JP2006035779A - 成形型、成形方法、成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents
成形型、成形方法、成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 成形体から容易に剥離することができ、長寿命で、取り扱い性に優れた成形型、その成形型を用いた成形方法、その成形体を用いて製造される成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタを提供すること。
【解決手段】 本発明の成形型1は、成形型1は、第1のシリコーン樹脂で構成され、一方の面に複数の凹部が形成された第1の層2と、第1の層2の他方の面側に配され、第1の層2よりも低分子の第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層3とを有している。第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、600,000以上である。第1の層2の厚さは、0.5〜5.0mmである。第2の層3を構成する第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、300,000〜350,000である。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の成形型1は、成形型1は、第1のシリコーン樹脂で構成され、一方の面に複数の凹部が形成された第1の層2と、第1の層2の他方の面側に配され、第1の層2よりも低分子の第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層3とを有している。第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、600,000以上である。第1の層2の厚さは、0.5〜5.0mmである。第2の層3を構成する第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、300,000〜350,000である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、成形型、成形方法、成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
従来より、フレネルレンズ基板やレンチキュラレンズ基板等の光学部品を作る方法として、圧縮成形や射出成形に代表されるプレス方式、樹脂を高熱雰囲気で固化させたり、化学重合させて固化させるキャスティング方式、紫外線硬化樹脂等のフォトポリマーによる2P成形方式等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、プレス方式では、サブミリオーダーからナノオーダーレベルまでの微細パターンを転写する場合、十分な転写率及び生産性が得られないという問題があった。
しかし、プレス方式では、サブミリオーダーからナノオーダーレベルまでの微細パターンを転写する場合、十分な転写率及び生産性が得られないという問題があった。
また、キャスティング方式、2P方式では、ガラス基板、ガラス基板から電鋳型をおこしたスタンパ等の硬い成形型が用いられ、型と成形体とが、表面に形成された微細なパターンがアンカー効果により互いに食いついた状態であるために、得られた成形体を型から剥離するのが容易ではなく、無理に剥離しようとすると、成形体に転写された微細形状や、用いた成形型の表面の形状が破損する場合があった。そのため、成形体から型を剥離するのに、熟練した技術が必要であった。その結果、生産性が著しく低下してしまうという問題があった。また、剥離剤等を用いたとしても、形成するパターンが微細なものであると、十分に剥離性を向上させるのが困難であった。
本発明の目的は、成形体から容易に剥離することができ、長寿命で、取り扱い性に優れた成形型、その成形型を用いた成形方法、その成形体を用いて製造される成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の成形型は、成形体の製造に用いられる成形型であって、
第1のシリコーン樹脂で構成され、一方の面に複数の凹部を有する第1の層と、
前記第1の層の他方の面側に配され、前記第1のシリコーン樹脂よりも分子量の低い第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層とを有することを特徴とする。
これにより、成形体から容易に剥離することができ、長寿命で、取り扱い性に優れた成形型を提供することが可能となる。
本発明の成形型は、成形体の製造に用いられる成形型であって、
第1のシリコーン樹脂で構成され、一方の面に複数の凹部を有する第1の層と、
前記第1の層の他方の面側に配され、前記第1のシリコーン樹脂よりも分子量の低い第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層とを有することを特徴とする。
これにより、成形体から容易に剥離することができ、長寿命で、取り扱い性に優れた成形型を提供することが可能となる。
本発明の成形型では、前記凹部の深さが、1mm以下であることが好ましい。
このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、本発明の成形型は、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、隣接する凹部の間隔が、1mm以下であることが好ましい。
このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、本発明の成形型は、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、本発明の成形型は、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、隣接する凹部の間隔が、1mm以下であることが好ましい。
このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、本発明の成形型は、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、前記第1のシリコーン樹脂の分子量と前記第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量との差は、300,000〜700,000であることが好ましい。
