JPWO2017130289A1 - 排気系支持構造体 - Google Patents

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章平 清水
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Abstract

支持部材は、ブラケットを介して排気管の外周面に固定される。ブラケットは、本体部と、フランジ部と、を備える。本体部は、径が徐々に大きくなる筒状である。フランジ部は、本体部における径が大きい方の端部である大径端部から外側へ延びるように設けられている。フランジ部は、排気管の外周面に接合される。支持部材は、棒状の端部である棒状端部を有し、本体部における径が小さい方の端部である小径端部の開口から棒状端部が挿入された状態で開口の縁部に接合されている。

Description

本開示は、排気系支持構造体に関する。
特許文献1には、マフラや排気管等で構成される排気系を車両の本体に保持させるための排気系支持構造体が開示されている。この排気系支持構造体は、カップ状に形成された遮熱板を備える。遮熱板の周縁は車両のマフラの外周面に接合される。
遮熱板の上壁(底部)には、L字状の棒状部材である主ロッドの一部が接合されている。具体的には、主ロッドの一部は、遮熱板の上壁に沿うように当該上壁に接合されている。また、主ロッドの接合された部分の一端から曲折して上壁に略垂直な方向に突出する突出部が形成されている。
この排気系支持構造体では、主ロッドの突出部が略板状のゴム部に形成された2つの孔部のうちの一方に嵌入固定され、他方の孔部に車両本体に結合された棒状部材が嵌入固定されることで、マフラが車両本体に保持される。
なお、遮熱板の上壁には、主ロッドと同形状の副ロッドが接合されている。副ロッドの接合された部分の一端から曲折して突出した突出部は、主ロッドの突出部よりも短く、主ロッドの側壁に接合されている。
特開2005−220852号公報
しかしながら、特許文献1に記載の排気系支持構造体の構成では、主ロッドに外力が加わったとき、当該排気系支持構造体における接合部に応力が集中しやすくなる。特に、遮熱板と主ロッドとの間の接合部、つまり、排気流路を形成する排気管としてのマフラと、遮熱板を介して排気管の外周面に固定される支持部材としての主ロッドと、の間の接合部に応力が集中しやすくなる。
本開示の一局面においては、排気管と支持部材との間の接合部に応力が集中することを抑制することが望ましい。
本開示の一態様は、排気系支持構造体であって、排気管と、ブラケットと、支持部材と、を備える。排気管は、排気流路を形成する。支持部材は、ブラケットを介して排気管の外周面に固定される。ブラケットは、本体部と、フランジ部と、を備える。本体部は、径が徐々に大きくなる筒状である。フランジ部は、本体部における径が大きい方の端部である大径端部から外側へ延びるように設けられている。フランジ部は、排気管の外周面に接合される。支持部材は、棒状の端部である棒状端部を有する。支持部材は、本体部における径が小さい方の端部である小径端部の開口から棒状端部が挿入された状態で開口の縁部に接合されている。
このような構成によれば、ブラケットにおける支持部材との接合部から排気管との接合部にかけて、ブラケットの本体部の径が徐々に大きくなるため、支持部材に加わる外力によって生じる応力を分散させることができる。
本開示の一態様は、支持部材が、棒状端部の軸方向周りの全周にわたって本体部に接合されていてもよい。
このような構成によれば、支持部材とブラケットとの接合部に応力が集中することを抑制することができる。
すなわち、仮に、支持部材が全周にわたって本体部に接合されない場合、棒状端部の軸方向周りにおいて接合部に端部が生じ、支持部材に外力が加わったときに当該端部に応力が集中しやすくなる。
それに対して、上記構成では、棒状端部の軸方向周りにおいて接合部に端部が存在しない。このため、支持部材が全周にわたって接合されない場合、つまり支持部材の一部のみが接合されている場合と比較して、支持部材とブラケットとの接合部に応力が集中することを抑制することができる。
本開示の一態様は、フランジ部が、大径端部の縁部に沿って環状に設けられ、当該フランジ部の環状方向の全周にわたって排気管の外周面に接合されていてもよい。
このような構成では、フランジ部の環状方向において接合部に端部が存在しない。このため、フランジ部が全周にわたって接合されない場合、つまりフランジ部の一部のみが接合されている場合と比較して、ブラケットと排気管との接合部に応力が集中することを抑制することができる。
