JPWO2017195842A1 - 特徴量計測装置、電波環境計算装置、特徴量計測方法、電波環境計測方法、プログラム - Google Patents

特徴量計測装置、電波環境計算装置、特徴量計測方法、電波環境計測方法、プログラム Download PDF

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Abstract

電波信号による変動成分のみを含んだ特徴量を受信データから取得するために、特徴量計測装置は、受信した通信信号から時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出し、その特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出する。またその類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果に基づいて、フェージング変動の特徴が時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する。

Description

本発明は、特徴量計測装置、電波環境計算装置、特徴量計測方法、電波環境計測方法、プログラムに関する。
電波利用の拡大に伴い、干渉回避と周波数有効利用の両立が課題となっている。電波干渉の早期発見や電波資源の共用のために、電波センシングを実施し、電波環境データベースを構築する技術が提案されている(非特許文献1)。この技術は、電波環境データベースを分析することにより、干渉の発見や空き周波数帯の探索、周波数資源の2次的利用などを行うことを目的としている。
干渉や電波の利用状況の変化を早期に検出するためには、電波センサを高密度に配置し、各電波センサにおいて高い頻度で電波環境をモニタリングする必要がある。モニタリングする電波情報としては、電波の受信電力強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)などが一般的にあげられる。
また特許文献1には、離散的な複数の観測点で、計算または測定によって電波の強度を求め、これを用いて電波強度分布を求める方法が開示されている。また受信電力強度などの単一パラメータのみの観測では同一周波数における電波の混信、干渉を検出することは難しいため、特許文献1の技術は変調方式などの信号ごとに異なる特徴を持った統計パラメータを用いた観測を行い環境情報として用いる。
また特許文献2は信号の変調方式ごとに振幅確率分布が異なることを利用して、電波の混信を検出する装置が開示されている。振幅確率分布などの統計パラメータは、電波の特徴量を特定するパラメータとして利用でき、この特徴量を用いることで受信電力強度のみを観測した場合と比較して、混信や干渉などを識別可能となる。
電波の特徴量を抽出する際の課題としてフェージングによる信号劣化がある。フェージングは、無線通信において時間差をもって到達した電波が干渉し合うことによって電波の強度レベルに影響を与える現象のことである。信号の時間差は、電波が地上の障害物や電離層などで反射することで生じる。移動体通信においては、電波を送受信する端末そのものが移動することでも、空間的、時間的にフェージングが発生する。フェージングによる電波レベルの変動によって、本来電波センサによって観測したい通信信号の特徴とは異なるものを観測することとなり、電波モニタリングにとって妨害となる。さらに、特許文献3〜9には、電波の監視に関する技術が記載されている。
特開2009−115457号公報 特許第5115938号公報 国際公開第2014/125931号 国際公開第2013/008886号 特開2010−109825号公報 特開平10-206515号公報 特開平08−223108号公報 国際公開第2010/125842号 特開2013−009413号公報
Koya Sato, Masayuki Kitamura, Kei Inage, and Takeo Fujii,"Measurement-based spectrum database for flexible spectrum management,"IEICE Trans. Commun., vol.E98-B, no.10, pp. 2004-2013, Oct. 2015.
上記関連技術では、フェージング環境下における有効な電波の特徴量を取得する手法については言及されていない。そのためフェージング環境下においては取得データにフェージングの影響が含まれてしまう可能性があり、通信信号(電波信号)のより精度の高い特徴量の取得を妨げるという問題があった。
そこでこの発明は、上述の課題を解決する特徴量計測装置、電波環境計算装置、特徴量計測方法、電波環境計測方法、プログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様によれば、特徴量計測装置は、受信した通信信号から時系列データを取得する取得部と、前記時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出する特徴量算出部と、前記時間区間のデータに基づく特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出する類似度算出部と、前記類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果を出力するフェージング検出部と、前記比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する制御部と、を備える。
