JP2007190733A - 金型、光学素子基材、光学素子及び光学素子の製造方法 - Google Patents

金型、光学素子基材、光学素子及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金型、光学素子基材、光学素子及び光学素子の製造方法において、離型不良を起こさずに且つ剥離用の部材を設けることなく、小さい荷重で金型と樹脂層とを剥離する。
【解決手段】内型3と、この内型3と独立して移動可能な外型2とを有する金型1において、外型2の被成形物に当接する面2aの少なくとも一部は、外型2の周方向に亘って、外型2の移動方向(矢印方向)と直交する仮想面Aに対し傾き(角度θ)を有する平面又は曲面である構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子基材に接合した樹脂層を有する光学素子を成形する金型、光学素子基材、光学素子及び光学素子の製造方法に関する。
従来、樹脂接合型の光学素子として、ガラスレンズ、プラスチックレンズ等の光学素子に樹脂を接合したものが知られている。そして、この樹脂接合型の光学素子を製造するに際して、金型と樹脂層との剥離を容易にする手法が提案されている。例えば、特許文献1では、内型と外型とからなる金型のうち、外型で、まず樹脂層を剥離し、この外型で再度樹脂層を押圧して、内型から樹脂層を剥離する技術が提案されている。
特開平8−66972
ところで、上記特許文献1の技術は、外型の押圧により、樹脂層を金型から剥離するものであるため、確かに金型から樹脂層を剥離するのが可能である。しかしながら、上記特許文献1の技術では、外型の押圧位置が樹脂層の周方向に亘るため、金型から樹脂層を剥離する際に、大きい荷重が必要となっていた。
荷重を減らすためには、外型の成形面に凸部を設けて押圧位置を数箇所に絞る方法が考えられる。しかしながら、この方法では、凸部の側面に樹脂が残ってしまうので、離型不良が発生しやすくなる。また、剥離用の部材を別途設ける方法も考えられるが、この方法では、樹脂層や光学素子基材にも剥離用の部材と当接する箇所が必要となるので、光学素子の小型化を阻害してしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、小さい荷重で光学素子を剥離できる金型、小さい荷重で金型から剥離できる小型な光学素子基材及び光学素子、並びにこの光学素子の製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の金型は、内型と、上記内型と互いに独立して移動可能な外型とを有する金型において、上記外型の被成形物に当接する面の少なくとも一部は、上記外型の周方向に亘って、上記外型の移動方向と直交する仮想面に対し傾きを有する平面又は曲面である構成とする。
好ましくは、上記傾きを有する平面又は曲面は、上記被成形物の有効径に相当する部分よりも0.1mm以上外側に位置する構成とする。
より好ましくは、上記傾きを有する平面は、上記仮想面に対し0.5度乃至45度の傾きを有する構成とする。
上記課題を解決するために、本発明の光学素子基材は、有効径より外側の少なくとも一部が、周方向に亘って、上記光学素子基材の光軸と直交する仮想面に対し傾きを有する平面又は曲面である構成とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の光学素子は、上記光学素子基材に接合した樹脂層をさらに備え、上記樹脂層の一部は、上記傾きを有する平面又は曲面に当接する構成とする。
好ましくは、上記傾きを有する平面又は曲面は、上記光学素子基材の有効径よりも0.1mm以上外側に位置する構成とする。
より好ましくは、上記傾きを有する平面は、上記仮想面に対し0.5度乃至45度の傾きを有する構成とする。
また、上記樹脂層は、その表面に微細構造を有する構成としてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の光学素子の製造方法は、内型と、上記内型と互いに独立して移動可能な外型とを有する金型を用いて光学素子基材上の少なくとも一部に樹脂層を形成する樹脂接合型の光学素子の製造方法において、上記金型と上記光学素子基材との間に樹脂を供給し、上記金型と上記光学素子基材とを相対的に接近させることで上記樹脂を広げて樹脂層とする際に、上記樹脂層の有効径よりも外側において周方向に亘って厚みが滑らかに変化する上記樹脂層を形成し、上記樹脂層を硬化させ、上記硬化した樹脂層から上記外型のみを剥離し、再度上記外型と上記樹脂層とを相対的に接近させることにより上記金型と上記樹脂層とを剥離するようにする。
本発明の金型は、外型の被成形物に当接する面の少なくとも一部が、外型の周方向に亘って、移動方向と直交する仮想面に対し傾きを有する平面又は曲面となっている。このような金型において、金型と光学素子基材との間に樹脂を供給すると、樹脂層の周辺部において、その厚さが周方向の位置により異なる。ここで、樹脂層から外型のみを剥離した場合の樹脂層の収縮量は、樹脂層の厚い位置ほど大きくなる。そのため、再度外型と樹脂層とを相対的に接近させていくと、外型は樹脂層表面の全周に均等に当接するのではなく、最初に樹脂層の最も薄い部分(収縮量の最も小さい部分)に当接する。その結果、その当接部分から剥離が開始されることになる。このため、本発明の金型によれば、小さい荷重で金型から樹脂層を剥離することができる。また、金型の外型自体が剥離用の部材を兼ねるので、新たに剥離用の部材を設ける必要がない。
