JPWO2017122625A1 - フェイスマスク - Google Patents

フェイスマスク Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017122625A1
JPWO2017122625A1 JP2017519717A JP2017519717A JPWO2017122625A1 JP WO2017122625 A1 JPWO2017122625 A1 JP WO2017122625A1 JP 2017519717 A JP2017519717 A JP 2017519717A JP 2017519717 A JP2017519717 A JP 2017519717A JP WO2017122625 A1 JPWO2017122625 A1 JP WO2017122625A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
face mask
fabric layer
mass
fiber diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017519717A
Other languages
English (en)
Inventor
中原 誠
誠 中原
大森 平
平 大森
梶山 宏史
宏史 梶山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JPWO2017122625A1 publication Critical patent/JPWO2017122625A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A45HAND OR TRAVELLING ARTICLES
    • A45DHAIRDRESSING OR SHAVING EQUIPMENT; EQUIPMENT FOR COSMETICS OR COSMETIC TREATMENTS, e.g. FOR MANICURING OR PEDICURING
    • A45D44/00Other cosmetic or toiletry articles, e.g. for hairdressers' rooms
    • A45D44/22Face shaping devices, e.g. chin straps; Wrinkle removers, e.g. stretching the skin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H1/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres
    • D04H1/40Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres from fleeces or layers composed of fibres without existing or potential cohesive properties
    • D04H1/42Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres from fleeces or layers composed of fibres without existing or potential cohesive properties characterised by the use of certain kinds of fibres insofar as this use has no preponderant influence on the consolidation of the fleece
    • D04H1/4326Condensation or reaction polymers
    • D04H1/4334Polyamides
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H1/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres
    • D04H1/40Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres from fleeces or layers composed of fibres without existing or potential cohesive properties
    • D04H1/44Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres from fleeces or layers composed of fibres without existing or potential cohesive properties the fleeces or layers being consolidated by mechanical means, e.g. by rolling
    • D04H1/46Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres from fleeces or layers composed of fibres without existing or potential cohesive properties the fleeces or layers being consolidated by mechanical means, e.g. by rolling by needling or like operations to cause entanglement of fibres
    • D04H1/498Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres from fleeces or layers composed of fibres without existing or potential cohesive properties the fleeces or layers being consolidated by mechanical means, e.g. by rolling by needling or like operations to cause entanglement of fibres entanglement of layered webs

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

本発明は、密着性とリフトアップ性に優れたフェイスマスクを提供することを課題とする。そして、本発明は、不織布層Aと不織布層Bとの積層体を有し、前記不織布層Aは、数平均による単繊維直径が50nm以上、800nm以下のナノファイバーを前記不織布層A全体に対し40質量%以上含有し、前記不織布層Bは、数平均による単繊維直径が3μm以上、100μm以下のポリエステル繊維を前記不織布層B全体に対し90質量%以上含有する、フェイスマスク。