これにより、成形型全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。また、成形体から成形型をより容易に剥離することができる。
これにより、成形型全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。また、成形体から成形型をより容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、前記第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量が、600,000以上であることが好ましい。
これにより、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状の破損等をより確実に防止し、また、成形型の凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
本発明の成形型では、前記第1のシリコーン樹脂の引張強度が、280kg/cm2以上であることが好ましい。
これにより、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状の破損等をより確実に防止し、また、成形型の凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
これにより、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状の破損等をより確実に防止し、また、成形型の凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
本発明の成形型では、前記第1のシリコーン樹脂の引張強度が、280kg/cm2以上であることが好ましい。
これにより、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状の破損等をより確実に防止し、また、成形型の凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
本発明の成形型では、前記第1の層の厚さが、0.5〜5.0mmであることが好ましい。
これにより、成形型全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
本発明の成形型では、前記第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量が、300,000〜350,000であることが好ましい。
これにより、成形型に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。
これにより、成形型全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
本発明の成形型では、前記第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量が、300,000〜350,000であることが好ましい。
これにより、成形型に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、前記第2の層の厚さが、1.0〜10.0mmであることが好ましい。
これにより、成形型に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、第1の層と第2の層との厚さの比が、1:2〜1:10であることが好ましい。
これにより、成形型全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。また、成形体から成形型をより容易に剥離することができる。
これにより、成形型に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、第1の層と第2の層との厚さの比が、1:2〜1:10であることが好ましい。
これにより、成形型全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。また、成形体から成形型をより容易に剥離することができる。
本発明の成形型では、凹部が形成された面側に、撥液処理が施されていることが好ましい。
これにより、成形体からの剥離をより容易なものとすることができる。
本発明の成形方法は、本発明の成形型を用いることを特徴とする。
これにより、容易に成形体から成形型を剥離することができるため、成形体の生産性が向上する。特に、微細なパターンであっても、効率よく転写することができる。
これにより、成形体からの剥離をより容易なものとすることができる。
本発明の成形方法は、本発明の成形型を用いることを特徴とする。
これにより、容易に成形体から成形型を剥離することができるため、成形体の生産性が向上する。特に、微細なパターンであっても、効率よく転写することができる。
本発明の成形方法は、本発明の成形型の凹部が形成された面に未硬化の樹脂を供給する工程と、
前記樹脂を硬化させ、硬化物を得る工程と、
前記硬化物から成形型を剥離する工程とを有することを特徴とする。
これにより、容易に成形体から成形型を剥離することができるため、成形体の生産性が向上する。特に、微細なパターンであっても、効率よく転写することができる。
前記樹脂を硬化させ、硬化物を得る工程と、
前記硬化物から成形型を剥離する工程とを有することを特徴とする。
これにより、容易に成形体から成形型を剥離することができるため、成形体の生産性が向上する。特に、微細なパターンであっても、効率よく転写することができる。
本発明の成形体は、本発明の成形方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、均一な品質の成形体を提供することができる。
本発明の成形体は、光学部品であることが好ましい。
これにより、均一な品質の光学部品を提供することができる。
本発明の成形体は、フレネルレンズ基板またはレンチキュラレンズ基板であることが好ましい。
これにより、均一な品質のフレネルレンズ基板またはレンチキュラレンズ基板を提供することができる。
これにより、均一な品質の成形体を提供することができる。
本発明の成形体は、光学部品であることが好ましい。
これにより、均一な品質の光学部品を提供することができる。
