JPWO2017122593A1 - 磁気記録媒体およびこれを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

シード層を用いて、垂直磁気記録に適切な規則合金を含む磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体を提供する。あるいは、必要な熱安定性を確保しつつ記録密度を向上させる。あるいは、磁性層を厚くすることと粒径微細化とを両立させる。基板と、第1シード層と、ZnOを含む第2シード層と、MgOを含む第3シード層と、規則合金を含む磁気記録層とをこの順に含み、前記第1シード層が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことを特徴とする磁気記録媒体である。

Description

本発明は、磁気記録媒体に関する。典型的には、本発明は、ハードディスク磁気記録装置(HDD)に用いられる磁気記録媒体に関する。
磁気記録の高密度化を実現する技術として、垂直磁気記録方式が採用されている。垂直磁気記録媒体は、非磁性基板と、硬質磁性材料から形成される磁気記録層を少なくとも含む。任意で、垂直磁気記録媒体は、軟磁性材料から形成されて、磁気ヘッドが発生する磁束を磁気記録層に集中させる役割を担う軟磁性裏打ち層を更に含んでもよい。任意で、垂直磁気記録媒体は、磁気記録層の硬質磁性材料を目的の方向に配向させるための下地層、および磁気記録層の表面を保護する保護層などをさらに含んでもよい。
良好な磁気特性を得ることを目的として、グラニュラー磁性材料を用いて垂直磁気記録媒体の磁気記録層を形成することが提案されている。グラニュラー磁性材料は、磁性結晶粒と、磁性結晶粒の周囲を取り囲むように偏析した非磁性体とを含む。グラニュラー磁性材料中の個々の磁性結晶粒は、非磁性体によって磁気的に分離されている。
近年、垂直磁気記録媒体の記録密度のさらなる向上を目的として、グラニュラー磁性材料中の磁性結晶粒の粒径を縮小させる必要に迫られている。一方で、磁性結晶粒の粒径の縮小は、記録された磁化(信号)の熱安定性を低下させる。磁性結晶粒の粒径の縮小による熱安定性の低下を補償するために、グラニュラー磁性材料中の磁性結晶粒を、より高い結晶磁気異方性を有する材料を用いて形成することが求められている。求められる高い結晶磁気異方性を有する材料として、L10型規則合金が提案されている。代表的なL10型規則合金は、FePt、CoPt、FePd、CoPdなどを含む。
従来技術のCoCrPt系不規則磁性合金を含む磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体においては、RuまたはRu合金からなるシード層がしばしば用いられている。当該シード層は(002)配向した六方最密充填(hcp)構造を有する。これは、磁気記録層中のCoCrPt系不規則磁性合金の磁化容易軸を垂直配向させるためである。たとえば、特開2012−195027号公報(特許文献1)および特開2013−54819号公報(特許文献2)は、Ruを含むシード層と、CoCrPt系不規則磁性合金を含む磁気記録層とを有するディスクリート磁気記録媒体およびパターンド磁気記録媒体を提案している。この提案において、シード層は、Ru層とRu合金層との積層体である。更に、比較対照の例として、Ru層単層のシード層、Ru層とRuおよび酸化物を含むグラニュラー構造を有するRu含有層との積層体であるシード層が開示されている。また、特開2015−135713号公報(特許文献3)は、金属酸化物ポストにおいて複数の部分に分割された、Ruからなるシード層と、CoCrPt系不規則磁性合金を含む磁気記録層とを有するディスクリート磁気記録媒体およびパターンド磁気記録媒体を提案している。
しかしながら、L10型規則合金を含む磁気記録層を形成する場合には、(002)配向したhcp構造を有するRuからなるシード層を用いることは困難と考えられていた。なぜなら、6回対称のhcp構造の(002)面の上に、4回対称の正方形であるL10型規則合金の(001)面はエピタキシャル成長しないと考えられていたためである。
この問題に対して、特開2012−014750号公報(特許文献4)は、(110)配向したhcp構造を有する、RuまたはRu合金からなるシード層の上に、(001)配向したL10型規則合金からなる磁気記録層を形成した磁気記録媒体を提案している。また、特開2006−19000号公報(特許文献5)は、磁気記録密度の向上が期待される傾斜磁気記録媒体の製造にあたって、(100)配向したhcp構造を有する、Ru、ReまたはOsを含むシード層の上に、(111)配向したL10型規則合金からなる磁気記録層を形成した磁気記録媒体を提案している。
しかしながら、Ru等の金属単体または合金のシード層の上に規則合金からなる磁気記録層を形成する場合には、規則合金を規則化させるために必要な加熱処理によってRu等の金属単体または合金のシード層の結晶粒が凝集する。そのために、規則合金においては、高い規則度と良好なグラニュラー構造を両立させることができないという問題がある。
特開2012−195027号公報 特開2013−54819号公報 特開2015−135713号公報 特開2012−014750号公報 特開2006−19000号公報
本発明が解決しようとする課題の一例は、垂直磁気記録に好適な規則合金を含む磁気記録層を有する磁気記録媒体を提供することである。あるいは、本発明が解決しようとする課題の別の例は、必要な熱安定性を確保しつつ記録密度を向上させることである。あるいは、本発明が解決しようとする課題の別の例は、磁性層を厚くすることと粒径微細化とを両立することである。
本発明の課題を解決するための手段の1例は、基板と、第1シード層と、ZnOを含む第2シード層と、MgOを含む第3シード層と、規則合金を含む磁気記録層とをこの順に含み、前記第1シード層が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことを特徴とする磁気記録媒体である。ここで、前記第1シード層が、Ruと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはSiOn(n=1.5〜2.5)と、を含むことが好ましい。あるいは、前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層をさらに含み、前記非磁性中間層が、Ptと、酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことが好ましい。このとき、前記非磁性中間層が、Ptと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはCと、を含むことが好ましい。あるいは、前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層をさらに含み、前記非磁性中間層がPtから本質的になり、前記非磁性中間層が、0.1〜3.0nmの膜厚を有することが好ましい。また、前記基板と前記第1シード層との間に、RuまたはRu合金から形成された配向制御層をさらに含むことが好ましい。
