JPWO2017135341A1 - 電子カルテシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 患者に処方する薬剤についての複数の種類の処方量を患者の年齢及び体重の少なくとも一方に基づいて適正に算出することができる電子カルテシステムを提供する。
【解決手段】 電子カルテを表示する電子カルテ端末にネットワークを介して接続する電子カルテサーバを備える電子カルテシステムであって、電子カルテサーバは、患者毎に作成された電子カルテ、薬剤毎に年齢範囲別又は体重範囲別に対応付けられた第1の処方量、及び第1の処方量と第1の処方量とは異なる第2の処方量との間の換算係数を記憶する記憶手段と、患者に対して処方する薬剤が選択されると、患者の年齢及び体重の少なくとも一方に対応する第1の処方量を特定するとともに、換算係数に基づいて第2の処方量を算出し、該第1の処方量及び該第2の処方量を電子カルテ端末に表示させる制御手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子カルテを作成及び管理する技術に関し、特に、患者の情報に基づいて、処方する薬剤の処方量を自動的に算出する機能を有する電子カルテシステムに関する。
薬剤を処方する際は、薬剤毎に処方量などが指定されるが、かかる処方量は、患者の情報(体重、年齢など)に応じて適正に設定すべき場合がある。特に小児の患者においては、処方する薬剤毎に年齢及び/又は体重による制限があり、患者の年齢及び/又は体重に応じて1回当たりの処方量を正確に計算する必要があり、処方オーダーを作成する医師の負担は大きなものとなっている。
特許文献1には、患者の身長、体重、年齢、性別、症状等の情報に基づいて、患者に対して投与する医薬品の最適投与量を演算する医薬品投与量演算装置が記載されており、医師が患者に対して医薬品の適正な用法や投与量の決定を行う際の労力を軽減することができるとされている。
特許文献2には、電子カルテ装置において、小児換算機能を設け、体重に比例して処方量を決定することが記載されている。小児換算機能を用いることで、小児の処方オーダーが簡易に作成できるとされている。
特開2005−196587号公報 特開2012−160003号公報
特許文献1に記載の医薬品投与量演算装置は、あらかじめ医薬品毎に基準適正値を設定するとともに、身長、体重、年齢、性別、症状等と係数との対応関係(グラフ)を作成しておき、患者の身長、体重、年齢、性別、症状等に対応する各係数を求めた後、その係数を医薬品の基準適正値に乗じることで、医薬品の患者に対する最適投与量を演算している。しかし、特許文献1には、単に、身長、体重、年齢、性別、症状等の情報に基づいて最適投与量が演算可能であることが記載されているだけであり、身長、体重、年齢、性別、症状等の複数の情報を、どのような条件に基づいて使用するのか、どのように使い分けるかについては具体的に開示されていない。
特許文献2に記載の電子カルテ装置の小児換算機能は、体重1kg当たりの基準値に患者の体重を乗じるだけであり、特許文献1に記載の医薬品投与量演算装置に比べれば、処理を簡単にすることができる。しかし、薬剤によっては体重と処方量とが必ずしも比例関係を有するわけではなく、薬剤の処方量が体重に比例しない場合には、かかる小児換算機能を使用したとしても薬剤の処方量を正確に算出することが難しい。
また、処方量を特定する際、薬剤が散剤や液剤である場合には、「製剤の総量」は「g」「ml」、「有効成分の量」は「mg」で表示することが通例であるが、「製剤の総量」と「有効成分の量」とを取り違えることにより、患者に対して過剰な量を投与するような医療事故が年間に数件ほど生じている。例えば、「フロセミド細粒4% 250mg 朝食後1回」の処方オーダーに対して、医師側は「製剤の総量」として「0.25g」を投与することを意図していたところ、薬剤師側は処方オーダーにおける「250mg」を「有効成分の量」と認識し、「250mg÷4%=6.25g」を処方量として調剤したため、患者に対して所要の25倍もの量が過剰投与された事例がある(「医療事故情報収集等事業第33回報告書」公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部、平成25年6月27日、第152頁)。
このように、処方量を単位のみで特定すると、医療事故が発生する可能性があるので、処方量の表現を工夫する必要があるが、この点、特許文献1及び2では、処方ミスを防止するための方法について具体的に記載されていない。また、「製剤の総量」と「有効成分の量」とを取り違えるおそれがなくても、医薬品の投与量が「有効成分の量」のみで特定されている場合、薬剤師による調剤の場面において、かかる量をあらためて「製剤の総量」に換算する際に計算間違いが生じる可能性がある。加えて、同一種類の薬剤でも有効成分の含有率が異なることがあり、このような場合はさらに処方ミスが生じやすい。
さらに、特許文献1又は2に記載の装置は、レセプトシステムとの連携について何ら考慮されていない。
本発明は、前述した問題に鑑みてなされたものであって、かかる問題の少なくとも一つを解決することができる電子カルテシステムを提供することを目的とする。本発明の目的の一つは、簡易なデータ構成により、患者の年齢及び体重の少なくとも一つに対応した適正な処方量を算出することができ、処方ミスを軽減することができる電子カルテシステムを提供することである。
