JPWO2017098592A1 - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

良好な触感を提供できる電子機器を提供することを課題とする。電子機器は、操作面を有するトップパネルと、前記操作面に行われる操作入力の位置を検出する位置検出部と、前記トップパネルに取り付けられ、前記操作面に振動を発生させる振動素子と、前記操作面に超音波帯の固有振動を発生させる駆動信号で前記振動素子を駆動する駆動制御部であって、前記操作面への操作入力の位置及び当該位置の時間的変化度合に応じて、前記固有振動の強度が変化するように前記振動素子を駆動する駆動制御部とを含み、前記固有振動の振幅が変化する方向における前記振動素子の幅は、前記トップパネルの曲げ剛性と、前記トップパネルに前記振動素子が取り付けられている部分における前記トップパネル及び前記振動素子の曲げ剛性との比に基づいて設定される。

Description

本発明は、電子機器に関する。
従来より、座標入力面と、前記座標入力面の下側に位置する表示部に画像として表示させる操作部品を生成する操作部品生成部と、前記座標入力面を振動させるための振動を生成する振動生成部と、前記振動生成部の駆動制御を行う駆動制御部とを含むタッチパネル装置がある。前記駆動制御部は、前記操作部品の位置に応じた波形の定在波を発生させる駆動パターンで前記振動生成部の駆動制御を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−238222号公報
従来のタッチパネル装置では、振動生成部は表面基板に取り付けられる。表面基板のうち、振動生成部が取り付けられる部分と、振動生成部が取り付けられない部分とでは、剛性が異なるため、振動特性が異なる。
しかしながら、従来のタッチパネル装置は、このような剛性の違いを考慮していない。
このため、従来のタッチパネル装置では、良好な触感を提供できないおそれがある。
そこで、良好な触感を提供できる電子機器を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の電子機器は、操作面を有するトップパネルと、前記操作面に行われる操作入力の位置を検出する位置検出部と、前記トップパネルに取り付けられ、前記操作面に振動を発生させる振動素子と、前記操作面に超音波帯の固有振動を発生させる駆動信号で前記振動素子を駆動する駆動制御部であって、前記操作面への操作入力の位置及び当該位置の時間的変化度合に応じて、前記固有振動の強度が変化するように前記振動素子を駆動する駆動制御部とを含み、前記固有振動の振幅が変化する方向における前記振動素子の幅は、前記トップパネルの曲げ剛性と、前記トップパネルに前記振動素子が取り付けられている部分における前記トップパネル及び前記振動素子の曲げ剛性との比に基づいて設定される。
良好な触感を提供できる電子機器を提供することができる。
実施の形態の電子機器を示す斜視図である。 実施の形態の電子機器を示す平面図である。 図2に示す電子機器のA−A矢視断面を示す図である。 超音波帯の固有振動によってトップパネルに生じる定在波のうち、トップパネルの短辺に平行に形成される波頭を示す図である。 電子機器のトップパネルに生じさせる超音波帯の固有振動により、操作入力を行う指先に掛かる動摩擦力が変化する様子を説明する図である。 トップパネルに発生する定在波を説明する図である。 実施の形態の電子機器の構成を示す図である。 メモリに格納されるデータを示す図である。 実施の形態の電子機器の駆動制御装置の駆動制御部が実行する処理を示すフローチャートである。 実施の形態の電子機器の動作例を示す図である。 実施の形態の電子機器の動作例を示す図である。 トップパネルにおける振動素子の位置とトップパネルの変位及び曲率を示す図である。 トップパネルにおける振動素子の位置とトップパネルの変位及び曲率を示す図である。 トップパネルと振動素子が曲がる様子を説明する図である。 トップパネルと振動素子が曲がる様子を説明する図である。 トップパネルと振動素子が曲がている状態を示す図である。 剛性比に対する振動素子の幅/波長との関係を示す図である。 両端に自由端を有する梁の1次共振モードを示す図である。 トップパネルに振動素子を重ねて取り付けた区間を示す図である。 有限要素解析により振動素子の幅の値を変えて得られるトップパネルの固有振動の振幅の値をプロットした図である。 解析結果の振動形状の一例を示す図である。 トップパネルの端部から2つ目の腹の位置に振動素子を配置した場合の振動素子の幅に対する固有振動の振幅を示す図である。 トップパネルの端部に振動素子を配置した場合の解析結果を示す図である。 振動素子の幅に対する固有振動の振幅を示す図である。 最大の振幅が得られる振動素子の幅を剛性比に対してプロットした結果を示す図である。 剛性比に対する振動素子の幅/波長の関係をプロットした特性を示す図である。 剛性比に対する振動素子の幅/波長の関係をプロットした特性を示す図である。 実施の形態の変形例の電子機器の断面を示す図である。 実施の形態の変形例の電子機器を示す図である。 実施の形態の変形例の電子機器のタッチパッドの断面を示す図である。 実施の形態の変形例の電子機器の動作状態を示す平面図である。
以下、本発明の電子機器を適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の電子機器100を示す斜視図である。
電子機器100は、一例として、タッチパネルを入力操作部とする、スマートフォン端末機、タブレット型コンピュータ、又は、ゲーム機等である。電子機器100は、タッチパネルを入力操作部とする機器であればよいため、例えば、携帯情報端末機、又は、ATM(Automatic Teller Machine)のように特定の場所に設置されて利用される機器であってもよい。また、電子機器100は、車載用の入力装置であってもよい。
電子機器100の入力操作部101は、タッチパネルの下にディスプレイパネルが配設されており、ディスプレイパネルにGUI(Graphic User Interface)による様々なボタン102A、又は、スライダー102B等(以下、GUI操作部102と称す)が表示される。
電子機器100の利用者は、通常、GUI操作部102を操作するために、指先で入力操作部101に触れる。
次に、図2を用いて、電子機器100の具体的な構成について説明する。
図2は、実施の形態の電子機器100を示す平面図であり、図3は、図2に示す電子機器100のA−A矢視断面を示す図である。なお、図2及び図3では、図示するように直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
電子機器100は、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、振動素子140、タッチパネル150、ディスプレイパネル160、及び基板170を含む。
筐体110は、例えば、樹脂製であり、図3に示すように凹部110Aに基板170、ディスプレイパネル160、及びタッチパネル150が配設されるとともに、両面テープ130によってトップパネル120が接着されている。
トップパネル120は、平面視で長方形の薄い平板状の部材であり、透明なガラス、又は、ポリカーボネートのようなプラスティックで作製される。トップパネル120の表面(Z軸正方向側の面)は、電子機器100の利用者が操作入力を行う操作面の一例である。
トップパネル120は、Z軸負方向側の面に振動素子140が接着され、平面視における四辺が両面テープ130によって筐体110に接着されている。なお、両面テープ130は、トップパネル120の四辺を筐体110に接着できればよく、図3に示すように矩形環状である必要はない。
トップパネル120のZ軸負方向側にはタッチパネル150が配設される。トップパネル120は、タッチパネル150の表面を保護するために設けられている。なお、トップパネル120の表面に、さらに別なパネル又は保護膜等が設けられていてもよい。
トップパネル120は、Z軸負方向側の面に振動素子140が接着された状態で、振動素子140が駆動されることによって振動する。実施の形態では、トップパネル120の固有振動周波数でトップパネル120を振動させて、トップパネル120に定在波を生じさせる。ただし、トップパネル120には振動素子140が接着されているため、実際には、振動素子140の重さ等を考慮した上で、固有振動周波数を決めることが好ましい。
振動素子140は、トップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸正方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着されている。振動素子140は、超音波帯の振動を発生できる素子であればよく、例えば、ピエゾ素子のような圧電素子を含むものを用いることができる。
振動素子140は、後述する駆動制御部から出力される駆動信号によって駆動される。振動素子140が発生する振動の振幅(強度)及び周波数は駆動信号によって設定される。また、振動素子140のオン/オフは駆動信号によって制御される。
なお、超音波帯とは、例えば、約20kHz以上の周波数帯をいう。実施の形態の電子機器100では、振動素子140が振動する周波数は、トップパネル120の振動数と等しくなるため、振動素子140は、トップパネル120の固有振動数で振動するように駆動信号によって駆動される。
タッチパネル150は、ディスプレイパネル160の上(Z軸正方向側)で、トップパネル120の下(Z軸負方向側)に配設されている。タッチパネル150は、電子機器100の利用者がトップパネル120に触れる位置(以下、操作入力の位置と称す)を検出する座標検出部の一例である。
タッチパネル150の下にあるディスプレイパネル160には、GUIによる様々なボタン等(以下、GUI操作部と称す)が表示される。このため、電子機器100の利用者は、通常、GUI操作部を操作するために、指先でトップパネル120に触れる。
タッチパネル150は、利用者のトップパネル120への操作入力の位置を検出できる座標検出部であればよく、例えば、静電容量型又は抵抗膜型の座標検出部であればよい。ここでは、タッチパネル150が静電容量型の座標検出部である形態について説明する。タッチパネル150とトップパネル120との間に隙間があっても、静電容量型のタッチパネル150は、トップパネル120への操作入力を検出できる。
