JPWO2017145994A1 - 二次元測色装置、二次元測色システム及び二次元測色方法 - Google Patents

二次元測色装置、二次元測色システム及び二次元測色方法 Download PDF

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Abstract

撮像部は、画面(二次元の発光領域)のカラー画像を撮影する。光学センサ部は、画面に含まれる所定の測定点の色を示す信号を出力する。第1の補正は、所定の測定点の三刺激値を用いて、画面に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することである。第2の補正は、所定の補正係数を用いて、画面に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することである。補正部は、画面が明状態と判定されたとき、第1の補正を実行し、画面が暗状態と判定されたとき、第2の補正を実行する。

Description

本発明は、例えば、ディスプレイの画面のような二次元の発光領域を測色する技術に関する。
測色装置には、一つの測定点を測色するタイプ(スポット測光方式の測色計)と、複数の測定点を同時に測色するタイプ(二次元測色装置)とがある。
二次元測色装置は、複数の測定点を同時に測色できるので、例えば、二次元の発光領域を測色するのに用いられる。二次元の発光領域とは、例えば、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイのようなディスプレイの画面である。
二次元測色装置によるディスプレイの画面の測色は、例えば、次のように実行される。ディスプレイの画面全体が同じ色度及び同じ輝度にされた状態で、画面全体の輝度が段階的に変えられ、各段階において、二次元測色装置によってディスプレイの画面が測色される。そして、色度が変えられて、同様にして、測色される。
二次元測色装置は、複数の測定点を同時に測色できるので、測定点が複数の場合、スポット測光方式の測色計と比べて測色時間を短くすることができる。しかし、二次元測色装置は、スポット測光方式の測色計と比べて測色精度が劣る。この欠点を補うために、スポット測光方式の測色計で求められた測定点の三刺激値を用いて、二次元測色装置で求められた複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
二次元測色装置やスポット測光方式の測色計は、二次元の発光領域の輝度が低い場合、二次元測色装置の受光部やスポット測光方式の測色計の受光部が受光する光量が少なくなるので、測色時間が長くなる。特に、特許文献1の技術では、二次元の発光領域からの光を二つに分割して、一方が受光素子(二次元測色装置の受光部)で受光され、他方が分光センサ(スポット測光方式の測色計の受光部)で受光される。このため、二次元測色装置の受光部、スポット測光方式の測色計の受光部がそれぞれ受光できる光量は、さらに少なくなり、低輝度での測色時間がより長くなる。
特許第3246021号公報 特許第4800591号公報
本発明は、二次元の発光領域について、輝度を変えながら測色する場合に、低輝度での測色時間が長くならないようにすることができる二次元測色装置、二次元測色システム及び二次元測色方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の第1の局面に係る二次元測色装置は、撮影部と、光学センサ部と、第1の演算部と、第2の演算部と、判定部と、記憶部と、補正部と、を備える。前記撮影部は、二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する。前記光学センサ部は、前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する。前記第1の演算部は、前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する。前記第2の演算部は、前記光学センサ部から出力された、前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する。前記判定部は、前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する。前記記憶部は、所定の補正係数を予め記憶する。前記補正部は、前記第2の演算部によって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、前記記憶部に記憶された前記補正係数を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
本実施形態に係る二次元測色装置の模式図である。 本実施形態に係る二次元測色装置の構成を示すブロック図である。 液晶ディスプレイの画面の平面図である。 補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 a11(補正係数を構成する要素の一つ)と輝度との関係を示す式18の一例を表したグラフである。 図6に示すグラフにa11−1を追加したグラフである。 図7に示すグラフに、再計算された式18を示す曲線を追加したグラフである。 式18の再計算、撮像部からの出力及び光学センサ部からの出力との関係を概念的に説明するグラフである。 補正係数の更新値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 補正係数の更新値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 本実施形態に係る二次元測色装置の動作の第1例を説明するフローチャートである。 補正係数の更新値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの他の例を説明する説明図である。 本実施形態に係る二次元測色装置の動作の第2例を説明するフローチャートである。 画面の光源に応じて定められた、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 画面の光源に応じて定められた、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 距離に応じて定められた、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。 距離に応じて定められた、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。
Figure 2017145994
上記表を用いて、本実施形態の一つの特徴を説明する。測定対象となる二次元の発光領域の明るさが、明るい状態から暗い状態に段階的に下げられ、各段階において、二次元測色装置を用いて、二次元の発光領域が測色される。各段階の測色が一回の測色となる。本実施形態は、このような測色を前提とする。
二次元の発光領域の明るさが、予め定められた値を基準にし、二次元の発光領域が明状態と暗状態とに分けられる。二次元測色装置は、発光領域が明状態と判定したとき、光学センサ部を用いて求めた所定の測定点の三刺激値を用いて、撮像部を用いて求めた複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正し(第1の補正)、かつ、補正係数を更新する。これに対して、二次元測色装置は、発光領域が暗状態と判定したとき、補正係数を用いて、撮像部を用いて求めた複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正する(第2の補正)。なお、補正係数の更新は、必須ではない。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る二次元測色装置1の模式図である。図2は、二次元測色装置1の構成を示すブロック図である。
図1及び図2を参照して、二次元測色装置1の測定対象は、二次元の発光領域である。二次元の発光領域として、例えば、液晶ディスプレイの画面SCの全体や画面SCの一部の領域があり、本実施形態では、画面SCの全体を二次元の発光領域として説明する。液晶ディスプレイの画面SCの色に関する特性(例えば、色度)及び画面SCの輝度が、二次元測色装置1によって測定される。
二次元測色装置1は、受光部2及び本体部3を備える。画面SCが受光部2に向けられた液晶ディスプレイが、図示しない搬送手段によって、受光部2の撮影範囲RAの位置に搬送され、この位置で、二次元測色装置1が画面SCの色度、輝度等を測定する。
図2を参照して、受光部2は、撮像光学系5、ビームスプリッタ6、撮像部7及び光学センサ部8を備える。
撮像光学系5は、光学レンズを含み、画面SCの全体からの光Lを集束する。画面SCは、その全体が所定の色(例えば、赤色)に発光した状態である。
ビームスプリッタ6(光分割部の一例)は、集束された光を二分割する。詳しく説明すると、ビームスプリッタ6は、上記集束された光の一部を透過し、残りを反射する。透過した光を光L1とし、反射した光を光L2とする。ビームスプリッタ6は、集束された光のうち、例えば、10パーセントを透過し、90パーセントを反射する。
