JP2005081782A - 光学素子、および、その製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂層の金型に対する剥離に要する力の低減を図ることができ、しかも、樹脂層を形成する樹脂の注入制御も容易に行うことができる。
【解決手段】 回折格子2の薄層部6が、その最外の円周面上に均等に4箇所、略尖塔状の突起部6Pを突き出しピン16の位置に対応して有している。
【選択図】 図7

Description

本発明は、樹脂で形成される薄層部を有する光学素子およびその製造方法に関する。
レンズ、回析格子等の光学素子は、例えば、ガラスあるいはプラスチック材料で一体に成形されるもの、または、ガラス等の基材の表面に樹脂等の薄層部が形成された構造を有するものが実用に供されている。
このような光学素子を製造するにあたっては、ガラスの研削、研摩や型を用いた精密成形、熱可塑性樹脂の射出成形やプレス成形等の方法がある。その製造方法は、例えば、機能やコスト、要求精度等により使い分けられている。
例えば、カメラ等に使用される結像系のレンズとしての球面レンズの場合、温度、湿度の環境変化に関して性能劣化が少なく、経済的にも有利であるガラスの研削、研摩の方法により製造される。一方、非球面レンズの場合、型を用いたガラスの精密成形により製造される。カメラにおけるファインダーに使用されるレンズは、優れた結像性能を要求されないのでそのコスト面から樹脂の射出成形により製造される。
大きな非球面レンズは、ガラスの精密成形では形状精度が悪くなり、精度を確保しようとすると成形時間が長くなりコスト高になる。微細な凹凸形状を有する光学素子もガラスでは離型時に凹凸部が破壊し製造できないので、そのような光学素子の場合、樹脂による製造が必須となる。
光学素子全体が樹脂の場合、環境変化に対する性能劣化が大きいので樹脂部が薄層とされ、その影響を小さくするような方法により製造される。
即ち、直径が30mm以上の非球面レンズ、または、表面に微細な凹凸形状を有する光学素子においては、ガラス製の基材上に、光エネルギー硬化型樹脂の薄層が成形された後、それが硬化されることにより、所要の表面形状を形成する方法が用いられている。
このような成形方法において、特に、光エネルギー硬化型樹脂の成形において、離型のとき、作用する応力に起因して成形された樹脂が基材から剥離してしまったり、その樹脂の表面形状が変化する場合がある。また、表面に微細な凹凸を有する光学素子等においては、その凹凸部が破壊したりする場合がある。さらに、離型の工程は、製品の形状精度への悪影響だけでなく生産タクト(成形時間)や型の耐久性の点からもコストに大きく影響することとなる。こうした離型の工程を改善すべく、種々の離型方法が提案されている。
光エネルギー硬化型樹脂の成形における離型方法の一つとしては、例えば、特許文献1に示されるような、突き出しによる離型方法、特許文献2に示されるような加熱、冷却による熱応力を利用した離型方法、特許文献3に示されるような振動による離型方法等が提案されている。
離型の工程における他の改善方法として、型表面材や樹脂組成の改良が提案されている。例えば、特許文献4に示されるように離型性の良い型を採用する方法、特許文献5に示されるように、離型剤処理を施した型を利用する方法、特許文献6に示されるように、樹脂に内填離型剤を含有させる方法等の提案もなされている。
また、例えば、特許文献7にも示されるように、そのような樹脂成形層を金型から容易に取り外すためにガラスレンズの表面に形成される紫外線硬化性樹脂の成形層部分の最外周部分に、新たに樹脂液が金型から一部だけややはみ出る程度に加えられた後、金型からはみ出た樹脂成形層部分に対し紫外線が照射されることにより、一部が凸状となった樹脂成形層部分が成形される方法が提案されている。この方法によれば、樹脂成形層部分の凸状部分を剥離動作開始の起点として樹脂成形層を金型から剥離させることができることとなる。
さらに、例えば、特許文献8にも示されるように、離型のときにおける基材レンズの破損を防止するために樹脂成形層を有する基材レンズが金型から取り外されるとき、樹脂成形層の周縁に、離型部材の端面と基材レンズの周縁との双方に係合する偏心荷重部材が設けられる構成が提案されている。このような構成においては、離型部材の端面に接着される偏心荷重部材が、基材レンズの樹脂成形層の周縁に当接し押圧することにより、基材レンズの樹脂成形層が、偏心荷重部材を剥離動作開始の起点として金型から取り外されることとなる。
特開昭63−131352号公報 特開平01−152015号公報 特開昭62−117154号公報 特許第2680175号公報 特許第3006199号公報 特開平04−254801号公報 特開平06−270166号公報 特開平07−227916号公報
(1)上述の特許文献1乃至3に示される提案においては、樹脂層の金型に対する剥離に要する力の低減が図られたものではないので離型のとき、相当の応力が樹脂/型界面に働き上記の不具合が全て改善されない場合がある。
(2)また、上述の特許文献4乃至6に示される提案においては、型表面材および樹脂組成の改良が考えられている。しかし、型表面材で離型性が良いものは、テフロン(登録商標)のように表面粗さが悪く光学用途には使用できず、内填離型剤は、その耐久性の寿命が短かったり、製品の外観や成形後の樹脂における環境に対する耐久性に悪影響を与える虞がある。
(3)さらに、上述の特許文献7に示される提案においては、新たに樹脂液が金型から一部だけややはみ出る程度に加える制御が容易でなく、そのはみ出し量によっては、他の部分に樹脂が付着することにより、却って離型が円滑に行われない虞もある。特許文献8に示される提案においては、突き出しピンの先端を基材レンズの端部における1箇所に当てて押し上げる、所謂、片爪はがし法と変わらないので部分的な応力集中が基材レンズの端部に生じ必ずしも損傷しないとは限らない。
