JPWO2017159381A1 - 導電性皮膜およびレーザーエッチング加工用導電性ペースト - Google Patents

導電性皮膜およびレーザーエッチング加工用導電性ペースト Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017159381A1
JPWO2017159381A1 JP2018505804A JP2018505804A JPWO2017159381A1 JP WO2017159381 A1 JPWO2017159381 A1 JP WO2017159381A1 JP 2018505804 A JP2018505804 A JP 2018505804A JP 2018505804 A JP2018505804 A JP 2018505804A JP WO2017159381 A1 JPWO2017159381 A1 JP WO2017159381A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
conductive
solvent
laser etching
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018505804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7056552B2 (ja
Inventor
憲一 江口
憲一 江口
康博 坂本
康博 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Publication of JPWO2017159381A1 publication Critical patent/JPWO2017159381A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7056552B2 publication Critical patent/JP7056552B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • H05K1/095Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks for polymer thick films, i.e. having a permanent organic polymeric binder
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/08Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding the conductive material being removed by electric discharge, e.g. by spark erosion

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

【課題】 レーザーエッチング幅が狭く、レーザーエッチング距離が長いといった難しいパターンでも断線、短絡の発生の抑制が可能なレーザーエッチング加工適正の優れる導電性被膜を提供する。【解決手段】 少なくとも高分子バインダ樹脂、平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粉、有機溶剤および、好ましくは平均粒子径が5nm以上、200nm以下の酸化珪素またはカーボン粒子、直径が50nm以上、3000nm以下の無機イオン補足剤粒子含有する導電性ペーストを用い、被膜表面のリング状凹み欠点を低減することにより、レーザーエッチングによりL/S=50/50μm以下の微細線が形成可能となる。【選択図】 なし

