JPWO2017170252A1 - 長尺のガスバリア性積層体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも基材層とガスバリア層とを有し、一方の最外層が前記ガスバリア層である長尺のガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層の表面の算術平均粗さ(Ra)が2nm以下、最大断面高さ(Rt)が54nm以下であり、前記ガスバリア層以外の最外層の表面の算術平均粗さ(Ra)が、4.0nm以上91nm以下、最大断面高さ(Rt)が、207nm以上1005nm以下であり、2枚のガスバリア性積層体を試験片として用意し、これらのうち、一方の積層体のガスバリア層と、他方の積層体のガスバリア層以外の最外層とが対向するように、前記2枚のガスバリア性積層体を重ね合せたときの静摩擦係数が、0.80以下であることを特徴とする長尺のガスバリア性積層体である。本発明によれば、ガスバリア性に優れ、かつ、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際の作業性に優れるとともに、この作業の前後において、ガスバリア性が低下し難い長尺のガスバリア性積層体が提供される。

Description

本発明は、ガスバリア性に優れ、かつ、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際の作業性に優れるとともに、この作業の前後において、ガスバリア性が低下し難い長尺のガスバリア性積層体に関する。
近年、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイには、薄型化、軽量化、フレキシブル化等を実現するために、電極を有する基板として、ガラス板に代えて、透明プラスチックフィルム上にガスバリア層が積層されてなる、いわゆるガスバリアフィルムが用いられている。
ガスバリアフィルムを工業的に生産する際は、通常、ロールtoロール方式が採用される。
例えば、特許文献1には、基材の少なくとも片側に、プライマー層とバリア層とを有し、異なる最外層同士が対向するように重ねたときの静摩擦係数が特定範囲にあるガスバリア性積層体や、その製造方法が記載されている。
特許文献1には、上記静摩擦係数を特定範囲内にすることで、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際に、ブロッキング(フィルム同士が貼り付く)やエア噛み(しわが拠る)等が起こり難くなり、作業性が向上することが記載されている。
国際公開2013/147090号(US2015/0099094 A1)
上記のように、長尺のガスバリア性積層体の表面を適度に粗くして静摩擦係数を調節することで、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際の作業性(以下、「巻き取り適性」ということがある。)に優れる長尺のガスバリア性積層体が得られる。
しかしながら、最外層の一方がガスバリア層であるガスバリア性積層体において、ガスバリア層の表面を粗くすると、ガスバリア性に優れるガスバリア性積層体が得られないことがあった。一方、ガスバリア層ではないほうの最外層の表面を粗くすると、巻き取り時や繰り出し時にガスバリア層表面が傷つき、ガスバリア性積層体のガスバリア性が低下することがあった。
本発明は、上記の従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、ガスバリア性に優れ、かつ、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際の作業性に優れるとともに、この作業の前後において、ガスバリア性が低下し難い長尺のガスバリア性積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくとも基材層とガスバリア層とを有し、一方の最外層が前記ガスバリア層である長尺のガスバリア性積層体であって、ガスバリア層の表面状態及びガスバリア層以外の最外層の表面状態が特定のものであり、両層が対向するように2枚のガスバリア性積層体を重ねたときの静摩擦係数が、特定の値であるガスバリア性積層体は、ガスバリア性に優れ、かつ、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際の作業性に優れるとともに、この作業の前後において、ガスバリア性が低下し難いものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)及び(2)のガスバリア性積層体が提供される。
(1)少なくとも基材層とガスバリア層とを有し、一方の最外層が前記ガスバリア層である長尺のガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層の表面の算術平均粗さ(Ra)が2nm以下、最大断面高さ(Rt)が54nm以下であり、前記ガスバリア層以外の最外層の表面の算術平均粗さ(Ra)が、4.0nm以上91nm以下、最大断面高さ(Rt)が、207nm以上1005nm以下であり、2枚のガスバリア性積層体を試験片として用意し、これらのうち、一方の積層体のガスバリア層と、他方の積層体のガスバリア層以外の最外層とが対向するように、前記2枚のガスバリア性積層体を重ね合せたときの静摩擦係数が、0.80以下であることを特徴とする長尺のガスバリア性積層体。
(2)前記ガスバリア層の厚みが、50nm以上1μm以下である、(1)に記載の長尺のガスバリア性積層体。