また、ここでは、タッチパネル150の入力面側にトップパネル120が配設される形態について説明するが、トップパネル120はタッチパネル150と一体的であってもよい。この場合、タッチパネル150の表面が図2及び図3に示すトップパネル120の表面になり、操作面を構築する。また、図2及び図3に示すトップパネル120を省いた構成であってもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、この場合には、操作面を有する部材を、当該部材の固有振動で振動させればよい。
また、タッチパネル150が抵抗膜型の場合は、トップパネル120の上にタッチパネル150が配設されていてもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、図2及び図3に示すトップパネル120を省いた構成であってもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、この場合には、操作面を有する部材を、当該部材の固有振動で振動させればよい。
ディスプレイパネル160は、例えば、液晶ディスプレイパネル又は有機EL(Electroluminescence)パネル等の画像を表示できる表示部であればよい。ディスプレイパネル160は、筐体110の凹部110Aの内部で、図示を省略するホルダ等によって基板170の上(Z軸正方向側)に設置される。
ディスプレイパネル160は、後述するドライバIC(Integrated Circuit)によって駆動制御が行われ、電子機器100の動作状況に応じて、GUI操作部、画像、文字、記号、図形等を表示する。
基板170は、筐体110の凹部110Aの内部に配設される。基板170の上には、ディスプレイパネル160及びタッチパネル150が配設される。ディスプレイパネル160及びタッチパネル150は、図示を省略するホルダ等によって基板170及び筐体110に固定されている。
基板170には、後述する駆動制御装置の他に、電子機器100の駆動に必要な種々の回路等が実装される。
以上のような構成の電子機器100は、トップパネル120に利用者の指が接触し、指先の移動を検出すると、基板170に実装される駆動制御部が振動素子140を駆動し、トップパネル120を超音波帯の周波数で振動させる。この超音波帯の周波数は、トップパネル120と振動素子140とを含む共振系の共振周波数であり、トップパネル120に定在波を発生させる。
電子機器100は、超音波帯の定在波を発生させることにより、トップパネル120を通じて利用者に触感を提供する。
次に、図4を用いて、トップパネル120に発生させる定在波について説明する。
図4は、超音波帯の固有振動によってトップパネル120に生じる定在波のうち、トップパネル120の短辺に平行に形成される波頭を示す図であり、図4の(A)は側面図、(B)は斜視図である。図4の(A)、(B)では、図2及び図3と同様のXYZ座標を定義する。なお、図4の(A)、(B)では、理解しやすさのために、定在波の振幅を誇張して示す。また、図4の(A)、(B)では振動素子140を省略する。
トップパネル120のヤング率E、密度ρ、ポアソン比δ、長辺寸法l、厚さtと、長辺方向に存在する定在波の周期数kとを用いると、トップパネル120の固有振動数(共振周波数)fは次式(1)、(2)で表される。定在波は1/2周期単位で同じ波形を有するため、周期数kは、0.5刻みの値を取り、0.5、1、1.5、2・・・となる。
Figure 2017098592
Figure 2017098592
なお、式(2)の係数αは、式(1)におけるk以外の係数をまとめて表したものである。
図4の(A)、(B)に示す定在波は、一例として、周期数kが10の場合の波形である。例えば、トップパネル120として、長辺の長さLが140mm、短辺の長さが80mm、厚さtが0.7mmのGorilla(登録商標)ガラスを用いる場合には、周期数kが10の場合に、固有振動数fは33.5[kHz]となる。この場合は、周波数が33.5[kHz]の駆動信号を用いればよい。
トップパネル120は、平板状の部材であるが、振動素子140(図2及び図3参照)を駆動して超音波帯の固有振動を発生させると、図4の(A)、(B)に示すように撓むことにより、曲げ振動の定在波が生じる。
なお、ここでは、1つの振動素子140がトップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸正方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着される形態について説明するが、振動素子140を2つ用いてもよい。2つの振動素子140を用いる場合は、もう1つの振動素子140をトップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸負方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着すればよい。この場合に、2つの振動素子140は、トップパネル120の2つの短辺に平行な中心線を対称軸として、軸対称になるように配設すればよい。
また、2つの振動素子140を駆動する場合は、周期数kが整数の場合は、対称なモードであるので、同一位相で駆動すればよく、周期数kが小数(整数部と小数部0.5を含む数)の場合は、反対称なモードであるので、逆位相で駆動すればよい。
図5は、電子機器100のトップパネル120に生じさせる超音波帯の固有振動により、操作入力を行う指先に掛かる動摩擦力が変化する様子を説明する図である。図5の(A)、(B)では、利用者が指先でトップパネル120に触れながら、指をトップパネル120の奥側から手前側に矢印に沿って移動する操作入力を行っている。なお、振動のオン/オフは、振動素子140(図2及び図3参照)をオン/オフすることによって行われる。
また、図5の(A)、(B)では、トップパネル120の奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
超音波帯の固有振動は、図4に示すようにトップパネル120の全体に生じるが、図5の(A)、(B)には、利用者の指がトップパネル120の奥側から手前側に移動する間に振動のオン/オフを切り替える動作パターンを示す。
このため、図5の(A)、(B)では、トップパネル120の奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
図5の(A)に示す動作パターンでは、利用者の指がトップパネル120の奥側にあるときに振動がオフであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオンになっている。
一方、図5の(B)に示す動作パターンでは、利用者の指がトップパネル120の奥側にあるときに振動がオンであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオフになっている。
ここで、トップパネル120に超音波帯の固有振動を生じさせると、トップパネル120の表面と指との間にスクイーズ効果による空気層が介在し、指でトップパネル120の表面をなぞったときの動摩擦係数が低下する。
従って、図5の(A)では、トップパネル120の奥側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きく、トップパネル120の手前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さくなる。
このため、図5の(A)に示すようにトップパネル120に操作入力を行う利用者は、振動がオンになると、指先に掛かる動摩擦力の低下を感知し、指先の滑り易さを知覚することになる。このとき、利用者はトップパネル120の表面がより滑らかになることにより、動摩擦力が低下するときに、トップパネル120の表面に凹部が存在するように感じる。
一方、図5の(B)では、トップパネル120の奥前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さく、トップパネル120の手前側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きくなる。
このため、図5の(B)に示すようにトップパネル120に操作入力を行う利用者は、振動がオフになると、指先に掛かる動摩擦力の増大を感知し、指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚することになる。そして、指先が滑りにくくなることにより、動摩擦力が高くなるときに、トップパネル120の表面に凸部が存在するように感じる。
以上より、図5の(A)と(B)の場合は、利用者は指先で凹凸を感じ取ることができる。このように人間が凹凸の知覚することは、例えば、"触感デザインのための印刷物転写法とSticky-band Illusion"(第11回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集 (SI2010, 仙台)____174-177, 2010-12)に記載されている。また、"Fishbone Tactile Illusion"(日本バーチャルリアリティ学会第10 回大会論文集(2005 年9 月))にも記載されている。
なお、ここでは、振動のオン/オフを切り替える場合の動摩擦力の変化について説明したが、これは、振動素子140の振幅(強度)を変化させた場合も同様である。
次に、図6を用いて、トップパネル120に発生させる定在波について説明する。
図6は、トップパネル120に発生させる定在波を説明する図である。図6では、図2乃至図4と同様のXYZ座標を定義する。
トップパネル120には、振動素子140−1と140−2とが設けられていることとする。振動素子140−1は、図2及び図3に示す振動素子140と同様であり、振動素子140−2は、トップパネル120のY軸負方向側の端部において、X軸に沿って配設されている。すなわち、振動素子140−2は、振動素子140−1が配設されるトップパネル120の辺の対辺に沿って配設されている。
ここでは、振動素子140−1と140−2は、同位相で駆動されるものとし、あるタイミングにおいて、トップパネル120には、濃いグレーで示す凸の腹と、薄いグレーで示す凹の腹とが生じているものとする。濃いグレーで示す凸の腹と、薄いグレーで示す凹の腹とは、最大振幅のときのものとする。
