JPWO2017130443A1 - ターゲット供給装置及び極端紫外光生成装置 - Google Patents

ターゲット供給装置及び極端紫外光生成装置 Download PDF

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Abstract

ターゲット供給装置は、タンクに収容されている液状のターゲット物質を出力するノズルと、矩形波の電気信号が入力されることによって駆動される加振素子と、ノズルから出力されたドロップレットを検出するドロップレット検出部と、ドロップレットの通過時間間隔を計測する通過時間間隔計測部と、制御部と、を備え、制御部は、通過時間間隔の適正レンジを設定する処理と、加振素子に入力する電気信号のデューティ値を変えて、複数のデューティ値の各々において生成されるドロップレットの通過時間間隔計測値及びそのばらつきをデューティ値に対応付けて記憶する処理と、複数のデューティ値のうち、通過時間間隔計測値が適正レンジ内にあるデューティ値の中で、ばらつきに基づいて、動作デューティ値を決定する処理と、を行う構成としてもよい。

Description

本開示は、ターゲット供給装置及び極端紫外光生成装置に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、20nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、波長13nm程度の極端紫外(EUV;Extreme Ultra Violet)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
特開2014−186846号公報 国際公開第2014/189055号 特表2010−527300号公報 特表2009−541093号公報 特開昭62−74659号公報
概要
本開示の1つの観点に係るターゲット供給装置は、液状のターゲット物質を収容するタンクと、タンクに収容されているターゲット物質を出力するノズルと、矩形波の電気信号が入力されることによって駆動される加振素子であって、ノズルから出力されるターゲット物質に振動を与えてターゲット物質のドロップレットを発生させる加振素子と、ノズルから出力されたドロップレットを検出するドロップレット検出部と、ドロップレット検出部から得られる検出信号を基に、ドロップレットの通過時間間隔を計測する通過時間間隔計測部と、通過時間間隔計測部によって計測した通過時間間隔計測値に基づいて、加振素子の動作に適した電気信号のデューティ値である動作デューティ値を決定する制御部と、を備え、制御部は、通過時間間隔の適正レンジを設定する処理と、加振素子に入力する電気信号のデューティ値を変えて、複数のデューティ値について各デューティ値の電気信号を加振素子に入力することにより、各デューティ値において生成されるドロップレットの通過時間間隔計測値、及び通過時間間隔計測値のばらつきを、デューティ値に対応付けて記憶する処理と、複数のデューティ値のうち、通過時間間隔計測値が適正レンジ内にあるデューティ値の中で、ばらつきに基づいて、動作デューティ値を決定する処理と、を行う構成としてもよい。
本開示の他の観点に係るターゲット供給装置は、液状のターゲット物質を収容するタンクと、タンクに収容されているターゲット物質を出力するノズルと、矩形波の電気信号が入力されることによって駆動される加振素子であって、ノズルから出力されるターゲット物質に振動を与えてターゲット物質のドロップレットを発生させる加振素子と、ノズルから出力されたドロップレットを検出するドロップレット検出部と、ドロップレット検出部から得られる検出信号を基に、ドロップレットの通過時間間隔を計測する通過時間間隔計測部と、通過時間間隔計測部によって計測した通過時間間隔計測値に基づいて、加振素子の動作に適した電気信号のデューティ値である動作デューティ値を決定する制御部と、を備え、制御部は、通過時間間隔計測値からドロップレット間距離を表すドロップレット間距離計測値を算出する処理と、ドロップレット間距離の適正レンジを設定する処理と、加振素子に入力する電気信号のデューティ値を変えて、複数のデューティ値について各デューティ値の電気信号を加振素子に入力することにより、各デューティ値において生成されるドロップレットのドロップレット間距離計測値及びドロップレット間距離計測値のばらつきを、デューティ値に対応付けて記憶する処理と、複数のデューティ値のうち、ドロップレット間距離計測値が適正レンジ内にあるデューティ値の中で、ばらつきに基づいて、動作デューティ値を決定する処理と、を行う構成としてもよい。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す図である。 図2は、ターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の構成を概略的に示す図である。 図3は、レーザ装置の発光トリガを制御する制御システムの構成を示すブロック図である。 図4は、ドロップレットの生成が正常な場合にドロップレット検出装置の検出範囲を通過するドロップレットの様子を模式的に示した図である。 図5は、ドロップレットの生成が正常な場合に得られる通過タイミング信号と発光トリガ信号のタイミングチャートである。 図6は、合体不良のドロップレットが生成された場合にドロップレット検出装置の検出範囲を通過するドロップレットの様子を模式的に示した図である。 図7は、合体不良のドロップレットが生成された場合に得られる通過タイミング信号のタイミングチャートを示す。 図8は、サテライトが生成された場合にドロップレット検出装置の検出範囲を通過するドロップレットの様子を模式的に示した図である。 図9は、サテライトが生成された場合に得られる通過タイミング信号のタイミングチャートの例を示す。 図10は、第1実施形態に係るターゲット供給装置における制御システムの構成を示したブロック図である。 図11は、合体不良のドロップレット又はサテライトが生成された場合に得られる通過タイミング信号と発光トリガ信号のタイミングチャートの一例である。 図12は、図10に示した制御部の動作の例を示すフローチャートである。 図13は、EUV光生成装置におけるバースト動作の説明図である。 図14は、第1実施形態におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。 図15は、図14のステップS15における処理を示すフローチャートである。 図16Aは、デューティ25%の矩形波の信号を例示した波形図である。 図16Bは、デューティ50%の矩形波の信号を例示した波形図である。 図17は、第2実施形態のターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の構成を概略的に示す図である。 図18は、第2実施形態におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。 図19は、図18のステップS37における処理を示すフローチャートである。 図20は、第3実施形態のターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の構成を概略的に示す図である。 図21は、第3実施形態における制御システムの構成を示したブロック図である。 図22Aは、正常なドロップレット吐出状態が撮像された出力画像の例を示す図である。 図22Bは、図22Aに示した出力画像の判定ラインにおける断面プロファイルの例を示す図である。 図23Aは、サテライトが発生した状態が撮像された出力画像の例を示す図である。 図23Bは、図23Aに示した出力画像の判定ラインにおける断面プロファイルの例を示す図である。 図24は、第3実施形態における制御部の動作の例を示すフローチャートである。 図25は、第4実施形態におけるドロップレット検出装置の受光部に採用し得る光センサの構成例を示す図である。 図26は、正常なドロップレット吐出状態を捉えた光センサを受光面側から見た説明図である。 図27は、光センサの各受光面の出力電圧と閾値電圧、並びに各コンパレータの出力の例を示した図である。 図28は、サテライト発生時のドロップレット吐出状態を捉えた光センサを受光面側から見た説明図である。 図29は、サテライト発生時のドロップレット吐出状態における光センサの各受光面の出力電圧と閾値電圧、並びに各コンパレータの出力の例を示した図である。 図30は、第4実施形態における制御部の動作を示すフローチャートである。 図31は、第5実施形態のターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の構成を概略的に示す図である。 図32は、第6実施形態に係るターゲット供給装置における制御システムの構成を示したブロック図である。 図33は、第6実施形態におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。 図34は、第7実施形態におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。 図35は、第8実施形態における制御部の動作の例を示すフローチャートである。 図36は、各制御部のハードウェア環境の例を示すブロック図である。
実施形態
−目次−
1.EUV光生成システムの全体説明
1.1 構成
1.2 動作
2.用語の説明
3.ターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の説明
3.1 構成
3.2 動作
4.レーザ装置の発光トリガ制御システムの説明
4.1 構成
4.2 動作
5.課題
6.実施形態1
6.1 構成
6.2 動作
6.3 作用・効果
7.実施形態2
7.1 構成
7.2 動作
7.3 作用・効果
8.実施形態3
8.1 構成
8.2 動作
9.実施形態4
9.1 構成
9.2 動作
9.3 作用・効果
10.実施形態5
10.1 構成
10.2 動作
10.3 作用・効果
11.実施形態6
11.1 構成
11.2 動作
11.3 作用・効果
12.実施形態7
12.1 構成
12.2 動作
12.3 作用・効果
13.実施形態8
13.1 構成
13.2 動作
13.3 作用・効果
14.実施形態の組み合わせの例について
15.各制御部のハードウェア環境
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.EUV光生成システムの全体説明
1.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システム10の構成を概略的に示す。EUV光生成装置12は、少なくとも1つのレーザ装置14と共に用いられてもよい。本開示においては、EUV光生成装置12及びレーザ装置14を含むシステムを、EUV光生成システム10と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置12は、チャンバ16及びターゲット供給部18を含んでもよい。チャンバ16は、密閉可能であってもよい。ターゲット供給部18は、例えば、チャンバ16の壁を貫通するように取り付けられてもよい。ターゲット供給部18から供給されるターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
チャンバ16の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔には、ウインドウ20が設けられてもよく、ウインドウ20をレーザ装置14から出力されるパルスレーザ光22が透過してもよい。チャンバ16の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー24が配置されてもよい。EUV集光ミラー24は、第1の焦点及び第2の焦点を有し得る。EUV集光ミラー24の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー24は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域26に位置し、その第2の焦点が中間集光点(IF;Intermediate Focusing point)28に位置するように配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー24の中央部には貫通孔30が設けられていてもよく、貫通孔30をパルスレーザ光23が通過してもよい。
EUV光生成装置12は、EUV光生成制御部40及びターゲットセンサ42等を含んでもよい。ターゲットセンサ42は、撮像機能を有してもよく、ターゲット44の存在、軌跡、位置、速度等を検出するよう構成されてもよい。
また、EUV光生成装置12は、チャンバ16の内部と露光装置46の内部とを連通させる接続部48を含んでもよい。接続部48の内部には、アパーチャ50が形成された壁52が設けられてもよい。壁52は、そのアパーチャ50がEUV集光ミラー24の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
さらに、EUV光生成装置12は、レーザ光進行方向制御部54、レーザ光集光ミラー56、ターゲット44を回収するためのターゲット回収部58等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部54は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。ターゲット回収部58は、チャンバ16内に出力されたターゲット44が進行する方向の延長線上に配置されてもよい。
1.2 動作
図1を参照に、レーザ装置14から出力されたパルスレーザ光21は、レーザ光進行方向制御部54を経て、パルスレーザ光22としてウインドウ20を透過してチャンバ16内に入射してもよい。パルスレーザ光22は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ16内を進み、レーザ光集光ミラー56で反射されて、パルスレーザ光23として少なくとも1つのターゲット44に照射されてもよい。
ターゲット供給部18は、ターゲット44をチャンバ16内部のプラズマ生成領域26に向けて出力するよう構成されてもよい。ターゲット44には、パルスレーザ光23に含まれる少なくとも1つのパルスが照射されてもよい。パルスレーザ光が照射されたターゲット44はプラズマ化し、そのプラズマから放射光60が放射され得る。放射光60に含まれるEUV光62は、EUV集光ミラー24によって選択的に反射されてもよい。EUV集光ミラー24によって反射されたEUV光62は、中間集光点28で集光され、露光装置46に出力されてもよい。なお、1つのターゲット44に、パルスレーザ光23に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
EUV光生成制御部40は、EUV光生成システム10全体の制御を統括するよう構成されてもよい。EUV光生成制御部40は、ターゲットセンサ42によって撮像されたターゲット44のイメージデータ等を処理するよう構成されてもよい。また、EUV光生成制御部40は、例えば、ターゲット44が出力されるタイミング、ターゲット44の出力方向等を制御するよう構成されてもよい。さらに、EUV光生成制御部40は、例えば、レーザ装置14の発振タイミング、パルスレーザ光22の進行方向、パルスレーザ光23の集光位置等を制御するよう構成されてもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
