JPWO2017142052A1 - アミノ酸含有組成物 - Google Patents

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Abstract

アミノ酸の種類が少なく、高い抗疲労効果および/または従来と遜色のない脂質代謝亢進効果を奏するアミノ酸含有組成物を提供することである。アルギニン、バリン、およびセリンからなる、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物を提供する。当該抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物を提供することで、運動中の疲労の予防、軽減、および脂質代謝亢進効果があり、当該抗疲労用アミノ酸含有組成物を応用することで、運動量の少ない人が運動を習慣的に実施する可能性を高め、運動愛好家、アスリート、ペット、競走用動物のための食品や飼料を設計することができる。

Description

本発明は、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物に関する。
運動に伴う疲労は、誰もが経験している現象であり、疲労感の増加は、運動に対するモチベーションの低下および/または運動パフォーマンスの低下をもたらす。特に、肥満者および/またはメタボリックシンドローム(予備軍を含む)においては、健常者と比較し、疲労の度合いも大きく、運動に対するモチベーションの低下および/または運動パフォーマンスの低下が顕著に現れる。したがって、肥満および/またはメタボリックシンドロームの予防および/または改善において、適度な運動が有効である。
一方、日本の食生活やライフスタイルの欧米化に伴って、肥満は増加し、平成25年国民健康・栄養調査では男性28.6%、女性20%に達している。また、肥満者のうち、その約半数が高脂血症、高血糖、といったメタボリックシンドロームを合併している。さらに、メタボリックシンドロームが強く疑われる、メタボリックシンドローム予備軍が、男性では51.6%、女性17.5%に達している。すなわち、健康寿命の延伸および医療費の抑制のために、これらの疾患の予防や改善として、運動によるエネルギー消費と食品の成分による生体調節機能が注目されている。
従来の運動に伴う疲労に着目した食品としては、たんぱく質原料を酵素で分解した、疲労回復用のペプチドが開示されている。特許文献1では、たんぱく質含有原料を発芽大豆由来のチオールプロテアーゼおよび微生物由来のセリンプロテアーゼにより分解して得られる、たんぱく質分解ペプチドを含有する疲労回復または滋養強壮剤が記載されている。また、特許文献2では、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、リジン、メチオニン、スレオニン、ヒスチジン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、グルタミンを含むことを特徴とするヒト筋肉疲労の早期回復効果を有するアミノ酸栄養組成物が記載されている。さらに、特許文献3では、プロリン、グリシン、アラニン、リジン、トリプトファン、ヒスチジン、スレオニン、チロシン、アルギニン、バリン、ロイシン、イソロイシンのうちの6〜12種のアミノ酸からなる疲労防止剤用アミノ酸組成物が記載されている。また、特許文献4では、プロリン、アラニン、グリシン、バリン、スレオニン、ロイシン、ヒスチジン、セリン、リジン、イソロイシン、グルタミン酸、アルギニン、メチオニンとL−カルニチン、コエンザイムQ10(以下、CoQ10という)からなる疲労の予防、軽減、回復とともに脂質代謝亢進による抗肥満効果を有するアミノ酸組成物が記載されている。さらに、特許文献5では、アルギニン、フェニルアラニンおよびアラニンを含有する脂質代謝促進剤が記載されている。
これらの文献に記載の技術は実用化もされ、所定の成果をあげているものもあるが、いずれの技術も、所定のたんぱく質分解酵素を用いる工程上の問題や、多種のアミノ酸を用いることによる製造管理の煩雑性や生産性、経済性などの問題や、またかかる問題に比して、得られる抗疲労効果や脂質代謝亢進効果が必ずしも満足できるものではないなどの問題も存在する。
特開2005−239579号公報 特開平08−198748号公報 WO2007/145239号公報 特開2008−255033号公報 特開2016−102064号公報
したがって、本発明の課題は、従来技術の持つ問題点をできるだけ解消し、高い抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果を持つアミノ酸含有組成物を経済的かつ合理的に提供することにある。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意研究する中で、アルギニン、バリン、およびセリンに着目し、これら僅か3つのアミノ酸を含むアミノ酸含有組成物に、高い抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果を見出し、さらに研究を進めた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の内容からなる。
[1] アミノ酸を有効成分として含む抗疲労用アミノ酸含有組成物であって、アミノ酸がアルギニン、バリンおよびセリンである、抗疲労用アミノ酸含有組成物。
[2] さらに非アミノ酸成分を有効成分として含む、前記[1]に記載の抗疲労用アミノ酸組含有成物。
[3] さらに非有効成分としてのアミノ酸を含む、前記[1]または[2]に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物。
[4] アルギニンが、50〜70重量%、