以上の問題点を考慮し、本発明は、樹脂で形成される薄層を有する光学素子およびその製造方法であって、樹脂層の金型に対する剥離に要する力の低減を図ることができ、しかも、樹脂層を形成する樹脂の注入制御も容易に行うことができる光学素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る光学素子は、光入射面を形成する端面を有する基材と、基材の端面に樹脂で光入射面を形成する薄層部と、を備え、薄層部は、成形用型のキャビティから基材が取り外されるとき、突き出し部材により押圧される突起部を複数箇所に突き出し部材に対応して有することを特徴とする。
また、本発明に係る光学素子の製造方法は、成形用材料が注入される成形用型のキャビティの周囲に、内周部に切欠部を複数箇所に有し光学素子の基材の表面とキャビティとの相対位置を規制するスペーサ部材を配置する工程と、スペーサ部材上に光学素子の基材を配置し、キャビティ内の成形用材料を光学素子の基材と一体となるように硬化させスペーサ部材の切欠部に対応した複数の突起部を光学素子の基材上に形成する工程と、スペーサ部材をキャビティに対し離隔させるとともに、成形用材料と一体化された光学素子の基材および成形用材料を成形用型から取り出す取出工程と、を含み、取出工程において、光学素子の基材上に形成される複数の突起部近傍を所定値の圧力で所定期間、押圧し、突起部を該キャビティの周縁から離隔させた後、光学素子の基材を所定値未満の圧力で押圧することを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る光学素子およびその製造方法によれば、
基材の端面に樹脂で光入射面を形成する薄層部は、成形用型のキャビティから基材が取り外されるとき、突き出し部材により押圧される突起部を複数箇所に突き出し部材に対応して有することにより、薄層部はキャビティの周縁にある各突起部から引き離されるので
樹脂層の金型に対する剥離に要する力の低減を図ることができる。また、スペーサ部材上に光学素子の基材を配置し、キャビティ内の成形用材料を光学素子の基材と一体となるように硬化させるので樹脂層を形成する樹脂の注入制御も容易に行うことができる
図7(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の第1実施例の外観および断面を示す。
図7(A)および(B)において、光学素子は、例えば、回折格子2とされる。
回折格子2は、ガラス製の円板状の基材4と、その基材4の一方の平坦面上に凹凸を形成する薄層部6とを含んで構成されている。所定の膜厚の薄層部6は、樹脂材料で凹凸に形成されており、その中心軸線を中心として同心円上に複数の凸部6ai(i=1〜n,nは正の整数)を所定の間隔で有している。樹脂材料は、例えば、紫外線硬化性樹脂とされる。薄層部6は、最外の円周面上に均等に4箇所、略尖塔状の突起部6Pを有している。突起部6Pは、所定の曲率半径の円弧を先端に有している。突起部6Pの位置は、後述する突き出し部材の位置に対応して形成されている。
このような回折格子2を製造するにあたっては、図5に示されるような、光学素子の製造装置が利用される。
製造装置は、支持台10上に配されコア型14を収容する金型12と、金型12内に昇降動可能に配され成形された回折格子2をコア型14から押し出す突き出し部材としての複数の突き出しピン16と、複数の突き出しピン16の一端部をそれぞれ独立して支持する支持板20を金型12に対し昇降動可能に駆動するアクチュエータ18と、金型12の一方の平坦面に移動可能に配され回折格子2の基材4を支持するスペーサユニット22と、紫外線を回折格子2の基材4に対し紫外線ビームを照射する光源としての紫外線ランプ24と、を主な要素として含んで構成されている。
金型12は、その中央部にコア型14を収容する収容部12aを有している。コア型14は、図6(A)および(B)に示されるように、例えば、燐青銅で作られた円柱状の基台14Bと、基台14Bの一方の端面に形成され、キャビティの一部を形成するめっき層14Aとを含んで構成されている。めっき層14Aは、窒化カリウム(KN)めっきにより形成され所定の膜厚、例えば、100μmの膜厚を有している。めっき層14Aは、上述の回折格子2の凸部6aiの相互間の隙間に対応して凸部14ai(i=1〜n,nは正の整数)を中心軸を中心とした同心円上に所定の間隔で有している。凸部14aiの相互間には、例えば、最大深さ約30μmの凹部が形成されている。この各凹部が、回折格子2の凸部6aに対応して形成されている。これらの凹部および凸部14aiは、例えば、切削加工により形成される。
上述の収容部12aの周囲には、突き出しピン16がそれぞれ挿入される孔12bが、均等に90度間隔で4箇所に設けられている。所定の長さおよび直径を有する突き出しピン16の下端は、それぞれ、支持板20に固定されている。
各支持板20は、往復動可能に基台10内に支持されている。また、各支持板20は、往復動駆動手段としてのアクチュエータ18の各ピストン部に連結されている。図示が省略される各ピストン部は、個別に駆動制御される構成を有する。
空気圧式とされるアクチュエータ18は、後述する空気圧制御部からの駆動制御信号に基づいて制御される。なお、アクチュエータ18は、空気圧式に限られることなく、例えば、油圧式、電動式であってもよい。
また、支持板20と各突き出しピン16の下端との間には、突き出しピン16の押圧力を検出する圧力検出部28がそれぞれ設けられている。圧力検出部28は、例えば、ロードセル等とされ、突き出しピン16の押圧力に応じて検出出力信号SP1、SP2,SP3,およびSP4を後述する制御ユニット40に供給する。