また、前記規則合金は、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素と、Pt、Pd、Au、Ir、およびRhからなる群から選択される少なくとも一種の元素とを含むL10型規則合金であることが好ましい。ここで、前記規則合金は、Ni、Mn、Cu、Ru、Ag、Au、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含むことが好ましい。また、前記規則合金は、FePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択されるL10型規則合金であることが好ましい。更に、前記磁気記録層が、磁性結晶粒と、前記磁性結晶粒を包囲する非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記磁性結晶粒は前記規則合金を含むことが好ましい。
本発明の課題を解決するための手段の別の例は、磁気記録媒体を製造する方法であって、前記方法が、基板を準備する工程と、前記基板の上に第1シード層を形成する工程であって、前記第1シード層が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含む、工程と、前記第1シード層の上にZnOを含む第2シード層を形成する工程と、前記第2シード層の上にMgOを含む第3シード層を形成する工程と、前記第3シード層の上に規則合金を含む磁気記録層を形成する工程とを含み、前記磁気記録層を形成する際に、前記基板が300℃〜600℃の範囲内で加熱される、方法である。ここで、前記第1シード層が、Ruと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはSiOn(n=1.5〜2.5)と、を含むことが好ましい。また、前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層を形成する工程をさらに含み、前記非磁性中間層が、Ptと、酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことが好ましい。このとき、前記非磁性中間層が、Ptと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはCと、を含むことが好ましい。あるいは、前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層を形成する工程をさらに含み、前記非磁性中間層がPtから本質的になり、前記非磁性中間層が、0.1〜0.3nmの膜厚を有することが好ましい。また、前記基板と前記第1シード層との間に配向制御層を形成する工程を更に含み、前記配向制御層がRuまたはRu合金から形成されていることが好ましい。
前記方法において、前記規則合金は、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素と、Pt、Pd、Au、IrおよびRhからなる群から選択される少なくとも一種の元素とを含むL10型規則合金であることが好ましい。ここで、前記規則合金は、Ni、Mn、Cu、Ru、Ag、Au、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含むことが好ましい。また、前記規則合金は、FePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択されるL10型規則合金であることが好ましい。更に、前記磁気記録層が、磁性結晶粒と、前記磁性結晶粒を包囲する非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記磁性結晶粒は前記規則合金を含むことが好ましい。
本発明によれば、垂直磁気記録に好適な規則合金からなる磁気記録媒体を形成することが可能となる。特に、Ru−TiO2、あるいはRu−SiO2シード層を用いても、垂直磁気記録に好適な規則合金からなる磁気記録媒体を形成することが可能となる。あるいは、必要な熱安定性を確保しつつ記録密度を向上させることが可能となる。あるいは、磁性層を厚くすることと粒径微細化とを両立することができる。
本発明の磁気記録媒体の1つの構成例を示す概略断面図である。 本発明の磁気記録媒体の別の構成例を示す概略断面図である。 Ru−TiO2層を形成し、加熱温度450℃、加熱時間60分で加熱処理した後の、SEM(走査型電子顕微鏡)により観察した写真である。 Ru−TiO2層上にPt層を形成し、加熱温度450℃、加熱時間60分で加熱処理した後の、SEMにより観察した写真である。 Ru−TiO2層上にPt−C層を形成し、加熱温度450℃、加熱時間60分で加熱処理した後の、SEMにより観察した写真である。 Ru−TiO2層上にPt−TiO2層を形成し、加熱温度450℃、加熱時間60分で加熱処理した後の、SEMにより観察した写真である。 Ru−TiO2層上にPt−TiO2層を形成し、更にZnO層を形成し、加熱温度450℃、加熱時間60分で加熱処理した後の、SEMにより観察した写真である。 Ru−TiO2上のPt層の粒密度を示す。 X線回折(XRD)のPt(111)ピーク強度を示す。 Ta下地とRu−TiO2下地との比較を観察したSEM写真である。 図10の参考としてのRu−24vol%TiO2止めのSEM写真である。 図10の例のXRD結果を示す。 各層で形成を止めたときの粒密度を示すグラフである。 実験例4のSEM観察結果を示す。 本発明の磁気記録媒体の更に別の構成例を示す概略断面図である。 非磁性中間層の粒径をSEMにより観察した結果である。 第2シード層の結晶配向をZnO(002)ピークの積分強度で比較したグラフである。
本発明を実施するための形態の1例は、基板1と、第1シード層2と、ZnOを含む第2シード層3と、MgOを含む第3シード層4と、規則合金を含む磁気記録層5とをこの順に含み、第1シード層2が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含む磁気記録媒体10である。ここで、第1シード層2が、Ruと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはSiOn(n=1.5〜2.5)と、を含むことが好ましい。あるいは、第1シード層2と第2シード層3との間に非磁性中間層6をさらに含み、前記非磁性中間層6が、Ptと、酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことが好ましい。このとき、非磁性中間層6が、Ptと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはCと、を含むことが好ましい。あるいは、前記非磁性中間層がPtから本質的になり、前記非磁性中間層が、0.1〜3.0nmの膜厚を有することが好ましい。また、基板1と第1シード層2との間に、RuまたはRu合金から形成された配向制御層をさらに含むことが好ましい。