バリンが、25〜50重量%、
セリンが、0.1〜15重量%である、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労剤。
[6] 前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労用飲食品。
[7] 前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、容器詰め抗疲労用飲食品。
[8] アミノ酸を有効成分として含む抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物であって、アルギニン、バリンおよびセリンである、抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物。
[9] さらに非アミノ酸成分を有効成分として含む、前記[8]に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸組含有成物。
[10] さらに非有効成分としてのアミノ酸を含む、前記[8]または[9]に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物。
[11] アルギニンが、50〜70重量%、
バリンが、25〜50重量%、
セリンが、0.1〜15重量%である、前記[8]〜[10]のいずれか一項に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物。
[12] 前記[8]〜[11]のいずれか一項に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労および脂質代謝亢進剤。
[13] 前記[8]〜[11]のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労用および脂質代謝亢進用飲食品。
[14] 前記[8]〜[11]のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品。
[15] アルギニン、バリンおよびセリンを混合する、前記[5]に記載の抗疲労剤、前記[6]に記載の抗疲労用飲食品、前記[7]に記載の容器詰め抗疲労用飲食品、前記[12]に記載の抗疲労および脂質代謝亢進剤、前記[13]に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用飲食品、前記[14]に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品の製造方法。
[16] 前記[1]〜[4]または[8]〜[11]のいずれか一項に記載のアミノ酸含有組成物、前記[5]に記載の抗疲労剤、前記[6]に記載の抗疲労用飲食品、前記[7]に記載の容器詰め抗疲労用飲食品、前記[12]に記載の抗疲労および脂質代謝亢進剤、前記[13]に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用飲食品、前記[14]に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品の製造のための、アルギニン、バリンおよびセリンの使用。
また本発明は、次の通りの態様であってもよい。
[1] アルギニン、バリン、およびセリンを含有する、抗疲労用アミノ酸組成物。
[2] アルギニン、バリン、およびセリンを含有する、抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸組成物。
[3] アルギニンを50〜70重量%で含有する、前記[1]または[2]に記載のアミノ酸組成物。
[4] バリンを25〜50重量%で含有する、前記[1]または[2]に記載のアミノ酸組成物。
[5] セリンを0.1〜15重量%で含有する、前記[1]または[2]に記載のアミノ酸組成物。
[6] アルギニンを50〜70重量%、バリンを25〜50重量%、セリンを0.1〜15重量%で含有する、前記[1]または[2]に記載のアミノ酸組成物。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれか1に記載のアミノ酸組成物を含有する飲食品。
[8] 前記[1]〜[6]のいずれか1に記載のアミノ酸組成物を含む容器詰め飲食品。
[9] 前記[1]〜[6]のいずれか1に記載のアミノ酸組成物の製造のためのアルギニン、バリン、およびセリンの使用。
[10] 前記[1]〜[6]のいずれか1に記載のアミノ酸組成物を運動前および/または運動中に摂取する、疲労を予防または抑制する方法。
[11] 前記[1]〜[6]のいずれか1に記載のアミノ酸組成物を運動前および/または運動中に摂取する、疲労を予防または抑制し、および脂質代謝を亢進する方法。
本発明によれば、より少ないアミノ酸の種類でより高い抗疲労効果を奏すること、また同時に脂質代謝亢進効果をも有するアミノ酸含有組成物が得られたことは驚くべきことであり、これにより、より経済的かつ合理的にアミノ酸含有組成物、さらには飲食品等を提供できることが期待される。
図1は、実施例4で測定した、血中コルチゾールの濃度の変化量を示す図である。
本発明は、アミノ酸を有効成分として含む抗疲労用および/または脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物であって、アミノ酸が、(1)アルギニン(2)バリンおよび(3)セリンである抗疲労用および/または脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物である。
本発明のアミノ酸含有組成物において、(1)〜(3)のアミノ酸の好ましい含有量は以下の通りである。なお、含有量は、(1)〜(3)のアミノ酸の総重量に対する含有量として示す。
