JP2007322203A - 三刺激値直読型計測器の校正方法、校正システム、色測定方法、色測定装置、および三刺激値直読型計測器 - Google Patents

三刺激値直読型計測器の校正方法、校正システム、色測定方法、色測定装置、および三刺激値直読型計測器 Download PDF

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Abstract

【課題】分光型計測器に合わせた高精度の測定を可能とする三刺激値直読型計測器の校正方法を提供する。
【解決手段】校正方法は、基準となるリファレンス光源の明るさを複数段階に変化させ、リファレンス光源の明るさ毎に分光型計測器および三刺激値直読型計測器を用いて計測し、分光型計測器にて生成される分光スペクトルおよび三刺激値直読型計測器の計測値を取得する計測工程S3と、リファレンス光源の明るさ毎の分光スペクトル、三刺激値直読型計測器の分光透過特性および分光感度特性に基づいて、リファレンス光源の明るさ毎に、三刺激値直読型計測器固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出工程S8と、リファレンス光源の明るさ毎の計測値および仮想照度に基づいて、三刺激値直読型計測器の計測値を仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出工程S9とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、分光型計測器に合わせた高精度の測定を可能とする三刺激値直読型計測器の校正方法、校正システム、色測定方法、色測定装置、および三刺激値直読型計測器に関する。
従来、プロジェクタなどの画像表示装置における表示画像の品質を検査するために、安価でかつ測定時間の短い三刺激値直読型計測器が用いられている。
この三刺激値直読型計測器としては、複数の光学フィルタと、各光学フィルタに対応して設けられるフォトダイオード等の複数の受光素子とを備え、光学フィルタの分光透過特性、および受光素子の分光感度特性により決定される分光応答度に応じた計測値を出力する構成とされている。
そして、三刺激値直読型計測器において、分光応答度が等色関数と一致するように、光学フィルタや受光素子を設計することは困難である。すなわち、分光応答度と等色関数との差異により、三刺激値直読型計測器にて得られる計測値は、例えば等色関数に準拠した分光型計測器により得られる計測値(基準測定値)と誤差が生じてしまう。
このような分光応答度と等色関数との差異を埋める一般的な方法として、分光型計測器を用いて三刺激値直読型計測器の校正を行う方法が知られている。
例えば、校正用の光源を、三刺激値直読型計測器および分光型計測器で計測し、各計測器の出力を比較し、三刺激値直読型計測器の計測値が分光型計測器の基準測定値に一致するような色変換パラメータ(例えば、色変換マトリクス)を求めて記憶しておく。そして、測定対象を三刺激値直読型計測器にて実測する際に、三刺激値直読型計測器の計測値を色変換パラメータで補正し、補正した計測値を測定値として出力する。
しかしながら、分光応答度と等色関数とに差異が生じている場合、分光型計測器の基準測定値に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係は、スペクトル形状の異なる光源毎に異なるものとなり、一意の関係(1対1の関係)にならない。このため、校正用の光源と同一のスペクトル形状の光源を計測した場合には測定値と分光型計測器の基準測定値とを一致させることができるが、校正用の光源とスペクトル形状の異なる光源を計測した場合には測定値と分光型計測器の基準測定値とを一致させることができない。すなわち、スペクトル形状の差異により、測定値と基準測定値とに誤差が生じてしまう。
そこで、スペクトル形状の差異により生じる前記誤差を低減させるために、色変換パラメータ(校正値)を光源の波長毎に複数設定しておき、三刺激値直読型計測器の計測値を光源の波長に応じた色変換パラメータを用いて補正し、補正した計測値を測定値として出力するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−324386号公報
ところで、三刺激値直読型計測器の受光素子や回路内のアンプ等は、光源の明るさに対して非線形に信号出力するものである。すなわち、三刺激値直読型計測器は、光源の明るさに対して非線形な特性を有している。このため、分光型計測器の基準測定値に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係は、非線形な関係となる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、三刺激値直読型計測器における明るさに対する非線形な特性に対応していない。すなわち、特許文献1に記載の技術では、校正時の光源の明るさと同一の明るさの光源を計測した場合には測定値と分光型計測器の基準測定値とを一致させることができるが、校正時の光源の明るさと異なる明るさの光源を計測した場合には測定値と分光型計測器の基準測定値とを一致させることができない。すなわち、明るさの差異により、測定値と基準測定値とに誤差が生じてしまう。
このため、スペクトル形状の差異や明るさの差異に対応して分光型計測器に合わせた高精度の測定を可能とする技術が要望されている。
本発明の目的は、分光型計測器に合わせた高精度の測定を可能とする三刺激値直読型計測器の校正方法、校正システム、色測定方法、色測定装置、および三刺激値直読型計測器を提供することにある。
本発明の三刺激値直読型計測器の校正方法は、基準となるリファレンス光源の明るさを複数段階に変化させ、前記リファレンス光源の明るさ毎に分光型計測器および三刺激値直読型計測器を用いて計測し、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルおよび前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する計測工程と、前記リファレンス光源の明るさ毎の前記分光スペクトル、前記三刺激値直読型計測器の各光学フィルタの分光透過特性、および前記三刺激値直読型計測器の各受光素子の分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさ毎に、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出工程と、前記リファレンス光源の明るさ毎の前記計測値および前記仮想照度に基づいて、前記三刺激値直読型計測器の計測値を前記仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出工程とを備えていることを特徴とする。
本発明では、仮想照度算出工程にて、計測工程にて取得したリファレンス光源の明るさ毎の分光スペクトル、分光透過特性、および分光感度特性に基づいて、リファレンス光源の明るさ毎に、三刺激値直読型計測器固有の色空間での仮想照度(明るさ)を算出する。ここで、計測値は、分光透過特性および分光感度特性にて決定される分光応答度に応じた三刺激値直読型計測器固有の色空間での値であり、仮想照度も分光応答度に応じた三刺激値直読型計測器固有の色空間での値であるため、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係は、スペクトル形状の異なる光源においても、一意の関係となる。
また、補正パラメータ算出工程にて、計測工程にて取得したリファレンス光源の明るさ毎の計測値、および仮想照度算出工程にて算出したリファレンス光源の明るさ毎の仮想照度に基づいて、三刺激値直読型計測器の計測値を仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する。この補正パラメータを算出することで、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係を明らかにし、すなわち、明るさに対する三刺激値直読型計測器の非線形な特性を明らかにすることができる。
以上の校正方法により補正パラメータを算出しておけば、測定対象の実測時において、測定対象を計測した三刺激値直読型計測器の計測値を補正パラメータにより一旦、仮想照度に近似し、近似した仮想照度を、三刺激値直読型計測器固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータを用いて色変換することで、分光型計測器の基準測定値に対して誤差の低減した測定値を算出できる。すなわち、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係を、スペクトル形状の異なる光源においても、一意の関係としかつ、明るさに対する三刺激値直読型計測器の非線形な特性を明らかにした状態で、測定値を算出できる。したがって、スペクトル形状の差異や明るさの差異に対応して測定値と分光型計測器の基準測定値との誤差を低減し、分光型計測器に合わせた高精度の測定を可能とする。
