロックである。前記重合体ブロック(D)は、共役ジエン化合物単位のみを有していてもよいが、本発明の妨げにならない限り、共役ジエン化合物単位と共に、他の共重合性単量体単位を有していてもよい。他の共重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンなどが挙げられる。他の共重合性単量体単位を有する場合、その割合は、共役ジエン化合物単位及び他の共重合性単量体単位の合計量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)を構成する共役ジエンの結合形態は特に制限されない。例えば、ブタジエンの場合には、1,2−結合、1,4−結合を、イソプレンの場合には、1,2−結合、3,4−結合、1,4−結合をとることができる。そのうちでも、共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)がブタジエンからなる場合、イソプレンからなる場合、またはブタジエンとイソプレンの両方からなる場合は、前記重合体ブロック(D)における1,2−結合量及び3,4−結合量の合計が、特に高い接着性能を発現するという観点から40モル%以上であることが好ましい。前記重合体ブロック(D)における1,2−結合量及び3,4−結合量の合計は、40〜90モル%であることが好ましく、50〜80モル%であることがより好ましい。
なお、1,2−結合量及び3,4−結合量の合計量は、H−NMR測定によって算出できる。具体的には、1,2−結合及び3,4−結合単位に由来する4.2〜5.0ppmに存在するピークの積分値及び1,4−結合単位に由来する5.0〜5.45ppmに存在するピークの積分値との比から算出できる。
熱可塑性エラストマー(A)における芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)との結合形態は特に制限されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはこれらの2つ以上が組み合わさった結合形態のいずれであってもよいが、直鎖状の結合形態であることが好ましい。
直鎖状の結合形態の例としては、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)をaで、共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)をbで表したとき、a−bで表されるジブロック共重合体、a−b−aまたはb−а−bで表されるトリブロック共重合体、a−b−a−bで表されるテトラブロック共重合体、a−b−a−b−aまたはb−a−b−a−bで表されるペンタブロック共重合体、(а−b)nX型共重合体(Xはカップリング残基を表し、nは2以上の整数を表す)、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、トリブロック共重合体が好ましく、a−b−aで表されるトリブロック共重合体であることがより好ましい。
熱可塑性エラストマー(A)は、耐熱性及び耐候性を向上させる観点から、共役ジエン化合物を含有する重合体ブロック(D)の一部または全部が水素添加(以下、「水添」と略称することがある)されていることが好ましい。その際の共役ジエン化合物を含有する重合体ブロックの水添率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。ここで、本明細書において、水添率は、水素添加反応前後のブロック共重合体のヨウ素価を測定して得られる値である。
熱可塑性エラストマー(A)における芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)の含有量は、その柔軟性、力学特性の観点から、熱可塑性エラストマー(A)全体に対して、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
また、熱可塑性エラストマー(A)の重量平均分子量は、その力学特性、成形加工性の観点から、好ましくは30,000〜500,000、より好ましくは50,000〜400,000、より好ましくは60,000〜200,000、さらに好ましくは70,000〜200,000、特に好ましくは70,000〜190,000、最も好ましくは80,000〜180,000である。なお、本明細書において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
熱可塑性エラストマー(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性エラストマー(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えばアニオン重合法により製造することができる。具体的には、(i)アルキルリチウム化合物を開始剤として用い、前記芳香族ビニル化合物、前記共役ジエン化合物、次いで前記芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法;(ii)アルキルリチウム化合物を開始剤として用い、前記芳香族ビニル化合物、前記共役ジエン化合物を逐次重合させ、次いでカップリング剤を加えてカップリングする方法;(iii)ジリチウム化合物を開始剤として用い、前記共役ジエン化合物、次いで前記芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法などが挙げられる。
上記アニオン重合の際、有機ルイス塩基を添加することによって、熱可塑性エラストマー(A)における前記重合体ブロック(D)の1,2−結合量及び3,4−結合量を増やすことができ、該有機ルイス塩基の添加量によって、1,2−結合量及び3,4−結合量を容易に制御することができる。
該有機ルイス塩基としては、例えば、酢酸エチルなどのエステル;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモルホリンなどのアミン;ピリジンなどの含窒素複素環式芳香族化合物;ジメチルアセトアミドなどのアミド;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンなどが挙げられる。
さらに、上記で得られた未水添の熱可塑性エラストマー(A)を水素添加反応に付すことによって、水添された熱可塑性エラストマー(A)を製造することができる。水素添加反応は、反応及び水素添加触媒に対して不活性な溶媒に上記で得られた未水添の熱可塑性エラストマー(A)を溶解させるか、または、未水添の熱可塑性エラストマー(A)を前記の反応液から単離せずにそのまま用い、水素添加触媒の存在下、水素と反応させることにより行うことができる。
また、熱可塑性エラストマー(A)としては、市販品を使用することもできる。
[ポリプロピレン系樹脂(B)]
ポリプロピレン系樹脂(B)は、これを熱可塑性重合体組成物に含有させることにより成形加工性が向上し、該熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを作成しやすくなる。また、フィルムの力学特性が向上し、取扱いが容易となる。さらに、熱可塑性重合体組成物の主に非極性樹脂に対する接着性が向上し、基材または被着体と良好に接着することが可能となる。
ポリプロピレン系樹脂(B)としては、プロピレン単独重合体またはプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1 等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂(B)としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−オクテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセンランダム共重合体等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂(B)が有する全構造単位においてプロピレン以外の前記α−オレフィンに由来する構造単位が占める割合は、熱可塑性エラストマー(A)との親和性の観点から、好ましくは0〜45モル%であり、より好ましくは0〜35モル%であり、さらに好ましくは0〜25モル%の範囲である。換言すれば、ポリプロピレン系樹脂(B)におけるプロピレンに由来する構造単位の含有量は55モル%以上が好ましく、65モル%以上がより好ましく、75モル%以上がさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ポリプロピレン系樹脂(B)としては、極性官能基を有しない非極性ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。非極性ポリプロピレン系樹脂を用いることにより押出成形時にメルトフラクチャー現象が発生しづらくなり、多層フィルムの表面が平滑になるという点で優れる。
ポリプロピレン系樹脂(B)は、従来公知の方法で合成することができ、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒やメタロセン型触媒を用いて、プロピレン単独重合体、ランダム、もしくはブロックのプロピレンとα−オレフィンとの共重合体を合成することができる。また、ポリプロピレン系樹脂(B)は市販品を用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂(B)の230℃、荷重2.16kg(21.18