(1)本発明におけるアルギニンの含有量は、アルギニン、バリン、およびセリンのアミノ酸の総重量に対して、50〜70重量%で含有することが好ましい。アルギニンの含量が50重量%以上であれば、本発明の抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果が発揮されるので好ましい。また、アルギニンの含量が、70重量%以下であれば、アルギニン以外のバリン、およびセリンに由来する抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果がさらに発揮されるので好ましい。
(2)本発明におけるバリンの含有量は、アルギニン、バリン、およびセリンの総重量に対して、25〜50重量%で含有することが好ましい。バリンの含量が25重量%以上であれば、本発明の抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果が発揮されるので好ましい。また、バリンの含量が50重量%以下であれば、バリン以外のアルギニン、およびセリンに由来する抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果がさらに発揮されるので好ましい。
(3)本発明におけるセリンの含有量は、アルギニン、バリン、およびセリンの総重量に対して、0.1〜15重量%で含有することが好ましい。セリンの含量が0.1重量%以上であれば、本発明の抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果が発揮されるので好ましい。また、セリンの含量が15重量%以下であれば、セリン以外のアルギニン、およびバリンに由来する抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果がさらに発揮されるので好ましい。
本発明のアミノ酸含有組成物において、(1)〜(3)のアミノ酸の好ましい含有量は以下の通りである。なお、含有量は、(1)〜(3)のアミノ酸の総重量に対する含有量として示す。
(1)アルギニンの含有量が50〜70重量%であり、(2)バリンの含有量が25〜50重量%であり、かつ(3)セリンの含有量が0.1〜15重量%であることが好ましい。当該各アミノ酸の含有量が前記の範囲であると、抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果が顕著に発揮される。なお、上記含有量は、合計を100重量%としている。
本発明において「疲労」とは、運動の負荷が与えられたことにより、疲労感、倦怠感、筋肉痛、筋肉の張り等および/または運動パフォーマンスの低下が生じた状態をいう。したがって、「抗疲労」とは、疲労感、倦怠感、筋肉痛、筋肉の張り等および/または運動パフォーマンスの低下を予防や抑制することをいう。本発明において抗疲労効果は、運動時の血中バイオマーカーの測定により評価し得る。血中バイオマーカーは、たとえば、血糖値、コルチコステロン、コルチゾール、乳酸、アンモニア、クレアチンキナーゼ、乳酸脱水素酵素等、TGF−β等を使用し得る。
血中バイオマーカー測定による評価は、たとえば、投与群(アミノ酸含有組成物の投与)と非投与群(非投与または水の投与)の2つの群に対し、強制水泳、トレッドミル等による運動負荷あるいはアドレナリンの投与等による模擬的な運動の状態を与え、一定時間経過後に採血し、2群の血中バイオマーカーの濃度をそれぞれ測定し、測定濃度を比較することで評価できる。
血糖値は、継続した運動により糖質を消費することで低下し、それに伴って運動パフォーマンスも低下するので、投与群(アミノ酸含有組成物の投与)の血糖値の低下が非投与群(非投与または水の投与)よりも抑制されるほど、抗疲労効果があると評価できる。一方、コルチコステロン、コルチゾール、乳酸、アンモニア、クレアチンキナーゼ、乳酸脱水素酵素、TGF−βは、運動によって上昇し、それに伴って運動パフォーマンスが低下するので、投与群(アミノ酸含有組成物の投与)の各濃度の上昇が非投与群(非投与または水の投与)よりも抑制されるほど抗疲労効果があると評価できる。
また、本発明において抗疲労効果は、自発行動量測定試験により評価し得る。自発行動量試験による評価は、たとえば、投与群(アミノ酸含有組成物の投与)と非投与群(非投与または水の投与)の2つの群に対し、強制水泳、トレッドミル等の運動負荷を一定時間与え、運動終了後に自発行動量装置にて自発行動量を測定し、これらを比較することで評価し得る。自発行動量は、運動負荷による運動パフォーマンスの低下が生じた状態の指標として用いることができ、投与群の自発行動量が、非投与群よりも多いほど抗疲労効果があると評価できる。
さらに、本発明にける抗疲労効果は、VAS(Visual Analog Scale)により評価し得る。VASによる評価は、たとえば、投与群(アミノ酸含有組成物を投与)と非投与群(非投与または水を投与)の2つの群に対し、運動負荷を一定時間与え、運動終了後に「疲労感」等に関するVASを実施し、これらを比較することで評価し得る。VASは、疲労に関する主観的な評価が可能であり、投与群の「疲労感」等が、非投与群よりも低いほど抗疲労効果があると評価できる。