2.用語の説明
「ターゲット」は、チャンバに導入されたレーザ光の被照射物である。レーザ光が照射されたターゲットは、プラズマ化してEUV光を放射する。
「ドロップレット」は、チャンバ内へ供給されたターゲットの一形態である。
「プラズマ光」は、プラズマ化したドロップレットから放射された放射光である。当該放射光にはEUV光が含まれている。
「EUV光」という表記は、「極端紫外光」の略語表記である。
「ドロップレット間隔」という用語における「間隔」は、時間間隔を意味する場合と、空間的な間隔である距離を意味する場合の両方の場合があり得る。
「通過タイミング間隔」は、ドロップレットの通過タイミングの時間間隔を指す。通過タイミング間隔は、ドロップレットの通過時間間隔に相当する。
「ドロップレット間距離」は、異なる二つのドロップレットの空間的な間隔、つまりドロップレットスペースを意味する。本開示におけるドロップレット間距離は、ドロップレットの吐出方向についてのドロップレットスペースを指す。
「ピエゾ素子」は「圧電素子」と同義である。ピエゾ素子は、「加振素子」の一形態である。
3.ターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の説明
3.1 構成
図2に、ターゲット供給装置を含むEUV光生成装置の構成を概略的に示す。EUV光生成装置12は、制御部70と、遅延回路72と、ターゲット供給部18と、不活性ガス供給部74と、ドロップレット検出装置76とを含んでもよい。
ターゲット供給部18は、ターゲット物質を出力するノズル80と、ターゲット物質を貯蔵するタンク82と、ヒータ84と、温度センサ86と、ピエゾ素子88と、圧力調節器90と、を含んでいてもよい。
ターゲット供給装置78は、制御部70、ターゲット供給部18、ヒータ電源92、温度制御部94、及びピエゾ電源96を含んでいてもよい。また、ターゲット供給装置78は、ドロップレット検出装置76を含んでいてもよい。
タンク82は、中空の筒形状に形成されてもよい。中空のタンク82の内部には、ターゲット物質が収容されてもよい。タンク82の少なくとも内部は、ターゲット物質と反応し難い材料で構成されてもよい。ターゲット物質の一例であるスズと反応し難い材料は、例えば、SiC、SiO、Al、モリブデン、タングステン、及びタンタルのいずれかであってもよい。
タンク82には、ヒータ84と温度センサ86が固定されていてもよい。ヒータ84は、筒形状のタンク82の外側側面部に固定されてもよい。タンク82に固定されたヒータ84は、タンク82を加熱してもよい。ヒータ84は、ヒータ電源92と接続されてもよい。
ヒータ電源92は、ヒータ84に電力を供給してもよい。ヒータ電源92は、温度制御部94と接続されてもよい。温度制御部94は、制御部70と接続されてもよく、制御部70に含まれていてもよい。ヒータ電源92は、ヒータ84への電力供給を温度制御部94によって制御されてもよい。
タンク82の外側側面部には、温度センサ86が固定されてもよい。温度センサ86は、温度制御部94と接続されてもよい。温度センサ86は、タンク82の温度を検出し、検出信号を温度制御部94に出力してもよい。温度制御部94は、温度センサから出力された検出信号に基づいて、ヒータ84へ供給する電力を調節し得る。
ヒータ84とヒータ電源92を含む温度調節機構は、温度制御部94の制御信号に基づいてタンク82の温度を調節し得る。
圧力調節器90は不活性ガス供給部74とタンク82の間の配管98に設置してもよい。配管98は、タンク82を含むターゲット供給部18と圧力調節器90とを連通させ得る。配管98は、図示しない断熱材等で覆われてもよい。配管98には、図示しないヒータが設置されてもよい。配管98内の温度は、ターゲット供給部18のタンク82内の温度と同じ温度に保たれてもよい。
不活性ガス供給部74は、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが充填されているガスボンベを含んでいてもよい。不活性ガス供給部74は、圧力調節器90を介して、タンク82内に不活性ガスを給気してもよい。
圧力調節器90は、給気及び排気用の図示しない電磁弁や圧力センサ等を内部に含んでもよい。圧力調節器90は、図示しない圧力センサを用いてタンク82内の圧力を検出してもよい。圧力調節器90は、図示しない排気ポンプに連結されてもよい。圧力調節器90は、図示しない排気ポンプを動作させて、タンク82内のガスを排気してもよい。
圧力調節器90は、タンク82内にガスを給気又はタンク82内のガスを排気することによって、タンク82内の圧力を加圧又は減圧し得る。圧力調節器90は、制御部70と接続されてもよい。圧力調節器90は、検出した圧力の検出信号を制御部70に出力してもよい。圧力調節器90は、制御部70から出力された制御信号が入力されてもよい。
制御部70は、圧力調節器90から出力された検出信号に基づいて、タンク82内の圧力が目標とする圧力になるよう圧力調節器90の動作を制御するための制御信号を圧力調節器90に供給してもよい。圧力調節器90は、制御部70からの制御信号に基づいてタンク82内にガスを給気又はタンク82内のガスを排気してもよい。圧力調節器90がガスを給気又は排気することにより、タンク82内の圧力は、目標とする圧力に調節され得る。
ノズル80は、ターゲット物質を出力するノズル孔80aを備えてもよい。ノズル孔80aから出力させるターゲット物質の一例として、液体スズを採用し得る。ノズル80には、ピエゾ素子88が固定されていてもよい。ピエゾ素子88はピエゾ電源96と接続されてもよい。
ノズル80は、筒形状のタンク82の底面部に設けられていてもよい。ノズル80は、チャンバ16の図示しないターゲット供給孔を通してチャンバ16の内部に配置されてもよい。チャンバ16のターゲット供給孔は、ターゲット供給部18が設置されることで塞がれ得る。ターゲット供給部18がチャンバ16のターゲット供給孔を塞ぐように設置される構造により、チャンバ16の内部は大気と隔絶され得る。ノズル80の少なくとも内面は、ターゲット材料と反応し難い材料で構成されてもよい。
パイプ状のノズル80の一端は、中空のタンク82に固定されてもよい。パイプ状のノズル80の他端には、ノズル孔80aが設けられていてもよい。ノズル80の一端側にあるタンク82がチャンバ16の外部に位置し、ノズル80の他端側にあるノズル孔80aがチャンバ16の内部に位置してもよい。ノズル80の中心軸方向の延長線上には、チャンバ16の内部にあるプラズマ生成領域26が位置してもよい。ノズル80の中心軸方向は、Y軸方向であってもよい。タンク82、ノズル80、及びチャンバ16は、その内部が互いに連通してもよい。
ノズル孔80aは、溶融したターゲット物質をチャンバ16内へジェット状に噴出するような形状で形成されてもよい。
ターゲット供給部18は、例えば、コンティニュアスジェット方式によりドロップレット136を形成してもよい。コンティニュアスジェット方式では、ノズル80を振動させてジェット状に噴出したターゲットの流れに定在波を与え、ターゲットを周期的に分離してもよい。分離されたターゲットは、自己の表面張力によって自由界面を形成してドロップレット136を形成し得る。
ピエゾ素子88と、ピエゾ電源96は、ドロップレット136の形成に必要な振動をノズル80に与えるドロップレット形成機構を構成する要素となり得る。
ピエゾ素子88は、パイプ状のノズル80の外側側面部に固定されてもよい。ノズル80に固定されたピエゾ素子88は、ノズル80に振動を与えてもよい。ピエゾ素子88は、ピエゾ電源96と接続されてもよい。
ピエゾ電源96は、ピエゾ素子88に電力を供給してもよい。ピエゾ電源96は、制御部70と接続されてもよい。ピエゾ電源96は、ピエゾ素子88への電力供給を制御部70によって制御されてもよい。
ドロップレット検出装置76は、図1で説明したターゲットセンサ42の一部又は全部であってもよい。ドロップレット検出装置76は、チャンバ16内に出力されたドロップレット136を検出してもよい。
ドロップレット検出装置76は、光源部100と受光部120とを含んでいてもよい。光源部100は、光源102と照明光学系104を含んでもよい。光源部100は、ターゲット供給部18のノズル80とプラズマ生成領域26の間の軌道上における所定の位置Pのドロップレットを照明するように配置してもよい。光源102には、CW(Continuous−Wave)レーザ光源を用いてもよい。照明光学系104は、集光レンズ106とウインドウ108を含んでもよい。
ドロップレット136に照射される連続レーザ光のビーム径は、ドロップレット136の直径よりも十分に大きくてもよい。ドロップレット136の直径は、例えば20μmとしてもよい。集光レンズ106は、シリンドリカルレンズであってもよい。
光源部100と受光部120とは、チャンバ16内に出力されたターゲットであるドロップレット136の進行経路であるターゲット進行経路を挟んで互いに対向配置されてもよい。光源部100と受光部120の対向方向は、ターゲット進行経路と直交してもよい。
ターゲット進行経路を進行するドロップレット136が所定位置Pに到達すると、光源部100から出射された照明光110が当該ドロップレット136に照射され得る。
受光部120は、受光光学系122と光センサ124とを含んでもよい。受光部120は、光源部100から出力された照明光110を受光するように配置してもよい。受光光学系122は、ウインドウ126と集光レンズ128を含んでもよい。受光光学系122は、コリメータ等の光学系であってもよく、レンズ等の光学素子によって構成されていてもよい。受光光学系122は、光源部100から出射された連続レーザ光を、光センサ124に導いてもよい。
光センサ124は、フォトダイオードを含む受光素子であってもよい。光センサ124は、受光光学系122によって導かれた連続レーザ光の光強度を検出してもよい。光センサ124は、制御部70と接続されてもよい。光センサ124は、検出した光強度の検出信号を制御部70に供給してもよい。
ドロップレット136がターゲット進行経路上の所定位置Pを通過すると、ドロップレット136により連続レーザ光の一部が遮蔽され、受光部120が受光する光強度は低下し得る。受光部120は、ドロップレット136の通過による光強度の低下に応じた検出信号を制御部70に出力し得る。ドロップレット136による光強度の低下に応じた検出信号を、「通過タイミング信号」ともいう。
制御部70は、ドロップレット検出装置76からの検出信号により、ドロップレット136が検出されたタイミングを検知し得る。特に、ドロップレット136がターゲット進行経路上の所定位置Pを通過したタイミングを検知し得る。
なお、ドロップレット検出装置76がドロップレット136を検出したタイミングを「通過タイミング」ともいう。通過タイミングは、ドロップレット検出装置76が通過タイミング信号を制御部70に出力したタイミングであり得る。
EUV光生成装置12は、第1の高反射ミラー130と第2の高反射ミラー132と、レーザ光集光光学系134とを含んでもよい。図1で説明したレーザ光進行方向制御部54は、第1の高反射ミラー130と第2の高反射ミラー132を含んで構成されてもよい。レーザ光集光光学系134は、図1で説明したレーザ光集光ミラー56を含んでもよい。
図2において、EUV光生成装置12のチャンバ16から露光装置46に向かってEUV光62を導出する方向をZ軸とする。X軸及びY軸は、Z軸に直交し、かつ、互いに直交する軸とする。ドロップレットの滴下方向をY軸とする。なお、図3以降の図面でも図2の座標軸と同様とする。
EUV光生成装置12のチャンバ16は、例えば、中空の球形状又は筒形状に形成されてもよい。筒形状のチャンバ16の中心軸方向は、EUV光62を露光装置46へ導出する方向、つまりZ軸方向であってもよい。
EUV光生成制御部40は、露光装置46の制御部である図示しない露光装置制御部との間で信号の送受を行ってもよい。それにより、EUV光生成制御部40は、露光装置46の指令に基づいてEUV光生成システム10全体の動作を統括的に制御してもよい。EUV光生成制御部40は、レーザ装置14との間で制御信号の送受を行ってもよい。それにより、EUV光生成制御部40は、レーザ装置14の動作を制御してもよい。
EUV光生成制御部40は、レーザ光進行方向制御部54及びレーザ光集光光学系134のそれぞれの図示しないアクチュエータとの間で各々制御信号の送受を行ってもよい。それにより、EUV光生成制御部40は、パルスレーザ光21、22及び23の進行方向及び集光位置を調整してもよい。
EUV光生成制御部40は、ターゲット供給装置78の制御部70との間で制御信号の送受を行ってもよい。それにより、EUV光生成制御部40は、ターゲット供給装置78、ドロップレット検出装置76、及びレーザ装置14の動作を制御してもよい。
3.2 動作
図2を用いて、EUV光生成装置12の動作について説明する。制御部70は、EUV光生成制御部40からターゲットの生成信号が入力されると、ターゲット供給部18内のターゲット材料が融点以上の所定の温度になるように、温度制御部94を介してヒータ84を制御してもよい。温度制御部94は、制御部70の制御にしたがい、温度センサ86の検出値に基づいてヒータ電源92を制御してもよい。ターゲット材料としてスズ(Sn)が用いられる場合、制御部70は、ターゲット供給部18内のスズが、例えば、200℃から300℃の範囲の所定の温度になるように、ヒータ84を制御してもよい。その結果、ターゲット供給部18に貯蔵されたスズは融解し得る。融解したスズは、「液状のターゲット物質」の一形態に相当し得る。
制御部70は、ピエゾ素子88にピエゾ電源96を介して、ノズル80から出力された液体スズがドロップレット136を生成するよう、所定のピエゾ駆動周波数及び所定デューティの電気信号を送ってもよい。
ピエゾ電源96は、制御部70からの指示にしたがい、ピエゾ素子88に対し駆動用の電力を供給してもよい。その結果、ノズル80はピエゾ素子88によって振動し得る。
制御部70は、ドロップレットが所定の速度でプラズマ生成領域26に到達するように、圧力調節器90を所定圧力に制御してもよい。その結果、ノズル孔80aからジェット状の液体スズが出力され、ノズル孔80aの振動によって、ドロップレット136が生成し得る。そして、プラズマ生成領域26にドロップレット136を供給し得る。
ドロップレット136が、ノズル孔80aとプラズマ生成領域26の間の軌道上の所定位置Pを通過すると、受光部120の光センサ124に入射する照明光量が低下する。受光部120は、光センサ124によって受光した光量が所定の閾値以下である期間、通過タイミング信号を生成し得る。
受光部120から出力された通過タイミング信号は、制御部70を介して直接、遅延回路72に入力されてもよい。
遅延回路72は通過タイミング信号に遅延時間を付加して発光トリガ信号を生成し、発光トリガ信号をレーザ装置14に入力してもよい。遅延回路72の遅延時間は、ドロップレット136が所定位置Pを通過して、プラズマ生成領域26に到達する前に、レーザ装置14に発光トリガ信号が入力されるように設定してもよい。つまり、遅延時間は、ドロップレット136がプラズマ生成領域26に到達した時に、レーザ装置14から出力されたパルスレーザ光がドロップレット136に照射されるように設定してもよい。
