JPWO2017195879A1 - 樹脂成形品の成形方法及び樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

ヒケを防止した高精度の形状転写が可能である樹脂成形品の成形方法を提供する。精密転写部分20tと精密転写部分20tに対向する対向部分30tとを有し、対向部分30tが転写面30aを有し精密転写部分20tに向けて相対的に移動可能であるフィルム32を有する転写型100の、精密転写部分20tと対向部分30tとに挟まれた型空間SPに、硬化性樹脂LRを満たし、型空間SPの少なくとも一部が開放された状態で硬化性樹脂LRを硬化する。

Description

本発明は、光学素子その他を転写型を用いて製造するための樹脂成形品の成形方法及び樹脂成形品に関し、特に光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いた樹脂成形品の成形方法及び樹脂成形品に関する。
光硬化性樹脂から主になり1以上のキートップを有する押釦スイッチ用部材の製造方法として、下型に光硬化性樹脂を充填し、未硬化の光硬化性樹脂上に透光性を有する基材シートを貼り付けた後、板状で透光性を有する弾性体を介して透光性を有する上型を充填状態の光硬化性樹脂の上に配置し、上型を下型の方向へ加圧しつつ上型側から光硬化性樹脂に光を照射して硬化させるものが公知となっている(特許文献1)。
また、基板の両面に対し硬化性樹脂製の光学部材が設けられたウエハレンズの製造方法であって、一方及び他方の光学面形状に対応した成形面を複数有する第1及び第2の成形型を準備し、第1の成形型と基板の一方の面との間に硬化性樹脂を充填するとともに基板の他方の面と第2の成形型との間に硬化性樹脂を充填し、充填した各硬化性樹脂を同時に硬化させるものが公知となっている(特許文献2)。
また、基材と紫外線硬化樹脂とからなる複合光学素子の製造方法であって、紫外線の照射による樹脂の硬化開始時に、成形型を変位させるためのサーボモーターのトルク制限設定値を成形型およびその支持構造の重量に釣り合う値に変更して成形型を浮動状態にし、樹脂の収縮硬化力に成形型が追従するように制御し、樹脂の光学機能面におけるヒケの発生を防止するものが公知となっている(特許文献3)。
紫外線硬化樹脂その他の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いた成形工程においては、樹脂の硬化収縮に起因するヒケが問題となる。特許文献1では、ヒケを解決するために金型を閉じて加圧を行っているが、光学素子等に応用した場合、空気が抜けずボイドとなる、バリが発生する、滴下量のバラつきによって成形品の厚みが変化してしまう、応力による反りや複屈折が発生するといった、形状劣化や性能劣化の問題がある。また、特許文献2では、高精度な厚み制御を得るために、成形型の左右又は横周囲を開放させて樹脂の流動性を確保する手法を行っているが、このような手法では、成形型が変位又は変形しないため、ヒケの発生を防ぐことは困難である。特許文献3では、ヒケの問題に鑑みてヒケの収縮に追従するように型締めを行う機構を採用するが、このような機構は、1−2秒で硬化してしまうような速度の速い硬化プロセスには追従が困難であるだけでなく、ともすれば過剰又は不足圧力によって反り、複屈折、バリ等が発生する可能性又は傾向もあり、装置自体も煩雑になるという課題がある。
特開2011−228197号公報 国際公開第2009/145003号 特開2009−190250号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、ヒケを防止した高精度の形状転写が可能である樹脂成形品の成形方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ヒケがなく高精度で成形された樹脂成形品を提供することを目的とする。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した樹脂成形品の成形方法は、精密転写部分と当該精密転写部分に対向する部分とを有し、対向部分が転写面を有し精密転写部分に向けて相対的に移動可能である可動部を有する転写型の、精密転写部分と対向部分とに挟まれた型空間に、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれか一方の硬化性樹脂を満たし、型空間の少なくとも一部が開放された状態で硬化性樹脂を硬化する。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した樹脂成形品は、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれか一方である単一の硬化性樹脂で構成され、厚みが1mm以下で光透過性を有する平板状の樹脂成形品であって、少なくとも一面に複数個のレンズが成形されたレンズアレイを有し、レンズの焦点がレンズが設けられる面とは反対側の面から1mm以内の位置にある。
