JP2013032712A - 電動送風機および電気掃除機 - Google Patents

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幸弘 藤原
Hiroyuki Kayama
博之 香山
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Abstract

【課題】インデューサ内部に挿入された筒状スペーサでは、モータ軸芯を出さず、回転時にインペラの面ブレを起こす可能性がある。
【解決手段】前記インペラ12には、前記インデューサ12dの基部を構成するハブ12f内部に、前記回転軸を固定する筒状スペーサ12eを有し、前記筒状スペーサ12eは、インペラ12の筒状スペーサ12eを後面シュラウド12aに貫通配置することにより、インペラ12の軸芯ブレを抑えることができ、電動送風機1aの振動、騒音を低減し、信頼性向上が可能。軸芯ブレ低減により、インペラ12外周とエアガイドのクリアランス縮小が可能になり、インペラ12とエアガイドの環流洩れを低減した高効率な電動送風機を提供することが出来る。
【選択図】図2

Description

本発明は、簡易な構造と工法を用いることにより、インペラの軸芯ブレを抑え、振動騒音を低減し、高効率な電動送風機に関するものである。
従来、この種の電動送風機は、家庭用の電気掃除機に多く利用されている。電気掃除機には、強い吸引力が望まれており、より強い吸引力を得るためには、電気掃除機の電動送風機の送風性能を向上する必要がある。送風性能向上には、ファン出力増加ともに、ファン効率向上も望まれている。ファン効率向上には、ファン開発における設計項目(直径アップ等)以外にファン小径による円盤摩擦損失を低減するため、ファン高速回転化による効率向上も設計項目に含まれており、ファン効率向上のため、開発項目として必須である。
ファンには、大きく5つの部品により構成されている。高速で回転することにより、風量と圧力(動圧と静圧)を発生させるインペラ部品、インペラにより発生した動圧を静圧に変換し、ファンの効率に寄与できるようにするエアガイド部品。(いわゆるディフューザガイドである。)また、インペラとエアガイドを覆い、外部からの空気を洩れさせないし、浸入させないために、構成される外郭部品のファンケース。電気により回転する回転軸を有する回転子と固定子により構成されるモータ部、回転軸の両端部を支持する軸受部とその軸受を保持し、軸受と固定子を覆うフレームの大きく5点により構成されている。
インペラは、複数の部品により組立構成されている。中央に吸込み口を有する前面シュラウドと後面シュラウドと、一対のシュラウド間に狭時されるブレードと、ブレードの吸込口側を接合され、前面シュラウド及び後面シュラウドによって前後から押さえつけられるインデューサを有し、インデューサの基部を構成するハブ内部に、回転軸を固定する筒状スペーサを有し構成されている。
インペラ部は、回転数増加に伴い、インペラへかかる負担も増加するため、インペラ構造(強度、材料、構造体)や組付け時の組み付け不良等により、インペラ部が他部品(エアガイドやファンケース)との接触により破損やインペラ強度不足により回転数増大による遠心力増大、ファン出力増加によるインペラへかかる圧力増大によりインペラが変形し、ファンの性能低下、寿命低下(信頼性低下)が懸念される。
前述のように、インペラ部は、風量と圧力を発生させるファン性能にとって重要部品であるとともに、ファンの信頼性を確保する上でも重要部品である。従来ではインペラ部の性能向上および信頼性向上を図るため、様々な技術が開発されている。
例えばインペラ部の性能向上、信頼性向上には、以下の構成としたものもある。
従来の技術では、インデューサ内部に挿入される筒状スペーサの内径を後面シュラウドに設けたモータ軸挿入用の孔径より大きくすることにより、インペラとモータ軸との同軸度や垂直度を後面シュラウドで保つものである。その際、筒状スペーサの内径は、モータ軸とは接触しておらず、すきま嵌めの孔としている。後面シュラウドの孔精度で、インペラの軸芯ブレを抑えることが出来、振動、騒音を低減し、高効率な電動送風機を提供するものである(例えば、特許文献1参照)。
図6〜図8において、図6上記特許文献1に記載された従来の電動送風機の断面図、図7は、同電動送風機のインペラ拡大断面図、図8は、同電動送風機を用いた従来の電気掃
除機の概略構成図である。図6において、従来のこの種の電動送風機51は、モ−タ部53と、ファン部52から構成され、モ−タ部53の回転子38は、整流子、回転子巻線を有する回転子38で、前記回転子巻線は、電機子コア外周に巻かれている。前記回転子38は、モ−タ部53の回転軸37の両端に、軸受40が圧入され、この軸受40を、ファン側フレーム54と反ファン側フレーム55にて支持している。巻線を有した固定子39と、固定子39を内包し回転軸37を支持する軸受40を保持した反ファン側フレーム55とにより構成されている。
この電動送風機は、ファン部52のエアガイド44は、ファン側フレーム54と、負荷であり空気吸引、吹き出し用のインペラ43間に形成した整流用のエアガイド44であり、インペラ43の上方はファンケース46で覆われている。アルミなどのプレス部品によって組立てられたインペラ43は、複数枚のブレード42を、平面の円板形状からなる底面プレート42bと傘形の円板形状からなるシュラウド42aによって挟持しており、焼結や真鍮からなるスペーサー57、板金などからなる座金56、及びナット58により回転軸37に固定され、回転軸37とともに回転する。
エアガイド44は、ネジ(図示せず)等にてファン側フレーム54に固定しており、ファン側フレーム54と反ファン側フレーム55もネジ(図示せず)等にて固定してある。
次に、図7を用いて、前記電動送風機のインペラ部の構成について説明する。図7において、インペラ本体1がモータ軸に取り付けられた状態を示し、軸受より上の部分のみを表している。7の筒状スペーサの高さはハブ6の高さと等しいか若干高めに設定しており、前記筒状スペーサ7の内径は、後面シュラウドの中心孔41のそれより若干大きめに設定されている。また、前記筒状スペーサ7はハブ6との径方向に隙間39を設けている。
