JPWO2017115625A1 - 移動体システム - Google Patents

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Abstract

比較的簡易な構成で移動体に非接触で電力を伝送する。移動体は、送電共振器を有する無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される。前記移動体は、受電共振器と、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧または降圧して前記モータに与えるDC−DCコンバータと、前記モータに与えられる電圧に基づいて前記DC−DCコンバータを制御する受電制御回路であって、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、または降圧比を減少させる受電制御回路と、を備える。

Description

本願は、キャパシタを備えた移動体に非接触で電力を伝送する移動体システムに関する。
特許文献1は、無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)に非接触で給電するシステムの例を開示している。このシステムでは、電磁誘導結合によって給電装置からAGVに電磁エネルギが伝送される。AGVは、その電磁エネルギを直流電力に変換し、バッテリおよびキャパシタの並列回路に供給する。キャパシタは短時間で充電され、その充電が完了した後もキャパシタからバッテリへの充電が行われることが開示されている。
特許文献2は、共鳴法を用いた非接触送電において、共鳴系の共振周波数およびインピーダンスの双方を調整する方法を開示している。この方法では、まず二次自己共振コイルに接続された可変コンデンサの容量を制御することによって二次自己共振コイルの共振周波数が調整される。続いて、二次自己共振コイルから電磁誘導によって電力を受け取る二次コイルに接続されたインピーダンス整合器を制御することによって共鳴系の入力インピーダンスが調整される。
特許文献3は、サイズの異なる送電インダクタおよび受電インダクタを備える無線電力伝送システムの例を開示している。送電インダクタと受電インダクタのうち、サイズが小さい方のインダクタを構成する配線の単位長さあたりの抵抗値を、サイズが大きい方のインダクタを構成する配線の抵抗値よりも、少なくとも一部で低く設定することが開示されている。
特開2008-137451号公報 国際公開第2012/111085号明細書 国際公開第2011/125328号明細書
無人搬送車などの比較的小型かつ軽量の移動体に無線(非接触)で電力を伝送するシステムでは、構成をできる限り簡素化することが求められる。
本開示の実施形態は、比較的簡易な構成で移動体に非接触で電力を伝送できる新規な移動体システムを提供する。
本開示の一態様に係る移動体システムは、無線送電装置と、前記無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体と、を備える。前記無線送電装置は、直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、前記インバータ回路から出力された前記交流電力の少なくとも一部を空間に送出する送電共振器と、前記送電共振器を流れる電流を検出する第1検出器と、検出された前記電流に基づいて、前記インバータ回路から出力される前記交流電力の周波数を制御する送電制御回路と、を有する。前記移動体は、磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、前記キャパシタと前記モータとの間に接続され、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧または降圧して前記モータに与えるDC−DCコンバータと、前記モータに与えられる電圧を検出する第2検出器と、検出された前記電圧に基づいて前記DC−DCコンバータを制御する受電制御回路であって、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、または降圧比を減少させる受電制御回路と、を有する。
上記の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の実施形態によれば、移動体システムは比較的簡易な構成で移動体に非接触で電力を伝送することができる。
図1は、実施形態1における移動体システムの概要を説明するための図である。 図2は、実施形態1における移動体200の一例を模式的に示す斜視図である。 図3は、充電時における送電コイルユニット105と受電コイルユニット205との配置関係の一例を示す斜視図である。 図4は、実施形態1の移動体システムの構成を示すブロック図である。 図5は、インバータ回路120および制御回路140の構成例を示す図である。 図6は、制御回路140からスイッチング素子G1〜G4に供給されるパルス信号、およびインバータ回路120から出力される電圧の波形の一例を示す図である。 図7は、送電共振器110および受電共振器210の等価回路を示す図である。 図8Aは、送電コイル112および受電コイル212の形状および配置関係をより詳細に説明するための斜視図である。 図8Bは、送電コイル112をY方向から見た場合の形状を模式的に示す図である。 図8Cは、受電コイル212をY方向から見た場合の形状を模式的に示す図である。 図9Aは、整流器220、キャパシタ230、DC−DCコンバータ250、およびモータ240の構成例を示す図である。 図9Bは、整流器220、キャパシタ230、DC−DCコンバータ250、およびモータ240の他の構成例を示す図である。 図10は、充電時における送電装置100の動作の一例を示すフローチャートである。 図11は、本実施形態における移動体システムの構成を示すブロック図である。 図12は、移動体200Aにおける整流器220、双方向DC−DCコンバータ250A、キャパシタ230、およびモータ240の回路構成を示す図である。 図13は、本実施形態における送電装置100Aおよび移動体200Aによる充電時の動作の一例を示すフローチャートである。 図14は、スイッチング素子G5、G6に入力されるパルス信号と、デューティ比Dとの関係を示す図である。
以下、本開示の例示的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複する説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明においては、同一または類似する構成要素には、同一の参照符号を付している。
(実施形態1)
<全体構成>
図1は、本実施形態における移動体システムの概要を説明するための図である。本実施形態における移動体システムは、例えば工場内における物品の搬送用のシステムとして利用され得る。移動体システムは、少なくとも1つの無線送電装置(以下、単に「送電装置」と称する。)100と、少なくとも1つの移動体200とを備える。移動体200は、例えば工場内を自律的に移動して物品を必要な場所に搬送する無人搬送車(AGV)であり得る。図1には、4台の送電装置100と4台の移動体200とが例示されている。ただし、送電装置100および移動体200の各々の数は任意である。
送電装置100は、移動体200に無線で電力を伝送する。送電装置100は、交流電力を空間に送出する送電コイルを含む送電コイルユニット105を有する。移動体200は、受電コイルを含む受電コイルユニット205を有する。送電コイルと受電コイルとが磁界共振によって結合することにより、送電コイルから受電コイルに電力が無線で伝送される。このように、本実施形態では、磁界共振結合(「磁界共鳴結合」または「共振磁界結合」と呼ばれることもある。)による無線電力伝送が利用される。磁界共振結合方式の無線電力伝送によれば、電磁誘導による方法と比較して、より長距離の電力伝送が可能である。なお、本開示の技術は、磁界共振結合方式に限らず、電磁誘導方式による無線電力伝送にも適用可能である。よって、本開示は、電磁誘導方式による構成も含む。
移動体200は、キャパシタおよびモータを備える。受電コイルユニット205内の受電コイルが受け取った電力は整流され、キャパシタに蓄えられる。キャパシタには、例えば電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタなどの大容量かつ低抵抗なキャパシタが用いられ得る。すなわち、キャパシタは、電気二重奏キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタである。移動体200は、キャパシタに蓄えられた電力によってモータを駆動して移動することができる。
移動体200が移動すると、キャパシタの蓄電量(即ち充電量)が低下する。このため、移動を継続するためには、再充電が必要になる。そこで、移動体200は、移動中に充電量が所定の閾値を下回ると、送電装置100の近傍まで移動し、充電を行う。図1に示すように、複数の箇所に送電装置100が設置されていれば、移動体200は、最も近い送電装置100の近傍まで移動すればよい。そのため、移動体200は移動距離を短縮できる。
このようなシステムは、前述のように、例えば工場内における物品の搬送用のシステムとして利用され得る。移動体200は、典型的には物品を積載する荷台を有する。移動体200は、工場内を自律的に移動して物品を必要な場所に搬送する台車として機能する。なお、移動体システムは、工場に限らず、例えば店舗、病院、家庭、その他のあらゆる場所で利用され得る。また、移動体200は、AGVに限らず、他の産業機械またはサービスロボットであってもよい。移動体200は、例えば有人の車両、または掃除ロボットなどの、横方向に移動可能な機構を有する任意の機器であり得る。「横方向に移動する」とは、水平面(または床面)に沿った方向に、(場合によっては段差、凹凸、または傾斜面を越えて)移動することを意味する。
図2は、本実施形態における移動体200の一例を模式的に示す斜視図である。この移動体200は、側面に設置された受電コイルユニット205と、モータによって駆動される駆動輪207を含む複数の車輪と、物品を載せる荷台206とを備えている。受電コイルユニット205は、受電コイルを含む受電共振器を収納している。
図3は、充電時における送電コイルユニット105と受電コイルユニット205との配置関係の一例を示す斜視図である。図3には、互いに直交するX、Y、Z方向を示すXYZ座標が示されている。以下の説明では、図に示された座標系を用いる。XY面は、水平面または床面に平行である。X軸の正方向は移動体200が前進する方向とし、Z軸の正方向は鉛直上方向とする。
なお、本願の図面に示されている構造物の向きは、説明のわかり易さを考慮して設定されており、本開示の実施形態が現実に実施されるときの向きを制限するものではない。また、図面に示されている構造物の全体または一部分の形状および大きさも、現実の形状および大きさを制限するものではない。