前述した課題を解決するため、本発明の電子カルテシステムは、電子カルテを表示する電子カルテ端末にネットワークを介して接続する電子カルテサーバを備え、電子カルテサーバは、患者毎に作成された電子カルテ、薬剤毎に年齢範囲別又は体重範囲別に対応付けられた第1の処方量、及び第1の処方量と第1の処方量とは異なる種類の第2の処方量との間の換算係数を記憶する記憶手段と、患者に対して処方する薬剤が選択されると、患者の年齢及び体重の少なくとも一方に対応する第1の処方量を特定するとともに、換算係数に基づいて第2の処方量を算出し、該第1の処方量及び該第2の処方量を電子カルテ端末に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする。
上記電子カルテシステムにおいて、制御手段は、処方する薬剤に付与された優先区分に基づき、患者の体重及び年齢のいずれか一方に対応する第1の処方量を特定することが好ましい。また、制御手段は、さらに患者の体重及び年齢の他方に対応する第1の処方量をもう一つ特定してもよい。また、制御手段は、患者の体重及び年齢のいずれか一方に対応する第1の処方量と他方に対応する第1の処方量とにより、第1の処方量を範囲で特定してもよい。
加えて、制御手段は、第1の処方量及び第2の処方量のいずれか一方がユーザによって設定された場合、換算係数に基づいて他方を算出し、ユーザによって設定された第1の処方量及び第2の処方量のいずれか一方及び換算係数に基づいて算出された他方を電子カルテ端末に表示することが好ましい。制御手段は、電子カルテ端末に表示された第1の処方量が対応付けられている所定の年齢範囲内に患者の年齢が含まれない場合及び/又は電子カルテ端末に表示された第1の処方量が対応付けられている所定の体重範囲内に患者の体重が含まれない場合、第1の処方量が適正でない旨を表示してもよい。
第1の処方量の種類は、処方される薬剤の薬価算定単位を基準として示される薬剤量、有効成分の量として示される成分量、及び個包装単位を基準として示される個包装量のうちの一つであり、薬剤に応じて第1の処方量の種類が異なってもよい。
本発明によれば、薬剤毎に年齢範囲別又は体重範囲別に対応付けられた処方量を設定する構成を採用したので、処方オーダーを作成する際に患者の年齢又は体重に応じた処方量を適正かつ簡単に特定することができる。また、患者に処方する薬剤について複数の種類の処方量を表示する構成を採用したので、処方ミスを軽減し、過剰投与などの医療事故を防止することができる。その他の効果については、発明を実施するための形態において述べる。
本発明の実施形態の電子カルテシステムの全体構成を示す概略図 薬剤マスタの一例を示す図 処方マスタの一例を示す図 各処方量間の換算テーブルを示す図 処方オーダー作成処理の一例を示すフローチャート 処方量自動計算処理の一例を示すフローチャート 処方オーダー画面の一例を示す図
[本発明の概要]
本発明は、患者の電子カルテを作成及び管理する電子カルテシステムであって、患者の情報(例えば、年齢及び体重の少なくとも一方)に基づいて、患者に処方する薬剤についての複数の種類の処方量(例えば、薬剤量、成分量、その他量)を適正に算出し、複数の種類の処方量をまとめて一時にユーザに提示するものである。
ここで、本明細書では、「薬剤量」とは、保険医療機関及び保険薬局が薬剤の支給に要する単位(以下「薬価算定単位」という。)を基準として求められる薬剤の量をいい、例えば、○錠、○○g、○○mlのように投与形態等により異なる単位で表されることが多い。レセプト処理において、薬剤量に、薬価(薬価算定単位あたりの平均的な費用の額として銘柄毎に定める額)が乗じられると、薬剤料が算出される。すなわち、電子カルテシステムで算出された「薬剤量」は、そのままレセプトシステムに受け渡すことができ、別途換算を要しないので好ましい。「成分量」とは、薬剤量に含まれる有効成分(原薬)の量をいい、例えば、〇〇mgのように表される。「その他量」とは、必要に応じて適宜使用される量であり、例えば、薬剤の固包装単位を基準として求められる固包装量などをいい、○包、○瓶のように表される。また、その他量として、製剤の総量(重さ)から成分量を減じた量としてもよい。
複数の種類の処方量(例えば、薬剤量、成分量及びその他量)は、第1の処方量と第2の処方量とに区分される。換言すれば、第1の処方量は、複数の種類の処方量のうちのいずれか一つであり、第2の処方量は、複数の種類の処方量のうちの他の種類の少なくとも一つである。第1の処方量と第2の処方量に、いずれの処方量を割り当てるかは、薬剤の性質、用法等に応じて適宜選択されるが、第1の処方量及び第2の処方量のいずれか一方は、レセプト処理に必要となる「薬剤量」を含むことが好ましい。また、第1の処方量と第2の処方量に割り当てる種類を変更可能に構成してもよい。第1の処方量と第2の処方量は、薬剤により種類が異なるものであるため、各処方量の単位は薬剤により異なるものとなってもよい。
第1の処方量(例えば、薬剤量)は、薬剤毎に年齢範囲別又は体重範囲別に対応付けられている。年齢範囲及び体重範囲は、それぞれ薬剤の性質、用量等に応じてあらかじめ複数の段階に区分され、区分された各年齢範囲又は各体重範囲の少なくとも一方に第1の処方量が対応付けられる。第2の処方量(例えば、成分量及びその他量)は、所定の換算係数によって第1の処方量から換算可能な量である。第2の処方量は、複数の種類の処方量のうちの他の少なくとも一つ(例えば、成分量)であり、複数の種類(例えば、成分量及びその他量)を含んでもよい。
このように、本発明によれば、患者に処方する薬剤の処方量を算出する際に、第1の処方量と第2の処方量とが算出され、電子カルテ端末上に表示されるので、処方量の錯誤(薬剤量と成分量とを取り違えるミスなど)を軽減することができる。
また、本発明によれば、薬剤毎にあらかじめ第1の処方量と複数の段階に区分された年齢範囲及び体重範囲との少なくとも一方が対応付けられるので、処方量を算出する際に複雑な計算式又は係数を用いることなく、簡易なデータ構成によって、患者の年齢及び体重の少なくとも一方に基づいて適正な処方量を簡単に特定することができ、患者の年齢及び体重の両方に基づいて適正な処方量を簡単に特定することもできる。
