JP2022142089A - 電圧切替回路、送電装置、および無線電力伝送システム - Google Patents

電圧切替回路、送電装置、および無線電力伝送システム Download PDF

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修 田畑
Osamu Tabata
成伯 崔
Seihaku Sai
英明 宮本
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勉 坂田
Tsutomu Sakata
浩司 山本
Koji Yamamoto
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Abstract

Figure 2022142089000001
【課題】半導体スイッチを閉じたときに生じる突入電流を抑制する。
【解決手段】電圧切替回路は、第1電圧を出力する第1直流電源と負荷との間に接続される第1半導体スイッチと、前記第1直流電源と負荷との間に接続される第2半導体スイッチであって、前記第1半導体スイッチに並列に接続された第2半導体スイッチと、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記負荷との間において前記負荷に並列に接続されるコンデンサと、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを駆動する駆動回路と、を備える。前記駆動回路は、前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行うことによって前記コンデンサを充電した後、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの少なくとも一方を閉状態に固定する。
【選択図】図10

Description

本開示は、電圧切替回路、送電装置、および無線電力伝送システムに関する。
近年、携帯電話機および電気自動車などの移動性を伴う機器に、無線すなわち非接触で電力を伝送する無線電力伝送技術の開発が進められている。無線電力伝送技術には、磁界結合方式および電界結合方式などの種々の方式がある。
磁界結合方式による無線電力伝送システムでは、送電コイルと受電コイルとが対向した状態で、送電コイルから受電コイルに無線で電力が伝送される。これに対し、電界結合方式による無線電力伝送システムでは、2つ以上の送電電極と2つ以上の受電電極とが対向した状態で、送電電極から受電電極に無線で電力が伝送される。電界結合方式による無線電力伝送システムは、例えば床面に設けられた複数の送電電極から、バッテリなどの負荷を備えた移動体に電力を供給する用途で用いられ得る。
特許文献1は、電界結合方式の無線電力伝送システムの例を開示している。特許文献1に開示されたシステムでは、電極間の容量結合を利用して、送電装置から移動中の移動体に無線で電力が伝送される。送電装置は、交流電力を出力する送電回路と、送電回路に接続された送電電極群とを備える。送電装置は、送電電極群が配置されたエリアに移動体が存在しない状態においては、微弱な電力を送出し、移動体の到来を待機するモードで動作する。具体的には、送電装置は、移動体における受電電極群が送電電極群に対向する位置に到達した場合に生じる送電回路内の電気的応答に基づいて、移動体の受電電極群が送電電極群に対向した状態を検知する。送電装置は、その状態を検知すると、送電回路から出力する電力を増加させ、移動体への電力伝送を開始する。
一方、特許文献2-4は、半導体スイッチを含む電源回路において、半導体スイッチを閉じたときに生じる突入電流を抑制する技術の例を開示している。
国際公開第2020/241677号 特開2012-19640号公報 特開2015-35847号公報 国際公開第2017/094095号
本開示は、出力電圧を変化させるために半導体スイッチを閉じたときに生じる突入電流を、過度の発熱を生じさせることなく抑制することを可能にする新規な技術を提供する。
電圧切替回路は、第1電圧を出力する第1直流電源と負荷との間に接続される。前記電圧切替回路は、前記第1直流電源と前記負荷との間に接続される第1半導体スイッチと、前記第1直流電源と負荷との間に接続される第2半導体スイッチであって、前記第1半導体スイッチに並列に接続された第2半導体スイッチと、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記負荷との間において前記負荷に並列に接続されるコンデンサと、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを駆動する駆動回路と、を備える。前記駆動回路は、前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行うことによって前記コンデンサを充電した後、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの少なくとも一方を閉状態に固定する。
本開示の包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の実施形態によれば、出力電圧を変化させるために半導体スイッチを閉じたときに生じる突入電流を、過度の発熱を生じさせることなく抑制することができる。
図1は、電界結合方式による無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2は、図1に示す無線電力伝送システムの概略的な構成を示す図である。 図3は、電界結合方式による無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図4は、図3に示す無線電力伝送システムの概略的な構成を示す図である。 図5は、無線電力伝送システムの利用例を模式的に示す図である。 図6Aは、移動体200が送電電極シート120Sに沿って走行するときの送電制御の例を説明するための第1の図である。 図6Bは、移動体200が送電電極シート120Sに沿って走行するときの送電制御の例を説明するための第1の図である。 図6Cは、移動体200が送電電極シート120Sに沿って走行するときの送電制御の例を説明するための第1の図である。 図7は、送電回路の構成例を示す図である。 図8は、突入電流を抑制する電圧切替回路の第1の構成例を示す図である。 図9は、突入電流を抑制する電圧切替回路の第2の構成例を示す図である。 図10は、本開示の例示的な実施形態による電圧切替回路の構成を模式的に示す図である。 図11は、第1ゲート駆動信号S1および第2ゲート駆動信号S2の時間変化の例を模式的に示す図である。 図12は、数値実験において用いられた比較例における電圧切替回路の回路構成を示す図である。 図13は、数値実験において用いられた実施形態における電圧切替回路の回路構成を示す図である。 図14は、図12に示す比較例における数値実験の結果を示す図である。 図15は、図13に示す実施形態における数値実験の結果を示す図である。 図16は、図13に示す構成において、一方の半導体スイッチのみを間欠的に駆動する比較例における数値実験の結果を示す図である。 図17は、互いに並列に接続された3つの半導体スイッチを備える電圧切替回路の例を示す図である。 図18は、図17に示すゲート駆動信号S1、S2、S3の時間波形の例を示す図である。 図19は、無線電力伝送システムの構成例を示すブロック図である。 図20は、インバータ回路の構成例を模式的に示す図である。 図21Aは、整合回路の第1の例を示す図である。 図21Bは、整合回路の第2の例を示す図である。 図21Cは、整合回路の第3の例を示す図である。 図21Dは、整合回路の第4の例を示す図である。 図22は、整流回路の構成例を模式的に示す図である。 図23は、受電電極と送電電極との重なりの程度と動作モードの切り替えタイミングとの関係を模式的に示す図である。 図24は、移動体が送電電極に進入するとき時のタイムシーケンスの例を示す図である。 図25Aは、送電電極が壁などの側面に敷設された例を示す図である。 図25Bは、送電電極が天井に敷設された例を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
図1は、電界結合方式による無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。「電界結合方式」とは、複数の送電電極を含む送電電極群と複数の受電電極を含む受電電極群との間の電界結合(「容量結合」とも称する。)により、送電電極群から受電電極群に、無線(すなわち非接触)で電力が伝送される伝送方式をいう。簡単のため、送電電極群および受電電極群の各々が、2つの電極の対によって構成される例をまず説明する。
図1に示す無線電力伝送システムは、移動体200に無線で電力を伝送するシステムである。この例における移動体200は、無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)である。移動体200は、例えば工場または倉庫において物品の搬送に用いられ得る。このシステムでは、床面30に平板状の一対の送電電極120a、120bが配置されている。一対の送電電極120a、120bは、第1の方向(図1におけるY方向)に延びた形状を有する。一対の送電電極120a、120bには、送電回路から交流電力が供給される。
移動体200は、一対の送電電極120a、120bに対向する一対の受電電極を備える。移動体200は、送電電極120a、120bから伝送された交流電力を、一対の受電電極によって受け取る。受け取った電力は、移動体200が備えるモータ、二次電池(バッテリ)、または蓄電用のキャパシタなどの負荷に供給される。これにより、移動体200の充電または駆動が行われる。
図1には、互いに直交するX、Y、Z方向を示すXYZ座標が示されている。以下の説明では、図示されているXYZ座標を用いる。送電電極120a、120bが延びる方向をY方向、送電電極120a、120bの表面に垂直な方向をZ方向、Y方向およびZ方向に垂直な方向をX方向とする。X方向は、送電電極120a、120bが並ぶ方向である。なお、本願の図面に示される構造物の向きは、説明のわかりやすさを考慮して設定されており、本開示の実施形態が現実に実施されるときの向きをなんら制限するものではない。また、図面に示されている構造物の全体または一部分の形状および大きさも、現実の形状および大きさを制限するものではない。
