JPWO2017146031A1 - ファン装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、気体を移送するためのファン装置に関するものである。ファン装置は、モータ(7)と、モータ(7)の回転軸(6)に固定されたファン(5)と、モータ(7)を変速可能とするインバータ(8)と、モータ(7)が収容されるモータ室(27)と、インバータ(8)が収容されるインバータ室(28)とを有するモータケーシング(17)と、インバータ室(8)を構成するモータケーシング(17)の端壁に近接して配置され、モータケーシング(17)の幅よりも大きな幅を有する整流板(45)とを備える。整流板(45)には、通風孔(45b)が形成されている。

Description

本発明は、気体を移送するためのファン装置に関し、特に、冷却塔またはラジエータなどの熱交換器に設けられるファン装置に関する。
従来から、空調設備やプラントなどで使用される冷却水を冷却するための熱交換器として冷却塔が用いられている。冷却塔は、該冷却塔の内部に外気を導入するためのファン装置を有しており、このファン装置のファンは、通常、モータにより低速回転で運転される。冷却水が流れる冷却水管の外面に空気を接触させて、該冷却水を冷却するラジエータでも、ファン装置が用いられる。
ファン装置のモータは、一般的には、コスト、重量、および大きさなどを考慮して選択された2極または4極のモータである。ファンを低速回転で運転するために、ファンは、減速機構を介してモータに連結される。減速機構は、例えば、複数のプーリとこれらプーリに巻掛けられたベルトを有するベルト減速機構や、複数のギアを組み合わせたギア減速機構である。
モータを変速可能とするインバータを有するファン装置も用いられている。インバータはモータに接続され、このインバータによって、モータを所望の回転速度で駆動することができる。従来の冷却塔では、インバータは、冷却塔本体の側面に設置されるか、または冷却塔本体から離間して設置される。
特許第5043382号公報 特許第5711654号公報
モータを減速機構を介してファンに連結するファン装置を用いる場合は、減速機構の設置場所および設置構造を考慮する必要がある。さらに、ファンの起動および停止を頻繁に繰り返すと、減速装置から騒音が発生することがある。インバータによりモータの回転速度を制御する場合は、ファンの起動および停止をゆっくりと行うことができるので、騒音の発生を抑制することができる。しかしながら、インバータの設置場所および設置構造を考慮する必要がある。したがって、インバータをモータとユニット化したファン装置が望まれている。
モータを回転させると、モータが発熱する。インバータがモータとユニット化されている(例えば、インバータがモータを収容するモータケーシングの側面に取り付けられている)場合は、モータから発生した熱がインバータに伝達される。この場合、インバータを効率的に冷却することが困難である。さらに、冷却塔(またはラジエータ)が屋外に設置されている場合は、モータおよびインバータが直射日光にさらされるため、モータおよびインバータの温度を低下させることがより困難となる。
ファン装置の運転中は、モータを収容するモータケーシング内の温度が高くなる一方で、ファン装置を停止すると、モータケーシング内の温度は常温まで低下する。モータケーシングには、モータに電力を供給するケーブルが挿通されるケーブル孔が形成されている。モータケーシング内の温度が上昇すると、モータケーシング内の空気が膨張し、モータケーシング内の温度が低下すると、モータケーシング内の空気は収縮する。このとき、外気がケーブル孔からモータケーシング内に侵入するので、モータケーシング内で空気中の水分が結露することがある。結露水は、モータの絶縁性能を低下させたり、モータケーシング内に錆を発生させたりすることがある。したがって、モータケーシング内に侵入する外気の量を低減するために、モータおよび該モータとユニット化されたインバータを効率良く冷却し、モータケーシング内の温度を低く維持するのが好ましい。
そこで、本発明は、モータとユニット化されたインバータを有し、このインバータとモータとを効率的に冷却することができるファン装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、モータと、前記モータの回転軸に固定されたファンと、前記モータを変速可能とするインバータと、前記モータが収容されるモータ室と、前記インバータが収容されるインバータ室とを有するモータケーシングと、前記インバータ室を構成する前記モータケーシングの端壁に近接して配置され、前記モータケーシングの幅よりも大きな幅を有する整流板と、を備え、前記モータは、前記インバータと前記ファンとの間に位置しており、前記整流板には、通風孔が形成されていることを特徴とするファン装置である。
本発明の好ましい態様は、前記通風孔は、前記整流板の中央部に形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記整流板には、該整流板の外周縁および前記ファンに向かって傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記端壁に設けられたインバータ放熱フィンをさらに備えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記インバータは、前記端壁の内面に接触しているパワー素子を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記モータケーシングの側壁に設けられたモータ放熱フィンを備えること特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記モータケーシングの側壁から離間して、該側壁を囲むチューブ部材をさらに備え、前記チューブ部材には、前記ファンに向かって外方に拡大する拡大部が形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記モータのステータのコイルは、