また、薬剤の処方に際して制限事項(例えば、体重〇〇kg未満の場合、処方不可、年齢○○歳未満の場合、処方不可など)がある場合、かかる制限事項を年齢範囲又は体重範囲毎に設定可能な薬剤コメントとしてユーザに提供してもよく、ユーザは、特定された処方量が制限事項に違反していないか確認することもできる。
さらに、本発明では、あらかじめ薬剤毎に優先区分を付与することができる。優先区分は、処方量を患者の年齢及び体重のいずれによって特定するかを決定する情報であり、優先区分をあらかじめ薬剤に対して付与すれば、ユーザの操作を介在させることなく、薬剤の性質、用法等に応じて、患者の年齢に該当する所定の年齢範囲に対応付けられた処方量及び患者の体重に該当する所定の体重範囲に対応づけられた処方量のいずれか一方を自動的に特定することができる。
患者が小児の場合、処方量の決定に際して、患者の体重を重視することが一般的である。この場合、優先区分として「体重」を付与しておけば、患者の年齢が一定の基準に達していたとしても、患者の体重がその年齢における平均的な体重より軽い場合は、体重に応じて適正な処方量、すなわち、同年齢に対する標準的な処方量より少なめの量を特定することができる。
また、優先区分に、処方に際しての制限事項を組み合わせてもよい。例えば、薬剤が体重による制限事項(体重〇〇kg未満の場合、処方不可など)を有する場合、かかる薬剤については優先区分に「体重」を設定したうえ、制限事項に該当する体重範囲には処方量として「0」を対応付けておき、処方を禁止することを示してもよい。これにより、患者の年齢が一定の基準に達していたとしても、患者の体重が条件を満たさない場合は、処方を制限することができる。一方、薬剤が年齢(月齢を含む)による制限事項(年齢○○歳未満の場合、処方不可など)を有する場合、かかる薬剤については優先区分に「年齢」を設定したうえ、制限事項に該当する年齢範囲には処方量として「0」を対応付けておき、処方を禁止することを示してもよい。これにより、患者の体重が一定の基準に達していたとしても、患者の年齢が条件を満たさない場合は、処方を制限することができ、ユーザは、処方の都度、薬剤の制限事項を確認しなくてもよい。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
[電子カルテシステムの構成]
図1は、本発明の実施形態の電子カルテシステム1の全体構成を示す概略図の一例である。本発明の実施形態の電子カルテシステム1は、少なくとも電子カルテを作成及び管理する電子カルテサーバ2を備え、必要に応じて電子カルテサーバ2を管理するための管理端末4及び電子カルテ端末5を含んでもよい。電子カルテサーバ2は、ネットワーク100などを介して、医療機関等に設置された電子カルテ端末5に電子カルテ50を提供し、電子カルテ端末5は、電子カルテ50等を表示画面に表示する。
電子カルテサーバ2は、例えば、各種のサーバ、パーソナルコンピュータ、メインフレーム等の計算機又はこれらの組み合わせによって構成することができる。電子カルテサーバ2は、図示しないハードディスク装置などによって構成される記憶手段20、図示しないプロセッサ及びメモリなどによって構成される制御手段22、ネットワーク100に接続するためのネットワークインターフェイス(図示省略)を必要に応じて備える。
記憶手段20は、医師により電子カルテ端末5を介して作成された電子カルテ50を管理するための電子カルテマスタ200、及び薬剤及び処方に関する情報を管理するための薬剤マスタ220及び処方マスタ240(後述する図2及び図3参照)を格納する。
制御手段22は、プロセッサなどによって記憶手段20に格納された各種プログラムを読み出して実行し、ハードウェアとプログラムとを協働させ、電子カルテを作成及び管理する機能、薬剤及び処方に関する情報を作成及び管理する機能、ユーザを認証する機能、外部システム(例えば、レセプト電算処理システムなど)と連携して各種サービスを提供する機能などを実現する。
管理端末4は、例えば、パーソナルコンピュータ等を採用することができ、管理GUIプログラムなどを有する。これにより、管理端末4は、電子カルテサーバ2の管理者に対し、サーバの構成、各種プログラム、各種マスタを設定及び変更するためのインタフェースを提供する。
ネットワーク100は、特に限定されるものではなく、例えば、公衆電話網、ISDN(Integrated Service Digital Networkの略。デジタル総合サービス網とも呼ばれる。)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、CATV(Community Antenna TeleVision)網、光ファイバー網、無線LAN(Local Area Network)、CS(Communication Satellite)放送、移動電話網等を利用することができる。
電子カルテ端末5は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、多機能携帯電話(スマートフォン、i−phone(登録商標))などを採用することができる。電子カルテ端末5は、記憶手段、制御手段及びネットワークインターフェイスを備え、少なくとも、ネットワーク100に接続する機能、電子カルテサーバ2から提供される電子カルテ50を画面に表示する機能、及び情報を入力する機能を有していればよい。なお、電子カルテサーバ2から電子カルテ端末5に電子カルテ50が提供される場合、電子カルテ端末5は、必ずしも電子カルテ50を記憶部に格納しなくてもよく、電子カルテ50を表示画面において表示可能であればよい。