本発明において「脂質代謝亢進」とは、中性脂肪の脂肪酸とグリセロールへの分解および脂肪酸の燃焼が活性化した状態をいう。具体的には、アドレナリン、アデニル酸シクラーゼ、サイクリックAMP、プロテインキナーゼA、ホルモン感受性リパーゼ等の中性脂肪の分解に関する物質、または、アシルCoAシンターゼ、アシルCoAデヒドロゲナーゼ等のβ−酸化等に関する物質、または、クエン酸回路、ミトコンドリア電子伝達系に関する物質が活性化した状態をいう。本発明において脂質代謝亢進効果は、血中バイオマーカーの測定により評価し得る。血中バイオマーカーは、たとえば、グリセロール、血中遊離脂肪酸(non-esterified fatty acid:NEFA)、血中ケトン体等を測定することにより評価し得る。脂質代謝亢進効果は、たとえば、投与群(アミノ酸含有組成物の投与)と非投与群(非投与または水の投与)の2つの群に対し、強制水泳、トレッドミル等による運動負荷あるいはアドレナリンの投与等による模擬的な運動の状態を与え、一定時間経過後に採血し、2群の血中バイオマーカーの濃度を測定し、測定濃度を比較することで評価できる。たとえば、血中グリセロール濃度の場合、投与群のグリセロールの曲線下面積(AUC)および最高血中濃度(Cmax)が非投与群に比べて高値であると、脂質代謝亢進効果があると評価できる。同様に、血中NEFAまたは血中ケトン体の場合、投与群の血中NEFAまた血中ケトン体濃度が、非投与群よりも高値であると、脂質代謝亢進効果を有すると評価できる。
本発明の一態様において、本発明のアミノ酸含有組成物は、さらに抗疲労および/もしくは脂質代謝亢進効果を有する非アミノ酸成分を有効成分として含んでいてもよい。有効成分とする非アミノ酸成分としては、抗疲労効果および/または脂質代謝亢進効果を有するものであれば特段の制限はないが、通常、医薬品および/または飲食品に配合される成分、たとえば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸等のビタミン、CoQ10、カルニチン、α−リポ酸等のビタミン様物質、鉄、亜鉛等のミネラル類、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースショ糖、麦芽糖、乳糖などの糖類、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、リン酸、乳酸、酪酸、コハク酸、フマル酸及びグルコン酸などの有機酸、カフェイン、テオブロミン、テアニン、カテキンなどのポリフェノール類などである。
本発明の一態様において、本発明のアミノ酸含有組成物は、アミノ酸の有効成分としてアルギニン、バリン、およびセリンからなる。本発明の一態様において、本発明のアミノ酸含有組成物は、有効成分以外の成分である非有効成分を含んでいてもよく、かかる非有効成分が、抗疲労用および/また脂質代謝亢進用として知られていたとしても、たとえば含有量が少ないなど有効成分として作用しない態様であれば含まれていてもよい。非有効成分としては、体内に摂取(投与)できるものであれば特段の制限はないが、通常、医薬品および/または飲食品に配合される成分、たとえば、グルタミン酸ナトリウム、タウリンなどのアミノ酸成分、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア抽出物、カンゾウ抽出物、ラカンカ抽出物、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、ジヒドロカルコン、ステビオサイド、レバウディオサイドA,等の甘味料、亜鉛、セレン、鉄、銅等のミネラル、トレハロース、オリゴ糖、希少糖等の糖質、乳酸菌、ビフィズス菌、プロピオン酸菌等の有用な微生物やその培養物、ローヤルゼリー、コラーゲン、セラミド、グルコサミン、アスタキサンチン、ポリフェノール等の既存の機能性素材、香料、pH調整剤、賦形剤、クエン酸等の酸味料、着色料、乳化剤、保存料等を配合することができる。
(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸は、それぞれL−体、D−体、DL−体のいずれも使用可能であるが、好ましくはL−体、DL−体であり、さらに好ましくはL−体である。
(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸は、それぞれ遊離体のみならず、アミノ酸塩も使用できる。アミノ酸塩では、(1)〜(3)のアミノ酸およびその他の成分として含有していてもよいアミノ酸の、医薬品および/または食品として許容されるアミノ酸塩であれば特に制限されないが、たとえば、アミノ酸の酸付加塩や塩基との塩等が挙げられる。
(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸の、食品として許容される塩を形成する酸としては、たとえば、塩酸、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸等が挙げられる。
(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸の、食品として許容される塩の塩基としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニア等の無機塩基やエチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸の塩は、水和物(含水塩)であってもよく、かかる水和物としては、たとえば1〜6水和物が挙げられる。
(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸は、これらを含有する動植物、微生物等から抽出し精製したものや、化学合成法、発酵法、遺伝子組換法によって得られるもののいずれを使ってもよい。また、(1)〜(3)のアミノ酸、および非有効成分として含有していてもよいアミノ酸は、市販品も使うことができる。
本発明で使用する各アミノ酸は、各々、単品で高純度のものが好ましい。例えば、「食品添加物公定書」に規定する純度以上のアミノ酸を使用する。また、これらのアミノ酸としては、その生理学的に許容し得る塩の形態のものも使用可能である。
本発明のアミノ酸含有組成物を製造するにあたって、上記アミノ酸を混合すればよい。また溶液を製造する場合には、これを蒸留水、エタノール等に混合して溶解すればよい。