レーザ装置14から出力されたパルスレーザ光は、第1の高反射ミラー130、第2の高反射ミラー132及びレーザ光集光光学系134を介してプラズマ生成領域26に導かれ、ドロップレット136に照射されてもよい。プラズマ生成領域26は、パルスレーザ光の集光位置に相当し得る。
4.レーザ装置の発光トリガ制御システムの説明
4.1 構成
図3に、レーザ装置14の発光トリガを制御する制御システムの構成を示す。制御システム140は、ドロップレット検出装置76と、制御部70と、遅延回路72と、レーザ装置14とを含んでいてもよい。
遅延回路72は、制御部70の一部として構成されてもよい。ドロップレット検出装置76の出力信号である通過タイミング信号は、制御部70を介して遅延回路72に入力してもよい。制御部70が遅延回路72の遅延時間を設定するためのラインが、遅延回路72に接続されてもよい。遅延回路72の出力は、発光トリガ信号としてレーザ装置14に入力してもよい。
4.2 動作
制御部70は、EUV光生成制御部40からドロップレット生成信号を受信すると、遅延時間tを設定するデータを遅延回路72に送信してもよい。制御部70は、ドロップレット検出装置76からのドロップレットの通過タイミング信号を受信して、その信号を遅延回路72に入力し得る。
遅延回路72は、通過タイミング信号に対し、遅延時間t遅れた信号を、発光トリガ信号としてレーザ装置14に入力し得る。
図4は、ドロップレットの生成が正常な場合にドロップレット検出装置76の検出範囲を通過するドロップレットの様子を模式的に示した図である。また、図5に、ドロップレットの生成が正常な場合に得られる通過タイミング信号と発光トリガ信号のタイミングチャートを示す。
図4に示すように、ドロップレット136が正常に生成されている場合は、ドロップレット136はほぼ等間隔でドロップレット検出装置76の検出範囲を通過し得る。このため、図5の上段に示したように、通過タイミングの時間間隔T(1)〜T(n)は、ほぼ同一の周期Tcとなり得る。周期Tcは、所定のピエゾ駆動周波数fの逆数の自然数倍となり得る。つまり、自然数mとして、周期Tcは概ねm/fとなり得る。本例では、通過タイミング信号のパルスの立ち上がりのタイミングを「通過タイミング」としている。通過タイミングの時間間隔を「通過タイミング間隔」と呼ぶ。つまり、信号の時間間隔は、パルスの立ち上がりタイミングの間隔から計測されてもよい。
発光トリガ信号は、図5の下段に示したように、通過タイミング信号から遅延時間tだけ遅れて、通過タイミング信号と略同じ周期Tcで生成し得る。図5の下段に示した発光トリガ信号がレーザ装置14に供給されることにより、レーザ装置14は、ほぼ一定の時間間隔でレーザ光を出力するので、励起媒質の温度は略一定に漸近し、出力レーザ光のパルスエネルギは安定化される。
5.課題
図6は、合体不良のドロップレットが生成された場合にドロップレット検出装置76の検出範囲を通過するドロップレットの様子を模式的に示した図である。図7に、合体不良のドロップレットが生成された場合に得られる通過タイミング信号のタイミングチャートの例を示す。図7において、左から2番目の通過タイミング信号は、合体不良ドロップレットの信号である。
図8は、サテライトが生成された場合にドロップレット検出装置76の検出範囲を通過するドロップレットの様子を模式的に示した図である。図9に、サテライトが生成された場合に得られる通過タイミング信号のタイミングチャートの例を示す。図9において、左から2番目の通過タイミング信号は、サテライトの信号である。また、左から4番目と6番目の通過タイミング信号も、それぞれサテライトの信号である。
ピエゾ電源96からピエゾ素子88に対し、ピエゾ駆動周波数fの矩形波の駆動信号が印加されることにより、ノズル80からスズのドロップレットが連続的に吐出され得る。ノズル80から吐出されたドロップレットは、落下中に複数個が合体した後、ドロップレット検出装置76によって検出され得る。
なんらかの原因で、図6に示すように、合体不良のドロップレット142が生成されたり、図8に示すように、大きなドロップレット144の近傍にサテライト146が生成されたりすることがある。
ドロップレット検出装置76が合体不良のドロップレット142やサテライト146を検出すると、ドロップレット検出装置76は周期Tcとは異なる時間間隔で通過タイミング信号を生成し得る。通過タイミング信号は、ドロップレット検出信号に相当する。
発光トリガ信号は、遅延回路72によって、通過タイミング信号から遅延時間tだけ遅れた信号になり得る。例えば、図7や図9に例示したように、連続する通過タイミング信号の時間間隔TがT≪Tcの場合、レーザ装置14に入力される発光トリガ信号の時間間隔が周期Tcよりも短くなり、以下の課題が発生し得る。
・[課題1] レーザ装置14から出力されるパルスレーザ光のパルスエネルギが低下し得る。その結果、EUV光のパルスエネルギも低下し得る。
・[課題2] レーザ装置14から出力されるパルスレーザ光のパルス波形が変化し得る。その結果、EUV光のパルスエネルギも変化し得る。
・[課題3] レーザ装置14が破損する場合があり得る。
上述の課題1〜3は、例えばT≫Tcの場合でも同様である。以下に述べる各実施形態は、課題1〜3のうち少なくとも1つの課題を解決し得る。
6.実施形態1:第1実施形態に係るターゲット供給装置の説明
6.1 構成
図10は、第1実施形態に係るターゲット供給装置における制御システムの構成を示したブロック図である。第1実施形態に係るターゲット供給装置は、図3で説明した制御システム140に代えて、図10に示す制御システム150を採用し得る。
制御部70は、ドロップレット間隔計測部152と、デューティ調整部154とを備えてもよい。制御部70は、制御及び演算の処理に必要な各種データを記憶するための図示しない記憶部を含んでいてもよい。
ドロップレット間隔計測部152は、ドロップレット検出装置76が生成する通過タイミング信号からドロップレットの通過タイミング間隔を計測する回路であってよい。或いは、ドロップレット間隔計測部152は、通過タイミング信号からドロップレットの通過タイミング間隔を算出するよう記述され、制御部70内部に保持され、制御部70が実行可能なプログラムであってよい。ドロップレット間隔計測部152は、ドロップレットの通過時間間隔を計測する「通過時間間隔計測部」の一形態に相当し得る。ドロップレット検出装置76は「ドロップレット検出部」の一形態に相当し得る。
デューティ調整部154は、制御部70が指定するデューティ値に基づいてピエゾ電源96に信号を出力する回路であってよい。或いは、デューティ調整部154は、制御部70が指定するデューティ値に基づいてピエゾ電源96に信号波形を供給することができる外部装置、例えばファンクションジェネレータ等によって構成してもよい。
6.2 動作
制御部70は通過タイミング信号の間隔基準となるTminを設定してもよい。Tminは図示しない記憶装置に保持されてもよく、オペレータが入力してもよい。Tminは、レーザ装置14の出力が不安定となる発光トリガ信号間隔に基づいて決定されてもよい。Tminは、複数のEUV光の繰り返し周波数に対応付けて複数保持されてもよい。Tminは、「通過時間間隔の基準値」の一形態に相当し得る。
ドロップレット間隔計測部152は、通過タイミング信号が入力されるとドロップレットの各々の通過タイミング間隔Tを計測してもよい。
制御部70は、ドロップレット間隔計測部152によって計測された通過タイミング間隔TとTminとを比較し、T<Tminの場合に、つまり、通過タイミング間隔TがTminを下回る場合に、ピエゾ駆動信号のデューティ調整を実行してもよい。「デューティ調整」は、ピエゾ電源96からピエゾ素子88に印加する矩形波の電気信号のデューティを調整する処理である。
制御部70は、T≧Tminである場合には、発光トリガ信号の生成を行ってもよい。制御部70は、ドロップレット間隔計測部152によって計測された通過タイミング間隔Tが入力される度に、Tminと比較し続けてもよい。この間、EUV光生成装置12はEUV光出力を行ってもよい。
また、制御部70は、なんらかの原因でEUV光生成が一時的に中止された場合、EUV光生成を再開するにあたってデューティ調整を行った後に発光トリガ信号を生成するようにしてもよい。
図11は、合体不良のドロップレット又はサテライトが生成された場合に得られる通過タイミング信号と発光トリガ信号のタイミングチャートの一例である。なんらかの原因で、合体不良のドロップレットが生成されたり、サテライトが生成されたりした場合は、図11に示すように、通過タイミング間隔TがT<Tminとなり得る。
図11の上段に示した通過タイミング信号のタイミングチャートにおいて、左から2番目の通過タイミング信号は、合体不良ドロップレットの通過を検出した信号である。また、左から6番目の通過タイミング信号は、サテライトの通過を検出した信号である。
制御部70は、T<Tminを判定することで、合体不良のドロップレット生成、又は、サテライト生成を監視してもよい。
図12は、制御部70の動作の例を示すフローチャートである。制御部70は、EUV光生成制御部40からターゲット供給装置78に起動信号が入力されると、図12のフローチャートに示した処理を開始してもよい。
ステップS1において、制御部70は、通過タイミング信号検出を開始してもよい。
ステップS2において、制御部70は通過タイミング間隔Tが、予め定められているTmin以上であるか否かを確認してもよい。ステップS2の通過タイミング間隔確認工程において、制御部70がT≧Tminを満たすことを確認すると、ステップS3に移行してもよい。一方、ステップS2において、制御部70がT≧Tminの不成立を確認した場合、つまりT<Tminであると判定した場合は、ステップS8に移行してもよい。
ステップS3において、制御部70は、通過タイミング信号による発光トリガの生成を開始してもよい。発光トリガの生成が開始されると、遅延回路72は通過タイミング信号に所定の遅延時間tの遅延を与えて発光トリガを生成してもよい。
ステップS3の後のステップS4において、制御部70は、EUV光生成装置12によって生成されるEUV光が所定の安定度を保っているか否かを判定してもよい。制御部70は、EUV光生成制御部40から得られる信号を基に、ステップS4の判定を行ってもよい。
EUV光生成装置12は、予期しないEUV光の品質低下等によりEUV光生成を一時的に中止して各部の調整を行うことがある。このとき、発光トリガの生成が停止されることがある。例えば、1バースト内において、ある一定数のパルス数の移動平均において、EUV光エネルギのばらつきが±2%を超えた場合に、発光トリガ停止信号が制御部70に入力されることがある。バースト動作については、図13を用いて後述する。
図12のステップS4において、制御部70は、EUV光生成装置によって生成されるEUV光が所定の安定度を保っていると判定した場合に、ステップS3に戻ってもよい。一方、制御部70は、EUV光生成制御部40から制御部70に発光トリガ停止信号が入力されるなどして、ステップS4において、EUV光が所定の安定度を保っていないと判定した場合に、ステップS5に移行してもよい。
ステップS5において、制御部70は、発光トリガの生成を停止してもよい。発光トリガの生成が停止されると、レーザ装置14からのパルスレーザ光の出力が停止され、EUV光の生成が停止される。
EUV光生成を再開する場合には、制御部70は、ステップS6において、通過タイミング信号の間隔を確認し、T<Tminの場合に、ステップS8のデューティ調整を実施してもよい。ステップS8において、制御部70は、ピエゾ素子88を駆動させるための矩形波の電気信号のデューティを調整してもよい。ステップS8のデューティ調整については、図14を用いて後述する。
ステップS2又はステップS6において、制御部70は、T<Tminと判定した場合、ステップS8のデューティ調整を実施してよい。
その一方、制御部70は、ステップS6において、通過タイミング間隔TがT≧Tminを満たす場合は、ステップS7に移行してもよい。
ステップS7において、制御部70は、ステップS8のデューティ調整以外の性能調整を実施してもよい。ステップS7の後、制御部70は、ステップS3に戻り、発光トリガの生成を再開してもよい。図12のフローチャートは、EUV光生成制御部40からの割り込み処理によって、任意のタイミングで終了可能である。
図13に、バースト動作の説明図を示す。EUV光生成システム10は、バースト動作によってEUV光を出力することがある。バースト動作は、ある期間一定繰返し周波数でEUV光を出力するバースト期間と、所定の期間EUV光を出力しない休止期間とを繰り返す動作である。1つのバースト期間を1バーストと呼ぶことがある。
バースト期間中は、レーザ装置14からレーザ光が出力され得る。休止期間中はレーザ装置14からのレーザ光の出力が停止され得る。または、休止期間中はプラズマ生成領域26へのレーザ光の伝搬が抑制されてもよい。
バーストパターンは、バースト期間のEUV光エネルギ、繰り返し周波数、パルス数とバースト休止期間の長さ、及びバースト数のうちいずれか、又は、これらのうちの複数を含んだデータによって定義され得る。バーストパターンは、露光装置46によって指示されてもよい。
図14は、図12のステップS8におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。
デューティ調整の処理が開始すると、制御部70は、ステップS11において、ピエゾ素子88の駆動周波数からドロップレットの予測通過タイミング間隔を算出してもよい。「予測通過タイミング間隔」とは、ピエゾ素子の駆動周波数から計算上、予測されるドロップレットの通過タイミングの時間間隔を意味する。
予測通過タイミング間隔は、「予測通過時間間隔」の一形態に相当し得る。予測通過タイミング間隔は、ドロップレットの適正な通過時間間隔の目安となり得る。
ステップS12において、制御部70は、ドロップレットの適正な通過タイミング間隔の上限値及び下限値を設定してもよい。制御部70は、例えば、ステップS11で算出した予測通過タイミング間隔の「±15%」の値を上限値及び下限値と設定してもよい。つまり、制御部70は、予測通過タイミング間隔±15%を、ドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジとして設定してもよい。ステップS12に示した処理は、「通過時間間隔の適正レンジを設定する処理」の一形態に相当し得る。ドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジは、ドロップレットの適正な通過時間間隔として許容される範囲となり得る。
ステップS13において、制御部70は、デューティ調整部154のデューティ値をA[%]に設定してもよい。ここでの「A」はデューティの値を表す変数パラメータである。制御部70は、例えば、初期値としてA=1[%]を設定してもよい。
ステップS14において、デューティ調整部154は、設定されたデューティA[%]に基づいてピエゾ電源96を駆動し得る。デューティA[%]の設定に基づきピエゾ電源96を駆動することにより、ドロップレットが生成され、ドロップレット検出装置76から通過タイミング信号が出力され得る。
