JPWO2017098560A1 - エレベータ用避難装置 - Google Patents

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Abstract

エレベータ用避難装置では、フェッシャプレート(6)が昇降路内に固定されている。フェッシャプレート(6)は、昇降路の壁面に対向している。フェッシャプレート(6)には、避難梯子(7)が設けられている。これにより、上下に隣接する2つの階の間にかご(2)が停止した場合に、かご(2)から乗場への人の避難を迅速かつより確実に行うことができる。

Description

この発明は、上下に隣接する2つの階の間にかごが停止した場合に、かご内の人を階の乗場へ避難させるためのエレベータ用避難装置に関するものである。
従来、かご内に閉じ込められた乗客が自力でかご内から各階の乗場に脱出できるようにするために、かごの上部天井内に脱出用の梯子を収納しておき、かごの非常ボタンが押されたときに梯子が上部天井からかご内に降りるようにしたエレベータの脱出装置が提案されている。このような従来のエレベータの脱出装置では、梯子を使ってかご上に登った乗客が梯子をかご上に引き上げた後、乗場出入口とかご上との間に梯子を立てかけることにより、乗客がかご上から乗場に脱出可能になる(例えば特許文献1参照)。
国際公開WO2012/059970
しかし、特許文献1に示されているエレベータの脱出装置では、通常のかご搭載機器とは別に梯子をかごに設置する必要があるので、梯子の設置スペースを確保するための手間がかかってしまう。また、足場が悪くスペースも狭いかご上で梯子を取り扱わなければならないので、梯子の取り扱いに時間がかかってしまうだけでなく、梯子をかご上から落としてしまうおそれもある。さらに、乗場出入口とかご上との間に梯子が立てかけられた状態で乗客が梯子を登る必要があるので、不安定な梯子を乗客が時間をかけて登ることになり、乗客の脱出時間の短縮化を図ることができない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、上下に隣接する2つの階の間にかごが停止した場合に、かごから乗場への人の避難を迅速かつより確実に行うことができるエレベータ用避難装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ用避難装置は、昇降路内に固定され、昇降路の壁面に対向しているフェッシャプレート、及びフェッシャプレートに設けられている避難梯子を備えている。
この発明によるエレベータ用避難装置によれば、フェッシャプレートに避難梯子が設けられているので、かご上から乗場に避難するためにかご上に避難用の梯子を仮設する必要がなくなる。また、昇降路内に避難梯子を安定した状態で設置することができ、避難時に人が避難梯子を登るのに要する時間の短縮化を図ることができる。これにより、上下に隣接する2つの階の間にかごが停止した場合に、かごから乗場への人の避難を迅速かつより確実に行うことができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。 図2のエレベータ用避難装置が使用可能になっている状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。 図4のエレベータ用避難装置が使用可能になっている状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。 図6のエレベータ用避難装置が使用可能になっている状態を示す斜視図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。図において、建物には、昇降路1が設けられている。昇降路1内には、かご2が上下方向へ移動可能に設けられている。
建物の各階には、昇降路1と乗場とを互いに連通する乗場出入口3と、乗場出入口3を開閉する図示しない乗場ドアとが設けられている。かご2には、図示しないかご出入口と、かご出入口を開閉する図示しないかごドアとが設けられている。かご2が各階のいずれかに停止すると、かご2が停止した階の乗場ドアにかごドアが対向する。かご2が階に停止している状態では、かごドア及び乗場ドアが互いに係合しながら乗場出入口3及びかご出入口の間口方向(即ち、幅方向)へ移動することにより、乗場出入口3及びかご出入口が同時に開閉される。