N)の条件下におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜300g/10分、より好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましくは0.1〜70g/10分である。ポリプロピレン系樹脂(B)の上記条件下におけるMFRが0.1g/10分以上であれば、良好な成形加工性が得られる。一方、該MFRが300g/10分以下であれば、力学特性が発現し易い。熱可塑性重合体組成物の表面平滑性向上の観点からは、ポリプロピレン系樹脂(B)の上記条件下におけるMFRが5〜60g/10分であることがより好ましく、8〜50g/10分であることが更に好ましい。熱可塑性重合体組成物の接着性向上の観点からは、ポリプロピレン系樹脂(B)の上記条件下におけるMFRが1〜50g/10分であることがより好ましく、3〜30g/10分であることが更に好ましい。また、MFRの異なる2種以上のポリプロピレン系樹脂(B)を用いることにより、表面平滑性及び接着性の双方を向上させられる場合があり好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(B)の融点は、耐熱性および加熱処理による接着性の観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは100〜170℃、さらに好ましくは110〜140℃である。
熱可塑性重合体組成物は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、ポリプロピレン系樹脂(B)を1〜50質量部含有する。ポリプロピレン系樹脂(B)が1質量部より少ないと、被着体に加熱処理によって接着させることが難しいことがある。一方、ポリプロピレン系樹脂(B)が50質量部より多くなると、熱可塑性重合体組成物が硬くなり、柔軟性及び力学特性が発現しにくくなることがある。ポリプロピレン系樹脂(B)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは40質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以下である。
ポリプロピレン系樹脂(B)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
[(メタ)アクリル系樹脂(C)]
(メタ)アクリル系樹脂(C)は、熱可塑性重合体組成物の接着性を向上させるためのものであり、熱可塑性重合体組成物に(メタ)アクリル系樹脂(C)を含有させることにより、熱可塑性重合体組成物の主に極性樹脂に対する接着性が向上し、該熱可塑性重合体組成物を用いた多層フィルムにおいて、熱可塑性重合体組成物と下記記載の基材層とを強固に接着することが可能となる。
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂(C)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%以上、好ましくは90質量%以上有する。換言すると、(メタ)アクリル系樹脂(C)のメタクリル酸メチル以外の単量体に由来する構造単位を20質量%以下、好ましくは10質量%以下とする。(メタ)アクリル系樹脂(C)は、メタクリル酸メチルのみを単量体とする重合体であってもよい。
かかるメタクリル酸メチル以外の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−へキシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシル;アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル;アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸ノルボルネニル、アクリル酸イソボニルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−へキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシル;メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル;メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ノルボルネニル、メタクリル酸イソボニルなどのメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−オクテンなどのオレフィン;ブタジエン、イソプレン、ミルセンなどの共役ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂(C)の立体規則性は、特に制限されず、例えば、イソタクチック、ヘテロタクチック、シンジオタクチックなどの立体規則性を有するものを用いてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂(C)の重量平均分子量は、好ましくは20,000以上180,000以下、より好ましくは30,000以上150,000以下、特に好ましくは30,000以上130,000以下である。重量平均分子量が小さいと、得られる熱可塑性重合体組成物の力学強度低下する傾向がある。重量平均分子量が大きいと熱可塑性重合体組成物の流動性が低下し成形加工性が低下する傾向がある。
また、(メタ)アクリル系樹脂(C)の分子量や分子量分布は、重合開始剤及び連鎖移動剤の種類や量などを調整することによって制御できる。
(メタ)アクリル系樹脂(C)の製造方法は特に限定されず、メタクリル酸メチルを80質量%以上含む単量体(混合物)を重合するか、またはメタクリル酸メチル以外の単量体と共重合することによって得られる。また、(メタ)アクリル系樹脂(C)として市販品を用いてもよい。かかる市販されているメタクリル樹脂としては、例えば「パラペットH1000B」(MFR:22g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットGF」(MFR:15g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットEH」(MFR:1.3g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットHRL」(MFR:2.0g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットHRS」(MFR:2.4g/10分(230℃、37.3N))及び「パラペットG」(MFR:8.0g/10分(230℃、37.3N))[いずれも商品名、株式会社クラレ製]などが挙げられる。
熱可塑性重合体組成物は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、(メタ)アクリル系樹脂(C)を1〜25質量部含有するのが好ましく、3〜20質量部含有するのがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(C)が1質量部より少ないと、被着体に加熱処理によって接着させることが難しいことがある。一方、(メタ)アクリル系樹脂(C)が25質量部より多くなると、熱可塑性重合体組成物が硬くなり、柔軟性及び力学特性が発現しにくくなることがある。
上記観点より、(メタ)アクリル系樹脂(C)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは1〜18質量部、より好ましくは3〜15質量部である。
[その他の成分]
本発明の熱可塑性重合体組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、必要に応じてオレフィン系重合体、スチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレングリコールなど、他の熱可塑性重合体を含有していてもよい。オレフィン系重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、プロピレンとエチレンや1−ブテンなどの他のα−オレフィンとのブロック共重合体やランダム共重合体などが挙げられる。
他の熱可塑性重合体を含有させる場合、その含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、光安定剤、加工助剤、顔料や色素などの着色剤、難燃剤、帯電防止剤、艶消し剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、発泡剤、抗菌剤、防カビ剤、香料などを含有していてもよい。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系、リン系、ラクトン系、ヒドロキシル系の酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
[熱可塑性重合体組成物の製造方法]
