JP2013019327A - 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転時のブラシレスモータの軸受冷却を小型でかつ低圧損の構成で実現し、高い送風性能と信頼性を有する電動送風機およびそれを用いた電気掃除機を提供する。
【解決手段】ブラシレスモータと、回転軸2に固定されたインペラ8と、インペラ8の外周に通風路を形成するエアガイド9aと、インペラ8を覆いエアガイド9a前面に固定されたファンケース10とを備え、エアガイド9aは中央部に配置した熱伝導性のある円環状部材11aをその周囲の樹脂部材12aに密着させた状態でインサート成形することで形成され、エアガイド9aは、円環状部材11aがモータフレーム6前面に突出した軸受保持部13に圧入された状態でモータフレーム6に固定される構成にすることで、軸受5内部で発生した熱を円環状部材(円環状部材)11aを通じてエアガイド9aの冷却部へ伝導させて連続的に放熱し、軸受を効率よく冷却することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ブラシレスモータと、回転軸2に固定されたインペラ8と、インペラ8の外周に通風路を形成するエアガイド9aと、インペラ8を覆いエアガイド9a前面に固定されたファンケース10とを備え、エアガイド9aは中央部に配置した熱伝導性のある円環状部材11aをその周囲の樹脂部材12aに密着させた状態でインサート成形することで形成され、エアガイド9aは、円環状部材11aがモータフレーム6前面に突出した軸受保持部13に圧入された状態でモータフレーム6に固定される構成にすることで、軸受5内部で発生した熱を円環状部材(円環状部材)11aを通じてエアガイド9aの冷却部へ伝導させて連続的に放熱し、軸受を効率よく冷却することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高速回転時のブラシレスモータの軸受冷却を小型でかつ低圧損の構成で実現し、高い送風性能と信頼性を有する電動送風機およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
従来、この種の電動送風機は家庭用の電気掃除機に多く利用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。家庭用の電気掃除機の入力電力は限られており、より強い吸引力を得るためには電動送風機の送風性能を向上する必要がある。同時に、掃除のしやすさの視点から掃除機本体の小回りが良いことが望まれており、電動送風機を小型化する必要がある。電動送風機を小型化するにはインペラを高速回転させて径小化する必要があるが、回転数の増加に伴ない、インペラのアンバランス量の影響が大きくなり、軸受にかかる荷重が増大するとともに、転動体と内輪・外輪との接触回数が増えて摩擦による軸受の温度上昇が増えてしまうという課題がある。また、インペラからの気流でモータ内部を冷却しようとすると、曲がり損失が増えて電動送風機の性能が低下してしまい、小型化との両立が困難である。
図13は、特許文献1に記載された従来の電動送風機の断面構成を示す図である。回転軸40を有した回転子41と、巻線を有した固定子42と、固定子42を内包し回転軸40を支持する軸受43を保持したフレーム44とにより構成されたブラシレスモータを備えるとともに、複数枚のブレード45を有し回転軸40に固定されたインペラ46と、インペラ46の外周に配置されたエアガイド47と、インペラ46およびエアガイド47を内包し、中央部に吸気口48を配置し、フレーム44に固定されたファンケース49を備え、前記フレーム44の外側に設けた外筒50との間に、インペラ46によって発生させ、エアガイド47に導かれた空気をフレーム44外周に沿って流す通気路51を構成し、この外筒50の外側に駆動用半導体素子52を設置し、外筒50の内部には他端がフレーム44に当接し、気流と長手方向が一致するような冷却フィン53を設け、冷却フィン53と外筒50、フレーム44によって囲まれた独立通路の断面積が下流方向に徐々に拡大するようにフレーム44又は外筒50が傾斜した電動送風機54が開示されている。
図14は、特許文献2に記載された従来の電動送風機の断面構成を示す図である。電動機55と、電動機55により回転駆動されるファン56と、ファン56からの気流を整流するとともに、ディフューザ作用を有する整流板57とからなる電動送風機58と、電動送風機58の回転数を制御するスイッチング素子59とを備え、整流板57を熱伝導性の高い材料によって形成し、整流板57にスイッチング素子59を密着させて固定した電動送風機58が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の従来の電動送風機の構成では、外筒と冷却フィンについては熱伝導性の高い材質を用いているが、エアガイドの材質に関する記述はなく、家庭用掃除機用のエアガイドは一般に樹脂製であるので熱伝導性が低くエアガイドの風路へ