かご2のかご壁パネル内又はかご天井内には、図示しないかご内梯子が収容されている。かご内梯子は、かご2内の人が取り出し可能になっている。かご内梯子としては、例えば伸縮可能な梯子又は折り畳み可能な梯子等が用いられている。
各階の乗場出入口3の下部には、乗場敷居4が乗場出入口3の間口方向に沿って配置されている。乗場敷居4は、乗場敷居4の幅方向を乗場出入口3の奥行き方向と一致させた状態で配置されている。乗場敷居4は、乗場敷居4の幅方向の一部又は全部を昇降路1の壁面から昇降路1内に突出させた状態で乗場の床に固定されている。乗場ドアは、乗場敷居4の長手方向へ移動可能になっている。
各階の乗場敷居4の下部には、エレベータ用避難装置(以下、単に「避難装置」という)5が設けられている。避難装置5は、昇降路1内で乗場敷居4の下部に固定されているフェッシャプレート6と、フェッシャプレート6に設けられている避難梯子7とを有している。
フェッシャプレート6は、乗場出入口3の間口方向の範囲で乗場敷居4から下方へ延びている。また、フェッシャプレート6の幅方向は、乗場敷居4の長手方向と一致している。さらに、フェッシャプレート6は、乗場敷居4の下方で昇降路1の壁面と対向している。また、フェッシャプレート6は、一対のプレート部61を有している。一対のプレート部61は、乗場敷居4の長手方向について互いに離して配置されている。この例では、一対のプレート部61のそれぞれの大きさ及び形状が互いに同じになっている。
一対のプレート部61は、かご2の移動方向に沿って配置されている保護面部62と、保護面部62の下端部に設けられている傾斜面部63とをそれぞれ有している。
各保護面部62は、乗場敷居4の幅方向について昇降路1の壁面から離して配置されている。これにより、各保護面部62とかご2との間の水平方向の隙間は、昇降路1の壁面とかご2との間の水平方向の隙間よりも狭くなっている。この例では、乗場敷居4の昇降路1内に露出する幅方向端面と各保護面部62との間に段差が生じないように、乗場敷居4の幅方向端面の位置に合わせて各保護面部62が配置されている。
各傾斜面部63は、各保護面部62に対して傾斜している。また、各傾斜面部63は、各保護面部62の下端部から下方へ昇降路1の壁面に近づきながら突出している。これにより、各傾斜面部63と昇降路1の壁面との間の水平方向の距離は、傾斜面部63の上端部から下端部になるにつれて連続的に小さくなっている。
避難梯子7は、一対のプレート部61の間の空間に配置されている。また、避難梯子7は、一対のプレート部61のそれぞれに上下方向に沿って固定されている一対の板状の縦部材71と、一対の縦部材71間にそれぞれ固定されている複数の横部材である棒状のステップ72とを有している。
一対の縦部材71は、フェッシャプレート6の幅方向について互いに対向している。また、各縦部材71は、保護面部62からかご2側へ突出していない状態で一対のプレート部61に個別に固定されている。
複数のステップ72は、上下方向について互いに間隔を置いて配置されている。また、各ステップ72は、各保護面部62を含む仮想平面からかご2側へ突出していない状態で一対の縦部材71間に配置されている。この例では、各保護面部62を含む仮想平面よりも昇降路1の壁面に近い位置に各ステップ72がそれぞれ水平に配置されている。これにより、この例では、避難梯子7が、昇降路1内に露出された状態でフェッシャプレート6の内側に固定されている。
次に、上下に隣接する2つの階の間にかご2が停止した場合にかご2内の人が階の乗場へ避難するときの手順について説明する。例えば建物の火災時の消火活動によって停電が発生した場合等には、上下に隣接する2つの階の間、即ち階間にかご2が停止してしまうおそれがある。階間にかご2が停止した場合にかご2内の人(例えば乗客又は消防隊員等)が階の乗場へ自力で避難するときには、まず、かご2内の人が、例えばかご内梯子等を用いてかご2の天井まで移動し、かご2の天井に設けられた非常出入口を通ってかご2上に乗る。この後、かご2上に乗った人は、避難梯子7を登ることにより乗場出入口3まで移動し、乗場出入口3を通って階の乗場に避難する。
このような避難装置5では、フェッシャプレート6に避難梯子7が設けられているので、階間にかご2が停止した場合の避難時にかご2上に避難用の梯子を仮設する必要がなくなる。また、昇降路1内に避難梯子7を安定した状態で設置することができ、避難時に人が避難梯子7を登るのに要する時間の短縮化を図ることができる。このようなことから、上下に隣接する2つの階の間にかご2が停止した場合に、かご2から乗場への人の避難を迅速かつより確実に行うことができる。また、避難梯子7を昇降路1内に設置するときに建物を加工する必要がないので、避難梯子7の設置を容易にすることができる。これにより、コストの増加を抑制することができるとともに、稼働中の建物でもエレベータのリフォーム時に避難梯子7を容易に適用することができる。