光L1の光路には、撮像部7が配置されている。撮像部7は、カラーフィルタ71と二次元撮像素子72とを備える。カラーフィルタ71は、R成分を透過するフィルタ、G成分を透過するフィルタ、及び、B成分を透過するフィルタにより構成される。
二次元撮像素子72は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)であり、二次元領域を測定範囲とする光学センサである。二次元撮像素子72は、カラーフィルタ71を介して光L1を受光することにより、画面SCの全体のカラー画像を撮像し、撮像したカラー画像を示す電気信号を出力する。これが、受光部2が出力する信号SG1である。
光L2の光路には、光学センサ部8が配置される。図3は、画面SCの平面図である。図2及び図3を参照して、光学センサ部8は、画面SC上の所定の測定点P2からの光L2を受光し、所定の測定点P2の色を示す電気信号を出力する。これが、受光部2が出力する信号SG2である。所定の測定点P2は、スポット領域と称され、画面SCに含まれる。スポット領域は、画角が、例えば0.1〜3度であり、画面SCよりも狭い。所定の測定点P2は、例えば、画面SCの中心に設定される。
光学センサ部8は、撮像部7を用いる測色よりも高精度の測色に用いられる。このため、光学センサ部8として、XYZ表色系の等色関数と等価のカラーフィルタを有するカラーセンサが用いられる。なお、分光センサを光学センサ部8にしてもよい。分光センサは、入射した光L2について、各波長の強度レベルを表す電気信号を生成する。分光センサとして、例えば、回折格子を利用したポリクロメータがある。
図1及び図2を参照して、本体部3は、パーソナルコンピュータ本体31、ディスプレイ32及びキーボード33により構成され、機能ブロックとして、制御処理部9、入力部10及び出力部11を備える。
制御処理部9は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)等によって実現されるマイクロコンピュータである。
入力部10は、外部からコマンド(命令)やデータ等を二次元測色装置1に入力するための装置であり、キーボード33により実現される。なお、タッチパネルを入力部10にしてもよい。出力部11は、入力部10から入力されたコマンドやデータ、及び、制御処理部9の演算結果等を出力するための装置であり、ディスプレイ32により実現される。なお、プリンタ等の印刷装置を出力部11にしてもよい。制御処理部9は、パーソナルコンピュータ本体31に収容されている。
受光部2と本体部3とは、それぞれ、接続端子(不図示)を有し、これらの接続端子を用いて、受光部2と本体部3とは、有線で接続されている。なお、これらを無線で接続してもよい。有線又は無線の接続を用いて、受光部2と本体部3とは、高速通信可能な通信規格(例えば、産業用のLAN(Local Area Network))で通信をする。この通信によって、撮像部7で撮影された画面SCのカラー画像を示す信号SG1及び光学センサ部8から出力された所定の測定点P2の色を示す信号SG2は、受光部2から本体部3に送信される。
図2を参照して、制御処理部9について説明する。制御処理部9は、機能ブロックとして、第1の演算部91、第2の演算部92、露光制御部93、判定部94、記憶部95、補正部96、第3の演算部97及び更新部98を備える。
第1の演算部91は、撮像部7から出力された画面SCの全体のカラー画像を示す信号SG1を用いて、画面SCに含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する。第1の演算部91は、例えば、図3に示すように、画面SC上に設定された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を演算する。二次元測色装置1の操作者は、入力部10を操作して、画面SC上に複数の測定点P1を設定する。複数の測定点P1は、画面SCの全体のカラー画像を構成する全画素の中から、二次元測色装置1の操作者が、入力部10を操作して予め選択された複数の画素ということができる。なお、画面SCの全体のカラー画像を構成する全画素のそれぞれが、測定点P1でもよい。このように、複数の測定点P1とは、画面SCの全体のカラー画像を構成する全画素の中から選ばれた複数の画素でもよいし、全画素でもよい。
第2の演算部92は、光学センサ部8から出力された、所定の測定点P2の色を示す信号SG2を用いて、所定の測定点P2の三刺激値を演算する。信号SG2は、XYZ表色系を示すX信号、Y信号及びZ信号である。Y信号は、輝度信号であり、所定の測定点P2の輝度を示す。第2の演算部92は、Y信号を用いて、所定の測定点P2の輝度を演算する。
露光制御部93は、撮像部7が画面SCの全体のカラー画像を撮影するときに、露光時間を制御する。露光制御部93は、画面SCが明るいとき、露光時間を短くし、画面SCが暗いとき、露光時間を長くする。撮像部7が画面SCの全体のカラー画像を撮影し、カラー画像を示す信号SG1を出力している状態で、露光制御部93は、その信号SG1に含まれる輝度を示す値を時系列で加算して、加算した値が所定値に到達したとき、露光を終了させる。画面SCが明るいとき、加算した値が所定値に到達するのが早く(すなわち、露光時間が短い)、画面SCが暗いとき、加算した値が所定値に到達するのが遅くなる(すなわち、露光時間が長い)。露光制御部93は、露光の開始から露光の終了までの露光時間を計測する。この露光時間は、次に説明する判定部94で利用される。
以上説明したように、撮像部7、第1の演算部91及び露光制御部93により、二次元測色部12が構成される。二次元測色部12は、画面SCに含まれる複数の測定点P1を、同時に測色する。光学センサ部8及び第2の演算部92により、スポット測色部13が構成される。スポット測色部13は、画面SCの所定の測定点P2を測色する。
画面SCの全体が、ある色度に固定された状態で、画面SCの全体の輝度が高い値から低い値へ段階的に下げられて、各段階において、二次元測色装置1が画面SCを測色する。この測色において、判定部94は、画面SCの明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、画面SCが明るい状態を示す明状態と、明状態より画面SCが暗い状態を示す暗状態とに分け、指標値を用いて画面SCが明状態か暗状態かを判定する。
画面SCの明るさの指標として、例えば、露光時間、輝度がある。ここでの露光時間とは、撮像部7が画面SCの全体のカラー画像を撮影するときの露光時間である。ここでの輝度とは、光学センサ部8から出力された、所定の測定点P2の色を示す信号SG2を用いて算出された所定の測定点P2の輝度である。
前者について説明する。上述したように、露光制御部93は、露光時間を計測する。画面SCが明るいとき、露光時間が短くなり、画面SCが暗いとき、露光時間が長くなる。従って、判定部94は、露光時間が予め定められた値又は予め定められた値より短いとき、画面SCが明状態と判定し、露光時間が予め定められた値より長いとき、画面SCが暗状態と判定する。
後者について説明する。画面SCが明るいとき、所定の測定点P2の輝度が大きくなり、画面SCが暗いとき、所定の測定点P2の輝度が小さくなる。従って、判定部94は、所定の測定点P2の輝度が、予め定められた値以上のとき、画面SCが明状態と判定し、所定の測定点P2の輝度が、予め定められた値より小さいとき、画面SCが暗状態と判定する。
記憶部95は、所定の補正係数を予め記憶する。補正係数については、補正部96において、説明する。
補正部96は、第2の演算部92によって演算された所定の測定点P2(図3)の三刺激値を用いて、第1の演算部91によって演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、記憶部95に記憶された補正係数を用いて、第1の演算部91によって演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、判定部94によって画面SCが明状態と判定されたとき、第1の補正を実行し、判定部94によって画面SCが暗状態と判定されたとき、第2の補正を実行する。
光学センサ部8を用いて測定された、所定の測定点P2の色を示す三刺激値は、真値である。従って、スポット測色部13を用いる測色(すなわち、光学センサ部8を用いる測色)は、二次元測色部12を用いる測色(すなわち、撮像部7を用いる測色)よりも測色精度が高い。第1の補正は、所定の測定点P2の色を示す三刺激値(真値)を用いて、複数の測定点P1のそれぞれについて、測定点P1の色を示す三刺激値を補正する。従って、複数の測定点P1のそれぞれについて、測定点P1の色を示す三刺激値の精度を高くすることができる。第1の補正と同様の補正が、上記特許文献1に詳細に説明されている。
補正部96は、画面SCが明状態のとき、第1の補正を実行する。画面SCが暗くなると(言い換えれば、画面SCの輝度が下がると)、光学センサ部8が受光する光量が少なくなるので、測色時間が長くなる。また、スポット測色部13を用いる測色は、二次元測色部12を用いる測色よりも測色精度が高いが、画面SCが暗くなると、測色精度が低くなる。そこで、補正部96は、画面SCが暗状態のとき、第2の補正を実行する。第2の補正では、光学センサ部8を用いた測色を実行せずに、補正係数を用いて、第1の演算部91によって演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する(第2の補正)。従って、画面SCの輝度が低い状態でも、測色時間が長くならないようにできる。