熱が伝導しにくいと同時に、軸受を保持するフレームだけでは高速回転時の軸受の熱を十分に放熱させることができず、軸受の温度が急激に上がり信頼性が低下してしまうという課題を有していた。
熱が伝導しにくいと同時に、軸受を保持するフレームだけでは高速回転時の軸受の熱を十分に放熱させることができず、軸受の温度が急激に上がり信頼性が低下してしまうという課題を有していた。
また、特許文献2に記載の従来の電動送風機の構成では、整流板を熱伝導性の高い材料で形成することでスイッチング素子の冷却は可能であるが、軸受の熱を効率的に整流板へ伝導させる構成については言及しておらず、軸受から整流板への風路への距離が遠いため、上記と同様、高速回転時の軸受冷却が十分に行えず、軸受の信頼性低下が懸念されるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高速回転時のブラシレスモータの軸受冷却を小型でかつ低圧損の構成で実現し、高い送風性能と信頼性を有する電動送風機およびそれを用いた電気掃除機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動送風機は、回転軸を有するロータと前記ロータ外周に対向配置されたステータと前記回転軸の軸受を保持し前記ステータを覆うモータフレームとで構成されるブラシレスモータと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラの外周に通風路を形成するエアガイドと、前記インペラを覆い前記エアガイド前面に固定されたファンケースとを備え、前記エアガイドは中央部に配置した金属あるいは熱伝導性のある無機材料を用いた円環状部材と前記円環状部材の周囲に密着させた樹脂部材とが一体となり構成され、前記エアガイドは、前記円環状部材が前記モータフレーム前面に突出した軸受保持部に嵌合された状態で前記モータフレームに固定される構成をしている。
これによって、ブラシレスモータを高速で駆動させた際に、軸受内部で発生した熱と軸受周辺の熱とを、円環状部材を通じてエアガイドの冷却部へ伝導させ、インペラで発生した気流でエアガイドを強制冷却することで連続的に放熱するとともに、エアガイドの各々の風路で気流の動圧を静圧に変換することで、軸受を効率よく冷却して過度な温度上昇を抑えつつ、小型で高い送風性能を有する電動送風機を実現することができる。
また、本発明の電気掃除機は、信頼性が高く小型で高い送風性能を有する電動送風機を搭載しているので、強い吸引力を有しゴミ取れ性が良好であり、小回りの利く使い勝手がよい電気掃除機となる。
本発明の電動送風機は、エアガイドに円環状部材を有することで発熱源である軸受の熱をエアガイドの冷却部へ効率よく伝導させて、インペラからの気流で放熱することができるとともに、エアガイドの風路はディフューザ作用を有しているため、軸受を効率よく冷却して過度な温度上昇を抑えつつ、小型で高い送風性能を有する電動送風機を実現することができる。
また、このような電動送風機を用いた電気掃除機は、強い吸引力を有し、ゴミ取れ性が良好であり、電動送風機が軽量なので、小回りが利いて使い勝手がよい。
また、このような電動送風機を用いた電気掃除機は、強い吸引力を有し、ゴミ取れ性が良好であり、電動送風機が軽量なので、小回りが利いて使い勝手がよい。
第1の発明は、回転軸を有するロータと前記ロータ外周に対向配置されたステータと前記回転軸の軸受を保持し前記ステータを覆うモータフレームとで構成されるブラシレスモータと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラの外周に通風路を形成するエアガイドと、前記インペラを覆い前記エアガイド前面に固定されたファンケースとを備え、前記エアガイドは中央部に配置した金属あるいは熱伝導性のある無機材料を用いた円環状部材と前記円環状部材の周囲に密着させた樹脂部材とが一体となり構成され、前記エアガイドは、前記円環状部材が前記モータフレーム前面に突出した軸受保持部に嵌合された状態で前記モータフレームに固定される構成とした電動送風機としたものである。これによって、ブラシレスモータを高速で駆動させた際に、軸受内部で発生した熱と、軸受周辺の熱を円環状部材を通じてエアガイドの冷却部へ効率よく伝導させて、インペラで発生した気流でエアガイドを強制冷却することで、ステータの熱を気流に伝達させてブラシレスモータ外部へ逃がすことができる。