また、本発明の光学素子は、有効径より外側の少なくとも一部が、周方向に亘って、該光学素子基材の光軸と直交する仮想面に対し傾きを有する平面又は曲面である光学素子基材を備えている。よって、光学素子基材上に樹脂層を形成する際、樹脂層の周辺部における厚みを、その周方向に亘って異ならせることができる。ここで、樹脂層の周辺部のみを金型から剥離した場合の樹脂層の収縮量は、樹脂層の厚い位置ほど大きくなる。そのため、再度金型と樹脂層の周辺部とを相対的に接近させていくと、金型が樹脂層表面の全周に均等に当接するのではなく、最初に樹脂層の最も薄い部分(収縮量の最も小さい部分)に当接する。その結果、その当接部分から剥離が開始されることになる。このため、本発明の光学素子によれば、小さい荷重で金型から樹脂層を剥離することができる。また、樹脂層の周辺部が剥離領域を兼ねるので、新たに剥離領域を光学素子基材に設ける必要がない。よって、光学素子を小型化することができる。
以下、本発明の実施形態に係る金型、光学素子及び光学素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る金型を示す断面図である。図2は、上記金型を成形面側から見た平面図である。
図1において、金型1は、外型2及び内型3から構成されている。これら外型2と内型3とは、樹脂が流れ込まない程度に嵌合されている。そして、両者は、相対的に摺動可能になっている。ここで、外型2は筒状、具体的には円筒形状である。一方、内型3は柱状、具体的には円柱形状である。よって、両者は、外型2の内周面の母線方向(内型の外周面の母線方向)に沿って相対的に移動する。この内型3の一端には、成形面3aが形成されている。この成形面3aは、被成形物の凹面を成形するために凸型面となっている。また、外型2の一端には、成形面2aが形成されている。
ここで、成形面2aの全面は、外型2の周方向(図2に示す矢印Bの方向)に亘って、平面となっている。そしてこの成形面2aは、図1に示すように、移動方向(矢印方向)と直交する面A(以下、仮想面Aと称する。)に対し傾き(角度θ)を有する。この傾き(角度θの値)は、例えば0.5度乃至45度の範囲内にあればよい。なお、この傾き(角度θの値)の上限は30度であってもよい。また、この傾き(角度θの値)は、1度乃至15度の範囲内にあれば好ましく、3度乃至10度の範囲内にあればより好ましい。なお、移動方向は、外型2の内周面の母線と平行、あるいは内型3の外周面の母線と平行な方向である。そこで、これらの母線と平行な軸をXとすると、仮想面Aはこの軸Xと直交する面となる。
また、図2に示すように、外型2の成形面2aは、外型2の周方向(図2に示す矢印Bの方向)に亘って滑らかな面になっている。
次に、図3乃至図6を参照しながら、上記金型を用いた樹脂接合型光学素子の製造方法を説明する。
図3乃至図6は、本発明の第1実施形態に係る金型、及びこの金型を用いて光学素子(樹脂接合型光学素子)を製造する製造方法を示す説明図である。
図3に示す光学素子基材4は、凹型光学面4aを有している。まず、この凹型光学面4aに、例えばエネルギー硬化型や熱硬化型等の樹脂5を供給する。
そして、図4に示すように、樹脂5が所望の厚さの樹脂層6を形成するに至る位置まで、金型1と光学素子基材4とを不図示の駆動手段により相対的に接近させる。これにより、樹脂層6は横方向に広がり、外型2の成形面2aと当接する。この状態で、不図示の樹脂硬化手段(例えば、エネルギー線や熱等)により樹脂層6を硬化させ、光学素子基材4上に樹脂層6を接合する。
次に、金型1から樹脂層6を剥離する。剥離に際しては、図5(a)に示すように、まず外型2を樹脂層6から剥離する。ここで成形面2aは、上述のように周方向に亘って平面となっている。そしてこの成形面2aは、仮想面Aに対し傾きを有する。そのため、樹脂層6の周辺部(成形面2aと当接する部分)では、その周方向に亘って樹脂層6の厚さが連続的に(滑らかに、あるいは段差が無い状態で)変化している。ここで、樹脂層6の厚みには、軸Xに沿う方向の厚みと、軸Xと直交する方向の厚みがある。図5には、軸Xに沿う方向の厚さが最も薄い部分を肉薄部6aとして示し、厚さが最も厚い部分を肉厚部6bとして示した。ところで、外型2を剥離した後の樹脂層6の収縮量は、樹脂層の厚さにより異なる。そのため、外型2を剥離することによる収縮量は、図5(b)において点線で示すように、肉薄部6aよりも肉厚部6bの方が大きくなる。
続いて、内型3から樹脂層6を剥離する。具体的には、図6に示すように、再度外型2と樹脂層6とを相対的に接近させる。このとき、外型2は、樹脂層6表面の全周に均等に当接しない。外型2は、樹脂層6の周辺部の一部、すなわち肉薄部6aに最初に当接する。そこで、樹脂層6(肉薄部6a)に当接した位置よりも光学素子基材4側に向かって、さらに外型2を接近させる。これにより、樹脂層6の周辺部の一部に対して、外型2の荷重が集中した状態(一点集中荷重の状態)になる。その結果、全面均等荷重の状態に比べて、小さい荷重で内型3から樹脂層6を、すなわち金型1から樹脂層6を剥離することができる。
なお、樹脂層6の周辺部の一部は、肉薄部6aのみで外型2と当接するのではない。実際には、肉薄部6aを中心としたある一定の領域が外型2と当接することになる。しかしながらこの状態は、周辺部全体に成形面2aが当接している状態(全面均等荷重の状態)とは異なる。よって、本実施形態の金型における荷重は、一点集中荷重あるいはそれに近い荷重状態とみなすことができる。
以上のように、本実施形態の金型では、外型2の成形面2aが外型2の周方向に亘って平面となっていると共に、この成形面2aは仮想面Aに対し傾きを有する。よって、金型1と光学素子基材4との間で樹脂層6を成形すると、樹脂層6の厚さが周方向の位置により異なる。ここで、樹脂層6から外型2のみを剥離した場合の樹脂層6の収縮量は、樹脂層6の厚い位置(肉厚部6b)ほど大きくなる。そのため、再度外型2と樹脂層6とを相対的に接近させていくと、外型2は最初に、樹脂層6の最も薄い部分(肉薄部6a)に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。よって、本実施形態の金型によれば、小さい荷重で金型1から樹脂層6を剥離することができる。
