JP2003222706A - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

光学素子及びその製造方法

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JP2003222706A
JP2003222706A JP2002023202A JP2002023202A JP2003222706A JP 2003222706 A JP2003222706 A JP 2003222706A JP 2002023202 A JP2002023202 A JP 2002023202A JP 2002023202 A JP2002023202 A JP 2002023202A JP 2003222706 A JP2003222706 A JP 2003222706A
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Senichi Hayashi
専一 林
Masaki Omori
正樹 大森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 離型開始時の離型力を低減できると共に離型
の開始地点や離型の方向を制御でき、ガラス基材からの
樹脂の剥離や変形、破壊を防止して型の耐久向上を図る
ことができる光学素子及びその製造方法を提供するこ
と。 【構成】 エネルギー硬化型樹脂を、型に滴下してその
上に基材を設置し、エネルギーを樹脂に対して加えて硬
化させ、離型することにより基材上に所要の形状を有す
るエネルギー硬化型樹脂を形成した光学素子において、
成形品の外周部に断面から見て前記エネルギー硬化型樹
脂が傾斜している部分を有するものとするる。又、エネ
ルギー硬化型樹脂を、型に滴下してその上に基材を設置
し、エネルギーを樹脂に対して加えて硬化させ、離型す
ることにより基材上に所要の形状を有するエネルギー硬
化型樹脂を形成した光学素子の製造方法において、傾斜
している部分で型に接している部分を離型起点とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非球面を有するレ
ンズや表面に微細な形状(凹凸)を有する光学素子、例
えば回折格子やフレネルレンズ、光ディスク基材及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学素子の製造方法にはガラスの研削、
研摩や型を用いた精密成形、熱可塑性樹脂の射出成形や
プレス成形等があり、機能やコスト、要求精度等により
使い分けられている。例えば、カメラ等に使用される結
像系のレンズには球面レンズとしては温度、 湿度の環境
変動に関して性能劣化が少なく、経済的にも有利なガラ
スの研削、研摩により製造され、非球面レンズに関して
は、型を用いたガラスの精密成形により製造される。カ
メラでもファインダーに使用されるレンズは優れた結像
性能を要求されないため、コスト面から樹脂の射出成形
により製造される。
【0003】又、径が30mm以上の非球面レンズや表
面に微細な凹凸形状を有する光学素子では、ガラス基材
の上に光エネルギー硬化型樹脂の薄層を成形し、硬化さ
せることにより所要の表面形状を形成する方法が用いら
れる。大きな非球面レンズはガラスの精密成形では形状
精度が悪くなり、精度を確保しようとすると成形時間が
長くなりコスト高になる。微細な凹凸形状を有する光学
素子もガラスでは離型時に凹凸部が破壊し製造できず、
樹脂による製造が必須となるが素子全体が樹脂では、環
境変動に対する性能劣化が大きく樹脂部を薄層にする上
記の方法によりその影響を小さくする。
【0004】この光エネルギー硬化型樹脂の成形におけ
る離型方法としては、例えば特開昭63−131352
号の突き出しによる離型、特開平01−152015号
の加熱、冷却による熱応力を利用した離型、特開昭62
−117154号の振動による離型等がある。
【0005】離型性の改善としては、例えば特許第26
80175号の離型性の良い型、特許第3006199
号の離型剤処理を施した型、特開平04−254801
号の樹脂に内填離型剤を含有させる等の提案がなされて
いる。又、特開平06−270166号の最外周部分に
樹脂を付けて硬化させた離型、特開平07−22791
