JPWO2017119150A1 - 車両用空調システム - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、ユーザーの大きな不快感を避けつつ、走行中に消費されるエネルギーを低減することができる車両用空調システムを提供することである。車両内環境予測部(51)は、複数の運転モードのうち選択モードの強度よりも低い強度を有するものである少なくとも1つの候補モードの各々により空調装置(3)が運転されると仮定した場合の予測走行時間後の車両(900)内の環境特性である少なくとも1つの予測環境特性を、環境センサ装置(4)から出力された車両内センサ情報および車両外センサ情報と、予測走行情報取得部53によって取得された予測走行時間とを用いて算出する。モード制御部(52)は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部(51)によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。

Description

本発明は、車両用空調システムに関するものである。
近年、二酸化炭素の排出削減、および、エネルギーの効率的な利用などの観点から、電動機(以下「モータ」とも称す)を駆動源として利用する電気自動車が実用化され始めている。モータは、蓄電池(以下「バッテリ」とも称す)に充電された電気エネルギーを電力源とする。電気自動車用のバッテリのエネルギー密度は、ガソリンと比較して小さい。このため、電気自動車の航続可能距離は約100〜200kmと短い。航続可能距離は、電気自動車に設けられた空気調和機(空調機)などの電気負荷によって電力が消費されることにより、さらに短くなる。その解決に向けた取り組みの1つとして、空調機に、蓄熱材からなる蓄熱部を搭載しておく方法が検討されている。蓄熱部があらかじめ加熱されていれば、蓄熱部を利用した暖房が可能である。逆に、蓄熱部があらかじめ冷却されていれば、蓄熱材が蓄冷材として機能することで、蓄熱部を利用した冷房が可能である。これにより、走行中に空調機で消費される電力を低減し得る。
特開2012−20597号公報(特許文献1)の技術によれば、バッテリ容量を超える回生電力が発生する場合に、回生電力を用いて蓄冷材が冷却される。これにより、バッテリに蓄電することができない電力が有効に利用される。よって、走行中に消費される電力が低減される。この技術は、モータおよびエンジンの双方を動力源とする電動ハイブリッド自動車に効果的である。なぜならば、電動ハイブリッド自動車においては、エンジンを用いた発電を走行中に行うことでバッテリが充電されるので、回生電力を充電可能なバッテリ空き容量が確保されているとは限らないためである。
一方で、上記技術は電気自動車にはあまり適していない。なぜならば、回生電力が発生する前の走行のために、その回生電力以上の電力が電気自動車のバッテリから既に取り出されているからである。電気自動車に関連した技術としては、特開2012−139026号公報(特許文献2)に開示されたものがある。この技術によれば、電気自動車が充電施設までの距離を走行するのに必要な電力を確保しておくために、空調機およびオーディオ装置などの電装機器の消費電力が大きくなる設定が抑止され得る。これにより、充電施設まで走行するための電力が不足しそうになった場合に、電力消費が抑制される。
特開2012−20597号公報 特開2012−139026号公報
上述したように、電動ハイブリッド自動車においては、特開2012−20597号公報(特許文献1)の技術により、走行中に消費されるエネルギーを、ある程度低減することができる。しかしながら、自動車分野においては、さらなる消費エネルギーの低減が、常に求められている。
特開2012−139026号公報(特許文献2)の技術は、充電施設まで走行するための電力が不足しそうになった場合にのみ有効である。よって、実際に電力消費が抑制される機会がさほど得られない可能性がある。またこの技術によると、空調機の稼働が過度に抑制される可能性がある。その場合、ユーザーの不快感が大きなものとなり得る。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザーの大きな不快感を避けつつ、走行中に消費されるエネルギーを低減することができる車両用空調システムを提供することである。
本発明の車両用空調システムは、空調装置と、環境センサ装置と、空調パラメータ設定装置と、空調管理装置とを有している。空調装置は、複数の運転モードのいずれかである選択モードを表す空調出力指示情報が通知されることにより、選択モードで車両内の空調を行う。環境センサ装置は、車両内の環境特性の検知結果を表す車両内センサ情報と、車両外の環境特性の検知結果を表す車両外センサ情報とを出力する。空調パラメータ設定装置は、車両内の環境特性の目標を表す目標環境特性情報を出力する。空調管理装置は、許容範囲設定部と、予測走行情報取得部と、車両内環境予測部と、モード制御部と、を有している。許容範囲設定部は、空調パラメータ設定装置から出力された目標環境特性情報に基づいて車両内の環境特性の許容範囲を定める。予測走行情報取得部は、車両が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を取得する。車両内環境予測部は、複数の運転モードのうち選択モードの強度よりも低い強度を有するものである少なくとも1つの候補モードの各々により空調装置が運転されると仮定した場合の予測走行時間後の車両内の環境特性である少なくとも1つの予測環境特性を、環境センサ装置から出力された車両内センサ情報および車両外センサ情報と、予測走行情報取得部によって取得された予測走行時間とを用いて算出する。モード制御部は、空調装置へ空調出力指示情報を通知する。モード制御部は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。
なお、上記「強度」はゼロであり得る。強度ゼロを有する運転モードにおいては、空調装置は実質的に停止状態にある。
本発明によれば、モード制御部は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。これにより、目的地に到着したときの車両内の環境特性を許容範囲内に収めつつ、より低い強度の運転モードで空調が行われる。よって、許容範囲に対して余裕のある空調が到着時になされてしまっている無駄が抑えられる。よって、走行中に消費されるエネルギーを低減することができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1における車両用空調システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。 図1の車両用空調システムが設けられた車両の構成を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における車両用空調システムによる空調装置の制御方法の構成を概略的に示すフロー図である。 図3における選択モードの再設定のステップの第1の例を示すフロー図である。 図4における予測環境特性の算出を説明するグラフ図である。 