JP2005009958A - 環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、放射性汚染水の漏洩処置及び回収の技術は、紙、ウエス等を用いての汚染水の除去のみを目的としたものであり、有害汚染核種の飛散防止を目的としたイオンを吸着する能力はなかった。さらに、有害元素を含んだ汚染水を短時間で吸収・回収できる高吸水性ポリマーとの併用法は用いられていない。
【解決手段】高吸水性ポリマーと、有害イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とする、環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着回収に用いる吸収・吸着パッド。
【選択図】 図1
【解決手段】高吸水性ポリマーと、有害イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とする、環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着回収に用いる吸収・吸着パッド。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境汚染水、並びに、放射性漏洩液や放射性核種混合液等の放射性核種汚染水を短時間で吸収し、その中に含まれる有害元素を吸着材に吸着させ、有害核種の飛散を防止できる優れた吸収・吸着パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来行われている放射性汚染漏洩水の回収処理には、古着を再利用した布切れや紙等の、水の吸収率の低いウエス類が採用されている。また、有害イオンを選択的に吸着させる吸着材を併用した汚染水回収方法は、これまでの技術としては採用されていない。環境汚染水の回収技術についても同様である。
【0003】
従来技術として、例えば、環境汚染水中の重金属含有廃水の処理については非特許文献1等に記載され、また、有害金属の除去及び有害物質の除去については非特許文献2等に記載されているが、いずれもその処理は複雑である。
【0004】
【非特許文献1】
川北公夫、外1名,環境化学,槇書店,1976年8月15日,p.112−114
【非特許文献2】
古川淳二、外4名,環境保全と化学反応制御,学会出版センター,1978年3月25日,p.201〜227
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、放射性汚染水の漏洩処置及び回収の技術は、紙、ウエス等を用いての汚染水の除去のみを目的としたものであり、有害汚染核種の飛散防止を目的としたイオンを吸着する能力はなかった。さらに、有害元素を含んだ汚染水を短時間で吸収・回収できる高吸水性ポリマーとの併用法は用いられていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、環境汚染水及び放射性核種汚染水中に含まれる有害元素を水ごと短時間で回収することができる本発明の吸収・吸着パッドを開発した。
【0007】
すなわち、本発明の吸収・吸着パッドは、高吸水性ポリマーと、有害イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の吸収・吸着パッドは、水を短時間で吸収可能な高吸水性ポリマーと、イオンを吸着するためのイオン交換樹脂やイオン交換膜等のイオン交換体とを、吸水性の袋の内部に収納した構成をとることにより、公害問題で指摘されるような農薬汚染水等の環境汚染水、又は、原子力事故による飛来放射性核種による汚染水若しくは原子炉冷却配管からの不慮の漏洩による汚染水等の放射性核種汚染水を吸収し、その中に含まれる有害元素を吸着させることを可能とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収・吸着パッドは、高吸水性ポリマーと、有害イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において使用できる高吸水性ポリマーは、水に溶解することなくポリマー樹脂の自重の数倍〜約1000倍もの水を素早く、短時間で吸収し保持する能力を有するものである。例えば、住友精化株式会社製の高吸水性樹脂アクアキープ(商標)などがあるが、他社からも市販されており、400〜800gの水を40〜80秒程度の時間で吸収することができる。高吸水性ポリマーは、高分子重合技術により開発されたポリマーであり、各種の衛生材料、例えば、紙おむつや生理ナプキン等に用いられるほか、通信ケーブルの防水材、結露防止材などにおいて吸水の目的で使用されている。
【0011】
また、本発明において使用できる有害イオンを吸着する吸着材は、Ca10(PO4)6(OH)2(アパタイト)、又は、イオン交換樹脂若しくはイオン交換膜等のイオン交換体である。
【0012】
本発明の吸収・吸着パッドに用いるアパタイト吸着材は、2価以上の金属陽イオン全てに適用可能であり、有害陽イオンは骨格のCa2+と交換し結晶中に入るか、又はリン酸塩を形成する。
【0013】