本発明によれば、ガスバリア性に優れ、かつ、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際の作業性に優れるとともに、この作業の前後において、ガスバリア性が低下し難い長尺のガスバリア性積層体が提供される。
本発明のガスバリア性積層体は、少なくとも基材層とガスバリア層とを有し、一方の最外層が前記ガスバリア層である長尺のガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層の表面の算術平均粗さ(Ra)が2nm以下、最大断面高さ(Rt)が54nm以下であり、前記ガスバリア層以外の最外層の表面の算術平均粗さ(Ra)が、4.0nm以上91nm以下、最大断面高さ(Rt)が、207nm以上1005nm以下であり、2枚のガスバリア性積層体を試験片として用意し、これらのうち、一方の積層体のガスバリア層と、他方の積層体のガスバリア層以外の最外層とが対向するように、前記2枚のガスバリア性積層体を重ね合せたときの静摩擦係数が、0.80以下であることを特徴とする。
〔基材層〕
本発明のガスバリア性積層体を構成する基材層は、ガスバリア層を担持できるものであれば、特に限定されない。
基材層としては、長尺の樹脂フィルムを用いることができる。
本発明において、「長尺」とは、その形状が、幅方向に比べて、長手方向が長い(好ましくは10倍以上の長さ)帯状であることを意味する。また、以下の説明において、「長尺の」を省略することがある。
樹脂フィルムの長さ(長手方向の長さ)は、特に限定されないが、通常、400〜2000mである。樹脂フィルムの幅(幅方向の長さ)は、特に限定されないが、通常、450〜1300mm、好ましくは530〜1280mmである。樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、通常、1〜100μm、好ましくは5〜70μm、より好ましくは10〜60μmである。
樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの樹脂成分は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、透明性に優れ、汎用性があることから、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド又はシクロオレフィン系ポリマーがより好ましく、ポリエステル又はシクロオレフィン系ポリマーがさらに好ましい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等が挙げられる。
シクロオレフィン系ポリマーとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。
本発明の効果を妨げない範囲において、樹脂フィルムは各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、目的に合わせて適宜決定すればよい。
樹脂フィルムは、所定の成分を含む樹脂組成物を調製し、これをフィルム状に成形することにより得ることができる。成形方法は特に限定されず、キャスト法や溶融押出法等の公知の方法を利用することができる。
〔ガスバリア層〕
本発明のガスバリア性積層体を構成するガスバリア層は、酸素や水蒸気等のガスの透過を抑制する特性(ガスバリア性)を有する層である。
ガスバリア層としては、例えば、無機蒸着膜や高分子化合物を含む層(以下、「高分子層」ということがある。)に改質処理を施して得られたもの〔この場合、ガスバリア層とは、イオン注入処理等により改質された領域のみを意味するのではなく、「改質された領域を含む高分子層」を意味する。〕等が挙げられる。
無機蒸着膜としては、無機化合物や金属の蒸着膜が挙げられる。
無機化合物の蒸着膜の原料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;酸化窒化ケイ素等の無機酸化窒化物;無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
金属の蒸着膜の原料としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、及びスズ等が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、ガスバリア性の観点から、無機酸化物、無機窒化物又は金属を原料とする無機蒸着膜が好ましく、さらに、透明性の観点から、無機酸化物又は無機窒化物を原料とする無機蒸着膜が好ましい。
無機蒸着膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理的蒸着)法や、熱CVD(化学的蒸着)法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法が挙げられる。
無機蒸着膜の厚みは、使用する無機化合物によっても異なるが、ガスバリア性と取り扱い性の観点から、好ましくは50〜300nm、より好ましくは50〜200nmの範囲である。
高分子層に改質処理を施して得られるガスバリア層において、用いる高分子化合物としては、ケイ素含有高分子化合物、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの高分子化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中でも、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成し得ることから、高分子化合物としては、ケイ素含有高分子化合物が好ましい。ケイ素含有高分子化合物としては、ポリシラザン系化合物、ポリカルボシラン系化合物、ポリシラン系化合物、及びポリオルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。なかでも、薄くても優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成できることから、ポリシラザン系化合物が好ましい。ポリシラザン系化合物を含む層に改質処理を施すことで、酸素、窒素、ケイ素を主構成原子として有する層(酸窒化珪素層)を形成することができる。