図1A及び1Bは、第1実施態に係る樹脂成形品の成形方法で用いる転写型の構造を説明する側方断面図及び一方の型の転写面等を説明する図である。 図2A〜2Cは、樹脂成形品の成形方法を説明する概念図である。 図3A〜3Cは、樹脂成形品の成形方法を説明する概念図である。 図4Aは、変形例の樹脂成形品及びその成形方法を説明する概念図であり、図4Bは、図4Aの樹脂成形品を組み込んだ光学装置を説明する断面の概念図である。 別の変形例の樹脂成形品及びその成形方法を説明する概念図である。 第2実施態に係る樹脂成形品の成形方法等を説明する図である。 第3実施態に係る樹脂成形品の成形方法等を説明する図である。 第4実施態に係る樹脂成形品の成形方法等を説明する図である。 第5実施態に係る樹脂成形品の成形方法等を説明する図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1実施形態の樹脂成形品の成形方法及び樹脂成形品について説明する。
図1A及び1Bに示すように、第1実施形態の樹脂成形品の成形方法に用いられる転写型100は、板状で互いに対向する型部分として上型20と下型30とを備え、それらの間に配置されるスペーサー40を有する。上型20は、立体的な転写面20aを有し、下型30は、転写面20aに対向する平坦な転写面30aを有する。例えば上型20には、不図示の駆動機構が付随しており、上型20は、水平に延びる姿勢を維持したままで下型30に対して±Z方向に昇降可能になっている。転写型100は、外縁側が開放された状態で硬化工程を行うものであり、上型20及び下型30の転写面20a,30aは、これらの外縁部20s,30sにおいて開放されている。転写型100によって成形を行う対象である硬化性樹脂LRが光硬化性樹脂である場合、上型20及び下型30の少なくとも一方は、UVその他の硬化光に対して光透過性を有する材料で形成される。転写型100によって成形を行う対象である硬化性樹脂LRが熱硬化性樹脂である場合、両型20,30は、光透過性を有する材料で形成する必要はない。
上型20は、平板状の基板21と、厚い層状の転写部22とを有する。基板21は、転写部22を背後から支持して水平のXY方向に延びる平坦な支持体(平坦基板)であり、ヤング率1GPa以上、特に30GPa以上の弾性率を有することが望ましい。基板(支持体)21は、例えばガラス、樹脂等の光透過性を有する材料で形成されるが、金属等の不透明材料でも構わない。基板21が金属で形成される場合、例えば硬化性樹脂LRが熱硬化性樹脂であるとき、樹脂に対する周辺の熱伝導率を上げることで、加熱時の硬化時間を短縮することが可能になる。また、硬化性樹脂LRがUV硬化性樹脂であるとき、樹脂成形品90を透過したUV光が反射されてUV硬化性樹脂を往復するため、硬化速度を短縮することができる。一方、基板21がガラスで形成される場合、樹脂成形品90の平坦度を安価に達成することができ、また光硬化樹脂を用いる場合には基板21側からの光硬化が可能になるため成形が容易になる。ここで、基板21用の材料である樹脂には、PMMA、PC、PE、PP、オレフィンコポリマーその他のものが含まれる。また、金属には、SUS、ニッケル、銅、アルミ、鉄その他のものが含まれる。ガラスとしては、ソーダガラス、硼珪酸ガラス、クリスタルガラス等を用いることができる。基板21は、ガラス、樹脂、金属等の単独材料に限らず、これらの複合材料で形成することもできる。基板21は、図示の型閉じ状態のほか、型開き、離型等に際して変形しない剛性を有しており、その表面21aは、平坦に保たれる。転写部22は、基板21の表面21aの一回り小さい領域上に形成された部分であり、例えば基板21よりもヤング率が小さく比較的弾性変形しやすいシリコーン樹脂、具体的にはPDMS(ポリジメチルシロキサン)系のシリコーンゴム樹脂で形成されている。転写部22は、転写面20aの中央部として立体的なパターンが形成された光学転写面である機能転写面22aを有している。ここで、機能転写面22aは、例えば凹面である多数のパターン部22dと、これらパターン部22dを囲む平面部22eとを有する。図示の例では、パターン部22dが円形であり2次元格子点上に配列されているが、パターン部22dは、凹面に限らず凸面とでき、階段状の円筒状又は角柱状に限らず多角錐、円錐、球面形状、非球面形状等とでき、その配列も樹脂成形品90の用途に応じて適宜変更することができる。なお、転写部22は、離型性確保の観点で所定以上の撥水性を有する材料で形成することが望ましく、或いは転写面20aは、所定以上の撥水性を有する材料でコーティングされることが望ましい。
機能転写面22aを設けた転写部22と、これを背後から支持する基板21の部分とは、樹脂成形品90のうち光学的に機能する部分を形成するための精密転写部分20tを構成する。