図2は、図1に示す無線電力伝送システムの概略的な構成を示す図である。無線電力伝送システムは、送電装置100と、受電装置である移動体200とを備える。
送電装置100は、一対の送電電極120a、120bと、送電電極120a、120bに交流電力を供給する送電回路110とを備える。送電回路110は、例えば、インバータ回路を含む交流出力回路である。送電回路110は、電源400から供給された電力を、電力伝送用の交流電力に変換して一対の送電電極120a、120bに出力する。電源400は、例えば、周波数が50Hzまたは60Hz、電圧が100V、120V、200V、または240Vの交流電力を出力する商用交流電源であり得る。送電回路110は、電源400から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路と、コンバータ回路から出力される直流電力を送電用の交流電力に変換するインバータ回路とを含み得る。送電回路110は、送電電極120a、120bとインバータ回路との間に、インピーダンス整合のための整合回路を備えていてもよい。
移動体200は、一対の受電電極220a、220bと、受電回路210と、負荷230とを備える。受電回路210は、受電電極220a、220bが受け取った交流電力を負荷230が要求する他の形態の電力に変換して負荷230に供給する。受電回路210は、負荷230が要求する所定の電圧の直流電力または所定の周波数および電圧の交流電力を出力する。受電回路210は、例えば整流回路およびインピーダンス整合回路などの、各種の回路を含み得る。負荷230は、例えばモータ、蓄電用のキャパシタ、または二次電池などの、電力を消費または蓄積する機器、およびそれらの機器を制御する回路を含み得る。一対の送電電極120a、120bと、一対の受電電極220a、220bとの間の電界結合により、両者が対向した状態で電力が無線で伝送される。
送電電極120a、120bおよび受電電極220a、220bの各々は、2つ以上の部分に分割されていてもよい。例えば、図3および図4に示すような構成を採用してもよい。
図3および図4は、送電電極群および受電電極群の各々が4つの電極を含む無線電力伝送システムの例を示す図である。この例では、送電装置100は、2つの第1送電電極120aと、2つの第2送電電極120bとを備える。2つの第1送電電極120aおよび2つの第2送電電極120bは、第2の方向(図3におけるX方向)に沿って交互に並んでいる。移動体200も同様に、2つの第1受電電極220aと、2つの第2受電電極220bとを備える。2つの第1受電電極220aおよび2つの第2受電電極220bも、交互に並んでいる。電力伝送時には、2つの第1受電電極220aは、2つの第1送電電極120aにそれぞれ対向し、2つの第2受電電極220bは、2つの第2送電電極120bにそれぞれ対向する。
送電回路110は、交流電力を出力する2つの端子を備えている。一方の端子は、2つの第1送電電極120aに接続され、他方の端子は、2つの第2送電電極120bに接続される。電力が伝送されるとき、送電回路110は、2つの第1送電電極120aに第1の電圧を印加し、2つの第2送電電極120bに、第1の電圧とは逆の位相の第2の電圧を印加する。これにより、4つの送電電極を含む送電電極群と4つの受電電極を含む受電電極群との間の電界結合によって電力が無線で伝送される。このような構成によれば、隣り合う任意の2つの送電電極の境界上の漏洩電界を抑制する効果を得ることができる。このように、送電装置100および移動体200の各々において、送電または受電を行う電極の数は2個に限定されない。
以下の実施形態では、図1および図2に示すように、送電装置100が2つの送電電極を備え、移動体200が2つの受電電極を備えた構成を主に説明する。以下の各実施形態において、送電電極群および受電電極群の各々は、図3および図4に例示されるように、2つよりも多くの電極を含んでいてもよい。いずれの場合も、ある瞬間に第1の電圧が印加される電極と、第1の電圧とは逆の位相の第2の電圧が印加される電極とが交互に並ぶように配置される。ここで「逆の位相」とは、位相差が180度である場合に限らず、位相差が90度から270度の範囲内である場合を含むものと定義する。以下の説明において、送電装置100が備える複数の送電電極を区別せずに「送電電極120」と称し、移動体200が備える複数の受電電極を区別せずに「受電電極220」と称することがある。
上記のような無線電力伝送システムによれば、移動体200は、送電電極120に沿って移動しながら、無線で電力を受け取ることができる。移動体200は、送電電極120と受電電極220とが近接して対向した状態を保ちながら、送電電極120に沿って移動することができる。これにより、移動体200は、例えばバッテリまたはキャパシタ等の蓄電デバイスを充電しながら移動することができる。
図5は、無線電力伝送システムの利用例を模式的に示す図である。この例における無線電力伝送システムは、倉庫内で利用される。このシステムは、複数の送電装置100と、複数の移動体200とを含む。各送電装置100は、2つの送電電極120を含む送電電極シート120Sと、図2に示す送電回路110とを備える。倉庫には、複数の列を構成する複数の棚40が設けられている。棚40の列の間に複数の送電電極シート120Sが配置されている。各送電電極シート120Sにおける2つの送電電極120には、送電回路110から交流電力が供給される。各移動体200は、倉庫内を所定の経路に沿って自動で走行し、棚40に収納された物品をピックアップし、所定の場所に搬送する作業を行う。各移動体200は、例えば二次電池および駆動用の電気モータを備える。各移動体200は、二次電池に蓄積された電気エネルギで駆動用電気モータを駆動することによって走行する。各移動体200は、送電電極シート120Sが配置されたエリア(以下、「送電エリア」と称する。)を走行するとき、二次電池の充電を行う。すなわち、各移動体200は、送電電極120から送出される電力を受電電極220で受け取り、その電力で二次電池を充電しながら走行する。これにより、蓄電量の不足によって走行不能になることなく、搬送作業を継続することができる。
このようなシステムにおいて、移動体200は、送電電極シート120Sが配置された送電エリアへの進入と送電エリアからの離脱とを繰り返す。このため、各送電装置100は、検知モードと伝送モードの2つのモードを切り替えて動作する。送電装置100は、移動体200が送電エリアに存在しないときには、微弱な電力を送電電極120から出力し、移動体200の接近を検知する検知モードで動作する。送電装置100は、送電回路110内の電流または電圧などの計測値に基づいて、移動体200の接近を検知することができる。送電装置100は、移動体200の接近を検知すると、送電電極120から出力する電力を増加させ、移動体200への電力伝送を行う伝送モードに移行する。移動体200が送電電極シート120S上を走行している間、送電装置100は伝送モードで動作する。移動体200が送電エリアから離脱すると、送電装置100は、伝送モードから検知モードに切り替え、次の移動体200の到来を待機する。
図6Aから図6Cは、移動体200が送電電極シート120Sに沿って走行するときの送電制御の例を説明するための図である。図6Aは、移動体200が送電電極シート120Sが配置された送電エリアに向かって走行している状況を示している。図6Bは、移動体200の受電電極220が送電電極120に対向し始めた状況を示している。図6Cは、移動体200が送電エリアを通過した後の状況を示している。
図6Aに示すように、移動体200が送電電極シート120Sに向かって走行しているとき、送電装置100は検知モードで動作する。検知モードにおいて、送電回路110は、微弱な電力を送電電極120に供給する。例えば、送電回路110は、3.3V~12Vなどの比較的低電圧の直流電圧を交流電圧に変換して送電電極120に印加する。その状態で、送電回路110は、送電回路110内の所定の箇所における電流または電圧などの値を計測し、計測値の変動に基づき、移動体200の接近を検知する。
図6Bに示すように、移動体200の受電電極220が送電電極120に対向し始めると、送電電極120と受電電極220との間の結合容量の増加に伴い、送電回路110内の電流および電圧の計測値が変化する。送電回路110は、その変化に基づき、移動体200の受電電極220が送電電極120に対向したことを検知する。例えば、送電回路110内の所定の箇所の電流の計測値が所定の閾値を超えた場合に、移動体200の受電電極220が送電電極120に対向したと判断することができる。送電回路110は、受電電極220が送電電極120に対向したことを検知すると、検知モードから伝送モードに切り替える。伝送モードにおいて、送電回路110は、比較的高電圧(例えば、200V)の交流電力(例えば1.5kW)を送電電極120に出力する。検知モードから伝送モードへの切り替えは、例えば送電回路110内の電圧切替回路に含まれるスイッチを切り替えることによって行われ得る。以後、移動体200が送電エリアを通過するまで、伝送モードによる送電が行われる。移動体200が送電エリアを走行している間、送電回路110は、送電回路110内の電流または電圧などの計測値に基づいて、移動体200が送電エリアを通過したか否かを判断する。例えば、送電回路110内の所定の箇所の電流の計測値が、所定の閾値を下回った場合に、移動体200が送電エリアを通過したと判断することができる。
図6Cに示すように、移動体200が送電エリアを通過すると、送電回路110は、伝送モードから検知モードに切り替える。送電回路110は、送電回路110内のスイッチを切り替え、出力電圧を、例えば200Vから12Vに低下させることにより、伝送モードから検知モードに切り替える。以後、次の移動体200が送電エリアに接近するまで、送電回路110は検知モードで動作し、移動体200の到来を待機する。
図7は、上記の動作を行う送電回路110の回路構成の例を示す図である。図7の例における送電回路110は、電圧切替回路130(「電源装置」とも称する。)と、インバータ回路160とを含む。インバータ回路160は、電圧切替回路130と、2つの送電電極120との間に接続されている。インバータ回路160は、電圧切替回路130から出力された直流電力を交流電力に変換して出力する。なお、インバータ回路160と送電電極120との間に、インピーダンス整合のための整合回路を設けてもよい。
