JPWO2017150556A1 - 抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリス - Google Patents

抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリス Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017150556A1
JPWO2017150556A1 JP2018503342A JP2018503342A JPWO2017150556A1 JP WO2017150556 A1 JPWO2017150556 A1 JP WO2017150556A1 JP 2018503342 A JP2018503342 A JP 2018503342A JP 2018503342 A JP2018503342 A JP 2018503342A JP WO2017150556 A1 JPWO2017150556 A1 JP WO2017150556A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bacillus subtilis
antibacterial
culture
mass
antibacterial agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018503342A
Other languages
English (en)
Inventor
富次郎 原
富次郎 原
由美子 高塚
由美子 高塚
祐哉 杉村
祐哉 杉村
健治 横田
健治 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ORGANIC TECH FARM CORPORATION
Original Assignee
ORGANIC TECH FARM CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ORGANIC TECH FARM CORPORATION filed Critical ORGANIC TECH FARM CORPORATION
Publication of JPWO2017150556A1 publication Critical patent/JPWO2017150556A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N63/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing microorganisms, viruses, microbial fungi, animals or substances produced by, or obtained from, microorganisms, viruses, microbial fungi or animals, e.g. enzymes or fermentates
    • A01N63/20Bacteria; Substances produced thereby or obtained therefrom
    • A01N63/22Bacillus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01CPLANTING; SOWING; FERTILISING
    • A01C1/00Apparatus, or methods of use thereof, for testing or treating seed, roots, or the like, prior to sowing or planting
    • A01C1/08Immunising seed
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/742Spore-forming bacteria, e.g. Bacillus coagulans, Bacillus subtilis, clostridium or Lactobacillus sporogenes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • C12N1/205Bacterial isolates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
    • C12R2001/07Bacillus
    • C12R2001/125Bacillus subtilis ; Hay bacillus; Grass bacillus

Abstract

バチルス・サブティリス(Bacillussubtilis)およびバチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方を含み、前記バチルス・サブティリスが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有する、抗菌剤。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年3月4日に出願された、日本国特許出願第2016−042659号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
本発明は、抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリスに関する。
農作物の栽培において、微生物による農作物への病害が問題となっている。前記病害への対処方法として、例えば、他の微生物を散布し、前記微生物が産生する抗菌物質により、前記病害を防除する方法が試みられている。しかしながら、例えば、特許文献1に記載のように、イネに感染する真菌等に対して抗菌活性を示す抗菌物質は知られていない。
日本国特開2003−199558号公報
そこで、本発明は、例えば、イネに感染する真菌等に対して抗菌活性を示す、新たな抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリスを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、鋭意研究を行った結果、以下の発明を完成するに至った。
本発明の抗菌剤は、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)およびバチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方を含み、前記バチルス・サブティリスが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有する、微生物である。
本発明の農薬は、前記本発明の抗菌剤を含む。
本発明の微生物による植物病害の防除方法(以下、「防除方法」ともいう。)は、前記本発明の抗菌剤と植物とを接触させる接触工程を含む。
本発明の新規バチルス・サブティリス(以下、「新規微生物」ともいう。)は、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)であり、
前記バチルス・サブティリスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有する。
本発明によれば、例えば、イネに感染する真菌等に対して抗菌活性を示す、新たな抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリスを提供できる。
