JP2010109825A - 無線装置およびそれを備えた無線ネットワーク - Google Patents
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Abstract
【課題】コグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上可能な無線装置を提供する。
【解決手段】無線装置3は、IEEE802.16によって基地局10へ直接アクセスする経路ML1と、IEEE802.11gによって無線装置4,1を介して基地局10へアクセスする経路ML2とを有する。そして、無線装置3は、経路ML1を用いて基地局10へパケットを送信するときの平均遅延時間と、経路ML2を用いて基地局10へパケットを送信するときの平均遅延時間とが一致するように2つの経路ML1,ML2へパケットを分配して基地局10へ送信する。
【選択図】図1
【解決手段】無線装置3は、IEEE802.16によって基地局10へ直接アクセスする経路ML1と、IEEE802.11gによって無線装置4,1を介して基地局10へアクセスする経路ML2とを有する。そして、無線装置3は、経路ML1を用いて基地局10へパケットを送信するときの平均遅延時間と、経路ML2を用いて基地局10へパケットを送信するときの平均遅延時間とが一致するように2つの経路ML1,ML2へパケットを分配して基地局10へ送信する。
【選択図】図1
Description
この発明は、無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関し、特に、無線通信環境に適した無線システムを異なる複数の無線システムから選択して無線通信を行なう無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関するものである。
近年、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、IEEE802系の無線LAN(Local Area Network)およびBluetooth等の多様な無線システムの利用拡大が進んでいる。また、ユビキタス通信においては、センサーネットワークが構成され、ZigBee等の近距離無線システムの利用も予想される。
このような、無線システムは、利用拡大と多様化とが急速に進み、異なる周波数帯域および異なる通信方式を持つ多様な無線システムが混在する無線通信環境となりつつあり、多様なアプリケーションの利用が期待されている。
一方、無線リソースは、有限であるため、無線システムの利用拡大と多様化に伴い、無線リソースの枯渇が懸念される。この問題を解決する技術として、コグニティブ無線技術が提案されている(非特許文献1)。
そして、コグニティブ無線技術は、異なる複数の無線システムを装備した基地局と、同様に異なる複数の無線システムを装備した端末装置とのネットワークにおいて、無線通信状況およびユーザ要求に応じて、複数の無線システムを適宜使い分け、または同時に利用する技術である。
原田,"コグニティブ無線を利用した通信システムに関する基礎検討",信学技報,SR2005−17,pp.117−124,2005. J. Little, "A Proof of the Queueing Formula L=λW", Opre Res J. 18:172-174, 1961. 滝沢、谷口、山中、山口、小花,"コグニティブ無線ネットワークにおけるマルチホップアクセス経路の有効性解析",情処論文誌,Vol.48,N0.7,pp.2405−2418,2007. Yu ZHENG, Kejie LU, Dapeng WU, and Yuguang FANG, "Performance Analysis Of Frame-Burst-based Medium Access Control Protocols Under Imperfect Wireless Channels", International Jounal of Intelligent Control and Systems, Vol. 10, No.1, pp43-51, 2005.
原田,"コグニティブ無線を利用した通信システムに関する基礎検討",信学技報,SR2005−17,pp.117−124,2005. J. Little, "A Proof of the Queueing Formula L=λW", Opre Res J. 18:172-174, 1961. 滝沢、谷口、山中、山口、小花,"コグニティブ無線ネットワークにおけるマルチホップアクセス経路の有効性解析",情処論文誌,Vol.48,N0.7,pp.2405−2418,2007. Yu ZHENG, Kejie LU, Dapeng WU, and Yuguang FANG, "Performance Analysis Of Frame-Burst-based Medium Access Control Protocols Under Imperfect Wireless Channels", International Jounal of Intelligent Control and Systems, Vol. 10, No.1, pp43-51, 2005.
しかし、従来の方式を用いて、各端末装置が相互に異なる通信方式によって無線通信を行なうコグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上させることは困難であるという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、コグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上可能な無線装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、コグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上可能な無線装置を備えた無線ネットワークを提供することである。
この発明によれば、無線装置は、複数の無線モジュールと、分配手段とを備える。複数の無線モジュールは、分配されたパケットを相互に異なる無線システムを用いて基地局へ送信する。分配手段は、複数の無線モジュールを用いて形成される基地局までの複数の経路における複数の平均遅延時間を検出し、その検出した複数の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを複数の無線モジュールに分配する。
好ましくは、複数の無線モジュールは、第1および第2の無線モジュールを含む。第1の無線モジュールは、第1の無線システムを用いて基地局に直接アクセスする。第2の無線モジュールは、第1の無線システムと異なる第2の無線システムを用いて基地局に直接アクセスする。そして、分配手段は、第1の無線モジュールを用いて形成される基地局までの第1の経路における平均遅延時間と、第2の無線モジュールを用いて形成される基地局までの第2の経路における平均遅延時間とが相互に近づくようにパケットを第1および第2の無線モジュールに分配する。
好ましくは、複数の無線モジュールは、第1および第3の無線モジュールを含む。第1の無線モジュールは、第1の無線システムを用いて基地局に直接アクセスする。第3の無線モジュールは、マルチホップによって無線通信を行なう第3の無線システムを用いて基地局へパケットを送信する。そして、分配手段は、基地局側において当該無線装置に隣接する隣接無線装置へ第3の無線モジュールを用いてパケットを送信するときの平均遅延時間と、隣接無線装置から基地局へマルチパス・マルチホップによってパケットを送信するときの平均遅延時間との和を第3の無線モジュールを用いてマルチパス・マルチホップによってパケットを基地局へ送信するときの第1の平均遅延時間として求め、第1の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの第2の平均遅延時間と、第1の平均遅延時間とが相互に近づくようにパケットを第1および第2の無線モジュールに分配する。
好ましくは、複数の無線モジュールは、第1から第3の無線モジュールを含む。第1の無線モジュールは、第1の無線システムを用いて基地局に直接アクセスする。第2の無線モジュールは、第1の無線システムと異なる第2の無線システムを用いて基地局に直接アクセスする。第3の無線モジュールは、マルチホップによって無線通信を行なう第3の無線システムを用いて基地局へパケットを送信する。そして、分配手段は、第1の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの第1の経路における第1の平均遅延時間、第2の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの第2の経路における第2の平均遅延時間、および第3の無線モジュールを用いてパケットをマルチパス・マルチホップによって基地局へ送信するときの第3の経路における第3の平均遅延時間を求め、その求めた第1から第3の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを第1から第3の無線モジュールへ分配する。
好ましくは、分配手段は、複数の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの複数の経路から、平均遅延時間が最大である第1の経路と、平均遅延時間が最小である第2の経路とを選択し、選択した第1の経路から第2の経路へパケットを分配するパケット分配処理を繰り返し行なうことによって複数の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを複数の無線モジュールに分配する。
好ましくは、分配手段は、t(tは2以上の整数)回目のパケット分配処理を行なったときの複数の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が選択した最小平均遅延時間よりも大きく、かつ、最大平均遅延時間がt−1回目のパケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配されたパケット量と同じパケット量をt+1回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配する。
好ましくは、分配手段は、t(tは2以上の整数)回目のパケット分配処理を行なったときの複数の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が選択した最小平均遅延時間以下であり、かつ、最大平均遅延時間がt−1回目のパケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配されたパケット量よりも少ないパケット量をt+1回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配する。
好ましくは、分配手段は、t(tは2以上の整数)回目のパケット分配処理を行なったときの複数の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間がt−1回目のパケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも大きいとき、t回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配されたパケット量よりも多いパケット量をt+1回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配する。
また、この発明によれば、無線ネットワークは、基地局と、第1から第3の無線装置とを備える。基地局は、相互に異なる複数の無線システムを用いて無線通信を行なう。第1の無線装置は、パケットを基地局へ直接送信する第1および第2の無線モジュールと、マルチホップによって基地局へパケットを送信する第3の無線モジュールとを含む。第2の無線装置は、マルチパス・マルチホップによって基地局へパケットを送信するマルチパス・マルチホップ経路上において基地局からm(mは正の整数)ホップ目の位置に配置されるとともに、第1から第3の無線モジュールを含む。第3の無線装置は、マルチパス・マルチホップ経路上において基地局からm+1ホップ目の位置に配置されるとともに、第1から第3の無線モジュールを含む。そして、第1の無線装置は、第1および第2の無線モジュールによる2つの経路における2つの平均遅延時間が相互に近づくように第1および第2の無線モジュールへパケットを分配することによってパケットを基地局へ直接送信する。第2および第3の無線装置の各々は、第1から第3の無線モジュールによる3つの経路における3つの平均遅延時間が相互に近づくように第1から第3の無線モジュールへパケットを分配することによってパケットを基地局へ送信する。
好ましくは、基地局は、自己を宛先とし、かつ、経路遅延時間を零とする第1の制御パケットを複数の無線システムの全てを用いてブロードキャストする。第1の無線装置は、第1および第2の無線モジュールを用いて基地局からの第1の制御パケットを受信し、その受信した第1の制御パケットに含まれる経路遅延時間と、第1の制御パケットを受信した第1および第2の無線モジュールにおける平均遅延時間とに基づいて、第1および第2の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの第1の平均遅延時間を求め、基地局を転送先とし、かつ、第1の平均遅延時間を経路遅延時間とする第2の制御パケットを生成してブロードキャストする。第2の無線装置は、基地局側において第2の無線装置に隣接する隣接無線装置から第2の制御パケットを受信し、その受信した第2の制御パケットに含まれる経路遅延時間と、第2の制御パケットを受信した第1から第3の無線モジュールにおける平均遅延時間とに基づいて、第1から第3の無線モジュールを用いてマルチパス・マルチホップによってパケットを基地局へ送信するときの第2の平均遅延時間を求め、隣接無線装置を転送先とし、かつ、第2の平均遅延時間を経路遅延時間とする第3の制御パケットを生成してブロードキャストする。第3の無線装置は、第2の無線装置から第3の制御パケットを受信し、第3の無線モジュールを用いてパケットを第2の無線装置へ送信したときの平均遅延時間を、受信した第3の制御パケットに含まれる経路遅延時間に加算して第3の無線モジュールを用いてマルチパス・マルチホップによってパケットを基地局へ送信するときの第1の経路における平均遅延時間を求め、第1の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの第2の経路における平均遅延時間と、第2の無線モジュールを用いてパケットを基地局へ送信するときの第3の経路における平均遅延時間とを求め、その求めた3個の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを第1から第3の無線モジュールを分配してパケットを基地局へ送信する。
好ましくは、第3の無線装置は、第1から第3の経路における複数の平均遅延時間に基づいて、最大の平均遅延時間を有する遅延最大経路と最小の平均遅延時間を有する遅延最小経路とを選択し、選択した遅延最大経路から遅延最小経路へパケットを分配するパケット分配処理を繰り返し行なうことによって複数の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを第1から第3の無線モジュールに分配する。