一方、コア型14におけるめっき層14Aは、図1に示されるように、上方に向けて露出しており、その上面の最外周部近傍に環状の平坦部14fを有している。環状の平坦部14fには、環状のスペーサユニット22が載置されている。
スペーサユニット22は、図4に示されるように、円周方向に沿って配列される4個のスペーサ部材22A,22B,22Cおよび22Dから構成されている。スペーサ部材22A,22B,22Cおよび22Dは、その半径方向に移動可能に金型12の上面に配されるスライドベース26A,26B,26C,および26Dにそれぞれ、連結されている。
扇形のスペーサ部材22A〜22Dは、それぞれ、例えば、所定の厚さのテフロン(登録商標)で作られ、約90度の円周角を有している。その厚さは、後述する薄層部の膜厚に応じて設定される。また、各スペーサ部材22A〜22Dの内面には、上述の回折格子2の突起部6Pを形成する切欠部22na,22nb,22nc,および22ndが形成されている。所定の深さを有する切欠部22na〜22ndの底部は、例えば、約2mmの曲率半径の円弧を有している。
金型12の上面に摺動可能に支持されるスライドベース26A,26B,26C,および26Dの一端は、図5に示されるように、スライドベース26A〜26Dをそれぞれ、個別に、コア型14に対し近接または離隔させるように往復動させるアクチュエータ30A、30B,30C,および30Dの駆動軸に連結されている。アクチュエータ30A、30B,30C,および30Dは、それぞれ、スライドベース26A,26B,26C,および26Dに対応して設けられている。アクチュエータ30A、30B,30C,および30Dは、後述する制御ユニット40からの制御信号により制御される。従って、スペーサ部材22A〜22Dは、図4にニ点鎖線で示されるように、互いに離隔し、または、実線で示されるように互いに近接し接触するように移動せしめられることとなる。その結果、スペーサ部材22A〜22Dは、金型12の上面、および、基材素材4’に対し相対的に移動せしめられる。
なお、図5においては、スペーサ部材22A〜22Dの周囲に相対向して設けられるアクチュエータ30Aおよび30Cのみを示し、他のアクチュエータ30Bおよび30Dの図示が省略されている。
コア型14の上方には、光源としての紫外線ランプ24が設けられている。紫外線ランプは、例えば、キセノンランプ等とされる。
斯かる構成に加えて、本発明に係る光学素子の製造方法の一例に用いられる製造装置は、制御ユニット40を備えている。
制御ユニット40は、内部に、動作プログラムデータ、および、供給される検出出力信号を表すデータ等を格納するメモリ部40Mを備えている。
制御ユニット40には、上述の圧力検出部28からのそれぞれの検出出力信号SP1、SP2、SP3、SP4が供給される。また、図示が省略される生産管理用のホストコンピュータからのスペーサユニット22における待機位置への移動開始をあらわす指令信号Si,および、成形作業終了後の成形品の取り出し動作の開始をあらわす指令信号Seが供給される。
上述の光学素子2を製造するにあたり、先ず、図8(A)に示されるように、コア型14のめっき層14A上に溶融した紫外線硬化型の樹脂材料Reが所定量、塗布される。
次に、図8(B)および、図1に拡大されて示されるように、基材素材4’が樹脂材料Reを覆うように互いに近接された位置にあるスペーサユニット22上に位置決められ載置される。密着性向上のために基材素材4’におけるコア型14のめっき層14Aに対向する面に、シランカップリング剤が塗布されている。
続いて、紫外線ランプ24が作動状態とされることにより、所定量の紫外線ビームUVが基材素材4’の光入射面を通じて樹脂材料Reに照射される。これにより、樹脂材料Reがめっき層14Aと基材素材4’の表面との間の空間内で硬化することとなる。
続いて、制御ユニット40は、指令信号Siに基づいて制御信号Caを形成しそれを空気圧制御部42に供給する。空気圧制御部42は、制御信号Caに基づいて駆動信号群CAを形成し、それらを各アクチュエータ30A,30B,30C,および30Dに供給する。これにより、各アクチュエータ30A,30B,30C,および30Dは、図8(C)に示されるように、スペーサユニット22のスペーサ部材22A〜22Dが互いに離隔し所定の待機位置に移動するようにスライドベース26A,26B,26C,および26Dを移動させる。
続いて、制御ユニット40は、各突き出しピン16の先端が所定量移動し基材素材4’の端面に当接し所定の圧力、例えば、約20kNで押圧し所定期間、保持すべく、検出出力信号SP1〜SP4に基づいて制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。空気圧制御部44は、制御信号Cdに基づいて駆動信号群を形成しそれをアクチュエータ18に供給する。これにより、硬化した薄層部6における位置Lo、L1,L2,L3(図3参照)に対向する部分が、約20kN程度でめっき層14Aの表面から離隔し始める。なお、硬化した薄層部6における他の位置Lo,L1、L2,L3に対向する部分のうち少なくとも1箇所においてその離隔が認められない場合であっても、約25kN程度で増圧することにより、その対向する部分がめっき層14Aの表面から離隔し始めることが、本願の発明者の実験により確認されている。
続いて、制御ユニット40は、上述の離隔開始直後、検出出力信号SP1、SP2,SP3、および、SP4に基づいてすべての突き出しピン16の押圧力を例えば、15kN未満に一旦、低減した後、再度すべての突き出しピン16の押圧力を所定期間、例えば、約6秒間、15kN以上とすべく、制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。これにより、突き出しピン16の押圧力が約15kNのとき、硬化した薄層部6の他の部分の全体が、めっき層14Aの表面から離隔することとなる。