本発明の成形体は、フレネルレンズ基板またはレンチキュラレンズ基板であることが好ましい。
これにより、均一な品質のフレネルレンズ基板またはレンチキュラレンズ基板を提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明の成形体を備えたことを特徴とする。
これにより、均一な品質の透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、均一な品質のリア型プロジェクタを提供することができる。
これにより、均一な品質の透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、均一な品質のリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明の成形型、成形型の製造方法、成形方法、成形品、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の成形型を模式的に示す縦断面図、図2は、本発明の成形型の他の実施形態を模式的に示す縦断面図ある。
なお、以下の説明では、代表的に、本発明の成形型をフレネルレンズ用の成形型に適用した場合について説明する。
図1は、本発明の成形型を模式的に示す縦断面図、図2は、本発明の成形型の他の実施形態を模式的に示す縦断面図ある。
なお、以下の説明では、代表的に、本発明の成形型をフレネルレンズ用の成形型に適用した場合について説明する。
図1に示すように、成形型1は、第1のシリコーン樹脂で構成され、一方の面に複数の凹部21が形成された第1の層2と、第1の層2の他方の面側に配され、第1のシリコーン樹脂よりも低分子の第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層3とを有している。なお、複数の凹部21は、成形される成形体の表面の形状に対応する形状を有するものである。
ところで、従来の成形体を製造するのに用いられる成形型は硬く、得られた成形体を型から剥離するのが容易ではなく、無理に剥離しようとすると、成形体に転写された微細形状や、用いた成形型の表面の形状が破損する場合があった。そのため、成形体から型を剥離するのに、熟練した技術が必要であった。また、その結果、生産性が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、成形型として、成形体となる原料(未硬化原料)と接触する側に、第1のシリコーン樹脂で構成された第1の層と、第1のシリコーン樹脂よりも分子量の低い第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層とが積層した積層体を用いることにより、従来の成形型と比較して、適度な柔軟性があるため、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、容易に剥離することができることを見出した。また、凹部が形成されている第1の層は、比較的硬い第1のシリコーン樹脂で構成されているため、確実に成形型の形状を成形体前駆体に転写することができ、また、成形体から剥離する際に、成形型の凹部の型くずれや、破損等を防止することができることを見出した。その結果、繰り返し使用することができ、長寿命の成形型を提供することができることを見出した。また、特に、シリコーン樹脂を用いることで、成形体から剥離する際に、追従性が高く、成形型の型くずれ等を効果的に防止できることを見出した。また、第1の層、第2の層に、シリコーン樹脂同士を用いているため、第1の層と第2の層との密着性を良くすることができ、その結果、第1の層と第2の層の剥離を効果的に防止することができることを見出した。
このような効果は、第1のシリコーン樹脂のみ、または、第2のシリコーン樹脂のみで構成された成形型では得られない。
例えば、比較的分子量の高い第1のシリコーン樹脂だけで構成された成形型を用いた場合、十分な可撓性を有する成形型を得ることができず、成形体から剥離するのが困難となる。また、無理に剥離した際に、成形体に転写されたパターンが破損してしまう場合がある。
例えば、比較的分子量の高い第1のシリコーン樹脂だけで構成された成形型を用いた場合、十分な可撓性を有する成形型を得ることができず、成形体から剥離するのが困難となる。また、無理に剥離した際に、成形体に転写されたパターンが破損してしまう場合がある。
また、例えば、比較的分子量の低い第2のシリコーン樹脂だけで構成された成形型を用いた場合、柔らかすぎて、未硬化原料に十分に成形型の形状を転写するのが困難である。また、成形体から剥離した際に、成形型の形状が破損してしまう場合がある。
ここで、シリコーン樹脂とは、有機ケイ素ポリマーの1つである、シリコーン(ポリオルガノシロキサン)ゴムである。ポリシロキサンは、ケイ素−酸素結合が繰り返す高分子鎖構造を有しており、このケイ素−酸素結合が極低温から高温まで、幅広い温度域で柔軟性を保つことができる。
ここで、シリコーン樹脂とは、有機ケイ素ポリマーの1つである、シリコーン(ポリオルガノシロキサン)ゴムである。ポリシロキサンは、ケイ素−酸素結合が繰り返す高分子鎖構造を有しており、このケイ素−酸素結合が極低温から高温まで、幅広い温度域で柔軟性を保つことができる。
シリコーン樹脂の種類としては、室温硬化型(触媒付加、水分等によって硬化するタイプ)、紫外線硬化型、電子線硬化型、無溶剤型等いずれのものでも用いることができる。このようなシリコーン樹脂は、成形型の材料として用いた場合、剥離する際には変形して容易に剥離することができ、剥離した後には形状がすぐに復元されるため、成形型の材料として好適に用いることができる。また、シリコーン樹脂は、一般に耐溶剤性が高いため、材料面でも自由度が大きいという利点がある。
第1のシリコーン樹脂、第2のシリコーン樹脂は、前述した種類のうち、いずれものもの用いてもよいが、互いに同じ種類のものを用いるのが好ましい。これにより、第1の層2と第2の層3との密着性がより高いものとなる。その結果、成形型1の耐久性を向上させることができる。
第1のシリコーン樹脂、第2のシリコーン樹脂は、前述した種類のうち、いずれものもの用いてもよいが、互いに同じ種類のものを用いるのが好ましい。これにより、第1の層2と第2の層3との密着性がより高いものとなる。その結果、成形型1の耐久性を向上させることができる。