図1は、実施例1における培養後の寒天培地の写真である。 図2は、実施例1における質量分析の結果を示すグラフである。 図3は、実施例2における各画分の電気泳動の結果を示す写真である。 図4は、実施例2における各画分の抗菌活性を示す写真である。 図5は、実施例2における各領域の抗菌活性を示す写真である。 図6は、実施例2におけるHPLCの分析結果を示すグラフである。 図7は、実施例2におけるエレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法の分析結果を示すグラフである。
本発明の抗菌剤は、例えば、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方が、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方における抗菌活性を示す抗菌物質であり、
前記抗菌物質の分子量が、ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、15KDa以下であり、且つ
前記抗菌物質のフラグメンテーションイオンの質量が、エレクトロスプレーイオン化質量分析法による質量分析において、1460±1の範囲および1474±1の範囲である。
本発明の抗菌剤は、例えば、前記抗菌剤が、真菌に対する抗菌剤である。前記真菌が、例えば、ピリキュラリア属(Pyricularia sp.)、リゾクトニア属(Rhizoctonia sp.)、トリコデルマ属(Trichoderma sp.)、フサリウム属(Fusarium sp.)、およびピシウム属(Pythium sp.)からなる群から選択された少なくとも1つの真菌である。
本発明の防除方法は、例えば、前記植物が、イネである。前記イネが、例えば、前記イネの苗または種子(以下、「種もみ」ともいう。)である。
<抗菌剤>
本発明の抗菌剤は、前述のように、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)およびバチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方を含み、前記バチルス・サブティリスが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有することを特徴とする。本発明の抗菌剤は、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方を含み、前記バチルス・サブティリスが、前述のピークを有することが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。
本発明者らは鋭意研究の結果、MALDI−TOF MSによる質量分析において、前述のピークを有する新規バチルス・サブティリス(新規微生物)が、真菌、細菌等の微生物に対し、抗菌活性を示す抗菌物質を産生することを見出した。また、前記抗菌物質のフラグメンテーションイオンが、例えば、エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法による質量分析において、公知のバチルス・サブティリスが産生する、イツリン、サーファクチン、フェンジャイシン等の抗菌物質と異なる質量電荷比にピークを有することから、前記抗菌物質は、新規な抗菌物質であることが推定された。このため、本発明によれば、例えば、イネの苗や種もみに感染する真菌、細菌等の微生物に対して抗菌活性を示す新規な抗菌物質、それを含む新規微生物、前記新規微生物の培養物等を含む新たな抗菌剤が提供できる。
本発明において、抗菌活性は、静菌活性でもよいし、殺菌活性でもよい。後述するように、前記抗菌剤を真菌に使用する場合、前記抗菌活性は、例えば、前記真菌の菌糸の伸長阻害または抑制、前記真菌の分生子形成阻害または抑制、および前記真菌の菌糸体の形成阻害または抑制等のいずれでもよい。前記抗菌剤を細菌に使用する場合、前記抗菌活性は、例えば、前記細菌の増殖の阻害または抑制、および滅菌のいずれでもよい。
本発明において、前記バチルス・サブティリスは、前記MALDI−TOF MSによる質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲からなる群から選択された少なくとも1つ、好ましくは、3046、6943、および9141、または3045、6942、および9140(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有する。前記バチルス・サブティリスは、例えば、上記ピークのうち、いずれか1つのピークを有してもよいし、複数のピークを有してもよいが、全てのピークを有することが好ましい。前記MALDI−TOF MSに供するバチルス・サブティリスの培養方法および条件は、特に制限されず、例えば、後述する実施例の培養方法および条件があげられる。
前記MALDI−TOF MSによる質量分析に使用する質量分析計および質量分析条件は、例えば、それぞれ、AXIMA(登録商標)Confidence MALDI−TOF型質量分析計(島津製作所社製)および下記質量分析条件があげられる。
(質量分析条件)
加速電圧:20kV(リニアモード)
イオン源部のレーザー:波長337nmの窒素レーザー
パルス反復値:3nsec
レーザー照射レート:50Hz以下
チャンバー内の真空度:1.0E−3Pa以下
前記新規微生物の培養物は、特に制限されず、例えば、前記新規微生物の菌体、前記新規微生物の培養上清、前記新規微生物の菌体抽出物等があげられる。また、本発明の抗菌剤は、さらに、前記新規微生物以外の微生物の培養物を含んでいてもよい。前記新規微生物以外の微生物の培養物としては、特に制限されず、例えば、他の微生物の菌体、前記他の微生物の培養上清、前記他の微生物の菌体抽出物等があげられる。
前記培養物は、例えば、前記菌体の処理物、前記培養上清の処理物、前記菌体抽出物の処理物等でもよい。前記処理物は、特に制限されず、例えば、前記培養物の濃縮物、乾燥物、凍結乾燥物、溶媒処理物、界面活性剤処理物、酵素処理物、タンパク質分画物、超音波処理物、磨砕処理物、前記抗菌物質の精製物等があげられる。また、前記培養物は、例えば、前記菌体、前記培養上清、前記菌体抽出物、前記菌体の処理物、前記培養上清の処理物、前記菌体抽出物の処理物等の混合物でもよい。前記混合物は、特に制限されず、任意の組み合わせおよび比率で混合した混合物とすることができる。前記組み合わせは、特に制限されず、例えば、前記菌体および前記培養上清の混合物等があげられる。
本発明の抗菌剤は、例えば、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方が、抗菌活性を示す抗菌物質を含むことが好ましい。前記抗菌物質の分子量が、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)において、15KDa以下であり、且つ前記抗菌物質のフラグメンテーションイオンの質量が、エレクトロスプレーイオン化分析法による質量分析において、1460±1の範囲および1474±1の範囲、または1460および1474である。前記抗菌物質は抗菌活性を示すため、例えば、本発明の抗菌剤は、例えば、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方が、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方における前記抗菌活性を示す抗菌物質であってもよい。
前記SDS−PAGEに使用する電気泳動装置および条件は、例えば、それぞれ、ミニプロティアンTetraセルシステム(BIO−RAD社製)および下記電気泳動条件があげられる。
(電気泳動条件)
(1)分離ゲル:20%アクリルアミド
(2)濃縮ゲル:4.5%アクリルアミド
(3)ゲルサイズ:ミニゲル(サイズ(W×L):8.3cm×7.3cm)
(4)ゲルの厚み:1mm
(5)電気泳動緩衝液:25mmol/L Tris、200 mmol/L グリシン、0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム
また、前記エレクトロスプレーイオン化質量分析に使用する分析機器、質量分析計および質量分析条件は、例えば、それぞれ、1260 Infinity HPLCシステム(Agilent Technologies社製、Agilent G6530B Accurate-Mass Q TOF(Agilent Technologies社製)および下記エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法の条件があげられる。
(エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法の条件)
(1)カラム:Monobis ODSカラム(京都モノテック社製)
(2)移動相: 溶媒 A:0.2%酢酸水溶液
B:0.2%酢酸−メタノール
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=98:2)
13分:(A:B=2:98)
となるよう、0分から13分にかけて直線的に溶
媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させ、6
分間、溶媒AおよびBの割合を維持。
(3)流速:0.6mL/min
(4)モード:MS Q−TOF、Dual AJS ESIイオン化、ポジティブイオンモード
本発明の抗菌剤は、さらに、例えば、添加剤等の他の成分を含んでいてもよい。前記添加剤としては、特に制限されず、例えば、安定化剤等があげられる。前記抗菌剤の製造方法は、特に制限されず、例えば、後述する抗菌剤の剤型に応じて、適宜決定でき、例えば、通常用いられる製剤化技術等を採用できる。
本発明の抗菌剤は、例えば、種々の真菌、細菌等の微生物に使用できる。前記真菌は、例えば、Pyricularia griseaPyricularia oryzae等のピリキュラリア属(Pyricularia sp.)、Rhizoctonia solani等のリゾクトニア属(Rhizoctonia sp.)、Trichoderma viride等のトリコデルマ属(Trichoderma sp.)、Fusarium fujikuroiFusarium moniliforme等のフサリウム属(Fusarium sp.)、ピシウム属(Pythium sp.)等があげられる。前記細菌は、例えば、Burkholderia gladioliBurkholderia glumae等のバークホルデリア属(Burkholderia sp.)、Pseudomonas avenaePseudomonas plantarii等のシュードモナス属(Pseudomonas sp.)等があげられる。
前記新規微生物の採取源としては、特に限定されず、例えば、肥料、土壌、海水、川水、湖水、沼水、排水等があげられ、好ましくは、前記肥料である。また、前記土壌としては、例えば、陸地、海底、川底、湖底および沼底の土、砂および泥土等があげられる。
前記新規微生物の単離方法としては、特に制限されず、例えば、従来公知の採取法、培養法等を用いることができる。前記新規微生物の単離方法は、例えば、後述する実施例の単離方法が参照できる。前記採取源が肥料の場合、前記新規微生物は、例えば、採取した肥料を緩衝液等により懸濁後、この懸濁液を遠心分離し、得られた上清を寒天培地等で培養し、得られたコロニーから単離できる。前記採取源が湖水の場合、前記新規微生物は、例えば、採取した湖水をフィルター等によりろ過し、このろ液を寒天培地等で培養し、得られたコロニーから単離できる。また、前記採取源が泥土の場合、前記新規微生物は、例えば、採取した泥土を緩衝液等により懸濁後、この懸濁液を遠心分離し、得られた上清を寒天培地等で培養し、得られたコロニーから前記新規微生物を単離できる。前記単離した新規微生物は、さらに、例えば、液体培地中で培養してもよい。
前記新規微生物の培養において、培地は、特に制限されず、例えば、後述するE5液体培地およびその固体培地、コーンミール液体培地およびその固体培地(Fluka社製、カタログ番号:42347-500G-F)、LB液体培地およびその固体培地、Potato Dextrose液体培地およびその固体培地等が使用できる。
前記新規微生物の培養温度は、特に制限されず、例えば、25〜55℃、25〜35℃、45〜55℃である。
前記培養において、培養時のpHは、特に限定されず、例えば、pH4.5〜7.5の範囲、pH6.5〜7.5の範囲、pH4.5〜5.5の範囲である。
前記培養は、例えば、好気的条件下で行ってもよく、嫌気的条件下で行ってもよい。前記好気的条件または嫌気的条件は、特に制限されず、従来公知の方法を用いて設定できる。また、前記培養時の光条件は、特に制限されず、例えば、暗黒条件でもよく、照明条件でもよい。
前記培養時間は、特に制限されず、例えば、前記新規微生物の増殖が定常期に達するまでであってもよい。前記新規微生物の増殖が、約72時間以内に定常期に達する培養条件下の場合、前記培養時間は、例えば、72時間であってもよい。
前記新規微生物の培養において、例えば、前記新規微生物のみを培養してもよく、さらに、他の微生物を同時に混合培養してもよい。前記他の微生物としては、特に制限されない。
<農薬>
本発明の農薬は、前述のように、前記本発明の抗菌剤を含むことを特徴とする。本発明の農薬は、前記本発明の抗菌剤を含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の農薬によれば、例えば、微生物による植物病害を防除できる。本発明の農薬は、例えば、前記本発明の抗菌剤の説明を援用できる。
本発明の農薬の剤形は、特に制限されず、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、等の固形剤、液剤、乳剤等があげられる。本発明の農薬は、例えば、公知の農薬を含んでもよい。前記公知の農薬は、例えば、生物学的農薬、化学的農薬でもよい。前記生物学的農薬は、例えば、抗菌活性、殺虫活性、殺菌活性、除草活性、植物成長調節活性、昆虫忌避活性等の活性を有する微生物(例えば、細菌、真菌)を含む農薬である。また、前記化学的農薬は、例えば、抗菌物質、殺虫物質、殺菌物質、除草物質、植物成長調節物質、昆虫忌避物質等があげられる。
前記農薬の使用対象は、特に制限されず、例えば、植物、前記植物を栽培する土壌、水等の培地があげられる。前記植物は、例えば、イネ等のイネ科植物等があげられる。前記農薬を前記植物に使用する場合、前記植物において前記農薬を接触させる位置は、特に制限されず、前記植物個体全体でもよいし、前記植物個体の部分でもよい。前記植物個体の部分は、例えば、器官、組織、細胞または栄養繁殖体等があげられ、いずれでもよい。前記器官は、例えば、花弁、花冠、花、葉、種子、果実、茎、根等があげられる。具体例として、前記使用対象は、例えば、イネの種子(種もみ)、苗等があげられる。前記農薬を使用する際の植物の成長状態は、特に制限されず、例えば、種子でもよいし、苗でもよいし、成長体でもよい。
前記農薬の使用量および使用回数は、特に制限されず、例えば、前記使用対象に応じて適宜設定できる。
本発明の農薬は、例えば、一般的な使用方法により、使用できる。前記使用方法は、例えば、前記農薬を手で直接散布する方法、背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、動力散粒機、育苗箱用散粒機、多口ホース散粒機、田植え機等に付設した散粒機等の散粒機を用いて散粒する方法等があげられる。また、本発明の農薬が液剤の場合、前記農薬は、例えば、背負い式散布機、動力散布機、スプリンクラー、トラクター等に搭載される型の散布機、多口ホース散布機等の散布機を用いて散布できる。
本発明の農薬の使用場所は、特に制限されず、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、露地等の農耕地等に使用できる。
