本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による素波発生装置の概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による素波発生装置10は、周波数発生手段1と、継続時間発生手段2と、電力発生手段3と、素波発生手段4とを備える。
周波数発生手段1は、周波数共用システムにおける無線通信に用いられる周波数帯域幅内においてポアソン過程に従って周波数fn(nは、正の整数)を発生し、その発生した周波数fnを素波発生手段4へ出力する。
継続時間発生手段2は、発生した素波の継続時間Tnを指数分布に従って発生し、その発生した継続時間Tnを素波発生手段4へ出力する。
電力発生手段3は、電波の電力の最小値と最大値とによって規定される電力値の範囲から選択した任意の電力値を素波電力Pnとして発生し、その発生した素波電力Pnを素波発生手段4へ出力する。
素波発生手段4は、周波数fnを周波数発生手段1から受け、継続時間Tnを継続時間発生手段2から受け、素波電力Pnを電力発生手段3から受ける。
そして、素波発生手段4は、周波数fnにおいて、電波の利用が開始される時間から継続時間Tnが経過するまでの間、素波電力Pnを有する素波wv_nを発生する。
図2は、受信信号強度(RSSI)と周波数との関係を示す図である。図2において、縦軸は、受信信号強度(RSSI)を表し、横軸は、周波数を表す。また、曲線k1は、測定期間において平均した受信信号強度(RSSI)と周波数との関係を示し、曲線k2は、測定期間における受信信号強度(RSSI)の最大値と周波数との関係を示す。なお、曲線k1,k2は、ある地点における受信信号強度(RSSI)の実測値を示す。
図2を参照して、様々な周波数が利用されているとともに、時間平均すると、ほぼノイズレベルとなる周波数も存在している。
これは、電波が連続的に利用されているだけでなく、離散的またはある周期で利用されていることを示す。
そこで、この発明の実施の形態においては、このような受信信号強度の実測値に鑑み、素波発生装置10は、以下に詳細に説明する方法によって、素波wv_nを発生する。
周波数帯域幅bw内において、周波数fの電波の利用が開始されることを素波の発生とする。電波の利用の開始をトラフィックモデルで考え、一般的なモデルとしてポアソン過程を適用する。
そして、次式に示すように、ポアソン過程によって周波数分解能Δbwで周波数fnを発生する。
式(1)において、mは、平均素波数である。また、式(1)におけるm/bwは、発生させる周波数fnを正規化するためのものである。そして、式(1)において、周波数fnは、周波数分解能Δbwの関数である。
また、式(1)に従って周波数fnを発生することは、トラフィックモデルに従って周波数fnを発生することに相当する。
トラフィックモデルによれば、ポアソン過程に従って分布した複数の車両が道路を走行する。
より具体的には、以下のとおりである。道路を走行中の自動車を定点で観測する。このとき、観測者の前を横切る自動車は、数台が群をなして通過することが多い。これは、自動車の運転手が単独で道路上を運転するより、前後に自動車がいる状況は心理的に楽であるためであると言われている。
この状況を改めて定点で観測すると、自動車の通過は偏りをもっていると言える。これを数学的に説明すると、ポアソン過程がそれに近い。
通信における呼の発生についても考える。個人における呼の発生は、ランダムであるが、ある時間で考えると、例えば、始業直後に一斉に電話をかけるなど、前記の自動車の通過と同様に偏りが発生する。そこで、その偏りをポアソン過程により実現している。特に、ここでは、その発生の過程を、ここまでの説明では、時間軸に基づき説明していたが、これを周波数軸に拡張している点が従来のトラヒックモデルとの大きな違いである。
このようなトラフィックモデルを適用して式(1)によって周波数分解能Δbwで周波数fnを発生する。従って、トラフィックモデルを適用して周波数fnを発生させた場合、周波数fnは、ポアソン過程に従って分布することになる。そして、トラフィックモデルを適用して周波数fnを発生させるという考え方は、新規であり、無線通信の分野における当業者が考えなかったことである。
周波数fnの素波が発生し、電波の送信が中断されるまでを素波の継続モデルで定義する。一般的な発呼の継続時間は、指数分布で説明されるので、素波の継続時間を指数分布で規定する。
即ち、継続時間Tnは、次式によって表される。
式(2)において、Δtは、時間分解能であり、tは、素波の平均存在時間である。そして、式(2)において、継続時間Tnは、時間分解能Δtの関数である。
従って、継続時間発生手段2は、式(2)に従って継続時間Tnを発生する。
素波の電力は、測定システムのダイナミックレンジまたは測定場所と波源の位置関係により決まるため、素波電力は、任意に設定される。即ち、素波電力Pnは、最小値と最大値とによって規定される電力値の範囲から選択した任意の電力値からなる。
従って、電力発生手段3は、最小値と最大値とによって規定される電力値の範囲から任意に電力値を選択して素波電力Pnを発生する。
図3は、素波の概念図である。図3を参照して、素波wv_1〜wv_nは、周波数fn、継続時間Tnおよび素波電力Pnによって規定される。
素波wv_1は、時間t1において電波の利用が開始されると、周波数f1において発生し、時間t1から継続時間|t2−t1|の間、素波電力P1を有する。素波wv_2は、時間t3において電波の利用が開始されると、周波数f2において発生し、時間t3から継続時間|t4−t3|の間、素波電力P2を有する。以下、同様にして、素波wv_nは、時間tn1において電波の利用が開始されると、周波数fnにおいて発生し、時間tn1から継続時間|tn2−tn1|の間、素波電力Pnを有する。
図4は、周波数fnの分布を示す概念図である。図4を参照して、式(1)に従って周波数fnを発生すると、周波数帯域幅bwを有する周波数帯域において、周波数分解能Δbwに相当する帯域幅を有する周波数f1〜fnが存在する。
そして、周波数f1〜fnは、ポアソン過程に従って分布する。周波数fnの帯域幅が周波数分解能Δbwよりも小さいとき、周波数fnを有する素波は発生されない。隣接する周波数fn−1を有する素波と周波数的に区別できないからである。
一方、周波数fnの帯域幅が周波数分解能Δbw以上かつ2Δbwよりも小さいとき、周波数fnを有する素波は発生される。
このように、この発明の実施の形態においては、発生する素波wv_nの周波数fnがポアソン過程に従って分布することを特徴とする。
図5は、図1に示す素波発生装置10の動作を説明するためのフローチャートである。図5を参照して、一連の動作が開始されると、素波発生手段4は、周波数帯域幅bwを周波数分解能Δbwで除算し、発生させる平均素波数mを決定する(ステップS11)。なお、mは、除算結果=bw/Δbwを整数化した値からなる。
そして、周波数発生手段1は、ポアソン過程に従って(即ち、式(1)に従って)周波数分解能Δbwで周波数fnを発生し(ステップS12)、その発生した周波数fnを素波発生手段4へ出力する。
その後、継続時間発生手段2は、指数分布に従って(即ち、式(2)に従って)継続時間Tnを発生し(ステップS13)、その発生した継続時間Tnを素波発生手段4へ出力する。
引き続いて、電力発生手段3は、最小値と最大値とによって規定される電力の範囲から任意の電力値を選択して素波電力Pnを発生し(ステップS14)、その発生した素波電力Pnを素波発生手段4へ出力する。
素波発生手段4は、周波数fnを周波数発生手段1から受け、継続時間Tnを継続時間発生手段2から受け、素波電力Pnを電力発生手段3から受ける。
そして、素波発生手段4は、周波数fnの電波の利用が開始されると、周波数fnにおいて電波の利用が開始された時間で発生し、その発生した時間から継続時間Tnの間、素波電力Pnを有する素波wv_nを発生する(ステップS15)。この場合、素波発生手段4は、周波数f1の電波の利用が開始されると、周波数f1において電波の利用が開始された時間で発生し、その発生した時間から継続時間T1の間、素波電力P1を有する素波wv_1を発生する。また、素波発生手段4は、周波数f2の電波の利用が開始されると、周波数f2において電波の利用が開始された時間で発生し、その発生した時間から継続時間T2の間、素波電力P2を有する素波wv_2を発生する。以下、同様にして、素波発生手段4は、周波数fnの電波の利用が開始されると、周波数fnにおいて電波の利用が開始された時間で発生し、その発生した時間から継続時間Tnの間、素波電力Pnを有する素波wv_nを発生する。
そうすると、素波発生手段4は、その発生した素波wv_nの素波数が平均素波数mに等しいか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16において、素波数が平均素波数mに等しくないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS12へ移行する。その後、ステップS16において、素波数が平均素波数mに等しいと判定されるまで、ステップS12〜ステップS16が繰り返し実行される。
そして、ステップS16において、素波数が平均素波数mに等しいと判定されると、一連の動作が終了する。
なお、周波数発生手段1は、一連の動作がステップS16からステップS12へ移行するごとに、周波数分解能Δbwを変更してステップS12を実行する。
このように、素波発生装置10は、ポアソン過程に従って周波数fnを発生し、指数分布に従って継続時間Tnを発生し、最小値と最大値とによって規定される電力の範囲から任意の電力値を選択して素波電力Pnを発生し、その発生した周波数fn、継続時間Tnおよび素波電力Pnを有する素波wv_nを発生する。
従って、周波数軸方向および時間軸方向に分布する素波を発生することができる。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2による素波発生装置の概略図である。図6を参照して、実施の形態2による素波発生装置10Aは、周波数発生手段11と、処理ユニット121〜12mとを備える。
周波数発生手段11は、素波発生装置10の周波数発生手段1と同じ方法によって周波数fnを発生する。
そして、周波数発生手段11は、その発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいか否かを判定する。
周波数発生手段11は、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しくないと判定したとき、周波数分解能Δbwを変更して式(1)に従って周波数fnを発生する。
周波数発生手段11は、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されるまで、式(1)に従って周波数fnを発生する動作を繰り返し実行する。
そして、周波数発生手段11は、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されると、その発生した周波数f1〜fmをそれぞれ処理ユニット121〜12mへ出力する。なお、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されているので、「周波数f1〜fm」と表記した。
処理ユニット121〜12mは、平均素波数mに対応して設けられる。