第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量よりも高いのものであれば、特に限定されないが、600,000以上であるのが好ましく、600,000〜1,000,000であるのがより好ましい。これにより、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状の破損等をより確実に防止し、また、成形型の凹部21の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。これに対し、第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量が低すぎると、第1の層2の厚さや第2の層3の厚さ等によっては、第1の層2に十分な硬度を付与することができず、成形体から成形型1を剥離する際に、凹部21のパターンの型くずれや破損等を十分に防止するのが困難となる場合がある。一方、第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量が高すぎると、第1の層2の厚さや第2の層3の厚さ等によっては、成形型1全体としての柔軟性が十分に得られず、成形体から成形型1を容易に剥離するのが困難となる場合がある。
第1のシリコーン樹脂の引張強度は、280kg/cm2以上であるのが好ましく、280〜450kg/cm2であるのがより好ましい。これにより、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状の破損等をより確実に防止し、また、成形型1の凹部21の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
図中Aで示す第1の層2の厚さ、すなわち、第1の層と第2の層との界面から凹部21の縁部までの距離は、凹部21の深さ以上であれば、特に限定されないが0.5〜5.0mmであるのが好ましく、0.5〜2.0mmであるのがより好ましい。これにより、成形型1全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部21の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
図中Aで示す第1の層2の厚さ、すなわち、第1の層と第2の層との界面から凹部21の縁部までの距離は、凹部21の深さ以上であれば、特に限定されないが0.5〜5.0mmであるのが好ましく、0.5〜2.0mmであるのがより好ましい。これにより、成形型1全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部21の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。
第2の層3を構成する第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、前述した第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量よりも小さければ、特に限定されないが、300,000〜350,000であるのが好ましい。これにより、成形型1に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。これに対し、第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量が低すぎると、第1の層2の厚さや第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量等によっては、成形型1としての形状を十分に維持するのが困難となる場合がある。一方、第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量が高すぎると、第1の層2の厚さや第2の層3の厚さ等によっては、成形型1として十分な柔軟性が得られず、成形体から成形型1を容易に剥離することができなくなる場合がある。
第1のシリコーン樹脂と第2のシリコーン樹脂との重量平均分子量の差は、300,00〜700,000であるのが好ましい。これにより、成形型1全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部21の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。また、成形体から成形型1をより容易に剥離することができる。
第2の層3の厚さは、特に限定されるものではないが、1.0〜10.0mmであるのが好ましく、1.0〜5.0mmであるのがより好ましい。これにより、成形型1に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。これに対し、第2の層3の厚さが薄すぎると、第1の層2の厚さや第2の層3の厚さ等によっては、成形型1として十分な柔軟性が得られず、成形体から成形型1を容易に剥離することができなくなる場合がある。
第2の層3の厚さは、特に限定されるものではないが、1.0〜10.0mmであるのが好ましく、1.0〜5.0mmであるのがより好ましい。これにより、成形型1に、より適度な柔軟性を付与することができ、成形体から剥離する際に、転写された微細形状を破壊することなく、より容易に剥離することができる。これに対し、第2の層3の厚さが薄すぎると、第1の層2の厚さや第2の層3の厚さ等によっては、成形型1として十分な柔軟性が得られず、成形体から成形型1を容易に剥離することができなくなる場合がある。
前述した第1の層2と第2の層3との厚さの比は、特に限定されるものではないが、1:2〜1:10であるのが好ましく、1:5〜1:10であるのがより好ましい。第1の層2の厚さと第2の層3の厚さがこのような関係を満足することにより、成形型1全体としての柔軟性を十分に保持しつつ、成形体から剥離する際に、凹部21の型くずれや破損等をより確実に防止することができる。また、成形体から成形型1をより容易に剥離することができる。
第1の層2の一方の面には、所定パターンで凹部21が形成されている。ここでは、一例として、フレネルレンズ基板形成用の凹部パターンが形成されている場合を挙げて説明する。
図1中Xで示す凹部21の深さ、すなわち、凹部21の底部から縁部までの高さは、特に限定されるものではないが、1mm以下であるのが好ましく、0.1〜0.5mmであるのがより好ましい。これにより、フレネルレンズとしての特性が向上する。また、このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