また、傾き(角度θの値)が、0.5度乃至45度の範囲内であれば上記効果を奏するが、傾き(角度θの値)の上限は30度であってもよい。また、傾き(角度θの値)を、好ましくは1度乃至15度の範囲内、より好ましくは3度乃至10度の範囲内にすることでも、小さい荷重で金型1から樹脂層6を剥離することができる。また、傾きの値が好ましい範囲にあると、肉厚部と肉薄部の厚みの違いが少なくなる。この場合、軸Xと直交する方向において、樹脂層外径の違いを小さくすることができる(樹脂の外径形状が真円に近くなる)。その結果、半径方向における樹脂の収縮率が略等しくなるので、樹脂層6や光学素子基材4の変形を防止することができる。よって、光学素子に対して、非点収差の発生を防止することができる。
なお、本実施形態では、金型1を樹脂層6の形成用として説明したが、金型1は例えば後述する光学素子基材を成形するためにも用いることが可能であり、金型1の被成形物は樹脂層6に限定されない。
また、本実施形態の金型では、外型2の成形面2aを平面としたが、この平面は鏡面に限らず微細な凹凸を含む平面であっても構わない。
[第1実施形態の第1変形例]
図7は、上記第1実施形態の第1変形例に係る金型、及びこの金型を用いて製造した光学素子(樹脂接合型光学素子)を示す断面図である。
同図に示す本変形例に係る金型11は、内型13の成形面13aが凸型ではなく凹型となっている。また、光学素子基材14も凹型ではなく凸型の光学面14aを有している。これらの点以外は、上記第1実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
この金型11を用いた樹脂接合型光学素子の製造方法を説明する。
まず、内型13の凹型成形面13aに、例えばエネルギー硬化型や熱硬化型等の樹脂を供給する。
そして、樹脂が所望の厚さの樹脂層16を形成するに至る位置まで、金型11と光学素子基材14とを不図示の駆動手段により相対的に接近させる。これにより、樹脂層16は横方向に広がり、外型12の成形面12aと当接する。この状態で、不図示の樹脂硬化手段(例えば、エネルギー線や熱等)により樹脂層16を硬化させ、光学素子基材14上に樹脂層16を接合する。
次に、金型11から樹脂層16を剥離する。剥離に際しては、まず外型12を樹脂層16から剥離する。ここで成形面12aは、上記第1実施形態と同様に周方向に亘って平面となっている。そしてこの成形面12aは、仮想面Aに対し傾きを有する。そのため、樹脂層16の周辺部(成形面12aと当接ずる部分)では、その周方向に亘って樹脂層16の厚さが連続的に(滑らかに、あるいは段差が無い状態で)変化している。図7においても、軸Xに沿う方向の厚さが最も薄い部分を肉薄部16aとして示し、厚さが最も厚い部分を肉厚部16bとして示した。ここで、外型12を剥離した後の樹脂層16の収縮量は、樹脂層の厚さにより異なる。そのため、外型12を剥離することによる収縮量は、肉薄部16aよりも肉厚部16bの方が大きくなる。
続いて、外型12から樹脂層16を剥離する。具体的には、再度外型12と樹脂層16とを相対的に接近させる。このとき、外型12に最初に当接するのは、樹脂層16のうちの肉薄部16aとなる。つまり、外型12は、樹脂層16の周辺部の一部、すなわち肉薄部16aに最初に当接する。そこで、樹脂層16(肉薄部16a)に当接した位置よりも光学素子基材14側に向かって、さらに外型12を接近させる。これにより、樹脂層16の周辺部の一部に対して、外型12の荷重が集中した状態(一点集中荷重の状態)になる。その結果、全面均等荷重の状態に比べて、小さい荷重で内型13から樹脂層16を、すなわち金型11から樹脂層16を剥離することができる。
以上のように、本変形例の金型でも、外型12の成形面12aが外型12の周方向に亘って平面となっていると共に、この成形面12aは仮想面Aに対し傾きを有する。よって、再度外型12を樹脂層16に接近させていくと、外型12は最初に、樹脂層16の最も薄い部分(肉薄部16a)に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。よって、本変形例の金型によれば、小さい荷重で金型11から樹脂層16を剥離することができる。
[第1実施形態の第2変形例]
上記第1実施形態や上記第1実施形態の第1変形例に係る金型1,11では、外型2,12の成形面2a,12aの全体が、仮想面Aに対し傾きθを有する平面になっていた。しかしながら、成形面2a,12aの一部のみが、仮想面Aに対し傾きθを有する平面であってもよい。そのため、外型としては、例えば図8に示す外型22のようなものであっても良いとなることも考えられる。
図8は、上記第1実施形態の第2変形例に係る金型に用いる外型を示す断面図である。
同図(a)に示す外型22は、成形面22aのうち、一部の成形面22a−1が仮想面Aに対し傾きを有する(上りの傾斜面)。一方、成形面22aのうち、残りの部分の成形面22a−2は仮想面Aと平行な面になっている。なお、成形面22a−1及び成形面22a−2は、いずれも平面となっている。
よって、本変形例に係る金型においても、樹脂層の周辺部では、その周方向の位置により樹脂層の厚さが異なる。具体的には、成形面22a−1と当接している樹脂層の厚みの方が、成形面22a−2と当接している樹脂層よりも薄くなっている。ここで上述のように、樹脂層から外型22を剥離した際の樹脂層の収縮量は、樹脂層の厚みが厚いほど大きくなる。そのため、再度外型22と樹脂層とを相対的に接近させていくと、外型22は最初に、樹脂層の最も薄い部分(成形面22a−1と当接している樹脂層)に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。このため、本変形例の金型においても、小さい荷重で金型から樹脂層を剥離することができる。