Description

本発明は、フェイスマスクに関する。
シート状のフェイスマスクは、肌の表面で一定の時間、薬液を保持できることから、薬液の肌への十分な浸透が図れ、美白、保湿、アンチエイジングなどのスキンケア化粧品として、その需要を拡大し続けている。
近年では、肌への密着性と保液性を高めるために、ナノファイバーからなる不織布を基材不織布に積層した積層体からなるフェイスマスクが提案されている(特許文献1)。
更に、緩んだフェイスラインの引き締め効果(リフトアップ効果)を有するフェイスマスクとして、繊維径が50〜1000nmの合成繊維を混綿した不織布からなるフェイスマスクが提案されている(特許文献2)。
特開2007−70347号公報 特開2013−240432号公報
上記の特許文献1に開示されたフェイスマスクは、基材不織布に、高い吸水性を備えるナイロン繊維やコットン繊維を多量に含むため、湿潤時に発生する引張応力に対してフェイスマスクが変形し、近年フェイスマスクとして重要視され始めているリフトアップ性、すなわち、頬のたるみを引き上げて改善するアンチエイジング効果に劣るという課題がある。
更に、特許文献2に開示されたフェイスマスクは、リフトアップ効果を付与するために、繊維径が50〜1000nmの合成繊維を混綿しているが、フェイスマスクの変形を防止するためのナノファイバー以外の繊維として、高い吸水性を備えるレーヨン繊維を多量に含むため、湿潤時に発生する引張応力に対してフェイスマスクが変形し、頬のたるみを引き上げて改善するリフトアップ性が十分でないとの課題がある。
そこで、本発明は、フェイスマスクの特性として重要視されている、肌への密着性と、リフトアップ性に優れたフェイスマスクを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
(1)不織布層Aと不織布層Bとの積層体であって、前記不織布層Aは、ナノファイバーを前記不織布層A全体に対し40質量%以上含有し、前記ナノファイバーの数平均による単繊維直径は50nm以上、800nm以下であり、前記不織布層Bは、ポリエステル繊維を前記不織布層B全体に対し90質量%以上含有し、前記ポリエステル繊維の数平均による単繊維直径は3μm以上、100μm以下である、フェイスマスク、
(2)前記ナノファイバーがポリアミド繊維である(1)のフェイスマスク、
(3)前記ナノファイバーの含有量が前記不織布層A全体に対し85質量%以上であり、前記ナノファイバーの数平均による単繊維直径が100nm以上500nm以下である、(1)または(2)に記載のフェイスマスク、
(4)前記不織布層Aおよび前記不織布層Bが、スパンレース不織布である(1)〜(3)のいずれかのフェイスマスクである。
本発明によれば、ナノファイバーを有する不織布層Aにより肌への密着性が優れ、数平均による単繊維直径が3μm以上、100μm以下のポリエステル繊維を多量に有する不織布層Bと上記の不織布層Aとによりリフトアップ性に優れた、フェイスマスクが得られる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
不織布層Aと不織布層Bとの積層体を有し、前記不織布層Aは、ナノファイバーを前記不織布層A全体に対し40質量%以上含有し、前記ナノファイバーの数平均による単繊維直径は50nm以上、800nm以下であり、前記不織布層Bは、ポリエステル繊維を前記不織布層B全体に対し90質量%以上含有し、前記ポリエステル繊維の数平均による単繊維直径は3μm以上、100μm以下である、フェイスマスクである。
本発明のフェイスマスクは不織布層Aを有する。この不織布層Aは数平均による単繊維直径が50〜800nmのナノファイバーを不織布層A全体に対し40質量%以上有する。この不織布層Aが皮膚に接する側に配されるように本発明のフェイスマスクを使用することで、不織布層Aに含有されるナノファイバーが皮膚の細かな溝の内部まで入り込み、フェイスマスクと皮膚との密着性が向上する。また、このような不織布層Aを有することで、フェイスマスクの通気性が低減でき、皮膚とフェイスマスクとの界面への空気の進入が抑制され、その吸盤効果によりフェイスマスクと皮膚との密着性が向上する。更に、不織布層Aに含有されるナノファイバーが皮膚の細かな溝の内部まで入り込み、それにより皮膚と不織布層Aの表面との接触面積が増大し、皮膚とフェイスマスクとの摩擦係数が向上、頬をリフトアップする際にフェイスマスクが滑ることを防止し、結果的にフェイスマスクのリフトアップ性が向上する。
なお、本発明でいうナノファイバーとは、その名称からも明らかなとおり、単繊維直径が1nm以上1000nm未満の繊維をいう。
ナノファイバーの数平均による単繊維直径を50nm以上とすることで、ナノファイバーの強度低下を抑制し、フェイスマスクの使用時における不織布層Aからのナノファイバーの脱落やナノファイバーの皮膚への残留を抑制できる。一方、数平均による単繊維直径を800nm以下とすることで、上記の密着性、及びリフトアップ性の実効が得られる。上記の観点から、ナノファイバーの数平均による単繊維直径の下限は、80nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。一方で、ナノファイバーの数平均による単繊維直径の上限は、上記の観点から、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。
また、上記のナノファイバーを、不織布層Aの全質量に対して40質量%以上の範囲内で含むことにより、密着性、及びリフトアップ性の実効が得られる。上記の観点から、ナノファイバーを不織布層Aの全質量に対して、70質量%以上の範囲内で含むことが好ましく、85質量%以上含むことがより好ましく、更に好ましくは、ナノファイバーのみで構成された不織布層Aを有することが好ましい。
本発明のナノファイバーとしては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の熱可塑性樹脂を素材とする繊維を採用することができる。これらの中でも後述するように、リフトアップ性を高める点で、ナノファイバーはポリアミド繊維であることが好ましい。なお、これらの熱可塑性樹脂には、他の成分が共重合されても良いし、安定剤などの添加物を含有しても良い。
また、本発明のナノファイバーは、単繊維がバラバラに分散したもの、単繊維が部分的に結合しているもの、複数の単繊維が凝集した集合体(例えば、束状のもの)などの形態を呈するものであってもよく、すなわち、いわゆる繊維状の形態であればよく、その長短や断面形状などにこだわらないものである。
本発明のフェイスマスクは不織布層Bを有し、この不織布層Bは数平均による単繊維直径が3〜100μmのポリエステル繊維を不織布層B全体に対し90質量%以上有する。上記のポリエステル繊維を多量に有する不織布層Bを不織布層Aの皮膚に接する面の反対側の面、すなわち皮膚と接しない側の面に配することにより、フェイスマスクの強度が向上し、頬をリフトアップする際にフェイスマスクの変形が抑制され、フェイスマスクのリフトアップ性が向上する。