図1中Xで示す凹部21の深さ、すなわち、凹部21の底部から縁部までの高さは、特に限定されるものではないが、1mm以下であるのが好ましく、0.1〜0.5mmであるのがより好ましい。これにより、フレネルレンズとしての特性が向上する。また、このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
また、図1中Yで示す隣接する凹部21の間隔、すなわち、隣接する凹部21の底部の距離は、1mm以下であるのが好ましく、0.1〜0.5mmであるのがより好ましい。これにより、フレネルレンズとしての特性が向上する。また、このような微細な凹部のパターンを転写する場合であっても、成形体から剥離する際に、成形体に転写した形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。
なお、前述した実施形態では、成形型1が、シリコーン樹脂の重量平均分子量の異なる第1の層2と第2の層3とで構成されたものとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、図2に示すように、第1の層2と第2の層3との間に、第3の層4があってもよい。第3の層4を構成するする材料としては、特に限定されないが、シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。このような場合、第3の層4を構成するシリコーン樹脂としては、第1のシリコーン樹脂と第2のシリコーン樹脂との中間的な重量平均分子量を有するものを用いるのが好ましい。これにより、例えば、加熱時等の温度変化の際に、第1の層2を構成する第1のシリコーン樹脂と第2の層3を構成する第2のシリコーン樹脂の熱膨張係数の違いによって生じる成形型1の歪み等を緩和することができる。また、各層は、シリコーン樹脂の重量平均分子量が次第に変化していくよう構成されたものであってもよい。
また、成形型1の凹部21が形成された面に、撥液処理を施してもよい。これにより、成形体からの剥離をより容易なものとすることができる。
このような撥液処理としては、例えば、シランカップリング剤の塗布やプラズマ処理等が挙げられる。
また、成形型1の凹部21が形成された面に、撥液処理を施してもよい。これにより、成形体からの剥離をより容易なものとすることができる。
このような撥液処理としては、例えば、シランカップリング剤の塗布やプラズマ処理等が挙げられる。
[成形型1の製造]
つぎに、成形型1の製造方法について説明する。
図3は、本発明の成形型の製造方法を模式的に示す図である。
まず、図3(a)に示すように、マスター原盤5を用意する。このマスター原盤5には、前述した凹部21に対応した形状の凸部51が所定パターンで形成されている。
つぎに、成形型1の製造方法について説明する。
図3は、本発明の成形型の製造方法を模式的に示す図である。
まず、図3(a)に示すように、マスター原盤5を用意する。このマスター原盤5には、前述した凹部21に対応した形状の凸部51が所定パターンで形成されている。
そして、このマスター原盤5を、型取りトレイ6の内部に、例えば凹凸部51が鉛直上方に開放するように設置する。
次に、図3(b)に示すように、マスター原盤5上に、未硬化の第1のシリコーン樹脂29を供給する。
なお、シリコーン樹脂を供給するときに空気を巻き込んで気泡が入る場合がある。この場合、シリコーン樹脂の上面部は開放状態にあるため、所定時間放置してシリコーン樹脂の自重により気泡を追い出すか、真空脱泡することが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、マスター原盤5上に、未硬化の第1のシリコーン樹脂29を供給する。
なお、シリコーン樹脂を供給するときに空気を巻き込んで気泡が入る場合がある。この場合、シリコーン樹脂の上面部は開放状態にあるため、所定時間放置してシリコーン樹脂の自重により気泡を追い出すか、真空脱泡することが好ましい。
次に、この第1のシリコーン樹脂29を仮硬化させる。
触媒付加による室温硬化の場合、仮硬化の時間は2〜5時間程度であるのが好ましい。
次に、図3(c)に示すように仮硬化した第1のシリコーン樹脂29上に、未硬化の第2のシリコーン樹脂39を供給する。
次に、全体を硬化(本硬化)させる。
触媒付加による室温硬化の場合、仮硬化の時間は2〜5時間程度であるのが好ましい。
次に、図3(c)に示すように仮硬化した第1のシリコーン樹脂29上に、未硬化の第2のシリコーン樹脂39を供給する。
次に、全体を硬化(本硬化)させる。
触媒付加による室温硬化の場合、本硬化の時間は12〜24時間程度であるのが好ましい。この硬化方法は使用するシリコーン樹脂の種類によって変わり、例えば、熱硬化型樹脂の場合は、加熱温度と加熱時間を仮硬化と本硬化で変えることで第1のシリコーン樹脂、第2のシリコーン樹脂を固化させ一体のものとさせることができる。
その後、固化した成形型1を、マスター原盤5から剥離する。成形型1は容易に変形するので、マスター原盤5から剥離する際も容易に剥離することができる。
これにより、図1に示すような成形型1が得られる。
その後、固化した成形型1を、マスター原盤5から剥離する。成形型1は容易に変形するので、マスター原盤5から剥離する際も容易に剥離することができる。
これにより、図1に示すような成形型1が得られる。
[成形体の製造(成型方法)]
つぎに、本発明の成形型を用いた成形体の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、フレネルレンズ基板の製造に適用した場合について説明する。
図4、図5は、成形体の製造方法を説明するための図である。なお、図4、図5中、上側を「上部」、下側を「下部」と言う。
つぎに、本発明の成形型を用いた成形体の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、フレネルレンズ基板の製造に適用した場合について説明する。
図4、図5は、成形体の製造方法を説明するための図である。なお、図4、図5中、上側を「上部」、下側を「下部」と言う。
まず、図4(d)に示すように、成形型1を用意する。
次に、成形型1を、例えば凹部21が鉛直上方に開放するように設置する。
次に、図4(e)に示すように、凹部21が形成された面に、樹脂層711を構成することとなる未硬化の樹脂(未硬化原料)71を供給する。
なお、未硬化の樹脂中には、光拡散剤が添加されていてもよい。拡散剤として、例えばガラスビーズ,シリカ,無機系酸化物,無機系炭酸化物,無機系硫酸化物,有機系樹脂ビーズなどが挙げられる。