本発明の校正方法では、前記計測工程は、前記リファレンス光源の明るさを複数段階に変化させるとともに、前記リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させ、前記リファレンス光源の明るさおよびスペクトル形状毎に前記分光型計測器および前記三刺激値直読型計測器を用いて計測し、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルおよび基準色空間での基準測定値と前記三刺激値直読型計測器の計測値とを取得し、前記仮想照度算出工程は、前記リファレンス光源の明るさおよびスペクトル形状毎の前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさおよびスペクトル形状毎に、前記仮想照度を算出し、前記リファレンス光源の所定の明るさでの前記3段階のスペクトル形状の前記仮想照度および前記基準測定値に基づいて、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間を前記基準色空間に変換するための色変換パラメータを算出する色変換パラメータ算出工程を備えていることが好ましい。
ここで、計測工程において、リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させる場合には、同一のリファレンス光源を用いて例えば赤、緑、青等のスペクトル形状の異なる光を射出させてもよいし、スペクトル形状の異なる3つのリファレンス光源を切り替えてもよい。
本発明では、計測工程および仮想照度算出工程にてリファレンス光源の明るさを複数段階に変化させかつ、リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させながら、明るさおよびスペクトル形状毎に、分光スペクトル、基準測定値、計測値、および仮想照度を取得・算出する。そして、色変換パラメータ算出工程にて、リファレンス光源の所定の明るさでの3段階のスペクトル形状の各仮想照度および各基準測定値に基づいて、三刺激値直読型計測器固有の色空間を基準色空間に変換するための色変換パラメータ(例えば、色変換マトリクス)を算出する。したがって、測定対象の実測時において、補正パラメータにより一旦、近似した仮想照度(計測値)を、前記色変換パラメータにより色変換することで、分光型計測器の基準測定値に対してより誤差の低減した測定値を算出できる。
また、上述した校正方法によれば、計測工程、仮想照度算出工程、補正パラメータ算出工程、および色変換パラメータ算出工程の一連の工程で補正パラメータおよび色変換パラメータを迅速に算出できる。
本発明の校正方法では、前記色変換パラメータ算出工程は、前記リファレンス光源の複数段階の明るさのうち最大の明るさでの前記3段階のスペクトル形状の前記仮想照度および前記基準測定値に基づいて前記色変換パラメータを算出することが好ましい。
本発明によれば、色変換パラメータ算出工程は、最大の明るさでの3段階のスペクトル形状の各仮想照度および各基準測定値に基づいて色変換パラメータを算出するので、すなわち、色座標が最も離れた各仮想照度および各基準測定値に基づいて色変換パラメータを算出するので、色変換精度の高い色変換パラメータを算出できる。したがって、測定対象の実測時において、補正パラメータにより一旦、近似した仮想照度(計測値)を、前記色変換パラメータにより色変換することで、分光型計測器の基準測定値に対してさらに誤差の低減した測定値を算出できる。
本発明の校正方法では、前記リファレンス光源は、赤、緑、青のスペクトル形状の異なる光を射出可能に構成され、前記計測工程は、前記リファレンス光源から射出される光を赤、緑、青に変化させて前記リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させることが好ましい。
本発明では、計測工程は、リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させる際、リファレンス光源から射出される光を赤、緑、青の3段階に変化させる。このことにより、例えば、スペクトル形状の異なる3つのリファレンス光源を切り替える工程と比較して、同一のリファレンス光源を用いることができ、計測工程を迅速に実施でき、ひいては、三刺激値直読型計測器の校正を短時間で完了できる。
本発明の三刺激値直読型計測器の校正システムは、校正対象となる三刺激値直読型計測器と、基準となるリファレンス光源と、入射した光の分光スペクトルを生成する分光型計測器と、前記三刺激値直読型計測器、前記リファレンス光源、および前記分光型計測器を制御する校正制御装置とを備え、前記校正制御装置は、前記リファレンス光源を駆動制御するリファレンス光源制御部と、前記リファレンス光源の明るさが複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記分光型計測器に計測させ、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルを取得するスペクトル取得部と、前記リファレンス光源の明るさが前記複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記三刺激値直読型計測器に計測させ、前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する校正用計測値取得部と、前記三刺激値直読型計測器の各光学フィルタの分光透過特性、および前記三刺激値直読型計測器の各受光素子の分光感度特性に関する特性情報を記憶する特性情報記憶部と、前記リファレンス光源の明るさ毎の前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさ毎に、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出部と、前記リファレンス光源の明るさ毎の前記計測値および前記仮想照度に基づいて、前記三刺激値直読型計測器の計測値を前記仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部とを備えていることを特徴とする。
本発明の校正システムによれば、三刺激値直読型計測器、リファレンス光源、および分光型計測器を制御する校正制御装置が、リファレンス光源制御部、スペクトル取得部、校正用計測値取得部、特性情報記憶部、仮想照度算出部、および補正パラメータ算出部を備えているので、該校正システムにより上述した校正方法を実行でき、上述した校正方法と同様の作用効果を享受できる。
本発明の三刺激値直読型計測器の校正システムは、校正対象となる三刺激値直読型計測器と、基準となるリファレンス光源と、入射した光の分光スペクトルを生成する分光型計測器とを備え、前記三刺激値直読型計測器は、計測器本体と、前記計測器本体、前記リファレンス光源、および前記分光型計測器を制御する校正制御装置とを備え、前記校正制御装置は、前記リファレンス光源を駆動制御するリファレンス光源制御部と、前記リファレンス光源の明るさが複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記分光型計測器に計測させ、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルを取得するスペクトル取得部と、前記リファレンス光源の明るさが前記複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記計測器本体に計測させ、前記計測器本体の計測値を取得する校正用計測値取得部と、前記計測器本体の各光学フィルタの分光透過特性、および前記計測器本体の各受光素子の分光感度特性に関する特性情報を記憶する特性情報記憶部と、前記リファレンス光源の明るさ毎の前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさ毎に、前記計測器本体固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出部と、前記リファレンス光源の明るさ毎の前記計測値および前記仮想照度に基づいて、前記計測器本体の計測値を前記仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部とを備えていることを特徴とする。
本発明の校正システムによれば、三刺激値直読型計測器が、計測器本体と、計測器本体、リファレンス光源、および分光型計測器を制御する校正制御装置とを備え、校正制御装置が、リファレンス光源制御部、スペクトル測定値取得部、校正用計測値取得部、特性情報記憶部、仮想照度算出部、および補正パラメータ算出部を備えているので、該校正システムにより上述した校正方法を実行でき、上述した校正方法と同様の作用効果を享受できる。
また、三刺激値直読型計測器に校正制御装置が組み込まれた構成であるので、三刺激値直読型計測器とは別に校正制御装置を設ける構成と比較して、校正時の作業スペースの効率化が図れ、利便性の向上が図れる。