なお、本実施の形態を構成するインペラは、インデューサ5及び前記ハブ6を樹脂で、前面シュラウド3と後面シュラウド2及びブレードを板金で形成している。
上記構成による作用は以下の通りである。モータ軸に挿入されたスペーサ(小)17の上にスペーサ(大)18、インペラ本体1を順に挿入し、その後、筒状スペーサ7を入れ、ナット13により締結する。インペラ本体1挿入時、後面シュラウド2に設けられた中心孔41によりモータ軸に対する位置は定まる。
その後、筒状スペーサ7を挿入し、ナット13で締結するが、前記筒状スペーサ7はインデューサ5のハブ6とモータ軸の両方に対して隙間39と隙間40を有しており、仮に樹脂製のインデューサ5が変形を有したままインペラ本体1に取り付けられたとしても、筒状スペーサ7はモータ軸に対して平行度を保つことができ、最終的にナット13で締結した際にも、インペラ本体1はモータ軸に対して垂直に装着することができる。
また、前記隙間39と隙間40によりモータの電機子(図示せず)からの発熱がモータ軸に伝わっても、直接樹脂製のハブ6に伝わることが無いので、樹脂製のインデューサ5のクリープ(変形)を抑制することができる。さらに、インペラ本体1は下部のスペーサ(小)17、スペーサ(大)18と筒状スペーサ7、ナット13で挟持される構成となるため、ナット13の緩みが生じにくく、インペラ本体1の位相ズレを防止することもできる。
以上のように従来のインペラを用いた電動送風機は、筒状スペーサ7とモータ軸との間に意図的に隙間40を設け、ナット13と後面シュラウド2の挟持力でインペラ本体1を固定する構成にしたことにより、インペラ本体1のモータ軸に対する垂直度が保たれ、好バランスで振動の少ない取付構成が実現できるものである。
従来の電動送風機51が組み込まれた電気掃除機は、図8のような構造となっている。図8において、電気掃除機本体61(以下、「本体61」と称す)は、中央部に設けられた格子隔壁62より集塵室63と、モ−タ室64に分けられており、集塵室63には紙袋65が、モ−タ室64には上記電動送風機51が備えつけられている。本体61には、接続パイプ66、ホ−ス67、先端パイプ68、延長管69、ノズル70が順次接続されている。
上記従来の電気掃除機の作用としては、電動送風機51の吸引力によりノズル70から集められたゴミは、延長管69、先端パイプ68、ホ−ス67、接続パイプ66を通り、集塵室63の紙袋65に集める構成になっている。
特開2000−136795号公報
しかしながら、前記従来の特許文献1の構成では、インデューサ内部に挿入された筒状スペーサでは、モータ軸芯を出さず、後面シュラウド孔でモータ軸芯出しをする構成なので、後面シュラウドの板厚がインペラ全体高さと比較して厚みが薄いため、モータ軸との接点は、後面シュラウドの孔のみである。
通常電動掃除機に使用される電動送風機は、30000から45000r/minという高速回転で運転されるものであり、回転にともない、インペラの外周部では、モータ軸方向に、モータ軸部を中心として前後に振動を起こす面振れという現象を起こす可能性がある。これが騒音となり、ファン騒音を高くする要因のひとつとなる。
また、通常の電動送風機は、高効率化のため、インペラ部とファンケース、エアガイドは微小なクリアランスで設計されている。インペラ外周部の前後振動が大きくなりすぎる場合は、インペラ外周部のファンケースやエアガイドへの接触による破損の可能性も考えられる。また、ファンが更なる出力増加を求めるために、更なる高速回転化、例えば45,000〜120,000r/minという高速回転化を行った際には、更なるインペラの面振れが増大し、ファン部の信頼性低下という課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、インペラの軸芯合わせ精度を向上することにより、電動送風機の振動、騒音を低減し、信頼性向上を可能としたものである。
また、軸芯の精度を向上することにより、インペラ外周とエアガイドのクリアランス縮小が可能になり、インペラとエアガイドの環流洩れを低減した高効率な電動送風機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動送風機は、回転軸を有する回転子と固定子とを対向配置したモータと、前記回転軸の一端を支持する軸受を保持し、前記軸受と前記固定子を覆うフレームと、前記回転軸には、中央に吸込み口を有する前面シュラウドと後面シュラウドと、前記一対のシュラウド間に狭時されるブレードと、前記ブレードの吸込口側を接合され、前記前面シュラウド及び後面シュラウドによって前後から押さえつけられるインデューサを有したインペラを備え、前記インペラには、前記インデューサの基部を構成するハブ内部に、前記回転軸を固定する筒状スペーサを有し、前記筒状スペー
サは、前記後面シュラウドに貫通配置されたものである。
これによって、インペラとモータの回転軸は、従来の後面シュラウドの板厚による接点だけではなく、筒状スペーサの内径円筒部を接することができ、回転軸とインペラの接触面積を増大することができる。そのため、インペラが、30000から45000r/minという高速回転で運転され、高速な回転にともない、インペラの外周部では、モータ軸方向に、モータ軸部を中心として前後に振動を起こす面振れという現象を起こしファン騒音を高くする要因は、インペラが筒状スペーサの円筒部に接するため、インペラと回転軸との同軸度の精度は向上する。
また、筒状スペーサの端面部と回転軸とを従来は、後面シュラウドは、低コスト化、生産サイクル向上のため、板厚薄のため、切削加工や研磨が難部品である後面シュラウドは、板金プレス品による打ち抜き加工で生産されていることが多く、材料形状そのままのため、サイズが筒状スペーサと比較し、大きいため、比較的平面度および平行度の面形状に狂いが生じているものがある。このような後面シュラウドで回転軸と接することにより、回転軸とインペラは、後面シュラウドの孔精度と向上しようとも、垂直度が低下することもある。