電圧切替回路130は、伝送モード用の第1直流電源131と、半導体スイッチ132と、ゲート駆動回路135と、検知モード用の第2直流電源136と、ダイオード137と、電解コンデンサ139とを含む。第1直流電源131、第2直流電源136、および電解コンデンサ139は、インバータ回路160と並列に接続されている。ダイオード137は、第2直流電源136に直列に接続され、第2直流電源136への電流の逆流を防止する。半導体スイッチ132は、第1直流電源131と第2直流電源136との間に接続されている。電解コンデンサ139は、第2直流電源136とインバータ回路160との間に並列に接続されている。電解コンデンサ139は、第1直流電源131または第2直流電源136から出力される直流電圧を平滑化し、一定の電圧の直流電圧をインバータ回路160に供給する。
第1直流電源131および第2直流電源136は、例えば図2に示す外部の交流電源400から出力された交流電力を直流電力に変換して出力するAC-DCコンバータ回路であり得る。第1直流電源131および第2直流電源136は、例えば、交流電源400に接続された整流回路と、DC-DCコンバータ回路とを含み得る。第1直流電源131は、伝送モード用の比較的高い電圧V1(例えば200V)の第1直流電力を出力する。第2直流電源136は、検知モード用の比較的低い電圧V2(例えば3.3~12V)の第2直流電力を出力する。第2直流電源136は、第1直流電源131に接続されたDC-DCコンバータを含んでいてもよい。その場合、第2直流電力は、第1直流電源131からDC-DCコンバータを介して出力される。半導体スイッチ132は、検知モードと伝送モードとを切り替えるためのスイッチである。図7に示す半導体スイッチ132は、Nチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)である。半導体スイッチ132のソースは、ダイオード137、電解コンデンサ139、およびインバータ回路160に接続されている。半導体スイッチ132のドレインは、第1直流電源131に接続されている。半導体スイッチ132のゲートは、ゲート駆動回路135に接続されている。半導体スイッチ132は、ゲート駆動回路135から入力されるゲート駆動信号によって制御される。なお、半導体スイッチ132は、Nチャネル型MOSFETに限らず、例えばPチャネル型MOSFETまたはIGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistor)などの他の種類の半導体スイッチであってもよい。
図7の例におけるゲート駆動回路135は、検知モードにおいて、半導体スイッチ132を開状態(オフ)にし、伝送モードにおいて、半導体スイッチ132を閉状態(オン)にするゲート駆動信号を出力する。これにより、検知モードにおいては、第2直流電源136から電解コンデンサ139およびインバータ回路160に、比較的小さい直流電流I0が流れる。一方、伝送モードにおいては、第1直流電源131から電解コンデンサ139およびインバータ回路160に比較的大きい直流電流I1が流れる。
このようなシステムにおいて、検知モードから伝送モードに切り替えるために半導体スイッチ132をオンにしたときに、大きい突入電流(例えば100A以上)が流れ、半導体スイッチ132などの回路素子が破壊される可能性がある。特に、図5に示す例のように、移動体200が送電電極120が配置されたエリアへの進入と離脱とを繰り返すシステムにおいては、半導体スイッチ132のオン/オフの切り替えが繰り返され、突入電流が頻繁に発生する。その結果、半導体スイッチ132などの回路素子への負担が大きくなり、故障する可能性がより高くなる。
突入電流を抑制するために、例えば図8または図9に示す構成を採用する対策が考えられる。図8は、突入電流を抑制する電圧切替回路130の第1の構成例を示す図である。図8に示す電圧切替回路130は、互いに並列に接続された第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bを備えている。第1半導体スイッチ132Aには、制限抵抗133が直列に接続されている。第1半導体スイッチ132Aは、第1ゲート駆動回路135Aによって駆動され、第2半導体スイッチ132Bは、第2ゲート駆動回路135Bによって駆動される。第1直流電源131、第2直流電源136、ダイオード137、および電解コンデンサ139の構成は、図7の例と同様である。
図8の例では、検知モードから伝送モードに切り替わるとき、まず、第1ゲート駆動回路135Aが第1半導体スイッチ132Aをオンにし、第2ゲート駆動回路135Bが第2半導体スイッチ132Bをオフにする。このとき、第1直流電源131から、第1半導体スイッチ132Aおよび制限抵抗133を介して電流が流れる。制限抵抗133の働きにより、過度の突入電流が流れることなく、電解コンデンサ139が充電される。電解コンデンサ139が十分に充電されたタイミングで、第1ゲート駆動回路135Aは第1半導体スイッチ132Aをオフに切り替え、第2ゲート駆動回路135Bは第2半導体スイッチ132Bをオンに切り替える。これにより、伝送モードに移行する。以後、第2半導体スイッチ132Bを経由して負荷(すなわちインバータ回路160等)に電力伝送用の直流電力が供給される。
図8に示す構成では、突入電流を十分に抑制するために、抵抗値の大きい制限抵抗133が設けられる。発熱を抑えるために、例えばメタルクラッド抵抗のような、放熱性を考慮したヒートシンクを備える抵抗器が制限抵抗133として用いられ得る。しかし、そのような抵抗器は大型であるため、電圧切替回路130のサイズが大きくなってしまうという課題がある。
図9は、突入電流を抑制する電圧切替回路130の第2の構成例を示す図である。図9に示す電圧切替回路130は、図7に示す電圧切替回路130と同一の回路構成を備えるが、半導体スイッチ132の駆動方法が図7の例とは異なる。図9の例では、検知モードから伝送モードに切り替えるとき、ゲート駆動回路135は、まず、ゲート駆動信号を短い周期(例えば100~500マイクロ秒程度)で変動させて半導体スイッチ132のオンとオフとを高速で切り替える間欠駆動を行う。このようにゲート駆動信号をオン/オフさせることで半導体スイッチ132のオン抵抗を制御し、前述の制限抵抗と同じ効果が得られる。これにより、過度の突入電流が流れることなく、電解コンデンサ139が充電される。電解コンデンサ139が十分に充電されたタイミングで、ゲート駆動回路135は、半導体スイッチ132をオンに固定する。これにより、伝送モードに移行する。以後、半導体スイッチ132を経由して負荷(例えばインバータ回路160等)に電力伝送用の直流電力が供給される。
図9の例では、半導体スイッチ132のオン抵抗の高さに起因する発熱を抑制するために、間欠駆動の時間が必然的に長くなり、伝送モードへの切り替えに要する時間が長くなるという課題がある。半導体スイッチ132の発熱は、電圧の切り替えが最初の一度だけであれば、大きな問題とはならない。しかし、図5に示すような走行中の移動体に給電するシステムにおいては、何度も電圧の切り替えが発生するため、発熱の課題が顕著である。発熱が繰り返された場合、適切な放熱設計が施されていなければ半導体スイッチ132が故障するリスクが高くなる。
間欠駆動時のゲート駆動信号の1周期当たりのオン時間の比(すなわちデューティ比)を小さくすれば、半導体スイッチ132に電流が流れる時間を短くして損失を低減できるため、半導体スイッチ132の発熱を抑えることができ、故障のリスクを低減できる。しかし、デューティ比を小さくすると、電解コンデンサ139の充電に要する時間が長くなる。そのため、走行中の移動体に給電するシステムにおいては、伝送モードにおける無線給電時間の短縮につながり、好ましくない。
本発明者らは、上記の考察に基づき、上記の課題を解決するための電圧切替回路の構成を検討した。本発明者らは、並列に接続された複数の半導体スイッチを、異なる位相で間欠駆動することにより、熱負荷を分散しながら突入電流を抑制できることに想到し、本開示の技術を完成させた。
以下、本開示の実施形態の概要を説明する。
本開示の一実施形態による電圧切替回路は、第1半導体スイッチと、第2半導体スイッチと、コンデンサと、駆動回路とを備える。前記第1半導体スイッチは、第1直流電源と負荷との間に接続される。前記第2半導体スイッチは、前記第1直流電源と前記負荷との間に接続され、かつ前記第1半導体スイッチに並列に接続される。前記コンデンサは、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記負荷との間において前記負荷に並列に接続される。前記駆動回路は、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを駆動する。前記駆動回路は、前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行うことによって前記コンデンサを充電した後、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの少なくとも一方を閉状態(すなわち導通状態)に固定する。
上記の構成によれば、前記駆動回路は、前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行う。このような動作により、第1半導体スイッチと第2半導体スイッチとでコンデンサ等の回路素子に大きい突入電流が流れることを抑制しつつ、熱負荷を分散しながらコンデンサへの充電を実現できる。その結果、電圧切替回路は、回路素子の破壊のリスクを低減しながらコンデンサの充電を実現できる。
また、電圧切替回路は、2つの半導体スイッチを異なる位相で駆動する(すなわち、2つの半導体スイッチの駆動タイミングをずらす)ことで、2つの半導体スイッチの独立した制御が可能となる。このため、半導体スイッチの閾値の違いや寄生インダクタンス、寄生容量の違いに起因する突入電流の違いを考慮した制御が可能となる。