好ましくは、第3の無線装置は、t(tは2以上の整数)回目のパケット分配処理を行なったときの第1から第3の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が選択した最小平均遅延時間よりも大きく、かつ、最大平均遅延時間がt−1回目のパケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配されたパケット量と同じパケット量をt+1回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配する。
好ましくは、第3の無線装置は、t(tは2以上の整数)回目のパケット分配処理を行なったときの第1から第3の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が選択した最小平均遅延時間以下であり、かつ、最大平均遅延時間がt−1回目のパケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配されたパケット量よりも少ないパケット量をt+1回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配する。
好ましくは、第3の無線装置は、t(tは2以上の整数)回目のパケット分配処理を行なったときの第1から第3の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間がt−1回目のパケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも大きいとき、t回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配されたパケット量よりも多いパケット量をt+1回目のパケット分配処理において第1の経路から第2の経路へ分配する。
この発明によれば、複数の無線モジュールと送信先との間で確立される複数の無線経路における複数の平均遅延時間が相互に近づくように複数の無線経路にパケットを分配して無線通信が行なわれる。
従って、この発明によれば、コグニティブ無線ネットワークにおける通信効率を向上できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークの概略図である。この発明の実施の形態による無線ネットワーク100は、無線装置1〜9,11,12と、基地局10,20とを備える。
無線装置1〜9,11,12および基地局10,20は、IEEE802.16のWAN(Wide Area Network)セル50内に存在する。
そして、無線装置1,2および基地局10は、IEEE802.11aの無線LAN(Local Area Network)セル60内に存在し、無線装置8,9および基地局20は、IEEE802.11aの無線LANセル70内に存在する。
また、無線装置3〜7,11,12は、セル50内においてセル60,70外に存在する。
無線WANセル50の通信範囲は、無線LANセル60,70の通信範囲より広い。そして、例えば、無線WANセル50の半径は、1000mであり、無線LANセル60,70の半径は、50mである。
基地局10は、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の基地局であり、基地局20は、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)の基地局である。そして、基地局10,20は、それぞれ、有線ケーブル31,32によってゲートウェイ30に接続され、ゲートウェイ30は、有線ケーブル33によってネットワーク40に接続される。ネットワーク40は、有線によって通信を行なうネットワークである。
無線装置1〜9,11,12の各々は、後述するように、複数の無線システムを装備し、その装備した複数の無線システムを適宜使い分け、または同時に使用して基地局10,20にアクセスする。
より具体的には、無線装置1,2は、IEEE802.16またはIEEE802.11aによって基地局10に独立にアクセスする。無線装置3,5は、IEEE802.16によって基地局10へ独立にアクセスするとともに、IEEE802.11gによるマルチホップ無線通信によって無線装置1,4を介して基地局10へアクセスする。無線装置4は、IEEE802.16によって基地局10へ独立にアクセスするとともに、IEEE802.11gによるマルチホップ無線通信によって無線装置1を介して基地局10へアクセスする。
無線装置6は、IEEE802.16によって基地局10に独立にアクセスするとともに、IEEE802.11gによるマルチホップ無線通信によって無線装置7,8を介して基地局20にアクセスする。無線装置7は、IEEE802.16によって基地局10に独立にアクセスするとともに、IEEE802.11gによるマルチホップ無線通信によって無線装置8を介して基地局20にアクセスする。無線装置8,9は、IEEE802.16によって基地局10に独立にアクセスするとともに、IEEE802.11aによって基地局20に独立にアクセスする。無線装置11は、IEEE802.16によって基地局10に独立にアクセスするとともに、IEEE802.11gによるマルチホップ無線通信によって無線装置12,9を介して基地局20にアクセスする。無線装置12は、IEEE802.16によって基地局10に独立にアクセスするとともに、IEEE802.11gによるマルチホップ無線通信によって無線装置9を介して基地局20にアクセスする。
つまり、無線装置1,2は、IEEE802.11aによって基地局10に直接アクセスする無線リンクML1と、IEEE802.16によって基地局10に直接アクセスする無線リンクML2とを有する。そして、無線装置1,2の各々は、後述する方法によって、自己と送信先との間における通信コストが最小となるように無線リンクML1,ML2にパケットを分配して無線通信を行なう。
また、端末装置3〜7,11,12の各々は、IEEE802.11gによって無線通信を行なう無線リンクML3と、IEEE802.16によって基地局10に直接アクセスする無線リンクML2とを有する。そして、端末装置3〜7,11,12の各々は、後述する方法によって、自己と送信先との間における通信コストが最小となるように無線リンクML2,ML3にパケットを分配して無線通信を行なう。
さらに、端末装置8,9は、無線リンクML1,ML2を有し、後述する方法によって、自己と送信先との間における通信コストが最小となるように無線リンクML1,ML2にパケットを分配して無線通信を行なう。
基地局10は、IEEE802.16によって無線装置1〜9,11,12と無線通信を行ない、IEEE802.11aによって無線装置1,2と無線通信を行ない、IEEE802.11gによって無線装置3〜5と無線通信を行なうとともに、有線ケーブル31およびゲートウェイ30を介してネットワーク40にアクセスする。
基地局20は、IEEE802.11aによって無線装置8,9と無線通信を行ない、IEEE802.11gによって無線装置6,7,11,12と無線通信を行なうとともに、有線ケーブル32およびゲートウェイ30を介してネットワーク40にアクセスする。
図2は、図1に示す無線装置1の構成を示す概略ブロック図である。無線装置1は、アンテナ12Aと、無線モジュール13〜15と、スイッチング手段16と、コントローラ17と、アプリケーションプロセッサ18と、探索モジュール19と、バスBSとを含む。
スイッチング手段16、コントローラ17、アプリケーションプロセッサ18および探索モジュール19は、バスBSによって相互に接続される。無線モジュール13〜15は、スイッチング手段16に接続される。
アンテナ12Aは、無線通信空間を介して他の無線装置からデータを受信し、その受信したデータを無線モジュール13〜15の少なくとも1つへ出力するとともに、無線モジュール13〜15の少なくとも1つからのデータを無線通信空間を介して他の無線装置へ送信する。
無線モジュール13〜15は、それぞれ、異なる無線システムを装備する。より具体的には、無線モジュール13は、WiMAXシステム(IEEE802.16)を装備し、無線モジュール14は、無線システム(IEEE802.11a)を装備し、無線モジュール15は、複数の無線装置を介して無線通信を行なうマルチホップ無線システム(IEEE802.11g)を装備する。
そして、無線モジュール13は、WiMAXシステムを用いてアンテナ12Aを介して基地局10と無線通信を行なう。この場合、無線モジュール13は、2〜11GHzの周波数、75Mbpsの最大伝送速度、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の変調方式およびCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)のアクセス方式を用いる。
また、無線モジュール14は、WiFiシステムを用いてアンテナ12Aを介して基地局10または20と無線通信を行なう。この場合、無線モジュール14は、2.4GHzの周波数、54Mbpsの最大伝送速度、OFDMの変調方式およびCSMA/CAのアクセス方式を用いる。
更に、無線モジュール15は、マルチホップ無線システムを用いて、基地局10,20のいずれかを送信先とする無線通信経路を確立し、その確立した無線通信経路を介して送信先と無線通信を行なう。この場合、無線モジュール15は、2.4GHzの周波数、54Mbpsの最大伝送速度、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)の変調方式およびCAMA/CAのアクセス方式を用いる。
このように、無線モジュール13〜15は、相互に異なる無線システムを装備し、その装備した無線システムを用いて、スイッチング手段16から受けたパケットをスイッチング手段16からの制御に従って単独または同時に送信する。
スイッチング手段16は、バスBSを介してコントローラ17からマルチホップ無線システム(IEEE802.11g)による無線通信とWiMAXシステム(IEEE802.16)による無線通信とを併用する指示を受けると、探索モジュール19から受けたパケット分配率に従って、アプリケーションプロセッサ18から受けたパケットを無線モジュール13,15へ分配する。
また、スイッチング手段16は、バスBSを介してコントローラ17からIEEE802.16による無線通信とIEEE802.11aによる無線通信とを併用する指示を受けると、探索モジュール19から受けたパケット分配率に従って、アプリケーションプロセッサ18から受けたパケットを無線モジュール13,14へ分配する。
更に、スイッチング手段16は、バスBSを介してコントローラ17からIEEE802.16による無線通信とIEEE802.11aによる無線通信とIEEE802.11gによる無線通信とを併用する指示を受けると、探索モジュール19から受けたパケット分配率に従って、アプリケーションプロセッサ18から受けたパケットを無線モジュール13〜15へ分配する。
コントローラ17は、他の無線装置からHelloメッセージを受信するとともに、その受信したHelloメッセージから他の無線装置のIDを抽出し、その抽出したIDからなる隣接端末リストを作成する。
また、コントローラ17は、無線装置1がIEEE802.11gによる無線通信とIEEE802.16による無線通信とIEEE802.11aによる無線通信との少なくとも2つを併用する指示をバスBSを介してスイッチング手段16へ出力する。
更に、コントローラ17は、IEEE802.11gによる無線通信とIEEE802.16による無線通信とIEEE802.11aによる無線通信との少なくとも2つを併用する場合、通信コストが最小になるようにパケットを無線モジュール13〜15の少なくとも2つへ分配するためのパケット分配率を探索するように探索モジュール19を制御する。この場合、コントローラ17は、パケット分配率を探索するための探索指示SRDを探索モジュール19へ出力する。
更に、コントローラ17は、経路テーブルを作成および保持し、探索モジュール19から平均遅延時間を受けると、その受けた平均遅延時間によって経路テーブルを更新する。
更に、コントローラ17は、無線装置1におけるトラフィック発生率を取得する。
アプリケーションプロセッサ18は、パケットを生成し、その生成したパケットをスイッチング手段16へ出力する。
探索モジュール19は、コントローラ17からパケット分配率の探索指示SRDを受けると、後述する方法によって、通信コストが最小になるようにパケットを無線モジュール13〜15の少なくとも2つへ分配するためのパケット分配率を探索し、その探索したパケット分配率をバスBSを介してスイッチング手段16へ出力する。
また、探索モジュール19は、後述するマルチパス・マルチホップアクセス経路における平均遅延時間を含むパケットを他の無線装置から受信すると、自己が搭載された無線装置から基地局10(または基地局20)までのマルチパス・マルチホップアクセス経路における平均遅延時間を後述する方法によって求め、その求めた平均遅延時間をコントローラ17へ出力するとともに、基地局10(または基地局20)を宛先とし、その求めた平均遅延時間を含むパケットを生成して定期的にブロードキャストする。
なお、図1に示す無線装置2〜9,11,12の各々も、図2に示す無線装置1の構成と同じ構成からなる。
また、基地局10は、無線モジュール13,14を装備し、基地局20は、無線モジュール14を装備する。そして、基地局10は、無線モジュール13によってWiMAXシステムを用いた無線通信を無線装置1〜9,11,12と行なうとともに、無線モジュール14によってIEEE802.11aによる無線通信を無線装置1,2と行なう。基地局20は、無線モジュール14によってIEEE802.11aによる無線通信を端末装置8,9と行なう。
このように、基地局10は、IEEE802.16の基地局の機能と、IEEE802.11aのアクセスポイントの機能とを有する。また、基地局20は、IEEE802.11aのアクセスポイントの機能のみを有する。
図1に示す無線ネットワーク100においては、無線装置1〜9,11,12と基地局10,20との間における無線通信のスループットを維持し、かつ、その無線通信の遅延時間を低下させるために、後述するように、各無線装置1〜9,11,12が基地局10,20へアクセスするときに利用可能な複数の無線経路における複数の平均遅延時間が等しくなるように各無線経路にパケットを分配することが有効である。そこで、この有効性について説明する。
なお、以下においては、無線装置1〜9,11,12がマルチホップ無線システム(IEEE802.11g)によって基地局10,20へアクセスする場合の経路は、無線装置1〜9,11,12から基地局10,20までのホップ数が最小である経路であることを前提として説明する。無線装置1〜9,11,12が一様に分布する無線通信環境においては、ホップ数が最小である経路がマルチホップ無線通信による経路として最適であるからである。
[数理モデル]
(a)単一リンクのコスト