下型30は、平板状の基板31と、薄いシート状のフィルム32とを有する。基板31は、水平のXY方向に延びる平坦な支持体(平坦基板)であり、ヤング率1GPa以上、特に30GPa以上の弾性率を有することが望ましい。基板(支持体)31は、上型20の基板21と同様に、例えばガラス、樹脂等の光透過性を有する材料で形成されるが、金属等の不透明材料でも構わない。基板31は、図示の型閉じ状態のほか、型開き、離型等に際しても変形しない剛性を有しており、その表面31aは、平坦に保たれる。フィルム32は、可撓性を有する可動部である。下型30(具体的には、後述する対向部分30t)がフィルム32を有することにより、フィルム32が補助的な支持体となるため成形後のハンドリングが容易になる。また、通常剛性を有する転写型100と樹脂成形品90との離型は面離型になるが、樹脂成形品90と可撓性を有するフィルム32との離型は線離型となるため、離型が容易になる。さらに、フィルム32が可撓性を有することによって転写型100の開閉垂直な横方向(つまり、左右方向)の収縮にも対応して或る程度変形することが可能になるため、ヒケの影響を抑えることが可能になる。フィルム32は、基板31の表面31a上に載置されているが、表面31aに接着されておらず、基板31とは独立してZ方向に昇降可能になっている。フィルム32は、基板31上にある場合、表面31aに倣って平坦でXY方向に延び、基板31の表面31aの一回り小さい領域上に配置されている。フィルム32は、転写面30aの中央部として平坦な鏡面である裏側転写面32aを有している。フィルム32は、可撓性を有するとともに、適度の弾性又は剛性を有する。フィルム32を比較的高弾性とする場合、フィルム32は、ヤング率が10〜30Paの材料で形成され、フィルム32を比較的低弾性とする場合、フィルム32は、ヤング率が1〜10Paの材料で形成される。フィルム32の材料は、例えばガラス、金属、樹脂、これらの複合材料等である。ここで、フィルム32用の材料である金属には、SUS、ニッケル、銅、アルミ、鉄、それらの表面にメッキを施したもの等が含まれる。また、樹脂には、PET、TAC、PMMA、PC、PE、PP、アラミド、セロハン等が含まれる。なお、フィルム32は、離型性確保の観点で所定以上の撥水性を有する表面を有することが望ましい。
フィルム32は、平坦度が10μm以下であることが望ましく、厚みが5mm以下であることが望ましい。フィルム32の平坦度を10μm以下とすることで、裏側転写面32aをガラスや金属レベルの高い平坦度とすることができ、後述する樹脂成形品90の裏面90bの平坦度も同様に高めることができる。また、フィルム32の厚みを5mm以下とすることで、フィルム32の重量を下げることができるため、樹脂収縮への追従性が上がりヒケが発生し難くなる。具体的な作製例では、フィルム32を1mm厚のテンパックスガラス製とし、或いはフィルム32を100μm厚のPET製とした。フィルム32がテンパックスガラス製である場合、ヤング率が例えば7.2×1010Paとなる。また、フィルム32がPET製である場合、ヤング率が例えば2.0×10Paとなる。
フィルム32は、結晶性を有する材料で形成することが好ましい。結晶性を有する材料は、結晶粒子同士で凝集するため一般的に相溶性が悪く硬化後の硬化性樹脂LRとの接着力が弱くなる。このため、フィルム32を樹脂成形品90から容易に剥離又は離型することが可能になる。可動部であるフィルム32を形成する結晶性の材料としては、シリコン(Si)のほか、結晶化ガラス、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、及びポリプロピレン(PP)のほか、PET、PA、POM、COP等の各種樹脂材料を挙げることができる。
裏側転写面32aを設けたフィルム32と、これを背後から支持する基板31の部分とは、樹脂成形品90のうち光学的に機能する部分の裏面を形成するための対向部分30tを構成する。
スペーサー40は、例えば下型30に固定されて、型締め時に下型30に対する上型20のZ方向の位置を調整する。つまり、スペーサー40を介在させることで、成形に際して、基板21の表面21aと基板31の表面31aとの間隔を精密に調整でき、結果的に機能転写面22aと裏側転写面32aとの間隔を精密に調整できる。フィルム(可動部)32とスペーサー40とが別体であるため、型閉じを精密に行いつつもフィルム32に変形等の影響が生じることを防止でき、樹脂成形品90の厚みを高精度にすることできる。スペーサー40は、下型30の外周に沿って環状に設けることができるが、下型30の外周に沿った複数箇所に分割して配置することもできる。スペーサー40は、ヤング率10GPa以上、特に100GPa以上の弾性率を有することが望ましく、両型20,30と同様にガラス、樹脂、金属等で形成される。
以上において、型締め状態の上型20上の転写部22と下型30上のフィルム32との間に挟まれた型空間SPは、樹脂成形品90の外形に対応するものとなっている。ただし、後述するように、成形時の硬化収縮によって樹脂成形品90の厚みが僅かに減少し、フィルム32が上型20方向に僅かに上昇する。よって、樹脂成形品90の硬化収縮量が大きい場合、予めスペーサー40の高さ寸法を調整して、硬化収縮後の樹脂成形品90の厚みが目標値となるようにすることもできる。
図1A等に示す転写型100を用いた樹脂成形品90の成形方法の一例について説明する。転写型100において、精密転写部分20tと対向部分30tとに挟まれた型空間SPに硬化性樹脂LRを満たし、型空間SPの少なくとも一部が開放された状態で硬化性樹脂LRを硬化する。