図3における選択モードの再設定のステップの第2の例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2における車両用空調システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態2における車両用空調システムによる空調装置の制御方法の構成を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態3における車両用空調システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態3における車両用空調システムによる空調装置の制御方法の構成を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態4における車両用空調システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態4における車両用空調システムによる空調装置の制御方法の構成を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態5における車両用空調システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態5における車両用空調システムによる空調装置の制御方法の構成を概略的に示すフロー図である。 図14における省エネルギー効果の算出を説明するグラフ図である。 空調管理装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。 空調管理装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
(構成)
図1を参照して、本実施の形態の車両用空調システム901は、カーナビゲーション装置1と、空調パラメータ設定装置2と、空調装置3と、環境センサ装置4と、空調管理装置5とを有している。図2を参照して、車両用空調システム901は、車両900に設けられることにより車両900の空調を行うものである。なお、詳しくは後述するが、車両用空調システムの一部を車両外に設けることも可能である。車両用空調システム901は、目的地に到着する時点での車両900内の環境特性を予測する。環境特性は、典型的には温度であるが、湿度および日光強度などが考慮されてもよい。説明を容易とするために、以下においては、環境特性が温度である場合について詳しく説明する。車両用空調システム901は、車両900内の予測された環境特性が許容範囲に収まる範囲内で、空調装置3の運転モードを、より強度の低いものへ再設定する。これにより、ユーザーの大きな不快感を避けつつ、走行中に消費されるエネルギーを低減することができる。
カーナビゲーション装置1は、目的地入力部11と、走行時間予測部12とを有している。目的地入力部11は、ユーザーから、車両900の目的地の入力を受け付ける。走行時間予測部12は、車両900が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を算出し、この算出結果を出力する。
空調パラメータ設定装置2は、車両900内の環境特性の目標を表す目標環境特性情報を出力する。言い換えれば、車両900内の環境特性の目標である目標温度が、空調パラメータ設定装置2により設定される。空調パラメータ設定装置2は、ユーザーから目標温度またはそれに対応する情報の入力を受け付けるための機構を有していることが好ましい。そのような機構としては、たとえば、ボタン、レバー、または、「23.5℃」のような数値を入力可能な入力デバイスが用いられる。許容範囲設定部54は、最新の目標環境特性情報を用いて許容範囲を設定することが好ましい。この目的で、空調パラメータ設定装置2の設定が変更された場合、許容範囲設定部54は、変更された情報を用いて許容範囲を再設定することが好ましい。
空調装置3は、蓄熱部33と、熱制御部32と、送風部31とを有している。蓄熱部33は、大きな比熱を有する蓄熱材からなることが好ましい。蓄熱材としては、たとえば、数リットルの水が用いられる。前述したように、蓄熱部33があらかじめ加熱されていれば、蓄熱部33を利用した暖房が可能である。逆に、蓄熱部33があらかじめ冷却されていれば、蓄熱材が蓄冷材として機能することで、蓄熱部33を利用した冷房が可能である。熱制御部32は、蓄熱部33の加熱および冷却の少なくともいずれかを行うものである。熱制御部32は、たとえば、電気ヒータまたはヒートポンプである。送風部31は、蓄熱部33との熱交換を経た空気を車両900の車室内へ送るものである。送風部31は、たとえば、モータによって回転されるファンである。
空調装置3は、複数の運転モードのいずれかである選択モードを表す空調出力指示情報が通知されることにより、選択モードで車両900の車室内の空調を行う。複数の運転モードは、熱制御部32を停止させつつ送風部31を稼働する運転モードを含み得る。運転モードは空調装置3の仕様などに応じて様々なものであり得るが、理解を容易とするために、以下においては、運転モードが、強度の低い順(言い換えれば、エネルギー消費の低い順)に、停止モード、低モード、中モードおよび高モードを有しているものとして説明を行う。停止モードにおいては、送風部31および熱制御部32の両方が停止される。低モードにおいては、熱制御部32が停止されつつ送風部31が動作される。中モードおよび高モードにおいては、熱制御部32および送風部31の両方が動作される。熱制御部32の運転強度(たとえば電気ヒータの電力)は、中モードにおいて相対的に低く、高モードにおいて相対的に高い。
環境センサ装置4は、車両内センサ41および車両外センサ42を有している。これらを用いることで、環境センサ装置4は、車両900内の環境特性の検知結果を表す車両内センサ情報と、車両900外の環境特性の検知結果を表す車両外センサ情報とを出力する。車両内センサ41および車両外センサ42の各々は、典型的には温度センサを含む。
空調管理装置5は、許容範囲設定部54と、予測走行情報取得部53と、車両内環境予測部51と、モード制御部52とを有している。なお、空調管理装置5は、処理回路91(図16)としての電気回路を構成していてもよい。処理回路91には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリ93(図17)に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processingu Unit)92(図17)が適用されてもよいし、これらの組み合わせが適用されてもよい。ソフトウェアはプログラムとして記述され、メモリ93に格納される。CPU92は、メモリ93に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、空調管理装置5の各部の機能を実現する。メモリ93には、たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard
Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)およびそのドライブ装置などが該当する。たとえば、空調管理装置5は、CPUおよびフラッシュROMが内蔵されたマイクロコントローラによって実現されている。
許容範囲設定部54は、空調パラメータ設定装置2から出力された目標環境特性情報に基づいて、車両900内の環境特性の許容範囲を定める。たとえば、目標温度が23℃の場合に、許容範囲は、目標温度±1℃、すなわち22℃〜24℃、とされる。許容範囲は、ユーザー(運転車または同乗者)が体感できない程度の値域であることが好ましい。そのような値域は、たとえば実験により、あらかじめ定められ得る。
予測走行情報取得部53は、車両900が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を取得する。予測走行時間情報はカーナビゲーション装置1の走行時間予測部12から取得される。