ドロップレット間隔計測部152は、通過タイミング信号が入力されると、ドロップレットの各々の通過タイミング間隔T(1)、T(2)、・・・T(N)を計測してもよい。Nは、通過タイミング間隔を計測する回数を表し、予め定めておくことができる任意の自然数である。例えば、Nは、3以上50以下とすることができる。一例として、N=5でもよい。自然数kについて、通過タイミング間隔T(k)は、k番目のドロップレットの通過タイミングt(k)とk+1番目のドロップレットの通過タイミングt(k+1)の時間間隔t(k+1)−t(k)で定義することができる。ドロップレット間隔計測部152によって計測される通過タイミング間隔T(1)、T(2)、・・・T(N)の各々は、「通過時間間隔計測値」の一形態に相当し得る。
ステップS15において、制御部70は、ドロップレット間隔計測部152により計測された通過タイミング間隔T(1)、T(2)、・・・T(N)を記憶してもよい。また、制御部70は各々の通過タイミング間隔T(1)、T(2)、・・・T(N)から、最大通過タイミング間隔Tmax、最小通過タイミング間隔Tmin、通過タイミング間隔の平均値Tav、通過タイミング間隔のばらつきTsigmaを算出してもよい。Tsigmaは、標準偏差の3σ値としてもよい。標準偏差の3σ値とは、標準偏差をσとする場合の「3×σ」の値を指す。
ステップS15において、制御部70は、算出したTmax、Tmin、Tav 及びTsigmaのそれぞれをデューティA[%]に対応付けて、Tmax(A)、Tmin(A)、Tav(A)及びTsigma(A)として記憶してもよい。ステップS15に係る処理については、図15を用いて後述する。
制御部70は、例えばA=1〜99[%]まで、1[%]の刻みで順次にデューティAの設定を変更して、各デューティ値について、ステップS14及びステップS15の処理を実施してよい。
すなわち、ステップS16において、制御部70は、ピエゾ素子88を駆動するピエゾ電源96のデューティAをA+1に変更してもよい。ステップS16により、A+1の値が新たにデューティAとしてセットされる。ステップS16の後、制御部70はステップS17に移行してもよい。
ステップS17において、制御部70は、デューティAが99[%]を超えたか否かを判定してもよい。制御部70は、ステップS17においてデューティAが99[%]以下であると判定した場合は、ステップS14に戻ってもよい。デューティAが99を超えるまで、ステップS14からステップS17の処理が繰り返されてもよい。
制御部70は、ステップS17においてデューティAが99[%]を超えたと判定した場合は、ステップS18に移行してもよい。
ステップS18において、制御部70は、各デューティA[%]に対応付けて記憶したデータを基に、デューティの最適値を決定し、この決定した最適値を最適デューティ値としてデューティ調整部154に設定してもよい。
制御部70は、記憶したデータの中で、Tmax(A)、Tmin(A)及びTav(A)がドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジ内にあるデータ群を抽出して、抽出したデータ群の中で最小のTsigma(A)であるデューティAを最適値に決定してもよい。ドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジは、ステップS12にて定められた上限値と下限値で規定される範囲とすることができる。
ステップS18において、最適デューティ値が設定されると、制御部70は、図14の調整処理を終了し、図12のフローチャートに復帰してもよい。
その後、デューティ調整部154は、設定されたデューティに基づいてピエゾ電源96を駆動し得る。
上述のように、制御部70は、ステップS16によってデューティ値を変えながら、複数のデューティ値の各々において、ステップS15の処理を行い得る。かかる構成は、「各デューティ値において生成されるドロップレットの通過時間間隔計測値、及び通過時間間隔計測値のばらつきを、デューティ値に対応付けて記憶する処理」の一形態に相当し得る。ステップS15において制御部70が記憶するTmax(A)及びTmin(A)の各々は、デューティ値に対応付けて記憶される「通過時間間隔計測値」の一形態に相当し得る。
ステップS18において制御部70が決定する「最適デューティ値」は「加振素子の動作に適した電気信号のデューティ値である動作デューティ値」の一形態に相当し得る。ステップS18の処理は、「動作デューティ値を決定する処理」の一形態に相当し得る。
図15は、図14のステップS15における処理を示すフローチャートである。図15のステップS21において、制御部70は、パラメータNを初期値であるN=1に設定してもよい。
ステップS22において、ドロップレット間隔計測部152は、通過タイミング間隔T(N)の計測値を記録してもよい。
ステップS23において、制御部70は、Nの値を「+1」インクリメントし、N+1の値を新たにパラメータNの値としてもよい。
ステップS24において、制御部70はNの値が、予め定められている規定値であるNmaxを超えたか否かを判定してもよい。Nmaxは、通過タイミング間隔の最大計測回数より大きい任意の整数に設定することができる。例えば、Nmaxは、4から51の範囲の適宜の値に設定してもよい。
制御部70は、ステップS24において、N≦Nmaxであると判定した場合には、ステップS22に戻ってもよい。
一方、ステップS24において、制御部70はN>Nmaxであると判定した場合に、ステップS25に移行してもよい。
ステップS25において、制御部70は、T(1)〜T(N)のデータを使用し、Tmax(A)、Tmin(A)、Tav(A)及びTsigma(A)を算出してもよい。制御部70は、算出したTmax(A)、Tmin(A)、Tav(A)及びTsigma(A)を記憶してもよい。
制御部70は、ステップS25の後、図14のフローチャートに復帰してもよい。
図16Aと図16Bに、ピエゾ素子を駆動するための電気信号のデューティの変更例を示す。図16Aは、デューティ調整部154からピエゾ電源96に供給する矩形波の一例であり、デューティ25%の例を示した。図16Bは、デューティ調整部154からピエゾ電源96に供給する矩形波の一例であり、デューティ50%の例を示した。
まず、デューティは以下の式により算出される周期tに対し、矩形波をONとする時間の割合により決定される。
t=1/ピエゾ駆動周波数
制御部70は、デューティ調整部154からピエゾ電源96に供給する矩形波のON時間を変更することによりデューティを変化させ、各デューティ値でのドロップレットの通過タイミング間隔を計測し得る。また、制御部70は、各デューティ値における通過タイミング間隔のばらつきTsigmaを算出し得る。例えば、制御部70は、上述した通過タイミング間隔の計測と、ばらつき等の算出を、デューティ1%〜99%までの範囲の各デューティ値において実施してもよい。そして、制御部70は、計測した通過タイミング間隔が上限値及び下限値で定めた適正レンジ内にあり、かつ、Tsigmaが最も小さいデューティ値を、最適な動作デューティ値として、設定してもよい。
6.3 作用・効果
第1実施形態によれば、合体不良のドロップレットが生成したり、サテライトが生成したりしても、これを検出して適正なドロップレット出力を行えるピエゾ駆動波形のデューティ値を適用し得る。これにより、ドロップレットの合体不良やサテライトの生成を改善することができ、EUV光エネルギの低下やレーザ装置の破損を抑制できる。
7.実施形態2:第2実施形態に係るターゲット供給装置の説明
7.1 構成
図17に、第2実施形態の構成を示す。図17が図2と異なる点は、ノズル80から連続して吐出されるドロップレット136のドロップレット間隔dの説明が加えられている点である。
第2実施形態は、第1実施形態で説明した制御部70における通過タイミング信号の処理内容に代えて、以下に説明する処理内容を採用してもよい。すなわち、第2実施形態の制御部70は、ドロップレットの通過タイミングの時間間隔から、ドロップレット間の距離、つまり空間的間隔であるドロップレット間隔dを算出してもよい。ドロップレット間の距離を示すドロップレット間隔は、「ドロップレット間距離」又は「ドロップレットスペース」と同義である。
7.2 動作
第2実施形態におけるメインのフローチャートは、図12と同様のフローチャートを採用し得る。
図18は、第2実施形態におけるデューティ調整の処理に関する内容を示したフローチャートである。図14で説明した第1実施形態のデューティ調整のフローチャートに代えて、図18のフローチャートを採用し得る。
第2実施形態における制御部70は、ステップS31において、ノズル径と、ターゲット供給部18に供給される所定圧力より圧力損失を見積もり、実効圧力Pを算出してもよい。所定圧力は、タンク82の設定圧力としての設定値でもよいが、ターゲット供給部18のタンク82内の圧力を検出する図示しないセンサによって検出してもよい。
ステップS32において、制御部70は、実効圧力Pと、スズ密度ρよりドロップレットの吐出速度vを算出してもよい。吐出速度vは、v=SQRT(2×P/ρ)の式を用いて算出し得る。「SQRT( )」は、( )の平方根を表す。
ステップS33において、制御部70は、吐出速度vとドロップレット検出装置76による検出周波数fから、予測ドロップレット間隔dを算出してもよい。予測ドロップレット間隔dは、d=v/fの式を用いて算出し得る。なお、ピエゾ駆動周波数fは、検出周波数fの自然数倍の値となり得る。つまり、自然数mとして、f=m×fの関係が成立し得る。ピエゾ駆動周波数でノズル80から出力されたドロップレットは、落下途中でm個が合体した後、その合体したドロップレットがドロップレット検出装置76によって検出され得る。この場合のmは、EUV光生成周波数に基づいて設定されてもよい。EUV光生成周波数は、概ね検出周波数fに等しいものとなり得る。
よって、ステップS33において、制御部70は、吐出速度vとピエゾ駆動周波数fから、予測ドロップレット間隔dを算出してもよい。
予測ドロップレット間隔dは、d=m×v/fの式を用いて算出し得る。予測ドロップレット間隔dは、「予測ドロップレット間距離」の一形態に相当し得る。
ステップS34において、制御部70は、ドロップレット間隔の上限値と下限値を設定してもよい。例えば、制御部70は、ステップS33で求めた予測ドロップレット間隔d±15%をドロップレット間隔の上限値と下限値としてもよい。つまり、制御部70は、予測ドロップレット間隔d±15%の範囲を、ドロップレット間隔の適正レンジとして設定してもよい。
ステップS34の処理は、「ドロップレット間距離の適正レンジを設定する処理」の一形態に相当し得る。ドロップレット間隔の適正レンジは、ドロップレットの適正なドロップ間距離として許容される範囲となり得る。
なお、図18のフローチャートでは、ステップS34に先立って、ドロップレット間隔の上限値と下限値を設定する基準として、ステップS33において予測ドロップレット間隔dを算出する例が示されている。しかし、制御部70は、ステップS33の処理を実施することなく、ステップS34において、ドロップレット間隔の上限値と下限値を適宜の方法で設定してもよい。
ステップS35において、制御部70は、デューティ調整部154にデューティA[%]を設定してもよい。ここでの「A」はデューティの値を表す変数パラメータである。制御部70は、例えば、初期値としてA=1[%]を設定してもよい。なお、初期値は1[%]に限らず、適宜の値に設定し得る。
ステップS36において、デューティ調整部154は、設定されたデューティA[%]に基づいてピエゾ電源96を駆動し得る。デューティA[%]の設定に基づきピエゾ電源96を駆動することにより、ドロップレットが生成され、ドロップレット検出装置76から通過タイミング信号が出力され得る。
ドロップレット間隔計測部152は、通過タイミング信号が入力されると、ドロップレットの各々の通過タイミング間隔T(1)、T(2)、・・・T(N)を計測してもよい。Nは、予め定めておくことができる任意の自然数である。Nは、3以上50以下とすることができる。一例として、N=5でもよい。
制御部70は、ドロップレットの吐出速度vと、各々の通過タイミング間隔T(1)、T(2)、・・・T(N)から、ドロップレット間隔DLspace(1)、DLspace(2)、・・・DLspace(N)を求めてもよい。1からNまでの自然数kに対して、ドロップレット間隔DLspace(k)は、DLspace(k)=v×T(N)の式から求めることができる。
ドロップレット間隔DLspace(1)、DLspace(2)、・・・DLspace(N)の各々は、「ドロップレット間距離計測値」の一形態に相当し得る。制御部70がドロップレット間隔DLspace(1)、DLspace(2)、・・・DLspace(N)を求める処理は、「通過時間間隔計測値からドロップレット間距離を表すドロップレット間距離計測値を算出する処理」の一形態に相当し得る。
ステップS37において、制御部70は各々のDLspace(1)、DLspace(2)、・・・DLspace(N)から、最大ドロップレット間隔dmax、最小ドロップレット間隔dmin、ドロップレット間隔の平均値dav及びドロップレット間隔のばらつきDLsigmaを算出してもよい。DLsigmaは、標準偏差の3σ値としてもよい。
制御部70は、算出したdmax、dmin、dav及びDLsigmaのそれぞれをデューティA[%]に対応付けて、dmax(A)、dmin(A)、dav(A)、及びDLsigma(A)として記憶してもよい。ステップS37に係る処理については、図19を用いて後述する。
制御部70は、例えばA=1〜99[%]まで、1[%]の刻みで順次にデューティAの設定を変更して、各デューティAについて、ステップS36及びステップS37の処理を実施してよい。
すなわち、ステップS38において、制御部70は、ピエゾ素子88を駆動するピエゾ電源96のデューティAをA+1に変更してもよい。ステップS38により、A+1の値が新たにデューティAとしてセットされる。ステップS38の後、制御部70はステップS39に移行してもよい。
ステップS39において、制御部70は、デューティAが99[%]を超えたか否かを判定してもよい。制御部70は、ステップS39においてデューティAが99[%]以下であると判定した場合は、ステップS36に戻ってもよい。デューティAが99[%]を超えるまで、ステップS36からステップS39の処理が繰り返されてもよい。
制御部70は、ステップS39においてデューティAが99[%]を超えたと判定した場合は、ステップS40に移行してもよい。
ステップS40において、制御部70は、各デューティA[%]に対応付けて記憶したデータを基に、デューティの最適値を決定し、この決定した最適値を最適デューティ値としてデューティ調整部154に設定してもよい。
制御部70は、記憶したデータの中で、dmax(A)、dmin(A)及びdav(A)がドロップレット間隔の適正レンジ内にあるデータ群を抽出して、抽出したデータ群の中で最小のDLsigma(A)であるデューティAを最適値に決定してもよい。ドロップレット間隔の適正レンジは、ステップS34にて定められた上限値と下限値で規定される範囲とすることができる。
ステップS40において、最適デューティ値が設定されると、制御部70は、図18の調整処理を終了し、図12のフローチャートに復帰してもよい。