図3は、単一リンクおよびマルチリンクを説明するための概念図である。無線装置iの無線モジュールxへのパケットの平均到着率をFx i(packets/sec)とし、無線装置iの無線モジュールxにおける平均遅延時間をTx iとした場合、この無線リンク内の平均パケット(待機パケットおよび処理中パケット)の数であるリンクコストdx iは、Littleの定理(非特許文献2)によって次式のようになる(図3参照)。
(a)単一リンクのコスト
図3は、単一リンクおよびマルチリンクを説明するための概念図である。無線装置iの無線モジュールxへのパケットの平均到着率をFx i(packets/sec)とし、無線装置iの無線モジュールxにおける平均遅延時間をTx iとした場合、この無線リンク内の平均パケット(待機パケットおよび処理中パケット)の数であるリンクコストdx iは、Littleの定理(非特許文献2)によって次式のようになる(図3参照)。
式(1)において、リンクコストdx iは、無線装置iの無線モジュールxによる基地局までの経路におけるリンクコストである。ここで、平均遅延時間とは、パケットが到着し、待ち行列で待機し、更にパケットの送信が完了するまでの時間の平均である。即ち、平均遅延時間は、各パケットの待ち行列内での待機時間と処理時間との和の平均である。
従って、リンクコストdx iが高いとき、リンクは、より多くのパケットを有し、その負荷が高くなる。一方、リンクコストdx iが低いとき、リンクは、より少ないパケットを有し、その負荷が低くなる。
WiMAXアクセス経路またはIEEE802.11aによる経路は、単一リンクから構成されるため(図3参照)、その経路コストは、式(1)によって求められる。
(b)IEEE802.11によるリンクとIEEE802.16によるリンクとのパケット分配特性
非特許文献3は、IEEE802.11によるリンクコスト(以下、「11リンクコスト」と言う)およびIEEE802.16によるリンクコスト(以下、「16リンクコスト」と言う)は、そのリンクへのパケット分配率に関して下に凸の単調増加関数であることを示す。即ち、非特許文献3は、11リンクコストおよび16リンクコストは、パケット到着率との間で次式の関係を有することを示す。
非特許文献3は、IEEE802.11によるリンクコスト(以下、「11リンクコスト」と言う)およびIEEE802.16によるリンクコスト(以下、「16リンクコスト」と言う)は、そのリンクへのパケット分配率に関して下に凸の単調増加関数であることを示す。即ち、非特許文献3は、11リンクコストおよび16リンクコストは、パケット到着率との間で次式の関係を有することを示す。
式(2)において、d11 iは、無線装置iにおける11リンクコストであり、F11 iは、無線装置iにおける11リンクへのパケット到着率であり、d16 iは、無線装置iにおける16リンクコストであり、F16 iは、無線装置iにおける16リンクへのパケット到着率である。
(c)マルチパス・マルチホップアクセス経路のパケット分配特性
この発明においては、IEEE802.16および/またはIEEE802.11aによる基地局と無線装置との直接通信経路と、IEEE802.11gによる無線装置間の通信経路とを併用した通信経路を「マルチパス・マルチホップアクセス経路」という。
この発明においては、IEEE802.16および/またはIEEE802.11aによる基地局と無線装置との直接通信経路と、IEEE802.11gによる無線装置間の通信経路とを併用した通信経路を「マルチパス・マルチホップアクセス経路」という。
(c−1)マルチパス・マルチホップアクセス経路の構成
任意の無線装置iにおけるマルチパス・マルチホップアクセス経路Riは、IEEE802.16による基地局とのリンク(以下、直接通信経路)L16 iと、無線装置iがIEEE802.11aのセル内であれば、IEEE802.11aによる直接通信経路La iと、IEEE802.11gにより接続可能な隣接無線装置が存在する場合には、IEEE802.11gによる無線装置間の通信経路Lg iとから構成される。
任意の無線装置iにおけるマルチパス・マルチホップアクセス経路Riは、IEEE802.16による基地局とのリンク(以下、直接通信経路)L16 iと、無線装置iがIEEE802.11aのセル内であれば、IEEE802.11aによる直接通信経路La iと、IEEE802.11gにより接続可能な隣接無線装置が存在する場合には、IEEE802.11gによる無線装置間の通信経路Lg iとから構成される。
即ち、マルチパス・マルチホップアクセス経路は、接続可能な全ての無線モジュールを用いる経路である。但し、IEEE802.11gによる無線装置間の通信経路は、その接続によってループ経路が発生しない条件で接続するものとする。
無線装置iからIEEE802.11gによって接続される無線装置i−1は、無線装置iと同様に、全ての無線モジュールを用いて経路を構成する。即ち、無線装置i−1も、また、マルチパス・マルチホップアクセス経路を構成する。ここで、無線装置i−1は、無線装置iよりも基地局側に配置された無線装置iに隣接する無線装置である。
このように、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riは、直接通信経路L16 i,La iと、IEEE802.11gによるマルチホップアクセス経路Lg iとが再帰的に接続される経路によって構成される。そして、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて、基地局との接続点に配置された無線装置は、IEEE802.11aによる直接通信とIEEE802.16による直接通信とを併用するマルチパスアクセス経路を確立する。
従って、無線装置iから基地局までのマルチパス・マルチホップアクセス経路Riは、次式のように示される。
式(3)において、Lg i→i−1は、無線装置iから無線装置i−1への無線装置間のリンクであり、R0は、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおける基地局との接続点となる無線装置0のマルチパスアクセス経路である。
(c−2)マルチパスアクセス経路のパケット分配特性
任意の無線装置iがマルチパスアクセス経路を構成する場合、マルチパスアクセス経路riのコストdriは、式(1)によって、次式のように求められる。
任意の無線装置iがマルチパスアクセス経路を構成する場合、マルチパスアクセス経路riのコストdriは、式(1)によって、次式のように求められる。
式(4)において、Wiは、無線装置iに接続されているIEEE802.11aによる無線モジュールとIEEE802.16による無線モジュールとの集合である。また、Triは、無線装置iのマルチパスアクセス経路riの平均遅延時間である。更に、Tk iは、無線装置iの無線モジュールkにおける平均遅延時間である。
式(4)から解るように、マルチアクセス経路のコストdriは、マルチアクセス経路を構成する通信経路のコストの和である。
ここで、無線装置iのマルチアクセス経路において任意の無線モジュールkから無線モジュールjへパケットを移動させた場合について説明する。
パケットの移動において、無線モジュールkおよび無線モジュールj以外の無線モジュールにおいては、パケット移動を行なわない(パケット分配率は変わらない)とすると、パケット到着率Fk iとパケット到着率Fj iとの相関は、次式のようになる。
式(5)から、無線装置iの無線モジュールjによって形成されるリンクのリンクコストdj iのパケット到着率Fk i(無線装置iの無線モジュールkへのパケット分配率)に関する1次導関数および2次導関数は、次式のようになる。
即ち、リンクコストdj iは、パケット分配率Fk iに関して下に凸の単調減少関数である。マルチパスアクセス経路のリンクコストdriは、パケット分配率Fk iに関して下に凸の単調増加関数であるリンクコストdk iと、パケット分配率Fk iに関して下に凸の単調減少関数であるリンクコストdj iと、その他の経路のリンクコストとの和である。その他の経路のリンクコストは、パケットの移動がないため、一定である。
従って、リンクコストdriは、リンクコストdk iとリンクコストdj iとによって特徴付けられ、パケット分配率Fk iに関して下に凸の単調増加関数とパケット分配率Fk iに関して下に凸の単調減少関数との和である。
その結果、リンクコストdriは、パケット分配率Fk iに関して下に凸の関数となる。即ち、リンクコストdriは、パケット分配率Fk iに関して最小解を持つ。また、下に凸の関数の勾配を下り、最小解へ向かう条件は、無線モジュールkから無線モジュールjへパケットを移動している場合、式(6)を用いることによって、リンクコストdriのパケット分配率Fk iの導関数から次のように示される。
次に、マルチパスアクセス経路riにおいて、無線モジュールkから無線モジュールjへのパケットの分配が式(7)を満たす(勾配を下り、最小解へ向かう)場合のリンクコストdriのパケット分配率Fk iに関する相関について説明する。
無線装置iにおけるパケット分配率Fiは、マルチパスアクセス経路riの各無線モジュールへのパケット分配率の和である。従って、次式が成立する。
無線モジュールkおよび無線モジュールjにおいてのみ、パケットの移動が行なわれるので、式(8)のパケット分配率Fiに関する1次導関数および2次導関数は、次式のようになる。
パケット分配率Fiは、各無線モジュールへのパケット分配率から構成されているため、マルチパスアクセス経路のリンクコストdriのパケット分配率Fiに関する1次導関数は、連鎖率により次式のようになる。
式(10)に式(4),(7),(9)を適用すると、次式が得られる。
更に、リンクコストdriのパケット分配率Fiに関する2次導関数を求めると、次式のようになる。
式(12)に式(7)および式(9)を適用すると、次式が得られる。
そうすると、式(11)および式(13)から、式(7)を満たしながら任意の無線モジュールkから無線モジュールjへパケットを移動する場合、リンクコストdriは、パケット分配率Fiに関して下に凸の単調増加関数であることが解る。
(c−3)マルチパス・マルチホップアクセス経路のパケット分配特性
無線装置0(マルチパス・マルチホップアクセス経路における基地局との接続点)が基地局との間でマルチパスアクセス経路r0を構成し、無線装置1がIEEE802.11gによる無線リンクによって無線装置0と接続する場合において、無線装置1が構成するマルチパス・マルチホップアクセス経路R1について説明する。
無線装置0(マルチパス・マルチホップアクセス経路における基地局との接続点)が基地局との間でマルチパスアクセス経路r0を構成し、無線装置1がIEEE802.11gによる無線リンクによって無線装置0と接続する場合において、無線装置1が構成するマルチパス・マルチホップアクセス経路R1について説明する。
マルチパス・マルチホップアクセス経路R1は、経路Rg 1と、経路La 1と、経路L16 1とから構成される。経路Rg 1は、IEEE802.11gによる無線装置1と無線装置0とのリンクLg 1→0と、マルチパスアクセス経路r0との連結によって構成され、そのリンクコストdg R1は、次式のようになる。
式(14)において、dg 1→0は、リンクLg 1→0のコストである。
無線装置1のIEEE802.11gのパケット分配率をFg 1とすると、IEEE802.11gによる無線リンクのパケット分配特性から、リンクコストdg 1→0は、パケット分配率をFg 1に関して下に凸の単調増加関数である。
一方、マルチパスアクセス経路r0へのパケット分配率F0(リンクLg 1→0のスループット)は、リンクLg 1→0の内容量においてパケット分配率Fg 1に関して上に凸の単調増加関数となる(非特許文献4)。
従って、リンクコストdr0のパケット分配率Fg 1に関する相関は、次の式(15)、式(16)および式(17)のように表される。
リンクLg 1→0において、パケット分配率Fg 1が少ない場合、リンクLg 1→0のスループットであるパケット分配率F0は、パケット分配率Fg 1に対して線形に増加する。一方、パケット分配率F0は、パケット分配率Fg 1が多くなると、上に凸性が現れてくる(即ち、パケット分配率F0の増加率が減衰する)。
この特性を式(17)に適用すると、リンクコストdr0は、パケット分配率Fg 1が少ない場合、下に凸の単調増加関数となり、パケット分配率Fg 1が増加するに従って上に凸の単調増加関数へ移行する。
リンクコストdr0において、上に凸性が現れる場合には、平均遅延時間Tg 1の増加量は、リンクLg 1→0においてパケット分配率Fg iの増加に伴って拡大し、リンクLg 1→0のスループットであり、かつ、マルチパスアクセス経路r0のパケット分配率であるF0の増加量が減衰する。その結果、リンクコストdr0の増加量が減衰する。
即ち、リンクコストdg 1の増加量が大きく拡大する場合において、リンクコストdr0の増加量が減衰する(上に凸となる)。
以上のことから、パケット分配率Fg 1が少ない場合には、リンクコストdg i,dr0のいずれも、パケット分配率Fg 1に関して下に凸の単調増加関数であるので、その和(dr0+dg 1)も、また、パケット分配率Fg 1に関して下に凸の単調増加関数である。
パケット分配率Fg 1が増えると、リンクコストdr0の増加量が減衰するが、リンクコストdg 1の増加量が拡大するため、その和(dr0+dg 1)は、パケット分配率Fg 1に関して下に凸の単調増加関数と見なすことができる。
即ち、リンクコストdg R1は、パケット分配率Fg 1に関して下に凸の単調増加関数である。また、IEEE802.11aによる経路およびIEEE802.16による経路も、それぞれのパケット分配率に関して下に凸の単調増加関数である。従って、マルチパス・マルチホップアクセス経路R1を構成する経路の全てがそれぞれのパケット分配率に関して下に凸の単調増加関数であるので、マルチパス・マルチホップアクセス経路R1のパケット分配特性は、上述したマルチパスアクセス経路におけるパケット分配特性と同じになる。
以上のことから、リンクコストdR1は、マルチパス・マルチホップアクセス経路R1とマルチパスアクセス経路r0とが式(7)を満たすようにパケット分配をしている条件で、最小解へ向かい、パケット分配率Fiに関して下に凸の単調増加関数となる。
任意の無線装置iにおけるマルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて、IEEE802.11gによって形成される経路Rg iは、IEEE802.11gによって再帰的にマルチパス・マルチホップアクセス経路が連結され、最終的にマルチパスアクセス経路で基地局に接続される。
従って、経路Rg iは、それを構成する各マルチパス・マルチホップアクセス経路と、マルチパスアクセス経路とにおいて式(7)を満たすパケット分配を行なっている条件で、そのパケット分配率Fg iに関して下に凸の単調増加関数である。
即ち、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riも、また、パケット分配率に関して下に凸の単調増加関数である経路から構成され、マルチパス・マルチホップアクセス経路R1およびマルチパスアクセス経路r0とパケット分配において同じ特性を持ち、式(7)を満たすことによって、最小解を求めることができる。