車両内環境予測部51は、少なくとも1つの予測環境特性を算出する。この少なくとも1つの予測環境特性は、少なくとも1つの候補モードの各々により空調装置3が運転されると仮定した場合の、予測走行時間後の車両900内の環境特性である。この少なくとも1つの候補モードは、複数の運転モードのうち選択モード(現在使用中の運転モード)の強度よりも低い強度を有するものである。予測環境特性の算出は、環境センサ装置4から出力された車両内センサ情報および車両外センサ情報と、予測走行情報取得部53によって取得された予測走行時間と、を用いて行われる。
モード制御部52は、空調装置3へ、複数の運転モードのひとつである選択モードを表す空調出力指示情報を通知する。モード制御部52は、少なくとも1つの候補モードのうち、後述する少なくとも1つの許容モードのいずれかへ、選択モードを再設定する。「許容モード」とは、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲設定部54によって定められた許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部51によって算出されたもののことである。
複数の運転モードが、選択モードの強度よりも低い強度を有する複数のものを含む場合、少なくとも1つの候補モードは複数の候補モードを含み得る。たとえば、現時点の選択モードが高モードの場合、運転モードは、複数の候補モードとして、中モードと低モードと停止モードとを含む。
モード制御部52は、複数の許容モードが存在する場合に、複数の許容モードのうち最も強度の低いものへと選択モードを再設定する。たとえば、候補モードである中モードと低モードと停止モードとのうち、中モードと低モードとが許容モードである場合には、選択モードが、中モードおよび低モードのうち最も強度の低いものである低モードへ再設定される。
(動作)
さらに図3を参照しつつ、車両用空調システム901(図1)の動作について、以下に説明する。
ステップS100にて、目的地入力部11はユーザーから目的地の情報を受け付ける。ステップS200にて、走行時間予測部12は、目的地に到着するのに要する時間を予測する。そしてこの時間を、予測走行時間情報として出力する。好ましくは、予測走行時間情報は、適当な周期で更新され、その結果が再出力される。この周期は、たとえば、一定時間の経過、または、一定距離の走行により規定される。ステップS300にて、予測走行情報取得部53は、カーナビゲーション装置1から出力された予想走行時間情報を取得する。
ステップS400にて、空調管理装置5は、空調装置3の選択モードの再設定を試行する。これにより、より低い強度を有する運転モードへの再設定が行われ得る。
以上の動作は、目的地が入力されたときだけでなく、その後、適当な周期で繰り返されることが好ましい。この周期は、たとえば、一定時間の経過、または、一定距離の走行により規定される。
次に、上記ステップS400の詳細を、第1および第2の例を挙げることで、以下に説明する。
図4を参照して、第1の例においては、ステップS411にて、車両内環境予測部51は、一の候補モードを仮定した場合の予測走行時間後の車両900内の環境特性である予測環境特性を算出する。図5を参照して、たとえば、現在の選択モードが高モードである場合に、それよりも1段階低い運転モードである中モードが、一の候補モードとして仮定される。そして、車両900内の予測走行時間tA後の予測温度Tindoor(tA)が算出される。
ステップS412にて、モード制御部52は、予測温度Tindoor(tA)が許容範囲に収まるかを判定する。許容範囲は、空調パラメータ設定装置2によって設定された目標温度TSを基準にして、許容範囲設定部54によって設定されたものである。図5の例においては、許容範囲は、下限値TL以上、上限値TU以下(TL≦TS≦TU)の範囲である。よってTL≦Tindoor(tA)≦TUが満たされるか否かが判定される。判定結果が真(YES)の場合、ステップS413にて、空調装置3の選択モードが、上述した候補モードへ再設定され、その後、処理が終了される。判定結果が偽(NO)の場合、再設定を行わずに処理が終了される。
図6を参照して、第2の例においては、ステップS421にて、車両内環境予測部51は、複数の候補モードのそれぞれを仮定した場合の予測走行時間後の車両900内の環境特性である複数の予測環境特性を算出する。図5を参照して、たとえば、現在の選択モードが高モードである場合に、それよりも低い運転モードである中モード、低モードおよび停止モードが、候補モードとして仮定される。そしてそのそれぞれについて、車両900内の予測走行時間tA後の予測温度Tindoor(tA)が算出される。
ステップS422にて、モード制御部52は、各候補モードについて、予測温度Tindo or(tA)が許容範囲に収まるかを判定する。言い換えれば、各候補モードについて、それが許容モードであるかが判定される。
ステップS423にて、少なくとも1つの許容モードがあるかが判定される。判定結果が偽(NO)の場合、処理が終了される。判定結果が真(YES)の場合、ステップS424にて、許容モードの数が1より多いかが判定される。
ステップS424における判定結果が偽(NO)の場合、一の許容モードのみが存在するので、ステップS426にて、選択モードがこの許容モードへ再設定される。判定結果が真(YES)の場合、ステップS425にて、最も低い強度を有する一の許容モードが選択される。そして、ステップS426にて、選択された許容モードへ、選択モードが再設定される。たとえば、複数の許可モードとして低モードおよび停止モードが存在する場合、より低い強度を有するものである停止モードへと、選択モードが再設定される。このように、複数の許容モードから、最も低い強度を有する一の許容モードが選択されることにより、省エネルギー効果が最大化される。
次に、予測走行時間tA後の車両内の予測温度である温度Tindoor(tA)を車両内環境予測部51が算出する方法の例について、以下に説明する。なお、現在時刻をt=0として、時間t[秒]における車両内および車両外のそれぞれの温度をTindoor(t)およびToutdoor(t)と表記するものとする。
第1のモデルにおいては、Tindoor(t)およびToutdoor(t)に基づいて、さらに単位時間後の温度であるTindoor(t+1)が、以下の式
indoor(t+1)=Tindoor(t)+{Toutdoor(t)−Tindoor(t)}×α
・・・(式1)
により算出される。係数αは、車両内と車両外との間の温度差が単位時間あたりに車両内温度に与える影響を表す定数である。係数αは、たとえば、車両の熱伝導率、車両内の空間の容量などに基づいて算出され得る。
第2のモデルにおいては、第1のモデルに対してさらに換気の影響を考慮して、Tindo or(t+1)は
indoor(t+1)=Tindoor(t)+{Toutdoor(t)−Tindoor(t)}×α+{Toutdoor(t)−Tindoor(t)}×β(t) ・・・(式2)
により算出される。β(t)は、時間tにおける換気量に依存した関数である。関数β(t)は、あらかじめ定められたパターンで換気が行われる場合に、その影響をモデル化した関数である。なおt=0において換気がなされていなければ、β(t)=0である。また、所定間隔で換気が行われる場合、β(t)は、それに対応した周期的関数であり得る。
第3のモデルにおいては、第1のモデルに対してさらに、運転モードMでの空調による車両内温度への影響P(M)を考慮して、Tindoor(t+1)は
indoor(t+1)=Tindoor(t)+{Toutdoor(t)−Tindoor(t)}×α+P(M) ・・・(式3)
により算出される。
第4のモデルにおいては、第2のモデルに対してさらに上記の影響P(M)を考慮して、Tindoor(t+1)は
indoor(t+1)=Tindoor(t)+{Toutdoor(t)−Tindoor(t)}×α+{Toutdoor(t)−Tindoor(t)}×β(t)+P(M) ・・・(式4)