6号では外側の基材レンズ部の一部に偏心荷重部材を当
接し、その偏心荷重部材を起点とした離型の提案がなさ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光エネルギー硬化型樹
脂の成形において、離型に支障を来すと樹脂が基材から
剥離してしまったり、樹脂の表面形状が変化したり、表
面に微細な凹凸を有する素子等ではその凹凸部が破壊し
たりする。又、形状精度への悪影響だけでなく、離型性
は生産タクト(成形時間)や型の耐久の点からコストに
も大きく影響する。こうした離型性の改善が上記の提案
であるが、先の3件は離型に対する負荷方法に関してで
あり、離型に要する力の低減を図ったものではない。従
って、離型時には相当の応力が樹脂/型界面に働き上記
の不具合が全て改善される訳ではなかった。
【0007】又、次の3件は離型力自体の低減であり、
型表面材や樹脂組成の改良が考えられている。
【0008】しかし、型表面材で離型性が良いものは、
テフロン(登録商標)のように表面粗さが悪くて光学用
途には使用できず、離型剤も耐久が短かったり、外観や
成形後の樹脂の環境耐久に悪影響を与える。又、樹脂の
組成改良では、内填離型剤での離型性の向上が図られて
いるが、これも、型の汚れによる型耐久の低下や成形品
の外観、成形後の樹脂の環境耐久に悪影響を与える。
【0009】最後の2件は型と基材の間に硬化させた樹
脂や偏心荷重部材を起点として離型性の向上を考えてい
る。
【0010】しかし、起点用の硬化した樹脂は金型と基
材に間にメインの樹脂を挟み硬化した後に追加したもの
で、その起点用樹脂の硬化収縮によりその樹脂の接着点
より180度反対側から離型し離型方向が制御できなか
ったり、その樹脂の量によっては逆に離型が難しくなる
ことも予想される。偏心荷重部材を使ったものは基本的
には通常の離型用のピンを基材端部に当てて押し上げる
片爪剥し法と変わらないため、必ずしも離型性が向上す
るとは限らない。
【0011】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、離型開始時の離型力を低減で
きると共に離型の開始地点や離型の方向を制御でき、ガ
ラス基材からの樹脂の剥離や変形、破壊を防止して型の
耐久向上を図ることができる光学素子及びその製造方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エネルギー硬化型樹脂を、型に滴下して
その上に基材を設置し、エネルギーを樹脂に対して加え
て硬化させ、離型することにより基材上に所要の形状を
有するエネルギー硬化型樹脂を形成した光学素子におい
て、成形品の外周部に断面から見て前記エネルギー硬化
型樹脂が傾斜している部分を有することを特徴とする。
【0013】又、本発明は、エネルギー硬化型樹脂を、
型に滴下してその上に基材を設置し、エネルギーを樹脂
に対して加えて硬化させ、離型することにより基材上に
所要の形状を有するエネルギー硬化型樹脂を形成した光
学素子の製造方法において、傾斜している部分で型に接
している部分を離型起点とすることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0015】本発明では、離型力自体の低減、特に離型
開始時の離型力を低減するために、図15に示すように
成形された樹脂1501の外周部に断面から見て傾斜し
ている部分1501c(樹脂端部1501aと樹脂端部
1501bを結ぶ線)を設け、この傾斜部1501aに
応力を集中させ、この部分を起点として低応力で離型す
るようにしたものである。ここで、1502はガラス基
材である。しかし、外周部を図15の1501cのよう
な傾斜形状にするには、型構造が複雑になったりする。
【0016】そこで、本発明では、図16に示すよう
に、ガラス基材1604と型1601の間にスペーサー
1603を用いることによって、エネルギー硬化型樹脂
1602の外周部に傾斜の部分を形成すると共に前記樹
脂1602の膜厚を制御している。
【0017】図16において、1602aは型と接する
傾斜先端部、1602bはガラス基材と接する傾斜先端
部、1604aはガラス基材の端部、1601aは型の
端部を示す。又、図4に示すように、2分割したスペー
サー401c,401dを用い、樹脂を硬化させ外周部
に傾斜の部分を形成した後、離型開始前に前記スペーサ