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。また、図3は、図2のエレベータ用避難装置が使用可能になっている状態を示す斜視図である。避難装置5は、フェッシャプレート6に取り付けられているカバー8をさらに有している。カバー8は、避難梯子7を覆う通常位置(図2)と、避難梯子7を昇降路1内に露出させる開放位置(図3)との間でフェッシャプレート6に対して変位可能になっている。
カバー8は、一対のプレート部61間に固定されている水平軸9を中心としてフェッシャプレート6に対して回動可能になっている。この例では、一対の傾斜面部63のそれぞれの下端部間に水平軸9が固定されている。水平軸9は、フェッシャプレート6の幅方向に沿って配置されている。カバー8は、フェッシャプレート6に対する回動によって、図2の通常位置と、通常位置よりも下方に位置する図3の開放位置との間で変位される。
この例では、カバー8の形状が各プレート部61の形状と同じ形状になっている。これにより、カバー8が通常位置にあるときには、一対のプレート部61のそれぞれとカバー8との間に段差が生じないように各プレート部61の保護面部62及び傾斜面部63のそれぞれに沿ってカバー8が配置されている。
開放位置にあるときのカバー8は、避難梯子7の下方に配置されている。通常位置及び開放位置の一方から他方へのカバー8の変位は、カバー8の変位の範囲にかご2が存在していない状態で行われる。他の構成は実施の形態1と同様である。
エレベータの通常運転時には、カバー8が通常位置にあり、避難梯子7がカバー8で覆われている。上下に隣接する2つの階の間にかご2が停止した場合にかご2内の人が階の乗場へ自力で避難するときには、まず、実施の形態1と同様にしてかご2内の人がかご2上に乗る。この後、かご2上に乗った人は、水平軸9を中心としてカバー8を回動させながら、カバー8を通常位置から開放位置へ変位させる。これにより、フェッシャプレート6に固定された避難梯子7が昇降路1内に露出し、避難装置5が使用可能になる。この後、かご2上に乗っている人は、避難梯子7を登ることにより乗場出入口3まで移動し、乗場出入口3を通って階の乗場に避難する。
このような避難装置5では、フェッシャプレート6に取り付けられているカバー8が、避難梯子7を覆う通常位置と、避難梯子7を昇降路1内に露出させる開放位置との間でフェッシャプレート6に対して変位可能になっているので、エレベータの通常運転時に避難梯子7をカバー8で覆い、かご2内から乗場へ人が避難するときに避難梯子7を昇降路1内に露出させることができる。従って、エレベータの通常運転時にはかご2の移動によって避難装置5で生じる風切音を抑制することができ、かご2内から乗場へ人が避難するときには避難梯子7を用いることによりかご2上の人の乗場への避難が可能になる。
なお、上記の例では、フェッシャプレート6に対するカバー8の回動によってカバー8が通常位置と開放位置との間で変位されるようになっているが、例えばフェッシャプレート6に対するカバー8のスライド移動によってカバー8を通常位置と開放位置との間で変位させるようにしてもよい。この場合、フェッシャプレート6の幅方向に沿ってカバー8をフェッシャプレート6に対してスライド移動させてもよいし、上下方向に沿ってカバー8をフェッシャプレート6に対してスライド移動させてもよい。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。また、図5は、図4のエレベータ用避難装置が使用可能になっている状態を示す斜視図である。避難装置5は、カバー8に固定されている延長梯子10をさらに有している。
カバー8は、フェッシャプレート6に対する回動によって、避難梯子7を覆う通常位置(図4)と、避難梯子7を昇降路1内に露出させる開放位置(図5)との間で変位される。また、カバー8は、図4の通常位置にあるとき、カバー8の表面8aを昇降路1内に露出させ、カバー8の裏面8bを避難梯子7に向けた状態で配置されている。さらに、カバー8は、図5の開放位置にあるとき、カバー8の表面8aを昇降路1の壁面に向け、カバー8の裏面8bを昇降路1内に露出させた状態で配置されている。