ポリシラザン系化合物は、分子内に−Si−N−結合(シラザン結合)を含む繰り返し単位を有する高分子化合物である。具体的には、式(1)
Figure 2017170252
で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。また、用いるポリシラザン系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、100〜50,000であるのが好ましい。
前記式(1)中、nは任意の自然数を表す。
Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するアルキル基、無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又はアルキルシリル基等の非加水分解性基を表す。
前記無置換若しくは置換基を有するアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基及びアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
無置換又は置換基を有するアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
前記アリール基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリt-ブチルシリル基、メチルジエチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、メチルシリル基、エチルシリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rx、Ry、Rzとしては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン系化合物としては、Rx、Ry、Rzが全て水素原子である無機ポリシラザン、Rx、Ry、Rzの少なくとも1つが水素原子ではない有機ポリシラザンのいずれであってもよい。
また、本発明においては、ポリシラザン系化合物として、ポリシラザン変性物を用いることもできる。ポリシラザン変性物としては、例えば、特開昭62−195024号公報、特開平2−84437号公報、特開昭63−81122号公報、特開平1−138108号公報等、特開平2−175726号公報、特開平5−238827号公報、特開平5−238827号公報、特開平6−122852号公報、特開平6−306329号公報、特開平6−299118号公報、特開平9−31333号公報、特開平5−345826号公報、特開平4−63833号公報等に記載されているものが挙げられる。
これらの中でも、ポリシラザン系化合物としては、入手容易性、及び優れたガスバリア性を有するイオン注入層を形成できる観点から、Rx、Ry、Rzが全て水素原子であるペルヒドロポリシラザンが好ましい。
また、ポリシラザン系化合物としては、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
ポリシラザン系化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子層は、上述した高分子化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。他の成分としては、硬化剤、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等が挙げられる。
高分子層中の高分子化合物の含有量は、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
高分子層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは50nm以上1μm以下、より好ましくは50〜300nm、さらに好ましくは50〜200nmの範囲である。
本発明においては、高分子層の厚みがナノオーダーであっても、充分なガスバリア性を有するガスバリア性積層体を得ることができる。
高分子層を形成する方法は特に限定されない。例えば、高分子化合物の少なくとも一種、所望により他の成分、及び溶剤等を含有する高分子層形成用溶液を調製し、次いで、この高分子層形成用溶液を、公知の方法により塗工し、得られた塗膜を乾燥することにより、高分子層を形成することができる。
高分子層形成用溶液に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子層形成用溶液の塗工方法としては、バーコート法、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、エアナイフコート、ロールナイフコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。
形成された塗膜を乾燥する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が採用できる。加熱温度は、通常60〜130℃の範囲である。加熱時間は、通常数秒から数十分である。
高分子層の改質処理としては、イオン注入処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、熱処理等が挙げられる。