本発明のアミノ酸含有組成物の摂取(投与)形態としては、体内に摂取(投与)できれば、その方法には制限はないが、たとえば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液、シロップ剤、乳液等による経口投与が好ましい。これらの各種製剤は、常法に従って本発明によるアミノ酸含有組成物に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医薬の製剤技術分野において、通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
本発明の一態様において、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品は、たとえば、飲食品用素材および食品添加物等を加えて、飲食品(特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品等の保健機能食品、栄養補助食品、その他の健康食品、サプリメントを含む)として提供することもできる。
本発明の抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品は、たとえば、飲料、ヨーグルト等の乳製品、ゼリー状製品、アイスクリーム類、氷菓、クッキー、ガム状等の製品、粉末状製品、顆粒状製品、シート状製品、カプセル状製品、タブレット状製品、菓子の固形状の加工食品等とすることができる。
本発明において、飲食品とは、医薬組成物以外のものであって、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、固体成形物等、経口摂取可能な形態であればよく特に限定されない。具体的には、たとえば、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、発酵乳、アイスクリーム類、クリーム類、チーズ類等の乳製品;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、ゼリー飲料、ココア、スムージー等の粉末飲料やスポーツ粉末飲料、栄養強化の粉末飲料、粉末食品、粉末スープ、蒸しパンのもと、濃縮飲料、アルコール飲料等の飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、唐揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;チョコレート、ガム、飴、クッキー、グミ、スナック、和菓子、ゼリー、プリン等のデザート菓子等の菓子類;加工調味料、風味調味料、調理ミックス等の調味料;カレー、バスタソース、ポトフ、シチュー、和風食品のレトルト食品;加工油脂、バター、マーガリン、スプレッド、マヨネーズ等の油脂類;フリーズドライ食品等の即席食品類;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、煮豆、シリアル、雑炊等の農産加工品;水産加工品;畜産加工品;ピッツア、ドリア、グラタン、惣菜、フライ等冷凍食品;流動食、とろみ調整食品さらには動物の飼料、タブレット等が挙げられる。
飲食品として使用する場合に、その他の成分についても特に限定はないが、前記飲食品には、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を成分として使用することができる。タンパク質としては、たとえば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α―カゼイン、β―カゼイン、κ−カゼイン、β―ラクトグロブリン、α―ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、これら加水分解物;バター、乳清ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分等が挙げられる。糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維等が挙げられる。脂質としては、たとえば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂等が挙げられる。ビタミン類としては、たとえば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸等が挙げられ、ミネラル類としては、たとえば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン等が挙げられる。有機酸としては、たとえば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用することができ、合成品および/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
本発明の一態様において、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品は容器詰めにしてよく、当該容器は、プラスチック、紙製、金属製、陶器製またはその複合素材等から選択されてもよい。これらの容器に詰めた容器詰めの形態にすることができる。すなわち、本発明のアミノ酸含有組成物を含有する、容器詰め飲食品、容器詰め医薬品が例示できる。また、プラスチック製のシュリンクフィルム、遮光フィルム(たとえば、金属箔層フィルム、黒色または暗色インク塗布フィルムで、容器を被覆されてもよいし、前記容器や前記フィルムを二種類以上で組合せて用いてもよい。アミノ酸含有組成物は、光透過や酸素透過による風味劣化および分解(減少)の観点から、遮光性のある容器やフィルムを組合せることが好ましい。