本願発明者の実験による検証により、成形された薄層部6は、基材4との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなく、しかも、コア型14においては、繰り返し1000shotの成形でめっき層14Aの形状の変化は見られなかったことが確認されている。
従って、薄層部6の型に対する剥離に要する力の低減を図ることができ、しかも、薄層部6を形成する樹脂の注入制御も容易に行うことができることとなる。
図9(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の第2実施例の外観および断面を示す。
図9(A)および(B)において、光学素子は、例えば、回折格子50とされる。
回折格子50は、ガラス製の円板状の基材52と、その基材52の一方の平坦面上に凹凸を非球面状に形成する薄層部54とを含んで構成されている。所定の膜厚の薄層部54は、樹脂材料で凹凸に形成されており、その中心軸線を中心として同心円上に複数の凸部54ai(i=1〜n,nは正の整数)を所定の間隔で有している。樹脂材料は、例えば、紫外線硬化性樹脂とされる。薄層部54は、最外の円周面上に1箇所、略尖塔状の突起部54Pを有している。突起部54Pは、所定の曲率半径の円弧を先端に有している。突起部54Pの位置は、後述する突き出し部材の位置に対応して形成されている。
このような回折格子50を製造するにあたっては、図10に示されるような、光学素子の製造装置が利用される。なお、図10において、上述の図5に示される例において構成される同一の構成要素は、同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
製造装置は、支持台10上に配されコア型60を収容する金型12’と、金型12’内に昇降動可能に配され成形された回折格子50をコア型60から押し出す突き出し部材としての複数の突き出しピン58と、突き出しピン58の一端部を支持する支持板20を金型12に対し昇降動可能に駆動するアクチュエータ18と、金型12’の一方の平坦面に移動可能に配され回折格子50の基材52を支持するスペーサユニット62と、紫外線を回折格子50の基材52に対し紫外線ビームを照射する光源としての紫外線ランプ24と、を主な要素として含んで構成されている。
金型12’は、その中央部にコア型60を収容する収容部12aを有している。コア型60は、図11(A)、および(B)に示されるように、例えば、燐青銅で作られた円柱状の基台60Bと、基台60Bの一方の端面に形成されキャビティの一部を形成する鋸歯状部60Aとを含んで構成されている。鋸歯状部60Aは、例えば、石英上にグレーマスクを用いたフォトリソ法とエッチング法により形成される。
鋸歯状部60Aは、上述の回折格子50の凸部54aiの相互間の隙間に対応して凸部60ai(i=1〜n,nは正の整数)を中心軸を中心とした同心円上に所定の間隔で有している。凸部60aiの相互間には、例えば、最大深さ約7μmの凹部が形成されている。この各凹部が、回折格子50の凸部54aiに対応して形成されている。
上述の収容部12’aの周囲には、突き出しピン58が挿入される孔12’bが、1箇所に設けられている。所定の長さおよび直径を有する突き出しピン58の下端は、支持板20の表面部に固定されている。
また、支持板20と突き出しピン58の下端との間には、突き出しピン58の押圧力を検出する圧力検出部28が設けられている。圧力検出部28は、例えば、ロードセル等とされ、突き出しピン58の押圧力に応じて検出出力信号SP1を制御ユニット40に供給する。
一方、コア型60における鋸歯状部60Aは、図10に示されるように、上方に向けて露出しており、その上面の最外周部近傍に環状の平坦部60fを有している。環状の平坦部60fには、図12に示されるような環状のスペーサユニット62が載置されている。
スペーサユニット62は、図12に示されるように、円周方向に沿って配列される2個のスペーサ部材62A,および、62Bから構成されている。スペーサ部材62A,62Bは、その半径方向に移動可能に金型12’の上面に配されるスライドベース26A,および26Bにそれぞれ、連結されている。
半円状のスペーサ部材22A、および、22Bは、それぞれ、例えば、所定の厚さのテフロン(登録商標)で作られ、約180度の円周角を有している。また、各スペーサ部材62A、62Bの内面には、上述の回折格子50の突起部54Pを形成する切欠部62naが形成されている。所定の深さを有する切欠部62naの底部は、例えば、約2mmの曲率半径の円弧を有している。
金型12’の上面に摺動可能に支持されるスライドベース26A,および26Bの一端は、図10に示されるように、スライドベース26A、および26Bをそれぞれ、個別に、コア型60に対し近接または離隔させるように往復動させるアクチュエータ56A、および56Bの駆動軸に連結されている。アクチュエータ56A、および、56Bは、それぞれ、スライドベース26A,および、26Bに対応して設けられている。アクチュエータ56A、および、56Bは、後述する制御ユニット40からの制御信号により制御される。
斯かる構成に加えて、本発明に係る光学素子の製造方法に用いられる製造装置は、上述の例と同様な制御ユニット40を備えている。
制御ユニット40には、上述の圧力検出部28からのそれぞれの検出出力信号SP1が供給される。また、図示が省略される生産管理用のホストコンピュータからのスペーサユニット22における待機位置への移動開始をあらわす指令信号Si,および、成形作業終了後の成形品の取り出し動作の開始をあらわす指令信号Seが供給される。