処理ユニット121は、周波数発生手段11から周波数f1を受け、周波数f1を受けたタイミングで素波が発生することを検知する。
そして、処理ユニット121は、上述した方法によって、素波電力P1を発生し、上述した方法によって、継続時間T1を発生する。
処理ユニット121は、継続時間T1を発生すると、その発生した継続時間T1が終了しているか否かを判定する。
そして、処理ユニット121は、継続時間T1が終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間T1を発生する動作を繰り返し実行する。
処理ユニット121は、継続時間T1が終了していると判定されると、素波電力Ps1=0を発生する。
その後、処理ユニット121は、素波が発生していない継続時間Ts1を式(2)に従って発生する。
処理ユニット121は、継続時間Ts1を発生すると、その発生した継続時間Ts1が終了しているか否かを判定する。
そして、処理ユニット121は、継続時間Ts1が終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間Ts1を発生する動作を繰り返し実行する。
処理ユニット121は、継続時間Ts1が終了していると判定されると、周波数f1において、素波電力P1および継続時間T1を有する素波wv_1と、素波電力Ps1=0および継続時間Ts1を有する素波の不発生とを発生させる。
処理ユニット122〜12mは、それぞれ、周波数f2〜fmを周波数発生手段11から受けると、処理ユニット121と同じ動作によって、それぞれ、周波数f2〜fmにおいて、素波電力P2〜Pmおよび継続時間T2〜Tmを有する素波wv_2〜wv_mと、素波電力Ps2〜Psm=0および継続時間Ts2〜Tsmを有する素波の不発生とを発生させる。
そして、処理ユニット121〜12mは、上述した動作を並列に実行する。
処理ユニット121〜12mの各々は、電力発生手段21と、継続時間発生手段22と、素波発生手段23とを含む。
処理ユニット121の電力発生手段21は、周波数f1を周波数発生手段11から受けると、素波発生装置10の電力発生手段3と同じ方法によって素波電力P1を発生し、その発生した素波電力P1を素波発生手段23へ出力する。
また、処理ユニット121の電力発生手段21は、信号S_Z1を素波発生手段23から受けると、素波電力Ps1=0を発生し、その発生した素波電力Ps1=0を素波発生手段23へ出力する。
処理ユニット121の継続時間発生手段22は、周波数f1を周波数発生手段11から受けると、式(2)に従って継続時間T1を発生する。
継続時間発生手段22は、継続時間T1を発生すると、その発生した継続時間T1が終了しているか否かを判定する。より具体的には、継続時間発生手段22は、素波の始まりtstart(周波数fmを受けたタイミング)から継続時間T1が経過したタイミングtendを素波の始まりtstartと識別できるか否かを判定することによって、継続時間T1が終了しているか否かを判定する。
式(2)に従って発生される継続時間T1は、時間分解能Δtの関数であり、時間分解能Δtの値によっては、継続時間T1が非常に短くなる。その結果、素波の終わりであるタイミングtendを素波の始まりtstartから識別できなくなる場合もある。
そこで、継続時間発生手段22は、タイミングtendを素波の始まりtstartと識別できた場合、継続時間T1が終了していると判定し、タイミングtendを素波の始まりtstartと識別できない場合、継続時間T1が終了していないと判定する。
そして、継続時間発生手段22は、継続時間T1が終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間T1を発生する動作を繰り返し実行する。この場合、継続時間発生手段22は、時間分解能Δtを変えて継続時間T1を発生する動作を繰り返し実行する。
継続時間発生手段22は、継続時間T1が終了していると判定すると、最終的に発生した継続時間T1を素波発生手段23へ出力する。
また、継続時間発生手段22は、信号S_Z2を素波発生手段23から受けると、素波が発生していないことが継続する継続時間Ts1を式(2)に従って発生する。
そして、継続時間発生手段22は、継続時間Ts1を発生すると、その発生した継続時間Ts1が終了しているか否かを判定する。より具体的には、継続時間発生手段22は、素波が発生していないことの始まりtstart_NOから継続時間Ts1が経過したタイミングtend_NOを始まりtstart_NOと識別できるか否かを判定することによって、継続時間Ts1が終了しているか否かを判定する。
即ち、継続時間発生手段22は、タイミングtend_NOを始まりtstart_NOと識別できた場合、継続時間Ts1が終了していると判定し、タイミングtend_NOを始まりtstart_NOと識別できない場合、継続時間Ts1が終了していないと判定する。
そして、継続時間発生手段22は、継続時間Ts1が終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間Ts1を発生する動作を繰り返し実行する。この場合、継続時間発生手段22は、時間分解能Δtを変えて継続時間Ts1を発生する動作を繰り返し実行する。
継続時間発生手段22は、継続時間Ts1が終了していると判定すると、最終的に発生した継続時間Ts1を素波発生手段23へ出力する。
処理ユニット121の素波発生手段23は、電力発生手段21から素波電力P1を受け、継続時間発生手段22から継続時間T1を受ける。そして、素波発生手段23は、素波電力P1および継続時間T1を受けると、信号S_Z1および信号S_Z2を生成し、その生成した信号S_Z1を電力発生手段21へ出力し、信号S_Z2を継続時間発生手段22へ出力する。
また、素波発生手段23は、素波電力Ps1=0を電力発生手段21から受け、継続時間Ts1を継続時間発生手段22から受ける。
そうすると、素波発生手段23は、周波数f1において、素波電力P1および継続時間T1を有する素波wv_1と、素波電力Ps1=0および継続時間Ts1を有する素波の不発生とを発生させる。
処理ユニット122〜12mの各々において、電力発生手段21、継続時間発生手段22および素波発生手段23は、それぞれ、上述した処理ユニット121の電力発生手段21、継続時間発生手段22および素波発生手段23と同じ動作を行う。
図7は、図6に示す素波発生装置10Aの動作を説明するためのフローチャートである。
図7を参照して、一連の動作が開始されると、周波数発生手段11は、周波数帯域幅bwを周波数分解能Δbwで除算し、発生させる平均素波数mを決定する(ステップS21)。
そして、周波数発生手段11は、ポアソン過程に従って(即ち、式(1)に従って)周波数分解能Δbwで周波数fnを発生する(ステップS22)。
そうすると、周波数発生手段11は、その発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、周波数fnの個数が平均素波数mに等しくないと判定されたとき、一連の動作が、ステップS22へ移行する。その後、ステップS23において、周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されるまで、ステップS22,S23が繰り返し実行される。なお、ステップS23からステップS22へ移行した場合、周波数発生手段11は、周波数分解能Δbwを変えて式(1)に従って周波数fnを発生する(即ち、周波数分解能Δbwを変えてステップS22を実行する)。
そして、ステップS23において、周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されると、周波数発生手段11は、その発生した周波数f1〜fmをそれぞれ処理ユニット121〜12mへ出力する。
処理ユニット121〜12mは、それぞれ、周波数f1〜fmを受ける。そして、処理ユニット121〜12mは、それぞれ、周波数f1〜fmを受けると、素波電力Pmの発生と、継続時間Tmが終了していると判定されるまで式(2)に従って継続時間Tmの発生を繰り返し実行することとを平均素波数分だけ並列に実行する(ステップS24)。
その後、処理ユニット121〜12mは、素波電力Pm=0の発生と、継続時間Tsが終了していると判定されるまで継続時間Tsの発生を繰り返し実行することとを平均素波数分だけ並列に実行する(ステップS25)。
そうすると、処理ユニット121〜12mは、周波数fmにおいて、継続時間Tm,Tsおよび素波電力Pmを有する素波wv_mの発生を平均素波数分だけ並列に実行する(ステップS26)。これによって、一連の動作は、終了する。
なお、ステップS24〜ステップS26は、シミュレーションに必要な時間に応じて決定された回数だけ繰り返し実行される。
図8は、図7に示すステップS24の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図8を参照して、図7のステップS23において、周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されると、処理ユニット121〜12mは、それぞれ、ステップS241〜S24mを並列に実行する。
ステップS241〜24mの各々は、ステップS31〜ステップS33からなる。
処理ユニット121の電力発生手段21は、素波電力P1を発生し(ステップS31)、その発生した素波電力P1を素波発生手段23へ出力する。
また、継続時間発生手段22は、指数分布に従って(即ち、式(2)に従って)継続時間T1を発生する(ステップS32)。
そして、継続時間発生手段22は、上述した方法によって、継続時間T1が終了しているか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33において、継続時間T1が終了していないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS32に戻る。その後、ステップS33において、継続時間T1が終了していると判定されるまで、ステップS32,S33が繰り返し実行される。なお、ステップS33の後にステップS32を実行するとき、継続時間発生手段22は、時間分解能Δtを変更してステップS32を実行する。
そして、ステップS33において、継続時間T1が終了していると判定されると、継続時間発生手段22は、最終的に発生した継続時間T1を素波発生手段23へ出力する。その後、一連の動作は、図7のステップS25(図9のステップS251)へ移行する。
処理ユニット122の電力発生手段21および継続時間発生手段22は、周波数f2において、処理ユニット121の電力発生手段21および継続時間発生手段22と同じようにステップS31〜ステップS33を順次実行する。そして、継続時間T2が終了していると判定されると、一連の動作は、図7のステップS25(図9のステップS252)へ移行する。
以下、同様にして、処理ユニット12mの電力発生手段21および継続時間発生手段22は、周波数fmにおいて、処理ユニット121の電力発生手段21および継続時間発生手段22と同じようにステップS31〜ステップS33を順次実行する。そして、継続時間Tmが終了していると判定されると、一連の動作は、図7のステップS25(図9のステップS25m)へ移行する。
このように、ステップS241〜ステップS24mは、並列に実行される。