本発明の農薬をイネに使用する場合について、例をあげて説明する。本発明の農薬をイネに使用する場合、本発明の農薬は、例えば、播種時、育苗期、田植時等に使用できる。本発明の農薬は、例えば、未希釈の状態で使用してもよいし、希釈した状態で使用してもよく、例えば、前記水田に使用する場合、例えば、前述の散粒機、散布機、スプリンクラー等を用いて散粒、散布等できる。また、本発明の農薬を前記イネの種もみの消毒に使用する場合、前記農薬は、例えば、前記イネの種もみのコート剤として使用できる。前記本発明の農薬は、例えば、さらに、前記イネの種もみの浸種の際、浸漬する水に溶解して使用してもよいし、前記イネの種もみを種子消毒する際、温湯に溶解して使用してもよいし、前記イネの種もみの催芽の際、水に噴霧してもよい。
前記水田に使用する場合、本発明の農薬の使用量および使用回数は、特に制限されず、前記水田の大きさおよび前記使用方法に応じて適宜決定できる。
<微生物による植物病害の防除方法>
本発明の微生物による植物病害の防除方法は、前述のように、前記本発明の抗菌剤と植物とを接触させる接触工程を含む。本発明の防除方法は、前記本発明の抗菌剤を使用することが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の防除方法によれば、例えば、前記種苗や成長体等の植物を前記真菌、前記細菌等の微生物による植物病害から防除できる。本発明の防除方法は、例えば、前記本発明の抗菌剤、農薬等の説明を援用できる。
本発明において、前記微生物による植物病害の防除は、例えば、前記微生物の感染による病害の発生および進行に対する阻害能または抑制能を意味し、具体的に、例えば、病害の未発生、発生した病害の進行の停止、および、発生した病害の進行の抑制(阻害ともいう)等のいずれでもよい。
前記接触工程は、前記本発明の抗菌剤と植物とを接触させる工程である。前記接触工程は、例えば、前記本発明の抗菌剤として、前記本発明の農薬と前記植物とを接触させてもよい。前記本発明の抗菌剤と前記植物との接触方法等は、例えば、前記本発明の農薬の説明を援用できる。
<新規バチルス・サブティリス>
本発明の新規バチルス・サブティリスは、前述のように、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)であり、前記バチルス・サブティリスが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有することを特徴とする。本発明の新規微生物は、前記バチルス・サブティリスであり、前記バチルス・サブティリスが、MALDI−TOF MSによる質量分析において、前述のピークを有することを特徴とし、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の新規微生物によれば、例えば、前記本発明の抗菌剤および農薬を製造できる。本発明の新規微生物は、例えば、前記本発明の抗菌剤、農薬、および防除方法の説明を援用できる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらの作業手順書に基づいて使用した。
[実施例1]
本発明の新規微生物を分離し、前記新規微生物が抗菌活性を示す抗菌物質を産生していることを確認した。
(1)新規微生物の分離
山形県内で取得した有機肥料を単離源にし、前記新規微生物を単離した。単離用培地は、E5培地を用いた。前記E5培地の原料培地は、下記表1の組成で混合後、暗冷所で保管した。つぎに、前記原料培地を2.4g秤量し、これを1.2Lの蒸留水に添加し、5分間煮沸した。前記煮沸後、得られた溶液をろ過して不純物を取り除いた後、溶液分を容器へ回収した。さらに、回収した溶液について、121℃、20分間の条件でオートクレーブ滅菌後、冷却することにより、前記E5培地を調製した。
Figure 2017150556
1LのE5培地に、最終濃度1.5%w/vとなるように寒天を添加した。得られた混合液を溶解し、121℃、20分間の条件でオートクレーブ滅菌した後、適温の状態(液体の状態)でシャーレへ注ぎ、冷却して固化することにより、E5寒天プレート培地(E5寒天培地)を調製した。
適量の前記E5培地をフラスコに導入後、前記フラスコに前記単離源を250mg投入し、30〜48℃、回転数120rpmの条件下、24〜144時間培養した。得られた培養液の一部を前記E5寒天培地へ塗抹し、コロニー形成が確認できるまで培養した。形成された各コロニーについて、滅菌した爪楊枝で釣菌し、コロニーの形状や色、匂い等で判別し、それらをさらに前記E5寒天培地へ再塗抹した。同様の処理を複数回繰り返すことで、集積培養し、特徴の異なる72株の微生物を取得した。これらをYAE株と命名した。前記新規微生物(YAE51株)は、上記分離方法によって51番目に取得されたバチルス・サブティリスである。
(2)抗菌活性の確認
1LのE5培地に、1.25gのBacto(商標) yeast extract(Becton Dickinson社製、カタログ番号:212750)を添加後、さらに、最終濃度1.5%w/vとなるように寒天を添加した。得られた混合液を溶解し、121℃、20分間の条件でオートクレーブ滅菌した後、適温の状態(液体の状態)でシャーレへ注ぎ、冷却して固化することにより、E5イースト寒天プレート培地(E5イースト寒天培地)を調製した。
前記E5イースト寒天培地の中心部に、別途、前記E5イースト寒天培地で培養した真菌株を、0.5cm×0.5cmサイズの寒天ブロックとして播種した。前記真菌株は、Fusarium fujikuroi MAFF235949(イネバカ苗病菌、農業生物資源ジーンバンクから入手)、Pyricularia grisea MAFF101518(イネイモチ病菌、農業生物資源ジーンバンクから入手)またはRhizoctonia solani MAFF305229(イネ紋枯病菌、農業生物資源ジーンバンクから入手)を使用した。
前記播種後、さらに、前記新規微生物を前記真菌株の周辺に、滅菌した爪楊枝で播種した。そして、30℃の条件下で、所定日数(イネバカ苗病菌:5日間、イネイモチ病菌:3日間、イネ紋枯病菌:3日間)、前記E5イースト寒天培地を培養した。前記培養後、新規微生物が、各真菌株との間に形成した阻止円の径(R)について、下記抗菌活性の評価基準により評価した。なお、阻止円の径は、長径と短径との平均値とした。また、前記E5イースト寒天培地に代えて、コーンミールアガー寒天培地(Fluka社製、カタログ番号:42347-500G-F)を用い、前記真菌株として、Trichoderma viride NBRC30546(イネ立枯病、独立行政法人製品評価技術基盤機構から入手)を用い、所定日数(イネ立枯病:3日間)培養した以外は、同様にして評価した。
(抗菌活性の評価基準)
+++:5≦R (mm)
++ :1<R<5(mm)
+ :0<R≦1(mm)
− :0=R (mm)
これらの結果を図1に示す。図1は、前記培養後の寒天培地の写真である。図1において、(A)は、イネバカ苗病菌の結果を示し、(B)は、イネイモチ病菌の結果を示し、(C)は、イネ紋枯病菌の結果を示し、(D)は、イネ立枯病の結果を示し、図中の実線が、前記新規微生物が増殖している領域であり、破線が、各真菌株が増殖している領域であり、前記実線と前記破線との間の領域が、前記阻止円を示す。図1に示すように、前記新規微生物は、いずれの真菌株に対しても、抗菌活性を示した。
つぎに、前記阻止円の径(R)と、抗菌活性の評価とを下記表2に示す。下記表2に示すように、前記新規微生物は、いずれの真菌株に対しても抗菌活性を示し、特に、イネイモチ病菌およびイネ紋枯病菌に対し、高い抗菌活性を示した。
Figure 2017150556
(3)新規微生物の同定
冷蔵保存した5mgのマトリックス4−CHCA(島津GLC社製、カタログ番号:529-CHCA)粉末の入ったバイアルに、100%アセトニトリル、100%エタノール、および10%TFA/HOを、それぞれ、67μL添加後、十分に懸濁し、前記マトリックスの終濃度が、25mg/mlのマトリックス試薬を調製した。