本発明の色測定方法は、三刺激値直読型計測器を用いて測定対象から出力される光を計測し、前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する実測用計測値取得工程と、上述した校正方法において予め算出されている補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出工程と、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータを用いて前記補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力工程とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、色測定方法は、実測用計測値取得工程、補正計測値算出工程、および測定値出力工程を備えているので、上述した校正方法にて予め算出されている補正パラメータを用いて、測定対象を計測した三刺激値直読型計測器の計測値を一旦、仮想照度(補正計測値)に近似し、近似した補正計測値を、三刺激値直読型計測器固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータを用いて色変換することで、分光型計測器の基準測定値に対して誤差の低減した測定値を算出できる。すなわち、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係を、スペクトル形状の異なる光源においても、一意の関係としかつ、明るさに対する三刺激値直読型計測器の非線形な特性を明らかにした状態で、測定値を算出できる。したがって、スペクトル形状の差異や明るさの差異に対応して測定値と分光型計測器の基準測定値との誤差を低減し、分光型計測器に合わせた高精度の測定を可能とする。
本発明の色測定装置は、測定対象から出力される光を計測する三刺激値直読型計測器と、前記三刺激値直読型計測器から出力される計測値に基づいて測定値を出力する測定制御装置とを備え、前記測定制御装置は、上述した校正方法において予め算出された補正パラメータ、および前記三刺激値直読型計測器固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータが記憶されたパラメータ記憶部と、前記測定対象から出力される光を前記三刺激値直読型計測器に計測させ、前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する実測用計測値取得部と、前記補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出部と、前記色変換パラメータを用いて前記補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力部とを備えていることを特徴とする。
本発明の色測定装置によれば、三刺激値直読型計測器から出力される計測値に基づいて測定値を出力する測定制御装置が、パラメータ記憶部、実測用計測値取得部、補正計測値算出部、および測定値出力部を備えているので、該色測定装置により上述した色測定方法を実行でき、上述した色測定方法と同様の作用効果を享受できる。
本発明の三刺激値直読型計測器は、測定対象から出力される光を計測する計測器本体と、前記計測器本体から出力される計測値に基づいて測定値を出力する測定制御装置とを備え、前記測定制御装置は、上述した校正方法において予め算出された補正パラメータ、および前記計測器本体固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータが記憶されたパラメータ記憶部と、前記測定対象から出力される光を前記計測器本体に計測させ、前記計測器本体から出力される計測値を取得する実測用計測値取得部と、前記補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出部と、前記色変換パラメータを用いて前記補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力部とを備えていることを特徴とする。
本発明の三刺激値直読型計測器によれば、計測器本体から出力される計測値に基づいて測定値を出力する測定制御装置が、パラメータ記憶部、実測用計測値取得部、補正計測値算出部、および測定値出力部を備えているので、該三刺激値直読型計測器により上述した色測定方法を実行でき、上述した色測定方法と同様の作用効果を享受できる。
また、三刺激値直読型計測器に測定制御装置が組み込まれた構成であるので、三刺激値直読型計測器とは別に測定制御装置を設ける構成と比較して、実測時の作業スペースの効率化が図れ、利便性の向上が図れる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔校正システムの構成〕
図1は、第1実施形態における校正システム1の構成を示すブロック図である。
校正システム1は、三刺激値直読型計測器2を校正するシステムである。この校正システム1は、図1に示すように、校正対象である三刺激値直読型計測器2と、分光型計測器3と、校正ステージ4と、リファレンス光源としてのプロジェクタ5と、パーソナルコンピュータ(PC)6とを備える。
図2は、三刺激値直読型計測器2の構成を示すブロック図である。
三刺激値直読型計測器2は、図2に示すように、赤(RED)、緑(GREEN)、青(BLUE)の3種類の光学フィルタ21R,21G,21Bと、受光素子22R,22G,22Bと、電流/電圧変換回路(I/V変換回路)23R,23G,23Bと、増幅回路24R,24G,24Bと、アナログ/デジタル変換回路(A/D変換回路)25R,25G,25Bと、制御回路26と、記憶回路27とを備えて構成されている。
図3は、光学フィルタ21R,21G,21Bの分光透過特性SR(λ),SG(λ),SB(λ)を示す図である。なお、図3において、各特性SR(λ),SG(λ),SB(λ)は、最大値を1に正規化したものである。
光学フィルタ21R,21G,21Bは、図3に示すように、波長λ(380nm〜780nm)に対し、それぞれSR(λ),SG(λ),SB(λ)の分光透過特性を有している。そして、光学フィルタ21R,21G,21Bは、入射した光のうち、各分光透過特性SR(λ),SG(λ),SB(λ)に応じた光を透過する。
図4は、受光素子22R,22G,22Bの分光感度特性T(λ)を示す図である。なお、図4において、特性T(λ)は、最大値を1に正規化したものである。
受光素子22R,22G,22Bは、フォトダイオード等で構成され、光学フィルタ21R,21G,21Bに対応して設けられている。そして、受光素子22R,22G,22Bは、図4に示すように、波長λ(380nm〜780nm)に対しT(λ)の分光感度特性を有し、各光学フィルタ21R,21G,21Bを透過した光が照射されると、分光感度特性T(λ)に基づく受光感度の強さに応じた信号(電流)を出力する。
I/V変換回路23R,23G,23Bは、各受光素子22R,22G,22Bに接続され、受光素子22R,22G,22Bから出力される電流を電圧に変換する。
増幅回路24R,24G,24Bは、各I/V変換回路23R,23G,23Bに接続され、各I/V変換回路23R,23G,23Bから出力される電圧を増幅する。
A/D変換回路25R,25G,25Bは、増幅回路24R,24G,24Bで増幅された電圧(アナログ値)をデジタル値に変換し、制御回路26に出力する。
制御回路26は、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、A/D変換回路25R,25G,25Bから出力されるデジタル値(計測値)をPC6に出力する処理等を実施する。
記憶回路27は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリや、ハードディスク等で構成され、前記CPUを駆動するためのプログラムや、処理によって得られたデータ等を記憶する。
以上の三刺激値直読型計測器2では、光学フィルタ21R、受光素子22R、I/V変換回路23R、増幅回路24R、A/D変換回路25Rを備えてR(赤)用のセンサが構成され、光学フィルタ21G、受光素子22G、I/V変換回路23G、増幅回路24G、A/D変換回路25Gを備えてG(緑)用のセンサが構成され、光学フィルタ21B、受光素子22B、I/V変換回路23B、増幅回路24B、A/D変換回路25Bを備えてB(青)用のセンサが構成されている。
分光型計測器3は、従来から用いられている公知の分光型の色測定装置であり、入射した光の分光スペクトルおよび基準色空間(CIE XYZ色空間)での基準測定値(三刺激値XYZ)を生成する。
校正ステージ4は、三刺激値直読型計測器2および分光型計測器3を載置するステージであり、PC6による制御の下、スライド移動可能に構成されている。そして、これにより、校正ステージ4上の三刺激値直読型計測器2および分光型計測器3を、プロジェクタ5の正面に交互に配置可能に構成されている。
プロジェクタ5は、液晶素子を利用した一般的なプロジェクタであり、PC6による制御(後述する校正制御)の下、駆動制御される。
図5は、PC6の構成を示すブロック図である。
PC6は、図5に示すように、CRT(Cathode-Ray Tube)や液晶ディスプレイ等で構成された表示装置61と、キーボードやマウス等で構成された入力装置62と、PC本体63とを備える。
PC本体63は、CPU等の演算処理装置を含んで構成され、作業者による入力装置62への所定の入力操作により所定のプログラムにしたがって処理を実行する。このPC本体63は、図5に示すように、校正制御部631と、測定制御部632等を備える。なお、測定制御部632の構成については、後述する色測定装置10を説明する際に、説明する。