ー401c,401dを引き抜いておく。離型開始時に
は、前記スペーサー401aに対応する傾斜部分に応力
が集中し低荷重での離型が可能となる。
【0018】以下に本発明の実施の形態を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0019】[実施例1]図1は本発明に係る光学素子
の実施態様を示す概略図、図2は本実施例で用いた型を
示す概略図、図3は本実施例での光学素子の製造方法を
示す概略図、図4は本実施例で用いたスペーサーの配置
を示す図である。
【0020】図1において、101は光エネルギー硬化
型樹脂で、102はガラス基材である。101の表面1
01d,101eには型により転写されたフレネル形状
が形成されている(101dは尾根部(断面図の山
部)、101eは谷部(断面図の谷部))。成形された
光学素子の外周は断面から見て樹脂端部101aと樹脂
端部101bを結んだ傾斜形状101cになっている。
この成形品は図2に示す型を用いて作製した。
【0021】図2の201は表面に最大深さ30μmの
フレネル形状201c,201d(201cは谷部(断
面図の谷部)、201dは尾根部(断面図の山部))を
有する型で、りん青銅の母材201aの上にKNメッキ
201bを100μm施し、このメッキ層を切削加工に
よりフレネル形状201c,201dを形成した。
【0022】図4は2分割できるスペーサー401c,
401dの配置図である。分割できる各々のスペーサー
にはスペーサー端部401aとスペーサー端部401b
を結ぶ傾斜部を有している。前記型及び前記スペーサー
を用いて図3に示す工程でガラス基材の上に表面にフレ
ネル形状を有する樹脂層が接着された光学素子を作製し
た。
【0023】図3において、302は硬化前の光エネル
ギー硬化型樹脂、303はスペーサー、306は不図示
の駆動装置に連結されている離型ピンである。先ず、型
301の上に2分割できるスペーサー303を設置し、
次に光エネルギー硬化型樹脂302を滴下した(図3
(a))。その上にガラス基材304を載せて不図示の
装置で加圧する。ここで用いるガラス基材の樹脂との接
触面は密着性向上のためシランカップリング剤を施して
ある。そして、スペーサー303で樹脂厚と外周の傾斜
部が決定されると(図3(b))、UV光を照射し樹脂
を硬化させる(図3(c))。
【0024】硬化が終了すると、2分割できるスペーサ
ー303を引き抜き、外側のガラス部全周を増圧しなが
ら離型させた(図3(d))。先ず、一番最初に101
c部の先端が20kN程度で離型し始め、そのまま20
kNを維持すると、次に180度反対側の101f 部が
25kN程度で離型し始めた。これらの傾斜部で各々剥
離開始した直後に一旦荷重を下げ剥離を停止し、2箇所
とも剥離を開始した時点で再度荷重を掛け2箇所から離
型を同時に開始しさせた。すると、2箇所とも15kN
で離型し始め、そのまま15kNで5秒程度で全面離型
した。
【0025】こうして成形された表面にフレネル形状が
形成された光エネルギー硬化型樹脂は、樹脂とガラス基
材との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなか
った。
【0026】又、型も繰り返し1000shotの成形
で変化は見られなかった。
【0027】[実施例2]図1は本発明に係る光学素子
の実施態様を示す概略図、図5は本実施例で用いた型を
示す概略図、図14は本実施例で用いたスペーサーの配
置を示す図、図6は本実施例での光学素子の作製方法を
示す概略図である。
【0028】図1において、101は光エネルギー硬化
型樹脂で、102はガラス基材である。101の表面に
は型により転写された微細な凹凸が形成されている。外
周は101cのように傾斜形状になっている。この成形
品は図5に示す型を用いて作製した。
【0029】図5は石英上にグレーマスクを用いたフォ
トリソ法とエッチング法により形成した最大深さ7μm
の断面が鋸歯状の型(断面で501aはフレネル形状の
谷部、501bはフレネル形状の山部)である。図4は
2分割できるスペーサー401c,401dの配置図で
ある。
【0030】分割できる各々のスペーサーにはスペーサ
ー端部401aとスペーサー端部401bを結ぶ傾斜部
を有している。前記型501及び前記スペーサー401