図9は、図7に示すステップS25の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、処理ユニット121〜12mは、図7のステップS24の後、それぞれ、ステップS251〜ステップS25mを並列に実行する。
ステップS251〜ステップS25mの各々は、ステップS41〜ステップS43からなる。
処理ユニット121の電力発生手段21は、信号S_Z1を素波発生手段23から受けると、素波電力P1=0を発生し(ステップS41)、その発生した素波電力P1=0を素波発生手段23へ出力する。
また、継続時間発生手段22は、指数分布に従って(即ち、式(2)に従って)継続時間Ts1を発生する(ステップS42)。
そして、継続時間発生手段22は、上述した方法によって、継続時間Ts1が終了しているか否かを判定する(ステップS43)。
ステップS43において、継続時間Ts1が終了していないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS42に戻る。その後、ステップS43において、継続時間Ts1が終了していると判定されるまで、ステップS42,S43が繰り返し実行される。なお、ステップS43の後にステップS42を実行するとき、継続時間発生手段22は、時間分解能Δtを変更してステップS42を実行する。
そして、ステップS43において、継続時間Ts1が終了していると判定されると、継続時間発生手段22は、最終的に発生した継続時間Ts1を素波発生手段23へ出力する。その後、一連の動作は、図7のステップS26(図10のステップS261)へ移行する。
処理ユニット122の電力発生手段21および継続時間発生手段22は、周波数f2において、処理ユニット121の電力発生手段21および継続時間発生手段22と同じようにステップS41〜ステップS43を順次実行する。そして、継続時間Ts2が終了していると判定されると、一連の動作は、図7のステップS26(図10のステップS262)へ移行する。
以下、同様にして、処理ユニット12mの電力発生手段21および継続時間発生手段22は、周波数fmにおいて、処理ユニット121の電力発生手段21および継続時間発生手段22と同じようにステップS41〜ステップS43を順次実行する。そして、継続時間Tsmが終了していると判定されると、一連の動作は、図7のステップS26(図10のステップS26m)へ移行する。
このように、ステップS251〜ステップS25mの各々は、電波の発生が無い期間を作成するステップである。そして、ステップS251〜ステップS25mは、並列に実行される。
図10は、図7に示すステップS26の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図10を参照して、処理ユニット121〜12mは、図7のステップS25の後、それぞれ、ステップS261〜ステップS26mを並列に実行する。
ステップS261〜ステップS26mの各々は、ステップS51からなる。
処理ユニット121の素波発生手段23は、周波数f1において、継続時間T1、継続時間Ts1および素波電力P1を有する素波wv_1を発生する(ステップS51)。
その後、一連の動作は、終了する。
処理ユニット122の素波発生手段23は、周波数f2において、処理ユニット121の素波発生手段23と同じようにステップS51を実行する。その後、一連の動作は、終了する。
以下、同様にして、処理ユニット12mの素波発生手段23は、周波数fmにおいて、処理ユニット121の素波発生手段23と同じようにステップS51を実行する。その後、一連の動作は、終了する。
上述した図7に示すフローチャート(図8〜図10に示すフローチャートを含む)に従えば、素波発生装置10Aは、素波が発生している継続時間Tmと、素波が発生していない継続時間Tsとを発生するとともに、継続時間Tmおよび継続時間Tsが終了していることを確認して素波wv_1〜wv_mを発生する。
従って、素波発生装置10に比べて、より正確に素波を発生させることができる。
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3による素波発生装置の概略図である。図11を参照して、実施の形態3による素波発生装置10Bは、図1に示す素波発生装置10の周波数発生手段1、継続時間発生手段2および素波発生手段4をそれぞれ周波数発生手段1A、継続時間発生手段2Aおよび素波発生手段4Aに代え、アンテナ5、受信手段6、選択手段7、作成手段8および検出手段9を追加したものであり、その他は、素波発生装置10と同じである。
受信手段6は、周波数共用システムにおいて使用される周波数帯域BWを予め保持している。受信手段6は、周波数fU(中心周波数)と、帯域幅ΔBWとを選択手段7から受ける。そして、受信手段6は、中心周波数が周波数fUであり、かつ、帯域幅がΔBWである電波wv_Uをアンテナ5を介して受信し、電波wv_Uを受信したときの受信電力RSSI_Uを検出する。また、受信手段6は、中心周波数が周波数fU以外の周波数fEXであり、かつ、帯域幅がΔBWである電波wv_EXをアンテナ5を介して受信し、電波wv_EXを受信したときの受信電力RSSI_EXを検出する。そして、受信手段6は、その検出した受信電力RSSI_U,RSSI_EXを作成手段8へ出力する。
選択手段7は、周波数帯域BWを予め保持しており、周波数帯域BWから周波数fUを選択し、その選択した周波数fUと帯域幅ΔBWとを受信手段6へ出力する。
作成手段8は、受信手段6から受信電力RSSI_U,RSSI_EXを受ける。そして、作成手段8は、受信電力RSSI_U,RSSI_EXをしきい値RSSI_th(例えば、−95[dBm])と比較し、しきい値RSSI_th以上の受信電力RSSI_U,RSSI_EXを“1”とし、しきい値RSSI_thよりも小さい受信電力RSSI_U,RSSI_EXを“0”として広帯域スペクトルを作成する。そうすると、作成手段8は、その作成した広帯域スペクトルを検出手段9へ出力する。
検出手段9は、広帯域スペクトルを作成手段8から受け、その受けた広帯域スペクトルに基づいて、素波の平均存在時間tの実測値t0、平均素波数mの実測値m0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを検出する。そして、検出手段9は、その検出した素波の平均存在時間tの実測値t0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを継続時間発生手段2Bへ出力し、その検出した平均素波数mの実測値m0を周波数発生手段1Aへ出力する。
継続時間発生手段2Bは、素波の平均存在時間tの実測値t0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを検出手段9から受ける。そして、継続時間発生手段2Bは、素波の平均存在時間tを次式によって求める。
式(3)において、αは、補正係数である。
継続時間発生手段2Bは、補正係数αを初期値α0に設定して素波の平均存在時間t(=α0t0)を演算し、その演算した素波の平均存在時間t(=α0t0)を用いて式(2)に従って継続時間Tnを発生する。そして、継続時間発生手段2Bは、その発生した継続時間Tnを素波発生手段4Aへ出力する。
継続時間発生手段2Bは、素波wv_nを発生したことを示す信号SGEを素波発生手段4Aから受けると、式(2)に従って発生した継続時間Tn_calと継続時間の実測値Tn_actualとの誤差ΔTnを演算する。そして、継続時間発生手段2Bは、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であるか否かを判定する。なお、しきい値ΔTn_thは、測定データの分解能に依存し、例えば、0.01程度である。継続時間発生手段2Bは、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であると判定したとき、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であることを示す信号SYES_Tnを生成して素波発生手段4Aへ出力する。一方、継続時間発生手段2Bは、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下でないと判定したとき、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下でないことを示す信号SNO_Tnを生成して素波発生手段4Aへ出力する。
また、継続時間発生手段2Bは、補正係数αを初期値α0以外の値に設定するための信号Sαを素波発生手段4Aから受けると、補正係数αを初期値α0以外の値αNEWに設定し、その設定した値αNEWを用いて式(3)によって素波の平均存在時間t(=αNEWt0)を求め、その求めた素波の平均存在時間t(=αNEWt0)を用いて式(2)に従って継続時間Tnを発生する。そして、継続時間発生手段2Bは、その発生した継続時間Tnを素波発生手段4Aへ出力する。
周波数発生手段1Aは、平均素波数mの実測値m0を検出手段9から受ける。そして、周波数発生手段1Aは、平均素波数mを次式によって求める。
式(4)において、βは、補正係数である。
周波数発生手段1Aは、補正係数βを初期値β0に設定して平均素波数m(=β0m0)を演算する。そして、周波数発生手段1Aは、平均素波数m(=β0m0)を用いて式(1)に従って周波数fnを発生し、その発生した周波数fnを素波発生手段4Aへ出力する。
周波数発生手段1Aは、平均素波数m_calを素波発生手段4Aから受けると、平均素波数m_calと平均素波数mの実測値m0との誤差Δmを演算する。そして、周波数発生手段1Aは、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であるか否かを判定する。なお、しきい値Δm_thは、測定データの分解能に依存し、例えば、0.01程度である。周波数発生手段1Aは、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であると判定したとき、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であることを示す信号SYES_Δmを生成して素波発生手段4Aへ出力する。一方、周波数発生手段1Aは、誤差Δmがしきい値Δm_th以下でないと判定したとき、誤差Δmがしきい値Δm_th以下でないことを示す信号SNO_Δmを生成して素波発生手段4Aへ出力する。
また、周波数発生手段1Aは、補正係数βを初期値β0以外の値に設定するための信号Sβを素波発生手段4Aから受けると、補正係数βを初期値β0以外の値βNEWに設定し、その設定した値βNEWを用いて式(4)によって平均素波数m(=βNEWm0)を求め、その求めた平均素波数m(=βNEWm0)を用いて式(1)に従って周波数fnを発生する。そして、周波数発生手段1Aは、その発生した周波数fnを素波発生手段4Aへ出力する。
継続時間発生手段2Bは、ΔTn≦しきい値ΔTn_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数αoptを検出するための信号Sopt_αを素波発生手段4Aから受けるまで上述した動作を繰り返し実行する。そして、継続時間発生手段2Bは、信号Sopt_αを素波発生手段4Aから受けると、ΔTn≦しきい値ΔTn_thになるときの補正係数αoptを検出し、その検出した補正係数αoptを式(3)に代入して素波の平均存在時間t(=αoptt0)を求め、その求めた素波の平均存在時間t(=αoptt0)を用いて式(2)に従って継続時間Tnを演算する。そうすると、継続時間発生手段2Bは、継続時間Tnを素波発生手段4Aへ出力する。