により算出される。
予測走行情報取得部53から予測走行時間tAが取得された場合、たとえば上記「式4」を繰り返し用いることで、現在(時間t=0)の温度データから、時間t=tAにおける車両内の温度Tindoor(tA)を算出することができる。現在の温度データ、すなわち温度Tindoor(0)およびToutdoor(0)、は、環境センサ装置4から取得することができる。未来の車両外の温度Toutdoor(t)(t>0)は、その近似値として、天気予報、または、過去の外気温の履歴データなどにより取得され得る。天気予報のデータは、外部サーバ装置から取得され得る。履歴データは、蓄積装置(ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶装置)に蓄積され得る。
たとえば、図5を参照して、空調が低モードで行われたとする場合の予測温度Tindoor(tA)の算出結果が、許容範囲の下限値TLと等しくなったとする。この場合、低モードを用いることで、車両内温度を、最小限に許容範囲に収めつつ、消費エネルギーを最大限に抑制することができる。
なお、上述した係数αは、単位面積あたりの単位温度差あたりの熱伝達量を表す熱伝達係数μ[W/℃・m2]に対して車両内外の熱伝達に寄与する面の総面積A[m2]を乗算した値を、車室内の空気の熱容量C[W/℃]で除算することで求められてもよい。熱伝達係数μは、フロントガラスおよびABS樹脂などの材料ごとに大きく異なり得る。熱伝達係数μ1〜μnのそれぞれを有する材料が用いられている部分の面積をA1〜Anとすると、車両内外の単位温度差あたりに対して車室内に流入または車室内から流出する熱エネルギーΔEは、μ1×A1+・・・+μn×Anにより見積もられ得る。あるいは、車両内の単位面積あたりに対して平均となる平均熱伝達係数μa[W/℃・m2]を実験的に求めることで、μa×Aが用いられてもよい。車両内外の温度差をΔTとした場合、ΔE×ΔTが、時間tにおいて車両内外でやりとりされる熱エネルギー量Q(t)[W]となる。車室内の空気の熱容量をC[W/℃]とした場合、熱エネルギー量Q(t)を比熱Cで除算することで、車両内の温度変化量を計算することができる。また係数αは、車両ごとに実験的に求めることもできる。係数αの精度がよくない場合、または、日射などにより車室内に多くの熱エネルギーが流入するなどして外乱が大きい場合は、車室内温度の予測結果の精度が低くなり得る。この場合は、予測温度Tindoor(t)と、時間tの経過後に実際に測定された温度との差を用いて、係数αの値が校正されてもよい。
(効果)
本実施の形態によれば、モード制御部52は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部51によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。これにより、目的地に到着したときの車両900内の環境特性を許容範囲内に収めつつ、より低い強度の運転モードで空調が行われる。よって、許容範囲に対して余裕のある空調が到着時になされてしまっている無駄が抑えられる。よって、ユーザーの大きな不快感を避けつつ、走行中に消費されるエネルギーを低減することができる。
モード制御部52は、複数の候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部51によって算出されたものである複数の許容モードが存在する場合に、複数の許容モードのうち最も強度の低いものへと選択モードを再設定する。これにより、許容範囲に対して余裕のある空調が到着時になされてしまっている無駄がより抑えられる。よって、走行中に消費されるエネルギーをより低減することができる。
空調装置3が蓄熱部33を有する場合、熱制御部32の駆動を停止しても、加熱または冷却されていた蓄熱部33を利用することで、しばらくの間は暖房または冷房を行うことが可能である。これにより、目的地に到着するまでに、蓄熱部33の加熱状態または冷却状態がより有効に活用される。よって、走行中に消費されるエネルギーをより低減することができる。特に、熱制御部32の駆動が停止された時点から目的地への到着時までの時間が十分に短ければ、熱制御部32の駆動停止が空調効果に及ぼす悪影響は大きなものではない。
このように蓄熱部33を活用することによる効果は、車両900が電気自動車の場合に特に大きい。仮に従来技術による暖房が行われたとすると、通常、目的地に到着した時点でも、蓄熱材(たとえば水)は、100℃程度の高温に保たれている。目的地に到着後に車両を停車させている間、この蓄熱材の温度が下降する。特に冬場においては、車両が再度走行を開始するまでに、蓄熱材の温度は0℃近くにまで急激に下降し得る。この場合、蓄熱材を0℃から100℃にまで加熱するのに必要なエネルギーに相当する無駄が生じたことになる。これに対して、本実施の形態によれば、蓄熱部33の熱が目的地への到着前に有効に利用されることで、到着時の温度が、たとえば20℃程度とされ得る。つまり、従来技術と比して、水の温度差80℃相当の熱エネルギーが、走行中に空調装置3で活用される。これにより、エネルギーの無駄が抑えられる。
車両が電気自動車の場合、本実施の形態により、消費される電力エネルギーが低減される。これにより、目的地到着時のバッテリ残容量が増える。よって、目的地において充電を行うための時間が短縮される。車両がガソリン車の場合、冷房においては、目的地に到着するまでのオルタネータまたはコンプレッサの駆動に起因したガソリン消費量が低減される。暖房の場合は、エンジン熱を車両内に送風するファンの消費電力が低減され得る。
車両がハイブリッド自動車の場合は、上述した電気自動車の場合の効果またはガソリン車の場合の効果のいずれかが得られる。また、走行中に消費されるエネルギーが低減されることにより、到着時の残バッテリ量を増やすことができる。これにより、次回の走行時に、全走行経路のうち電気自動車モード(EVモード)で走れる距離が長くなる。これにより、エンジンの燃費効率が悪い低速走行区間のより多くを、EVモードで走ることができる。よって、次回の走行における燃費が向上する。
<実施の形態2>
図7を参照して、本実施の形態の車両用空調システム902は空調管理装置5aを有している。空調管理装置5aは、空調管理装置5(図1)の構成に加えて、最大予測時間保持部55と、最大予測時間算出部56とを有している。
最大予測時間保持部55は、最大予測時間tmaxを表す最大予測時間情報を保持する。本実施の形態においては、車両内環境予測部51は、予測走行時間が最大予測時間tmax以下のときにのみ動作する。車両内環境予測部51が動作していない間は、空調装置3は、空調パラメータ設定装置2によって設定された目標環境特性に直接従って動作する。典型的には、空調装置3は、車両900内の温度を目標温度とするPWM(Pulse Width Modulation)制御を行う。制御対象は、送風部31および熱制御部32のいずれかまたは両方であり得る。
最大予測時間算出部56は、最大予測時間保持部55に保持される最大予測時間情報t maxを算出する。この算出結果により、最大予測時間情報tmaxが新たな値に調整され得る。なお、最大予測時間tmaxが固定された時間の場合、最大予測時間算出部56は省略され得る。
図8を参照して、本実施の形態においては、実施の形態1(図3)において説明したステップS100とS200との間に、ステップS111およびS112が設けられる。ステップS111にて、現時点からの予測走行時間が最大予測時間tmax以下か否かが判定される。判定結果が真(YES)の場合、処理がステップS200に進められる。判定結果が偽(NO)の場合、ステップS112にて、一定時間の待機がなされる。その後、再度ステップS111が行われる。