上述の光学素子50を製造するにあたり、先ず、図13(A)に示されるように、コア型60の鋸歯状部60A上に溶融した紫外線硬化型の樹脂材料Reが所定量、塗布される。
次に、図13(B)に示されるように、基材素材52’が樹脂材料Reを覆うように互いに近接された位置にあるスペーサユニット62上に位置決められ載置される。基材素材52’におけるコア型60の鋸歯状部60Aに対向する面には、密着性向上のためにシランカップリング剤が塗布されている。
続いて、紫外線ランプ24が作動状態とされることにより、所定量の紫外線ビームUVが基材素材52’の光入射面を通じて樹脂材料Reに照射される。これにより、樹脂材料Reが鋸歯状部60Aと基材素材52’の表面との間の空間内で硬化することとなる。
続いて、制御ユニット40は、指令信号Siに基づいて制御信号Caを形成しそれを空気圧制御部42に供給する。空気圧制御部42は、制御信号Caに基づいて駆動信号群CAを形成し、それらを各アクチュエータ56A,および56Bに供給する。これにより、各アクチュエータ56A,および56Bは、図12(C)に示されるように、スペーサユニット62のスペーサ部材62Aおよび62Bが互いに離隔し所定の待機位置に移動するようにスライドベース26A,および26Bを移動させる。
続いて、制御ユニット40は、突き出しピン58の先端が所定量移動し基材素材52’の端面に当接し、かつ、約25kNで押圧し所定期間保持すべく、検出出力信号SP1に基づいて制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。空気圧制御部44は、制御信号Cdに基づいて駆動信号を形成しそれをアクチュエータ18に供給する。これにより、硬化した樹脂Re’の薄層部54における突起部54Pが、約25kN程度で鋸歯状部60Aの表面から離隔し始め、一方、硬化した薄層部54における他の位置のすべての部分も、その後、約10秒経過後、約25kN程度で鋸歯状部60Aの表面から完全に離隔することが、本願の発明者の実験により確認されている。
本願発明者の実験による検証により、成形された薄層部54は、基材52との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなく、しかも、コア型14においては、繰り返し1000shotの成形で鋸歯状部60Aの形状の変化は見られなかったことが確認されている。
図14(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の第3実施例の外観および断面を示す。
図14(A)および(B)において、光学素子は、例えば、矩形状の回折格子70とされる。
回折格子70は、ガラス製の円板状の基材72と、その基材72の一方の平坦面上に凹凸を非球面状に形成する薄層部74とを含んで構成されている。所定の膜厚の薄層部74は、樹脂材料で凹凸に形成されており、その中心軸線を中心として同心円上に複数の凸部74ai(i=1〜n,nは正の整数)を所定の間隔で有している。樹脂材料は、例えば、紫外線硬化性樹脂とされる。薄層部74は、最外の外周面上の4隅に、略尖塔状の突起部74Pを有している。突起部74Pは、所定の曲率半径の円弧を先端に有している。突起部74Pの位置は、後述する突き出し部材の位置に対応して形成されている。
このような回折格子70を製造するにあたっては、上述した図5に示される例のような、光学素子の製造装置が利用される。本実施例においては、後述するコア型80およびスペーサユニットの構成を除き、他の構成要素は、図5に示される例における構成要素と同一とされる。
製造装置は、支持台10上に配されコア型80を収容する金型12と、金型12内に昇降動可能に配され成形された回折格子70をコア型80から押し出す突き出し部材としての複数の突き出しピン16と、複数の突き出しピン16の一端部を支持する支持板20を金型12に対し昇降動可能に駆動するアクチュエータ18と、金型12の一方の平坦面に移動可能に配され回折格子70の基材72を支持するスペーサユニット82と、紫外線を回折格子70の基材72に対し紫外線ビームを照射する光源としての紫外線ランプ24と、を主な要素として含んで構成されている。
コア型80は、図15(A)、および(B)に示されるように、例えば、燐青銅で作られた円柱状の基台80Bと、基台80Bの一方の端面に形成され、キャビティの一部を形成するめっき層80Aとを含んで構成されている。めっき層80Aは、窒化カリウム(KN)めっきにより形成され所定の膜厚、例えば、100μmの膜厚を有している。めっき層80Aは、上述の回折格子70の凸部70aiの相互間の隙間に対応して凸部80ai(i=1〜n,nは正の整数)を中心軸を中心とした同心円上に所定の間隔で有している。凸部80aiの相互間には、例えば、最大深さ約40μmの凹部が形成されている。この各凹部が、回折格子70の凸部70aiに対応して形成されている。これらの凹部および凸部70aiは、例えば、切削加工により形成される。
コア型80におけるめっき層80Aは、上方に向けて露出しており、その上面の最外周部近傍に環状の平坦部80fを有している。環状の平坦部80fには、全体の輪郭が矩形状のスペーサユニット82が載置されている。
額縁状のスペーサユニット82は、図16に示されるように、円周方向に沿って配列される4個のスペーサ部材82A,82B,82Cおよび82Dから構成されている。スペーサ部材82A,82B,82Cおよび82Dは、その半径方向に、即ち、図16の矢印の示す方向に移動可能に金型12の上面に配されるスライドベース26A,26B,26C,および26Dにそれぞれ、連結されている。