Description

本発明は、平面方向の配置密度が高い導電性パターンを製造することができる導電性パターンの製造方法およびこの製造方法に好適に用いることのできる導電性ペースト、導電ペーストから得られる皮膜(ないし薄膜)に関する。本発明は、さらに詳しくは励起光の光束により導電性皮膜(ないし導電性薄膜)の一部を除去することにより平面方向の配置密度が高い導電性パターンを得るために供される導電性の皮膜に関する。本発明の導電性パターンは、典型的には透明タッチパネルの電極回路配線に用いることができる。
近年、携帯電話や、ノートパソコン、電子書籍などに代表される透明タッチパネルを搭載する電子機器の高性能化と小型化が急激に進んでいる。これらの電子機器の高性能化と小型化には、搭載される電子部品の小型化、高性能化、集積度の向上に加え、これら電子部品相互を接合する電極回路配線の高密度化が求められている。透明タッチパネルの方式として電極回路配線の数が少ない抵抗膜方式に加え、電極回路配線の数が飛躍的に多い静電容量方式の普及が近年急速に進んでおり、このような観点から電極回路配線の高密度化が強く求められている。また、ディスプレイ画面をより大きくするために、また商品デザイン上の要求により、電極回路配線が配置される額縁部をより狭くしたいとの要求があり、このような観点からも電極回路配線の高密度化が求められている。以上のような要求を満たすために、従来以上の電極回路配線の高密度配置を行うことができる技術が求められている。
抵抗膜方式の透明タッチパネルの額縁部分の電極回路配線の配置密度は、平面方向のラインとスペースの幅が各々200μm(以下、L/S=200/200μmというように略記する)以上程度であり、これを導電性ペーストのスクリーン印刷によって形成することが従来から行われている。静電容量方式のタッチパネルでは、L/Sの要求は100/100μm程度以下となっており、さらにはL/Sが50/50μm以下を求められる場合もあり、スクリーン印刷による電極回路配線形成技術では対応困難な状況になりつつある。
スクリーン印刷に替わる電極回路配線形成技術の候補の一例として、フォトリソグラフィ法が挙げられる。フォトリソグラフィ法を用いれば、L/Sが50/50μm以下の細線を形成することも十分に可能である。しかしながらフォトリソグラフィ法にも課題がある。フォトリソグラフィ法の最も典型的な事例は感光性レジストを用いる手法であり、一般的には、銅箔層を形成した表面基板の銅箔部位に感光性レジストを塗布し、フォトマスクあるいはレーザー光の直接描画等の方法により所望のパターンを露光し、感光性レジストの現像を行ない、その後、所望のパターン以外の銅箔部位を薬品で溶解・除去することにより、銅箔の細線パターンを形成させる。このため、廃液処理による環境負荷が大きく、さらには工程が煩雑であり、生産効率の観点、コスト的観点、銅箔酸化による外観不良等多くの課題を抱えている。
フォトリソグラフィ法には、感光性レジストを用いない方式もあり、例えば特許文献1、2には、導電性ペーストを用いて乾燥塗膜を形成し、これにレーザー光で直接描画を行い、レーザー光が照射された部分を基材に定着させ、未照射部分を現像除去し、所望のパターン形成する技術が開示されている。このような方法であれば、一般的なフォトリソグラフィ法に比べれば、感光性レジストを用いていない分、工程が簡略化されるが、従来から知られている感光性レジストを用いるフォトリソグラフィ法と同様にウエットプロセスの現像工程が必要であることから現像廃液処理の問題があり、また導電性ペーストの成分としてガラスフリットやナノサイズの銀粉を用いているので焼成工程で400℃以上の高温が必要であり多大なエネルギーが必要となるといった問題点や、用いることのできる基材が400℃以上の高温での焼成工程に耐えるものに限られるという問題点がある。さらには工程が煩雑であり、生産効率は不適であるといわざるを得ない。
上記のような状況により、スクリーン印刷に替わる電極回路配線形成技術の候補の一例として、特許文献3、特許文献4に技術が開示されている励起光の光束により導電性皮膜の一部を除去する方法、所謂レーザーエッチング工法が近年注目されている。レーザーエッチング工法を用いれば、L/Sが50/50μm以下の細線を形成することも十分に可能である。レーザーエッチング工法とは、バインダ樹脂と導電粉体からなる層(以後導電性薄膜と呼ぶ)を絶縁性基材上に形成し、その一部をレーザー光照射により絶縁性基材上から除去する工法のことである。
レーザーエッチング工法の更なる細線化の要望は強くL/S=30/30μm、20/20μm、15/15μmとエッチング幅は狭くなる傾向である。更にタッチパネルの大型画面化によりレーザーエッチングで塗膜を除去する距離も長くなっておりレーザーエッチング加工用導電性ペーストに求められる要求性能は日々高まりを増すばかりで、今まで顕在化しなかった回路の断線、短絡による不良が大きな問題になっており、改善が求められている。レーザーエッチング工法により高位品位な微細線を得るためには、レーザーエッチング直前の導電性被膜の品質が重要であり、導電性ペーストそのものはもちろん、印刷乾燥硬化プロセスも十分に管理しなければならない。
特開2010−237573号公報 特開2011−181338号公報 特願2012−161485号公報 特開2014−2992号公報
本発明の目的はレーザーエッチング幅が狭く、レーザーエッチング距離が長いといった難しいパターンでも回路の断線、短絡による不良を抑制可能なレーザーエッチング加工用導電ペーストを提供することにある。本発明の目的はレーザーエッチング工法において高品位な微細線を得るために必要な特性を具備した導電性被膜の実現である。
本発明者らは鋭意検討した結果、レーザーエッチング工法に最適なレーザーエッチング加工用導電性被膜を見出した。すなわち、本願発明は以下の構成からなるものである。
[1]導電フィラーとバインダ樹脂からなる導電性組成物により構成される導電性皮膜において、皮膜表面に存在する、直径50μm以下のリング状凹み欠点の存在密度が50個/cm2以下である事を特徴とする導電性皮膜。
[2]前記導電性皮膜において、リング状凹みが存在しない部分の表面粗さRaが0.1以上、1.0μm以下であることを特徴とする[1]記載の導電性皮膜。
[3]前記導電性皮膜の平均膜厚が2μm以上、20μm以下であることを特徴とする[1]または[2]記載の導電性皮膜。
[4]前記導電性組成物が、少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子、高分子バインダ樹脂を含有し、実質的に溶剤を含まないことを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の導電性皮膜。
[5]前記導電性組成物が、少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子、高分子バインダ樹脂を含有し、実質的に溶剤を含まないことを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の導電性皮膜。
[6]前記導電性組成物が、少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が50nm以上、3000nm以下のイオン補足剤粒子、高分子バインダ樹脂を含有し、実質的に溶剤を含まないことを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の導電性皮膜。
[7]励起光の光束により、[1]から[6]のいずれかに記載の導電性皮膜の一部を除去するプロセスを有することを特徴とする電気配線の形成方法。
[8] 少なくとも高分子バインダ樹脂(A)、平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粉(B)、有機溶剤(C)および平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子(D)を含有することを特徴とするレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[9] 前記バインダ樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、および繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする[8]記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[10]前記、バインダ樹脂(A)の数平均分子量が5,000〜60,000、ガラス転移温度が120℃未満、であることを特徴とする[8]または[9]に記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[11] 前記溶剤が、少なくとも沸点の異なる2種の溶剤の混合物であり、全溶剤量の45〜90質量%を占める第1の溶剤の沸点が200℃以上、270℃以下であり、第2の溶剤の沸点は第一の溶剤の沸点より10℃以上低く、全溶剤量の55〜10質量%であることを特徴とする[8]から[10]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[12] 前記、バインダ樹脂(A)の酸価が200当量/106g未満であることを特徴とする[8]から[11]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[13] 15μm以上の銀粗大粒子がペースト1.0gあたり、100個以下であることを特徴とする[8]から[12]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[14] 少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粉(B)、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子(E)、高分子バインダ樹脂(A)、溶剤(C)を含有することを特徴とするレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[15]前記バインダ樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、および繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする[14]記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[16]前記、バインダ樹脂(A)の数平均分子量が5,000〜60,000、ガラス転移温度が120℃未満、であることを特徴とする[14]または[15]に記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[17]前記溶剤(C)が、少なくとも沸点の異なる2種の溶剤の混合物であり、全溶剤量の45〜90質量%を占める第1の溶剤の沸点が200℃以上、270℃以下であり、第2の溶剤の沸点は第一の溶剤の沸点より10℃以上低く、全溶剤量の55〜10質量%であることを特徴とする[14]から[16]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[18]前記、バインダ樹脂(A)の酸価が200当量/106g未満であることを特徴とする[14]から[17]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[19]15μm以上の銀粗大粒子がペースト1.0gあたり、100個以下であることを特徴とする[14]から[18]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[20] 少なくとも
平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子(A)、および
平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン(E)または二酸化珪素粒子(D)、
平均粒子径が0.1μm以上、3μm以下の無機粒子(H)
高分子バインダー樹脂(A)、
溶剤(C)
を含有することを特徴とするレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[21]前記バインダ樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、および繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする[20]記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[22]前記、バインダ樹脂(A)の数平均分子量が5,000〜60,000、ガラス転移温度が120℃未満、であることを特徴とする[20または[21]に記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[23]前記溶剤が、少なくとも沸点の異なる2種の溶剤の混合物であり、全溶剤量の45〜90質量%を占める第1の溶剤の沸点が200℃以上、270℃以下であり、第2の溶剤の沸点は第一の溶剤の沸点より10℃以上低く、全溶剤量の55〜10質量%であることを特徴とする[20]から[22]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[24]前記、バインダ樹脂(A)の酸価が200当量/106g未満であることを特徴とする[20]から[23]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
[25]15μm以上の銀粗大粒子がペースト1.0gあたり、100個以下であることを特徴とする[20]から[24]のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
本発明はレーザーエッチング加工用の導電性被膜に関するものである。本発明者らは基材に塗布乾燥した銀ペースト被膜をレーザー光にて部分的に除去する、所謂レーザーエッチング法を用いて微細線形成技術の開発を行っていた際に、被膜表現に特定のパターンが観察されることを見出し、さらにレーザーエッチング後に微細線が断線する個所が、前記特定のパターン部分をレーザー光が通過した際に、レーザー光が部分散乱を生じ、本来切り取りたい線幅以上にペースト層をアブレーションしてしまい、それが結果として微細線の断線につながることを見出した。前記特定のパターンはリング状の凹み部分と、リング中央の凸部からなる。かかるパターン(以下リング状凹みと呼ぶ)は、ペースト塗膜乾燥時にペースト表面層が先に定率乾燥から減率乾燥状態となり、ペースト層内部から溶剤が揮発するためのパスが閉ざされてしまい、ペースト層内での内圧力が高まるためにペースト表面層が持ち上げられることによって生じる物と考えられる。
導電性ペースト被膜の乾燥は、乾燥過程において直接物性が変化しない無機粒子と、乾燥過程において物性が変化する分散媒であるバインダ樹脂と溶剤からなる複合系である。このような場合、減率乾燥領域における溶剤の揮発は、分散媒層内での拡散と同時に無機粒子の積み重ねによって生じる乾燥障壁の影響を受けるため、溶剤が被膜を抜ける乾燥パスが見かけの膜厚以上に長くなる。
従って、本発明が課題とするリング状凹み欠点を低減する第一の方法は、減率乾燥状態に達した後の乾燥条件をマイルドにして、低温で十分に長い時間をかけて乾燥することである。かかる手法により本発明が目的とするリング状凹み欠点が少ない、レーザーエッチング加工性に優れる導電性被膜を実現することができる。
一方で、乾燥時間を長く取ることは、生産性の上で問題を生じる。本発明者らは、導電ペースト組成にあらかじめ減率乾燥過程に於ける乾燥パスを形成しやすい成分を配合しておくことにより、減率乾燥領域での乾燥温度を下げること無く、良好な品質を有する導電性被膜を実現する事を見出した。
本発明において、導電性粒子とは別に添加される、平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子、平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子、平均粒子径が50nm以上、3000nm以下のイオン補足剤粒子は、ペーストの乾燥塗膜内にてネットワークを形成し、ペースト層内の溶剤揮発のパスを作り、拡散を促す作用を有する。さらに好ましくは溶剤として特定条件を満たす混合溶剤を用いることにより、さらに溶剤の揮発は促進され、結果としてペースト塗膜が減率乾燥に達した後であっても溶剤の移動がスムースになる。このような手法を組み合わせる事により、リング状凹みが低減され、L/S=50/50μm以下のレーザーエッチング加工によって形成したパターンにおいて回路の断線不良を抑制することができる好適な導電性被膜を得ることができる。
さらに本組成では塗膜内部に残留溶剤が残りにくく、結果として密着性が改良される。またレーザーエッチング時に残留溶剤が急激に揮発して発散することに伴うフラッシングが未然に防止されるため、さらに生産性にプラスの効果を得ることが出来る。
銀ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させた導電性薄膜に発生したリング状凹みのレーザー顕微鏡による反射画像、凹凸像、断面プロファイルである。 レーザーエッチング加工適性評価試験片の模式図である。
本発明の導電性被膜は、導電フィラーとバインダ樹脂からなる導電性組成物により構成され、皮膜表面に存在する、直径50μm以下のリング状凹み欠点の存在密度が50個/cm2以下である事を特徴とし、好ましくは前記導電性皮膜において、リング状凹みが存在しない部分の表面粗さRaが0.1以上、1.0μm以下であり、さらに好ましくは導電性皮膜の平均膜厚が2μm以上、20μm以下である。
本発明におけるリング状凹み欠点の一例を図1に示す。リング状凹み欠点は、周囲より膜厚が減じている部分がリング形状を形成しており、リングに囲まれた中央が隆起したカルデラ火山状の断面形態を有している。かかる形態の欠点が生じる過程を詳細に観察するには至っていないが、印刷直後の未乾燥被膜表面では観察されないため、導電性被膜の乾燥過程で生じるものと考えられる。
レーザーエッチング工法とは、導電性ペーストの塗布乾燥により得られた導電性被膜の不要部分をレーザー・アブレーションにて除去することにより微細線を形成する方法である。レーザーエッチング前の塗膜に「気泡跡」「抜け」などのような、得分的に導電性被膜が存在しない欠点があった場合に、その部分がエッチング後の断線欠点となることは容易に理解できる。リング状凹み欠点は、塗膜表面の比較的大きな凹凸ではあるが、必ずしも完全に導電被膜が存在しない部分があるわけではない。にもかかわらず、リング状凹み欠点が存在した部分はレーザーエッチング加工後の微細線の断線になり易い。
かかる現象はリング状凹み欠点の中央凸部が、周囲のリング状凹みによって塗膜内で半断熱状態に置かれるたえ、中央部分に熱の蓄積が生じ、異常なアブレーションを引き起こすことによると考えられる。
従って、良好なレーザーエッチング性を得るために、導電性被膜に存在するリング状凹み欠点の個数は少ない方が良く、その存在密度は50個/cm2以下であることが必須で有り、好ましくは20個/cm2以下であり、さらに好ましくは8個/cm2以下であり、なお好ましくは3個/cm2以下である。
また本発明では、リング状凹みが存在しない部分の表面粗さRaが0.1以上、1.0μm以下であることが好ましく、さらに0.1以上0.8μm以下で有り、さらに好ましくは0.1μm以上0.6μm以下である。
また、本発明の導電性被膜の平均膜厚は2μm以上、20μm以下であり、好ましくは3μm以上、14μm以下で有り、さらに好ましくは4μm以上11μm以下である。