樹脂により被覆されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記モータは、ロータに永久磁石が配置されているPMモータであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記PMモータは、ロータの内部に永久磁石が配置されているIPMモータであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記IPMモータは、前記ロータの両端面をそれぞれ覆うカバー板を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記軸受を覆う軸受カバーと、をさらに備え、前記軸受カバーは、前記モータと前記軸受との間に配置されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転軸が前記モータケーシングを貫通する軸貫通部に配置され、前記回転軸と前記モータケーシングとの間の隙間を封止する軸シールをさらに備え、前記軸シールは、前記回転軸の外周面に固定される円盤状の基部と、前記基部から前記モータケーシングに向かって延びる円筒状の突出部とを有する回転部材と、前記軸貫通部に固定され、前記突出部を囲む凹部が形成されている静止部材と、を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記凹部は、前記突出部の外周面に対向する第1の側面と、前記突出部の内周面に対向する第2の側面とを有し、前記突出部の内周面には、前記第2の側面に接触するリップが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、モータを収容するモータ室と、インバータを収容するインバータ室がモータケーシングによって形成されるので、インバータとモータとがユニット化されたコンパクトなファン装置を提供することができる。さらに、ファンの回転により空気がモータケーシングの外面上を流れるので、モータで発生した熱はこの空気により奪われて、モータケーシングから除去される。モータケーシングの外面上を流れた空気は、さらに整流板とモータケーシングの端壁との間に形成された空気流路を通って、整流板の通風孔から流出する。インバータで発生した熱は、空気流路を通過する空気により奪われる。その結果、モータとインバータの両方を効率的に冷却することができる。
冷却塔の一例を示す模式図である。 冷却塔の他の例を示す模式図である。 図3Aは、ラジエータの一例を示す模式図である。 図3Bは、図3Aに示される枠体の内部空間を蛇行する冷却水管を示す模式図である。 一実施形態に係るファン装置の断面図である。 図4に示す蓋の上面図である。 図4に示すモータのステータの一部を示す断面図である。 軸シールの一例を示す拡大断面図である。 図7に示される軸シールの変形例を示す拡大断面図である。 他の実施形態に係るファン装置の断面図である。 さらに他の実施形態に係るファン装置を示す図である。 さらに他の実施形態に係るファン装置を示す図である。 図1に示される冷却塔の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、冷却塔の一例を示す模式図である。図1に示される冷却塔は、冷却塔本体3と、冷却塔本体3の内部に配置された充填材2と、冷却塔本体3の上部に取り付けられたファン装置1を備える。ファン装置1の詳細な構成は後述する。ファン装置1のファンケーシング18内に配置されたファン5をモータ7によって回転させると、冷却塔本体3の側面に設けられたルーバ15を通って、空気が冷却塔本体3に吸い込まれる。冷却塔本体3に吸い込まれた空気は、ファン装置1を通って冷却塔から排出される。冷却塔に導入される冷却水は、冷却塔本体3を貫通して延びる導入管10を流れる。導入管10の末端には、充填材2の上方に位置する放出口10aが形成されており、この放出口10aから冷却水が充填材2に放出される。充填材2に放出された冷却水は充填材2の内部を流れ落ち、ファン装置1によって冷却塔本体3に吸い込まれた空気と接触する。これにより、冷却水と空気との間で熱交換が行われ、冷却水が冷却される。冷却された冷却水は、冷却塔本体3の下部に設けられた水槽12に集められ、該水槽12に接続された排水管11から冷却塔の外部に排出される。図1に示される冷却塔は、冷却水が空気により直接的に冷却される水冷式の熱交換器であり、開放形冷却塔と称される。
図2は、冷却塔の他の例を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図1に示される冷却塔の構成と同一であるため、その重複する説明を省略する。
図2に示される冷却塔の導入管10は、冷却塔本体3の内部に配置されたコイル管20の一端に接続され、冷却水を冷却塔から排出する排水管11はコイル管20の他端に接続される。冷却水は、導入管10からコイル管20に流入し、コイル管20から排水管11に流出する。さらに、この冷却塔には、水をコイル管20に散布するための散水管22を有する。散水管22は、冷却塔の外部からコイル管20の上方まで延びており、散水管22の末端には、水を散布する散水口22aが形成される。散水管22の散水口22aから散布された水は、コイル管20の表面に接触することにより、該コイル管20を流れる冷却水と熱交換を行う。これにより、コイル管20を流れる冷却水が冷却される。散水管22の散水口22aから散布された水は、ファン装置1によって冷却塔本体3に吸い込まれた空気によって冷却される。コイル管20に接触して流れ落ちた水は、水槽12に集められ、該水槽12に接続された散水ドレン管25から冷却塔の外部に排出される。図2に示される冷却塔は、コイル管20を流れる冷却水が散水管22から散布された水により冷却される水冷式の熱交換器であり、密閉形冷却塔と称される。