本開示の一態様は、支持部材が管状であり、排気管におけるブラケットにより覆われた部分に貫通孔が設けられていてもよい。
このような構成では、支持部材の内部空間と排気管の内部空間とが、ブラケットを介して連通している。したがって、ブラケット及び支持部材の内部空間を共鳴室として機能させることで、排気管内の気柱共鳴を抑制することができる。
実施形態の排気系支持構造体の外観図である。 実施形態の排気系支持構造体の断面図である。 他の実施形態の排気系支持構造体の断面図である。
1,5…排気系支持構造体、2,7…排気管、3,6…支持部材、4…ブラケット、31…棒状端部、41…ブラケットの本体部、41a…大径端部、41b…小径端部、41c…開口、42…フランジ部、71…貫通孔。
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
図1に示す排気系支持構造体1は、車両の内燃機関から排出された排ガスを車両の外部へ導くための排気流路の一部を形成している。排気系支持構造体1は、排気管2と、支持部材3と、ブラケット4と、を備える。
排気管2は、排気流路を形成するための部材である。本実施形態では、排気管2は、断面が円形の金属製の管状の部材である。
支持部材3は、排気管2を車両の本体に保持させるための部材である。本実施形態では、支持部材3は、断面が円形の金属製の棒状の部材であり、略L字状に屈曲している。
支持部材3は、棒状の端部である棒状端部31を有する。棒状端部31は、ブラケット4を介して排気管2の外周面に固定されている。支持部材3の排気管2に対する固定の構造は後述されている。また、本実施形態では、排気管2の断面の外径は支持部材3の断面の外径よりも大きい。
排気管2は、支持部材3を介して、次のように車両の本体に保持される。すなわち、支持部材3における排気管2の外周面に固定されていない方の端部は、図示しない略板状のゴム材の孔部に嵌入固定される。ゴム材には、もう1つの孔部が設けられており、この孔部には、車両の本体に結合された適宜の棒状部材が嵌入固定される。これにより、排気管2が、支持部材3を介して車両の本体に保持される。
ブラケット4は、支持部材3を排気管2の外周面に固定するための金属製の部材である。ブラケット4は、本体部41とフランジ部42とを備える。
図1及び図2に示すように、本体部41は、径が徐々に大きくなる筒状の形状を有する。具体的には、本体部41は、平面視で同心円状に広がる形状をしている。また、本体部41は、側面視では台形状をしている。換言すれば、本体部41は、直線状の勾配を有している。
フランジ部42は、本体部41における径が大きい方の端部である大径端部41aから外側へ延びるように設けられている。本実施形態では、フランジ部42は、大径端部41aの縁部に沿って円環状に設けられている。また、フランジ部42は、側面視で、本体部41に対して直角よりも大きな角度を成す。なお、ブラケット4は、金属製の平板をプレス加工することにより形成される。
次に、支持部材3の排気管2に対する固定の構造について説明する。
図1及び図2に示すように、排気管2と支持部材3とは、支持部材3とブラケット4の本体部41における一端とが接合され、かつ、排気管2とブラケット4の本体部41における他端とが接合されることで、互いに固定されている。
詳細には、支持部材3は、図2に示すブラケット4の本体部41における径が小さい方の端部である小径端部41bの開口41cから棒状端部31が挿入された状態で開口41cの縁部に接合されている。一方、ブラケット4の本体部41における大径端部41aにおいては、フランジ部42が、排気管2の外周面に接合されている。具体的には、フランジ部42の面のうち、排気管2の外周面側に配置される面の全域が、排気管2の外周面と接触し、当該外周面に接合されている。
本実施形態では、支持部材3は、棒状端部31の軸方向周りの全周にわたってブラケット4の本体部41に溶接によって接合されている。同様に、フランジ部42は、当該フランジ部42の環状方向の全周にわたって排気管2の外周面に溶接によって接合されている。なお、図1におけるハッチングは、溶接部を表している。
また、図2に示すように、各部材2〜4が互いに接合された状態において、支持部材3の棒状端部31の先端と排気管2の外周面とが互いに接触していない。換言すれば、棒状端部31の先端と排気管2の外周面との間には空間が存在している。
なお、各部材2〜4の接合の順序としては、まず、支持部材3とブラケット4とが接合され、その後に、ブラケット4と排気管2とが接合される。