図3に示されるように、送電コイルユニット105における送電コイル112は、X方向に相対的に長くZ方向に相対的に短くなるように巻かれた導体線(巻線)を有する。同様に、受電コイルユニット205における受電コイル212は、X方向に長くZ方向に短くなるように巻かれた導体線(巻線)を有する。図示されるように、本実施形態における送電コイル112および受電コイル212の形状およびサイズは非対称である。本実施形態においては、受電コイル212の巻線によって規定される領域の大きさは、送電コイル112の巻線によって規定される領域の大きさよりも小さい。電力伝送は、送電コイル112と受電コイル212とが対向している状態において行われる。より具体的には、送電コイル112の巻線によって規定される面と、受電コイル212の巻線によって規定される面(図示される例ではいずれもXZ面に平行)とが対向している状態で充電が行われる。なお、これらの面が完全に平行である場合に限らず、相互に傾いていても充電は可能である。また、送電コイル112がX方向に長い形状を有しているため、移動体200がX方向に少しずれたとしても、コイル間の対向状態が維持され、高い効率での電力伝送を維持できる。
移動体200は、各種のセンサを用いて、自機の位置および向き、ならびに送電コイル112の位置および向きを把握することができる。これにより、自機に最も近い送電装置100(他の移動体200に給電中の送電装置100を除く。)を特定することができる。そして、移動体200はその送電装置100の近傍に移動し、高効率な電力伝送が可能な姿勢(即ち、受電コイル212が送電コイル112に近接して対向する姿勢)をとることができる。
本実施形態の移動体200は、特許文献1等の従来技術において使用されている二次電池(以下、「バッテリ」とも称する。)を搭載していない。すなわち、本実施形態の移動体200は、バッテリレス移動体である。また、送電コイル112に比べて受電コイル212が小さい。このため、移動体200を小型、軽量、かつ低コストに構成することができる。これにより、連続で移動できる時間を長くすることができる。本実施形態によれば、例えば数分の充電で30分から数時間の連続動作が可能である。さらに、本実施形態の移動体システムは、後述する回路構成および動作により、移動体200または送電装置100の構成をより簡単にすることができる。
以下、本実施形態の移動体システムの構成をより詳細に説明する。
図4は、本実施形態の移動体システムの構成を示すブロック図である。送電装置100は、外部の直流(DC)電源50に接続されたインバータ回路120と、インバータ回路120に接続された送電共振器110と、送電共振器110を流れる電流を検出する電流検出器130と、電流検出器130によって検出された電流の量に基づいて、インバータ回路120を制御する送電制御回路140とを有している。送電共振器110は、前述の送電コイル112を含む。移動体(受電装置)200は、受電共振器210と、受電共振器210に接続された整流器(整流回路)220と、整流器220に接続されたキャパシタ230と、キャパシタ230に接続されたDC−DCコンバータ250と、DC−DCコンバータ250に接続された240とを有している。受電共振器210は、前述の受電コイル212を含む。移動体200はさらに、モータ240に与えられる電圧を検出する電圧検出器260と、電圧検出器260によって検出された電圧に基づいてDC−DCコンバータ250を制御する受電制御回路270とを備えている。なお、送電装置100および移動体200は、図示されていない他の構成要素を備えていてもよい。また、移動体システムは、必ずしも図4に示されている構成要素の全てを備えている必要はなく、適宜省略することが可能である。
以下、各構成要素をより詳細に説明する。
<DC電源>
DC電源50は、所定の大きさの直流電圧を出力する電源である。DC電源50は、例えば商用交流電力を、送電装置100の動作電圧をもつ直流電力に変換して出力するコンバータを含み得る。
<インバータ回路および送電制御回路>
インバータ回路120は、DC電源50から供給された直流電力を交流電力に変換する。インバータ回路120は、例えばフルブリッジインバータ回路であり得る。フルブリッジインバータ回路は、4つのスイッチング素子のスイッチングのタイミングを調整することによって所望の周波数および電圧値の交流電力を出力することができる。各スイッチング素子は、送電制御回路140から供給されるパルス信号に応じて導通および非導通の状態を切替える。
図5は、インバータ回路120および制御回路140の構成例を示す図である。図5に示されるインバータ回路120は、4つのスイッチング素子G1〜G4を有するフルブリッジインバータ回路の構成を有する。各スイッチング素子は、IGBT(Insulated−gate bipolar transistor)またはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)などのトランジスタであり得る。
制御回路140は、制御IC142と、ゲートドライバ144と、メモリ143とを有する。制御IC142は、メモリ143に格納された制御プログラムを実行することにより、インバータ回路120に出力させる交流電力の電圧(実効値を意味する。以下同じ。)および周波数を決定する。本実施形態では特に、電流検出器130が検出した電流I1の値に基づいて、効率が最大になる周波数が決定される。この動作の詳細は、後述する。ゲートドライバ144は、制御IC142が決定した周波数およびデューティ比をもつパルス信号を、各スイッチング素子G1〜G4のゲートに供給する。これにより、各スイッチング素子G1〜G4の導通(オン)/非導通(オフ)の状態が制御される。なお、制御回路140の一部または全体は、例えばマイクロコンピュータ(マイコン)などの集積回路によって実現され得る。
4つのスイッチング素子G1〜G4のうち、スイッチング素子G1およびG4がオン(導通状態)の時、DC電源50から供給された直流電圧と同じ極性の電圧がインバータ回路120から出力される。一方、スイッチング素子G2およびG3がオン(導通状態)の時、DC電源50から供給された直流電圧と逆の極性の電圧がインバータ回路120から出力される。制御回路140は、各スイッチング素子G1〜G4に供給するパルス信号のタイミングを調整することにより、所望の周波数および電圧の交流電力をインバータ回路120に出力させる。
図6は、制御回路140からスイッチング素子G1〜G4に供給されるパルス信号、およびインバータ回路120から出力される電圧の波形の一例を示す図である。図6において、記号EはDC電源50から出力される電圧の大きさを表し、記号Tは周期を表している。インバータ回路120の出力電圧V1がDC電源50の出力電圧の大きさEと同じになる期間は、デューティ比dinvによって制御される。すなわち、制御回路140は、デューティ比dinvを調整することにより、出力電圧V1を正弦波で近似した交流電圧の振幅および実効値を調整することができる。
なお、インバータ回路120は図5に示す構成に限定されない。例えば、図5に示すスイッチング素子G3およびG4のそれぞれをキャパシタに置換したハーフブリッジ型の構成でもよい。その場合でも、2つのスイッチング素子G1およびG2に与えるゲート駆動パルスのタイミングを調整することにより、所望の交流電圧を出力することができる。インバータ回路120は、例えば市販の高周波電源装置によって実現され得る。
<送電共振器および受電共振器>
図7は、送電共振器110および受電共振器210の等価回路を示す図である。送電共振器110は、送電コイル112によるインダクタンス成分(L1)と、キャパシタンス成分(C1)と、抵抗成分(R1)とを有する直列共振回路である。受電共振器210は、受電コイル122によるインダクタンス成分(L2)と、キャパシタンス成分(C2)と、抵抗成分(R2)とを有する直列共振回路である。キャパシタンス成分(C1およびC2)は、それぞれ、送電コイル112および受電コイル212の寄生容量成分であってもよいし、別途設けられたキャパシタによるものでもよい。送電共振器110の共振周波数と、受電共振器210の共振周波数とは、ほぼ同じ値に設定される。共振周波数は、特に限定されないが、例えば、5キロヘルツ(kHz)以上50メガヘルツ(MHz)以下に設定できる。共振周波数は、より好ましくは、10kHz以上1MHzである。本実施形態では、一例として、共振周波数は85kHzであるものとする。各共振器は、直列共振回路に限らず、並列共振回路であってもよい。図示されている構成に限らず、例えば特許文献1に開示されているように、送電共振器110に電磁誘導によって結合する一次コイルと、受電共振器210に電磁誘導によって結合する二次コイルとを設けてもよい。
図8Aは、送電コイル112および受電コイル212の形状および配置関係をより詳細に説明するための斜視図である。なお、図8Aは、図3の例よりも、送電コイル112のY方向の幅が小さい例を示している。図8Aに示す二点鎖線は、コイル112、212によって規定される面の法線を表している。図8Bは、送電コイル112をY方向から見た場合の形状を模式的に示している。図8Cは、受電コイル212をY方向から見た場合の形状を模式的に示している。
送電コイル112は、第1の導体から形成された巻線(すなわち、第1の導体線で巻かれた巻線)であり、横方向に延びる第1の上側部分112aおよび第1の下側部分112bと、これらを繋ぐ円弧状の2つの部分とを含む。受電コイル212は、第2の導体から形成された巻線(すなわち、第2の導体線で巻かれた巻線)であり、横方向に延びる第2の上側部分212aおよび第2の下側部分212bと、これらを繋ぐ円弧状の2つの部分とを含む。この実施形態では、第2の導体の比抵抗(抵抗率)は、第1の導体の比抵抗よりも低い。受電コイル212の巻き数は、送電コイル112の巻き数よりも少ない。このような構成により、受電コイル212の抵抗値は、送電コイル121の抵抗値よりも小さい。
受電コイル212の上側部分212aおよび下側部分212bは、それぞれ、送電コイル112の上側部分112aおよび下側部分112bよりも短い。例えば、送電コイル112の上側部分112aおよび下側部分112bの長さは、それぞれ、受電コイル212の上側部分212aおよび下側部分212bの長さの1.2倍以上であり得る。送電コイル112の上側部分112aと下側部分112bとの間の距離は、例えば、受電コイル212の上側部分212aと下側部分212bとの間の距離の0.8倍以上1.2倍以下であり得る。ある例では、基準となる水平面(例えば床面)に対する受電コイル212の上側部分212aの高さは、送電コイル112の上側部分112aの高さに等しいか、当該高さよりも小さい。そして、当該水平面に対する受電コイル212の下側部分212bの高さは、送電コイル112の下側部分112bの高さに等しいか、当該高さよりも大きい。