上記の電圧切替回路は、前述のような無線電力伝送システムにおいて使用され得るが、必ずしもそのような用途で使用されるとは限らない。電圧切替回路は、出力電圧を変化させる任意の用途で使用され得る。例えば、負荷に第1電圧を印加する状態と負荷に電圧を印加しない状態とを切り替える電源回路に上記の電圧切替回路の構成を適用してもよい。
上記の電圧切替回路が前述のような無線電力伝送システムにおいて使用される場合、「負荷」は、例えばインバータ回路および送電電極などの、電圧切替回路の後段に接続される回路要素であり得る。電圧切替回路が他の用途で使用される場合、「負荷」は、使用時に直流電圧が印加される任意の機器であり得る。
前記電圧切替回路は、前記第1直流電源をさらに備えていてもよい。あるいは、前記第1直流電源は、前記電圧切替回路の外部の要素であってもよい。言い換えれば、電圧切替回路は、第1直流電源を内蔵した状態で製造または販売されてもよいし、第1直流電源を含まない状態で製造または販売されてもよい。
前記電圧切替回路は、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記コンデンサとの間において、前記コンデンサに並列に接続された第2直流電源およびダイオードをさらに備えていてもよい。前記ダイオードは、前記第2直流電源に直列に接続され、前記第2直流電源から前記負荷に向かう電流を通過させる。前記駆動回路は、前記負荷に前記第2電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの両方を開状態(すなわち非導通状態)にする。
上記の構成によれば、負荷に第2電圧が印加される状態と、負荷に第1電圧が印加される状態とを切り替えることができる。負荷に印加される電圧を第2電圧から第1電圧に増加させるときに、第1半導体スイッチおよび第2半導体スイッチが間欠的に駆動される。これにより、負荷に印加される電圧を第2電圧から第1電圧に増加させるときに生じ得る突入電流を抑制することができる。
前記駆動回路は、前記間欠駆動を行うとき、前記第1半導体スイッチが閉状態のときに前記第2半導体スイッチを開状態にし、前記第1半導体スイッチが開状態のときに前記第2半導体スイッチを閉状態にする動作を繰り返してもよい。このような制御により、動作を安定化させ、熱負荷の分散および突入電流の抑制を効果的に行うことができる。
前記電圧切替回路は、前記第2直流電源から出力される電流を計測する電流計測器をさらに備えていてもよい。前記駆動回路は、前記電流計測器の計測値に基づいて、前記間欠駆動を開始してもよい。例えば、前記駆動回路は、前記計測値が第1閾値を超えたときに前記間欠駆動を開始してもよい。このような制御により、例えば前述の移動体への無線電力伝送システムにおいて、移動体の接近を検知して間欠駆動を開始する動作が可能になる。
前記電流計測器は、前記第1直流電源から出力される電流をさらに計測してもよい。前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始した後、前記第1直流電源から出力される電流の計測値に基づいて、前記間欠駆動を終了してもよい。例えば、前記駆動回路は、前記第1直流電源から前記コンデンサに電流が流れているときに、前記電流の計測値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えたときに前記間欠駆動を終了してもよい。このような制御により、例えば前述の移動体への無線電力伝送システムにおいて、移動体における受電電極が送電電極と十分に重なったときに間欠駆動を終了して出力電圧を第1電圧に固定する動作が可能になる。
前記電圧切替回路は、前記コンデンサの電圧を計測する電圧計測器をさらに備えていてもよい。前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始した後、前記第1直流電源から出力される電流によって充電された前記コンデンサの電圧の計測値に基づいて、前記間欠駆動を終了してもよい。
前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始してから、予め設定された時間が経過したとき、前記間欠駆動を終了してもよい。例えば、前述の移動体への無線電力伝送システムにおいて、間欠駆動を開始してから受電電極が送電電極と十分に重なるまでの時間を予め記録しておき、その時間が経過したときに間欠駆動を終了して出力電圧を第1電圧に固定する、といった動作が可能である。
前記電圧切替回路は、移動体と、前記移動体に無線で電力を伝送する送電装置と、を備える無線電力伝送システムにおいて用いられ得る。前記送電装置は、前記電圧切替回路と、前記電圧切替回路から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記交流電力を空間に送出する複数の送電電極とを備え得る。前記移動体は、複数の送電電極から無線で電力を受け取る複数の受電電極を備え得る。前記駆動回路は、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの両方を開いた状態で、前記移動体が前記複数の送電電極に接近することに伴う前記複数の受電電極と前記複数の送電電極との重なり面積の増加を前記電流計測器の計測値に基づいて検出し、前記複数の受電電極が前記複数の送電電極に重なり始めたタイミングで前記間欠駆動を開始し、前記複数の受電電極の面積に対する前記複数の受電電極と前記複数の送電電極との重なり面積の割合が閾値を超えたとき、前記間欠駆動を終了してもよい。
上記の構成によれば、受電電極が送電電極に重なり始めたタイミングで間欠駆動が開始され、受電電極の面積に対する受電電極と送電電極との重なり面積の割合が閾値(例えば80%以上)を超えたとき、間欠駆動が終了する。その後、第1電圧が負荷(例えばインバータ回路等)に印加される。このような動作により、移動体の接近を検知するモードと、移動体に大電力を伝送するモードとの切り替えを効率的に行うことができる。
前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始してからの経過時間と前記重なり面積の割合との対応関係を規定するデータと、前記間欠駆動を開始してからの経過時間とに基づいて、前記間欠駆動を終了するタイミングを決定してもよい。前記間欠駆動を開始してからの経過時間と、前記重なり面積の割合との対応関係を規定するデータは、例えば電圧切替回路の内部または外部の記憶装置に予め記録され得る。この構成は、例えば送電電極に沿って移動する移動体の速度が既知である場合に有効である。このような構成により、受電電極と送電電極とが十分に重なったときに間欠駆動を終了して大電力を伝送するモードに適時に移行することができる。
なお、上記の各例における駆動回路は、複数の回路の集合体であってもよい。例えば、半導体スイッチがMOSFETである場合、MOSFETにゲート駆動信号を入力するゲート駆動回路と、当該ゲート駆動回路を制御する制御回路との組み合わせが「駆動回路」として機能し得る。
本開示の他の実施形態による送電装置は、移動体に無線で電力を伝送する。前記送電装置は、本開示のいずれかの実施形態による電圧切替回路と、前記電圧切替回路から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記交流電力を空間に送出する複数の送電電極とを備える。
本開示のさらに他の実施形態による無線電力伝送システムは、上記の送電装置と、前記複数の送電電極から無線で電力を受け取る複数の受電電極を備える移動体と、を備える。
本開示における「移動体」は、前述の無人搬送車(AGV)のような車両に限定されず、電力によって駆動される任意の可動物体を意味する。移動体には、例えば、電気モータおよび1以上の車輪を備える電動車両が含まれる。そのような車両は、例えば、前述のAGV、搬送ロボット、電気自動車(EV)、電動カート、電動車椅子であり得る。本開示における「移動体」には、車輪を有しない可動物体も含まれる。例えば、二足歩行ロボット、マルチコプターなどの無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle:UAV、所謂ドローン)、および有人の電動航空機、およびエレベータも、「移動体」に含まれる。受電装置は、このような移動体に限らず、例えば携帯電話機のような電子機器に搭載されてもよい。
以下、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する機能を有する構成要素については、同じ参照符号を付している。
(実施形態)
図10は、本開示の例示的な実施形態による電圧切替回路130(「電源装置」とも称する。)の構成を模式的に示す図である。この電圧切替回路130は、第1直流電源131と、第1半導体スイッチ132Aと、第2半導体スイッチ132Bと、第2直流電源136と、ダイオード137と、電解コンデンサ139と、ゲート駆動回路135とを備える。第1直流電源131は、第1電圧V1を出力する。第2直流電源136は、第1電圧よりも低い第2電圧V2を出力する。なお、本実施形態における電圧切替回路130は、第1直流電源131および第2直流電源136を含んでいるが、これらの一方または両方が電圧切替回路130の外部の要素であってもよい。
図10に示す電圧切替回路130は、図8の例とは異なり、制限抵抗133を備えておらず、2つの半導体スイッチ132Aおよび132Bが、単一のゲート駆動回路135によって駆動される。
なお、単一のゲート駆動回路135は1出力ではあるが、その出力の位相を反転させて2出力とする出力段を設けた駆動回路ICであってもよい。さらにこの2出力のデッドタイムを調整できるICであってもよい。
第1半導体スイッチ132Aは、第1直流電源131と負荷190との間に接続される。第2半導体スイッチ132Bは、第1直流電源131と負荷190との間に接続され、かつ第1半導体スイッチ132Aに並列に接続されている。負荷190は、例えば図7に示すインバータ回路160および送電電極120等の、電圧切替回路130の後段に接続される回路要素に相当する。電解コンデンサ139は、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bと負荷190との間において負荷190に並列に接続されている。第2直流電源136およびダイオード137は、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bと電解コンデンサ139との間において、電解コンデンサ139に並列に接続されている。ダイオード137は、第2直流電源136に直列に接続され、第2直流電源136から負荷190に向かう電流を通過させる。