スペーサ部材82A〜82Dは、それぞれ、例えば、所定の厚さのテフロン(登録商標)で作られている。その厚さは、薄層部の膜厚により設定される。また、各スペーサ部材82A〜82Dの内面には、上述の回折格子70の突起部74Pを形成する切欠部82na,82nb,82nc,および82ndが形成されている。所定の深さを有する切欠部82na〜82ndの底部は、例えば、約2mmの曲率半径の円弧を有している。
上述の光学素子70を製造するにあたり、先ず、コア型80のめっき層80A上に溶融した紫外線硬化型の樹脂材料Reが所定量、塗布される。
次に、基材素材が樹脂材料Reを覆うように互いに近接された位置にあるスペーサユニット82上に位置決められ載置される。基材素材は、コア型80のめっき層80Aに対向する面に、シランカップリング剤が密着性向上のために塗布されている。
続いて、紫外線ランプ24が作動状態とされることにより、所定量の紫外線ビームUVが基材素材の光入射面を通じて樹脂材料Reに照射される。これにより、樹脂材料Reがめっき層80Aと基材素材の表面との間の空間内で硬化することとなる。
続いて、制御ユニット40は、指令信号Siに基づいて制御信号Caを形成しそれを空気圧制御部42に供給する。空気圧制御部42は、制御信号Caに基づいて駆動信号群CAを形成し、それらを各アクチュエータ30A,30B,30C,および30Dに供給する。これにより、各アクチュエータ30A,30B,30C,および30Dは、スペーサユニット22のスペーサ部材82A〜82Dが互いに離隔し所定の待機位置に移動するようにスライドベース26A,26B,26C,および26Dを移動させる。
続いて、制御ユニット40は、各突き出しピン16の先端が所定量移動し基材素材4’の端面に当接し所定の圧力、例えば、約20kNで押圧し所定期間、保持すべく、検出出力信号SP1〜SP4に基づいて制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。空気圧制御部44は、制御信号Cdに基づいて駆動信号群を形成しそれをアクチュエータ18に供給する。これにより、硬化した薄層部6における位置Lo、L1,L2,L3(図3参照)に対向する部分が、約20kN程度でめっき層14Aの表面から離隔し始める。なお、硬化した薄層部6における他の位置Lo,L1、L2,L3に対向する部分のうち少なくとも1箇所においてその離隔が認められない場合であっても、約25kN程度で増圧することにより、その対向する部分がめっき層14Aの表面から離隔し始めることが、本願の発明者の実験により確認されている。
続いて、制御ユニット40は、上述の離隔開始直後、検出出力信号SP1、SP2,SP3、および、SP4に基づいてすべての突き出しピン16の押圧力を例えば、15kN未満に一旦、低減した後、再度すべての突き出しピン16の押圧力を所定期間、例えば、約5秒間、15kN以上とすべく、制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。これにより、突き出しピン16の押圧力が約15kNのとき、硬化した薄層部74の他の部分の全体が、めっき層80Aの表面から離隔することとなる。
本願発明者の実験による検証により、成形された薄層部74は、基材72との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなく、しかも、コア型80においては、繰り返し1000shotの成形でめっき層80Aの形状の変化は見られなかったことが確認されている。
図18(A)、(B)、(C)、および(D)は、それぞれ、上述した第1実施例における製造方法の変形例の各工程を示す。
図18(A)、(B)、(C)、および(D)に示される一連の工程により製造される光学素子は、上述の例における回折格子2と同様とされる。また、図18(A)、(B)、(C)、および(D)に示される一連の工程に用いられる製造装置は、上述のスペーサユニット22を用いることなく、後述するマスク部材88を用いることを除き、上述の図5に示される製造装置と同様な構成の製造装置とされる。
本実施例に用いられる環状のマスク部材88は、紫外線ビームの照射工程において、照射される紫外線ビームの一部を遮蔽するために用いられる。所定の厚さを有するマスク部材88の外径は、上述の回折格子2の基材4の外径と略同一もしくは大に設定されている。また、マスク部材88の内径は、成形される薄層部6の外径と略同一に設定されている。さらに、マスク部材88の内周部には、円周上に均等に90度間隔で配置された切欠部88nが形成されている。切欠部88nの底部は、曲率半径が約2mm程度の円弧を有している。
上述の光学素子2を製造するにあたり、先ず、図18(A)に示されるように、コア型14のめっき層14A上に溶融した紫外線硬化型の樹脂材料Reが所定量、塗布される。
次に、図8(B)に示されるように、基材素材4’が、樹脂材料Reを覆うように4本の突き出しピン16の一端面により位置決められ支持される。基材素材4’は、コア型14のめっき層14Aに対向する面に、シランカップリング剤が密着性向上のために塗布されている。なお、突き出しピン16の先端は、予め、めっき層14Aの表面よりも上方に所定量、突出するように位置決めされている。これにより、成形される薄層部6の厚さが設定されることとなる。
続いて、図18(C)に示されるように、マスク部材88が、基材素材4’の平坦面に対し略平行に、かつ、基材素材4’の上方の所定位置に配された後、紫外線ランプ24が作動状態とされることにより、所定量の紫外線ビームUVがマスク部材88の内周部を通じて基材素材4’の光入射面を通じて樹脂材料Reに照射される。これにより、樹脂材料Reにおけるマスク部材88の内周部に対応した部分だけがめっき層14Aと基材素材4’の表面との間の空間内で硬化することとなる。一方、樹脂材料Reにおいてマスク部材88の環状部により紫外線ビームUVが遮蔽された部分Meは、未硬化状態となる。その際、部分Meは、例えば、4本の突き出しピン16の先端が、一旦、基材素材4’の表面に対し離隔されるとき、アセトン等により除去される。