また本発明の第2の態様によれば、電波環境計算装置は、空間上の異なる位置座標にそれぞれ配置されている複数の前記特徴量計測装置によって算出された前記フェージング変動の特徴が含まれない前記時間区間における特徴量を取得して記憶するデータベースと、を備える。
また本発明の第3の態様によれば、特徴量計測方法は、受信した通信信号から時系列データを取得し、前記時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出し、前記時間区間のデータに基づく特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出し、前記類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果を出力し、前記比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する。
また本発明の第4の態様によれば、電波環境計測方法は、上述の特徴量計測方法によって算出された前記フェージング変動の特徴が含まれない前記時間区間における特徴量を取得してデータベースに記録する。
また本発明の第5の態様によれば、プログラムは、特徴量計測装置のコンピュータを、受信した通信信号から時系列データを取得する取得手段、前記時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出する特徴量算出手段、前記時間区間のデータに基づく特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出する類似度算出手段、前記類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果を出力するフェージング検出手段、前記比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する制御手段、として機能させる。
本発明の特徴量計測装置、電波環境計算装置、特徴量計測方法、電波環境計測方法及びプログラムは、フェージング変動の周期と信号シンボルレートの周期に差異が存在することを利用して、フェージング変動の含まれない時間区間を決定して特徴量を計測することにより、信号による変動成分のみを含んだ特徴量を取得できる。
つまりフェージングの影響を含まない、または軽減した通信信号(電波信号)のより精度の高い特徴量を取得することができる。
本発明の第1の実施形態による特徴量計測装置の構成を示すブロック図である。 フェージングの有無による通信信号の振幅変動の時系列データを示す図である。 異なる時間区間によって算出された振幅確率分布を示す図である。 本発明の第1の実施形態による特徴量計測装置の処理フローを示す図である。 本発明の第1の実施形態による時間区間としきい値の決定方法の例を示す図である。 受信信号の時系列データの例を示す図である。 受信信号の時系列データに対して異なる時間区間で計測した振幅確率分布である。 本発明の第2の実施形態による特徴量計測装置の処理フローを示す図である。 フェージング環境の違いによる確率密度分布を示す図である。 本発明の第3の実施形態による特徴量計測装置の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態による電波環境計算装置の構成例を示す図である。
[第1の実施形態]
[構成の説明]
以下、第1の実施形態による特徴量計測装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による特徴量計測装置の構成を示すブロック図である。
特徴量計測装置100は、取得部101、特徴量算出部102、類似度算出部103、フェージング検出部104、時間区間制御部105を備える。これら各機能は特徴量計測装置100が備える各機能に対応する回路によって実現されるものであってもよいし、特徴量計測装置100がプログラムを実行することにより特徴量計測装置100に備わる各機能であってもよい。
取得部101は雑音などの外乱を含む通信信号の電波の情報を取得してデータ化する処理部である。取得部101は所望周波数に対応したアンテナなどの電波センサから電波の情報を取得する。電波センサは受信インタフェースの一態様である。受信インタフェースの他の態様は、周波数ごとに振幅が測定可能な電圧計、電界強度計、スペクトラムアナライザ等であり、特徴量計測装置100はこれらの受信インタフェースを備えてよい。
取得部101は、所定時間にわたる電波の周波数と振幅値の測定(サンプリング)を行う。取得部101は当該測定を、測定位置ごとに繰り返す。取得部101は測定した電波の周波数や振幅値の時間経過に伴う波形変化を時系列なデジタル値により表された測定データに変換する。取得部101はその測定データを特徴量算出部102に出力する。
特徴量算出部102は、測定データを取得し、その測定データから少なくとも1つの特徴量を算出する。測定データそのものを特徴量計測装置100内の記憶媒体に保持・格納した場合、大容量のメモリリソースが必要となるだけでなく処理が非常に重くなり、取得したデータの分析処理に高い負荷がかかる。そのため測定データを少なくとも1つの特徴量に変換することで、データ量を大幅に圧縮でき、メモリリソースを節約するとともに、後段での情報の取扱いが容易になる。
