JPWO2017082361A1 - セシウム回収材及びセシウム回収方法 - Google Patents

セシウム回収材及びセシウム回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017082361A1
JPWO2017082361A1 JP2017550397A JP2017550397A JPWO2017082361A1 JP WO2017082361 A1 JPWO2017082361 A1 JP WO2017082361A1 JP 2017550397 A JP2017550397 A JP 2017550397A JP 2017550397 A JP2017550397 A JP 2017550397A JP WO2017082361 A1 JPWO2017082361 A1 JP WO2017082361A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cesium
nonwoven fabric
water
fiber
recovery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017550397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6572320B2 (ja
Inventor
田中 次郎
次郎 田中
公秦 今井
公秦 今井
章弘 笹島
章弘 笹島
明信 前田
明信 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Publication of JPWO2017082361A1 publication Critical patent/JPWO2017082361A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6572320B2 publication Critical patent/JP6572320B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/02Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material
    • B01J20/0203Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material comprising compounds of metals not provided for in B01J20/04
    • B01J20/0225Compounds of Fe, Ru, Os, Co, Rh, Ir, Ni, Pd, Pt
    • B01J20/0229Compounds of Fe
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/02Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/22Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising organic material
    • B01J20/26Synthetic macromolecular compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/28Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof characterised by their form or physical properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01CAMMONIA; CYANOGEN; COMPOUNDS THEREOF
    • C01C3/00Cyanogen; Compounds thereof
    • C01C3/08Simple or complex cyanides of metals
    • C01C3/12Simple or complex iron cyanides
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
    • G21F9/00Treating radioactively contaminated material; Decontamination arrangements therefor
    • G21F9/04Treating liquids
    • G21F9/06Processing
    • G21F9/12Processing by absorption; by adsorption; by ion-exchange

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

放射性セシウムを含有する汚染水を吸収させ、吸収された汚染水から放射性セシウムを選択的に回収することのできるセシウム回収材を提供する。不織布から形成された包材と、包材中に収容された高吸水性ポリマーパウダーと、を含み、不織布はフェロシアン化物及びフェリシアン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むセシウム回収材を用いる。
【選択図】図1B

Description

本発明は、放射性セシウムで汚染された汚染水の除染に用いられるセシウム回収材に関する。
原子力発電所の事故により放射性物質が漏出したとき、放射性物質を含む汚染水が発生する。例えば、廃炉作業現場の汚染水を貯留する貯蔵タンクから汚染水が溢れ出て原子力発電所の周辺地域を汚染することがあった。また、原子力発電所内外の道路等に降った放射性セシウムを含む雨水は溜め枡に貯留されるために、豪雨のときに、汚染水が溜め枡から溢れ出ることも懸念されている。
フェロシアン化鉄を含む紺青は、セシウムを吸着することが知られている。従来、紺青を用いて汚染水中の放射性セシウムを回収する方法が提案されている。例えば下記特許文献1は、繊度0.001〜10dtexの繊維を含み、繊維の表面に紺青をバインダで付着させた布帛を用いて、土壌中の放射性セシウムを回収する技術を開示する。
また、下記特許文献2は、布帛もしくはフィルムに不織布を重ねてニードルパンチおよび/または縫製により固定され一体化されてなる通水性の包材に、水膨潤性吸水性樹脂を封入した袋を開示する。
また、下記特許文献3は、放射性セシウムを回収する技術に関するものではないが、洪水や水災害などの時に水や土砂の侵入を防ぐため応急処置的に用いられる土嚢として、布帛もしくはフィルムに不織布を重ねてニードルパンチおよび/または縫製により固定され一体化されてなる水膨潤性吸水性樹脂用包材を開示する。