また、エアガイドの各々の風路はディフューザ作用を有しており、気流の流速を徐々に減速させながら動圧を静圧に変換することができるので、軸受を効率よく冷却して過度な温度上昇を抑えつつ、小型で高い送風性能を有する電動送風機を実現することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、エアガイドは、樹脂部材の底面と円環状部材の端面とが略同一面となるよう構成しているので、エアガイドの底面とモータフレーム前面との当接面が増えてエアガイドのガタツキを抑えてモータフレームにしっかりと固定することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、円環状部材は、内周面に複数の溝を有し、軸受保持部の外周面に設けた複数の溝と互いに嵌め合う構成をしているので、複数の溝がない場合に比べて円環状部材と軸受保持部との接触面積を大きくすることができ、接触熱抵抗を小さくして軸受保持部から円環状部材への熱流量を増やすことができる。
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明において、円環状部材は、円環とこの円環の外周から延設した鍔部とで一体構成され、前記鍔部の底面とモータフレーム前面とが当接しているので、円環状部材とモータフレーム前面との接触面積を大きくすることができ、接触熱抵抗を小さくしてモータフレーム前面から円環状部材への熱流量を増やすことができる。
第5の発明は、特に第4の発明において、円環状部材の鍔部は、底面に複数の凸部を有し、モータフレームに設けた凹部に互いに嵌め合う構成をしているので、凹凸部がない場合に比べて円環状部材とモータフレーム前面との接触面積をさらに大きくして接触熱抵抗を大幅に小さくすることができ、モータフレーム前面から円環状部材への熱流量を大幅に増やすことができる。
第6の発明は、特に第1〜5のいずれか1つの発明において、エアガイドの樹脂部材は
、熱伝導性フィラーを有しているので、樹脂部材の内部に熱の通り道となる熱伝導路が形成され、樹脂部材の熱伝導性を大幅に高めることができるようになり、軸受保持部およびモータフレーム前面から円環状部材へ伝導してきた熱がエアガイドの冷却部へ伝わりやすくなり、放熱効果を大幅に向上することができる。
、熱伝導性フィラーを有しているので、樹脂部材の内部に熱の通り道となる熱伝導路が形成され、樹脂部材の熱伝導性を大幅に高めることができるようになり、軸受保持部およびモータフレーム前面から円環状部材へ伝導してきた熱がエアガイドの冷却部へ伝わりやすくなり、放熱効果を大幅に向上することができる。
第7の発明は、請求項1〜6のいずれか1つの発明の電動送風機を搭載した電気掃除機とすることにより、強い吸引力を有しゴミ取れ性がよく、本体サイズが小さいので小回りの利く使い勝手がよい電気掃除機となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図5は、本発明の実施の形態1における電動送風機の構成を示すものである。図1は同電動送風機の一部断面図であり、図2は同電動送風機のインペラの一部断面斜視図であり、図3は同電動送風機の展開図であり、図4は同電動送風機の軸受の一部断面図であり、図5は同電動送風機を用いた電気掃除機の構成を表す断面図である。
図1〜図5は、本発明の実施の形態1における電動送風機の構成を示すものである。図1は同電動送風機の一部断面図であり、図2は同電動送風機のインペラの一部断面斜視図であり、図3は同電動送風機の展開図であり、図4は同電動送風機の軸受の一部断面図であり、図5は同電動送風機を用いた電気掃除機の構成を表す断面図である。
図1〜図4に示すように、電動送風機1aは、回転軸2を有するロータ3とロータ3外周に対向配置されたステータ4と回転軸2の軸受5を保持しステータ4を覆うモータフレーム6とで構成されるブラシレスモータ7と、回転軸2に固定されたインペラ8と、インペラ8の外周に通風路を形成するエアガイド9aと、インペラ8を覆いエアガイド9a前面に固定されたファンケース10とを備え、エアガイド9aは中央部に配置したアルミニウム製の円環状部材11aをその周囲のポニフェニレンサルファイド(PPS)を用いた樹脂部材12aに密着させた状態でインサート成形することで構成され、エアガイド9aは、円環状部材11aがモータフレーム6前面に突出した軸受保持部13に圧入された状態でモータフレーム6に固定されている。また、エアガイド9aは、樹脂部材12aの底面と円環状部材11aの端面とが略同一面を有し、エアガイド9a底面とモータフレーム6前面とが当接している。
また、図2に示すように、エアガイド9aは、複数の案内翼14aを有し、その上面にファンケース10が当接する状態で固定され、各々の案内翼14a間に独立風路15が形成されており、各々の独立風路15はインペラ8外周からエアガイド9a外周にかけて流路断面積が連続的に大きくなっている。