イオン注入処理は、後述するように、高分子層にイオンを注入して、高分子層を改質する方法である。
プラズマ処理は、高分子層をプラズマ中に晒して、高分子層を改質する方法である。例えば、特開2012−106421号公報に記載の方法に従って、プラズマ処理を行うことができる。
紫外線照射処理は、高分子層に紫外線を照射して高分子層を改質する方法である。例えば、特開2013−226757号公報に記載の方法に従って、紫外線改質処理を行うことができる。
これらの中でも、高分子層の表面を荒らすことなく、その内部まで効率よく改質し、よりガスバリア性に優れるガスバリア層を形成できることから、イオン注入処理が好ましい。
高分子層に注入するイオンとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオン;フルオロカーボン、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、塩素、フッ素、硫黄等のイオン;メタン、エタン等のアルカン系ガス類のイオン;エチレン、プロピレン等のアルケン系ガス類のイオン;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類のイオン;アセチレン等のアルキン系ガス類のイオン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系ガス類のイオン;シクロプロパン等のシクロアルカン系ガス類のイオン;シクロペンテン等のシクロアルケン系ガス類のイオン;金属のイオン;有機ケイ素化合物のイオン;等が挙げられる。
これらのイオンは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、より簡便にイオンを注入することができ、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオンが好ましい。
イオンの注入量は、ガスバリア性積層体の使用目的(必要なガスバリア性、透明性等)等に合わせて適宜決定することができる。
イオンを注入する方法としては、電界により加速されたイオン(イオンビーム)を照射する方法、プラズマ中のイオンを注入する方法等が挙げられる。なかでも、本発明においては、簡便に目的のバリア層が得られることから、後者のプラズマイオンを注入する方法が好ましい。
プラズマイオン注入は、例えば、希ガス等のプラズマ生成ガスを含む雰囲気下でプラズマを発生させ、高分子層に負の電圧パルスを印加することにより、該プラズマ中のイオン(陽イオン)を、高分子層の表面部に注入して行うことができる。
イオン注入により、イオンが注入される領域の厚みは、イオンの種類や印加電圧、処理時間等の注入条件により制御することができ、高分子層の厚み、積層体の使用目的等に応じて決定すればよいが、通常、10〜300nmである。
〔プライマー層〕
本発明のガスバリア性積層体は、プライマー層を有するものであってもよい。
プライマー層は、基材層とガスバリア層の間に設けられる層である。プライマー層を設けることにより、基材層表面の凹凸の影響が低減化され、ガスバリア性積層体の層間密着性が向上する。また、プライマー層を形成することで、ガスバリア層の表面粗さを効率よく調節することができる。
プライマー層としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、重合性化合物を含有し、活性エネルギー線の照射により硬化し得る組成物である。
重合性化合物としては、重合性プレポリマーや重合性モノマーが挙げられる。
重合性プレポリマーとしては、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーと、(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエステルアクリレート系プレポリマー、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシアクリレート系プレポリマー、ポリウレタンオリゴマーと、(メタ)アクリル酸との反応により得られるウレタンアクリレート系プレポリマー、ポリエーテルポリオールと、(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリオールアクリレート系プレポリマー等が挙げられる。
重合性モノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能(メタ)アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート;エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等のビニル化合物:等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの重合性化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、(メタ)アクリロイル基なる表記は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を含む意味である。
また、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に、それ自身は反応硬化性を有しないような高分子樹脂成分、例えばアクリル樹脂を含ませてもよい。高分子樹脂成分の添加により該組成物の粘度を調整することができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。これらの中でも、比較的簡便な装置を用いて発生させることができることから、活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