また、下記特許文献4は、洪水や水災害などの時に水や土砂の侵入を防ぐため応急処置的に用いられる土嚢として、透水性を有する外袋内に吸水性高分子材料が収容されてなる土嚢状物形成体であって、高吸水性ポリマーの微粒子を水溶性ポリビニルアルコールフィルム製の袋状の包装体に収容した状態で外袋の開口部を縫合閉塞させてなる土嚢状物形成体を開示する。
特開2013−253361号公報 特開2015−155079号公報 特開2010−255346号公報 特開2001−279638号公報
特許文献2に開示された水膨潤性吸水性樹脂が封入された袋を用いることにより、放射性セシウムを含む汚染水を水膨潤性吸水性樹脂に吸収させて汚染水を回収することができる。しかし、汚染水を回収させた袋は水分を吸収して例えば数100倍の体積に膨らんで土嚢のようになり、膨らんだ袋は非常に重くなる。その結果、自重や運搬時の外力により、吸水した水膨潤性吸水性樹脂を封入した土嚢のように膨らんだ袋から、放射性セシウムを含む汚染水が漏出することがあった。この場合、汚染水が漏出した領域が放射性セシウムで汚染されたり、運搬作業者が被ばくしたりする可能性があった。
本発明の目的は、放射性セシウムを含有する汚染水を回収し、回収した汚染水から放射性セシウムを選択的に回収するためのセシウム回収材を提供することにある。
本発明の一局面は、不織布から形成された包材と、包材中に収容された高吸水性ポリマーパウダーと、を含み、不織布はフェロシアン化物及びフェリシアン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下セシウム捕捉剤とも称する)を含むセシウム回収材である。セシウム回収材に含まれる高吸水性ポリマーパウダーは汚染水を吸収して膨潤する。吸収された汚染水中の放射性セシウムは、セシウム捕捉剤により捕捉される。このようなセシウム回収材を用いることにより、高吸水性ポリマーに吸収される汚染水から放射性セシウムを選択的に回収できる。
また、高吸水性ポリマーパウダーは包材に直接、収容されていることが好ましい。織物や目の粗い不織布を用いた包材に高吸水性ポリマーパウダーを収容した場合、高吸水性ポリマーパウダーが漏出する。そのために高吸水性ポリマーパウダーは水溶性ポリビニルアルコールフィルム製など水溶性の内袋に収容される必要がある。水溶性の内袋に高吸水性ポリマーパウダーを収容した場合、汚染水に接触して内袋が溶解するまでの間は、汚染水が高吸水性ポリマーパウダーに吸収されずに通過してしまうという問題を生じる。そのために、高吸水性ポリマーパウダーは内袋を介することなく包材に直接収容されていることが好ましい。
また、不織布は1dtex以下の極細繊維を含む、見かけ密度0.20〜1.2g/cm3の不織布であることが好ましい。この不織布は緻密で均質な繊維密度を有するために、高吸水性ポリマーパウダーが繊維間の空隙から漏出しにくくなる。従って、高吸水性ポリマーパウダーを直接包材に収容することができる。また、この不織布は高い機械的強度を有するために、吸水して膨潤した高吸水性ポリマーパウダーのゲルが土嚢のように重くなっても、繊維間の空隙からゲルが漏出することを抑制できる。また、この不織布は緻密で均質な繊維構造を有するために、セシウム捕捉剤をムラなく均質に担持させることができる。また、この不織布は、緻密で均質な繊維構造を有するために吸水速度が低く、そのために汚染水と接触する時間が長くなる。
また、不織布は湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された不織布であることが好ましい。この不織布は、ニードルパンチのような厚み方向に機械的に繊維を絡合させる処理を経ることなく、繊維の表面同士が湿熱接着されて固定される。そのために、この不織布は、径の大きなニードル痕のような穴を有さない。そのために膨潤後のゲルが穴から外に漏出しにくくなる。また、この不織布はニードルパンチのような物理的な外力が付与されて繊維同士を絡合させて形成させた不織布ではないために、繊維の密度が均質であるために高い機械的強度を有する。
また、セシウム回収材は、包材中にも、フェロシアン化物及びフェリシアン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含むことが好ましい。セシウム捕捉化合物を包材中にも収容させることにより、セシウムを回収する能力をさらに向上させることができる。包材中に収容されるセシウム捕捉剤は、例えば、セシウム捕捉剤をバインダで担持させた不織布断片が取扱い性に優れる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、上記何れかのセシウム回収材を汚染水に接触させることにより、汚染水を吸収させて高吸水性ポリマーパウダーを膨潤させるセシウム回収方法である。
本発明によれば、放射性セシウムを含有する汚染水を回収し、回収された汚染水から放射性セシウムが漏出することを抑制できる。
図1Aは実施形態のセシウム回収材10の上面模式図である。 図1Bは実施形態のセシウム回収材10の断面模式図である。 図1Cは実施形態のセシウム回収材10の包材1を形成する不織布の模式拡大図である。 図2Aはセシウム回収材10を溜め枡11の周囲に配置して、溜め枡11が溢れる前の様子を説明する説明図である。 図2Bはセシウム回収材10を溜め枡の周囲に配置して、溜め枡11が溢れた後の様子を説明する説明図である。 図3は、実施形態のセシウム回収材15の断面模式図である。 図4は、実施例の湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された不織布の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像である。
本発明に係るセシウム回収材の一実施形態を説明する。
図1Aは、本実施形態のセシウム回収材10の上面図であり、図1Bは図1AのB−B’断面の断面図であり、図1Cは包材1を形成する不織布の拡大図を示す。図1A,図1B,及び図1C中、1は包材、2は高吸水性ポリマーパウダー、3は縫製糸、4は不織布を形成する繊維、5はセシウム捕捉剤、6はセシウム捕捉剤5を繊維4に接着するバインダである。また、vは不織布に存在する空隙である。
図1A及び図1Bに示すように、セシウム回収材10は、例えば矩形の不織布を2枚重ねてその周縁を縫製糸3で縫製して形成された包材1中に、所定量の高吸水性ポリマーパウダー2を収容した形態を有する。そして、図1Cに示すように、包材1の不織布を形成する繊維4の表面に、セシウム捕捉剤5がバインダ6で固定されている。
セシウム捕捉剤5はバインダ6で繊維4の表面に担持されている。放射性セシウムは水中ではCs+の形態でイオン化して存在する。MFe[Fe(CN)6](Mは陽イオン)で表されるセシウム捕捉剤は、Cs+を吸着する。そのために、包材1の素材となる不織布の繊維4の表面にバインダ6で担持されたセシウム捕捉剤5は、水中にイオン化して存在する放射性セシウムを吸着して選択的に回収する。