以上のように、本実施形態に係る二次元測色装置1によれば、画面SC(二次元の発光領域)について、輝度を変えながら測色する場合に、低輝度での測色時間が長くならないようにすることができる。
補正係数について詳しく説明する。カラーフィルタ71は等色関数と等価でないので、撮像部7を備える二次元測色部12によって、発光Wを測色したとき、式1が成立する。
Figure 2017145994
R,G,Bは、発光WのR値、G値、B値である。
CXw,CYw,CZwは、二次元測色部12により得られた、発光WのX値、Y値、Z値である。
CXr,CYr,CZrは、二次元測色部12の撮像部7から出力されたR信号(Rフィルタを通過した光により生成された信号)が示す値であるR成分値を、XYZ表色系で表現したときのX値、Y値、Z値である。CXg,CYg,CZgは、撮像部7から出力されたG信号(Gフィルタを通過した光により生成された信号)が示す値であるG成分値を、XYZ表色系で表現したときのX値、Y値、Z値である。CXb,CYb,CZbは、撮像部7から出力されたB信号(Bフィルタを通過した光により生成された信号)が示す値であるB成分値を、XYZ表色系で表現したときのX値、Y値、Z値である。CXr,CYr,CZr,CXg,CYg,CZg,CXb,CYb,CZbは、第1の演算部91によって演算される。
式1より、発光WのR値、G値、B値は、式2で示される。
Figure 2017145994
光学センサ部8は、等色関数と等価であるカラーフィルタを有するので、スポット測色部13によって、発光Wを測色したとき、式3が成立する。
Figure 2017145994
Xw,Yw,Zwは、スポット測色部13により得られた、発光WのX値、Y値、Z値(三刺激値の真値)である。
Xr,Yr,Zrは、スポット測色部13により得られた、発光WのR成分値を、XYZ表色系で表現したときのX値、Y値、Z値である(三刺激値の真値)。Xg,Yg,Zgは、スポット測色部13により得られた、発光WのG成分値を、XYZ表色系で表現したときのX値、Y値、Z値である(三刺激値の真値)。Xb,Yb,Zbは、スポット測色部13により得られた、発光WのB成分値を、XYZ表色系で表現したときのX値、Y値、Z値である(三刺激値の真値)。
式2を式3に代入すると、式4となる。
Figure 2017145994
式4に含まれる式5が、補正係数である。
Figure 2017145994
式4から分かるように、二次元測色部12により得られたCXw,CYw,CZwと補正係数とにより、三刺激値の真値(Xw,Yw,Zw)が求まる。
補正係数の具体例を説明する。Xr,Yr,Zr,Xg,Yg,Zg,Xb,Yb,Zb(以下、Xr〜Zbと記載する)は、スポット測色部13によって求めることができる。CXr,CYr,CZr,CXg,CYg,CZg,CXb,CYb,CZb(以下、CXr〜CZbと記載する)は、二次元測色部12によって求めることができる。
例えば、ある発光Wのときに、スポット測色部13によって求められたXr〜Zbが式6であり、二次元測色部12によって求められたCXr〜CZbが式7のとき、補正係数は、式8となる。
Figure 2017145994
Figure 2017145994
Figure 2017145994
画面SCの明るさの指標値(露光時間、輝度)に応じて、Xr〜Zb及びCXr〜CZbが予め求められており、更新部98は、予め求められたXr〜Zb及びCXr〜CZbを用いて、補正係数の初期値を作成し、指標値と補正係数の初期値とを対応づけたルックアップテーブルを生成し、ルックアップテーブルを記憶部95に記憶させる。このように、記憶部95は、互いに異なる値の複数の指標値と、複数の指標値のそれぞれに対応付けられた複数の補正係数とを予め記憶する。
更新部98が作成するルックアップテーブルは、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブル、及び、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルである。ここでの露光時間とは、上述したように、撮像部7が画面SCの全体のカラー画像を撮影するときの露光時間である。以下の露光時間はこの意味である。ここでの輝度とは、上述したように、光学センサ部8から出力された、所定の測定点P2の色を示す信号SG2を用いて算出された所定の測定点P2の輝度である。以下の輝度はこの意味である。図4は、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図5は、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。露光時間及び輝度の値の数が四つの場合で説明するが、これらの数は、複数であればよい。
図4を参照して、露光時間は、T1<T2<T3<T4とする。露光時間がT1,T2のとき、補正部96は、第1の補正を実行する。露光時間がT3,T4のとき、補正部96は、第2の補正を実行する。上述したように、第1の補正は、補正係数を用いない補正であり、第2の補正は、補正係数を用いる補正である。
図5を参照して、輝度は、Y1>Y2>Y3>Y4とする。輝度がY1,Y2のとき、補正部96は、第1の補正を実行する。輝度がY3,Y4のとき、補正部96は、第2の補正を実行する。
露光時間が指標値の場合、露光時間がT3と計測されたとき、補正部96は、記憶部95から露光時間T3に対応する補正係数C3−0を読み出して、補正係数C3−0を用いて、第2の補正をする。露光時間がT4と計測されたとき、補正部96は、記憶部95から露光時間T4に対応する補正係数C4−0を読み出して、補正係数C4−0を用いて、第2の補正をする。輝度が指標値の場合、輝度がY3と計測されたとき、補正部96は、記憶部95から輝度Y3に対応する補正係数C7−0を読み出して、補正係数C7−0を用いて、第2の補正をする。輝度がY4と計測されたとき、補正部96は、記憶部95から輝度Y4に対応する補正係数C8−0を読み出して、補正係数C8−0を用いて、第2の補正をする。このように、補正部96は、判定部94によって画面SCが暗状態と判定されたとき、当該判定に用いられた指標値に対応付けられた補正係数を用いて、第2の補正を実行する。
指標値(露光時間、輝度)の大きさに応じて補正係数が異なる場合、補正係数が一つであれば、第2の補正の精度が低下する。上述したように、本実施形態によれば、指標値の大きさに応じて割り当てられた補正係数を用いて第2の補正をする。このため、指標値の大きさに応じて補正係数が異なる場合でも、第2の補正の精度が低下することはない。
図2を参照して、本実施形態では、ビームスプリッタ6で二分割された一方の光L1が撮像部7で受光され、他方の光L2が光学センサ部8で受光されるので、撮像部7及び光学センサ部8で受光される光量は、より少なくなる。このため、画面SCの輝度が低いとき、測色時間がより長くなる。本実施形態によれば、画面SCが暗状態のとき、第2の補正をするので、このような構成であっても、測色時間が長くならないようにすることができる。
補正係数の更新について説明する。図2を参照して、撮像部7及び光学センサ部8の出力は、これらの温度に応じて変化する。このため、補正係数が固定されていれば、第2の補正の精度が低下するので、補正係数を更新する必要がある。本実施形態では、二次元測色装置1を用いて画面SCを測色している過程において、判定部94によって画面SCが明状態と判定されたとき、更新部98は、補正係数を更新する。補正係数の更新は、処理1〜処理4により構成される。
(処理1)
所定の式として、以下の式9〜式26がある。a11〜a33は、式5に示すように、補正係数を構成する要素である。式9〜式26のセットが、補正係数の更新値を求めるための演算式となる。
a11と露光時間との関係を示す式・・・式9
a21と露光時間との関係を示す式・・・式10
a31と露光時間との関係を示す式・・・式11
a12と露光時間との関係を示す式・・・式12
a22と露光時間との関係を示す式・・・式13
a32と露光時間との関係を示す式・・・式14
a13と露光時間との関係を示す式・・・式15
a23と露光時間との関係を示す式・・・式16
a33と露光時間との関係を示す式・・・式17
a11と輝度との関係を示す式・・・式18
a21と輝度との関係を示す式・・・式19
a31と輝度との関係を示す式・・・式20
a12と輝度との関係を示す式・・・式21
a22と輝度との関係を示す式・・・式22
a32と輝度との関係を示す式・・・式23
a13と輝度との関係を示す式・・・式24
a23と輝度との関係を示す式・・・式25
a33と輝度との関係を示す式・・・式26
a11と輝度との関係を示す式18を例にして、所定の式について詳しく説明する。更新部98は、図5に示すテーブルを参照して、a11について、輝度Y1のときのa11の値、輝度Y2のときのa11の値、輝度Y3のときのa11の値、輝度Y4のときのa11の値を用いて、a11と輝度との関係を示す式18を計算する。式18を、グラフで表すと、図6で示すグラフとなる。グラフの横軸は、輝度を示し、縦軸は、a11の値を示す。このグラフは、補正係数が初期値のときの式18(当初の式18)を表している。