まず、図2Aに示すように、転写型100を準備する。転写型100のうち、上型20は、金属、樹脂等で形成されポジタイプの転写面を有するマスター型(不図示)からNi系の合金で形成されネガタイプの転写面を有する電鋳型(不図示)を作製し、この電鋳型と光透過性を有する基板21との間に例えば熱硬化型のシリコーンゴム樹脂を挟んで加熱し硬化させることにより、基板21上に転写部22を形成する。電鋳型を外せば、上型20が得られる。一方、下型30は、基板31を準備し、その表面31aの適所に必要な厚みを有するスペーサー40をセットし、表面31aの中央の適所にフィルム32を載置する。
次に、図2Bに示すように、上型20を一旦上昇又は待避させた状態で、下型30の転写面30a、すなわちフィルム32の裏側転写面32a上に例えば紫外線硬化型樹脂である液状の硬化性樹脂LRを適量供給するとともに、図2Aに示す上型20を下型30に近接させる型閉じを開始する。硬化性樹脂LRは、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂である。硬化性樹脂LRとしてシリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂を用いることで、成形によって得られる樹脂成形品90の耐光性が向上する。硬化性樹脂LRとしては、硬化収縮率が2%以上のものを使用する。硬化性樹脂LRの硬化収縮率が2%を超えると平坦面のような形状でもヒケが比較的発生しやすくなるが、本実施形態の転写型100による成形方法の場合、そのようなヒケが発生しやすい樹脂材料を用いる場合であっても、ヒケの発生を抑えた成形が可能になる。
図2Cに示すように、スペーサー40に上型20を所定圧力で当接させて上型20と下型30との間隔が適切になった型締め状態で、上型20の上方及び/又は下型30の下方から紫外照射光である硬化光を照射することにより、硬化性樹脂LRが硬化して樹脂成形品90が得られる。なお、具体的な作製例では、波長365nmのLED光源を硬化光の光源として用い、露光量900mJ/cmで照射を行った。
図3Aに示すように、硬化性樹脂LRから得た樹脂成形品90の表面90aには、上型20の機能転写面22aに対応する凹凸パターンが形成されている。硬化に際して硬化性樹脂LRが収縮する結果として、樹脂成形品90の裏面90bに付着したフィルム32が僅かに上昇し、フィルム32と基板31との間に狭い隙間GAが形成される。このような硬化に際して、樹脂成形品90となる硬化性樹脂LRは、機能転写面22aのうち平面部22eに対向する比較的薄い部分91gで硬化の進行が進み易い。結果的に、硬化性樹脂LRのうち平面部22eに対向する比較的薄い部分91gの硬化収縮量は小さくなる。一方、硬化性樹脂LRのうちパターン部22dに対向する比較的厚い部分91hの硬化収縮量は大きくなる。しかしながら、フィルム32が所定以上の弾性及び剛性を有するので、樹脂成形品90又は硬化性樹脂LRは、裏面90b側において自由に収縮するのではなく、収縮が過度にならないように或る程度緩和され又は平均化される。よって、比較的薄い部分91gは、僅かに厚くなって、その裏面91iが平坦に維持され又は若干突起し、比較的厚い部分91hは、僅かに薄くなって、その裏面91jが若干陥没する。ただし、裏面91iの突起量と裏面91jの陥没量とは、点線で示すようなフィルム32がないと仮定した場合に比較して小さなものとなっている。裏面91iの突起量や裏面91jの陥没量は、フィルム32の剛性又は弾性を調整することで増減調整が可能である。
次に、図3Bに示すように、図3Aに示す上型20から平板状の樹脂成形品90を外す。この際、樹脂成形品90の裏面90bには、フィルム32が付着したままに保持される。ここで、上型20に設けた転写部22の剛性よりも樹脂成形品90の剛性の方が大きい。このため、上型20から樹脂成形品90を分離する場合、弾性を有するシリコーン樹脂製の転写部22のうち周辺側の一箇所を起点として反対側に向けて離型が徐々に進行し、転写部22と樹脂成形品90との間の離型が達成される。なお、上型20から樹脂成形品90を離型する際には、例えば150℃で30分間のポストキュアを行って樹脂成形品90の強度を高めておくことができる。
次に、図3Cに示すように、平板状の樹脂成形品90からフィルム32を外す。ここで、フィルム32の剛性よりも樹脂成形品90の剛性の方が大きい。このため、樹脂成形品90からフィルム32を分離する場合、可撓性を有するフィルム32のうち周辺側の一箇所を起点として反対側に向けて離型又は剥離が徐々に進行し、フィルム32と樹脂成形品90との間の離型が達成され、独立した樹脂成形品90を得ることができる。このようにして完成した樹脂成形品90の光学的に機能する部分、すなわち機能部分91には、表側に機能転写面22aに対応する機能面91aが形成され、裏側に裏側転写面32aに対応する平坦面91bが形成されている。また、外周部92は、機能部分91を囲むように一様な厚みに形成されている。機能面91aは、上型20のパターン部22dに対応する突起面91cと、平面部22eに対応する平坦面91dとを有する。