次に、成形型1を、例えば凹部21が鉛直上方に開放するように設置する。
次に、図4(e)に示すように、凹部21が形成された面に、樹脂層711を構成することとなる未硬化の樹脂(未硬化原料)71を供給する。
なお、未硬化の樹脂中には、光拡散剤が添加されていてもよい。拡散剤として、例えばガラスビーズ,シリカ,無機系酸化物,無機系炭酸化物,無機系硫酸化物,有機系樹脂ビーズなどが挙げられる。
次に、図4(f)に示すように、かかる樹脂71に透明基板72を接合し、押圧・密着させる。
次に、樹脂71を硬化させる。この硬化方法は、樹脂の種類によって適宜選択され、例えば、紫外線照射、加熱、電子線照射等が挙げられる。
これにより、図4(f)に示すように、樹脂層711が形成され、また、凹部21内に充填された樹脂により、フレネルレンズ712が形成される。
次に、樹脂71を硬化させる。この硬化方法は、樹脂の種類によって適宜選択され、例えば、紫外線照射、加熱、電子線照射等が挙げられる。
これにより、図4(f)に示すように、樹脂層711が形成され、また、凹部21内に充填された樹脂により、フレネルレンズ712が形成される。
次に、図5(g)に示すように、成形型1をフレネルレンズ712から剥離する。
この際、前述したような構成の成形型1(本発明の成形型)を用いているため、フレネルレンズ712の形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。また、成形型1も型くずれ等することなく、繰り返し使用することができる。
その後、必要に応じ、透明基板72の厚さを研削、研磨等により調整してもよい。
この際、前述したような構成の成形型1(本発明の成形型)を用いているため、フレネルレンズ712の形状を破損させることなく、容易に剥離することができる。また、成形型1も型くずれ等することなく、繰り返し使用することができる。
その後、必要に応じ、透明基板72の厚さを研削、研磨等により調整してもよい。
以上のようにして、図5(h)に示すようなフレネルレンズ基板(本発明の成形体)7が得られる。
なお、上述した実施形態では、フレネルレンズ基板を製造する場合について説明したが、例えば、レンチキュラレンズ基板やマイクロレンズ基板の製造にも適用することができる。
なお、上述した実施形態では、フレネルレンズ基板を製造する場合について説明したが、例えば、レンチキュラレンズ基板やマイクロレンズ基板の製造にも適用することができる。
次に、図5(h)に示したフレネルレンズ基板7を用いた透過型スクリーンについて図6、図7を参照しながら説明する。図6は、本発明の透過型スクリーンの光学系を模式的に示す縦断面図、図7は、図6に示す透過型スクリーンの分解斜視図である。
この透過型スクリーン200は、出射面側表面にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ基板7と、フレネルレンズ基板7の出射面側に配置され入射面側表面にレンチキュラレンズ基板210とを備えている。
この透過型スクリーン200は、出射面側表面にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ基板7と、フレネルレンズ基板7の出射面側に配置され入射面側表面にレンチキュラレンズ基板210とを備えている。
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図8は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン330とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、その透過型スクリーン330として、上述したフレネルレンズ基板7を有した透過型スクリーン330を用いている。
図8は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン330とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、その透過型スクリーン330として、上述したフレネルレンズ基板7を有した透過型スクリーン330を用いている。
以上、本発明の成形型、成形方法、成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、上述した説明では、本発明の成形型として、フレネルレンズ基板用の成形型を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レンチキュラレンズ基板やマイクロレンズ基板等の光学部品を製造するための成形型に適用することもできる。
例えば、上述した説明では、本発明の成形型として、フレネルレンズ基板用の成形型を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レンチキュラレンズ基板やマイクロレンズ基板等の光学部品を製造するための成形型に適用することもできる。
また、本発明は光学部品用の成形型に限定されるものではなく、その他微細凹部のパターンを有する各種成形体を製造するための成形型としてもよい。例えば、バイオチップなどの超微細凸凹構造体等を成形するための成形型に適用することができる。
また、本発明の成形方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。
また、本発明の透過型スクリーンは、マイクロレンズ基板の出射面側または入射面側に、ブラックマトリクスやブラックストライプや光拡散板や他のマイクロレンズ等をさらに採用した透過型スクリーンであってもよい。
また、本発明の成形方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。
また、本発明の透過型スクリーンは、マイクロレンズ基板の出射面側または入射面側に、ブラックマトリクスやブラックストライプや光拡散板や他のマイクロレンズ等をさらに採用した透過型スクリーンであってもよい。
なお、上述した説明では、本発明のフレネルレンズを、透過型スクリーンおよび該透過型スクリーンを備えた投射型表示装置に用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明のフレネルレンズを、例えば、CCD、光通信素子等の各種電気光学装置、液晶表示装置(液晶パネル)、有機または無機EL(Electroluminescence:エレクトロルミネッセンス)表示装置、その他の装置などに用いることができるのは言うまでもない。