なお、図8(b)に示すように、成形面22a−2に続く成形面22a−1を、下りの傾斜面にしてもよい。この場合、成形面22a−1と当接している樹脂層の厚みの方が、成形面22a−2と当接している樹脂層よりも厚くなる。そのため、成形面22a−2が最初に樹脂層に当接する。その結果、樹脂層の周辺部のうち、半分の領域を外型によって押圧することになる。この場合、図8(a)に比べて、樹脂層を押圧する領域が広くなる。しかしながら、全面均等荷重の状態ではないので、図8(b)の外型を有する金型においても、小さい荷重で金型から樹脂層を剥離することができる。
[第1実施形態の第3変形例]
上記第1実施形態、上記第1変形例及び第2変形例に係る金型では、内型を円柱形状、外型を円筒形状と例示して説明した。しかしながら、本発明に係る金型は、例示した形状に限定されない。金型の形状のその他の例としては、例えば図9(a)、(b)に示す形状が考えられる。
図9(a)は、上記第1実施形態の第3変形例に係る金型をその成形面側から見た平面図、及び側面図である。
同図に示す金型31は、円筒状の外型32及び円柱状の内型33のそれぞれについて、その一部を切断した形状を備えている。この金型31では、軸Xを挟んで対向する側部を直線的に切断することにより、弦32a,33aに相当する部分を形成している。よって、金型31は、いわゆる小判型の形状を呈している。また、本変形例においても、外型32の成形面は、外型32の周方向(矢印Cの方向)に亘って平面となっている。そしてこの成形面は、仮想面Aに対し傾き(角度θ)を有する。
よって、本変形例のように、外型32が内型33の外周全域を覆っていなくとも、本変形例においても、小さい荷重で金型31から樹脂層を剥離することができる。
[第1実施形態の第4変形例]
図9(b)は、上記第1実施形態の第4変形例に係る金型をその成形面側から見た平面図である。
同図に示す金型41も、円筒状の外型42及び円柱状の内型43のそれぞれについて、その一部を切断した形状を備えている。この金型41では、各々の側部を3箇所切り取った形状を呈している。このような形状の場合では、本発明に係る金型の周方向とは、外型42の内周又は外周に沿った方向に相当する。そして、本変形例においても、外型42の成形面は、外型42の周方向(矢印Cの方向)に亘って、平面となっている。そしてこの成形面は、仮想面Aに対し傾きを有する。
そのため、本変形例においても、上記第1実施形態と同様に、小さい荷重で金型41から樹脂層を剥離することができる。
なお、上記第1実施形態及び各変形例において、被成形物の有効径に相当する部分よりも0.1mm以上外側に、外型の成形面が位置するように金型を構成してもよい。すなわち、図10に示すように、内型3の成形面3aには、所定の領域3a−1が存在する。この所定の領域3a−1は、被成形物(光学素子基材4)の有効径領域(有効径部分)4a−1と一致(相当)する。そこで、所定の領域3a−1の境界から所定の間隔tだけ離れた位置に、成形面2aの内側面が位置するようにする。このような構成において、tは0.1mm以上であることが好ましい。その理由について、以下に説明する。
樹脂層6を金型から剥離する際には、所定の力が発生する。本実施形態及び変形例では、この所定の力の大きさを、従来に比べて小さくすることができる。しかしながら、その大きさによっては、光学素子基材4及び樹脂部6における光学面(特に有効径内)に所定の力が及ぶことがある。その結果、場合によっては光学面が変形する可能性がある。そこで、間隔tを0.1mm以上にすることで、有効径内の光学面が変形するのを防止することができる。なお、後述の第2実施形態及び第3実施形態においても、間隔tを0.1mm以上にするのが好ましい。
[第2実施形態]
図11は、本発明の第2実施形態に係る金型を示す断面図であり、図12は、上記金型を成形面側から見た平面図である。
図11及び図12において、金型51は、外型52及び内型53から構成されている。これら外型52と内型53とは嵌合になっている。そして、両者は、相対的に摺動可能になっている。ここで、外型52は円筒形状であり、内型53は円柱形状である。この内型53の成形面53aは、被成形物の凹面を成形するために凸型面となっている。また、外型52の一端には、成形面52aが形成されている。
ここで、外型52の成形面52aは、外側面52a−1と内側面52a−2で構成されている。外側面52a−1は、内側面52a−2の外周側に位置している。そして、外側面52a−1の全面は、外型52の周方向に亘って平面となっている。そして外側面52a−1は、仮想面Aに対し傾き(角度θ)を有する。この傾き(角度θの値)は、例えば0.5度乃至45度の範囲内にあればよい。なお、この傾き(角度θの値)の上限は30度であってもよい。また、この傾き(角度θの値)は、1度乃至15度の範囲内にあれば好ましく、3度乃至10度の範囲内にあればより好ましい。
また、内側面52a−2の全面は、外型52の周方向に亘って平面となっている。そして、内側面52a−2は、仮想面Aと平行になっている。よって、外側面52a−1と内側面52a−2は、傾き(角度θ)を持って、それぞれが形成されていることになる。図11に示すように、成形面52aは、軸Xを挟んで一方の側では、外側面52a−1に対して内側面52a−2が凹になり、反対側では、外側面52a−1に対して内側面52a−2が凸になっている。なお、仮想面Aと軸Xの関係については、第1実施形態で説明したとおりである。
また、図12に示すように、外側面52a−1は、外型52の周方向(図12に示す矢印D1)に亘って滑らかな面になっている。同様に、外側面52a−2も、外型52の周方向(図12に示す矢印D2)に亘って滑らかな面(段差が無い面)になっている。
次に、図13乃至図16を参照しながら、金型51を用いた樹脂接合型光学素子の製造方法を説明する。