後面シュラウドと比較して、小さいサイズである筒状スペーサの端面部は、平面度、平行度ともに良好であり、内径円筒部は端面部と垂直度も良好である。そのため、筒状スペーサの内径円筒部と回転軸を接することにより、インペラの同軸度精度が向上するとともに、インペラと回転軸との垂直度精度も向上することが可能となる。同軸度および垂直度が向上したインペラは、通常の電動送風機は、高効率化のため、インペラ部とファンケース、エアガイドは微小なクリアランスで設計されているが、インペラ外周部の前後振動も抑えることが可能となり、インペラ外周部のファンケースやエアガイドへの接触による破損の可能性低減することも可能である。
また、ファンが更なる出力増加を求めるために、更なる高速回転化、例えば45,000〜120,000r/minという高速回転化を行った際でも、インペラの同軸度および円筒度を向上したため、インペラの面振れを低減し、ファン部の信頼性が低下するとう課題を低減することが可能となる。
また、インペラと回転軸の同軸度および直角度の精度を向上することにより、インペラ外周とエアガイドのクリアランス縮小が可能になり、インペラとエアガイドの環流洩れを低減することが可能である。また、従来より精度を向上したということは、従来、インペラとエアガイド間には、還流損失とよばれる洩れが発生し、ファン性能低下の原因であったが、インペラ取り付け精度上クリアランスを詰めることは、インペラ接触や衝突による破損のため、難しかったが、インペラと回転軸の同軸度および直角度の精度向上によるインペラ面振れ低減が可能、インペラとエアガイド間のクリアランスも縮小した高効率な電動送風機を提供することが可能となる。
本発明の電動送風機は、インペラの軸芯ブレを抑えることにより、電動送風機の振動、騒音を低減し、信頼性の向上が図れる。また、軸芯ブレ低減により、インペラ外周とエアガイドのクリアランス縮小が可能になり、インペラとエアガイドの環流洩れを低減した高効率な電動送風機を提供することが出来る。
本発明の実施の形態1における電動送風機の断面図 同、電動送風機におけるインペラの側方断面図 同、電動送風機におけるインペラの背面斜視図 同、電動送風機のインペラにおける筒状スペーサ端面部にフランジを設けた断面図 同、電動送風機を用いた電気掃除機の本体構成の概略図 従来の電動送風機の一部断面図 同、電動送風機のインペラ部の側方断面図 同、電動送風機を用いた電気掃除機の概略構成図
第1の発明は回転軸を有する回転子と固定子とを対向配置したモータと、前記回転軸の一端を支持する軸受を保持し、前記軸受と前記固定子を覆うフレームと、前記回転軸には、中央に吸込み口を有する前面シュラウドと後面シュラウドと、前記一対のシュラウド間に狭時されるブレードと、前記ブレードの吸込口側を接合され、前記前面シュラウド及び後面シュラウドによって前後から押さえつけられるインデューサを有したインペラを備え、前記インペラには、前記インデューサの基部を構成するハブ内部に、前記回転軸を固定する筒状スペーサを有し、前記筒状スペーサは、前記後面シュラウドに貫通配置とすることにより、インペラと回転軸の取り付け精度である同軸度および直角度を簡易な構造と構成により向上することとなり、インペラの高速回転による面振れを低減することが可能となり、電動送風機の振動、騒音を低減し、製品信頼性を向上させることができる。
また、インペラ外周とエアガイド間のクリアランス縮小が可能になり、インペラとエアガイドの環流洩れを低減し、ファン効率を向上することができる。さらにインペラ面振れを抑えることにより、インペラの更なる回転数を通常でも30000から45000r/minという回転から、45,000〜120,000r/minという高速回転化でもインペラの他部品への接触や衝突の破損を低減し、高速運転によるファン出力向上をすることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の筒状スペーサは、後面シュラウド側の端面部にフランジ部を備え、貫通配置とすることにより、前記筒状スペーサと回転軸との接触面積が増大することとなり、インペラの取り付け強度および安定性が増すことができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の筒状スペーサは、前記インデューサと接着固定とすることにより、筒状スペーサの回転止め(共回り)を行うことができ、筒状スペーサとインデューサとの共回りによる摺動損失増大を防ぐことができ、さらに、筒状スペーサとインデューサとの接着固定配置により、筒状スペーサの接地面部からとの浮きによるファン内部での空気洩れをより防止することができ、ファン効率低下をより防止することができる。
また、ファン運転時の回転による遠心力や、ファン運転時の負圧によるファン側への空気流れによる圧力差によるファン内部での空気流れによる筒状スペーサとインデューサとの外れをより防止することが可能となり、シール機能を損なうことがなくなり、電動送風機の信頼性低下を防止し、より信頼性を向上することができる。
さらに、ファン内部での空気洩れを防止することによりファン効率の向上をすることができ、筒状スペーサとインデューサの接着固定による簡易な構成でより信頼性を向上し、効率低下を防止した電動送風機の提供ができる。このとき、接着剤に用いられるのは、弾性接着剤による接着、あるいは、樹脂系接着剤や、硬化樹脂による接着固定と様々な接着剤を用いて筒状スペーサとインデューサを固定することにより、筒状スペーサの回転止めを行うことができ、筒状スペーサとインデューサの共回りによる摺動損失増大を防ぐことができる。
第4の発明は、特に、第1〜2のいずれか1つの発明の筒状スペーサを、前記インデューサに圧入固定することにより、筒状スペーサの外径寸法をインデューサ内径より、大きな径とし、いわゆる締まり嵌めにすることや、焼嵌め工法により、インデューサを熱したあとに筒状スペーサとインデューサを温度差を利用して圧入し、樹脂材料等で製造されるインデューサと金属材料で製造される筒状スペーサの熱膨張係数差利用して、同温であれば金属材料が熱膨張係数が高いため、常にインデューサに対して圧入状態を維持し固定することができることとなり、筒状スペーサとインデューサの回転止め(共回り止め)を行うことができ、筒状スペーサとインデューサとの共回りによる摺動損失増大を防ぐことができ、更に筒状スペーサとインデューサの接地面部からの浮きによりファン内部での空気洩れをより防止することができ、ファン効率低下をより防止することができる。