ここで、ポリエステル繊維の数平均による単繊維直径が3μm以上とすることで、ポリエステル繊維の強度の低下を抑制し、頬をリフトアップする際にフェイスマスクが変形することを防ぎ、リフトアップ性の実効が得られる。一方、数平均による単繊維直径が100μm以下とすることで、ポリエステル繊維が剛直となることを防ぎ、使用時の良好な着用感、すなわち、しなやかさが得られる。上記の観点から、ポリエステル繊維の数平均による単繊維直径の下限は5μm以上であることが好ましく、7μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがより好ましい。一方で、この上限は30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
また、不織布層Bは、ポリエステル繊維を不織布層B全体に対し90質量%以上有することが重要である。不織布層Bを構成する繊維にナイロンやコットンなどの高い吸水性を有する吸水性繊維が一定割合以上含まれると、フェイスマスクに薬液を含浸した後、前記の吸水性繊維が膨潤し、この吸収性繊維の強度が損なわれ、フェイスマスクの強度が低下する。そして、結果的に頬をリフトアップする際にフェイスマスクが変形してしまい、フェイスマスクのリフトアップ性が低下する。
したがって、上記の観点から、不織布層Bを構成する繊維は上記のナイロンやコットンなどの吸水性繊維と比較し吸水性の低いポリエステル繊維を一定割合以上含んでいることが重要である。具体的には、不織布層Bに含まれるポリエステル繊維の含有量は、不織布層Bの全質量に対して90質量%以上であることが重要である。また、不織布層Bに含まれるポリエステル繊維の含有量は、不織布層Bの全質量に対して96質量%以上であることが、フェイスマスクのリフトアップ性がより良好なものとなるため好ましい。
上記のポリエステル繊維としては例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維およびポリ乳酸繊維が挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレート繊維は、強度が高く本発明のフェイスマスクに好ましく使用できる。
本発明のフェイスマスクは、上記のとおり一定の強度を有するものであるが、発明者らは、湿潤状態のフェイスマスクのヨコ方向の10%伸長応力が1.6N/50mm以上であることにより、頬をリフトアップする際の引張変形に耐えうるフェイスマスクが得られることを見出した。湿潤状態のフェイスマスクのヨコ方向の10%伸長応力が1.6N/50mm以上であるフェイスマスクを、着用者が着用すると、このフェイスマスクのヨコ方向が着用者の頬から耳の方向と略平行となるため、フェイスマスクの着用の際の引っ張り上げ(リフトアップ)によるフェイスマスクのヨコ方向への変形が抑制され、結果としてフェイスマスクによる優れたリフトアップ性が実現される。なお、本発明の湿潤状態のフェイスマスクのヨコ方向の伸長応力は、JIS L 1913に基づき、定速伸長形引張試験機により、フェイスマスクを初期の長さの10%伸長させた際の応力を読み取ることにより測定できる。ここで、フェイスマスクのヨコ方向とは、このフェイスマスクが着用された際に着用者の額に配されるフェイスマスクの部位から着用者の顎に配されるフェイスマスクの部位の方向に垂直な方向をいう。また、本発明のフェイスマスクが有する不織布層Bに含まれる数平均による単繊維直径が3〜100μmのポリエステル繊維の含有量を不織布層B全体に対し90質量%以上の範囲内において適宜調整することや、本発明のフェイスマスクが有する不織布層Bに含まれるポリエステル繊維の数平均による単繊維直径を3〜100μmの範囲内において適宜調整することなどで、湿潤状態のフェイスマスクのヨコ方向の10%伸長応力を所望のものとすることができる。
また、本発明のフェイスマスクは、ナノファイバーが皮膚の細かな溝の内部まで入り込むことで、皮膚と繊維表面の接触面積が増大し、皮膚とフェイスマスクとの摩擦係数が向上、頬をリフトアップする際にフェイスマスクが滑ることを防止し、結果的にリフトアップ性が向上するものである。上記の摩擦係数を評価する手法としては、JIS P8147:1994 3.2傾斜方法に準じて、蒸留水を含浸させた際の静摩擦係数により評価することができる。リフトアップ性の観点から、フェイスマスクの不織布層Aと皮膚との間の静摩擦係数は、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは1.0以上であることが好ましい。
また、上記のとおり本発明のフェイスマスクが有する不織布層Aはナノファイバーを有することで、フェイスマスクの通気性が低減できる。これにより、皮膚とフェイスマスクとの界面への空気の進入が抑制され、吸盤効果により密着性が向上する。この際の密着力を評価する手法としては、蒸留水を含浸させたフェイスマスクを人工皮膚の上に上載し、これを吊り上げる際の密着力により評価することができる。上記手法で測定したフェイスマスクと皮膚との間の密着力については、装着時の密着感の観点から0.5N以上、特に好ましくは0.7N以上であることが好ましい。
更に、本発明のフェイスマスクはナノファイバーを有する不織布層Aを有することで、ナノファイバーによる毛細管効果で不織布層Bに含まれる薬液が不織布層Aに吸い寄せられ、空気と接する側の不織布層Bの薬液が空気中に揮発することを抑制できる。そして、不織布層Bの薬液が空気中に揮発することが抑制されることでフェイスマスクを装着している間、つまり20分程度の間に薬液が空気中に揮発することを抑制できるため、フェイスマスクと皮膚との密着性を保持することができ、結果的に化粧水の肌への浸透を高めることができる。この密着性の保持については、化粧水を含浸させたフェイスマスクを人工皮膚の上に上載し、温度20℃、湿度60%の雰囲気下で放置した際の20分後の化粧水の質量保持率により評価することができる。上記の化粧水の質量保持率については、上記の観点から70%以上、特に好ましくは80%以上であることが好ましい。
本発明のフェイスマスクが有する不織布層Aは、この不織布層Aがナノファイバー以外の繊維を有する場合には、このナノファイバー以外の繊維はポリアミド繊維であることが、フェイスマスクと皮膚との密着性を向上するために好ましい。ポリアミド繊維は吸水性の繊維であることから、皮膚に接する不織布層Aにポリアミド繊維を配合することにより、皮膚とフェイスマスクの間に存在する余分な薬液を吸収することができる。これにより薬液による滑りが抑制でき、フェイスマスクと皮膚との間の摩擦係数が向上、結果的にリフトアップ性が向上する。また、ポリアミド繊維は、コットンやレーヨンなどの天然由来の吸水繊維に比べ、比較的良好な強度特性を有することから、リフトアップ時のマスクの変形抑制の点でも好ましい。