セシウム捕捉剤としては、配位子にシアン化物イオンを含む錯体である、フェロシアン化物イオン [Fe(CN)6]4-を含むフェロシアン化物や、フェリシアン化物イオン [Fe(CN)6]3-を含むフェリシアン化物が挙げられる。さらに具体的には、例えば、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)(Fe4[Fe(CN)6]3,フェロシアン化第二鉄),ヘキサシアノ鉄(III)酸鉄(II),フェロシアン化鉄アンモニウム(Fe(NH4)[Fe(CN)6]),フェロシアン化鉄カリウム,フェロシアン化銅(Cu2[Fe(CN)6]),フェロシアン化銀,フェロシアン化カドミウム(Cd2Fe(CN)6),フェロシアン化コバルト,フェロシアン化カリウム(K4[Fe(CN)6]),フェロシアン化鉛(II)(PbFe(CN)6),フェロシアン化マンガン(II)(Mn2Fe(CN)6)等のフェロシアン化物や、フェリシアン化カリウム(K3Fe(CN)6)等のフェリシアン化物等、またはそれらの水和物等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせても、また、粗精製物を用いてもよい。これらの中では青色顔料として知られる、Fe4[Fe(CN)6]3を含む紺青(プルシアンブルー)が入手しやすい点から好ましい。紺青は、通常、水に不溶または難溶の粒子である。セシウム捕捉剤は粒子であることが好ましい。その粒子の平均粒子径は特に限定されないが、0.01〜10μm、さらには0.01〜1μm、とくには0.02〜0.5μmであることが繊維表面に均質に付着し、脱落しにくい点から好ましい。
高吸水性ポリマーパウダーは、水を吸収して膨潤する水膨潤性の高吸水性ポリマー(Superabsorbent Polymer)のパウダーである。高吸水性ポリマーの具体例としては、例えば、ポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋物が挙げられる。これらの中では、吸水倍率及び吸水速度に優れる点から、ポリアクリル酸塩架橋物、とくには、ポリアクリル酸ナトリウム塩架橋物が好ましく用いられる。高吸水性ポリマーパウダーの吸水倍率(純水)は、10〜1000倍、さらには100〜1000倍であることが好ましい。また、高吸水性ポリマーパウダーの質量平均粒子径(D50)は、50〜1000μm、さらには100〜800μmであることが好ましい。また、粒子径10μm未満の微粒子は少ない方が好ましい。具体的には、粒子径10μm未満の微粒子の含有量が0〜5質量%、さらには、0〜3質量%、とくには0〜1質量%であることが好ましい
本実施形態のセシウム回収材10においては、高吸水性ポリマーパウダー2は、不織布製の包材1中に、水溶性の内袋を介さずに直接収容されている。そのために、高吸水性ポリマーパウダー2は、包材1から浸透した汚染水に速やかに接触して吸水する。なお、必要に応じて、高吸水性ポリマーパウダーを水溶性の内袋に収容してもよい。
高吸水性ポリマーパウダーの収容量は特に限定されない。一例としては、包材1の高吸水性ポリマーパウダーを収容する領域の単位面積に対する収容量が、0.25〜2500g/m2、さらには、5〜1000g/m2であることが好ましい。
次に、包材1を形成する不織布について詳しく説明する。不織布の種類は特に限定されないが、緻密で均質性の高い不織布が好ましい。具体的には、例えば、以下に説明するような、極細繊維の不織布や、湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された不織布が挙げられる。これらの不織布は、緻密で均質性の高い不織布は、大きな孔を有さないために高吸水性ポリマーパウダーを漏出させにくく、また、機械的強度に優れるために吸水して膨潤した高吸水性ポリマーパウダーのゲルも漏出させにくい。
はじめに、極細繊維の不織布について説明する。極細繊維の不織布は、混合紡糸方式や複合紡糸方式などの方法を用いて得られる、海島型複合繊維のような極細繊維発生型繊維を溶融紡糸した後、極細繊維発生型繊維の繊維ウェブを形成させ、複数層の繊維ウェブの積層体にニードルパンチすることにより極細繊維発生型繊維を絡合させ、その後、海成分を溶解することにより極細繊維化するような公知の製造方法により製造することができる。なお、海島型複合繊維は、繊維断面に海成分(マトリクス)と複数の島成分(ドメイン)とを含むマトリクス―ドメイン構造を有し、海成分を形成する樹脂のみを選択的に溶解または分解することにより極細繊維の束を形成できる繊維である。
極細繊維の不織布の繊維を形成するための樹脂としては次のような樹脂が例示できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリトリメチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエステルエラストマー等のポリエステル系樹脂;ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド610,芳香族ポリアミド,ポリアミドエラストマー等のポリアミド系樹脂;アクリル樹脂;ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂等の繊維形成能を有する繊維が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂から形成された繊維が、溶融紡糸性に優れていることに加えて、耐放射線性にも優れているために放射線による分解を抑制できる点から好ましい。
極細繊維発生型繊維の繊維ウェブの形成方法としては、スパンボンド法などにより紡糸した海島型長繊維をカットすることなく長繊維ウェブを形成する方法;メルトブロー法等のように、溶融繊維を気流で延伸しながら吹き飛ばして、短繊維ウェブを形成する方法;長繊維をカットして短繊維にした後、カード、クロスラッパー、ランダムウェッバーなどを用いて短繊維ウェブを形成する方法;が例示できる。これらの中では、緻密で均質な不織布が得られる点から、長繊維ウェブを形成する方法が好ましい。
極細繊維の繊度としては、1dtex以下、さらには0.5dtex以下、とくには0.2dtex以下であり、0.001dtex以上、さらには0.05dtex以上であることが好ましい。極細繊維の繊度が高すぎる場合には、繊維の緻密さ及び均質性が低下して機械的強度が低下する傾向がある。また、極細繊維の不織布の目付としては、例えば、80〜800g/m2、さらには150〜500g/m2程度が好ましい。このような目付けの場合には、充分な透水性や機械的強度を保持しながら、セシウム捕捉剤を均質に担持させることができる。