図13乃至図16は、本発明の第2実施形態に係る金型、及びこの金型を用いて光学素子(樹脂接合型光学素子)を製造する製造方法を示す説明図である。
図13に示す光学素子基材54は、凹型光学面54aを有している。まず、この凹型光学面54aに、例えばエネルギー硬化型や熱硬化型等の樹脂55を供給する。
そして、図14に示すように、樹脂55が所望の厚さの樹脂層56を形成するに至る位置まで、金型51と光学素子基材54とを不図示の駆動手段により相対的に接近させる。これにより、樹脂層56は横方向に広がり、外型52の成形面52aと当接する。この状態で、不図示の樹脂硬化手段(例えば、エネルギー線や熱等)により樹脂層56を硬化させ、光学素子基材54上に樹脂層56を接合する。
次に、金型51から樹脂層56を剥離する、剥離に際しては、図15(a)に示すように、まず外型52を樹脂層56から剥離する。ここで、外側面52a−1は、上述のように周方向に亘って平面となっている。そして、この外側面52a−1は、仮想面Aに対し傾きを有する。そのため、樹脂層56の周辺部(外側面52a−1と当接する部分)では、その周方向に亘って樹脂層56の厚さが連続的に(滑らかに、あるいは段差が無い状態で)変化している。図15(a)には、軸Xに沿う方向の厚さが最も薄い部分を肉薄部56aとして示し、厚さが最も厚い部分を肉厚部56bとして示した。ところで、外型52を剥離した後の樹脂層56の収縮量は、樹脂層の厚さにより異なる。そのため、外型52を剥離することによる収縮量は、図15(b)において点線で示すように、肉薄部56aよりも肉厚部56bの方が大きくなる。更に、中間部56cの厚みも、肉薄部56aの厚みよりも厚い。そのため、外型52を剥離することによる収縮量は、肉薄部56aよりも中間部56cの方が大きくなる。
続いて、内型53から樹脂層56を剥離する。具体的には、図16に示すように、再度外型52と樹脂層56とを相対的に接近させる。このとき、外型52は、樹脂層56の周辺部の一部、すなわち肉薄部56aに最初に当接する。そこで、樹脂層56(肉薄部56a)に当接した位置よりも光学素子基材54側に向かって、さらに外型52を接近させる。これにより、樹脂層56の周辺部の一部に対して、外型52の荷重が集中した状態(一点集中荷重の状態)になる。その結果、全面均等荷重の状態に比べて、小さい荷重で内型53から樹脂層56を、すなわち金型51から樹脂層56を剥離することができる。
以上のように、本実施形態の金型では、外型52の外側面52a−1が外型52の周方向に亘って平面となっていると共に、この外側面52a−1は仮想面Aに対し傾きを有する。よって、再度外型52を樹脂層56に当接させると、外型52は最初に、樹脂層56の最も薄い部分(肉薄部56a)に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。よって、本実施形態の金型によれば、小さい荷重で金型51から樹脂層56を剥離することができる。なお、本実施形態においても、荷重は、一点集中荷重あるいはそれに近い状態とみなすことができる。
なお、本実施形態においても、外側面52a−1及び内側面52a−2を平面としたが、この平面とは鏡面に限らず微細な凹凸を含む平面であっても構わない。
また、上記第1実施形態の第1乃至第4変形例の技術は、本実施形態の金型にも適用可能である。
[第3実施形態]
図17は、本発明の第3実施形態に係る金型を示す断面図である。
図17(a)において、金型61は、外型62及び内型63から構成されている。これら外型62と内型63とは嵌合になっている。そして、両者は、相対的に摺動可能になっている。ここで、外型62は円筒形状であり、内型63は円柱形状である。この内型63の成形面63aは、被成形物の凹面を成形するために凸型面となっている。また、外型52の一端には、成形面62aが形成されている。
ここで、外型62の成形面62aの全面は、外型62の周方向に亘って曲面となっている。そしてこの成形面62aは、仮想面Aに対し傾き(角度θ)を有する。その点を除き、本実施形態に係る金型及びこの金型を用いた光学素子の製造方法は、上記第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、成形面62aは曲面となっている。この曲面は、軸Xから離れた点に中心Yを有する曲率半径がRの球面の一部である。すなわち、この球面と円筒(外型62)が交わったときに、この球面で切り取られた円筒の端面の形状が、成形面62aの形状である。なお、傾き(角度θ)は、この球面の面の接平面と仮想面Aとのなす角度で定義することができる。接平面としては、例えば、球面と軸Xが交わる位置における接平面が考えられる。
本実施形態の金型では、外型62の成形面62aが、型62の周方向に亘って曲面となっていると共に、この成形面62aは仮想面Aに対し傾きを有する。よって、樹脂層を形成したとき、樹脂層6の厚さが連続的に(滑らかに、あるいは段差が無い状態で)変化している。すなわち、樹脂層の厚さが周方向の位置により異なる。そのため、再度外型62を樹脂層に当接させると、外型62は最初に、樹脂層の最も薄い部分に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。よって、本実施形態の金型によれば、小さい荷重で金型61から樹脂層を剥離することができる。
また、成形面62aは、図17(b)に示すように、曲面62a’であっても良い。この場合の傾きは、例えば、曲面の頂点を含む面と仮想面Aとのなす角度で定義することができる。
なお、本実施形態においても、曲面とは、微細な凹凸を含む曲面も意味することは明らかである。
また、上記第1実施形態の第1乃至第4変形例及び上記第2実施形態の技術は、本実施形態にも適用可能である。
さらに、内型の表面が、微細構造、例えば使用波長未満の微細な凹凸を有するものであった場合、樹脂層76を剥離する際に一層大きい荷重が必要になっていた。しかしながら、以上の方法により、このような内型であっても、金型から樹脂層を小さい荷重で剥離することができる。