その後、デューティ調整部154は、設定されたデューティに基づいてピエゾ電源96を駆動し得る。
上述のように、制御部70は、ステップS38においてデューティ値を変えながら、複数のデューティ値の各々において、ステップS37の処理を行い得る。かかる構成は「各デューティ値において生成されるドロップレットのドロップレット間距離計測値及びドロップレット間距離計測値のばらつきを、デューティ値に対応付けて記憶する処理」の一形態に相当し得る。ステップS37において記憶されるdmax(A)及びdmin(A)の各々は、デューティ値に対応付けて記憶される「ドロップレット間距離計測値」の一形態に相当し得る。ステップS40において制御部70が決定する「最適デューティ値」は「加振素子の動作に適した電気信号のデューティ値である動作デューティ値」の一形態に相当し得る。ステップS40の処理は、「動作デューティ値を決定する処理」の一形態に相当し得る。
図19は、図18のステップS37における処理を示すフローチャートである。図19のステップS41において、制御部70は、パラメータNを初期値であるN=1に設定してもよい。
ステップS42において、制御部70は、ドロップレット間隔DLspace(N)の計測値を記録してもよい。
ステップS43において、制御部70は、Nの値を「+1」インクリメントし、N+1の値を新たにパラメータNの値としてもよい。
ステップS44において、制御部70はNの値が、予め定められている規定値であるNmaxを超えたか否かを判定してもよい。Nmaxは、通過タイミング間隔の最大計測回数よりも大きい任意の整数に設定することができる。例えば、Nmaxは、4から51の範囲の適宜の値に設定してもよい。
制御部70は、ステップS44において、N≦Nmaxであると判定した場合には、ステップS42に戻ってもよい。
一方、ステップS44において、制御部70はN>Nmaxであると判定した場合に、ステップS45に移行してもよい。
ステップS45において、制御部70は、DLspace(0)〜DLspace(N)のデータを使用し、dmax(A)、dmin(A)、dav(A)、及びDLsigma(A)を算出してもよい。制御部70は、算出したdmax(A)、dmin(A)、dav(A)、及びDLsigma(A)を記憶してもよい。
制御部70は、ステップS45の後、図18のフローチャートに復帰してもよい。
図16A及び図16Bで例示的に説明したように、制御部70は、デューティ調整部154から供給する矩形波のON時間を変更することにより、デューティを変化させ、各デューティでのドロップレット間隔DLspace(1)〜DLspace(N)を計測し得る。制御部70は、デューティごとに計測したドロップレット間隔DLspace(1)〜DLspace(N)から、そのデューティでのドロップレット間隔のばらつきDLsigmaを算出し得る。
例えば、制御部70は、デューティA[%]の設定を1%から99%まで変更して、各デューティ値について、ドロップレット間隔DLspace(1)〜DLspace(N)の計測と、ドロップレット間隔のばらつきDLsigmaの計算を実施してもよい。そして、制御部70は、計測したDLspace(1)〜DLspace(N)が適正レンジの上限値と下限値の範囲内にあり、かつDLsigmaが最も小さいデューティの値を最適デューティ値として設定してもよい。
7.3 作用・効果
第2実施形態によれば、合体不良のドロップレットが生成したり、サテライトが生成したりしても、これを検出して適正なドロップレット出力を行えるピエゾ駆動波形のデューティ値を適用し得る。これにより、ドロップレットの合体不良やサテライトの生成を改善することができ、EUV光エネルギの低下やレーザ装置の破損を抑制できる。
8.実施形態3:第3実施形態に係るターゲット供給装置の説明
8.1 構成
図20及び図21に、第3実施形態の構成を示す。図20及び図21において、第1実施形態に対して追加した部分を以下に説明する。
第3実施形態におけるEUV光生成装置12は、ドロップレット画像検出部160を含んでもよい。ターゲット供給装置78は、ドロップレット検出装置76とドロップレット画像検出部160とを含んでもよい。ドロップレット画像検出部160は、光源部170と受光部190とを含んでいてもよい。
光源部170と受光部190とは、ターゲット進行経路を挟んで互いに対向配置されてもよい。光源部170と受光部190との対向方向は、ターゲット進行経路と直交してもよい。図20では、光源部170と受光部190との対向方向がY方向に直交する方向(X軸方向)である例が記載されているが、図20の記載は、光源部170と受光部190との対向方向を限定するための記載ではない。
光源部170は、光源172と照明光学系174を含み、ターゲット供給部18のノズル80とプラズマ生成領域26の間の軌道上の所定の位置のドロップレットを照明するように配置してもよい。光源172は、例えば、キセノンフラッシュランプやレーザ光源等のパルス点灯する光源であってもよい。
光源172は、制御部70と接続されてもよい。光源172には、制御部70から出力された「光源点灯信号」が入力されてもよい。
制御部70から出力される光源点灯信号は、所定のタイミングで光源172がパルス点灯するよう光源172の動作を制御するための制御信号であってもよい。光源172は、制御部70から与えられる光源点灯信号に基づいてパルス光を発光してもよい。
照明光学系174は、集光レンズ176とウインドウ178を含んでもよい。照明光学系174は、コリメータ等の光学系であってよく、レンズ等の光学素子によって構成されていてもよい。照明光学系174は、光源172から出力されたパルス光を、ターゲット進行経路上のドロップレット136に導いてもよい。
受光部190は、転写光学系192とイメージセンサ194を含み、光源部170から出力されたパルス光である照明光180を受光するように配置してもよい。イメージセンサ194は、CCD(Charge−Coupled Device)等の2次元イメージセンサであってもよい。
転写光学系192はウインドウ196と、一対のレンズ198A、198Bとを含んでもよい。レンズ198A、198Bは、凸面レンズでも凹面レンズでもよい。転写光学系192は、ウインドウ196を介して導かれたドロップレット136の影を、イメージセンサ194の受光面に結像してもよい。
イメージセンサ194は、転写光学系192によって結像されたドロップレット136の影の像を、撮像してもよい。イメージセンサ194は、図示しないシャッタを備えていてもよい。シャッタは、電気的シャッタであってもよいし、機械的シャッタであってもよい。イメージセンサ194は、図示しないシャッタが開いている間のみ撮像するようにしてもよい。
また、ドロップレット画像検出部160は、画像取得コントローラ200を含んでもよい。画像取得コントローラ200は、イメージセンサ194と接続されてもよい。画像取得コントローラ200は、制御部70と接続されてもよい。イメージセンサ194は、画像取得コントローラ200を介して制御部70と接続されてもよい。
画像取得コントローラ200は、制御部70の指令にしたがい、イメージセンサ194による撮像動作とイメージセンサ194からの画像信号の取得動作とを制御してもよい。画像取得コントローラ200は、イメージセンサ194から得られる画像信号を処理して、制御部70への受け渡しに適したデータ形式の画像データを生成する画像処理機能を有していてもよい。
イメージセンサ194には、画像取得コントローラ200から出力された「撮像タイミング信号」が入力されてもよい。撮像タイミング信号は、所定のタイミングでイメージセンサ194がドロップレット136の影の像を撮像するようイメージセンサ194の動作を制御するための制御信号であってもよい。
イメージセンサ194は、制御部70の撮像タイミング信号に基づいてドロップレット136の影の像を撮像してもよい。そして、イメージセンサ194は、撮像したドロップレット136の影の像に係る画像データを生成してもよい。
イメージセンサ194は、生成した画像データを、画像取得コントローラ200に出力してもよい。画像取得コントローラ200は、イメージセンサ194が撮像した画像データを制御部70に出力してもよい。ドロップレット画像検出部160から出力された画像データを「出力画像」と呼ぶ。制御部70は、ドロップレット画像検出部160の出力画像からドロップレット136の状態を計測し得る。
図21は、第3実施形態における制御システム210のブロック図が示されている。図21に示すように、制御部70は、画像計測部212を備えてもよい。ドロップレット画像検出部160は、制御部70の画像計測部212に接続されてよい。
画像計測部212は、ドロップレット画像検出部160からの出力画像に基づいて、合体不良ドロップレットやサテライトの有無を検出する回路であってよい。或いは、制御部70の内部に保持された、制御部70が実行可能なプログラムであってよい。
8.2 動作
画像計測部212は、ドロップレット画像検出部160から出力画像を取得してよい。図22Aは、正常なドロップレット吐出状態が撮像された出力画像の例を示す図である。図22Aにおける横軸は、出力画像の水平方向の画素位置を表す。図22Aの横軸であるx軸は、図2で定義したZ軸と平行な方向の位置を示す座標軸に相当する。図22Aにおける縦軸は、出力画像の垂直方向の画素位置を表す。図22Aの縦軸であるy軸は、図2で定義したY軸と平行な方向の位置を示す座標軸に相当する。ドロップレット画像検出部160からの出力画像は、ZY平面に平行な面の2次元画像となり得る。ドロップレットの吐出方向は、図22Aの上から下に向かう方向である。
図22Aに示した出力画像の中央部分に示されている縦方向に伸びる線状の影216は、ドロップレットの通過によって発生したものである。画像計測部212は、出力画像の判定ラインにおける断面プロファイルを生成してよい。判定ラインは、出力画像におけるx軸方向に平行なラインとしてもよい。判定ラインは、線状の影216と交差する適宜のy座標に設定し得る。例えば、判定ラインは、出力画像におけるy方向の画像範囲の中央部に設定してもよい。
図22Bは、図22Aに示した出力画像の判定ラインにおける断面プロファイルの例を示している。図22Bの横軸は判定ラインにおける画素座標、つまりZ方向の画素位置を表している。図22Bの縦軸は出力画像におけるドロップレットの検出強度を表している。
図23Aは、サテライトが発生した状態が撮像された出力画像の例を示す図である。図23Aの横軸及び縦軸は図22Aの横軸及び縦軸の定義と同じである。図23Bは、図23Aに示した出力画像の判定ラインにおける断面プロファイルの例を示している。図23Bの横軸及び縦軸は図22Bの横軸及び縦軸の定義と同じである。図23Bに示されているように、サテライトが発生している場合には、断面プロファイルにおいて、複数のピークが検出され得る。
画像計測部212は、断面プロファイルが単一のピークを持つかどうか検出し、その結果を制御部70に出力してもよい。制御部70は、断面プロファイルが単一ピーク以外の場合、サテライト発生と判断し、ピエゾ素子88の駆動信号のデューティ調整を実施してもよい。他の動作は、実施形態1又は実施形態2と同様でよい。
図24は、第3実施形態における制御部70の動作の例を示すフローチャートである。図24に示したフローチャートは、図12で説明した第1実施形態のフローチャートにおけるステップS2及びステップS6に代えて、ステップS52及びステップS56を採用してもよい。図24に示したフローチャートのステップS51、S53〜S55、S57及びS58は、図12に示したフローチャートのステップS1、S3〜5、S7及びS8と同様の工程としてもよい。
制御部70は、EUV光生成制御部40からターゲット供給装置78に起動信号が入力されると、図24のフローチャートに示した処理を開始してもよい。ステップS51において、制御部70は、通過タイミング信号検出を開始してもよい。また、制御部70の画像計測部212は、ドロップレット画像検出部160から出力画像の取得を開始してもよい。
ステップS52において、画像計測部212は、取得した出力画像の判定ラインにおける断面プロファイルが単一のピークを持つか否かを判定してもよい。ステップS52の判定工程において、画像計測部212は、断面プロファイルが単一ピークであることを確認すると、ステップS53に移行してもよい。一方、ステップS52において、画像計測部212が複数のピークを検出した場合は、ステップS58に移行してもよい。
ステップS53において、制御部70は、通過タイミング信号による発光トリガの生成を開始してもよい。発光トリガの生成が開始されると、遅延回路72は通過タイミング信号に所定の遅延時間tの遅延を与えて発光トリガを生成してもよい。
ステップS54において、制御部70は、EUV光生成装置によって生成されるEUV光が所定の安定度を保っているか否かを判定してもよい。制御部70は、EUV光生成制御部40から得られる信号を基に、ステップS54の判定を行ってもよい。
ステップS54において、制御部70は、EUV光生成装置によって生成されるEUV光が所定の安定度を保っていると判定した場合に、ステップS53に戻ってもよい。一方、制御部70は、EUV光生成制御部40から制御部70に発光トリガ停止信号が入力されるなどして、ステップS54において、EUV光が所定の安定度を保っていないと判定した場合に、ステップS55に移行してもよい。
ステップS55において、制御部70は、発光トリガの生成を停止してもよい。発光トリガの生成が停止されると、レーザ装置14からのパルスレーザ光の出力が停止され、EUV光の生成が停止される。
EUV光生成を再開する場合には、制御部70は、ステップS56において、断面プロファイルを確認後、複数ピークを有する場合は、ステップS58のデューティ調整を実施してもよい。ステップS58のデューティ調整においては、第1実施形態の図14で説明したデューティ調整を実施してもよい。或いは、ステップS58のデューティ調整においては、第2実施形態の図18で説明したデューティ調整を実施してもよい。
その一方、制御部70は、ステップS56において、断面プロファイルが単一ピークであることを確認した場合は、ステップS57に移行してもよい。
ステップS57において、制御部70は、ステップS58のデューティ調整以外の性能調整を実施してもよい。ステップS57の後、制御部70は、ステップS53に戻り、発光トリガの生成を再開してもよい。図24のフローチャートは、EUV光生成制御部40からの割り込み処理によって、任意のタイミングで終了可能である。
9.実施形態4:第4実施形態に係るターゲット供給装置の説明
9.1 構成
第4実施形態に係るターゲット供給装置は、第1実施形態及び第2実施形態で説明したドロップレット検出装置76における受光部120の光センサ124の変形例である。以下、第1実施形態及び第2実施形態との相違点について説明する。第4実施形態における受光部120の光センサ124は、複数の受光面を含む構成であってもよい。
図25は、第4実施形態における受光部120に採用し得る光センサ124の構成例を示す図である。例えば、図25に示すように、光センサ124は、6つの受光面231〜236を備えてもよい。或いは、光センサ124は、隣接した複数の光センサによって構成してもよい。光センサ124は、ダイオードアレイ、アバランシェフォトダイオードアレイ(APDアレイ)、又はPINフォトダイオードでもよい。或いは、光センサ124は、複数のフォトダイオード又は複数のアバランシェフォトダイオードから構成されてもよい。