なお、図1に示したシステムの構成は単なる例示であり、これに限定されない。例えば、電子カルテ端末5が電子カルテサーバ2の一部の機能を実現するように構成してもよいし、電子カルテサーバ2と電子カルテ端末5が協同して各種の機能を実現するように構成してもよい。
図2は、薬剤マスタ220の一例を示す図である。図2に示す薬剤マスタ220は、薬剤ID221、薬剤名222、薬剤量の単位223、成分量換算係数224、成分量の単位225、その他量換算係数226、その他量の単位227、優先区分228、第1の処方量の区分229及び処方区分230を含む。
薬剤ID221は、薬剤を一意に特定する識別情報である。薬剤名222は、薬剤(製剤)の名称を示す情報である。薬剤量の単位223は、薬剤量を規定する単位であり、例えば、薬剤の投与形態に応じて「錠」「ml」「g」「管」などが格納される。成分量換算係数224は、薬剤について薬剤量と成分量とを相互に換算するための係数又は比率を示す情報であり、例えば、薬剤量の1単位あたりの成分量とすることができる。
成分量の単位225は、成分量を規定する単位であり、例えば、「mg」が格納される。その他量換算係数226は、薬剤について薬剤量とその他量とを相互に換算するための係数又は比率を示す情報であり、例えば、薬剤量の1単位あたりのその他量とすることができる。その他量の単位227は、その他量を規定する単位であり、例えば、「包」「ml」などが格納され、その他量を特定する必要がない場合は特定の単位を格納しなくてよい。
薬剤量の単位、成分量の単位及びその他量の単位は、後述する図4の換算テーブルで用いるため、各々、x、y及びzと表現することもある。同様に、成分量換算係数及びその他量換算係数は、各々、a及びbと表現することもある。
優先区分228は、図3に示す処方マスタ240における第1の処方量245を患者の体重及び年齢のいずれによって特定するかを示す情報であり、「年齢」又は「体重」があらかじめ薬剤毎に付与される。第1の処方量の区分229は、図3に示す処方マスタ240における第1の処方量245の種類を示す情報であり、例えば、「薬剤量」、「成分量」又は「その他量」が設定される。処方区分230は、薬剤の投与方法を示す情報であり、例えば、「内服」、「外用」、「注射」などが設定される。
図3は、処方マスタ240の一例を示す図である。図3に示す処方マスタ240は、処方セットID241、薬剤ID242、年齢範囲243、体重範囲244、第1の処方量245、用法246、用量247及び薬剤コメント248を含む。
処方セットID241は、薬剤の処方についての情報をまとめた処方セットを一意に特定する識別情報である。薬剤ID242は、図2に示す薬剤ID221に対応付けられる薬剤の識別情報である。
年齢範囲243には、所定の年齢の範囲が段階的に設定される。体重範囲244には、所定の体重の範囲が段階的に設定される。第1の処方量245は、年齢範囲243及び体重範囲244の少なくとも一方に対応付けられた処方量の値である。第1の処方量の値は、後述する図4の換算テーブルで用いるため、Sと表現することもある。
年齢範囲と体重範囲との関係は、電子カルテシステムの実施の態様に応じて種々設定することができる。図3では、小児患者向けに1歳未満は所定の月齢範囲、1歳以上は所定の年齢範囲を複数の段階に区切り、複数の段階に区切られた月齢範囲に対して、その月齢範囲に対する標準的な体重範囲が1対1の関係で対応付けられている。そのほかに、例えば、薬剤の種類に応じて、年齢範囲又は体重範囲をさらに細かく区切ってもよいし、大まかに区切ってもよい。また、年齢範囲と体重範囲との関係を示す標準的なモデルを用意し、かかる標準的なモデルを薬剤の種類を問わず、全種類の薬剤に一律に適用してもよい。また、図3では、年齢範囲と体重範囲とを1対1の関係で対応付けているが、これに限定されず、1対複数又は複数対1の関係で対応付けてもよいし、年齢範囲と体重範囲とを対応付けず、第1の処方量に対して年齢範囲と体重範囲とを別々に独立して対応付けてもよい。また、優先区分を付与することによって年齢範囲及び体重範囲のいずれか一方のみを使用する場合、使用しない他方の範囲は特に設定しなくてもよい。また、年齢範囲又は体重範囲の一部を設定しなくてもよい。
用法246及び用量247は、薬剤を使用する際の使用方法および使用量を示す情報である。薬剤コメント248は、薬剤の処方量に応じて付与された規定のコメントであり、薬剤師又は患者に対する注意事項などを含む。また、薬剤の処方に際しての制限事項を含めてもよい。具体的には、体重〇〇kg未満の場合、処方不可である旨、年齢○○歳未満の場合、処方不可である旨などを示してもよい。
なお、図2及び図3に示した薬剤マスタ220及び処方マスタ240は、単なる一例であり、かかるデータ構成に限定されない。例えば、図2及び図3の各マスタに含まれる情報をまとめて一つのマスタデータとして構成してもよい。また、図2及び図3に示した情報以外の薬剤や処方セットに関連した情報を含んでいてもよい。例えば、図3の処方マスタにおける所定の年齢の範囲が段階的に設定された年齢範囲とは別に、薬剤マスタに各薬剤の適用対象となる年齢範囲(適用年齢範囲)をデータとして記憶しておき、薬剤の候補を表示する際に、患者の年齢が適用対象外の薬剤を除外し、適用対象内の薬剤のみを候補として表示するように構成してもよい。また、図3では、説明のため第1の処方量は所定の年齢範囲及び所定の体重範囲に対応付けられているが、第1の処方量を所定の年齢範囲に対応付けた年齢別処方マスタと、第1の処方量を所定の体重範囲に対応付けた体重別処方マスタとを別々に構成してもよい。
図4は、各処方量間の換算テーブル260を示す。図4に示す換算テーブル260は、基準量の種類261に応じて特定される薬剤量262、成分量263、その他量264を相互に換算するための換算式をまとめたテーブルである。基準量とは、換算の基準として特定される処理量であり、初回の自動計算処理では第1の処理量が該当し、ユーザが処理量を設定した場合には設定された処理量が該当する。なお、かかる換算テーブル260の具体的な使用方法については、後述する図6の処方量自動計算処理において説明する。