また、極細繊維の不織布の見かけ密度としては、0.20〜1.2g/cm3、さらには、0.30〜1.2g/cm3、さらには、0.30〜1.0g/cm3、とくには0.35〜0.85g/cm3が好ましい。このような見かけ密度の場合には、極細繊維が緻密になり不織布が均質になる。
次に、湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成される不織布について説明する。湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成される不織布は、湿熱接着性繊維の集合体であるウェブを湿熱処理することにより接着させて形成される不織布である。湿熱接着性繊維は湿熱処理により接着性を示す湿熱接着性樹脂を含む繊維である。具体的には、例えば、高温水蒸気や熱水に接触させる等の湿熱処理により接着性を帯び、湿熱接着性繊維同士、または、湿熱接着性繊維と湿熱処理により接着性を示さない非湿熱接着性繊維とを接着する繊維である。湿熱接着性樹脂は湿熱処理により接着性を帯びるために、ニードルパンチや水流絡合処理のような機械的処理により繊維を絡合させる方法を用いることなしに、繊維同士を固定できる。また、親水性が高い湿熱接着性樹脂は、吸水性に優れている。ニードルパンチを用いた場合には、不織布にニードルパンチ痕による孔が形成されて繊維密度が不均質になり、また、孔が形成された部分の機械的強度が低くなり、また、孔から水や吸水したゲルや高吸水性ポリマーパウダーが漏出しやすくなる傾向がある。
湿熱接着性樹脂としては、例えば、次のような樹脂が例示できる。加水分解によりビニルアルコール骨格を形成するビニルエステル基含有単量体20〜100モル%と不飽和二重結合を有するその他の単量体80〜0モル%との重合体を加水分解(ケン化)して得られる重合体;ポリエチレンオキシド,ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシドおよびそれらを骨格中に有する重合体;セルロース又はその誘導体;カルボキシ基,水酸基,エーテル基およびアミド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する単量体20〜100質量%と不飽和二重結合を有するその他の単量体80〜0質量%とを重合して得られる重合体;が挙げられる。湿熱接着性樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、加水分解によりビニルアルコール骨格を形成するビニルエステル基含有単量体20〜100モル%と不飽和二重結合を有するその他の単量体80〜0モル%との重合体を加水分解(ケン化)して得られる重合体が、湿熱接着性に優れ、また、高い強度や耐摩耗性を維持する点から好ましい。なお、ビニルエステル基含有単量体とその他の単量体との重合体は、ケン化により主鎖骨格中のビニルエステル単位がビニルアルコール単位に変換される。
ビニルエステル基含有単量体単位とその他の単量体単位とを含む重合体中の、その他の単量体単位の共重合率としては、20〜60モル%、さらには、25〜55モル%、とくには、30〜50モル%であることが好ましい。このような重合体としては、酢酸ビニルとエチレンとの重合体のケン化物である、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)とも称される)が特に好ましい。
湿熱接着性繊維の集合体であるウェブに含まれる湿熱接着性繊維としては、1種類の湿熱接着性樹脂のみを含む繊維であっても、異なる種類の湿熱接着性樹脂同士を組み合わせて複合化された複合繊維であっても、湿熱処理により接着性を示さない非湿熱接着性樹脂と湿熱接着性樹脂とを組み合わせて形成された複合繊維であってもよい。湿熱処理の条件は特に限定されないが、例えば、70〜150℃、さらには90〜130℃、とくには80〜120℃程度の高温水蒸気や熱水に接触させるような条件が挙げられる。湿熱接着性繊維が湿熱接着性樹脂と非湿熱接着性樹脂との複合繊維であることが、得られる不織布の見かけ密度や強度を調整しやすい点から好ましい。非湿熱接着性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリトリメチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド610,ポリアミド10,ポリアミド12,ポリアミド6−12,ポリアミド9T等のポリアミド系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;塩化ビニル系樹脂;スチレン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリウレタン系樹脂;熱可塑性エラストマー等の非水溶性樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂が、とくにはポリエチレンテレフタレートが、EVOHのような湿熱接着性樹脂よりも融点が高く、耐熱性や繊維形成性に優れる点から特に好ましい。
湿熱接着性樹脂が複合繊維である場合、湿熱接着性樹脂は、非湿熱接着性樹脂からなる繊維の表面に、その長手方向に連続するように被着されていることが好ましい。また、複合繊維の横断面の相構造としては、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型または多層貼合型、放射状貼合型、ランダム複合型等が挙げられる。これらの中では、湿熱接着性樹脂が鞘部を形成し、非湿熱接着性樹脂または他の湿熱接着性樹脂繊維が芯部を形成し、湿熱接着性樹脂が繊維の表面を覆う芯鞘型構造であることが、湿熱接着性が高い点から好ましい。また、湿熱接着性繊維は、非湿熱接着性繊維の表面に湿熱接着性樹脂をコートして形成されるような繊維であってもよい。
繊維ウェブを形成する湿熱接着性繊維や非湿熱接着性繊維の繊度は特に限定されない。例えば、1〜10dtex、さらには1〜6dtex程度であることが好ましい。繊度が高すぎる場合には繊維間の空隙が大きくなって、水や吸水したゲルや高吸水性ポリマーパウダーが漏出しやすくなる傾向がある。
湿熱接着性繊維を部分接着させて形成される不織布の見かけ密度としては、0.05〜0.40g/cm、さらには0.10〜0.30g/cm、とくには0.10〜0.20g/cmであることが好ましい。見かけ密度が低すぎる場合には機械的強度が低下したり、繊維間の空孔が大きくなりすぎたりする傾向がある。
次に、上述したような不織布にセシウム捕捉剤を含有させる方法について説明する。不織布にセシウム捕捉剤を含有させる方法としては、例えば、不織布を形成する繊維の表面にセシウム捕捉剤をバインダで接着させる方法が挙げられる。
バインダとしては、繊維の表面にセシウム捕捉剤を固定できる樹脂であれば特に限定なく用いられる。バインダの具体例としては、例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリオレフィン、石油樹脂、アスファルト、イソプレン系炭化水素、ブタジエンゴム、塩化ビニルなどの樹脂が挙げられる。