滅菌した爪楊枝を用い、前記E5イースト寒天培地における前記新規微生物の増殖期コロニーを釣菌し、サンプルプレート(島津GLC社製)のウェルに塗布した。つぎに、前記ウェルに、1μLの前記マトリックス試薬を添加後、室温(25℃前後)の条件下で、30分間〜1時間乾燥させ、前記マトリックス試薬を完全に乾燥させた。
前記新規微生物の同定は、質量分析計(AXIMA(登録商標)Confidence MALDI−TOF型質量分析計、島津製作所社製)を用い、下記質量分析条件で測定した。前記質量分析計の制御および質量データの収集は、付属のソフトウェア(LAUNCHPAD、島津製作所社製)を用いた。なお、下記質量分析条件で計測可能な質量の範囲は、1Da〜500kDaである。
(質量分析条件)
加速電圧:20kV(リニアモード)
イオン源部のレーザー:波長337nmの窒素レーザー
パルス反復値:3nsec
レーザー照射レート:50Hz以下
チャンバー内の真空度:1.0E−3Pa以下
得られた質量データおよび、ビオメリュー社が登録した6種類の標準細菌株由来タンパク質の質量データに基づき、ソフトウェア(SARAMIS(商標)Premium、ビオメリュー社製)を用いて、前記新規微生物株の同定を行なった。前記同定は、下記参考文献に基づいて、実施した。同様の同定を、さらに、3回実施した。参考文献:Lohmann C et.al.,“Comparison between the Biflex III-Biotyper and the Axima-SARAMIS Systems for Yeast Identification by Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization-Time of Flight Mass Spectrometry”, J Clin Microbiol., 2013, vol.51, No. 4, pages.1231-1236
これらの結果を図2に示す。図2は、質量分析の結果を示すグラフである。図2は、前記新規微生物および前記標準細菌株の結果を示し、図中の数字は、ピークの数値(m/z)を示し、矢印は、前記新規微生物には存在し、前記標準細菌株には存在しないピークを示す。図2において、横軸は、質量電荷比(m/z)を示し、縦軸は、相対強度(%)を示す。図2に示すように、前記新規微生物の質量データにおいて、多数のピークが、前記標準細菌株のタンパク質の質量データのピークと一致した。また、前記新規微生物の質量データでは、3046、6943、および9141(m/z)のピークが存在するのに対し、前記標準細菌株のタンパク質の質量データでは、これらのピークは存在しなかった。また、さらなる3回の同定結果と平均した結果、前記新規微生物は、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)にピークを有することがわかった。
つぎに、前記新規微生物の質量データと前記6種類の標準細菌株の質量データのピークの一致率を、下記表3に示す。下記表3に示すように、前記新規微生物は、バチルス・サブティリスに属する細菌株とピークの一致率が極めて高かった。これらの結果から、前記新規微生物は、バチルス・サブティリスに属する新規微生物であることが分かった。なお、前記新規微生物の質量データにおいて、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)のピークが、これらの細菌株の質量データのピークと相違し、これらのピークにより、本発明の新規微生物が特定できることが分かった。
Figure 2017150556
[実施例2]
本発明の新規微生物から、前記抗菌活性を示す抗菌物質を精製および分析した。
(1)ゲル濾過カラムを用いた精製
200mLのLB培地を1Lの羽根つき三角フラスコに入れ、121℃、20分間の条件で、オートクレーブ滅菌した。前記LB培地の組成は、1%Bacto(商標)Trypton(Becton Dickinson社製、カタログ番号:211705)、0.5%Bacto(商標)Yeast Extract、1%NaCl(和光純薬工業社製:カタログ番号:191-01665)とした。前記新規微生物を前記LB培地に播種し、振盪回転数120rpm、30℃の条件下で、48時間培養した。
前記培養後、8000×gの条件下で20分間遠心した。つぎに、上清を回収することで、菌体を除去後、前記上清に終濃度が、30%となるように、硫酸アンモニウム(和光純薬工業社製:カタログ番号:013-03433)を添加した。つぎに、4℃の条件下で、1時間静置し、さらに、10000×gの条件下で20分間遠心し、析出した物質(沈殿)を回収した。
回収した沈殿を、2mLの20mmol/L Tris−HCl(pH8.0)で溶解し、粗精製試料を調製した。前記粗精製試料を、セルロースチューブ18/32(エーディア社製、カタログ番号:UC18-32-100)内に導入し、1Lの透析液中で脱塩(以下、「透析」ともいう。)し、粗精製抗菌物質溶液を得た。前記透析液は、20mmol/L Tris−HCl(pH8.0)緩衝液とした。前記透析処理は、4℃の条件下で、一晩継続して行なった。また、前記透析処理中、1回、前記透析液を交換した。
つぎに、前記粗精製抗菌物質溶液を、下記ゲルろ過の精製条件でゲル濾過に供し、第912、21、24、27および30番目の画分を取得した。なお、前記ゲル濾過において250mLのカラム平衡用緩衝液を導入後、1mLの前記粗精製抗菌物質溶液を導入し、さらに、180mLの移動相を導入した。そして、前記移動相の導入中に、各画分を回収した。
(ゲルろ過の精製条件)
(1)使用機器:低圧順相クロマトグラム(AKTA prime plus(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)
(2)カラム: HiPrep 16/60 Sephacryl S-200HR(GEヘルスケアバイオサイエンス社製、カタログ番号:17116601)
(3)カラム平衡用緩衝液および移動相: 20mmol/L Tris−HCl、150mmol/L NaCl(pH8.0)
(4)流速 0.5mL/min
(5)分取量: 5mL/画分
つぎに、各画分について、アミコンウルトラ−0.5(メルクミリポア社製、カタログ番号:UFC501096)を用い、限外ろ過により、20倍の濃度(1/20の体積)まで濃縮し、各画分の試料を調製した。前記粗精製抗菌物質溶液および前記各画分の試料を、それぞれ、等量の×2 SDSサンプルバッファーと混合し、100℃の条件下で、3分間煮沸した。前記煮沸後、前記粗精製抗菌物質溶液および前記各画分の試料について、電気泳動装置(ミニプロティアンTetraセルシステム、BIO−RAD社製)を用い、下記電気泳動条件で、SDS−PAGEを行なった。なお、電流値は、30mAとし、40分間電気泳動した。
(電気泳動条件)
(1)分離ゲル:20%アクリルアミド
(2)濃縮ゲル:4.5%アクリルアミド
(3)ゲルサイズ:ミニゲル(サイズ(W×L):8.3cm×7.3cm)
(4)ゲルの厚み:1mm
(5)電気泳動緩衝液:25mmol/L Tris(和光純薬社製、カタログ番号:207-06275)、200 mmol/L グリシン(和光純薬社製、カタログ番号:G8898-1KG)、0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(ナカライテスク社製、カタログ番号:31607-65)
前記電気泳動後、前記アクリルアミドゲルは、固定液で処理後、クマシーブリリアントブルー(CBB)(和光純薬社製、カタログ番号:031-17922)の染色液で30分間染色した。前記固定液の組成は、50%エタノール、10%酢酸とした。前記染色後、脱色液でCBB色素を除去することにより脱色した。前記脱色液の組成は、25%メタノール、7.5%酢酸とした。前記脱色処理は3時間行い、数回、前記脱色液を交換した。
