JP3039413B2 - 宇宙電波監視装置 - Google Patents

宇宙電波監視装置

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JP3039413B2
JP3039413B2 JP9019820A JP1982097A JP3039413B2 JP 3039413 B2 JP3039413 B2 JP 3039413B2 JP 9019820 A JP9019820 A JP 9019820A JP 1982097 A JP1982097 A JP 1982097A JP 3039413 B2 JP3039413 B2 JP 3039413B2
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  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙電波監視装置
に関し、特に、複数の開口面アンテナを球面上に配置す
ることにより、電波の到来する方向をそれぞれのアンテ
ナの受信レベルにより解析するとともに、電波の質を測
定可能とした電波監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電波監視装置としては、例えば特
開平3−29876号公報には、所定の掃引受信周波数
範囲内に入感した電波の強度が閾値レベル以上であれば
自動的にその周波数を検出することにより、到来方位を
自動的に測定・表示することを可能とした電波監視装置
が提案されている。すなわち、この従来の電波監視装置
は、掃引受信機で受信された各種周波数の電波の強度分
布が第1の表示手段に表示され、その強度分布中の閾値
レベルを超える強度を有する電波の周波数が周波数検出
手段によって自動的に検出され、検出された周波数が無
線方向探知機における特定周波数として自動的に設定さ
れ、無線方向探知機が測定した電波到来方位を第1の表
示手段の周波数軸に対応した周波数と関連付けて表示す
る第2の表示手段を備える。
【0003】また特開平8−43465号公報には、中
心周波数の異なる複数の帯域通過フィルタが同時にアン
テナ出力を受けることにより、高速処理を可能とし、所
定周波数範囲の電波を実時間で同時に監視できるように
した電波監視装置が提案されている。
【0004】また複数の宇宙局から到来する電波を同時
に受信解析するアンテナとして、DBF(Digital B
eam Forming;デジタル・ビーム・フォーミング)技
術等がある。このDBF技術については、例えば文献
(平成7年度電気通信技術審議会答申諮問第77号「宇
宙電波監視システムの在り方」、平成7年5月22日)
等が参照される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来方式は下記記載の問題点を有している。
【0006】(1)第1の問題点として、上記特開平3
−29876号公報に記載の方式は、水平方向から到来
する電波の監視を対象としており、垂直方向からも電波
が到来する宇宙電波監視には適用できない、ということ
である。
【0007】(2)第2の問題点として、上記特開平8
−43465号公報に記載の方式においては、電波の到
来する方向の解析は行われていない、ということであ
る。
【0008】(3)そして、第3の問題点として、上記
したDBF技術は複雑であり、費用が高騰する、という
ことである。
【0009】したがって、本発明は、上記した従来方式
の問題点を解消すべくなされたものであって、その目的
は、開口面アンテナを球面上に配置することにより、全
方位からの電波を受信し到来方向を解析可能とした電波
監視装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、構造を簡易化
しコストを低減する電波監視装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の宇宙電波監視装置は、宇宙局の軌道位置と
電波発射状況を複数の開口面アンテナのビームパターン
の組合せを用いて監視及び測定する
【0012】具体的には、本発明は、複数の開口面アン
テナと、前記開口面アンテナの受信信号の周波数スペク
トラムを解析する手段と、前記複数の開口面アンテナと
前記周波数スペクトラムを解析する手段との接続を切替
制御するスイッチ手段と、を備え、予め判っているアン
テナパターン特性と前記開口面アンテナの受信レベルと
から、電波到来方向を解析する、ことを特徴とする。
【0013】また本発明は、前記複数の開口面アンテナ
を直線上に配置するか、あるいはアレイ状に配置し、各
アンテナは静止軌道をカバーするように指向方向が少し
ずつずれている、ことを特徴とする。
【0014】本発明においては、受信レベルの最も高い
アンテナを特定し、前記特定されたアンテナに隣合うア
ンテナの受信レベルを検出して、電波到来方位角を算出
するとよい
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて図面を参照して以下に説明する。本発明の実施の形
態においては、図1に示すように、半球面上に配列され
た複数の開口面アンテナ、もしくは、図6に示すよう
に、回転台の上に直線上に配列された複数の開口面アン
テナを有する。なお、図6に示す配列は、特定の周回衛
星もしくは静止衛星を監視対象とする場合のアンテナ配
置に適用して好適とされる。
【0016】図5は本発明の実施の形態に係る電波監視
装置のシステム構成を示す図である。図5を参考する
と、本発明の実施の形態に係る電波監視装置は、複数の
開口面アンテナ501〜50nの出力は、スイッチ51を
介して、周波数スペクトラムの解析を行うスペクトラム
アナライザ521〜52mに入力され、スペクトラムアナ
ライザ521〜52mの出力はエンジニアリングワークス
テーション(EWS)53に接続される。球面上又は直
線上に配列された複数の開口面アンテナは、到来した電
波を受信する。そしてEWS53からの制御によりスイ
ッチ51が切り替わり、電波を受信した開口面アンテナ
とスペクトラムアナライザが接続される(例えば一つの
開口面アンテナとこの回りのいくつかの開口面アンテナ
がスペクトラムアナライザにスイッチを介して接続され
る)。スペクトラムアナライザでは受信した電波の周波
数とレベルを検出し、そのデータをEWS53に転送す
る。
【0017】複数のアンテナからの受信電波の状況を把
握したEWS53では、これらの開口面アンテナに共通
する周波数を探し、受信レベルの比較を行い、既に判っ