また、前記規則合金は、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素と、Pt、Pd、Au、IrおよびRhからなる群から選択される少なくとも一種の元素とを含むL10型規則合金であることが好ましい。あるいは、前記規則合金は、Ni、Mn、Cu、Ru、Ag、Au、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含むのが好ましい。あるいは、前記規則合金は、FePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択されるL10型規則合金であることが好ましい。また、前記磁気記録層5が、磁性結晶粒と、前記磁性結晶粒を包囲する非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記磁性結晶粒は前記規則合金を含むことが好ましい。また、前記非磁性結晶粒界は、炭素、酸化物、および窒化物からなる群から選択される非磁性材料を含むことが好ましい。
図1に、基板1と、第1シード層2と、ZnOを含む第2シード層3と、MgOを含む第3シード層4と、規則合金を含む磁気記録層5とをこの順に含み、第1シード層2が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含む磁気記録媒体10の1つの構成例を示す。なお、本願の以下の説明において、共通する構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、A/Bなどの表記は、Aが上層であり、Bが下層であることを意味する。
基板1は、表面が平滑である様々な板状部材であってもよい。たとえば、磁気記録媒体に一般的に用いられる材料を用いて、基板1を形成することができる。用いることができる材料は、NiPメッキを施したAl合金、MgO単結晶、MgAl24、SrTiO3、強化ガラス、結晶化ガラス等を含む。
任意で、基板1と後に詳述する第1シード層2との間に、密着層、軟磁性裏打ち層、ヒートシンク層、配向制御層などを設けてもよい。
任意で、密着層(不図示)を設けてもよい。密着層は、密着層の上に形成される層と密着層の下に形成される層との密着性を高めるために用いられる。密着層の下に形成される層は、基板1を包含する。密着層を形成するための材料はNi、W、Ta、Cr、Ruなどの金属、前述の金属を含む合金を含む。密着層は、単一の層であってもよいし、複数の層の積層構造を有してもよい。本構成例において好ましい密着層は、CrTiから構成される。
任意で、軟磁性裏打ち層(不図示)を設けてもよい。軟磁性裏打ち層は、磁気ヘッドからの磁束を制御して、磁気記録媒体の記録・再生特性を向上させる。軟磁性裏打ち層を形成するための材料は、NiFe合金、センダスト(FeSiAl)合金、CoFe合金などの結晶質材料、FeTaC,CoFeNi,CoNiPなどの微結晶質材料、CoZrNb、CoTaZrなどのCo合金を含む非晶質材料を含む。軟磁性裏打ち層の厚さの最適値は、磁気記録に用いる磁気ヘッドの構造および特性に依存する。他の層と連続して軟磁性裏打ち層を形成する場合、生産性との兼ね合いから、軟磁性裏打ち層が10nm〜500nmの範囲内(両端を含む)の厚さを有することが好ましい。
本発明の磁気記録媒体を熱アシスト磁気記録方式において使用する場合、ヒートシンク層を設けてもよい。ヒートシンク層は、熱アシスト磁気記録時に発生する磁気記録層5の余分な熱を効果的に吸収するための層である。ヒートシンク層は、熱伝導率および比熱容量が高い材料を用いて形成することができる。そのような材料は、Cu単体、Ag単体、Au単体、またはそれらを主体とする合金材料を含む。ここで、「主体とする」とは、当該材料の含有量が50wt%以上であることを示す。また、強度などの観点から、Al−Si合金、Cu−B合金などを用いて、ヒートシンク層を形成することができる。さらに、センダスト(FeSiAl)合金、軟磁性のCoFe合金などを用いてヒートシンク層を形成することができる。軟磁性材料を用いることによって、ヘッドの発生する垂直方向磁界を磁気記録層5に集中させる機能をヒートシンク層に付与し、軟磁性裏打ち層の機能を補完することもできる。ヒートシンク層の厚さの最適値は、熱アシスト磁気記録時の熱量および熱分布、ならびに磁気記録媒体の層構成および各構成層の厚さによって変化する。他の構成層と連続して形成する場合などは、生産性との兼ね合いから、ヒートシンク層の厚さは10nm以上100nm以下であることが好ましい。ヒートシンク層は、スパッタ法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。通常の場合、ヒートシンク層は、スパッタ法を用いて形成される。ヒートシンク層は、磁気記録媒体に求められる特性を考慮して、基板1と密着層との間、密着層と配向制御層との間などに設けることができる。
任意で、配向制御層(不図示)を設けてもよい。配向制御層は、後述する第1シード層2を(002)配向したhcp構造にするための層である。前記配向制御層は、第1シード層2の下に形成される。前記配向制御層は、単一の層であってもよいし、複数の層の積層構造を有してもよい。前記配向制御層の形成に用いることができる材料は、好適には、磁気記録層と同じ結晶構造であるhcp構造または面心立方(fcc)構造を有する材料であるが、それらに限定されるものではない。例えば、配向制御層の形成に用いることができる材料は、RuまたはRu合金、Co−Ni系合金、Ni合金、Pt合金、Pd合金、Ta合金、Cr合金、Si合金、およびCu合金を含む。また、シード層との結晶格子サイズの整合性を向上させる目的で、当該材料は、Ru、W、Mo、Ta、Nb、およびTiからなる群から選択される1種または複数の元素をさらに含んでもよい。あるいはまた、シード層の粒子サイズを低減させる目的で、当該材料は、B、Mn、Al、Si酸化物、およびTi酸化物からなる群から選択される1種または複数の材料をさらに含んでもよい。本構成例において好ましい配向制御層は、NiW合金層、Ru層、またはそれらの積層構造を有する。また、配向制御層は、スパッタ法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。なお、配向制御層の膜厚は合計で1〜20nmが、第1シード層の配向性の点から好ましい。
第1シード層2は、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含む。なお、Ruとともに含まれる酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つは、粒界材料と呼ぶこともできる。粒界材料は、例えばSiO2、TiO2、ZnOなどの酸化物、SiC、TiC、WCなどの炭化物、SiN、TiNなどの窒化物とすることができる。また、第1シード層2に含まれる不純物としてのまたは意図しない酸化物等は、Ruとともに含まれる酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つとは明確に区別される。酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つが、例えばRuの全体量を基準として5体積%以上であると、Ruとともに第1シード層2に含まれているとすることができる。