校正制御部631は、所定のプログラムにしたがって、測定対象の色測定を実施する前に予め三刺激値直読型計測器2の計測値を補正するための補正パラメータおよび色変換パラメータを算出する校正制御を実施する。この校正制御部631は、図5に示すように、校正ステージ4の移動を制御するステージ制御部6311と、プロジェクタ5の駆動状態を制御するリファレンス光源制御部6312と、分光型計測器3にて生成される分光スペクトルおよび基準測定値を取得するスペクトル取得部6313と、三刺激値直読型計測器2の計測値を取得する校正用計測値取得部6314と、前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて仮想照度を算出する仮想照度算出部6315と、前記計測値および前記仮想照度に基づいて補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部6316と、前記基準測定値および前記仮想照度に基づいて色変換パラメータを算出する色変換パラメータ算出部6317と、校正制御を実施するためのプログラム、校正制御に必要な情報(前記分光透過特性や前記分光感度特性に関する特性情報等)、および校正制御の際、取得・算出した情報等を記憶する特性情報記憶部としての校正制御情報記憶部6318とを備える。
すなわち、校正制御部631が本発明に係る校正制御装置に相当する。
〔色測定装置の構成〕
図6は、色測定装置10の構成を示すブロック図である。
色測定装置10は、例えば、三刺激値、色度、照度、あるいは、輝度を測定表示する色彩計、照度計、あるいは、輝度計として用いられる装置である。この色測定装置10は、図6に示すように、測定対象となるプロジェクタ5Aから射出される光を三刺激値直読型計測器2に計測させ、三刺激値直読型計測器2の計測値をPC6にて所定の処理を実行して測定値を算出する。なお、プロジェクタ5Aの構成は、上述したプロジェクタ5と同様の構成である。すなわち、色測定装置10は、図6に示すように、三刺激値直読型計測器2と、PC6(測定制御部632)とで構成される。
測定制御部632は、所定のプログラムにしたがって、プロジェクタ5Aから射出された光を計測した三刺激値直読型計測器2の計測値を、前記補正パラメータおよび前記色変換パラメータを用いて補正して測定値(三刺激値XYZ)を出力する測定制御を実施する。この測定制御部632は、図5に示すように、プロジェクタ5Aの駆動状態を制御する測定対象制御部6321と、測定制御を実施するためのプログラム、校正制御部631にて予め算出された補正パラメータおよび色変換パラメータ、および測定制御の際、取得・算出した情報等を記憶するパラメータ記憶部としての測定制御情報記憶部6325と、プロジェクタ5Aから射出される光を計測した三刺激値直読型計測器2の計測値を取得する実測用計測値取得部6322と、補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出部6323と、色変換パラメータを用いて補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力部6324とを備える。
すなわち、測定制御部632が本発明に係る測定制御装置に相当する。
〔校正方法〕
次に、上述した校正システム1による三刺激値直読型計測器2の校正方法を説明する。
図7は、校正システム1による三刺激値直読型計測器2の校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、作業者は、PC6の入力装置62に、「三刺激値直読型計測器2の校正作業を開始する」旨の入力操作を実施する。そして、PC本体63の校正制御部631は、入力装置62から出力される操作信号に応じて、校正制御情報記憶部6318からプログラムを読み出し、以下に示すように、校正制御を実施する。
校正制御部631のリファレンス光源制御部6312は、プロジェクタ5を駆動制御し、プロジェクタ5の明るさi(i=1,・・・n)を所定の明るさ1に設定するとともに(ステップS1)、赤(RED)を点灯させる(ステップS2)。なお、明るさiは、それぞれ異なる明るさである。また、nは2以上であればよい。
ステップS2の後、校正制御部631は、三刺激値直読型計測器2および分光型計測器3にプロジェクタ5から射出される光を計測させる(ステップS3:計測工程)。
図8は、計測工程S3を説明するフローチャートである。
具体的に、校正制御部631のステージ制御部6311は、三刺激値直読型計測器2がプロジェクタ5の正面に来るように校正ステージ4をスライドする(ステップS31)。
そして、校正制御部631の校正用計測値取得部6314は、プロジェクタ5から射出される光を三刺激値直読型計測器2に計測させ、三刺激値直読型計測器2の計測値を取得する(ステップS32)。そして、校正用計測値取得部6314は、取得した計測値を校正制御情報記憶部6318に記憶させる。
ステップS32の後、ステージ制御部6311は、分光型計測器3がプロジェクタ5の正面に来るように校正ステージ4をスライドする(ステップS33)。
ステップS33の後、校正制御部631のスペクトル取得部6313は、プロジェクタ5から射出される光を分光型計測器3に計測させ、分光型計測器3にて生成される分光スペクトルおよび基準測定値を取得する(ステップS34)。そして、スペクトル取得部6313は、取得した分光スペクトルおよび基準測定値を校正制御情報記憶部6318に記憶させる。
以上により、所定の明るさi(例えば明るさ1)でかつREDでの三刺激値直読型計測器2の計測値(XAD_R_i,YAD_R_i,ZAD_R_i)、分光型計測器3にて生成された分光スペクトルWR_i(λ)および基準測定値(XR_i,YR_i,ZR_i)が取得・記憶され、計測工程S3が終了する。
次に、リファレンス光源制御部6312は、プロジェクタ5を駆動制御し、プロジェクタ5の明るさiを所定の明るさ(例えば明るさ1)のままで緑(GREEN)を点灯させる(ステップS4)。
ステップS4の後、校正制御部631は、三刺激値直読型計測器2および分光型計測器3にプロジェクタ5から射出される光を計測させる計測工程を再度実施する(ステップS3)。これにより、所定の明るさ(例えば明るさ1)でかつGREENでの三刺激値直読型計測器2の計測値(XAD_G_i,YAD_G_i,ZAD_G_i)、分光型計測器3にて生成された分光スペクトルWG_i(λ)および基準測定値(XG_i,YG_i,ZG_i)が取得・記憶される。
次に、リファレンス光源制御部6312は、プロジェクタ5を駆動制御し、プロジェクタ5の明るさiを所定の明るさ(例えば明るさ1)のままで青(BLUE)を点灯させる(ステップS5)。
ステップS5の後、校正制御部631は、三刺激値直読型計測器2および分光型計測器3にプロジェクタ5から射出される光を計測させる計測工程を再度実施する(ステップS3)。これにより、所定の明るさ(例えば明るさ1)でかつBLUEでの三刺激値直読型計測器2の計測値(XAD_B_i,YAD_B_i,ZAD_B_i)、分光型計測器3にて生成された分光スペクトルWB_i(λ)および基準測定値(XB_i,YB_i,ZB_i)が取得・記憶される。
次に、校正制御部631は、リファレンス光源制御部6312により駆動制御されるプロジェクタ5の明るさiが「明るさn」であるかを判定する(ステップS6)。
ステップS6において、校正制御部631は、「N」と判定した場合、すなわち、プロジェクタ5の明るさが「明るさn」ではないと判定した場合には、リファレンス光源制御部6312により駆動制御されるプロジェクタ5の明るさを1増加させ(ステップS7)、上述したステップS2〜S6を再度実行する。すなわち、校正制御部631は、プロジェクタ5の明るさが「明るさn」となるまで、ステップS7においてプロジェクタ5の明るさを1増加させ、上述したステップS2〜S6を繰り返し実行する。
以上の工程により、プロジェクタ5の複数段階の明るさiでかつ各色(R,G,B)での三刺激値直読型計測器2の計測値(XAD_i(XAD_R_i,XAD_G_i,XAD_B_i),YAD_i(YAD_R_i,YAD_G_i,YAD_B_i),ZAD_i(ZAD_R_i,ZAD_G_i,ZAD_B_i))、分光型計測器3にて生成された分光スペクトルW_i(λ)(WR_i(λ),WG_i(λ),WB_i(λ))および基準測定値(X_i(XB_i,XG_i,XB_i),Y_i(YB_i,YG_i,YB_i),Z_i(ZB_i,ZG_i,ZB_i))が取得され、校正制御情報記憶部6318に記憶される。
図9は、三刺激値直読型計測器2の分光応答度と等色関数との関係の一例を示す図である。
図10は、明るさ(分光型計測器3にて計測した基準測定値)に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係の一例を示す図である。
ところで、三刺激値直読型計測器2の計測値XAD,YAD,ZADは、光源の分光スペクトルW(λ)、上述した分光透過特性SR(λ),SG(λ),SB(λ)、および上述した分光感度特性T(λ)を用いて、以下の式(1)で決定される。
なお、式(1)において、分光透過特性および分光感度特性を乗算したx´(λ),y´(λ),z´(λ)を、以下では、分光応答度として記載する。また、受光素子22R,22G,22Bや回路内の増幅回路24R,24G,24Bが明るさに対して非線形に信号出力するため、式(1)において、kR,kG,kBは、前記明るさに対する非線形性を含んだ係数としている。