この結果を図3に示す。図3は、各画分の電気泳動の結果を示す写真である。図3において、写真の左は、分子量を示し、各レーンは、左から、分子量マーカー、前記粗精製抗菌物質溶液、前記第9、12、21、24、27および30番目の画分を示す。図3に示すように、前記粗精製抗菌物質溶液に含まれる前記抗菌物質は、前記第12番目の画分に精製されており、SDS−PAGEにおいて、分子量が15KDa以下の抗菌物質であった。
つぎに、各画分の抗菌活性を、Well Diffusion Assay法により検討した。まず、Difco(商標)Potato Dextrose Agar(Becton Dickinson社製、カタログ番号:21340)を用い、添付の作業手順書に基づき、培地を調製した。具体的には、Difco(商標)Potato Dextrose Agarを39g秤量し、1Lの蒸留水が入った容器へ導入し、溶解した。前記容器および培地を、121℃、20分間の条件でオートクレーブ滅菌した後、適温の状態(液体の状態)でプラスチック製のペトリ皿へ注ぎ、冷却して固化することにより、Potato Dextrose Agarプレート培地を調製した。
つぎに、前記真菌株として、Rhizoctonia solani MAFF305229(イネ紋枯病菌)を用い、前記新規微生物に代えて、100μLの前記第9、12、21、24、27および30番目の画分を、前記真菌株の周辺に形成した直径約0.8mmの6つの穴に、それぞれ導入した以外は、前記実施例1(2)と同様にして、培養した。
この結果を図4に示す。図4は、各画分の抗菌活性を示す写真である。図4に示すように、前記第12の画分の阻止円が極めて大きく、前記第12の画分に抗菌物質が含まれていることが分かった。以上のことから、前記抗菌物質は、SDS−PAGEにおいて、分子量が15KDa以下の抗菌物質であることがわかった。
前記第12の画分について、20%アクリルアミドゲルを用いて、SDS−PAGEを行なった。前記第12の画分は、複数レーンで電気泳動した。そして、前記電気泳動後、1つのレーンについて、CBB染色した。そして、前記CBB染色をしたレーンを基準として、前記CBB染色していないレーンについて、バンドが観察される領域(第2の領域)、前記領域より分子量が大きい領域(第1の領域)、および前記領域より分子量が小さい領域(第3の領域)の3つの領域に分割した。前記分割後の3つの領域について、超純水で洗浄した。
つぎに、前記真菌株として、Rhizoctonia solani MAFF305229(イネ紋枯病菌)を用いた。前記E5イースト寒天プレート培地上に、前記新規微生物に代えて前記洗浄後の3つの領域を載せて、さらに、その上へ10mLの滅菌済みE5イースト寒天溶液を重層してゲルを固定した。つぎに、ゲル周辺部にRhizoctonia solani MAFF305229が生育する、約5mm×5mm四方角の寒天ブロックを播種した。前記播種後、30℃の条件下で、3日間培養した。抗真菌反応は、前記イネ紋枯病菌の生育阻止円の大きさで評価した。
この結果を図5に示す。図5は、各領域の抗菌活性を示す写真である。図5に示すように、前記第2の領域では、菌糸の形成が観察されなかった。これに対し、前記第1および第3の領域では、菌糸の形成が観察された。これらの結果から、前記抗菌物質は、SDS−PAGEにおいて、分子量が15KDa以下の抗菌物質であることが確認された。
(2)HPLCによる分析
前記粗精製抗菌物質溶液を、有機溶媒(1−ブタノール)で抽出処理した後、抽出液を乾固した。これを、エタノールに溶解することで粗精製サンプルを調製し、HPLCによる分析に供した。分析機器(LaChrom HPLCシステム、日立ハイテクサイエンス社製)を用い、下記逆相HPLCの分析条件で、逆相HPLC(高速液体クロマトグラフ)に供し、分析した。また、コントロール1は、前記粗精製サンプルに代えて、メタノールを用いた以外は同様にして、また、コントロール2は、1.0mg/mL A型イツリンおよび1.0mg/mL サーファクチンを含むメタノール溶液を用いた以外は、同様にして、分析した。
(逆相HPLCの分析条件)
(1)カラム: Monobis ODSカラム(京都モノテック社製、耐高圧型、メソポア径11nm、内径2.0mm×50mm)
(2)移動相: 溶媒 A:0.1%ギ酸(関東化学社製、カタログ番号:16233-00)−アセトニトリル(関東化学製、カタログ番号:01031-96)と2−プロパノール(関東化学社製、カタログ番号:32435-80)との混合液(混合比、ギ酸−アセトニトリル:2−プロパノール=3:7)
B:0.1%ギ酸水溶液
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=40:60)
30分:(A:B=100:0)
となるよう、0分から30分にかけて直線的に溶
媒Bの割合を減少、溶媒Aの割合を増加させた。
流速 0.15mL/min
(3)測定波長:205nm
(4)カラム温度:40℃
この結果を図6に示す。図6は、HPLCの分析結果を示すグラフである。図6において、横軸は、保持時間を示し、縦軸は、濃度分布を示す。図6に示すように、図中の矢印で示す位置に、前記粗精製サンプルは、前記コントロール1および2には存在しないピークを有していた。これらの結果から、前記粗精製サンプルは、公知の抗菌物質とは異なる抗菌物質を含むことが分かった。
(3)エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法による分析
分析機器(1260 Infinity HPLCシステム、Agilent Technologies社製)および質量分析計(Agilent G6530B Accurate-Mass Q TOF、Agilent Technologies社製)を用い、前記粗精製サンプルについて、下記エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法の条件で測定した。前記質量分析計の制御および質量データの収集は、付属のソフトウェア(MassHunter Workstation Software Qualitative Analysis Version B.06.00、Agilent Technologies社製)を用いた。また、コントロールは、1.0mg/mL A型イツリンおよび1.0mg/mL サーファクチンを含むメタノール溶液を用いた以外は、同様にして、分析した。
(エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法の条件)
(1)カラム:Monobis ODSカラム
(2)移動相: 溶媒 A:0.2%酢酸(関東化学社製、カタログ番号:0
1021-00)水溶液
B:0.2%酢酸−メタノール(関東化学社製、カ
タログ番号:25185-76)
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=98:2)
13分:(A:B=2:98)
となるよう、0分から13分にかけて直線的に溶
媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させ、6
分間、溶媒AおよびBの割合を維持。
(3)流速:0.6mL/min
(4)モード:MS Q−TOF、Dual AJS ESIイオン化、ポジティブイオンモード
この結果を図7に示す。図7は、エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法の分析結果を示すグラフである。図7において、(A)は、前記粗精製サンプルの結果を示し、(B)は、前記コントロールの結果を示し、横軸は、質量電荷比(m/z)を示し、縦軸は、相対強度(%)を示す。図7に示すように、前記粗精製サンプルでは、公知の抗菌物質であるA型イツリン、フェンジャイシンおよびサーファクチンのピークとは異なり、731および738(m/z)の質量電荷比にピークがあり、新規な抗菌物質のフラグメンテーションイオンであることが分かった。また、前記質量電荷比から、前記新規な抗菌物質のフラグメンテーションイオンの質量(分子量)は、それぞれ、1460および1474であることがわかった。これらの結果から、前記新規微生物が、エレクトロスプレーイオン化を含む液体クロマトグラフ質量分析法による質量分析において、前記新規な抗菌物質のフラグメンテーションイオンのピークとして質量が、1460および1474である新規な抗菌物質を産生していることが分かった。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