本発明のリング状凹み欠点の少ない導電性被膜は、導電フィラーとバインダ樹脂と溶剤からなる導電性ペーストを低温でかつ十分に長い時間をかけて、例えば60℃〜100℃程度で60分から300分程度の条件にて乾燥固化させることによって実現可能である。しかしながら、実際の製造工程で、このような長時間を導電ペーストの乾燥過程に費やすことは事実上不可能である。
本発明では、少なくとも以下に示す(1)〜(3)のいずれかの方法により、本発明の目的とするリング状凹み欠点の少ない導電性被膜を得ることが出来る。
(1)少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子、高分子バインダ樹脂に、さらに溶剤を含む導電性ペーストを用いる方法、
(2)少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子、高分子バインダ樹脂に、さらに溶剤を含む導電性ペーストを用いる方法
(3)少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が50nm以上、3000nm以下のイオン補足剤粒子、高分子バインダ樹脂にさらに溶剤を含む導電性ペーストを用いる方法。
本発明の導電ペーストは、少なくとも
(A)高分子バインダ樹脂、
(B)平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粉
(C)有機溶剤
(D)平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子
を含有する。本組成において二酸化珪素粒子がペースト乾燥塗膜内にてネットワークを形成し、ペースト層内の溶剤揮発を促す作用を有する。さらに好ましくは溶剤として特定条件を満たす混合溶剤を用いることにより、さらに溶剤の揮発は促進され、結果としてペースト塗膜が減率乾燥に達した後であっても溶剤の移動がスムースになる。結果、リング状凹みが低減され、L/S=50/50μm以下のレーザーエッチング加工によって形成したパターンにおいて回路の断線不良を抑制することができる。さらに本組成では塗膜内部に残留溶剤が残りにくく、結果として密着性が改良される。
本発明の導電ペーストは、少なくとも
少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粒子(B)
平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子(E)、
高分子バインダ樹脂(A)、
有機溶剤(C)
を含有する。本組成においてカーボン粒子が乾燥塗膜内にてネットワークを形成し、ペースト層内の溶剤揮発を促す作用を有する。さらに好ましくは溶剤として特定条件を満たす混合溶剤を用いることにより、さらに溶剤の揮発は促進され、結果としてペースト塗膜が減率乾燥に達した後であっても溶剤の移動がスムースになる。結果、リング状凹みが低減され、L/S=50/50μm以下のレーザーエッチング加工によって形成したパターンにおいて回路の断線不良を抑制することができる。さらに本組成では塗膜内部に残留溶剤が残りにくく、結果として密着性が改良される。
本発明の導電ペーストは、少なくとも
(B)平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および
(G)平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボンまたは二酸化珪素粒子、
(H)平均粒子径が0.1μm以上、3μm以下の無機粒子、
(A)高分子バインダー樹脂、
(E)溶剤
を含有する。本組成においては(G)カーボンまたは二酸化珪素粒子に加えて、(H)平均粒子径が0.1μm以上、3μm以下の無機粒子がペーストの乾燥塗膜内にてネットワークを形成し、ペースト層内の溶剤揮発を促す作用を有する。さらに好ましくは溶剤として特定条件を満たす混合溶剤を用いることにより、さらに溶剤の揮発は促進され、結果としてペースト塗膜が減率乾燥に達した後であっても溶剤の移動がスムースになる。結果、リング状凹みが低減され、L/S=50/50μm以下のレーザーエッチング加工によって形成したパターンにおいて回路の断線不良を抑制することができる。さらに本組成では塗膜内部に残留溶剤が残りにくく、結果として密着性が改良される。またレーザーエッチング時に残留溶剤が急激に揮発して発散することに伴うフラッシングが未然に防止されるため、さらに生産性にプラスの効果を得ることが出来る。
本発明におけるバインダ樹脂(A)の種類は熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合、ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独で、あるいは2種以上の混合物として、使用することができる。この中でもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。また、これらの樹脂の中でも、ポリエステル樹脂、ポリエステル成分を共重合成分として含有するポリウレタン樹脂(以下ポリエステルポリウレタン樹脂と呼ぶ場合がある)、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂のうち少なくとも1種以上を用いることが、バインダ樹脂としてより好ましい。
本発明におけるバインダ樹脂としてポリエステル樹脂を用いることの利点の一つとして、分子設計の自由度の高さにある。ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸およびグリコール成分を選定し、共重合成分を自在に変化させることができ、また、分子鎖中、もしくは分子末端への官能基の付与も容易である。このため、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度や基材および導電性ペーストに配合される他の成分との親和性等の樹脂の特性を適宜調整することができる。
本発明におけるバインダ樹脂として用いられるポリエステル樹脂の共重合成分として使用することのできるジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマー酸等の炭素数12〜28の二塩基酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸を挙げることができる。また、発明の効果を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の三価以上のカルボン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸、および/または、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等の
スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を共重合成分として併用してもよい。
本発明におけるバインダ樹脂として用いられるポリエステル樹脂の共重合成分として使用することのできるポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオール等の脂環族ジオールが挙げられる。また、発明の効果を損なわない範囲でトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の三価以上のポリオールを共重合成分として併用してもよい。
本発明におけるバインダ樹脂として用いられるポリエステル樹脂は密着性や併用する他の樹脂との相溶性及び耐熱衝撃性等の観点から、前記ポリエステル樹脂を構成する全酸成分のうち脂肪族ジカルボン酸が10モル%以上共重合されていることが好ましく、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上である。芳香族ジカルボン酸成分の共重合比率が高すぎると、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度が60℃以上となり、併用する樹脂との相溶性悪化に起因する保存安定性の悪化やレーザーエッチング加工の直線性の低下、得られる導電性薄膜のレーザーエッチング後の密着性低下が起きる可能性がある。
本発明におけるバインダ樹脂としてポリウレタン樹脂を用いることも好ましい実施態様である。ポリエステル樹脂の場合と同様、ポリウレタン樹脂に関しても、ポリウレタン樹脂を構成する共重合成分として適切な成分を選定し、また、分子鎖中、もしくは分子末端への官能基の付与をおこなうことにより、ガラス転移温度や基材および導電性ペーストに配合される他の成分との親和性等の樹脂の特性を適宜調整することができる。
ポリウレタン樹脂の共重合成分に関しても特に限定はされないが、設計の自由度や耐湿熱性、耐久性の維持といった観点から、ポリエステルポリオールを共重合成分として用いるポリエステルポリウレタン樹脂であることが好ましい。前記ポリエステルポリオールの好適な例としては、前述の本発明におけるバインダ樹脂として用いることのできるポリエステル樹脂のうちポリオールであるものを挙げることができる。
本発明におけるバインダ樹脂として用いられるポリウレタン樹脂は、例えばポリオールとポリイソシアネートの反応によって得ることができる。前記ポリウレタン樹脂の共重合成分として用いることのできるポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等を挙げることがで、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートのいずれであっても良い。また、本発明の効果を損なわない範囲で、三価以上のイソシアネート化合物を共重合成分として併用しても良い。
本発明におけるバインダ樹脂として用いられるポリウレタン樹脂には、イソシアネートと反応し得る官能基を有する化合物を必要に応じて共重合することができる。イソシアネートと反応し得る官能基としては、水酸基及びアミノ基が好ましく、いずれか一方を有するものでも双方を有するものであっても良い。その具体的な例としては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール、ダイマージオール(たとえば、ユニケマ・インターナショナル社製PRIPOOL−2033)等の1分子中に2個の水酸基を有する化合物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に3個以上の水酸基を有するアルコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の1分子に1個以上の水酸基とアミノ基を有するアミノアルコール、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミンなどの脂肪族ジアミンやメタキシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどの1分子中に2個のアミノ基を有する化合物が挙げられる。上記の数平均分子量1,000未満の1分子に2個以上のイソシアネートと反応し得る官能基を有する化合物は単独で用いてもよいし複数を併用しても何ら問題はない。
本発明におけるバインダ樹脂として用いられるエポキシ樹脂は、たとえば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールSグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ブロム化ビスなどのグリシジルエーテルタイプ、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステルタイプ、トリグリシジルイソシアヌレート、あるいは3,4?エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油などの脂環族あるいは脂肪族エポキサイドなどが挙げられ、一種単独で用いても二種以上を併用しても構わない。このうち塗膜の耐久性の観点より、ビスフェノールAグリシジルエーテルが好ましく、一分子中にグリシジルエーテル基を2つ以上有するものがさらに好ましい。
本発明におけるバインダ樹脂の数平均分子量は特に限定はされないが、数平均分子量が5,000〜60,000であることが好ましく、より好ましくは10000〜40000である。数平均分子量が低すぎると、形成された導電性薄膜の耐久性、耐湿熱性の面で好ましくない。一方、数平均分子量が高すぎると、樹脂の凝集力が増し、導電性薄膜としての耐久性等は向上するものの、レーザーエッチング加工適性が顕著に悪化する。
本発明におけるバインダ樹脂のガラス転移温度は120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が低いと、レーザーエッチング後の直線性が良好になり、レーザーエッチング後の基材密着性が良好な傾向となる。
本発明におけるバインダ樹脂の酸価は特に限定されないが、酸価が高すぎると、形成される導電性薄膜の吸水性が高くなる上、カルボキシル基による触媒作用によりバインダ樹脂の加水分解が促進される可能性があり、導電性薄膜の信頼性の低下につながる可能性がある。加水分解はガラス転移温度が低いほうがより顕著である。そこで、バインダ樹脂の酸価を低酸価、好ましくは400eq/ton未満、より好ましくは300eq/ton以下とすることで、導電性薄膜の高信頼性とレーザーエッチングの直線性および密着性を併せ持つ導電性ペーストを実現するに至った。
本発明に用いられる金属粉(B)としては、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉等の卑金属粉、銀等の貴金属でめっき又は合金化した卑金属粉等、例えば銀コート銅粉を挙げることができる。これらの金属粉は、単独で用いてもよく、また、併用してもよい。これらの中でも導電性、安定性、コスト等を考慮すると銀粉単独及び/又は銀をメッキした銀メッキ銅粉、或いは銀メッキ合金粉を主体とするものが好ましい。
本発明に用いられる金属粉の形状は特に限定されない。従来から知られている金属粉の形状の例としては、フレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)、特開平9−306240号公報に記載されている球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状(凝集状)等があり、レーザーエッチング性の観点よりこれらの中で、球状、凝集状およびフレーク状の金属粉を用いることが好ましく、さらに好ましくはフレーク状、凝集状である。
本発明に用いられる金属粉の中心径(D50)は6μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましい。中心径が6μm以下の金属粉を用いることで、レーザーエッチング加工部位の細線形状が良好となる傾向にある。中心径が6μmより大きい金属粉を用いた場合には、レーザーエッチング加工後の細線形状が悪くなり、結果として細線同士が接触を起こし、短絡を招く可能性がある。さらには、レーザーエッチング加工で、一旦剥離・除去した導電性薄膜が再度加工部位に付着する可能性がある。金属粉の中心径の下限は特に限定されないが、コスト的観点ならびに、粒径が細かくなると凝集し易く、結果として分散が困難となるため中心径は80nm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましい。中心径が80nmより小さくなると、金属粉の凝集力が増し、レーザーエッチング加工適正が悪化する他、コスト的観点からも好ましくない。
なお、中心径(D50)とは、何らかの測定方法によって得られた累積分布曲線(体積)において、その累積値が50%となる粒径(μm)のことである。本発明においては、累積分布曲線をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装(株)製、MICROTRAC HRA)を用い全反射モードで測定することとする。
金属粉の含有量は、形成された導電性薄膜の導電性が良好であるという観点から、バインダ樹脂100質量部に対して、400質量部以上が好ましく、560質量部以上がより好ましい。また、成分の含有量は、基材との密着性において良好であるという観点から、バインダ樹脂100質量部に対して、1,900質量部以下が好ましく、1,230質量部以下がより好ましい。本発明で好ましく用いる事が出来るのは銀粒子(銀粉)である。
本発明に用いることのできる有機溶剤(C)は、とくに限定されないが、有機溶剤の揮発速度を適切な範囲に保つ観点から、沸点が100℃以上、300℃未満であることが好ましく、より好ましくは沸点が150℃以上、280℃未満である。本発明の導電性ペーストは、典型的にはバインダ樹脂、金属粉、有機溶剤および必要に応じてその他の成分を三本ロールミル等で分散して作製するが、その際に有機溶剤の沸点が低すぎると、分散中に溶剤が揮発し、導電性ペーストを構成する成分比が変化する懸念がある。一方で、有機溶剤の沸点が高すぎると、乾燥条件によっては溶剤が塗膜中に多量に残存する可能性があり、塗膜の信頼性低下を引き起こす懸念がある。
また、本発明に用いることのできる有機溶剤としては、バインダ樹脂が可溶であり、かつ、金属粉を良好に分散させることができるものが好ましい。具体例としては、エチルジグリコールアセテート(EDGAC)、ブチルグリコールアセテート(BMGAC)、ブチルジグリコールアセテート(BDGAC)、シクロヘキサノン、トルエン、イソホロン、γ-ブチロラクトン、ベンジルアルコール、エクソン化学製のソルベッソ100,150,200、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アジピン酸、こはく酸およびグルタル酸のジメチルエステルの混合物(例えば、デュポン(株)社製DBE)、ターピオネール等が挙げられるが、これらの中で、バインダ樹脂の配合成分の溶解性に優れ、連続印刷時の溶剤揮発性が適度でありスクリーン印刷法等による印刷に対する適性が良好であるという観点から、EDGAC、BMGAC、BDGACおよびそれらの混合溶剤が好ましい。
有機溶剤の含有量としては、ペースト全重量100重量部に対して5重量部以上、40重量部以下であることが好ましく、10重量部以上、35重量部以下であることがさらに好ましい。有機溶剤の含有量が高すぎるとペースト粘度が低くなりすぎ、細線印刷の際にダレを生じやすくなる傾向にある。一方で有機溶剤の含有量が低すぎると、ペーストとしての粘度が極めて高くなり、導電性薄膜を形成させる際の例えばスクリーン印刷性が顕著に低下する他、形成された導電性薄膜の膜厚が厚くなり、レーザーエッチング加工性が低下する場合がある。
本発明の導電性ペーストに用いる二酸化珪素粒子(D)の種類はなんら限定されるものではないが、シリカ、フュームドシリカ(例えば日本アエロジル社製のアエロジル)、コロイダルシリカ等を用いることができる。二酸化珪素粒子を用いない場合、導電性薄膜中のフィラー充填性が悪く、溶剤が突沸し、リング状凹みを生じやすくなる。一方、二酸化珪素粒子を用いることで、導電性薄膜中のフィラー充填性が高くなることで、溶剤が突沸しにくく、リング状凹みを抑制することができる。
本発明に用いられる二酸化珪素粒子の平均一次粒子径は、200nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。酸化珪素粒子の粒子径が大きいとフィラーの充填性が悪く、リング状凹みを抑制することができない。
本発明に用いられる二酸化珪素粒子の含有量としては、金属粉末100質量部に対して、25質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下で配合することが好ましい。