本発明の一つの態様によれば、たとえば、本発明のアミノ酸含有組成物、抗疲労および/または脂質代謝亢進剤、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品、または、抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品は、一食あたりの単位包装形態からなり、当該単位包装形態中に、アルギニン、バリンおよびセリンを含み、一食摂取量として、前記アミノ酸の総量として、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用の効果の観点から0.1〜50gに調製したものが望ましく、好ましくは0.5〜20g、運動前、運動中でも負担にならず摂取しやすい観点からより好ましくは1〜10g、さらに好ましくは1〜8g、さらに好ましくは1〜6g、さらに好ましくは1〜5gに調製してなるものである。ここで、「一食あたりの単位包装形態」からなるとは、一食あたりの摂取量があらかじめ定められた形態のものであり、たとえば、特定量を経口摂取し得る飲食品として、一般食品のみならず、飲料(ドリンク剤等)、健康補助食品、保健機能食品、サプリメント等の形態を意味する。「一食あたりの単位包装形態」では、たとえば、液状の飲料、ゲル状、糊状、若しくはペースト状のゼリー、粉末状、顆粒状、カプセル状、若しくはブロック状の固体状の食品等の場合には、金属缶、ガラスビン(ボトル等)、プラスチック容器(ペットボトル等)、パック、パウチ、フィルム容器、紙箱等の包装容器で特定量(用量)を規定できる形態、あるいは、一食あたりの摂取量(用法、用量)を包装容器やホームページ等に表示することで特定量を規定できる形態が挙げられる。
本発明のアミノ酸含有組成物、抗疲労および/または脂質代謝亢進剤、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品、または、抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品の1日あたりの摂取量は、運動、年齢、性別、体重、食事の状況等に基づき、個別に定められるが、アルギニン、バリンおよびセリンの総量として、たとえば、より効果を発揮する観点から0.1〜50gであり、好ましくは0.5〜25g、より好ましくは1〜10g、摂取しやすさの観点からさらに好ましくは1〜8g、さらに好ましくは1〜6g、さらに好ましくは1〜5gである。前記の量を、運動前または運動中に摂取することが好ましい。
本発明のアミノ酸含有組成物、抗疲労および/または脂質代謝亢進剤、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品、または、抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品は、疲労の予防や改善、脂質代謝亢進をすることで、運動パフォーマンスの向上が期待できるので、運動習慣のない人、スポーツ愛好家、アスリート、肥満予備軍、肥満、メタボリックシンドロームの患者や動物、競走用の動物等に好ましく使われる。
本発明の一つの態様によれば、本発明のアミノ酸含有組成物、抗疲労および/または脂質代謝亢進剤、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用飲食品、または、抗疲労用および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品は、抗疲労、脂質代謝亢進、運動パフォーマンスが向上することに効果的であることを示す表示が付されたもの、好ましくは、疲労の予防、疲労の改善、疲労の軽減、疲労の緩和、脂質代謝亢進、脂肪の分解、脂質代謝の改善、運動パフォーマンスの向上が期待できることから、たとえば、スタミナ、持久力の向上、体が軽く感じられる、運動の後半まで体力を残せる、集中力が維持できる、体の疲れが少ない、バテを抑える、きつさを抑える、しっかりトレーニングできる、スポーツ(運動)を楽しむことができる、理想のパフォーマンスが発揮できる、楽に動ける、いつものパフォーマンスの限界を超えられる等効果的であることを示す表示が付されたものであってもよい。ここで、本発明の表示は、抗疲労用アミノ酸含有組成物、脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物に関連して付したものであれば、特に限定されず、たとえば、抗疲労用アミノ酸含有組成物、脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物を含有する容器、包装材または添付文書に、組成物が効果的である表示・広告等を付したものであってもよい。また、本発明の表示は、たとえば、チラシ、パンフレット、ポップ、カタログ、ポスター、書籍、DVD等の記憶媒体、電子掲示板やインターネット等の広告等に、組成物が効果的である表示・広告等を付したものであってもよい。さらに、本発明の表示と同等の内容を、商談および/または販売促進を目的に、口頭および/または録音・録画した記録媒体からの再生で第三者に伝達することができる。
本発明の抗疲労および/または脂質代謝亢進剤、抗疲労および/または脂質代謝亢進用飲食品、または、抗疲労用および/または脂質代謝亢進用容器詰め飲食品の製造にあたって、上記アミノ酸を使用して、これらを混合すればよい。また飲料とする場合にはこれらを、蒸留水等に混合して溶解すればよい。
以下、実施例や実験例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例や実験例の記載に何ら限定されるものではない。
[実験例1]
血糖値および血漿コルチコステロンの濃度測定(動物試験)