特徴量算出部102の算出する特徴量の種類は任意に定めることができる。電波の特徴量としては、例えば、振幅確率分布(APD:Amplitude Probability Distribution)や振幅ヒストグラムなどの振幅に対する時間統計量や、交叉率分布(CRD:Crossing Rate Distribution)などの位相に対する時間統計量を、特徴量と定めるようにして良い。式(1)で示す振幅確率分布(APD)は、取得部101から取得した振幅値の時系列を伴う測定データを元に、振幅包絡線が規定の振幅値Eを超えている時間Tの全測定時間Tに対する割合を示す統計量である。振幅確率分布は、雑音の発生頻度と振幅強度の関係が表されることから、デジタルノイズに対する妨害波評価尺度として用いられている。
Figure 2017195842
交叉率分布(CRD)は、振幅包絡線が規定の振幅値Eを正方向(または負方向)に交叉した回数Nの全測定時間Tに対する割合で示される統計量である(式(2)参照)。交叉率分布は、雑音の振幅変動数と振幅強度の関係が表される。パルスの重なりがない場合は、振幅値Eを超える振幅を持つパルスの単位時間当たりの個数を与える。
Figure 2017195842
その他、特徴量算出部102は上記のような統計量以外に、平均値、尖頭値などの単一パラメータ、もしくは、パルス幅分布(PDD:Pulse Duration Distribution)、パルス間隔分布(PSD:Pulse Separation Distribution)、待ち時間分布(WTD:Waiting Time Distribution)などの異なる時系列に対する統計量を、単独または複数組み合わせて算出し、出力しても良い。
特徴量算出部102は算出した特徴量と、当該特徴量の計算に用いた時間区間tとを示す特徴量情報を類似度算出部103に出力する。式(1)及び(2)においては、全測定時間Tが時間区間tに対応する。類似度算出部103は予め保持したフェージング変動の特徴量の教師データを取得し、特徴量算出部102から取得した特徴量情報に含まれる通信信号(電波信号)の特徴量と教師データが示す特徴量との間の類似度を算出する。受信した通信信号の特徴量と教師データとは、互いに同種の特徴量(例えば振幅確率分布)を示す。類似度算出部103は当該類似度の算出に、統計計算で一般に用いられる手法を用いる。例えば類似度算出部103は、2変数間の類似度を示すピアソンの積率相関係数を用いて類似度を算出する。この場合、数字が1に近いほど、両者の特徴量に類似性が高く、同種の特徴を有していると判断できる。ピアソンの相関係数r(x,y)は、2組の数値からなるデータ列(x,y)={(xi,yi)}(i=1,2,…,N)が与えられたとき式(3)で定義される。
Figure 2017195842

・・・(3)
類似度算出部103は、通信信号の特徴量と教師データの示す特徴量との間の類似度を示す相関係数を算出しフェージング検出部104に出力する。教師データが示す特徴量は、理論式によってモデル化されたフェージングの振幅・位相の統計量データであっても良いし、電波環境において実測したデータであっても良い。例えば、マルチパス環境を模擬した環境における電波の測定データから特徴量を算出し、マルチパスフェージング変動の有無を検出するための教師データとして予め特定して用いる。
フェージング検出部104は、類似度算出部103から取得した類似度を示す相関係数に基づき、時間区間tで計算された特徴量にフェージング変動の影響が含まれているか否かを検出する。具体的には、所定のしきい値Yと類似度(相関係数)Cとの大小関係を比較し、比較結果と、類似度と、特徴量と、時間区間tとを時間区間制御部105に出力する。時間区間制御部105は比較結果に基づいてフェージング変動の影響が含まれているか否かにより、再計算または処理の終了を判断する。
時間区間制御部105は、フェージング検出部104での比較結果に基づいて、再計算または処理終了の判断を行う。類似度Cがしきい値より高かった場合は、時間区間tを新規時間区間tn+1に変更し、新規時間区間tn+1で特徴量の計算を実行するよう特徴量算出部102に指示する。特徴量算出部102以降の処理は、新規時間区間tn+1に対して順次同様に実行し、フェージング検出部104において、処理終了と判断されるまで再計算を繰り返す。一方、時間区間制御部105は、フェージング検出部104の類似度としきい値との比較の結果、類似度がしきい値以下であると判定された場合は特徴量、時間区間、類似度を保持して計算を終了する。
ここで、時間区間制御部105は、時間区間tの変更制御に関し、時間区間tについての再計算のたびに任意の割合だけ時間区間を短縮する。これにより、観測対象である所望の通信信号の変動成分と、フェージングに起因する変動成分とを分離できることが期待される。
図2はフェージングの有無による通信信号の振幅変動の時系列データを示す図である。
図2はフェージングが発生した場合とフェージングが発生していない場合の通信信号の振幅について、時系列の測定データを重ねて表示している。この測定データは、サンプリング速度を5×10(sample/s)、SNR(Signal to Noise Ratio)=20dB、フェージング周期が5Hzである場合の例であって、見通しの悪い環境(見通し外環境)における測定データを想定している。
図2で示すように、一般的に通信信号の変動に対して、フェージングによる振幅変動は非常に大きくなる。そのため、特徴量計算を長い時間区間で行うと、変動の大きいフェージングの特徴に通信信号の変動が埋もれてしまう。