なお、図6に示すタイミングとは定在波の固有振動の半周期異なるタイミングにおいては、図6に濃いグレーで示す凸の腹の部分に最大振幅の凹の腹が生じ、薄いグレーで示す凹の腹の部分に最大振幅の凸の腹が生じる。
次に、図7を用いて、実施の形態の電子機器100の構成について説明する。
図7は、実施の形態の電子機器100の構成を示す図である。
電子機器100は、振動素子140、アンプ141、タッチパネル150、ドライバIC(Integrated Circuit)151、ディスプレイパネル160、ドライバIC161、制御部200、正弦波発生器310、及び振幅変調器320を含む。
制御部200は、アプリケーションプロセッサ220、通信プロセッサ230、駆動制御部240、及びメモリ250を有する。制御部200は、例えば、ICチップで実現される。
また、駆動制御部240、正弦波発生器310、及び振幅変調器320は、駆動制御装置300を構築する。なお、ここでは、アプリケーションプロセッサ220、通信プロセッサ230、駆動制御部240、及びメモリ250が1つの制御部200によって実現される形態について説明するが、駆動制御部240は、制御部200の外部に別のICチップ又はプロセッサとして設けられていてもよい。この場合には、メモリ250に格納されているデータのうち、駆動制御部240の駆動制御に必要なデータは、メモリ250とは別のメモリに格納して、駆動制御装置300の内部に設ければよい。
図7では、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、及び基板170(図2参照)は省略する。また、ここでは、アンプ141、ドライバIC151、ドライバIC161、駆動制御部240、メモリ250、正弦波発生器310、及び振幅変調器320について説明する。
アンプ141は、駆動制御装置300と振動素子140との間に配設されており、駆動制御装置300から出力される駆動信号を増幅して振動素子140を駆動する。
ドライバIC151は、タッチパネル150に接続されており、タッチパネル150への操作入力があった位置を表す位置データを検出し、位置データを制御部200に出力する。この結果、位置データは、アプリケーションプロセッサ220と駆動制御部240に入力される。なお、位置データが駆動制御部240に入力されることは、位置データが駆動制御装置300に入力されることと等価である。
ドライバIC161は、ディスプレイパネル160に接続されており、駆動制御装置300から出力される描画データをディスプレイパネル160に入力し、描画データに基づく画像をディスプレイパネル160に表示させる。これにより、ディスプレイパネル160には、描画データに基づくGUI操作部又は画像等が表示される。
アプリケーションプロセッサ220は、電子機器100の種々のアプリケーションを実行する処理を行う。
通信プロセッサ230は、電子機器100が3G(Generation)、4G(Generation)、LTE(Long Term Evolution)、WiFi等の通信を行うために必要な処理を実行する。
駆動制御部240は、2つの所定の条件が揃った場合に、振幅データを振幅変調器320に出力する。振幅データは、振動素子140の駆動に用いる駆動信号の強度を調整するための振幅値を表すデータである。振幅値は、位置データの時間的変化度合に応じて設定される。ここで、位置データの時間的変化度合としては、利用者の指先がトップパネル120の表面に沿って移動する速度を用いる。利用者の指先の移動速度は、ドライバIC151から入力される位置データの時間的な変化度合に基づいて、駆動制御部240が算出する。
また、実施の形態の駆動制御装置300は、利用者の指先がトップパネル120の表面に沿って移動したときに、指先に掛かる動摩擦力を変化させるためにトップパネル120を振動させる。動摩擦力は、指先が移動しているときに発生するため、駆動制御部240は、移動速度が所定の閾値速度以上になったときに、振動素子140を振動させる。移動速度が所定の閾値速度以上になることは、1つ目の所定の条件である。
従って、駆動制御部240が出力する振幅データが表す振幅値は、移動速度が所定の閾値速度未満のときはゼロであり、移動速度が所定の閾値速度以上になると、移動速度に応じて所定の振幅値に設定される。移動速度が所定の閾値速度以上のときには、移動速度が高いほど振幅値は小さく設定され、移動速度が低いほど振幅値を大きく設定される。
また、実施の形態の駆動制御装置300は、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にある場合に、振幅データを振幅変調器320に出力する。操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にあることは、2つ目の所定条件である。
操作入力を行う指先の位置が振動を発生させるべき所定の領域内にあるかどうかは、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域の内部にあるか否かに基づいて判定される。
ここで、ディスプレイパネル160に表示するGUI操作部、画像を表示する領域、又は、ページ全体を表す領域等のディスプレイパネル160上における位置は、当該領域を表す領域データによって特定される。領域データは、すべてのアプリケーションにおいて、ディスプレイパネル160に表示されるすべてのGUI操作部、画像を表示する領域、又は、ページ全体を表す領域について存在する。
このため、2つ目の所定条件として、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にあるかどうかを判定する際には、電子機器100が起動しているアプリケーションの種類が関係することになる。アプリケーションの種類により、ディスプレイパネル160の表示が異なるからである。
また、アプリケーションの種類により、トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力の種類が異なるからである。トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力の種類としては、例えば、GUI操作部を操作する際には、所謂フリック操作がある。フリック操作は、指先をトップパネル120の表面に沿って、はじく(スナップする)ように比較的短い距離移動させる操作である。
また、ページを捲る場合には、例えば、スワイプ操作を行う。スワイプ操作は、指先をトップパネル120の表面に沿って掃くように比較的長い距離移動させる操作である。スワイプ操作は、ページを捲る場合の他に、例えば、写真を捲る場合に行われる。また、GUI操作部によるスライダー(図1のスライダー102B参照)をスライドさせる場合には、スライダーをドラッグするドラッグ操作が行われる。
ここで一例として挙げるフリック操作、スワイプ操作、及びドラッグ操作のように、トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力は、アプリケーションによる表示の種類によって使い分けられる。このため、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にあるかどうかを判定する際には、電子機器100が起動しているアプリケーションの種類が関係することになる。
駆動制御部240は、領域データを用いて、ドライバIC151から入力される位置データが表す位置が、振動を発生させるべき所定の領域の内部にあるか否かを判定する。
アプリケーションの種類を表すデータと、操作入力が行われるGUI操作部等を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けたデータは、メモリ250に格納されている。
また、駆動制御部240は、ドライバIC151から駆動制御装置300に位置データが入力されてから、当該位置データに基づいて駆動信号が算出されるまでの所要時間の間における指先の位置の変化分を補間するために、次の処理を行う。
駆動制御装置300は、所定の制御周期毎に演算を行う。これは駆動制御部240も同様である。このため、ドライバIC151から駆動制御装置300に位置データが入力されてから、当該位置データに基づいて駆動制御部240が駆動信号を算出するまでの所要時間をΔtとすると、所要時間Δtは、制御周期に等しい。
ここで、指先の移動速度は、ドライバIC151から駆動制御装置300に入力される位置データが表す点(x1、y1)を始点とし、所要時間Δtが経過した後の指先の位置を終点(x2、y2)とするベクトルの速度として求めることができる。
駆動制御部240は、ドライバIC151から駆動制御装置300に入力される位置データが表す点(x2、y2)を始点とし、所要時間Δtが経過した後の指先の位置を終点(x3、y3)とするベクトルを求めることにより、所要時間Δt経過後の座標(x3、y3)を推定する。
実施の形態の電子機器100では、上述のようにして所要時間Δt経過後の座標を推定することにより、所要時間Δtの間における指先の位置の変化分を補間する。
このような所要時間Δt経過後の座標を推定する演算は、駆動制御部240が行う。駆動制御部240は、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にあるか否かを判定し、振動を発生させるべき所定の領域の内部にある場合に振動を発生させる。従って、2つ目の所定の条件は、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にあることである。
以上より、駆動制御部240が振幅データを振幅変調器320に出力するために必要な2つの所定の条件は、指先の移動速度が所定の閾値速度以上であることと、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にあることである。
駆動制御部240は、指先の移動速度が所定の閾値速度以上であり、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にある場合に、移動速度に応じた振幅値を表す振幅データをメモリ250から読み出して、振幅変調器320に出力する。
メモリ250は、アプリケーションの種類を表すデータと、操作入力が行われるGUI操作部等を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けたデータを格納する。