次に最大予測時間tmaxの決定方法について、以下に詳しく説明する。
最大予測時間tmaxは、目的地に到着するまでの車両外の温度Toutdoor(t)の変化が数℃程度以下となるように定められることが好ましい。これにより、実施の形態1で説明された未来の車両外の温度Toutdoor(t)(t>0)を、現在の車両外の温度Toutdoor(0)で近似することができる。温度の予測精度を優先する場合は、車両外の温度Toutd oor(t)の変化が1℃度程度または0.5℃程度以下となるように最大予測時間tmaxが定められてもよい。
温度Toutdoor(t)の変化が十分に小さくなる最大予測時間tmaxは、たとえば、過去の気象データにより決定することができる。最大予測時間tmaxは、1日のうちの時間に依存して調整されることが好ましい。たとえば、朝の時間帯(たとえば午前6時から午前9時まで)においては、太陽が昇ることで外気温が急激に上昇しやすいので、最大予測時間tmaxを15分程度に小さくする。太陽が沈むことで外気温が急激に下降しやすい夕方の時間帯も同様である。一方で、外気温が比較的安定しやすい昼の時間帯(たとえば午後1時から午後3時まで)は、最大予測時間tmaxを1時間程度に長くする。具体的な最大予測時間tmaxの決定は、許容される変化量だけ外気温が変化するのにかかる時間を、1日のうちの時間ごとに統計的に検討することによって行われ得る。あるいは、任意の単位時間(たとえば5分から30分程度)の経過に伴う外気温の変化量が1日のうちの時間ごとに統計的に検討されてもよい。たとえば、午後3時から午後4時までの時間帯において、外気温の変化が30分毎に02℃であるというデータがある場合において、許容される温度変化が0.1℃の場合は、外気温の変化が線形であるとみなすことで、
30分/(0.2℃/0.1℃)
との計算により、最大予測時間tmaxとして15分という時間が算出され得る。このように最大予測時間tmaxが1日のうちの時間によって調整される場合、最大予測時間算出部56は、1日のうちの時間に基づいて最大予測時間tmaxを算出する。
上述した過去の気象データとしては、環境センサ装置4の車両外センサ42による測定結果が蓄積されたものが用いられてもよい。この場合、用いられる気象データは、ユーザーが実際に走行した場所におけるものとなる。よって、より適切に最大予測時間tmaxを定めることができる。
車両外の温度が一定時間おきに蓄積される場合は、データ量が多くなりやすい。たとえば5分ごとに温度情報が蓄積される場合、1日あたり288個のデータを保存する必要がある。この場合、相応の容量を有する蓄積装置(ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶装置)が用いられることが望ましい。
別のデータ蓄積方法として、ある時点を起点として、車両外の温度が許容量ほど変化するまでの経過時間が蓄積されてもよい。車両外の温度が許容量ほど変化した時点が、次の経過時間の測定の起点となる。1回の経過時間が20分程度の場合、データ蓄積回数は1時間あたり3回程度となり、1日あたりのデータ量を72個程度に抑えられる。これにより、大容量の蓄積装置の使用を避け、代わりに小容量のメモリを利用することができる。たとえば、マイクロコントローラに内蔵されたフラッシュROMを利用することができる。
最大予測時間算出部56を省略する場合は、たとえば、最大予測時間tmaxを一定の時間(たとえば5分から15分程度)に固定すればよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成(図1)とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、車両内環境予測部51は、予測走行時間が最大予測時間tmax以下のときにのみ動作する。これにより、車両内の温度が予測される時間を、現時点からあまり遠くない未来の範囲内に限定することができる。よって、温度予測の精度を高めることができる。よって、ユーザーの不快感をより確実に避けることができる。仮に最大予測時間tmaxが設定されないとすると、予測走行時間が比較的長時間(例えば、数十分から数時間以上)の場合、目的地への到着時における車両内の温度の予測の誤差が大きくなる。この場合、目的地への到着時に、暑過ぎたり、寒過ぎたりすることがある。
また、車両内環境予測部51の動作の上述した制限によって、車両内環境予測部51を利用した空調制御に起因した熱制御部32の駆動停止から目的地への到着時までの時間を、十分に短いものに制限することができる。短い時間であれば、熱制御部32の駆動が停止されていても、蓄熱部33により空調性能を十分に維持することができる。よって、車両内環境予測部51を利用した制御が空調効果に及ぼす悪影響を抑えることができる。
また、車両内の温度が予測される時間が、現時点からあまり遠くない未来の範囲内に限定されることから、実施の形態1で説明された未来の車両外の温度Toutdoor(t)(t>0)を、現在の車両外の温度Toutdoor(0)で近似することができる。この場合、未来の車両外の温度Toutdoor(t)を取得することが不要となる。これにより、天気予報のサービスの提供を受けたり、過去の外気温の履歴データを確保したりすることが不要となる。
最大予測時間算出部56が設けられる場合、状況に応じて、特に1日のうちの時間に応じて、最大予測時間tmaxを調整することができる。これにより、実施の形態1で説明した運転モードの再設定動作を、高精度の温度予測がより遠い未来にまで可能な場合は長い時間行い、そうでない場合は短い時間行うようにすることができる。よって、ユーザーの不快感の防止と、エネルギー消費の低減とのバランスを調整することができる。
<実施の形態3>
図9を参照して、本実施の形態の車両用空調システム903はカーナビゲーション装置1aを有している。カーナビゲーション装置1aは、カーナビゲーション装置1(図1)の構成に加えて、蓄積部13と、目的地予測部14と、走行履歴情報生成登録部15とを有している。目的地予測部14は、目的地予測情報を用いて、車両900の目的地を予測する。
蓄積部13は、車両900の目的地を予測するために用いられる目的地予測情報を蓄積する。
走行履歴情報生成登録部15は、目的地予測情報として、車両900の走行履歴情報を生成し、それを蓄積部13に登録する。目的地予測情報の登録は、一定時間の経過時、一定距離の走行時、または所定のイベントの発生時のいずれかのタイミングで行われてもよい。
走行履歴情報は、出発時刻、目的地到着時刻、走行経路などの情報である。具体的には、1度の走行(出発から到着までの間の走行)により登録される走行履歴情報には、好ましくは以下の内容(1)〜(4)のいずれかが含まれており、より好ましくは内容(1)〜(3)の組が含まれており、さらに好ましくは内容(1)〜(4)の組が含まれている。内容の1組は、1度の走行に属するものと認識できる形式で表現される。なお、POI(Point Of Interest)とは、カーナビゲーション装置1上で解読可能な位置情報であり、たとえばコンビ二エンスストアなどの店舗情報を示す固有番号または文字列などで表現される。
内容(1):出発日時および出発位置(緯度および経度、住所、またはPOI)
内容(2):到着日時および到着位置(緯度および経度、住所、またはPOI)
内容(3):出発位置から到着位置までの走行経路(緯度および経度の点列情報、または、それに相当するカーナビゲーション装置1で解することのできる情報)
内容(4):目的地設定の有無(目的地設定部11で目的地が入力された後の走行により生成された走行履歴情報の場合は「有」、それ以外は「無」)