[第4実施形態]
図18は、本発明の第4実施形態に係る光学素子を示す断面図である。図19は、本発明の第4実施形態に係る光学素子基材を樹脂層側から見た平面図である。
本実施形態の光学素子は、樹脂接合型の光学素子である。この樹脂接合型の光学素子では、図18に示すように、光学素子基材74に、樹脂層76が接合している。ここで、光学素子基材74の傾斜面74a−1は、光学素子基材74の周方向(図19に示す矢印F)に亘って平面となっている。そしてこの傾斜面74a−1は、光学素子基材74の光軸Zと直交する面E(以下、仮想面Eとする。)に対し傾き(角度θ)を有する。なお、ここでは、傾斜面74a−1は、凹型光学面74a−3よりも外側に位置している。また、凹型光学面74a−3の内側が、有効径領域74a−2となっている。この傾斜面74a−1の傾き(角度θの値)は、例えば0.5度乃至45度の範囲内にあればよい。なおこの傾き(角度θの値)の上限は30度であってもよい。また、この傾き(角度θの値)は、1度乃至15度の範囲内にあれば好ましく、3度乃至10度の範囲内にあればより好ましい。
このように、光学素子基材74は、上記傾斜面74a−1を有している。そのため、その周方向に亘って厚さが連続的に変化させるように、傾斜面74a−1上に樹脂層76を形成することができる。ここで、樹脂層76の厚みには、光軸Zに沿う方向の厚みと、光軸Zと直交する方向の厚みがある。図18には、周辺部のうち、光軸Zに沿う方向の厚さが最も薄い部分を肉薄部76aとして示し、厚さが最も厚い部分を肉厚部76bとして示した。なお、光学素子基材74は、樹脂層76を接合した状態で示したが、光学素子基材74のみで存在する状況もあり得る。
次に、図20乃至図23を参照しながら、光学素子基材74を用いた光学素子の製造方法を説明する。
図20に示す金型71は、外型72と内型73とを有している。ただし、上記第1乃至第3実施形態とは異なり、外型72の成形面72aは平面であって、例えば軸Xに対し垂直な仮想面Aと平行な面になっている。また、内型73は、凸型成形面73aを有している。
光学素子の製造では、まず、光学素子基材74に、例えばエネルギー硬化型や熱硬化型等の樹脂75を供給する。
そして、図21に示すように、樹脂75が所望の厚さの樹脂層76を形成するに至る位置まで、金型71と光学素子基材74とを不図示の駆動手段により相対的に接近させる。これにより、樹脂層76は横方向に広がり、光学素子基材74の傾斜面74a−1と成形面72aに当接する。このとき、傾斜面74a−1は平面であって、仮想面Eに対し傾いている。ここで、光軸Zと軸Xは平行であるので、仮想面Aと仮想面Eは平行な関係になっている。よって、傾斜面74a−1と成形面72aの間隔は、その周方向に亘って連続的に樹脂層6の厚さが連続的に(滑らかに、あるいは段差が無い状態で)変化している。そのため、その間に広がった樹脂層76も、その周方向に亘って厚さが連続的に樹脂層6の厚さが連続的に(滑らかに、あるいは段差が無い状態で)変化している。この状態で、不図示の樹脂硬化手段(例えば、エネルギー線や熱等)により樹脂層76を硬化させ、光学素子基材74上に樹脂層76を接合する。
次に、金型71から樹脂層76を剥離する、剥離に際して、図22に示すように、まず外型72を樹脂層76から剥離する。ここで、外型72を剥離した後の樹脂層76の収縮量は、周方向の位置により異なる。すなわち、外型72を剥離することによる収縮量は、肉薄部76aよりも肉厚部76bの方が大きくなる。
続いて、内型73から樹脂層76を剥離する。具体的には、図23に示すように、再度外型72と樹脂層76とを相対的に接近させる。このとき、外型72は、樹脂層76の周辺部の一部、すなわち肉薄部76aに最初に当接する。そこで、樹脂層76(肉薄部76a)に当接した位置よりも光学素子基材74側に向かって、さらに外型72を接近させる。これにより、樹脂層76の周辺部の一部に対して、外型72の荷重が集中した状態(一点集中荷重の状態)になる。その結果、全面均等荷重の状態に比べて、小さい荷重で内型73から樹脂層76を、すなわち金型71から樹脂層76を剥離することができる。
以上のように、本実施形態の光学素子では、光学素子基材74の傾斜面74a−1が光学素子基材74の周方向Fに亘って平面になっていると共に、この傾斜面74a−1は仮想面Eに対し傾きを有する。よって、光学素子基材74に接合する樹脂層76の厚さを、周方向の位置により異ならせることができる。ここで、樹脂層76から外型72のみを剥離した場合、樹脂層76の収縮量は樹脂層76の厚い位置(肉厚部76b)ほど大きくなる。そのため、再度外型72と樹脂層76とを相対的に接近させていくと、外型72は最初に、樹脂層76の最も薄い肉薄部76aに当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。これは、樹脂層76の周辺部に対する荷重が、一点集中荷重あるいはそれに近い荷重状態になっているといえる。よって、本実施形態の光学素子によれば、小さい荷重で金型71から樹脂層76を剥離することができる。
また、傾き(角度θの値)が、1度乃至45度の範囲内であれば上記効果を奏するが、傾きを、好ましくは5度乃至30度の範囲内、より好ましくは10度乃至20度の範囲内にすることで、小さい荷重で金型71から樹脂層76を剥離することができる。なお、傾きの値をより好ましい範囲にすることで、樹脂層76や光学素子基材74の変形を防止することができる。また、非点収差の少ない光学素子を得ることができる。
また、光学素子のなかには、反射を防止する等の目的で、樹脂層76の表面に微細構造、例えば使用波長未満の微細な凹凸を有する光学素子がある。このような光学素子の製造では、内型73の成形面73aにも同様の微細な凹凸形状が形成されている。このような光学素子では、内型73から樹脂層76を剥離する際に一層大きい荷重が必要になっていた。しかしながら、本実施形態の光学素子であれば、金型71から樹脂層76を小さい荷重で剥離することができる。