ここで通信信号単体の振幅変動はシンボルレートによって決定される。また複数の信号が干渉、混信した状態においては、通信信号間の位相差によって振幅変動が生じる。電波環境のモニタリングにおける観測対象であるこれらの振幅変動は、一般的に数kHz以上の高い周波数成分を持った変動となる。一方で、フェージングによる振幅変動は、送信源の移動や周囲環境の変動によって発生するため、低い周波数成分(たとえば数十Hz以下)の変動となる。そのため、本来の観測対象である通信信号と、評価すべきでないフェージングに起因する振幅変動との間に周波数の差異が存在することから、特徴量計算の時間区間を適切に制御することで、フェージングによる変動を特徴量から除くことができる。
図3は異なる時間区間によって算出された振幅確率分布を示す図である。
図3は、異なる長さの各時間区間についての特徴量である振幅確率分布を示している。
図2の上部に、対応するA〜Dの各時間区間の長さを図示する。図3はそれらA〜Dの各時間区間についての振幅確率分布である。図3中Eはフェージングが無い時の振幅確率分布を示し、この場合には信号成分は振幅変動が少なく、振幅確率分布が急峻な変化を示す。なお周波数変調(FM:Frequency Modulation)や周波数偏移変調(FSK:Frequency Shift Keying)などの周波数に対する変調を用いた信号では、振幅確率分布がこうした急峻なカーブとなる可能性が高い。
一方で、A〜Dで示すフェージング発生時の振幅確率分布において、時間区間を1秒としたAで示す振幅確率分布ではフェージングがないときと全く異なったカーブを描いている。これは、フェージング変動の特徴が現れているためである。しかし、時間区間を0.4秒,0.1秒・・と短くするにしたがって、徐々に振幅確率分布のカーブはフェージングがないときに近づいてゆき、時間区間が0.04秒である場合のDで示す振幅確率分布では振幅強度の違いはあるものの、ほぼ同様に急峻なカーブとなることがわかる。これは、時間区間tを短縮することで、特徴量の計算時間内にフェージングの周期を含まなくなったためである。
このように、フェージング環境下においても、測定データを生成する際の時間区間tの短縮にともなって、その測定データから得られた時間区間tにおける特徴量にフェージング周期が含まれなくなり、通信信号の特徴が顕著となる。
次に特徴量計測装置100の動作を具体的に説明する。
類似度算出部103では式(3)などを用いて、通信信号とフェージング変動の振幅確率分布間の相関係数(類似度)を算出する。このとき、時間区間1秒の計算では相関係数が高くなり、フェージング検出部104はフェージング変動を含む(すなわち“再計算”)と判断する必要がある。一方、時間区間を0.4秒、0.1秒と短縮すると、相関係数が徐々に下がり、0.04秒の時点ではフェージング変動を含まないと判断するようフェージング検出部の動作において適切なしきい値が設定される。このしきい値の設定は、シミュレーションや実測による事前測定などを用いて、適正値が調整可能である。
類似度算出部103において、フェージングの検出を行う際に利用する教師データは、図3中、Aの振幅確率分布のカーブのようなフェージング変動がある場合の特徴を示す特徴量を用いる。ただし、教師データとしては、十分に低い確率まで信頼性の高い結果を得るために、より長い時間区間での特徴量とするか、もしくは理論値から算出した特徴量を用いることが望ましい。また、時間区間の短縮の割合については、再計算のたびに50%ずつ短縮するなど、任意に設定して良い。または、相関係数rの変化分Δrを計算し、Δrが小さくなるにしたがって時間区間を短縮する割合を小さくするなど、時間区間が極端に小さくならないような制御を行っても良い。
これまでの説明で考慮していない状況として、所望の通信信号の周波数の信号が取得できず、環境雑音のみを取得する状態がある。環境雑音がガウシアンノイズを示すとき、その包絡線検波後の特徴量はレイリー分布となることが知られており、これはマルチパスフェージングと同種の特性であるため、類似度が高くなってしまうことが考えられる。これを回避するため、取得部101ではある信号レベル以上の時に計測を実行するトリガなどを設け、一定の振幅レベル以上の信号を受信することが望ましい。トリガレベルを設定することにより、信号が存在しない状態における計算の回避だけでなく、フェージングの影響により電波レベルが極端に低下し、特徴量に影響するほどSNRが劣化する状態も合わせて回避することができる。
また、図1には図示していないが、特徴量計測装置100には、特徴量や判別結果を蓄積する記憶部を有してよい。当該記憶部は特徴量計測装置100の外部に有しても良い。
またフェージング検出部104にて予め保持するフェージング特徴量の教師データは、その記憶部に格納されていても良い。また、特徴量計測装置100は、特徴量、時間区間、フェージング検出結果などを外部に出力する出力部を有しても良い。出力部は、例えば、ディスプレイ、又はプリンタ、あるいはエラーの発生を伝えるアラーム機器であり、特徴量や判別結果を表示等する。以上の構成により、特徴量計測装置100は自動的に特徴量にフェージングを含まない時間区間を選択する。
[動作の説明]
図4は第1の実施形態による特徴量計測装置の処理フローを示す図である。
次に、図4のフローチャートを参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。