第5の発明は、特に、第1〜2のいずれか1つの発明の筒状スペーサを、前記インデューサに一体成形することにより、主に樹脂素材で構成されるインデューサは、成形工程にて製造され、その成形工程時に主に金属素材で構成される筒状スペーサも工程内部に設置することにより、インデューサ成形時には、筒状スペーサも内部に設置することができる。つまり、この一体成形とすることにより、筒状スペーサとインデューサの回転止め(共回り止め)を行うことができ、筒状スペーサとインデューサとの共回りにより摺動損失増大を防ぐことができ、更に筒状スペーサとインデューサの接地面部からの浮きによりファン内部での空気洩れをより防止することができ、さらに、ファン効率低下をより防止することができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の電動送風機を搭載した電気掃除機とすることにより、強い吸引力を有し、ゴミ取れ性がよく、電動送風機の軸受信頼性が向上した電気掃除機とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態における電動送風機の構成を示すものである。図1は同電動送風機の一部断面図であり、図2は、同電動送風機のインペラ部の側方断面図である。また、図3は、同電動送風機のインペラ部の背面斜視図であり、図4は、本発明のインペラ部の筒状スペーサ端面部にフランジを設けた断面図である。図5は、同電動送風機を用いた電気掃除機の本体構成を表す概略図である。
図1〜図5に示すように、電動送風機1aは、回転軸2有する回転子3と、回転子3の外周に隙間を設けて配置され巻線4が巻かれたコア5aで構成される固定子6と、コア5a外周部に溝7aを設け嵌め合い固定した複数の第2の案内翼8aと、回転軸2の軸受9を保持し固定子6を覆う吸い込み側に位置する前側のフレーム前10aと吐き出し方向に位置するフレーム後10bとで構成されるモータと、回転軸2に固定され、アルミなどのプレス部品や樹脂製部品のインデューサ12dによって組立てられたインペラ12は、板金などからなるカラー(座金)30、及びナットにより回転軸2に固定され、中央部に吸気口を有した傘形の円板形状からなる前面シュラウド12bと平らな円板形状をした後面シュラウド12aで、中心部から空気を吸い込み外周部に空気を吹き出すブレード12cと樹脂製インデューサ12dを挟み込み支持して構成されたインペラ12と、インペラ12を覆うファンケース13と、フレーム前10aと当接して配置され複数の第1の独立風路16を形成するモータケース15を備えている。
図2において、前述したインペラ12部の電動送風機取り付け状態時の拡大断面図であ
る。
インペラ12は、アルミ板金プレスなどで製造される中央部に吸気口を有した傘型の円板形状からなる前面シュラウド12bと平らな円板形状をした後面シュラウド12aとで中心部から空気を吸込み外周部に空気を吹き出す樹脂等で成形されるインデューサ12dとアルミ板金、鉄系金属板金のプレスとで製造される複数枚のブレード12cを挟み込み支持される。
挟み込まれたブレード12cはブレード12cに設けられた爪部と前面シュラウド12b、後面シュラウド12aに設けられた孔形状とで締結される。いわゆるカシメである。前面シュラウド12b、後面シュラウド12aとブレード12cはカシメにより締結される。また、インデューサ12dはブレード12cの延長上に位置し、中心部から外周部に空気を吹き出すため、三次元的曲面とハブ12fから構成されおり、インペラ12を電動送風機1aの回転軸2に固定するナット33の締め付け圧力の影響でインデューサ12dがクリープを起こさないよう樹脂に比べ、剛性が高い金属製の筒状スペーサ12eが挿入されている。
筒状スペーサ12eとインデューサdは、弾性接着剤による接着、あるいは、樹脂系接着剤や、硬化樹脂による接着固定と様々な接着剤を用いての接着固定をしている。また、本実施の形態では、接着固定を用いて説明をおこなっているが、本発明は、接着固定や接着剤に限ったものではなく、樹脂材料等で製造されるインデューサと金属材料で製造される筒状スペーサ12eの熱膨張係数の差を利用して、同温であれば金属材料が熱膨張係数が高いため、常にインデューサに対して圧入状態を維持し固定することができる圧入固定や焼嵌め、成形工程時に主に金属素材で構成される筒状スペーサも工程内部に設置することにより、インデューサ成形時には、筒状スペーサも内部に設置することができる一体成形で加工形成されていてもよく、インデューサ12dと筒状スペーサ12eとが固定されて、共回りを防止できればよく、他の方法を用いて固定したとしても、本発明の効果は変わるものではない。
筒状スペーサ12eの端面部はハブ12fの端面部から後面シュラウド12a側に突出して貫通配置されおり、後面シュラウド12aに貫通配置されている。インデューサ12dは、ブレード12cとインデューサ12dの三次元曲面との接点部を利用し、回り止めとなる爪状の接続部を構成し、位置決めされ、前面シュラウド12bと後面シュラウド12aとにより、挟み込まれ支持されている。インペラ12は、回転軸2に筒状スペーサ12eが挿入されナット33で締結される。
その中でインペラ12の底面部に位置する後面シュラウド12aには、板状のスペーサ32を配し、板状スペーサ32の後部となるフレーム前10a側には、筒状のカラー30を配しており、回転軸2には、フレーム10a側の軸受9から順に、筒状のカラー30、板状のスペーサ32、インペラ12となり、ナット33で回転軸2に締結される。
回転軸2の軸受9については、フレーム前10aに固定配置されている外輪9bと回転軸2に固定配置され回転子3とインペラ12と共に回転する内輪9c、回転軸3からの回転荷重を受けた内輪9cとつなげるボール部9a、ボール部9aを均等な位置間隔に配置し、外輪9bと内輪9cとにボール9aを保持する保持器(図示しない)により構成されたいわゆるころがり軸受である。
この軸受9には、潤滑グリス(図示しない)が内蔵されており、潤滑グリス洩れを防止するのと軸受外部からの塵埃や異物の侵入を防止するシールプレート9dを上下に配置している。この上下のシールプレート9dは、外輪9bに固定されており、内輪部9cには接触をしていない構成のいわゆる非接触シール構成とした軸受9を配置構成している。ス