送電コイル112の上側部分112aと下側部分112bとによって規定される第1の矩形面112c(図8B)、および、受電コイル212の第2の上側部分212aと第2の下側部分212bとによって規定される第2の矩形面212c(図8C)は、水平面に対して垂直または傾斜している。受電コイル112は、移動体200の側面に配置される。そして、電力伝送時において、第2の矩形面212cが送電コイル112の第1の矩形面112cに対向する。
本実施形態では、送電コイル112は比較的安価な材料で構成され、受電コイル212は比較的高価な比抵抗の小さい材料で構成される。これにより、受電コイル212の線長を送電コイル112の線長よりも短くし、移動体200のサイズを小さくすることができる。相対的に長い巻線を有する送電コイル112を比較的安価な材料で構成することにより、送電装置100のコストを低減できる。
非接触給電は、送電コイル112と受電コイル212との間で発生する磁束によって行われる。そのため、各コイルの抵抗値およびコイル間の相互インダクタンスは重要なパラメータである。従来、送電コイル112および受電コイル212は、損失を低減するために、導電率の高い(即ち、比抵抗の低い)銅などの材料で構成することが一般的であった。また、近接効果および表皮効果による損失を低減するために、絶縁された細銅線を束ねたリッツ線などの、特殊な形状の導線が用いられることが多かった。さらに、送電コイル112および受電コイル212の形状および材料を同一または近い構成にすることが一般的であった。
しかし、各コイルの材料として高価な銅を使用したり、線材の構造としてリッツ線などの特殊な構造のものを使用したりすると、コストが増加し、重量も増加する。さらに、送電コイル112および受電コイル212の形状を同じにした場合、送電距離を大きくするためには、送電コイル112および受電コイル212の双方を大型化する必要がある。さらには、受電コイル212が設けられる移動体200のデザインが制限される。
また、キャパシタ230として電気二重層キャパシタのような低インピーダンスの素子を用いる場合、キャパシタ230には、例えば最大で30ボルト(V)の電圧および10〜100アンペア(A)の電流が印加され得る。キャパシタ230には、より好ましくは、10〜30アンペア(A)の電流が印加され得る。このような状況下で伝送効率を高くすることが要求される。
本実施形態では、受電コイル212を送電コイル112よりも低損失な構成にすることにより、上記の要求を満たすことができる。受電コイル212を、例えば銅などの低抵抗率の材料、または、リッツ線などの低損失の構造を用いて構成し、形状を小さく、かつ巻き数を少なくすることにより、受電コイル212の全体の抵抗を小さくすることができる。受電コイル212は、例えば、巻き数が10〜30ターン程度である。図8Cに示すY方向のサイズは、例えば10センチメートル(cm)〜25cm程度であり、Z方向のサイズは3cm〜10cm程度であり得る。受電コイル212の抵抗値は、例えば1オーム(Ω)以下であり得る。なお、これらの数値は一例であり、上記の範囲から外れた構成を採用してもよい。
一方、送電コイル112の損失は比較的容認できる。このため、送電コイル112には、アルミニウムなどの安価な材料を用いたり、小さい断面積の通常の単線を用いたりすることができる。また、受電コイル212の位置が最適な位置からX方向(進行方向)にずれていたとしても電力伝送を可能にするために、送電コイル112は、受電コイル112よりもX方向に長い形状を有するように構成される。送電コイル112の巻き数は、相互インダクタンスを大きくするために、大きく設定される。送電コイル112は、例えば、巻き数が60〜100ターン程度であり得る。図8Bに示すX方向のサイズは、例えば30cm〜40cm程度であり、Z方向のサイズは3cm〜10cm程度であり得る。送電コイル112の抵抗値は、例えば5〜10Ω程度であり得る。これらの数値は一例であり、上記の範囲から外れた構成を採用してもよい。送電コイル112は、上記のように安価な材料で構成にすることにより、巻線の総量が多くても全体のコストを低くすることができる。
以上の構成により、受電コイル212の小型化が可能となり、移動体200のデザインの自由度を高めることができる。また、受電コイル212の軽量化が可能となり、移動体200の消費電力の低減が可能になる。さらに、相対的に大型の送電コイル112にはアルミニウムなどの安価な材料または単線などの安価な線材構造を採用し、低損失が求められる受電コイル212は小型でかつ巻き数の少ない構成にすることにより、コストを低減することもできる。受電コイル212を低損失にすることにより、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタなどの充電時の入力インピーダンスの低いキャパシタを用いた場合に、伝送効率を高く維持することができる。
また、受電コイル212の上側部分212aおよび下側部分212bを、それぞれ、送電コイル112の上側部分212aおよび下側部分212bよりも短くすることにより、移動体200が進行方向に移動したとしても、高い伝送効率を維持できる。さらに、第1の矩形面112c、および、第2の矩形面212cを、水平面に対して垂直または傾斜させることにより、移動体200の側面と送電装置100の側面とが対向した状態で電力伝送が可能になる。このため、路面に送電コイル112を配置した構成と比較して、送電装置100はより自由に配置することができる。
なお、送電コイル112および受電コイル212は、図示されている形状に限定されない。例えば、各コイルの形状は、矩形(正方形を含む)または楕円形(円形を含む)であってもよい。
<整流器、キャパシタ、DC−DCコンバータ、モータ、受電制御回路>
図9Aは、整流器220、キャパシタ230、DC−DCコンバータ250、モータ240、電圧検出器260、および受電制御回路270の構成例を示す図である。
整流器220は、図示されるように、ダイオードブリッジおよび平滑コンデンサを含む全波整流回路であり得る。整流器220は、他の種類の全波整流回路であってもよいし、半波整流回路であってもよい。整流器220は、受電共振器210からの交流電力を直流電力に変換して出力する。
キャパシタ230は、整流器220に並列に接続されている。キャパシタ230は、例えば電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタである。電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタは、内部抵抗が小さい(例えば数十mΩ)ため、低損失で大電流での充放電を行うことができる。このため、バッテリと比較して、急速な充電が可能である。また、他の種類のキャパシタと比較して静電容量が大きいため、比較的長時間の連続放電が可能である。本実施形態の移動体200は、バッテリを備えていない。そのため、モータ240への給電は、キャパシタ230によって行われる。バッテリを除くことにより、バッテリを制御する回路も除くことができる。これにより、移動体200の小型化、軽量化、および急速充電が可能である。バッテリを除いたことにより、エネルギ密度が低下する。しかし、図1に示すように、充電回数を多くするために、複数の送電装置100を設けている。これにより、エネルギ密度の低下を補うことができる。なお、本実施形態の移動体200はバッテリを備えていないが、バッテリを備えた移動体に本開示の技術を適用してもよい。その場合、キャパシタおよびバッテリの双方からモータ240を駆動できるため、連続して移動できる時間を向上させることができる。
バッテリがなく、キャパシタ230からモータ240に給電される本実施形態の構成では、キャパシタ230の電圧降下によってモータ240の最大回転速度が低下することが懸念される。そこで、本実施形態では、DC−DCコンバータ250を用いてキャパシタからの電圧を昇圧してモータ240に供給する。これにより、安定動作が可能になる。本実施形態の構成によれば、特許文献1などの従来の構成と比較して、パワー密度あたりのコストを低減することができる。
なお、DC−DCコンバータ250は、昇圧だけでなく、降圧の動作も可能な構成を備えていてもよい。図9Bは、昇圧および降圧の両方の動作が可能なDC−DCコンバータ250の一例を示す図である。例えばキャパシタ230が電気二重層キャパシタであり、モータ240が要求する電圧が30Vであり、キャパシタ230の電圧が35Vの場合、降圧動作を行った方が好ましい。そのような場合は、図9Bに例示されるような昇降圧が可能なDC−DCコンバータ250が用いられる。
本実施形態におけるDC−DCコンバータ250は、図9Aに示されるように、昇圧チョッパ回路の構成を有していてもよいし、図9Bに示されるように、昇降圧チョッパ回路の構成を有していてもよい。DC−DCコンバータ250は、スイッチG5を介してキャパシタ230に並列に接続される。図9Aの例では、DC−DCコンバータ250は、スイッチG6を有し、スイッチG6の導通(オン)/非導通(オフ)の状態を切り替えることにより、キャパシタ230から出力された直流電圧を、所望の大きさの直流電圧に昇圧してモータ240に出力する。スイッチG5およびG6の導通/非導通の状態は、制御回路270によって制御される。図9Bの例では、スイッチG5の導通(オン)/非導通(オフ)の状態を切り替えることにより、キャパシタ230から出力された直流電圧を、所望の大きさの直流電圧に昇圧または降圧してモータ240に出力する。スイッチG5の導通/非導通の状態は制御回路270によって制御される。
なお、DC−DCコンバータ250は、上記の昇圧チョッパ回路または昇降圧チョッパ回路に限らず、任意のDC−DCコンバータでよい。例えば、DC−DCコンバータは、図9Aおよび図9Bに示す非絶縁系DC−DCコンバータに限らず、絶縁形コンバータであってもよい。
以下、図9Aの回路構成に基づいて説明する。
受電制御回路270は、送電制御回路140と同様、制御IC272と、ゲートドライバ274と、メモリ273とを有する。制御IC272は、メモリ273に格納された制御プログラムを実行することにより、スイッチG5およびDC−DCコンバータ250のスイッチG6のオンおよびオフのタイミング(スイッチングタイミング)を決定する。ゲートドライバ274は、制御IC272が決定したスイッチングタイミングに応じて、スイッチG5、G6のゲートに所定の電圧を印加する。なお、受電制御回路270の一部または全体は、例えばマイクロコンピュータなどの集積回路によって実現され得る。
制御回路270は、充電時においては、スイッチG5、G6をオフにする。これにより、整流器220から出力された直流電力がキャパシタ230に供給され、キャパシタ230に電荷が蓄積される。