Figure 2007322203
以上のように、三刺激値直読型計測器2は、分光応答度に応じた、すなわち、当該三刺激値直読型計測器2固有の色空間で計測値XAD,YAD,ZADを出力する。
また、分光型計測器3から出力される基準測定値X,Y,Zは、光源の分光スペクトルW(λ)、および等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を用いて、以下の式(2)で決定される。
なお、式(2)において、kは、定数である。
Figure 2007322203
以上のように、分光型計測器3は、等色関数に応じた、すなわち、基準色空間(CIE XYZ色空間)で基準測定値X,Y,Zを出力する。
ここで、図9に示すように、分光応答度x´(λ),y´(λ),z´(λ)と等色関数x(λ),y(λ),z(λ)とには一般的に差異が生じるものである。そして、前記差異が生じていることにより、図10に示すように、明るさ(分光型計測器3にて計測した基準測定値)に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係は、スペクトル形状の異なる光源LS1,LS2,LS3毎に異なるものとなり、一意な関係(1対1の関係)にならない。
また、上述したように受光素子22R,22G,22Bや回路内の増幅回路24R,24G,24Bが明るさに対して非線形に信号出力するため、図10に示すように、明るさ(分光型計測器3にて計測した基準測定値)に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係が非線形な関係となる。なお、図10における破線は、明るさ(分光型計測器3にて計測した基準測定値)に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係が理想的な線形関係となっている状態を示している。
上記のような状態において、例えば、所定のスペクトル形状でかつ所定の明るさで、三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値と分光型計測器3にて計測された基準測定値に基づいて、三刺激値直読型計測器2固有の色空間を基準色空間に変換するための色変換パラメータを生成する。この色変換パラメータを用いた場合には、前記所定のスペクトル形状でかつ前記所定の明るさ付近で三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値については基準色空間に良好に色変換できる。すなわち、三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値を色変換した値と、分光型計測器3にて計測された基準測定値との誤差を小さくできる。
しかしながら、明るさに対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係を一意な関係としていないため、前記色変換パラメータを用いても、前記所定のスペクトル形状とは異なるスペクトル形状で三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値については基準色空間に良好に色変換できない。すなわち、三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値を色変換した値と、分光型計測器3にて計測された基準測定値との誤差が大きくなる。
同様に、明るさに対する三刺激値直読型計測器2の計測値の非線形な関係を明らかにしていないため、前記色変換パラメータを用いても、前記所定の明るさとは異なる明るさで三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値については基準色空間に良好に色変換できない。すなわち、三刺激値直読型計測器2にて計測された計測値を色変換した値と、分光型計測器3にて計測された基準測定値との誤差が大きくなる。
そこで、前記誤差を低減する方法として、ステップS6において、校正制御部631は、「Y」と判定した場合、すなわち、プロジェクタ5の明るさiが「明るさn」であると判定した場合には、先ず、明るさに対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係を一意な関係とするために仮想照度算出工程S8を実施し、次に、明るさに対する三刺激値直読型計測器2の計測値の非線形な関係を明らかにするために補正パラメータ算出工程S9を実施する。
図11は、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係の一例を示す図である。
具体的に、校正制御部631の仮想照度算出部6315は、複数段階の明るさi毎に、校正制御情報記憶部6318に記憶された分光スペクトルW_i(λ)、分光透過特性SR(λ),SG(λ),SB(λ)、および分光感度特性T(λ)を用いて、以下の式(3)により、仮想照度XLUM_i(XLUM_R_i,XLUM_G_i,XLUM_B_i),YLUM_i(YLUM_R_i,YLUM_G_i,YLUM_B_i),ZLUM_i(ZLUM_R_i,ZLUM_G_i,ZLUM_B_i)を算出する(ステップS8:仮想照度算出工程)。そして、仮想照度算出部6315は、算出した仮想照度XLUM_i,YLUM_i,ZLUM_iを校正制御情報記憶部6318に記憶させる。
Figure 2007322203
すなわち、式(1)に示すように計測値XAD,YAD,ZADは分光応答度に応じた三刺激値直読型計測器2固有の色空間での値であり、式(3)に示すように算出した仮想照度XLUM_i,YLUM_i,ZLUM_iも分光応答度に応じた三刺激値直読型計測器2固有の色空間での値であるため、図11に示すように、仮想照度(明るさ)に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係は、スペクトル形状の異なる光源LS1,LS2,LS3においても、一意の関係となる。
ステップS8の後、校正制御部631の補正パラメータ算出部6316は、校正制御情報記憶部6318に記憶された計測値XAD_i,YAD_i,ZAD_iおよび仮想照度XLUM_i,YLUM_i,ZLUM_iの関係を求め、三刺激値直読型計測器2の計測値を仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する(ステップS9:補正パラメータ算出工程)。そして、補正パラメータ算出部6316は、算出した補正パラメータを測定制御部632の測定制御情報記憶部6325に記憶させる。
図12は、補正パラメータ算出工程S9を説明するための一例を示す図である。具体的に、図12では、明るさi毎に、計測値XAD_i,YAD_i,ZAD_iおよび仮想照度XLUM_i,YLUM_i,ZLUM_iを対応させてプロットした図である。なお、図12の例では、明るさiは6段階の場合、すなわち、計測点が計測点P1〜P6の場合を示している。
具体的に、補正パラメータ算出部6316は、図12に示すように、明るさi毎に記憶された計測値XAD_i,YAD_i,ZAD_iおよび仮想照度XLUM_i,YLUM_i,ZLUM_iの各計測点P1〜P6に基づいて、計測値と仮想照度との関係を求め、明るさに対する三刺激値直読型計測器2の計測値の非線形な関係を明らかにし、三刺激値直読型計測器2の計測値を仮想照度に近似するための補正パラメータ(例えば、LUT(Look Up Table)等)を算出する。
なお、計測値と仮想照度との関係を求める際、各計測点P1〜P6の間は、直線補間や二次・三次曲線補間またはスプライン補間で補ってもよく、または、各計測点P1〜P6に対して最小二乗法などの近似曲線を適用してもよい。
ステップS9の後、校正制御部631の色変換パラメータ算出部6317は、校正制御情報記憶部6318に記憶された基準測定値X_i(XB_i,XG_i,XB_i),Y_i(YB_i,YG_i,YB_i),Z_i(ZB_i,ZG_i,ZB_i)のうち所定の明るさでの基準測定値と、仮想照度XLUM_i(XLUM_R_i,XLUM_G_i,XLUM_B_i),YLUM_i(YLUM_R_i,YLUM_G_i,YLUM_B_i),ZLUM_i(ZLUM_R_i,ZLUM_G_i,ZLUM_B_i)のうち前記所定の明るさでの仮想照度とに基づいて、三刺激値直読型計測器2固有の色空間を基準色空間に変換するための色変換パラメータを算出する(ステップS10:色変換パラメータ算出工程)。そして、色変換パラメータ算出部6317は、算出した色変換パラメータを測定制御部632の測定制御情報記憶部6325に記憶する。
具体的に、色変換パラメータ算出部6317は、明るさが最大で最大値となる、基準測定値(XR_max,YR_max,ZR_max),(XG_max,YG_max,ZG_max),(XB_max,YB_max,ZB_max)と、仮想照度(XLUM_R_max,YLUM_R_max,ZLUM_R_max),(XLUM_G_max,YLUM_G_max,ZLUM_G_max),(XLUM_B_max,YLUM_B_max,ZLUM_B_max)とに基づいて、以下の式(4)を用いて、色変換パラメータとしての色変換マトリクスMLUMを算出する。
Figure 2007322203
〔色測定方法〕