ペーサ32の底面部には、焼結や真鍮などからなるカラー30が構成されスペーサ32およぶカラー30を介して、ナット33により、回転軸2にインペラ12は固定されている。
スペーサ32、カラー30、筒状スペーサ12eは、アルミや鉄、焼結合金、真鍮等の金属により構成されている。また、他の樹脂材料となるポリフェニレンサンファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBS)やポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂材料および熱硬化性樹脂でも剛性を持った樹脂材料であればよい。また、金属材料でも同様に、耐摩耗性および摺動性が良い樹脂材料や金属材料で構成であればよい。すなわち、ナット33との締結時に締め付け圧力の剛性に耐えうる材料であれば本発明にかかる効果は変わるものではなく、本発明はこれに限定されるものではない。
スペーサ32、カラー30、筒状スペーサ12eは、従来同様に、インペラ12と電動送風機の組み付け精度を決める重要部品であるため、板金プレスや切削加工、研磨加工、成形、鋳造、鋳物、転造と様々な加工工法で製造され、従来と同等の精密な加工精度を持っているものであればよく、本発明にかかる効果は変わるものではない。
なお、回転軸2と筒状スペーサの穴公差は組立上および加工上可能な限りはタイトにする。従来では、回転軸37と後面シュラウド42bが穴公差により、インペラ12の同軸度、直角度、平面度、平行度等の組み立て上の幾何公差を決めていたため、後面シュラウド42bと回転軸2は、後面シュラウド42b板厚分との接点で幾何公差は抑えられていた。
本発明は、従来の後面シュラウド42bではなく、筒状スペーサ12eの穴部、端面部と回転軸2とは、同軸度、直角度、平面度、平行度等の幾何公差を決めることが可能であり、筒状スペーサ12eは、後面シュラウド12aに比べ、全長が大きいため、回転軸2との接点、接触面積が大きくなる。
組み立て上、加工上等、回転軸2と筒状スペーサ12eの寸法公差、幾何公差はタイトであるほうが、電動送風機の面振れを低減し、低振動、低騒音、高効率化な電動送風機の構成に近くなるが、寸法公差、幾何公差については、電動送風機の運転条件(回転数およびファン出力)、組み立て条件により、左右されるため、電動送風機の条件に応じて実験的に最適値を求める必要がある。
フレームモータケース15は通気路14上流から下流にかけて所定の角度で拡がる円錐形状を有しており、第1の案内翼15aはモータケース15内壁に当接している。それに伴い、第1の独立風路16とそれに連通する第2の独立風路18とで形成される一連の独立風路は、通気路14の上流から下流にかけて断面積が連続的に大きくなっている。
またインペラ12入口先端部とファンケース13とは、インペラ12が回転駆動可能な状態でPTFE等の樹脂材料で構成されて円環状のリング19を介して動的シールされている。
図5において、電気掃除機20は、本体吸気口21に連通した集塵室22と本体排気口23を備えた送風室24とを有する掃除機本体25と、集塵室22に本体吸気口21と気密に装着された集塵袋26と、送風室24に設置された電動送風機1aと、電動送風機1aを覆う難燃性の樹脂材料等で構成された防音カバー27と、送風室24の上下に配置された吸音材28とから構成されている。なお図示していないが、本体吸気口21には、ホース、延長管が順次接続され、延長管の先端には、床面上の塵埃を吸引するノズルが取り
付けられている。
以上のように構成された電動送風機およびそれを用いた電気掃除機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機1aの動作について説明する。図1において、巻線4を励磁することで回転磁界が発生し、回転磁界と同期して回転子3が回転し、回転軸2に固定されたインペラ12が回転する。インペラ12は、いわゆる遠心送風機であり、空気のエネルギーが回転から受ける遠心力によって得られるものであり、気体の吸込み方向と排出方向が直線的ではなく、ほぼ直角に曲がっているのが特徴である。
インペラ12は、中央部に吸気口を有した傘形の円板形状からなる前面シュラウド12bと平らな円板形状をした後面シュラウド12aとで中心部から空気を吸込み外周部に空気を吹き出す樹脂等で成形されるインデューサ12dとアルミ板金、鉄系金属板金のプレスとで製造される複数枚のブレード12cを挟み込み支持して構成されているため、回転軸2の回転とともに、インペラ12の回転で生じる遠心力により、インペラ12内の空気がインペラ12の中央部に配された吸気口から傘型の円板形状の前面シュラウド12b形状に沿って、同じくインペラ12に配されているインデューサ12d、ブレード12cによって掻き出され、インペラ12内の外周方向へかつ後方へと押しやられ、インペラ12内は負圧になる。
負圧になったインペラ12内部には、中央部の吸気口からインペラ12内へ空気が流れ込み、インペラ12に流れ込む気流が発生する。気流はインペラ12の中心部の吸気口から軸方向に流入し、前面シュラウド12b、後面シュラウド12a、インデューサ12d、ブレード12cに沿って流れた後インペラ12外周方向から流出する。
本実施の形態は、図2で示すように、電動送風機1aの回転軸2に固定されたインペラ12が高速回転するが、インペラ12の筒状スペーサ12eと回転軸2とを固定することにより、前面シュラウド12bの中央部に吸気口が気体を吸込み、樹脂製インデューサ12dによって、空気流が大きく乱れることなく、板金製ブレード12c間を通過し、インペラ本体12外周部から排出する。
このとき、インペラは30,000〜45,000r/minと高速に運転を行っているが、高速回転軸2と固定されるインデューサ12d内部の筒状スペーサは、インデューサ12dの基部を構成するハブ12f内部に、回転軸2を固定する筒状スペーサ12eを有し、筒状スペーサ12eは、後面シュラウド12aに貫通配置とすることにより、インペラ12と回転軸2の取り付け精度である同軸度および直角度を簡易な構造と構成により向上することとなる。