この電圧切替回路130は、例えば図1から図6Cを参照して説明した無線電力伝送システムにおいて使用され得る。なお、電圧切替回路130は、無線電力伝送システム以外の用途でも使用され得る。例えば、単に電源のオン/オフのみを切り替える用途でも使用され得る。その場合、第2直流電源136およびダイオード137は省略され得る。
以下、特に断らない限り、電圧切替回路130が前述の無線電力伝送システムにおいて使用されるものとする。ゲート駆動回路135は、検知モードにおいて、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの両方を開(オフ)状態にし、負荷190に第2電圧を印加する。検知モードから伝送モードに移行するとき、すなわち、負荷190に印加する電圧を第2電圧V2から第1電圧V1に増加させるとき、ゲート駆動回路135は、まず、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行う。具体的には、ゲート駆動回路135は、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの各々に入力するゲート駆動信号を、短い周期で入力してオンとオフとを高速で切り替える。このとき、第1半導体スイッチ132Aに入力する第1ゲート駆動信号S1と、第2半導体スイッチ132Bに入力する第2ゲート駆動信号S2とで、位相に差異を設ける。これにより、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの熱負荷を分散しながら突入電流を抑制することができる。
また、このような動作により、位相制御により並列接続された2つの半導体スイッチ132A、132Bの独立した制御が可能となる。このため、各々の半導体スイッチの閾値、寄生インダクタンス、または寄生容量等の違いに起因する突入電流の違いを考慮した制御が可能となる。
ゲート駆動回路135は、間欠駆動によって電解コンデンサ139を充電した後、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの少なくとも一方を閉状態に固定する。これにより、負荷190に第1電圧V1を印加する伝送モードに移行する。
図11は、第1ゲート駆動信号S1および第2ゲート駆動信号S2の時間変化の例を模式的に示す図である。この例では、第1ゲート駆動信号S1の位相と第2ゲート駆動信号S2の位相とが逆である。すなわち、第1ゲート駆動信号S1のパルスが立ち上がるタイミングと、第2ゲート駆動信号S2のパルスが立ち上がるタイミングとが半周期ずれている。このため、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bは、短い周期Tで交互にオンになる。周期Tは、例えば100マイクロ秒(μs)程度であり得る。周期Tは、ゲート駆動信号がhigh状態になる1回のオン時間Tonと、ゲート駆動信号がlow状態になる1回のオフ時間Toffとの和である。オン時間Tonは、例えば25μs程度に設定され、オフ時間Toffは、例えば75μs程度に設定され得る。なお、オン時間Tonおよびオフ時間Toffは、この例に限定されず、用途に応じて任意に設定され得る。
ゲート駆動回路135は、第1ゲート駆動信号および第2ゲート駆動信号をそれぞれ出力する第1出力端子135aおよび第2出力端子135bを備える。ゲート駆動回路135は、例えば、外部の制御回路から入力された制御信号(例えばPWM信号)に基づいて第1ゲート駆動信号S1を生成し、第1ゲート駆動信号S1の位相を反転させることにより、第2ゲート駆動信号S2を生成することができる。ゲート駆動回路135は、第1ゲート駆動信号S1を第1出力端子135aから出力し、第2ゲート駆動信号S2を第2出力端子135bから出力する。この構成により、ゲート駆動回路135は、間欠駆動を行うとき、第1半導体スイッチ132Aが閉状態のときに第2半導体スイッチ132Bを開状態にし、第1半導体スイッチ132Aが開状態のときに第2半導体スイッチ132Bを閉状態にする動作を繰り返す。
ゲート駆動回路135は、上記の間欠駆動によって電解コンデンサ139が十分に充電されたタイミングで、間欠駆動を終了し、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの一方または両方をオンに固定する。電解コンデンサ139が十分に充電されたか否かは、例えば電圧切替回路130内の電流、または電圧切替回路130から出力される電流の計測値に基づいて判断され得る。その場合、電圧切替回路130の内部または外部に電流計測器が設けられる。電流計測器は、第1直流電源131または第2直流電源136から出力され、電解コンデンサ139または負荷190に流入する電流を計測する。ゲート駆動回路135は、電流計測器の計測値に基づいて、間欠駆動を開始したり終了したりすることができる。例えば、ゲート駆動回路135は、電流計測器によって計測された第2直流電源から出力される電流の計測値に基づいて、間欠駆動を開始してもよい。また、ゲート駆動回路135は、間欠駆動を開始した後、電流計測器によって計測された第1直流電源131から出力された電流の計測値に基づいて、間欠駆動を終了してもよい。あるいは、ゲート駆動回路135は、間欠駆動を開始してから、予め設定された時間が経過したとき、間欠駆動を終了してもよい。
電圧切替回路130は、電解コンデンサ139の電圧を計測する電圧計測器をさらに備えていてもよい。ゲート駆動回路135は、間欠駆動を開始した後、電圧計測器によって計測された、第1直流電源から出力される電流によって充電された電解コンデンサ139の電圧の計測値に基づいて間欠駆動を終了してもよい。
ゲート駆動回路135は、間欠駆動を終了すると、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの一方または両方をオンに固定する。これにより、伝送モードに移行する。以後、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの一方または両方を経由して負荷190に第1電圧V1が印加される。
このように、本実施形態におけるゲート駆動回路135は、第1半導体スイッチ132Aと第2半導体スイッチ132Bを、共通のゲート駆動信号(ただし位相が異なる)で制御する。このため、簡単な構成のゲート駆動回路135で、熱負荷を分散しながら突入電流を抑制することができる。2つの半導体スイッチ132Aおよび132Bを用いることにより、図9に示す例と比較して、間欠駆動に要する時間を短縮することができる。このため、検知モードから伝送モードに切り替えるまでの時間を短縮し、充電効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、図8に示すような制限抵抗133を設けることなく、突入電流を抑制することができる。このため、電圧切替回路130を小型化することができる。
なお、本実施形態においても、図8に示す例のように、制限抵抗を設けてもよい。制限抵抗は、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bの一方または両方に直列に接続され得る。制限抵抗を設ける場合、制限抵抗を用いない場合に比べて電圧切替回路130の小型化が難しくなるが、図8に示した従来例と比較して、より小さい抵抗を用いることが可能となる。そして、電圧切替回路130は、制限抵抗を用いることにより、突入電流の抑制効果をより高めることができる。
さらに、本実施形態のように、第1半導体スイッチ132Aと第2半導体スイッチ132Bとをオンにするタイミングをずらすことにより、回路内で過渡的に大電流が発生することを抑制することができる。このため、半導体スイッチの並列駆動時の課題を解決し、スイッチング動作を安定化させ、発熱および突入電流を効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態における電圧切替回路130による効果をより詳細に説明する。本発明者らは、本実施形態の電圧切替回路130の効果を検証する数値実験を行った。数値実験では、図9に示す比較例の構成と、本実施形態の電圧切替回路130の構成のそれぞれについて、間欠駆動が行われているときの突入電流の大きさを評価した。
図12は、数値実験において用いられた比較例における電圧切替回路130の回路構成を示す図である。この構成は、第2直流電源136およびダイオード137が省略され、半導体スイッチ132にゲート抵抗134が接続されている点を除き、図9に示す構成と同様である。本実験では、第1直流電源131は200Vの直流電圧源であり、ゲート抵抗134の抵抗値は3.5kΩであり、電解コンデンサ139の容量は900μFであり、電圧切替回路130は20Ωの負荷190に接続されているものとした。負荷190は、例えば図7に示すインバータ回路160および送電電極120等に相当する。半導体スイッチ132のゲートに入力されるゲート駆動パルスの周期は100μs(オン時間:25μs、オフ時間:75μs)とした。
図13は、数値実験において用いられた本実施形態における電圧切替回路130の回路構成を示す図である。この構成は、第2直流電源136およびダイオード137が省略され、第1半導体スイッチ132Aおよび第2半導体スイッチ132Bにゲート抵抗134Aおよび134Bがそれぞれ接続されている点を除き、図10に示す構成と同様である。第1直流電源131、電解コンデンサ139、および負荷190のパラメータは図12の構成と同じである。ゲート抵抗134Aおよび134Bのそれぞれの抵抗値は7kΩとした。図13の構成では、並列に接続された2つの半導体スイッチ132Aおよび132Bが交互に間欠駆動される。半導体スイッチ132Aおよび132Bの各々に入力されるゲート駆動パルスの周期は100μs(オン時間:25μs、オフ時間:75μs)とした。