更新部98は、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブル(図4)を用いて、当初の式9〜式17を作成する。また、更新部98は、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブル(図5)を用いて、当初の式18〜式26を作成する。更新部98は、当初の式9〜式26のセットを、当初の上記演算式として、予め記憶する。
(処理2)
補正係数の更新の前提として、第3の演算部97は、判定部94によって画面SCが明状態と判定されたとき、当該判定に用いられた指標値に対応付けられた補正係数を演算する。詳しく説明すると、画面SCが、ある明るさの状態で、二次元測色装置1によって、画面SCが測色されているとき、判定部94が画面SCを明状態と判定したとする。この測色において、撮像部7から出力された画面SCのカラー画像を示す信号を用いて、二次元測色部12は、CXr〜CZbを演算する。また、この測色において、光学センサ部8から出力された、所定の測定点P2の色を示す信号を用いて、スポット測色部13は、Xr〜Zbを演算する。第3の演算部97は、Xr〜ZbとCXr〜CZbとを用いて、補正係数を演算する。この補正係数を、以下、補正係数C9とする。上記明状態と判定されたときの指標値が輝度であり、その値がY5とする。従って、補正係数C9は、輝度Y5に対応付けられた補正係数となる。
(処理3)
更新部98は、補正係数C9を構成するa11〜a33を用いて、補正係数の更新値を求めるための演算式(式9〜式26)をそれぞれ再計算する。これをa11と輝度との関係を示す式18を例にして説明する。補正係数C9において、a11がa11−1とする。図7は、図6に示すグラフにa11−1を追加したグラフである。更新部98は、a11と輝度との関係を示す当初の式18とa11−1とを用いて、a11と輝度との関係を示す式18を再計算する。図8は、図7に示すグラフに、再計算された式18を示す曲線を追加したグラフである。
図9は、式18の再計算、撮像部7からの出力及び光学センサ部8からの出力との関係を概念的に説明するグラフである。撮像部7からの出力が予め定められた値以上(言い換えれば、露光時間が予め定められた値以下)のとき、更新部98は、式18を再計算する。光学センサ部8からの出力が予め定められた値以上(言い換えれば、輝度が予め定められた値以上)のとき、更新部98は、式18を再計算する。
更新部98は、同様にして、上記式9〜式17及び式19〜式26を再計算し、再計算した式9〜式26(すなわち、再計算した上記演算式)を記憶する。
(処理4)
更新部98は、再計算した式9〜式17(再計算した上記演算式)を用いて、露光時間がT1,T2,T3,T4のそれぞれに対応する補正係数を求め、これらを補正係数の更新値とし、補正係数の更新値と露光時間とを対応付けたルックアップテーブルを作成し、このルックアップテーブルを記憶部95に記憶させる。また、更新部98は、再計算した式18〜式26を用いて、輝度がY1,Y2,Y3,Y4のそれぞれに対応する補正係数を求め、これらを補正係数の更新値とし、補正係数の更新値と輝度とを対応付けたルックアップテーブルを作成し、このルックアップテーブルを記憶部95に記憶させる。これにより、補正係数が更新される。
図10は、補正係数の更新値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図11は、補正係数の更新値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図10及び図11に示すように、補正係数がそれぞれ更新されている。
以上が(処理1)〜(処理4)の説明である。
撮像部7及び光学センサ部8の出力は、温度に応じて変化するが、その変化を無視してもよい場合、二次元測色装置1は、補正係数を更新しなくてもよい。
本実施形態に係る二次元測色装置1の動作には、第1例と第2例とがある。第1例及び第2例のいずれも、画面SCの全体が、ある色度に固定された状態で、画面SCの全体の輝度が高い値から低い値へ段階的に下げられて、各段階において、二次元測色装置1が、画面SCを測色する。各段階の測色が一回の測色となる。第1例から説明する。図12は、本実施形態に係る二次元測色装置1の動作の第1例を説明するフローチャートである。
図2を参照して、第1例では、露光時間を指標値とする。記憶部95には、図4に示すルックアップテーブルが予め記憶されている。第1例では、輝度を指標値としないので、記憶部95には、図5に示すルックアップテーブルが記憶されていない。
更新部98は、上述した処理1を既に実行しており、当初の上記演算式を予め記憶している。第1例では、露光時間を指標値とし、輝度を指標値としないので、更新部98は、式9〜式26の中で、式9〜式17を作成し、これらの式を当初の上記演算式として予め記憶している。
図1を参照して、測定対象となる液晶ディスプレイの画面SCが、搬送手段(不図示)によって、撮影範囲RAに送られる。画面SCの全体の色度及び輝度は、同じに設定されている。
図2及び図12を参照して、制御処理部9は、撮像部7を制御して、撮像部7に画面SCの全体のカラー画像を撮影させる(ステップS1)。受光部2は、このカラー画像を示す信号SG1を本体部3に送信し、本体部3は、この信号SG1を受信する(ステップS2)。
露光制御部93は、ステップS2で受信された信号SG1を基にして、ステップS1の撮影が、必要な露光量に到達したと判断したとき、露光を終了する(つまり、ステップS1の撮影を終了させる)。露光制御部93は、この制御において、露光の開始から露光の終了までの露光時間を計測する(ステップS3)。
第1の演算部91は、ステップS2で受信された信号SG1を用いて、画面SCに含まれる複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を演算する(ステップS4)。
図4及び図12を参照して、判定部94は、ステップS3で計測された露光時間を指標値とし、ステップS1でカラー画像が撮影された画面SCが明状態か暗状態か判定する(ステップS5)。
例えば、ステップS3で計測された露光時間がT1とすれば、判定部94は、画面SCが明状態と判定し、ステップS6に進む。制御処理部9は、光学センサ部8を作動させて、光学センサ部8に、画面SC上の所定の測定点P2の色を示す信号SG2を生成させる(ステップS6)。
図2及び図12を参照して、受光部2は、ステップS6で生成された信号SG2を本体部3に送信し、本体部3は、この信号SG2を受信する(ステップS7)。
第2の演算部92は、ステップS7で受信された信号SG2を用いて、所定の測定点P2の三刺激値を演算する(ステップS8)。
補正係数が更新される(ステップS9)。詳しく説明すると、第3の演算部97は、露光時間T1に対応付けられた補正係数を演算する。これは、上述した処理2である。更新部98は、第3の演算部97によって演算された補正係数を用いて、式9〜式17を再計算する。これは、上述した処理3である。更新部98は、再計算した式9〜式17(すなわち、再計算した上記演算式)を用いて、露光時間がT1,T2,T3,T4のそれぞれに対応する補正係数を求め、これらを補正係数の更新値とし、補正係数の更新値と露光時間とを対応付けたルックアップテーブルを作成し、このルックアップテーブルを記憶部95に記憶させる。これにより、図10に示すように、補正係数が更新される。これは、上述した処理4である。
補正部96は、第1の補正を実行する(ステップS10)。すなわち、補正部96は、ステップS8で演算された所定の測定点P2の三刺激値を用いて、ステップS4で演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する。これにより、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値の補正値が得られる。出力部11は、これらの補正値を出力する(ステップS11)。
以上により、第1回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた値に設定にされる。この状態で、二次元測色装置1は、第2回の測色をするために、ステップS1に戻る。第2回の測色のステップS5において、例えば、画面SCが明状態と判定されたとする。二次元測色装置1は、ステップS6、ステップS7及びステップS8を経て、補正係数を更新する(ステップS9)。このときの補正係数が、図13に示される。図13は、補正係数の更新値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの他の例を説明する説明図である。図10と比較して分かるように、補正係数が更新されている。
そして、二次元測色装置1は、第1の補正をする(ステップS10)。これにより、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値の補正値が得られる。出力部11は、これらの補正値を出力する(ステップS11)。以上により、第2回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた設定にされる。この状態で、二次元測色装置1は、第3回の測色をするために、ステップS1に戻る。第3回の測色のステップS5において、例えば、画面SCが暗状態と判定されたとする。