6週齢SD雄ラット30匹を日本クレアより購入し、1週間馴化飼育した。試験前日の夕方より、ラットを18時間以内で絶食させた。ただし、水は自由摂取とした。試験当日に、ラットに試験物質(水、本発明品(重量比でL−アルギニン:L−バリン:L−セリンが18:11:1で構成されるアミノ酸含有組成物を水で10倍希釈したもの)、従来品(表1に示すアミノ酸、カルニチン、CoQ10を含む顆粒を水で10倍希釈したもの)を経口投与した。具体的に経口投与した用量として、本発明品:1g/kg、アミノ酸(表1):1g/kg、カルニチン:68mg/kg、CoQ10:10mg/kgを含むアミノ酸含有顆粒、容量、10ml/kg))を経口投与した。経口投与30分後からラットを水深45cmの温水(35±1℃)内に同時に投入し、1時間水泳運動させた。運動終了直後に尾静脈から採血して血糖値を測定した。また、得られた血液から血漿を分離し、血漿コルチコステロン濃度を測定した。血糖値は、血糖測定機器ブリーズ2(バイエル薬品株式会社)で測定した。また、コルチコステロンは、RODENT CORTICOSTERONE ELISA Test Kit(ENDOCRINE TECHNOLOGIES, INC.)で測定した。
血糖値および血漿コルチコステロン濃度の結果は、平均値±標準誤差で示した。運動終了直後の血糖値の平均値と標準誤差を表2、運動終了直後の血漿コルチコステロン濃度の平均値と標準誤差を表3に示した。水や従来品よりも本発明品は高い抗疲労効果を有することが確認された。
[実施例2]
血漿グリセロール濃度のAUCおよびCmaxの測定(動物試験)
Wistar雄ラット24匹を日本SLCより購入し、1週間馴化飼育した。ラットは、試験前日の夕方より、18時間以内の絶食を行った。ただし、水は自由摂取とした。試験当日に、ラットに、試験物質(水、本発明品A(重量比でL−アルギニン:L−バリン:L−セリンが18:11:1で構成されるアミノ酸組成物を水で10倍に希釈したもの)、本発明品B(重量比でアルギニン:バリン:セリンが15:14:1で構成されるアミノ酸含有組成物を水で10倍に希釈したもの)、従来品(表1のアミノ酸を含む顆粒を水で10倍に希釈したもの)を経口投与(用量、1g/kg、容量、10ml/kg)した。ラットに試験物質を経口投与30分後、アドレナリン0.2mg/kg、8ml/kgを腹腔内投与した。アドレナリンを投与することで、運動によってアドレナリンが分泌されて中性脂肪の分解を促すという運動時の脂質代謝を疑似的に再現している。経口投与前、アドレナリン投与前、アドレナリン投与15、30、45、60、75、90分後に尾静脈からの採血を経時的に実施した。得られた血液から血漿を分離し、血漿グリセロール濃度を Glycerol Colorimetric Assay Kit(Cayman Chemical Campany)で測定した。さらに、血漿グリセロール濃度の曲線下面積(AUC)および最高血中濃度(Cmax)を算出した。結果は平均値±標準誤差で示した。
グリセロールAUCの平均値と標準誤差を表4、グリセロールCmaxの平均値と標準誤差を表5に示した。水よりも本発明品A、本発明品Bが血漿グリセロール濃度のAUC、血漿グリセロール濃度のCmaxが高値を示した。本発明品は、脂質代謝亢進効果を有することが確認された。
[実施例3]
自発行動量測定試験(動物試験)
5週齢SD雄ラット36匹を日本クレアより購入し、2週間馴化飼育した。試験前日の夕方より、ラットを18時間以内で絶食させた。ただし、水は自由摂取とした。試験当日に、ラットに試験物質(水、本発明品(重量比でアルギニン:バリン:セリンが18:11:1で構成されるアミノ酸含有組成物)を経口投与した。経口投与30分後から水深45cmの温水(35±1℃)内に同時に投入し、1時間水泳運動させた。運動終了後30分間にわたってラット自発行動量測定装置にて自発行動量(累計)を測定した。運動後の自発行動量は、ラット用運動量測定装置ACTIMO−10N(株式会社シンファクトリー)で測定した。
結果は、平均値±標準誤差で示した。運動後の自発行動量の平均値と標準誤差を表6に示した。本発明品は、水よりも運動後の30分間の自発行動量が50高く、高い抗疲労効果を有することが確認された。
[実施例4]
抗疲労効果の亢進効果確認試験(ヒト試験)
被験者は、20〜30代の健常な男性とした。試験デザインは、二重盲検クロスオーバー試験とした。本試験では、試験食品を単回摂取し、30分後から自転車エルゴメーター(エアロバイク(登録商標)75XLIII(株式会社コナミスポーツ&ライフ))を用いた持久性運動負荷テストを実施した。
運動負荷条件は、各被験者のVO2maxの50%に相当する運動負荷で40分間の運動を、3分間の休憩を挟んで2回繰り返すものとした。試験食品は、本発明品(重量比でアルギニン:バリン:セリンが18:11:1で構成されるアミノ酸含有組成物)3000mgを封入したカプセル5粒またはアミノ酸を封入しない外観上、アミノ酸含有組成物の有無を識別不能なカプセル5粒(対照品)を使用した。また、安静時、運動負荷前、運動負荷終了後、30分後、60分後に採血を実施し、得られた血液から血中コルチゾール濃度を測定した。
運動負荷前から運動負荷終了後の血中コルチゾール濃度変化量の平均値を図1に示した(有効性解析対象者15名)。本発明品は、対照よりも血中コルチゾール濃度が有意に低く、抗疲労効果を有することが確認された。
[実施例5]
筋肉の張りやだるさの体感比較試験(ヒト試験)
被験者は、20代の健常な男子運動選手とした。事前検査として生活習慣アンケート、身体測定を実施し、被験者を選択し、その後本試験を実施した。試験デザインは、二重盲検クロスオーバー試験とした。本試験では、試験食品を単回摂取し、30分後から任意の運動を実施した。試験食品は、本発明品(重量比でアルギニン:バリン:セリンが18:11:1で構成されるアミノ酸含有組成物)3000mgを封入したカプセル5粒または従来品(表1のアミノ酸:3000mg、カルニチン:200mg、CoQ10:30mg)を封入したカプセル5粒を使用した。また、運動前、運動終了後にVAS(ビジュアルアナログスケール)を実施した。