特徴量計測装置100が通信信号の測定を開始すると、取得部101は新たにサンプリングした受信信号の時系列データ(計測データ)を取得する(ステップS101)。次に特徴量算出部102は予め設定された時間区間tの受信信号に対して特徴量Aを算出する(ステップS102)。ここで特徴量を算出する手法に関しては、特徴量の種類に応じて一般的に用いられる手法を利用する。類似度算出部103は、電波の特徴量Aと、予め設定されたフェージング特徴量Xとの相関係数r(類似度)を算出する(ステップS103)。
フェージング検出部104は、相関係数rと予め設定されたしきい値Yとの大小関係を判別する(ステップS104)。具体的には、フェージング検出部104は、相関係数rがしきい値Yより大きいか否かを判定し、時間区間制御部105に判別結果を通知する。時間区間制御部105は、相関係数rがしきい値Yより大きい場合(ステップS104−YES)、受信信号の時系列データがフェージング変動を含んでいると判断する。そして時間区間制御部105は、時間区間tより短縮した新規時間区間tn+1を決定する(ステップS105)。なお新規時間区間tn+1は時間区間tより短い時間である。一方、相関係数rがしきい値Y以下である場合(ステップS104−NO)、時間区間制御部105は特徴量A、相関係数r、時間区間tを記憶部に記録し(ステップS106)、計測を終了する。
また時間区間制御部105は、新たに決定した時間区間tn+1が、予め設定した最小の時間区間τより大きいか否かを判定する(ステップS107)。新規時間区間tn+1が最小時間区間τより大きい場合(ステップS107−YES)、時間区間制御部105は、新規時間区間tn+1における特徴量の再計算を特徴量算出部102に指示する。特徴量算出部102では短縮された新規時間区間tn+1で特徴量を再計算し、ステップS102からの手順を継続する。新規時間区間tn+1が最小時間区間τ以下である場合(ステップS107−NO)、時間区間制御部105はアラームを出力し(ステップS108)、計測を終了する。
アラームが発生するケースとして、しきい値の設定が不適切であったこと、非常に速い周期のフェージングが発生しており、最小時間区間τにおいてもフェージングの変動が含まれてしまっていること、フェージングと同様の振幅変動を有する信号を検出していることなどが考えられる。
図5は特徴量計測装置の処理概要を示す図である。
時間区間制御部105は図5で示すように時間区間をt,…,tn−1,tと順次短縮していく。それに伴い、フェージング環境下においては、各時間区間に対する相関係数はr,…,rn−1,rと順次低くなっていく。相関係数がしきい値より低くなった場合に計算を終了し、フェージング変動の特徴が含まれていないと判断する。
次に、特徴量の計算における最小時間区間τについて説明する。
特徴量の計算において、時間区間tを短縮することで、フェージング変動の影響を特徴量に含めないことが可能であるが、時間区間tは短いほど良いというわけではなく、特徴量計算の精度上、必要な下限が存在する。
図6はサンプリング速度1×10(sample/s)で2秒間計測した矩形波の受信信号の時系列データの例である。ここでSNR(Signal to Noise Ratio)=20dB、矩形波のデューティ比は10%としている。
図7は、図6で示す受信信号の時系列データに対して異なる時間区間で計測した振幅確率分布である。0.01秒〜1秒までの時間区間tの変化に対して、振幅確率分布のカーブが変化していることがわかる。このとき、矩形波のデューティ(Duty)比は10%であるので、振幅確率分布は確率0.1で変曲点を持つことが統計的に正しい特徴を表しているといえる。そのためこの例では、1秒より短い時間区間tにおける振幅確率分布は、信頼性が低いことがわかる。なお、図示していないが、1秒以上の測定時間では、振幅確率分布は一致する。
式(1)からも明らかなように、振幅確率分布は振幅を変数とした時間率で表されており、全測定時間Tが重要なパラメータとなっている。通常、対象とする信号の時系列データが定常的であるという前提に基づいて測定が行われるが、全測定時間Tが短く、時系列データの標本数が十分でない場合には、振幅値Eが正しく平均化されず、統計量としての精度が低下する。
振幅確率分布において、観測したい最小確率をP、サンプリング速度F(sample/s)としたとき、最小確率Pにおいて少なくとも100サンプルが統計的信頼性から必要と考えると、必要な最小時間区間τは式(4)で表される。式(4)より、取得部101はサンプリング速度と、観測上必要な確率値Pにより、最小時間区間τを決定する。精度を保証する確率値が低くなるほど、最小時間区間τが長く必要であることがわかる。
Figure 2017195842
一連の処理の終了後、取得部101では電波環境のモニタリングのために新たに信号を受信し、計測を繰り返す。その都度、特徴量算出部102は特徴量を算出し、教師データとの比較を行う。そしてフェージング変動が含まれていない時間区間での特徴量Aが、処理を繰り返すごとに記録されていくことが望ましい。
ここで、時間区間の初期値tは、取得部101におけるサンプリングデータの取り込み時間の最大値となるが、2回目以降の処理では、時間区間の初期値tとして必ずしも同じ値を用いる必要はない。すなわち、初回で決定された時間区間tを採用して特徴量を計算する構成としても良い。