(c−4)マルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間の特性
非特許文献3においては、IEEE802.11およびIEEE802.16によるリンクの平均遅延時間が、リンクコストと同様に、それぞれのリンクへのパケット分配率に関して、下に凸の単調増加関数であることも示している。この特性を用いて、マルチパスアクセス経路riの平均遅延時間Triの特性を説明する。
非特許文献3においては、IEEE802.11およびIEEE802.16によるリンクの平均遅延時間が、リンクコストと同様に、それぞれのリンクへのパケット分配率に関して、下に凸の単調増加関数であることも示している。この特性を用いて、マルチパスアクセス経路riの平均遅延時間Triの特性を説明する。
マルチパスアクセス経路riにおける任意の無線モジュールxのパケット分配率をGx iとすると、平均遅延時間Triは、次式のようになる。
式(18)において、gx iは、マルチパスアクセス経路riにおける任意の無線モジュールxのリンクコストdriにおけるコスト割合である。
任意のIEEE802.11またはIEEE802.16による無線リンクの平均遅延時間Tx iがパケット分配率Fx iに関して下に凸の単調増加関数であることを用いると、gx iのパケット分配率Fx iに関する相関は、次式のようになる。
式(19)と、平均遅延時間Tx iがパケット分配率Fx iに関して下に凸の単調増加関数であることとを用いると、driをTriとし、dx iをgx iとした場合、上述した式(6)から式(13)までの式が成立する。
即ち、平均遅延時間Triのパケット分配率Fiおよびパケット分配率Fk iに関する特性は、リンクコストdriと同様であり、マルチパスアクセス経路riにおいて、任意の無線モジュールkから無線モジュールjへパケットを分配する場合、平均遅延時間Triには、最小解が存在し、式(7)を満たすならば、平均遅延時間Triは、最小解へ向かい、また、パケット分配率Fiに関して下に凸の単調増加関数となる。
また、上述したマルチパスアクセス経路r0を構成経路とするマルチパス・マルチホップアクセス経路R1において、その構成経路Rg 1の平均遅延時間Tg R1は、次式のようになる。
式(20)において、Tg 1→0は、リンクLg 1→0の平均遅延時間であり、Tr0は、無線装置0のマルチパスアクセス経路の平均遅延時間である。
以上のことから、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riの平均遅延時間TRiは、上述したマルチパス・マルチホップアクセス経路RiのリンクコストdRiの特性と同じである。
即ち、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて、任意の構成経路kから構成経路jへパケットを分配する場合、平均遅延時間TRiには、最小解が存在し、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riおよびその構成経路のパケット分配において式(7)を満たすならば、平均遅延時間TRiは、最小解へ向かい、また、パケット分配率Fiに関して下に凸の単調増加関数となる。つまり、リンクコストdRiを最小化することは、平均遅延時間TRiを最小化することになる。
(d)パケットの分配制御方式
上述したマルチパス・マルチホップアクセス経路のパケット分配特性に基づき、マルチパス・マルチホップアクセス経路のリンクコストを減少させる上り方向(無線装置から基地局への方向)におけるトラフィックの分配制御方式について説明する。
上述したマルチパス・マルチホップアクセス経路のパケット分配特性に基づき、マルチパス・マルチホップアクセス経路のリンクコストを減少させる上り方向(無線装置から基地局への方向)におけるトラフィックの分配制御方式について説明する。
(d−1)マルチパス・マルチホップアクセス経路の経路コストとその最小解
無線装置iにおけるマルチパス・マルチホップアクセス経路の経路コストdRiは、式(4)に基づいて、次式のようになる。
無線装置iにおけるマルチパス・マルチホップアクセス経路の経路コストdRiは、式(4)に基づいて、次式のようになる。
式(21)において、Fa i,F16 i,Fg iは、それぞれ、無線装置iのIEEE802.11aによる無線モジュール、IEEE802.16による無線モジュールおよびIEEE802.11gによる無線モジュールへのパケット分配率であり、Ta i,T16 i,Tg iは、それぞれ、無線装置iのIEEE802.11aによる経路La i、IEEE802.16による経路L16 iおよびIEEE802.11gによる経路Tg iの平均遅延時間である。また、Tg Riは、無線装置iのIEEE802.11gによるマルチパス・マルチホップアクセス経路Rg iの平均遅延時間であり、TRi−1は、無線装置i−1のマルチパス・マルチホップアクセス経路Ri−1の平均遅延時間であり、Tr0は、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riの基地局接続点となる無線装置0のマルチパスアクセス経路r0の平均遅延時間である。
最小解へ向かう条件式(7)を式(21)における経路コストdRiに適用すると、次式が得られる。
式(22)において、dk Riは、無線装置iの無線モジュールkにおけるマルチパス・マルチホップアクセス経路Riの構成経路Rk iのコストであり、Tk Riは、構成経路Rk iの平均遅延時間である。
式(22)を差分表記すると、次式のようになる。
式(23)を差分近似すると、次式が得られる。
即ち、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて、経路Rk iから経路Rj iへパケットを分配する場合、パケットの移動元の経路Rk iの平均遅延時間Tk Riがパケットの移動先の経路Rj iの平均遅延時間Tj Riよりも大きくなるように分配すると、経路コストdRiおよび平均遅延時間TRiは、最小解へ向かい、全ての構成経路の平均遅延時間を均等(Tk Ri−Tj Ri=0)にすることによって、経路コストdRiおよび平均遅延時間TRiの最小解を近似できる。
各経路の平均遅延時間は、式(21)から解るように、無線装置から基地局までのエンド−エンドの平均遅延時間に等しい。即ち、経路コストdRiの最小解近似は、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riの各構成経路のエンド−エンドの平均遅延時間を均等化することであるため、マルチパスによりパケット分配率の乱れを抑制することが同時に可能である。
(d−3)マルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間の取得
経路コストdRiの最小解を探索するためには、式(24)で用いる任意の構成経路Rx iの平均遅延時間Tx Riが必要である。
経路コストdRiの最小解を探索するためには、式(24)で用いる任意の構成経路Rx iの平均遅延時間Tx Riが必要である。
構成経路Rx iがIEEE802.11aまたはIEEE802.16による直接通信経路である場合、平均遅延時間Tx Riは、無線装置内で計測可能である。
一方、構成経路Rx iがマルチアクセス・マルチホップアクセス経路である場合、式(21)から解るように、無線装置iからIEEE802.11gによる接続先の無線装置である無線装置i−1までの平均遅延時間Tg i→i−1に加え、無線装置i−1から基地局までの再帰的に構成されるマルチアクセス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間も必要である。
従って、各無線装置は、マルチアクセス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間を次のように取得する。
(i)基地局は、宛先を基地局とし、経路遅延時間を“0”とするパケットを装備されている全ての無線モジュールを用いて周期的にブロードキャストする。
(ii)基地局からのパケットを受信し、基地局を転送先とする経路を有する無線装置は、受信したパケットに含まれる経路遅延時間に、パケットを受信した無線モジュールにおける平均遅延時間を加算した値を当該構成経路の平均遅延時間とする。また、基地局からのパケットを受信した無線装置は、各構成経路の平均遅延時間から当該無線装置のマルチアクセス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間を算出し(式(21)参照)、その算出した平均遅延時間を経路遅延時間とし、宛先を基地局とするパケットをマルチアクセス・マルチホップアクセス経路へ周期的にブロードキャストする(後続の無線装置へパケットを転送)。
(iii)隣接無線装置から上記のパケットを受信し、隣接無線装置を転送先とする経路を有する無線装置は、上記(ii)と同様の処理を周期的に行なう。
以上の処理を行なうことによって、各無線装置は、基地局までのアクセス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間を取得および更新する。
(d−4)上り方向のトラフィックにおける最小解の探索
マルチパス・マルチホップアクセス経路は、基地局に向かう途中経路を他のアクセス・マルチホップアクセス経路と共有する。即ち、上り方向のトラフィックは、基地局へ向かう転送途中で他の無線装置のトラフィックと合流し、集約される。
マルチパス・マルチホップアクセス経路は、基地局に向かう途中経路を他のアクセス・マルチホップアクセス経路と共有する。即ち、上り方向のトラフィックは、基地局へ向かう転送途中で他の無線装置のトラフィックと合流し、集約される。
従って、任意のマルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおけるパケット分配率Fiは、無線装置iにおいて発生した単位時間当たりのパケット(以下、「オリジナルパケット分配率」という)と、無線装置iへ転送されて到着した単位時間当たりのパケット(以下、「転送パケット分配率」という)との合計である。
マルチパス・マルチホップアクセス経路Riの構成経路Rg iにおける転送先を無線装置hとすると、マルチパス・マルチホップアクセス経路Rhにおいても、同様に、パケット分配率Fhは、リンクLg i→hからの転送パケットを含む他の無線装置からの転送パケット分配率と、無線装置hのオリジナルパケット分配率とからなる。即ち、経路コストdRhは、次式により算出される。
式(25)において、Bhは、マルチパス・マルチホップアクセス経路Rhにおける無線装置hを含めた無線装置hを転送先とする無線装置の集合であり、Fh[y]は、無線装置yから無線装置hへの転送パケット分配率(y=hの場合、無線装置hのオリジナルパケット分配率)であり、dRh[y]は、無線装置yからの転送パケット(y=hの場合、無線装置hのオリジナルパケット)に関するマルチパス・マルチホップアクセス経路Rh内のコストである。
従って、経路コストdg Riは、次式のように表される。
ここで、経路コストdRh[i]のパケット分配率Fh[i]に関する相関を説明するために、経路コストdRh[i]のパケット分配率Fh[i]に関する1次導関数および2次導関数を求めると、次の式(27)および式(28)のようになる。
式(27)および式(28)において、dTRh/dFh[i]以外の項は、全て、正であることから、経路コストdRh[i]のパケット分配率Fh[i]に関する相関は、dTRh/dFh[i]に依存する。
そこで、平均遅延時間TRhとパケット分配率Fh[i]との相関、およびその相関に基づく経路コストdRiの特性を以下に示す。
(CH1)マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて、経路Rg iがパケット分配元である場合、パケット分配率Fh[i]は、減少する。この場合に、平均遅延時間TRhが減少すれば、dTRh/dFh[i]は、正になる。従って、経路コストdRh[i]は、パケット分配率Fh[i]に関して下に凸の単調増加関数となり、式(24)から経路コストdRiの最小解を探索可能である。
(CH2)上記の場合において、平均遅延時間TRhが増加する場合、dTRh/dFh[i]は、負となり、経路コストdRh[i]は、パケット分配率Fh[i]に関して下に凸の単調増加関数に限定できない。即ち、経路コストdRiにおいて、パケット分配元のパケット到着率に関する下に凸性が保証できない。この場合は、マルチパス・マルチホップアクセス経路Rhへ他の無線装置からの転送パケットが増加し、パケット分配率Fhが増加する場合である。
(CH3)マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて、経路Rg iがパケット分配先である場合、パケット分配率Fh[i]は、増加する。この場合に、平均遅延時間TRhが増加すれば、dTRh/dFh[i]は、正になる。従って、経路コストdRh[i]は、パケット分配率Fh[i]に関して下に凸の単調増加関数となり、式(24)から経路コストdRiの最小解を探索可能である。
(CH4)上記(CH3)の場合において、平均遅延時間TRhが減少する場合、経路コストdRiのパケット分配元のパケット到着率に関する下に凸性が保証できないが、経路コストdRiは、パケット分配元のパケット到着率に関して単調増加である。即ち、式(24)を満たす。
上述した特性CH1〜CH4を考慮して、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて2つの構成経路間でパケット分配を式(24)を満たすように、周期的にパケット分配量を更新し、経路コストdRiの最小解を探索する。
そこで、経路コストdRiの最小解を探索する方法(降下法)について説明する。
MTH1)初回の周期においては、パケットをラウンドロビン方式を用いてマルチパス・マルチホップアクセス経路の各構成経路へ均等に分配する。従って、各経路のパケット分配率は、最初、等しい。
MTH2)1つの周期の開始時に、パケット到着率Fiおよび平均遅延時間Tiの測定が行なわれる。
MTH3)初回周期の完了後、初回周期内で取得した各構成経路の平均遅延時間から、平均遅延時間が最大となる構成経路Rmax i(0)と、平均遅延時間が最小となる構成経路Rmin i(0)とを選択し、構成経路Rmax i(0)および構成経路Rmin i(0)を、それぞれ、次回(1回目)周期のパケット分配元経路およびパケット分配先経路とする。
この場合、パケット分配元経路Rmax i(0)からパケット分配先経路Rmin i(0)への1回目周期のパケット移動量ΔFmax i(1)は、次式によって決定される。
式(29)において、Fmax i(0)は、初回周期におけるパケット分配元経路Rmax i(0)の分配パケット数であり、pi(1)は、無線装置iにおける1回目周期のパケット移動割合であり、p0は、初期パケット移動割合である。
MTH3)任意のt回目周期が完了した場合、周期内で取得した各構成経路の平均遅延時間から、平均遅延時間が最大となる構成経路Rmax i(t)の平均遅延時間Tmax Ri(t)と、平均遅延時間が最小となる構成経路Rmin i(t)の平均遅延時間Tmin Ri(t)とを求め、その求めた平均遅延時間Tmax Ri(t)と平均遅延時間Tmin Ri(t)との関係から次のようにパケット分配量を決定する。