図14は、図12に示す構成において、半導体スイッチ132を間欠的に駆動しているときの電解コンデンサ139に流入する電流と、電解コンデンサ139の電圧の時間変化の例を示している。この例では、最大で約150Aの突入電流が発生した。駆動開始から1msまでの半導体スイッチ132の平均損失は15Wであった。電解コンデンサ139の電圧は、約15msで飽和した。半導体スイッチ132として一般的に用いられるMOSFETの安全動作領域(Safety Operating Area: SOA)および熱抵抗を考慮すると、この構成では、半導体スイッチ132への熱負荷が大きく、故障のリスクが大きいことが確認された。
図15は、図13に示す実施形態の構成において、2つの半導体スイッチ132を交互に間欠的に駆動しているときの電解コンデンサ139に流入する電流と、電解コンデンサ139の電圧の時間変化の例を示している。図15の下の図は、上の図において長方形で囲まれた部分を拡大した図である。この例では、突入電流は最大でも80A以下に抑えられている。また、半導体スイッチ132Aおよび132Bのそれぞれの駆動開始から1msまでの平均損失は2.8Wであった。電解コンデンサ139の電圧は、図14に示す比較例と同様、約15msで飽和し、充電が完了することがわかる。このように、本実施形態の構成によれば、突入電流および発熱を抑制することができ、かつ短時間充電を実現できることが確認された。
本発明者らは、比較のため、図13に示す実施形態と同じ条件で、一方の半導体スイッチ132Aのみを駆動した比較例についても解析を行った。図16は、当該比較例において、半導体スイッチ132Aを間欠的に駆動しているときの電解コンデンサ139に流入する電流と、電解コンデンサ139の電圧の時間変化の例を示している。この例では、突入電流および損失は低く抑えられる。しかし、充電電圧に関しては、15msの時点で半分程度の充電しかできていないことがわかる。この構成では、電流量が小さすぎて充電に長い時間を要することが確認された。
以上の結果から、本実施形態のように、互いに並列に接続された半導体スイッチ132Aおよび132Bを並列に配置し、それらを交互に間欠的に駆動することにより、突入電流および発熱を効果的に抑制することができ、かつ電解コンデンサ139を短時間で充電できることが確認された。これにより、例えば前述の無線電力伝送システムに適用した場合に、検知モードから伝送モードへの切り替えを短時間で実行することが可能である。これにより、突入電流を十分に抑制しつつ、検知モードから伝送モードへの切替を短時間に実行することで、移動体が走行中に充電する時間を十分に確保することができる。
次に、本実施形態における電圧切替回路130の変形例を説明する。
上記の実施形態では、電圧切替回路130は、2つの半導体スイッチ132Aおよび132Bを備えている。半導体スイッチの数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。
図17は、互いに並列に接続された3つの半導体スイッチ132A、132B、132Cを備える電圧切替回路130の例を示す図である。この例では、ゲート駆動回路135は、3つの半導体スイッチ132A、132B、132Cのゲートにゲート駆動信号S1、S2、S3をそれぞれ入力する。ゲート駆動回路135は、負荷に第1電圧V1を印加するとき、まず、3つの半導体スイッチ132A、132B、132Cを交互に間欠的に駆動する。この間欠駆動によって電解コンデンサ139が十分に充電されたタイミングで、ゲート駆動回路135は、間欠駆動を終了し、半導体スイッチ132A、132B、132Cのいずれか1つ以上を閉状態に固定する。
図18は、ゲート駆動信号S1、S2、S3の時間波形の例を示す図である。この例におけるゲート駆動信号S1、S2、S3は、3分の1周期ずつ位相がずれている。各ゲート駆動信号のデューティ比(Ton/Ton+Toff)は、この例では約33%である。このため、3つの半導体スイッチ132A、132B、132Cがオンになるタイミングは異なる。このような制御により、個々の半導体スイッチの制御を簡単にし、かつ熱負荷をさらに分散させながら、突入電流を抑制し、短時間で電解コンデンサ139を充電することができる。
電圧切替回路130は、4つ以上の半導体スイッチを備えていてもよい。4つ以上のスイッチを交互に間欠駆動することにより、熱負荷をさらに分散させることが可能である。
次に、電圧切替回路130を無線電力伝送システムの送電装置に適用した実施形態を説明する。無線電力伝送システムは、図1から図6Cに示す例と同様、移動体に無線で電力を伝送するシステムである。無線電力伝送システムは、1台以上の送電装置と、1台以上の移動体とを備える。
図19は、無線電力伝送システムの構成例を示すブロック図である。この無線電力伝送システムは、送電装置100と、移動体200とを備える。図19には、無線電力伝送システムの外部の要素である交流電源400も示されている。
送電装置100は、送電回路110と、2つの送電電極120と、計測器140と、送電制御回路150とを備える。送電回路110は、電圧切替回路130と、インバータ回路160と、整合回路180とを備える。
電圧切替回路130は、交流電源400から出力された交流電力を直流電力に変換してインバータ回路160に変換後の直流電力を供給する。電圧切替回路130は、例えば図10、または図17に示す構成を備える。電圧切替回路130におけるゲート駆動回路135は、送電制御回路150によって制御される。
インバータ回路160は、電圧切替回路130から出力された直流電力を交流電力に変換して出力する。図20は、インバータ回路160の構成例を模式的に示す図である。この例では、インバータ回路160は、4つのスイッチング素子を含むフルブリッジ型のインバータ回路である。各スイッチング素子は、例えばIGBT、MOSFET、またはGaN等のトランジスタによって実現され得る。各スイッチング素子は、送電制御回路150によって制御される。送電制御回路150は、各スイッチング素子のオン(導通)およびオフ(非導通)の状態を制御する制御信号を出力するゲートドライバと、ゲートドライバに駆動信号を出力させるマイクロコントローラ(MCU)等のプロセッサとを備え得る。送電制御回路150は、各スイッチング素子のオンおよびオフの状態を制御することにより、インバータ回路160から所望の周波数および電圧を有する交流電力を出力させる。図示されるフルブリッジ型のインバータ回路の代わりに、ハーフブリッジ型のインバータ回路、または、E級などの他の種類の発振回路を用いてもよい。
電力伝送の周波数は、例えば50Hz~300GHz、ある例では20kHz~10GHz、他の例では20kHz~20MHz、さらに他の例では80kHz~14MHzに設定され得る。ただしこれらの周波数範囲に限定されない。
整合回路180は、インバータ回路160と送電電極120との間のインピーダンスを整合させる。図21Aから図21Dは、整合回路180の構成例を示す図である。
図21Aは、整合回路180の第1の例を示す図である。この例における整合回路180は、第1のインダクタLt1と、第2のインダクタLt2と、キャパシタCt1とを備える。第1のインダクタLt1は、送電電極120aと、インバータ回路160の第1の端子60aとの間に直列回路素子として接続される。第2のインダクタLt2は、送電電極120bと、インバータ回路160の第2の端子60bとの間に直列回路素子として接続される。キャパシタCt1は、送電電極120aとインダクタLt1との間の配線と、送電電極120bとインダクタLt2との間の配線との間に並列回路素子として接続される。
第1のインダクタLt1と第2のインダクタLt2とは磁気的に結合する。これらのインダクタの結合係数kは、例えば-1<k<0を満足する値に設定され得る。第1のインダクタLt1および第2のインダクタLt2は、コモンモードチョークフィルタとしての機能を果たすことが可能である。その場合、電力伝送に用いられる周波数、および低次の高調波帯域でのコモンモードノイズを低減することができる。そのような構成では、第1のインダクタLt1、第2のインダクタLt2、および第1のキャパシタCt1によって構成される共振器を「コモンモードチョーク共振器」と称することがある。
図21Bは、整合回路180の第2の例を示す図である。この整合回路180は、図21Aに示す構成に加えて、第2のキャパシタCt2と、第3のキャパシタCt3と、第3のインダクタLt3とをさらに備える。第2のキャパシタCt2は、第1のインダクタLt1と第1の端子60aとの間に直列回路素子として接続される。第3のキャパシタCt3は、第2のインダクタLt2と第2の端子60bとの間に直列回路素子として接続される。第3のインダクタLt3は、第1のインダクタLt1と第2のキャパシタCt2との間の配線と、第2のインダクタLt2と第3のキャパシタCt3との間の配線との間に並列回路素子として接続される。この構成は、図21Aに示す整合回路180の構成の前段に、対称的な回路構成を有するハイパスフィルタが追加された構成であると言える。このような構成によれば、伝送効率をさらに向上させることができる。
図21Cは、整合回路180の第3の例を示す図である。この整合回路180は、図21Aに示す構成に加えて、第2のキャパシタCt2と、第3のインダクタLt3とをさらに備える。第2のキャパシタCt2は、第1のインダクタLt1と第1の端子60aとの間に直列回路素子として接続される。第3のインダクタLt3は、第1のインダクタLt1と第2のキャパシタCt2との間の配線と、第2のインダクタLt2と第2の端子60bとの間の配線との間に並列回路素子として接続される。この構成は、図21Aに示す整合回路180の構成の前段に、非対称な回路構成を有するハイパスフィルタが追加された構成であると言える。図21Bの構成と比較して、回路の正負対称性は低下するが素子数を削減することが可能である。このような構成によっても伝送効率をさらに向上させることができる。
図21Dは、整合回路180の第4の例を示す図である。この整合回路180は、図21Aに示す構成に加えて、第3のインダクタLt3と、第2のキャパシタCt2とをさらに備える。第3のインダクタLt3は、第1のインダクタLt1と第1の端子60aとの間に直列回路素子として接続される。第2のキャパシタCt2は、第1のインダクタLt1と第3のインダクタLt3との間の配線と、第2のインダクタLt2と第2の端子60bとの間の配線との間に並列回路素子として接続される。この構成は、図21Aに示す整合回路180の構成の前段に、非対称な回路構成を有するローパスフィルタが追加された構成であると言える。このような構成によっても伝送効率をさらに向上させることができる。