補正部96は、第3回の測色のステップS3で計測された露光時間、及び、直近のルックアップテーブル(この場合、図13に示すルックアップテーブル)を用いて、補正係数を決定する(ステップS12)。例えば、第3回の測色のステップS3で計測された露光時間がT3のとき、補正係数をC3−2と決定する。
補正部96は、第2の補正をする(ステップS13)。すなわち、補正部96は、ステップS12で決定された補正係数を用いて、第3回の測色のステップS4で演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する。これにより、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値の補正値が得られる。出力部11は、これらの補正値を出力する(ステップS14)。以上により、第3回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた設定にされる。この状態で、二次元測色装置1は、次回(第4回)の測色をするために、ステップS1に戻る。
次回の測色において、判定部94が、画面が暗状態と判定したとき、ステップS12〜ステップS14の処理がされ、判定部94が、画面が明状態と判定したとき、ステップS6〜ステップS11の処理がされる。上述したように、画面SCの全体の輝度が段階的に下げられて、各段階において、二次元測色装置1が、画面SCを測色する。従って、判定部94が、ある回の測色で、画面SCが暗状態(ステップS5)と判定すれば、次回の測色において、判定部94は、画面SCが暗状態と判定することになる。しかし、何らかの原因で(例えば、画面SCに設定された輝度よりも、画面SCの実際の輝度が高い場合)、判定部94が、画面SCが明状態と判定する可能性がある。この場合、二次元測色装置1は、ステップS6〜ステップS11の処理をする。
以上説明したように、第1例において、判定部94は、今回の測色において、撮像部7が画面SCのカラー画像を撮影したときの露光時間(ステップS3)を、今回の測色での指標値とし、露光時間が予め定められた値又は予め定められた値より短いとき、画面SCが明状態と判定し、露光時間が予め定められた値より長いとき、画面SCが暗状態と判定する(ステップS5)。
画面SCが暗状態と判定されたとき、補正部96は第2の補正をする(ステップS13)。第3回の測色がこれに該当する。従って、今回(第3回)の測色において、二次元測色装置1は、光学センサ部8を制御する必要がなくなるので、二次元測色装置1の制御部のタスクを減らすことができる。
本実施形態に係る二次元測色装置1の第2例を説明する。第1例では、露光時間を指標値としているが、第2例では、露光時間及び輝度を指標値とする。図14は、本実施形態に係る二次元測色装置1の動作の第2例を説明するフローチャートである。
図2及び図14を参照して、記憶部95には、図4及び図5に示すテーブルが予め記憶されている。更新部98は、上述した処理1を既に実行しており、当初の上記演算式を予め記憶している。第2例では、露光時間及び輝度を指標値とするので、更新部98は、式9〜式26を作成し、これらの式を当初の上記演算式として予め記憶している。
図1を参照して、測定対象となる液晶ディスプレイの画面SCが、搬送手段(不図示)によって、撮影範囲RAに送られる。画面SCの全体の色度及び輝度は、同じに設定されている。
図2及び図14を参照して、制御処理部9は、光学センサ部8を作動させて、光学センサ部8に、画面SC上の所定の測定点P2の色を示す信号SG2を生成させる(ステップS31)。
受光部2は、ステップS31で生成された信号SG2を本体部3に送信し、本体部3は、この信号SG2を受信する(ステップS32)。
第2の演算部92は、ステップS32で受信された信号SG2を用いて、所定の測定点P2の輝度を演算する(ステップS33)。
図2、図5及び図14を参照して、判定部94は、ステップS33で演算された輝度を指標値とし、画面SCが明状態か暗状態か判定する(ステップS34)。画面SCに設定されている輝度の値と、画面SCの実際の輝度とは、誤差があり、スポット測色部13(光学センサ部8を用いる測色)によって、画面SCの正確な輝度が測定される。
例えば、ステップS33で演算された輝度がY1とすれば、判定部94は、画面SCが明状態と判定し、ステップS35に進む。
補正係数が更新される(ステップS35)。詳しく説明すると、第3の演算部97は、輝度Y1に対応付けられた補正係数を演算する。これは、上述した処理2である。更新部98は、第3の演算部97によって演算された補正係数を用いて、式18〜式26を再計算する。これは、上述した処理3である。更新部98は、再計算した式18〜式26(すなわち、再計算した上記演算式)を用いて、輝度がY1,Y2,Y3,Y4のそれぞれに対応する補正係数を求め、これらを補正係数の更新値とし、補正係数の更新値と輝度とを対応付けたルックアップテーブルを作成し、このルックアップテーブルを記憶部95に記憶させる。これにより、図11に示すように、補正係数が更新される。これは、上述した処理4である。
図2及び図14を参照して、第2の演算部92は、ステップS32で受信された、所定の測定点P2の色を示す信号SG2を用いて、所定の測定点P2の三刺激値を演算する(ステップS36)。
制御処理部9は、撮像部7を制御して、撮像部7に画面SCの全体のカラー画像を撮影させる(ステップS37)。受光部2は、このカラー画像を示す信号SG1を本体部3に送信し、本体部3は、この信号SG1を受信する(ステップS38)。
第1の演算部91は、ステップS38で受信された信号SG1を用いて、画面SCに含まれる複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を演算する(ステップS39)。
補正部96は、第1の補正を実行する(ステップS40)。すなわち、補正部96は、ステップS36で演算された所定の測定点P2の三刺激値を用いて、ステップS39で演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する。これにより、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値の補正値が得られる。出力部11は、これらの補正値を出力する(ステップS41)。
以上により、第1回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた設定にされる。この状態で、二次元測色装置1は、第2回の測色をするために、ステップS31に戻る。第2回の測色のステップS34において、例えば、画面SCが暗状態と判定されたとする。
補正部96は、第2回の測色のステップS33で演算された輝度、及び、直近のルックアップテーブル(この場合、図11に示すルックアップテーブル)を用いて、補正係数を決定する(ステップS42)。
制御処理部9は、撮像部7を制御して、撮像部7に画面SCの全体のカラー画像を撮影させる(ステップS43)。受光部2は、このカラー画像を示す信号SG1を本体部3に送信し、本体部3は、この信号SG1を受信する(ステップS44)。
第1の演算部91は、ステップS44で受信された、画面SCのカラー画像を示す信号SG1を用いて、画面SCに含まれる複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を演算する(ステップS45)。
補正部96は、第2の補正をする(ステップS46)。すなわち、補正部96は、ステップS42で決定された補正係数を用いて、第2回の測色のステップS45で演算された複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する。これにより、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値の補正値が得られる。出力部11は、これらの補正値を出力する(ステップS47)。以上により、第2回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた設定にされる。この状態で、二次元測色装置1は、第3回の測色をする。
光学センサ部8を用いる輝度の測定は、画面SCの輝度が下がると、精度が低下する。そこで、第2例では、露光時間を指標値として、画面SCが明状態か暗状態か判定する。すなわち、二次元測色装置1は、第3回の測色をするために、図12に示すステップS1〜ステップS14の処理をする。
第3回の測色のステップS5において、画面SCが暗状態と判定されたとする。二次元測色装置1は、ステップS12〜ステップS14の処理をする。以上により、第3回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた設定にされる。この状態で、二次元測色装置1は、第4回の測色をするために、図12のステップS1に戻る。
一方、第3回の測色のステップS5において、何らかの原因で(例えば、画面SCに設定された輝度よりも、画面SCの実際の輝度が高い場合)、画面SCが明状態と判定されたとする。二次元測色装置1は、ステップS6〜ステップS11の処理をする。以上により、第3回の測色が終了する。そして、画面SCの全体の輝度が少し下げられた状態にされる。この状態で、二次元測色装置1は、第4回の測色をするために、図14のステップS31に戻る。第3回の測色のステップS5において、画面SCが明状態と判定されたからであり、第4回の測色において、画面SCが明状態と判定される可能性があるからである。