光源部170から出射される照明光180の像は、複数の受光面231〜236の望ましくは全てに渡って結像されてよい(図26及び図27参照)。
制御部70は、受光面231〜236それぞれが出力する通過タイミング信号をそれぞれ入力するコンパレータ241〜246を備えてもよい。受光面231〜236から出力される各通過タイミング信号は、各コンパレータ241〜246の例えばVin−端子に入力されるようにしてもよい。
制御部70は、閾値電圧発生器250を備えてもよい。閾値電圧発生器250には、各コンパレータ241〜246のVin+端子が接続されてもよい。
制御部70は、制御回路252を備えてもよく、制御回路252の入力端子にはコンパレータ241〜246の出力端子が接続されてもよい。
9.2 動作
図26は、正常なドロップレット吐出状態を捉えた光センサ124を受光面側から見た説明図である。図26は、図25に示した光センサ124を矢印Cの方向から見たC矢視図に相当する。図26に示すように、照明光180の照射領域の像は、光センサ124における6つの受光面231〜236の全てに渡って結像されてよい。ドロップレットが照明光180の照射領域を通過すると、複数の受光面231〜236のいずれかにドロップレットの影260を生成し得る。例えば、図26のように、左から2番目の受光面232と3番目の受光面233にドロップレットの影260を生成し得る。
図27は、光センサ124の各受光面231〜236の出力電圧と閾値電圧、並びに各コンパレータ241〜246の出力の例を示した図である。図27において、縦方向の一点鎖線で区切った範囲が各受光面231〜236の出力に対応している。図27では、受光面231〜236のそれぞれを第1受光面〜第6受光面と表記した。図27における横軸は時間を表し、各受光面の出力に対応する範囲のそれぞれについて、同じ受光時間範囲を示している。図27に示した各受光面231〜236の受光時間範囲は、ドロップレットの検出周波数fの逆数としてもよい。
図26に例示した状況の場合、光センサ124の第2受光面である受光面232と第3受光面である受光面233による出力は、図27に示すように、ドロップレットの影260による光量変化に対応した信号を生成し得る。一方、他の受光面231及び受光面234〜236には影が生成されず、第1受光面である受光面231及び第4受光面〜第6受光面である受光面234〜236の各々の出力は、例えば第6受光面である受光面236の出力の様に照明光180を受光している状態におけるノイズレベルであってよい。
光センサ124の受光面232と受光面233からの出力は、コンパレータ242とコンパレータ243において閾値電圧と比較され、Vin+>Vin−である期間、コンパレータ242とコンパレータ243の出力はHighレベルとなる。一方、他のコンパレータ241及びコンパレータ244〜246の出力は、Lowレベルであってよい。閾値電圧はドロップレットの影260による光量低下を検出でき、かつ、ノイズを検出しないよう予め実験等によって決定し、閾値電圧発生器250に設定しておくとよい。
9.3 作用・効果
光センサ124が複数の受光面231〜236を持ち、それぞれの出力レベルを計測する構成を採用することにより、以下に示すように、サテライトの発生を検知することが可能となる。
図28は、サテライト発生時のドロップレット吐出状態を捉えた光センサ124を受光面側から見た説明図である。図28に示すように、ドロップレットとサテライトが照明光180の照射領域を通過すると、複数の受光面231〜236のいずれかにドロップレットの影260とサテライトの影262を生成し得る。例えば、図28のように、受光面232と受光面233にドロップレットの影260が生成され、受光面235にサテライトの影262が生成され得る。
図29は、サテライト発生時のドロップレット吐出状態における光センサ124の各受光面231〜236の出力電圧と閾値電圧、並びに各コンパレータ241〜246の出力の例を示した図である。図28に例示した状況の場合、光センサ124の受光面232、233及び235による出力は、図29に示すように、ドロップレットの影260とサテライトの影262による光量変化に対応した信号を生成し得る。一方、他の受光面231、234及び236には影が生成されず、受光面231、234及び236の各々の出力は、例えば受光面236の出力の様に照明光180を受光している状態におけるノイズレベルとなり得る。
図28及び図29に例示した状況を含め、サテライト発生時のドロップレット吐出状態は、制御回路252にて、以下の状態[1]〜[3]のいずれかに該当することで検出可能である。
[1]1つのコンパレータの出力レベルと、隣接しないコンパレータの出力レベルがHighレベルである。
[2]隣接する2つのコンパレータの出力レベルとその2つに隣接しない1つのコンパレータの出力レベルがHighレベルである(図29参照)。
[3]隣接する3つのコンパレータの出力レベルがHighレベルである。
また、正常なドロップレット吐出状態は、制御回路252にて、以下の状態[4]又は[5]のいずれかに該当することで検出可能である。
[4]コンパレータの出力レベルが1つのみHighレベルである。
[5]隣接する2つのコンパレータの出力レベルがHighレベルである(図27参照)。
図30は、第4実施形態における制御部70の動作を示すフローチャートである。図30に示したフローチャートは、図12で説明した第1実施形態のフローチャートにおけるステップS2及びステップS6に代えて、ステップS62及びステップS66を採用してもよい。図30に示したフローチャートのステップS61、S63〜S65、S67及びS68は、図12に示したフローチャートのステップS1、S3〜5、S7及びS8と同様の工程としてもよい。
制御部70は、EUV光生成制御部40からターゲット供給装置78に起動信号が入力されると、図30のフローチャートに示した処理を開始してもよい。ステップS61において、制御部70は、通過タイミング信号検出を開始してもよい。
ステップS62において、制御部70は、光センサ124の各受光面231〜236からの出力が規定状態か否かを判定してもよい。ステップS62の判定基準となる「規定状態」は、正常なドロップレット吐出の検出状態としてよく、例えば上述した状態[4]又は[5]のいずれかの条件を満たした状態として定めておいてもよい。
ステップS62において、制御部70は、光センサ124の各受光面からの出力値がそれぞれの規定範囲内であることを確認すると、ステップS63に移行してもよい。一方、ステップS62において、制御部70は、光センサ124の各受光面231〜236からの出力が規定状態にないことを検出した場合は、ステップS68に移行してもよい。例えば上述した状態[4]又は[5]のいずれの条件も満たさない場合、或いは上述した状態[1]〜[3]のいずれの条件を満たす場合、ステップS68に移行してもよい。ステップS68におけるデューティ調整においては、図14のフローチャートで説明したデューティ調整と同様の内容を実施してもよい。また、ステップS68におけるデューティ調整においては、図18のフローチャートで説明したデューティ調整と同様の内容を実施してもよい。
ステップS63において、制御部70は、通過タイミング信号による発光トリガの生成を開始してもよい。発光トリガの生成が開始されると、遅延回路72は通過タイミング信号に所定の遅延時間tの遅延を与えて発光トリガを生成してもよい。
ステップS64において、制御部70は、EUV光生成装置によって生成されるEUV光が所定の安定度を保っているか否かを判定してもよい。制御部70は、EUV光生成制御部40から得られる信号を基に、ステップS64の判定を行ってもよい。
ステップS64において、制御部70は、EUV光生成装置によって生成されるEUV光が所定の安定度を保っていると判定した場合に、ステップS63に戻ってもよい。一方、制御部70は、EUV光生成制御部40から制御部70に発光トリガ停止信号が入力されるなどして、ステップS64において、EUV光が所定の安定度を保っていないと判定した場合に、ステップS65に移行してもよい。
ステップS65において、制御部70は、発光トリガの生成を停止してもよい。発光トリガの生成が停止されると、レーザ装置14からのパルスレーザ光の出力が停止され、EUV光の生成が停止される。
EUV光生成を再開する場合には、制御部70は、ステップS66において、光センサ124の各受光面の出力が規定状態を満たすか否か確認後、各受光面の出力が規定状態を満たさない場合に、ステップS68のデューティ調整を実施してもよい。
その一方、制御部70は、ステップS66において、光センサ124の各受光面の出力が規定状態を満たすことを確認した場合は、ステップS67に移行してもよい。
ステップS67において、制御部70は、ステップS68のデューティ調整以外の性能調整を実施してもよい。ステップS67の後、制御部70は、ステップS63に戻り、発光トリガの生成を再開してもよい。
図30のフローチャートは、EUV光生成制御部40からの割り込み処理によって、任意のタイミングで終了可能である。
10.実施形態5:第5実施形態に係るターゲット供給装置の説明
10.1 構成
図31に、第5実施形態の構成を示す。図31において、第1実施形態又は第2実施形態から変更した部分を以下に説明する。
図31に示したように、ノズル80の外側部にヒータ280を組み付け、ヒータ280にノズル温度センサ282を組み付けてもよい。ヒータ280はヒータ電源284に接続されてもよい。ノズル温度センサ282とヒータ電源284は、温度制御部94に接続されてもよい。
10.2 動作
温度制御部94は、ノズル温度センサ282から得られる温度情報を基に、ノズル80を、例えば、規定温度±0.1℃の範囲内で温度制御してもよい。また、ノズル80に、図示しない冷却配管とチラーを接続し、温度制御部94がチラー内の冷却水を所定の温度範囲内で温度制御してもよい。
10.3 作用・効果
ノズル80を高精度に温度制御することにより、ドロップレット生成間隔がより安定化する。これにより、通過タイミング間隔のばらつきTsigma(A)及びドロップレット間隔のばらつきDLsigma(A)は低下するので、より高精度な最適デューティ値を選定することが可能となる。また、ノズル80の高精度温度制御は、サテライトの発生を抑制することにも寄与する。第5実施形態で説明したノズル80の温度制御を行う構成は、第3実施形態又は第4実施形態と組み合わせて適用し得る。
11.実施形態6:第6実施形態に係るターゲット供給装置の説明
11.1 構成
図32は、第6実施形態に係るターゲット供給装置における制御システムの構成を示したブロック図である。図10で説明した構成に代えて、図32に示す構成を採用し得る。図32に示すように、制御部70は、圧力調節器90に設定する目標圧力を再設定する信号を送信するよう構成されてもよい。圧力調節器90は、制御部70によって設定された目標圧力にしたがいタンク82の圧力を調節してもよい。
11.2 動作
制御部70は、図12のステップS8において、図14で説明したデューティ調整の処理に代えて、図33に示すサブルーチンを実行してもよい。
図33は、図12のステップS8におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。図33について図14のフローチャートとの相違点を説明する。図33のフローチャートでは、ステップS17とステップS18の間にステップS71からステップS74の工程が追加されている。
制御部70はステップS17の判定処理において「Yes」と判定した場合に、ステップS71に移行してもよい。ステップS71において制御部70は、ステップS15にて記憶したデータの中に適正レンジ内にあるデータがあるか否かを判定してもよい。制御部70は、ステップS71において適正レンジ内にあるデータが存在すると判定した場合は、ステップS18に移行してもよい。
その一方、制御部70は、ステップS71において適正レンジ内にあるデータが存在しないと判定した場合は、ステップS72に移行してよい。ステップS72において、制御部70は、圧力調節器90の目標圧力Pを再設定してもよい。ステップS71の判定処理において「No」の判定となる場合は、「複数のデューティ値のうち、通過時間間隔計測値が適正レンジ内に入るデューティ値が不存在である場合」の一形態に相当する。
ステップS11からステップS17の処理を実行し、一度最適デューティを探索して、デューティAごとにTmax(A)等のデータ群を記憶したものの、いずれのデューティにおけるデータもドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジ内に無い場合がある。その場合、制御部70は、タンク82の圧力を下げるために圧力調節器90を制御する目標圧力を再設定し得る。このために、制御部70には予め圧力修正量ΔPが記憶されていてもよい。例えば、圧力修正量ΔPは正の値であり、1MPaから10MPaの範囲から定めた適宜の値とすることができる。制御部70は、現在設定されている目標圧力Pから圧力修正量ΔPだけ下げた圧力(P−ΔP)を新たな目標圧力Pとして再設定してもよい。
これは、ステップS13からステップS17の処理によるデューティ調整を実施したものの、全てのデューティAにおいてドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジ内に入るものが無い場合、タンク82の圧力を下げる動作に相当する。タンク82の圧力を下げることによりノズル孔80aから吐出されるドロップレット速度が低下し、吐出から複数ドロップレット合体完了までの距離が短縮される。吐出から複数ドロップレット合体完了までの距離を「合体距離」という。
タンク82の圧力を下げると合体距離が短くなるため、複数のドロップレットはドロップレット検出装置76の検出領域のドロップレット軌道上流で合体完了するようになる。ドロップレット検出装置76の検出領域は、プラズマ発光点となるプラズマ生成領域26よりもドロップレット軌道の上流に位置する。タンク82の圧力を下げることによって、合体距離が短縮され、プラズマ生成領域26でのドロップレットの合体不良を解消し得る。
制御部70は、ステップS72において圧力調節器90を制御する目標圧力を再設定した後に、ステップS73に移行してよい。ステップS73において制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回ったかどうか判定してもよい。このために、制御部70には予め圧力下限Pが記憶されていてもよい。具体的な数値の一例として、例えば、圧力下限Pは10MPaと定められている。制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回っていなければ、ステップS13に戻り、タンク82の圧力を変更した状態で再度、ステップS13からステップS17の処理による最適デューティの探索を実施してもよい。