本発明の熱可塑性重合体組成物を調製する方法は特に制限されないが、該熱可塑性重合体組成物を構成する各成分の分散性を高めるため、例えば、溶融混練して混合する方法が推奨される。この場合に、熱可塑性エラストマー(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)及び(メタ)アクリル系樹脂(C)と、必要に応じて添加されるその他の成分とを同時に混合して溶融混練してもよい。混合操作は、例えばニ一ダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどの既知の混合または混練装置を使用して行なうことができる。特に、熱可塑性エラストマー(A)と(メタ)アクリル系樹脂(C)の混練性、相溶性を向上させる観点から、二軸押出機を使用することが好ましい。混合・混練時の温度は、使用する熱可塑性エラストマー(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)、(メタ)アクリル系樹脂(C)、等の溶融温度などに応じて適宜調節するのがよく、通常110℃〜300℃の範囲内の温度で混合するとよい。
このようにして、本発明の熱可塑性重合体組成物を、ペレット、粉末などの任意の形態で得ることができる。得られた熱可塑性重合体組成物は、フィルム、シート、プレート、パイプ、チューブ、棒状体、粒状体など種々の形状に成形することができる。これらの製造方法は特に制限はなく、従来からの各種成形法、例えば射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などにより成形することができる。
[多層フィルム]
本発明の多層フィルムは、基材層と本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層を少なくとも有する。以下、本発明の多層フィルムで用いられる基材層について説明する。
[基材層]
基材層としては特に限定されるものではないが、非晶性樹脂からなるものが好ましい。本明細書において「非晶性樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)曲線において明確な融点を持たない樹脂を意味する。
非晶性樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。中でも耐候性、表面光沢性、耐擦傷性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリエステル系樹脂が好ましく、透明性及び表面光沢性の観点から(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。かかる(メタ)アクリル系樹脂としては、メタクリル樹脂(F)及び弾性体(R)を含む(メタ)アクリル系樹脂組成物がより好ましい。
メタクリル樹脂(F)はメタクリル酸メチルに由来する構造単位を好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上有する。換言すると、メタクリル樹脂(F)はメタクリル酸メチル以外の単量体に由来する構造単位を好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下有し、メタクリル酸メチルのみを単量体とする重合体であってもよい。
係るメタクリル酸メチル以外の単量体としては、前述の(メタ)アクリル系樹脂(C)でメタクリル酸メチル以外の単量体として挙げられたものと同様のものを使用することができる。
メタクリル樹脂(F)の立体規則性は特に制限されず、例えばイソタクチック、ヘテロタクチック、シンジオタクチックなどの立体規則性を有するものを用いてもよい。
メタクリル樹脂(F)の重量平均分子量は好ましくは20,000〜180,000の範囲であり、より好ましくは30,000〜150,000の範囲である。重量平均分子量が20,000未満だと耐衝撃性や靭性が低下する傾向となり、180,000より大きいとメタクリル樹脂(F)の流動性が低下し成形加工性が低下する傾向となる。
メタクリル樹脂(F)の製造方法は特に限定されず、メタクリル酸メチルを80質量%以上含む単量体(混合物)を重合するか、メタクリル酸メチル以外の単量体と共重合して得られる。また、メタクリル樹脂(F)として市販品を用いてもよい。
また、前述の熱可塑性重合体組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(C)と、基材層に用いられるメタクリル樹脂(F)とは同一であってもよく、コモノマー比、分子量、MFR等が異なるものであってもよい。
弾性体(R)としてはブタジエン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ブロック共重合体、多層構造体などが挙げられ、これらを単独でまたは組み合わせて用いてもよい。これらの中でも透明性、耐衝撃性、分散性の観点からブロック共重合体または多層構造体が好ましく、アクリル系ブロック共重合体(G)または多層構造体(E)がより好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(G)はメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)及びアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)を有する。アクリル系ブロック共重合体(G)はメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)及びアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)をそれぞれ1つのみ有していてもよいし、複数有していてもよい。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)はメタクリル酸エステルに由来する構造単位を主たる構成単位とするものである。メタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)におけるメタクリル酸エステルに由来する構造単位の割合は、延伸性、表面硬度の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上である。
係るメタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリルなどが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて重合できる。これらの中でも、透明性、耐熱性の観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)はメタクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位を含んでもよく、延伸性及び表面硬度の観点から、その割合は好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
前記メタクリル酸エステル以外の単量体としては、例えばアクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、芳香族ビニル化合物、オレフィン、共役ジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ブロック共重合体(G)がメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)を複数有する場合、それぞれのメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)を構成する構造単位の組成比や分子量は相互に同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ブロック共重合体(G)におけるメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)の割合は、透明性、柔軟性、成形加工性及び表面平滑性の観点から、好ましくは10質量%〜70質量%の範囲であり、より好ましくは25質量%〜60質量%の範囲である。ブロック共重合体(G)にメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)が複数含まれる場合、前記の割合はすべてのメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)の合計質量に基づいて算出する。
アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)はアクリル酸エステルに由来する構造単位を主たる構成単位とするものである。アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)におけるアクリル酸エステルに由来する構造単位の割合は、三次元被覆成形性及び延伸性の観点から好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
係るアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリルなどが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて重合できる。
アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)は、延伸性、透明性の観点から、アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸芳香族エステルからなることが好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。これらのうち、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
(メタ)アクリル酸芳香族エステルはアクリル酸芳香族エステルまたはメタクリル酸芳香族エステルを意味し、芳香環を含む化合物が(メタ)アクリル酸にエステル結合してなる。係る(メタ)アクリル酸芳香族エステルとしては、例えばアクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸スチリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸スチリルなどが挙げられる。中でも透明性の観点から、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸ベンジルが好ましい。
アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)がアクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸芳香族エステルからなる場合、透明性の観点から該アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)はアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位50〜90質量%及び(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位50〜10質量%を含むことが好ましく、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位60〜80質量%及び(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位40〜20質量%を含むことがより好ましい。
アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)はアクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位を含んでもよく、アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)においてその含有量は好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。
アクリル酸エステル以外の単量体としては、例えばメタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、芳香族ビニル化合物、オレフィン、共役ジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ブロック共重合体(G)がアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)を複数有する場合、それぞれのアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)を構成する構造単位の組成比や分子量は相互に同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ブロック共重合体(G)におけるアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の割合は、透明性、柔軟性、成形加工性、表面平滑性の観点から、好ましくは30〜90質量%の範囲であり、より好ましくは40〜75質量%の範囲である。ブロック共重合体(G)にアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)が複数含まれる場合、係る割合はすべてのアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の合計質量に基づいて算出する。
ブロック共重合体(G)におけるメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)とアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の結合形態は特に限定されず、例えばメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)の一末端にアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の一末端が繋がった構造((g1)−(g2)構造);メタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)の両末端にアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の一末端が繋がった構造((g2)−(g1)−(g2)構造);アクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の両末端にメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)の一末端が繋がった構造((g1)−(g2)−(g1)構造)など、メタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)及びアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)が直列に繋がった構造が挙げられる。これらの中でも、(g1)−(g2)構造のジブロック共重合体または(g1)−(g2)−(g1)構造のトリブロック共重合体が特に好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(G)は、分子鎖中または分子鎖末端に水酸基、カルボキシル基、酸無水物、アミノ基などの官能基を有してもよい。
アクリル系ブロック共重合体(G)の重量平均分子量は好ましくは60,000〜400,000の範囲であり、より好ましくは60,000〜200,000の範囲である。ブロック共重合体(G)の重量平均分子量が60,000未満だと溶融押出成形において十分な溶融張力を保持できず良好なフィルムが得られにくく、また得られたフィルムの破断強度などの力学物性が低下する傾向となり、400,000より大きいと溶融樹脂の粘度が高くなり、溶融押出成形で得られるフィルムの表面に微細なシボ調の凹凸や未溶融物(高分子量体)に起因するブツが生じ、良好なフィルムが得られにくい傾向となる。
アクリル系ブロック共重合体(G)の分子量分布は好ましくは1.0〜2.0の範囲であり、より好ましくは1.0〜1.6の範囲である。このような範囲内に分子量分布があることで、基材層においてブツの発生原因となる未溶融物の含有量を低減できる。なお、重量平均分子量及び数平均分子量はGPCで測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。
アクリル系ブロック共重合体(G)の屈折率は好ましくは1.485〜1.495の範囲であり、より好ましくは1.487〜1.493の範囲である。屈折率がこの範囲内であると、得られる基材層の透明性が高くなる。なお、屈折率は波長587.6nm(d線)で測定した値である。
アクリル系ブロック共重合体(G)の製造方法は特に限定されず、公知の手法に準じた方法を採用でき、例えば各重合体ブロックを構成する単量体をリビング重合する方法が一般に使用される。このようなリビング重合の手法としては、例えば有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用いアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩などの鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法;有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法;有機希土類金属錯体を重合開始剤として用い重合する方法;α−ハロゲン化エステル化合物を開始剤として用い銅化合物の存在下でラジカル重合する方法などが挙げられる。また、多価ラジカル重合開始剤や多価ラジカル連鎖移動剤を用いて各ブロックを構成するモノマーを重合させ、アクリル系ブロック共重合体(G)を含有する混合物として製造する方法なども挙げられる。これらの方法のうち、アクリル系ブロック共重合体(G)を高純度で得られ、また分子量や組成比の制御が容易であり、かつ経済的であることから、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法が好ましい。
多層構造体(E)は内層及び外層の少なくとも2層を含有し、内層及び外層が中心層から最外層方向へこの順に配されている層構造を少なくとも一つ有している。多層構造体(E)は内層の内側または外層の外側にさらに架橋性樹脂層を有してもよい。