バインダは、不織布の透水性を維持するための内部空隙を閉塞させないように存在させる。具体的には、図1Cに示すように、バインダ6は、繊維4の表面に接着して粒子状に点在しているような形態が挙げられる。バインダを不織布の繊維の表面に均質に接着させるためには、例えば、ポリウレタンエラストマーエマルジョンやアクリル樹脂エラストマーのエマルジョンを凝固させた樹脂をバインダとして用いることが特に好ましい。このようなエマルジョンを凝固させて形成されるバインダは水を吸収しやすいために、セシウム捕捉剤とセシウムイオンを含有する汚染水との接触性にも優れている。
また、セシウム捕捉剤の繊維に対する割合としては、0.00001〜50質量%、さらには0.001〜30質量%、とくには0.01〜20質量%であることが好ましい。セシウム捕捉剤の繊維に対する割合が低すぎる場合には、セシウムの回収効率が低下する傾向がある。また、セシウム捕捉剤の繊維に対する割合が高すぎる場合には、セシウム捕捉剤を充分に接着させるためにはバインダの割合を高める必要があり、その場合には、不織布中の内部空隙の割合が低くなって、吸水速度が低下する傾向がある。
不織布に、セシウム捕捉剤を接着するバインダを、透水性を維持するための内部空隙を閉塞させないように存在させる方法としては、例えば、セシウム捕捉剤を分散させたバインダのエマルジョンを不織布に含浸させた後、バインダを凝固させる方法等が挙げられる。不織布にエマルジョンを含浸させる方法としては、例えば、ナイフコーター、バーコーター、又はロールコーターを用いたり、ディッピングしたりする方法が挙げられる。
このようにして、繊維の表面にセシウム捕捉剤をバインダで担持させた不織布が得られる。不織布中のセシウム捕捉剤の充填密度は、特に限定されない。例えば紺青の場合、0.1〜1000mg/cm3、さらには、0.1〜500mg/cm3、とくには0.5〜250mg/cm3、であることが好ましい。
不織布の厚さは、0.3〜4mm、さらには0.4〜3mm、とくには0.5〜2mm、ことには0.8〜1.5mmであることが好ましい。
また、不織布は、ASTM D3786のミューレン式破裂強さ測定方法によって求められる破裂強さが10kg/cm2以上、さらには15kg/cm2以上、とくには20kg/cm2以上であることが、吸水後のセシウム回収材を運搬するときに包材が破損しにくくなる点から好ましい。なお、上限は特に限定されないが、通常、50kg/cm2、さらには100kg/cm2程度である。また、後述する実施例においては、破裂した部分の面積は5cm2程度であった。このように破裂した部分の面積と破裂強さから算出される破裂強力としては、490N以上、さらには735N以上、とくには980N以上であることが、吸水後のセシウム回収材を運搬するときに包材が破損しにくくなる点から好ましい。なお、上限は特に限定されないが、通常、2450N、さらには4900N程度であることが好ましい。
また、本実施形態のセシウム回収材においては、包材中にセシウム捕捉剤をさらに含有させてもよい。このように包材中にもセシウム捕捉剤を含有させることにより、放射性セシウムの吸着能をさらに向上させることができる。包材中にセシウム捕捉剤をさらに含有させる方法としては、例えば、図1Bに示すセシウム回収材10において、さらに、図3に示すように、セシウム捕捉剤を含有する不織布等の繊維基材の断片7を収容して封入したセシウム回収材15のようなものが挙げられる。
本実施形態のセシウム回収材の大きさ及び形状は特に限定されず、目的に応じて適宜調整される。一例としては、一辺が10〜80cmのような矩形状が挙げられる。
本実施形態のセシウム回収材は、放射性セシウムで汚染された汚染水が存在する領域に配置して、高吸水性ポリマーパウダーに汚染水を吸収させてセシウム回収材を膨張させることにより、例えば土嚢のように用いられる。さらに、具体的な使用方法の一例を、図2A及び図2Bを参照して説明する。
図2Aはセシウム回収材10を溜め枡11の周囲に配置し、溜め枡11が溢れる前の様子を示す。また、図2Bは溜め枡11が溢れた後の様子を示す。図2Aにおいては、豪雨時の危機管理対策として、溜め枡11の周囲の土壌G上に複数枚のセシウム回収材10が重ねて配置されている。降雨時においては、雨樋12により雨水が集められて溜め枡11に貯留される。そして、雨水が放射性セシウムを含む場合には、貯留された水は汚染水Wになる。そして、溜め枡11に貯留された汚染水Wは横管13を通じて、図略の貯留槽に排出される。
豪雨時においては図2Bに示すように、横管13からの排水量が不足して溜め枡11に貯留された水が溢れる。汚染水Wが溢れて周辺に広がった場合、溜め枡11の周囲が汚染水で汚染される。図2Aに示すように溜め枡11が溢れる前にその周囲に吸水前のセシウム回収材10を配置した場合、豪雨により溜め枡11から溢れた汚染水Wをセシウム回収材10が吸収する。そして、図2Bに示すように、セシウム回収材10は汚染水Wを吸収することにより数10倍から数100倍の大きさに膨張して土嚢状物20を形成する。土嚢状物20は汚染水Wが周囲に広がることを留める土嚢の役割をするとともに、吸水した汚染水Wから放射性セシウムを回収する。このようにして、汚染水W中の放射性セシウムが溜め枡11の周囲に広がることが抑制される。そして、汚染水Wを吸収した土嚢状物20は、乾燥したときには減容化して軽量化するために、使用後に運搬することや、廃棄物として焼却処分する際の取扱い性にも優れる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を海成分に用い、イソフタル酸変性度6モル%のPETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(質量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整して、ネット上で平均繊度2.1dtexの海島型長繊維を捕集した。そしてネット上に捕集された海島型長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えた後、ネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の格子柄の金属ロールとバッグロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表面の極細繊維が仮融着した目付31g/m2の長繊維ウェブを得た。
そして、得られた長繊維ウェブをクロスラッピングすることにより8枚重ね、これに、針折れ防止油剤をスプレーした。そして、針先端からバーブまでの距離が3.2mmの6バーブ針を用い、針深度8.3mmで両面から交互に3300パンチ/cmのパンチ密度でニードルパンチすることにより、目付320g/m2の絡合された長繊維ウェブを得た。