図3Aは、ラジエータの一例を示す模式図であり、図3Bは、図3Aに示される枠体の内部空間を蛇行する冷却水管を示す模式図である。図3Aに示されるラジエータは、ラジエータ本体32と、冷却水が流れる冷却水管30が取り付けられた枠体33と、ファン装置1とを備える。図3Bに示されるように、冷却水管30は、該冷却水管30の直管部30aが水平方向に延びるように、枠体33の内部空間を蛇行している。冷却水管30は、該冷却水管30の直管部30aが鉛直方向に延びるように、枠体33の内部空間を蛇行してしてもよい。枠体33は、ラジエータ本体32の側面に形成された開口に嵌め込まれて、ラジエータ本体32に固定されている。ファン装置1のファン5をモータ7によって回転させると、蛇行する冷却水管32の直管部30aの間に形成された隙間を通って、空気がラジエータ本体32に吸い込まれる。冷却水管30には、通常、放熱フィン(図示せず)が取り付けられ、冷却水管30を流れる冷却水の熱は放熱フィンに伝達される。ラジエータの冷却水管30を流れる冷却水は、冷却水管30および放熱フィンを介して、ファン装置1によってラジエータ本体32の内部に吸い込まれた空気と熱交換を行う。これにより、冷却水管30を流れる冷却水が冷却される。図3Aに示されるラジエータは、冷却水管30を流れる冷却水が空気により冷却される空冷式の熱交換器である。
図4は、一実施形態に係るファン装置1の断面図である。図4では、ファンケーシング18の図示を省略している。このファン装置1は、図1または図2に示される冷却塔、または図3Aに示されるラジエータに設けられる。ファン装置1は、ファン5と、該ファン5を回転させるモータ7と、モータ7を変速可能とするインバータ8を備えている。ファン5は、ハブ16と、このハブ16から放射状に延びる複数の翼14を有している。ファン5のハブ16がモータ7の回転軸6の末端に固定されることにより、モータ7にファン5が直接連結される。
ファン装置1は、モータ7およびインバータ8を収容するモータケーシング17を有し、これにより、インバータ8がモータ7とユニット化される。本実施形態では、モータケーシング17は円筒形状を有する。モータケーシング17の内部は、隔壁29によりモータ室27とインバータ室28に区画されており、インバータ室28はモータ室27の上側に位置する。モータ7は、モータケーシング17の内部に形成されたモータ室27に収容され、インバータ8は、モータケーシング17の内部に形成されたインバータ室28に収容される。したがって、モータ7は、インバータ7とファン5との間に位置している。モータケーシング17の上壁(端壁)は、取り外し可能な蓋40から構成されている。蓋40は、インバータ室28の上部を構成している。
モータケーシング17の側壁17bには、電源ケーブル孔17aが形成されており、この電源ケーブル孔17aを通って、電源(図示せず)からインバータ8に電力を供給する電源ケーブル42が延びる。隔壁29には、モータケーブル孔29aが形成されており、このモータケーブル孔29aを通って、インバータ8からモータ7に電力を供給するモータケーブル46が延びる。
インバータ室28には、インバータ8に接続される制御部51が配置される。本実施形態では、制御部51は、インバータ8を構成するパワー素子(例えば、IGBTなどのスイッチング素子)50などが配置されたインバータ基板8a上に配置される。一実施形態では、制御部51をインバータ8から離して配置してもよい。制御部51がインバータ8のパワー素子50のスイッチング動作を制御することで、モータ7の回転速度、すなわちファン5の回転速度を制御する。
モータ7は、誘導モータであってもよいが、モータ7は、永久磁石が配置されたロータと、該ロータと対向して配置されたステータとを有するPMモータ(Permanent Magnet Motor)であるのが好ましい。特に、図4に示されるように、モータ7は、ロータ43の内部に永久磁石41が配置されたIPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)であるのが好ましい。PMモータ(特に、IPMモータ)は高効率を有するので、モータ7の発熱を抑制することができる。
ロータ43は、回転軸6に固定されており、ステータ44は、モータケーシング17の内面に固定されている。したがって、モータ7のステータ44で発生した熱は、モータケーシング17に伝達される。図4に示したモータ7は、ステータ44がロータ43の半径方向外側に配置されたラジアルギャップ型モータである。図示はしないが、モータ7は、ステータとロータが軸方向に沿って配列されたアキシャルギャップ型モータであってもよい。
図4に示されるモータ7の回転軸6は、鉛直方向に離間して配置された2つの軸受35,36によって回転可能に支持されている。上側軸受35は、隔壁29の下面(すなわち、モータ室27の上面)に取り付けられ、下側軸受36はモータ室27の下面に取り付けられる。
モータケーシング17の上壁(端壁)に隣接して、整流板45が配置される。より具体的には、モータケーシング17の上方、すなわち蓋40の上方に、整流板45が配置される。本実施形態では、モータケーシング17が円筒形状を有するので、整流板45は円盤形状を有する。整流板45は、蓋40の上面(外面)に固定された複数のリブ(図示せず)により支持される。整流板45は、モータケーシング17の幅よりも大きな幅を有する。より具体的には、整流板45の直径は、モータケーシング17の外周面の直径よりも大きく、整流板45の外周縁45aは、モータケーシング17の外周面よりも外方に突出している。整流板45は、該整流板45の中央部に形成された通風孔45bを有する。さらに、整流板45には、整流板45の外周縁45aに向かって下方に傾斜する(すなわち、整流板45の外周縁45aおよびファン5に向かって傾斜する)傾斜部45cが形成されるのが好ましい。
モータ7を駆動させると、ファン5が回転し、回転するファン5によって、ファン装置1の下方から上方に向かって空気が流れる。この空気の一部は、モータケーシング17の外面に接触しながら上方向に流れ、整流板45に衝突する。整流板45の中央部には通風孔45bが形成されているので、整流板45に衝突した空気は、その流れ方向を整流板45の中央に向かう方向に変更して、モータケーシング17の上壁(すなわち、蓋40)の上面と整流板45の下面との間に形成された空気流路37を流れる。さらに、空気は、通風孔45bを通って整流板45の上方に流れる。本実施形態では、整流板45が傾斜部45cを有するので、整流板45の傾斜部45cに衝突した空気は、空気流路37に向かう流れを形成する。その結果、空気流路37を流れる空気の流量を増加させることができる。