次に、上述した校正方法が終了した後に色測定装置10により測定対象を実測する際の色測定方法を説明する。
図13は、色測定装置10による色測定方法を説明するフローチャートである。
先ず、作業者は、PC6の入力装置62に、「測定対象となるプロジェクタ5Aから出力される光を実測する」旨の入力操作を実施する。そして、PC本体63の測定制御部632は、入力装置62から出力される操作信号に応じて、測定制御情報記憶部6325からプログラムを読み出し、以下に示すように、測定制御を実施する。
測定制御部632の測定対象制御部6321は、プロジェクタ5Aの駆動を制御する(ステップS11)。
ステップS11の後、測定制御部632の実測用計測値取得部6322は、三刺激値直読型計測器2にプロジェクタ5Aから射出される光を計測させ、三刺激値直読型計測器2から出力される計測値XAD,YAD,ZADを取得する(ステップS12:実測用計測値取得工程)。そして、実測用計測値取得部6322は、取得した計測値XAD,YAD,ZADを測定制御情報記憶部6325に記憶する。
ステップS12の後、測定制御部632の補正計測値算出部6323は、測定制御情報記憶部6325に記憶された補正パラメータ(例えばLUT)を用いて前記取得した実測XAD,YAD,ZADを補正し(仮想照度に補正し)、補正計測値XLUM,YLUM,ZLUMを算出する(ステップS13:補正計測値算出工程)。そして、補正計測値算出部6323は、算出した補正計測値XLUM,YLUM,ZLUMを測定制御情報記憶部6325に記憶する。
ステップS13の後、測定制御部632の測定値出力部6324は、補正計測値XLUM,YLUM,ZLUMを測定制御情報記憶部6325に記憶された色変換パラメータとしての色変換マトリクスMLUMを用いて、以下の式(5)により色変換し、色変換した補正計測値を測定値X,Y,Zとして出力する(ステップS14:測定値出力工程)。そして、例えば、PC本体63は、表示装置61等に三刺激値X,Y,Z、色度、照度、輝度等を表示させる。
Figure 2007322203
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、三刺激値直読型計測器2の校正時(校正制御時)において、PC6が計測工程S3および仮想照度算出工程S8を実施して仮想照度を算出する。三刺激値直読型計測器2の計測値、および仮想照度は、共に、三刺激値直読型計測器2固有の色空間の値であるため、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係は、スペクトル形状の異なる光源においても、一意な関係となる。また、PC6が補正パラメータ算出工程S9を実施して補正パラメータを算出することで、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係を明らかにし、すなわち、明るさに対する三刺激値直読型計測器2(受光素子22R,22G,22Bや回路内の増幅回路24R,24G,24B)の非線形な特性を明らかにすることができる。
このため、測定対象であるプロジェクタ5Aから射出される光の実測時(測定制御時)において、PC6が、実測用計測値取得工程S12および補正計測値算出工程S13を実施して、測定対象を計測した三刺激値直読型計測器2の計測値を補正パラメータにより一旦、補正計測値(仮想照度)に近似し、補正計測値を色変換パラメータにより色変換して測定値を算出することで、分光型計測器3の基準測定値に対して誤差の低減した測定値を算出できる。すなわち、仮想照度に対する三刺激値直読型計測器2の計測値の関係を、スペクトル形状の異なる光源においても、一意の関係としかつ、明るさに対する三刺激値直読型計測器2の非線形な関係を明らかにした状態で、測定値を算出できる。したがって、スペクトル形状の差異や明るさの差異に対応して測定値と分光型計測器3の基準測定値との誤差を低減し、分光型計測器3に合わせた高精度の測定を可能とする。
また、本実施形態では、計測工程S3および仮想照度算出工程S8にて、プロジェクタ5の明るさiを複数段階に変化させかつ、プロジェクタ5の色をR,G,Bの3段階に変化させながら、明るさiおよび色(R,G,B)毎に、分光スペクトル、基準測定値、計測値、および仮想照度を取得・算出する。そして、色変換パラメータ算出工程S10にて、プロジェクタ5の所定の明るさでの各色(R,G,B)の各仮想照度および各基準測定値に基づいて、三刺激値直読型計測器2固有の色空間を基準色空間に変換するための色変換マトリクスMLUMを算出している。したがって、測定対象であるプロジェクタ5Aから射出される光の実測時において、補正パラメータにより一旦、近似した補正計測値を、色変換マトリクスMLUMにより色変換することで、分光型計測器3の基準測定値に対してより誤差の低減した測定値を算出できる。
また、本実施形態の校正方法によれば、計測工程S3、仮想照度算出工程S8、補正パラメータ算出工程S9、および色変換パラメータ算出工程S9の一連の工程で補正パラメータおよび色変換パラメータを迅速に算出できる。
さらに、本実施形態では、色変換パラメータ算出工程S10は、明るさが最大で最大値となる、基準測定値(XR_max,YR_max,ZR_max),(XG_max,YG_max,ZG_max),(XB_max,YB_max,ZB_max)と、仮想照度(XLUM_R_max,YLUM_R_max,ZLUM_R_max),(XLUM_G_max,YLUM_G_max,ZLUM_G_max),(XLUM_B_max,YLUM_B_max,ZLUM_B_max)とに基づいて、色変換マトリクスMLUMを算出しているので、すなわち、色座標が最も離れた各RGBの色座標を用いて色変換マトリクスMLUMを算出しているので、色変換精度の高い色変換マトリクスMLUMを算出できる。したがって、測定値と分光型計測器3の基準測定値との誤差をさらに低減でき、分光型計測器3に合わせたより高精度の測定を可能とする。
さらにまた、本実施形態では、計測工程S3は、プロジェクタ5から射出される光を赤、緑、青の3段階に変化させているので、例えば、スペクトル形状の異なる3つの光源を切り替える工程と比較して、同一のリファレンス光源(プロジェクタ5)を用いることができ、計測工程S3を迅速に実施でき、ひいては、三刺激値直読型計測器2の校正を短時間で完了できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図14は、第2実施形態における校正システム1Aの構成を示すブロック図である。
図15は、第2実施形態における三刺激値直読型計測器2Aの構成を示すブロック図である。
図16は、第2実施形態におけるPC6Aの構成を示すブロック図である。
本実施形態では、図14ないし図16に示すように、前記第1実施形態に対して、校正システム1Aにおいて、PC6におけるPC本体63の一部の機能を、三刺激値直読型計測器2Aに持たせた構成としている点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。より具体的に、制御回路26Aは、図15に示すように、前記第1実施形態で説明した測定制御部632における測定対象制御部6321、実測用計測値取得部6322、補正計測値算出部6323、および測定値出力部6324の機能を有する。また、記憶回路27Aは、図15に示すように、前記第1実施形態で説明した測定制御情報記憶部6325の機能を有する。そして、PC本体63Aは、図16に示すように、測定制御部632の機能を有さない。本実施形態では、三刺激値直読型計測器2Aにおいて、光学フィルタ21R,21G,21B、受光素子22R,22G,22B、I/V変換回路23R,23G,23B、増幅回路24R,24G,24B、およびA/D変換回路25R,25G,25Bが本発明に係る計測器本体に相当する。
したがって、本実施形態では、前記第1実施形態に対して上述した点が異なるのみであるため、三刺激値直読型計測器2Aの校正方法は、前記第1実施形態で説明した校正方法と略同様であり、PC本体63Aの校正制御部631が算出した補正パラメータおよび色変換パラメータを三刺激値直読型計測器2Aの記憶回路27Aに記憶する点が異なるのみである。また、本実施形態では、測定対象を実測する色測定方法は、前記第1実施形態で説明した色測定方法と略同様であり、三刺激値直読型計測器2A単体で、すなわち、PC6Aを用いることなく測定対象を実測して制御回路26Aが測定値を算出し、例えば三刺激値X,Y,Z、色度、照度、輝度等を表示部28A(図15)に表示させる点が異なるのみである。
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態で説明した効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、三刺激値直読型計測器2Aに前記第1実施形態で説明した測定制御部632の機能が組み込まれた構成であるので、測定対象の実測時に、PC6Aを用いることなく三刺激値直読型計測器2A単体で実施でき、実測時の作業スペースの効率化が図れ、利便性の向上が図れる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図17は、第3実施形態における校正システム1Bの構成を示すブロック図である。
図18は、第3実施形態における三刺激値直読型計測器2Bの構成を示すブロック図である。