また、メモリ250は、アプリケーションプロセッサ220がアプリケーションの実行に必要とするデータ及びプログラム、及び、通信プロセッサ230が通信処理に必要とするデータ及びプログラム等を格納する。
正弦波発生器310は、トップパネル120を固有振動数で振動させるための駆動信号を生成するのに必要な正弦波を発生させる。例えば、トップパネル120を33.5[kHz]の固有振動数fで振動させる場合は、正弦波の周波数は、33.5[kHz]となる。正弦波発生器310は、超音波帯の正弦波信号を振幅変調器320に入力する。
正弦波発生器310が発生する正弦波信号は、超音波帯の固有振動を発生させる駆動信号の元になる交流の基準信号であり、一定の周波数と一定の位相を有する。正弦波発生器310は、超音波帯の正弦波信号を振幅変調器320に入力する。
なお、ここでは、正弦波信号を発生する正弦波発生器310を用いる形態について説明するが、正弦波信号ではなくてもよい。例えば、クロックの立ち上がりと立ち下がりの波形を鈍らせたような波形の信号を用いてもよい。このため、超音波帯の交流信号を発生する信号発生器を正弦波発生器310の代わりに用いてもよい。
振幅変調器320は、駆動制御部240から入力される振幅データを用いて、正弦波発生器310から入力される正弦波信号の振幅を変調して駆動信号を生成する。振幅変調器320は、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号の振幅のみを変調し、周波数及び位相は変調せずに、駆動信号を生成する。
このため、振幅変調器320が出力する駆動信号は、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号の振幅のみを変調した超音波帯の正弦波信号である。なお、振幅データがゼロの場合は、駆動信号の振幅はゼロになる。これは、振幅変調器320が駆動信号を出力しないことと等しい。
次に、図8を用いて、メモリ250に格納されるデータについて説明する。
図8は、メモリ250に格納されるデータを示す図である。
図8に示すように、アプリケーションの種類を表すデータと、操作入力が行われるGUI操作部等が表示される領域の座標値を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けたデータがメモリ250に格納される。
アプリケーションの種類を表すデータとして、アプリケーションID(Identification)を示す。また、領域データとして、操作入力が行われるGUI操作部等が表示される領域の座標値を表す式f1~f4を示す。また、振動パターンを表すパターンデータとして、P1〜P4を示す。パターンデータP1〜P4は、振幅値を表す振幅データを時系列的に並べたデータである。
なお、アプリケーションIDで表されるアプリケーションは、スマートフォン端末機、又は、タブレット型コンピュータで利用可能なあらゆるアプリケーションを含み、電子メールの編集モードも含む。
次に、図9を用いて、実施の形態の電子機器100の駆動制御装置300の駆動制御部240が実行する処理について説明する。
図9は、実施の形態の電子機器100の駆動制御装置300の駆動制御部240が実行する処理を示すフローチャートである。
電子機器100のOS(Operating System)は、所定の制御周期毎に電子機器100を駆動するための制御を実行する。このため、駆動制御装置300は、所定の制御周期毎に演算を行う。これは駆動制御部240も同様であり、駆動制御部240は、図9に示すフローを所定の制御周期毎に繰り返し実行する。
ここで、ドライバIC151から駆動制御装置300に位置データが入力されてから、当該位置データに基づいて駆動制御部240が駆動信号を算出するまでの所要時間をΔtとすると、所要時間Δtは、制御周期に略等しい。
制御周期の1周期の時間は、ドライバIC151から駆動制御装置300に位置データが入力されてから、当該位置データに基づいて駆動信号が算出されるまでの所要時間Δtに相当するものとして取り扱うことができる。
駆動制御部240は、電子機器100の電源がオンにされることにより、処理をスタートさせる。
駆動制御部240は、現在の位置データが表す座標と、現在のアプリケーションの種類とに応じて、現在操作入力が行われているGUI操作部について、振動パターンと関連付けられた領域データを取得する(ステップS1)。
駆動制御部240は、移動速度が所定の閾値速度以上であるか否かを判定する(ステップS2)。移動速度は、ベクトル演算によって算出すればよい。なお、閾値速度は、所謂フリック操作、スワイプ操作、又はドラッグ操作等のように指先を移動させながら操作入力を行う際における指先の移動速度の最低速度として設定すればよい。このような最低速度は、実験結果に基づいて設定してもよく、タッチパネル150の分解能等に応じて設定してもよい。
駆動制御部240は、ステップS2で移動速度が所定の閾値速度以上であると判定した場合は、現在の位置データが表す座標と、移動速度とに基づき、Δt時間後の推定座標を演算する(ステップS3)。
駆動制御部240は、Δt時間後の推定座標が、ステップS1で求めた領域データが表す領域Stの中になるか否かを判定する(ステップS4)。
駆動制御部240は、Δt時間後の推定座標が、ステップS1で求めた領域データが表す領域Stの中にあると判定する場合は、ステップS2で求めた移動速度に対応する振幅値を表す振幅データをパターンデータから読み出す(ステップS5)。
駆動制御部240は、振幅データ出力する(ステップS6)。これにより、振幅変調器320において、正弦波発生器310から出力される正弦波の振幅が変調されることによって駆動信号が生成され、振動素子140が駆動される。
一方、ステップS2で移動速度が所定の閾値速度以上ではないと判定した場合(S2:NO)と、ステップS4でΔt時間後の推定座標が、ステップS1で求めた領域データが表す領域Stの中にないと判定した場合は、駆動制御部240は、振幅値をゼロに設定する(ステップS7)。
この結果、駆動制御部240は、振幅値がゼロの振幅データが出力され、振幅変調器320において、正弦波発生器310から出力される正弦波の振幅がゼロに変調された駆動信号が生成される。このため、この場合は、振動素子140は駆動されない。
次に、図10及び図11を用いて、実施の形態の電子機器100の動作例について説明する。
図10及び図11は、実施の形態の電子機器100の動作例を示す図である。図10及び図11では、図2乃至図4と同様のXYZ座標を定義する。
図10は、トップパネル120、タッチパネル150、及びディスプレイパネル160を平面的に示す図であり、電子機器100の利用者は、グレーで示すページ1に指先で触れて、左方向にスワイプ操作を行うことにより、白く示すページ2を開こうとしている。すなわち、電子機器100の表示は、ページ1からページ2に遷移しようとしている。
このように、ページを捲る動作が行われる動作モードでは、駆動制御部240は、操作入力がスワイプ操作であるかどうかを判定する。例えば、駆動制御部240は、利用者の指先が最初にトップパネル120に触れた位置からX軸方向に±dmm以上動いたらスワイプ操作が行われていると判定し、斜線で示す領域の内部に指先が入ったときにトップパネル120に振動が発生する。斜線で示す領域は、領域Stである。
ここで、図11を用いて、図10に示すように操作入力が行われた場合に、駆動制御部240が出力する振幅データに基づいて振幅変調器320から出力される駆動信号によってトップパネル120に生じる振動について説明する。図11において、横軸は時間軸を表し、縦軸は振幅データの振幅値を表す。また、ここでは、利用者がスワイプ操作を行う際の指先の移動速度は略一定であることとする。
トップパネル120の位置C1に触れた指先を、時刻t1において利用者が左方向に移動し始めたとする。そして、位置C1から距離dmmだけ移動させた時刻t2において、駆動制御部240は、利用者の入力操作がスワイプ操作であると判定し、スワイプ用の振動パターンによる駆動を行う。スワイプ操作の判定に用いる操作距離dmmは、時刻t1〜t2の間の指先の移動距離に相当する。また、時刻t2では、ページの遷移が開始する。
スワイプ用の振動パターンは、振幅がA11であり、スワイプ操作が行われている間は、振動が連続する駆動パターンである。
時刻t3で利用者が指先をトップパネル120から離してスワイプ操作を終えると、駆動制御部240は、振幅値をゼロに設定する。このため、時刻t3の直後に振幅がゼロになる。また、時刻t3の後の時刻t4においてページの遷移が完了する。
このように、利用者がページを捲るためにスワイプ操作を行った場合には、駆動制御部240は、一例として、振幅が一定値(A11)の振幅データを出力する。このため、利用者がスワイプ操作を行っている間は、利用者の指先に掛かる動摩擦力は低下し、利用者に指先が滑る感覚を提供することができ、利用者はスワイプ操作が電子機器100に受け付けられていることを指先で感知することができる。
なお、図10及び図11では、利用者がページを捲るためにスワイプ操作を行う場合の振動パターンについて説明した。しかしながら、所謂フリック操作、又は、指先をトップパネル120の表面に沿って移動させるような操作が行われた場合も、振動素子140を駆動することにより、様々な触感を利用者に提供することができる。
より具体的には、操作入力の位置が、ディスプレイパネル160に表示されるボタン102A(図1参照)のようなGUI操作部の境界を跨いで移動するときに、又は、GUI操作部を操作しながら移動するときに、固有振動の強度を変化させてもよい。また、操作入力の位置が、ディスプレイパネル160に表示されるスライダー102B(図1参照)のGUI操作部の領域内を移動するときに、スライダー102Bの操作量に応じて、又は、スライダー102Bの目盛りに達したときに、固有振動の強度を変化させてもよい。
ここで、トップパネル120における振動素子140の位置と、トップパネル120の変位及び曲率とについて説明する。ここでは、トップパネル120が振動する際に、トップパネル120の端部は、自由端であることとする。
図12及び図13は、トップパネル120における振動素子140の位置とトップパネル120の変位及び曲率を示す図である。図12では、トップパネル120の変位及び曲率が分かり易くなるように、変位及び曲率のレベルを誇張して示す。
なお、図12及び図13において、変位が0の点は、固有振動の節を示し、変位が最大の点は、固有振動の腹を示す。また、曲率は、変位を二回微分して得られる物理量である。なお、変位を正弦波(sin波)で表すと、曲率は-sinで表されるため、逆相となるが、ここでは分かり易さを優先して、曲率を変位と同相で示す。