MTH3−1)Tmax Ri(t)とTmin Ri(t)とが式(24)を満たし、かつ、Tmax Ri(t)<Tmax Ri(t−1)である場合、経路コストdRiの勾配を下っている。従って、次周期t+1のパケット移動量を現周期tにおけるパケット移動量と同じにしてΔFmax i(t+1)を次式によって決定する。
MTH3−2)Tmax Ri(t)とTmin Ri(t)とが式(24)を満たさず、かつ、Tmax Ri(t)<Tmax Ri(t−1)である場合、経路コストdRiの勾配を上っている。これは、パケット分配元からパケット分配先への分配量が過多となり、最小解を通り過ぎて下に凸の上り側へ移動したことを意味する。従って、次周期t+1のパケット移動量を現周期tから減少して(分配量の刻みを細かくする)最小解の近傍に近づくようにする。よって、パケット分配減少率αを用いて、ΔFmax i(t+1)を次式により決定する。
MTH3−3)Tmax Ri(t)>Tmax Ri(t−1)である場合、パケット分配元の経路Rmax iにおいて、パケット転送先の無線装置hへの他の無線装置からの転送パケットが増加し、その総量であるパケット分配率Fhが増加する。この場合、平均遅延時間Thは、パケット分配率Fhの下に凸の単調増加であるので、パケット分配率Fhを減少させて経路コストdRhの下に凸性を確保するために、パケット分配元の経路Rmax iからのパケット分配量を増加させる(マルチパス・マルチホップアクセス経路Riにおいて無線装置hへの転送パケットの減少量を増やす)。この処理は、他の無線装置からのパケット転送が多い(コストが高い)構成経路へのパケット分配を減少させる効果となる。よって、パケット分配増加率βを用いて、ΔFmax i(t+1)を次式により決定する。
MTH4)平均遅延時間が最大となる構成経路と、平均遅延時間が最小となる構成経路とを選択し、それぞれを次周期t+1のパケット分配元経路Rmax i(t+1)およびパケット分配先経路Rmin i(t+1)とする。これらの経路Rmax i(t+1),Rmin i(t+1)間で上述した方法(MTH3)によって算出したΔFmax i(t+1)によりパケット分配を行ない、MTH3)に戻る。
上述したMTH1)〜MTH4)の処理を各無線装置におけるマルチパス・マルチホップアクセス経路において独立に実施し、任意のマルチパス・マルチホップアクセス経路の経路コストの最小解を探索する。
図4は、経路テーブルの概念図である。経路テーブルRTTは、送信先、転送先および平均遅延時間からなり、送信先、転送先および平均遅延時間は、相互に対応付けられる。送信先は、送信先IPアドレスからなり、転送先は、転送先IPアドレスからなり、平均遅延時間は、式(21)によって演算される平均遅延時間Tg Ri,TRi−1〜TR0のいずれかからなる。
各無線装置は、基地局または基地局側の無線装置から送信される平均遅延時間を含むパケットの受信を通じて、各送信先(=平均遅延時間の初期値=0を生成した基地局)、および各送信先へパケットを送信するときの転送先および送信先までのマルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間を取得するので、各無線装置のコントローラ17は、その取得した平均遅延時間に基づいて、経路テーブルRTTを作成して保持する。
なお、経路テーブルRTTに格納された経路は、各無線装置から送信先までのホップ数が最小である経路である。また、各無線装置は、上述した平均遅延時間の取得を一定周期毎に行なう。
上述した結果から、各端末装置におけるマルチパス・マルチホップアクセス経路におけるコストの最適解を探索することは、ネットワークコストの最適解を探索することになる。
図5は、パケットの分配方法を説明するための概念図である。図5において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、パケット分配率を表す。また、曲線k1は、パケット分配先の経路における平均遅延時間Tmin Riとパケット分配率Fk Riとの関係を示し、曲線k2は、パケット分配元の経路における平均遅延時間Tmax Riとパケット分配率Fk Riとの関係を示す。
図5に示すように、曲線k1は、パケット分配率Fk Riに関し、下に凸の単調減少関数であり、曲線k2は、パケット分配率Fk Riに関し、下に凸の単調増加関数である。
上述した経路コストdRiの最小解を探索する方法のMTH1)において、マルチパス・マルチホップアクセス経路Riを構成する複数の構成経路にパケットがラウンドロビン方式によって均等に分配され、複数の構成経路における複数の平均遅延時間が検出される。
そして、検出された複数の平均遅延時間から、最大の平均遅延時間Tmax Ri(t−1)と最小の平均遅延時間Tmin Ri(t−1)とが検出され、その検出された最大の平均遅延時間Tmax Ri(t−1)を有する経路Rmax iと、最小の平均遅延時間Tmin Ri(t−1)を有する経路Rmin iとが検出される。
その後、経路Rmax iをパケット分配元経路とし、経路Rmin iをパケット分配先経路とし、平均遅延時間Tmax Ri(t−1)と平均遅延時間Tmin Ri(t−1)との関係に基づいて、上述した方法(MTH3を参照)によってパケット分配量ΔFmax i(t)を決定し、その決定したパケット分配量ΔFmax i(t)のパケットを経路Rmax iから経路Rmin iへ分配する。
そして、パケット分配量ΔFmax i(t)のパケットを分配した後の経路Rmax i,Rmin iにおいて、それぞれ、平均遅延時間Tmax Ri(t),Tmin Ri(t)を検出し、その検出した平均遅延時間Tmax Ri(t)と平均遅延時間Tmin Ri(t)との関係に基づいて、上述した方法(MTH3を参照)によってパケット分配量ΔFmax i(t+1)を決定し、その決定したパケット分配量ΔFmax i(t+1)のパケットを経路Rmax iから経路Rmin iへ分配する。
これを繰り返し実行することによって、平均遅延時間Tmin Riは、曲線k1によって表される坂を下り、平均遅延時間Tmax Riは、曲線k2によって表される坂を下って、最小解Topt Riに到る。
そうすると、最小解Topt Riが得られたときのパケット分配率Fopt Riを検出し、その検出したパケット分配率Fopt Riに基づいて、パケットを2つの経路(=経路Rmax i,Rmin i)に分配してパケットを送信先へ送信する。
なお、最小解Topt Riが得られたとき、2つの平均遅延時間Tmax Ri,Tmin Riは、相互に等しくなるので、最小解Topt Riが得られたときのパケット分配率Fopt Riに基づいてパケットを分配して送信することは、複数の経路における複数の平均遅延時間が等しくなるようにパケットを分配して送信することに相当する。
従って、図1に示す無線装置3〜5,11,12の各々において、探索モジュール19は、無線モジュール15が有する無線経路ML1と、無線モジュール13が有する無線経路ML2とからなるマルチパス・マルチホップアクセス経路のコストが最小になるときの最適解(=パケット分配率)を上述した方法によって探索し、その探索したパケット分配率でパケットを無線モジュール13,15に分配するようにスイッチング手段16を制御する。
図6は、降下法を用いて最適解を求めるときのパケット分配の概念図である。なお、図6においては、無線装置3がマルチパス・マルチホップアクセス経路によって基地局10へパケットを送信する場合を例にして、降下法を用いて最適解を求めるときのパケット分配の概念を説明する。
無線装置3は、基地局10との間に無線モジュール15による無線経路ML1(マルチホップアクセス経路)と、基地局10との間に無線モジュール13による無線経路ML2(直接通信経路)とを有する。そして、無線装置3は、無線経路ML1を用いてパケットPKT1〜PKT8を基地局10へ送信し、無線経路ML2を用いてパケットPKT9〜PKT11を基地局10へ送信する(図6の(a)参照)。
無線装置3の探索モジュール19は、無線経路ML1および無線経路ML2によってそれぞれパケットPKT1〜PKT8およびパケットPKT9〜PKT11を送信している状態で、無線経路ML1,ML2の各々についてパケット到着率および平均遅延時間を計測する。
パケット到着率は、アプリケーションプロセッサ18からスイッチング手段16を経由して無線経路ML1または無線経路ML2へパケットが到着する率であるので、探索モジュール19は、パケット到着率を計測できる。
また、平均遅延時間は、待ち行列内における待機時間とパケットの処理時間との和であるので、探索モジュール19は、パケットが無線モジュール13に分配されてから送信されるまでの時間を計測することによって無線経路ML2における平均遅延時間TML2を計測できる。
更に、探索モジュール19は、パケットが無線モジュール13に分配されてから送信されるまでの時間を計測することによって無線装置3から無線装置4までの無線リンクRg 3→4における平均遅延時間Tg 3→4を計測し、無線装置4が確立するマルチパス・マルチホップアクセス経路(無線装置4−基地局10間の経路と無線装置4−無線装置1−基地局10間の経路とからなる)における平均遅延時間TR4を無線装置4から受信し、平均遅延時間Tg 3→4と平均遅延時間TR4との和を演算することによって無線経路ML1における平均遅延時間TML1(=Tg R3=Tg 3→4+TR4、式(21)参照)を求めることができる。
そうすると、無線装置3の探索モジュール19は、平均遅延時間TML1,TML2の中から、最大の平均遅延時間TML1と、最小の平均遅延時間TML2とを検出し、最大の平均遅延時間TML1と、最小の平均遅延時間TML2との関係に基づいて、上述した方法によってパケット移動量ΔFmax 3(=5個)を決定し、その決定したパケット移動量ΔFmax 3(=5個)のパケットPKT4〜PKT8を最小の平均遅延時間TML2を有する無線経路ML2へ移動させる(図6の(b)参照)。そして、無線装置3は、無線経路ML1でパケットPK1〜PKT3を送信し、無線経路ML2でパケットPKT9〜PKT11,PKT4〜PKT8を送信する。
その後、無線装置3の探索モジュール19は、無線経路ML1でパケットPK1〜PKT3を送信し、無線経路ML2でパケットPKT9〜PKT11,PKT4〜PKT8を送信している状態で、無線経路ML1,ML2の平均遅延時間TML1,TML2を上述した方法によって求め、その求めた平均遅延時間TML1,TML2の中から、最大の平均遅延時間TML2と、最小の平均遅延時間TML1とを検出する。
そして、無線装置3の探索モジュール19は、最大の平均遅延時間TML2と、最小の平均遅延時間TML1との関係に基づいて、上述した方法によってパケット移動量ΔFmax 3(=3個)を決定し、その決定したパケット移動量ΔFmax 3(=3個)のパケットPKT6〜PKT8を最小の平均遅延時間TML1を有する無線経路ML1へ移動させる(図6の(c)参照)。そして、無線装置3は、無線経路ML1でパケットPK1〜PKT3,PKT6〜PKT8を送信し、無線経路ML2でパケットPKT9〜PKT11,PKT4,PKT5を送信する。
その後、無線装置3は、図6の(b)および(c)の動作を繰り返し実行し、最終的に、平均遅延時間TML1,TML2が相互に等しくなるようにパケットを2つの無線経路ML1,ML2へ分配し、パケットを基地局10へ送信する。
図7は、降下法を用いて最適解を求める動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、無線装置3の探索モジュール19は、t=0を設定し(ステップS1)、t=0であるか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、t=0であると判定されると、無線装置3の探索モジュール19は、アプリケーションプロセッサ18によって生成されたパケットを均等に無線モジュール13,15に分配するようにスイッチング手段16を制御し、スイッチング手段16は、アプリケーションプロセッサ18から受けたパケットを無線モジュール13,15に均等に分配する(ステップS3)。
その後、無線装置3の探索モジュール19は、t=t+1を設定する(ステップS4)。そして、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
一方、ステップS2において、t=0ではないと判定されたとき、無線装置3の探索モジュール19は、各リンクごとにパケット到着率および平均遅延時間を計測し(ステップS5)、最大の平均遅延時間Tmax Ri(t)と最小の平均遅延時間Tmin Ri(t)と検出する(ステップS6)。その後、無線装置3の探索モジュール19は、最大の平均遅延時間Tmax Ri(t)を有する経路をRsrc i(t+1)とし、最小の平均遅延時間Tmin Ri(t)を有する経路をRdst i(t+1)とする(ステップS7)。
そうすると、無線装置3の探索モジュール19は、経路Rsrc i(t)における平均遅延時間をTsrc Ri(t)とし、経路Rdst i(t)における平均遅延時間をTdst Ri(t)とし、経路Rsrc i(t−1)における平均遅延時間をTsrc Ri(t−1)としてTsrc Ri(t)>Tdst Ri(t)、かつ、Tsrc Ri(t)<Tsrc Ri(t−1)であるか否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8において、Tsrc Ri(t)>Tdst Ri(t)、かつ、Tsrc Ri(t)<Tsrc Ri(t−1)であると判定されたとき、無線装置3の探索モジュール19は、上述した式(30)によってパケット移動量ΔFmax i(t)を演算し、前回と同じ個数(=ΔFmax i(t))のパケットを最大の平均遅延時間Tmax Ri(t)を有する経路Rsrc i(t+1)から最小の平均遅延時間Tmin Ri(t)を有する経路Rdst i(t+1)へ移動する(ステップS9)。
一方、ステップS8において、Tsrc Ri(t)>Tdst Ri(t)、かつ、Tsrc Ri(t)<Tsrc Ri(t−1)でないと判定されたとき、無線装置3の探索モジュール19は、Tsrc Ri(t)≦Tdst Ri(t)、かつ、Tsrc Ri(t)<Tsrc Ri(t−1)であるか否かを更に判定する(ステップS10)。
ステップS10において、Tsrc Ri(t)≦Tdst Ri(t)、かつ、Tsrc Ri(t)<Tsrc Ri(t−1)であると判定されたとき、無線装置3の探索モジュール19は、上述した式(31)によってパケット移動量ΔFmax i(t)を演算し、前回の個数よりも少ない個数(=ΔFmax i(t))のパケットを最大の平均遅延時間Tmax Ri(t)を有する経路Rsrc i(t+1)から最小の平均遅延時間Tmin Ri(t)を有する経路Rdst i(t+1)へ移動する(ステップS11)。
一方、ステップS10において、Tsrc Ri(t)≦Tdst Ri(t)、かつ、Tsrc Ri(t)<Tsrc Ri(t−1)でないと判定されたとき、無線装置3の探索モジュール19は、上述した式(32)によってパケット移動量ΔFmax i(t)を演算し、前回の個数よりも多い個数(=ΔFmax i(t))のパケットを最大の平均遅延時間Tmax Ri(t)を有する経路Rsrc i(t+1)から最小の平均遅延時間Tmin Ri(t)を有する経路Rdst i(t+1)へ移動する(ステップS12)。