また、周波数発生手段1Aは、ΔTn≦しきい値ΔTn_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出するための信号Sopt_βを素波発生手段4Aから受けるまで上述した動作を繰り返し実行する。そして、周波数発生手段1Aは、信号Sopt_βを素波発生手段4Aから受けると、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出し、その検出した補正係数βoptを式(4)に代入して平均素波数m(=βoptm0)を求め、その求めた平均素波数m(=βoptm0)を用いて式(1)に従って周波数fnを発生する。そうすると、周波数発生手段1Aは、周波数fnを素波発生手段4Aへ出力する。
素波発生手段4Aは、周波数発生手段1Aから周波数fnを受け、継続時間発生手段2Bから継続時間Tnを受け、電力発生手段3から素波電力Pnを受ける。そして、素波発生手段4Aは、周波数fnにおいて電波の利用が開始される時間で発生し、その発生した時間から継続時間Tnの間、素波電力Pnを有する素波wv_nを発生する。
素波発生手段4Aは、素波wv_nを発生すると、その発生した素波wv_nの平均素波数m_calを検出するとともに信号SGEを生成する。そして、素波発生手段4Aは、平均素波数m_calを周波数発生手段1Aへ出力し、信号GEを継続時間発生手段2Bへ出力する。
また、素波発生手段4Aは、次の(i)〜(iii)のいずれかの場合、信号Sα,Sβを生成し、その生成した信号Sαを継続時間発生手段2Bへ出力し、その生成した信号Sβを周波数発生手段1Aへ出力する。
一方、素波発生手段4Aは、次の(iv)の場合、信号Sopt_α,Sopt_βを生成し、その生成した信号Sopt_αを継続時間発生手段2Bへ出力し、その生成した信号Sopt_βを周波数発生手段1Aへ出力する。
(i)周波数発生手段1Aから信号SNO_Δmを受け、かつ、継続時間発生手段2Bから信号SNO_ΔTnを受けたとき
(ii)周波数発生手段1Aから信号SYES_Δmを受け、かつ、継続時間発生手段2Bから信号SNO_ΔTnを受けたとき
(iii)周波数発生手段1Aから信号SNO_Δmを受け、かつ、継続時間発生手段2Bから信号SYES_ΔTnを受けたとき
(iv)周波数発生手段1Aから信号SYES_Δmを受け、かつ、継続時間発生手段2Bから信号SYES_ΔTnを受けたとき
素波発生手段4Aは、補正係数αoptを用いて発生された継続時間Tnを継続時間発生手段2Bから受け、補正係数βoptを用いて発生された周波数fnを周波数発生手段1Aから受け、素波電力Pnを電力発生手段3から受けると、その受けた継続時間Tn、周波数fnおよび素波電力Pnを用いて、周波数fnにおいて電波の利用が開始される時間で発生し、その発生した時間から継続時間Tnの間、素波電力Pnを有する素波wv_nを発生する。
図12は、実測された受信電力と周波数との関係を示す図である。図12において、縦軸は、受信電力[dBm]を表し、横軸は、周波数[GHz]を表す。また、曲線k3は、最大電力を示し、曲線k4は、平均電力を示す。更に、しきい値RSSI_thは、−95[dBm]である。なお、図12に示す受信電力と周波数との関係は、横浜の市街地で測定された受信電力と周波数との関係を示す。そして、測定時間は、10分であり、観測帯域は、2.0〜6.0[GHz]である。また、図12において、受信電力は、図12の紙面に垂直な方向である時間方向にも存在する。図12を参照して、最大電力および平均電力は、周波数に対して変動しており(曲線k3,k4参照)、図示されていないが、時間に対しても変動している。
図13は、広帯域スペクトルの実測例を示す図である。図13において、縦軸は、時間[s]を表し、横軸は、周波数[GHz]を表す。また、図13において、黒部分は、受信電力がしきい値RSSI_th以上である電波を示し、白部分は、受信電力がしきい値RSSI_thよりも低い電波を示す。図13に示すように、広帯域スペクトルにおいては、受信電力がしきい値RSSI_th以上である電波と、受信電力がしきい値RSSI_thよりも小さい電波とが周波数方向および時間方向に対して分布していることが分かる。
作成手段8は、受信手段6から図12に示す受信電力と周波数(および時間)との関係を受ける。そして、作成手段8は、受信電力と周波数(および時間)との関係に基づいて、受信電力がしきい値RSSI_th以上である電波を“1”で表し、受信電力がしきい値RSSI_thよりも小さい電波を“0”で表して広帯域スペクトル(図13参照)を作成する。
図14は、図11に示す素波発生装置10Bの動作を説明するためのフローチャートである。図14を参照して、一連の動作が開始されると、素波発生装置10Bの作成手段8は、上述した方法によって、広帯域スペクトルを作成する(ステップS31)。そして、作成手段8は、広帯域スペクトルを検出手段9へ出力する。
検出手段9は、広帯域スペクトルを作成手段8から受け、その受けた広帯域スペクトルに基づいて、素波の平均存在時間の実測値t0、平均素波数mの実測値m0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを検出し(ステップS32)、その検出した素波の平均存在時間の実測値t0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを継続時間発生手段2Bへ出力し、平均素波数mの実測値m0を周波数発生手段1Aへ出力する。
継続時間発生手段2Bは、素波の平均存在時間の実測値t0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを検出手段9から受ける。周波数発生手段1Aは、平均素波数mの実測値m0を検出手段9から受ける。
そして、継続時間発生手段2Bは、補正係数αを初期値α0に設定し、周波数発生手段1Aは、補正係数βを初期値β0に設定する(ステップS33)。
引き続いて、継続時間発生手段2Bは、t=αt0(α=α0)によって素波の平均存在時間tを演算し、周波数発生手段1Aは、m=βm0(β=β0)によって平均素波数mを演算する(ステップS34)。そして、継続時間発生手段2Bは、素波の平均存在時間t(=αt0)を用いて式(2)に従って継続時間Tnを発生し、その発生した継続時間Tnを素波発生手段4Aへ出力する。また、周波数発生手段1Aは、平均素波数m(=βm0)を用いて式(1)に従って周波数fnを発生し、その発生した周波数fnと、平均素波数m(=βm0)とを素波発生手段4Aへ出力する。更に、電力発生手段3は、素波電力Pnを発生し、その発生した素波電力Pnを素波発生手段4Aへ出力する。
素波発生手段4Aは、周波数fnおよび平均素波数m(=βm0)を周波数発生手段1Aから受け、継続時間Tnを継続時間発生手段2Bから受け、素波電力Pnを電力発生手段3から受ける。そして、素波発生手段4Aは、周波数fn、継続時間Tnおよび素波電力Pnに基づいて、上述した方法によって素波wv_nを発生する。即ち、素波発生手段4Aは、素波の平均存在時間t(=αt0)および平均素波数m(=βm0)を用いて、上述した方法(図5に示すステップS12〜ステップS16)によって、素波wv_nを発生する(ステップS35)。この場合、素波発生手段4Aは、平均素波数m(=βm0)を用いて図5に示すステップS16を実行する。
その後、素波発生手段4Aは、発生した素波wv_nの平均素波数m_calを検出する(ステップS36)。そして、素波発生手段4Aは、平均素波数m_calを周波数発生手段1Aへ出力し、信号SGEを生成して継続時間発生手段2Bへ出力する。
周波数発生手段1Aは、素波発生手段4Aからの平均素波数m_calに応じて、平均素波数m_calと平均素波数の実測値m0との誤差Δm(=m0−m_cal)を演算し、継続時間発生手段2Bは、素波発生手段4Aからの信号SGEに応じて、素波wv_nを発生する過程で式(2)に従って演算した継続時間Tn_calと継続時間の実測値Tn_actualとの誤差ΔTn(=Tn_actual−Tn_cal)を演算する(ステップS37)。
その後、周波数発生手段1Aは、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値Δm_th以下であるか否かを判定する。そして、周波数発生手段1Aは、その判定結果に応じて、信号SYES_Δmまたは信号SNO_Δmを生成して素波発生手段4Aへ出力する。
また、継続時間発生手段2Bは、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であるか否かを判定する。そして、継続時間発生手段2Bは、その判定結果に応じて、信号SYES_ΔTnまたは信号SNO_ΔTnを生成して素波発生手段4Aへ出力する。
素波発生手段4Aは、周波数発生手段1Aから信号SYES_Δmを受け、かつ、継続時間発生手段2Bから信号SYES_ΔTnを受けたか否かを判定することによって、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であり、かつ、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であるか否かを判定する(ステップS38)。
ステップS38において、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であること、および誤差Δmがしきい値Δm_th以下であることの少なくとも一方が成り立たないと判定されたとき(上述した(i)〜(iii)のいずれかのとき)、素波発生手段4Aは、補正係数αを初期値α0以外の値に設定するための信号Sαを生成して継続時間発生手段2Bへ出力し、補正係数βを初期値β0以外の値に設定するための信号Sβを生成して周波数発生手段1Aへ出力する。継続時間発生手段2Bは、信号Sαに応じて補正係数αを初期値α0以外の値αNEWに設定し、周波数発生手段1Aは、信号Sβに応じて補正係数βを初期値β0以外の値βNEWに設定する(ステップS39)。その後、一連の動作は、ステップS34に戻り、ステップS38において、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であり、かつ、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であると判定される(上述した(iv)のとき)まで、ステップS34〜ステップS39が繰り返し実行される。