以上の各例における整合回路180は、図示されている回路素子以外にも、他の回路素子、例えばフィルタ機能を果たす回路網などを含んでいてもよい。また、各図において、1つのインダクタまたは1つのキャパシタとして表現された素子は、複数のインダクタまたは複数のキャパシタの集合体であってもよい。
計測器140は、電圧切替回路130の出力電流を計測する電流計測器と、電圧切替回路130の出力電圧を計測する電圧計測器とを含み得る。送電制御回路150は、計測器140によって計測された電流の変化に基づいて、移動体200の接近を検知し、前述の検知モードから伝送モードに移行することができる。送電制御回路150は、計測器140によって計測された電圧、すなわち、図10に示す電解コンデンサ139の電圧の計測値に基づいて検知モードから伝送モードに移行するタイミングを決定してもよい。送電制御回路150は、電圧切替回路130におけるゲート駆動回路135に、モードの切り替えを指示する制御信号を送る。ゲート駆動回路135は、送電制御回路150からの制御信号に応答して、ゲート駆動信号を生成して各半導体スイッチに入力する。なお、計測器140は、電圧切替回路130に含まれていてもよい。その場合、計測器140は、例えばコンデンサ139に流入する電流およびコンデンサ139の電圧の少なくとも一方を計測してもよい。また、ゲート駆動回路135が送電制御回路150の一部または全部の機能を兼ねていてもよい。
移動体200は、複数の受電電極220と、受電回路210と、充放電制御回路310と、電気モータ320と、蓄電デバイス330とを備える。受電回路210は、整合回路280と、整流回路260とを備える。
整合回路280は、受電電極220と整流回路260との間のインピーダンスを整合させる。整合回路280は、例えば図21Aから図21Dを参照して説明した整合回路180と同様の構成を備え得る。移動体200における整合回路280には、図21Aから図21Dの各構成例において入力側(図の左側)と出力側(図の右側)とを反転させた構成を採用することができる。
整流回路260は、整合回路280から出力された交流電力を直流電力に変換する。図22は、整流回路260の構成例を模式的に示す図である。この例における整流回路260は、ダイオードブリッジと平滑コンデンサとを含む全波整流回路である。整流回路260は、例えば半波整流回路などの、他の構成を有していてもよい。整流回路260は、受け取った交流エネルギーを蓄電デバイス330およびモータ320などの負荷が利用可能な直流エネルギーに変換する。
充放電制御回路310は、受電回路210と蓄電デバイス330との間に接続され、蓄電デバイス330の充電および放電を制御する。
電気モータ320は、充放電制御回路310に接続され、蓄電デバイス330に蓄積されたエネルギーによって駆動される。モータ320は、例えば直流モータ、永久磁石同期モータ、誘導モータ、ステッピングモータ、またはリラクタンスモータなどの、任意のモータであり得る。モータ320は、シャフトおよびギア等を介して移動体の車輪を回転させ、移動体200を移動させる。モータの種類に応じて、整流回路、インバータ回路、インバータ制御回路などの、各種の回路がモータ320の前段に設けられ得る。
蓄電デバイス330は、例えば二次電池または蓄電用のキャパシタであり得る。二次電池として、例えばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池を用いることができる。蓄電用のキャパシタは、例えば電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタなどの、高容量かつ低抵抗のキャパシタであり得る。移動体200は、キャパシタまたは二次電池に蓄えられた電力によってモータ320を駆動して移動する。
本実施形態における移動体200の筐体、送電電極120、および受電電極220のそれぞれのサイズは、特に限定されないが、例えば以下のサイズに設定され得る。各送電電極120の長さ(すなわちY方向のサイズ)は、例えば50cm~20mの範囲内に設定され得る。各送電電極120のそれぞれの幅(すなわちX方向のサイズ)は、例えば5cm~2mの範囲内に設定され得る。移動体200の筐体の移動方向および横方向におけるそれぞれのサイズは、例えば20cm~5mの範囲内に設定され得る。送電電極120から同時に2台以上の移動体200に給電できるように、移動体200の筐体の移動方向におけるサイズは、各送電電極120の長さの半分未満に設定されてもよい。受電電極220aの長さ(すなわち移動方向におけるサイズ)は、例えば5cm~2mの範囲内に設定され得る。受電電極220aの幅(すなわち横方向におけるサイズ)は、例えば2cm~2mの範囲内に設定され得る。送電電極120間のギャップ、および受電電極220間のギャップは、例えば1mm~40cmの範囲内に設定され得る。但し、これらの数値範囲に限定されない。
次に、検知モードにおいて送電装置100が移動体200の接近を検知し、伝送モードに切り替える動作をより詳細に説明する。
図23は、移動体200の受電電極220と、送電装置100の送電電極120との重なりの程度と動作モードの切り替えタイミングとの関係を模式的に示す図である。図23には、受電電極220と送電電極120との重なりの程度と、ゲート駆動信号および電源電圧(すなわち電解コンデンサ139の電圧)の時間変化との関係も例示されている。
検知モードにおいて、図23の(1)に示すように、送電電極120が配置された送電エリア内に移動体200が進入すると、受電電極220と送電電極120との重なりが発生する。すると、計測器140によって計測された電流または電圧の計測値が増加する。送電制御回路150は、この電流または電圧の増加を検知すると、電圧切替回路130におけるゲート駆動回路135に、各半導体スイッチの間欠駆動の開始を指示する。ゲート駆動回路135は、この指示に従い、各半導体スイッチを間欠駆動する。間欠駆動に伴い、電解コンデンサ139が徐々に充電され、電源電圧が次第に増加する。図23の(2)に示すように、受電電極220が送電電極120に完全に重なると、送電制御回路150は、間欠駆動を終了し、伝送モードに移行するようにゲート駆動回路135に指示する。ゲート駆動回路135は、この指示を受けて、間欠駆動を終了し、半導体スイッチのいずれかまたは全部を閉状態に固定する。これにより、伝送モードに移行する。
図24に移動体200が送電電極120に進入するときのタイムシーケンスの例を示す。この例では、受電電極220のY軸方向の長さを0.6mとし、送電電極120のY軸方向の長さを4mと仮定している。また、検知モードにおいて第2直流電源136から出力される電圧を12Vと設定し、移動体200が電極重なりがない場所に位置するときの検知モード電流を35mAとしている(図24におけるシーケンス(1))。この状態から、図23の(1)の状態のように、移動体200が送電電極120上に進入した場合、重なり面積が増加し、検知モードでの電流が増加し始める(シーケンス(2))。この場合の検知電流は電極同士の重なり面積が大きくなるにつれて増加する。例えば図24の例では重なり面積が80%のときに検知モードの電流値が10倍の350mAとなっている。この値を閾値として設定することで、検知モード電流に基づいて、重なり面積が80%に達したときに伝送モードへ移行させることができる(シーケンス(2)から(3))。なお、図24の例では伝送モード時の電圧は200Vと仮定している。
伝送モード移行後は半導体スイッチ132Aおよび132Bの交互間欠駆動により突入電流を抑制しつつ、速やかに電解コンデンサ139を充電する。電解コンデンサ139の充電完了後、間欠駆動を終了し、半導体スイッチ132Aおよび132Bの少なくとも一方をオン(閉)にすることにより、インバータ動作を開始し無線電力伝送を開始できる状態になる(シーケンス(3)から(4))。
このように、本実施形態においては、検知モードにおける電流値に基づいて送電電極120と受電電極220との重なり面積を推定することが可能である。その重なり面積に応じた検知電流を閾値として設定しておき、検知電流が設定された閾値に達したとき、伝送モード移行時の間欠駆動開始トリガーとすることができる。
図24の例では、移動体200の走行速度を2m/sと仮定している。また、Y軸方向の受電電極220の長さを0.6m(60cm)、送電電極120の長さを4mと仮定している。この場合、受電電極220が送電電極120と重なり始める図23(1)の状態から240ms後に80%の重なりとなる。この状態を検知モードでの電流値の閾値(350mA)で検知して、間欠駆動モードで移行している。
間欠駆動終了のタイミングは、電解コンデンサ139に流入する電流や電圧を計測器140によってモニタリングすることで、その突入電流抑制と充電状態を確認して決めることも可能である。
つまり、伝送モード移行直後の200V印加時の電解コンデンサ139の充電電圧を測定し、充電が完了したことを検知して間欠駆動を終了することができる。また、伝送モード移行直後の突入電流が十分小さくなったことを測定値から確認し、それを間欠駆動終了のトリガーとすることができる。
ただし、本実施形態における間欠駆動では、図15に示したように、例えば15ms程度の短い時間内に電解コンデンサ139の充電が完了する。よって、この時間以上間欠駆動モードを持続すれば突入電流を抑制できる。
図24の例では、間欠駆動にかかる時間を20msに設定している。よって、図23(1)の重なりが発生した状態から260ms後に間欠駆動が終了し、伝送モードへ移行し無線電力伝送を開始することになる。その時の重なり面積は約87%である。
このように、本実施形態においては必ずしも重なり面積100%の状態において伝送モードを開始しなくてもよい。無線電力伝送が成立し、システム設計(ロバスト設計)上可能であれば、例えば80%以上の重なり面積で伝送モードを開始してもよい。
このようなシーケンスで伝送モードを開始することで、走行中給電時間を確保しより効率的な無線電力伝送による給電を実現できる。