以上のように、本発明によれば、例えば、イネに感染する真菌、細菌等の微生物に対して抗菌活性を示す、新規な抗菌物質、それを含む新規微生物、前記新規微生物の培養物等を含む新たな抗菌剤が提供できる。したがって、本発明は、農業分野、医療分野、環境分野等において極めて有用である。

Claims (9)

  1. バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)およびバチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方を含み、
    前記バチルス・サブティリスが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有する微生物である、抗菌剤。
  2. 前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方が、前記バチルス・サブティリスおよび前記バチルス・サブティリスの培養物の少なくとも一方における抗菌活性を示す抗菌物質であり、
    前記抗菌物質の分子量が、ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、15KDa以下であり、且つ
    前記抗菌物質のフラグメンテーションイオンの質量が、エレクトロスプレーイオン化質量分析法による質量分析において、1460±1の範囲および1474±1の範囲である、
    請求項1記載の抗菌剤。
  3. 前記抗菌剤が、真菌に対する抗菌剤である、請求項1または2記載の抗菌剤。
  4. 前記真菌が、ピリキュラリア属(Pyricularia sp.)、リゾクトニア属(Rhizoctonia sp.)、トリコデルマ属(Trichoderma sp.)、フサリウム属(Fusarium sp.)、およびピシウム属(Pythium sp.)からなる群から選択された少なくとも1つの真菌である、請求項3記載の抗菌剤。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の抗菌剤を含む、農薬。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の抗菌剤と植物とを接触させる接触工程を含む、微生物による植物病害の防除方法。
  7. 前記植物が、イネである、請求項6記載の防除方法。
  8. 前記イネが、前記イネの苗または種子である、請求項7記載の防除方法。
  9. バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)であり、
    前記バチルス・サブティリスが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)による質量分析において、3045.5±0.58の範囲、6942.5±0.58の範囲、および9140.5±0.58の範囲(m/z)からなる群から選択された少なくとも1つの質量電荷比(m/z)にピークを有する、新規バチルス・サブティリス。
JP2018503342A 2016-03-04 2017-02-28 抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリス Pending JPWO2017150556A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016042659 2016-03-04
JP2016042659 2016-03-04
PCT/JP2017/007903 WO2017150556A1 (ja) 2016-03-04 2017-02-28 抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2017150556A1 true JPWO2017150556A1 (ja) 2019-02-14

Family

ID=59743034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018503342A Pending JPWO2017150556A1 (ja) 2016-03-04 2017-02-28 抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリス

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20180153171A1 (ja)
EP (1) EP3295799A4 (ja)
JP (1) JPWO2017150556A1 (ja)
CN (1) CN107683090A (ja)
WO (1) WO2017150556A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111109026A (zh) * 2019-12-30 2020-05-08 天津市植物保护研究所 一种水稻生长过程中病害的生物防治方法及应用

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06253827A (ja) * 1993-03-04 1994-09-13 Wakunaga Pharmaceut Co Ltd 植物真菌感染防除剤及び防除方法並びにこれに用いる微生物
JPH08175920A (ja) * 1994-12-20 1996-07-09 Idemitsu Kosan Co Ltd 農園芸用殺菌剤組成物
JPH11290063A (ja) * 1998-04-14 1999-10-26 Yushiro Chem Ind Co Ltd 抗真菌・抗菌性培養組成物及び微生物
JP2006347885A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Kumiai Chem Ind Co Ltd 農園芸用殺菌剤組成物
WO2007052356A1 (ja) * 2005-11-04 2007-05-10 Ahc Co., Ltd 抗菌活性物質dm0507およびその利用
JP2007530032A (ja) * 2004-03-24 2007-11-01 コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジー 拮抗作用を有する枯草菌株を用いた植物病の防除方法
JP2015503548A (ja) * 2011-12-28 2015-02-02 コリア バイオ ケミカル カンパニー リミテッド バチルスサブチリスkbc1010菌株及びその培養液を有効成分として含有する植物病原菌防除用組成物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1236052C (zh) * 2003-12-28 2006-01-11 何月秋 一种枯草芽孢杆菌菌株
JP5552649B2 (ja) * 2009-03-16 2014-07-16 独立行政法人農業生物資源研究所 植物に対する微生物の感染を防止又は抑制する方法及び微生物感染抵抗性植物
US10327448B2 (en) * 2014-08-16 2019-06-25 DCM Shriram Ltd. Bacterium of Bacillus genus and uses thereof