上記内層は、アクリル酸アルキルエステル及び架橋性単量体を有する単量体混合物を共重合してなる架橋弾性体から構成される層である。係るアクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜8の範囲であるアクリル酸アルキルエステルが好ましく用いられ、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられる。内層の共重合体を形成させるために使用される全単量体混合物におけるアクリル酸アルキルエステルの割合は、耐衝撃性の点から、好ましくは70〜99.8質量%の範囲であり、より好ましくは80〜90質量%である。
上記内層に用いられる架橋性単量体は一分子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有するものであればよく、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレートなどグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルなど不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなど多塩基酸のポリアルケニルエステル、トリメチロールプロパントリアクリレートなど多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル、ジビニルベンゼンなどが挙げられ、不飽和カルボン酸のアルケニルエステルや多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましい。全単量体混合物における架橋性単量体の量は、基材層の耐衝撃性、耐熱性及び表面硬度を向上させる観点から、0.2〜30質量%の範囲が好ましく、0.2〜10質量%の範囲がより好ましい。
上記内層を形成する単量体混合物は他の単官能性単量体をさらに有してもよい。係る単官能性単量体は、例えばメタクリル酸メチル、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート;フェニルメタクリレートなどのメタクリル酸とフェノール類のエステル、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸と芳香族アルコールとのエステルなどのメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン系単量体などが挙げられる。全単量体混合物における他の単官能性単量体の量は、基材層の耐衝撃性を向上させる観点から、好ましくは24.5質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
上記外層は基材層の耐熱性の点からメタクリル酸メチルを80質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する単量体混合物を重合してなる硬質熱可塑性樹脂から構成される。また、硬質熱可塑性樹脂は他の単官能性単量体を20質量%以下、好ましくは10質量%以下含む。他の単官能性単量体としては、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸;メタクリル酸などが挙げられる。
多層構造体(E)における内層及び外層の含有率は、得られる基材層の耐衝撃性、耐熱性、表面硬度、取扱性及び溶融混練の容易さなどの観点から、多層構造体(E)の質量(例えば2層からなる場合は内層及び外層の総量)を基準として、内層の含有率が40〜80質量%の範囲から選ばれ、外層の含有率が20〜60質量%の範囲から選ばれることが好ましい。
多層構造体(E)を製造するための方法は特に限定されないが、多層構造体(E)の層構造の制御の観点から乳化重合により製造されることが好ましい。
基材層が、メタクリル樹脂(F)及び弾性体(R)を含む(メタ)アクリル系樹脂組成物から構成される場合、各成分の含有量は、メタクリル樹脂(F)と弾性体(R)との合計100質量部に対して、メタクリル樹脂(F)の含有量が10〜99質量部であり、弾性体(R)の含有量が90〜1質量部であることが好ましい。メタクリル樹脂(F)の含有量が10質量部未満だと、基材層の表面硬度が低下する傾向となる。より好ましくは、メタクリル樹脂(F)と弾性体(R)との合計100質量部に対して、メタクリル樹脂(F)の含有量が55〜90質量部であり、弾性体(R)の含有量が45〜10質量部である。さらに好ましくは、メタクリル樹脂(F)の含有量が70〜90質量部であり、弾性体(R)の含有量が30〜10質量部である。
基材層を構成する非晶性樹脂は、110〜160℃の範囲における任意の温度で弾性率が2〜600MPaであることが好ましい。弾性率が2MPa未満だと真空成形時の伸びが不均一になる傾向となり、弾性率が600MPaより大きいと真空成形時に割れや破断が発生する傾向となる。なお、弾性率は[MPa]単位で表したときの少数点第一位を四捨五入した値である。
基材層を構成する非晶性樹脂は各種の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、高分子加工助剤着色剤、耐衝撃助剤などを含有してもよい。
また、上記非晶性樹脂は他の重合体と混合して使用できる。係る他の重合体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリノルボルネンなどのポリオレフィン樹脂;エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;メチルメタクリレート−スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマーなどのポリアミド;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン変性樹脂;アクリルゴム、シリコーンゴム;スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマー;イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムなどのオレフィン系ゴムなどが挙げられる。
基材層を構成する非晶性樹脂を調製する方法は特に制限されないが、該非晶性樹脂を構成する各成分の分散性を高めるため、溶融混練して混合する方法が好ましい。混合操作は、例えばニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどの既知の混合または混練装置を使用でき、混練性、相溶性を向上させる観点から、二軸押出機を使用することが好ましい。混合・混練時の温度は使用する非晶性樹脂の溶融温度などに応じて適宜調節すればよく、通常110〜300℃の範囲である。二軸押出機を使用し溶融混練する場合、着色抑制の観点から、ベントを使用し、減圧下で及び/または窒素雰囲気下で溶融混練することが好ましい。
[その他の層]
本発明の多層フィルムは、基材層及び/または熱可塑性重合体組成物からなる層に絵柄、文字、図形などの模様または色彩が印刷されていてもよい。模様は有彩色のものであっても無彩色のものであってもよい。印刷の方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、インキジェット印刷など公知の印刷法が挙げられる。印刷においては、係る印刷方法で一般的に使用される、ポリビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース樹脂などの樹脂をバインダーとして、顔料または染料を着色剤として含有する樹脂組成物を使用することが好ましい。
本発明の多層フィルムに用いられる基材層は、着色されていてもよい。着色法としては、前記非晶性樹脂自体に、顔料または染料を含有させ、フィルム化前の樹脂自体を着色する方法;非晶性樹脂フィルムを、染料が分散した液中に浸漬して着色させる染色法などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の多層フィルムは、基材層に金属または金属酸化物が蒸着されてもよい。係る金属または金属酸化物としてはスパッタや真空蒸着などに使用される金属または金属酸化物を特に制限なく使用でき、例えば金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、インジウムやこれらの酸化物などが挙げられる。また、これらの金属または金属酸化物は単独で使用してもよく、2以上の混合物として使用してもよい。基材層に金属または金属酸化物を蒸着する方法としては、蒸着やスパッタなどの真空成膜法や、電解メッキ、無電解メッキなどが挙げられる。
本発明の多層フィルムの基材層側の表面は、鉛筆硬度でHBまたはそれよりも硬いことが好ましく、Hまたはそれよりも硬いことがより好ましい。鉛筆硬度がHBよりも硬いと多層フィルムが傷つき難く、意匠性の要求される成形品の表面の加飾兼保護フィルムとして好適に用いられる。
本発明の多層フィルムの全厚さは好ましくは20〜1,000μmの範囲であり、より好ましくは50〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは100〜400μmの範囲である。多層フィルムの厚さが20μm以上であれば製造が容易となり、耐衝撃性及び加熱時の反り低減に優れ、着色時に隠蔽性を有する。多層フィルムの厚さが1,000μm以下であれば、三次元被覆成形性がよくなる傾向となる。