を用いて図6に示す工程で表面に微細な凹凸を有する回
折格子を作製した。
【0031】図6において、602は硬化前の光エネル
ギー硬化型樹脂、603はスペーサー、606は不図示
の駆動装置に連結されている離型ピンである。先ず、型
601の上に2分割できるスペーサー603を設置し、
次に光エネルギー硬化型樹脂602を滴下した(図6
(a))。その上にガラス基材604を載せて不図示の
装置で加圧する。ここで用いるガラス基材の樹脂との接
触面は密着性向上のためシランカップリング剤を施して
ある。そして、スペーサー603で樹脂厚と外周の傾斜
部が決定されると(図6(b))、UV光を照射し光エ
ネルギー硬化型樹脂602を硬化させる(図6
(c))。
【0032】硬化が終了すると、2分割できるスペーサ
ー603を引き抜き、ガラス基材端部を離型ピン606
により徐々に増圧しながら離型させた(図5(d))。
傾斜部101fから25kN程度で離型し始め、そのま
ま25kNで10秒程度で全面離型した。
【0033】こうして成形された表面に回折格子が形成
された光エネルギー硬化型樹脂は、樹脂とガラス基材と
の剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなかっ
た。
【0034】又、型も繰り返し1000shotの成形
で変化は見られなかった。
【0035】[実施例3]図7は本発明に係る光学素子
の実施態様を示す概略図、図8は本実施例で用いた型を
示す概略図、図9は本実施例で用いたスペーサーの配置
を示す図、図3は本実施例での光学素子の作製方法を示
す概略図である。
【0036】図7において、701は光エネルギー硬化
型樹脂で、702はガラス基材である。701の表面7
01d,701eには型により転写されたフレネル形状
が形成されている(701dは尾根部(断面図の山
部)、701eは谷部(断面図の谷部))。成形された
光学素子の外周は断面から見て樹脂端部701aと樹脂
端部701bを結んだ傾斜形状701cになっている。
この成形品は図8に示す型を用いて作製した。
【0037】図8の801は表面に最大深さ40μmの
フレネル形状801c,801d(801cは谷部(断
面図の谷部)、801dは尾根部(断面図の山部))を
有する型で、りん青銅の母材801aの上にKNメッキ
801bを100μm施し、このメッキ層を切削加工に
よりフレネル形状801c,801dを形成した。図9
は2分割できるスペーサー901c,901dの配置図
である。
【0038】分割できる各々のスペーサーにはスペーサ
ー端部901aとスペーサー端部901bを結ぶ傾斜部
を有している。前記型及び前記スペーサーを用いて図3
に示す工程でガラス基材の上に表面にフレネル形状を有
する樹脂層が接着された光学素子を作製した。
【0039】図3において、302は硬化前の光エネル
ギー硬化型樹脂、303はスペーサー、306は不図示
の駆動装置に連結されている離型ピンである。先ず、型
301の上に2分割できるスペーサー303を設置し、
次に光エネルギー硬化型樹脂302を滴下した(図3
(a))。その上にガラス基材304を載せて不図示の
装置で加圧する。ここで用いるガラス基材の樹脂との接
触面は密着性向上のためシランカップリング剤を施して
ある。そして、スペーサー303で樹脂厚と外周の傾斜
部が決定されると(図3(b))、UV光を照射して樹
脂を硬化させる(図3(c))。
【0040】硬化が終了すると2分割できるスペーサー
303を引き抜き、701g,701h,701i,7
01j部の外側のガラス部4箇所を増圧しながら離型さ
せた(図3(d))。先ず、一番最初に701g部の先
端が23kN程度で離型し始め、そのまま23kNを維
持すると701h,701i,701j部はその先端の
エッジ部より25kN程度で離型し始めた。この凸部で
各々剥離開始した直後に一旦荷重を下げ剥離を停止し、
4箇所とも剥離を開始した時点で再度荷重を掛けて4箇
所から離型を同時に開始しさせた。すると、4箇所とも
18kNで離型し始め、そのまま18kNで8秒程度で
全面離型した。
【0041】こうして成形された表面にフレネル形状が
形成された光エネルギー硬化型樹脂は、樹脂とガラス基
材との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなか
った。
【0042】又、型も繰り返し1000shotの成形
で変化は見られなかった。
【0043】[実施例4]図11は本実施例での光学素
子の作製方法を示す概略図で、マスクを用いる以外は実
施例1と同様に成形した。
【0044】前記型を用いて図11に示す工程でガラス
基材の上に表面にフレネル形状を有する樹脂層が接着さ
れた光学素子を作製した。図11において、1102は
硬化前の光エネルギー硬化型樹脂、1106はマスク、
1103は不図示の駆動装置に連結されている離型ピン
である。先ず、型1101の上に光エネルギー硬化型樹
脂1102を滴下し(図11(a))、その上にガラス
基材1104を載せて不図示の装置で加圧する。ここで
用いるガラス基材の樹脂との接触面は密着性向上のため
シランカップリング剤を施してある。そして、スペーサ
ーを兼ねた離型ピン903で樹脂厚が決定されると(図
11(b))、UV光をマスク1106を介して照射し
樹脂を硬化させる。マスク1106は上から見ると図1
0に示すようにな形状となっており、斜線部分がグレー
マスクになっている。
【0045】光エネルギー硬化型樹脂1102の硬化に
寄与する波長に対して1001aから1001cまで1
024階調の濃淡を順番につけている。濃さは1001
a<1001b<1001cの順で、1001aは硬化
に必要なUV光を100%透過するのに対して1001
cでは一番濃いために硬化に必要なUV光を透過せず未
硬化のままである(図11(c))。不図示であるが、
ここで一旦離型ピンを下げ、未硬化の部分をアセトンで
洗い流す。つまり、ここでは図4に示すようなスペーサ
ーを用いないでグレーマスクを用いて同様の傾斜形状を
得たことになる。ガラス部を離型ピンにより徐々に増圧
しながら、離型させた(図11(d))。
【0046】先ず、一番最初に101c部の先端が25
kN程度で離型し始め、そのまま25kNを維持する
と、次に180度反対側の101f 部が25kN程度で
離型し始めた。これらの傾斜部で各々剥離開始した直後
に一旦荷重を下げて剥離を停止し、2箇所とも剥離を開
始した時点で再度荷重を掛けて2箇所から離型を同時に
開始しさせた。すると、2箇所とも20kNで離型し始
め、そのまま20kNで10秒程度で全面離型した。
【0047】又、ここではグレーマスクを用いて傾斜を
作る方法を説明したが、カメラの絞りと同じような構造
のものをマスク代わりに用意してそれを一定速度で徐々
に開き光エネルギー硬化型樹脂を硬化させることで傾斜
部分を作っても良い。
【0048】こうして成形された表面にフレネル形状が
形成された光エネルギー硬化型樹脂は、樹脂とガラス基
材との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなか
った。
【0049】又、型も繰り返し1000shotの成形
で変化は見られなかった。
【0050】[実施例5]図12は本実施例での光学素
子の作製方法を示す概略図で、熱エネルギー硬化型樹脂
を用いる以外は実施例1と同様に成形した。
【0051】図12において、1202は硬化前の熱エ
ネルギー硬化型樹脂、1203はスペーサー、1207
はヒーター、1206は不図示の駆動装置に連結されて
いる離型ピンである。先ず、型1201の上に2分割で
きるスペーサー1203を設置し、次に熱エネルギー硬
化型樹脂1202を滴下し(図12(a))、その上に
ガラス基材1204を載せて不図示の装置で加圧する。
ここで用いるガラス基材の樹脂との接触面は密着性向上
のためシランカップリング剤を施してある。ここで用い
るガラス基材の樹脂との接触面は密着性向上のためシラ
ンカップリング剤を施してある。そして、スペーサー1
203で樹脂厚と外周の傾斜部が決定されると(図12
(b))、ヒーター1207に通電し型の温度を80℃
一定に30分保ち樹脂を硬化させる(図12(c))。
【0052】硬化が終了すると、2分割できるスペーサ
ー1203を引き抜き、外側のガラス部全周を増圧しな
がら離型させた。(図12(d))。先ず、一番最初に
101c部の先端が21kN程度で離型し始め、そのま
ま21kNを維持すると、次に180度反対側の101
f 部が26kN程度で離型し始めた。これらの傾斜部で
各々剥離開始した直後に一旦荷重を下げ剥離を停止し、
2箇所とも剥離を開始した時点で再度荷重を掛けて2箇