このように、本発明の一態様では、段階的に設定された所定の年齢範囲及び体重範囲の少なくとも一方に処方量を対応付けたので、複雑な計算式などを用いることなく、患者の年齢及び/又は体重に対応した適正な処方量を特定することができる。また、異なる種類の第1の処方量と第2の処方量とをユーザ(医師)に提示することができるので、処方ミスを軽減することができる。さらに、あらかじめ薬剤毎に優先区分が付与されているので、ユーザの操作を介在させることなく、年齢及び体重のいずれかに基づいて第1の処方量を特定することができる。
そして、薬剤の制限事項に違反しないように第1の処方量が設定されるので、ユーザが処方の都度、年齢制限又は体重制限を確認する必要がない。さらに、第1の処方量は、処方区分によって「薬剤量」、「成分量」及び「その他量」のうちのいずれか一つを特定するように構成したので、薬剤の性質、用法等に応じて第1の処方量として適当な量を選択することができる。例えば、同一の有効成分を含有する薬剤であるが、有効成分の含有率のみが異なる複数の薬剤の場合、第1の処方量として成分量を選択することが好ましい。同一の有効成分であれば、年齢範囲別又は体重範囲別に対応付けられる成分量は、含有率に関わらず共通するので、一つの処方マスタを共通して使用することができる。そして、各薬剤の薬剤マスタに基づいて成分量から薬剤量などに換算することができるので、一つの処方マスタから、含有率の異なる複数の薬剤の薬剤量を特定することができる。加えて、第1の処方量及び第2の処方量のいずれか一方は、薬価算定単位を基準とする薬剤量を含むように構成すれば、レセプト処理の際に改めて単位を換算する必要がなく、薬剤毎に特定された薬剤量をレセプトシステムに受け渡すことが容易である。また、薬剤の単位を個別に登録できるように構成されているため、薬剤の投与形態によらず、適切な単位に基づいて特定される薬剤量を表示することができ、処方ミスを低減できる。
[電子カルテの作成処理]
はじめに、本発明の電子カルテシステムが実行する電子カルテを作成する処理について簡単に説明し、次いで、患者に対して処方する薬剤、薬剤の処方量、用法、コメントなどを含む処方オーダーを作成する処理について説明する。電子カルテシステムの態様に応じて、処方オーダー作成処理は、電子カルテ作成処理とは別に実行されてもよいし、電子カルテ作成処理の一部として実行されてもよい。なお、以下では、電子カルテサーバの制御手段が、電子カルテ及び処方オーダーを作成する場合について説明するが、これは単なる一例である。電子カルテ端末が電子カルテサーバに記憶された電子カルテ、薬剤マスタ及び処方マスタの全部又は一部を保持するように構成し、電子カルテ端末の制御手段が図5及び図6に示す処理の全部又は一部を実行するように構成してもよい。また、処方オーダーは、電子カルテの一部として作成されてもよい。
医療機関に設置される電子カルテ端末を介して、ユーザ(医師)が電子カルテシステムを利用するための認証手続きを完了させると、ユーザに付与された権限の範囲で電子カルテサーバと電子カルテ端末とが連携可能な状態となる。患者が初めて来院する場合、初診などである場合には、電子カルテサーバの制御手段(以下、単に制御手段という。)は、受付時に収集された患者の情報(氏名、性別、生年月日、身長、体重、血液型、症状(問診票の内容)など)を取得し、かかる情報を含む患者の電子カルテを電子カルテマスタに新規に登録するとともに、電子カルテ端末に電子カルテを閲覧編集可能なように提供する。再診などであって、電子カルテマスタに既に該当する患者の電子カルテが登録されている場合には、患者の電子カルテを取得し、電子カルテ端末に提供する。
次いで、診察などにおいてユーザから、電子カルテ端末を介して、主観情報(患者が主観的に感じている症状)、客観情報(診察時に医師が認めた症状)、評価情報(主観的及び客観的情報に基づく医師の評価及び判断)、計画情報(今後の治療計画)などが入力されると、制御手段は、かかる情報を順次電子カルテに登録する。電子カルテサーバは、患者の症状に対応する病名の情報(データベース)、病名に対応する薬剤の情報(データベース)などを保持するか、あるいは、かかる情報を外部システムから取得し、かかる情報を電子カルテ端末に提供できることが好ましい。これにより、ユーザは、症状、病名などから患者に処方する薬剤の候補を閲覧することができる。なお、電子カルテシステムは、薬剤の候補を表示する際に、例えば薬剤マスタの適用年齢範囲を参照して、患者の年齢が適用対象に含まれる薬剤のみを候補として表示すると、その後の処方オーダーを作成する前に不要な薬剤情報をスクリーニングすることができるので好ましい。
電子カルテに一定の情報が登録されたり、患者の症状に対する病名が登録されたりすると、制御手段は、ユーザの操作に基づいて又は自動的に、処方オーダーの作成処理を開始することができる。
[処方オーダーの作成処理]
図5は、電子カルテシステムにおける処方オーダー作成処理の一例を示すフローチャートである。図6は、処方オーダー作成処理における処方量自動計算処理の一例を示すフローチャートである。処方オーダー作成処理では、電子カルテ端末において処方オーダー画面が表示されることが好ましい。図7は、電子カルテ端末に表示される処方オーダー画面800の一例である。なお、電子カルテサーバ又は電子カルテ端末の記憶手段は、処方オーダー画面800を表示するためのデータを格納した処方オーダーテーブルを保持してもよい。以下、図5乃至図7について、図2乃至図4も併せて参照しながら説明する。なお、以下の説明は、電子カルテサーバの制御手段が処方オーダーを作成する場合について説明するが、これは単なる一例であり、かかる構成に限定されるものではない。