送電装置100における送電制御回路140は、充電が完了すると、インバータ回路120に送電を停止させる。充電の完了は、例えば、電流検出器130によって検出される電流量が所定の閾値以下になったか否かに基づいて判断され得る。充電が完了すると、受電制御回路270は、スイッチG5をオンにし、スイッチG6の制御を開始する。スイッチG5をオンにすることにより、キャパシタ230に蓄えられた電荷が放電され、その電力がモータ240に供給される。スイッチG6のオン/オフの状態を適切なタイミングで切り替えることにより、所望の昇圧比で昇圧された電圧をモータ240に供給することができる。スイッチG6のスイッチング制御は、モータ240に与えられる電圧を検出する電圧検出器260の検出結果に基づいて行われる。電圧検出器260によって検出されたモータ240の電圧の大きさが、ほぼ一定に維持されるように、昇圧比を決定し、制御回路270は、スイッチG6に供給するパルス信号のデューティ比を決定する。これにより、キャパシタ230の電圧降下が生じたとしても、モータ240にはほぼ一定の電圧が供給される。
なお、図9Bに示す構成における動作は、以下のようになる。充電が完了すると、受電制御回路270は、スイッチG5をオンにし、スイッチG5の制御を開始する。スイッチG5をオンにすることにより、キャパシタ230に蓄えられた電荷が放電され、その電力がモータ240に供給される。スイッチG5のオン/オフの状態を適切なタイミングで切り替えることにより、所望の昇降圧比で昇圧あるいは降圧された電圧をモータ240に供給することができる。スイッチG5のスイッチング制御は、モータ240に与えられる電圧を検出する電圧検出器260の検出結果に基づいて行われる。制御回路270は電圧検出器260によって検出されたモータ240の電圧の大きさが、ほぼ一定に維持されるように、昇降圧比を決定し、スイッチG5に供給するパルス信号のデューティ比を決定する。これにより、キャパシタ230の電圧降下が生じたとしても、モータ240にはほぼ一定の電圧が供給される。
モータ240は、図9に示す例では、直流モータであるが、これに限られず、例えば永久磁石同期モータまたは誘導モータなどの交流モータであってもよい。交流モータを用いる場合には、DC−DCコンバータ250とモータ240との間に、直流電力を三相交流電力に変換する三相インバータが設けられる。そのような構成も、本開示には含まれる。
<動作>
次に、本実施形態における送電装置100および移動体200の動作を説明する。
移動体200は、充電が必要であると判断すると、最も近くに存在する送電装置100の近傍まで移動する。そして、受電コイル212が送電コイル112に所定の距離(例えば、数cmから数十cm)を隔てて対向する姿勢で待機する。送電装置100は、移動体200の接近を検知すると、送電のための初期調整を行い、最適な発振周波数を決定して、送電を開始する。送電装置100は、送電中も、所定時間毎に同様の動作を行い、発振周波数をその時の最適値に更新する。これにより、高い伝送効率での送電を維持できる。以下、この動作の詳細を説明する。
図10は、充電時における送電装置100の動作の一例を示すフローチャートである。送電装置100はまず、制御系のスイッチをオンにする(ステップS101)。制御系とは、送電制御回路140および不図示の通信回路などの、送電装置100の制御に係る構成要素を意味する。このとき、インバータ回路120などの、送電に係る構成要素(送電系と称する。)はオフに設定されている。送電装置100における送電制御回路140は、DC電源50からの印加電圧が規定値(Jボルトとする。)に一致するか否かを判断する(ステップS102)。この規定値は、例えば100Vまたは200Vといった値であり得る。印加電圧が規定値に一致しない場合、制御回路140は、印加電圧が規定値に一致するまで、直流電流および直流電圧の値を調整する(ステップS103)。この調整は、例えばDC電源50が有するコンバータのスイッチング素子を制御することによって行われ得る。
印加電圧が規定値に一致すると、送電制御回路140は、受電コイル212の接近の検知を行う(ステップS104)。この検知は、例えば、移動体200が備えるレーザ光源またはLED光源などの光(赤外線を含む。)に基づいて行われる。送電装置100は、不図示のセンサによってこの光を検知することによって移動体200の接近を検知する。なお、移動体200の接近の検知の方法はこの例に限定されず、例えば磁気を利用して行ってもよい。
受電コイル212の接近を検知すると、送電制御回路140は、送電系、すなわちインバータ回路120等のスイッチをオンにする(ステップS105)。送電制御回路140は、まず、インバータ回路120を低出力モードに設定する(ステップS106)。低出力モードとは、インバータ回路120から低い電圧実効値をもつ交流電力が出力されるモードである。低出力モードは、例えばインバータ回路120の各スイッチング素子に供給されるパルス信号のデューティ比を、比較的低い値(例えば、10%〜30%)にすることによって設定される。その状態で、送電制御回路140は、電流検出器130の検出結果に基づいて、所定の閾値(Aアンペアとする。)以上か否かを判定する(ステップS107)。所定の閾値とは、送電共振器110に流入する電流の量(「通流電流量」と称する。)である。通流電流量がこの閾値未満である場合は、受電コイル212が送電コイル112の近傍で対向していないと考えられる。このため、送電制御回路140は、異常電流停止モードに移行する。
異常電流停止モードでは、送電制御回路140は、送電系のスイッチをオフにする(ステップS113)。そして、電流異常を示すアラームをオンにする(ステップS114)。これにより、ユーザまたは管理者に電流の異常を通知する。ユーザまたは管理者がアラーム停止の操作を行うと(ステップS115)、再びステップ104の動作が実行される。
ステップS107において、通流電流量がAアンペア以上である場合、受電コイル212が送電コイル112に対向していると考えられる。このため、送電制御回路140は、インバータ回路120の発振周波数を掃引して、最適な周波数を決定する。本実施形態では、送電共振器110および受電共振器210の共振周波数が85KHzに設定されている。このため、送電制御回路140は、その付近の84kHzから86kHzの範囲で周波数を掃引する。なお、この範囲は一例であり、他の範囲で掃引してもよい。送電制御回路140は、例えば100kHz単位で周波数を変化させながら、その都度通流電流量をメモリ143に記録する。掃引後、送電制御回路140は、通流電流量にピークが存在するかを判定する(ステップS109)。ピークが存在しない場合、前述の異常電流停止モード(ステップS113〜S115)に移行する。ピークが存在する場合、送電制御回路140は、通流電流量がピークになる周波数を決定し、その周波数を発振周波数Xとして設定する。すなわち、インバータ回路120の各スイッチング素子に供給するパルス信号の周波数をXに設定する。これにより、伝送効率を最大にすることができる。
送電制御回路140はまた、インバータ回路120の各スイッチング素子に供給するパルス信号のデューティ比を50%に設定する(ステップS111)。これは、インバータ回路120から出力される電圧(実効値)を最大にするためである。出力電圧を最大にする必要がない場合は、デューティ比を50%以外の値に設定してもよい。
送電制御回路140は、この状態で、通流電流量が規定の上限値(Bアンペアとする。)以下であるか否かを判定する(ステップS112)。この上限値は、安全性を確保するために設けられており、回路内の各素子を破壊しない程度の電流の値に設定される。通流電流量がBアンペアを超える場合には、異常電流が流れていると判断されるため、異常電流停止モード(ステップS113〜S115)に移行する。
通流電流量がBアンペア以下の場合、送電制御回路140は、送電を開始する(ステップS120)。すなわち、決定した発振周波数Xによるインバータ回路120の駆動を開始する。これにより、周波数Xの交流電力が、送電共振器110および受電共振器210を介して移動体200に伝送される。
本実施形態では、上記の周波数掃引による伝送効率の最適化が、送電中も実行される。送電制御回路140は、送電開始後、所定時間(T秒とする。)ごとに、その時点での発振周波数Xを含む周波数範囲(図10の例ではX−100HzからX+100Hzの範囲)で掃引し、通流電流量がピークになる周波数を発振周波数Xとして再設定する(ステップS121〜S123)。この動作は、通流電流量が、予め設定された充電終止電流(Cアンペアとする。)以下になるまで繰り返される。充電終止電流は、例えば0アンペアに近い値であり、この値以下になると、キャパシタ230の充電量が十分であると判断される。送電制御回路140は、通流電流量がCアンペア以下になると、送電を停止する(ステップS125)。この動作により、移動体200が移動中で、且つ受電コイル212と送電コイル112との相対位置がずれることがあっても、伝送効率を向上させることができる。
受電制御回路270は、例えばキャパシタ230に接続された電流および電圧の少なくとも一方を検出する検出器(例えば、図9A、9Bに示す電圧検出器262)により、送電の停止を検知する。送電が停止されると、移動体200の受電制御回路270は、図9に示すスイッチG5をオンにする。これにより、キャパシタ230からモータ240への給電、およびそれに伴う移動体200の移動が開始される。移動中、キャパシタ230の電圧降下に伴い、モータ240に印加される電圧が徐々に低下する。このため、移動体200の最高速度が低下する。これを抑制するため、本実施形態の受電制御回路270は、スイッチG6を制御してDC−DCコンバータ250に所望の昇圧比で昇圧させる。受電制御回路270は、例えば常に一定の大きさの電圧がモータ240に供給されるように、スイッチG6に印加するパルス信号のデューティ比を調整する。これにより、モータ240の動作を安定させることができる。
<効果等>
以上のように、本実施形態の移動体システムは、無線送電装置100と、無線送電装置100から無線で伝送された電力によって駆動される移動体200とを備える。
無線送電装置100は、直流電源50から供給された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路120と、インバータ回路120から出力された交流電力の少なくとも一部を空間に送出する送電共振器110と、送電共振器110を流れる電流を検出する電流検出器(第1検出器)130と、電流検出器130によって検出された電流に基づいて、インバータ回路120から出力される交流電力の周波数を制御する送電制御回路140と、を有する。移動体200は、磁界共振(または電磁誘導)によって送電共振器110に結合し得る受電共振器210と、受電共振器210に接続され、受電共振器210が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器220と、整流器220から出力された電力を蓄えるキャパシタ230と、キャパシタ230に蓄えられた電力を用いて動作し、移動体200を移動させるモータ240と、キャパシタ230とモータ240との間に接続され、キャパシタ230から出力された電圧を昇圧または降圧してモータ240に与えるDC−DCコンバータ250と、モータに与えられる電圧を検出する電圧検出器(第2検出器)260と、電圧検出器260によって検出された電圧に基づいてDC−DCコンバータ250を制御する受電制御回路270と、を有する。受電制御回路270は、キャパシタ230からモータ240に電力が供給されている間に、DC−DCコンバータ250の昇圧比を増加させる、または、降圧比を減少させる。なお、本明細書において、昇圧比は、出力電圧/入力電圧とし、降圧比は、入力電圧/出力電圧として定義する。したがって、昇圧比および降圧比は、1よりも大きい値である。