本発明の導電性ペーストに用いるカーボン粒子(E)としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック等を用いることができる。カーボン粒子を用いない場合、導電性薄膜中のフィラー充填性が悪く、乾燥中に溶剤が塗膜表面層を押し上げ、リング状凹みを生じやすくなる。一方、カーボン粒子を適量配合することで、導電性薄膜中のフィラー充填性が高くなり、溶剤のパスが分散均一化し、一個所に集中しなくなるため、リング状凹みを抑制することができる。
本発明に用いられるカーボン粒子の平均一次粒子径は、200nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。酸化珪素粒子の粒子径が大きいとフィラーの充填性が悪く、リング状凹みを抑制することができない。
本発明に用いられるカーボン粒子の含有量としては、金属粉末100質量部に対して、25質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下で配合することが好ましい。本発明のカーボン粒子はレーザー光吸収剤としての作用も有する。
本発明の導電性ペーストに配合される無機粒子(H)としては、下記の無機物を添加することができる。無機物としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物;窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物;酸化チタン(チタニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム等の各種酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物;二硫化モリブデン等の硫化物;硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸化物;フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸;その他、滑石、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カオリン、ガラス繊維、雲母等を用いることができる。これらの無機物を添加することによって、印刷性や耐熱性、さらには機械的特性や長期耐久性を向上させることが可能となる場合がある。
本発明の導電性ペーストに配合される無機粒子としては、好ましくは無機イオン補足剤を用いることができる。無機イオン補足剤とは一次粒子径がサブミクロンの無機粒子であって、金属の酸化物、ないし水酸化物とハイブリッド化されたハイドロタルサイトである。市販品としては東亞合成株式会社製のIXE、IXEPLAS等を例示できる。
本発明に用いられる無機粒子の平均粒子径は0.1μm以上、3μm以下であり、好ましくは。1μm以上1.2μmでありさらに好ましくは0.13μm以上0,85μm以下である。無機粒子の粒子径が大きいとフィラーの充填性が悪く、リング状凹みを抑制することができない。
本発明に用いられる無機粒子の含有量としては、金属粉末100質量部に対して、25質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下で配合することが好ましい。
本発明の導電ペーストには、レーザー光吸収剤(F)を配合しても良い。ここでレーザー光吸収剤とは、レーザー光の波長に強い吸収を有する添加剤のことであり、レーザー光吸収剤自身は導電性であっても非導電性であってもよい。例えば、基本波の波長が1064nmであるYAGレーザーを光源として用いる場合には、波長1064nmに強い吸収を有する染料および/又は顔料を、レーザー光吸収剤として用いることができる。レーザー光吸収剤を配合するとにより、本発明の導電性薄膜はレーザー光を高効率に吸収し、発熱によるバインダ樹脂の揮散や熱分解が促進され、その結果レーザーエッチング加工適性が向上する。
本発明に用いることのできるレーザー光吸収剤のうち、導電性を有するものの例としては、カーボンブラック、グラファイト粉などの炭素系のフィラーを挙げることができる。カーボンブラックの種類に制約は無く、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック等が上げられる。これらの中で導電性、レーザー吸収性の観点からケッチェンブラックが好ましい。炭素系のフィラーの配合は、本発明の導電性薄膜導電性を高める効果もあるが、例えばカーボンブラックは1060nm近傍に吸収波長を有しているので、YAGレーザー、ファイバーレーザーなどの1064nmの波長のレーザー光を照射すれば導電性薄膜がレーザー光を高効率で吸収するのでレーザー光照射に対する感度が高まり、レーザー照射の走査速度を上げた場合および/またはレーザー光源が低出力な場合においても良好なレーザーエッチング加工適性が得られる、との効果が期待できる。前記炭素系フィラーの含有量としては金属粉100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましく、0.3〜2重量部であることがより好ましい。炭素系フィラーの配合比率が低すぎる場合は、導電性を高める効果およびレーザー光照射に対する感度を上げる効果が小さい。一方で炭素系フィラーの
配合比率が高すぎる場合は、導電性薄膜の導電性が低下する傾向にあり、更に、カーボンの空隙部位へ樹脂が吸着し、基材との密着性が低下するという問題点が生じる場合もある。
本発明に用いることのできるレーザー光吸収剤のうち、非導電性のものの例としては、従来公知の染料、顔料および赤外線吸収剤を挙げることができる。より具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料、顔料としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、が使用できる。赤外線吸収剤の例としてはジイモニウム塩タイプの赤外線吸収剤であるNIR−IM1、アミニウム塩タイプのNIR−AM1(ともにナガセケムテックス社製)を挙げることができる。これらの非導電性のレーザー光吸収剤は0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部含むことが好ましい。非導電性のレーザー光吸収剤の配合比率が低すぎる場合は、レーザー光照射に対する感度を上げる効果が小さい。非導電性のレーザー光吸収剤の配合比率が高すぎる場合は、導電性薄膜の導電性が低下するおそれがあり、またレーザー光吸収剤の色目が顕著となり、用途によっては好ましくない場合がある。
また、本発明の導電性ペーストには、チキソ性付与剤、消泡剤、難燃剤、粘着付与剤、加水分解防止剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料を配合することができる。さらには樹脂分解抑制剤としてカルボジイミド、エポキシ等を適宜配合することもできる。これらは単独で、もしくは併用して用いることができる。
本発明の導電性ペーストには、バインダ樹脂と反応し得る硬化剤(G)を、本発明の効果を損なわない程度に配合してもよい。硬化剤を配合することにより、硬化温度が高くなり、生産工程の負荷が増す可能性はあるが、塗膜乾燥時あるいはレーザーエッチング時に発生する熱による架橋で塗膜の耐湿熱性の向上が期待できる。
本発明のバインダ樹脂に反応し得る硬化剤は、種類は限定しないが密着性、耐屈曲性、硬化性等からイソシアネート化合物および/またはエポキシ樹脂が特に好ましい。さらに、イソシアネート化合物に関しては、イソシアネート基をブロック化したものを使用すると、貯蔵安定性が向上し、好ましい。イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂等のアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、フェノール樹脂等の公知の化合物が挙げられる。これらの硬化剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもでき
る。硬化剤の配合量としては、本発明の効果を損なわない程度に配合されるものであり、特に制限されるものではないが、バインダ樹脂100質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、2〜20質量部がさらに好ましい。
本発明の導電性ペーストに配合することができるイソシアネート化合物の例としては、芳香族又は脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等があり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、等の芳香族ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、あるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量と例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物又は各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物等と反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。また、イソシアネート基
のブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類;アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール類;t−ブタノール、t−ペンタノール等の第三級アルコール類;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタム等のラクタム類、ピラゾール類ブロック剤が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステル等の活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類、ピラゾール類が特に好ましい。
本発明において硬化剤として用いられるエポキシ化合物は、たとえば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールSグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ブロム化ビスなどのグリシジルエーテルタイプ、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステルタイプ、トリグリシジルイソシアヌレート、あるいは3,4?エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油などの脂環族あるいは脂肪族エポキサイドなどが挙げられ、一種単独で用いても二種以上を併用しても構わない。このうち硬化性の観点より、ビスフェノールAグリシジルエーテルが最も好ましく、その中でも分子量5000未満、一分子中にグリシジルエーテル基を2つ以上有するものがさらに好ましい。
本発明の導電性ペーストの粘度は特に限定されず、塗膜の形成方法に応じて適切に調整すればよい。例えば、導電性ペーストの基材への塗布をスクリーン印刷によって行う場合には、導電性ペーストの粘度は、印刷温度においてBH型粘度計20rpmで測定した際の粘度が好ましくは200dPa・s以上、さらに好ましくは400dPa・s以上、最も好ましくは600dPa・s以上である。上限は特には限定しないが、粘度が高すぎると導電性薄膜の膜厚が厚くなりすぎ、レーザーエッチング加工適性が低下する場合がある。
本発明の導電性ペーストは、F値が60〜95%であることが好ましく、より好ましくは75〜95%である。F値とはペースト中に含まれる全固形分100質量部に対するフィラー質量部を示す数値であり、F値=(フィラー質量部/固形分質量部)×100で表される。ここで言うフィラー質量部とは導電性粉末の質量部、固形分質量部とは溶剤以外の成分の質量部であり、導電性粉末、バインダ樹脂、その他の硬化剤や添加剤を全て含む。F値が低すぎると良好な導電性を示す導電性薄膜が得られず、F値が高すぎると導電性薄膜と基材との密着性及び/又は導電性薄膜の表面硬度が低下する傾向にあり、印刷性の低下も避けられない。尚、ここで導電性粉末とは、金属粉および非金属からなる導電性粉末の双方を指す。
本発明の導電性ペーストを基材上に塗布または印刷して塗膜を形成し、次いで塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させ塗膜を乾燥させることにより、本発明の導電性薄膜を形成することができる。導電性ペーストを基材上に塗布または印刷する方法はとくに限定されないが、スクリーン印刷法により印刷することが工程の簡便さおよび導電性ペーストを用いて電気回路を形成する業界で普及している技術である点から好ましい。また、導電性ペーストは、最終的に電気回路として必要とされる導電性薄膜部位よりも幾分広い部位に塗布または印刷することが、レーザーエッチング工程の負荷を下げ効率よく本発明の電気回路を形成するとの観点から、好ましい。
本発明の導電性ペーストを塗布する基材としては、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート或いはポリカーボネート等の可撓性に優れる材料からなるフィルムを挙げることができる。また、ガラス等の無機材料も基材として使用することができる。基材の厚みはとくに限定されないが、12.5μm〜1mmであることが好ましく、更に好ましくは25μm〜0.5mmである。パターン形成材料の機械的特性、形状安定性あるいは取り扱い性等を考慮すると前述の範囲となる。
また、本発明の導電性ペーストを塗布する基材の表面に物理的処理および/または化学的処理を行うことにより、導電性薄膜と基材との密着性を向上させることができる。物理的処理方法の例としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射処理法などを挙げることができる。また、化学的処理方法の例としては、強酸処理法、強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などを挙げることができる。
また、前記基材は透明導電性層を有するものであってもよい。本発明の導電性薄膜を透明導電性層上に積層することができる。前記透明導電性層の素材は特に限定されず、例えば、酸化インジウム・スズを主成分としてなるITO膜や、ナノサイズの線状銀からなる銀ナノワイヤ膜を挙げることができる。また、透明導電性層は基材全面に形成されたものだけでなく、エッチング等により透明導電性層の一部が除去されたものを使用することもできる。
有機溶剤を揮散させる工程は、常温下および/または加熱下で行うことが好ましい。加熱する場合、乾燥後の導電性薄膜の導電性や密着性、表面硬度が良好となることから、加熱温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましい。また、下地の透明導電性層の耐熱性、及び生産工程における省エネルギーの観点から、加熱温度は150℃以下が好ましく、135℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。本発明の導電性ペーストに硬化剤が配合されている場合には、有機溶剤を揮散させる工程を加熱下で行うと、硬化反応が進行する。
本発明の導電性薄膜の厚さは、用いられる用途に従って適切な厚さに設定すればよい。但し、乾燥後の導電性薄膜の導電性が良好であるという観点と、レーザーエッチング加工適性が良好であるという観点から、導電性薄膜の膜厚は3μm以上、30μm以下が好ましく、より好ましくは4μm以上、20μm以下であり、さらに好ましくは4μm以上、10μm以下である。導電性薄膜の膜厚が薄すぎると、回路としての所望の導電性が得られない可能性がある。膜厚が厚すぎると、レーザーエッチング加工に要するレーザー照射量が過大に必要になり、基材にダメージを与える場合がある。また、膜厚のばらつきが大きいと、導電性薄膜のエッチングされやすさにばらつきが生じ、エッチング不足による線間の短絡やエッチング過剰による断線が生じやすくなる傾向にある。このため、膜厚のばらつきは小さい方がよい。
本発明の導電性薄膜の表面粗度Raは0.7μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.4μm以下である。表面粗度Raが高すぎると、導電性薄膜のエッチング端部にギザが発生しやすくなり、線間の短絡やエッチング過剰による断線が生じやすくなる可能性がある。 表面粗度Raはペースト組成(特にバインダ種と銀粉種)、ペースト粘度、スクリーン印刷条件の影響を強く受けるため、これらを適宜調整してコントロールする必要がある。
本発明の電気回路は、本発明の導電性ペーストによって基材上に形成された導電性薄膜の少なくとも一部にレーザー光を照射して、前記導電性薄膜の一部を基材上から除去することによって形成された配線部位を有する電気回路である。このような電気回路の形成方法を採れば、フォトリソグラフィ法と違ってパターン形成工程をドライプロセスとすることができ、金属成分を含有する廃液も発生しないので廃液処理等が必要なく、環境に優しいプロセスであると言える。また、工程も単純なので、製造設備に関する投資を抑えられ、製造設備の稼動後の維持管理も容易である。なお、導電性ペーストによって基材上に導電性薄膜を形成する方法は特に限定されないが、印刷または塗装によって行うことができる。
レーザー光の照射方法はとくに限定されないが、近年普及が進んでいるレーザーエッチング加工装置、あるいはこれの寸法精度をさらに向上させたものを使うことができる。レーザーエッチング加工装置は、CADなどの画像処理アプリケーションソフトウェアで制作したデータをそのままレーザー加工に用いることができるので、製造パターンの切り替えが極めて容易である。このことは、従来から行われているスクリーン印刷法でのパターン形成に対する優位点の一つとしてとして挙げることができる。
レーザー光が照射され吸収された部位においては、レーザー光のエネルギーが熱へと変換され、温度上昇により熱分解および/または揮散が生じ、照射部位が剥離・除去される。本発明の導電性薄膜のレーザー光を照射された部位が効率よく基材から除去されるためには、本発明の導電性薄膜が照射レーザー光の波長に強い吸収を有することが好ましい。よって、レーザー種としては、本発明の導電性薄膜を構成するいずれかの成分が強い吸収を有する波長領域にエネルギーを有するレーザー種を選択することが好ましい。
レーザー種としては、エキシマレーザ(基本波の波長が193〜308nm)、YAGレーザ(基本波の波長が1064nm)、ファイバーレーザー(基本波の波長が1060nm)、半導体レーザーなどが挙げられる。基本的にはどのような方式、どのような波長のレーザー種を用いても何ら問題はない。導電性薄膜のいずれかの構成成分の吸収波長領域と一致し、なおかつ基材が強い吸収を有さない波長を照射することのできるレーザー種を選択することにより、レーザー光照射部位の導電性薄膜の除去を効率的に行い、なおかつ基材のダメージを避けることができる。このような観点から、照射するレーザー種としては、レーザーの波長は190nm〜1100nmが好ましく、更に好ましくは500nm〜1000nmである。基材としてポリエステルを層構造に有する導電性薄膜、あるいはポリエステルを層構造に有する導電性薄膜の一部がエッチングによって除去された薄膜を用いる場合には、YAGレーザーまたはファイバーレーザーを使用することが、基本波の波長に基材が吸収を有さないので基材にダメージを与えにくい点で特に好ましい。