まず、制御手段は、図5に示すように、患者の年齢(例えば、「3歳0月」)及び体重(例えば、「11kg」)の情報を取得する(S301)。患者の年齢及び体重は、患者の電子カルテから自動的に取得されることが好ましいが、ユーザが入力することにより取得する構成でもよい。患者の年齢及び体重は、処方オーダー画面800(例えば、欄801)に表示されることが好ましい。
次いで、ユーザが患者に対して処方する薬剤を選択するため、制御手段は、処方オーダー画面800を介してユーザから入力された検索キーワード又は電子カルテに登録された所要の検索キーワードを取得し(S302)、検索キーワードに基づいて、薬剤候補を選択し、選択された薬剤候補を処方オーダー画面800に表示する(S303)。検索キーワードは、適宜の内容を採用することができ、例えば、検査内容、症状、病名、薬剤又は有効成分の名称の一部又は全部でもよい。
制御手段は、診察の過程で電子カルテに登録された検査内容、症状又は病名等の診断結果、又は過去の診断結果、処方の一部を検索キーワードとして自動的に又は手動により取得できることが好ましい。例えば、手動で取得する場合は、電子カルテ端末の表示画面に電子カルテを表示させ、所望の情報をユーザに選択させるようにすることも可能であるし、電子カルテ内の検索キーワードとなりうる情報を抽出し、一覧として表示してユーザに選択させるようにしてもよい。また、処方オーダー画面800のいずれかの欄又は図示しない検索キーワード入力欄に検索キーワードを入力可能に構成し、ユーザに検索キーワードを入力させる構成でもよい。さらに、制御手段は、検索キーワードに基づいて、内部又は外部のデータベースを参照して適当な薬剤候補を自動的に抽出する。
例えば、ユーザが処方オーダー画面800(例えば、欄802)に薬剤名の少なくとも一部を入力した場合、制御手段は、処方オーダー画面800(例えば、欄802)を介してユーザから入力された薬剤名の少なくとも一部を検索キーワード(「○○」)として取得し(S302)、図2に示す薬剤マスタ220の薬剤名222のカラムを参照し、検索キーワードを含む薬剤名を含むエントリを特定し、特定したエントリにおける薬剤ID(例えば、「10012」「10013」)と薬剤名(「○○○錠500mg」「○○○シロップ5%」)を取得し、かかる薬剤名を薬剤候補として処方オーダー画面800(例えば、欄801に連なるプルダウンメニュー)に表示する(S303)。そして、ユーザは、表示された薬剤候補から処方する薬剤名を選択することができる。
次いで、制御手段は、処方オーダー画面800(例えば、欄802)を介してユーザから処方する薬剤名(例えば、「○○○錠500mg」)が選択されると、当該薬剤名に対応する薬剤ID(例えば、「10012」)を特定する(S304)。薬剤IDが特定されると、処方量自動計算処理が開始される(S305)。
[処方量自動計算処理]
ここで、図6に示す処方量自動計算処理の詳細を参照すると、まず、制御手段は、処方オーダー画面800において処方量が表示されているか否か判定する(S401)。S401において、処方量が表示されていない場合(「No」の場合であり、初回の処方量自動計算処理であることを示す)、S402以降の処理に進み、処方量が表示されている場合(「Yes」の場合であり、二回目以降の処方量自動計算処理であることを示す)、S501以降の処理に進む。なお、S401は、処方量が表示されているか否かの判定に限定されるものではなく、初回の処方量自動計算処理であるか否か又はユーザによって処方量が設定されたか否かを判別できればよく、別の判定基準によって判定してもよい。
S402において、制御手段は、図3に示す処方マスタ240を参照し、S304において取得した処方する薬剤の薬剤ID(「10012」)に対応する処方セットID(「20110」〜「20117」)を特定する。次いで、制御手段は、図2に示す薬剤マスタ220を参照し、処方する薬剤の薬剤ID(「10012」)に対応付けられている優先区分(「体重」)を取得する(S403)。
制御手段は、取得した優先区分が「年齢」及び「体重」のいずれであるかを判定する(S404)。S404において、「年齢」と判定された場合は、S405の処理を実行し、「体重」と判定された場合は、S406の処理を実行する。本例では、薬剤ID「10012」の薬剤に付与された優先区分は「体重」であるので、制御手段は、S406の処理を実行する。具体的には、処方マスタ240の体重範囲244を参照し、患者の体重(「11kg」)に該当する体重範囲(「10〜11kg」)の処方セットID(「20114」)を特定し、当該処方セットIDに対応付けられた第1の処方量の値Sとして「2.00」を取得する(S406)。
そして、制御手段は、図2に示す薬剤マスタ220及び図4に示す換算テーブル260から、第1の処方量を基準量として第2の処方量を算出する(S407)。具体的には、制御手段は、薬剤マスタ220を参照し、薬剤ID「10012」で特定される「○○○錠500mg」について、薬剤量の単位xとして「錠」、成分量換算係数aとして「500」、成分量の単位yとして「mg」、第1の処方量の区分として「薬剤量」を取得する。
換算テーブル260において基準量の種類261が「薬剤量」である場合、薬剤量262は、S[x]として求めることができるので、本例の場合、「2.00」と「錠」を合わせて、第1の処方量は、薬剤量「2錠」となる。また、成分量263は、S×a[y]として求めることができるので、本例の場合、2.00×500[mg]となり、第2の処方量は、成分量「1000mg」となる。仮に、薬剤マスタ220における第1の処方量の区分229が「成分量」だった場合、基準量の種類261も「成分量」となり、成分量263はS[y]であり、薬剤量262は、S/a[x]として求めることができ、その他量264はS×b/a[y]として求めることができる。また、基準量の種類261が「その他量」であった場合、その他量264はS[z]であり、図4の換算式から薬剤量262(S/b[x])及び成分量263(S×a/b[y])を求めることができる。