これによって、インペラとモータの回転軸2は、後面シュラウド12aの板厚による接点だけではなく、筒状スペーサ12eの内径円筒部を接することができ、回転軸2とインペラ12の接触面積を増大することができる。そのため、インペラ12が、30000から45000r/minという高速回転で運転され、高速な回転にともない、インペラ12の外周部では、回転軸2方向に、回転軸2部を中心として前後に振動を起こす面振れという現象を起こしファン騒音を高くする要因は、インペラ12が筒状スペーサ12eの円筒部に接するため、インペラと回転軸との同軸度の精度は向上する。
また、筒状スペーサ12eの端面部と回転軸2とを従来は、後面シュラウド12aは、低コスト化、生産サイクル向上のため、板厚が薄いため、クランプや固定が難しいため、切削加工や研磨が難部品である後面シュラウド12aは、板金プレス品による打ち抜き加
工で生産されていることが多く、材料形状そのままのため、後面シュラウド12aのサイズが筒状スペーサ12eと比較し、大きいため、比較的平面度および平行度の面形状に狂いが生じているものがある。
このような後面シュラウド12aで回転軸2と接することにより、回転軸2とインペラ12は、後面シュラウド12aの孔精度を向上しようとも、サイズが大きい後面シュラウド12aはインペラ12を組立し、取り付けするときに垂直度が低下することもある。
後面シュラウド12aと比較して、小さいサイズである筒状スペーサ12の端面部は、平面度、平行度ともに幾何公差も良好であり、筒状スペーサ12の内径円筒部は端面部と垂直度も良好である。そのため、筒状スペーサ12eの端面部とカラー30、スペーサ32が軸受9と接することにより、インペラ12の同軸度精度が向上するとともに、インペラ12と回転軸2の取り付け垂直度精度も向上することが可能となる。
同軸度および垂直度が向上したインペラ12は、通常の電動送風機1aは、高効率化のため、インペラ12部とファンケース13、エアガイド15aは微小なクリアランスで設計されているが、インペラ12外周部の前後振動も抑えることが可能となり、インペラ12外周部のファンケース13やエアガイド15aへの接触による破損の可能性低減することも可能である。
また、ファンが更なる出力増加を求めるために、更なる高速回転化、例えば45,000〜120,000r/minという高速回転化を行った際でも、インペラ12の同軸度および円筒度、垂直度、平面度、平行度の幾何公差を向上したため、インペラ12の面振れを低減し、ファン部の信頼性が低下するとう課題を低減することが可能となる。
また、インペラ12と回転軸2の同軸度および直角度の精度を向上することにより、インペラ12外周とエアガイド15aのクリアランス縮小が可能になり、インペラ12とエアガイド15aの環流洩れを低減することが可能である。
また、従来より精度を向上したということは、従来、インペラ12外周とエアガイド15a間には、還流損失とよばれる洩れが発生し、ファン性能低下の原因であったが、インペラ12取り付け精度上クリアランスを詰めることは、インペラ12接触や衝突による破損のため、難しかったが、インペラ12と回転軸2の同軸度および直角度の精度向上によるインペラ面振れ低減が可能、インペラ12とエアガイド15a間のクリアランスも縮小した共回りによる位相ズレを防止することが可能な高効率な電動送風機1aを提供することが可能となる。
その中でインペラ12の底面部に位置する後面シュラウド12aには、板状のスペーサ32を配し、板状スペーサ32の後部となるフレーム前10a側には、筒状のカラー30を配しており、回転軸2には、フレーム10a側軸受9から順に、筒状のカラー30、板状のスペーサ32、インペラ12となり、ナット33で回転軸2に締結されているため、加えてインペラ12を回転軸2に平面度を出して剛性の補助となるインペラ12の底面部に位置する後面シュラウド12aの底面部には、スペーサ32を配することにより、軽量化のため、比較的密度が軽く、薄い板を使用して組み立てられるインペラ12は高速回転時にその遠心力と圧力により面振れを起こす、スペーサを配することにより、後面シュラウド12aの剛性補助としている。
スペーサ32の底面部には、焼結や真鍮などからなるカラー30が構成されスペーサ32およぶカラー30を介して、ナット33により、回転軸2にインペラ12が回転軸2の共回りによる位相ズレを防止するためにとは固定されている。
スペーサ32、カラー30、筒状スペーサ12eは、アルミや鉄、焼結合金、真鍮等の金属により構成されている。また、他の樹脂材料や金属材料でも可能であり、耐摩耗性および摺動性が良い樹脂材料や金属材料で構成してもよく、ナット33との締結時に締め付け圧力の剛性に耐えうる材料であればよく、本発明にかかる効果は変わるものではない。
スペーサ32、カラー30、筒状スペーサ12eは、従来同様に、インペラ12と電動送風機の組み付け精度を決める重要部品であるため、板金プレスや切削加工、研磨加工、成形、鋳造、鋳物、転造と様々な加工工法で製造され、従来と同等の精密な加工精度を持っているものであればよく、本発明にかかる効果は変わるものではない。
なお、回転軸2と筒状スペーサの穴公差は組立上および加工上可能な限りはタイトにする。従来では、回転軸37と後面シュラウド42bが穴公差により、インペラ12の同軸度、直角度、平面度、平行度とうの組み立て上の幾何公差を決めていたため、後面シュラウド42bと回転軸2は、後面シュラウド42b板厚分との接点で幾何公差は抑えられていた。本発明は、従来の後面シュラウド42bではなく、筒状スペーサ12eの穴部、端面部と回転軸2とは、同軸度、直角度、平面度、平行度等の幾何公差を決めることが可能であり、筒状スペーサ12eは、後面シュラウド12aに比べ、全長が大きいため、回転軸2との接点、接触面積が大きくなるため軸芯精度が良好となる。
組み立て上、加工上等、回転軸2と筒状スペーサ12eの寸法公差、幾何公差はタイトであるほうが、電動送風機の面振れを低減し、低振動、低騒音、高効率化な電動送風機の構成に近くなるが、寸法公差、幾何公差については、電動送風機の運転条件(回転数およびファン出力)、組み立て条件により、左右されるため、電動送風機の条件に応じて実験的に最適値を求める必要がある。
よって、回転軸2と筒状スペーサ12eとの間にクリアランスを有する。筒状スペーサ12eは、板金製ブレード12cと前面、後面シュラウド12a、12bがカシメられる際、インデューサ12dの中央部に配され、インデューサ12dと後面シュラウド12aの間で微動可能に挟持される。