また、上述の説明では、時間区間制御部105が、特徴量算出部102において用いられる時間区間を指示する構成としたが、最終的に適用された時間区間tを、取得部101において新たに取得する受信信号の取得時間に設定する構成としても良い。この構成では、時間区間を決定した後には時系列データを無駄なく特徴量として使用できることから、取得部101における処理を軽減することができる。
[効果の説明]
本発明の実施形態によれば、フェージング環境下においてもフェージングの含まれない周期を自動的に決定して観測対象である通信信号の特徴量が計測できる特徴量計測装置を提供できる。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態による特徴量計測装置について説明する。
[構成の説明]
第2の実施形態による特徴量計測装置100の構成は、第1の実施形態と同様の図1で示す構成である。一方で第2の実施形態による特徴量計測装置100は第1の実施形態による特徴量計測装置100と比較してその動作が異なる。具体的には第2の実施形態の特徴量計測装置100は、特徴量算出部102があらかじめ設定された複数の時間区間で複数の特徴量を計算することで、再計算処理を行わない点で第1の実施形態と異なっている。
[動作の説明]
図8は第2の実施形態による特徴量計測装置の処理フローを示す図である。
第2の実施形態の動作について図8のフローチャートを参照して詳細に説明する。
測定が開始されると、取得部101は新たにサンプリングした受信信号の時系列データを取得する(ステップS201)。次に、特徴量算出部102は、予め設定された時間区間群を取得し、当該時間区間群が示す複数の時間区間t,t,…tに基づく特徴量A,A,…, Aをそれぞれ算出する(ステップS202)。次に、類似度算出部103は、複数の時間区間t,t,…tに対する電波の特徴量A,A,…, Aと、予め設定されたフェージング特徴量Xとの相関係数(類似度)r,r,…rをそれぞれ算出する(ステップS203)。フェージング検出部104は、r,r,…rとあらかじめ設定されたしきい値Yとの大小関係を判別する(ステップS204)。
具体的には、フェージング検出部104は、相関係数r,r,…rの何れかがしきい値Yより大きいか否かを判定し、時間区間制御部105に判別結果を通知する。時間区間制御部105は、しきい値Y以下となる相関係数が一つも存在しない場合(ステップS205−NO)、フェージング変動を含んでいると判断してアラームを出力する。一方、時間区間制御部105は、しきい値Y以下となる相関係数が少なくとも一つ存在した場合(ステップS205−YES)、時間区間制御部105がしきい値以下となった相関係数に対応する時間区間の中で最長の時間区間tを選択し、対応する特徴量A、相関係数rを記録し(ステップS206)、計測を終了する。
本実施形態では、時間区間t,t,…,tの中の最短時間である時間区間tを、第1の実施形態における最小時間区間τとすることが望ましい。
[効果の説明]
本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、フェージング環境下においてもフェージングの含まれない周期を自動的に決定して観測対象である通信信号の特徴量が計測できる特徴量計測装置100を提供できる。また一連の処理は重くなる一方、再計算処理が必要なくなることから、電波環境によらず同じ処理で計算が終了するという利点がある。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態による特徴量計測装置について説明する。
[構成の説明]
第3の実施形態による特徴量計測装置100の構成は、第1の実施形態と同様の図1で示す構成である。一方で第3の実施形態による特徴量計測装置100は第1,第2の実施形態による特徴量計測装置100と比較してその動作が異なる。具体的には第3の実施形態の特徴量計測装置100は、類似度算出部103があらかじめ設定された複数のフェージング環境の特徴量を教師データとして格納しており、各教師データとの間で複数の相関係数(類似度)を計算することで、フェージング特性の異なる環境において、適切な教師データを選択可能にした点で異なっている。
図9はフェージング環境の違いによる確率密度分布を示す図である。
フェージングによる電波の変動は、電波伝搬の計測に基づいて統計的にモデル化されている。直接波のような強度の高い到来波が存在しない見通し外環境の場合、受信信号の複素包絡線は複素ガウス分布となる(図9(a))。このとき受信信号の振幅rは式(5)に示すレイリー分布となる。ただし式(5)においてσは平均受信電力である。
Figure 2017195842
一方、多重波環境中に直接波のような強度の高い到来波が加わっている見通し環境の場合、振幅rは下式のような仲上−ライス分布に従うことが知られている(図9(b))。
ただし、vは直接波の振幅、I(X)は0次の第一ベッセル関数である。直接波と散乱波の電力比Kをライス係数と呼ぶ。仲上−ライス分布においてK<0dB(直接波が弱い)の場合はほぼレイリー分布に従い、K=∞dB(直接波のみ)のときはフェージングが存在せず、ガウス分布に近づく。
Figure 2017195842
Figure 2017195842