また、制御手段は、特定した薬剤ID又は処方セットIDに対応付けられた用法、用量及び処方区分(例えば、「1日3回毎食後に、内服5日分」)と薬剤コメント(「***」)を取得し(S408)、処方量自動計算処理を終了する。
図5に戻り、制御手段は、患者に処方する薬剤名、第1の処方量(薬剤量)、第2の処方量(成分量)、用法用量、薬剤コメントなどを図7に示す処方オーダー画面800(例えば、欄802〜807)に表示させる(S306)。これにより、ユーザは、処方オーダー画面800を介して、患者に処方する薬剤と薬剤の処方量を確認することができる。
このように、本発明の一態様によれば、患者の年齢又は体重に基づいて薬剤毎に定められた適正な処方量を自動的に算出し、ユーザに提示することができる。
また、ユーザは、算出された処方量が適正でない又は患者の病状などに応じて処方量を設定し直す必要があると判断した場合は、処方オーダー画面800(欄803〜805)を介して処方量(例えば、薬剤量、成分量、その他量)の数値を新たに設定することもできる(例えば、薬剤量を「2錠」から「3錠」に増加)。なお、処方量自動計算処理を経ずに、ユーザが処方オーダー画面800を介して仮の処方量を設定できるようにしてもよい。
S307において、制御手段は、処方量がユーザによって設定されたか否か判定し、設定されていない場合には、制御手段は、処方オーダー画面800を介してユーザによって入力された医師コメント(欄808)を取得し(S312)、最終的にユーザによって登録ボタン809が操作されると、処方オーダーを登録し(S313)、処方オーダーの作成処理を終了する。さらに、制御手段は、確定した処方オーダーをレセプトシステムに受け渡してもよい。また、処方オーダーに基づいて処方せんを作成してもよい。処方オーダーは、電子カルテの一部として保持されてもよい。
S307において、処方量がユーザによって設定された場合には、制御手段は、設定された処方量を取得する(S308)。上記例では、制御手段は、新たに設定された薬剤量(第1の処方量)として「3錠」を取得する。次いで、制御手段は、図6に示す処方量自動計算処理を再び開始し(S309)、S401の判定において、処方量が表示されているため、「Yes」となり、S501以降の処理に進む。S501において、新たに設定された処方量(薬剤量)を基準量として、図4に示す換算テーブル260から他の処方量(成分量)を算出する(S501)。具体的には、制御手段は、設定された処方量が薬剤量であることから、図4における基準量の種類261が「薬剤量」の換算式を適用し、薬剤量:S[x](「3錠」)に対して、成分量はS×a[y]で求められることから、新たに設定される成分量(第2の処方量)は、3×500[mg]、すなわち、「1500mg」と算出することができる。仮に、ユーザが成分量を「1000mg」から「500mg」に減少させた場合は、制御手段は、S308において新たに設定された処方量として成分量「500mg」を取得し、S501において成分量「500mg」を基準量として、図4における基準量の種類261が「成分量」の換算式を適用し、成分量:S[y]=「500mg」に対して、薬剤量はS/a[x] で求められることから、新たに設定される薬剤量(第1の処方量)は、500/500[錠]、すなわち、「1錠」と算出することができる。さらに、制御手段は、図3に示す処方マスタ240から、新たに設定された処方量に対応付けられた用法、用量及び薬剤コメントを取得してもよい(S502)。
処方量自動計算処理が終了すると、制御手段は、図5に示すように、新たに設定された第1の処方量、第2の処方量、用法、用量及び薬剤コメントなどを処方オーダー画面800に表示させる(S310)。次いで、制御手段は、処方マスタ240を参照し、患者の年齢及び体重に基づいて、表示された処方量が適正であるか否か判定してもよい(S311)。適正であるか否かの判定基準は、種々設定することができる。例えば、患者の年齢及び体重の両方が、設定された処方量に対応付けられている所定の年齢範囲及び体重範囲に含まれない場合、制御手段は、処方量が適正でないと判定してもよい。また、患者の年齢及び体重のいずれか一方が、表示された処方量に対応付けられている所定の年齢範囲及び体重範囲のいずれか一方に含まれない場合、制御手段は、処方量が適正でないと判定してもよい。この場合、制御手段は、処方オーダー画面に警告を表示し、ユーザに対して処方量の再設定を促してもよい。制御手段は、警告とともに推奨する処方量を表示させてもよい。本例では、患者の年齢及び体重が「3歳0か月、11kg」であるのに対し、新たに設定された薬剤量「3錠」の適正範囲として対応付けられている年齢範囲は3歳以上であり、体重範囲は12kg以上である。このため、新たに設定された薬剤量は、年齢範囲の条件は満たしているものの、体重範囲の条件は満たしておらず、注意を要する旨のメッセージを表示してもよい。ユーザは、警告の表示が発せられた場合、推奨された処方量などを参考に、処方量を再度設定し直すことができる。
S307において、制御手段は、第1の処方量又は第2の処方量が再度設定された否か判定し、設定された場合にはS308以降の処理を繰り返す。設定されていない場合には、制御手段は、処方オーダー画面800を介してユーザによって入力された医師コメント(欄808)を取得し(S312)、最終的にユーザによって登録ボタン809が操作されると、処方オーダーを登録し(S313)、処方オーダーの作成処理を終了する。この場合、制御手段は、確定した処方オーダーをレセプトシステムに受け渡してもよい。また、処方オーダーに基づいて処方せんを作成してもよい。処方オーダーは、電子カルテの一部として保持されてもよい。