上記構成による作用は以下の通りである。回転軸2に挿入されたスペーサ32、カラー30、筒状スペーサ12eが挿入されたインペラ本体12を順に挿入し、ナット33により締結する。インペラ本体12挿入時、筒状スペーサ12eにより回転軸2に対する位置は定まる。その後、ナット33で締結するが、前記筒状スペーサ12eは回転軸2に対してクリアランスを有しており、仮に樹脂製のインデューサ12dが変形を有したままインペラ12に取り付けられたとしても、筒状スペーサ12eは回転軸2に対して平行度を保つことができ、最終的にナット33で締結した際にも、インペラ12は回転軸2に対して垂直に装着することができる。
インペラ12から流出した気流は、複数の第1の独立風路16に流入した後、それに連通する複数の第2の独立風路18をフレーム前10aの外周面に沿って流れて電動送風機1a外部へと流出する。その際、第1の独立風路16と第2の独立風路18とで形成される一連の独立風路の断面積は上流から下流にかけて大きくなるため、気流は減速されながら、動圧が静圧へと変換される。
電動送風機1aの送風性能は、電動送風機1aを駆動するために入力した電力と、電動送風機1aが行う仕事(インペラ12が回転することで発生する真空度と流量の積)との比であらわされる。そのため、実際に使用する流量において電動送風機1aが発生する真空度(静圧)を大きくすることが、電動送風機1aの送風性能をあげる上で大変重要とな
る。
また、ブラシレスモータ11の発熱は、銅損、鉄損、機械損によるものがある。銅損は巻線4を流れる電流によって生じるジュール熱であり、電流の二乗に比例して大きくなる。また、鉄損はヒステリシス損と渦電流損に分けられる。ヒステリシス損は、モータの磁路を形成する電磁鋼板の物性が原因で発生するもので、回転による磁界の変化で磁束密度が変化することに起因する。また渦電流損は、コア5aに通る磁束の変動により磁束線のまわりに渦状の電流が流れ、その際の電気抵抗で発生するものである。
機械損は、軸受9部の摩擦や回転子3とステータ6間の空気の攪拌抵抗に起因するものである。特に、鉄損については、ヒステリシス損及び渦電流損共に運転周波数に依存して大きくなるため、ブラシレスモータ11を高速回転で使用する際には、鉄損での発熱が大きくなり、これをいかに効率よく放熱させるかが重要となる。電気掃除機20では、電動送風機1aは高速回転領域での使用が大半であるため、小型で高い送風性能を得るためにはコア5aの冷却が大変重要である。
コア5aで発生した熱は、コア5a外周部に設けられた直線状の溝7aに嵌合固定された複数の第2の案内翼8aへと伝導し、それぞれの案内翼の表面から独立風路を流れるインペラ12からの気流に熱が伝達されてブラシレスモータ11外部へと出ていく。
コア5aと第2の案内翼8aは熱伝導性の高い接着剤で接着されているので嵌合部に微小な隙間ができるのを防ぐことができ、嵌合部の熱的な接触抵抗が低減することで、コア5aから第2の案内翼8aへの熱伝導性を向上することができ、コア5aで発生した熱が第2の案内翼8aへ伝導しやすく、また第2の案内翼8aはインペラ12からの気流によって連続的に強制冷却されているため、第2の案内翼8aとコア5aとの間に温度差が生じ、コア5a内部の熱伝導が促進されて効率よくコア5aの熱をブラシレスモータ11外部へと逃がすことができる。
また熱伝導性の高いアルミニウムを使用することで、コア5aから伝導した熱が第2の案内翼8a全体へ伝わりやすく、第2の案内翼8aを放熱フィンとして扱うことができるようになり、ブラシレスモータ11を効率よく冷却することが可能となる。
また、巻線4で発生した熱は、熱伝導性樹脂で成形されたモールド部17を伝導して、両端を保持されている複数の第2の案内翼8aへと伝わり、コア5aから伝導した熱と同様の過程を経てインペラ12からの気流に伝達して、ブラシレスモータ11外部へと出ていく。モールド部17には熱伝導性樹脂を用いているため空気に比べて熱伝導率が飛躍的に高くなり、巻線4で発生した熱を効率的に放熱することができる。
また、第2の案内翼8aには熱伝導性の高い材質を選定するのが好ましく、アルミニウムの他にも、銅、銀などの金属材料や、熱伝導性の硬い金属や炭素の粉末や繊維などの充填剤(フィラー)を含有させることで熱伝導性を向上させた熱伝導性樹脂を用いてもよく、コア5aの熱を第2の案内翼8aへ伝えて放熱面積を大きくし、ブラシレスモータ11の冷却効果を高めることが可能である。熱伝導性樹脂としては、ポリフェニレンサンファイド樹脂(PPS)、ナイロンおよび液晶ポリマー(LCP)が知られている。
導電性のフィラーとしては金属粉末、グラファイト、カーボンブラックなどが用いられ、絶縁性のフィラーとしては窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナなど焼結セラミックが用いられており、絶縁性の有無に応じて選択するフィラーを部位ごとに使い分ける必要がある。但し、放熱フィンとして機能する複数の第2の案内翼8aには、導電性フィラーを配合した樹脂を用いる方が、絶縁性フィラーを配合した樹脂に比べて熱伝導性を大き
くすることができるため、導電性フィラーを配合した樹脂を用いるのが望ましい。
充填剤の配合比率を大きくすると、溶融時の粘度が大きくなって成形性が低下するため、注意が必要である。また、第2の案内翼8aの厚みと翼枚数は、通気路14に形成される複数の第2の独立風路18に対して、ディフューザとして必要な断面積および断面積の変化率とステータ6の冷却に必要な放熱能力の双方から決める必要があり、実験的に最適値を求める必要がある。本実施の形態では、ブラシレスモータの構成を用いた説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来の電動送風機に用いられる整流子モータ等を用いた場合でも、本発明の効果を変わるものではない。