ここで、不織布層Aの構成としては、例えば、数平均による単繊維直径が50〜800nmのナノファイバーと、数平均による単繊維直径が3〜100μmのポリアミド繊維の混綿でも良いし、ポリアミド樹脂からなる数平均による単繊維直径が50〜800nmのナノファイバーと数平均による単繊維直径が3〜100μmのポリエステル繊維やポリアミド繊維との混綿でも良い。中でも特に好ましくは、ポリアミド繊維のみから構成される不織布層A、すなわち、ポリアミド樹脂からなる数平均による単繊維直径が50〜800nmのナノファイバーのみから構成される不織布層Aか、ポリアミド樹脂からなる数平均による単繊維直径が50〜800nmのナノファイバーと数平均による単繊維直径が3〜100μmのポリアミド繊維とを混綿した不織布層Aであることが好ましい。
本発明のポリアミド繊維、または、ポリアミドナノファイバーを構成するポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、各種のアラミド樹脂を用いることができるが、これらの中でも吸水性の良好なナイロン6が好ましく用いられる。
フェイスマスクが不織布層Aと不織布層Bとの積層体を有し、さらに、この不織布層Aが多量のナノファイバーを含有し、この不織布層Bが多量のポリエステル繊維を含有することで、このフェイスマスクに含まれる薬液の、疎水性の不織布層Bから毛細管効果による薬液の吸水力に優れる不織布Aへの移行が促進される。よって、このフェイスマスクを不織布層Aが使用者の肌側に配置されるように使用した際には、このフェイスマスクの不織布Bの面からの薬液の揮発が抑制され、結果として、このフェイスマスクの化粧水(薬液)の質量保持率は優れたものとなる。また、この効果は、不織布層Aにおけるナノファイバーの含有率が不織布層A全体に対し85質量%以上であり、このナノファイバーは、単繊維直径が500nm以下のポリアミド繊維(吸水性繊維)であり、不織布層Bにおけるポリエステル繊維の含有量が不織布層B全体に対し90質量%以上である場合に極めて顕著なものとなる。
本発明のフェイスマスクの目付は、25〜150g/mであることが好ましく、この下限は、25g/m以上であることがより好ましく、30g/m以上であることが更に好ましい。一方で、この上限は、100g/m以下であることがより好ましく、70g/m以下であることが更に好ましい。目付を25g/m以上とすることで、頬をリフトアップする際の引張変形が抑制され、リフトアップ性が向上する。一方、目付を150g/m以下とすることで、薬液を吸収した際にマスク重量が増加し、密着性が低下することを抑制できる。
不織布層Aの目付は、3〜40g/mであることが好ましく、この下限は、5g/m以上であることがより好ましく、8g/m以上であることがより好ましい。一方で、この上限は、25g/m以下であることがより好ましく、15g/m以下であることが更に好ましい。目付を3g/m以上とすることで、密着性とリフトアップ性の実効が得られやすい。一方、目付を40g/m以下とすることで、後述の製造工程で発生する易溶性ポリマーの製造ロスを削減できる。
不織布層Bの目付は、15〜140g/mであることが好ましく、この下限は、20g/m以上であることがより好ましく、25g/m以上であることが更に好ましく、35g/m以上であることが特に好ましい。一方で、この上限は、90g/m以下であることがより好ましく、60g/m以下であることが更に好ましい。目付を15g/m以上とすることで、頬をリフトアップする際の引張変形が抑制され、リフトアップ性が向上する。一方、目付を140g/m以下とすることで、薬液を吸収した際にマスク重量が増加し、密着性が低下することを抑制できる。
なお本発明のフェイスマスクは、B層の片面にA層を有する2層構造でも良いし、B層の両面にA層を有する3層構造でも良い。
ここで、本発明のフェイスマスクが有する不織布層Aおよび不織布層Bはスパンレース不織布であることが好ましい。スパンレース不織布は高圧水流により構成繊維を絡合させる方法により得られるが、この方法は、ニードルパンチにより構成繊維を絡合させる方法に比べ、絡合時の構成繊維の糸切れが少なく、強度の高い不織布層が得られ、フェイスマスクのリフトアップ性を高めることができる。
本発明のナノファイバーを得るための方法としては、既知の方法(例えば、特開2007―70347号公報に開示された方法)を採用することができる。
また、本発明のフェイスマスクが有する不織布層Aおよび不織布層Bを得るための方法としても、既知の方法を採用することができるが、上記のとおり本発明のフェイスマスクが有する不織布層Aおよび不織布層Bはスパンレース不織布であることが好ましく、その場合には、上記の不織布層Aおよび不織布層Bは高圧水流により構成繊維を絡合させる方法を用いて得ることとなる。
なお、不織布層A、および不織布層Bは、それぞれ単独で高圧水流により絡合させた後に、上記の不織布層Aと不織布層Bを積層して、高圧水流により一体化させ積層不織布としても良いし、カーディング工程を経た後の(絡合前の)不織布層Aのウェブと、不織布層Bのウェブを積層し、高圧水流により絡合、一体化させ、積層不織布としても良い。
そして、上記の積層不織布をフェイスマスクの形に打ち抜き加工を行って、この積層不織布に化粧水あるいは美容液を含浸させ、フェイスマスクとして使用される。
本実施例で用いた測定法を後述する。
(1)ナノファイバーの数平均による単繊維直径
積層不織布の試料をエポキシ樹脂で包埋し包埋体を得た。次に、この包埋体から薄切片を切り出し、この薄切片に含まれる不織布層A部分を透過型電子顕微鏡(TEM)(日立製作所社製H−7100FA型)で観察し、倍率10,000倍の断面写真を撮影した。次に、この断面写真について画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、同一写真内でお互いに隣接する30本ずつのナノファイバーの群を無作為に10箇所抽出し、計300本の単繊維直径を測定し、その単純平均値を求め、ナノファイバーの数平均による単繊維直径とした。
(2)不織布層Bの繊維の数平均による単繊維直径
JIS L 1015:1999に基づいて繊度を測定し、「繊維ハンドブック(日本化学繊維協会編)」などに掲載されている素材の比重から当該繊維の数平均による単繊維直径を求めた。繊維が異形断面繊維の場合は、当該異形断面繊維の断面積を同じ面積の円形の直径に換算して求めた。
(3)目付
JIS L 1913:1998 6.2に基づいて測定した。
試料から300mm×300mmの試験片を、鋼製定規とかみそり刃とを用いて3枚採取した。標準状態における試験片の質量を測定して、単位面積当たりの質量を次の式によって求め、平均値を算出した。
ms=m/S
ここに、ms:単位面積当たりの質量(g/m
m:試験片の平均重量(g)
S:試験片の面積(m)。
(4)静摩擦係数
JIS P8147:1994 3.2傾斜方法に準じて測定した。幅30mm、長さ130mmの試験片を、フェイスマスクから切り出し、この試験片を10枚用意した。次に、これらの10枚の試験片のうち5枚の試験片については、フェイスマスクのタテ方向の静摩擦係数の評価に供し、残りの5枚の試験片については、フェイスマスクのヨコ方向の静摩擦係数の評価に供した。