そして、長繊維ウェブを巻き取りライン速度10m/分で70℃の熱水中に14秒間浸漬することにより熱収縮させた。さらに95℃の熱水中でディップニップ処理を繰り返してPVAの除去率が98%以上になる程度にまでPVAを溶解除去することにより、繊度0.1dtexの極細長繊維を25本含む繊維束が3次元的に交絡した極細繊維の不織布が得られた。そして、不織布は、バフィング処理することにより見かけ密度が0.52g/cmで、厚み1mmの不織布に調整された。
一方、ポリウレタンエマルジョンに、平均粒子径0.08μmの紺青(大日精化(株)製の商品名:MILORIBLUE905)を、紺青/ポリウレタン固形分=1/3の質量比で分散させた。なお、ポリウレタンエマルジョンは、130℃における熱水膨潤率が9質量%であり、ソフトセグメントがポリへキシレンカーボネートジオールとポリメチルペンタンジオールの70:30の混合物からなる水乳化性ポリウレタンのエマルジョンであった。
そして、厚み調整された不織布の質量に対して、紺青を分散させたエマルジョンをポリウレタン固形分で6質量%になるように含浸付与し、乾燥した。このようにして、0.52g/cm3の見かけ密度を有する繊度0.1dtexの極細繊維の不織布を含む不織布を得た。得られた不織布のASTM D3786のミューレン式破裂強さ測定方法によって得られた破裂強さは21.0kg/cm2であり、破裂強さに49(cm2×kg f)を乗じて得られた破裂強力は1029Nであった。
なお、不織布の破裂強さは、ASTM D3786のミューレン式破裂強さ測定方法によって測定される。また、破裂強さに破裂部分の面積(5cm)を乗じたのちに、9.8を乗じてニュートン(N)に換算することにより、破裂部分の破裂強力を求めた。
そして、得られた不織布を10×20cmの長方形に切り抜いた。そして、切り抜かれた2枚の長方形の不織布の三辺の周縁部を縫製することにより袋体を作成した。そして、袋体に4gの吸水性ポリマーパウダーを入れた後、残りの一辺を縫製して包材を形成した。このとき、不織布の面積当たりの吸水性ポリマーパウダーの量は、200g/m2であった。なお、高吸水性ポリマーパウダーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム塩架橋体(SDPグローバル(株)製サンフレッシュ、吸水倍率400倍、質量平均粒子径430μmで95%以上が150〜710μmの範囲に含まれる、10μm以下の粒子1%以下)を用いた。このようにして、セシウム回収材を製造した。
そして、294Bq/kgの濃度の放射性セシウムを含む汚染水中にセシウム回収材を浸漬した後、吸水により膨張したセシウム回収材を引き上げたときの放射性セシウム吸着能を次のようにして評価した。
(評価1:30分浸漬して、引き上げた直後のゲル中の放射性セシウム濃度)
汚染水に30分浸漬させて膨張したセシウム回収材の包材中にシリンジ針を刺して内部のゲルを少量抜き取った。そして、ゲルに吸収された汚染水中の放射性セシウム濃度を測定した。
(評価2:1日浸漬して、引き上げた直後のゲル中の放射性セシウム濃度)
汚染水に1日浸漬させて膨張したセシウム回収材の包材中にシリンジ針を刺して内部のゲルを少量抜き取った。そして、ゲルに吸収された汚染水中の放射性セシウム濃度を測定した。
(評価3:1日浸漬したセシウム回収材を引き上げて5日経過した後の包材からの汚染水の漏出量、及び、漏出した汚染水中の放射性セシウム濃度)
汚染水に1日浸漬させて膨張したセシウム回収材を引き上げた後、5日間床に放置した後の膨張したセシウム回収材の包材から漏出した汚染水の漏出量を測定した。また、その包材中にシリンジ針を刺して内部のゲルを少量抜き取った。そして、ゲルに吸収された汚染水中の放射性セシウム濃度を測定した。
(評価4:引き上げ5日後の包材からの純水への放射性セシウムの移行性)
汚染水に1日浸漬させて膨張したセシウム回収材を引き上げた後、5日間床に放置した後の膨張したセシウム回収材を1.2Lの純水に1日浸漬した。そして、純水に移行した放射性セシウム濃度を測定した。
(評価5:ゲルの漏出)
汚染水に1日浸漬させて膨張したセシウム回収材を引き上げた後、5日間床に放置した後の膨張したセシウム回収材を目視で観察し、ゲルの漏出状態を次の基準により判定した。
A:目視及び触感でゲルの漏出が認められなかった。
B:触感でポリマーの漏出により手が滑る感触が得られた。
C:目視で明らかにポリマーの漏出が確認された。
D:袋が破れてポリマーが漏出した。
(評価6:運搬性)
A:台車上に3段以上積み重ねて運搬することができた。
B:台車上に3段積み重ねたときにはポリマーの流出が認められ、2段積み重ねて運搬することはできた。
C:台車に1段乗せてもポリマーと汚染水が流出することが認められ、運搬できなかった。
結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で用いた不織布を2×2cmの大きさに切断した短冊状断片を、さらに包材中に収容した以外は実施例1と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
繊度2dtexのPET繊維からなる、見かけ密度0.17g/cm、破裂強力590Nの、ニードルパンチ不織布を用意した。そして、実施例1で用いた不織布に代えて、用意したニードルパンチ不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4〜9]
実施例1の不織布の製造において、ニードルパンチ条件を変更することにより、表1に示したような見掛け密度を有する不織布を製造した以外は実施例1と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例10]
繊度8dtexのPET繊維からなる、見かけ密度0.28g/cm、破裂強力340Nの、ニードルパンチ不織布を用意した。そして、実施例1で用いた不織布に代えて、用意したニードルパンチ不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例11]
繊度2dtexのPET繊維からなる、見かけ密度0.08g/cm、破裂強力320Nの、ニードルパンチ不織布を用意した。そして、実施例1で用いた不織布に代えて、用意したニードルパンチ不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例12]
湿熱接着性繊維として、芯成分がポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH、エチレン共重合率44モル%、ケン化度98.4モル%、融点165℃)である芯鞘型複合ステープル繊維(51mm長、芯鞘質量比=50/50)を準備した。
そして、湿熱接着性繊維を用いて、カード法により目付約400g/mのカードウェブを作製した。このカードウェブを、コンベア装置とその経路に水蒸気を噴射させる水蒸気噴射装置とを備えた湿熱処理装置に移送した。