これにより、キャパシタ230の電圧降下に伴ってモータ240の入力電圧が低下することを抑制し、移動体200の速度を安定に保つことができる。なお、前述のように、DC−DCコンバータ250は昇圧DC−DCコンバータ(例えば昇圧チョッパ回路)に限定されない。モータ240が要求する電圧が、キャパシタ230が出力する電圧よりも小さい場合は、降圧動作が行われ得る。その場合、受電制御回路270は、キャパシタ230からモータ240に電力が供給されている間に、DC−DCコンバータ250の降圧比を減少させる。
本実施形態においては、さらに、送電開始時に、周波数を掃引して電流が最大になる周波数を決定してから送電が開始される。具体的には、送電制御回路140は、送電を開始するとき、予め設定された周波数範囲に含まれる複数の周波数でインバータ回路120を順次駆動し、当該複数の周波数の中から、送電共振器110を流れる電流の実効値が最大になる周波数を決定する。送電制御回路140は、決定した周波数でインバータ回路120を駆動する。
これにより、電流の実効値が最大になる、すなわち、伝送効率が最大になる周波数で電力伝送を開始できるため、エネルギのロスを抑えることができる。この際の電圧と電流との位相は整合されている。すなわち、実効値が最大になる電流の位相は、インバータ回路120から出力される電圧の位相に一致する。ここで「一致する」とは、厳密に一致することのみを意味するのではなく、多少のずれがある場合を含む。言い換えれば、実効値が最大になる電流は、その位相と、インバータ回路120から出力される電圧の位相との差が最も小さくなる電流であるといえる。そのような電流が流れる周波数で電力を伝送することにより、伝送効率を最適化できる。また、移動体200は、伝送開始時に、複数の周波数で順次駆動することにより、突入電流を低減する機能も有する。
また、キャパシタ230の電圧が微小であり、電圧検出器260と、電圧検出器262(第3検出器)と、制御回路270とが動作しない場合であっても、送電共振器110と受電共振器210との共振または結合による電力伝送を行い、キャパシタ230を充電することができる。
さらに、送電制御回路140は、一旦最適な周波数を決定してインバータ回路120を当該周波数で駆動してから所定時間が経過したとき、当該周波数を含む他の周波数範囲に含まれる複数の周波数でインバータ回路120を順次駆動する。そして、送電制御回路140は複数の周波数の中から、送電共振器110を流れる電流の実効値が最大になる他の周波数を決定し、決定した当該他の周波数でインバータ回路120を駆動する。
これにより、送電開始時だけでなく、送電中も所定時間ごとに周波数の最適化が行われるため、例えば移動体200が移動中であっても、充電期間にわたって高い伝送効率を維持できる。
移動体200は、上記所定時間内に、送電共振器110と受電共振器210との相対位置がずれたり、周辺に高い透磁率を持つ物質が接近したりしても、その影響を抑制できる。送電共振器110と受電共振器210との相対位置がずれたり、周辺に高い透磁率を持つ物質が接近したりすると、送電共振器110と受電共振器210との自己インダクタンス、および相互インダクタンスが変動する。また、充電中にはキャパシタ230の電圧が変動する。さらに、送電共振器110と受電共振器210とに電流が流れ、温度が上昇すると、送電共振器110の抵抗値、受電共振器210の抵抗値、自己インダクタンス、相互インダクタンス、およびキャパシタンスが変動する。これらにより、送電装置100の共振周波数と移動体200の共振周波数とが変動する。そのような変動が生じたとしても、インバータ回路120の出力電流の位相と出力電圧との位相との差を小さくすることができる。
本実施形態では、移動体200は、キャパシタ230とDC−DCコンバータ250との間に接続されたスイッチG5をさらに備える。受電制御回路270は、キャパシタ230への充電が行われているときはスイッチG5をオフにしてキャパシタ230からモータ240への電力の供給を停止し、キャパシタ230への充電が完了した後は、スイッチG5をオンにしてキャパシタ230からモータ240への電力の供給を開始する。
これにより、キャパシタ230への充電が完了してから、キャパシタ230からモータ240への給電を開始できる。なお、充電しながらキャパシタ230からモータ240その他の負荷への給電を行う構成も可能である。本実施形態では送電コイル112はある場所に固定されているが、例えば、路面に沿って長い範囲にわたって送電コイル112が設けられている構成であってもよい。そのような構成では、移動体200は、キャパシタ230を充電しながらモータ240を駆動して移動することも可能である。そのような構成を採用する場合、送電コイル112および受電コイル212は、図3および図8A〜8Cを参照して説明したような構造を備えている必要はない。
(実施形態2)
次に、実施形態2における移動体システムを説明する。
図11は、本実施形態における移動体システムの構成を示すブロック図である。この移動体システムは、送電装置100Aと、移動体200Aとを備えている。本実施形態における移動体200Aは、整流器220とキャパシタ230との間、かつキャパシタ230とモータ240との間に接続された双方向DC−DCコンバータ(双方向チョッパ回路)250Aと、キャパシタ230に入力される電流および電圧を検出する第1検出器280と、通信を行う通信回路290とを備えている点で、実施形態1における移動体200とは異なっている。送電装置100Aは、送電共振器110に入力される電流および電圧を検出する第2検出器180と、通信を行う通信回路190とを備えている点で、実施形態1における送電装置100とは異なっている。以下、実施形態1とは異なる点を説明し、重複する事項については説明を省略する。
図12は、移動体200Aにおける整流器220、双方向DC−DCコンバータ250A、キャパシタ230、およびモータ240の回路構成を示す図である。なお、図12では、制御回路270および各検出器の記載は省略している。図示されるように、双方向DC−DCコンバータ250Aは、2つのスイッチング素子G5、G6を有する。スイッチング素子G5、G6は、制御回路270によって制御される。
図示されるように、双方向DC−DCコンバータ250Aは、ハーフブリッジ形2象限コンバータの回路構成を有する。このような構成により、双方向DC−DCコンバータ250Aは、インピーダンス整合器と充電器の双方の機能を実現することができる。特許文献2の構成とは異なり、1つの回路によって上記2つの機能が実現される。送電装置100A側には入力インピーダンス整合器が設けられていないため、送電装置100Aの低コスト化と小型化を実現することができる。これにより、例えば工場内の様々な場所に送電装置100Aを配置することが容易になる。
双方向DC−DCコンバータ250Aは、受電制御回路270によって制御され、インピーダンス整合および充電コントロールの双方を行う。受電制御回路270は、双方向DC−DCコンバータ250Aおよびキャパシタ230に接続された第1検出器280(電流電圧センサ)からの信号を読み取ることで、フィードバック制御を行う。これにより、キャパシタ230の充電量または送受電コイル間の位置ずれなどによって生じるインピーダンスの変動の影響を緩和し、キャパシタ230への急速な充電を行うことができる。さらに、キャパシタ230が受け取る電圧値を適切な値に降圧することができる。電力伝送中、受電制御回路270は、双方向DC−DCコンバータ250Aの降圧比をコントロールし、電流量を増加させることで充電速度を増加させることもできる。
双方向DC−DCコンバータ250Aは、実施形態1と同様、キャパシタ230から出力された電圧を昇圧してモータ240に与える動作も行う。これにより、キャパシタ230の電圧降下に伴う移動速度の低下を抑制することができる。
本実施形態における受電制御回路270は、キャパシタ230への充電を行う際には、双方向DC−DCコンバータ250Aとモータ240との間のスイッチG7をオフにし、スイッチG5、G6のオン/オフを制御する。これにより、双方向DC−DCコンバータ250Aは降圧チョッパ回路として機能する。一方、キャパシタ230からモータ240への給電を行う際には、受電制御回路270は、スイッチG7をオンにし、G5、G6のオン/オフを制御する。これにより、双方向DC−DCコンバータ250Aは昇圧チョッパ回路として機能する。昇圧チョッパ回路としての動作は、実施形態1で説明した動作と同様である。
制御回路270は、第1検出器280によって検出された電流および電圧に基づいて、双方向DC−DCコンバータ250Aにおける2つのスイッチング素子G5、G6のスイッチングタイミング、およびインバータ回路120に出力させる交流電力の電圧指令値を決定する。そして、当該電圧指令値を示す情報を送電制御回路140に送信する。この通信は、移動体200Aの通信回路290と送電装置100Aの通信回路190を介して行われる。送電制御回路140は、受信した当該情報に基づいて、インバータ回路120から出力させる交流電力の電圧を変化させる。なお、上記の通信は特定の方法に限定されず、任意の方法を用いることができる。例えば、振幅変調方式、周波数変調方式、無線LAN、またはZigbee(登録商標)等の無線方式を用いることができる。振幅変調または周波数変調による通信を行う場合、不図示の変調回路および復調回路が回路の適切な位置(例えば、インバータ回路120の後段および整流回路220の前段)に接続され得る。
以下、本実施形態における動作を説明する。
図13は、本実施形態における送電装置100Aおよび移動体200Aによる充電時の動作の一例を示すフローチャートである。図13は、移動体200Aが送電装置100Aの近傍に移動した後の動作を示している。移動体200Aにおける受電制御回路270は、まず、双方向DC−DCコンバータ250Aのスイッチング素子G5、G6に供給するパルス信号のデューティ比を予め設定された初期値に設定する(ステップS201)。そして、送電装置100Aの送電制御回路140に送電電圧の指令値を示す情報(送電電圧指令と称する。)を送信する(ステップS202)。ここで、送電電圧の指令値は、予め設定された初期値である。
送電制御回路140は、ステップS203において、送電電圧指令を受けると、インバータ回路120に出力させる交流電圧(実効値)を、送電電圧指令が示す値に設定する。この設定は、インバータ回路120の各スイッチング素子G1〜G4に供給されるパルス信号のデューティ比(図6に示すdinv)を、当該電圧の値に対応する値に設定することによって行われる。なお、電圧指令値とデューティ比dinvとの関係は、図6に示される電圧V1の波形(矩形波)を正弦波で近似した場合の電圧の実効値とデューティ比との関係から導かれる。具体的には、デューティ比dinvは、DC電源50から出力される電圧の値をE、インバータ回路120の出力電圧の実効値をV1として、以下の数1で表される。