本実施形態によれば、モータ7を収容するモータ室27と、インバータ8を収容するインバータ室28がモータケーシング17によって形成されるので、インバータ8とモータ7がユニット化されたコンパクトなファン装置1を提供することができる。さらに、モータ7からモータケーシング17に伝達された熱は、ファン5の回転によりモータケーシング17の外面上を流れる空気により、モータケーシング17から除去される。モータケーシング17の外面上を流れた空気は、整流板45の下面とモータケーシング17の上壁(すなわち、蓋40)の上面との間に形成された空気流路37を通って、整流板45の通風孔45bから流出する。インバータ8で発生した熱は、空気流路37を通過する空気によって奪われる。その結果、モータ7とインバータ8の両方を効率的に冷却することができる。特に、整流板45が傾斜部45cを有しているので、空気流路37を流れる空気の流量が増加し、より効率的にインバータ8を冷却することができる。さらに、整流板45は、モータケーシング17に照射される直射日光の量を低減することができる。その結果、直射日光によるモータケーシング17の温度上昇を抑制することができ、モータ7とインバータ8の冷却を促進させることができる。
図4に示されるように、モータケーシング17の上壁(端壁)、すなわち蓋40の上面(外面)にインバータ放熱フィン49を設けてもよい。図5は、蓋40の上面図である。図4および図5に示されるように、蓋40の上面には、放射状に延びる複数のインバータ放熱フィン49が固定されている。インバータ放熱フィン49は、蓋40の周方向に沿って等間隔に配列される。インバータ室28内でインバータ8から発生した熱は蓋40を介してインバータ放熱フィン49に伝達され、該インバータ放熱フィン49から空気流路37を流れる空気に伝達される。その結果、インバータ8を効率良く冷却することができる。
インバータ8では、熱は、主としてパワー素子50から発生する。したがって、図4に示されるように、パワー素子50を蓋40(すなわち、モータケーシング17の上壁)の下面(内面)に接触させるのが好ましい。パワー素子50を蓋40の下面に接触させることにより、パワー素子50で発生した熱が蓋40に直接伝達される。蓋40は、空気流路37を流れる空気により冷却されるので、インバータ8から発生した熱が効率的に除去され、インバータ8の冷却を促進させることができる。
図6は、図4に示されるモータ7のステータ44の一部断面図である。図6に示されるように、ステータ44は、複数の歯47aを有するステータコア47と、各歯47aに巻かれたコイル48とを有する。コイル48の全体は、樹脂58に被覆される。各歯47a間に形成された隙間は、樹脂58で充填されており、さらに、図4に示されるように、ステータコア47から突出しているコイルエンドも樹脂58により被覆されている。モータ7では、熱は、ステータコア47およびコイル48から主として発生する。本実施形態では、コイル48の全体が樹脂58で被覆されているので、コイル48で発生した熱の大部分は、樹脂58を通じてステータコア47に伝達される。ステータコア47に伝達された熱およびステータコア47から発生した熱は、モータケーシング17に伝達され、ファン5の回転によりモータケーシング17の外面上を流れる空気によって除去される。したがって、コイル48の全体を樹脂58で被覆することにより、モータ7の冷却を促進させることができる。
上述した実施形態によれば、モータ7およびインバータ8を効率良く冷却することができる。しかしながら、ファン装置1を駆動すると、モータ7およびインバータ8から発生した熱によってモータケーシング17内の温度はある程度上昇し、ファン装置1を停止すると、モータケーシング17内の温度が常温まで低下する。このとき、モータケーシング17のインバータ室28には、電源ケーブル孔17aから外気が吸い込まれ、モータ室27には、インバータ室28からモータケーブル孔29aを通って外気が吸い込まれる。モータ室27内に吸い込まれた外気の湿度が高い場合は、モータ室27内で結露水が発生するおそれがある。そこで、図4に示されるように、ロータ43の両端面をそれぞれ覆うカバー板66を設けるのが好ましい。カバー板66によって、モータ室27に発生した結露水がロータ43の内部に配置された永久磁石41に接触することが防止される。その結果、永久磁石41に錆が発生しないので、ロータ43の劣化を防止することができる。
さらに、下側軸受36の上面を覆う軸受カバー67を設けるのが好ましい。軸受カバー67は、モータ7と下側軸受36との間に位置する。軸受カバー67によって、モータ室27に発生した結露水が下側軸受36に接触することが防止される。その結果、下側軸受36に錆が発生しないので、下側軸受36の劣化を防止することができる。
結露水がモータケーシング17の外面に発生することがある。モータケーシング17には、回転軸6が該モータケーシング17を貫通する軸貫通部が形成されている。モータケーシング17の外面に発生した結露水が軸貫通部を通ってモータケーシング17の内部に浸入すると、モータ7を劣化させてしまう。そこで、図4に示されるように、モータケーシング17の軸貫通部には、回転軸6とモータケーシング17との間の隙間を封止する軸シール70が配置される。軸シール70によって、モータケーシング17の外面に発生した結露水が、モータケーシング17内に浸入することが防止される。
図7は、軸シール70の一例を示す拡大断面図である。図7に示される軸シール70は、回転軸6に固定され、回転軸6と一体に回転する回転部材71と、モータケーシング17の軸貫通部17cに固定される静止部材75とを有する。回転部材71は、回転軸6の外周面に固定される円盤状の基部72と、該基部72から上方に延びる(すなわち、モータケーシング17に向かって延びる)円筒状の突出部73とを有する。本実施形態では、突出部73は、基部72の外周縁から上方に延びており、基部72と一体に構成されている。一実施形態では、基部72とは別部材として構成された突出部73を基部72に取り付けてもよい。