また、電動送風機1aは、より電気掃除機20の吸引性能向上のため、更なる出力向上が求められており、前述したとおり従来の電動送風機1aの回転数は30,000〜45,000r/minと高速運転を行っているが、今後は、45,000〜120,000r/minとさらに高速運転が行われる。インペラ12が高速で回転すると同時に、インペラ12には、遠心力とインペラ内部の圧力が増大するため、インペラ12の面振れは増大する。しかし、本発明の筒状スペーサ12eで固定するインペラ12は回転軸との接点および接触面積が大きいため、高速化しても、従来とくらべ面振れを低減するため、振動、騒音を低減し、高効率化に対応することが可能となる。
また、図4はスペーサ32との接触面積が大きくなるよう筒状スペーサ12eのフランジ部34を大サイズ化としたことにより、インペラ12と回転軸との幾何公差を向上するものである。回転軸2と筒状スペーサ12eとの間にクリアランスを有する。
筒状スペーサ12は、板金製ブレード12cと前面、後面シュラウド12a、12bがかしめられる際、インデューサ12dの中央部に配され、インデューサ12dと後面シュラウド12aの間で微動可能に挟持される。上記構成による作用は以下の通りである。回転軸2に挿入されたスペーサ32、カラー30、筒状スペーサ12eeが挿入されたインペラ本体12を順に挿入し、ナット33により締結する。インペラ本体12挿入時、筒状スペーサ12eeにより回転軸2に対する位置は定まる。
その後、ナット33で締結するが、前記筒状スペーサ12eは回転軸2に対してクリアランスを有しており、仮に樹脂製のインデューサ12dが変形を有したままインペラ12に取り付けられたとしても、筒状スペーサ12eは回転軸2に対して平行度を保つことができ、最終的にナット33で締結した際にも、インペラ12は回転軸2に対して垂直に装着することができる。
また、筒状スペーサ12eに設けられたフランジ部34と、スペーサ32との接触面積が大きいので、ナット33を締結した際、より強固に装着することができ、インペラ12の面ぶれを抑えることもできる。さらに、インペラ12はカラー30と筒状のスペーサ32、ナット33で挟持される構成となるため、ナット33の緩みが生じにくく、インペラ12の位相ズレを防止することもできる。
筒状スペーサ12eにフランジ部34を設けたことにより、前記フランジ部34とスペーサ32との間で面積が増し、インペラ12を回転軸2に強固に装着することができ、また、インペラ12の前面シュラウド12b、後面シュラウド12aの面ぶれを抑えることができる。
次に、電気掃除機20の動作について図5を用いて説明する。図5において、電動送風機1aのインペラ12が回転すると、集塵室22が負圧状態になり、ノズル(図示せず)から吸引された塵埃を含む気流が本気吸気口を通過して集塵室22へ流入する。集塵袋2
6で塵埃を濾過分離した清潔な気流は、電動送風機1aのインペラ12へ流入し、第1の独立風路16とそれに連通する第2の独立風路18を通過した後、防音カバー27の排気口から流出して掃除機本体25外部へと放出される。
電気掃除機20は、小型で送風性能の高い電動送風機1aを搭載しているため、強い吸引力を有し、ゴミ取れ性がよく、電動送風機1aの本体サイズが小さくて、重量が軽いので、小回りが利いて使い勝手がよい。また、掃除機本体25内に吸音材28を配置可能な空間の拡大を図り、掃除機本体25内に設ける吸音材28の設置面積を大きくすることで、吸音面積を拡げて運転音の小さな電気掃除機20にすることも可能である。
以上のように、本実施の形態においては、インペラ12の筒状スペーサ12eを後面シュラウド12aに貫通配置することにより、インペラ12の軸芯ブレを抑えることにより、電動送風機の振動、騒音を低減し、信頼性向上する。
軸芯ブレ低減により、インペラ12外周とエアガイド15aのクリアランス縮小が可能になり、インペラ12とエアガイド15aの環流洩れを低減した高効率な電動送風機を提供することが出来る。
以上のように、本発明にかかる電動送風機は、インペラの取り付け精度向上により、インペラ面振れ低減による電動送風機の低振動化、低騒音化を行うことができ、インペラとエアガイド間のクリアランス縮小によるファン効率向上が可能、また、インペラ面振れ低減により、ファンの高速運転も可能となるので、高効率な吸引性能および高信頼性な電動送風機を得ることが可能となり、床移動型交流掃除機にかぎらず、ハンディ型や、縦型、または直流充電式掃除機等の用途にも適用できる。
1a 電動送風機
2 回転軸
3 回転子
4 巻線
5a コア
6 固定子
7a 溝(凹部)
8a 第2の案内翼
9 軸受
9a ボール
9b 外輪
9c 内輪
9d シールプレート
10a フレーム前
10b フレーム後
11 ブラシレスモータ
12 インペラ
12a 後面シュラウド
12b 前面シュラウド
12c ブレード
12d インデューサ
12e 筒状スペーサ
12f ハブ
13 ファンケース
20 電気掃除機
30 カラー(座金)
32 スペーサ
33 ナット
34 フランジ部

Claims (6)

  1. 回転軸を有する回転子と固定子とを対向配置したモータと、
    前記回転軸の一端を支持する軸受を保持し、
    前記軸受と前記固定子を覆うフレームと、
    前記回転軸には、中央に吸込み口を有する前面シュラウドと後面シュラウドと、
    前記前面シュラウドと後面シュラウドとの間に狭時されるブレードと、
    前記ブレードの吸込口側を接合され、前記前面シュラウド及び後面シュラウドによって前後から押さえつけられるインデューサを有したインペラを備え、
    前記インペラには、前記インデューサの基部を構成するハブ内部に、
    前記回転軸を固定する筒状スペーサを有し、
    前記筒状スペーサは、前記後面シュラウドに貫通配置された電動送風機。
  2. 前記筒状スペーサは、後面シュラウド側の端面部にフランジ部を備え、
    貫通配置された請求項1に記載の電動送風機。
  3. 前記筒状スペーサは、前記インデューサと接着固定された請求項1または2に記載の電動送風機。
  4. 前記筒状スペーサは、前記インデューサに圧入固定された請求項1または2に記載の電動送風機。
  5. 前記筒状スペーサは、前記インデューサに一体成形により固定された請求項1または2に記載の電動送風機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機を搭載した電気掃除機。
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