また、図3に示すように、インペラ8は、板金製の前シュラウド16とこれに対向する後シュラウド17とで3次元翼を有するインデューサ18および複数のブレード19を挟持することで構成されている。軸受5には、図4に示すように、摩擦トルクが少ない特徴を有するころがり軸受を使用した。ころがり軸受5は、内輪20と外輪21を有し、その間に転動体22が介在し、転動体22の転がりによって回転荷重を支えている。インペラ8入口先端部は、インペラ8が回転駆動可能な状態でPTFE樹脂製リング23を接触させて動的にシールされている。
図5において、電気掃除機24は、本体吸気口25に連通した集塵室26と本体排気口27を備えた送風室28とを有する掃除機本体29と、集塵室26に本気吸気口と気密に装着された集塵袋30と、送風室28に設置された電動送風機1aと、電動送風機1aを覆う難燃樹脂製の防音カバー31と、送風室28の上下に配置された吸音材32とから構成されている。なお、図示していないが、本体吸気口25には、ホース、延長管が順次接続され、延長管の先端には床面上の塵埃を吸引するノズルが取りつけられている。
以上のように構成された電動送風機およびそれを用いた電気掃除機24について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機1aの動作について説明する。図1において、巻線を励磁することで回転磁界が発生し、回転磁界と同期してロータ3が回転し、回転軸2に固定されたインペラ8が回転する。インペラ8の回転で生じる遠心力により、インペラ8内部の空気がインペラ8内部の外周かつ後方へと押しやられ、インペラ8内部が負圧になり、前方からインペラ8内部へ流れ込む気流が発生する。気流はインペラ8の入口から軸方向に流入し、インデューサ18、複数のブレード19、前シュラウド16、後シュラウド17とで形成された複数の内部流路に沿って流れた後、インペラ8外周へ流出する。
インペラ8から流出した気流は、エアガイド9aに複数の案内翼14aで形成された各々の独立風路15に流入し、エアガイド9a外周へかけて流れる。その際、各々の独立風路15の流路断面積はインペラ8外周からエアガイド9a外周にかけて大きくなるため、独立風路15を流れる気流の流速は減速されながら、動圧が静圧へと変換される。電動送風機1aの送風性能は、インペラ8を回転駆動するために入力した電力と、電動送風機1aが行う仕事(インペラ8が回転することで発生する真空度と流量の積で求まる空気出力)との比であらわされる。そのため、実際に使用する流量において電動送風機1aが発生する真空度(静圧)を大きくすることが、電動送風機1aの送風性能をあげる上で大変重要となる。
また、電動送風機1aを小型化するにはインペラ8を高速回転させて径小化する必要がある。従来の電動送風機1aは50,000rpm未満で駆動させており、更なる小型化には50,000rpm以上の高速回転が必要である。
また、ブラシレスモータ7の発熱は、銅損、鉄損、機械損によるものがある。銅損は巻線を流れる電流によって生じるジュール熱であり、電流の二乗に比例して大きくなる。また、鉄損はヒステリシス損と渦電流損に分けられる。ヒステリシス損は、モータの磁路を形成する電磁鋼板の物性が原因で発生するもので、回転による磁界の変化で磁束密度が変化することに起因する。また渦電流損は、コアに通る磁束の変動により磁束線のまわりに渦状の電流が流れ、その際の電気抵抗で発生するものである。
機械損は、軸受5の摩擦やロータ3とステータ4間の空気の攪拌抵抗に起因するものである。特に、50,000rpm以上の高速回転には、ブラシの摺動損失がないブラシレスモータ7が適しているが、回転数の増加に伴ない、インペラ8のアンバランスが回転軸2へ及ぼす影響が大きくなるため、回転軸2の振れ回りが起こりやすくなって軸受5にかかる荷重が増大するとともに、転動体22と内輪20および転動体22と外輪21との接触回数が増えて、軸受5の温度が急激に上昇し、寿命が低下してしまうという課題がある。そのため、高速回転時には、軸受5を効率よく冷却して温度上昇を抑えることが大変重要となる。一方、インペラ8からの気流をモータ内部に流して軸受5を冷却しようとすると、気流の曲がり損失が大幅に増えて電動送風機1aの性能が低下してしまう。
軸受5の温度上昇は、上述した転動体22と内輪20および転動体22と外輪21との摩擦による熱と、軸受5周辺の温度によっても起こるが、まず双方の熱は、モータフレーム6の軸受保持部13に伝導し、その後、軸受保持部13に圧入されたアルミニウム製の円環状部材11aへと伝導する。インペラ8からの気流は、エアガイド9aの独立風路15を流れて内壁面を連続的に冷却しているため、内壁面と円環状部材11aとの温度差が大きくなり、円環状部材11aから独立風路15の内壁面への熱流量が増加する。
次に、独立風路15の内壁面の熱は、インペラ8からの気流に連続的に伝達し、エアガ