そして、ステップS38において、誤差ΔTnがしきい値ΔTn_th以下であり、かつ、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であると判定されると、素波発生手段4Aは、ΔTn≦しきい値ΔTn_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数αoptを検出するための信号Sopt_αを生成して継続時間発生手段2Bへ出力し、ΔTn≦しきい値ΔTn_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出するための信号Sopt_βを生成して周波数発生手段1Aへ出力する。継続時間発生手段2Bは、信号Sopt_αに応じて補正係数αoptを検出し、周波数発生手段1Aは、信号Sopt_βに応じて補正係数βoptを検出する(ステップS40)。そして、継続時間発生手段2Bは、補正係数αoptを用いて素波の平均存在時間t(=αoptt0)を求め、その求めた素波の平均存在時間t(=αoptt0)を用いて式(2)に従って継続時間Tn(αopt)を発生して素波発生手段4Aへ出力する。また、周波数発生手段1Aは、補正係数βoptを用いて平均素波数m(=βoptm0)を求め、その求めた平均素波数m(=βoptm0)を用いて式(1)に従って周波数fn(βopt)を発生する。そして、周波数発生手段1Aは、平均素波数m(=βoptm0)および周波数fn(βopt)を素波発生手段4Aへ出力する。
そうすると、素波発生手段4Aは、継続時間Tn(αopt)、周波数fn(βopt)および素波電力Pnに基づいて、上述した方法によって素波wv_nを発生する。即ち、素波発生手段4Aは、素波の平均存在時間t(=αoptt0)および平均素波数m(=βoptm0)を用いて、上述した方法(図5に示すステップS12〜ステップS16)によって素波wv_nを発生する(ステップS41)。この場合、素波発生手段4Aは、平均素波数m(=βoptm0)を用いて図5に示すステップS16を実行する。これにより、素波発生装置10Bの動作が終了する。
このように、素波発生装置10Bは、素波wv_nの継続時間Tn_calが実測値Tn_actualに近づき、かつ、素波wv_nの平均素波数m_calが実測値m0に近づくように補正係数α,βを決定し、その決定した補正係数α,βを用いて演算した平均存在時間tおよび平均素波数mに基づいて、素波wv_nを発生する。従って、実測された電波との誤差が小さい素波を発生させることができる。
そして、図14に示すフローチャートに従って素波wv_nを発生することは、実測された電波の継続時間に近くなるように補正された電波の継続時間と、実測された単位時間当たりの平均素波数に近くなるように補正された単位時間当たりの平均素波数とを用いて素波wv_nを発生することに相当する。
なお、補正係数α,βが必要となる理由は、次のとおりである。電波の実測データ(有限のサンプル数)から確率関数(無線のサンプル数を仮定した統計値)を求めるため、サンプルに偏りが生じる。従って、この偏りを補正するために補正係数α,βが必要となる。
図15は、継続時間Tn、平均素波数mおよび素波の空間密度の実測値と計算値との比較を示す図である。図15において、素波の空間密度Nは、電波の観測時間(例えば、10分)と観測帯域幅(例えば、400MHz)との積である。より具体的には、例えば、観測時間の最小単位を1秒、観測帯域幅の最小単位を1Hzとし、これらを粒度とする。また、電波の利用状況を粒度に分解し、利用されている状況を“1”、利用されていない状況を“0”と置く。観測時間の粒度と観測帯域幅の粒度の積を分母、電波の利用状況における“1”となる総数を分子に置き、その比を空間密度Nと定義する。
図15を参照して、補正係数α,βの両方を“1”に設定した場合、継続時間Tn、平均素波数mおよび素波の空間密度Nの計算値は、実測値との誤差が大きい。一方、補正係数αを“0.37”に設定し、補正係数βを“1.37”に設定した場合、継続時間Tn、平均素波数mおよび素波の空間密度Nの計算値は、実測値との誤差が小さい。
従って、補正係数α,βを用いて素波の平均存在時間tおよび平均素波数mを補正することによって、実測値に近い継続時間Tn、平均素波数mおよび素波の空間密度Nを有する素波が得られることを実証できた。
[実施の形態4]
図16は、実施の形態4による素波発生装置の概略図である。図16を参照して、実施の形態4による素波発生装置10Cは、アンテナ5と、受信手段6と、選択手段7と、作成手段8と、検出手段9と、周波数発生手段11Aと、処理ユニット131〜13mとを備える。
受信手段6、選択手段7、作成手段8および検出手段9の動作については、上述したとおりである。この場合、検出手段9は、その検出した素波の平均存在時間の実測値t0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aへ出力し、平均素波数mの実測値m0を周波数発生手段11Aへ出力する。
周波数発生手段11Aは、平均素波数mの実測値m0を検出手段9から受ける。そして、周波数発生手段11Aは、素波発生装置10Bの周波数発生手段1Aと同じ方法によって周波数fnを発生し、その発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいか否かを判定する。この場合、平均素波数mは、m=βm0に設定されている。
周波数発生手段11Aは、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しくないと判定したとき、周波数分解能Δbwを変更して式(1)に従って周波数fnを発生する。
周波数発生手段11Aは、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されるまで、式(1)に従って周波数fnを発生する動作を繰り返し実行する。
そして、周波数発生手段11Aは、発生した周波数fnの個数が平均素波数mに等しいと判定されると、最終的に発生した周波数f1〜fmをそれぞれ処理ユニット131〜13mへ出力する。
周波数発生手段11Aは、処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aからそれぞれ信号SGE_1〜SGE_mを受けると、信号SGE_1〜SGE_mの個数を平均素波数m_calとして検出する。なお、信号GE_1〜SGE_mは、それぞれ、処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aによって素波wv_1〜wv_mが発生されたことを示す信号である。
周波数発生手段11Aは、平均素波数m_calを検出すると、上述した誤差Δm(=m0−m_cal)を演算し、その演算した誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値m_th以下であるか否かを判定する。周波数発生手段11Aは、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値m_th以下であると判定したとき、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値m_th以下であることを示す信号SYES_Δm_1〜SYES_Δm_mを生成し、その生成した信号SYES_Δm_1〜SYES_Δm_mをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aへ出力する。
一方、周波数発生手段11Aは、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値m_th以下でないと判定したとき、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値m_th以下でないことを示す信号SNO_Δm_1〜SNO_Δm_mを生成し、その生成した信号SNO_Δm_1〜SNO_Δm_mをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aへ出力する。
その後、周波数発生手段11Aは、補正係数βを初期値β0以外の値に設定するための信号Sβ_1〜Sβ_mをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aから受けると、補正係数βを初期値β0以外の値βNEWに設定し、その設定した値βNEWを用いて式(4)によって平均素波数m(=βNEWm0)を求め、その求めた平均素波数m(=βNEWm0)を用いて式(1)に従って周波数fnを発生する。そして、周波数発生手段11Aは、その発生した周波数fnの個数が平均素波数m(=βNEWm0)に等しいと判定されるまで式(1)に従って周波数fnを発生する動作を繰り返し実行する。
周波数発生手段11Aは、周波数fnの個数が平均素波数m(=βNEWm0)に等しいと判定されると、最終的に発生した周波数f1〜fmをそれぞれ処理ユニット131〜13mへ出力する。
その後、周波数発生手段11Aは、ΔTn≦しきい値ΔTn_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出するための信号Sopt_β_1〜Sopt_β_mをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aから受けるまで上述した動作を繰り返し実行する。そして、周波数発生手段11Aは、信号Sopt_β_1〜Sopt_β_mをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aから受けると、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出し、その検出した補正係数βoptを式(4)に代入して平均素波数m(=βoptm0)を求め、その求めた平均素波数m(=βoptm0)を用いて式(1)に従って周波数fnを発生する。そうすると、周波数発生手段11Aは、周波数fnの個数が平均素波数m(=βNEWm0)に等しいと判定されたときの周波数f1〜fmをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aへ出力する。
処理ユニット131〜13mは、平均素波数mに対応して設けられる。処理ユニット131は、周波数発生手段11Aから周波数f1を受け、周波数f1を受けたタイミングで素波が発生することを検知する。そして、処理ユニット131は、上述した方法によって、素波電力P1を発生し、素波発生装置10Bの継続時間発生手段2Bと同じ方法によって、継続時間T1を発生する。
処理ユニット131は、継続時間T1を発生すると、その発生した継続時間T1が終了しているか否かを上述した方法によって判定する。そして、処理ユニット131は、継続時間T1が終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間T1を発生する動作を繰り返し実行する。この場合、処理ユニット131は、時間分解能Δtを変化させて、式(2)に従って継続時間T1を発生する動作を繰り返し実行する。
処理ユニット131は、継続時間T1が終了していると判定されると、素波電力Ps1=0を発生する。その後、処理ユニット131は、素波が発生していない継続時間Ts1を式(2)に従って発生する。
処理ユニット131は、継続時間Ts1を発生すると、その発生した継続時間Ts1が終了しているか否かを判定する。そして、処理ユニット131は、継続時間Ts1が終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間Ts1を発生する動作を繰り返し実行する。この場合、処理ユニット131は、時間分解能Δtを変化させて、式(2)に従って継続時間Ts1を発生する動作を繰り返し実行する。
処理ユニット131は、継続時間Ts1が終了していると判定されると、周波数f1において、素波電力P1および継続時間T1を有する素波wv_1と、素波電力Ps1=0および継続時間Ts1を有する素波の不発生とを発生させる。