以上の説明では、硬化性樹脂LRが光硬化性樹脂であるとしたが、硬化性樹脂LRとして光硬化性樹脂に限らず熱硬化性樹脂を用いることができる。この場合も硬化収縮があるので、フィルム32によって平坦性を高める効果が生じる。硬化性樹脂LRとして熱硬化性樹脂を用いる場合、上型20や下型30といった周辺部分の熱伝導率を上げることで、加熱時の硬化時間を短縮することが可能になる。
樹脂成形品90の形状について説明する。機能部分91の最厚部の厚みをtとしたとき、この厚みtは、本実施形態では5mm以下であることを想定しており、特に1mm以下、さらには200μm以下の場合に、以上で説明した転写型100を用いる意義が高まる。つまり、厚みtが5mm以下、特に1mm以下となってくると、硬化性樹脂LRの硬化収縮に空間的な偏りが生じやすく、樹脂成形品90の裏面90b又は平坦面91bにヒケが発生しやすくなるので、下型30にフィルム32を付加して成形を行うことで、樹脂成形品90の形状精度を高めやすくなる。また、機能部分91の最薄部の厚みをt0としたとき、取り出し又は離型の効率とハンドリング性、靭性等を考慮して、厚みt0は、本実施形態では1μm以上100μm以下が好ましい。厚みt0は、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。さらに、樹脂成形品90の横幅をLとしたとき、比L/tの値は、10より大きいことが好ましく、50以上であることがさらに好ましく、200以上であることが特に好ましい。このように、比L/tの値が大きいほど、ヒケが発生しやすく下型30にフィルム32を付加して成形を行う方法が効果的となる。
樹脂成形品90の輪郭形状は、図示の例では、円盤状であるが、矩形その他の多角形であってもよく、円環状であってもよい。樹脂成形品90が多角形である場合、比L/tを与える樹脂成形品90の横幅Lは、最も長い対角距離とし、樹脂成形品90が円環又は輪帯状である場合、横幅Lは、半径方向の幅とする。
以上の説明では、上型20の機能転写面22aが階段状のパターン部22dを有するとしたが、機能転写面22aは、図4Aに示すようにレンズ面状のパターン部122dを有するものであってもよい。この場合、樹脂成形品90は、周期的に2次元に配列されたレンズ95からなるレンズアレイ96を含む。
各レンズ95において、光軸AX方向に対する面角度αは、少なくとも周辺部において45°以下となっている。つまり、上型20の転写部22に設けた機能転写面22aにおいて、パターン部122dは、離型方向(紙面上下方向)に対して45°以下の面角度αをなす面を周辺部に有している。面角度αが小さいほど離型性が悪くなり、平坦な本体90sとの間に離型性の差が生まれヒケが発生しやすくなるが、そういったヒケが発生しやすい型構造であっても、可動部としてのフィルム32によりヒケを抑えた成形が可能になる。
図4Bは、図4Aに示す樹脂成形品90を組み込んだ光学装置180を説明する断面図である。図示の光学装置180は、蛍光変換機能を有する光照射板であり、光透過性を有する材料で形成された樹脂成形品90のほかに、樹脂成形品90に近接して対向配置された被照射体81と、被照射体81を支持する支持体82と、支持体82に固定されて樹脂成形品90を支持するスペーサー83とを有する。
樹脂成形品90は、光拡散調整部材として機能し、表面90a側に複数のレンズ95からなるレンズアレイ96を有する。樹脂成形品90は、板状の本体90s上にレンズアレイ96を設けたものと見ることもできる。レンズアレイ96は、入射して来た励起光ELを集光して被照射体81に入射させる。機能部分91の厚み、すなわち最厚部の厚みtは、1mm以下である。機能部分91において、比較的厚い箇所の、これに隣接する比較的薄い箇所に対する厚みの比は、150%以上となっている。具体的には、最薄部の厚みt0に対してのこれに隣接する最厚部の厚みtの比t/t0は、150%以上となっている。樹脂成形品90において隣り合う構造に厚み差があると、厚い部分では同じ収縮率でも薄い部分に比べ収縮量が大きくなるためヒケが発生しやすく、通常の成形方法ではヒケをなくし成形することは困難であるが、本実施形態の方法では、そのような難形状であっても可動部であるフィルム32によってヒケなく成形することが可能になる。なお、詳細な説明は省略するが、型締め時に両型20,30間に形成される成形用の型空間SPも、樹脂成形品90と同様の形状となっている。
レンズアレイ96を構成するレンズ95の焦点Fは、レンズ95が設けられる面とは反対側の面(つまり、裏面90b)から距離bfの位置にあり、距離bfは、1mm以下となっている。距離bfについては、200μm以下とすることが好ましく、50μm以下とすることが特に好ましい。レンズ95のアスペクト比(レンズ95の幅wに対する厚みt1の比t1/w)は0.5以上となっている。このように、アスペクト比t1/wを0.5以上とすることで、後述する蛍光の取り出し効率を向上させることができる。アスペクト比t1/wについては、1以上とすることが好ましい。レンズ95の厚みt1及びピッチpは、それぞれ200μm以下とすることが好ましく、100μm以下とすることがより好ましい。なお、図示の例では、隣接する2つのレンズ95の間隔が幅w程度離れているが、この間隔は、光学装置180の仕様に応じて適宜変更でき、例えばゼロとすることもできる。この場合、レンズ95の配列のピッチpがその幅wと一致することになる。