延長梯子10は、カバー8の裏面8bに固定されている。これにより、延長梯子10は、カバー8が通常位置にあるときにカバー8と昇降路1の壁面との間に収容され、カバー8が開放位置にあるときに避難梯子7の下方で昇降路1内に露出されている。
また、延長梯子10は、複数の横部材であるステップ10aを有している。各ステップ10aは、カバー8の回動中心である水平軸9に直交する方向について互いに間隔を置いてカバー8に固定されている。各ステップ10aは、カバー8の裏面8bからそれぞれ突出している。この例では、各ステップ10aの形状がU字状になっており、各ステップ10aの一端部及び他端部がカバー8の裏面8bに固定されている。
カバー8が通常位置にあるときには、避難梯子7の各ステップ72の間の空間に延長梯子10の各ステップ10aが配置されている。これにより、通常位置及び開放位置の一方から他方へカバー8が変位されるときに、各ステップ10aが各ステップ72と干渉しないようになっている。他の構成は実施の形態2と同様である。
エレベータの通常運転時には、実施の形態2と同様に、カバー8が通常位置にあり、避難梯子7がカバー8で覆われている。この状態では、避難梯子7だけでなく延長梯子10も、昇降路1内に露出せずにカバー8で覆われている。上下に隣接する2つの階の間にかご2が停止した場合にかご2内の人が階の乗場へ自力で避難するときには、まず、実施の形態1と同様にしてかご2内の人がかご2上に乗る。この後、かご2上に乗った人は、水平軸9を中心としてカバー8を回動させながら、カバー8を通常位置から開放位置へ変位させる。これにより、フェッシャプレート6に固定された避難梯子7が昇降路1内に露出するとともに、カバー8の裏面8bに固定された延長梯子10が避難梯子7の下方で昇降路1内に露出し、避難装置5が使用可能になる。この後、かご2上に乗っている人は、延長梯子10及び避難梯子7を順次登ることにより乗場出入口3まで移動し、乗場出入口3を通って階の乗場に避難する。
このような避難装置5では、延長梯子10がカバー8に固定されているので、カバー8を開放位置に変位させることにより、避難梯子7の下方に延長梯子10を配置することができる。これにより、避難梯子7に延長梯子10を連続して配置することができ、梯子全体の長さを長くすることができる。従って、階間にかご2が停止したときにフェッシャプレート6からかご2までの距離が大きくなった場合にも、かご2上に乗った人が延長梯子10及び避難梯子7を用いて乗場出入口3に移動することができ、かご2上から乗場への避難をさらに確実に行うことができる。
なお、上記の例では、延長梯子10の各ステップ10aの形状がU字状になっているが、これに限定されず、例えば延長梯子10の各ステップ10aの形状を板状にしてもよい。この場合、各ステップ10aは、カバー8の裏面8bから突出した状態でカバー8に固定される。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4によるエレベータ用避難装置を示す斜視図である。また、図7は、図6のエレベータ用避難装置が使用可能になっている状態を示す斜視図である。フェッシャプレート6は、かご2の移動方向に沿って配置されている保護面部62と、保護面部62の下端部に設けられている傾斜面部63とをそれぞれ有している。保護面部62及び傾斜面部63は、乗場出入口3の間口方向の全範囲に亘って配置されている。
フェッシャプレート6に設けられている避難梯子12は、2本のロープと、2本のロープ間に固定されている複数の横部材であるステップとを有する縄梯子である。複数のステップは、2本のロープの長さ方向について互いに間隔を置いて配置されている。
乗場敷居4の下方には、図示しない巻取軸が乗場敷居4の長手方向に沿って配置されている。巻取軸は、フェッシャプレート6の裏面に直接設けられている。なお、巻取軸は、乗場敷居4を介してフェッシャプレート6に設けてもよい。避難梯子12は、エレベータの通常運転時に、フェッシャプレート6の保護面部62と昇降路1の壁面との間に、巻取軸に巻き取られている状態で収容されている。
保護面部62の上端部には、縄梯子である避難梯子12を通すことが可能な矩形状の開口部64が設けられている。保護面部62には、開口部64を開閉可能な蓋11が設けられている。この例では、保護面部62に対する蓋11の回動によって開口部64が開閉される。また、この例では、開口部64の下縁部に沿って水平に配置された回動軸を中心として蓋11が回動可能になっている。これにより、階間にかご2が停止されている状態では、巻取軸から繰り出された避難梯子12を開口部64から下方へ垂らすことが可能になる。