続いて、制御ユニット40は、各突き出しピン16の先端が所定量移動し基材素材4’の端面に当接し所定の圧力、例えば、約23kNで押圧し所定期間、保持すべく、検出出力信号SP1〜SP4に基づいて制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。空気圧制御部44は、制御信号Cdに基づいて駆動信号群を形成しそれをアクチュエータ18に供給する。これにより、硬化した薄層部6における位置Lo、L1,L2,L3(図3参照)に対向する部分が、約23kN程度でめっき層14Aの表面から離隔し始める。
続いて、制御ユニット40は、上述の離隔開始直後、検出出力信号SP1、SP2,SP3、および、SP4に基づいてすべての突き出しピン16の押圧力を例えば、18kN未満に一旦、低減した後、再度すべての突き出しピン16の押圧力を所定期間、例えば、約8秒間、18kN以上とすべく、制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。これにより、突き出しピン16の押圧力が約18kNのとき、硬化した薄層部6の他の部分の全体が、めっき層14Aの表面から離隔することとなる。
本願発明者の実験による検証により、成形された薄層部6は、基材4との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなく、しかも、コア型14においては、繰り返し1000shotの成形でめっき層14Aの形状の変化は見られなかったことが確認されている。
図19(A)、(B)、(C)、および(D)は、それぞれ、上述した第1実施例における製造方法のさらなる他の変形例の各工程を示す。
図19(A)、(B)、(C)、および(D)に示される一連の工程により製造される光学素子は、上述の例における回折格子2における薄層部6が、上述の例と異なり光硬化型樹脂に代えて、熱硬化型樹脂により形成されるものとされる。また、図19(A)、(B)、(C)、および(D)に示される一連の工程に用いられる製造装置は、上述の光源4を用いることなく、後述する加熱源としてのヒータ90を用いることを除き、上述の図5に示される製造装置と同様な構成の製造装置とされる。
ヒータ90は、コア型14の基台部14B内に設けられている。ヒータ90は、上述の制御ユニット40の制御により、所定のタイミングで例えば、30分間、コア型14の温度が80℃に保持されるように作動状態とされる。
上述の光学素子を製造するにあたり、先ず、図19(A)に示されるように、コア型14のめっき層14A上に溶融した熱硬化型の樹脂材料Rehが所定量、塗布される。
次に、図19(B)に示されるように、基材素材4’が樹脂材料Rehを覆うように互いに近接された位置にあるスペーサユニット22上に位置決められ載置される。基材素材4’は、コア型14のめっき層14Aに対向する面に、シランカップリング剤が密着性向上のために塗布されている。
続いて、ヒータ90が作動状態とされることにより、樹脂材料Rehがめっき層14Aと基材素材4’の表面との間の空間内で硬化することとなる。
続いて、制御ユニット40は、指令信号Siに基づいて制御信号Caを形成しそれを空気圧制御部42に供給する。空気圧制御部42は、制御信号Caに基づいて駆動信号群CAを形成し、それらを各アクチュエータ30A,30B,30C,および30Dに供給する。これにより、各アクチュエータ30A,30B,30C,および30Dは、図8(C)に示されるように、スペーサユニット22のスペーサ部材22A〜22Dが互いに離隔し所定の待機位置に移動するようにスライドベース26A,26B,26C,および26Dを移動させる。
続いて、制御ユニット40は、各突き出しピン16の先端が所定量移動し基材素材4’の端面に当接し所定の圧力、例えば、約21kNで押圧し所定期間、保持すべく、検出出力信号SP1〜SP4に基づいて制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。空気圧制御部44は、制御信号Cdに基づいて駆動信号群を形成しそれをアクチュエータ18に供給する。これにより、硬化した薄層部6における位置Lo、L1,L2,L3(図3参照)に対向する部分が、約20kN程度でめっき層14Aの表面から離隔し始める。なお、硬化した薄層部6における他の位置Lo,L1、L2,L3に対向する部分のうち少なくとも1箇所においてその離隔が認められない場合であっても、約25kN程度で増圧することにより、その対向する部分がめっき層14Aの表面から離隔し始めることが、本願の発明者の実験により確認されている。
続いて、制御ユニット40は、上述の離隔開始直後、検出出力信号SP1、SP2,SP3、および、SP4に基づいてすべての突き出しピン16の押圧力を例えば、16kN未満に一旦、低減した後、再度すべての突き出しピン16の押圧力を所定期間、例えば、約9秒間、16kN以上とすべく、制御信号Cdを形成しそれを空気圧制御部44に供給する。これにより、突き出しピン16の押圧力が約16kNのとき、硬化した薄層部6の他の部分の全体が、めっき層14Aの表面から離隔することとなる。
本願の発明者の実験による検証により、成形された薄層部6は、基材4との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなく、しかも、コア型14においては、繰り返し1000shotの成形でめっき層14Aの形状の変化は見られなかったことが確認されている。
なお、本例において、熱エネルギー源としてコア型14に内蔵するヒータ90を示したが、斯かる例に限られることなく、例えば、型および樹脂とスペーサユニットとがセットされた状態(図19(C)参照)のものに対してオーブンやホットプレート等により、同等の熱エネルギー量が加えられる構成を備えるものであっても良い。