ているアンテナのパターン特性から電波の到来方向を解
析する。
【0018】EWS53によるスイッチ51の切替え制
御としては、静止衛星を監視の対象とする場合には、静
止軌道方向にアンテナが配列されるように行い、周回衛
星を対象とする場合には、周回衛星軌道を予測して切り
替える方法、あるいは、高速に切換を行い常に全天をサ
ーチする方法などを用いることができる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例について以下に説明する。一
実施例として、宇宙局の軌道に中間円軌道を採用してい
るインマルサットPシステムの宇宙局電波を監視するシ
ステムを示す。
【0020】インマルサットPシステムのユーザ端末の
G/T(受信アンテナ利得と受信システム雑音温度の
比)は−24dB/Kである。仮に、アンテナの利得を
0dBiとすると、監視を目的とするアンテナも、この
利得以上が必要となる。またシステムを構成する開口面
アンテナの数は少ないほどよいが、アンテナを少なくす
ると角度分解能が低くなる。
【0021】開口面アンテナを球面上(半球面上)に配
列すると、図2に示すような外観となる。図2は開口面
アンテナの配列を天頂方向からみた図である。図2を参
照して、開口面アンテアの配列方向としては、碁盤の目
のように配列する方法(図2(A)参照)と、円周上に
配列する方法(図2(B)参照)などが用いられる。
【0022】図3は、配列されたアンテナの電波受信パ
ターン(アンテナパターン)を断面にて模式的に示した
ものであり、一つのアンテナで指向方位角を基準として
40度をカバーする設計となっている。
【0023】このようなシステムにおける開口面アンテ
ナの口径を以下に求める。
【0024】開口面アンテナのピーク利得Gは、次式
(1)で示される。
【0025】 G=10log(4πAη/λ2) =10logη(πD/λ)2dBi …(1)
【0026】但し、λは電波の波長、πは円周率、ηは
アンテナの開口能率、Aはアンテナの開口面積、Dはア
ンテナの開口径、である。
【0027】またアンテナのメインビームからの利得低
下量は、近似的に、次式(2)で表わされる。
【0028】12(θ/θBW2 dB …(2)
【0029】但し、θはメインビームからの離角、θBW
はアンテナの半値幅、である。
【0030】そしてアンテナの半値幅θBWは、近似的
に、次式(3)で表わされる。
【0031】θBW=70λ/D 度 …(3)
【0032】上式(1)より、アンテナの利得が0dB
iとなる指向方向からのオフセット角度θとアンテナの
利得Gとの関係は、次式(4)となる。
【0033】 G−12(θ/θBW2=0dBi …(4)
【0034】上式(4)のGに、上式(1)を代入する
と、次式(5)となる。
【0035】 10logη(πD/λ)2−12(θ/θBW)2 =0dBi …(5)
【0036】上式(5)に上式(3)を代入すると、次
式(6)となる。
【0037】 10logη(πD/λ)2−12(θ・D/70λ)2 =0dBi …(6)
【0038】ここで、アンテナの開口能率ηを50%、
ダウンリンク周波数はインマルサットPシステムでは2
GHzであるので、波長λは0.15m、アンテナのレ
イアウトから片側のカバー範囲θは20度となるので、
それぞれの値を上式(6)に代入すると、アンテナの開
口径Dは0.68m、アンテナのピーク利得は20.1
dBi、半値幅θBWは15.4度となる。
【0039】図4は、周回衛星が、本発明の実施例の宇
宙電波監視装置の上空を横切った場合のアンテナ(開口
面アンテナ)ATN1−1〜ATN−5のパターンと受
信レベルの軌跡を示している。図4を参照して、ATN
−2の受信レベルについて、これに隣り合う(パターン
が重なり合う)ATN−1、及びATN−3のそれぞれ
の受信レベルから電波到来方向を特定する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の宇宙電波
監視装置によれば、静止衛星軌道と周回衛星軌道の宇宙
局の軌道位置を把握し、受信電波の解析をおこなうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示す図であり、球
面上に配列された開口面アンテナを示す図である。
【図2】本発明の一実施例において開口面アンテナの配
列の例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例においてアンテナを球面上に
配列したときのアンテナパターンを断面にて示した図で
ある。
【図4】本発明の一実施例において周回衛星が本発明の
宇宙電波監視装置の上空を横切った場合の受信レベルの
一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の電波監視装置のシステム
構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の構成を示す図であり、特
定の周回衛星もしくは静止衛星を監視対象とする場合の
アンテナ配置を示す図である。
【符号の説明】
50 開口面アンテナ 51 スイッチ 52 スペクトラムアナライザ 53 エンジニアリングワークステーション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 3/26 G01R 23/165 G01R 29/08 H01Q 21/20 H04B 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の開口面アンテナと、 前記開口面アンテナの受信信号の周波数スペクトラムを
    解析する手段と、 前記複数の開口面アンテナと前記周波数スペクトラムを
    解析する手段との接続を切替制御するスイッチ手段と、 を備え、 予め判っているアンテナパターン特性と前記開口面アン
    テナの受信レベルとから、電波到来方向を解析する、こ
    とを特徴とする宇宙電波監視装置。
  2. 【請求項2】前記複数の開口面アンテナが球面上に配列
    されている、ことを特徴とする請求項記載の宇宙電波
    監視装置。
  3. 【請求項3】前記複数の開口面アンテナを直線上に配置
    するか、あるいはアレイ状に配置し、各アンテナは静止
    軌道をカバーするように指向方向が少しずつずれてい
    る、ことを特徴とする請求項記載の宇宙電波監視装
    置。
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