本発明の多層フィルムにおいて、基材層の厚さは、500μm以下であることが好ましい。500μmより厚くなると、ラミネート性、ハンドリング性、切断性・打抜き性などの二次加工性が低下し、フィルムとしての使用が困難になるとともに、単位面積あたりの単価も増大し、経済的に不利であるため好ましくない。基材層の厚さとしては40〜300μmがより好ましく、50〜250μmが特に好ましい。
熱可塑性重合体組成物からなる層の厚さ(x)に対する基材層の厚さ(y)の比(y/x)は、好ましくは0.2〜5の範囲であり、より好ましくは0.5〜4の範囲であり、さらに好ましくは0.8〜3の範囲である。上記比(y/x)の値が0.2未満だと表面硬度が低くなる傾向となり、5よりも大きいと多層フィルムが破断しやすくなる傾向となり、4よりも大きいとより延伸性が低くなる傾向となる。
[多層フィルムの製造方法]
本発明の多層フィルムは、基材層と本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層とを有するものであり、基材層の一方の面に前記熱可塑性重合体組成物からなる層を積層して得ることができる。
前記基材層の製造方法は特に制限はなく、例えば非晶性樹脂を用いる場合は、Tダイ法、インフレーション法、溶融流延法、カレンダー法等の公知の方法を用いて行うことができる。良好な表面平滑性、低ヘイズのフィルムが得られるという観点から、基材層を構成する非晶性樹脂の溶融混練物をTダイから溶融状態で押し出し、その両面を鏡面ロール表面または鏡面ベルト表面に接触させて成形する工程を含む方法が好ましい。この際に用いるロールまたはベルトは、いずれも金属製であることが好ましい。このように押し出された溶融混練物の両面を鏡面に接触させて製膜する場合には、フィルム両面を鏡面ロール若しくは鏡面ベルトで加圧し挟むことが好ましい。鏡面ロール若しくは鏡面ベルトによる挟み込み圧力は、高いほうが好ましく、線圧として10N/mm以上であることが好ましく、30N/mm以上であることがさらに好ましい。
なお、基材層は、延伸処理が施されたフィルムであってもよい。延伸処理によって、機械的強度が高まり、ひび割れし難くなる。延伸方法は特に限定されず、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、チュブラー延伸法、圧延法などが挙げられる。
上記のようにして得られた基材層に対する熱可塑性重合体組成物からなる層の積層は、基材層に前記熱可塑性重合体組成物の溶液を塗布する方法、基材層に前記熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをラミネートする方法等を挙げることができる。前記熱可塑性重合体組成物からなるフィルムは、上記で例示した基材層の製造方法と同様にして得ることができる。
また、基材層を構成する非晶性樹脂と熱可塑性重合体組成物とをTダイ法を用いた共押出しにより製造することもできる。特に、マルチマニホールドダイを用いた共押出し成形法が好ましい。
[成形体]
本発明の成形体は、本発明の多層フィルムまたは該多層フィルムからなる加飾フィルムを具備するものである。より好ましくは、本発明の多層フィルムが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、木質基材または非木質繊維基材等の被着体の表面に設けられてなるものである。
被着体として用いられる前記熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、他の(メタ)アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂などが挙げられる。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。また、成形体は、本発明の多層フィルムが、木製基材やケナフなどの非木質繊維の表面に設けられてなるものであってもよい。
成形体の製法は、特に制限されない。例えば、本発明の多層フィルムを、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、木製基材及び非木質繊維基材等の被着体の表面に、加熱下で真空成形・圧空成形・圧縮成形することにより、本発明の成形体を得ることができる。成形体は、本発明の多層フィルムにおける基材層が、成形体の最表層に設けられており、それによって、表面平滑性、表面硬度、表面光沢などに優れる。中でも多様な被着体に精度よく賦形および接着できる点から真空成形及び/または圧空成形が好ましく、真空成形と圧空成形を組み合わせた三次元表面加飾成形(Three dimension Overlay Method:TOM成形)がより好ましい。多層フィルムをTOM成形するための真空成形装置は、例えば特開2002−067137号公報に記載の真空成形装置または特開2005−262502号公報に記載の被覆装置を好適に用いることができ、該真空成形装置または該被覆装置は多層フィルムおよび被着体を設置して閉塞し減圧することが可能なチャンバーボックスを備える。
TOM成形により成形体を製造する方法は、多層フィルムおよび被着体をチャンバーボックスに収容する工程;前記チャンバーボックス内を減圧する工程;前記多層フィルムで前記チャンバーボックス内を二分する工程;および前記被着体を有しない方のチャンバーボックス内の圧力を前記被着体を有する方のチャンバーボックス内の圧力よりも高くして前記被着体を前記多層フィルムで被覆する工程;を有する。なお、多層フィルムおよび被着体をチャンバーボックスに収容する工程において、多層フィルムでチャンバーボックス内を二分する工程を同時に実施してもよい。
成形体の製法のうち、別の好ましい方法は、射出成形同時貼合法と一般に呼ばれている方法である。
この射出成形同時貼合法は、本発明の多層フィルムを射出成形用雌雄金型間に挿入し、その金型に該フィルムの接着層側の面から溶融した熱可塑性樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に、その成形体の表面に前記多層フィルムを貼合する方法である。
金型に挿入される多層フィルムは、平らなものそのままであってもよいし、真空成形、圧空成形等で予備成形して凹凸形状に賦形されたものであってもよい。
多層フィルムの予備成形は、別個の成形機で行ってもよいし、射出成形同時貼合法に用いる射出成形機の金型内で予備成形を行ってもよい。
本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層を有する多層フィルム及び該多層フィルムを具備する成形体は、多層フィルムの良好な延伸性及び成形加工性、優れた両極性接着性及び表面平滑性を活かして、意匠性の要求される物品に適用することができる。例えば、広告塔、スタンド看板、袖看板、欄間看板、屋上看板等の看板部品;ショーケース、仕切板、店舗ディスプレイ等のディスプレイ部品;蛍光灯カバー、ムード照明カバー、ランプシェード、光天井、光壁、シャンデリア等の照明部品;家具、ペンダント、ミラー等のインテリア部品;ドア、ドーム、安全窓ガラス、間仕切り、階段腰板、バルコニー腰板、レジャー用建築物の屋根等の建築用部品、自動車内外装部材、バンパーなどの自動車外装部材等の輸送機関係部品;音響映像用銘板、ステレオカバー、自動販売機、携帯電話、パソコン等の電子機器部品;保育器、定規、文字盤、温室、大型水槽、箱水槽、浴室部材、時計パネル、バスタブ、サニタリー、デスクマット、遊技部品、玩具、壁紙;マーキングフィルム、各種家電製品の加飾用途に好適に用いられる。本発明の多層フィルムは上記特性を備えるため、特に加飾フィルムとして好適に用いることができる。
以下、実施例などにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。実施例及び比較例中の試験サンプルの作製及び各物性の測定または評価は、以下のようにして行い、結果を表にまとめた。
[熱可塑性重合体組成物の表面平滑性]
キャピラリーレオメーター(CAPIROGRAPH 1C,TOYOSEIKI社製)に断面が長方形(縦8mm×横0.5mm)のスリット形状キャピラリーを取り付け、250℃、ピストンスピード50mm/分の条件で、各実施例及び比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を押し出し、フィルム状のストランドを得た。スタイラス形状測定器(Bruker社製Dektak―150)で先端半径12.5μmの針を用いて、上記で得られたストランド表面の算術平均荒さ(Ra)を測定した。Raが0.15μmより小さいと、表面平滑性に優れる。
[熱可塑性重合体組成物の接着強度(PMMA)]
実施例及び比較例で得られた熱可塑性重合体組成物及び製造例5で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを、それぞれ圧縮成形機を用いて200℃ 、荷重50kgf/cmの条件下で2分間圧縮成形することで、熱可塑性重合体組成物からなるシート及びメタクリル樹脂組成物からなるシートを得た。150×150mmの熱可塑性重合体組成物からなるシート(縦150mm×横150mm×厚さ0.5mm)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンフィルム、縦75mm×横150mm×厚さ0.05mm)、メタクリル樹脂組成物からなるシート(縦150mm×横150mm×厚さ0.5mm)をこの順で重ね、内寸150mm×150mm、厚さ0.8mmの金属製スペーサーの中央部に配置した。この重ねたシートと金属製スペーサーをポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、さらに外側から金属板で挟み、圧縮成形機を用いて、130℃、荷重50kgf/cmで2分間圧縮成形することで、熱可塑性重合体組成物とメタクリル樹脂組成物の多層フィルムを得た。