レーザー出力、周波数は特に限定されないが、レーザー光照射部位の導電性薄膜をエッチング幅10〜40μmで除去でき、かつ下地の基材が損傷しないように調節する。一般的には、レーザー出力は、0.5〜100W、周波数10〜1000kHz、パルス幅1000ns以下の範囲で適宜調節することが好ましい。レーザー出力が低すぎると、導電性薄膜の除去が不十分となる傾向にあるが、レーザーの走査速度を低くしたり走査回数を増やしたりすることによりそのような傾向はある程度回避できる。レーザー出力が高すぎると、照射部分からの熱の拡散によって導電性薄膜が剥離される部位がレーザービーム径よりも極端に大きくなり、線幅が細くなりすぎたり断線したりする可能性がある。この点で、レーザー出力は、0.5〜20W、周波数10〜800kHz、パルス幅800ns以下の範囲で適宜調節することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜12W、周波数10〜600kHz、パルス幅600ns以下である。パルス幅の下限好ましくは1fs以上、更に好ましくは1ps以上、最も好ましくは1ns以上である。
レーザー光の走査速度は、タクトタイムの減少による生産効率向上の観点からは高いほどよく、具体的には、1000mm/s以上が好ましく、1500mm/s以上がより好ましく、さらに好ましくは2000mm/s以上、である。上限は特に制限しないが凡そ10000mm/s以下である。走査速度が遅すぎると、生産効率が低下するのみならず、導電性薄膜および基材が熱履歴によりダメージを受けるおそれがある。加工速度の上限は特には定めないが、走査速度が高すぎると、レーザー光照射部位の導電性薄膜の除去が不完全となり回路が短絡する可能性がある。また、走査速度が速すぎると、形成するパターンのコーナー部位において、直線部位と比較して走査速度を減速させることが避けられなくなるため、コーナー部位の熱履歴が直線部位にくらべて高くなり、コーナー部位のレーザーエッチング加工部位周辺の導電性薄膜の物性が顕著に低下するおそれがある。
レーザー光の走査は、レーザー光の発射体を動かす、レーザー光を照射される被照射体を動かすあるいは双方を組み合わせる、のいずれでも良く、例えばXYステージを用いることにより実現できる。また、ガルバノミラー等を用いてレーザー光の照射方向を変更することによりレーザー光を走査することもできる。
レーザー光の照射に際して、集光レンズ(アクロマティックレンズ等)を使用することにより、単位面積あたりのエネルギー密度を高めることができる。この方法の利点としては、マスクを使用する場合と比較して、単位面積当たりのエネルギー密度を大きくすることができるため、小さな出力のレーザー発振器であっても高い走査速度でレーザーエッチング加工を行うことが可能になる点が挙げられる。集光したレーザー光を導電性薄膜へ照射する場合、焦点距離を調節する必要がある。焦点距離の調節は、特に基材に塗布されている膜厚によって調節する必要があるが、基材に損傷を与えず、かつ所定の導電性薄膜パターンを剥離・除去できるように調節することが好ましい。
レーザー光の走査を複数回同一パターンで繰り返し行うことは、好ましい実施態様のひとつである。1回目の走査において除去不完全な導電性薄膜部位があった場合、もしくは除去した導電性薄膜を構成する成分が再度基材に付着した場合であっても、複数回の走査でレーザー光照射部位の導電性薄膜を完全に除去することが可能となる。走査回数は好ましくは4回であり、更に好ましくは3回である。上限は特には限定されないが、加工部位周辺が熱履歴を複数回受けることで、ダメージを受け、変色し、塗膜物性が低下する可能性があるため、注意が必要となる。また、生産効率の点からは、走査回数は少ないほど良いのは当然である。
レーザー光の走査を複数回同一パターンで繰り返し行なわないことも、好ましい実施態様のひとつである。得られる導電性薄膜、導電性積層体および電気回路の特性に悪影響を及ぼさない限り、走査回数は少ないほど生産効率に優れることは当然である。
本発明の導電性薄膜は、高価な導電性粉体を高濃度で含有しているので、製造される電気回路製造に要するトータルコストを考えると、基材から除去される導電性薄膜に含まれる導電性粉体を回収し再利用することが重要である。レーザー光照射部位近傍に高性能な集塵機を備え付け、導電性粉体を効率よく回収するシステムを構築することで、十分に採算性のある加工法とすることができる。
本発明の導電性薄膜、導電性積層体および/または電気回路はタッチパネルの構成部材として用いることができる。前記タッチパネルは、抵抗膜方式であっても静電容量方式であってもよい。いずれのタッチパネルにも適用が可能であるが、本ペーストは、細線形成に好適であるため、静電容量方式のタッチパネルの電極配線用に特に好適に用いることができる。尚、前記タッチパネルを構成する基材としては、ITO膜や銀ナノワイヤ膜等の透明導電性層を有しているフィルム又はガラス基材、もしくはそれらがエッチングによって一部除去された基材を用いることが好ましい。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例、比較例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例、比較例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
1.数平均分子量
試料バインダ樹脂を、樹脂濃度が0.5重量%程度となるようにテトラヒドロフランに溶解し、孔径0.5μmのポリ四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過し、GPC測定試料とした。テトラヒドロフランを移動相とし、島津製作所社製のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)Prominenceを用い、示差屈折計(RI計)を検出器として、カラム温度30℃、流量1ml/分にて樹脂試料のGPC測定を行なった。尚、数平均分子量は標準ポリスチレン換算値とし、分子量1000未満に相当する部分を省いて算出した。GPCカラムは昭和電工(株)製のshodex KF−802、804L、806Lを用いた。
2.ガラス転移温度(Tg)
試料バインダ樹脂5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコー25インスツルメンツ(株)製の示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
3.酸価
試料バインダ樹脂0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、指示薬にフェノールフタレイン溶液を用い、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定を行った。酸価の単位はeq/ton、すなわち試料1トン当たりの当量とした。なお、ここにトンはメトリックトンである。
4.樹脂組成
クロロホルム−dに試料バインダ樹脂を溶解し、VARIAN製400MHz−NMR装置を用い、1H−NMR分析により樹脂組成を求めた。
5.導電性積層体テストピースの作成
厚み100μmのアニール処理をしたPETフィルム(東レ社製ルミラーS)およびITO膜(尾池工業(株)製、KH150)のそれぞれに、400メッシュのステンレススクリーンを用いてスクリーン印刷法により導電性ペーストを印刷し、幅25mm、長さ450mmのべた塗りパターンを形成し、次いで熱風循環式乾燥炉にて130℃で30分加熱したものを導電性積層体テストピースとした。なお、乾燥膜厚が4〜10μmになるように印刷時の塗布厚を調整した。
6.密着性
前記導電性積層体テストピースを用いてJIS K−5400−5−6:1990に従って、セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を用い、剥離試験により評価した。但し、格子パターンの各方向のカット数は11個、カット間隔は1mmとした。100/100は剥離がなく密着性が良好なことを示し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
7.比抵抗
前記導電性積層体テストピースのシート抵抗と膜厚を測定し、比抵抗を算出した。膜厚はゲージスタンドST−022(小野測器社製)を用い、PETフィルムの厚みをゼロ点として硬化塗膜の厚みを5点測定し、その平均値を用いた。シート抵抗はMILLIOHMMETER4338B(HEWLETT PACKARD社製)を用いてテストピース4枚について測定し、その平均値を用いた。尚、本ミリオームメーターで検出できる範囲は1×10-2以下(Ω・cm)であり、1×10-2(Ω・cm)以上の比抵抗は測定限界外となる。
8.耐湿熱性試験:
導電性積層体テストピースを、80℃で300時間加熱し、次いで85℃、85%RH(相対湿度)で300時間加熱し、その後24時間常温で放置した後、各種評価を行った。
9.表面粗度
前記導電性積層体テストピース1において、表面粗さ計(ハンディーサーフE-35B、東京精密社製、JIS-1994に基づき算出)を用い、表面粗さRaを測定した。
10.レーザーエッチング加工適性の評価
スクリーン印刷法により、ポリエステル基材(東レ社製ルミラーS(厚み100μm))上に、導電性ペーストを2.5×10cmの長方形に印刷した。スクリーン版は400メッシュ、線径18μm、カレンダー加工あり、乳剤厚10μのステンレススクリーン、印刷機は東海商事株式会社製SSA−TF150Eを用い印刷条件はスキージ速度100mm/s、スクレッパ速度75mm/s、押し込み量1.0mm/s、クリアランス1.5mm、スキージ圧0.4MPa、スキージ角度75度、スキージ硬度80度。印刷後、熱風循環式乾燥炉にて130℃で30分間の乾燥を行って導電性薄膜を得た。尚、膜厚は5〜7μmとなるようにペーストを希釈調整した。次いで、上記方法にて作成した導電性薄膜にレーザーエッチング加工を行い、図2のような長さ50mmの4本の直線部分を有するパターンを10枚作製し、レーザーエッチング加工適性評価試験片とした。レーザーエッチング加工は、レーザー光を40μmピッチ(L/S=20/20μm)で3回走査することによって行った。条件はレーザー光源にはファイバーレーザー(波長:1064nm)を用い、周波数300kHz、走査速度2500mm/s、パルス幅15ns、出力は適宜調整して、レーザーエッチング加工を実施した。
11.レーザーエッチング加工適性評価(1)細線両端間導通性
前記レーザーエッチング加工適性評価試験片において、細線の両端の間の導通が確保されているかにより評価した。具体的には、端子1a−端子1c間、端子2a−端子2c間、端子3a−端子3c間、端子4a−端子4c間のそれぞれについてテスターを当てて導通の有無を確認し、下記評価基準で判定した。なお、試験片は10枚作製、1枚当り4本あるため、40本の細線にて評価を実施した。
○;40本の細線の全てについて細線の両端間に導通がある
△;40本の細線のうち、細線の両端間に導通がないのは10本未満である。
×;40本の細線のうち、細線の両端間に導通がないのは10本以上である。
12.レーザーエッチング加工適性評価(2)隣接細線間絶縁性
前記レーザーエッチング加工適性評価試験片において、隣接する細線の間の絶縁が確保されているかにより評価した。具体的には、端子1a−端子2a間、端子2a−端子3a間、端子3a−端子4a間、のそれぞれについてテスターを当てて導通の有無を確認し、下記評価基準で判定した。なお、試験片は10枚作製、1枚当り3水準あり、合計30水準にて評価を実施した。
○;30水準すべての隣接細線間が絶縁されている
△;20水準以上の隣接細線間が絶縁されている
×;20水準未満の隣接細線間が絶縁されていない
13.リング状凹みの評価
スクリーン印刷法により、ポリエステル基材(東レ社製ルミラーS(厚み100μm))上に、導電性ペーストを0.5×80mmの長方形に印刷した。スクリーン版は400メッシュ、線径18μm、カレンダー加工あり、乳剤厚10μのステンレススクリーン、印刷機は東海商事株式会社製SSA−TF150Eを用い印刷条件はスキージ速度100mm/s、スクレッパ速度75mm/s、押し込み量1.0mm/s、クリアランス1.5mm、スキージ圧0.4MPa、スキージ角度75度、スキージ硬度80度。印刷後、熱風循環式乾燥炉にて130℃で30分間の乾燥を行って導電性薄膜を得た。得られた導電性薄膜において、レーザー顕微鏡(キーエンスVHX−1000)を用いてリング状凹みの数を計測し、下記の評価基準で判定した。
リング状凹みの数(個/cm2)
◎0〜5
○6〜20
△21〜50
×51以上
<実施例1〜3、比較例1>
表1に示す配合比にて4通りの導電ペーストを調整した。まず、バインダ樹脂を固形分濃度が35質量%となるように溶剤適当量へ溶解し、得られたバインダ樹脂溶液、銀粉1、硬化剤、硬化触媒、残りの溶剤量、そのほか添加剤を秤量配合しプレミキシングの後、チルド三本ロール混練り機に2回通して分散した。次いで、ペースト濾過機(プロテック社製PF320A)に795メッシュ(ステンレスメッシュフィルター(線経16μm、目開き16μm)の濾過フィルターを取り付け、上記ペーストの濾過を行った。
その後、得られた導電性ペーストを所定のパターンに乾燥膜厚が17μmとなるように印刷後、120℃×30分間乾燥し、導電性薄膜を得た。得られた導電性薄膜を用いて基本物性を測定し、次いで、レーザーエッチング加工の検討を行った。評価結果は、表1に示した。
表1
なお、表1、
銀粉1:凝集銀粉(D50:1.3μm)
銀粉2:フレーク状銀粉(D50:1.3μm)
銀粉3:球状銀粉(D50:1.3μm)
バインダ樹脂1:InChem製PKHC(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=89℃)
バインダ樹脂2:InChme製PKHC変性物(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=97℃)
バインダ樹脂3:東洋紡製バイロン103(Tg=47℃、酸価25)
シリカ1:日本アロエジル製 AEROSIL 300 (一次粒子径:7nm)
カーボン1:ライオン製 ECP600JD (一次粒子径:34nm)
無機フィラー1:東亞合成製 イオン補足剤IXE-PLAS A2 (メジアン径:0.2μm)
溶剤1:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
溶剤2:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
溶剤3:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7960
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7982
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
分散剤1:ビックケミー・ジャパン(株)社製Disperbyk167
添加剤1:カルボン酸アミン塩
添加剤2:カルボン酸
である。
<応用例1>
得られた導電ペ-ストP1を用い、乾燥膜厚が17μmとなるように印刷し、乾燥温度と乾燥時間を変えて、リング状凹み欠点、細線両端導通性、細線両端絶縁性を評価した。結果を表2から表4に示す。低温で長時間かけて乾燥した場合にはリング所う凹みが減り、細線両端導通性、細線両端絶縁性が改善される傾向にある事が示されている。
表2
表3
表4
<応用例2>
得られた導電ペ-ストP2〜P4を用い、乾燥膜厚が17μmとなるように印刷し、乾燥温度と乾燥時間を変えて、リング状凹み欠点、細線両端導通性、細線両端間絶縁性を評価した。結果を表5〜7に示す。
表5
表6
表7
<応用例3>
得られた導電ペ-ストP1〜P4を用い、各々乾燥条件を変えてリング状凹み欠点が少なくなる条件を見つけ、細線両端間導通性、細線両端間絶縁性を評価した。結果を表8.に示す。
表8
<実施例11>
表11に示す配合比にて導電ペーストを調整した。まず、バインダ樹脂を固形分濃度が35質量%となるように溶剤適当量へ溶解し、得られたバインダー樹脂溶液、銀粉1、硬化剤、硬化触媒、残りの溶剤量、そのほか添加剤を秤量配合しプレミキシングの後、チルド三本ロール混練り機に2回通して分散した。次いで、ペースト濾過機(プロテック社製PF320A)に795メッシュ(ステンレスメッシュフィルター(線経16μm、目開き16μm)の濾過フィルターを取り付け、上記ペーストの濾過を行った。その後、得られた導電性ペーストを所定のパターンに印刷後、130℃×30分間乾燥し、導電性薄膜を得た。本導電性薄膜を用いて基本物性を測定し、次いで、レーザーエッチング加工の検討を行った。評価結果は、表11に示した。
<実施例12〜21、比較例11〜13>
導電性ペーストの樹脂および配合を変えて実施例12〜21、比較例11〜13を実施した。導電性ペーストの配合および評価結果を表11に示した。実施例においてはオーブン130℃×30分という比較的低温かつ短時間の加熱により良好な塗膜物性を得ることができた。またITO膜への密着性、湿熱環境試験後の評価も良好であった。
表11
なお、表11中、
銀粉1:凝集銀粉(D50:1.3μm)
銀粉2:フレーク状銀粉(D50:1.3μm)
銀粉3:球状銀粉(D50:1.3μm)
バインダ樹脂1:InChem製PKHC(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=89℃)
バインダ樹脂2:InChme製PKHC変性物(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=97℃)
バインダ樹脂3:東洋紡製バイロン600(Tg=45℃、酸価30)
バインダ樹脂4:東洋紡製バイロン103(Tg=47℃、酸価25)
バインダ樹脂5:東洋紡製バイロン270(Tg=67℃、酸価30)
シリカ1:日本アロエジル製 AEROSIL 300 (一次粒子径:7nm)
シリカ2:日本アロエジル製 AEROSIL 130(一次粒子径:16nm)
シリカ3:日本アロエジル製 AEROSIL R972 (一次粒子径:16nm)
溶剤1:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
溶剤2:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
溶剤3:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7960
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7982
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
分散剤1:ビックケミー・ジャパン(株)社製Disperbyk167
添加剤1:カルボン酸アミン塩
添加剤2:カルボン酸
である。
<実施例31>
表12に示す配合比にて導電ペーストを調整した。まず、バインダ樹脂を固形分濃度が35質量%となるように溶剤適当量へ溶解し、得られたバインダー樹脂溶液、銀粉1、硬化剤、硬化触媒、残りの溶剤量、そのほか添加剤を秤量配合しプレミキシングの後、チルド三本ロール混練り機に2回通して分散した。次いで、ペースト濾過機(プロテック社製PF320A)に795メッシュ(ステンレスメッシュフィルター(線経16μm、目開き16μm)の濾過フィルターを取り付け、上記ペーストの濾過を行った。その後、得られた導電性ペーストを所定のパターンに印刷後、130℃×30分間乾燥し、導電性薄膜を得た。本導電性薄膜を用いて基本物性を測定し、次いで、レーザーエッチング加工の検討を行った。評価結果は、表12に示した。
<実施例32〜39、比較例1〜3>
導電性ペーストの樹脂および配合を変えて実施例32〜39、比較例31〜33を実施した。導電性ペーストの配合および評価結果を表12に示した。実施例においてはオーブン130℃×30分という比較的低温かつ短時間の加熱により良好な塗膜物性を得ることができた。またITO膜への密着性、湿熱環境試験後の評価も良好であった。
表12