静止部材75には、回転部材71の突出部73を囲む凹部77が形成されている。より具体的には、凹部77は、突出部73の外周面73aに対向し、円筒形状を有する第1の側面77aと、突出部73の内周面73bに対向し、円筒形状を有する第2の側面77bとを有している。さらに、第1の側面77aは、凹部77の底面77cに接続され、第2の側面77bも凹部77の底面77cに接続される。軸シール70は、回転部材71の基部72から突出する突出部73と、該突出部73を囲む凹部77とから構成されるラビリンス構造を有する。本実施形態では、軸シール70は、静止部材75が回転部材71と接触しない非接触式の軸封構造を有する。すなわち、静止部材75に形成された凹部77の第1の側面77a、第2の側面77b、および底面77cは、回転部材71の突出部73に接触しない。
モータケーシング17の外面に発生し、軸シール70の静止部材75まで流れてきた結露水には、重力が作用する。したがって、この結露水は、突出部73の外周面73aと凹部77の第1の側面77aとの間の隙間を上向きに移動することができない。その結果、モータケーシング17の外面に発生した結露水が該モータケーシング17の内部に浸入することが防止される。
図8は、図7に示される軸シール70の変形例を示す断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図7に示される軸シール70の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。図8に示される軸シール70の回転部材71は、突出部73の内周面73bに設けられたリング状のリップ79を有する。リップ79の先端は、凹部77の第2の側面77bに接触している。本実施形態では、軸シール70は、突出部73と、該突出部73を囲む凹部77とから構成されるラビリンス構造だけでなく、突出部73の内周面73bに設けられたリップ79が凹部77の第2の側面77bに接触する接触式の軸封構造を有する。凹部77の第2の側面77bに接触するリップ79により、結露水がモータケーシング17の内部に浸入することが確実に防止される。なお、凹部77の第2の側面77bに接触するリップ79の代わりに、凹部77の第1の側面77aに接触するリップを、突出部73の外周面73aに設けてもよい。
図9は、他の実施形態に係るファン装置1の模式図である。図9では、ファンケーシング18の図示を省略している。特に説明しない本実施形態の構成は、上述の実施形態の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図9に示されるファン装置1は、モータケーシング17の側壁17bに設けられた複数のモータ放熱フィン60を有する。モータ放熱フィン60は、モータケーシング17の側壁17bに固定されており、モータケーシング17の周方向に沿って、等間隔に配列される。モータ7で発生した熱は、モータケーシング17を介してモータ放熱フィン60に伝達され、モータケーシング17の外面上を流れる空気により、モータ放熱フィン60から除去される。その結果、モータ7の冷却を促進させることができる。
図9に示されるように、ファン装置1は、好ましくは、モータケーシング17の側壁17bから離間して、該側壁17bを囲むチューブ部材62をさらに備える。チューブ部材62には、該チューブ部材62の下端に向かって(すなわち、ファン5に向かって)拡大する拡大部62aが形成される。チューブ部材62は、モータケーシング17の側壁17bに固定されたリブ(図示せず)により支持される。チューブ部材62の内面とモータケーシング17の側壁17bとの間には、ファン5の回転により上方向に流れる空気が通過する空気流路63が形成される。
拡大部62aを有するチューブ部材62を設けることにより、ファン5の回転により上方に向かって流れる空気が拡大部62aに衝突し、空気流路63に流入する。したがって、このチューブ部材62を設けることにより、モータケーシング17の外面上を流れる空気の流量を増加させることができる。その結果、モータ7から発生した熱を効率的に除去することができるので、モータの冷却を促進させることができる。
上述した実施形態では、冷却塔(図1および図2参照)またはラジエータ(図3A参照)に取り付けられ、上方向に流れる気流を発生するファン装置1が説明されたが、本発明のファン装置1は、この例に限定されない。例えば、ファン装置1を、トンネル、地下駐車場などの施設から空気を排気する排気ファンとして用いてもよいし、倉庫、工場などの建物内の空気を外気と入れ換えるための換気ファンとして用いてもよい。あるいは、ファン装置1を、倉庫、工場などの建物内の空気を循環させるための循環ファンとして用いてもよい。あるいは、ファン装置1を、ビル空調システムなどの気体循環システムに設けられた配管内に配置してもよい。
さらに、ファン装置1のファン5が発生する気流の方向(この方向は、ファン装置1の設置角度に対応する)は、上方向に限定されない。例えば、ファン装置1のファン5が発生する気流の方向は、水平方向でもよいし、斜め方向(すなわち、鉛直方向または水平方向に対して傾いた方向)であってもよい。さらに、ファン装置1が移送する気体は、空気に限定されない。例えば、ファン装置1は、プラント設備で用いられる空気以外の気体を移送するために用いられてもよい。以下では、図10および図11を参照して、ファン装置1が冷却塔およびラジエータ以外の設備に設けられる例を説明する。
図10は、さらに他の実施形態に係るファン装置1を示す図である。図10に示されるファン装置1は、建物の壁面80から吊り下げられており、建物内の気体(例えば、空気)を水平方向に移送する。このファン装置1は、建物内の空気を循環させる循環ファンとして用いられる。