イド9a外部へ放熱される。金属は樹脂に比べて一般に熱伝導率が高いため、アルミニウム製の円環状部材11aの外径を大きくして円環状部材11aと独立風路15との距離を小さくすることで更に熱抵抗を小さくすることが可能になり、エアガイド9aによる放熱効果を向上することができる。またアルミニウム製の円環状部材11aの外径が大きくなると、モータフレーム6前面からの熱伝導もしやすくなるため、軸受5周辺部の冷却効果を向上することにつながる。ただし、樹脂に比べて比重が大きいため、円環状部材11a径を大きくした分、質量も大きくなってしまう。
イド9a外部へ放熱される。金属は樹脂に比べて一般に熱伝導率が高いため、アルミニウム製の円環状部材11aの外径を大きくして円環状部材11aと独立風路15との距離を小さくすることで更に熱抵抗を小さくすることが可能になり、エアガイド9aによる放熱効果を向上することができる。またアルミニウム製の円環状部材11aの外径が大きくなると、モータフレーム6前面からの熱伝導もしやすくなるため、軸受5周辺部の冷却効果を向上することにつながる。ただし、樹脂に比べて比重が大きいため、円環状部材11a径を大きくした分、質量も大きくなってしまう。
円環状部材11aに使用する材料としては、アルミニウム以外にも、銀、銅、金、黄銅、鉄などの金属がある他、ベリリア、珪素、窒化アルミ、マグネシア、アルミナなどの無機材料が考えられる。
次に、電気掃除機24の動作について説明する。図5において、電動送風機1aのインペラ8が回転すると、集塵室26が負圧状態になり、ノズル(図示せず)から吸引された塵埃を含む気流が本気吸気口を通過して集塵室26へ流入する。集塵袋30で塵埃を濾過分離した清潔な気流は、電動送風機1aのインペラ8へ流入し、通気路に設けられた複数の風路を通過した後、防音カバー31の排気口から流出して掃除機本体29外部へと放出される。
電気掃除機24は、小型で送風性能の高い電動送風機1aを搭載しているため、強い吸引力を有し、ゴミ取れ性がよく、電動送風機1aの本体サイズが小さくて、小回りが利いて使い勝手がよい。また、掃除機本体29内の吸音面積や排気通路の延長を行うことで、運転音の小さな電気掃除機24にすることも可能である。
以上のように、本実施の形態においては、エアガイド9aを中央部に配置したアルミニウム製の円環状部材11aをその周囲のポニフェニレンサルファイド(PPS)を用いた樹脂部材12aに密着させた状態でインサート成形することで構成し、エアガイド9aを、円環状部材11aがモータフレーム6前面に突出した軸受保持部13に圧入された状態でモータフレーム6に固定することで、軸受5の熱を円環状部材11aを通じてエアガイド9aの独立風路15の内壁面に効率よく伝導させ、インペラ8からの気流で連続的に放熱することができるため、インペラ8の高速回転時にも軸受5の温度上昇を抑えつつ、小型で高効率の電動送風機1aを実現することができる。
また、本実施の形態では、アルミニウム製の円環状部材11aを軸受保持部13に圧入する事例で説明したが、必ずしも圧入嵌合する必要はなく、熱伝導性グリスを円環状部材11a内面もしくは軸受保持部13に塗布して嵌合させることで接触熱抵抗を低減するのでもよく、同様の効果を得ることができる。ただし、一般に金属のほうが熱伝導性グリスよりも熱伝導率が高いため、軸受保持部13と円環状部材11aとの隙間はできる限り小さくする方が望ましい。
(実施の形態2)
図6〜図7は、本発明の実施の形態2における電動送風機の構成を示すものである。図6は同電動送風機の一部断面図であり、図7は同電動送風機の円環状部材の斜視図である。なお、実施の形態と同一要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
図6〜図7は、本発明の実施の形態2における電動送風機の構成を示すものである。図6は同電動送風機の一部断面図であり、図7は同電動送風機の円環状部材の斜視図である。なお、実施の形態と同一要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
図6において、電動送風機1bは、中央部に配置したアルミニウム製の円環状部材11bをその周囲の導電性フィラーを添加したポニフェニレンサルファイド(PPS)を用いた樹脂部材12bに密着させた状態でインサート成形することで構成されたエアガイド9bを有している。また、図7に示すように、エアガイド9bは、円環状部材11bが円環33bとこの円環33bの外周から延設した鍔部34bとで一体構成され、前記鍔部34
bの底面とモータフレーム6前面とが当接した状態でモータフレーム6に固定されている。なお、円環状部材11bは、軸受保持部13に圧入されている。
bの底面とモータフレーム6前面とが当接した状態でモータフレーム6に固定されている。なお、円環状部材11bは、軸受保持部13に圧入されている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