なお、表12中、
銀粉1:凝集銀粉(D50:1.3μm)
銀粉2:フレーク状銀粉(D50:1.3μm)
銀粉3:球状銀粉(D50:1.3μm)
バインダ樹脂1:InChem製PKHC(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=89℃)
バインダ樹脂2:InChme製PKHC変性物(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=97℃)
バインダ樹脂3:東洋紡製バイロン600(Tg=45℃、酸価30)
バインダ樹脂4:東洋紡製バイロン103(Tg=47℃、酸価25)
バインダ樹脂5:東洋紡製バイロン270(Tg=67℃、酸価30)
カーボン1:ライオン製 ECP600JD (一次粒子径:34nm)
カーボン2:ライオン製 カーボンECP(一次粒子径:39.5nm)
カーボン3:東海カーボン製 トーカブラック♯5500 (算術平均粒子径:25nm)
カーボン4:東海カーボン製 トーかブラック♯4400 (算術平均粒子径:38nm)
溶剤1:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
溶剤2:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
溶剤3:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7960
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7982
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
分散剤1:ビックケミー・ジャパン(株)社製Disperbyk167
添加剤1:カルボン酸アミン塩
添加剤2:カルボン酸
である。
<実施例41>
表13、表14に示す配合比にて導電ペーストを調整した。まず、バインダ樹脂を固形分濃度が35質量%となるように溶剤適当量へ溶解し、得られたバインダー樹脂溶液、銀粉1、硬化剤、硬化触媒、残りの溶剤量、そのほか添加剤を秤量配合しプレミキシングの後、チルド三本ロール混練り機に2回通して分散した。次いで、ペースト濾過機(プロテック社製PF320A)に795メッシュ(ステンレスメッシュフィルター(線経16μm、目開き16μm)の濾過フィルターを取り付け、上記ペーストの濾過を行った。その後、得られた導電性ペーストを所定のパターンに印刷後、130℃×30分間乾燥し、導電性薄膜を得た。本導電性薄膜を用いて基本物性を測定し、次いで、レーザーエッチング加工の検討を行った。評価結果は、表13、表14に示した。
<実施例42〜57、比較例41〜43>
導電性ペーストの樹脂および配合を変えて実施例42〜57、比較例41〜43を実施した。導電性ペーストの配合および評価結果を表13、表14に示した。実施例においてはオーブン130℃×30分という比較的低温かつ短時間の加熱により良好な塗膜物性を得ることができた。またITO膜への密着性、湿熱環境試験後の評価も良好であった。
表13