なお、コンベア装置は、50メッシュ,幅500mmのポリカーボネート製エンドレスネットからなる、上側メッシュコンベアと下側メッシュコンベアとを備え、それらがそれぞれ同速度で同方向に進行し、かつ、互いの間隔を任意に調整可能な一対のメッシュコンベアを備える。また、コンベア装置の上流側には、下側メッシュコンベアの裏側に、搬送されるカードウェブに向かってネットを介して高温水蒸気を吹き付ける水蒸気噴射装置が配置されており、一方、上側メッシュコンベアの裏側にはサクション装置が配置されている。逆に、コンベアの下流側では、下側メッシュコンベアの裏側に同様のサクション装置が配置されており、上側メッシュコンベア内の裏側に同様の水蒸気噴射装置が配置されている。各水蒸気噴射装置は、コンベアの幅方向に沿って1mmピッチで1列に並べられた複数の孔径0.3mmのノズルを有する。また、ノズルはメッシュコンベアのネットの裏側にほぼ接するように配置されている。このような構成によれば、カードウェブの表裏の両面に対して高温水蒸気が吹き付けられる。
各水蒸気噴射装置から0.4MPaの高温水蒸気を略垂直に噴出させることにより、搬送されるカードウェブに水蒸気処理を施した。なお、コンベアの搬送速度は3m/分であり、厚さ約2.0mmの不織布が得られるように上側メッシュコンベアと下側メッシュコンベアとの間隔を調整した。このようにして、湿熱性接着性繊維が湿熱接着して形成された不織布を、透水性向上剤(アニオン系界面活性剤、「スパラン33」:一方社油脂工業(株)製)の0.25質量%水溶液にピックアップ率55%になるように含浸して乾燥することにより、繊度5.6dtex、見掛け密度0.14g/m3の不織布を得た。図4に示すように、不織布の断面は均質であり、厚み方向に配向したような繊維も、不均質な大きな空隙も観察されなかった。得られた不織布の破裂強力は520Nであった。
そして、実施例1で用いた不織布に代えて、得られた湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例13]
実施例12において、5.6dtexの湿熱接着性繊維の不織布に代えて、15dtexの湿熱接着性繊維の不織布を用いた以外は実施例12と同様にしてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いた不織布に対し、紺青を配合していない以外は実施例1と同様の不織布を用いてセシウム回収材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例1〜13で得られたセシウム回収材は、294Bq/kgの濃度で放射性セシウムを含む汚染水に30分浸漬し、引き上げた直後において、その内部のゲルに吸収された汚染水中の放射性セシウム濃度が160〜170Bq/kgの範囲であり、汚染水から放射性セシウムを低減させたことがわかる。また、さらに、汚染水に1日浸漬し、引き上げた直後のゲルに吸収された汚染水中の放射性セシウム濃度は、さらに顕著に低下しており、汚染水から放射性セシウムを顕著に低減させたことがわかる。
1 包材
2 高吸水性ポリマーパウダー
3 縫合糸
4 繊維
5 セシウム捕捉剤
6 バインダ
7 セシウム捕捉剤を含有する繊維基材の断片
10 セシウム回収材
11 溜め枡
12 雨樋
13 横管
20 土嚢状物

Claims (10)

  1. 不織布から形成された包材と、前記包材に収容された高吸水性ポリマーパウダーと、を含み
    前記不織布はフェロシアン化物及びフェリシアン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とするセシウム回収材。
  2. 前記高吸水性ポリマーパウダーは内袋を介することなく前記包材に直接収容されている請求項1に記載のセシウム回収材。
  3. 前記不織布は1dtex以下の極細繊維を含む見かけ密度0.20〜1.2g/cm3の不織布である請求項1または2に記載のセシウム回収材。
  4. 前記不織布は湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された不織布である請求項1または2に記載のセシウム回収材。
  5. 前記湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された不織布は1〜10dtexの前記湿熱接着性繊維の集合体を部分接着させて形成された見かけ密度0.05〜0.40g/cmの不織布である請求項4に記載のセシウム回収材。
  6. 前記包材に、フェロシアン化物及びフェリシアン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含む請求項1〜5の何れか1項に記載のセシウム回収材。
  7. 前記不織布は、ASTM D3786のミューレン式破裂強力測定方法によって求められる破裂強さが10kg/cm2以上である請求項1〜6の何れか1項に記載のセシウム回収材。
  8. 前記不織布は、ASTM D3786のミューレン式破裂強力測定方法によって求められる破裂強さに49(cm2×kg f)を乗じて得られる破裂強力が490N以上である請求項1〜7の何れか1項に記載のセシウム回収材。
  9. 前記化合物は紺青である請求項1〜8の何れか1項に記載のセシウム回収材。
  10. 請求項1〜9の何れか1項のセシウム回収材を放射性セシウムで汚染された汚染水が存在する領域に配置して、前記高吸水性ポリマーパウダーに前記汚染水を吸収させて前記セシウム回収材を膨張させることを特徴とするセシウム回収方法。
JP2017550397A 2015-11-13 2016-11-10 セシウム回収材及びセシウム回収方法 Expired - Fee Related JP6572320B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015222573 2015-11-13
JP2015222573 2015-11-13
PCT/JP2016/083410 WO2017082361A1 (ja) 2015-11-13 2016-11-10 セシウム回収材及びセシウム回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017082361A1 true JPWO2017082361A1 (ja) 2018-09-13
JP6572320B2 JP6572320B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=58695486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017550397A Expired - Fee Related JP6572320B2 (ja) 2015-11-13 2016-11-10 セシウム回収材及びセシウム回収方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP3375516A4 (ja)