以上説明したように、第2例において、判定部94は、今回の測色において、第2の演算部92が演算した輝度(ステップS33)を、今回の測色での指標値とし、輝度が予め定められた値以上のとき、画面SCが明状態と判定し、輝度が予め定められた値より小さいとき、画面SCが暗状態と判定する(ステップS34)。判定部94は、今回の測色において、画面SCが暗状態と判定したとき、次回の測色において、撮像部7が画面SCのカラー画像を撮影したときの露光時間(第2例で説明した図12のステップS3)を、次回の測色での指標値とし、露光時間が予め定められた値又は予め定められた値より短いとき、画面SCが明状態と判定し、露光時間が予め定められた値より長いとき、画面SCが暗状態と判定する(第2例で説明する図12のステップS5)。
画面SCの輝度が比較的高いとき、輝度の測定精度は高いが、画面SCの輝度が比較的低いとき、輝度の測定精度が低くなる。そこで、二次元測色装置1は、当初、輝度を指標値として、測色をし(図14)、ある回(今回)の測色において、画面SCを暗状態と判定したとき、次回の測色において、指標値を輝度から露光時間に変える(第2例で説明する図12)。次回の測色において、第2の補正がされる場合、二次元測色装置1は、光学センサ部8を制御する必要がなくなるので、二次元測色装置1の制御部のタスクを減らすことができる。
なお、判定部94は、今回の測色において、画面SCが明状態と判定したとき、次回の測色において、第2の演算部92が演算した輝度を、次回の測色での指標値として、画面SCが明状態か暗状態かを判定する。
本実施形態の変形例1を説明する。画面SCの特性に関わりなく、補正係数が一律に適用されると、第2の補正において、高精度な補正値を得ることができない。そこで、変形例1は、画面SCの特性に応じて、補正係数が選択できるようにする。
画面SCの特性としては、例えば、画面SCの光源の種類、画面SCと受光部2との距離がある。画面SCの光源の種類とは、例えば、CCFL(cold cathode fluorescent lamp)、O−LED(Organic Light Emitting Diode)がある。図15は、画面SCの光源に応じて定められた、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図16は、画面SCの光源に応じて定められた、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図2に示す記憶部95には、図15及び図16に示すようなルックアップテーブルが予め記憶されている。
例えば、画面SCの光源がCCFLで、輝度がY1の場合、補正係数は、式27となり、画面SCの光源がO−LEDで、輝度がY1の場合、補正係数は、例えば、式28となる。
Figure 2017145994
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画面SCと受光部2との距離は、言い換えれば、画面SCのパネルサイズである。図17は、距離に応じて定められた、補正係数の初期値と露光時間との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図18は、距離に応じて定められた、補正係数の初期値と輝度との関係を示すルックアップテーブルの一例を説明する説明図である。図2に示す記憶部95には、図17及び図18に示すようなルックアップテーブルが予め記憶されている。
第1変形例は、画面SCの特性(例えば、画面SCの光源の種類、画面SCと受光部2との距離)を、入力される操作がされる第1の操作部を備える。図2に示す入力部10が第1の操作部として機能する。図2に示す更新部98は、補正係数の更新値を求めるための演算式を、上記特性に応じて予め複数記憶しており、補正係数を更新する場合(図12のステップS9、図14のステップS35)、第1の操作部に入力された特性に対応付けられた演算式を用いて、補正係数を更新する。例えば、操作者が、第1の操作部を操作して、画面SCの光源の種類として、CCFLを入力したとき、更新部98は、図15に示す補正係数を、D1−0,D2−0,D3−0,D4−0からD1−1,D2−1,D3−1,D4−1に更新する。
本実施形態の第2変形例を説明する。本実施形態では、画面SCが暗状態と判定されたとき(図12のステップS5、図14のステップS34)、一律、第2の補正を実行する(図12のステップS13、図14のステップS46)。第2変形例では、第1の補正か第2の補正かを予め、二次元測色装置1の操作者が選択することができる。
第2変形例は、画面SCが暗状態と判定されたときに、図2に示す補正部96が実行する補正として、第1の補正及び第2の補正のいずれかを予め選択する操作がされる第2の操作部を備える。図2に示す入力部10が第2の操作部として機能する。第1の補正が選択されている状態で、画面SCが暗状態と判定されたとき、補正部96は、第1の補正を実行し、第2の補正が選択されている状態で、画面SCが暗状態と判定されたとき、補正部96は、第2の補正を実行する。
第1の補正は、所定の測定点P2の三刺激値を用いて、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する。第2の補正は、所定の補正係数を用いて、複数の測定点P1のそれぞれの三刺激値を補正する。このため、第1の補正は、第2の補正よりも補正の精度が高い。操作者は、高精度な補正を望む場合、第1の補正を選択し、低輝度の測定時間が長くならないことを望む場合、第2の補正を選択する。
(実施形態の纏め)
本実施形態の第1の局面に係る二次元測色装置は、二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する撮影部と、前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する光学センサ部と、前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する第1の演算部と、前記光学センサ部から出力された、前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する第2の演算部と、前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する判定部と、所定の補正係数を予め記憶する記憶部と、前記第2の演算部によって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、前記記憶部に記憶された前記補正係数を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する補正部と、を備える。
二次元の発光領域の明るさの指標として、例えば、撮像部が二次元の発光領域の全体のカラー画像を撮影するときの露光時間や、光学センサ部から出力された、所定の測定点の色を示す信号を用いて算出される所定の測定点の輝度がある。前者について説明する。二次元の発光領域が明るいとき、露光時間が短くなり、二次元の発光領域が暗いとき、露光時間が長くなる。従って、判定部は、露光時間が予め定められた値又は予め定められた値より短いとき、二次元の発光領域が明状態と判定し、露光時間が予め定められた値より長いとき、二次元の発光領域が暗状態と判定する。後者について説明する。二次元の発光領域が明るいとき、所定の測定点の輝度が大きくなり、二次元の発光領域が暗いとき、所定の測定点の輝度が小さくなる。従って、判定部は、所定の測定点の輝度が、予め定められた値以上のとき、二次元の発光領域が明状態と判定し、所定の測定点の輝度が、予め定められた値より小さいとき、二次元の発光領域が暗状態と判定する。
補正部は、発光領域が明状態のとき、第1の補正を実行する。発光領域が暗くなると(言い換えれば、発光領域の輝度が下がると)、光学センサ部が受光する光量が少なくなるので、測色時間が長くなる。また、光学センサ部を用いる測色は、撮像部を用いる測色よりも測色精度が高いが、発光領域が暗くなると、測色精度が低くなる。そこで、補正部は、発光領域が暗状態のとき、第2の補正を実行する。第2の補正では、光学センサ部を用いた測色を実行せずに、補正係数を用いて、第1の演算部によって演算された複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正する。従って、発光領域の輝度が低い状態でも、測色時間が長くならないようにできる。
以上のように、本実施形態の第1の局面に係る二次元測色装置によれば、二次元の発光領域について、輝度を変えながら測色する場合に、低輝度での測色時間が長くならないようにすることができる。
上記構成において、前記記憶部は、互いに異なる値の複数の前記指標値と、複数の前記指標値のそれぞれに対応付けられた複数の前記補正係数とを予め記憶しており、前記補正部は、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、当該判定に用いられた前記指標値に対応付けられた前記補正係数を用いて、前記第2の補正を実行する。