運動負荷前から運動負荷終了後のVAS変化量の平均値と標準誤差を表7に示した(有効性解析対象9名)。従来品よりも本発明品は「筋肉の張りやだるさ」が低く、抗疲労効果を有することが確認された。
[実施例6]
疲労感の体感比較試験(ヒト試験)
被験者は、20代の健常な男子運動選手とした。事前検査として生活習慣アンケート、身体測定を実施し、被験者を選択し、その後本試験を実施した。試験デザインは、二重盲検クロスオーバー試験とした。本試験では、試験食品を単回摂取し、30分後から任意の運動を実施した。試験食品は、本発明品(重量比でアルギニン:バリン:セリンが18:11:1で構成されるアミノ酸含有組成物)1300mgを封入したカプセル5粒または従来品(表1のアミノ酸)3000mgを封入したカプセル5粒を使用した。また、運動前、運動終了後にVAS(ビジュアルアナログスケール)を実施した。
運動負荷前から運動負荷終了後のVAS変化量の平均値と標準誤差を表8に示した(有効性解析対象者18名)。従来品よりもアミノ酸の種類や量が少ないにもかかわらず、本発明品は「疲労感」が低く、抗疲労効果を有することが確認された。
[実施例7]
アミノ酸含有組成物の保存性
L−アルギニン1800mg、L−バリン1100mg、L−セリン100mgをセルロースホワイトカプセル00号に充填し、アミノ酸含有組成物の含有カプセルを製造し、アルミパウチ容器に充填した。室温保存2週間後におけるカプセル内のアミノ酸含有組成物は分解(減少)することなく保持された。
運動中の疲労の予防、軽減や、脂質代謝亢進効果があることで、運動パフォーマンスや運動に対するモチベーションを向上することできるので、運動量の少ない人が運動を習慣的に実施する可能性や、運動愛好家やアスリートが運動パフォーマンスを維持、向上するための食品を設計できる。このとき、日本人の健康寿命の延伸に繋がり、この結果として、医療費の低減等で、社会に大きく貢献できる。

Claims (16)

  1. アミノ酸を有効成分として含む抗疲労用アミノ酸含有組成物であって、アミノ酸がアルギニン、バリンおよびセリンである、抗疲労用アミノ酸含有組成物。
  2. さらに非アミノ酸成分を有効成分として含む、請求項1に記載の抗疲労用アミノ酸組含有成物。
  3. さらに非有効成分としてのアミノ酸を含む、請求項1または2に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物。
  4. アルギニンが、50〜70重量%、
    バリンが、25〜50重量%、
    セリンが、0.1〜15重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労剤。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労用飲食品。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、容器詰め抗疲労用飲食品。
  8. アミノ酸を有効成分として含む抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物であって、アルギニン、バリンおよびセリンである、抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物。
  9. さらに非アミノ酸成分を有効成分として含む、請求項8に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸組含有成物。
  10. さらに非有効成分としてのアミノ酸を含む、請求項8または9に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物。
  11. アルギニンが、50〜70重量%、
    バリンが、25〜50重量%、
    セリンが、0.1〜15重量%である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労および脂質代謝亢進剤。
  13. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労用および脂質代謝亢進用飲食品。
  14. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の抗疲労用アミノ酸含有組成物を含む、抗疲労および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品。
  15. アルギニン、バリンおよびセリンを混合する、請求項5に記載の抗疲労剤、請求項6に記載の抗疲労用飲食品、請求項7に記載の容器詰め抗疲労用飲食品、請求項12に記載の抗疲労および脂質代謝亢進剤、請求項13に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用飲食品、請求項14に記載の抗疲労および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品の製造方法。
  16. 請求項1〜4もしくは8〜11のいずれか一項に記載のアミノ酸含有組成物、請求項5に記載の抗疲労剤、請求項6に記載の抗疲労用飲食品、請求項7に記載の容器詰め抗疲労用飲食品、請求項12に記載の抗疲労および脂質代謝亢進剤、請求項13に記載の抗疲労用および脂質代謝亢進用飲食品、請求項14に記載の抗疲労および脂質代謝亢進用容器詰め飲食品の製造のための、アルギニン、バリンおよびセリンの使用。
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