このように、フェージング環境によって特性が異なることから、類似度算出部103に用いるために予め保持しておく教師データは、受信する環境に合わせて正しく設定することが必要である。第3の実施形態では、見通し外環境と見通し環境のそれぞれのフェージング特性が、仲上−ライス分布に集約されることから、複数の異なるライス係数の仲上−ライス分布に基づいた特徴量を教師データとして使用する。これにより類似度算出部103は、複数の教師データと通信信号の特徴量との間の類似度をそれぞれ算出する。
フェージング検出部104が用いるしきい値は教師データと同数用意され、フェージング検出部104はそれぞれの教師データに対して類似度としきい値との大小関係を比較する。時間区間制御部105は、一つでもしきい値以下にならない類似度が存在した場合には、第1の実施形態と同様に時間区間を短縮し、再計算を行うと判定する。全類似度がしきい値以下になる条件が満たされたとき、時間区間制御部105は特徴量、時間区間、類似度を記憶部に記録して、計測を終了する。
[動作の説明]
図10は第3の実施形態による特徴量計測装置の処理フローを示す図である。
第3の実施形態の動作について図10のフローチャートを参照して詳細に説明する。
測定が開始されると、取得部101は新たにサンプリングした受信信号の時系列データを取得する(ステップS301)。次に、特徴量算出部102は、予め設定された時間区間群tに対して特徴量Aを算出する(ステップS302)。次に、類似度算出部103は、時間区間tに対する電波の特徴量Aと予め設定された異なるライス係数のフェージング特徴量X,X,…,Xとの間の各相関係数(類似度)rn0 ,rn1,…,rnkをそれぞれ算出する(ステップS303)。
フェージング検出部104は、相関係数(類似度)rn0 ,rn1 ,…,rnkと、それら各相関係数に対応してあらかじめ設定されたしきい値Yn0 ,Yn1 ,…, Ynkとを用いて、相関係数とそれに対応するしきい値ごとの大小関係を判定する(ステップS304)。具体的には、フェージング検出部104は、相関係数rn0としきい値Yn0、相関係数rn1としきい値Yn1、・・・相関係数rn1としきい値Yn1をそれぞれ比較する。そしてフェージング検出部104はそれら各比較結果を時間区間制御部105に通知する。時間区間制御部105は、比較結果において、しきい値より大きい相関係数が少なくとも一つする場合(ステップS304−NO)、フェージング変動を含んでいると判断し、時間区間tより短縮した新規時間区間tn+1を決定する(ステップS305)。一方、時間区間制御部105は、全ての相関係数rがしきい値以下である場合(ステップS304−YES)、特徴量A、相関係数rn0 ,rn1 ,…,rnk、時間区間tを記憶部に記録し(ステップS306)、計測を終了する。時間区間tを短縮した後のステップS307以降の動作は第1の実施形態と同様の動作であるため、説明を省略する。
[効果の説明]
第3の実施形態によれば、第1、第2の実施形態と同様、フェージング環境下においてもフェージングの含まれない周期を自動的に決定して観測対象である通信信号の特徴量が計測できる特徴量計測装置を提供できる。また特徴量計測装置100を複数用いて電波環境計測を行った場合に、各受信位置でのフェージング環境の状況をより詳細に把握できるという利点がある。さらに、異なるフェージング環境においても、特徴量計測装置100を個別に設定する必要がないという利点を有する。
[その他の実施形態]
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、未知信号に適用可能な手法であれば、ダイバーシティや回路補償などの既存のフェージングによる振幅変動の軽減手段と組み合わせても良い。特徴量計測装置100に組合せ可能な手法として、空間的に複数のアンテナを配置した空間ダイバーシティなどと共用可能である。
例えば、類似度算出部103において算出される類似度は、ピアソンの相関係数に限らず、その他の相関係数を用いても良い。また、非類似度として、ユークリッド距離、マンハッタン距離などの距離関数を用いてもよい。距離関数では、似通ったデータ間ほど値が小さくなるため、フェージング検出部104におけるしきい値との不等号を相関係数を用いた場合とは逆にする必要がある。
また、上述の第1実施形態の特徴量計測装置100を空間座標上に複数配置し、各特徴量計測装置100にインターネットなどのネットワーク環境に無線、または有線接続する接続部を追加することで、電波環境計算装置を構成しても良い。
図11は電波環境計算装置の構成例を示す図である。
図11で示す電波環境計算装置は、各々がインターネット210に接続された複数の特徴量計測装置100からなる特徴量計測装置群200と、インターネットを介して各特徴量計測装置100を制御する観測制御装置211と、インターネットを介して各特徴量計測装置100で観測した特徴量を取得・保持する電波観測情報データベース212と、データベースの分析を行う環境情報分析装置213と、で構成されている。各特徴量計測装置100は空間上の異なる位置座標に位置している。
電波観測情報データベース212に蓄積された特徴量を環境情報分析装置213で分析することにより、電波使用状況や空き周波数帯の探索などが実行可能になる。このとき、特徴量と時間区間の情報は、分析において非常に有用な情報を与える。例えば、時間区間が短いときに特徴量にフェージング変動が含まれていると判断している場合には、その特徴量計測装置100が受信した観測点において、速い周期のフェージングが発生していると判断することができる。これを分析することにより、信号発生源の移動速度や周波数を推定し、信号を特定することも可能である。