図12では、振動素子140は、トップパネル120のY軸正方向側の端部から、2つ目の腹の位置(端部から2つ目の節から3つ目の節に至るまで位置)に配設されており、振動素子140のY軸方向の幅は、トップパネル120の変位を表す正弦波(sin波)の波長λの半分(0.5λ)である。波長λは、トップパネル120に生じる変位を表す正弦波の波長であり、振動素子140を考慮せずに求めた値である。
振動素子140のY軸方向の幅を0.5λに設定したのは、振動素子140がY軸方向において、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の節と3つ目の節との間に位置するようにしたためである。このように節と節の間に0.5λの振動素子140を位置させると、トップパネル120に効率良く振動を発生させることができると考えられるからである。
図12では、トップパネル120のY軸正方向側の端部が自由端であるため、変位は最大となる。一方、トップパネル120のY軸正方向側の端部では、自由端であることから曲率は0になる。このため、トップパネル120のY軸正方向側の端部では、形状及び曲率ともに三角関数で与えられる値から外れた値を示す。なお、図12に示す変位のY軸方向における分布が表す形状を変位の形状と称す。
トップパネル120の振動は理論的には梁の曲げ振動であり、梁の曲げ振動の定在波の一般解は次式(3)で表される。式(3)は、例えば「機械振動学通論 第2版、 入江敏博」に記載されている。
Figure 2017098592
ここで、Lは、トップパネル120の長さであり、梁の長さとして取り扱うことができる。Yの範囲は0からLとする。
両端自由端の条件で例として10周期に相当する固有値を求めると、a≒9.75×2π×Lである。つまり、トップパネル120の長さLに対して、実際には9.75周期となる。波長λ=L/9.75である。
各係数D、D、D、Dについて解くと、近似的には次式(4)で表される振動形状が得られる。
Figure 2017098592
式(4)を用いて、端から2つ目の節までの距離を求めると、約0.623×波長λとなる。周期の数などによって微妙に変わるが、おおむね2つ目の節点までの距離は、5/8×λ=0.625λで近似できる。
図13では、振動素子140Aは、トップパネル120のY軸正方向側の端部に配設されている。振動素子140Aは、図12に示す振動素子140と基本的に同様であるが、Y軸方向の幅が振動素子140と異なる。このため、ここでは、振動素子140Aとして区別する。振動素子140Aは、トップパネル120のY軸正方向側の端部に配設する振動素子である。
振動素子140Aは、トップパネル120のY軸正方向側の端部と、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の節との間に配置してあるため、振動素子140AのY軸方向の幅は、0.625λである。
振動素子140のY軸方向の幅を0.625λに設定したのは、振動素子140がY軸方向において、トップパネル120のY軸正方向側の端部と、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の節との間に位置するようにしたためである。2つ目の節より外側は端に特有の状態になると考えるられるので、振動素子140のY軸方向の幅を0.625λに設定する。
上述したように、端から2つ目の節までの距離は、約0.625λである。また、上のU(x)の2階微分から、パネル端およびパネル端から2つ目の節で曲率が0であり、その間の部分においては曲率は同一符号のままとなる。トップパネル120のY軸正方向側の端部と、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の節との間に幅が0.625λの振動素子140を位置させると、トップパネル120に効率良く振動を発生させることができると考えられる。
図14及び図15は、トップパネル120と振動素子140が曲がる様子を説明する図である。
図14に示すように、トップパネル120と振動素子140とが曲がっていない状態、から図15に示すように、振動素子140が伸びることによって、トップパネル120との長さの差が生じて曲がる力となることで、トップパネルに振動が生じる。逆に振動素子120が縮むと、反対側に曲がる力が生じる。このように振動素子の変形によって、曲げを発生し、定在波を発生するためには、振動素子140は定在波の曲率が0でない部分に貼り付けなければならない。また、曲率が逆になる部分にまたがって振動素子140を貼り付けると、曲率が逆の部分では、逆の位相の振動を起こそうとしていることになり、振動を起こす効果は打ち消しあう。このことから、最も効率が良いのは、曲率が0になる点の間の同じ符号の範囲に振動素子140の幅を合わせた場合であると考えられている。それが図12と図13で示した振動素子の幅である。
図16は、トップパネル120と振動素子140が曲がっている状態を示す図である。
トップパネル120のうち、振動素子140が取り付けられていない区間Pと、振動素子140が取り付けられている区間Cとでは、曲げ剛性が異なる。すなわち、トップパネル120及び振動素子140を重ね合わせて固定してある区間Cにおけるトップパネル120及び振動素子140の曲げ剛性と、トップパネル120のみの区間Pにおけるトップパネル120の曲げ剛性とは異なる。
振動素子140が取り付けられていない区間とは、トップパネル120のみの区間であり、トップパネル120が単独で存在する区間である。
ここで、トップパネル120及び振動素子140を重ね合わせて固定してある区間Cにおけるトップパネル120及び振動素子140の曲げ剛性をMcとし、トップパネル120のみの区間Pにおけるトップパネル120の曲げ剛性をMpとする。曲げ剛性Mcは、曲げ剛性Mpよりも大きい。なお、トップパネル120のみの区間Pについては、区間Cに隣接する一部の区間のみを示す。
今回、電子機器100のトップパネル120に超音波帯の固有振動を生じさせて良好な触感を提供するためには、曲げ剛性Mcと曲げ剛性Mpとの比(剛性比)α(=Mp/Mc)を考慮して振動素子140のY軸方向の幅を設定することが有用であることを見出した。
ここで、振動素子140のY軸方向の幅とは、超音波帯の固有振動の変位が変動する方向における振動素子140の幅である。本実施の形態では、Y軸方向において超音波帯の固有振動の変位が変動するため、振動素子140のY軸方向の幅について説明する。
なお、以下では、振動素子140のY軸方向の幅をWとする。また、トップパネル120に振動素子140を取り付けた状態で、トップパネル120に生じる変位を表す正弦波の波長をλcとする。これは、上述した波長λとは異なる。上述した波長λは、トップパネル120に生じる変位を表す正弦波の波長であり、振動素子140を考慮せずに求めた値である。
図17は、剛性比αに対する最適な素子幅 W/λcとの関係を示す図である。W/λcは、振動素子140のY軸方向の幅Wと、波長λcとの比である。
図17において、破線で示す特性は、図12に示すように、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配設した場合の剛性比αに対する最適な素子幅W/λcの特性を表す。
また、実線で示す特性は、図13に示すように、トップパネル120のY軸正方向側の端部に振動素子140Aを配設した場合の剛性比αに対する最適な素子幅W/λcの特性を表す。
剛性比αが非常に小さい場合には、振動素子140のY軸方向の幅の最適値を波長λcで割って得る比は、約0.75であった。ここで、ガラス等で作製されるトップパネル120に比べて、セラミック等で作製される振動素子140は、ヤング率が高い。このため、ここでは極端な場合を想定して、曲げ剛性Mcが曲げ剛性Mpに比べて極端に大きい場合の剛性比αを0に設定し、剛性比αが0のときのW/λcを0.75に設定した。
なお、これは、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配設する場合と、トップパネル120のY軸正方向側の端部に振動素子140Aを配設する場合とで等しくなると考えた。
また、振動素子の影響を無視して、剛性比αを考慮せずに、図12に示すようにトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配設する場合の振動素子140のY軸方向の幅Wは、0.5λである。
剛性比αが1の場合は、振動素子を貼り付けた部分でも振動素子の影響で曲げ剛性が変わっていないという状況であるので、図12に示したトップパネルだけで考えた場合と一致すると考えられる。また、振動素子の影響で曲げ剛性が変わらないため、λ=λcである。このため、剛性比αが1の場合において、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配設する場合のW/λcを0.5に設定した。
また、、同様に図13に示す振動素子140Aをトップパネル120のY軸正方向側の端部に配設する場合も、剛性比αが1の場合と図13の配置でトップパネルだけで考えた場合が一致すると考えられる。図13のように振動素子140を無視した場合、振動素子140AのY軸方向の最適な幅は0.625λである。剛性比αが1の場合は、これと同じ素子幅が最適であり、また、λ=λcであるので、W/λcが約0.625である。
このため、剛性比αが1の場合において、トップパネル120のY軸正方向側の端部に振動素子140Aを配設する場合のW/λcを0.625に設定した。
図17に示す実線の特性は、次式(5)で表され、破線の特性は、次式(6)で表される。
Figure 2017098592
Figure 2017098592
なお、図12に示す振動素子140を貼り付けた腹よりもトップパネルの中央よりの腹に振動素子140を貼り付ける場合は、すべて図12の腹の場合と同じ条件であり、式(5)の特性が適用される。また、トップパネル120の端部が固定端の場合には、一番端の腹は、固定により振動形状が特殊だが、それ以外の腹では振動形状はほぼ三角関数であり、図12に示すトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子14を配置する場合と等しい。このため、トップパネル120の端部が固定端の場合には、式(5)の特性が適用される。端において変位0で回転が可能な支持端と呼ばれる条件になっている場合には、一番端の腹も含めて振動形状は三角関数であり、すべての腹で式(5)の特性が適用される。