また、表示装置もリアプロジェクション型の表示装置に限定されず、例えば、フロントプロジェクション型の表示装置に本発明のフレネルレンズ基板を用いることができる。
また、表示装置もリアプロジェクション型の表示装置に限定されず、例えば、フロントプロジェクション型の表示装置に本発明のフレネルレンズ基板を用いることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
<成形型の作製>
(実施例1)
まず、フレネルレンズ基板形成用の成形型を作製するためのマスター原盤5を用意し、図3(a)に示すように、型取りトレイ内部に設置した。なお、マスター原盤5としては、形成される成形型の凹部の深さが0.25mm、隣接する凹部の間隔が0.5mmとなるものを用いた。
次に、第1のシリコーン樹脂を硬化後の厚さが1mmになるように流し込んだ。なお、この第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、600,000であった。
<成形型の作製>
(実施例1)
まず、フレネルレンズ基板形成用の成形型を作製するためのマスター原盤5を用意し、図3(a)に示すように、型取りトレイ内部に設置した。なお、マスター原盤5としては、形成される成形型の凹部の深さが0.25mm、隣接する凹部の間隔が0.5mmとなるものを用いた。
次に、第1のシリコーン樹脂を硬化後の厚さが1mmになるように流し込んだ。なお、この第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、600,000であった。
次に、数時間ほど放置して第1のシリコーン樹脂を仮硬化させた。
次に、第2のシリコーン樹脂を硬化後の厚さが9mmになるように流し込んだ。なお、この第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、350,000であった。
次に、12時間ほど放置して第1のシリコーン樹脂および第2のシリコーン樹脂を本硬化させた。
その後、硬化物をマスター原盤から剥離することにより、成形型を得た。
次に、第2のシリコーン樹脂を硬化後の厚さが9mmになるように流し込んだ。なお、この第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量は、350,000であった。
次に、12時間ほど放置して第1のシリコーン樹脂および第2のシリコーン樹脂を本硬化させた。
その後、硬化物をマスター原盤から剥離することにより、成形型を得た。
(実施例2〜4)
第1のシリコーン樹脂および第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量、第1の層および第2の層の厚さをそれぞれ表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして成形型を作製した。
(比較例1)
第1のシリコーン樹脂のみを用いて成形体を作製し、成形体(第1の層)の厚さを10mmとした以外は、前記実施例1と同様にして成形体を得た。
第1のシリコーン樹脂および第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量、第1の層および第2の層の厚さをそれぞれ表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして成形型を作製した。
(比較例1)
第1のシリコーン樹脂のみを用いて成形体を作製し、成形体(第1の層)の厚さを10mmとした以外は、前記実施例1と同様にして成形体を得た。
(比較例2)
第2のシリコーン樹脂のみを用いて成形体を作製し、成形体(第2の層)の厚さを10mmとした以外は、前記実施例1と同様にして成形体を得た。
(比較例3)
ガラス基板に、マスキング・パターンニング・エッチング等の処理を施すことにより、前記実施例1と同様の複数の凹部を有するガラス製の成形体を製造した。
各実施例および各比較例における、第1のシリコーン樹脂および第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量、第1の層および第2の層の厚さをそれぞれ表1に示した。
第2のシリコーン樹脂のみを用いて成形体を作製し、成形体(第2の層)の厚さを10mmとした以外は、前記実施例1と同様にして成形体を得た。
(比較例3)
ガラス基板に、マスキング・パターンニング・エッチング等の処理を施すことにより、前記実施例1と同様の複数の凹部を有するガラス製の成形体を製造した。
各実施例および各比較例における、第1のシリコーン樹脂および第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量、第1の層および第2の層の厚さをそれぞれ表1に示した。
<フレネルレンズ基板の作製>
前述した各実施例および各比較例の成形型を使用して、フレネルレンズ基板(成形体)を作製した。
各実施例および比較例の成形型の凹部が形成された面に、紫外線硬化樹脂を1mm厚に均一に塗布(供給)し、塗布した樹脂に透明なアクリル基板を接合し、押圧・密着させた。
アクリル基板側から紫外線照射を数秒間行い、紫外線硬化樹脂を硬化させた。
その後、成形型をフレネルレンズ基板から剥離させた。
前述した各実施例および各比較例の成形型を使用して、フレネルレンズ基板(成形体)を作製した。
各実施例および比較例の成形型の凹部が形成された面に、紫外線硬化樹脂を1mm厚に均一に塗布(供給)し、塗布した樹脂に透明なアクリル基板を接合し、押圧・密着させた。
アクリル基板側から紫外線照射を数秒間行い、紫外線硬化樹脂を硬化させた。
その後、成形型をフレネルレンズ基板から剥離させた。
剥離する際、各実施例で得られた成形型を用いたものは、容易に剥離することができた。また、剥離した後のフレネルレンズには、破損は見当たらなかった。また、剥離した成形型も観察したところ、凹部の破損等は見当たらず、繰り返しの使用に十分に耐えうるものであった。特に、第1のシリコーン樹脂と第2のシリコーン樹脂との重量平均分子量の差、第1の層と第2の層との厚さの比が好ましい範囲の実施例1の成形型は、特に優れた剥離性を示した。
これに対し、各比較例の成形型は、いずれも剥離するのが困難であった。特に、比較例1、比較例2の成形体は剥離するのが極めて困難で、十分に慎重に剥離しても、成形体に転写した形状に破損等が確認され、所望の形状を忠実に再現することができなかった。また、比較例2の成形型においては、未硬化の樹脂に表面形状を転写する際に、成形型の表面形状が変形してしまい、所望の形状を忠実に再現することができなかった。