該多層フィルムを25mm幅に切断し、接着強度測定用試験片とし、熱可塑性重合体組成物とメタクリル樹脂組成物間の剥離強度をJIS K 6854−2に準じて、ピール試験機(島津製作所社製AGS−X)を使用して、剥離角度90°、引張速度300mm/分、環境温度23℃の条件で測定し、熱可塑性重合体組成物の接着強度(PMMA)とした。
[熱可塑性重合体組成物の接着強度(PP)]
前述の熱可塑性重合体組成物の接着強度(PMMA)において、メタクリル樹脂組成物からなるシートをポリプロピレンシート(日本ポリプロ株式会社製のMA3、縦150mm×横150mm×厚さ0.4mm)に変更した以外は同様にして多層フィルムを作成し、熱可塑性重合体組成物とポリプロピレン間の剥離強度を測定し、熱可塑性重合体組成物の接着強度(PP)とした。
[成形体の表面平滑性評価]
後述する実施例12及び比較例5で作製した多層フィルムを、真空圧空成形機(布施真空社製;NGF−0406−T)内に挿入し、板状ガラスに対して三次元表面加飾成形を行うことにより、評価用サンプルを作製し、成形体の表面性を評価した。評価はスタイラス形状測定器(Bruker社製Dektak―150)で先端半径12.5μmの針を用いて算術平均荒さ(Ra)を測定した。Raが0.15μmより小さいと、表面平滑性に優れる。
[成形体における接着強度の評価]
上述の真空圧空成形機の平面ステージ上に、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製;MA03)からなるシート状の被着体(長さ150mm×幅25mm×厚さ0.3mm)を配置し、該ポリプロピレンシートの端部にポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンフィルム、縦30mm×横30mm×厚さ0.125mm)を重ねて配置した状態で、実施例10と同様にして三次元表面加飾成形し、多層フィルムとポリプロピレンシートとが重なっていない部分を切除することにより試験片を作製した。得られた試験片の多層フィルム側をSUS板に強粘着テープで固定し、ピール試験機(島津製作所社製AGS−X)を使用して剥離角度90°、引張速度300mm/分、環境温度23℃の条件で、熱可塑性重合体組成物からなる層とポリプロピレンシートの間の剥離強度をJIS K 6854−2に準じて測定した。
なお、以下の実施例及び比較例で用いた各成分は以下の通りである。
<製造例1>[熱可塑性エラストマー(A−1)の合成]
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン64L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.20Lを仕込み、有機ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.46Lを仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン2.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン23Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A−1)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A−1)の重量平均分子量は107,000、スチレン含有量は21質量%、水素添加率は85%、分子量分布は1.04、ポリイソプレンブロックに含まれる1,2−結合及び3,4−結合量の合計は60モル%であった。
[ポリプロピレン系樹脂(B−1)]
非極性ポリプロピレン系樹脂(B−1)として、プライムポリマー社製のJ229E(230℃、荷重2.16kg(21.18N)におけるMFRが50g/10分、融点144℃)を使用した。また、融点は10℃/分で昇温した際の示差走査熱量測定曲線の吸熱ピークから読み取った値である。
[ポリプロピレン系樹脂(B−2)]
非極性ポリプロピレン系樹脂(B−2)として、日本ポリプロ社製のWFX4TA(230℃、荷重2.16kg(21.18N)におけるMFRが7g/10分、融点124℃)を使用した。また、融点は10℃/分で昇温した際の示差走査熱量測定曲線の吸熱ピークから読み取った値である。
<製造例2>[極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B−3)の合成]
ポリプロピレン「プライムポリプロF327」(プライムポリマー社製)42g、無水マレイン酸160mg及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)ヘキサン42mgを、バッチミキサーを用いて180℃及びスクリュー回転数40rpmの条件下で溶融混練し、極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B―3)を得た。得られた極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B―3)のMFR[230℃、荷重2.16kg(21.18N)]は6g/10分、無水マレイン酸濃度は0.3%であり、融点は138℃であった。なお、該無水マレイン酸濃度は、得られた混練物を水酸化カリウムのメタノール溶液を用いて滴定して得られた値である。また、融点は10℃/分で昇温した際の示差走査熱量測定曲線の吸熱ピークから読み取った値である。
<製造例3>[(メタ)アクリル系樹脂(C−1)の合成]
メタクリル酸メチル95質量部、アクリル酸メチル5質量部からなる単量体混合物に重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.1質量部及び連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.28質量部を加え溶解させて原料液を得た。
イオン交換水100質量部、硫酸ナトリウム0.03質量部及び懸濁分散剤0.45質量部を混ぜ合わせて混合液を得た。耐圧重合槽に、前記混合液420質量部と前記原料液210質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、温度を70℃にして重合反応を開始させた。重合反応開始後、3時間経過時に、温度を90℃に上げ、撹拌を引き続き1時間行って、ビーズ状共重合体が分散した液を得た。得られた共重合体分散液を適量のイオン交換水で洗浄し、バケット式遠心分離機により、ビーズ状共重合体を取り出し、80℃の熱風乾燥機で12時間乾燥し、ビーズ状の(メタ)アクリル系樹脂(C−1)を得た。得られた(メタ)アクリル系樹脂(C−1)の重量平均分子量は30,000、Tgは128℃であった。
<製造例4>[アクリル系ブロック共重合体(G−1)の合成]
内部を脱気し、窒素で置換した三口フラスコに、室温にて乾燥トルエン735g、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.4g、及びイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20mmolを含有するトルエン溶液39.4gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム1.17mmolを加えた。これにメタクリル酸メチル35.0gを加え、室温で1時間反応させることで、1つめのメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)(以下、「メタクリル酸メチル重合体ブロック(g1−1)」と称する)を形成した。反応液に含まれる重合体をサンプリングして重量平均分子量(以下、Mw(g1-1)と称する)を測定したところ、40,000であった。
次いで、反応液を−25℃にし、アクリル酸n−ブチル24.5g及びアクリル酸ベンジル10.5gの混合液を0.5時間かけて滴下した。滴下直後、反応液に含まれる重合体をサンプリングして重量平均分子量を測定したところ、80,000であった。メタクリル酸メチル重合体ブロック(g1−1)の重量平均分子量は40,000であったので、アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸ベンジルの共重合体からなるアクリル酸エステル重合体ブロック(g2)の重量平均分子量(Mw(g2))を40,000であると決定した。
続いて、メタクリル酸メチル35.0gを加え、反応液を室温に戻し、8時間攪拌することで、2つめのメタクリル酸エステル重合体ブロック(g1)(以下、「メタクリル酸メチル重合体ブロック(g1−2)」と称する)を形成した。その後、反応液にメタノール4gを添加して重合を停止させた後、反応液を大量のメタノールに注ぎ、トリブロック共重合体であるアクリル系ブロック共重合体(G−1)を析出させ、ろ過し、80℃にて、1torr(約133Pa)で、12時間乾燥して単離した。得られたアクリル系ブロック共重合体(G−1)の重量平均分子量Mw(G)は120,000であった。ジブロック共重合体の重量平均分子量は80,000であったので、メタクリル酸メチル重合体ブロック(g1−2)の重量平均分子量(Mw(g1-2)と称する)を40,000であると決定した。