これらの重合性化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(すなわち、紫外線硬化型樹脂組成物)は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は、紫外線の照射により重合反応を開始させるものであれば、特に限定されない。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系重合開始剤;アセトフェノン、4’−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン系重合開始剤;2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤;等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、通常、前記重合性化合物に対して、0.2〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%である。
活性エネルギー線型樹脂組成物は、有機微粒子、無機微粒子等の微粒子を含有するものであってもよい。微粒子を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いることで、プライマー層の表面を適度に粗くすることができ、その結果、表面が適度に粗いガスバリア層を形成し易くなる。
有機微粒子としては、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、アミノ系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、フェノール系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、キシレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなる微粒子が挙げられる。これらの中でも、シリコーン樹脂からなるシリコーン微粒子が好ましい。
無機微粒子としては、シリカ粒子、金属酸化物粒子、アルキルシリケート粒子等が挙げられる。
シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、中空シリカ等が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化錫、酸化ニオブ等の粒子が挙げられる。
アルキルシリケート粒子としては、式:R−O〔−{Si(OR}−O−〕−R(式中、R及びRは炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す。)で示されるアルキルシリケートの粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子又はアルキルシリケート粒子が好ましい。
これらの微粒子は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
微粒子の形状は、特に制限なく、例えば、無定形状、真球状などの種々の形状の微粒子を用いることができる。
微粒子の平均粒径は、通常、1〜100nm、好ましくは1〜20nmである。微粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱法により測定することができる。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が微粒子を含有する場合、微粒子の含有量は、前記樹脂組成物の固形分中、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、レベリング剤を含有するものが好ましい。レベリング剤を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いることで、プライマー層の表面粗さを効率よく制御することができる。
レベリング剤としては、シロキサン系化合物が挙げられる。なかでも、ポリジメチルシロキサンおよびその誘導体等のジアルキルシロキサン骨格を有する化合物が好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物がレベリング剤を含有する場合、レベリング剤の含有量は、前記樹脂組成物の固形分中、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色顔料等が挙げられる。これらの含有量は、目的に合わせて適宜決定すればよい。
プライマー層を形成する方法は特に限定されない。例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び必要に応じて溶媒を含有する塗工液を調製し、次いで、基材上に、この塗工液を公知の方法により塗工し、得られた塗膜を硬化させることにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層を形成することができる。また、必要に応じて、塗膜を硬化させる前に、乾燥処理を施してもよい。
塗工液の調製に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塗工方法としては、バーコート法、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、エアナイフコート、ロールナイフコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。