以下では、図17において、剛性比αが0の場合に、W/λcが0.75である場合が最適である理由について説明する。
剛性比αが0の場合とは、近似的に言えば、曲げ剛性Mcに対して、曲げ剛性Mpが非常に小さい場合である。剛性比αが0の場合には、トップパネル120の全体の固有振動のモードで振動させた場合であっても、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の変位は、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の両端を自由端にした場合の振動に近いと考えられる。トップパネル120の単独での曲げ剛性Mpが曲げ剛性Mcに比べて非常に小さいからである。
図18は、両端に自由端を有する梁の1次共振モードを示す図である。両端に自由端を有する梁は、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間をモデル化したものである。図18には、梁の幅を横方向に示す。図18の上側には、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間をモデルの変位(変位のY軸方向における分布が表す形状)を表し、下側には、モデルの曲率の分布を示す。曲率は、変位を2回微分することで得られる。なお、モデルの変位(変位のY軸方向における分布が表す形状)は、振動のY軸方向における形状を表す。
梁の曲げ振動の理論から、両端が自由端では1次共振が得られるのは、梁の幅(通常、振動が伝搬する方向という意味では長さ)が0.75λcの時である。これは境界条件によって決まるものであり、トップパネル120単独であっても、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた積層構造であっても変わらない。
本実施の形態では、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の剛性Mcが大きい場合の振動素子140の幅Wを、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の両端を自由端にした場合の1次共振の条件に合わせる。
ここで、λcは固有振動の周波数等によって決まり、梁が一層の場合と二層の場合で同様であるが、次式(7)には二層の場合の式を示す。式(7)において、曲げ剛性Mcは、二層の梁での曲げ剛性であり、ρ、ρは、二層の梁のそれぞれの密度、t,tは二層の梁のそれぞれの厚さである。
Figure 2017098592
電子機器100では、トップパネル120に生じさせる超音波帯の固有振動の周波数の目安を予め決めて、目安となる周波数に近い周波数で得られる固有振動のモードを使うので、目安となる周波数は決まっている。ここでは、目安にする周波数で振動素子140を駆動した場合に、振動素子140の幅Wをどのような値に設定するかについて考察する。
幅Wが0.75λcの場合には、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間で得られる振動の形状(変位のY軸方向における分布が表す形状)が、図18に示す梁の自由端での1次共振における振動の形状と同じであると見なすと、自由端の境界条件から、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の両端における曲率は0になる。
振動素子140のY軸方向における両端の間では、曲率が同一符号になる。曲率の符号は、図18の下側に示す曲率が縦軸方向において0よりも上側(正側)であるか、下側(負側)であるかを表す。曲率が同一符号になるとは、曲率の分布が、Y軸方向において、正側又は負側のいずれかになることをいう。
図18の上側に示すトップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の両端の間では、曲率が同一符号になるので、振動素子140の伸縮によりトップパネル120を曲げるには適している。
振動素子140の幅Wが0.75λcより大きいと、振動の形状は、図18に示す1次共振が生じるトップパネル120の幅の場合よりも外側に広がり、広がった部分は曲率が反転した形状になる。すなわち、曲げ振動を打ち消す効果を生じることになるので、効率は低下する。
振動素子140の幅Wが0.75λcより小さいと、振動形状は1次共振の幅が狭まって端の部分の振幅が無くなったような形状になるので、曲率は同一符号ではあるが、幅Wが小さいために、幅Wが0.75λcの場合よりも振動を起こす力は小さくなる。これらの考察から、剛性比α(=Mp/Mc)が小さい場合の最適な幅Wは、0.75λcになると推測される。
一層の梁の曲げ剛性は、2次モーメントI(=dt/12)を用いて、次式(8)のように計算できる。
Figure 2017098592
ここで、Eはヤング率、dはトップパネル120のY軸方向の長さ、tはトップパネル120の厚さである。
以下では、トップパネル120のY軸方向の長さdの値を1(単位長さ)として、Y軸方向には単位長さを有するものとして説明する。
一層の梁の曲げ剛性の求め方は、次の通りである。梁の厚さ方向をZ軸方向にとると、ベルヌーイ・オイラー梁の仮定では中立点をZとして、梁の変形の曲率半径をrとすると、歪みεはε=(Z−Z)/rであり、微小部分ΔZに発生する力は次式(9)で表される。
Figure 2017098592
この力による中立点ZへのモーメントΔMは次式(10)で表される。
Figure 2017098592
以下のように積分することで、曲率(1/r)当りのモーメントとして次式(11)から曲げ剛性Mpが求められる。厚さ方向の中央にZの原点を取り、積分範囲は−t/2からt/2となる。
Figure 2017098592
一層の梁では、中立点Zは梁の中央であり、Z=0を代入すると、次式(12)が求まる。
Figure 2017098592
このように、式(8)と同じ曲げ剛性の結果が得られる。なお、式(12)では、トップパネル120のY軸方向の長さdの値を1(単位長さ)に設定されている。
これと同じ手順で、二層の場合の曲げ剛性を求めるには、まず、曲げの中立点位置Zを求める。
図19は、二層の梁として、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間を示す。1番目の層(トップパネル120)の厚さをa、ヤング率をEaとし、2番目の層(振動素子140)の厚さをb、ヤング率をEbとする。Zの原点は図のように1番目の層(トップパネル120)の下面の位置とする。
ベルヌーイ・オイラー梁の仮定では、曲率半径をrとすると、微小部分ΔZの歪みは(Z-Z)/rであり、力Δfはそれぞれの層のヤング率Eiを掛けて、次式(13)で表される。
Figure 2017098592
また、Δfを積分したFは、次式(14)で表される。
Figure 2017098592
ここで、図19に示す二層の梁では、全体として力がつり合うはずなので、F=0とすると、中立点Zは次式(15)のように求まる。
Figure 2017098592
また、モーメントは、式(10)を用いて求めた一層の梁のモーメントと同様に、微小部ΔZの寄与を1番目の層と2番目の層について合計することで求めることができる。具体的には、二層の梁の曲げ剛性Mcは、式(15)のZを使用すれば、次式(16)のように求めることができる。
Figure 2017098592
式(16)を用いれば、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の曲げ剛性Mcと、トップパネル120単独の曲げ剛性とトップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の曲げ剛性の比αとを、ヤング率及び厚さ等により計算することができる。また、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の波長λcを式(7)から求めることができる。
なお、ここでは、トップパネル120と振動素子140の二層構造の場合について説明したが、例えば、振動素子140をトップパネル120の両面に配置する三層構造であっても、同様に曲げ剛性Mcは求めることができ、本実施の形態を適用することができる。
図20は、トップパネル120として用いるガラスの厚さtが0.3mmで、振動素子140及び140Aが厚さ0.3mmのセラミック製であり、剛性比αが0.13である場合に、有限要素解析により幅Wの値を変えて解析し、トップパネル120の固有振動の振幅の値をプロットした結果を示す。
図20は、振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に配置した場合と、振動素子140Aをトップパネル120のY軸正方向側の端部に配置した場合のグラフを示している。
図20に示すように、振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に配置した場合と、振動素子140Aをトップパネル120のY軸正方向側の端部に配置した場合との両方の場合に、W/λcが約0.75のときに、トップパネル120に生じる振動の振幅が最大になることが分かった。なお、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の波長λcは、トップパネル120単独の波長λpよりも2割程度大きいことが分かった。
図20の結果から、剛性比αが比較的小さい場合には、幅Wが0.75λcで振動の効率が良好になるという推測が妥当であるといえる。
なお、振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に配置する場合には、振動素子140の位置も重要である。図20は、トップパネル120単独の固有振動の腹の位置に振動素子140の中心を合わせる配置で解析した結果であるが、トップパネル120に振動素子140を取り付けた場合においては、トップパネル120単独の場合の固有振動の腹の位置で固有振動の振幅が大きくなっていた。
従って、振動素子140の剛性の影響で、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の振動形状はトップパネル120単独とは変わっているが、振動素子140の取り付け位置に関しては、トップパネル120単独で計算した腹の位置でよい。