目的地予測情報は、上述した走行履歴情報に加えて、目的地入力部11に過去に入力された目的地の情報が取得されたものを含み得る。また目的地予測情報として、ユーザーが登録した情報が用いられてもよい。
なお蓄積部13は、カーナビゲーション装置1に外付けされてもよい。たとえば、ハードディスクまたはSSD(Solid State Disk)がカーナビゲーション装置1にUSBまたはLANなどによって無線または有線にて接続される。あるいは、蓄積部13は、カーナビゲーション装置1にあらかじめ設けられた、蓄積部用の取付部に取り付けられてもよい。たとえば、SD(Secure Dgital)カードなどの外部データ記録媒体が、カーナビゲーション装置1のSDカードスロットなどの取付部に挿入される。あるいは、蓄積部13は、カーナビゲーション装置1に内蔵されてもよい。たとえば、フラッシュメモリまたはハードディスクなどの記録媒体がカーナビゲーション装置1に内蔵される。
図10を参照して、車両用空調システム903の動作について、以下に説明する。
ステップS121にて、車両が走行を開始した際に、目的地予測部14は、目的地入力部11が走行時間予測部12へ目的地を入力したか判定する。判定結果が真(YES)の場合、ステップS200以降が、実施の形態1(図3)と同様に行われる。判定結果が偽(NO)の場合、目的地予測部14が目的地を予測し、その結果を走行時間予測部12へ入力する。目的地の予測は、蓄積部13に蓄積された目的地予測情報を参照して行われる。たとえば、目的地予測情報を用いて、特定の曜日の特定の時間帯に出発した場合に特定の目的地へ移動する確率が算出され、その結果を用いて目的地が予測される。その後、ステップS200以降が、実施の形態1(図3)と同様に行われる。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1または2の構成(図1または図7)とほぼ同じである。よって空調管理装置5に代わり空調管理装置5a(図7)が用いられてもよい。
本実施の形態によれば、ユーザーが目的地入力部11に目的地を入力しなくても、代わりに目的地予測部14が目的地の入力を行う。これにより、ユーザーが目的地入力部11に目的地を入力していない場合であっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。たとえば、通勤経路のようにユーザーがよく知った経路を車両が走行する場合、わざわざ目的地を入力しないことの方が多い。このような場合においても、勤務先または自宅が近づいた際に、たとえば到着までの数分間または数キロメートルの間、ユーザーの大きな不快感を避けつつ消費エネルギーを低減することができる。
蓄積部13に蓄積される目的地予測情報は、車両の走行履歴情報を含むことが好ましい。これにより、目的地の予測精度をより高めることができる。
目的地予測部14は、目的地を予測する際に、その候補地を、当該候補地への予測走行時間が一定時間以下のもの、または、当該候補地までの走行距離が一定距離以下のものに限定してもよい。これにより、車両内の温度が予測される時間を、現時点からあまり遠くない未来の範囲内に限定することができる。よって、温度予測の精度を高めることができる。よって、ユーザーの不快感をより確実に避けることができる。また、短い時間であれば、車両内環境予測部51を利用した空調制御に起因して熱制御部32の駆動が停止されていても、蓄熱部33により空調性能を十分に維持することができる。よって、車両内環境予測部51を利用した制御が空調効果に及ぼす悪影響を抑えることができる。
<実施の形態4>
実施の形態1〜3では、予測走行時間情報が入力されることをきっかけとして車両内環境予測部51が動作する。しかしながら、ユーザーが車両内環境予測部51の動作に応じた空調制御を望まず、たとえば、PWM制御または手動制御などの従来の空調制御を望む場合もあり得る。そこで本実施の形態においては、車両内環境予測部51の動作のオン/オフが可能とされる。
図11を参照して、本実施の形態の車両用空調システム904は、実施の形態1(図1)の構成に加えてさらに、制御方法選択装置6を有している。制御方法選択装置6は、車両内環境予測部51の動作を許可するか否かの設定を外部から受け付ける。制御方法選択装置6は、たとえば、スイッチ、ダイアル、タッチパネルなどの入力装置、または、カーナビゲーション装置1上の画面に用意されたユーザーインタフェースである。
制御方法選択装置6は、空調パラメータ設定装置2と連動していてもよい。この場合に、好ましくは、空調パラメータ設定装置2の設定の選択肢は、空調装置3に対して何らかの自動制御を行う「自動」のカテゴリと、空調装置3を手動で設定する「手動」のカテゴリとを有する。この「自動」のカテゴリ内に「目的地連動の有・無」の選択肢が存在する。「有」および「無」のそれぞれの場合、制御方法選択装置6により、車両内環境予測部51の動作がオンおよびオフされる。
図12を参照して、車両用空調システム904の動作について、以下に説明する。
実施の形態1と同様のステップS100(図3)の後、ステップS131にて、車両内環境予測部51は、車両内環境予測部51の動作が許可されているかを判定する。判定結果が真(YES)の場合、実施の形態1と同様、ステップS200(図3)以降の処理が行われる。判定結果が偽(NO)の場合、処理が終了される。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜3の構成(図1、図7または図9)とほぼ同じである。よって空調管理装置5に代わり空調管理装置5a(図7)が用いられてもよい。またカーナビゲーション装置1に代わりカーナビゲーション装置1a(図9)が用いられてもよい。
本実施の形態によれば、車両内環境予測部51の動作に応じた空調制御を、ユーザーの意図で一時的に抑止することができる。これによりシステムのユーザービリティが向上する。たとえば、車両内環境予測部51の動作に応じた空調制御に異常が発生した場合(たとえば車両内の温度予測に誤差が大きく生じている場合など)に、異常が解決するまで一時的にこの制御を抑止することができる。たとえば、車両用空調システム904を有する車両の製品出荷後に問題が生じた場合、車両内環境予測部51の動作に応じた空調制御を抑止し、代わりに従来の空調制御を行うことができる。仮にこのような対応ができない場合、ユーザーの不便が大きくなるので、問題への対応(典型的には、システムに組み込まれた制御ソフトウェアの書き換え)を急ぐ必要性が高くなる。
<実施の形態5>
図13を参照して、本実施の形態の車両用空調システム905は空調管理装置5bおよび表示装置7を有している。空調管理装置5bは、実施の形態1のモード制御部52(図1)に代わり、モード制御部52aを有している。モード制御部52aは、モード制御部52の構成に加えて、選択モードを再設定することによる省エネルギー効果を算出する省エネルギー効果算出部521を有している。また空調管理装置5bは出力部57を有している。
図14を参照して、車両用空調システム905の動作について、以下に説明する。
実施の形態1と同様の処理がステップS400(図3)まで行われた後、ステップS510にて、空調装置3の選択モードが再設定されたか否かが判定される。判定結果が偽(NO)の場合、処理が終了される。判定結果が真(YES)の場合、ステップS520にて、省エネルギー効果算出部521が省エネルギー効果を算出する。次に、ステップS530にて、出力部57が省エネルギー効果の表示情報を出力する。次に、ステップS540にて、表示装置7が省エネルギー効果を表示する。
図15を参照して、省エネルギー効果の算出および表示の例について、以下に説明する。
省エネルギー効果算出部521は、空調管理装置5のモード制御部52が、目標温度T Sを目的地まで維持し続ける場合の予測消費電力A[Wh]と、車両内環境予測部51の動作に基づいた空調制御が行われる場合の予測消費電力B[Wh]との差を計算する。