塗膜を乾燥させる場合、その乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法を採用できる。乾燥温度は、通常60〜130℃の範囲である。乾燥時間は、通常数秒から数十分である。
塗膜の硬化は、塗膜に活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。これらの中でも、比較的簡便な装置を用いて活性エネルギー線を照射させることができることから、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線が好ましく、紫外線がより好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。紫外線の光量には特に制限はないが、通常100mJ/cm〜1,000mJ/cmである。照射時間は、通常数秒〜数時間であり、照射温度は、通常20〜100℃である。
プライマー層の厚みは、通常、20μm以下、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1.0〜10μmである。
〔易滑層〕
本発明のガスバリア性積層体は、易滑層を有するものであってもよい。
易滑層は、基材層の、ガスバリア層やプライマー層とは逆側に設けられる層であり、ガスバリア層以外の最外層を構成するものである。易滑層は、適度に粗い表面を有するものであるため、易滑層を設けることにより、本発明のガスバリア性積層体を重ねたときの静摩擦係数を効率よく調整することができる。
易滑層としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、重合性化合物を含有し、活性エネルギー線の照射により硬化し得る組成物である。
具体的には、プライマー層の形成用の組成物として説明したものと同様のものが挙げられる。
ただし、易滑層の表面はプライマー層の表面に比べてより粗いことが好ましいことから、易滑層形成用の組成物は、通常、平均粒径がより大きな微粒子を含有する。
微粒子の平均粒径は、通常、500nmから5μm、好ましくは1〜3μmである。微粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱法により測定することができる。
易滑層は、プライマー層の形成方法と同様の方法により形成することができる。
易滑層の厚みは、通常、1.5μm以下、好ましくは0.5〜1.5μmである。
〔長尺のガスバリア性積層体〕
本発明の長尺のガスバリア性積層体としては、下記の(A)〜(D)の層構造を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A):基材層/ガスバリア層
(B):基材層/プライマー層/ガスバリア層
(C):易滑層/基材層/ガスバリア層
(D):易滑層/基材層/プライマー層/ガスバリア層
本発明のガスバリア性積層体を構成するガスバリア層の表面の算術平均粗さ(Ra)は、2nm以下、好ましくは1.8nm以下であり、最大断面高さ(Rt)は、54nm以下、好ましくは40nm以下である。
ガスバリア層の表面が粗すぎるガスバリア性積層体は、ガスバリア性に劣る傾向がある。
ガスバリア層の表面の粗さは、ガスバリア層の厚み、基材層の粗さ、プライマー層の厚み等により調節することができる。具体的には、平滑な基材を用いたり、平滑な工程基材を用いることで、ガスバリア層の表面の粗さを調整できる。
本発明において、各層の算術平均粗さ(Ra)や、最大断面高さ(Rt)は、光干渉顕微鏡を用いて、500μm×500μmの領域について観察することにより求めることができる。
ガスバリア層以外の最外層の表面の算術平均粗さ(Ra)は、4.0nm以上91nm以下、好ましくは4.2nm以上50nm以下であり、最大断面高さ(Rt)は207nm以上1005nm以下、好ましくは300nm以上800nm以下である。
ガスバリア層以外の最外層の表面が粗すぎるガスバリア性積層体は、ロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際にガスバリア層の表面を傷つけ、ガスバリア層のガスバリア性を低下させるおそれがある。
上記の層構造で示されるように、ガスバリア層以外の最外層は、易滑層を有するガスバリア性積層体においては易滑層であり、易滑層を有しないガスバリア性積層体においては基材層である。
本発明のガスバリア性積層体2枚を試験片として用意し、これらのうち、一方の積層体のガスバリア層と、他方の積層体のガスバリア層以外の最外層とが対向するように、前記2枚のガスバリア性積層体を重ね合せたときの静摩擦係数は、0.80以下であり、好ましくは0.5〜0.8である。
この静摩擦係数が0.8以下であることで、本発明の長尺のガスバリア性積層体をロール状に巻き取る際やロールから繰り出す際に、ブロッキングやエア噛み等の問題が起きにくくなる。
静摩擦係数は、JIS K7125:1999に準拠して測定することができる。
本発明のガスバリア性積層体の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μm、より好ましくは、10〜50μm、さらに好ましくは、20〜40μmである。
本発明のガスバリア性積層体の、温度40℃、相対湿度90%における、水蒸気透過率は、好ましくは0.1g/(m・day)以下、より好ましくは0.05g/(m・day)以下、さらに好ましくは、0.03g/(m・day)以下、特に好ましくは0.01g/(m・day)以下である。下限値は特になく、小さいほど好ましいが、通常は、0.001g/(m・day)以上である。