図6において、巻線を励磁することで回転磁界が発生し、回転磁界と同期してロータ3が回転し、回転軸2に固定されたインペラ8が回転する。インペラ8の回転で生じる遠心力により、インペラ8内部の空気がインペラ8内部の外周かつ後方へと押しやられ、インペラ8内部が負圧になり、前方からインペラ8内部へ流れ込む気流が発生する。気流はインペラ8の入口から軸方向に流入し、複数の内部流路に沿って流れた後、インペラ8外周へ流出する。インペラ8から流出した気流は、エアガイド9bに複数の案内翼14bで形成された各々の独立風路15に流入し、エアガイド9b外周へかけて流れる。その際、各々の独立風路15を流れる気流の流速は減速されながら、動圧が静圧へと変換される。
図6において、巻線を励磁することで回転磁界が発生し、回転磁界と同期してロータ3が回転し、回転軸2に固定されたインペラ8が回転する。インペラ8の回転で生じる遠心力により、インペラ8内部の空気がインペラ8内部の外周かつ後方へと押しやられ、インペラ8内部が負圧になり、前方からインペラ8内部へ流れ込む気流が発生する。気流はインペラ8の入口から軸方向に流入し、複数の内部流路に沿って流れた後、インペラ8外周へ流出する。インペラ8から流出した気流は、エアガイド9bに複数の案内翼14bで形成された各々の独立風路15に流入し、エアガイド9b外周へかけて流れる。その際、各々の独立風路15を流れる気流の流速は減速されながら、動圧が静圧へと変換される。
アルミニウム製の円環状部材11bは、円環33bとこの円環33bの外周から延設した鍔部34bとで一体構成され、それぞれが軸受保持部13およびモータフレーム6前面と密着しているので、軸受5の熱だけでなく、ブラシレスモータ7内部で銅損、鉄損に起因して発生しモータフレーム6に伝導した熱についても、円環状部材11bへ伝導し、その後、エアガイド9bの樹脂部材12bを伝導して独立風路15の内壁面へと伝わっていく。
円環状部材11bは鍔部34bを有しているため、円環33bだけの場合に比べて、円環状部材11bとエアガイド9bの独立風路15との距離が短くなり、熱抵抗が小さくなるため、熱流量が増えて放熱効果を向上することができる。
また、エアガイド9bの樹脂部材12bには導電性フィラーを添加しているので、樹脂部材12bの内部に熱の通り道となる熱伝導路が形成されて、樹脂部材12bの熱伝導性を大幅に高めることができるようになり、軸受保持部13およびモータフレーム6前面から円環状部材11bへ伝導してきた熱がエアガイド9bの冷却部へ伝わりやすくなり、インペラ8からの気流で効率よく放熱させることができる。さらに軸受保持部13だけでなく、モータフレーム6前面からの放熱を効率的に行えるので、軸受5だけでなく軸受5周辺についても冷却されて軸受5の温度上昇をさらに抑えることができる。
熱伝導性樹脂としては、ポリフェニレンサンファイド樹脂(PPS)の他に、ナイロンおよび液晶ポリマー(LCP)が知られている。導電性のフィラーとしては金属粉末、グラファイト、カーボンブラックなどが用いられ、絶縁性のフィラーとしては窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナなど焼結セラミックが用いられており、絶縁性の有無に応じて選択するフィラーを使い分ける必要がある。導電性フィラーを配合した樹脂を用いる方が、絶縁性フィラーを配合した樹脂に比べて熱伝導性を大きくすることができるため、エアガイド9bの樹脂部材12bには導電性フィラーを配合した樹脂を用いるのが望ましい。充填剤の配合比率を大きくすると、溶融時の粘度が大きくなって成形性が低下するため、注意が必要である。
以上のように、本実施の形態においては、エアガイド9bを中央部に配置した円環33bとこの円環33bの外周から延設した鍔部34bとで一体構成された円環状部材11bを、その周囲の導電性フィラーを添加したポニフェニレンサルファイド(PPS)を用いた樹脂部材12bに密着させた状態でインサート成形することで構成し、エアガイド9bを、鍔部34bの底面とモータフレーム6前面とが当接して状態でモータフレーム6に固定することで、軸受保持部13からだけでなく、モータフレーム6前面からの熱伝導を効率的に行えるとともに、エアガイド9bの樹脂部材12bの熱伝導性が大幅に高くなり、軸受5だけでなく軸受5周辺の温度についても冷却されて軸受5の温度上昇をさらに抑え
ることができる。これにより、インペラ8の高速回転時にも軸受5の信頼性が高く、小型で高効率の電動送風機1bを実現することができる。
ることができる。これにより、インペラ8の高速回転時にも軸受5の信頼性が高く、小型で高効率の電動送風機1bを実現することができる。