第1シード層2は、典型的には第2シード層3を結晶配向分散の小さい(002)配向した六方ウルツ鉱型構造にするとともに、磁気記録層5までの良好なグラニュラー構造を導くための層である。このグラニュラー構造は、基板に平行な面において、個々の結晶粒子を別の材料で取り囲んだ構造であり、基板に垂直な断面においては、個々に分離した結晶粒子は柱状構造を有していることが好ましい。より具体的には、基板に垂直な断面においては、各結晶粒の上部および下部に粒界材料が形成されないことが好ましい。この場合、Ruが結晶粒に相当する。第1シード層2は、スパッタ法などの当該技術において知られている任意の方法により形成することができる。好ましくは、第1シード層2は、Ruと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはSiOn(n=1.5〜2.5)と、を含む。第1シード層2は、典型的にはRu−TiO2、あるいはRu−SiO2を含む。前記Ru‐TiO2等を含む第1シード層2は、グラニュラー構造を有することが好ましい。このグラニュラー構造は、基板に平行な面において、Ru結晶粒の周囲を取り囲むようにTiO2等の粒界材料が偏析した状態である。なお、前記Ru―TiO2とは、RuとTiO2が並存した状態を意味し、Ru−SiO2とは、RuとSiO2が並存した状態を意味する。なお、前記第1シード層は単層であっても多層であってもよい。粒界材料の異なる層を積層してもよいし、濃度の異なる粒界材料の層を積層してもよい。
図2に示すように、第1シード層2と後に詳述する第2シード層3との間に、非磁性中間層を設けることが好ましい。この場合、非磁性中間層は、Ptと、酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含んでもよい。なお、Ptとともに含まれる酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つは、粒界材料と呼ぶこともでき、例えばSiO2、TiO2、ZnOなどの酸化物、炭素(C)、SiC、TiC、WCなどの炭化物、SiN、TiNなどの窒化物とすることができる。例えば、非磁性中間層は、Ptと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはCと、を含む。また、非磁性中間層に含まれる不純物としてのまたは意図しない酸化物等は、Ptとともに含まれる酸化物、炭素(C)、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つとは明確に区別される。酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つが、例えばPtの全体量を基準として5体積%以上であると、Ptとともに非磁性中間層に含まれているとすることができる。
図2に示すように、第1シード層2と後に詳述する第2シード層3との間に、Pt−CまたはPt−TiO2から形成された非磁性中間層6を設けてもよい。前記非磁性中間層6(図2を参照)は、第2シード層3以降に形成される層のエピタキシャル成長を促進するための層である。本構成の磁気記録媒体20において、非磁性中間層6は、第1シード層2から引き継いだ第2シード層3のグラニュラー構造を形成することができる。非磁性中間層6は、スパッタ法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。また、前記Pt−TiO2等を含む非磁性中間層6は、グラニュラー構造を有することが好ましい。なお、Pt−Cとは、Ptと炭素(C)の並存した状態を意味する。なお、前記非磁性中間層は単層であっても多層であってもよい。粒界材料の異なる層を積層してもよいし、濃度の異なる粒界材料の層を積層してもよい。
或いは、第1シード層2と後に詳述する第2シード層3との間に、Ptから本質的になる非磁性中間層を設け、前記非磁性中間層が、0.1〜3.0nmの膜厚を有するのが好ましい。前記非磁性中間層は、より好ましくは0.5〜2.5nm、更により好ましくは0.5〜2.0nmの膜厚を有する。最も好ましくは、0.5〜1.5nmの膜厚を有する。非磁性中間層がPtから本質的になるとき、非磁性中間層は、典型的には粒界材料を含まない。なお、本願において「AがBから本質的になる」の表現は、Aが、Bに加えて例えば更なるCを含み得るものの、更なるCがAの特徴に実質的に影響しないことを規定するために用いられる。更なるCの典型例は、意図せずに混入された不純物等である。前記の膜厚の範囲であれば、第1シード層のグラニュラー構造を崩さず維持できる。
第2シード層3は、ZnOを含む。また、第2シード層3は、ZnOを70wt%以上含むことが好ましい。ZnOは、化学量論組成であっても、非化学量論組成であってもよい。本構成例において、第2シード層3中のZnOは、典型的には(002)配向した六方ウルツ鉱型結晶構造を有する。本構成例におけるZnOは、化合物群であって、前記化合物群が、例えばX線回折を用いた面直方向のθ−2θ測定で得られるXRDプロファイルがZnO結晶の代表的なピークである2θ=33.4°〜35.4°の範囲にピークを有する、化合物群、を含む。第2シード層3は、hcp構造の(002)面からなる第1シード層2の上において、MgOを含む第3シード層4を(002)配向した塩化ナトリウム型構造にする効果を有する。更に、第2シード層3があることで第3シード層4が薄い場合でも、磁気記録層5の結晶配向分散を低減する効果を有すると考えられる。また、第1シード層2の結晶粒の分離構造を第3シード層4へ導くためには、厚さを厚くし過ぎてはならない。前述の効果を達成するために、第2シード層3は、1nmから20nmの範囲内の厚さを有することが好ましい。
第3シード層4は、MgOを含む。また、第3シード層4は、MgOを70wt%以上含むことが好ましい。MgOは、化学量論組成であっても、非化学量論組成であってもよい。本構成例において、第3シード層4中のMgOは、典型的には(002)配向した塩化ナトリウム型結晶構造を有する。本構成例におけるMgOは、化合物群であって、前記化合物群が、例えばX線回折を用いた面直方向のθ−2θ測定で得られるXRDプロファイルが、MgO結晶の代表的なピークである2θ=42.0°〜44.0°の範囲にピークを有する、化合物群、を含む。第3シード層4は、その上に形成される規則合金からなる磁気記録層5の規則度を向上させる。また、第3シード層4は、第2シード層3の結晶粒の分離構造を磁気記録層5へ導き、磁気記録層5中の磁性結晶粒の分離を促進すると考えられる。前述の効果を達成するために、第3シード層4は、1nmから20nmの範囲内の厚さを有することが好ましい。
第2シード層3および第3シード層4は、スパッタ法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。ここで、第3シード層4を形成する際に、基板1の温度を300℃から500℃の範囲内に設定することが好ましい。この加熱によって、MgOを含む第3シード層4の表面粗さを低減することができる。一方、ZnOを含む第2シード層3においては、形成時に基板1を加熱する必要がない。基板1の加熱を伴わずに形成された第2シード層3は、基板1の加熱を伴って形成された第3シード層4と同等またはそれより低い表面粗さを実現することができる。