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06253827A (ja) * 1993-03-04 1994-09-13 Wakunaga Pharmaceut Co Ltd 植物真菌感染防除剤及び防除方法並びにこれに用いる微生物
JPH08175920A (ja) * 1994-12-20 1996-07-09 Idemitsu Kosan Co Ltd 農園芸用殺菌剤組成物
JPH11290063A (ja) * 1998-04-14 1999-10-26 Yushiro Chem Ind Co Ltd 抗真菌・抗菌性培養組成物及び微生物
JP2007530032A (ja) * 2004-03-24 2007-11-01 コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジー 拮抗作用を有する枯草菌株を用いた植物病の防除方法
JP2006347885A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Kumiai Chem Ind Co Ltd 農園芸用殺菌剤組成物
WO2007052356A1 (ja) * 2005-11-04 2007-05-10 Ahc Co., Ltd 抗菌活性物質dm0507およびその利用
JP2015503548A (ja) * 2011-12-28 2015-02-02 コリア バイオ ケミカル カンパニー リミテッド バチルスサブチリスkbc1010菌株及びその培養液を有効成分として含有する植物病原菌防除用組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
AHMED S.A. EL-SHAKH ET AL., TOXICOLOGICAL AND ENVIRONMENTAL CHEMISTRY, vol. 97(6), JPN6017015797, 2015, pages 766 - 785, ISSN: 0004361632 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20180153171A1 (en) 2018-06-07
WO2017150556A1 (ja) 2017-09-08
EP3295799A1 (en) 2018-03-21
CN107683090A (zh) 2018-02-09
EP3295799A4 (en) 2018-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101227714B1 (ko) 신규 페니바실러스 속 균주 및 이들 균주 또는 이의 배양물질을 이용한 식물 병해 방제
Wang et al. Control efficacy of an endophytic Bacillus amyloliquefaciens strain BZ6-1 against peanut bacterial wilt, Ralstonia solanacearum
JP5567634B2 (ja) バチルスバリスモルティスbs07m菌株、微生物製剤、及び作物育成方法
TW201334696A (zh) 以假單胞菌防治植物病原微生物之方法與取自假單胞菌之物質及組成物
Jalili et al. Identification and salt tolerance evaluation of endophyte fungi isolates from halophyte plants
CN109844095B (zh) 对植物寄生线虫具有杀线虫活性的黑曲霉f22菌株及其用途
KR20220012395A (ko) 브레비바실러스 브레비스 hk544 균주를 이용한 식물병 방제용 조성물
KR101971017B1 (ko) 천연 휘발성 화합물을 생산하고, 항균 활성을 가지는 바실러스 메틸로트로피쿠스 8-2 균주 및 이의 용도
WO2015029872A1 (ja) ネコブ線虫を忌避させるための忌避剤及びその製造方法並びにその忌避剤を用いた忌避方法
WO2019035067A1 (en) ORGANIC FUNGICIDE DERIVED BY MICROBIAL FERMENTATION
Mohanta et al. Antimicrobial potentials of endophytic fungi inhabiting three Ethnomedicinal plants of Similipal Biosphere Reserve, India
US20230087802A1 (en) Bacillus subtilis jck-1398 strain inducing resistance in various plants, and composition and method for controlling pine wilt disease by using same
KR100204251B1 (ko) 내한성 트리코데르마
RU2634415C1 (ru) Штамм гриба Trichoderma asperellum для получения биопрепарата комплексного действия для растениеводства
WO2017150556A1 (ja) 抗菌剤、農薬、微生物による植物病害の防除方法、および新規バチルス・サブティリス
AU2018267591B2 (en) An Herbicidal Composition for Controlling Parthenium Weed and Strain Thereof
KR101680183B1 (ko) 신규한 항바이러스용 조성물 및 이를 이용한 식물바이러스의 방제 방법
KR101891296B1 (ko) 키티노파가 속 hk235 균주, 이의 배양액, 상기 배양액의 분획물을 유효성분으로 포함하는 식물병 방제용 조성물
US10980242B2 (en) Xylaria grammica EL 000614 strain having nematicidal activity against root knot nematode and uses thereof
KR101666676B1 (ko) 뿌리혹선충에 대한 살선충 활성을 가지는 스트렙토마이세스 네트롭시스 an110065 균주 및 이의 용도
Han et al. A new endophytic Paraconiothyrium brasiliens LT161 shows potential in producing antifungal metabolites against phytopathogens
Abbasi et al. Assessment of extracellular metabolites from Bacillus species against root-knot nematodes and root-infecting fungi in Abelmoschus esculentus (L.) Moench
KR102604427B1 (ko) 트리코더마 롱기브라키아툼 균주를 포함하는 식물병 방제용 조성물 및 이를 이용한 식물병 방제 방법
Nishioka et al. The Stimulation of Indigenous Bacterial Antagonists by γ-Glutamyl-S-Allyl-l-Cysteine Increases Soil Suppressiveness to Fusarium Wilt
Nguyen et al. Isolation of butyl 2, 3‐dihydroxybenzoate from Paenibacillus elgii HOA73 against Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210330