また、図21は、解析結果の振動形状の一例を示す図である。図21では、トップパネル120に振動素子140を取り付けて振動させた場合の振動形状を符号120α、140αで示す。
図21のトップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の振動形状は、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間だけとり出して自由端とした場合の振動形状に近いことが確かめられた。
ここで、図17のグラフの右端は、トップパネル120単独の曲げ剛性Mpと、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の曲げ剛性Mcとの比(剛性比)αが1であり、曲げ剛性Mpと曲げ剛性Mcとは等しい。すなわち、振動素子140によるトップパネル120の剛性の変動がなく、振動は図12及び図13で考えたトップパネル120の単独の固有振動と同じとなる。
従って、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間における波長λcは、トップパネル120の単独の場合の波長λpと同じであり、また、振動素子140の幅Wの最適値は、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置する場合は0.5λc、トップパネル120の端に振動素子140を配置する場合は0.625λcである。
以上のように、図17の左端(α=0)と右端(α=1)における条件について、振動素子140の最適な幅Wを推測することができた。
図17の左端(α=0)と右端(α=1)の中間における条件については、図17に示すように、剛性比αに対して式(5)、式(6)に示すように線形に最適幅が変化すると推測している。以下では、4種類の剛性比αの値において有限要素解析を行った結果を用いて、上述の推測の妥当性について検証する。
4種類の剛性比αの値を用いた4つのケースの条件は、次の通りである。
・ケース1:α=0.13、トップパネル120の厚さt=0.3mm、振動素子140の厚さt=0.3mm
・ケース2:α=0.2、トップパネル120の厚さt=0.42mm、振動素子140の厚さt=0.3mm
・ケース3:α=0.35、トップパネル120の厚さt=0.7mm、振動素子140の厚さt=0.3mm
・ケース4:α=0.68、トップパネル120の厚さt=0.7mm、振動素子140の厚さt=0.1mm
ケース1の結果は、図20に示した通りである。また、ケース3については、図22及び図23を用いて説明する。また、ケース2については、図24を用いて説明する。
図22は、ケース3でトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置した場合の幅Wに対する固有振動の振幅を示す図である。図23は、トップパネル120の端部に振動素子140Aを配置した場合の解析結果を示す図である。図24は、ケース2でトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置した場合と、トップパネル120の端部に振動素子140Aを配置した場合とにおける幅Wに対する固有振動の振幅を示す図である。
図22では、幅Wが0.63λcのときに振幅が最大となっている。また、図23では、幅Wが0.71λcのときに振幅が最大となっている。図24では、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置した場合には、幅Wが0.65λcのときに振幅が最大となっており、トップパネル120の端部に振動素子140Aを配置した場合場合には、幅Wが0.70λcのときに振幅が最大となっている。
図25は、ケース1〜4において、最大の振幅が得られる幅Wを曲げ剛性の比αに対してプロットした結果を示す図である。図25には、式(5)と式(6)に対応する直線も表示している。
図25に示す結果から、有限要素解析で求めた最大の振幅をもたらす幅Wは、式(5)と式(6)の幅Wとほぼ一致しており、曲げ剛性の比αに対して、最適な幅Wが線形に変化するという推測が妥当であることを示している。
従って、以上の結果から、トップパネル120のヤング率と厚さ、および、振動素子140のヤング率と厚さが与えられ、トップパネル120の振動の周波数を選択すれば、トップパネル120単独の曲げ剛性Mpと、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の曲げ剛性Mcとの比(剛性比)αを計算できる。また、トップパネル120に振動素子140を重ねて取り付けた区間の波長λcを計算することができる。
そして、式(5)または式(6)により、最適な幅Wを求めれば、トップパネル120に固有振動を効率よく発生することができる電子機器100を実現することができる。
次に、以上の考察を踏まえて、トップパネル120に良好な超音波帯の固有振動が得られる振動素子140の幅Wの範囲について検討する。
トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を取り付ける場合では、図20と図22において大きな振幅が得られているような幅Wに設定することにより、固有振動の振幅を増大することができる。
幅Wが0.5λcである場合に得られる振幅を基準とし、この振幅以上の振幅が得られるのは、例えば図20では、0.5λc≦W≦0.88λcの範囲である。幅Wが0.5λcである場合に得られる振幅を基準にするのは、振動素子による剛性への影響などを無視して考えた場合に、振動素子140の幅Wの最適値は、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置する場合は0.5λcだからである。
図26は、幅Wが0.5λcでの振幅以上の振幅が得られる幅Wの範囲の上限の値をケース1〜3についてプロットした特性を示す。なお、ケース4の剛性比α=0.68の場合は、振幅の最大値は、幅Wが0.55λcのときに得られるが、幅Wが0.5λcの場合に比べて僅かしか振幅が増えていないので、図26では省略した。
また、図26に示す上限線は、α=1でW=0.5λcを通るという条件の下で、ケース1〜3の幅Wの範囲の上限の値に当て嵌めた特性であり、次式(17)で表される。
Figure 2017098592
式(17)から振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部から1つ目の腹の位置に配置する電子機器100において、次式(18)で与えられる範囲であれば、大きな振幅が得られると期待できる。
Figure 2017098592
同様に、自由端のトップパネル120の端に振動素子140を配置する場合には、図20と図23において大きな振幅が得られているような幅Wに設定することにより、固有振動の振幅を増大することができる。
幅Wが0.625λcである場合に得られる振幅を基準とし、この振幅以上の振幅が得られるのは、例えば図23では、0.5λc≦W≦0.81λcの範囲である。幅Wが0.625λcである場合に得られる振幅を基準にするのは、振動素子による剛性への影響などを無視して考えた場合に、振動素子140の幅Wの最適値は、トップパネル120のY軸正方向側の端部に振動素子140を配置する場合は0.625λcだからである。
図27は、幅Wが0.625λcでの振幅以上の振幅が得られる幅Wの範囲の上限の値をケース1〜3についてプロットした特性を示す。なお、ケース4の剛性比α=0.68の場合は、最大値は0.66λcで得られるが、0.625λcの場合から僅かしか振幅が増えていないので省略した。
図27に描いている上限線は、α=1でW=0.625λcを通るという条件の下で、ケース1〜3の幅Wの範囲の上限の値に当て嵌めた特性であり、次式(19)で表される。
Figure 2017098592
すなわち、振動素子140をトップパネル120の端に配置する電子機器100において、次式(18)で与えられる範囲であれば、大きな振幅が得られると期待できる。
Figure 2017098592
剛性比αが1に近い構成では、図12に示す振動素子140のY軸方向の幅0.5λに設定する構成、及び、図13に示す振動素子140のY軸方向の幅0.625λに設定する構成と、本実施の形態で最適と考える幅Wとにはほとんど差がなく、振幅増大効果も僅かである。
このため、本実施の形態は、剛性比αが小さい構成、特に剛性比αが0.35以下の構成で適用することで効果を発揮する。剛性比αを小さくするには、トップパネル120の厚さを小さくする構成、又は、振動素子140の厚さを大きくする構成を採用すればよい。いずれの構成もトップパネル120で振動を発生させるには不利ではなく、有利に作用すると考えられる。
このため、剛性比αを小さくして幅Wを式(19)又は式(20)で表される範囲に設定した電子機器100は、良好な触感を提供することができる。
なお、振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に配置する場合は、式(18)で表される範囲の幅Wに設定して得られるトップパネル120の振幅は、幅Wを0.5λc以上に設定した場合の振幅になるが、トップパネル120のY軸正方向側の端部に幅W0.625λc以上の振動素子140を設置した場合に得られる振幅以上になるとは限らない。
特にケース4では、図22と図23を比べると、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置する場合は、トップパネル120のY軸正方向側の端部に振動素子140を配置する場合よりも振幅が小さい。
しかしながら、トップパネル120を筐体110に固定する場合には、振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部に配置できない場合もある。このような場合には、振動素子140をトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に配置することになる。
従って、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置する場合に得られる振幅が、トップパネル120のY軸正方向側の端部に振動素子140を配置する場合よりも振幅が小さくても、トップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置して良好な振動を得るのに十分な振幅が得られる幅Wを検討することは非常に意味がある。