さらになお、本発明に係る光学素子、および、その製造方法の各実施例においては、光学素子として回折格子について適用されているが、斯かる例に限られることなく、本発明は、フレネルレンズ等の他の光学素子に適用されてもよいことは勿論である。
本発明に係る光学素子の第1実施例における製造工程における要部を拡大して示す部分断面図である。 本発明に係る光学素子の第1実施例における製造工程の説明に供される図である。 図2に示される例における平面図である。 図1に示される例において用いられるスペーサユニットを示す平面図である。 本発明に係る光学素子の製造方法の第1実施例が適用された製造装置の構成を概略的に示す構成図である。 (A)は、図5に示される例において用いられるコア型を示す平面図であり、(B)は、(A)に示すコア型の正面図である。 (A)は、本発明に係る光学素子の第1実施例の外観を示す平面図であり、(B)は、(A)に示される光学素子の断面図である。 (A),(B),(C)、および(D)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の製造方法の第1実施例の各工程の説明に供される図である。 (A)は、本発明に係る光学素子の第2実施例の外観を示す平面図であり、(B)は、(A)に示される光学素子の断面図である。 本発明に係る光学素子の製造方法の第2実施例が適用された製造装置の構成を概略的に示す構成図である。 (A)は、図10に示される例において用いられるコア型を示す平面図であり、(B)は、(A)に示すコア型の正面図である。 図10に示される例において用いられるスペーサユニットを示す平面図である。 (A),(B),(C)、および(D)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の製造方法の第2実施例の各工程の説明に供される図である。 (A)は、本発明に係る光学素子の第3実施例の外観を示す平面図であり、(B)は、(A)に示される光学素子の断面図である。 (A)は、図14に示される例において用いられるコア型を示す平面図であり、(B)は、(A)に示すコア型の正面図である。 図14に示される例において用いられるスペーサユニットを示す平面図である。 上述した第1実施例における製造方法の変形例に用いられるマスク部材を示す平面図である。 (A),(B),(C)、および(D)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の製造方法の第1実施例の変形例における各工程の説明に供される図である。 (A),(B),(C)、および(D)は、それぞれ、本発明に係る光学素子の製造方法の第1実施例のさらなる変形例における各工程の説明に供される図である。
符号の説明
2、50、70 回折格子
4 基材
6 薄層部
6P 突起部
22A、22B,22C、22D、82A,82B,82C スペーサ部材
24 紫外線ランプ
82na,82nb,82nc,22na,22nb,22nc 切欠部
88 マスク部材
90 ヒータ

Claims (6)

  1. 光入射面を形成する端面を有する基材と、
    前記基材の端面に樹脂で前記光入射面を形成する薄層部と、を備え、
    前記薄層部は、成形用型のキャビティから前記基材が取り外されるとき、突き出し部材により押圧される突起部を複数箇所に該突き出し部材に対応して有することを特徴とする光学素子。
  2. 前記薄層部は、光エネルギー硬化性樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 前記薄層部は、熱エネルギー硬化性樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  4. 成形用材料が注入される成形用型のキャビティの周囲に、内周部に切欠部を複数箇所に有し光学素子の基材の表面と該キャビティとの相対位置を規制するスペーサ部材を配置する工程と、
    前記スペーサ部材上に前記光学素子の基材を配置し、前記キャビティ内の成形用材料を光学素子の基材と一体となるように硬化させ前記スペーサ部材の切欠部に対応した複数の突起部を該光学素子の基材上に形成する工程と、
    前記スペーサ部材を前記キャビティに対し離隔させるとともに、前記成形用材料と一体化された光学素子の基材および成形用材料を前記成形用型から取り出す取出工程と、を含み、
    前記取出工程において、前記光学素子の基材上に形成される複数の突起部近傍を所定値の圧力で所定期間、押圧し、該突起部を該キャビティの周縁から離隔させた後、該光学素子の基材を該所定値未満の圧力で押圧することを特徴とする光学素子の製造方法。
  5. 前記キャビティ内の成形用樹脂材料が光学素子の基材と一体となるように光エネルギーまたは熱エネルギーを該成形用樹脂材料に加えることにより、硬化させることを特徴とする請求項4記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記光エネルギーを該成形用樹脂材料に加えることにより、硬化させる場合、前記光学素子の基材の外周縁に対しマスク処理を施した後、該外周縁を除去することを特徴とする請求項5記載の光学素子の製造方法。
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JP2013239620A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成方法

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