なお、本実施の形態では、エアガイド9bが、円環状部材11bとその周囲に密着させた樹脂部材12bとが一体となり構成された事例で説明したが、全て金属あるいは熱伝導性のある無機材料を用いて作製したエアガイド9bでもよく、樹脂に比べて大幅に熱伝導性を向上することができる。但し、質量が樹脂に比べて重くなってしまい、また複雑な案内翼14b形状だと製造が困難であるため、コストがかさんでしまうというデメリットがある。
(実施の形態3)
図8〜図11は、本発明の実施の形態3における電動送風機の構成を示すものである。図8は同電動送風機の一部断面図であり、図9は同電動送風機のブラシレスモータの斜視図であり、図10は同電動送風機の円環状部材の上面から見た斜視図であり、図11は同電動送風機の円環状部材の底面から見た斜視図である。なお、実施の形態と同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
図8〜図11は、本発明の実施の形態3における電動送風機の構成を示すものである。図8は同電動送風機の一部断面図であり、図9は同電動送風機のブラシレスモータの斜視図であり、図10は同電動送風機の円環状部材の上面から見た斜視図であり、図11は同電動送風機の円環状部材の底面から見た斜視図である。なお、実施の形態と同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
図8〜図11において、電動送風機1cは、中央部に配置したアルミニウム製の円環状部材11cをその周囲の導電性フィラーを添加したポニフェニレンサルファイド(PPS)を用いた樹脂部材12cに密着させた状態でインサート成形することで構成されたエアガイド9cと、軸受保持部13の外周面に設けられた複数の軸方向の直線状溝35と前面に複数の円環状溝36と有するモータフレーム6とを有している。
図10、図11に示すように、円環状部材11cは、円環33cとこの円環33cの外周から延設した鍔部34cとで一体構成され、円環33cの内周面に直線状の凸部37を有し、鍔部34cの底面には円環状の凸部38を有している。軸受保持部13では、軸方向の直線状溝35と円環33cの内周面に設けた直線状の凸部37とが互いに嵌め合っており、またモータフレーム6前面では、鍔部34cに設けた円環状の凸部38と円環状溝36とが互いに嵌めあっている。それぞれの嵌合部には、熱伝導性グリスを塗布して接触熱抵抗を小さくするようにしている。
以上のように構成された電動送風機1cについて、以下その動作、作用を説明する。
図8において、巻線を励磁することで回転磁界が発生し、回転磁界と同期してロータ3が回転し、回転軸2に固定されたインペラ8が回転する。インペラ8の回転で生じる遠心力により、インペラ8内部の空気がインペラ8内部の外周かつ後方へと押しやられ、インペラ8内部が負圧になり、前方からインペラ8内部へ流れ込む気流が発生する。気流はインペラ8の入口から軸方向に流入し、複数の内部流路に沿って流れた後、インペラ8外周へ流出する。インペラ8から流出した気流は、エアガイド9cに複数の案内翼14cで形成された各々の独立風路15に流入し、エアガイド9c外周へかけて流れる。その際、各々の独立風路15を流れる気流の流速は減速されながら、動圧が静圧へと変換される。
アルミニウム製の円環状部材11cは、軸受保持部13およびモータフレーム6前面において、それぞれ直線状の凸部37と直線状溝35および円環状の凸部38と円環状溝36とで互いに嵌め合い密着しているので、円環状部材11cと軸受保持部13およびモータフレーム6前面との接触面積を大きくして接触熱抵抗を小さくすることができ、軸受保持部13およびモータフレーム6前面から円環状部材11cへの熱流量を大幅に増やすことができる。
これにより、エアガイド9cの独立風路15へ熱エネルギが伝わりやすくなり、軸受保
持部13だけでなく、モータフレーム6前面からの放熱を効率的に行えるので、軸受5だけでなく軸受5周辺についても冷却されて軸受5の温度上昇を大幅に抑えることができる。
持部13だけでなく、モータフレーム6前面からの放熱を効率的に行えるので、軸受5だけでなく軸受5周辺についても冷却されて軸受5の温度上昇を大幅に抑えることができる。
以上のように、本実施の形態においては、軸受保持部13に設けた軸方向の直線状溝35と円環状部材11cに設けた直線状の凸部37とが互いに嵌め合うとともに、鍔部34cの底面に設けた円環状の凸部38とモータフレーム6前面に設けた円環状溝36とが互いに嵌めあう構成をしているので、円環状部材11cと軸受保持部13およびモータフレーム6前面との接触熱抵抗を小さくして軸受保持部13およびモータフレーム6前面から円環状部材11cへの熱流量を大幅に増やすことができる。
なお、本実施の形態においては、図12に示すように、エアガイド9cおよびモータフレーム6の外周面と隙間を設けて配置されたモータケース39を備えた電動送風機1cとすることで、エアガイド9c外周から流出した気流がモータフレーム6とモータケースとの間の通風路を流れるようになり、モータフレーム6の外周面から熱を気流に伝達させて、モータフレーム6側面の冷却もすることができる。