本実施形態では、図17または図18に示すように、前記第1実施形態に対して、校正システム1Bにおいて、PC6が省略され、PC6のPC本体63における校正制御部631および測定制御部632の機能を、三刺激値直読型計測器2Bに持たせた構成としている点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。より具体的に、制御回路26Bは、図18に示すように、前記第1実施形態で説明した校正制御部631におけるステージ制御部6311、リファレンス光源制御部6312、スペクトル取得部6313、校正用計測値取得部6314、仮想照度算出部6315、補正パラメータ算出部6316、および色変換パラメータ算出部6317の機能と、測定制御部632における測定対象制御部6321、実測用計測値取得部6322、補正計測値算出部6323、および測定値出力部6324の機能を有する。また、記憶回路27Bは、図18に示すように、前記第1実施形態で説明した校正制御情報記憶部6318および測定制御情報記憶部6325の機能を有する。本実施形態では、三刺激値直読型計測器2Bにおいて、光学フィルタ21R,21G,21B、受光素子22R,22G,22B、I/V変換回路23R,23G,23B、増幅回路24R,24G,24B、およびA/D変換回路25R,25G,25Bが本発明に係る計測器本体に相当する。
したがって、本実施形態では、前記第1実施形態に対して上述した点が異なるのみであるため、三刺激値直読型計測器2Bの校正方法は、前記第1実施形態で説明した校正方法と略同様であり、PC6を用いることなく三刺激値直読型計測器2Bが校正制御を実施する点が異なるのみである。また、本実施形態では、測定対象を実測する色測定方法は、前記第2実施形態で説明した色測定方法と同様である。
上述した第3実施形態においては、前記第1実施形態で説明した効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、三刺激値直読型計測器2Bに前記第1実施形態で説明した校正制御部631および測定制御部632の機能が組み込まれた構成であるので、三刺激値直読型計測器2Bの校正時および測定対象の実測時に、PC6を用いることなく三刺激値直読型計測器2B単体で実施でき、校正時および実測時の作業スペースの効率化が図れ、利便性の向上が図れる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、計測工程S3において、プロジェクタ5の明るさiを複数段階に変化させかつ、色を赤、緑、青に切り替えながら、明るさおよび色毎に、計測値、分光スペクトル、および基準測定値を取得し、補正パラメータ算出工程S9および色変換パラメータ算出工程S10を一連の工程で実施していたが、これに限らない。例えば、補正パラメータ算出工程S9および色変換パラメータ算出工程S10を一連の工程ではなく、別の工程で実施してもよい。すなわち、補正パラメータを算出する際には、計測工程S3および仮想照度算出工程S8を実施した後、補正パラメータ算出工程S9を実施する。また、色変換パラメータを算出する際も同様に、計測工程S3および仮想照度算出工程S8を実施した後、色変換パラメータ算出工程S10を実施する。このように、補正パラメータ算出工程S9および色変換パラメータ算出工程S10を別工程で実施する場合には、補正パラメータを算出する際にプロジェクタ5の明るさ毎に、分光スペクトルおよび計測値を取得すればよいため、例えば、計測工程S3において、プロジェクタ5の色を切り替えなくても構わない。
前記各実施形態では、計測工程S3において、プロジェクタ5の色を赤、緑、青に切り替えながら、計測値、分光スペクトル、および基準測定値を取得していたが、これに限らず、例えば、プロジェクタ5の光源ランプを、ハロゲンランプ、高圧水銀ランプ、およびキセノンランプに変更しながら、計測値、分光スペクトル、および基準測定値を取得しても構わない。すなわち、リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変更しながら、計測値、分光スペクトル、および基準測定値を取得すればよい。
前記各実施形態では、仮想照度を算出するために式(3)を用いていたが、分光スペクトル、分光透過特性、および分光感度特性に基づいて算出するものであれば、その他の式で算出する構成を採用しても構わない。
前記各実施形態では、色変換マトリクスMLUMを算出する際、明るさが最大で最大値となる基準測定値および仮想照度を用いていたが、これに限らず、他の明るさでの基準測定値および仮想照度を用いても構わない。
前記各実施形態では、プロジェクタ5の明るさiを所定の明るさに設定した後に、各色を順次切り替えて計測工程S3を実施していたが、例えば赤を点灯している状態で、各明るさiを切り替えて計測工程S3を実施し、その後、点灯色を変更して明るさを順次切り替えて計測工程S3を実施してもよい。また、校正対象の三刺激値直読型計測器2,2A,2Bにおいて、各明るさおよび色を順次切り替えて計測値を取得した後に、校正ステージ4を移動して分光型計測器3における計測を実施してもよい。
要するに、各色および明るさ毎に三刺激値直読型計測器2,2A,2B、分光型計測器3の計測が実施できればよく、その順序は特に限定されない。
前記実施形態では、プロジェクタ5を利用して校正を実施していたが、標準光源等を三刺激値直読型計測器2,2A,2Bおよび分光型計測器3で計測することで校正を実施してもよい。
本発明によって校正される三刺激値直読型計測器2,2A,2Bは、液晶製品の品質評価に用いられるものに限らず、様々なものの色評価等に利用できる。
さらに、本発明の校正方法は、三刺激値直読型の色彩計、照度計、輝度計に限らず、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconductor)等の二次元センサを用いた三刺激値直読型計測器にも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
第1実施形態における校正システムの構成を示すブロック図。 前記実施形態における三刺激値直読型計測器の構成を示すブロック図。 前記実施形態における光学フィルタの分光透過特性を示す図。 前記実施形態における受光素子の分光感度特性を示す図。 前記実施形態におけるPCの構成を示すブロック図。 前記実施形態における色測定装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態における校正システムによる三刺激値直読型計測器の校正方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における計測工程を説明するフローチャート。 前記実施形態における三刺激値直読型計測器の分光応答度と等色関数との関係の一例を示す図。 前記実施形態における明るさに対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係の一例を示す図。 前記実施形態における仮想照度に対する三刺激値直読型計測器の計測値の関係の一例を示す図。 前記実施形態における補正パラメータ算出工程を説明するための一例を示す図。 前記実施形態における色測定装置による色測定方法を説明するフローチャート。 第2実施形態における校正システムの構成を示すブロック図。 前記実施形態における三刺激値直読型計測器の構成を示すブロック図。 前記実施形態におけるPCの構成を示すブロック図。 第3実施形態における校正システムの構成を示すブロック図。 前記実施形態における三刺激値直読型計測器の構成を示すブロック図。
符号の説明
1,1A,1B・・・校正システム、2,2A,2B・・・三刺激値直読型計測器、3・・・分光型計測器、5,5A・・・プロジェクタ(リファレンス光源、測定対象)、631・・・校正制御部(校正制御装置)、632・・・測定制御部(測定制御装置)、6312・・・リファレンス光源制御部、6313・・・スペクトル取得部、6314・・・校正用計測値取得部、6315・・・仮想照度算出部、6316・・・補正パラメータ算出部、6317・・・色変換パラメータ算出部、6318・・・校正制御情報記憶部(特性情報記憶部)、6322・・・実測用計測値取得部、6323・・・補正計測値算出部、6324・・・測定値出力部、6325・・・測定制御情報記憶部(パラメータ記憶部)、S3・・・計測工程、S8・・・仮想照度算出工程、S9・・・補正パラメータ算出工程、S10・・・色変換パラメータ算出工程、S12・・・実測用計測値取得工程、S13・・・補正計測値算出工程、S14・・・測定値出力工程。

Claims (9)

  1. 基準となるリファレンス光源の明るさを複数段階に変化させ、前記リファレンス光源の明るさ毎に分光型計測器および三刺激値直読型計測器を用いて計測し、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルおよび前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する計測工程と、
    前記リファレンス光源の明るさ毎の前記分光スペクトル、前記三刺激値直読型計測器の各光学フィルタの分光透過特性、および前記三刺激値直読型計測器の各受光素子の分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさ毎に、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出工程と、