よって、重なり面積の割合は、例えば移動体200の走行速度と時間とから、推定することができる。間欠駆動を開始してからの経過時間と、重なり面積の割合との対応関係を規定するデータを予め記憶装置に記録しておいてもよい。その場合、送電制御回路150またはゲート駆動回路135は、当該データと、間欠駆動を開始してからの経過時間とに基づいて、間欠駆動を終了するタイミングを決定してもよい。
なお、間欠駆動の終了期間は、上記の経過時間により制御することができるが、電解コンデンサの充電電圧や電流値をモニタリングする上記手法と組み合わせてもよい。
本実施形態によれば、計測器140によって計測された電流または電圧に基づいて、間欠駆動の期間が決定され得る。伝送モードに移行した後は、電解コンデンサ139が十分に充電されているので、過度の突入電流が流れることなく、すぐに伝送モードによる本送電を開始することができる。
以上の実施形態では、送電電極120は、地面または床面に敷設されているが、送電電極120は、壁などの側面、または天井などの上面に敷設されていてもよい。送電電極120が敷設される場所および向きに応じて、移動体200の受電電極220の配置および向きが決定される。
図25Aは、送電電極120が壁などの側面に敷設された例を示している。この例では、受電電極220は、移動体200の側方に配置される。図25Bは、送電電極120が天井に敷設された例を示している。この例では、受電電極220は、移動体200の天板に配置される。これらの例のように、送電電極120および受電電極220の配置には様々なバリエーションがある。
本開示の実施形態における無線電力伝送システムは、前述のように、例えば倉庫または工場内における物品の搬送用のシステムとして利用され得る。移動体200は、物品を積載する荷台を有し、工場内を自律的に移動して物品を必要な場所に搬送する台車として機能する。しかし、本開示における無線電力伝送システムおよび移動体は、このような用途に限らず、他の様々な用途に利用され得る。例えば、移動体は、AGVに限らず、他の産業機械、サービスロボット、電気自動車、マルチコプター(ドローン)等であってもよい。無線電力伝送システムは、工場または倉庫に限らず、例えば、店舗、病院、家庭、道路、滑走路その他のあらゆる場所で利用され得る。
本開示の技術は、電力によって駆動される任意の機器に利用できる。例えば、無人搬送車(AGV)などの電動の移動体に無線で電力を伝送する送電装置に利用できる。
30 床面
40 棚
100 送電装置
110 送電回路
120 送電電極
120S 送電電極シート
130 電圧切替回路
131 第1直流電源
132 半導体スイッチ
133 制限抵抗
134 ゲート抵抗
135 ゲート駆動回路
136 第2直流電源
137 ダイオード
139 電解コンデンサ
140 計測器
150 送電制御回路
160 インバータ回路
180 整合回路
190 負荷
200 移動体
210 受電回路
220 受電電極
230 負荷
260 整流回路
280 整合回路
310 充放電制御回路
320 電気モータ
330 蓄電デバイス
400 電源

Claims (11)

  1. 第1直流電源と負荷との間に接続される第1半導体スイッチと、
    前記第1直流電源と前記負荷との間に接続される第2半導体スイッチであって、前記第1半導体スイッチに並列に接続された第2半導体スイッチと、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記負荷との間において前記負荷に並列に接続されるコンデンサと、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを駆動する駆動回路と、
    を備え、
    前記駆動回路は、前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行うことによって前記コンデンサを充電した後、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの少なくとも一方を閉状態に固定する、
    電圧切替回路。
  2. 前記駆動回路は、前記間欠駆動を行うとき、前記第1半導体スイッチが閉状態のときに前記第2半導体スイッチを開状態にし、前記第1半導体スイッチが開状態のときに前記第2半導体スイッチを閉状態にする動作を繰り返す、請求項1に記載の電圧切替回路。
  3. 前記第1直流電源
    をさらに備える請求項1または2に記載の電圧切替回路。
  4. 前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記コンデンサとの間において、前記コンデンサに並列に接続された第2直流電源およびダイオード
    をさらに備え、
    前記ダイオードは、前記第2直流電源に直列に接続され、前記第2直流電源から前記負荷に向かう電流を通過させ、
    前記駆動回路は、前記負荷に前記第2電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの両方を開状態にする、
    請求項1から3のいずれかに記載の電圧切替回路。
  5. 前記第2直流電源から出力される電流を計測する電流計測器をさらに備え、
    前記駆動回路は、前記電流計測器の計測値に基づいて、前記間欠駆動を開始する、
    請求項4に記載の電圧切替回路。
  6. 前記電流計測器は、前記第1直流電源から出力される電流をさらに計測し、
    前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始した後、前記第1直流電源から出力される電流の計測値に基づいて、前記間欠駆動を終了する、
    請求項5に記載の電圧切替回路。
  7. 前記コンデンサの電圧を計測する電圧計測器をさらに備え、
    前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始した後、前記第1直流電源から出力される電流によって充電された前記コンデンサの電圧の計測値に基づいて、前記間欠駆動を終了する、
    請求項5に記載の電圧切替回路。
  8. 前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始してから、予め設定された時間が経過したとき、前記間欠駆動を終了する、請求項1から4のいずれかに記載の電圧切替回路。
  9. 移動体と、前記移動体に無線で電力を伝送する送電装置と、を備える無線電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、電圧切替回路と、前記電圧切替回路から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記交流電力を空間に送出する複数の送電電極と、を備え、
    前記移動体は、複数の送電電極から無線で電力を受け取る複数の受電電極を備え、
    前記電圧切替回路は、
    第1電圧を出力する第1直流電源と負荷との間に接続され、
    前記第1直流電源と前記負荷との間に接続される第1半導体スイッチと、
    前記第1直流電源と負荷との間に接続される第2半導体スイッチであって、前記第1半導体スイッチに並列に接続された第2半導体スイッチと、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記負荷との間において前記負荷に並列に接続されるコンデンサと、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを駆動する駆動回路と、
    を備え、
    前記駆動回路は、
    前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行うことによって前記コンデンサを充電した後、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの少なくとも一方を閉状態に固定し、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの両方を開いた状態で、
    前記移動体が前記複数の送電電極に接近することに伴う前記複数の受電電極と前記複数の送電電極との重なり面積の増加を前記電流計測器の計測値に基づいて検出し、
    前記複数の受電電極が前記複数の送電電極に重なり始めたタイミングで前記間欠駆動を開始し、
    前記複数の受電電極の面積に対する前記複数の受電電極と前記複数の送電電極との重なり面積の割合が閾値を超えたとき、前記間欠駆動を終了する、
    無線電力伝送システム。
  10. 前記駆動回路は、前記間欠駆動を開始してからの経過時間と、前記重なり面積の割合との対応関係を規定するデータと、前記間欠駆動を開始してからの経過時間とに基づいて、前記間欠駆動を終了するタイミングを決定する、請求項9に記載の無線電力伝送システム。
  11. 移動体に無線で電力を伝送する送電装置であって、
    電圧切替回路と、
    前記電圧切替回路から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
    前記交流電力を空間に送出する複数の送電電極と、
    を備え、
    前記電圧切替回路は、
    第1電圧を出力する第1直流電源と負荷との間に接続され、
    前記第1直流電源と前記負荷との間に接続される第1半導体スイッチと、
    前記第1直流電源と負荷との間に接続される第2半導体スイッチであって、前記第1半導体スイッチに並列に接続された第2半導体スイッチと、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチと前記負荷との間において前記負荷に並列に接続されるコンデンサと、
    前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを駆動する駆動回路と、
    を備え、
    前記駆動回路は、
    前記負荷に前記第1電圧を印加するとき、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチを、異なる位相で間欠的に開閉する間欠駆動を行うことによって前記コンデンサを充電した後、前記第1半導体スイッチおよび前記第2半導体スイッチの少なくとも一方を閉状態に固定する、
    送電装置。
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