指標値の大きさに応じて補正係数が異なる場合、補正係数が一つであれば、第2の補正の精度が低下する。この構成によれば、指標値の大きさに応じて割り当てられた補正係数を用いて第2の補正をする。このため、指標値の大きさに応じて補正係数が異なる場合でも、第2の補正の精度が低下することはない。
上記構成において、前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、当該判定に用いられた前記指標値に対応付けられた前記補正係数を演算する第3の演算部と、前記補正係数の更新値を求めるための演算式を予め記憶しており、前記第3の演算部によって演算された前記補正係数を用いて、前記演算式を再計算し、再計算した前記演算式を用いて、複数の前記補正係数の更新値を演算し、前記記憶部に予め記憶する複数の前記補正係数を前記更新値にする更新部と、をさらに備える。
撮像部及び光学センサ部の出力は、これらの温度に応じて変化する。このため、補正係数が固定されていれば、第2の補正の精度が低下するので、補正係数を更新する必要がある。この構成は、判定部によって発光領域が明状態と判定されたとき、更新部は、補正係数を更新する。
上記構成において、前記発光領域の特性を予め入力する操作がされる第1の操作部をさらに備え、前記更新部は、前記演算式を、前記特性に応じて予め複数記憶しており、前記第1の操作部に入力された前記特性に対応付けられた前記演算式を用いて、前記補正係数を更新する。
発光領域の特性としては、例えば、発光領域の光源の種類、発光領域と二次元測色装置の受光部(撮像部及び光学センサ部)との距離がある。発光領域の特性に関わりなく、補正係数が一律に適用されると、第2の補正において、高精度な補正値を得ることができない。そこで、この構成によれば、発光領域の特性に応じて、補正係数が選択できるようにする。
上記構成において、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたときに、前記補正部が実行する補正として、前記第1の補正及び前記第2の補正のいずれかを予め選択する操作がされる第2の操作部と、前記第2の操作部が操作されて前記第1の補正が選択されている状態で、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記補正部は、前記第1の補正を実行し、前記第2の操作部が操作されて前記第2の補正が選択されている状態で、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記補正部は、前記第2の補正を実行する。
上述したように、第1の補正は、所定の測定点の三刺激値を用いて、複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正する。第2の補正は、所定の補正係数を用いて、複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正する。このため、第1の補正は、第2の補正よりも補正の精度が高い。二次元測色装置の操作者は、高精度な補正を望む場合、第1の補正を選択し、低輝度の測定時間が長くならないことを望む場合、第2の補正を選択する。
上記構成において、前記判定部は、今回の測色において、前記撮像部が前記発光領域のカラー画像を撮影したときの前記露光時間を、前記今回の測色での前記指標値とし、前記露光時間が前記予め定められた値又は前記予め定められた値より短いとき、前記発光領域が前記明状態と判定し、前記露光時間が前記予め定められた値より長いとき、前記発光領域が前記暗状態と判定する。
この構成は、発光領域の全体の輝度が段階的に変えられて、各段階において、二次元測色装置が、発光領域を測色することを前提とする。各段階の測色が一回の測色である。この構成は、今回の測色において、撮像部が発光領域のカラー画像を撮影したときの露光時間を、今回の測色での指標値とする。判定部が、この指標値を基にして発光領域を暗状態と判定したとき、補正部は第2の補正をする。従って、今回の測色において、二次元測色装置は、光学センサ部を制御する必要がなくなるので、二次元測色装置の制御部のタスクを減らすことができる。
上記構成において、前記第2の演算部は、前記光学センサ部から出力された前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の輝度を演算し、前記判定部は、今回の測色において、前記第2の演算部が演算した前記輝度を、前記今回の測色での前記指標値とし、前記輝度が前記予め定められた値以上のとき、前記発光領域が前記明状態と判定し、前記輝度が前記予め定められた値より小さいとき、前記発光領域が前記暗状態と判定し、前記判定部は、前記今回の測色において、前記発光領域が前記暗状態と判定したとき、次回の測色において、前記撮像部が前記発光領域のカラー画像を撮影したときの前記露光時間を、前記次回の測色での前記指標値とし、前記露光時間が前記予め定められた値又は前記予め定められた値より短いとき、前記発光領域が前記明状態と判定し、前記露光時間が前記予め定められた値より長いとき、前記発光領域が前記暗状態と判定する。
この構成は、発光領域の全体が、ある色度に固定された状態で、発光領域の全体の輝度が高い値から低い値へ段階的に下げられて、各段階において、二次元測色装置が、発光領域を測色することを前提とする。各段階の測色が一回の測色である。発光領域の輝度が比較的高いとき、輝度の測定精度は高いが、発光領域の輝度が比較的低いとき、輝度の測定精度が低くなる。そこで、二次元測色装置は、当初、輝度を指標値として、測色をし、ある回(今回)の測色において、発光領域を暗状態と判定したとき、次回の測色において、指標値を輝度から露光時間に変える。次回の測色において、第2の補正がされる場合、二次元測色装置は、光学センサ部を制御する必要がなくなるので、二次元測色装置の制御部のタスクを減らすことができる。
上記構成において、前記発光領域からの光を二分割する光分割部をさらに備え、前記撮影部は、前記二分割された一方の光の光路に配置されており、前記光学センサ部は、前記二分割された他方の光の光路に配置されている。
この構成では、光分割部で二分割された一方の光が撮像部で受光され、他方の光が光学センサ部で受光されるので、撮像部及び光学センサ部で受光される光量は、より少なくなる。このため、発光領域の輝度が低いとき、測色時間がより長くなる。本発明の第1の局面に係る二次元測色装置によれば、発光領域が暗状態のとき、第2の補正をするので、このような構成であっても、測色時間が長くならないようにすることができる。
本実施形態の第2の局面に係る二次元測色システムは、二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する撮影部、及び、前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する光学センサ部を含む受光部と、前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する第1の演算部、前記光学センサ部から出力された、前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する第2の演算部、前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する判定部、所定の補正係数を予め記憶する記憶部、及び、前記第2の演算部によって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、前記記憶部に記憶された前記補正係数を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する補正部を含む本体部と、を備える。
本実施形態の第2の局面は、本実施形態の第1の局面と同様の作用効果を有する。
本実施形態の第3の局面に係る二次元測色方法は、二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する撮影部と、前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する光学センサ部と、を含む二次元測色装置を用いた二次元測色方法であって、前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する第1のステップと、前記光学センサ部から出力された前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する第2のステップと、前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する第3のステップと、前記第2のステップによって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1のステップによって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、所定の補正係数を用いて、前記第1のステップによって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記第3のステップによって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記第3のステップによって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する第4のステップと、を備える。