    前記リファレンス光源の明るさ毎の前記計測値および前記仮想照度に基づいて、前記三刺激値直読型計測器の計測値を前記仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出工程とを備えていることを特徴とする三刺激値直読型計測器の校正方法。
  2. 請求項1に記載の校正方法において、
    前記計測工程は、前記リファレンス光源の明るさを複数段階に変化させるとともに、前記リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させ、前記リファレンス光源の明るさおよびスペクトル形状毎に前記分光型計測器および前記三刺激値直読型計測器を用いて計測し、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルおよび基準色空間での基準測定値と前記三刺激値直読型計測器の計測値とを取得し、
    前記仮想照度算出工程は、前記リファレンス光源の明るさおよびスペクトル形状毎の前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさおよびスペクトル形状毎に、前記仮想照度を算出し、
    前記リファレンス光源の所定の明るさでの前記3段階のスペクトル形状の前記仮想照度および前記基準測定値に基づいて、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間を前記基準色空間に変換するための色変換パラメータを算出する色変換パラメータ算出工程を備えていることを特徴とする三刺激値直読型計測器の校正方法。
  3. 請求項2に記載の校正方法において、
    前記色変換パラメータ算出工程は、前記リファレンス光源の複数段階の明るさのうち最大の明るさでの前記3段階のスペクトル形状の前記仮想照度および前記基準測定値に基づいて前記色変換パラメータを算出することを特徴とする三刺激値直読型計測器の校正方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の校正方法において、
    前記リファレンス光源は、赤、緑、青のスペクトル形状の異なる光を射出可能に構成され、
    前記計測工程は、前記リファレンス光源から射出される光を赤、緑、青に変化させて前記リファレンス光源のスペクトル形状を3段階に変化させることを特徴とする三刺激値直読型計測器の校正方法。
  5. 校正対象となる三刺激値直読型計測器と、基準となるリファレンス光源と、入射した光の分光スペクトルを生成する分光型計測器と、前記三刺激値直読型計測器、前記リファレンス光源、および前記分光型計測器を制御する校正制御装置とを備え、
    前記校正制御装置は、
    前記リファレンス光源を駆動制御するリファレンス光源制御部と、
    前記リファレンス光源の明るさが複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記分光型計測器に計測させ、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルを取得するスペクトル取得部と、
    前記リファレンス光源の明るさが前記複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記三刺激値直読型計測器に計測させ、前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する校正用計測値取得部と、
    前記三刺激値直読型計測器の各光学フィルタの分光透過特性、および前記三刺激値直読型計測器の各受光素子の分光感度特性に関する特性情報を記憶する特性情報記憶部と、
    前記リファレンス光源の明るさ毎の前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさ毎に、前記三刺激値直読型計測器固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出部と、
    前記リファレンス光源の明るさ毎の前記計測値および前記仮想照度に基づいて、前記三刺激値直読型計測器の計測値を前記仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部とを備えていることを特徴とする三刺激値直読型計測器の校正システム。
  6. 校正対象となる三刺激値直読型計測器と、基準となるリファレンス光源と、入射した光の分光スペクトルを生成する分光型計測器とを備え、
    前記三刺激値直読型計測器は、計測器本体と、前記計測器本体、前記リファレンス光源、および前記分光型計測器を制御する校正制御装置とを備え、
    前記校正制御装置は、
    前記リファレンス光源を駆動制御するリファレンス光源制御部と、
    前記リファレンス光源の明るさが複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記分光型計測器に計測させ、前記分光型計測器にて生成される分光スペクトルを取得するスペクトル取得部と、
    前記リファレンス光源の明るさが前記複数段階に変化した際に、前記リファレンス光源の明るさ毎に前記計測器本体に計測させ、前記計測器本体の計測値を取得する校正用計測値取得部と、
    前記計測器本体の各光学フィルタの分光透過特性、および前記計測器本体の各受光素子の分光感度特性に関する特性情報を記憶する特性情報記憶部と、
    前記リファレンス光源の明るさ毎の前記分光スペクトル、前記分光透過特性、および前記分光感度特性に基づいて、前記リファレンス光源の明るさ毎に、前記計測器本体固有の色空間での仮想照度を算出する仮想照度算出部と、
    前記リファレンス光源の明るさ毎の前記計測値および前記仮想照度に基づいて、前記計測器本体の計測値を前記仮想照度に近似するための補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部とを備えていることを特徴とする三刺激値直読型計測器の校正システム。
  7. 三刺激値直読型計測器を用いて測定対象から出力される光を計測し、前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する実測用計測値取得工程と、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の校正方法において予め算出されている補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出工程と、
    前記三刺激値直読型計測器固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータを用いて前記補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力工程とを備えていることを特徴とする色測定方法。
  8. 測定対象から出力される光を計測する三刺激値直読型計測器と、前記三刺激値直読型計測器から出力される計測値に基づいて測定値を出力する測定制御装置とを備え、
    前記測定制御装置は、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の校正方法において予め算出された補正パラメータ、および前記三刺激値直読型計測器固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータが記憶されたパラメータ記憶部と、
    前記測定対象から出力される光を前記三刺激値直読型計測器に計測させ、前記三刺激値直読型計測器の計測値を取得する実測用計測値取得部と、
    前記補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出部と、
    前記色変換パラメータを用いて前記補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力部とを備えていることを特徴とする色測定装置。
  9. 測定対象から出力される光を計測する計測器本体と、前記計測器本体から出力される計測値に基づいて測定値を出力する測定制御装置とを備え、
    前記測定制御装置は、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の校正方法において予め算出された補正パラメータ、および前記計測器本体固有の色空間を分光型計測器の基準色空間に変換するための色変換パラメータが記憶されたパラメータ記憶部と、
    前記測定対象から出力される光を前記計測器本体に計測させ、前記計測器本体から出力される計測値を取得する実測用計測値取得部と、
    前記補正パラメータを用いて前記計測値を補正して補正計測値を算出する補正計測値算出部と、
    前記色変換パラメータを用いて前記補正計測値を色変換し、色変換した補正計測値を測定値として出力する測定値出力部とを備えていることを特徴とする三刺激値直読型計測器。
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