処理ユニット132〜13mは、それぞれ、周波数f2〜fmを周波数発生手段11Aから受けると、処理ユニット131と同じ動作によって、それぞれ、周波数f2〜fmにおいて、素波電力P2〜Pmおよび継続時間T2〜Tmを有する素波wv_2〜wv_mと、素波電力Ps2〜Psm=0および継続時間Ts2〜Tsmを有する素波の不発生とを発生させる。そして、処理ユニット131〜13mは、上述した動作を並列に実行する。
処理ユニット131〜13mの各々は、電力発生手段21と、継続時間発生手段22Aと、素波発生手段23Aとを含む。
処理ユニット13mの電力発生手段21は、周波数fmを周波数発生手段11Aから受けると、素波発生装置10の電力発生手段3と同じ方法によって素波電力Pmを発生し、その発生した素波電力Pmを素波発生手段23Aへ出力する。
また、電力発生手段21は、信号S_Z1を素波発生手段23Aから受けると、素波電力Psm=0を発生し、その発生した素波電力Psm=0を素波発生手段23Aへ出力する。
処理ユニット13mの継続時間発生手段22Aは、周波数fmを周波数発生手段11Aから受け、素波の平均存在時間の実測値t0および素波の継続時間の実測値Tn_actualを検出手段9から受ける。そして、継続時間発生手段22Aは、補正係数αを初期値α0に設定して式(3)に従って素波の平均存在時間t(=α0t0)を演算し、その演算した素波の平均存在時間t(=α0t0)を用いて式(2)に従って継続時間Tmを発生する。
継続時間発生手段22Aは、継続時間Tmを発生すると、その発生した継続時間Tmが終了しているか否かを上述した方法によって判定する。そして、継続時間発生手段22Aは、継続時間Tmが終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間Tmを発生する動作を繰り返し実行する。この場合、継続時間発生手段22Aは、時間分解能Δtを変えて継続時間Tmを発生する動作を繰り返し実行する。
継続時間発生手段22Aは、継続時間Tmが終了していると判定すると、最終的に発生した継続時間Tmを素波発生手段23Aへ出力する。
また、継続時間発生手段22Aは、信号S_Z2を素波発生手段23Aから受けると、素波が発生していないことが継続する継続時間Tsmを式(2)に従って発生する。
そして、継続時間発生手段22Aは、継続時間Tsmを発生すると、その発生した継続時間Tsmが終了しているか否かを上述した方法によって判定する。その後、継続時間発生手段22Aは、継続時間Tsmが終了していると判定されるまで、式(2)に従って継続時間Tsmを発生する動作を繰り返し実行する。この場合、継続時間発生手段22Aは、時間分解能Δtを変えて継続時間Tsmを発生する動作を繰り返し実行する。
継続時間発生手段22Aは、継続時間Tsmが終了していると判定すると、最終的に発生した継続時間Tsmを素波発生手段23Aへ出力する。
その後、継続時間発生手段22Aは、素波wv_mを発生したことを示す信号SGE_mを素波発生手段23Aから受けると、式(2)に従って発生した継続時間Tmと継続時間の実測値Tn_actualとの誤差ΔTmを演算し、その演算した誤差ΔTmがしきい値ΔTm_th以下であるか否かを判定する。
継続時間発生手段22Aは、誤差ΔTmがしきい値ΔTm_th以下であると判定したとき、誤差ΔTmがしきい値ΔTm_th以下であることを示す信号SYES_ΔTm_mを生成して素波発生手段23Aへ出力する。一方、継続時間発生手段22Aは、誤差ΔTmがしきい値ΔTm_th以下でないと判定したとき、誤差ΔTmがしきい値ΔTm_th以下でないことを示す信号SNO_ΔTm_mを生成して素波発生手段23Aへ出力する。
そして、継続時間発生手段22Aは、補正係数αを初期値α0以外の値に設定するための信号Sα_mを素波発生手段23Aから受けると、補正係数αを初期値α0以外の値αNEWに設定し、その設定した値αNEWを用いて式(3)によって素波の平均存在時間t(=αNEWt0)を求め、その求めた素波の平均存在時間t(=αNEWt0)を用いて式(2)に従って継続時間Tmを発生する。そして、継続時間発生手段22Aは、その発生した継続時間Tmを素波発生手段23Aへ出力する。
継続時間発生手段22Aは、ΔTm≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数αopt_mを検出するための信号Sopt_α_mを素波発生手段23Aから受けるまで上述した動作を繰り返し実行する。そして、継続時間発生手段22Aは、信号Sopt_α_mを素波発生手段23Aから受けると、ΔTm≦しきい値ΔTm_thになるときの補正係数αopt_mを検出し、その検出した補正係数αopt_mを式(3)に代入して素波の平均存在時間t(=αoptt0)を求め、その求めた素波の平均存在時間t(=αoptt0)を用いて式(2)に従って継続時間Tmを演算する。そうすると、継続時間発生手段2Bは、継続時間Tmを素波発生手段23Aへ出力する。
処理ユニット13mの素波発生手段23Aは、周波数発生手段11Aから周波数fmを受け、電力発生手段21から素波電力Pmを受け、継続時間発生手段22Aから継続時間Tmを受ける。そして、素波発生手段23Aは、素波電力Pmおよび継続時間Tmを受けると、信号S_Z1および信号S_Z2を生成し、その生成した信号S_Z1を電力発生手段21へ出力し、信号S_Z2を継続時間発生手段22Aへ出力する。
また、素波発生手段23Aは、素波電力Psm=0を電力発生手段21から受け、継続時間Tsmを継続時間発生手段22Aから受ける。
そうすると、素波発生手段23Aは、周波数fmにおいて、素波電力Pmおよび継続時間Tmを有する素波wv_mと、素波電力Psm=0および継続時間Tsmを有する素波の不発生とを発生させる。
その後、素波発生手段23Aは、信号SYES_Δm_mまたは信号SNO_Δm_mを周波数発生手段11Aから受け、信号SYES_ΔTm_mまたは信号SNO_ΔTm_mを継続時間発生手段22Aから受ける。そして、素波発生手段23Aは、次の(v)〜(vii)のいずれかの場合、信号Sα_m,Sβ_mを生成し、その生成した信号Sα_mを継続時間発生手段22Aへ出力し、その生成した信号Sβ_mを周波数発生手段11Aへ出力する。
一方、素波発生手段23Aは、次の(viii)の場合、信号Sopt_α_m,Sopt_β_mを生成し、その生成した信号Sopt_α_mを継続時間発生手段22Aへ出力し、その生成した信号Sopt_β_mを周波数発生手段11Aへ出力する。
(v)周波数発生手段11Aから信号SNO_Δm_mを受け、かつ、継続時間発生手段22Aから信号SNO_ΔTm_mを受けたとき
(vi)周波数発生手段11Aから信号SYES_Δm_mを受け、かつ、継続時間発生手段22Aから信号SNO_ΔTm_mを受けたとき
(vii)周波数発生手段11Aから信号SNO_Δm_mを受け、かつ、継続時間発生手段22Aから信号SYES_ΔTm_mを受けたとき
(viii)周波数発生手段11Aから信号SYES_Δm_mを受け、かつ、継続時間発生手段22Aから信号SYES_ΔTm_mを受けたとき
素波発生手段23Aは、補正係数αopt_mを用いて発生された継続時間Tmを継続時間発生手段22Aから受け、補正係数βopt_mを用いて発生された周波数fmを周波数発生手段11Aから受け、素波電力Pmを電力発生手段21から受けると、その受けた継続時間Tm、周波数fmおよび素波電力Pmを用いて、周波数fmにおいて電波の利用が開始される時間で発生し、その発生した時間から継続時間Tmの間、素波電力Pmを有する素波wv_mを発生する。
処理ユニット131〜13m−1の各々において、電力発生手段21、継続時間発生手段22Aおよび素波発生手段23Aは、それぞれ、上述した処理ユニット13mの電力発生手段21、継続時間発生手段22Aおよび素波発生手段23Aと同じ動作を行う。
図17は、図16に示す素波発生装置10Cの動作を説明するためのフローチャートである。図17に示すフローチャートは、図14に示すフローチャートのステップS35をステップ50に代え、図14に示すフローチャートのステップS41をステップ51,S52に代えたものであり、その他は、図14に示すフローチャートと同じである。
図17を参照して、素波発生装置10Cの動作が開始されると、上述したステップS31〜ステップS34が順次実行される。そして、ステップS34の後、素波発生装置10Cは、平均存在時間t(=αt0)および平均素波数m(=βm0)を用いて素波wv_mの発生を平均素波数m(=βm0)分だけ並列して実行する(ステップS50)。
引き続いて、上述したステップS36〜ステップS38が順次実行され、ステップS38において、ΔTm≦ΔTm_thおよびΔm≦Δm_thの少なくとも1つが成立しないと判定されたとき、上述したステップS39が実行される。
その後、一連の動作は、ステップS34へ移行し、ステップS38において、ΔTm≦ΔTm_thであり、かつ、Δm≦Δm_thであると判定されるまで、上述したステップS34,S50,S36〜S39が繰り返し実行される。
そして、ステップS38において、ΔTm≦ΔTm_thであり、かつ、Δm≦Δm_thであると判定されると、上述したステップS40が実行される。その後、素波発生装置10Cは、t=αoptt0によって素波の平均存在時間tを演算し、m=βoptm0によって平均素波数mを演算する(ステップS51)。
そして、素波発生装置10Cは、平均存在時間t(=αoptt0)および平均素波数m(=βoptm0)を用いて素波wv_mの発生を平均素波数m(=βoptm0)分だけ並列して実行する(ステップS52)。これによって、素波発生装置10Cの動作が終了する。
図17に示すフローチャートに従って素波発生装置10Cの動作が実行される場合、ステップS33において、処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、補正係数αを初期値α0に設定し、周波数発生手段11Aは、補正係数βを初期値β0に設定する。
また、ステップS34において、処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、t=αt0(α=α0)によって素波の平均存在時間tを演算し、周波数発生手段11Aは、m=βm0(β=β0)によって平均素波数mを演算する。
更に、ステップS36において、周波数発生手段11Aは、処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aからそれぞれ受けた信号SGE_1〜SGE_mの個数を平均素波数m_calとして検出する。
更に、ステップS37において、周波数発生手段11Aは、平均素波数m_calと平均素波数の実測値m0との誤差Δm(=m0−m_cal)を演算し、処理ユニット131の継続時間発生手段22Aは、素波wv_1を発生したことを示す信号SGE_1を素波発生手段23Aから受けると、式(2)に従って発生した継続時間T1と継続時間の実測値T1_actualとの誤差ΔT1を演算し、処理ユニット132の継続時間発生手段22Aは、素波wv_2を発生したことを示す信号SGE_2を素波発生手段23Aから受けると、式(2)に従って発生した継続時間T2と継続時間の実測値T2_actualとの誤差ΔT2を演算し、以下、同様にして、処理ユニット13mの継続時間発生手段22Aは、素波wv_mを発生したことを示す信号SGE_mを素波発生手段23Aから受けると、式(2)に従って発生した継続時間Tmと継続時間の実測値Tm_actualとの誤差ΔTmを演算する。