<製造例5> [基材層]
製造例4で得られたアクリル系ブロック共重合体(G−1)20質量部と、製造例2で得られた(メタ)アクリル系樹脂(C−1)80質量部とを、二軸押出機(東芝機械社製TEM−28)を用いて230℃で溶融混練した後、ストランド状に押出し、切断することによって、メタクリル樹脂組成物のペレットを製造した。
<実施例1>
熱可塑性エラストマー(A−1)、ポリプロピレン系樹脂(B−1)及び(メタ)アクリル系樹脂(C−1)を、表1に示す割合で二軸押出機(KRUPP WERNER&PFLEIDERER製ZSK−25)に投入し、225℃、250rpmで溶融混練した後、ストランド状に押出し、切断することによって、熱可塑性重合体組成物のペレットを得た。
得られた熱可塑性重合体組成物の表面平滑性、接着強度(PMMA、PP)を上述の方法により評価した。結果を表1に示す。
<実施例2〜11、比較例1〜4>
熱可塑性エラストマー(A−1)、ポリプロピレン系樹脂(B−1)〜(B−3)及び(メタ)アクリル系樹脂(C−1)を、表1に示す割合で混合したこと以外は実施例1と同様の方法で、熱可塑性重合体組成物のペレットを得た。得られた熱可塑性重合体組成物の表面平滑性、接着強度(PMMA、PP)を上述の方法により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017217381
<実施例12>
実施例1で得られた熱可塑性重合体組成物のペレット及び製造例5で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットをそれぞれ単軸押出機(G.M.ENGINEERING社製VGM25−28EX)のホッパーに投入し、マルチマニホールドダイを用いて240℃、流量5kg/hで共押出し、幅30cm、厚み350μmの多層フィルムを得た。基材層(メタクリル樹脂組成物層)の厚さは230μm、接着層(熱可塑性重合体組成物層)の厚さは120μmであった。
続いて、得られた多層フィルムを用いて成形体を製造した。すなわち、チャンバーボックス(CB1)とチャンバーボックス(CB2)を閉めることでチャンバーボックス(CB)を形成する真空圧空成形機(布施真空社製;NGF−0406−T)を使用して三次元表面加飾成形を行った。被着体として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製;MA03)からなるシート状の被着体(長さ150mm×幅25mm×厚さ0.3mm)を用いた。成形機のチャンバーボックス(CB2)に、多層フィルムの接着層が被着体に面するように多層フィルム及び被着体を入れ、該多層フィルムがチャンバーボックス(CB)を二分するようにチャンバーボックス(CB1)及びチャンバーボックス(CB2)で該多層フィルムを挟み、チャンバーボックス(CB1)及びチャンバーボックス(CB2)を閉めてチャンバーボックス(CB)を形成した。その後、90秒間でチャンバーボックス(CB)内を0.5kPaに減圧した。このとき減圧度の非平衡及び多層フィルムの自重によって多層フィルムがたわむため、チャンバーボックス(CB1)及びチャンバーボックス(CB2)内の圧力を適宜調整して多層フィルムを平行に保った。減圧と並行して赤外線加熱装置により多層フィルムを120秒間加熱し、多層フィルムの温度が130℃に到達したとき速やかにチャンバーボックス(CB1)内を大気圧に戻すことで被着体を多層フィルムで被覆し、多層フィルムが無延伸で被着体に接着された三次元表面加飾成形体を成形した。なお、多層フィルムの温度は放射温度計で測定した。その後、チャンバーボックス(CB)を開放し、成形体をチャンバーボックス(CB2)から取り出した。得られた三次元表面加飾成形体の表面性と接着強度を上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
<比較例5>
熱可塑性重合体組成物として比較例1で得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いた以外は実施例12と同様にして、三次元表面加飾成形体を作製した。得られた成形体の表面性と接着強度を上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2017217381
本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層を有する多層フィルムの被着体に対する接着強度が充分な大きさになるためには、熱可塑性重合体組成物の接着強度(PP)及び接着強度(PMMA)が15N/25mmより大きくなる必要がある。実施例1の熱可塑性重合体組成物は、フィルム状ストランドの表面平滑性に優れ、メタクリル樹脂組成物及びポリプロピレンに対して高い接着強度を示し、両極性接着性に優れていた。また、実施例1の熱可塑性重合体組成物を用いた実施例12の成形体は、実施例1の熱可塑性重合体組成物が表面平滑性に優れることから、得られた成形体の表面平滑性も優れていた。また、被着体に対する接着強度も優れていた。これにより、本発明の熱可塑性重合体組成物は、三次元表面加飾成形に好適であることが明らかとなった。一方、(メタ)アクリル系樹脂を含まず、極性基変性されたポリプロピレンを含む比較例1の熱可塑性重合体組成物は、実施例1と同様に、メタクリル樹脂組成物及びポリプロピレンに対して優れた接着強度を示したが、フィルム状ストランドの表面平滑性が悪かった。それゆえ、比較例1の熱可塑性重合体組成物を用いた比較例5では、被着体に対する接着強度は優れるものの、得られた成形体の表面平滑性が劣っていた。
実施例1と比べてポリプロピレン系樹脂(B)及び(メタ)アクリル系樹脂(C)の含有量を変更した実施例2、3の熱可塑性重合体組成物は、実施例1と同様にフィルム状ストランドの表面平滑性に優れ、メタクリル樹脂組成物及びポリプロピレンに対して高い接着強度を示した。一方、ポリプロピレン系樹脂(B−3)の含有量が多い比較例2、3は、フィルム状ストランドの表面平滑性が劣り、(メタ)アクリル系樹脂(C)の配合量が多い比較例4では、(メタ)アクリル樹脂組成物及びポリプロピレンに対する接着強度が不足していた。
また、実施例1〜3と異なる種類のポリプロピレン系樹脂(B)を用いた実施例4〜7及び11の熱可塑性重合体組成物は、特にメタクリル樹脂組成物及びポリプロピレンに対する接着強度が優れていた。2種類のポリプロピレン系樹脂(B)を用いた実施例8の熱可塑性重合体組成物は、表面平滑性及び接着強度の両方に優れていた。また、(メタ)アクリル系樹脂(C)を含有しない実施例9、10の熱可塑性重合体組成物は、(メタ)アクリル樹脂組成物及びポリプロピレンに対する接着強度が優れていた。

Claims (9)

  1. 芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(D)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂(B)1〜50質量部を含有する熱可塑性重合体組成物であって、前記熱可塑性重合体組成物を250℃、50mm/分の条件でキャピラリーレオメーターにより押出しして得られた、断面が長方形(縦8mm×横0.5mm)であるフィルム表面を、下記方法に従って測定したフィルムの表面粗さ(Ra)が0.15μm以下であることを特徴とする熱可塑性重合体組成物。
    表面粗さ測定方法:スタイラス形状測定器で先端半径12.5μmの針を用いて算術平均荒さ(Ra)を測定する方法。
  2. 前記重合体ブロック(D)を構成する共役ジエン化合物が、ブタジエン、イソプレン、またはブタジエン及びイソプレンであり、前記重合体ブロック(D)中の1,2−結合量及び3,4−結合量の合計が40モル%以上である、請求項1に記載の熱可塑性重合体組成物。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂(B)が非極性ポリプロピレン系樹脂である、請求項1または2に記載の熱可塑性重合体組成物。
  4. 前記熱可塑性重合体組成物が、前記熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、さらに(メタ)アクリル系樹脂(C)を1〜25質量部含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル系樹脂(C)がメタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%以上含有する、請求項4に記載の熱可塑性重合体組成物。
  6. 基材層及び請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物からなる層を少なくとも有する多層フィルム。
  7. 前記基材層が非晶性樹脂からなる、請求項6に記載の多層フィルム。
  8. 請求項6または7に記載の多層フィルムからなる加飾フィルム。
  9. 請求項6若しくは7に記載の多層フィルムまたは請求項8に記載の加飾フィルムを具備する成形体。
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