フェイスマスクのタテ方向の静摩擦係数の評価については、試験片を20℃の蒸留水中に10分間以上浸漬し、取り出してから速やかに滑り傾斜角測定装置の重りに取り付けた。一方、シリコン疑似皮膚(リューラックス製)を滑り傾斜角測定装置に取り付け、試験片を取り付けた重りを試験片の測定面がシリコン疑似皮膚に接触するように、かつ、試験片のタテ方向と滑り傾斜角測定装置の滑り方向とが一致するように疑似皮膚上に上載し、傾け角度3°/秒未満の条件で、重りが落下したときの傾斜角を読み取り、前記傾斜角の正接(tanθ)を静摩擦係数とした。
また、フェイスマスクのヨコ方向の静摩擦係数の評価については、試験片を20℃の蒸留水中に10分間以上浸漬し、取り出してから速やかに、滑り傾斜角測定装置の重りに取り付けた。一方、シリコン疑似皮膚(リューラックス製)を滑り傾斜角測定装置に取り付け、試験片を取り付けた重りを試験片の測定面がシリコン疑似皮膚に接触するように、かつ、試験片のヨコ方向と滑り傾斜角測定装置の滑り方向とが一致するように疑似皮膚上に上載し、傾け角度3°/秒未満の条件で、重りが落下したときの傾斜角を読み取り、前記傾斜角の正接(tanθ)を静摩擦係数とした。得られた10枚の試験片の静摩擦係数の平均をフェイスマスクの静摩擦係数とした。ここで、フェイスマスクのタテ方向とは、このフェイスマスクが着用された際に着用者の額に配されるフェイスマスクの部位から着用者の顎に配されるフェイスマスクの部位の方向をいい、フェイスマスクのヨコ方向とは、上記のとおりフェイスマスクのタテ方向に垂直な方向をいう。また、試験片のタテ方向とは、試験片がフェイスマスクから切り出される前の状態におけるフェイスマスクのタテ方向と平行な試験片の方向をいい、試験片のヨコ方向とは、試験片がフェイスマスクから切り出される前の状態におけるフェイスマスクのヨコ方向と平行な試験片の方向をいう。
(5)密着力
幅60mm、長さ60mmの試験片(をフェイスマスク用積層体から10枚採取した。この試験片の対角線の交点に縫い糸を貫通させ、周長が300mmのリング状となるように縫い糸の端部を結んだ。この試験片を20℃の蒸留水中に10分間以上浸漬し、取り出してから速やかにシリコン疑似皮膚(リューラックス製)の上に、試験片の不織布層Aの面とシリコン擬似皮膚が接するように上載し、上記の縫い糸が疑似皮膚に対して垂直となるように定速伸長形引張試験機のチャックで縫い糸を掴んだ。この時の疑似皮膚とチャックの間隔は100mmとなるように調整した。次いで、100mm/minの引張速度で、試験片の全面積が疑似皮膚から剥離するまで荷重を加え、この時の最大応力を、応力ひずみ曲線から読み取った。測定は10枚行い、平均値を算出した。
(6)化粧水の質量保持率
温度20℃×湿度60%RHの雰囲気下で24hr調湿した試料から、幅25mm、長さ25mmの試験片をフェイスマスク用積層体から5枚採取した。次いでこの試験片の質量(g)を測定した。また、シリコン疑似皮膚(リューラックス製、サイズ:φ50mm)の質量(g)を測定した。試験片をこのシリコン疑似皮膚に上載し、化粧水(無印良品「化粧水・敏感肌用しっとりタイプ」)を、試験片の質量に対しての7倍の質量となるように含浸させ、この状態で試験片とシリコン疑似皮膚と化粧水の初期の合計質量(g)を測定し、温度20℃×湿度60%RHの恒温恒湿槽に投入した。20分後に上記のサンプルを取り出し、試験片とシリコン疑似皮膚と化粧水の20分後の合計質量(g)を測定し、下式により薬液保持率(%)を算出した。測定は15枚行い平均値を算出した。
初期の化粧水質量(g)=初期の合計重量(g)−シリコン疑似皮膚の質量(g)−試験片の質量(g)
20分後の化粧水質量=20分後の合計重量(g)−シリコン疑似皮膚の質量(g)−試験片の質量(g)
化粧水の質量保持率(%)=20分後の化粧水質量(g)/初期の化粧水質量(g)×100
(7)湿潤状態のフェイスマスクのヨコ方向の10%伸長応力
JIS L 1913:1998 6.3.2に準じて測定した。幅50mm、長さ250mmの試験片を、フェイスマスク用積層体から切り出し、この試験片を5枚用意した。そして、これらの試験片を20℃の蒸留水中に10分間以上浸漬し、取り出してから速やかに定速伸長形引張試験機に試験片のヨコ方向と定速伸長形引張試験器の引張方向とが一致するように取り付けて測定を行った。つかみ間隔を100mmとし、100mm/minの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加え、試験片が10mm伸長した際の応力を、応力ひずみ曲線から読み取った。得られた試験片5枚のそれぞれの応力の平均値を湿潤状態のフェイスマスクのヨコ方向の10%伸長応力とした。ここで、フェイスマスクのヨコ方向とは、上記のとおり、このフェイスマスクが着用された際に着用者の額に配されるフェイスマスクの部位から着用者の顎に配されるフェイスマスクの部位の方向に垂直な方向をいう。また、試験片のヨコ方向とは試験片がフェイスマスクから切り出される前の状態におけるフェイスマスクのヨコ方向と平行な試験片の方向をいう。
(8)モニター評価
各実施例および比較例で得られた不織布をマスク形に打ち抜き、化粧水(無印良品「化粧水・敏感肌用しっとりタイプ」)を、フェイスマスクの質量に対しての7倍の質量となるように含浸させ、密着感、リフトアップ性について女性パネル10名により各人の絶対評価にて10点満点で評価し、10名の平均点(小数点以下は四捨五入)から下記基準にて評価した。
A:9〜10点
B:7〜8点
C:5〜6点
D:3〜4点
E:0〜2点。
(実施例1)
(ポリマーアロイ繊維)
溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のナイロン6(N6)(40質量%)と、重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃で光学純度99.5%以上のポリL乳酸(60質量%)とを別々に計量し、別々に下記詳細の2軸押し出し混練機に供給し、220℃で混練してポリマーアロイチップを得た。
スクリュー形状:同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー :直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた
途中3箇所のバックフロー部有り
ベント :2箇所。
得られたポリマーアロイチップを、ステープル用紡糸機の一軸押し出し型溶融装置に供給し、溶融温度235℃、紡糸温度235℃(口金面温度220℃)、紡糸速度1200m/minとして溶融紡糸を行い、ポリマーアロイ繊維を得た。これを合糸した後、スチーム延伸を行い単糸繊度3.0dtexのポリマーアロイ繊維からなるトウを得た。得られたポリマーアロイ繊維の強度は、3.5cN/dtex、伸度45%、U%=1.0%の優れた特性を示した。
(捲縮・カット工程)
上記ポリマーアロイ繊維からなるトウに捲縮(12山/25mm)を施した後、51mmの短繊維にカットした。
(不織布層A)