そして、ステップS9、ステップS11およびステップS12のいずれかの後、一連の動作は、ステップS4へ戻る。
図7に示すステップS5〜ステップS12を繰り返し実行することによって、マルチパス・マルチホップアクセス経路を構成する複数の構成経路における複数の平均遅延時間は、図5に示すように相互に近づき、マルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間は、最終的に最小解に至る。
そして、無線装置3の探索モジュール19は、送信すべきパケットが発生すると、図7に示すフローチャートに従ってマルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間の最小解を探索し、送信すべきパケットが無くなると、最小解の探索を停止する。
なお、無線装置3の探索モジュール19は、図7に示すフローチャートに従って最適解を探索すると、マルチパス・マルチホップアクセス経路のコストが最小となるときのパケット分配率を検出し、その検出したパケット分配率をスイッチング手段16へ出力する。そして、無線装置3のスイッチング手段16は、探索モジュール19から受けたパケット分配率に従って、アプリケーションプロセッサ18から受けたパケットを無線モジュール13,15に分配し、無線モジュール13,15は、分配されたパケットを送信する。
これによって、無線装置3は、マルチパス・マルチホップアクセス経路のコストを最小にして基地局10へパケットを送信する。
図1に示す無線装置4,5は、無線装置3と同様に、図7に示すフローチャートに従ってマルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間の最小解を探索し、その探索した平均遅延時間の最小解が得られるときのパケット分配率を用いてパケットを無線経路ML1,ML2に分配してパケットを基地局10へ送信する。
また、図1に示す無線装置11(または無線装置12)は、無線装置3と同様に、図7に示すフローチャートに従ってマルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間の最小解を探索し、その探索した平均遅延時間の最小解が得られるときのパケット分配率を用いてパケットを無線経路ML1,ML2に分配してパケットを基地局10,20へ送信する。
更に、図7に示すステップS5〜ステップS12を繰り返し実行することによって、マルチパスアクセス経路を構成する複数の構成経路における複数の平均遅延時間は、図5に示すように相互に近づき、マルチパスアクセス経路の平均遅延時間は、最終的に最小解に至る。
従って、図1に示す無線装置1(または無線装置2)の探索モジュール19は、送信すべきパケットが発生すると、または無線装置4からパケットが転送されると、図7に示すフローチャートに従ってマルチパスアクセス経路の平均遅延時間の最小解を探索し、その探索した平均遅延時間の最小解が得られるときのパケット分配率を用いてパケットを無線経路ML1,ML2に分配してパケットを基地局10へ送信する。そして、無線装置1(または無線装置2)の探索モジュール19は、送信すべきパケットが無くなると、最小解の探索を停止する。
なお、無線装置1(または無線装置2)の探索モジュール19は、図7に示すフローチャートに従って最適解を探索すると、マルチパスアクセス経路のコストが最小となるときのパケット分配率を検出し、その検出したパケット分配率をスイッチング手段16へ出力する。そして、無線装置1(または無線装置2)のスイッチング手段16は、探索モジュール19から受けたパケット分配率に従って、アプリケーションプロセッサ18から受けたパケットを無線モジュール13,14に分配し、無線モジュール13,14は、分配されたパケットを送信する。
これによって、無線装置1(または無線装置2)は、マルチパスアクセス経路のコストを最小にして基地局10へパケットを送信する。
更に、図7に示すフローチャートにおいては、マルチパス・マルチホップアクセス経路の平均遅延時間が最小であると判定されるまで、降下法によって最適解の探索を行なうと説明したが、この発明においては、これに限らず、最適解の探索回数が所定の回数に達すると、最適解の探索を終了するようにしてもよい。
上述したように、この発明の実施の形態によれば、無線装置1〜9,11,12の探索モジュール19は、無線装置1〜9,11,12と基地局10,20との間における2つの無線経路ML1,ML2からなるマルチパス・マルチホップアクセス経路(またはマルチパスアクセス経路)の平均遅延時間が最小になるように、2つの無線経路ML1,ML2にパケットを分配するときのパケット分配率を決定し、スイッチング手段16は、その決定されたパケット分配率に基づいてパケットを2つの無線経路ML1,ML2に分配し、2つの無線モジュール13,15(または無線モジュール13,14)は、分配されたパケットを送信する。つまり、通信負荷が最小になるようにパケットが2つの無線経路クML1,ML2に分配されて送信される。その結果、スループットが最大になる。
従って、この発明によれば、コグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上できる。
[シミュレーションによる評価]
この発明によるパケット分配制御方式の有効性についてのシミュレーション結果について説明する。
この発明によるパケット分配制御方式の有効性についてのシミュレーション結果について説明する。
(シミュレーション方法)
シミュレーションは、OPNET Core Software 12.0PL3およびOPNET 10−Apr−2007−WiMAXのソフトウェアを用いて行なわれた。
シミュレーションは、OPNET Core Software 12.0PL3およびOPNET 10−Apr−2007−WiMAXのソフトウェアを用いて行なわれた。
このシミュレーションにおいては、半径1kmの領域をIEEE802.16の1つの基地局のセル空間とした。ネットワーク構成は、シミュレーションの評価時間を考慮して、IEEE802.16のセル空間の10分の1のスケールの空間として、次のような構成にした。
(CMP1)評価空間を560m×560mの正方空間とする(IEEE802.16のセル面積の1/10)
(CMP2)IEEE802.11aの無線モジュールとIEEE802.16の無線モジュールとを装備した基地局Aを、1台、評価空間にランダムに配置する。
(CMP2)IEEE802.11aの無線モジュールとIEEE802.16の無線モジュールとを装備した基地局Aを、1台、評価空間にランダムに配置する。
(CMP3)IEEE802.11aの無線モジュールを装備した基地局Bを、1台、評価空間にランダムに配置する。
(CMP4)IEEE802.11a/IEEE802.11gの無線モジュールと、IEEE802.16の無線モジュールとを装備した無線装置を、100台、評価空間にランダムに配置する。
IEEE802.11a、IEEE802.11gおよびIEEE802.16の無線システムの性能を表1に示すように設定した。
また、IEEE802.11aは、基地局ごとに異なるチャネルとし、IEEE802.11gは、ネットワーク全体で同一チャネルとした。各無線装置におけるIEEE802.16によるリンクの上がり方向の容量は、各無線装置において均等に230Kbpsとした。
基地局とゲートウェイとの間は、高速有線による接続を想定し、無線通信と比較して十分な容量および通信速度があるとして、この間の遅延時間を無視することとした。
電波伝搬モデルは、市街地の見通し内環境を想定し、2波モデルおよびライスフェージングを適用した。ライスフェージングのライス係数は、アンテナの高さを考慮して市街地よりも反射波の多い環境を想定し、市街地における8〜10dBよりも小さい6dBに設定された。トラフィックは、各無線装置でポアソン分布で発生し、そのデータの発生間隔およびデータサイズをそれぞれ指数分布とした。
マルチパス・マルチホップアクセス経路は、IEEE802.11a/IEEE802.11gによる基地局までのホップ数が最小となる無線装置を転送先として構築された。
評価項目は、無線装置からゲートウェイへUDPによりデータ転送を行ない、単位時間当たりのゲートウェイに到着したパケットの平均遅延時間(無線装置でオリジナルパケットが発生してから基地局に到着するまでの平均時間(sec/packet)、以下、「遅延時間」)と、単位時間当たりのゲートウェイに到着したデータの総量(bps、以下、「スループット」)とした。
シミュレーションによる評価時間は、1000secとし、シミュレーション開始から300sec後に各無線装置でデータ発生を開始した。また、この発明によるパケット分配制御方式の有効性を示すために、評価項目において、次の3つの方式と比較を行なった。
M1:ラウンドロビン方式(RR)
マルチパス・マルチホップアクセス経路における各構成経路にパケットを均等に分配する。
マルチパス・マルチホップアクセス経路における各構成経路にパケットを均等に分配する。
M2:実測送信レート方式(TR)
各無線装置のIEEE802.11a/IEEE802.11gおよびIEEE802.16によるリンクにおいて計測された送信レートに比例して、それぞれの構成経路へパケットを分配する。即ち、計測された送信レートは、メディアアクセス制御遅延時間を含むパケット転送時間(通信遅延時間)を考慮するが、キューにおける待機時間は、考慮されない。
各無線装置のIEEE802.11a/IEEE802.11gおよびIEEE802.16によるリンクにおいて計測された送信レートに比例して、それぞれの構成経路へパケットを分配する。即ち、計測された送信レートは、メディアアクセス制御遅延時間を含むパケット転送時間(通信遅延時間)を考慮するが、キューにおける待機時間は、考慮されない。
M3:単一リンク方式(SL)
最も良い性能の無線システムのリンクに全パケットを分配する。即ち、基地局AおよびBのIEEE802.11aによるセル内に存在する無線装置は、IEEE802.11aによるリンクを用い、その他の無線装置は、IEEE802.16によるリンクを用いる。従って、基地局AおよびBのIEEE802.11aによるセル内に存在する無線装置は、マルチパスおよびマルチホップを用いない。
最も良い性能の無線システムのリンクに全パケットを分配する。即ち、基地局AおよびBのIEEE802.11aによるセル内に存在する無線装置は、IEEE802.11aによるリンクを用い、その他の無線装置は、IEEE802.16によるリンクを用いる。従って、基地局AおよびBのIEEE802.11aによるセル内に存在する無線装置は、マルチパスおよびマルチホップを用いない。
この発明によるパケット分配制御方式と実測送信レート方式(TR)とのパケット分配更新および遅延時間の配信は、各無線装置において10sec周期で非同期に実施する。また、最適解探索における各パラメータは、表2に示すパラメータが用いられた。
(遅延時間とスループットの推移)
図8は、無線装置の平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズが5Kbitsであるときの平均遅延時間を示す図である。また、図9は、無線装置の平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズが5Kbitsであるときのスループットを示す図である。
図8は、無線装置の平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズが5Kbitsであるときの平均遅延時間を示す図である。また、図9は、無線装置の平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズが5Kbitsであるときのスループットを示す図である。
図8において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k3は、この発明によるパケット分配制御方式を用いたときの平均遅延時間を示し、曲線k4は、ラウンドロビン方式を用いたときの平均遅延時間を示し、曲線k5は、単一リンク方式を用いたときの平均遅延時間を示し、曲線k6は、実測送信レート方式を用いたときの平均遅延時間を示す。
また、図9において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k7は、この発明によるパケット分配制御方式を用いたときのスループットを示し、曲線k8は、ラウンドロビン方式を用いたときのスループットを示し、曲線k9は、単一リンク方式を用いたときのスループットを示し、曲線k10は、実測送信レート方式を用いたときのスループットを示す。
この発明によるパケット分配制御方式は、遅延時間がパケット分配を繰り返すことによって徐々に減少し、他の方式よりも低くなる。ラウンドロビン方式および単一リンク方式は、遅延時間がほぼ同等であり、実測送信レート方式は、遅延時間が比較方式で最も高くなる(曲線k3〜k6参照)。
スループットは、この発明による方式と単一リンク方式とがほぼ同等であり、ラウンドロビン方式は、それらと比較して微減する。実測送信レート方式は、遅延時間が他の方式よりも低くなる(曲線k7〜k10参照)。
図10は、各方式のネットワーク全体におけるIEEE802.16へのパケット分配量の推移を示す図である。図10において、縦軸は、IEEE802.16の負荷を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k11は、この発明によるパケット分配制御方式におけるIEEE802.16の負荷を示し、曲線k12は、ラウンドロビン方式におけるIEEE802.16の負荷を示し、曲線k13は、単一リンク方式におけるIEEE802.16の負荷を示し、曲線k14は、実測送信レート方式におけるIEEE802.16の負荷を示す。
ラウンドロビン方式および単一リンク方式のいずれも、IEEE802.16へのパケット分配量は、大きく(ラウンドロビン方式は、転送ごとに半分がIEEE802.16へ分配される。即ち、ホップ数をHとすると、IEEE802.16へのパケット分配率は、Σ0.5Hとなる。)、それらの遅延時間とスループットは、IEEE802.16の性能に依存する(曲線k12,k13参照)。
この発明による方式および実測送信レート方式は、IEEE802.16へのパケット分配量が似た傾向にある(曲線k11,k14参照)。
図11は、基地局に比較的近い位置に配置された無線装置と、基地局から離れた位置に配置された無線装置における、この発明による方式と実測送信レート方式のIEEE802.16へのパケット分配率を示す図である。なお、基地局に比較的近い位置に配置された無線装置を「近傍端末」と言い、基地局から離れた位置に配置された無線装置を「遠隔端末」と言う。