図10に示されるファン装置1は、実質的に、図4に示されるファン装置1と同様の構成を有しているため、対応する構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、ファン装置1のファン5は、その回転により、空気を水平方向に移送する。このファン装置1は、図4に示されるファン装置1が90°回転した状態で、建物の壁面80から吊り下げられており、ファン5が接続されるモータ7の回転軸6は水平方向に延びている。
このファン装置1のファンケーシング18は、円筒形状を有しており、その内部にファン5およびモータケーシング17を収容している。ファン5およびモータケーシング17は、ファンケーシング18の内周面に固定された複数のリブ(図示せず)により支持される。ファンケーシング18の外周面から建物の壁面80まで延びる吊り具(ワイヤ)82,82が延びており、ファン装置1は、このワイヤ82,82により建物の壁面80に支持される。
図11は、さらに他の実施形態に係るファン装置1を示す図である。図11に示されるファン装置1は、ビル空調システムに設けられる循環ファンとして用いられる。このビル空調システムは、空気が流れる配管85を有しており、この配管85内に、ファン装置1が配置されている。このファン装置1は、図示しない固定具(例えば、リブ)により配管85の内面に固定されており、配管85内の空気を斜め方向に移送する。
図11に示されるファン装置1も、実質的に、図4に示されるファン装置1と同様の構成を有しているため、対応する構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、ファン装置1のファン5は、その回転により、配管85内の空気を斜め方向に移送する。このファン装置1は、図4に示されるファン装置1が傾けられた状態で、配管85の内面に固定されており、ファン5が接続されるモータ7の回転軸6は斜めに延びている。本実施形態では、回転軸6の軸心は、配管85が延びる方向と平行である。
図10または図11に示されるファン装置1も、モータ7およびインバータ8を収容するモータケーシング17を有し、これにより、インバータ8がモータ7とユニット化される。モータケーシング17の内部は、隔壁29によりモータ室27とインバータ室28に区画されている。モータ7は、モータケーシング17の内部に形成されたモータ室27に収容され、インバータ8は、モータケーシング17の内部に形成されたインバータ室28に収容される。モータ7の回転軸6の末端に接続されるファン5は、モータ室27に隣接しており、インバータ室28は、ファン5とは反対側に位置している。したがって、インバータ室28は、モータ室よりも、ファン5の回転により発生する気流(以下では、単に気流と称する)の下流側に位置しており、モータ7は、インバータ7とファン5との間に位置している。本実施形態では、モータケーシング17の端壁は、取り外し可能な蓋40から構成されており、この端壁は、図4に示されるモータケーシング17の上壁に対応する。蓋40は、気流の下流側に位置するインバータ室28の端部を構成している。
図10に示されるモータ7の回転軸6は、水平方向に離間して配置された2つの軸受35,36によって回転可能に支持されている。図11に示されるモータ7の回転軸6は、斜め方向に離間して配置された2つの軸受35,36によって回転可能に支持されている。気流の下流側に位置する下流側軸受35は、図4に示される上側軸受35に対応し、この下流側軸受35は、隔壁29の側面(すなわち、気流の下流側に位置するモータ室27の内面)に取り付けられる。気流の上流側に位置する上流側軸受36は、図4に示される下側軸受36に対応し、この上流側軸受36は、気流の上流側に位置するモータ室27の内面に取り付けられる。図10および図11に示されるように、上流側軸受36は、軸受カバー67によって覆われていてもよい。この軸受カバー67は、モータ7と上流側軸受36との間に配置される。軸受カバー67によって、モータ室27に発生した結露水が上流側軸受36に接触することが防止される。
モータケーシング17の端壁を構成する蓋40に隣接して、整流板45が配置される。図10または図11に示されるファン装置1では、モータケーシング17が円筒形状を有するので、整流板45は円盤形状を有する。整流板45は、蓋40の外面に固定された複数のリブ(図示せず)により支持される。整流板45は、モータケーシング17の幅よりも大きな幅を有する。より具体的には、整流板45の直径は、モータケーシング17の外周面の直径よりも大きく、整流板45の外周縁45aは、モータケーシング17の外周面よりも外方に突出している。整流板45は、該整流板45の中央部に形成された通風孔45bを有する。さらに、整流板45には、該整流板45の外周縁45aおよびファン5に向かって傾斜する傾斜部45cが形成されるのが好ましい。
モータ7を駆動させると、ファン5が回転し、該ファン5からモータケーシング17に向かって空気が流れる。図10に示されるファン装置1では、回転するファン5によって、ファンケーシング18の内部を水平方向に流れる気流が発生する。図11に示されるファン装置1では、回転するファン5によって、配管85の内部を斜め方向に流れる気流が発生する。この空気の一部は、モータケーシング17の外面に接触しながら整流板45に向かって流れ、該整流板45に衝突する。整流板45の中央部には通風孔45bが形成されているので、整流板45に衝突した空気は、その流れ方向を整流板45の中央に向かう方向に変更して、モータケーシング17の端壁(すなわち、蓋40)の外面と整流板45の内面との間に形成された空気流路37を流れる。さらに、空気は、通風孔45bを通って整流板45から離れる方向に流れる。図10または図11に示されるファン装置1では、整流板45が傾斜部45cを有するので、整流板45の傾斜部45cに衝突した空気は、空気流路37に向かう流れを形成する。その結果、空気流路37を流れる空気の流量を増加させることができる。