水蒸気透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のガスバリア性積層体は、優れたガスバリア性を有しているので、電子デバイス用部材として好適に用いられる。
電子デバイスとしては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池等が挙げられる。
本発明の長尺のガスバリア性積層体を製造する方法は特に限定されない。
例えば、長尺の基材層用樹脂フィルム上に、必要に応じて前記方法によりプライマー層を形成した後、前記方法によりガスバリア層を形成することにより本発明の長尺のガスバリア性積層体を製造することができる。また、ガスバリア層を形成した後に、必要に応じて、長尺の基材層用樹脂フィルム上に、易滑層を形成することができる。
プライマー層を形成する場合、基材層用樹脂フィルム上に直接プライマー層形成溶液を塗工してもよいし、平滑な工程基材上にプライマー層形成溶液を塗工し、この塗膜に基材層用樹脂フィルムを重ねた後、塗膜を硬化させてプライマー層を形成してもよい。
これらの方法によれば、本発明の長尺のガスバリア性積層体を効率よく製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
(ガスバリア性積層体の各層の厚みの測定)
実施例及び比較例で得られたガスバリア性積層体の各層の厚みは、触針式段差計(AMBIOS TECNOLOGY社製、XP−1)を用いて測定した。
〔製造例1〕プライマー層形成溶液(A)の調製
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−DPH)70部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−DCP)30部をメチルイソブチルケトン100部に溶解した後、光重合開始剤(BASF社製、商品名:Irgacure127)3部を添加して、プライマー層形成溶液(A)(固形分比20%)を調製した。
〔製造例2〕プライマー層形成溶液(B)の調製
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−DPH)70部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−DCP)30部をメチルイソブチルケトン100部に溶解した後、光重合開始剤(BASF社製、商品名:Irgacure127)3部、シリカフィラー(粒径10〜15nm、日産化学社製、商品名:MIBK−ST)50部を添加して、プライマー層形成溶液(B)(固形分比20%)を調製した。
〔製造例3〕易滑層形成溶液(A)の調製
トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−TMPT)100部をメチルイソブチルケトン100部に溶解した後、光重合開始剤(BASF社製、商品名:Irgacure)3部、ポリメタクリル酸メチルフィラー(平均粒子径1.5μm、積水化学社製、商品名:テクポリマーXX−27LA)0.1部を添加して、易滑層形成溶液(A)(固形分比20%)を調製した。
〔製造例4〕易滑層形成溶液(B)の調製
トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−TMPT)100部をメチルイソブチルケトン100部に溶解した後、光重合開始剤(BASF社製、商品名:Irgacure)3部、シリコーンフィラー(平均粒子径3μm、モメンティブ社製、商品名:トスパール130)0.1部を添加して、易滑層形成溶液(B)(固形分比20%)を調製した。
〔実施例1〕
基材としての長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、コスモシャインPET50−4300、厚み50μm、以下「PETフィルム(A)」という。)に、前記プライマー層形成溶液(A)をバーコート法により塗布し、得られた塗膜を70℃で1分間加熱乾燥した後、UV光照射ラインを用いてUV光照射を行い(高圧水銀灯、ライン速度20m/分、積算光量100mJ/cm、ピーク強度1.466W)、厚み1μmのプライマー層(1)を形成した。プライマー層(1)上に、ペルヒドロポリシラザン(AZエレクトロニック社製、商品名AZNL110A−20)を塗布し、厚みが150nmのペルヒドロポリシラザン層を形成した。その後、プラズマイオン注入装置を用いて、ペルヒドロポリシラザン層の表面にアルゴンをプラズマイオン注入した。
さらに、基材の、ペルヒドロポリシラザン層を形成した面とは逆の面に、前記易滑層形成溶液(A)をバーコート法により塗布し、得られた塗膜を70℃で1分間加熱乾燥した後、UV光照射ラインを用いてUV光照射を行い(高圧水銀灯、ライン速度20m/分、積算光量100mJ/cm、ピーク強度1.466W)、厚み1μmの易滑層を形成し、ガスバリア性積層体(1)を得た。
用いたプラズマイオン注入装置及びプラズマイオン注入条件は以下の通りである。
(プラズマイオン注入装置)
RF電源:型番号「RF」56000、日本電子社製
高電圧パルス電源:「PV−3−HSHV−0835」、栗田製作所社製
(プラズマイオン注入条件)
・プラズマ生成ガス:Ar
・ガス流量:100sccm
・Duty比:0.5%
・繰り返し周波数:1000Hz
・印加電圧:−10kV
・RF電源:周波 13.56MHz、印加電力 1000W
・チャンバー内圧:0.2Pa
・パルス幅:5μsec
・処理時間(イオン注入時間):5分間
・搬送速度:0.2m/分
〔実施例2〕