上記短繊維をカードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力:3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、8g/mの不織布を得た。前記不織布に対して、1%水酸化ナトリウム水溶液で温度95℃、浴比1:40、処理時間40分にて処理することにより、ポリ乳酸を脱海し、N6ナノファイバーからなる目付3g/mの不織布層Aを得た。不織布層Aに含まれるナノファイバーの数平均による単繊維直径は150nmであった。
(不織布層B)
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力:3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、40g/mの不織布層Bを得た。
(積層不織布)
上記で得られた不織布層Aと不織布層Bとを積層し、さらに圧力:10MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、目付43g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表1にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が比較的高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例2)
実施例1の不織布層Aの目付を5g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付45g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表1にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が比較的高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例3)
実施例1の不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表1にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も良好であった。
(実施例4)
実施例3の不織布層Bの目付を15g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付25g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表1にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も比較的高かった。モニター評価を行ったところ、密着感は良好で、リフトアップ感は比較的良好であった。
(実施例5)
実施例3の不織布層Bの目付を20g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付30g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表2にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例6)
実施例の不織布層Bの目付を30g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付40g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表2にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例7)
実施例1のポリマーアロイ繊維のナイロン6の質量比を70質量%、ポリL乳酸の質量比を30質量%に変更し、不織布層Aの目付を10g/mに変更し、不織布層Aを作成した。不織布層Aに含まれるナノファイバーの数平均による単繊維直径は700nmであった。他は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表2にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が比較的高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例8)
実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維を、数平均による単繊維直径が6μmのPETの分割短繊維に変更し、不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表2にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も比較的高かった。モニター評価を行ったところ、密着感は良好で、リフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例9)
実施例1のポリマーアロイ繊維のナイロン6の質量比を50質量%、ポリL乳酸の質量比を50質量%に変更し、不織布層Aの目付を10g/mに変更し、不織布層Aを作成した。不織布層Aに含まれるナノファイバーの数平均による単繊維直径は300nmであった。他は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表3にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例10)
実施例1のポリマーアロイ繊維のナイロン6の質量比を60質量%、ポリL乳酸の質量比を40質量%に変更し、不織布層Aの目付を10g/mに変更し、不織布層Aを作成した。不織布層Aに含まれるナノファイバーの数平均による単繊維直径は500nmであった。他は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表3にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が比較的高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例11)
実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維と、ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、90:10(実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維:ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維)の質量比で混合し、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとし、一方で不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本比較例のフェイスマスクの特徴を表3にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例12)