所から離型を同時に開始しさせた。すると、2箇所とも
16kNで離型し始め、そのまま16kNで6秒程度で
全面離型した。
【0053】又、今回は熱エネルギー源として型に内蔵
するヒーターを示したが、図12(c)に示すような型
と樹脂とスペーサーがセットされた状態のものに対して
オーブンやホットプレート等で同等の熱エネルギー量を
加えても良い。
【0054】こうして成形された表面にフレネル形状が
形成された光エネルギー硬化型樹脂は、樹脂とガラス基
材との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなか
った。
【0055】又、型も繰り返し1000shotの成形
で変化は見られなかった。
【0056】[実施例6]図13は本発明に係る光学素
子の実施態様を示す概略図、図2は本実施例で用いた型
を示す概略図、図14は本実施例で用いたスペーサーの
配置を示す概略図で、図3は本実施例での光学素子の作
製方法を示す概略図である。
【0057】図13において、1301は光エネルギー
硬化型樹脂で、1302はガラス基材である。1301
の表面1301d,1301eには型により転写された
フレネル形状が形成されている(1301dは尾根部
(断面図の山部)、1301eは谷部(断面図の谷
部))。成形された光学素子の外周は断面から見て樹脂
端部1301aと樹脂端部1301bを結んだ傾斜形状
1301cになっている。この成形品は図2に示す型を
用いて作製した。
【0058】図2の201は表面に最大深さ30μmの
フレネル形状201c,201d(201cは谷部(断
面図の谷部)、201dは尾根部(断面図の山部))を
有する型で、りん青銅の母材201aの上にKNメッキ
201bを100μm施し、このメッキ層を切削加工に
よりフレネル形状201c,201dを形成した。
【0059】図14は4分割できるスペーサー1401
a,1401b,1401c,1401dの配置図であ
る。
【0060】分割できる各々のスペーサーにはスペーサ
ー端部1401jとスペーサー端部1401kを結ぶ傾
斜部を有している。図14に示す原点Oから1401i
までの水平距離をr1、1401jまでの水平距離をr
2、1401kまでの水平距離をr3とするとr1<r
2<r3の関係が成立している。
【0061】前記型及び前記スペーサーを用いて図3に
示す工程でガラス基材の上に表面にフレネル形状を有す
る樹脂層が接着された光学素子を作製した。図3におい
て、302は硬化前の光エネルギー硬化型樹脂、303
はスペーサー、306は不図示の駆動装置に連結されて
いる離型ピンである。先ず、型301の上に4分割でき
るスペーサー303を設置し、次に光エネルギー硬化型
樹脂302を滴下した(図3(a))。その上にガラス
基材304を載せて不図示の装置で加圧する。ここで用
いるガラス基材の樹脂との接触面は密着性向上のためシ
ランカップリング剤を施してある。そして、スペーサー
303で樹脂厚と外周の傾斜部が決定されると(図3
(b))、UV光を照射し樹脂を硬化させる(図3
(c))。硬化が終了すると、4分割できるスペーサー
303を引き抜き、1301g,1301h,1301
i,1301j部の外側のガラス部4ヶ所を増圧しなが
ら離型させた(図3(d))。
【0062】先ず、一番最初に1301g部の先端が1
9kN程度で離型し始め、そのまま19kNを維持する
と1301h,1301i,1301j部が24kN程
度で離型し始めた。これらの傾斜部で各々剥離開始した
直後に一旦荷重を下げて剥離を停止し、4箇所とも剥離
を開始した時点で再度荷重を掛けて4箇所から離型を同
時に開始しさせた。すると、4箇所とも14kNで離型
し始め、そのまま14kNで4秒程度で全面離型した。
【0063】こうして成形された表面にフレネル形状が
形成された光エネルギー硬化型樹脂は、樹脂とガラス基
材との剥離はなく、格子のエッジ部の欠けや変形もなか
った。
【0064】又、型も繰り返し1000shotの成形
で変化は見られなかった。
【0065】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、成形品の外周部に、基材面と直角方向から見た
形状が凸状である部分を有することにより、 離型開始時
の離型力を低減できると共に離型の開始地点や離型の方
向を制御でき、ガラス基材からの樹脂の剥離や変形、破