表14
なお、表13、表14中、
銀粉1:凝集銀粉(D50:1.3μm)
銀粉2:フレーク状銀粉(D50:1.3μm)
銀粉3:球状銀粉(D50:1.3μm)
バインダ樹脂1:InChem製PKHC(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=89℃)
バインダ樹脂2:InChme製PKHC変性物(フェノキシ樹脂、数平均分子量21000、Tg=97℃)
バインダ樹脂3:東洋紡製バイロン600(Tg=45℃、酸価30)
バインダ樹脂4:東洋紡製バイロン103(Tg=47℃、酸価25)
バインダ樹脂5:東洋紡製バイロン270(Tg=67℃、酸価30)
シリカ1:日本アロエジル製 AEROSIL 300 (一次粒子径:7nm)
シリカ2:日本アロエジル製 AEROSIL 130(一次粒子径:16nm)
シリカ3:日本アロエジル製 AEROSIL R972 (一次粒子径:16nm)
カーボン1:ライオン製 ECP600JD (一次粒子径:34nm)
カーボン2:ライオン製 カーボンECP(一次粒子径:39.5nm)
無機フィラー1:東亞合成製 イオン補足剤 IXE-700F (メジアン径:1.5μm)
無機フィラー2:東亞合成製 イオン補足剤IXE-100 (メジアン径:1.0μm)
無機フィラー3:東亞合成製 イオン補足剤IXE-PLAS A1 (メジアン径:0.5μm)
無機フィラー4:東亞合成製 イオン補足剤IXE-PLAS A2 (メジアン径:0.2μm)
無機フィラー5:東亞合成製 イオン補足剤IXE-PLAS B1 (メジアン径:0.4μm)
無機フィラー6:石原産業製 酸化チタンCR-57 (平均粒子径:0.25μm)
無機フィラー7:石原産業製 酸化チタンA-100 (平均粒子径:0.15μm)
無機フィラー8:堺化学製 硫酸バリウムB-1
無機フィラー9:堺化学製 硫酸バリウムB-65
溶剤1:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
溶剤2:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
溶剤3:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7960
硬化剤1:Baxenden製 ブロックイソシアネート BI7982
硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260
分散剤1:ビックケミー・ジャパン(株)社製Disperbyk167
添加剤1:カルボン酸アミン塩
本発明の導電性被膜は、導電フィラーとバインダ樹脂と溶剤からなる導電性ペーストを乾燥固化することによって得られ、表面に特異的な欠点が無いために、レーザーエッチング加工適正に優れ、L/S=50/50μm以下の微細線形成が収率良く可能となるため、印刷技術を応用して微細回路を形成するあらゆる用途に応用可能であり、特にタッチパネル、ディスプレイ、デジタイザ、帯電防止、等、広い分野にて使用することができる。
1a、2a、3a、4a : それぞれ端子1a、2a、3a、4a
1b、2b、3b、4b : それぞれ細線1b、2b、3b、4b
1c、2c、3c、4c : それぞれ端子1c、2c、3c、4c