本実施形態の第3の局面は、本実施形態の第1の局面と同様の作用効果を有する。
この出願は、2016年2月24日に出願された日本国特許出願特願2016−33122を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、二次元測色装置、二次元測色システム及び二次元測色方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. 二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する撮影部と、
    前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する光学センサ部と、
    前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する第1の演算部と、
    前記光学センサ部から出力された、前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する第2の演算部と、
    前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する判定部と、
    所定の補正係数を予め記憶する記憶部と、
    前記第2の演算部によって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、前記記憶部に記憶された前記補正係数を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する補正部と、を備える二次元測色装置。
  2. 前記記憶部は、互いに異なる値の複数の前記指標値と、複数の前記指標値のそれぞれに対応付けられた複数の前記補正係数とを予め記憶しており、
    前記補正部は、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、当該判定に用いられた前記指標値に対応付けられた前記補正係数を用いて、前記第2の補正を実行する請求項1に記載の二次元測色装置。
  3. 前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、当該判定に用いられた前記指標値に対応付けられた前記補正係数を演算する第3の演算部と、
    前記補正係数の更新値を求めるための演算式を予め記憶しており、前記第3の演算部によって演算された前記補正係数を用いて、前記演算式を再計算し、再計算した前記演算式を用いて、複数の前記補正係数の更新値を演算し、前記記憶部に予め記憶する複数の前記補正係数を前記更新値にする更新部と、をさらに備える請求項2に記載の二次元測色装置。
  4. 前記発光領域の特性を予め入力する操作がされる第1の操作部をさらに備え、
    前記更新部は、前記演算式を、前記特性に応じて予め複数記憶しており、前記第1の操作部に入力された前記特性に対応付けられた前記演算式を用いて、前記補正係数を更新する請求項3に記載の二次元測色装置。
  5. 前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたときに、前記補正部が実行する補正として、前記第1の補正及び前記第2の補正のいずれかを予め選択する操作がされる第2の操作部と、
    前記第2の操作部が操作されて前記第1の補正が選択されている状態で、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記補正部は、前記第1の補正を実行し、前記第2の操作部が操作されて前記第2の補正が選択されている状態で、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記補正部は、前記第2の補正を実行する請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次元測色装置。
  6. 前記判定部は、今回の測色において、前記撮像部が前記発光領域のカラー画像を撮影したときの前記露光時間を、前記今回の測色での前記指標値とし、前記露光時間が前記予め定められた値又は前記予め定められた値より短いとき、前記発光領域が前記明状態と判定し、前記露光時間が前記予め定められた値より長いとき、前記発光領域が前記暗状態と判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次元測色装置。
  7. 前記第2の演算部は、前記光学センサ部から出力された前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の輝度を演算し、
    前記判定部は、今回の測色において、前記第2の演算部が演算した前記輝度を、前記今回の測色での前記指標値とし、前記輝度が前記予め定められた値以上のとき、前記発光領域が前記明状態と判定し、前記輝度が前記予め定められた値より小さいとき、前記発光領域が前記暗状態と判定し、
    前記判定部は、前記今回の測色において、前記発光領域が前記暗状態と判定したとき、次回の測色において、前記撮像部が前記発光領域のカラー画像を撮影したときの前記露光時間を、前記次回の測色での前記指標値とし、前記露光時間が前記予め定められた値又は前記予め定められた値より短いとき、前記発光領域が前記明状態と判定し、前記露光時間が前記予め定められた値より長いとき、前記発光領域が前記暗状態と判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次元測色装置。
  8. 前記発光領域からの光を二分割する光分割部をさらに備え、
    前記撮影部は、前記二分割された一方の光の光路に配置されており、
    前記光学センサ部は、前記二分割された他方の光の光路に配置されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次元測色装置。
  9. 二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する撮影部、及び、前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する光学センサ部を含む受光部と、
    前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する第1の演算部、前記光学センサ部から出力された、前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する第2の演算部、前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する判定部、所定の補正係数を予め記憶する記憶部、及び、前記第2の演算部によって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、前記記憶部に記憶された前記補正係数を用いて、前記第1の演算部によって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記判定部によって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記判定部によって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する補正部を含む本体部と、
    を備える二次元測色システム。
  10. 二次元撮像素子を含み、測定対象となる二次元の発光領域のカラー画像を撮影する撮影部と、前記発光領域に含まれる所定の測定点からの光を受光し、前記所定の測定点の色を示す信号を出力する光学センサ部と、を含む二次元測色装置を用いた二次元測色方法であって、
    前記撮像部から出力された前記発光領域のカラー画像を示す信号を用いて、前記発光領域に含まれる複数の測定点のそれぞれの三刺激値を演算する第1のステップと、
    前記光学センサ部から出力された前記所定の測定点の色を示す信号を用いて、前記所定の測定点の三刺激値を演算する第2のステップと、
    前記発光領域の明るさを示す指標値が予め定められた値の場合を基準にして、前記発光領域が明るい状態を示す明状態と、前記明状態より前記発光領域が暗い状態を示す暗状態とに分け、前記指標値を用いて前記発光領域が前記明状態か前記暗状態かを判定する第3のステップと、
    前記第2のステップによって演算された前記所定の測定点の三刺激値を用いて、前記第1のステップによって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第1の補正とし、所定の補正係数を用いて、前記第1のステップによって演算された前記複数の測定点のそれぞれの三刺激値を補正することを第2の補正とし、前記第3のステップによって前記発光領域が前記明状態と判定されたとき、前記第1の補正を実行し、前記第3のステップによって前記発光領域が前記暗状態と判定されたとき、前記第2の補正を実行する第4のステップと、を備える二次元測色方法。
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