一方、ステップS73において制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回っていた場合は、ステップS74に移行してEUV光生成制御部40にデューティ調整続行不可を通知してもよい。タンク82の圧力に依存したドロップレット速度には下限値が存在する。ドロップレット速度が低下するとドロップレット間距離が短くなり、レーザ光照射中のドロップレットによるプラズマが次に照射すべきドロップレットの軌道を乱す。どの程度軌道が乱れると出力EUV光が露光性能に影響を及ぼすかによってドロップレット間距離が制限される。したがって、タンク82の圧力にも下限が存在する。目標圧力の再設定の結果、圧力下限Pを下回ってしまった場合、調整不能となる。よって、制御部70は、目標圧力が圧力下限Pを下回った場合、EUV光生成制御部40にデューティ調整続行不可を通知した後に、デューティ調整の制御を終了してもよい。
11.3 作用・効果
第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第6実施形態によれば、ピエゾ素子88に印加する駆動信号のデューティ調整を実施しても、最適なデューティを見出すことができずに、合体不良のドロップレットが発生している場合、これを検出してタンク82の圧力を低下させる。タンク82の圧力を下げることによりドロップレット流速が低下し、合体距離が短縮されることにより、合体不良を解消することができる。
具体的な事例として、タンク82の圧力が40MPaであり、ドロップレット流速が約90m/sである条件の下でデューティ調整を実施した場合に、ドロップレットを安定的に合体させることができる最適なデューティ値を見出すことができないことがあった。この場合、タンク82の圧力を32MPaに下げ、ドロップレット流速が約79m/sとなる条件の下でデューティ調整を実施すると最適なデューティ値を設定することができた。
第6実施形態によれば、ピエゾ素子88に印加する駆動信号のデューティの調整に加え、必要に応じて、タンク82の圧力を下げる調整を行うことにより、プラズマ生成領域26の位置でのドロップレットの合体不良を解消することが可能である。
12.実施形態7:第7実施形態に係るターゲット供給装置の説明
12.1 構成
第7実施形態の構成は図17と同様であり、図32で説明した制御システム150と同様の構成を採用し得る。
12.2 動作
第7実施形態では、図12と同様のフローチャートを採用し得る。制御部70は、図12のステップS8において、図18で説明したデューティ調整の処理に代えて、図34に示すサブルーチンを実行してもよい。
図34は、第7実施形態におけるデューティ調整の処理に関する内容を示したフローチャートである。図34は、図12のステップS8におけるデューティ調整の処理内容を示したフローチャートである。図18で説明した第2実施形態のデューティ調整のフローチャートに代えて、図34のフローチャートを採用し得る。図34のフローチャートについて、図18で説明したフローチャートとの相違点を説明する。
図34のフローチャートでは、ステップS39とステップS40の間にステップS81〜S84が追加されている。ステップS81〜S84は、図33に示したフローチャートのステップS71〜S74と同様の工程としてよい。
制御部70はステップS39の判定処理において「Yes」と判定した場合、ステップS81に移行してもよい。ステップS81において制御部70は、ステップS37にて記憶したデータの中に適正レンジ内にあるデータがあるか否かを判定してもよい。制御部70は、ステップS81において適正レンジ内にあるデータが存在すると判定した場合は、ステップS40に移行してもよい。
その一方、制御部70は、ステップS81において適正レンジ内にあるデータが存在しないと判定した場合は、ステップS82に移行してもよい。ステップS82において、制御部70は、圧力調節器90の目標圧力Pを再設定してもよい。ステップS81の判定処理において「No」の判定となる場合は、「複数のデューティ値のうち、ドロップレット間距離計測値が適正レンジ内に入るデューティ値が不存在である場合」の一形態に相当する。
ステップS31からステップS39の処理を実行し、一度最適デューティを探索して、デューティAごとにdmax(A)等のデータ群を記憶したものの、いずれのデューティにおけるデータもドロップレット通過タイミング間隔の適正レンジ内に無い場合がある。その場合、制御部70は、タンク82の圧力を下げるために圧力調節器90を制御する目標圧力を再設定し得る。制御部70には予め圧力修正量ΔPが記憶されていてもよい。制御部70は、現在設定されている目標圧力Pから圧力修正量ΔPだけ下げた圧力(P−ΔP)を新たな目標圧力Pとして再設定してもよい。制御部70は、ステップS82において圧力調節器90を制御する目標圧力を再設定した後に、ステップS83に移行してもよい。
ステップS83において制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回ったかどうか判定してもよい。制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回っていなければ、ステップS31に戻り、タンク82の圧力を変更した状態で再度、ステップS31からステップS39の処理による最適デューティの探索を実施してもよい。なお、ステップS31において既に説明した「所定圧力」は、目標圧力Pにしたがって圧力調節器90がタンク82の圧力を調節することによって実現される圧力に相当する。簡易的には、実効圧力Pを目標圧力Pとしてもよい。
一方、ステップS83において制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回っていた場合は、ステップS84に移行してEUV光生成制御部40にデューティ調整続行不可を通知してもよい。制御部70は、目標圧力Pが圧力下限Pを下回った場合、EUV光生成制御部40にデューティ調整続行不可を通知した後に、デューティ調整の制御を終了してもよい。
12.3 作用・効果
第7実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。また、第7実施形態によれば、ピエゾ素子88に印加する駆動信号のデューティ調整を実施しても、合体不良のドロップレットが発生している場合、これを検出してタンク82の圧力を低下させる。タンク82の圧力を下げることによりドロップレット流速が低下し、合体距離が短縮されることにより、合体不良を解消することができる。
13.実施形態8:第8実施形態に係るターゲット供給装置の説明
13.1 構成
第8実施形態は、図32で説明した制御システム150と同様の構成を採用し得る。
13.2 動作
図12のステップS8に示されたデューティ調整の処理を実施して、一時的にドロップレットの合体不良が解消された場合でも、その後、再度合体不良が発生する場合がある。図35に示すフローチャートを実行する第8実施形態によれば、そのような状況を改善可能なことがある。
図35は、第8実施形態における制御部70の動作の例を示すフローチャートである。制御部70は、図12に示したフローチャートに代えて、図35に示すフローチャートを実行してもよい。図35のステップS101〜S105は、図12のステップS1〜S5と同様の工程を採用し得る。図35のステップS116〜S117は、図12のステップS6〜S7と同様の工程を採用し得る。また、図35のステップS128は、図12のステップS8と同様の工程を採用し得る。
以下、図35のフローチャートについて、図12のフローチャートとの相違点を説明する。図35のフローチャートでは、ステップS101の前に、デューティ調整履歴をリセットする工程(ステップS100)が追加されている。また、ステップS105とステップS116の間に、デューティ調整履歴をリセットする工程(ステップS110)が追加されている。さらに、図35のフローチャートは、ステップS102及びステップS116のそれぞれの判定処理で「No」の判定となった場合に実行される処理としてのステップS120、ステップS128、S129、S132〜S134を含んでいる。
ステップS132からステップS134は、図33に示したフローチャートのステップS72からステップS74と同様の工程としてもよい。
ステップS100において、制御部70は、通過タイミング信号の検出に先んじて、デューティ調整履歴をリセットしてもよい。デューティ調整履歴は、ターゲット供給部18の起動後、デューティ調整を実施したかどうかを示す情報である。デューティ調整履歴は制御部70のメモリ上に構成されたフラグであってもよい。デューティ調整履歴をリセットする処理の具体例として、制御部70はフラグを初期値0に更新してもよい。
ステップS102の通過タイミング間隔確認工程において、制御部70がT≧Tminの不成立を確認した場合、つまりT<Tminであると判定した場合は、ステップS120に移行してもよい。
ステップS120において、制御部70はデューティ調整履歴があるかどうか判定する。例えば、制御部70は、デューティ調整履歴のフラグが「0」であるか「1」であるかを判定してもよい。
ステップS120の判定処理において、デューティ調整履歴が無かった場合、つまり、デューティ調整を未実施の場合、制御部70はステップS128に移行し、デューティ調整を実施してもよい。ステップS128によるデューティ調整の内容は、図12のステップS8と同様である。
制御部70は、ステップS128のデューティ調整を実施した後、ステップS129において、デューティ調整履歴にデューティ調整実施を記録してもよい。すなわち、制御部70は、デューティ調整履歴のフラグを「0」から「1」に書き換え処理を実施してもよい。ステップS129のデューティ調整履歴記録工程の後、制御部70はステップS102に移行してもよい。
一方、ステップS120の判定処理において、デューティ調整履歴がある場合、つまり、デューティ調整を実施済みの場合、制御部70はステップS132において圧力調節器90を制御する目標圧力を再設定してもよい。制御部70は、現在設定されている目標圧力Pから圧力修正量ΔPだけ下げた圧力(P−ΔP)を新たな目標圧力Pとして再設定してもよい。制御部70は、ステップS132において圧力調節器90を制御する目標圧力を再設定した後に、ステップS133に移行してもよい。
ステップS133において制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回ったかどうか判定してもよい。制御部70は、再設定した目標圧力Pが圧力下限Pを下回っていなければ、ステップS102に戻り、タンク82の圧力を変更した状態で通過タイミング信号の間隔確認を実施してもよい。
一方、ステップS133において制御部70は、再設定した目標圧力が圧力下限Pを下回っていた場合は、ステップS134に移行してEUV光生成制御部40にデューティ調整続行不可を通知する。制御部70は、目標圧力Pが圧力下限Pを下回った場合、EUV光生成制御部40にデューティ調整続行不可を通知した後に、デューティ調整の制御を終了する。
また、制御部70は、ステップS104においてEUV光が所定の安定度を保っていないと判定して、ステップS105において発光トリガの生成を停止した場合、ステップS110において、デューティ調整履歴をリセットする。ステップS110にてデューティ調整履歴をリセットする理由は、これ以降のフローにおいて、制御部70が「デューティ調整履歴がある」と判定してデューティ調整前に目標圧力を再設定してしまうことを避けるためである。
13.3 作用・効果
第8実施形態によれば、ピエゾ素子88に印加する駆動信号のデューティ調整を実施した後に、合体不良のドロップレットの発生が検出された場合に、タンク82の圧力を低下させる圧力調整が行われる。これにより、合体距離が短縮され、合体不良を解消することができる。
14. 実施形態の組み合わせの例について
第1実施形態から第8実施形態の各実施形態の内容は組み合わせて適用することが可能である。例えば、次のような組み合わせが可能である。
[組み合わせ例1]図24のフローチャートと図33のフローチャートとを組み合わせることができる。すなわち、図24のステップS58について図33のフローチャートを適用することができる。
[組み合わせ例2]図24のフローチャートと図34のフローチャートとを組み合わせることができる。すなわち、図24のステップS58について図34のフローチャートを適用することができる。
[組み合わせ例3]図30のフローチャートと図33のフローチャートとを組み合わせることができる。すなわち、図30のステップS68について図33のフローチャートを適用することができる。
[組み合わせ例4]図30のフローチャートと図34のフローチャートとを組み合わせることができる。すなわち、図30のステップS68について図34のフローチャートを適用することができる。
[組み合わせ例5]図35のフローチャートと図33のフローチャートとを組み合わせることができる。すなわち、図35のステップS128について図33のフローチャートを適用することができる。
[組み合わせ例6]図35のフローチャートと図34のフローチャートとを組み合わせることができる。すなわち、図35のステップS128について図34のフローチャートを適用することができる。
また、他の変形例として、図12と図35の関係のように、図24及び図30のフローチャートの各々について、図35のフローチャートと同様に、デューティ調整履歴を管理する処理とタンク82の圧力を低下させる処理を適用してもよい。図35のフローチャートにおいて、デューティ調整履歴を管理する処理には、ステップS100、ステップS110、ステップS120及びステップS129の工程が含まれる。図35のフローチャートにおいて、タンク82の圧力を低下させる処理には、ステップS132〜S134の工程が含まれる。
15.各制御部のハードウェア環境
当業者は、汎用コンピュータ又はプログラマブルコントローラにプログラムモジュール又はソフトウェアアプリケーションを組み合わせて、ここに述べられる主題が実行されることを理解するだろう。一般的に、プログラムモジュールは、本開示に記載されるプロセスを実行できるルーチン、プログラム、コンポーネント、データストラクチャー等を含む。
図36は、開示される主題の様々な側面が実行され得る例示的なハードウェア環境を示すブロック図である。図36の例示的なハードウェア環境900は、処理ユニット1000と、ストレージユニット1005と、ユーザインターフェイス1010と、パラレルI/Oコントローラ1020と、シリアルI/Oコントローラ1030と、A/D及びD/Aコンバータ1040とを含んでもよいが、ハードウェア環境900の構成は、これに限定されない。「I/O」の表記は、Input/Outputを表す。「A/D」の表記は、Analog to Digitalを表す。「D/A」の表記は、Digital to Analogを表す。
処理ユニット1000は、中央処理ユニット(CPU;Central Processing Unit)1001と、メモリ1002と、タイマ1003と、画像処理ユニット(GPU;Graphics Processig Unit)1004とを含んでもよい。メモリ1002は、ランダムアクセスメモリ(RAM)とリードオンリーメモリ(ROM)とを含んでもよい。CPU1001は、市販のプロセッサのいずれでもよい。デュアルマイクロプロセッサや他のマルチプロセッサアーキテクチャが、CPU1001として使用されてもよい。
図36におけるこれらの構成物は、本開示において記載されるプロセスを実行するために、相互に接続されていてもよい。