Claims (25)

  1. 導電フィラーとバインダ樹脂からなる導電性組成物により構成される導電性皮膜において、皮膜表面に存在する、直径50μm以下のリング状凹み欠点の存在密度が50個/cm2以下である事を特徴とする導電性皮膜。
  2. 前記導電性皮膜において、リング状凹みが存在しない部分の表面粗さRaが0.1以上、1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性皮膜。
  3. 前記導電性皮膜の平均膜厚が2μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性皮膜。
  4. 前記導電性組成物が、少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子、高分子バインダ樹脂を含有し、実質的に溶剤を含まないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の導電性皮膜。
  5. 前記導電性組成物が、少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子、高分子バインダ樹脂を含有し、実質的に溶剤を含まないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の導電性皮膜。
  6. 前記導電性組成物が、少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の銀粒子、および平均粒子径が50nm以上、3000nm以下のイオン補足剤粒子、高分子バインダ樹脂を含有し、実質的に溶剤を含まないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の導電性皮膜。
  7. 励起光の光束により、請求項1から6のいずれかに記載の導電性皮膜の一部を除去するプロセスを有することを特徴とする電気配線の形成方法。
  8. 少なくとも高分子バインダ樹脂(A)、平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粉(B)、有機溶剤(C)および平均粒子径が5nm以上、200nm以下の二酸化珪素粒子(D)を含有することを特徴とするレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  9. 前記バインダ樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、および繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項8記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  10. 前記、バインダ樹脂(A)の数平均分子量が5,000〜60,000、ガラス転移温度が120℃未満、であることを特徴とする請求項8または9に記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  11. 前記有機溶剤(C)が、少なくとも沸点の異なる2種の溶剤の混合物であり、全溶剤量の45〜90質量%を占める第1の溶剤の沸点が200℃以上、270℃以下であり、第2の溶剤の沸点は第一の溶剤の沸点より10℃以上低く、全溶剤量の55〜10質量%であることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  12. 前記、バインダ樹脂(A)の酸価が400当量/10g未満であることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  13. 15μm以上の銀粗大粒子がペースト1.0gあたり、100個以下であることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  14. 少なくとも平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粉(B)、および平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボン粒子(E)、高分子バインダー樹脂(A)、有機溶剤(C)を含有することを特徴とするレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  15. 前記バインダ樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、および繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項14記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  16. 前記、高分子バインダ樹脂(A)が、数平均分子量が5,000〜60,000、ガラス転移温度が120℃未満、であることを特徴とする請求項14または15に記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  17. 前記溶剤が、少なくとも沸点の異なる2種の溶剤の混合物であり、全溶剤量の45〜90質量%を占める第1の溶剤の沸点が200℃以上、270℃以下であり、第2の溶剤の沸点は第一の溶剤の沸点より10℃以上低く、全溶剤量の55〜10質量%であることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  18. 前記、高分子バインダ樹脂(A)の酸価が200当量/106g未満であることを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  19. 15μm以上の銀粗大粒子がペースト1.0gあたり、100個以下であることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  20. 少なくとも
    (B)平均粒子径が0.3μm以上、6μm以下の金属粒子、および
    (G)平均粒子径が5nm以上、200nm以下のカーボンまたは二酸化珪素粒子、
    (H)平均粒子径が0.1μm以上、3μm以下の無機粒子、
    (A)高分子バインダー樹脂、
    (E)溶剤
    を含有することを特徴とするレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  21. 前記バインダ樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、および繊維素誘導体樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項20記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  22. 前記、高分子バインダ樹脂が、、数平均分子量が5,000〜60,000、ガラス転移温度が120℃未満、であることを特徴とする請求項20または21に記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  23. 前記溶剤が、少なくとも沸点の異なる2種の溶剤の混合物であり、全溶剤量の45〜90質量%を占める第1の溶剤の沸点が200℃以上、270℃以下であり、第2の溶剤の沸点は第一の溶剤の沸点より10℃以上低く、全溶剤量の55〜10質量%であることを特徴とする請求項20から22のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  24. 前記、高分子バインダ樹脂の酸価が200当量/106g未満であることを特徴とする請求項20から23のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。
  25. 15μm以上の銀粗大粒子がペースト1.0gあたり、100個以下であることを特徴とする請求項20から24のいずれかに記載のレーザーエッチング加工用導電性ペースト。











JP2018505804A 2016-03-17 2017-03-02 導電性皮膜およびレーザーエッチング加工用導電性ペースト Active JP7056552B2 (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016053632 2016-03-17
JP2016053633 2016-03-17
JP2016053630 2016-03-17
JP2016053631 2016-03-17
JP2016053632 2016-03-17
JP2016053631 2016-03-17
JP2016053630 2016-03-17
JP2016053633 2016-03-17
PCT/JP2017/008284 WO2017159381A1 (ja) 2016-03-17 2017-03-02 導電性皮膜およびレーザーエッチング加工用導電性ペースト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017159381A1 true JPWO2017159381A1 (ja) 2019-01-24
JP7056552B2 JP7056552B2 (ja) 2022-04-19

Family

ID=59851429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018505804A Active JP7056552B2 (ja) 2016-03-17 2017-03-02 導電性皮膜およびレーザーエッチング加工用導電性ペースト

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7056552B2 (ja)
KR (1) KR102353074B1 (ja)
CN (1) CN108781505B (ja)
TW (1) TWI710041B (ja)
WO (1) WO2017159381A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200024742A (ko) 2017-06-30 2020-03-09 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 도전성 페이스트
JP7281263B2 (ja) 2018-09-27 2023-05-25 味の素株式会社 樹脂組成物、感光性フィルム、支持体付き感光性フィルム、プリント配線板及び半導体装置
CN109887638B (zh) * 2019-01-14 2021-02-23 上海大学 纳米银颗粒与镀银碳化硅颗粒混合的多尺度纳米银浆及其制备方法
US11056630B2 (en) 2019-02-13 2021-07-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Display module having glass substrate on which side wirings are formed and manufacturing method of the same
TWI741635B (zh) * 2019-06-28 2021-10-01 日商斯庫林集團股份有限公司 基板處理方法及基板處理裝置
CN111243779A (zh) * 2020-03-09 2020-06-05 广东四维新材料有限公司 用于激光切割导电银浆和低温固化超细球状银粉及彼此的制备方法
CN113450943B (zh) * 2021-09-02 2022-01-04 西安宏星电子浆料科技股份有限公司 一种抗热震型厚膜电路用导体浆料
CN115910426A (zh) * 2023-01-06 2023-04-04 北京中科纳通电子技术有限公司 一种高触变性的导电银浆及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005353783A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多層配線基板用導電性ペースト組成物
JP2008013809A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Az Electronic Materials Kk レーザーアブレーションによる機能膜の製造法およびそれに用いるレーザーアブレーション加工用組成物
JP2015115314A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 ペルノックス株式会社 レーザーエッチング用導電性銀ペースト、回路基板用基材および回路基板
WO2015111615A1 (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 東洋紡株式会社 レーザーエッチング加工用導電性ペースト、導電性薄膜、導電性積層体

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5236557B2 (ja) 2009-03-31 2013-07-17 太陽ホールディングス株式会社 レーザーを用いたパターン形成方法
JP2011181338A (ja) 2010-03-01 2011-09-15 Taiyo Holdings Co Ltd レーザーを用いた導電パターン形成方法及びその方法に用いる組成物
JP6016328B2 (ja) 2011-02-07 2016-10-26 株式会社三共 遊技用システム
EP2717367B1 (en) * 2011-05-23 2019-05-08 Kaneka Corporation Conductive film, current collector using same, battery and bipolar battery
TW201331960A (zh) * 2011-11-30 2013-08-01 Toyo Boseki 透明導電性薄膜
WO2013146483A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 帝人株式会社 透明導電性積層体
JP6079425B2 (ja) * 2012-05-16 2017-02-15 日立化成株式会社 導電粒子、異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体
JP2014002992A (ja) 2012-06-14 2014-01-09 Pelnox Ltd レーザーエッチング用導電性ペースト組成物
JP6227321B2 (ja) * 2013-08-05 2017-11-08 リンテック株式会社 プロテクトフィルム付き透明導電性フィルム
JP2015050107A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 富士フイルム株式会社 導電膜の製造方法
JP5932098B2 (ja) * 2014-04-17 2016-06-08 日東電工株式会社 透明導電性フィルム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005353783A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多層配線基板用導電性ペースト組成物
JP2008013809A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Az Electronic Materials Kk レーザーアブレーションによる機能膜の製造法およびそれに用いるレーザーアブレーション加工用組成物
JP2015115314A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 ペルノックス株式会社 レーザーエッチング用導電性銀ペースト、回路基板用基材および回路基板
WO2015111615A1 (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 東洋紡株式会社 レーザーエッチング加工用導電性ペースト、導電性薄膜、導電性積層体

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017159381A1 (ja) 2017-09-21
CN108781505A (zh) 2018-11-09
CN108781505B (zh) 2021-08-06
KR102353074B1 (ko) 2022-01-19
KR20180121522A (ko) 2018-11-07
TWI710041B (zh) 2020-11-11
JP7056552B2 (ja) 2022-04-19
TW201735219A (zh) 2017-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7059240B2 (ja) レーザーエッチング加工用導電性ペースト、導電性薄膜および導電性積層体
WO2017159381A1 (ja) 導電性皮膜およびレーザーエッチング加工用導電性ペースト
KR102324621B1 (ko) 레이저 에칭 가공용 도전성 페이스트, 도전성 박막, 도전성 적층체
JP6582982B2 (ja) レーザーエッチング加工用導電性ペースト、導電性薄膜、導電性積層体
WO2018092762A1 (ja) 導電性ペースト、導電性膜、導電性膜の製造方法、導電性微細配線、導電性微細配線の製造方法。
JP6673215B2 (ja) レーザーエッチング加工用導電性ペースト、導電性薄膜、導電性積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210119

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220321

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7056552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350