前述の第1シード層2、第2シード層3および第3シード層4を含む積層構造のシード層を用いることによって、磁気記録層5中の規則合金の結晶配向を磁気記録媒体に適切な配向とすることが可能となる。特にL10型規則合金の結晶配向を垂直磁気記録媒体に適切な(001)配向とすることが可能となる。
磁気記録層5は、規則合金を含む。前記規則合金は、FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の第1元素と、Pt、Pd、Au、Ir、およびRhからなる群から選択される少なくとも1種の第2元素とを含む。好ましい規則合金は、FePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択されるL10型規則合金である。特性変調のために、規則合金は、Ni、Mn、Cu、Ru、Ag、Au、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含んでもよい。望ましい特性変調は、規則合金の規則化に必要な温度の低下を含む。
本発明に用いられる規則合金において、第2元素に対する第1元素の比は、原子数を基準として0.7〜1.3の範囲内、好ましくは0.8〜1.1の範囲内としてもよい。この範囲内の組成比を用いることによって、大きな磁気異方性定数Kuを有するL10型規則構造を得ることができる。
あるいはまた、磁気記録層5は、磁性結晶粒と、磁性結晶粒を取り囲む非磁性結晶粒界とからなるグラニュラー構造を有しても良い。磁性結晶粒は、前述の規則合金を含んでもよい。非磁性結晶粒界は、SiO2、TiO2、ZnOなどの酸化物、SiN、TiNなどの窒化物、カーボン(C)、ホウ素(B)などの材料を含んでもよい。
また、磁気記録層5は複数の磁性層からなってもよい。複数の磁性層のそれぞれは、非グラニュラー構造であってもよいし、グラニュラー構造を有してもよい。さらに、Ruなどの結合層を磁性層で挟んで積層したECC(Exchange−coupled Composite)構造を有してもよい。また、グラニュラー構造を含まない連続層(CAP層)として第2の磁性層を、グラニュラー構造を有する磁性層の上部に設けてもよい。
磁気記録層5は、スパッタ法により所定の材料を堆積させることによって形成することができる。規則合金を含む磁気記録層5を形成する場合、規則合金を形成する材料を含むターゲットを用いることができる。より詳細には、前述の規則合金を構成する元素を所定の比率で含むターゲットを用いることができる。あるいはまた、単一の元素を含む複数のターゲットを用い、それぞれのターゲットに印加する電力を調整して元素の比率を制御することによって、磁気記録層5を形成してもよい。グラニュラー構造を有する磁気記録層5を形成する場合、磁性結晶粒を形成する材料と非磁性結晶粒界を形成する材料とを所定の比率で含むターゲットを用いることができる。あるいはまた、磁性結晶粒を形成する材料を含むターゲットと非磁性結晶粒界を形成する材料を含むターゲットとを用いることができる。これらのそれぞれのターゲットに印加する電力を調整して磁性結晶粒および非磁性結晶粒界の構成比率を制御することによって、磁気記録層5を形成してもよい。ここで、磁性結晶粒を規則合金で形成する場合、規則合金を構成する元素を別個に含む複数のターゲットを用いてもよい。
磁気記録層5が規則合金を含む場合、磁気記録層5を形成する際に基板1の加熱を伴う。この際の基板1の温度は、300℃〜600℃の範囲内である。この範囲内の基板1の温度を採用することによって、磁気記録層5中の規則合金の規則度を向上させることができる。300℃以上であるため、L10規則合金の規則度を向上することができるという効果がある。600℃以下であるため、表面粗さを抑制するという効果がある。
任意で、保護層(不図示)を設けてもよい。保護層は、磁気記録媒体の分野で慣用的に使用されている材料を用いて形成することができる。具体的には、Ptなどの非磁性金属、ダイアモンドライクカーボンなどのカーボン系材料、あるいは窒化シリコンなどのシリコン系材料を用いて、保護層を形成することができる。また、保護層は、単一の層であってもよいし、複数の層の積層構造を有してもよい。積層構造の保護層は、たとえば、特性の異なる2種のカーボン系材料の積層構造、金属とカーボン系材料との積層構造、または金属酸化物層とカーボン系材料との積層構造であってもよい。保護層は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
任意で、液体潤滑剤層(不図示)を設けてもよい。液体潤滑剤層は、磁気記録媒体の分野で慣用的に使用されている材料を用いて形成することができる。たとえば、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤などを用いることができる。液体潤滑剤層は、たとえば、ディップコート法、スピンコート法などの塗布法を用いて形成することができる。
(実験例1)
実験例1は、Ru−TiO2第1シード層2の実験例である。作成した8種類のサンプルNo.1〜8の詳細を第1表に示す。サンプルNo.1〜2は、ガラス基板上に5.9nmのRu層が形成されたサンプルである。サンプルNo.3〜8はさらにその上にRu−TiO2層を0.65〜2.6nm形成したものである。Ru−TiO2層のTiO2添加量はRuの全体体積を基準として24vol(体積)%とした。Ru−TiO2層の厚さは0.65、1.3、2.6nmの3種類とした。これらの内、偶数番のサンプルについてのみ加熱処理を行なった。加熱温度はFePtの通常の形成時の温度である450℃とし、加熱時間は60分とした。作製したサンプルについて走査電子顕微鏡(SEM)により表面形状を観察し、粒径を計測した。なお、粒径とは、前記サンプル表面に生じた粒界材料で取り囲まれた粒子の直径である。具体的には、粒径はSEM観察による画像から画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製、商品名:WinRoof)により、円相当径として解析し、平均粒径(D)、標準偏差(σ)、粒密度を導出した。なお、前記粒密度は10000nm当りの平均の粒の個数である。
(サンプルNo.1,2)
具体的なサンプル作製手順を説明する。最初に、平滑な表面を有する化学強化ガラス基板(HOYA社製N−10ガラス基板)を洗浄し、基板を準備した。洗浄後の基板を、インライン式のスパッタ装置内に導入した。
層を形成する際には、最初に密着層としてCr50Ti50ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ15nmのCrTi層を形成した。次にRu70Cr30ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ5nmのRuCrの第1配向制御層を形成した。更にRuターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ5.9nmのRuの第2配向制御層を形成した。上記の層の形成時は全て圧力0.3PaのArガス中で基板温度は室温(25℃)であった。また、Ru配向制御層形成時のスパッタ電力は200Wであった。以上のようにしてサンプルNo.1〜2を作成した。