JP (1) JP6572320B2 (ja)
WO (1) WO2017082361A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279638A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Exing:Kk 土嚢状物形成体
JP2005009958A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Japan Atom Energy Res Inst 環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着パッド
JP2010255346A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Iej:Kk 水膨潤性吸水性樹脂用包材、土嚢袋および土嚢
WO2013065829A1 (ja) * 2011-11-02 2013-05-10 ダイワボウホールディングス株式会社 放射性物質吸着材、その製造方法及びそれを含む繊維製品
JP2013253361A (ja) * 2011-10-21 2013-12-19 Kuraray Co Ltd 布帛およびその製造方法
JP2015099139A (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 株式会社クラレ 放射性セシウム除染方法及び放射性セシウム除染シート
JP2015155079A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 株式会社アイ・イー・ジェー 容器に入った廃水の量を低減する方法およびそれに用いる袋

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5667120B2 (ja) * 2011-05-06 2015-02-12 大日精化工業株式会社 セシウム除去材
JP5683508B2 (ja) * 2012-01-30 2015-03-11 大日精化工業株式会社 セシウム除去用樹脂組成物及びそれを成形してなるセシウム除去材

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279638A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Exing:Kk 土嚢状物形成体
JP2005009958A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Japan Atom Energy Res Inst 環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着パッド
JP2010255346A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Iej:Kk 水膨潤性吸水性樹脂用包材、土嚢袋および土嚢
JP2013253361A (ja) * 2011-10-21 2013-12-19 Kuraray Co Ltd 布帛およびその製造方法
WO2013065829A1 (ja) * 2011-11-02 2013-05-10 ダイワボウホールディングス株式会社 放射性物質吸着材、その製造方法及びそれを含む繊維製品
JP2015099139A (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 株式会社クラレ 放射性セシウム除染方法及び放射性セシウム除染シート
JP2015155079A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 株式会社アイ・イー・ジェー 容器に入った廃水の量を低減する方法およびそれに用いる袋

Also Published As

Publication number Publication date
EP3375516A4 (en) 2019-07-10
EP3375516A1 (en) 2018-09-19
WO2017082361A1 (ja) 2017-05-18
JP6572320B2 (ja) 2019-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6168740B2 (ja) セシウム回収シート及び海水浄化材
US20110280660A1 (en) Chemical sorbent article
US4832852A (en) Nonwoven oil absorbing material and method
JP6335487B2 (ja) 放射性セシウム除染方法及び放射性セシウム除染シート
JP5013333B2 (ja) グラフト重合された機能性不織布の製造方法
JP2008213467A (ja) インク吸収体
JP5164805B2 (ja) 油吸着材
JP3710278B2 (ja) 油吸着材
JP2015099140A (ja) 放射性物質回収シート及び海水浄化材
JP5427995B2 (ja) 水膨潤性吸水性樹脂用包材、土嚢袋および土嚢
JP6572320B2 (ja) セシウム回収材及びセシウム回収方法
JP6600771B2 (ja) 容器に入った廃水の量を低減する方法およびそれに用いる袋
JP4011666B2 (ja) 積層遮水シート及びその製造方法
US9598293B2 (en) Feather oil absorbent boom structure
JP2007260489A (ja) 無機粉体湿式成形用濾過布及びその製造方法
JP2014032066A (ja) 放射性物質吸着材
JP5759265B2 (ja) ハイブリッド吸着体
JP2000005597A (ja) 油吸着材
JPH07204505A (ja) 流出油回収マット
JP2005067190A (ja) 吸水性シート及びその製造方法
US20160083269A1 (en) Fabrics for oil sheen removal and items made therefrom
JPH1085597A (ja) 油吸着材及びその製造方法
JP2003336172A (ja) 土木用不織シート
US6143394A (en) Nonwoven sorbent manhole apron
JP2004230249A (ja) 油水分離ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6572320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees