JP2008129229A - 複合光学素子および複合光学素子の製造方法 - Google Patents

複合光学素子および複合光学素子の製造方法 Download PDF

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健二 井上
Tomonobu Yoshikawa
智延 吉川
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Abstract

【課題】複合光学素子の成形後に、内型と外型の境界部で亀裂を生じることなく、確実に離型することを目的とする。
【解決手段】本発明は、複合光学素子の樹脂3の光学有効部3aの外周に厚肉部3bを設け、その境界部で、厚肉部3bの肉厚を光学有効部3aの肉厚より厚くすると共に、厚肉部3bを成形するイジェクト型6の成形面6aを傾斜させることにより、離型時に、イジェクト型6から厚肉部3bに内向きの圧縮力が働いて亀裂を防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、2種類の材料を接合する構造の複合光学素子とその製造方法に関するものである。
2種類の材料を接合する構造の複合光学素子としては、球面ガラス基材の上に樹脂層を接合してその樹脂の表面を非球面に形成するいわゆるハイブリッドレンズが代表的なものである。この樹脂を成形硬化した時に、成形型に密着して成形型から離型することが難しい。そのために、金型を内型と外型とにより構成し、内型と外型を連続面となる状態で樹脂を成形した後に外型を突き上げて内側だけを先に離型することが行われている(例えば特許文献1参照)。
従来の複合光学素子の断面図を図8に示す。図8において、81は複合光学素子、82は第1光学材料としてのガラス、83は第2光学材料としての樹脂である。樹脂83の形状は光学有効部を延長して光学有効部外まで連続した面である。図9にこの複合光学素子を製造する成形型の断面図を示す。図9において、85は第2光学素子83の光学有効部を成形するための内型であり、86は第2光学素子83の光学有効部外を成形するための外型である。図9に示すとおり、この成形型の内型85と外型86はほぼ一つの連続面である。
特開平4−144718号公報
しかし、上記従来の成形型で複合光学素子を成形する際、樹脂を成形後に、図10に示す図9の部分拡大図のように、外型86を突き上げて離型しようとすると、弾性体である樹脂は外型86に押された部分が圧縮されて窪む。そうすると内型部分と外型部分の境界で引っ張り応力が発生し、その結果亀裂87が生じてしまうことがあり、また亀裂を起点に外型部分のみ離型しても内型部分は成形型に残ってしまうという問題が起きた。
本発明は、上記の課題を解決し、亀裂を生じることなく確実に離型できる複合光学素子とその製造方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の複合光学素子は、第1光学材料の表面に第2光学材料を接合した複合光学素子であって、前記第2光学材料は、中心部を含む光学有効部と、前記光学有効部の周辺部に位置する厚肉部とを有し、前記光学有効部と前記厚肉部とが隣接する部分において前記厚肉部の肉厚が前記光学有効部の肉厚よりも厚くなると共に、前記厚肉部の表面は外側に向かうに従って前記第1の光学材料寄りに傾斜していることを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記厚肉部は、前記光学有効部の全外周に位置することを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記光学有効部と前記厚肉部との間に成形型非接触部を有することを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記光学有効部と前記厚肉部とは別体の成形型で型押しされることを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記厚肉部は成形型に非接触で成形されることを特徴とするものである。
また、前記光学有効部と前記厚肉部とが隣接する部分において、前記光学有効部の肉厚に対し前記厚肉部の肉厚が1.005倍以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の複合光学素子は、第1光学材料の表面に第2光学材料を接合した複合光学素子であって、前記第2光学材料は、中心部を含む光学有効部と、前記光学有効部の周辺部に位置する光学有効外部と、前記光学有効外部の外側で前記周辺部の一部に位置する厚肉部とを有し、前記光学有効外部と前記厚肉部とが隣接する部分において前記厚肉部の肉厚が前記光学有効外部の肉厚よりも厚くなることを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記光学有効外部と前記厚肉部との間に成形型非接触部を有することを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記光学有効部および前記光学有効外部を含む部分と前記厚肉部とは別体の成形型で型押しされることを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の前記厚肉部は成形型に非接触で成形されることを特徴とするものである。
また、前記光学有効外部と前記厚肉部とが隣接する部分において、前記光学有効外部の肉厚に対し前記厚肉部の肉厚が1.005倍以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の複合光学素子の製造方法は、第1光学材料の表面に第2光学材料を配置して成形型で成形した後に離型する複合光学素子の製造方法であって、前記成形型は光学有効部を含む範囲を成形するためのコア型と前記コア型の外周側に隣接するイジェクト型とを含み、前記イジェクト型の成形面は外周に向かうに従って押圧方向に傾斜しており、前記第2光学材料の成形時に前記コア型と前記イジェクト型とが隣接する部分において前記イジェクト型よりも前記コア型の方が押圧方向に位置し、前記第2光学材料の成形後に前記イジェクト型が前記第2光学材料を突き押して前記コア型から前記第2光学材料を離型することを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の成形時に、前記イジェクト型と前記第2光学材料とが接触していることを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の成形時に、前記イジェクト型と前記第2光学材料とが接触していないことを特徴とするものである。
また、前記第2光学材料の成形時に、前記イジェクト型の最内周で成形される前記第2光学材料の肉厚が、前記コア型の最外周で成形される前記第2光学材料の肉厚に対して1.005倍以上となる位置に前記イジェクト型を位置させることを特徴とするものである。
本発明の複合光学素子によれば、光学有効部と厚肉部とが隣接する部分において厚肉部の肉厚が光学有効部の肉厚よりも厚くなるため、成形後に離型のためイジェクト型が光学有効部外の第2光学材料を突き押す状況において、第2光学材料が弾性変形して薄くなっても近傍の光学有効部より窪むことなく厚いので、境界部で引っ張り応力よりも圧縮応力が大きくなり、第2光学材料に亀裂を生じることなくコア型から離型することが可能になる。また、厚肉部の表面は外側に向かうに従って第1の光学材料寄りに傾斜しているため、第2光学材料を成形後にイジェクト型で押圧して離型する際に、第2光学材料に内側向きの力が生じて境界部の引っ張り応力を減少させて第2光学材料の亀裂発生を抑止する。
また、第2光学材料の厚肉部が光学有効部の全外周に位置することにより、全周を同時に離型するので局部的に第2光学材料を歪ませることがない。また、第2光学材料の厚肉部が全外周である場合は、イジェクト型およびコア型嵌め合わせ部も円環状や枠状の形状になり、旋盤やフライス盤で容易に加工できる。
また、前記第2光学材料の前記光学有効部と前記厚肉部との間に成形型非接触部を有することにより、成形型非接触部は自由表面の滑らかな形状となるため、離型時の応力集中が緩和されて第2光学材料の亀裂を防止できる。また、成形型非接触部を設けることで全て接触させるだけの押圧力と第2光学材料の流動時間は不要になり、軽い力で短時間で成形することが可能になる。
また、第2光学材料の光学有効部と厚肉部とは別体の成形型で型押しされることにより、光学有効部を成形した後で厚肉部だけに離型のための力を加えることが可能になる。また光学有効部は光学素子として必要な非常に高精度な加工ができる型材料を用いて、十分な工数をかけて加工製作しなければならないが、厚肉部は加工精度が高くない型材料を用いて比較的簡単な加工で製作することができる。そして光学有効部は第2光学材料に成形型の形状を正確に転写できるように密着性の高い型材料を用いなければならないが、厚肉部は密着性の低い別の型材料を用いることができる。
また、第2光学材料の厚肉部は成形型に非接触で成形されることにより、厚肉部が成形により成形型に密着して離れなくなる不具合は無くなり、成形後であれば光学有効部外のコア型で第2光学材料を離型のために押しても密着して離れなくなることはない。
また、前記光学有効部と前記厚肉部とが隣接する部分において、前記光学有効部の肉厚に対し前記厚肉部の肉厚が1.005倍以上であることにより、離型のためにコア型で押して第2光学材料が変形して縮んでも光学有効部より薄く窪むことがなく、境界部に引っ張り応力は生じなく、第2光学材料に亀裂が生じることがない。
また、本発明の複合光学素子によれば、第2光学材料の厚肉部が光学有効部の周辺部の一部に位置することにより、離型のためにイジェクト型に加えた力は近傍の局所加重が生じる小さな領域で起こり、その局所離型をきっかけとしてコア型全面に離型力が伝播していくことで離型される。つまり全面に同時に力をかけて離型するよりも小さな力で離型することが可能である。
また、本発明の複合光学素子の製造方法によれば、第2光学材料の成形時にコア型とイジェクト型とが隣接する部分において、イジェクト型よりもコア型の方が押圧方向に位置しているため、離型のためにコア型で押して第2光学材料が変形して縮んでも光学有効部より薄く窪むことがなく、境界部に引っ張り応力は生じなく、第2光学材料に亀裂が生じることがない。また、イジェクト型の成形面は外周に向かうに従って押圧方向に傾斜しているため、第2光学材料を成形後にイジェクト型で押圧して離型する際に、第2光学材料に内側向きの力が生じて境界部の引っ張り応力を減少させて第2光学材料の亀裂発生を抑止する。
また、第2光学材料の成形時に、イジェクト型と第2光学材料とが接触していることにより、第2光学材料の厚肉部の形状が自由形状で膨らんでしまうことなく、後の反射防止膜成膜時や光学鏡筒組み立て時に邪魔にならない。また第2光学材料が成形型に非接触で大気に触れていると、第2光学材料に重合硬化樹脂を用いた場合に大気中の酸素が重合反応を阻害して硬化が十分に進まないという不具合を低減できる。
また、第2光学材料の成形時に、イジェクト型と第2光学材料とが接触していないことにより、成形後に離型のためにイジェクト型で第2光学材料を押しても、イジェクト型が第2光学材料に密着して離れなくなることはない。
また、第2光学材料の成形時に、イジェクト型の最内周で成形される第2光学材料の肉厚が、コア型の最外周で成形される第2光学材料の肉厚に対して1.005倍以上となる位置にイジェクト型を位置させることにより、離型のためにイジェクト型で押して第2光学材料が変形して縮んでも光学有効部より薄く窪むことがなく、境界部に引っ張り応力は生じなく、第2光学材料に亀裂が生じることがない。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る複合光学素子について説明する。図1は本実施の形態の複合光学素子の断面図である。複合光学素子1は、第1光学材料としてのガラス2と、第2光学材料としての樹脂3とが接合したものである。ここで、第1光学材料としては、ガラスの他に、セラミックス、樹脂などを用いることができる。また第2光学材料としては、特に紫外線、可視光線、電子ビームの照射、あるいは加熱といったエネルギーを加えることで硬化するエネルギー硬化樹脂を用いることができる。ガラス2は両凸の球面形状に研磨加工されている。樹脂3はガラス2の片面に成形されており、本複合光学素子が搭載される光学セット製品において利用される光束が透過する内側の光学有効部3aは非球面形状に成形されており、その外周の光学有効部外は厚い形状となる厚肉部3bが形成される。
図2は本複合光学素子を成形型で成形する時の状態を示す断面図である。複合光学素子1は図1と同じ複合光学素子であるが上下逆の位置関係にあり、成形型のうちの光学有効部3aを成形するコア型5の外周にイジェクト型6が嵌合しており、樹脂3は光学有効部3aをコア型5の成形面5aに密着し、光学有効部外の厚肉部3bをイジェクト型6の成形面6aに接触し、その上にガラス2が配置している。
この複合光学素子の製造工程について図3の詳細図を用いながら説明する。図3(a)に示すように、コア型5は、焼入鋼を基材としてその表面にNi−Pメッキを成膜し、そのメッキ材を超精密ダイヤモンド切削加工により、非球面形状の成形面5aが形成されている。コア型5の光学有効部の成形面5aの外周よりわずかに下がった位置に、イジェクト型6が嵌合のための隙間を置いて配置される。イジェクト型6はステンレス鋼を材料として、光学有効部外の成形面6aは非球面ではなく、加工の容易な傾斜面に汎用旋盤で加工したものであり、材料費と加工費ともに安価に製作できる。
コア型5の成形面5a上に樹脂の未硬化液を塗出し、次いでガラス2を樹脂液の上から載せて、コア型5との間隔が所定の距離になるよう配置する。この時に樹脂液がコア型5より外側へ広がるように塗出量を制御する。樹脂3の光学有効部3aの最外周の厚さは図3(a)に示すtiであり、樹脂3の光学有効部外の厚肉部3bの最内周の厚さはtoであり、この図の場合、toはtiの約1.2倍の厚さである。
コア型5とイジェクト型6の間には上下摺動して嵌め合うための隙間を設け、その隙間の部分の樹脂3は成形型に非接触にする。イジェクト型6の成形面6aは外側に向かうにしたがい、第1光学材料寄りに傾斜した形状である。この状態で樹脂を硬化して成形する。本実施の形態では紫外線硬化樹脂を用いたので紫外線を照射することで、樹脂3は硬化後、コア型5の非球面形状の成形面5aが転写される光学有効部3aと、イジェクト型6の光学有効部外の成形面6aが転写される厚肉部3bと、その間の成形型非接触部3cとが成形される。
次に離型工程に移る。図3(b)に示すように、イジェクト型6に上向きの力を加えて樹脂3の厚肉部3bを押圧する。この押圧により樹脂3の厚肉部3bは弾性変形して縮むが、コア型5の部分より薄くなることはなく、コア型5とイジェクト型6の境界でも圧縮応力が働く。さらに第2光学材料の光学有効部外の厚肉部3bの表面が、外側に向かうに従い、第1光学材料寄りに傾斜しているので、第2光学材料の厚肉部3bに内側向きの力が生じて、境界部である成形型非接触部3cの引っ張り応力を減少させる。それらのメカニズムにより、樹脂3に亀裂を生じることなく、図3(c)のように、コア型5から樹脂3が離型できる。もしこの傾斜の方向が逆の場合は、イジェクト型6で押圧離型する際に、外側向きの力が生じて境界部に引っ張り応力が高まり、亀裂が発生しやすくなる。
コア型5とイジェクト型6との間の成形型非接触部3cは、樹脂液の自由表面で成形されるので滑らかな形状であり、コア型5とイジェクト型6に全て接触して角部のような鋭利な形状に成形される場合に比べて、応力集中がなく樹脂3に亀裂が生じることがない。
次いでガラス2を把持してイジェクト型6から樹脂3を離型するが、コア型5に比べてイジェクト型6は面積が小さく、樹脂3とイジェクト型6との密着力が小さいので容易に離型できる。
図4は、複合光学素子1を上方から見た平面図である。厚肉部3bが光学有効部3aの全外周にあることにより、イジェクト型6での押圧は全周に均等にかかり、離型も全周で起こるため、いずれかの方向が偏って歪むことがない。コア型5の外周側面とイジェクト型6の内周側面の嵌合部ともに円筒面であり、旋盤などで容易に加工出来る形状である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る複合光学素子について説明する。図5は本実施の形態に係る複合光学素子21の断面図である。第1光学材料としてガラス22を用い、その形状は、片面が凹面で他面が凸面の球面レンズ形状である。第2光学材料として熱硬化性の樹脂23を用い、ガラス22の凹面側に接合している。図6は複合光学素子21を凹面側から見た平面図であり、図7は複合光学素子を成形する状態を示す断面図である。樹脂23の中心は光学有効部23aであり、その外側の全周の光学有効部外に光学有効外部23dがあり、その光学有効部外における一部の図面右側にのみ厚肉部23bが形成され、光学有効部23aと厚肉部23bとの間に光学有効外部23dを挟んで成形型非接触部23cがある。
成形型はコア型25とイジェクト型26とからなる。コア型25は概ね円柱形で、成形面の内側は光学有効部である非球面形状であり、外側はその非球面を連続して延長した形状で光学有効外部23dを転写する成形面になっている。そしてコア型25の一部、図の右側はDカット状に削り落とした形状になっており、そこにイジェクト型26が嵌め合わされる。イジェクト型26の押圧面26aは、コア型25の成形面端部より、樹脂が厚肉になる図上方の位置にある。コア型25はガラス材料、イジェクト型26はフッ素樹脂を用いた。
次にこの複合光学素子の製造工程について説明する。ガラス22の凹面上に樹脂材料を載せ、それからコア型25とイジェクト型26からなる成形型を樹脂材料上に載せていく。樹脂材料は中心から外側へ流動し、光学有効部23aを越えて光学有効外部23dへ到る。同時にイジェクト型26の所ではコア型25の端を越えて樹脂は広がり、イジェクト型26との間に成形型非接触部23cを形成して、さらにイジェクト型26の所で樹脂は厚く盛り上がって厚肉部23bを形成するが、イジェクト型26に接触してもよいし、しなくても良い。この状態で熱処理を行って樹脂を硬化する。
次にイジェクト型26を下方に摺動して、樹脂23の厚肉部23bに接触して押圧する。本実施の形態では、光学有効外部23dと厚肉部23bとが隣接する部分において、光学有効外部23dの肉厚に対し、厚肉部23bの肉厚が1.005倍となるように成形しており、イジェクト型26で押圧して樹脂23が弾性変形しても、光学有効部23aの樹脂の厚みより薄くなることはなく、亀裂が生じないでコア型25から離型することができる。光学有効部外の厚肉部23bの厚さが1.004倍以下の場合はイジェクト型26での押圧による弾性変形で樹脂が薄くなってコア型25との間で引っ張り応力が大きくなり、樹脂23に亀裂が入ることが増える。
樹脂23の光学有効部外の厚肉部23bが光学有効部23aの全外周ではなく一部であることにより、イジェクト型26とコア型25との境界部も狭い領域になり、狭い境界部で離型させることに必要な力は小さくて良い。離型が始まる境界部は狭い領域であっても、離型した箇所とその隣接する未離型部分との間で離型力が伝播して離型していくことで、全面に離型が進む。よって全外周に厚肉部を設けて同時に力をかけて離型するよりも、イジェクト型26にかける力は小さくて済む。そして、厚肉部23bは成形型に非接触で成形されるので、硬化時にイジェクト型26に樹脂23が密着して離れなくなるという不具合は無くなる。イジェクト型26の材料は密着性の低い別の材料、本例ではフッ素樹脂を用いることができるので、押圧後に樹脂23とイジェクト型26を離型することも容易である。
本発明は、実施の形態1と2に記載した例に限定されるものではなく、第1と第2の光学材料を接合する複合光学素子について有効である。第1光学材料は、ガラスの他に各種樹脂、セラミックスなどを用いても良く、第2光学材料は低融点ガラス、熱可塑樹脂などを用いても良い。接合面が球面だけでなく非球面や平面、回折格子、アレイ形状についても有効である。
本発明の複合光学素子は、カメラ用のレンズ、プロジェクター用のレンズ、光ディスク用レンズなどに用いて、それらの機器の製造歩留まりを向上して生産性を上げることに寄与することができる。
本発明の実施の形態1における複合光学素子の断面図 本発明の実施の形態1における複合光学素子の製造工程の断面図 本発明の実施の形態1における複合光学素子の製造工程の詳細図 本発明の実施の形態1における複合光学素子の平面図 本発明の実施の形態2における複合光学素子の断面図 本発明の実施の形態2における複合光学素子の平面図 本発明の実施の形態2における複合光学素子の製造工程の断面図 従来の複合光学素子の断面図 従来の複合光学素子の製造工程の断面図 従来の複合光学素子の製造工程の拡大図
符号の説明
1 複合光学素子
2 ガラス
3 樹脂
3a 光学有効部
3b 厚肉部
3c 成形型非接触部
5 コア型
5a 成形面
6 イジェクト型
6a 成形面
21 複合光学素子
22 ガラス
23 樹脂
23a 光学有効部
23b 厚肉部
23c 成形型非接触部
23d 光学有効外部
25 コア型
26 イジェクト型
26a 押圧面

Claims (15)

  1. 第1光学材料の表面に第2光学材料を接合した複合光学素子であって、前記第2光学材料は、中心部を含む光学有効部と、前記光学有効部の周辺部に位置する厚肉部とを有し、前記光学有効部と前記厚肉部とが隣接する部分において前記厚肉部の肉厚が前記光学有効部の肉厚よりも厚くなると共に、前記厚肉部の表面は外側に向かうに従って前記第1の光学材料寄りに傾斜していることを特徴とする複合光学素子。
  2. 前記第2光学材料の前記厚肉部は、前記光学有効部の全外周に位置することを特徴とする請求項1記載の複合光学素子。
  3. 前記第2光学材料の前記光学有効部と前記厚肉部との間に成形型非接触部を有することを特徴とする請求項1記載の複合光学素子。
  4. 前記第2光学材料の前記光学有効部と前記厚肉部とは別体の成形型で型押しされることを特徴とする請求項1記載の複合光学素子。
  5. 前記第2光学材料の前記厚肉部は成形型に非接触で成形されることを特徴とする請求項1記載の複合光学素子。
  6. 前記光学有効部と前記厚肉部とが隣接する部分において、前記光学有効部の肉厚に対し前記厚肉部の肉厚が1.005倍以上であることを特徴とする請求項1記載の複合光学素子。
  7. 第1光学材料の表面に第2光学材料を接合した複合光学素子であって、前記第2光学材料は、中心部を含む光学有効部と、前記光学有効部の周辺部に位置する光学有効外部と、前記光学有効外部の外側で前記周辺部の一部に位置する厚肉部とを有し、前記光学有効外部と前記厚肉部とが隣接する部分において前記厚肉部の肉厚が前記光学有効外部の肉厚よりも厚くなることを特徴とする複合光学素子。
  8. 前記第2光学材料の前記光学有効外部と前記厚肉部との間に成形型非接触部を有することを特徴とする請求項7記載の複合光学素子。
  9. 前記第2光学材料の前記光学有効部および前記光学有効外部を含む部分と前記厚肉部とは別体の成形型で型押しされることを特徴とする請求項7記載の複合光学素子。
  10. 前記第2光学材料の前記厚肉部は成形型に非接触で成形されることを特徴とする請求項7記載の複合光学素子。
  11. 前記光学有効外部と前記厚肉部とが隣接する部分において、前記光学有効外部の肉厚に対し前記厚肉部の肉厚が1.005倍以上であることを特徴とする請求項7記載の複合光学素子。
  12. 第1光学材料の表面に第2光学材料を配置して成形型で成形した後に離型する複合光学素子の製造方法であって、前記成形型は光学有効部を含む範囲を成形するためのコア型と前記コア型の外周側に隣接するイジェクト型とを含み、前記イジェクト型の成形面は外周に向かうに従って押圧方向に傾斜しており、前記第2光学材料の成形時に前記コア型と前記イジェクト型とが隣接する部分において前記イジェクト型よりも前記コア型の方が押圧方向に位置し、前記第2光学材料の成形後に前記イジェクト型が前記第2光学材料を突き押して前記コア型から前記第2光学材料を離型することを特徴とする複合光学素子の製造方法。
  13. 前記第2光学材料の成形時に、前記イジェクト型と前記第2光学材料とが接触していることを特徴とする請求項12記載の複合光学素子の製造方法。
  14. 前記第2光学材料の成形時に、前記イジェクト型と前記第2光学材料とが接触していないことを特徴とする請求項12記載の複合光学素子の製造方法。
  15. 前記第2光学材料の成形時に、前記イジェクト型の最内周で成形される前記第2光学材料の肉厚が前記コア型の最外周で成形される前記第2光学材料の肉厚に対して1.005倍以上となる位置に前記イジェクト型を位置させることを特徴とする請求項12記載の複合光学素子の製造方法。
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