(サンプルNo.3から8)
具体的なサンプル作製手順を説明する。サンプルNo.1,2と同様に最初に、平滑な表面を有する化学強化ガラス基板(HOYA社製N−10ガラス基板)を洗浄し、基板を準備した。洗浄後の基板を、インライン式のスパッタ装置内に導入した。
層を形成する際には、最初に密着層としてCr50Ti50ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ15nmのCrTi層を形成した。次にRu70Cr30ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ5nmのRuCrの第1配向制御層を形成した。更にRuターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ5.9nmのRuの第2配向制御層を形成した。上記の層の形成時は全て圧力0.3PaのArガス中で基板温度は室温(25℃)であった。また、Ru配向制御層形成時のスパッタ電力は200Wであった。
次に、圧力0.3PaのArガス中でRu−24vol%TiO2ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ0.65〜2.6nmのRu−TiO2第1シード層を形成した(サンプルNo.3〜8)。Ru−TiO2第1シード層形成時の基板温度は室温(25℃)であった。Ru−TiO2第1シード層形成時のスパッタ電力は50Wであった。以上のようにしてサンプルNo.3から8を作成した。
第1表に示すように、磁気記録層を形成せず、熱処理を施さないサンプルの平均粒径は6.4〜6.5nmであった。Ru−TiO2層を形成したものは、熱処理のあり・なしで粒径に大きな変化は見られなかった。しかし、Ru−TiO2層を形成せず、熱処理を行ったサンプルNo.2では、Ru粒の異常な粗大化が観察された。結局、本サンプルでは粒径の測定が不能であった。
以上より、第2配向制御層のRu層上に形成されたRu−TiO2第1シード層が加熱によるRu粒の粗大化を抑制する効果をもたらしていると考えられる。なお、基板上にRu−TiO2層を形成してもRu粒子の粗大化は抑制され、同様な効果が得られるものと予想される。つまり、微細なRu粒子の周囲を、TiO2等が取り囲むように形成されるため、Ru粒子の粗大化が抑制されると考えられる。微細なRu粒子を維持できるため、一対一成長した磁性粒子も微細な粒子とすることができる。また、Ru−TiO2層だけでなく、Ru−SiO2層においても同様な効果が得られた。このように、Ru−TiO2層あるいはRu−SiO2層の粒子構造により、FePt磁気記録層がエピタキシャル成長する際に、Ru−TiO2層のグラニュラー構造を受けて、磁性粒子がきれいなグラニュラー構造をとることができるようになる。
本実験例により、FePt磁気記録層がエピタキシャル成長する際に、Ruを酸化物等の粒子が取り囲む構造を受けて、磁性粒子がきれいな構造をとることができるようになる。特にFePt磁気記録層等の規則合金を用いた磁気記録層においては、磁気記録層を形成する際の加熱処理による配向制御層のRu粒子の粗大化が抑制される。すなわち、磁気記録層を形成する時の加熱に対してもRuが粗大化せず、微細化が可能となる。シード層または配向制御層から磁気記録層まで各層粒子の一対一成長が可能となる。
(実験例2)
実験例2は、Ru−TiO2第1シード層2、ZnO第2シード層3、およびMgO第3シード層4を含み、更にRu−TiO2第1シード層2とZnO第2シード層3との間にPt−C非磁性中間層6aまたはPt−TiO2非磁性中間層6bを含む磁気記録媒体20に関する実験例である。実験例2は、ZnO層/Pt層/Ru−TiO2層の層構成において、Pt層に粒界材料を添加することで、Pt層、ZnO層における加熱による粒の凝集が抑えられるか検討するものである。特に、Ru配向制御層から結晶粒を1対1成長させ、FePt磁性粒子の粒径および粒径のばらつきを低減することを求めたものである。なお、前記実験例1と同様の方法で、ガラス基板と第1シード層の間に、密着層、配向制御層(Ru)を設けた。具体的には、最初に密着層下地層としてCr50Ti50ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により厚さ15nmのCrTi層を形成した。次にRuターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により、第1配向制御層として、厚さ10nmのRuの配向制御層を形成した。
非磁性中間層として、Pt、Pt−C、またはPt−TiO2を用いた層の形成条件を第2表に示す。前記非磁性中間層まで形成した後、後加熱450℃×60minを実施した。各サンプルの構成を第3表に示す。なお、第3表において、例えば、Ru―TiO2/Ru/密着層/ガラス基板のサンプルは、Ru―TiO2まで形成した後、後加熱450℃×60minを実施したことを意味する。
評価方法はSEMによる表面観察とした。SEMにより観察した写真を図3〜図6に示す。一般に、FePtを規則化させるためには高温での層形成が必要である。しかしながら、Pt層の膜厚が8nmで、粒界材料を添加しない場合は、加熱によりPtが凝集してしまい第1シード層のRuの粒径を引き継ぐことができないことが確認された。これに対し、粒界材料(本実験例ではCまたはTiO2)を添加することで配向制御層および第1シード層のRuの粒径を引き継ぐことができることが確認された。なお、図3〜図6に記載のサンプルNo.は後述する第5表に記載のサンプルNo.に対応するものである。
前記非磁性中間層であるPt層、Pt−C層、またはPt−TiO層上にZnOを形成したときの条件を第4表に示す。層の形成後、後加熱450℃×60minを実施した。
SEMにより観察した写真を図7に示す。Pt層の凝集を防ぐことで、ZnO層までRu下地の粒径を維持しながら形成できることが確認された。
本実験例により、Pt−C非磁性中間層またはPt−TiO2非磁性中間層は、磁性層形成時の加熱によっても、配向制御層および第1シード層の粒子凝集を抑えることが確認された。後加熱を行っても配向制御層および第1シード層の粒径を維持できることが確認された。特に、hcp−Ru(001)グラニュラー第1シード層を用いた、ZnO/Pt層/Ru−TiO2グラニュラーの層構成において、Pt層に粒界材料を添加した、ZnO/Ptグラニュラー/Ru−TiO2グラニュラーの層構成とすれば、磁気記録層形成時の加熱によるシード層の粒子凝集を抑えることができ、後加熱を行ってもシード層の粒径を維持できる。
(実験例3)