なお、上述した各実施の形態1〜3の構成は、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜組み合わせて構成することができる。
以上のように、本発明にかかる電動送風機は、軸受で発生した熱をエアガイドに有した熱伝導性の高い円環状部材を介してエアガイドの冷却部へ効率よく伝熱させて、インペラからの気流で放熱することで、ブラシレスモータを効率よく冷却しながら小型で高い送風性能を有するので、家庭用は勿論のこと、業務用の電気掃除機に適用することができる。
1a,1b,1c 電動送風機
2 回転軸
3 ロータ
4 ステータ
5 軸受
6 モータフレーム
7 ブラシレスモータ
8 インペラ
9a,9b,9c エアガイド
10 ファンケース
11a,11b,11c 円環状部材
12a,12b,12c 樹脂部材
13 軸受保持部
14a,14b,14c 案内翼
24 電気掃除機
2 回転軸
3 ロータ
4 ステータ
5 軸受
6 モータフレーム
7 ブラシレスモータ
8 インペラ
9a,9b,9c エアガイド
10 ファンケース
11a,11b,11c 円環状部材
12a,12b,12c 樹脂部材
13 軸受保持部
14a,14b,14c 案内翼
24 電気掃除機
Claims (7)
- 回転軸を有するロータと前記ロータ外周に対向配置されたステータと前記回転軸の軸受を保持し前記ステータを覆うモータフレームとで構成されるブラシレスモータと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラの外周に通風路を形成するエアガイドと、前記インペラを覆い前記エアガイド前面に固定されたファンケースとを備え、前記エアガイドは中央部に配置した金属あるいは熱伝導性のある無機材料を用いた円環状部材と前記円環状部材の周囲に密着させた樹脂部材とが一体となり構成され、前記エアガイドは、前記円環状部材が前記モータフレーム前面に突出した軸受保持部に嵌合された状態で前記モータフレームに固定される構成とした電動送風機。
- エアガイドは、樹脂部材の底面と円環状部材の端面とが略同一面となるよう構成した請求項1に記載の電動送風機。
- 円環状部材は、内周面に複数の溝を有し、軸受保持部の外周面に設けた複数の溝と互いに嵌め合う構成とした請求項1または2に記載の電動送風機。
- 円環状部材は、円環とこの円環の外周から延設した鍔部とで一体構成され、前記鍔部の底面とモータフレーム前面とが当接している請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機。
- 円環状部材の鍔部は、底面に複数の凸部を有し、モータフレームに設けた凹部に互いに嵌め合う構成とした請求項4に記載の電動送風機。
- エアガイドの樹脂部材は、熱伝導性フィラーを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動送風機を搭載した電気掃除機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011153574A JP2013019327A (ja) | 2011-07-12 | 2011-07-12 | 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014219007A (ja) * | 2013-05-03 | 2014-11-20 | ダイソン テクノロジー リミテッド | 圧縮機 |
JP2018521614A (ja) * | 2015-07-16 | 2018-08-02 | キングクリーン エレクトリック カンパニー リミテッド | 高速ホールレス3相掃除機モータ |
JPWO2017146031A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2019-01-10 | 株式会社荏原製作所 | ファン装置 |
US11124773B2 (en) | 2010-10-06 | 2021-09-21 | Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha | Cancer stem cell population and method for production thereof |
-
2011
- 2011-07-12 JP JP2011153574A patent/JP2013019327A/ja not_active Withdrawn
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