[処方量自動計算処理の別の例]
上記の処方量自動計算処理の例では、優先区分に基づいて患者の年齢及び体重のいずれか一方に対応する第1の処方量を一つ特定したが、さらに患者の年齢及び体重の他方に対応する第1の処方量をもう一つ特定することもできる。また、処方オーダー画面800における第1の処方量の初期表示として、かかる二値を表示してもよいし、二値によって第1の処方量を範囲で表示してもよい。
具体的には、図6に示す処方量自動計算処理のS406において、患者の体重(「11kg」)に対応する第1の処方量として「2錠」が特定された後、制御手段は、さらにS405において、図3に示す処方マスタ240から患者の年齢(「3歳0か月」)に対応する第1の処方量として「3錠」を特定することができ、第1の処方量の初期表示として二値(「2錠」及び「3錠」)を表示することができる。さらに、優先区分が「体重」であれば、第1の処方量の初期表示に際して、薬剤量「2錠」を推奨値、薬剤量「3錠」を許容値として表示してもよい。
また、第1の処方量の初期表示として、例えば「2〜3錠」のように二値によって特定される一定の範囲を表示してもよい。医師であるユーザは、第1の処方量の初期表示に基づいて、患者の病状を考慮しながら、第1の処方量を一つに設定することができる(S307〜S310参照)。なお、患者の年齢及び体重の両方によって、処方量(の範囲)を特定する場合、薬剤に付与された優先区分にかかわらず、図6に示すS405及びS406のいずれの処理を先に実行してもよい。なお、体重に対応する第1の処方量と年齢に対応する第1の処方量とが同じ値であった場合や、一方の値が適正ではなかった場合は、第1の処方量として一つの値しか表示されないこともある。
さらに、各第1の処方量を基準量として、図4に示す換算テーブルを使用して、第2の処方量を算出してよい。
このように、本発明の一態様によれば、患者の年齢及び体重の両方に基づいて薬剤毎に定められた適正な処方量の二値又は範囲を特定し、かかる処方量の二値又は範囲を初期表示としてユーザに提示することができる。ユーザは、かかる処方量の二値又は範囲を参考にして、最終的に処方量を一つに設定することができる。
1 電子カルテシステム
2 電子カルテサーバ
4 管理端末
5 電子カルテ端末
20 記憶手段
22 制御手段
100 ネットワーク
200 電子カルテマスタ
220 薬剤マスタ
240 処方マスタ

Claims (8)

  1. 電子カルテを表示する電子カルテ端末にネットワークを介して接続する電子カルテサーバを備える電子カルテシステムであって、
    前記電子カルテサーバは、
    患者毎に作成された電子カルテ、薬剤毎に年齢範囲別又は体重範囲別に対応付けられた第1の処方量、及び前記第1の処方量と前記第1の処方量とは異なる種類の第2の処方量との間の換算係数を記憶する記憶手段と、
    患者に対して処方する薬剤が選択されると、前記患者の年齢及び体重の少なくとも一方に対応する第1の処方量を特定するとともに、前記換算係数に基づいて第2の処方量を算出し、該第1の処方量及び該第2の処方量を前記電子カルテ端末に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする電子カルテシステム。
  2. 前記制御手段は、前記処方する薬剤に付与された優先区分に基づき、前記患者の体重及び年齢のいずれか一方に対応する第1の処方量を特定することを特徴とする請求項1に記載の電子カルテシステム。
  3. 前記制御手段は、さらに前記患者の体重及び年齢の他方に対応する第1の処方量をもう一つ特定することを特徴とする請求項2に記載の電子カルテシステム。
  4. 前記制御手段は、前記患者の体重及び年齢のいずれか一方に対応する第1の処方量と前記他方に対応する第1の処方量とにより、第1の処方量を範囲で特定することを特徴とする請求項3に記載の電子カルテシステム。
  5. 前記制御手段は、第1の処方量及び第2の処方量のいずれか一方がユーザによって設定された場合、前記換算係数に基づいて他方を算出し、
    ユーザによって設定された前記第1の処方量及び第2の処方量のいずれか一方及び換算係数に基づいて算出された前記他方を前記電子カルテ端末に表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載された電子カルテシステム。
  6. 前記制御手段は、前記電子カルテ端末に表示された第1の処方量が対応付けられている所定の年齢範囲内に前記患者の年齢が含まれない場合、当該第1の処方量が適正でない旨を表示することを特徴とする請求項5に記載の電子カルテシステム。
  7. 前記制御手段は、前記電子カルテ端末に表示された第1の処方量が対応付けられている所定の体重範囲内に前記患者の体重が含まれない場合、当該第1の処方量が適正でない旨を表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の電子カルテシステム。
  8. 前記第1の処方量の種類は、前記処方される薬剤の薬価算定単位を基準として示される薬剤量、有効成分の量として示される成分量、及び個包装単位を基準として示される個包装量のうちの一つであり、薬剤に応じて第1の処方量の種類が異なることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の電子カルテシステム。
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