図11において、縦軸は、IEEE802.16へのパケット分配率を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k15は、この発明による方式を用いた遠隔端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示し、曲線k16は、実測送信レート方式を用いた遠隔端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示し、曲線k17は、この発明による方式を用いた近傍端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示し、曲線k18は、実測送信レート方式を用いた近傍端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示す。
実測送信レート方式は、リンクの実測送信レート比率に基づくため、IEEE802.11gとIEEE802.16との性能比に依存し、いずれも、IEEE802.11gによる経路Rg iへのパケット分配率が高くなる(曲線k16,k18参照)。
一方、この発明による方式は、遠隔端末(構成経路におけるマルチホップ経路のホップ数が大)において、マルチパス・マルチホップアクセス経路の構成経路L16 iと構成経路Rg iに関して、T16 i<Tg Riであり、IEEE802.16へのパケット分配が式(24)を満たし(このトラフィックでは、下に凸の下り勾配の区間と見なせる)、パケットの大部分は、構成経路Rg iへ分配される結果となる(曲線k15参照)。
即ち、この発明による方式は、ネットワーク全体を見た場合、パケット分配によって、マルチパス・マルチホップアクセス経路のホップ数を減らすのと同等の効果を有し、遠隔端末では、パケットの大部分を構成経路L16 iへ分配することによってホップ数が多い経路による遅延時間の増加とパケット損失量の増加とを回避し、実測送信レート方式よりも遅延時間とスループットとを改善する。
また、近傍端末では、ホップ数が少なく、IEEE802.16によりも速くなる構成経路Rg iへ大部分のパケットを分配することによって(曲線k17参照)、スループットを維持し、単一リンク方式およびラウンドロビン方式よりも遅延時間を改善する。
図12は、無線装置の平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズが15Kbitsであるときの平均遅延時間を示す図である。また、図13は、無線装置の平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズが15Kbitsであるときのスループットを示す図である。
図12において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k19は、この発明によるパケット分配制御方式を用いたときの平均遅延時間を示し、曲線k20は、ラウンドロビン方式を用いたときの平均遅延時間を示し、曲線k21は、単一リンク方式を用いたときの平均遅延時間を示し、曲線k22は、実測送信レート方式を用いたときの平均遅延時間を示す。
また、図13において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k23は、この発明によるパケット分配制御方式を用いたときのスループットを示し、曲線k24は、ラウンドロビン方式を用いたときのスループットを示し、曲線k25は、単一リンク方式を用いたときのスループットを示し、曲線k26は、実測送信レート方式を用いたときのスループットを示す。
単一リンク方式およびラウンドロビン方式の平均遅延時間は、大きく劣化し(曲線k20,k21参照)、スループットも低くなる(曲線k24,k25参照)。これは、IEEE802.16へのパケット分配量が過多であるため、IEEE802.16の容量が超過になるためである。
実測送信レート方式は、リンクの実測送信レート比率でパケット分配を行なうため、全般的に、IEEE802.11gによる経路Rg iへのパケット分配量が多くなる。そのため、IEEE802.16の容量が超過せず、単一リンク方式およびラウンドロビン方式よりも遅延およびスループットの両方が改善される(曲線k22,k26参照)。
しかし、 実測送信レート方式は、遠隔端末においても、経路Rg iへパケットを分配するため、この発明による方式と比較して、マルチホップによる遅延の増加とパケット損失とによって、遅延時間およびスループットの両方が劣る(曲線k19と曲線k22との比較、および曲線k23と曲線k26との比較参照)。
図14は、近傍端末と、遠隔端末とにおける、この発明による方式と実測送信レート方式のIEEE802.16への他のパケット分配率を示す図である。図14において、縦軸は、IEEE802.16へのパケット分配率を表し、横軸は、シミュレーション時間を表す。また、曲線k27は、この発明による方式を用いた遠隔端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示し、曲線k28は、実測送信レート方式を用いた遠隔端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示し、曲線k29は、この発明による方式を用いた近傍端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示し、曲線k30は、実測送信レート方式を用いた近傍端末におけるIEEE802.16へのパケット分配率を示す。
この発明による方式においては、遠隔端末において大部分のパケットが経路L16 iへ分配される点は、平均データサイズが1Kbitsである場合と同等であるが、基地局へ向かって遠隔端末と同等の分配を行なう無線装置が増え、マルチパス・マルチホップアクセス経路のホップ数が更に減少するのと同等の効果をもたらす。また、近傍端末では、各無線装置の転送パケットが集約されて、負荷が高くなるため、パケットの一部を経路L16 iへ分配し(図14参照)、T16 iとTg Riとが略等しくなるパケット量を検出し、結果的に、経路L16 iと経路Rg iとを併用することで集約された大量のパケットを他の方式よりも低遅延および高スループットで転送することができる。
図15は、平均遅延時間と、スループットとの関係を示す図である。図15において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、スループットを表す。また、曲線k31は、この発明による方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示し、曲線k32は、ラウンドロビン方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示し、曲線k33は、単一リンク方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示し、曲線k34は、実測送信レート方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示す。
なお、図15に示す平均遅延時間およびスループットは、ランダムに生成した10通りのトポロジにおいて、平均データ発生間隔が50msecであり、平均データサイズを1Kbitsから20Kbitsまで増加させ、各場合に計測された遅延時間とスループットのそれぞれの平均である。
計測時間は、この発明による方式の状態が安定するシミュレーション時間600secから1000secとした。実測送信レート方式は、IEEE802.16とIEEE802.11とのリンクにおける実測送信レート比率に基づくため、いずれのトラフィックにおいても、IEEE802.11gによるマルチホップ経路へのパケット分配量が多くなる。そのため、遠隔端末においても、マルチホップ経路へパケットを多く分配するため、遅延が大きくなる。
一方、単一リンク方式およびラウンドロビン方式は、IEEE802.16へのパケット分配量が多く、遠隔端末においてマルチホップ経路へのパケット分配量が少ない。そのため、遅延時間は、実測送信レート方式よりも低くなる。しかし、トラフィックが増えると、IEEE802.16の容量が超過するので、遅延時間およびスループットが急激に低下する。
この発明による方式は、いずれのスループットにおいても、他の方式よりも遅延が小さくなり、そのパケット分配が有効であることが解る。
(順序乱れパケット)
順序乱れパケットによる遅延時間およびスループットへの影響を調べるため、UDPにおいて送信パケットに順序番号を付加し、UDPでパケット到着時に順序番号が昇順とならないパケットを順序乱れパケットとした。
順序乱れパケットによる遅延時間およびスループットへの影響を調べるため、UDPにおいて送信パケットに順序番号を付加し、UDPでパケット到着時に順序番号が昇順とならないパケットを順序乱れパケットとした。
図16は、順序乱れパケットを無効パケットとした場合のスループット(以下、「実効スループット」と言う)と順序乱れパケット到着率(順序乱れパケット数/全到着パケット数)とを示す図である。
図16において、縦軸は、スループットまたは順序乱れパケット到着率を表し、横軸は、負荷を表す。また、曲線k35は、この発明による方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示し、曲線k36は、ラウンドロビン方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示し、曲線k37は、単一リンク方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示し、曲線k38は、実測送信レート方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示す。
更に、曲線k39は、この発明による方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示し、曲線k40は、ラウンドロビン方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示し、曲線k41は、単一リンク方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示し、曲線k42は、実測送信レート方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示す。
なお、図16に示す実効スループットおよび順序乱れパケット到着率は、図15と同様にして取得された。
この発明による方式は、ラウンドロビン方式および実測送信レート方式と比較して、順序乱れパケットの到着が非常に少なく、各トラフィックにおいて高い実効スループットを実現する。単一リンク方式と比較すると、ネットワーク全体のトラフィックが20Mbpsの近傍(IEEE802.16の容量内)において、実効スループットが微減する。
この発明による方式では、トラフィックが増加するに従い、マルチパス・マルチホップアクセス経路の複数の構成経路へパケットを分配する無線装置が増える。エンド−エンドの平均遅延時間を各構成経路間で均等化するパケット分配は、順序乱れパケット到着を抑制し、トラフィックが20Mbpsの近傍では、その到着割合が3〜4%である。
トラフィックが更に多い場合では、この発明による方式は、単一リンク方式よりもスループットが高くなる。この場合においては、単一リンク方式がIEEE802.16の容量超過となり、上限に達する。
一方、この発明による方式では、順序乱れパケット到着率は増加するが、それ以上に複数経路の併用による容量増加の効果が高く、高い実効スループットを維持する。
図17は、順序乱れパケットを最大2パケット到着期間、待機する順序制御を実施した場合の実効スループットと順序乱れパケット到着率とを示す図である。なお、順序乱れパケットを最大2パケット到着期間、待機することは、TCPの最大重複ACK数が“2”である場合に相当する。
図17において、縦軸は、スループットまたは順序乱れパケット到着率を表し、横軸は、負荷を表す。また、曲線k43は、この発明による方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示し、曲線k44は、ラウンドロビン方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示し、曲線k45は、単一リンク方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示し、曲線k46は、実測送信レート方式によってパケットを分配したときのスループットと負荷との関係を示す。
更に、曲線k47は、この発明による方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示し、曲線k48は、ラウンドロビン方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示し、曲線k49は、単一リンク方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示し、曲線k50は、実測送信レート方式によってパケットを分配したときの順序乱れパケット到着率と負荷との関係を示す。
順序制御を実施しない場合と比較すると、この発明による方式、ラウンドロビン方式、および実測送信レート方式のいずれにおいても、順序乱れパケット到着率が減少し、その実効スループットが改善される。
この発明による方式においては、図16に見られたネットワークトラフィックが20Mbps近傍の微減がほぼ解消し(順序乱れパケット到着率が0.5%未満となる)、更に、高いトラフィックにおいて単一リンク方式よりも高い実効スループットを維持する。
図18は、順序制御を実施した場合の実効スループットと遅延時間との相関を示す図である。図18において、縦軸は、平均遅延時間を表し、横軸は、スループットを表す。また、曲線k51は、この発明による方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示し、曲線k52は、ラウンドロビン方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示し、曲線k53は、単一リンク方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示し、曲線k54は、実測送信レート方式によってパケットを分配したときの平均遅延時間とスループットとの関係を示す。
この発明による方式は、全てのトラフィックで比較方式よりも低遅延および高スループットとなり、ほぼ、図15に示す場合と同等の性能となる。これは、各構成経路間のエンド−エンドの遅延時間が均等化されるようにパケット分配を行うことによって、多少の順序乱れパケットが到着するが、その遅れ時間が少なくまた分散が小さいため、上位層の順序制御が有効に機能することによる。即ち、この発明による方式は、多少の順序乱れパケットが発生するが、レイヤ4における順序制御を想定すると、比較方式よりも上位層においても低遅延および高スループットの通信を実現可能である。
上述したように、シミュレーション結果から、この発明による方式の有効性が実証された。
上記においては、マルチパス・マルチホップアクセス経路は、IEEE802.16による経路と、IEEE802.11gによる経路との2個の経路によって構成される場合について説明したが、この発明においては、これに限らず、マルチパス・マルチホップアクセス経路は、IEEE802.16による経路と、IEEE802.11gによる経路と、IEEE802.11aによる経路との3個の経路によって構成されていてもよく、一般的には、、マルチパス・マルチホップアクセス経路は、相互に異なる複数の無線システムによる複数の経路によって構成されていればよい。