実験例3は、Ru−TiO2第1シード層の効果を確認するための実験例である。実験例での層構成はPt−X層/Ru−TiO2層/Ru配向制御層/密着層/基板である。Ru−TiO2第1シード層形成までの実験条件は実験例2と同様とした。Ru−TiO2第1シード層、および比較対象としてのTa第1シード層の上に形成したPt層(Pt、Pt−24vol%C、またはPt−24vol%TiO2)の粒形状を比較検討した。また、一部でTiO2添加量の増量(24→30vol%)を検討した。なお、各サンプルの層を形成後、後加熱450℃×60minを実施した。結果を第5表に示す。なお、表中のSEM粒密度は、1辺100nmの正方形範囲に入る粒子の個数を数えることにより求めた。
図10にTa第1シード層とRu−TiO2第1シード層との比較を観察したSEM写真を示す。図11に図10の参考としてのRu−24vol%TiO2止め基板のSEM写真を示す。なお、本願において「止め」とは、その層以降の更なる層の形成を止めたことを意味する。具体的には、表中の“Ru−TiO2止めsub”は、ガラス基板上に、Ru−TiO2層まで形成した状態を意味する。また、図10中の「良」は、粒径が5〜10nm程度であることを意味する。サンプルNo.12から14および16のTa層では、図10より、粒が不鮮明で、Pt粒子の分離が十分に行われないことが確認された。従って、この場合Pt−X層のグラニュラー構造が得られていないと考えられる。一方、第1シード層をRu−TiO2にとしたサンプルNo.10,11、および15は、粒の分離が鮮明であり、Pt−X層はグラニュラー構造が得られることが確認された。Ru−TiO2上でのグラニュラー化は、Pt−CまたはPt−TiO2により得られることが確認された。また、サンプルNo.9のPtのみでは結晶成長し、粒分離が見られないことが確認できた。
図8は、Ru−TiO2上のPt層の粒密度を示す。サンプルNo.11のPt−24vol%TiO2では、粒密度が減少した。比較的小さな粒子が減少し、均一な粒径分布となった。サンプルNo.15の30vol%にしても、あまり変わらない結果となった。
表5のサンプルのXRD結果を図12に示す。これはX線回折を用いた面直方向のθ−2θ測定で得られるXRDプロファイルである。図12中の2θが39.76度の一点鎖線の垂線は、Pt非磁性中間層に起因する(111)Ptピーク位置であり、85.71度の一点鎖線の垂線は、Pt非磁性中間層に起因する(222)Ptピーク位置である。
図9は、図12のX線回折(XRD)のPt(111)ピーク強度を示す。Ta第1シード層とRu−TiO2第1シード層の、Pt非磁性中間層の配向性の比較を示す。ピーク強度は、サンプルNo.9と12のように、Ptだけの時は、No.12のTa上とNo.9のRu−TiO2上とで変わらなかった。一方、非磁性中間層が、Pt−C、Pt−TiO2では、Ru−TiO2上の方が大きくなった。これは、Ru−TiO2上では、PtとC(またはPtとTiO2)が分離し易くなったため、Ptの結晶化が促進したと想定される。
(実験例4)
実験例4は、Ru−TiO2第1シード層からFePt−C層までの結晶粒の分離構造を確認することを目的とした実験例である。実際の層構成は、FePt−C層/MgO層/ZnO層/Pt−TiO2層/Ru−TiO2層/Ru配向制御層/下地層/基板である。Ru−TiO2層形成までの実験条件は実験例2と同様とした。なお、サンプルNo.18からサンプルNo.20は、各サンプルの層を全て形成した後、後加熱450℃×60minが実施されたサンプルである。また、前記MgO、FePt−Cは400℃に加熱して形成した。各層で止めたサンプルを形成し、各層までの粒構造を比較した。第6表および図14に実験例4のSEM観察結果を示す。図13はこの時の粒密度を示すグラフである。なお、サンプルNo.17とサンプルNo.18は同じサンプルである。
本実験例から、第3シード層、磁性層を形成する時の加熱によっても、Ru−TiO2層、MgO層、磁性層までは、粒密度はほぼ一定であり、下層の影響を受けて良好なグラニュラー構造が形成されてきていることが確認された。
(実験例5)
熱アシスト磁気記録媒体の高記録密度化のためには、磁気記録層の磁性粒子径を6nm以下に微細化することが好ましい。磁気記録層の微細化には、磁気記録層下に形成されるシード層の微粒子化が有効である。例えば、磁気記録層/第3シード層(MgO)/第2シード層(ZnO)/非磁性中間層(Pt+粒界材料)/第1シード層(Ru+粒界材料)を含む構成の磁気記録媒体においては、非磁性中間層に含まれる粒界材料は、粒径肥大化を抑制する効果があるが、非磁性中間層本来の役割である第2シード層(ZnOシード層)の結晶配向性改善効果を劣化させる場合がある。
実験例5は、Ptから本質的になる非磁性中間層の構造を確認することを目的とした実験例である。図15はPtから本質的になる非磁性中間層6cを含む磁気記録媒体30を示す。ガラス基板1上に、以下の第7表および第8表に示す多層薄膜をスパッタリングで形成した。各試料はMgOシード層および磁気記録層の成膜プロセスに従うことを目的として、成膜後、400℃、60minの後加熱を施した。参考例は、非磁性中間層として粒界材料を含むPt−24vol%TiOが採用された構成を有し、この参考例が作製され評価された。参考例の成膜プロセスは実験例5と同様とした。非磁性中間層の粒径確認にはSEMを用いた。第2シード層(ZnOシード層)の結晶配向確認にはXRDを用いた。実験条件を第7表および第8表に示す。結果を第9表、図16、図17に示す。なお、第9表の変動係数とは、標準偏差を平均値で割った値である。また、ZnO(002)積分強度とは、XRDプロファイルにおいて、ZnO(002)に起因する2θが33.4〜35.4度にあるピークの強度積分値である。
[評価結果]
非磁性中間層を用いて、第1シード層から磁気記録層まで1対1の関係でエピタキシャル成長するとき、非磁性中間層の粒子径は磁気記録層の磁性粒子径にそのまま反映されやすい。従って磁性粒子径6nm以下を達成するためには、下地となる非磁性中間層の粒径も6nm以下とするのが好ましい。図16のように、Ptを非磁性中間層として用いた場合、Pt−TiOの場合に対して、膜厚が2nmまでにおいては、その粒径はほぼ同等であった。しかしながら、膜厚が4nm以上のものでは、Ptが凝集してしまいグラニュラー構造が見られなくなっていた。非磁性中間層膜厚2nmまでは粒径肥大化が抑制されており、粒径6nmを達成できた。また、図17にように、Ptを非磁性中間層として用いた場合とPt−TiOを用いた場合に対して、その直上に成膜される第2シード層(ZnOシード層)の結晶配向をZnO(002)ピークの積分強度で比較した。その結果、非磁性中間層を用いないもの(図17における膜厚0nmの積分強度)に比べて、Pt、Pt−TiOどちらの非磁性中間層を用いた場合でも、非磁性中間層膜厚2nmまでの膜厚においては、より高い強度を示した。これは結晶配向が改善されていることを示している。以上から、Ptを非磁性中間層とし、その膜厚を2nmとすることで、6nm以下の微細粒子径と良好な結晶配向を両立できることが分かった。なお、本実験例では、膜厚0.5〜2nmの結果であるが、膜厚0.1〜3nmでも、同等の効果が得られる。