図10および図11に示されるファン装置1でも、モータ7を収容するモータ室27と、インバータ8を収容するインバータ室28がモータケーシング17によって形成されるので、インバータ8とモータ7がユニット化されたコンパクトなファン装置1を提供することができる。さらに、モータ7からモータケーシング17に伝達された熱は、ファン5の回転によりモータケーシング17の外面上を流れる空気により、モータケーシング17から除去される。モータケーシング17の外面上を流れた空気は、整流板45の内面とモータケーシング17の端壁(すなわち、蓋40)の外面との間に形成された空気流路37を通って、整流板45の通風孔45bから流出する。インバータ8で発生した熱は、空気流路37を通過する空気によって奪われる。その結果、モータ7とインバータ8の両方を効率的に冷却することができる。特に、整流板45が傾斜部45cを有しているので、空気流路37を流れる空気の流量が増加し、より効率的にインバータ8を冷却することができる。
図10および図11に示されるように、ファン装置1は、回転軸6とモータケーシング17との間の隙間を封止する軸シール70を有していてもよい。軸シール70によって、モータケーシング17の外面に発生した結露水が、モータケーシング17内に浸入することが防止される。
この軸シール70は、回転軸6に固定され、回転軸6と一体に回転する回転部材71と、モータケーシング17の軸貫通部17cに固定される静止部材75とを有する。回転部材71は、回転軸6の外周面に固定される円盤状の基部72と、該基部72からモータケーシング17に向かって延びる円筒状の突出部73とを有する。静止部材75には、回転部材71の突出部73を囲む凹部77が形成されている。軸シール70は、突出部73と、該突出部73を囲む凹部77とから構成されるラビリンス構造を有している。
図7を参照して説明された軸シール70と同様に、軸シール70は、静止部材75が回転部材71と接触しない非接触式の軸封構造を有する。すなわち、静止部材75に形成された凹部77の第1の側面77a、第2の側面77b、および底面77cは、回転部材71の突出部73に接触しない。一実施形態では、軸シール70の回転部材71は、突出部73の内周面73bに設けられ、凹部77の第2の側面77bに接触するリング状のリップ79(図8参照)を有してもよい。あるいは、凹部77の第2の側面77bに接触するリップ79の代わりに、凹部77の第1の側面77aに接触するリップを、突出部73の外周面73aに設けてもよい。
図示はしないが、図10または図11に示されるファン装置1は、モータケーシング17の側壁17bに設けられた複数のモータ放熱フィン60(図9参照)を有していてもよいし、モータケーシング17の側壁17bから離間して、該側壁17bを囲むチューブ部材62(図9参照)をさらに備えていてもよい。ファン装置1がモータ放熱フィン60を有する場合は、モータ7で発生した熱は、モータケーシング17を介してモータ放熱フィン60に伝達され、モータケーシング17の外面上を流れる空気により、モータ放熱フィン60から除去される。その結果、モータ7の冷却を促進させることができる。
ファン装置1がチューブ部材62(図9参照)を有する場合は、該チューブ部材62は、モータケーシング17の側壁17bに固定されたリブ(図示せず)により支持される。チューブ部材62には、ファン5に向かって拡大する拡大部62aが形成されるのが好ましい。拡大部62aを有するチューブ部材62を設けることにより、ファン5の回転により上方に向かって流れる空気が拡大部62aに衝突し、チューブ部材62の内面とモータケーシング17の側壁17bとの間に形成された空気流路63(図9参照)に流入する。したがって、このチューブ部材62を設けることにより、モータケーシング17の外面上を流れる空気の流量を増加させることができる。その結果、モータ7から発生した熱を効率的に除去することができるので、モータの冷却を促進させることができる。
図12は、図1に示される冷却塔の変形例を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図1に示される冷却塔と同様であるため、その重複する説明を省略する。さらに、図12に示されるファン装置1の構成は、ファンケーシング18以外は図10に示されるファン装置1の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図12に示される冷却塔は、冷却塔本体3の側面に取り付けられたファン装置1を有する。すなわち、このファン装置1は、図10を参照して説明されたファン装置1と同様の構成を有し、回転するファン5によって気体を水平方向に移送する。
このファン装置1のファンケーシング18内に配置されたファン5をモータ7によって回転させると、冷却塔本体3の一方の側面に設けられたルーバ15を通って、空気が冷却塔本体3に吸い込まれる。冷却塔本体3に吸い込まれた空気は、該冷却塔本体3の内部を水平方向に流れ、冷却塔本体3の他方の側面に設けられたファン装置1を通って冷却塔本体3から排出される。放出口10aから充填材2に放出された冷却水は、冷却塔本体3の内部を水平方向に流れる空気と接触する。これにより、冷却水と空気との間で熱交換が行われ、冷却水が冷却される。
図12に示されるファン装置1も、図10に示されるファン装置1と同様に、モータ7を収容するモータ室27と、インバータ8を収容するインバータ室28がモータケーシング17によって形成されるので、インバータ8とモータ7がユニット化されたコンパクトなファン装置1を提供することができる。さらに、モータ7からモータケーシング17に伝達された熱は、ファン5の回転によりモータケーシング17の外面上を流れる空気により、モータケーシング17から除去される。モータケーシング17の外面上を流れた空気は、整流板45の内面とモータケーシング17の端壁(すなわち、蓋40)の外面との間に形成された空気流路37を通って、整流板45の通風孔45bから流出する。インバータ8で発生した熱は、空気流路37を通過する空気によって奪われる。その結果、モータ7とインバータ8の両方を効率的に冷却することができる。特に、整流板45が傾斜部45cを有しているので、空気流路37を流れる空気の流量が増加し、より効率的にインバータ8を冷却することができる。