更に、ステップS38において、周波数発生手段11Aは、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値Δm_th以下であるか否かを判定し、処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、それぞれ、誤差ΔT1〜ΔTmがしきい値ΔTm_th以下であるか否かを判定する。そして、周波数発生手段11Aは、誤差Δm(=m0−m_cal)がしきい値Δm_th以下であるか否かの判定結果に応じて、信号SYES_Δm_mまたは信号SNO_Δm_mを生成して処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aへ出力し、処理ユニット131の継続時間発生手段22Aは、誤差ΔT1がしきい値ΔTm_th以下であるか否かの判定結果に応じて、信号SYES_ΔTm_1または信号SNO_ΔTm_1を生成して素波発生手段23Aへ出力し、処理ユニット132の継続時間発生手段22Aは、誤差ΔT2がしきい値ΔTm_th以下であるか否かの判定結果に応じて、信号SYES_ΔTm_2または信号SNO_ΔTm_2を生成して素波発生手段23Aへ出力し、以下、同様にして、処理ユニット13mの継続時間発生手段22Aは、誤差ΔTmがしきい値ΔTm_th以下であるか否かの判定結果に応じて、信号SYES_ΔTm_mまたは信号SNO_ΔTm_mを生成して素波発生手段23Aへ出力する。
処理ユニット131の素波発生手段23Aは、信号SYES_Δm_1または信号SNO_Δm_1を周波数発生手段11Aから受け、信号SYES_ΔTm_1または信号SNO_ΔTm_1を継続時間発生手段22Aから受ける。また、処理ユニット132の素波発生手段23Aは、信号SYES_Δm_2または信号SNO_Δm_2を周波数発生手段11Aから受け、信号SYES_ΔTm_2または信号SNO_ΔTm_2を継続時間発生手段22Aから受ける。以下、同様にして、処理ユニット13mの素波発生手段23Aは、信号SYES_Δm_mまたは信号SNO_Δm_mを周波数発生手段11Aから受け、信号SYES_ΔTm_mまたは信号SNO_ΔTm_mを継続時間発生手段22Aから受ける。
処理ユニット131の素波発生手段23Aは、上述した(v)〜(vii)のいずれかであるとき、補正係数αを初期値α0以外の値に設定するための信号Sα_1を生成して継続時間発生手段22Aへ出力し、補正係数βを初期値β0以外の値に設定するための信号Sβ_1を生成して周波数発生手段11Aへ出力する。また、処理ユニット132の素波発生手段23Aは、上述した(v)〜(vii)のいずれかであるとき、補正係数αを初期値α0以外の値に設定するための信号Sα_2を生成して継続時間発生手段22Aへ出力し、補正係数βを初期値β0以外の値に設定するための信号Sβ_2を生成して周波数発生手段11Aへ出力する。以下、同様にして、処理ユニット13mの素波発生手段23Aは、上述した(v)〜(vii)のいずれかであるとき、補正係数αを初期値α0以外の値に設定するための信号Sα_3を生成して継続時間発生手段22Aへ出力し、補正係数βを初期値β0以外の値に設定するための信号Sβ_3を生成して周波数発生手段11Aへ出力する。
処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、それぞれ、信号Sα_1〜Sα_mに応じて、補正係数αを初期値α0以外の値αNEWに設定し、周波数発生手段11Aは、信号Sβ_1〜Sβ_mに応じて補正係数βを初期値β0以外の値βNEWに設定する(ステップS39)。
その後、一連の動作は、ステップS34に戻り、ステップS38において、誤差ΔT1〜ΔTmがしきい値ΔTm_th以下であり、かつ、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であると判定される(上述した(viii)のとき)まで、ステップS34〜ステップS39が繰り返し実行される。
そして、ステップS38において、誤差ΔT1がしきい値ΔTm_th以下であり、かつ、誤差Δmがしきい値Δm_th以下であると判定されると、処理ユニット131の素波発生手段11Aは、ΔT1≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数αoptを検出するための信号Sopt_α_1を生成して継続時間発生手段22Aへ出力し、ΔT1≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出するための信号Sopt_β_1を生成して周波数発生手段11Aへ出力する。
また、処理ユニット132の素波発生手段11Aは、ΔT2≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数αoptを検出するための信号Sopt_α_2を生成して継続時間発生手段22Aへ出力し、ΔT2≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出するための信号Sopt_β_2を生成して周波数発生手段11Aへ出力する。
以下、同様にして、処理ユニット13mの素波発生手段11Aは、ΔTm≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数αoptを検出するための信号Sopt_α_mを生成して継続時間発生手段22Aへ出力し、ΔT1≦しきい値ΔTm_th、かつ、Δm≦しきい値Δm_thになるときの補正係数βoptを検出するための信号Sopt_β_mを生成して周波数発生手段11Aへ出力する。
処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、ステップS40において、それぞれ、信号Sopt_α_1〜Sopt_α_m〜に応じて補正係数αoptを検出し、周波数発生手段11Aは、信号Sopt_β_1〜Sopt_β_mに応じて補正係数βoptを検出する。
ステップS51において、周波数発生手段11Aは、平均素波数m(=βoptm0)を演算し、処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、素波の平均存在時間t(=αoptt0)を演算する。そして、周波数発生手段11Aは、平均素波数m(=βoptm0)を用いて式(1)に従って周波数f1〜fmを発生し、その発生した周波数f1〜fmをそれぞれ処理ユニット131〜13mの素波発生手段23Aへ出力する。また、処理ユニット131〜13mの継続時間発生手段22Aは、素波の平均存在時間t(=αoptt0)を用いて式(2)に従って、それぞれ、継続時間T1〜Tmを発生し、その発生した継続時間T1〜Tmを素波発生手段23Aへ出力する。
図18は、図17に示すステップS50の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図18に示すフローチャートは、図7に示すステップS22〜ステップS26のステップS22をステップS22Aに代えたものである。
図18を参照して、図17に示すステップS34の後、周波数発生手段11Aは、平均素波数m(=βm0)を用いてポアソン過程に従って(式(1)に従って)周波数fmを発生する(ステップS22A)。その後、上述したステップS23〜ステップS26が順次実行される。
図19は、図17に示すステップS52の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図19に示すフローチャートは、図7に示すステップS22〜ステップS26のステップS22をステップS22Bに代えたものである。
図19を参照して、図17に示すステップS40の後、周波数発生手段11Aは、平均素波数m(=βoptm0)を用いてポアソン過程に従って(式(1)に従って)周波数fmを発生する(ステップS22A)。その後、上述したステップS23〜ステップS26が順次実行される。
なお、図18および図19に示すステップS24,S25,S26の詳細な動作は、それぞれ、図8、図9および図10に示すフローチャートに従って実行される。
上述したように、素波発生装置10Cは、平均素波数mが実測値m0に近づき、かつ、素波の継続時間Tmが実測値Tm_actualに近づくように(素波の平均存在時間tが実測値t0に近づくように)複数の素波wv_1〜wv_mを並列に発生させる。
以下、素波発生装置10,10A,10B,10Cの応用例について説明する。
[応用例1]
図20は、応用例1における端末装置の概略図である。図20を参照して、端末装置100は、アンテナ101と、素波発生装置102と、検出手段103と、送信手段104とを備える。
素波発生装置102は、素波発生装置10からなる。そして、素波発生装置102は、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生し、その発生した素波wv_1〜wv_mを検出手段103へ出力する。
検出手段103は、素波wv_1〜wv_mを素波発生装置102から受ける。そして、検出手段103は、素波wv_1〜wv_mに基づいて、素波が発生していない周波数fEXおよび期間Tperiodを検出する。
そうすると、検出手段103は、期間Tperiodが始まるタイミングにおいて、アンテナ101を介して周波数fEXを有する電波の利用の有無を検出する(即ち、キャリアセンスを行う)。
そして、検出手段103は、キャリアセンスの結果を送信手段104へ出力する。
送信手段104は、キャリアセンスの結果を検出手段103から受ける。そして、送信手段104は、キャリアセンスの結果が電波の利用が無いことを示すとき、送信信号を生成し、その生成した送信信号をアンテナ101を介して送信する。
一方、送信手段104は、キャリアセンスの結果が電波の利用が有ることを示すとき、送信信号の送信を停止する。
図21は、図20に示す端末装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
図121を参照して、一連の動作が開始されると、素波発生装置102は、図7に示すフローチャート(図8〜図10に示すフローチャートを含む)に従って素波wv_1〜wv_mを発生する(ステップS61)。そして、素波発生装置102は、その発生した素波wv_1〜wv_mを検出手段103へ出力する。
検出手段103は、素波wv_1〜wv_mを素波発生装置102から受け、その受けた素波wv_1〜wv_mに基づいて、素波が発生していない周波数fEXおよび期間Tperiodを検出する(ステップS62)。
そして、検出手段103は、期間Tperiodが始まるタイミングにおいて、アンテナ101を介して周波数fEXを有する電波の利用の有無を検出(即ち、キャリアセンス)する(ステップS63)。
そうすると、検出手段103は、キャリアセンスの結果を送信手段104へ出力する。
送信手段104は、検出手段103から受けたキャリアセンスの結果に基づいて、電波の利用が有るか否かを判定する(ステップS64)。
ステップS64において、電波の利用が有ると判定されたとき、送信手段104は、送信信号の送信を停止する(ステップS65)。
一方、ステップS64において、電波の利用が無いと判定されたとき、送信手段104は、送信信号を送信する(ステップS66)。