Figure 2017115625
次に、送電制御回路140は、第2検出器180に、送電共振器110の電圧および電流の値を測定させる(ステップS205)。そして、通信回路190を介して、測定された電圧および電流の値を示す情報を送信する(ステップS206)。
移動体200Aの受電制御回路270は、ステップS207において当該情報を受信すると、第1検出器280に、キャパシタ230に入力される電圧および電流を測定させる(ステップS208)。受電制御回路270は、その電圧および電流の値と、送電装置100Aから送信された電圧および電流の値とに基づいて、双方向DC−DCコンバータ250Aの制御パラメータである相互インダクタンスを推定する(ステップS209)。相互インダクタンスは、以下の数2で計算される。
Figure 2017115625
ここで、ωoは角周波数、V1は送電側電圧、I1は送電側電流、VBは受電側のキャパシタ電圧、IBは受電側のキャパシタ電流、Dは双方向DC−DCコンバータ250Aに供給するパルス信号のデューティ比、R1は送電側の交流抵抗、R2は受電側の交流抵抗を表す。
次に、受電制御回路270は、最大効率を実現するための送電電圧の値と、DC−DCコンバータ250Aのデューティ比とを計算する(ステップS210)。送電電圧V1およびデューティ比Dは、以下の数3によって計算される。この式は、効率を最大にする条件から導き出される。
Figure 2017115625
受電制御回路270は、DC−DCコンバータ250Aのデューティ比を、計算したデューティ比Dの値に設定する(ステップS211)。
図14は、スイッチング素子G5、G6に入力されるパルス信号と、デューティ比Dとの関係を示す図である。デューティ比Dは、スイッチング素子G5に入力されるパルス信号のデューティ比を表す。スイッチング素子G6に入力されるパルス信号のデューティ比は、(1−D)で表される。デューティ比を上記のように設定することにより、インピーダンスを整合し、伝送効率を最大化することができる。
受電制御回路270は、送電電圧の指令値を示す情報を送電制御回路270に送信する(ステップS212)。この際、送電電圧の指令値を示す情報は数3に示される通りV1=Eである。仮に、数3のDを示す式にある通り、V1を低下させなければD<Dminとなってしまう場合や、第1検出器280が異常な電流電圧値を検知した場合、インバータ回路120の発振デューティはV1<Eとなるように低下させ、V1の実行値を低下させるよう送電電圧の指令値を決定する。また、図3に示す送電コイル112および受電コイル212の場合、R1>>R2の値を取りうる。この場合、D<Dmaxとなる可能性がある。この際にはEを可変としてEを上昇させる構成を用いても良いし、Eの最大値を高め、V1の初期値をV1<Eとしてもよい。ここでDminは双方向DC−DCコンバータ250Aのデューティ比Dを決定する際の下限値を示し、Dmaxはデューティ比Dを決定する際の上限値を示す。
送電制御回路270は、ステップS213において、通信回路190を介して送電電圧の指令値を示す情報を受信すると、当該電圧指令値を実現するように、電圧を設定する(ステップS214)。ここでも上記の数1を用いて、電圧指令値V1に対応するデューティ比Dinvを計算する。
以上の動作は、送電開始時のみならず、送電中に繰り返し(例えば所定時間毎に)実行され得る。これにより、送電装置100Aにおける送電電圧と、移動体200Aにおける双方向DC−DCコンバータ250Aのデューティ比とを最適な値に維持することができる。
以上のように、本実施形態の移動体システムでは、双方向DC−DCコンバータ250Aが、移動体200Aのインピーダンスを送電装置100Aのインピーダンスに整合させ、整流器220から出力された電圧を降圧してキャパシタ230に与え、キャパシタ230から出力された電圧を昇圧してモータ240に与える。受電制御回路270は、キャパシタ230への充電を行う際、第1検出器280によって検出されたキャパシタ230への電流および電圧の値に基づいて、双方向DC−DCコンバータ250Aにおける2つのスイッチング素子G5、G6のスイッチングタイミング、およびインバータ回路120に出力させる交流電力の電圧指令値を決定する。当該電圧指令値を示す情報は送電制御回路140に送信される。送電制御回路140は、受信した当該情報に基づいて、インバータ回路120から出力させる交流電力の電圧を変化させる。
本実施形態では、さらに、送電制御回路140は、第2検出器180によって検出された送電共振器10への電流および電圧を示す第2の情報を受電制御回路270に送信する。受電制御回路270は、受信した第2の情報と、第1検出器280によって検出された電流および電圧とに基づいて、2つのスイッチング素子G5、G6のスイッチングタイミング、および電圧指令値を決定する。
これにより、キャパシタ230の充電量の変動等によって生じるインピーダンスの変動の影響を抑制し、キャパシタ230への急速な充電を行うことができる。本実施形態の動作によれば、移動体200Aのインピーダンスを送電装置100Aのインピーダンスに整合することができる。さらに、キャパシタ230に入力される電圧を適切な値に降圧することができる。降圧比をコントロールし、電流量を増加させることで充電速度を増加させることもできる。
また、充電中に移動体200Aの移動に伴いコイル間の距離が変動したり、各コイルの周辺に金属などの異物が存在したりすることによって生じる各コイルのインダクタンスおよびキャパシタンスの変動が生じたとしても、適切にインピーダンスの整合を行うことができる。上記変動の影響を緩和するように双方向DC−DCコンバータ250Aのインピーダンスを送電装置100Aのインピーダンスに整合させ、送電効率を向上させることができる。本実施形態によれば、移動体200の移動中においても、実施形態1よりもさらに効率の良い送電を行うことができる。
なお、図13に示す動作では、送電装置100Aから移動体200Aへの電圧および電流の送信を行うが、この動作を省略することも可能である。例えば、整流器220のダイオードブリッジから出力される直流電圧V2dcおよび直流電流I2dcに基づいて、V1=Eのときに、相互インダクタンスLmを求めることができる。この際、以下に示す計算式が用いられる。
Figure 2017115625
電圧V2dcは、前述のキャパシタ電圧VBをDC−DCコンバータ250のデューティ比Dで除算することによって求められる。電流I2dcは、前述のキャパシタ電流IBにデューティ比Dを乗ずることによって求められる。したがって、V1=Eの場合、送電側の電圧および電流を用いずに相互インダクタンスLmを求めることができる。
本実施形態でも、実施形態1と同様に、移動体200は、モータ240に与えられる電圧を検出する電圧検出器(第3検出器)260をさらに備える。受電制御回路270は、キャパシタ230からモータ240に電力が供給されている間に、電圧検出器260によって検出された電圧に基づいて2つのスイッチング素子G5、G6のスイッチングタイミングを調整して双方向DC−DCコンバータ250Aの昇圧比を増加させる。
これにより、キャパシタ230の電圧降下に伴ってモータ240の入力電圧が低下することを抑制し、移動体200の速度の安定に保つことができる。
以上のように、本開示は、以下の各項目に記載の移動体システムおよび移動体を含む。
[項目1]
無線送電装置と、
前記無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体と、
を備え、
前記無線送電装置は、
直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
前記インバータ回路から出力された前記交流電力の少なくとも一部を空間に送出する送電共振器と、
前記送電共振器を流れる電流を検出する第1検出器と、
検出された前記電流に基づいて、前記インバータ回路から出力される前記交流電力の周波数を制御する送電制御回路と、
を有し、
前記移動体は、
磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
前記キャパシタと前記モータとの間に接続され、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧または降圧して前記モータに与えるDC−DCコンバータと、
前記モータに与えられる電圧を検出する第2検出器と、
検出された前記電圧に基づいて前記DC−DCコンバータを制御する受電制御回路であって、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、または降圧比を減少させる受電制御回路と、
を有する移動体システム。
[項目2]
前記送電制御回路は、送電を開始するとき、予め設定された周波数範囲に含まれる複数の周波数で前記インバータ回路を順次駆動し、前記複数の周波数の中から、前記送電共振器を流れる前記電流の実効値が最大になる周波数を決定し、決定した前記周波数で前記インバータ回路を駆動する、項目1に記載の移動体システム。
[項目3]
前記実効値が最大になる電流の位相は、前記インバータ回路から出力される電圧の位相に一致する、項目2に記載の移動体システム。
[項目4]
前記送電制御回路は、前記周波数を決定して前記インバータ回路を前記周波数で駆動してから所定時間が経過したとき、前記周波数を含む他の周波数範囲に含まれる複数の周波数で前記インバータ回路を順次駆動し、前記複数の周波数の中から、前記送電共振器を流れる電流の実効値が最大になる他の周波数を決定し、決定した前記他の周波数で前記インバータ回路を駆動する、項目2または3に記載の移動体システム。
[項目5]
前記移動体は、
前記キャパシタの電圧を検出する第3検出器と、
前記キャパシタと前記モータとの間に接続されたスイッチと、
をさらに有し、
前記受電制御回路は、
前記第3検出器によって検出された前記キャパシタの電圧が閾値を超えるまでは前記スイッチをオフにして前記キャパシタから前記モータへの電力の供給を停止し、
前記キャパシタの電圧が前記閾値を超えたとき、前記スイッチをオンにして前記キャパシタから前記モータへの前記電力の供給を開始する、
項目1から4のいずれかに記載の移動体システム。
[項目6]
前記移動体は、前記キャパシタと前記DC−DCコンバータとの間に接続されたスイッチをさらに有し、
前記受電制御回路は、
前記キャパシタへの充電が行われているときは前記スイッチをオフにして前記キャパシタから前記モータへの電力の供給を停止し、
前記キャパシタへの充電が完了した後は、前記スイッチをオンにして前記キャパシタから前記モータへの前記電力の供給を開始する、
項目1から4のいずれかに記載の移動体システム。
[項目7]
前記キャパシタは、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタである、項目1から4のいずれかに記載の移動体システム。