平滑な工程基材であるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、コスモシャインPET50A4100、厚み50μm、以下、「工程用PETフィルム」という。)の非易接着面に前記プライマー層形成用溶液(A)をバーコート法により塗布し、得られた塗膜を70℃で1分間加熱乾燥した後、この塗膜上に、長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、PET38 ルミラーR−56、厚み38μm、以下「PETフィルムB」という。)をラミネートした。得られた積層体に対して、コンベア型UV光照射装置(フュージョン社製、「F600V」、UVランプ:高圧水銀灯、ライン速度:20m/分、積算光量:100mJ/cm、照度1.466W、ランプ高さ:104mm)を用いてUV光照射を行い、前記塗膜を硬化させ、厚み0.75μmのプライマー層(2)を形成した。工程基材を剥離除去し、露出したプライマー層(2)上に実施例1と同様にして、ペルヒドロポリシラザン層を設けた後、プラズマイオン注入を行い、ガスバリア性積層体(2)を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、プライマー層形成溶液(A)をプライマー層形成溶液(B)に変更し、さらに、易滑層形成溶液(A)を易滑層形成溶液(B)に変えて厚み2.5μmの易滑層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層体(3)を得た。
〔比較例1〕
実施例3において、易滑層の厚みを1.8μmに変更したこと以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性積層体(4)を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、PETフィルム(A)を、PETフィルム(C)(帝人社製、テトロンHB、厚み25μm)に変えたことと、易滑層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層体(5)を得た。
〔比較例3〕
比較例2において、PETフィルム(B)を、PETフィルム(D)(三菱樹脂社製、ダイヤホイルT−100、厚み25um)に変えたこと以外は、比較例2と同様にしてガスバリア性積層体(6)を得た。
実施例及び比較例で得られたガスバリア性積層体について以下の測定を行った。
(表面粗さの測定)
光干渉式顕微鏡(Veeco社、NT8000)を用いて、ガスバリア性積層体のガスバリア層の表面の算術平均粗さ(Ra)及び粗さ曲線の最大断面高さ(Rt)と、もう一方の最外層の表面の算術平均粗さ(Ra)及び粗さ曲線の最大断面高さ(Rt)を測定した。
(静摩擦係数の測定)
2枚のガスバリア性積層体を用意し、これをガスバリア層と、基材層又は易滑層とが対向するように重ね、JIS K−7125:1999に基づき静摩擦係数を測定した。
(水蒸気透過率の測定)
ガスバリア性積層体の水蒸気透過率は、水蒸気透過度測定装置(mocon社製、PERMATRAN)を用いて測定した。
測定は、製造直後のガスバリア性積層体と、一旦ロール状に巻き取り、次いで繰り出したものについて行った。
ガスバリア性積層体のバリア特性は、巻き取り前のガスバリア性積層体の水蒸気透過度の値が0.01g/(m・day)未満であったものを〇、0.01g/(m・day)以上であったものを×として評価した。
(巻取適性A:ブロッキング、シワの発生の有無)
ガスバリア性積層体をロール状に巻き取ったときに、ブロッキング、シワが発生しなかったものを○、発生したものを×とした。ロール状に巻き取る際は、外径が3インチであるABS(アクリル−ブタジエン−スチレン)樹脂のコアを用いて、300m巻き取りを行った。
(巻取適性B:バリア層の劣化の有無)
水蒸気透過率の測定の結果、巻き取り処理後のガスバリア性積層体の水蒸気透過率が巻き取り処理前のガスバリア性積層体の水蒸気透過率に比べて、変化しなかったものを○、増加したものを×とした。
Figure 2017170252
第1表から、以下のことがわかる。
実施例1〜3のガスバリア性積層体(1)〜(3)は、最外層の表面粗さが適度なものであり、ガスバリア性に優れるとともに、巻き取り適性にも優れている。
一方、比較例1のガスバリア性積層体(4)は、易滑層の表面が粗すぎるため、巻き取りと繰り出し時にガスバリア層を傷つけ、ガスバリア性が低下している。
比較例2、3のガスバリア性積層体(5)、(6)は、バリア層の表面が粗く、ガスバリア性に劣っている。
また、比較例2のガスバリア性積層体(5)においては、基材層の平滑性が高すぎる結果、静摩擦係数が高くなり、ガスバリア性積層体を巻き取る際に、ブロッキングやしわが発生している。

Claims (2)

  1. 少なくとも基材層とガスバリア層とを有し、一方の最外層が前記ガスバリア層である長尺のガスバリア性積層体であって、
    前記ガスバリア層の表面の算術平均粗さ(Ra)が2nm以下、最大断面高さ(Rt)が54nm以下であり、
    前記ガスバリア層以外の最外層の表面の算術平均粗さ(Ra)が、4.0nm以上91nm以下、最大断面高さ(Rt)が、207nm以上1005nm以下であり、
    2枚のガスバリア性積層体を試験片として用意し、これらのうち、一方の積層体のガスバリア層と、他方の積層体のガスバリア層以外の最外層とが対向するように、前記2枚のガスバリア性積層体を重ね合せたときの静摩擦係数が、0.80以下であることを特徴とする長尺のガスバリア性積層体。
  2. 前記ガスバリア層の厚みが、50nm以上1μm以下である、請求項1に記載の長尺のガスバリア性積層体。
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