粒界材料を添加したRuからなる第1シード層と、膜厚を0.1〜3nm以下としたPt非磁性中間層を組み合わせた場合、Pt非磁性中間層に更なる粒界材料を添加しなくても連続膜とならず、島状構造となることが分かった。第1シード層において粒界幅が確保されていること、非磁性中間層の膜厚が薄いこと、これらによりPtが凝集しないことが要因であると考えられる。Pt非磁性中間層の膜厚が薄いと、第一シード層の個々のRu粒子の上部の頭の部分に、選択的に、Ptが形成される。つまり、隣接するRu間において、連続してPtは形成されず、分離して形成される。一方、Pt膜厚が厚くなると、Ru上部のPtは、隣接するPtと繋がり、Ptは凝集したようになり、粒の分離は悪化する。本構成を用いると、非磁性中間層にPt+粒界材料を用いる構成と同様に、非磁性中間層を用いない場合に比べて、ZnOシードの結晶配向を更に改善することができる。微細粒子径(〜6nm)と良好な結晶配向が両立できる。
1 基板
2 第1シード層
3 ZnOを含む第2シード層
4 MgOを含む第3シード層
5 磁気記録層
6 非磁性中間層
6a Pt−C非磁性中間層
6b Pt−TiO2非磁性中間層
6c Pt非磁性中間層
10、20、30 磁気記録媒体

Claims (20)

  1. 基板と、第1シード層と、ZnOを含む第2シード層と、MgOを含む第3シード層と、規則合金を含む磁気記録層とをこの順に含み、前記第1シード層が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記第1シード層が、Ruと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはSiOn(n=1.5〜2.5)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層をさらに含み、前記非磁性中間層が、Ptと、酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性中間層が、Ptと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはCと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層をさらに含み、前記非磁性中間層がPtから本質的になり、前記非磁性中間層が、0.1〜3.0nmの膜厚を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記基板と前記第1シード層との間に、RuまたはRu合金から形成された配向制御層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記規則合金は、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素と、Pt、Pd、Au、Ir、およびRhからなる群から選択される少なくとも一種の元素とを含むL10型規則合金であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記規則合金は、Ni、Mn、Cu、Ru、Ag、Au、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体。
  9. 前記規則合金は、FePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択されるL10型規則合金であることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体。
  10. 前記磁気記録層が、磁性結晶粒と、前記磁性結晶粒を包囲する非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記磁性結晶粒は前記規則合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  11. 磁気記録媒体を製造する方法であって、前記方法が、
    基板を準備する工程と、
    前記基板の上に第1シード層を形成する工程であって、前記第1シード層が、Ruと、酸化物、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含む、工程と、
    前記第1シード層の上にZnOを含む第2シード層を形成する工程と、
    前記第2シード層の上にMgOを含む第3シード層を形成する工程と、
    前記第3シード層の上に規則合金を含む磁気記録層を形成する工程とを含み、
    前記磁気記録層を形成する際に、前記基板が300℃〜600℃の範囲内で加熱される、方法。
  12. 前記第1シード層が、Ruと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはSiOn(n=1.5〜2.5)と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層を形成する工程をさらに含み、前記非磁性中間層が、Ptと、酸化物、炭素、炭化物、および窒化物からなる群から選択された少なくとも1つと、を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 前記非磁性中間層が、Ptと、TiOm(m=1.5〜2.5)またはCと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1シード層と前記第2シード層との間に非磁性中間層を形成する工程をさらに含み、前記非磁性中間層がPtから本質的になり、前記非磁性中間層が、0.1〜3.0nmの膜厚を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  16. 前記基板と前記第1シード層との間に配向制御層を形成する工程を更に含み、前記配向制御層がRuまたはRu合金から形成されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  17. 前記規則合金は、FeおよびCoから選択される少なくとも一種の元素と、Pt、Pd、Au、Ir、およびRhからなる群から選択される少なくとも一種の元素とを含むL10型規則合金であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  18. 前記規則合金は、Ni、Mn、Cu、Ru、Ag、Au、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  19. 前記規則合金は、FePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択されるL10型規則合金であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  20. 前記磁気記録層が、磁性結晶粒と、前記磁性結晶粒を包囲する非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記磁性結晶粒は前記規則合金を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
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