[項目8]
前記移動体は、バッテリレス移動体である、項目1から7のいずれかに記載の移動体システム。
[項目9]
前記移動体は、前記モータによって駆動される駆動輪を含む複数の車輪を有する無人搬送機である、項目1から8のいずれかに記載の移動体システム。
[項目10]
無線送電装置と、
前記無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体と、
を備え、
前記無線送電装置は、
直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
前記インバータ回路から出力された前記交流電力の少なくとも一部を空間に送出する送電共振器と、
前記インバータ回路を制御する送電制御回路と、
を有し、
前記移動体は、
前記送電共振器が、磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
前記整流器と前記キャパシタとの間、かつ前記キャパシタと前記モータとの間に接続された双方向DC−DCコンバータであって、前記移動体のインピーダンスを前記送電装置のインピーダンスに整合させ、前記整流器から出力された電圧を降圧して前記キャパシタに与え、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧して前記モータに与える双方向DC−DCコンバータと、
前記キャパシタに入力される電流および電圧を検出する第1検出器と、
前記双方向DC−DCコンバータを制御する受電制御回路と、
を有し、
前記受電制御回路は、前記キャパシタへの充電を行う際、前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧に基づいて、前記双方向DC−DCコンバータのインピーダンス、および前記インバータ回路に出力させる前記交流電力の電圧指令値を決定し、前記電圧指令値を示す情報を前記送電制御回路に送信し、
前記送電制御回路は、受信した前記情報に基づいて、前記インバータ回路から出力させる前記交流電力の電圧を変化させる、
移動体システム。
[項目11]
前記双方向DC−DCコンバータは、前記キャパシタに並列に接続された少なくとも2つのスイッチング素子を有し、
前記受電制御回路は、前記少なくとも2つのスイッチング素子のスイッチングタイミングを調整することにより、前記双方向DC−DCコンバータの前記インピーダンスおよび前記降圧比を決定する、
項目10に記載の移動体システム。
[項目12]
前記送電装置は、前記送電共振器に入力される電流および電圧を検出する第2検出器をさらに有し、
前記送電制御回路は、前記第2検出器によって検出された前記電流および前記電圧を示す第2の情報を前記受電制御回路に送信し、
前記受電制御回路は、受信した前記第2の情報と、前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧とに基づいて、前記2つのスイッチング素子のスイッチングタイミング、および前記電圧指令値を決定する、
項目11に記載の移動体システム。
[項目13]
前記移動体は、前記モータに与えられる電圧を検出する第3検出器をさらに有し、
前記受電制御回路は、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記第3検出器によって検出された前記電圧に基づいて前記2つのスイッチング素子のスイッチングタイミングを調整して前記双方向DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、項目10から12のいずれかに記載の移動体システム。
[項目14]
前記移動体は、前記キャパシタと前記モータとの間に接続されたスイッチをさらに有し、
前記受電制御回路は、
前記第1検出器によって検出された前記キャパシタの電圧が閾値を超えるまでは前記スイッチをオフにして前記キャパシタから前記モータへの電力の供給を停止し、
前記キャパシタの電圧が前記閾値を超えたとき、前記スイッチをオンにして前記キャパシタから前記モータへの前記電力の供給を開始する、
項目10から13のいずれかに記載の移動体システム。
[項目15]
前記キャパシタへの充電が行われている間、
前記受電制御回路は、前記送電共振器に入力された電流および電圧、ならびに前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧に基づいて、前記双方向DC−DCコンバータのインピーダンスを前記送電装置のインピーダンスに整合させ、前記インバータ回路に出力させる前記交流電力の電圧指令値を更新し、前記電圧指令値を示す情報を前記送電制御回路に送信し、
前記送電制御回路は、受信した前記情報に基づいて、前記インバータ回路から出力させる前記交流電力の電圧を変化させる、
項目10から14のいずれかに記載の移動体システム。
[項目16]
前記キャパシタは、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタである、項目10から15のいずれかに記載の移動体システム。
[項目17]
前記移動体は、バッテリレス移動体である、項目10から16のいずれかに記載の移動体システム。
[項目18]
前記移動体は、前記モータによって駆動される駆動輪を含む複数の車輪を有する無人搬送機である、項目10から16のいずれかに記載の移動体システム。
[項目19]
送電共振器を有する少なくとも1つの無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体であって、
磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
前記キャパシタと前記モータとの間に接続され、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧または降圧して前記モータに与えるDC−DCコンバータと、
前記モータに与えられる電圧を検出する検出器と、
検出された前記電圧に基づいて前記DC−DCコンバータを制御する受電制御回路であって、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、または降圧比を減少させる受電制御回路と、
を備える移動体。
[項目20]
インバータ回路および前記インバータ回路に接続された送電共振器を有する少なくとも1つの無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体であって、
磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
前記整流器と前記キャパシタとの間、かつ前記キャパシタと前記モータとの間に接続された双方向DC−DCコンバータであって、前記移動体のインピーダンスを前記送電装置のインピーダンスに整合させ、前記整流器から出力された電圧を降圧して前記キャパシタに与え、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧して前記モータに与える双方向DC−DCコンバータと、
前記キャパシタに入力される電流および電圧を検出する検出器と、
前記双方向DC−DCコンバータを制御する受電制御回路と、
を備え、
前記受電制御回路は、前記キャパシタへの充電を行う際、前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧に基づいて、前記双方向DC−DCコンバータのインピーダンス、および前記インバータ回路に出力させる前記交流電力の電圧指令値を決定し、前記電圧指令値を示す情報を前記無線送電装置に送信する、
移動体。
本開示の技術は、例えば工場内で使用される無人搬送車(AGV)への無線電力伝送システムに適用され得る。本開示の技術は、AGVに限らず、他の産業機械またはサービスロボット等の移動体に適用できる。
50 直流(DC)電源
100 無線送電装置
105 送電コイルユニット
110 送電共振器
112 送電コイル
112a 第1の上側部分
112a 第1の下側部分
112c 第1の矩形面
120 インバータ回路
130 電流検出器
140 送電制御回路
142 制御IC
143 メモリ
144 ゲートドライバ
180 第2検出器
200 移動体
205 受電コイルユニット
207 駆動輪
210 受電共振器
212 受電コイル
212a 第2の上側部分
212a 第2の下側部分
212c 第2の矩形面
220 整流器
230 キャパシタ
240 モータ
250 DC−DCコンバータ(昇圧チョッパ回路)
260 電圧検出器
262 電圧検出器
270 受電制御回路
272 制御IC
273 メモリ
274 ゲートドライバ
280 第1検出器

Claims (20)

  1. 無線送電装置と、
    前記無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体と、
    を備え、
    前記無線送電装置は、
    直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
    前記インバータ回路から出力された前記交流電力の少なくとも一部を空間に送出する送電共振器と、
    前記送電共振器を流れる電流を検出する第1検出器と、
    検出された前記電流に基づいて、前記インバータ回路から出力される前記交流電力の周波数を制御する送電制御回路と、
    を有し、
    前記移動体は、
    磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
    前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
    前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
    前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
    前記キャパシタと前記モータとの間に接続され、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧または降圧して前記モータに与えるDC−DCコンバータと、
    前記モータに与えられる電圧を検出する第2検出器と、
    検出された前記電圧に基づいて前記DC−DCコンバータを制御する受電制御回路であって、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、または降圧比を減少させる受電制御回路と、
    を有する移動体システム。
  2. 前記送電制御回路は、送電を開始するとき、予め設定された周波数範囲に含まれる複数の周波数で前記インバータ回路を順次駆動し、前記複数の周波数の中から、前記送電共振器を流れる前記電流の実効値が最大になる周波数を決定し、決定した前記周波数で前記インバータ回路を駆動する、請求項1に記載の移動体システム。