図10を参照して説明されたファン装置1と同様に、図12に示されるファン装置1も、上流側軸受36を覆い、モータ7と上流側軸受36との間に配置される軸受カバー67を有していてもよいし、回転軸6とモータケーシング17との間の隙間を封止する軸シール70を有していてもよい。さらに、図9を参照して説明されたファン装置1と同様に、図12に示されるファン装置1も、モータケーシング17の側壁17bに設けられた複数のモータ放熱フィン60を有していてもよいし、モータケーシング17の側壁17bから離間して、該側壁17bを囲むチューブ部材62をさらに備えていてもよい。
図10乃至図12を参照して説明されたように、ファン装置1は、様々な空間に配置することが可能であり、かつファン装置1の設置角度(すなわち、ファン5が発生する気流の方向)を任意に設定することができる。したがって、本発明に係るファン装置1を様々な用途に適用することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
本発明は、気体を移送するためのファン装置に利用可能である。
1 ファン装置
2 充填材
3 冷却塔本体
5 ファン
6 回転軸
7 モータ
8 インバータ
10 導入管
11 排水管
12 水槽
14 翼
15 ルーバ
16 ハブ
17 モータケーシング
18 ファンケーシング
20 コイル管
22 散水管
25 散水ドレン管
27 モータ室
28 インバータ室
29 隔壁
30 冷却水管
32 ラジエータ本体
33 枠体
35 上側軸受
36 下側軸受
37 空気流路
40 蓋
41 永久磁石
42 電源ケーブル
43 ロータ
44 ステータ
45 整流板
46 モータケーブル
47 ステータコア
48 コイル
49 インバータ放熱フィン
50 パワー素子
51 制御部
58 樹脂
60 モータ放熱フィン
62 チューブ部材
63 空気流路
66 カバー板
67 軸受カバー
70 軸シール
71 回転部材
72 基部
73 突出部
75 静止部材
77 凹部

Claims (14)

  1. モータと、
    前記モータの回転軸に固定されたファンと、
    前記モータを変速可能とするインバータと、
    前記モータが収容されるモータ室と、前記インバータが収容されるインバータ室とを有するモータケーシングと、
    前記インバータ室を構成する前記モータケーシングの端壁に近接して配置され、前記モータケーシングの幅よりも大きな幅を有する整流板と、を備え、
    前記モータは、前記インバータと前記ファンとの間に位置しており、
    前記整流板には、通風孔が形成されていることを特徴とするファン装置。
  2. 前記通風孔は、前記整流板の中央部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のファン装置。
  3. 前記整流板には、該整流板の外周縁および前記ファンに向かって傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のファン装置。
  4. 前記端壁に設けられたインバータ放熱フィンをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のファン装置。
  5. 前記インバータは、前記端壁の内面に接触しているパワー素子を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のファン装置。
  6. 前記モータケーシングの側壁に設けられたモータ放熱フィンを備えること特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のファン装置。
  7. 前記モータケーシングの側壁から離間して、該側壁を囲むチューブ部材をさらに備え、
    前記チューブ部材には、前記ファンに向かって外方に拡大する拡大部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のファン装置。
  8. 前記モータのステータのコイルは、樹脂により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のファン装置。
  9. 前記モータは、ロータに永久磁石が配置されているPMモータであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のファン装置。
  10. 前記PMモータは、ロータの内部に永久磁石が配置されているIPMモータであることを特徴とする請求項9に記載のファン装置。
  11. 前記IPMモータは、前記ロータの両端面をそれぞれ覆うカバー板を有することを特徴とする請求項10に記載のファン装置。
  12. 前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記軸受を覆う軸受カバーと、をさらに備え、
    前記軸受カバーは、前記モータと前記軸受との間に配置されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のファン装置。
  13. 前記回転軸が前記モータケーシングを貫通する軸貫通部に配置され、前記回転軸と前記モータケーシングとの間の隙間を封止する軸シールをさらに備え、
    前記軸シールは、
    前記回転軸の外周面に固定される円盤状の基部と、前記基部から前記モータケーシングに向かって延びる円筒状の突出部とを有する回転部材と、
    前記軸貫通部に固定され、前記突出部を囲む凹部が形成されている静止部材と、を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のファン装置。
  14. 前記凹部は、前記突出部の外周面に対向する第1の側面と、前記突出部の内周面に対向する第2の側面とを有し、
    前記突出部の内周面には、前記第2の側面に接触するリップが設けられていることを特徴とする請求項13に記載のファン装置。
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