例えば、トップパネル120の端を両面テープ130等で筐体110にしっかりと固定する場合には、トップパネル120の端部が固定端になる。このような場合には、トップパネル120の端部は図13のトップパネルの端部とは条件が違い、式(20)を適用することはできない。しかしながら、トップパネル120の振動の腹に振動素子140を配置すれば、自由端のトップパネル120のY軸正方向側の端部から2つ目の腹の位置に振動素子140を配置する場合と同様であり、式(18)で得られる幅Wに設定することにより、良好な振動を得るのに十分な振幅を得ることができる。
以上、実施の形態の電子機器100によれば、トップパネル120及び振動素子140を重ね合わせた区間の曲げ剛性をMcと、トップパネル120のみの区間の曲げ剛性をMpとの剛性比α(=Mp/Mc)を用いて、振動素子140のY軸方向の幅Wを設定する。これにより、良好な触感を提供できる電子機器100を提供できる。
また、トップパネル120の超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させるので、利用者に良好な触感を提供することができる。
また、実施の形態の電子機器100は、正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の振幅のみを振幅変調器320で変調することによって駆動信号を生成している。正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の周波数は、トップパネル120の固有振動数に等しく、また、この固有振動数は振動素子140を加味して設定している。
すなわち、正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の周波数又は位相を変調することなく、振幅のみを振幅変調器320で変調することによって駆動信号を生成している。
従って、トップパネル120の超音波帯の固有振動をトップパネル120に発生させることができ、スクイーズ効果による空気層の介在を利用して、指でトップパネル120の表面をなぞったときの動摩擦係数を確実に低下させることができる。また、Sticky-band Illusion効果、又は、Fishbone Tactile Illusion効果により、トップパネル120の表面に凹凸が存在するような良好な触感を利用者に提供することができる。
また、以上では、トップパネル120に凹凸が存在するような触感を利用者に提供するために、振動素子140のオン/オフを切り替える形態について説明した。振動素子140をオフにするとは、振動素子140を駆動する駆動信号が表す振幅値をゼロにすることである。
しかしながら、このような触感を提供するために、必ずしも振動素子140をオンからオフにする必要はない。例えば、振動素子140のオフの状態の代わりに、振幅を小さくして振動素子140を駆動する状態を用いてもよい。例えば、振幅を1/5程度に小さくすることにより、振動素子140をオンからオフにする場合と同様に、トップパネル120に凹凸が存在するような触感を利用者に提供してもよい。
この場合は、振動素子140の振動の強弱を切り替えるような駆動信号で振動素子140を駆動することになる。この結果、トップパネル120に発生する固有振動の強弱が切り替えられ、利用者の指先に凹凸が存在するような触感を提供することができる。
振動素子140の振動の強弱を切り替えるために、振動を弱くする際に振動素子140をオフにすると、振動素子140のオン/オフを切り替えることになる。振動素子140のオン/オフを切り替えることは、振動素子140を断続的に駆動することである。
ここで、図28乃至図31を用いて、実施の形態の電子機器100(図3参照)の変形例について説明する。
図28は、実施の形態の変形例の電子機器100Cの断面を示す図である。図28に示す断面は、図3に示すA−A矢視断面に対応する断面である。図28では図3と同様に直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
電子機器100Cは、筐体110B、トップパネル120、パネル121、両面テープ130、振動素子140、タッチパネル150、ディスプレイパネル160A、及び基板170を含む。
電子機器100Cは、図3に示す電子機器100のタッチパネル150を裏面側(Z軸負方向側)に設けた構成を有する。このため、図3に示す電子機器100と比べると、両面テープ130、振動素子140、タッチパネル150、及び基板170が裏面側に配設されている。
筐体110Bには、Z軸正方向側の凹部110Aと、Z軸負方向側の凹部110Cとが形成されている。凹部110Aの内部には、ディスプレイパネル160Aが配設され、トップパネル120で覆われている。また、凹部110Cの内部には、基板170とタッチパネル150が重ねて設けられ、パネル121は両面テープ130で筐体110Bに固定され、パネル121のZ軸正方向側の面には、振動素子140が設けられている。
図28に示す電子機器100Cにおいて、パネル121への操作入力に応じて、振動素子140のオン/オフを切り替えることによってパネル121に超音波帯の固有振動を発生させれば、図3に示す電子機器100と同様に、利用者が指先の感覚でディスプレイパネル160に表示される画像に対応した触感を知覚できる電子機器100Cを提供することができる。
なお、図28には、裏面側にタッチパネル150を設けた電子機器100Cを示すが、図3に示す構造と図28に示す構造とを合わせて、表面側と裏面側とにそれぞれタッチパネル150を設けてもよい。
図29は、実施の形態の変形例の電子機器100Dを示す図である。電子機器100Dは、ノートブック型のPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)である。
PC100Dは、ディスプレイパネル160B1とタッチパッド160B2を含む。
図30は、実施の形態の変形例の電子機器100Dのタッチパッド160B2の断面を示す図である。図30に示す断面は、図3に示すA−A矢視断面に対応する断面である。図30では図3と同様に直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
タッチパッド160B2は、図3に示す電子機器100から、ディスプレイパネル160を取り除いた構成を有する。
図29に示すようなPCとしての電子機器100Dにおいて、タッチパッド160B2への操作入力に応じて、振動素子140のオン/オフを切り替えることによってトップパネル120に超音波帯の固有振動を発生させれば、図3に示す電子機器100と同様に、タッチパッド160B2への操作入力の移動量に応じて、利用者の指先に触感を通じて操作感を提供することができる。
また、ディスプレイパネル160B1の裏面に振動素子140を設けておけば、図3に示す電子機器100と同様に、ディスプレイパネル160B1への操作入力の移動量に応じて、利用者の指先に触感を通じて操作感を提供することができる。この場合は、ディスプレイパネル160B1の代わりに、図3に示す電子機器100を設ければよい。
図31は、実施の形態の変形例の電子機器100Eの動作状態を示す平面図である。
電子機器100Eは、筐体110、トップパネル120C、両面テープ130、振動素子140、タッチパネル150、ディスプレイパネル160、及び基板170を含む。
図31に示す電子機器100Eは、トップパネル120Cが曲面ガラスであること以外は、図3に示す実施の形態の電子機器100の構成と同様である。
トップパネル120Cは、平面視における中央部がZ軸正方向側に突出するように湾曲している。図31には、トップパネル120CのYZ平面における断面形状を示すが、XZ平面における断面形状も同様である。
このように、曲面ガラスのトップパネル120Cを用いることにより、良好な触感を提供できる。特に、画像として表示する物体の実物の形状が湾曲している場合に有効的である。
以上、本発明の例示的な実施の形態の電子機器について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 電子機器
110 筐体
120 トップパネル
130 両面テープ
140、140A 振動素子
150 タッチパネル
160 ディスプレイパネル
170 基板
180A、180A1、180B 遮蔽壁
200 制御部
220 アプリケーションプロセッサ
230 通信プロセッサ
240 駆動制御部
250 メモリ
300 駆動制御装置
310 正弦波発生器
320 振幅変調器

Claims (4)

  1. 操作面を有するトップパネルと、
    前記操作面に行われる操作入力の位置を検出する位置検出部と、
    前記トップパネルに取り付けられ、前記操作面に振動を発生させる振動素子と、
    前記操作面に超音波帯の固有振動を発生させる駆動信号で前記振動素子を駆動する駆動制御部であって、前記操作面への操作入力の位置及び当該位置の時間的変化度合に応じて、前記固有振動の強度が変化するように前記振動素子を駆動する駆動制御部と
    を含み、
    前記固有振動の振幅が変化する方向における前記振動素子の幅は、前記トップパネルに前記振動素子が取り付けられている部分における前記トップパネル及び前記振動素子の曲げ剛性に対する前記トップパネルの曲げ剛性の比に基づいて設定される、電子機器。
  2. 前記振動素子は、前記固有振動の振幅が変化する方向において前記トップパネルの端部よりも内側で前記固有振動の腹に対応する位置に取り付けられており、
    前記トップパネルと前記振動素子が重ね合わされている区間における前記固有振動の波長をλc、前記比をαとすると、前記振動素子の幅Wは、0.5λc≦W≦(0.85−0.35α)λcを満たす、請求項1記載の電子機器。
  3. 前記振動素子は、前記固有振動の振幅が変化する方向において前記トップパネルの端部に取り付けられており、
    前記トップパネルと前記振動素子が重ね合わされている区間における前記固有振動の波長をλc、前記比をαとすると、前記振動素子の幅Wは、0.625λc≦W≦(0.81−0.185α)λcを満たす、請求項1記載の電子機器。
  4. 前記比は、0.35以下である、請求項1乃至3のいずれか一項記載の電子機器。
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