そして、ステップS65またはステップS66の後、一連の動作は、終了する。
端末装置100は、素波発生装置102によって発生された素波wv_1〜wv_mに基づいて、素波が発生していない周波数fEXおよび期間Tperiodを検出し、期間Tperiodが始まるタイミングにおいて、周波数fEXを有する電波の利用の有無を検出するので(ステップS62,S63参照)、周波数fEXおよび期間Tperiodに基づいて、キャリアセンスを行う周波数と、キャリアセンスのタイミングとを予測することができ、キャリアセンスを迅速に開始し、電波の利用の有無を迅速に検知できる。
従って、端末装置100における信号の送信動作を迅速に行うことができる。
なお、端末装置100の素波発生装置102は、素波発生装置10に代えて素波発生装置10A,10B,10Cのいずれかからなっていてもよい。
素波発生装置102が素波発生装置10A,10B,10Cのいずれかからなる場合も、端末装置100の動作は、図21に示すフローチャートに従って実行される。
この場合、素波発生装置102は、より正確に素波wv_1〜wv_mを発生し、その発生した素波wv_1〜wv_mを検出手段103へ出力する。
従って、キャリアセンスを行う周波数fEXおよびタイミングを正確に予測することができ、キャリアセンスの信頼性を向上できる。
また、端末装置100の素波発生装置102が素波発生装置10A,10B,10Cのいずれかからなる場合、端末装置100は、実際にキャリアセンスを行わずに、検出した周波数fEXおよびタイミングにおいて送信信号を送信するようにしてもよい。
[応用例2]
図22は、応用例2における検出装置の概略図である。図22を参照して、検出装置200は、アンテナ201と、素波発生装置202と、受信手段203と、検出手段204とを備える。
素波発生装置202は、素波発生装置10からなる。そして、素波発生装置202は、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生し、その発生した素波wv_1〜wv_mを検出手段204へ出力する。
受信手段203は、無線通信に用いられる周波数帯域内の任意の周波数において、アンテナ201を介してキャリアセンスを行い、キャリアセンスの結果を検出手段204へ出力する。
検出手段204は、素波発生装置202から素波wv_1〜wv_mを受け、受信手段203からキャリアセンスの結果を受ける。
そして、検出手段204は、素波wv_1〜wv_mに基づいて継続時間T1〜Tmを検出する。また、検出手段204は、キャリアセンスの結果に基づいて、しきい値よりも大きい電力値を有する電波の継続時間TWVを検出する。なお、しきい値は、例えば、−80dBmである。
そうすると、検出手段204は、継続時間TWVが継続時間T1〜Tmと異なるか否かを判定する。
継続時間TWVが継続時間T1〜Tmと異なると判定されたとき、検出手段204は、継続時間TWVを有する電波を帯域外放射(スプリアス)として検出する。
図23は、図22に示す検出装置200の動作を説明するためのフローチャートである。
図23を参照して、一連の動作が開始されると、素波発生装置202は、図7に示すフローチャート(図8〜図10に示すフローチャートを含む)に従って素波wv_1〜wv_mを発生する(ステップS71)。そして、素波発生装置202は、その発生した素波wv_1〜wv_mを検出手段204へ出力する。
受信手段203は、無線通信に用いられる周波数帯域の任意の周波数でキャリアセンスを行う(ステップS72)。そして、受信手段203は、キャリアセンスの結果を検出手段204へ出力する。
検出手段204は、素波wv_1〜wv_mを素波発生装置202から受け、キャリアセンスの結果を受信手段203から受ける。
そして、検出手段204は、素波wv_1〜wv_mに基づいて継続時間T1〜Tmを検出し、キャリアセンスの結果に基づいて、しきい値よりも大きい電力値を有する電波の継続時間TWVを検出する(ステップS73)。
そうすると、検出手段204は、継続時間TWVが継続時間T1〜Tmと異なるか否かを判定する(ステップS74)。
ステップS74において、継続時間TWVが継続時間T1〜Tmと異なると判定されたとき、検出手段204は、継続時間TWVを有する電波を帯域外放射(スプリアス)として検出する(ステップS75)。
一方、ステップS74において、継続時間TWVが継続時間T1〜Tmと同じであると判定されたとき、検出手段204は、帯域外放射(スプリアス)を検出しなかったと判定する(ステップS76)。
そして、ステップS75またはステップS76の後、一連の動作は、終了する。
このように、検出装置200は、素波発生装置202によって発生された素波wv_1〜wv_mの継続時間T1〜Tmを用いることによって、帯域外放射(スプリアス)を検出できる。
なお、検出装置200の素波発生装置202は、素波発生装置10に代えて素波発生装置10A,10B,10Cのいずれかからなっていてもよい。
素波発生装置202が素波発生装置10A,10B,10Cのいずれかからなる場合も、検出装置200の動作は、図23に示すフローチャートに従って実行される。
その結果、素波発生装置10A,10B,10Cの各々は、上述したように、継続時間T1〜Tmを正確に発生させるので、帯域外放射(スプリアス)を正確に検出できる。
この発明の実施の形態においては、素波発生装置10,10A,10B,10Cの動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。
この場合、素波発生装置10,10A,10B,10Cの各々は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。
素波発生装置10のROMは、図5に示すフローチャートのステップS11〜S16を備えるプログラムProg_Aを格納する。
RAMは、周波数fn、継続時間Tnおよび素波電力Pnを一時的に格納する。
そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出して実行し、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生する。
また、素波発生装置10AのROMは、図7に示すフローチャート(図8〜図10に示すフローチャートを含む)のステップS21〜S26を備えるプログラムProg_Bを格納する。
RAMは、周波数fn、継続時間Tn,Tsおよび素波電力Pnを一時的に格納する。
そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Bを読み出して実行し、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生する。
更に、素波発生装置10BのROMは、図14に示すフローチャートのステップS31〜S41を備えるプログラムProg_Cを格納する。そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Cを読み出して実行し、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生する。
更に、素波発生装置10CのROMは、図17に示すフローチャート(図18および図19に示すフローチャートを含む)のステップS31〜S34,S50,S36〜S40,S51,S52を備えるプログラムProg_Dを格納する。そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Dを読み出して実行し、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生する。
そして、プログラムProg_A〜プログラムProg_Dは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。
プログラムProg_A〜プログラムProg_Dのいずれかを記録した記録媒体をパーソナルコンピュータに装着すると、CPUは、記録媒体からプログラムProg_A〜プログラムProg_Dのいずれかを読み出して実行し、上述した方法によって、素波wv_1〜wv_mを発生する。
従って、プログラムProg_A〜プログラムProg_Dのいずれかを記録した記録媒体は、コンピュータ(CPU)読み取り可能な記録媒体である。
また、この発明の実施の形態においては、端末装置100および検出装置200の動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。
この場合、端末装置100および検出装置200の各々は、CPU、ROMおよびRAMを備える。
端末装置100のROMは、図21に示すフローチャートのステップS61〜S66を備えるプログラムProg_Eを格納する。
RAMは、周波数fn、継続時間Tn、素波電力Pnおよびキャリアセンスの結果を一時的に格納する。
そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Eを読み出して実行し、上述した方法によって、送信信号を送信し、または送信信号の送信を停止する。
また、検出装置200のROMは、図23に示すフローチャートのステップS71〜S76を備えるプログラムProg_Fを格納する。
RAMは、周波数fn、継続時間Tn,Ts、素波電力Pn、キャリアセンスの結果および継続時間TWVを一時的に格納する。
そして、CPUは、ROMからプログラムProg_Fを読み出して実行し、上述した方法によって、帯域外放射(スプリアス)を検出する。
上述した実施の形態1,2によれば、この発明の実施の形態による素波発生装置は、
無線通信に用いられる周波数帯域幅内においてポアソン過程に従って素波の周波数を発生する周波数発生手段と、
素波が発生している継続時間である第1の継続時間を指数分布に従って発生する継続時間発生手段と、
電波の電力の最小値と最大値とによって規定される電力値の範囲から選択した任意の電力値を素波電力として発生する電力発生手段と、
発生された周波数において、電波の利用が開始される時間から第1の継続時間が経過するまでの間、素波電力を有する素波を発生する素波発生手段とを備えていればよい。
周波数発生手段、継続時間発生手段、電力発生手段および素波発生手段を備えていれば、周波数軸方向および時間軸方向に分布する素波を発生することができるからである。
また、この発明の実施の形態によるプログラムは、周波数発生手段が、無線通信に用いられる周波数帯域幅内においてポアソン過程に従って素波の周波数を発生する第1のステップと、
継続時間発生手段が、素波が発生している継続時間である第1の継続時間を指数分布に従って発生する第2のステップと、
電力発生手段が、電波の電力の最小値と最大値とによって規定される電力値の範囲から選択した任意の電力値を素波電力として発生する第3のステップと、
素波発生手段が、発生された周波数において、電波の利用が開始される時間から第1の継続時間が経過するまでの間、素波電力を有する素波を発生する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムであればよい。
第1のステップから第4のステップをコンピュータに実行させれば、周波数軸方向および時間軸方向に分布する素波を発生することができるからである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。