予測消費電力A[Wh]は、たとえば、その時の目標温度TSを維持するために必要な空調の消費電力PS[W]と、目的地までの予測走行時間との積から算出される。PS[W]としては、あらかじめ実験などで算出された値が利用されてもよいし、制御開始時点で空調が目標温度TSを維持している際の出力値[W]が利用されてもよい。
車両内環境予測部51の動作に基づいた空調制御が開始されると、図15の破線に沿って車両内の温度が遷移する。省エネルギー効果算出部521は、その間(時間t=0〜t A)に空調装置3が消費した電力の総和B[Wh]を計算する。
省エネルギー効果算出部521は、目的地到着時に、省エネルギー効果としてA−B[Wh]を計算する。この結果が出力部57によって出力され、表示装置7によって表示される。
表示される内容は、電力A−B[Wh]に相当する電力が電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車に充電される際の充電時間または電力料金の内容であってもよい。充電時間は、たとえば、あらかじめ充電電力PC[W]の情報が省エネルギー効果算出部521に入力されていることにより、(A−B)/PCにより算出され得る。電力料金は、たとえば、あらかじめ料金C[Wh/円]の情報が省エネルギー効果算出部521に入力されていることにより、(A−B)/Cにより算出され得る。
また、目的地までの1回の走行で削減された電力を表示する代わりに、これまでの複数回の走行で削減された電力の累積値が表示されてもよい。これにより、1回の走行での電力A−B[Wh]が小さい場合であっても、ユーザーに対して、削減効果の印象を、より大きく与えることができる。
なおガソリン車においては、A−Bが、電力量としてではなくエネルギー量として表示されればよい。また電力料金に代わり、ガソリン代が表示されればよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜4の構成(図1、図7、図9または図11)とほぼ同じである。よって空調管理装置5に代わり空調管理装置5a(図7)が用いられてもよい。またカーナビゲーション装置1に代わりカーナビゲーション装置1a(図9)が用いられてもよい。また車両用空調システム905が制御方法選択装置6(図11)を有してもよい。
本実施の形態によれば、ユーザーが省エネルギー効果を知ることができる。具体的には、ユーザーが省エネルギー効果を視覚的にとらえることができる。これにより、本システムの利用が促進されることが期待される。その結果、空調装置3で消費されるエネルギーが削減される。特に、車両が電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車の場合、充電に用いられる電力が削減される。よって、電力会社での火力発電などによる発電量も削減され得る。よってCO2排出量も削減され得る。
なお上記各実施の形態における車両用空調システム901〜905の機能ブロック図(図1、図7、図9、図11および図13)においては、カーナビゲーション装置、空調パラメータ設定装置、空調装置、空調管理装置および環境センサ装置が個別のものとして図示されているが、実際のハードウェアとしては、それらの一部または全体が一体の装置として構成されてもよい。たとえば、空調装置に、空調パラメータ設定装置、空調管理装置および環境センサ装置の少なくとも一部が一体に設けられてもよい。
車両用空調システム内における装置間のインタフェースは、有線および無線のいずれであってもよい。カーナビゲーション装置は、車両に据え付けられていなくてもよく、たとえば、地上のサーバ、または、車両内に持ち込まれた携帯機器によって構成されてもよい。空調管理装置についても同様である。
車両用空調システムは必ずしもカーナビゲーションシステムを含む必要はない。車両用空調システムが予測走行情報取得部を有していれば、それを介して、車両用空調システムの外部に設けられたカーナビゲーションシステムから、必要とされる予測走行時間情報を取得することができる。また車両用空調システムは、カーナビゲーションシステムの一部のみを有していてもよく、たとえば、目的地入力部を有しておりかつ走行時間予想部を有していない構成が用いられてもよい。
本発明は、空調装置が蓄熱部を有している場合に、特に大きな効果が得られる。しかしながら、空調装置は、必ずしも蓄熱部を有している必要はない。
本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1,1a カーナビゲーション装置、2 空調パラメータ設定装置、3 空調装置、4
環境センサ装置、5,5a,5b 空調管理装置、6 制御方法選択装置、7 表示装置、11 目的地入力部、12 走行時間予測部、13 蓄積部、14 目的地予測部、15 走行履歴情報生成登録部、31 送風部、32 熱制御部、33 蓄熱部、41 車両内センサ、42 車両外センサ、51 車両内環境予測部、52,52a モード制御部、53 予測走行情報取得部、54 許容範囲設定部、55 最大予測時間保持部、56 最大予測時間算出部、57 出力部、521 算出部、900 車両、901〜905 車両用空調システム。
本発明の一の局面に従う車両用空調システムは、空調装置と、環境センサ装置と、空調パラメータ設定装置と、空調管理装置とを有している。空調装置は、複数の運転モードのいずれかである選択モードを表す空調出力指示情報が通知されることにより、選択モードで車両内の空調を行う。環境センサ装置は、車両内の環境特性の検知結果を表す車両内センサ情報と、車両外の環境特性の検知結果を表す車両外センサ情報とを出力する。空調パラメータ設定装置は、車両内の環境特性の目標を表す目標環境特性情報を出力する。空調管理装置は、許容範囲設定部と、予測走行情報取得部と、車両内環境予測部と、モード制御部と、を有している。許容範囲設定部は、空調パラメータ設定装置から出力された目標環境特性情報に基づいて車両内の環境特性の許容範囲を目標温度を基準として±1℃以内に定める。予測走行情報取得部は、車両が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を取得する。車両内環境予測部は、複数の運転モードのうち選択モードの強度よりも低い強度を有するものである少なくとも1つの候補モードの各々により空調装置が運転されると仮定した場合の予測走行時間後の車両内の環境特性である少なくとも1つの予測環境特性を、環境センサ装置から出力された車両内センサ情報および車両外センサ情報と、予測走行情報取得部によって取得された予測走行時間とを用いて算出する。モード制御部は、空調装置へ空調出力指示情報を通知する。モード制御部は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。