そして、前記実施例および各比較例で得られたフレネルレンズ基板を用いて、図6、図7に示すような透過型スクリーンを作製し、当該スクリーンを用いて図8に示すようなリア型プロジェクタを作製した。
そして、前記実施例および各比較例で得られたフレネルレンズ基板を用いて、図6、図7に示すような透過型スクリーンを作製し、当該スクリーンを用いて図8に示すようなリア型プロジェクタを作製した。
実施例で得られた成形型を用いて製造されたフレネルレンズ基板を備えたリア型プロジェクタでは、スクリーンにそれぞれ画像を投射させたところ、明るい画像を表示することができた。これに対し、比較例1および比較例3で得られた成形型を用いて製造されたフレネルレンズ基板を備えたリア型プロジェクタでは、パターン欠け等が確認された。また、比較例2で得られた成形型を用いて製造されたフレネルレンズ基板は、設計値とずれているため、該フレネルレンズ基板を用いたリア型プロジェクタでは、視野角が設計通りに広く取れないという不具合があった。
1……成形型 2……第1の層 21……凹部 29……第1のシリコーン樹脂 3……第2の層 39……第2のシリコーン樹脂 4……第3の層 5……マスター原盤 51……凸部 6……型取りトレイ 7……フレネルレンズ基板(成形体) 71……樹脂 711……樹脂層 712……フレネルレンズ 72……透明基板 200……透過型スクリーン 210……マイクロレンズ基板 300……リア型プロジェクタ 310……投写光学ユニット 320……導光ミラー 330……透過型スクリーン 340……筐体
Claims (18)
- 成形体の製造に用いられる成形型であって、
第1のシリコーン樹脂で構成され、一方の面に複数の凹部を有する第1の層と、
前記第1の層の他方の面側に配され、前記第1のシリコーン樹脂よりも分子量の低い第2のシリコーン樹脂で構成された第2の層とを有することを特徴とする成形型。 - 前記凹部の深さが、1mm以下である請求項1に記載の成形型。
- 隣接する凹部の間隔が、1mm以下である請求項1または2に記載の成形型。
- 前記第1のシリコーン樹脂の分子量と前記第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量との差は、300,000〜700,000である請求項1ないし3のいずれかに記載の成形型。
- 前記第1のシリコーン樹脂の重量平均分子量が、600,000以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の成形型。
- 前記第1のシリコーン樹脂の引張強度が、280kg/cm2以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の成形型。
- 前記第1の層の厚さが、0.5〜5.0mmである請求項1ないし6のいずれかに記載の成形型。
- 前記第2のシリコーン樹脂の重量平均分子量が、300,000〜350,000である請求項1ないし7のいずれかに記載の成形型。
- 前記第2の層の厚さが、1.0〜10.0mmである請求項1ないし8のいずれかに記載の成形型。
- 第1の層と第2の層との厚さの比が、1:2〜1:10である請求項1ないし9のいずれかに記載の成形型。
- 凹部が形成された面側に、撥液処理が施されている請求項1ないし10のいずれかに記載の成形型。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の成形型を用いることを特徴とする成形方法。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の成形型の凹部が形成された面に未硬化の樹脂を供給する工程と、
前記樹脂を硬化させ、硬化物を得る工程と、
前記硬化物から成形型を剥離する工程とを有することを特徴とする成形方法。 - 請求項12または13に記載の成形方法を用いて製造されたことを特徴とする成形体。
- 光学部品である請求項14に記載の成形体。
- フレネルレンズ基板またはレンチキュラレンズ基板である請求項14または15に記載の成形体。
- 請求項14ないし16のいずれかに記載の成形体を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
- 請求項17に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004222543A JP2006035779A (ja) | 2004-07-29 | 2004-07-29 | 成形型、成形方法、成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=35901263
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---|---|---|---|
JP2004222543A Pending JP2006035779A (ja) | 2004-07-29 | 2004-07-29 | 成形型、成形方法、成形体、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006035779A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011524830A (ja) * | 2008-06-20 | 2011-09-08 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ポリマー鋳型及び該鋳型から製造される物品 |
JP2013068839A (ja) * | 2011-09-22 | 2013-04-18 | Olympus Corp | 光学素子の製造方法および表面加工装置 |
JP2018040920A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | ス キム,ヨン | 着脱層を有するディスプレイ装置、及びその製造方法{Apparatus of display having detachable layer and method of manufacturing the display} |
-
2004
- 2004-07-29 JP JP2004222543A patent/JP2006035779A/ja active Pending
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