[2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の構成によれば、支持部材3に外力が加わったときに生じる応力を分散させることができる。
すなわち、ブラケット4を用いず支持部材3を排気管2に固定する方法として、例えば次の方法が考えられる。まず、支持部材3の棒状端部31を排気管2の外周面の周方向に沿って屈曲させる。そして、支持部材3の棒状端部31を排気管2の外周面に当接させる。その後、棒状端部31と排気管2との当接部近傍の数カ所を溶接することにより、支持部材3と排気管2とを接合する。しかしながら、この構成では、支持部材3に外力が加わったときに、排気管2と支持部材3との間の溶接部に応力が集中しやすくなる。
これに対して、本実施形態のようにブラケット4を用いる構成では、ブラケット4における支持部材3との溶接部から排気管2との溶接部にかけて、ブラケット4の本体部41の径が徐々に大きくなる。このため、支持部材3に加わる外力によって生じる応力を分散させることができる。
(2)本実施形態では、支持部材3は、ブラケット4の小径端部41bの開口41cから棒状端部31が挿入された状態で開口41cの縁部に接合される。
このため、棒状端部31と同径の棒状端部を有する支持部材であれば、棒状端部以外の部位の形状が支持部材3と異なる支持部材であっても、共通のブラケット4を用いて排気管2に固定することができる。
(3)本実施形態では、ブラケット4はフランジ部42を備え、フランジ部42が排気管2の外周面に接合される。
このため、フランジ部42と外周面との間に隙間なく両部材が当接するような径の排気管だけでなく、類似の径の排気管にもブラケット4を接合することができる。したがって、類似の径の排気管にもブラケット4を介して支持部材3を固定することができる。
(4)本実施形態では、支持部材3は、棒状端部31の軸方向周りの全周にわたってブラケット4の本体部41に溶接によって接合されている。
つまり、棒状端部31の軸方向周りにおいて溶接部に端部が存在しない。このため、支持部材3が全周にわたって溶接されない場合、つまり支持部材3の一部のみが溶接されている場合と比較して、支持部材3とブラケット4との溶接部に応力が集中することを抑制することができる。
(5)本実施形態では、フランジ部42が、大径端部41aの縁部に沿って環状に設けられ、当該フランジ部42の環状方向の全周にわたって排気管2の外周面に溶接によって接合されている。
つまり、フランジ部42の環状方向において溶接部に端部が存在しない。このため、フランジ部42が全周にわたって溶接されない場合、つまりフランジ部42の一部のみが溶接されている場合と比較して、ブラケット4と排気管2との溶接部に応力が集中することを抑制することができる。
(6)本実施形態では、溶接箇所が少ないため、溶接する際のコストを低減することができる。
すなわち、ブラケット4を用いずに支持部材3を排気管2に固定する方法としては、前述のように、支持部材3の棒状端部31と排気管2の外周面とを当接して、支持部材3の棒状端部31と排気管2の外周面とを接合する方法がある。この場合において、支持部材3を排気管2から剥がれにくくするため、排気管2と支持部材3とに接合させる棒状の補強部材を設けることが考えられる。この場合の接合箇所は、例えば、排気管2と支持部材3との当接部、排気管2と補強部材との当接部、及び、支持部材3と補強部材との当接部、のそれぞれの当接部を挟む両側2箇所ずつの計6箇所である。
これに対して、本実施形態では、支持部材3とブラケット4との間、及び、排気管2とブラケット4との間、は全周溶接されており、溶接箇所はこの2箇所である。このように、溶接箇所が少ないため、溶接する際のコストを低減することができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(1)上記実施形態では、ブラケット4の本体部41は、平面視で同心円状に広がる形状をしており、直線状の勾配を有しているが、ブラケットの形状はこれに限られるものではない。ブラケットの本体部は、例えば、当該本体部の中心軸が徐々にずれていく形状やそれ以外の形状であってもよい。また、ブラケットの本体部の勾配は、例えば、曲線状であってもよい。
(2)上記実施形態では、排気管2とブラケット4との間、及び、支持部材3とブラケット4との間、は全周溶接されているが、溶接の方法はこれに限られるものではない。例えば、排気管2とブラケット4との間、及び、支持部材3とブラケット4との間、の少なくとも一方を、全周ではなく部分的に溶接してもよい。