樹脂成形品90は、単一の硬化性樹脂で構成されている。上記のような転写型100を用いて樹脂成形品90を形成することにより、単一の硬化性樹脂で構成された光拡散調整部材を得ることができ、界面での剥離や界面での光の反射を防ぐことができるので、耐久性と光学特性とが向上する。
樹脂成形品90は、高い光エネルギーの環境下で使用される光学装置180に組み込む場合、シリコーン、フッ素樹脂、PE等で形成されることが望ましい。樹脂成形品90の耐光性を高めることができるからである。
被照射体81は、蛍光体を有し、例えば青色又は紫外の波長域の励起光ELの照射によって緑色又は赤色の波長域の蛍光光FLを形成し、励起光ELに対して逆行するように射出する。樹脂成形品90は、被照射体81の表面(つまり蛍光体の発光面)に近接させて配置される。
支持体82は、表側面82aにミラーが形成されており、被照射体81を通過した励起光ELや被照射体81から図面下側に射出された蛍光光FLを反射して被照射体81に戻す。
スペーサー83は、樹脂成形品90の被照射体81に対する姿勢を平行に設定するとともに、両者の間隔を設定し維持する。
被照射体81から図面上側に射出された蛍光光FLは、樹脂成形品90のレンズアレイ96を通過することで、正面方向に偏った配光分布となって不図示の対象を照明する。
以上の光学装置180では、被照射体(蛍光体)81から高角度に発生する成分を樹脂成形品90によって取り出す必要があるため、必然的にレンズ95の焦点Fは短くならなくてはならないが、焦点Fが樹脂成形品90内部に入ってしまっては取り出し方向が均一にはならないことや、励起光ELが樹脂成形品90内に集光することで樹脂の劣化が促進されてしまう。上記樹脂成形品90のように、レンズ95の焦点Fが表面に対向して当該表面から1mm以内の位置にあると、樹脂成形品90をその外部にあって厚みが通常1mm以下の被照射体81に対して貼り付ける程度に近接させて使用することが容易になり、高精度で蛍光光FL等を取り出すことができる。
上記樹脂成形品90は、上述の光学装置180のように蛍光体等(被照射体81)の発光面に貼り付ける程度に近接させて励起光の照射に伴う蛍光光を取り出す光学系への応用に適し、蛍光光等の取り出し効率を上げることが可能になる。
樹脂成形品90や被照射体81は、円盤状のものに限らず、環状又は輪帯状とすることができる。この場合、樹脂成形品90や被照射体81を対称な中心軸のまわりに回転させつつ、環状の一箇所に励起光ELを照射することで、ここから蛍光光FLを取り出す構造とすることもできる。この場合、被照射体81上の照明位置を移動させながら蛍光光FLを取り出すことができ、発光効率を高めることが容易になる。樹脂成形品90の具体的な作製例では、直径50mmの円盤上の内周40〜50mmの帯状部分にレンズアレイ96を形成し、レンズ95を千鳥配置で密に配置した。これに限らず、円環の帯の0〜120°(又は12時から8時の方向)の部分にのみレンズアレイ96を形成することもできる。
図5は、転写型100や樹脂成形品90の別の変形例を説明する断面図である。この場合、上型20の機能転写面22aは、截頭錐体に対応する面状のパターン部222dを有するものとなっている。樹脂成形品90は、截頭錐体状の突起295からなる突起アレイ296を備える。
機能転写面22aにおいて、パターン部222dは、離型方向(紙面上下方向又はZ方向)に対して45°以下の面角度αをなす面を周辺部に有している。
以上で説明した第1実施形態の成形方法によれば、対向部分30tが裏側転写面32aを有し精密転写部分20tに向けて相対的に移動可能であるとともに撓み変形可能であるフィルム(可動部)32を有するので、硬化性樹脂LRの硬化収縮が比較的大きな場合であっても、フィルム(可動部)32が樹脂成形品90の対向部分30t側の裏面90bを平坦に保つ役割を果たし、樹脂成形品90が平板状であっても、ヒケがなく高い平面度を有する製品を安価で提供することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の成形方法等について説明する。なお、第2実施形態の成形方法は、第1実施形態の成形方法を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様である。
図6に示すように、下型30において、基板31とフィルム(可動部)32との間には、シート状の弾性体34が配置されている。弾性体34は、基板31とフィルム32とを接続してフィルム32の変形や上昇を抑制する。弾性体34は、0.05〜5mm程度の厚みを有する。また、弾性体34のデュロメータ硬度は、10〜100程度である。弾性体34を設けることで、フィルム(可動部)32の傾きや変形を抑えることができ、樹脂成形品90の特に裏面90bに関して、平坦度、平面度、傾きのバラツキを抑えることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の成形方法等について説明する。なお、第3実施形態の成形方法は、第1実施形態の成形方法を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様である。
図7に示すように、下型30において、フィルム(可動部)32の表面である裏側転写面32aには、略全体に亘って微細構造32fが形成されている。この微細構造32fは、微細な凹凸をランダムに形成したものであり、微細な凹凸は、可視光波長以下のサイズとなっている。裏側転写面32aに微細構造を設けることで、成形と同時に樹脂成形品390の裏面90bに微細構造32fに対応する微細な凹凸97を付与することが可能になり、製造のタクトが短縮される。ここで、微細な凹凸97は、反射防止構造である。この場合、通常反射防止処理が困難な硬化性樹脂LR(例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等)にも反射防止処理が可能になり、特に光硬化樹脂の場合は、硬化に際しての回折や反射による硬化のムラを抑えることが可能になる。また、樹脂成形品390に微細な凹凸(反射防止構造)97を設けることにより、透過率が上がり光の取り出し効率を向上させることができる。
なお、図4Bにおいて、光学装置180に組み込まれた樹脂成形品90を図7に示す第3実施形態の樹脂成形品390又はこれを改変したものに置き換えることができる。この場合、樹脂成形品390の裏面90bでの無駄な反射が減って光利用効率を高めることができる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態の成形方法等について説明する。なお、第4実施形態の成形方法は、第1実施形態の成形方法を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様である。
図8に示すように、転写部22の周辺部28の表面、つまり機能転写面22aの外側の周辺転写面22u上に、光硬化型の硬化性樹脂LRの硬化波長の光を遮光又は減光する遮光パターン膜(又は遮光パターン)51が設けられている。型空間SPに充填された光硬化性樹脂LRに対して遮光パターン膜51側から光照射を行い、光硬化性樹脂LRを硬化させる。遮光パターン膜51は、硬化光が周辺転写面22uと、これに対向する下型30側の転写面30aの周辺のとの間に導入された硬化性樹脂LRに対して、上型20の外側からの硬化光が入射することを抑制する。つまり、遮光パターン膜51の影に一部未硬化の部分を作ることができ、精密転写部分20tに対応する製品部分の収縮の際に隣接する周辺転写面22uに対向する部分から樹脂が供給され、ヒケの発生を抑えることが可能になる。なお、一部未硬化の部分も、硬化光を或る程度以上照射することで硬化させることができ、仕上げに下型30の外側からの硬化光を入射させることもできる。なお、遮光パターン膜51を精密転写部分20t側ではなく、対向部分30t側に隣接する部分に設けてもよい。この場合、下型30側から光照射を行い、光硬化性樹脂LRを硬化させる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態の成形方法等について説明する。なお、第5実施形態の成形方法は、第1実施形態の成形方法を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様である。
図9に示すように、フィルム32の裏側転写面32aに光硬化型の硬化性樹脂LRの硬化波長の光を反射する反射パターン膜(又は反射パターン)36が設けられている。型空間SPに充填された光硬化性樹脂LRに対して反射パターン膜36の反対側から光照射を行い、光硬化性樹脂LRを硬化させる。反射パターン膜36は、精密転写部分20t側から入射して硬化性樹脂LRを通過して反射パターン膜36に到達した硬化光を反射する。つまり、反射パターン膜36で反射される硬化光は硬化性樹脂LRを往復し、精密転写部分20tに対応する部分が先に硬化するが、隣接する部分から樹脂が供給され、ヒケの発生を抑えることが可能になる。反射パターン膜36については、パターン部22dに対応する部分にのみ設けることもできる。なお、下型30の表面31aを反射パターン又はミラーとすれば、上型20の上方から照射した硬化光を硬化性樹脂LR内で往復させることができる。また、反射パターン膜36を対向部分30t側ではなく、精密転写部分20t側に設けてもよい。この場合、下型30側から光照射を行い、光硬化性樹脂LRを硬化させる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明に係る成形方法及び樹脂成形品は上記の実施形態には限られない。樹脂成形品90を光学装置180に組み込む場合を説明したが、樹脂成形品90は、光学部品に限らず、様々な用途の部品として用いることができる。例えば、樹脂成形品90がバイオチップである場合、機能転写面22aは流路、液溜まり等の機能性構造を形成するための面となる。
フィルム(可動部)32は、比較的厚く可撓性を有しない板状の部材に置き換えることができる。
スペーサー40は、上型20に固定することもできる。また、スペーサー40についてはこれを省略し、駆動機構等によって型20,30の間隔調整を行うこともできる。