そして、この場合、図7に示すフローチャートに従って平均遅延時間が最大である経路と平均遅延時間が最小である経路との間でパケット分配処理を繰り返し実行することによって、複数の経路における複数の平均遅延時間は、相互に近づき、最終的に均等になる。複数の経路から平均遅延時間が最大である経路と平均遅延時間が最小である経路とを選択し、その2つの経路間でパケット分配処理を行うことを繰り返し実行することによって、複数の経路における複数の平均遅延時間のうち、突出した平均遅延時間が除去されるからである。
その結果、マルチパス・マルチホップアクセス経路のコストが最小になり、無線ネットワーク全体の通信効率を向上できる。
また、上記においては、各無線装置1〜9,11,12は、マルチパス・マルチホップアクセス経路を構成する複数の経路の複数の平均遅延時間を均等にするように複数の経路にパケットを分配すると説明したが、この発明による無線装置は、マルチパス・マルチホップアクセス経路を構成する複数の経路の複数の平均遅延時間を相互に近づけるように複数の経路にパケットを分配するものであればよく、この発明による無線ネットワークは、マルチパス・マルチホップアクセス経路を構成する複数の経路の複数の平均遅延時間を相互に近づけるように複数の経路にパケットを分配する無線装置を備えていればよい。
マルチパス・マルチホップアクセス経路を構成する複数の経路の複数の平均遅延時間を相互に近づけるように複数の経路にパケットを分配すれば、通信のコストが低下し、無線ネットワーク全体の通信効率を向上できるからである。
この発明においてはスイッチング手段16、コントローラ17および探索モジュール19は、「分配手段」を構成する。
また、図7に示すフローチャートに従って最適解を求める処理は、「パケット分配処理」を構成する。
更に、無線モジュール13〜15は、「複数の無線モジュール」を構成する。
更に、平均遅延時間が最大である経路は、「遅延最大経路」を構成し、平均遅延時間が最小である経路は、「遅延最小経路」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、コグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上可能な無線装置に適用される。また、この発明は、コグニティブ無線ネットワークの通信効率を向上可能な無線装置を備えた無線ネットワークに適用される。
1〜9,11,12 無線装置、10,20 基地局、12A アンテナ、13〜15 無線モジュール、16 スイッチング手段、17 コントローラ、18 アプリケーションプロセッサ、19 探索モジュール、31〜33 有線ケーブル、50 無線WANセル、60,70 無線LANセル、100 無線ネットワーク。
Claims (14)
- 分配されたパケットを相互に異なる無線システムを用いて基地局へ送信する複数の無線モジュールと、
前記複数の無線モジュールを用いて形成される前記基地局までの複数の経路における複数の平均遅延時間を検出し、その検出した複数の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを前記複数の無線モジュールに分配する分配手段とを備える無線装置。 - 前記複数の無線モジュールは、
第1の無線システムを用いて前記基地局に直接アクセスする第1の無線モジュールと、
前記第1の無線システムと異なる第2の無線システムを用いて前記基地局に直接アクセスする第2の無線モジュールとを含み、
前記分配手段は、前記第1の無線モジュールを用いて形成される前記基地局までの第1の経路における平均遅延時間と、前記第2の無線モジュールを用いて形成される前記基地局までの第2の経路における平均遅延時間とが相互に近づくようにパケットを前記第1および第2の無線モジュールに分配する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記複数の無線モジュールは、
第1の無線システムを用いて前記基地局に直接アクセスする第1の無線モジュールと、
マルチホップによって無線通信を行なう第3の無線システムを用いて前記基地局へパケットを送信する第3の無線モジュールとを含み、
前記分配手段は、前記基地局側において当該無線装置に隣接する隣接無線装置へ前記第3の無線モジュールを用いてパケットを送信するときの平均遅延時間と、前記隣接無線装置から前記基地局へマルチパス・マルチホップによってパケットを送信するときの平均遅延時間との和を前記第3の無線モジュールを用いてマルチパス・マルチホップによって前記パケットを前記基地局へ送信するときの第1の平均遅延時間として求め、前記第1の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの第2の平均遅延時間と、前記第1の平均遅延時間とが相互に近づくようにパケットを前記第1および第2の無線モジュールに分配する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記複数の無線モジュールは、
第1の無線システムを用いて前記基地局に直接アクセスする第1の無線モジュールと、
前記第1の無線システムと異なる第2の無線システムを用いて前記基地局に直接アクセスする第2の無線モジュールと、
マルチホップによって無線通信を行なう第3の無線システムを用いて前記基地局へパケットを送信する第3の無線モジュールとを含み、
前記分配手段は、前記第1の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの第1の経路における第1の平均遅延時間、前記第2の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの第2の経路における第2の平均遅延時間、および前記第3の無線モジュールを用いて前記パケットをマルチパス・マルチホップによって前記基地局へ送信するときの第3の経路における第3の平均遅延時間を求め、その求めた第1から第3の平均遅延時間が相互に近づくように前記パケットを前記第1から第3の無線モジュールへ分配する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記分配手段は、前記複数の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの複数の経路から、平均遅延時間が最大である第1の経路と、前記平均遅延時間が最小である第2の経路とを選択し、前記選択した第1の経路から前記第2の経路へパケットを分配するパケット分配処理を繰り返し行なうことによって前記複数の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを前記複数の無線モジュールに分配する、請求項1に記載の無線装置。
- 前記分配手段は、t(tは2以上の整数)回目の前記パケット分配処理を行なったときの前記複数の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が前記選択した最小平均遅延時間よりも大きく、かつ、前記最大平均遅延時間がt−1回目の前記パケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配されたパケット量と同じパケット量をt+1回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配する、請求項5に記載の無線装置。
- 前記分配手段は、t(tは2以上の整数)回目の前記パケット分配処理を行なったときの前記複数の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が前記選択した最小平均遅延時間以下であり、かつ、前記最大平均遅延時間がt−1回目の前記パケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配されたパケット量よりも少ないパケット量をt+1回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配する、請求項5に記載の無線装置。
- 前記分配手段は、t(tは2以上の整数)回目の前記パケット分配処理を行なったときの前記複数の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間がt−1回目の前記パケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも大きいとき、t回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配されたパケット量よりも多いパケット量をt+1回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配する、請求項5に記載の無線装置。
- 相互に異なる複数の無線システムを用いて無線通信を行なう基地局と、
前記パケットを前記基地局へ直接送信する第1および第2の無線モジュールと、マルチホップによって前記基地局へパケットを送信する第3の無線モジュールとを含む第1の無線装置と、
マルチパス・マルチホップによって前記基地局へパケットを送信するマルチパス・マルチホップ経路上において前記基地局からm(mは正の整数)ホップ目の位置に配置されるとともに、前記第1から第3の無線モジュールを含む第2の無線装置と、
前記マルチパス・マルチホップ経路上において前記基地局からm+1ホップ目の位置に配置されるとともに、前記第1から第3の無線モジュールを含む第3の無線装置とを備え、
前記第1の無線装置は、前記第1および第2の無線モジュールによる2つの経路における2つの平均遅延時間が相互に近づくように前記第1および第2の無線モジュールへ前記パケットを分配することによって前記パケットを前記基地局へ直接送信し、
前記第2および第3の無線装置の各々は、前記第1から第3の無線モジュールによる3つの経路における3つの平均遅延時間が相互に近づくように前記第1から第3の無線モジュールへ前記パケットを分配することによって前記パケットを前記基地局へ送信する、無線ネットワーク。 - 前記基地局は、自己を宛先とし、かつ、経路遅延時間を零とする第1の制御パケットを前記複数の無線システムの全てを用いてブロードキャストし、
前記第1の無線装置は、前記第1および第2の無線モジュールを用いて前記基地局からの前記第1の制御パケットを受信し、その受信した第1の制御パケットに含まれる経路遅延時間と、前記第1の制御パケットを受信した第1および第2の無線モジュールにおける平均遅延時間とに基づいて、前記第1および第2の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの第1の平均遅延時間を求め、前記基地局を転送先とし、かつ、前記第1の平均遅延時間を経路遅延時間とする第2の制御パケットを生成してブロードキャストし、
前記第2の無線装置は、前記基地局側において前記第2の無線装置に隣接する隣接無線装置から前記第2の制御パケットを受信し、その受信した第2の制御パケットに含まれる経路遅延時間と、前記第2の制御パケットを受信した第1から第3の無線モジュールにおける平均遅延時間とに基づいて、前記第1から第3の無線モジュールを用いてマルチパス・マルチホップによって前記パケットを前記基地局へ送信するときの第2の平均遅延時間を求め、前記隣接無線装置を転送先とし、かつ、前記第2の平均遅延時間を経路遅延時間とする第3の制御パケットを生成してブロードキャストし、
前記第3の無線装置は、前記第2の無線装置から前記第3の制御パケットを受信し、前記第3の無線モジュールを用いて前記パケットを前記第2の無線装置へ送信したときの平均遅延時間を前記受信した第3の制御パケットに含まれる経路遅延時間に加算して前記第3の無線モジュールを用いてマルチパス・マルチホップによって前記パケットを前記基地局へ送信するときの第1の経路における平均遅延時間を求め、前記第1の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの第2の経路における平均遅延時間と、前記第2の無線モジュールを用いて前記パケットを前記基地局へ送信するときの第3の経路における平均遅延時間とを求め、その求めた3個の平均遅延時間が相互に近づくように前記パケットを前記第1から第3の無線モジュールを分配して前記パケットを前記基地局へ送信する、請求項9に記載の無線ネットワーク。 - 前記第3の無線装置は、前記第1から第3の経路における複数の平均遅延時間に基づいて、最大の平均遅延時間を有する遅延最大経路と最小の平均遅延時間を有する遅延最小経路とを選択し、前記選択した遅延最大経路から前記遅延最小経路へパケットを分配するパケット分配処理を繰り返し行なうことによって前記複数の平均遅延時間が相互に近づくようにパケットを前記第1から第3の無線モジュールに分配する、請求項10に記載の無線ネットワーク。
- 前記第3の無線装置は、t(tは2以上の整数)回目の前記パケット分配処理を行なったときの前記第1から第3の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が前記選択した最小平均遅延時間よりも大きく、かつ、前記最大平均遅延時間がt−1回目の前記パケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配されたパケット量と同じパケット量をt+1回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配する、請求項11に記載の無線ネットワーク。
- 前記第3の無線装置は、t(tは2以上の整数)回目の前記パケット分配処理を行なったときの前記第1から第3の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間および最小平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間が前記選択した最小平均遅延時間以下であり、かつ、前記最大平均遅延時間がt−1回目の前記パケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも小さいとき、t回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配されたパケット量よりも少ないパケット量をt+1回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配する、請求項11に記載の無線ネットワーク。
- 前記第3の無線装置は、t(tは2以上の整数)回目の前記パケット分配処理を行なったときの前記第1から第3の経路の複数の平均遅延時間から、最大平均遅延時間を選択し、その選択した最大平均遅延時間がt−1回目の前記パケット分配処理を行なったときの最大平均遅延時間よりも大きいとき、t回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配されたパケット量よりも多いパケット量をt+1回目の前記パケット分配処理において前記第1の経路から前記第2の経路へ分配する、請求項11に記載の無線ネットワーク。
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