なお、本実施形態では、傾斜面74a−1を平面としたが、この平面とは鏡面に限らず微細な凹凸を含む平面も意味することは明らかである。
[第5実施形態]
図24は、光学素子基材を示す断面図であり、本発明の第5実施形態の光学素子に用いる光学素子基材である。また、図25は上記光学素子基材を光学面側から見た平面図である。
図24において、光学素子基材84は、その有効径84a−2よりも0.1mm以上外側に傾斜面84a−1を有している。この傾斜面84a−1は、図25にも示す光学面84a−3及び光軸Zに垂直な面84a−4の外側に位置している。
また、傾斜面84a−1は、光学素子基材84の周方向に亘って平面となっている。よって、周方向において、段差等のような急激に面の高さが変化する面形状になっていない。そしてこの傾斜面84a−1は、仮想面Eに対し傾き(角度θ)を有する。この傾斜面84a−1の傾きは、例えば0.5度乃至45度で、上限としては30度であってもよい。また、この傾斜面84a−1の傾きは、好ましくは1度乃至15度、より好ましくは3度乃至10度とするとよい。
このように、光学素子基材84は、上記傾斜面84a−1を有している。そのため、傾斜面84a−1上に接合する樹脂層は、光軸と直交する面を有する金型により成形されることで周方向の位置により厚さが異なる。
樹脂接合型の光学素子の製造方法は、上記第4実施形態と同様であるため省略する。
本実施形態の光学素子では、光学素子基材84の傾斜面84a−1が、光学素子基材84の周方向に亘って平面となっていると共に、傾斜面84a−1は仮想面Eに対し傾きを有する。このようにすることで、光学素子基材84に接合する樹脂層の厚さを、周方向の位置により異ならせることができる。そのため、再度外型と樹脂層とを相対的に接近させていくと、外型は最初に、樹脂層の最も薄い部分に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。よって、本実施形態の光学素子によれば、小さい荷重で金型から樹脂層を剥離することができる。
また、本実施形態の光学素子では、光学素子基材84の傾斜面84a−1が、有効径84a−2よりも0.1mm以上外側に位置している。このようにすることで、樹脂層を金型から剥離する際に発生する力が、有効径84a−2の領域に伝わりにくくなる。そのため、有効径内の光学面が変形することを防止することができる。さらに、本実施形態の光学素子では、傾斜面84a−1と有効径84a−2の間に、面84a−4を設けている。よって、樹脂層を金型から剥離する際に発生する力が、より有効径84a−2の領域に伝わりにくくなる。そのため、樹脂層及び光学素子基材84の光学性能を維持しながら、小さい荷重で金型から樹脂層を剥離することを実現できる。
さらに、光学素子基材84の傾斜面84a−1が、仮想面Eに対し、例えば1度乃至45度、好ましくは5度乃至30度、より好ましくは10度乃至20度の傾きを有することで、樹脂層の光学性能を維持しながら、小さい荷重で金型と樹脂層とを剥離することができる。
なお、本実施形態では、傾斜面84a−1を、平面としたが、この平面とは鏡面に限らず微細な凹凸を含む平面も意味することは明らかである。
[第6実施形態]
図26は、光学素子基材を示す断面図であり、本発明の第6実施形態に係る光学素子に用いる光学素子基材である。
同図において、光学素子基材94は、その有効径94a−2よりも外側に傾斜面94a−1を有している。この傾斜面94a−1は、光学面94a−3の外側に位置している。また、傾斜面94a−1は、光学素子基材94の周方向に亘って曲面となっている。よって、周方向において、段差等のような急激に面の高さが変化する面形状になっていない。そしてこの傾斜面94a−1仮想面Eに対し傾き(角度θ)を有する。
本実施の形態では、傾斜面94a−1は曲面となっている。この曲面は、軸Xから離れた点に中心Y’を有する曲率半径がR’の球面になる。すなわち、この球面と光学素子基材94が交わったときに光学素子基材94の端面に形成された面が、傾斜面94a−1である。なお、傾き(角度θ)は、この球面の面の接平面と仮想面Eとのなす角度で定義することができる。接平面としては、例えば、球面と光軸Zが交わる位置における接平面が考えられる。
このように、光学素子基材94は、上記傾斜面94a−1を有している。そのため、傾斜面94a−1上に接合する樹脂層は、光軸と直交する面を有する金型により成形されることで周方向の位置により厚さが異なる。
樹脂接合型の光学素子の製造方法は、上記第4実施形態と同様であるため省略する。
本実施形態の光学素子では、光学素子基材94の傾斜面94a−1が光学素子基材94の周方向に亘って曲面となっていると共に、この傾斜面94a−1は仮想面Eに対し傾きを有する。よって、光学素子基材94に接合する樹脂層の厚さを、周方向の位置により異ならせることができる。そのため、再度外型と樹脂層とを相対的に接近させていくと、外型は最初に,樹脂層の最も薄い部分に当接する。そして、その当接部分から剥離が開始されることになる。そのため、本実施形態の光学素子によれば、小さい荷重で金型と樹脂層とを剥離することができる。
なお、本実施形態においても、光学素子基材94の周方向に亘って、光軸と直交する面Hに対し傾きを有する曲面とは、微細な凹凸を含む曲面も意味することは明らかである。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第1実施形態から第3実施形態において、金型はそのままで、光学素子基材4,14,54に代えて第4実施形態または第5実施形態の光学素子基材を用いても良い。(あるいは、第4実施形態または第5実施形態において、光学素子基材はそのままで、金型71に代えて、第1実施形態から第3実施形態の金型を用いても良い。)このようにすると、光学素子基材の周辺部と樹脂層の周辺部の両方が傾斜した面となる。よって、樹脂層の厚さを、周方向の位置により異ならせることができる。