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc - ROM)、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
この出願は、2016年5月13日に出願された日本出願特願2016−096962を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明によれば、電波環境のモニタリングにおいて、フェージング環境下においても、簡易な構成で精度の高い信号の特徴量を取得するシステムを提供できる。また、取得した特徴量をデータベース化により、電波のより安全な利用、公平な利用を促進するための、電波局の配置の設計を支援するシステム、周波数の割り当てや送信電力の最適化を支援するシステムといった用途にも適用可能である。
100 特徴量計測装置
101 取得部
102 特徴量算出部
103 類似度算出部
104 フェージング検出部
105 時間区間制御部
200 特徴量計測装置群
210 インターネット
211 観測制御装置
212 電波観測情報データベース
213 環境情報分析装置

Claims (8)

  1. 受信した通信信号から時系列データを取得する取得手段と、
    前記時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記時間区間のデータに基づく特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出する類似度算出手段と、
    前記類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果を出力するフェージング検出手段と、
    前記比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する制御手段と、
    を備える特徴量計測装置。
  2. 前記制御手段は、前記フェージング変動が前記所定の時間区間に含まれると判定した場合、前記時間区間を短縮した新たな時間区間による特徴量の再計算を前記特徴量算出手段に指示し、時間区間内にフェージング変動の特徴を含まないと判定するまで繰り返す
    請求項1に記載の特徴量計測装置。
  3. 前記特徴量算出手段は、前記時系列データにおける複数の異なる長さの時間区間のデータに基づいて対応する複数の特徴量をそれぞれ算出し、
    前記類似度算出手段は、前記複数の特徴量と前記教師データとの間の類似度をそれぞれ算出し、
    前記フェージング検出手段は、前記複数の特徴量と前記教師データとの間の各類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す各比較結果を出力し、
    前記制御手段は、前記各比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する
    請求項1または請求項2に記載の特徴量計測装置。
  4. 前記教師データは、理論値、または実測値に基づいた複数の異なるフェージング環境の特徴量を示すデータである
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の特徴量計測装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の特徴量計測装置が空間上の異なる位置座標にそれぞれ配置されており、
    複数の前記特徴量計測装置によって算出された前記フェージング変動の特徴が含まれない前記時間区間における特徴量を取得して記憶するデータベースと、
    を備える電波環境計算装置。
  6. 受信した通信信号から時系列データを取得し、
    前記時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出し、
    前記時間区間のデータに基づく特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出し、
    前記類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果を出力し、
    前記比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する
    特徴量計測方法。
  7. 請求項6に記載の特徴量計測方法によって算出された前記フェージング変動の特徴が含まれない前記時間区間における特徴量を取得してデータベースに記録する電波環境計測方法。
  8. 特徴量計測装置のコンピュータを、
    受信した通信信号から時系列データを取得する取得手段、
    前記時系列データにおける所定の時間区間のデータに基づいて特徴量を算出する特徴量算出手段、
    前記時間区間のデータに基づく特徴量と、予め定めたフェージング変動が有る場合の特徴量を示す教師データとの間の類似度を算出する類似度算出手段、
    前記類似度と予め定めたしきい値との大小関係を示す比較結果を出力するフェージング検出手段、
    前記比較結果に基づいて、前記フェージング変動の特徴が前記時間区間内に含まれているかを判定し、含まれていない場合に当該時間区間における特徴量を出力する制御手段、 として機能させるプログラムの記録媒体。
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