実施例1の不織布層Aに用いたポリマーアロイ繊維からなる短繊維と、ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、脱海後の質量比(実施例1の不織布層Aに用いたポリマーアロイ繊維からなる短繊維:ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維)が50:50となるように混合し、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとし、不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表4にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が比較的高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例13)
実施例1の不織布層Aに用いたポリマーアロイ繊維からなる短繊維と、ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、脱海後の質量比(実施例1の不織布層Aに用いたポリマーアロイ繊維からなる短繊維:ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維)が70:30となるように混合し、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとし、不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表4にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が比較的高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も比較的良好であった。
(実施例14)
実施例1の不織布層Aに用いたポリマーアロイ繊維からなる短繊維と、ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、脱海後の質量比(実施例1の不織布層Aに用いたポリマーアロイ繊維からなる短繊維:ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維)が90:10となるように混合し、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとし、不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本実施例のフェイスマスクの特徴を表4にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数が高く、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力も高かった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感も良好であった。
(比較例1)
実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維と、ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、50:50(実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維:ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維)の質量比で混合し、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとし、一方で不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本比較例のフェイスマスクの特徴を表5にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数は高いものの、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が低かった。モニター評価を行ったところ、密着感は良好であるが、リフトアップ感に劣るものであった。
(比較例2)
実施例1のポリマーアロイ繊維のナイロン6の質量比を80質量%、ポリL乳酸の質量比を20質量%に変更し、不織布層Aの目付を10g/mに変更し不織布層Aを作成した。不織布層Aに含まれるナノファイバーの数平均による単繊維直径は1000nmであった。他は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本比較例のフェイスマスクの特徴を表5にまとめた。このフェイスマスクは、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力は高いが、静摩擦係数が低いものであった。モニター評価を行ったところ、密着感とリフトアップ感に劣るものであった。
(比較例3)
実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を数平均による単繊維直径が2μmの分割繊維に変更し、不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本比較例のフェイスマスクの特徴を表5にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数は高いものの、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が低かった。モニター評価を行ったところ、密着感は良好であるが、リフトアップ感に劣るものであった。
(比較例4)
実施例1の不織布層Aに用いた繊維と、不織布層Bに用いた繊維を、数平均による単繊維直径が12μmのレーヨン繊維に変更し、不織布層Aの目付を25g/mに変更し、不織布層Bの目付を25g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本比較例のフェイスマスクの特徴を表5にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数および湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が低かった。モニター評価を行ったところ、密着感およびリフトアップ感に劣るものであった。
(比較例5)