壊を防止し、型の耐久向上を図ることができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1・2・4・5での光学素子を示す概略
図である。
【図2】実施例1・4・5・6で用いる型を示す概略図
である。
【図3】実施例1・3・6での光学素子の作製方法を示
す概略図である。
【図4】実施例1・2・4・5でのスペーサーの配置を
示す概略図である。
【図5】実施例2で用いる型を示す概略図である。
【図6】実施例2での光学素子の作製方法を示す概略図
である。
【図7】実施例3での光学素子を示す概略図である。
【図8】実施例3で用いる型を示す概略図である。
【図9】実施例3でのスペーサーの配置を示す概略図で
ある。
【図10】実施例4で用いたマスクを示す概略図であ
る。
【図11】実施例4での光学素子の作製方法を示す概略
図である。
【図12】実施例5での光学素子の作製方法を示す概略
図である。
【図13】実施例6での光学素子を示す概略図である。
【図14】実施例6でのスペーサーの配置を示す概略図
である。
【図15】本発明による光学素子を示す概略図である。
【図16】スペーサーを含む構成の断面を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
101,305,605,701,1105,1205,1301 成形硬化後のエ
ネルギー硬化型樹脂 102,304,604,702,1104,1204,1302 ガラス基材 201,301,501,601,801,1101,1201,1601 型 303,401,603,901,1203,1401,1603 スペーサー 302,602,1102,1202 硬化前のエネル
ギー硬化型樹脂 306,606,1103,1206 離型ピン 1001 マスク 1207 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/18 G02B 5/18 // B29L 11:00 B29L 11:00 Fターム(参考) 2H049 AA04 AA14 AA40 AA43 AA57 4F202 AA44 AG26 AH73 CA01 CB12 CM02 4F204 AA44 AD04 AD33 AG05 AH75 EA03 EA04 EB01 EB11 EK18 EK24 EK25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギー硬化型樹脂を、型に滴下して
    その上に基材を設置し、エネルギーを樹脂に対して加え
    て硬化させ、離型することにより基材上に所要の形状を
    有するエネルギー硬化型樹脂を形成した光学素子におい
    て、 成形品の外周部に断面から見て前記エネルギー硬化型樹
    脂が傾斜している部分を有することを特徴とする光学素
    子。
  2. 【請求項2】 エネルギー硬化型樹脂を、型に滴下して
    その上に基材を設置し、エネルギーを樹脂に対して加え
    て硬化させ、離型することにより基材上に所要の形状を
    有するエネルギー硬化型樹脂を形成した光学素子の製造
    方法において、 傾斜している部分で型に接している部分を離型起点とす
    ることを特徴とする光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 光エネルギー硬化型樹脂に対し光エネル
    ギーを加え硬化させることを特徴とする請求項2記載の
    光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 外周部に対してマスク処理を行い、断面
    から見て前記エネルギー硬化型樹脂が傾斜している部分
    及びそれに隣接する中心部分を硬化させ、その他の部分
    を未硬化状態にし且つ未硬化部分を除去することを特徴
    とする請求項2記載の光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱エネルギー硬化型樹脂に対し熱エネル
    ギーを加え硬化させることを特徴とする請求項2記載の
    光学素子の製造方法。
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