動作において、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005に保存されたプログラムを読み込んで、実行してもよい。また、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005からプログラムと一緒にデータを読み込んでもよい。また、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005にデータを書き込んでもよい。CPU1001は、ストレージユニット1005から読み込んだプログラムを実行してもよい。メモリ1002は、CPU1001によって実行されるプログラム及びCPU1001の動作に使用されるデータを、一時的に保管する作業領域であってもよい。タイマ1003は、時間間隔を計測して、プログラムの実行に従ってCPU1001に計測結果を出力してもよい。GPU1004は、ストレージユニット1005から読み込まれるプログラムに従って、画像データを処理し、処理結果をCPU1001に出力してもよい。
パラレルI/Oコントローラ1020は、露光装置制御部、EUV光生成制御部40、レーザ光進行方向制御部54、制御部70、遅延回路72、温度制御部94、画像取得コントローラ200、制御回路252等の、処理ユニット1000と通信可能なパラレルI/Oデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらパラレルI/Oデバイスとの間の通信を制御してもよい。シリアルI/Oコントローラ1030は、ヒータ電源92、ピエゾ電源96、圧力調節器90、光源102、光源172等の、処理ユニット1000と通信可能なシリアルI/Oデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらシリアルI/Oデバイスとの間の通信を制御してもよい。A/D及びD/Aコンバータ1040は、アナログポートを介して、温度センサや圧力センサ、真空計各種センサ、光センサ124、イメージセンサ194等のアナログデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらアナログデバイスとの間の通信を制御したり、通信内容のA/D変換又はD/A変換を行ってもよい。
ユーザインターフェイス1010は、操作者が処理ユニット1000にプログラムの停止や、割込みルーチンの実行を指示できるように、処理ユニット1000によって実行されるプログラムの進捗を操作者に表示してもよい。
例示的なハードウェア環境900は、本開示におけるEUV光生成制御部40、レーザ光進行方向制御部54、制御部70、温度制御部94、画像取得コントローラ200等の構成に適用されてもよい。当業者は、それらのコントローラが分散コンピューティング環境、すなわち、通信ネットワークを介して繋がっている処理ユニットによってタスクが実行される環境において実現されてもよいことを理解するだろう。本開示において、露光装置制御部、EUV光生成制御部40、レーザ光進行方向制御部54、制御部70、温度制御部94、画像取得コントローラ200等は、イーサネット(登録商標)やインターネットといった通信ネットワークを介して互いに接続されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカル及びリモート両方のメモリストレージデバイスに保存されてもよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
10 EUV光生成システム
12 EUV光生成装置
14 レーザ装置
16 チャンバ
18 ターゲット供給部
20 ウインドウ
26 プラズマ生成領域
40 EUV光生成制御部
42 ターゲットセンサ
44 ターゲット
46 露光装置
70 制御部
72 遅延回路
74 不活性ガス供給部
76 ドロップレット検出装置
78 ターゲット供給装置
80 ノズル
82 タンク
84 ヒータ
86 温度センサ
88 ピエゾ素子
90 圧力調節器
92 ヒータ電源
94 温度制御部
96 ピエゾ電源
100 光源部
120 受光部
124 光センサ
136,142,144 ドロップレット
152 ドロップレット間隔計測部
154 デューティ調整部
160 ドロップレット画像検出部
170 光源部
190 受光部
194 イメージセンサ
200 画像取得コントローラ
212 画像計測部
231〜236 受光面
241〜246 コンパレータ
250 閾値電圧発生器
280 ヒータ
282 ノズル温度センサ
284 ヒータ電源

Claims (20)

  1. 液状のターゲット物質を収容するタンクと、
    前記タンクに収容されている前記ターゲット物質を出力するノズルと、
    矩形波の電気信号が入力されることによって駆動される加振素子であって、前記ノズルから出力される前記ターゲット物質に振動を与えて前記ターゲット物質のドロップレットを発生させる加振素子と、
    前記ノズルから出力された前記ドロップレットを検出するドロップレット検出部と、
    前記ドロップレット検出部から得られる検出信号を基に、前記ドロップレットの通過時間間隔を計測する通過時間間隔計測部と、
    前記通過時間間隔計測部によって計測した通過時間間隔計測値に基づいて、前記加振素子の動作に適した前記電気信号のデューティ値である動作デューティ値を決定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記通過時間間隔の適正レンジを設定する処理と、
    前記加振素子に入力する前記電気信号のデューティ値を変えて、複数のデューティ値について各デューティ値の前記電気信号を前記加振素子に入力することにより、各デューティ値において生成される前記ドロップレットの前記通過時間間隔計測値、及び前記通過時間間隔計測値のばらつきを、デューティ値に対応付けて記憶する処理と、
    前記複数のデューティ値のうち、前記通過時間間隔計測値が前記適正レンジ内にあるデューティ値の中で、前記ばらつきに基づいて、前記動作デューティ値を決定する処理と、
    を行うターゲット供給装置。
  2. 前記制御部は、前記加振素子を動作させる駆動周波数から前記ドロップレットの予測通過時間間隔を算出し、算出した前記予測通過時間間隔を基に、前記適正レンジの上限値と下限値を定める請求項1に記載のターゲット供給装置。
  3. 前記制御部は、前記複数のデューティ値のうち、前記通過時間間隔計測値が前記適正レンジ内にあるデューティ値の中で前記ばらつきが最小となるデューティ値を前記動作デューティ値に決定する請求項1に記載のターゲット供給装置。
  4. 前記制御部において、前記通過時間間隔の基準値が設定され、
    前記制御部は、前記通過時間間隔計測値が前記基準値を下回った場合に、前記複数のデューティ値による前記通過時間間隔計測値の取得を行い、取得した前記通過時間間隔計測値及び前記ばらつきを基に、前記動作デューティ値を決定する処理を実行する請求項1に記載のターゲット供給装置。
  5. 前記ノズルから出力された前記ドロップレットを撮像する2次元イメージセンサを含むドロップレット画像検出部と、
    前記ドロップレット画像検出部からの出力画像に基づいて、合体不良のドロップレットの検出、及びサテライトの有無の検出のうち少なくとも一方の検出を行う画像計測部と、を備え、
    前記制御部は、前記出力画像において前記ドロップレットの吐出方向に直交する方向の判定ラインにおける断面プロファイルが複数のピークを持つ場合に、前記複数のデューティ値による前記通過時間間隔計測値の取得を行い、取得した前記通過時間間隔計測値及び前記ばらつきを基に、前記動作デューティ値を決定する処理を実行する請求項1に記載のターゲット供給装置。
  6. 前記ドロップレット検出部は、複数の受光面を備える光センサを含んで構成され、
    前記制御部は、前記複数の受光面の各々が出力する信号に基づき、サテライトの発生が検出された場合に、前記複数のデューティ値による前記通過時間間隔計測値の取得を行い、取得した前記通過時間間隔計測値及び前記ばらつきを基に、前記動作デューティ値を決定する処理を実行する請求項1に記載のターゲット供給装置。
  7. 前記ノズルに組み付けられたヒータと、
    前記ノズルの温度を検出するノズル温度センサと、
    前記ノズル温度センサから得られる温度情報に基づき前記ヒータを制御する温度制御部と、を備え、
    前記温度制御部は、前記ノズルを規定温度±0.1℃の範囲で温度制御する請求項1に記載のターゲット供給装置。
  8. 前記タンクの圧力を調節する圧力調節器を備え、
    前記制御部は、前記複数のデューティ値のうち、前記通過時間間隔計測値が前記適正レンジ内に入るデューティ値が不存在である場合に、前記タンクの圧力を低下させるよう前記圧力調節器を制御する請求項1に記載のターゲット供給装置。
  9. 前記タンクの圧力を調節する圧力調節器を備え、
    前記制御部は、前記動作デューティ値を決定する処理を実施した後に、前記通過時間間隔計測値が前記基準値を下回った場合に、前記タンクの圧力を低下させるよう前記圧力調節器を制御する請求項4に記載のターゲット供給装置。
  10. 請求項1に記載のターゲット供給装置と、
    レーザ光源から出力されるレーザ光を内部に導入するためのウインドウを有するチャンバと、を備え、
    前記チャンバ内に前記ターゲット供給装置からターゲットである前記ドロップレットが供給され、前記ターゲットに前記レーザ光を照射することにより前記ターゲットをプラズマ化して極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置。
  11. 液状のターゲット物質を収容するタンクと、
    前記タンクに収容されている前記ターゲット物質を出力するノズルと、
    矩形波の電気信号が入力されることによって駆動される加振素子であって、前記ノズルから出力される前記ターゲット物質に振動を与えて前記ターゲット物質のドロップレットを発生させる加振素子と、
    前記ノズルから出力された前記ドロップレットを検出するドロップレット検出部と、
    前記ドロップレット検出部から得られる検出信号を基に、前記ドロップレットの通過時間間隔を計測する通過時間間隔計測部と、
    前記通過時間間隔計測部によって計測した通過時間間隔計測値に基づいて、前記加振素子の動作に適した前記電気信号のデューティ値である動作デューティ値を決定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記通過時間間隔計測値からドロップレット間距離を表すドロップレット間距離計測値を算出する処理と、
    前記ドロップレット間距離の適正レンジを設定する処理と、
    前記加振素子に入力する電気信号のデューティ値を変えて、複数のデューティ値について各デューティ値の電気信号を前記加振素子に入力することにより、各デューティ値において生成される前記ドロップレットの前記ドロップレット間距離計測値及び前記ドロップレット間距離計測値のばらつきを、デューティ値に対応付けて記憶する処理と、
    前記複数のデューティ値のうち、前記ドロップレット間距離計測値が前記適正レンジ内にあるデューティ値の中で、前記ばらつきに基づいて、前記動作デューティ値を決定する処理と、
    を行うターゲット供給装置。
  12. 前記制御部は、前記タンクの設定圧力と、前記ターゲット物質の密度と、前記ドロップレットの検出周波数とから、前記ドロップレットの予測ドロップレット間距離を算出し、算出した前記予測ドロップレット間距離を基に、前記適正レンジの上限値と下限値を定める請求項11に記載のターゲット供給装置。
  13. 前記制御部は、前記複数のデューティ値のうち、前記ドロップレット間距離計測値が前記適正レンジ内にあるデューティ値の中で前記ばらつきが最小となるデューティ値を前記動作デューティ値に決定する請求項11に記載のターゲット供給装置。
  14. 前記制御部において、前記通過時間間隔の基準値が設定され、
    前記制御部は、前記通過時間間隔計測値が前記基準値を下回った場合に、前記複数のデューティ値による前記通過時間間隔計測値の取得を行い、取得した前記通過時間間隔計測値から得られる前記ドロップレット間距離計測値及び前記ばらつきを基に、前記動作デューティ値を決定する処理を実行する請求項11に記載のターゲット供給装置。
  15. 前記ノズルから出力された前記ドロップレットを撮像する2次元イメージセンサを含むドロップレット画像検出部と、
    前記ドロップレット画像検出部からの出力画像に基づいて、合体不良のドロップレットの検出、及びサテライトの有無の検出のうち少なくとも一方の検出を行う画像計測部と、を備え、
    前記制御部は、前記出力画像において前記ドロップレットの吐出方向に直交する方向の判定ラインにおける断面プロファイルが複数のピークを持つ場合に、前記複数のデューティ値による前記通過時間間隔計測値の取得を行い、取得した前記通過時間間隔計測値から得られる前記ドロップレット間距離計測値及び前記ばらつきを基に、前記動作デューティ値を決定する処理を実行する請求項11に記載のターゲット供給装置。
  16. 前記ドロップレット検出部は、複数の受光面を備える光センサを含んで構成され、
    前記制御部は、前記複数の受光面の各々が出力する信号に基づき、サテライトの発生が検出された場合に、前記複数のデューティ値による前記通過時間間隔計測値の取得を行い、取得した前記通過時間間隔計測値から得られる前記ドロップレット間距離計測値及び前記ばらつきを基に、前記動作デューティ値を決定する処理を実行する請求項11に記載のターゲット供給装置。
  17. 前記ノズルに組み付けられたヒータと、
    前記ノズルの温度を検出するノズル温度センサと、
    前記ノズル温度センサから得られる温度情報に基づき前記ヒータを制御する温度制御部と、を備え、
    前記温度制御部は、前記ノズルを規定温度±0.1℃の範囲で温度制御する請求項11に記載のターゲット供給装置。
  18. 前記タンクの圧力を調節する圧力調節器を備え、
    前記制御部は、前記複数のデューティ値のうち、前記ドロップレット間距離計測値が前記適正レンジ内に入るデューティ値が不存在である場合に、前記タンクの圧力を低下させるよう前記圧力調節器を制御する請求項11に記載のターゲット供給装置。
  19. 前記タンクの圧力を調節する圧力調節器を備え、
    前記制御部は、前記動作デューティ値を決定する処理を実施した後に、前記通過時間間隔計測値が前記基準値を下回った場合に、前記タンクの圧力を低下させるよう前記圧力調節器を制御する請求項14に記載のターゲット供給装置。
  20. 請求項11に記載のターゲット供給装置と、
    レーザ光源から出力されるレーザ光を内部に導入するためのウインドウを有するチャンバと、を備え、
    前記チャンバ内に前記ターゲット供給装置からターゲットである前記ドロップレットが供給され、前記ターゲットに前記レーザ光を照射することにより前記ターゲットをプラズマ化して極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置。
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