(3)上記実施形態では、排気管2及びブラケット4、並びに、支持部材3及びブラケット4、は溶接によって接合されているが、接合の方法はこれに限られるものではない。排気管2及びブラケット4等は、例えば、ろう付けによって接合されていてもよい。
(4)上記実施形態では、各部材2〜4が互いに接合された状態において、支持部材3の棒状端部31の先端と排気管2の外周面とが互いに接触していないが、接合の構造はこれに限られるものではない。各部材2〜4は、例えば、支持部材3の棒状端部31の先端と排気管2の外周面とが互いに接触するように接合されていてもよい。
(5)上記実施形態では、支持部材3とブラケット4とが接合された後にブラケット4と排気管2とが接合される構成を例示したが、各部材2〜4の接合の順序はこれに限られるものではない。例えば、まず、ブラケット4と排気管2とが接合され、その後にブラケット4と支持部材3とが接合されてもよい。
(6)上記実施形態では、ブラケット4は金属製の平板をプレス加工して形成されるが、ブラケット4の製造方法はこれに限られるものではない。ブラケット4は、例えば、金属製の管状の部材を加工して形成されてもよい。
(7)上記実施形態の排気系支持構造体1に、車両の内燃機関から排出された排ガスが排気管内を通過する際に発生する気柱共鳴を抑制する機能を付加してもよい。
例えば、図3に示す排気系支持構造体5は、前述のブラケット4と、支持部材6と、排気管7と、を備える。前述の支持部材3は棒状であるのに対し、支持部材6は管状である。排気管7は、ブラケット4により覆われた部分に貫通孔71が設けられている点で、前述の排気管2と異なる。つまり、図3に示す構成では、支持部材6の内部空間と排気管7の内部空間とが、ブラケット4を介して連通している。
貫通孔71は、気柱共鳴の最大音圧部に配置されている。例えば、貫通孔71は、3次モードの最大音圧となる位置、すなわち排気管7の下流側開口部から6分の1の位置、6分の3(2分の1)の位置又は6分の5の位置に配置されていてもよい。また、2次モードの最大音圧となる位置、すなわち下流側開口部から4分の1の位置又は4分の3の位置に配置されていてもよい。さらに、1次モードの最大音圧となる位置、すなわち下流側開口部から2分の1の位置に配置されていてもよい。
このような構成によれば、ブラケット4及び支持部材6の内部空間を共鳴室として機能させることで、排気管7内の気柱共鳴を抑制することができる。特に、少なくとも1次モードから3次モードまでの気柱共鳴音(消音の要請が高いモード)を抑制することができる。
また、気柱共鳴を抑制するためにメインマフラと直列にサブマフラを設けることも考えられるが、図3に示す構成によれば排気管に貫通孔を設けることで気柱共鳴を抑制することができるため、気柱共鳴対策の費用を低減することができる。
(8)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

Claims (4)

  1. 排気流路を形成する排気管と、
    ブラケットと、
    前記ブラケットを介して前記排気管の外周面に固定される支持部材と、
    を備え、
    前記ブラケットは、
    径が徐々に大きくなる筒状の本体部と、
    前記本体部における径が大きい方の端部である大径端部から外側へ延びるように設けられたフランジ部と、
    を備え、
    前記フランジ部は、前記排気管の外周面に接合され、
    前記支持部材は、棒状の端部である棒状端部を有し、前記本体部における径が小さい方の端部である小径端部の開口から前記棒状端部が挿入された状態で前記開口の縁部に接合されている、排気系支持構造体。
  2. 請求項1に記載の排気系支持構造体であって、
    前記支持部材は、前記棒状端部の軸方向周りの全周にわたって前記本体部に接合されている、排気系支持構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の排気系支持構造体であって、
    前記フランジ部は、前記大径端部の縁部に沿って環状に設けられ、当該フランジ部の環状方向の全周にわたって前記排気管の外周面に接合されている、排気系支持構造体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の排気系支持構造体であって、
    前記支持部材は管状であり、前記排気管における前記ブラケットにより覆われた部分に貫通孔が設けられている、排気系支持構造体。
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