本発明の第1実施形態に係る金型を示す断面図である。 上記金型を成形面側から見た平面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その1)である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その2)である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その3)である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その4)である。 上記第1実施形態の第1変形例に係る金型及び樹脂接合型光学素子を示す断面図である。 上記第1実施形態の第2変形例に係る外型を示す断面図である。 (a)上記第1実施形態の第3変形例に係る金型をその成形面側から見た平面図、及び側面図である。(b)上記第1実施形態の第4変形例に係る金型をその成形面側から見た平面図である。 上記第1実施形態及び各変形例において、有効径と外型の好ましい位置関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る金型を示す断面図である。 上記金型を成形面側から見た平面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その1)である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その2)である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その3)である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その4)である。 本発明の第3実施形態に係る金型を示す断面図である。 本発明の第4施形態に係る樹脂接合型の光学素子を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る光学素子基材を樹脂層側から見た平面図である。 本発明の第4実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その1)である。 本発明の第4実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その2)である。 本発明の第4実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その3)である。 本発明の第4実施形態に係る樹脂接合型光学素子の製造方法を示す説明図(その4)である。 本発明の第5実施形態に係る光学素子基材を示す断面図である。 上記光学素子基材を光学面側から見た平面図である。 本発明の第6実施形態に係る光学素子基材を示す断面図である。
符号の説明
1 金型
2 外型
3 内型
3a 凸型成形面
4 光学素子基材
4a 凹型成形面
5 樹脂
6 樹脂層
6a 肉薄部
6b 肉厚部
71 金型
72 外型
72a 成形面
73 内型
73a 凸型成形面
74 光学素子基材
74a−1 傾斜面
74a−2 有効径
74a−3 凹型光学面
75 樹脂
76 樹脂層

Claims (9)

  1. 内型と、該内型と独立して移動可能な外型とを有する金型において、
    前記外型の被成形物に当接する面の少なくとも一部は、該外型の周方向に亘って、該外型の移動方向と直交する仮想面に対し傾きを有する平面又は曲面であることを特徴とする金型。
  2. 前記傾きを有する平面又は曲面は、前記被成形物の有効径に相当する部分よりも0.1mm以上外側に位置することを特徴とする請求項1記載の金型。
  3. 前記傾きを有する平面は、前記仮想面に対し0.5度乃至45度の傾きを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金型。
  4. 有効径より外側の少なくとも一部が、周方向に亘って、該光学素子基材の光軸と直交する仮想面に対し傾きを有する平面又は曲面であることを特徴とする光学素子基材。
  5. 請求項4に記載の光学素子基材に接合した樹脂層をさらに備え、
    前記樹脂層の一部は、前記傾きを有する平面又は曲面に当接することを特徴とする光学素子。
  6. 前記傾きを有する平面又は曲面は、前記光学素子基材の有効径よりも0.1mm以上外側に位置することを特徴とする請求項5記載の光学素子。
  7. 前記傾きを有する平面は、前記仮想面に対し0.5度乃至45度の傾きを有することを特徴とする請求項5記載の光学素子。
  8. 前記樹脂層は、その表面に微細構造を有することを特徴とする請求項5記載の光学素子。
  9. 内型と、該内型と互いに独立して移動可能な外型とを有する金型を用いて光学素子基材上の少なくとも一部に樹脂層を形成する樹脂接合型の光学素子の製造方法において、
    前記金型と前記光学素子基材との間に樹脂を供給し、
    前記金型と前記光学素子基材とを相対的に接近させることで前記樹脂を広げて樹脂層とする際に、前記樹脂層の有効径よりも外側において周方向に亘って厚みが滑らかに変化する前記樹脂層を形成し、
    前記樹脂層を硬化させ、
    該硬化した樹脂層から前記外型のみを剥離し、
    再度前記外型と前記樹脂層とを相対的に接近させることにより前記金型と前記樹脂層とを剥離することを特徴とする光学素子の製造方法。
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