実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維と、ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維を、80:20(実施例1の不織布層Bに用いたポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維:ナイロン6からなる数平均による単繊維直径が14μmでカット長51mmの短繊維)の質量比で混合し、カードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとし、一方で不織布層Aの目付を10g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成した。また、本比較例のフェイスマスクの特徴を表5にまとめた。このフェイスマスクは、静摩擦係数は高いものの、湿潤状体のヨコ方向の10%伸長応力が低かった。モニター評価を行ったところ、密着感は良好であるが、リフトアップ感に劣るものであった。
Figure 2017122625
Figure 2017122625
Figure 2017122625
Figure 2017122625
Figure 2017122625
本発明のフェイスマスクは、密着性と、リフトアップ性に優れ、アンチエイジングのための化粧品として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 不織布層Aと不織布層Bとの積層体を有し、
    前記不織布層Aは、ナノファイバーを前記不織布層A全体に対し40質量%以上含有し、前記ナノファイバーの数平均による単繊維直径は50nm以上、800nm以下であり、
    前記不織布層Bは、ポリエステル繊維を前記不織布層B全体に対し90質量%以上含有し、前記ポリエステル繊維の数平均による単繊維直径は3μm以上、100μm以下である、フェイスマスク。
  2. 前記ナノファイバーがポリアミド繊維である請求項1のフェイスマスク。
  3. 前記ナノファイバーの含有量が前記不織布層A全体に対し85質量%以上であり、前記ナノファイバーの数平均による単繊維直径が100nm以上、500nm以下である、請求項1または2に記載のフェイスマスク。
  4. 前記不織布層Aおよび前記不織布層Bが、スパンレース不織布である請求項1〜3のいずれかに記載のフェイスマスク。
JP2017519717A 2016-01-15 2017-01-10 フェイスマスク Pending JPWO2017122625A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016006125 2016-01-15
JP2016006125 2016-01-15
PCT/JP2017/000447 WO2017122625A1 (ja) 2016-01-15 2017-01-10 フェイスマスク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2017122625A1 true JPWO2017122625A1 (ja) 2018-11-01

Family

ID=59311336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017519717A Pending JPWO2017122625A1 (ja) 2016-01-15 2017-01-10 フェイスマスク

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JPWO2017122625A1 (ja)
CN (1) CN108471863A (ja)
TW (1) TW201730398A (ja)
WO (1) WO2017122625A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3591107B1 (en) * 2017-02-28 2023-06-14 Toray Industries, Inc. Laminated nonwoven fabric
BE1028772B1 (nl) * 2020-10-30 2022-05-30 Conteyor Int Nv Gezichtsmasker

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007068986A (ja) * 2005-08-11 2007-03-22 Toray Ind Inc メイク落としシート用基材及びメイク落としシート
JP2009097120A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Toray Ind Inc シート型コスメ製品用積層不織布
JP5643145B2 (ja) * 2011-03-31 2014-12-17 クラレクラフレックス株式会社 積層シート及びその製造方法
JP2013028552A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Kikoh Corporation 化粧用シート
JP5871594B2 (ja) * 2011-12-07 2016-03-01 シンワ株式会社 化粧用シート
CN102670415A (zh) * 2012-04-20 2012-09-19 费兰克·K·高 一种纳米纤维面膜纸
KR101454421B1 (ko) * 2012-10-25 2014-11-03 주식회사 아모그린텍 자가 용융형 나노섬유로 구성된 미용시트 및 그 제조방법
JP2014128523A (ja) * 2012-12-30 2014-07-10 Shinshu Univ フェイスマスク及びフェイスマスクの製造方法
JP6121223B2 (ja) * 2013-04-10 2017-04-26 旭化成株式会社 薬液含浸シート

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017122625A1 (ja) 2017-07-20
TW201730398A (zh) 2017-09-01
CN108471863A (zh) 2018-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11225048B2 (en) Laminated nonwoven fabric
JPWO2017122625A1 (ja) フェイスマスク
JP6866851B2 (ja) 積層不織布
TWI655004B (zh) 凝膠面膜用不織布
TWI742292B (zh) 護膚產品用的不織布、面膜以及清潔片
JP7392651B2 (ja) スキンケア製品用不織布、フェイスマスクおよびクレンジングシート
JP2020084386A (ja) 積層不織布
JP2021050453A (ja) 不織布
JP2017209409A (ja) フェイスマスク用布帛およびこのフェイスマスク用布帛を用いたフェイスマスク
JP2017177655A (ja) フィルム積層不織布ならびに、このフィルム積層不織布を用いたフェイスマスクおよびクレンジングシート
WO2022138449A1 (ja) スキンケア製品用不織布、フェイスマスクおよびクレンジングシート