かご2の上部には、避難梯子12をかご2に留める留め具である一対のフック13が固定されている。一対のフック13は、フェッシャプレート6の幅方向について避難梯子12の寸法に合わせて互いに離して配置されている。一対のフック13には、保護面部62の開口部64から垂れ下がった避難梯子12のステップが掛けられるようになっている。避難梯子12のステップが一対のフック13に掛けられることにより、避難梯子12がかご2に留められ、避難梯子12がかご2に対して横振れしにくくなる。他の構成は実施の形態1と同様である。
エレベータの通常運転時には、フェッシャプレート6の保護面部62と昇降路1の壁面との間に避難梯子12が収容されているとともに、開口部64が蓋11で閉じている。上下に隣接する2つの階の間にかご2が停止した場合にかご2内の人が階の乗場へ自力で避難するときには、まず、実施の形態1と同様にしてかご2内の人がかご2上に乗る。この後、かご2上に乗った人は、蓋11を回動させて開口部64を開けてから、巻取軸に巻かれている避難梯子12を、開口部64を通して繰り出す。これにより、避難梯子12は、開口部64から下方へ垂れ下がる。この後、かご2上の人は、避難梯子12のステップを一対のフック13に掛けることにより、避難梯子12の状態を安定させる。この後、かご2上の人は、避難梯子12を登ることにより乗場出入口3まで移動し、乗場出入口3を通って階の乗場に避難する。
このような避難装置5では、避難梯子12が縄梯子になっているので、避難梯子12をコンパクトにすることができ、エレベータの通常運転時にフェッシャプレート6と昇降路1の壁面との間の狭い空間に避難梯子12を収容することができる。また、縄梯子が通る程度の大きさにまで開口部64を縮小化することができるので、フェッシャプレート6の加工の手間を軽減することができる。さらに、手に入りやすい安価な縄梯子が避難梯子12として用いられているので、避難装置5のコストの低減化を図ることもできる。
また、かご2の上部には、一対のフック13が固定されているので、フェッシャプレート6の開口部64から垂れ下がった縄梯子である避難梯子12をかご2に留めることができる。これにより、避難梯子12の状態を安定させることができ、かご2上の人が階の乗場に移動する時間の短縮化を図ることができる。
また、フェッシャプレート6には、開口部64を開閉する蓋11が設けられているので、エレベータの通常運転時に開口部64を蓋11で閉じることができる。これにより、通常運転時のかご2の移動により避難装置5に生じる風切音を抑制することができる。
なお、上記の例では、開口部64を開閉する蓋11がフェッシャプレート6に設けられているが、蓋11はなくてもよい。
1 昇降路、2 かご、5 エレベータ用避難装置、6 フェッシャプレート、7 避難梯子、8 カバー、10 延長梯子、12 避難梯子(縄梯子)、13 フック(留め具)、64 開口部。

Claims (5)

  1. 昇降路内に固定され、昇降路の壁面に対向しているフェッシャプレート、及び
    前記フェッシャプレートに設けられている避難梯子
    を備えているエレベータ用避難装置。
  2. 前記フェッシャプレートに取り付けられているカバー
    を備え、
    前記カバーは、前記避難梯子を覆う通常位置と、前記避難梯子を前記昇降路内に露出させる開放位置との間で前記フェッシャプレートに対して変位可能になっている請求項1に記載のエレベータ用避難装置。
  3. 前記カバーに固定されている延長梯子
    を備え、
    前記カバーは、前記フェッシャプレートに対する回動によって前記通常位置と前記開放位置との間で変位され、
    前記延長梯子は、前記カバーが前記通常位置にあるときに前記カバーと前記壁面との間に収容され、前記カバーが前記開放位置にあるときに前記避難梯子の下方で前記昇降路内に露出されている請求項2に記載のエレベータ用避難装置。
  4. 前記避難梯子は、前記フェッシャプレートと前記壁面との間に収容されている縄梯子であり、
    前記フェッシャプレートには、前記縄梯子を通すことが可能な開口部が設けられている請求項1に記載のエレベータ用避難装置。
  5. 前記昇降路を移動可能なかごの上部には、前記縄梯子を前記かごに留める留め具が設けられている請求項4に記載のエレベータ用避難装置。
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