樹脂成形品390の表面90aにも微細な凹凸97を設けて反射率を低下させることができる。
フィルム(可動部)32の表面に形成する微細構造32fは、反射防止構造に対応するものに限らない。すなわち、フィルム32の微細構造32fによって樹脂成形品390に形成される形状は、回折格子のような波長レベルの矩形構造とすることができる。

Claims (17)

  1. 精密転写部分と前記精密転写部分に対向する対向部分とを有し、前記対向部分が転写面を有し前記精密転写部分に向けて相対的に移動可能である可動部を有する転写型の、前記精密転写部分と前記対向部分とに挟まれた型空間に、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれか一方の硬化性樹脂を満たし、
    前記型空間の少なくとも一部が開放された状態で前記硬化性樹脂を硬化する樹脂成形品の成形方法。
  2. 前記対向部分は、前記可動部として可撓性を有するフィルムを有する、請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法。
  3. 前記対向部分は、前記可動部と、当該可動部に対向して成形品の反対側に配置される支持体と、前記可動部及び前記支持体の間に配置されて前記可動部及び前記支持体を接続する弾性体とを有する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. 前記転写型は、前記精密転写部分と前記対向部分との間隔を設定するスペーサーをさらに備え、前記スペーサーは、前記対向部分において前記可動部を成形品の反対側から支持可能な支持体に固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  5. 前記精密転写部分と前記対向部分との間の型空間は、最も薄い部分の厚みを基準として、最も厚い部分の厚みが150%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  6. 前記精密転写部分の転写面が離型方向に対して45°以下の面角度をなす部分を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  7. 前記対向部分の前記転写面は、微細構造を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  8. 前記微細構造は、反射防止構造である、請求項7に記載の樹脂成形品の成形方法。
  9. 前記可動部は、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、及びポリプロピレンのいずれかで形成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  10. 前記精密転写部分と前記対向部分との少なくとも一方に隣接する部分に前記光硬化性樹脂の硬化波長の光を遮光する遮光パターンが設けられており、前記型空間に充填された前記光硬化性樹脂に対して前記遮光パターン側から光照射を行い前記光硬化性樹脂を硬化させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  11. 前記精密転写部分と前記対向部分との少なくとも一方に前記光硬化性樹脂の硬化波長の光を反射する反射パターンが設けられており、前記型空間に充填された前記光硬化性樹脂に対して前記反射パターンの反対側から光照射を行い前記光硬化性樹脂を硬化させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  12. 前記対向部分は、前記可動部と当該可動部を支持する支持体とを有し、前記支持体は、金属及びガラスのいずれか一方で形成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  13. 前記硬化性樹脂は、硬化収縮率が2%以上のものである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  14. 光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれか一方である単一の硬化性樹脂で構成され、厚みが1mm以下で光透過性を有する平板状の樹脂成形品であって、
    少なくとも一面に複数個のレンズが成形されたレンズアレイを有し、
    前記レンズの焦点が前記レンズが設けられる面とは反対側の面から1mm以内の位置にある樹脂成形品。
  15. 少なくとも一方の表面に反射防止構造を有している、請求項14に記載の樹脂成形品。
  16. 前記硬化性樹脂は、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂である、請求項14及び15のいずれか一項に記載の樹脂成形品。
  17. 前記レンズのアスペクト比が0.5以上である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の樹脂成形品。
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