  3. 前記実効値が最大になる電流の位相は、前記インバータ回路から出力される電圧の位相に一致する、請求項2に記載の移動体システム。
  4. 前記送電制御回路は、前記周波数を決定して前記インバータ回路を前記周波数で駆動してから所定時間が経過したとき、前記周波数を含む他の周波数範囲に含まれる複数の周波数で前記インバータ回路を順次駆動し、前記複数の周波数の中から、前記送電共振器を流れる電流の実効値が最大になる他の周波数を決定し、決定した前記他の周波数で前記インバータ回路を駆動する、請求項2または3に記載の移動体システム。
  5. 前記移動体は、
    前記キャパシタの電圧を検出する第3検出器と、
    前記キャパシタと前記モータとの間に接続されたスイッチと、
    をさらに有し、
    前記受電制御回路は、
    前記第3検出器によって検出された前記キャパシタの電圧が閾値を超えるまでは前記スイッチをオフにして前記キャパシタから前記モータへの電力の供給を停止し、
    前記キャパシタの電圧が前記閾値を超えたとき、前記スイッチをオンにして前記キャパシタから前記モータへの前記電力の供給を開始する、
    請求項1から4のいずれかに記載の移動体システム。
  6. 前記移動体は、前記キャパシタと前記DC−DCコンバータとの間に接続されたスイッチをさらに有し、
    前記受電制御回路は、
    前記キャパシタへの充電が行われているときは前記スイッチをオフにして前記キャパシタから前記モータへの電力の供給を停止し、
    前記キャパシタへの充電が完了した後は、前記スイッチをオンにして前記キャパシタから前記モータへの前記電力の供給を開始する、
    請求項1から4のいずれかに記載の移動体システム。
  7. 前記キャパシタは、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタである、請求項1から4のいずれかに記載の移動体システム。
  8. 前記移動体は、バッテリレス移動体である、請求項1から7のいずれかに記載の移動体システム。
  9. 前記移動体は、前記モータによって駆動される駆動輪を含む複数の車輪を有する無人搬送機である、請求項1から8のいずれかに記載の移動体システム。
  10. 無線送電装置と、
    前記無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体と、
    を備え、
    前記無線送電装置は、
    直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
    前記インバータ回路から出力された前記交流電力の少なくとも一部を空間に送出する送電共振器と、
    前記インバータ回路を制御する送電制御回路と、
    を有し、
    前記移動体は、
    前記送電共振器が、磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
    前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
    前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
    前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
    前記整流器と前記キャパシタとの間、かつ前記キャパシタと前記モータとの間に接続された双方向DC−DCコンバータであって、前記移動体のインピーダンスを前記送電装置のインピーダンスに整合させ、前記整流器から出力された電圧を降圧して前記キャパシタに与え、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧して前記モータに与える双方向DC−DCコンバータと、
    前記キャパシタに入力される電流および電圧を検出する第1検出器と、
    前記双方向DC−DCコンバータを制御する受電制御回路と、
    を有し、
    前記受電制御回路は、前記キャパシタへの充電を行う際、前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧に基づいて、前記双方向DC−DCコンバータのインピーダンス、および前記インバータ回路に出力させる前記交流電力の電圧指令値を決定し、前記電圧指令値を示す情報を前記送電制御回路に送信し、
    前記送電制御回路は、受信した前記情報に基づいて、前記インバータ回路から出力させる前記交流電力の電圧を変化させる、
    移動体システム。
  11. 前記双方向DC−DCコンバータは、前記キャパシタに並列に接続された少なくとも2つのスイッチング素子を有し、
    前記受電制御回路は、前記少なくとも2つのスイッチング素子のスイッチングタイミングを調整することにより、前記双方向DC−DCコンバータの前記インピーダンスおよび前記降圧比を決定する、
    請求項10に記載の移動体システム。
  12. 前記送電装置は、前記送電共振器に入力される電流および電圧を検出する第2検出器をさらに有し、
    前記送電制御回路は、前記第2検出器によって検出された前記電流および前記電圧を示す第2の情報を前記受電制御回路に送信し、
    前記受電制御回路は、受信した前記第2の情報と、前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧とに基づいて、前記2つのスイッチング素子のスイッチングタイミング、および前記電圧指令値を決定する、
    請求項11に記載の移動体システム。
  13. 前記移動体は、前記モータに与えられる電圧を検出する第3検出器をさらに有し、
    前記受電制御回路は、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記第3検出器によって検出された前記電圧に基づいて前記2つのスイッチング素子のスイッチングタイミングを調整して前記双方向DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、請求項10から12のいずれかに記載の移動体システム。
  14. 前記移動体は、前記キャパシタと前記モータとの間に接続されたスイッチをさらに有し、
    前記受電制御回路は、
    前記第1検出器によって検出された前記キャパシタの電圧が閾値を超えるまでは前記スイッチをオフにして前記キャパシタから前記モータへの電力の供給を停止し、
    前記キャパシタの電圧が前記閾値を超えたとき、前記スイッチをオンにして前記キャパシタから前記モータへの前記電力の供給を開始する、
    請求項10から13のいずれかに記載の移動体システム。
  15. 前記キャパシタへの充電が行われている間、
    前記受電制御回路は、前記送電共振器に入力された電流および電圧、ならびに前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧に基づいて、前記双方向DC−DCコンバータのインピーダンスを前記送電装置のインピーダンスに整合させ、前記インバータ回路に出力させる前記交流電力の電圧指令値を更新し、前記電圧指令値を示す情報を前記送電制御回路に送信し、
    前記送電制御回路は、受信した前記情報に基づいて、前記インバータ回路から出力させる前記交流電力の電圧を変化させる、
    請求項10から14のいずれかに記載の移動体システム。
  16. 前記キャパシタは、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタである、請求項10から15のいずれかに記載の移動体システム。
  17. 前記移動体は、バッテリレス移動体である、請求項10から16のいずれかに記載の移動体システム。
  18. 前記移動体は、前記モータによって駆動される駆動輪を含む複数の車輪を有する無人搬送機である、請求項10から16のいずれかに記載の移動体システム。
  19. 送電共振器を有する少なくとも1つの無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体であって、
    磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
    前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
    前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
    前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
    前記キャパシタと前記モータとの間に接続され、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧または降圧して前記モータに与えるDC−DCコンバータと、
    前記モータに与えられる電圧を検出する検出器と、
    検出された前記電圧に基づいて前記DC−DCコンバータを制御する受電制御回路であって、前記キャパシタから前記モータに電力が供給されている間に、前記DC−DCコンバータの昇圧比を増加させる、または降圧比を減少させる受電制御回路と、
    を備える移動体。
  20. インバータ回路および前記インバータ回路に接続された送電共振器を有する少なくとも1つの無線送電装置から無線で伝送された電力によって駆動される移動体であって、
    磁界共振または電磁誘導によって前記送電共振器に結合し得る受電共振器と、
    前記受電共振器に接続され、前記受電共振器が受け取った交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
    前記整流器から出力された電力を蓄えるキャパシタと、
    前記キャパシタに蓄えられた電力を用いて動作し、前記移動体を移動させるモータと、
    前記整流器と前記キャパシタとの間、かつ前記キャパシタと前記モータとの間に接続された双方向DC−DCコンバータであって、前記移動体のインピーダンスを前記送電装置のインピーダンスに整合させ、前記整流器から出力された電圧を降圧して前記キャパシタに与え、前記キャパシタから出力された電圧を昇圧して前記モータに与える双方向DC−DCコンバータと、
    前記キャパシタに入力される電流および電圧を検出する検出器と、
    前記双方向DC−DCコンバータを制御する受電制御回路と、
    を備え、
    前記受電制御回路は、前記キャパシタへの充電を行う際、前記第1検出器によって検出された前記電流および前記電圧に基づいて、前記双方向DC−DCコンバータのインピーダンス、および前記インバータ回路に出力させる前記交流電力の電圧指令値を決定し、前記電圧指令値を示す情報を前記無線送電装置に送信する、
    移動体。
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