本発明の他の局面に従う車両用空調システムは、空調装置と、環境センサ装置と、空調パラメータ設定装置と、空調管理装置とを有している。空調装置は、複数の運転モードのいずれかである選択モードを表す空調出力指示情報が通知されることにより、選択モードで車両内の空調を行う。環境センサ装置は、車両内の環境特性の検知結果を表す車両内センサ情報と、車両外の環境特性の検知結果を表す車両外センサ情報とを出力する。空調パラメータ設定装置は、車両内の環境特性の目標を表す目標環境特性情報を出力する。空調管理装置は、許容範囲設定部と、予測走行情報取得部と、車両内環境予測部と、モード制御部と、最大予測時間保持部と、を有している。許容範囲設定部は、空調パラメータ設定装置から出力された目標環境特性情報に基づいて車両内の環境特性の許容範囲を定める。予測走行情報取得部は、車両が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を取得する。車両内環境予測部は、複数の運転モードのうち選択モードの強度よりも低い強度を有するものである少なくとも1つの候補モードの各々により空調装置が運転されると仮定した場合の予測走行時間後の車両内の環境特性である少なくとも1つの予測環境特性を、環境センサ装置から出力された車両内センサ情報および車両外センサ情報と、予測走行情報取得部によって取得された予測走行時間とを用いて算出する。モード制御部は、空調装置へ空調出力指示情報を通知する。車両内環境予測部は、予測走行時間が最大予測時間以下のときにのみ動作する。モード制御部は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。
本発明の車両用空調システムは、空調装置と、環境センサ装置と、空調パラメータ設定装置と、空調管理装置とを有している。空調装置は、複数の運転モードのいずれかである選択モードを表す空調出力指示情報が通知されることにより、選択モードで車両内の空調を行う。環境センサ装置は、車両内の環境特性の検知結果を表す車両内センサ情報と、車両外の環境特性の検知結果を表す車両外センサ情報とを出力する。空調パラメータ設定装置は、車両内の環境特性の目標を表す目標環境特性情報を出力する。空調管理装置は、許容範囲設定部と、予測走行情報取得部と、車両内環境予測部と、モード制御部と、を有している。許容範囲設定部は、空調パラメータ設定装置から出力された目標環境特性情報に基づいて車両内の環境特性の許容範囲を目標温度を基準として前記車両内の温度の上限値と下限値とによって定める。予測走行情報取得部は、車両が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を取得する。車両内環境予測部は、複数の運転モードのうち選択モードの強度よりも低い強度を有するものである少なくとも1つの候補モードの各々により空調装置が運転されると仮定した場合の予測走行時間後の車両内の環境特性である少なくとも1つの予測環境特性を、環境センサ装置から出力された車両内センサ情報および車両外センサ情報と、予測走行情報取得部によって取得された予測走行時間とを用いて算出する。モード制御部は、空調装置へ空調出力指示情報を通知する。モード制御部は、少なくとも1つの候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部によって算出されたもののいずれかへ、選択モードを再設定する。複数の運転モードが、選択モードの強度よりも低い強度を有する複数のものを含む場合、少なくとも1つの候補モードは複数の候補モードを含む。モード制御部は、複数の候補モードのうち、許容範囲に収まる予測環境特性が車両内環境予測部によって算出されたものである複数の許容モードが存在する場合に、複数の許容モードのうち最も強度の低いものへと選択モードを再設定する。車両内環境予測部は、予測環境特性として予測走行時間後の車両内の予測温度を算出するために、車両内外の温度差に比例して車両内の温度が変化する項を含む車両内温度予測計算モデルを用いる。

Claims (10)

  1. 複数の運転モードのいずれかである選択モードを表す空調出力指示情報が通知されることにより、前記選択モードで車両内の空調を行う空調装置(3)と、
    前記車両内の環境特性の検知結果を表す車両内センサ情報と、前記車両外の環境特性の検知結果を表す車両外センサ情報とを出力する環境センサ装置(4)と、
    前記車両内の環境特性の目標を表す目標環境特性情報を出力する空調パラメータ設定装置(2)と、
    空調管理装置(5,5a,5b)と、
    を備え、前記空調管理装置は、
    前記空調パラメータ設定装置から出力された前記目標環境特性情報に基づいて前記車両内の環境特性の許容範囲を定める許容範囲設定部(54)と、
    前記車両が目的地に到着するまでの予測走行時間を表す予測走行時間情報を取得する予測走行情報取得部(53)と、
    前記複数の運転モードのうち前記選択モードの強度よりも低い強度を有するものである少なくとも1つの候補モードの各々により前記空調装置が運転されると仮定した場合の前記予測走行時間後の前記車両内の環境特性である少なくとも1つの予測環境特性を、前記環境センサ装置から出力された前記車両内センサ情報および前記車両外センサ情報と、前記予測走行情報取得部によって取得された前記予測走行時間とを用いて算出する、車両内環境予測部(51)と、
    前記空調装置へ前記空調出力指示情報を通知するモード制御部(52,52a)と、を含み、前記モード制御部は、前記少なくとも1つの候補モードのうち、前記許容範囲に収まる前記予測環境特性が前記車両内環境予測部によって算出されたもののいずれかへ、前記選択モードを再設定する、
    車両用空調システム(901〜905)。
  2. 前記複数の運転モードが、前記選択モードの強度よりも低い強度を有する複数のものを含む場合、前記少なくとも1つの候補モードは複数の候補モードを含み、
    前記モード制御部は、前記複数の候補モードのうち、前記許容範囲に収まる前記予測環境特性が前記車両内環境予測部によって算出されたものである複数の許容モードが存在する場合に、前記複数の許容モードのうち最も強度の低いものへと前記選択モードを再設定する、
    請求項1に記載の車両用空調システム(901〜905)。
  3. 前記空調装置は、蓄熱部(33)と、前記蓄熱部の加熱および冷却の少なくともいずれかを行う熱制御部(32)と、前記蓄熱部との熱交換を経た空気を前記車両内へ送る送風部(31)と、を含み、
    前記複数の運転モードは、前記熱制御部を停止させつつ前記送風部を稼働する運転モードを含む、
    請求項1または2に記載の車両用空調システム(901〜905)。
  4. 前記車両は電気自動車である、請求項3に記載の車両用空調システム(901〜905)。
  5. 前記車両の前記目的地を予測するために用いられる目的地予測情報を蓄積する蓄積部(13)と、
    前記目的地予測情報を用いて前記車両の前記目的地を予測する目的地予測部(14)と、
    をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用空調システム(903)。
  6. 前記目的地予測情報は前記車両の走行履歴情報を含む、請求項5に記載の車両用空調システム(903)。
  7. 前記空調管理装置(5a)は、最大予測時間を表す最大予測時間情報を保持する最大予測時間保持部(55)を含み、前記車両内環境予測部は、前記予測走行時間が前記最大予測時間以下のときにのみ動作する、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用空調システム(902)。
  8. 前記空調管理装置は、前記最大予測時間保持部に保持される前記最大予測時間情報を算出する最大予測時間算出部(56)を含む、請求項7に記載の車両用空調システム(902)。
  9. 前記車両内環境予測部の動作を許可するか否かの設定を受け付ける制御方法選択装置(6)をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の車両用空調システム(904)。
  10. 前記モード制御部(52a)は、前記選択モードを再設定することによる省エネルギー効果を算出する省エネルギー効果算出部(521)を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用空調システム(905)。
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