イオン交換体は、陽イオン交換体又は陰イオン交換体等、吸着により回収すべき有害物質の種類に応じて適宜選択することができる。また、イオン交換体は、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基を繊維内に取り込んだカチオン交換繊維、トリメチルアンモニウム基、1〜3級アミノ基を繊維内に取り込んだアニオン交換繊維を、カット糸状、フェルト状で使用することができる。例えば、ニチビ株式会社製のカチオン交換タイプ、アニオン交換タイプ、両イオン適応タイプを使用することができるが、他社からも市販されている。
【0014】
本発明において使用することができる透水性袋は、水に溶解することなく汚染水を透過する性質をもつものであればいずれの材質であっても良い。
【0015】
本発明の吸収・吸着パッドは、回収すべき汚染水の量及び有害元素濃度(イオン数:汚染水に溶けるイオンの数)に依存して、吸水性ポリマーの量、並びに、有害元素吸着体の種類及び量を調節して使用することができる。
【0016】
本発明の吸収・吸着パッドの構造の一態様を図1に示す。図1においては、高吸水性ポリマーが一の透水性袋(内側)に収納されており、更にその透水性袋(内側)が他の透水性袋(外側)に収納され、これら二つの透水性袋の間にイオン吸着材が収納されている。
【0017】
また、本発明の吸収・吸着パッドの構造の別の態様を図2に示す。図2においては、高吸水性ポリマーとイオン吸着材とが、一の透水性袋に収納されている。
【0018】
本発明の更に別の態様としては、高吸水性ポリマーが一の透水性袋(内側)に収納され、その透水性袋(内側)が他の透水性袋(外側)に収納され、これら二つの透水性袋の間に陰イオン交換体が収納され、更に、陰イオン交換体を収納する透水性袋(外側)が別の透水性袋(最外側)に収納され、外側二つの透水性袋(外側、最外側)の間にアパタイトが収納された吸収・吸着パッドが挙げられる(図示せず)。このように、吸収・吸着パッドの構造を適宜変更することにより、より多くの有害元素を選択的に吸着することが可能となる。
【0019】
いずれの態様においても、本発明の吸収・吸着パッドは、高吸水性ポリマーと、有害元素吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とし、使用の際には、汚染水が透水性袋を通過して、イオン吸着剤に接触することにより有害元素が吸着され、高吸水性ポリマーに接触することにより汚染水が吸収される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、この実施例は本発明を例示するものであり、いかなる態様にも限定するものではない。
【0021】
(実施例)
高吸水性ポリマーと合成アパタイト微粉とを重量比で9:1に混合した試料100mgに0.01モルのSr溶液(模擬有害元素)2mlを吸収・吸着させた。次いで、500℃で1時間加熱し、試料を炭化したものをSEM−EDX(走査電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置)による元素マッピングとX線回折とによる定性分析を行った。
【0022】
図3〜5にイオン吸着材(アパタイト)及び高吸水性ポリマーの混合物のX線回折ピークとSEM−EDXで観察した写真(Srがアパタイト吸着材に吸着されている様子)とを示す。
【0023】
図3は混合物のX線回折ピークであり、図4は混合物にSrを吸着させた試料のX線回折ピークである。
【0024】
図3及び図4において、縦軸はカウント数であり元素の積算強度を表し、横軸のKeVがその元素特有のエネルギーを表し、ピーク上のCKaが炭素のKアルファ線、OKaが酸素のKアルファ線、NaKaがナトリウムのKアルファ線、PkaがリンのKアルファ線、CaKaがカルシウムのKアルファ線である。これらのピークは、その元素から放出されるアルファ線の最も強いピークを検出したものである。例えば、Naであれば、1.00KeVのエネルギーの位置にピークが検出されたとき、この元素はNaであると定性分析される。ピークの山が高い程、その元素の濃度が高いことを意味している。また、図3及び図4の右上の写真はX線分析を行った場所を示している。
【0025】
図5は、エネルギー分散型X線分析装置による元素マッピング写真であり、X線分析した箇所をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したものである。分析に用いる試料は、吸着処理されたものを500℃で分解し、殆ど灰になったものを定性分析しているので、吸着している場所の元素の定性が可能となる。写真には、Sr、Na、Caの元素分布の様子が示されている。Naは吸水性ポリマーの構成元素であり、一方、Caは元素吸着材であるアパタイトの成分であることから、これらを検出することにより、有害元素Srが、高吸水性ポリマーの成分であるNaの箇所ではなく、元素吸着材であるアパタイトの成分、Caの箇所に吸着されていることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
不慮の原因、例えば、有害農薬、原子力事故などによる飛来放射性核種に起因する環境汚染などで、環境中の水が有害元素で汚染されたとき、更には、放射性核種を含んだ液が異常漏洩したときに、本発明の吸収・吸着パッドを使用することにより、短時間で有害元素含有汚染液を吸収回収し、その液に含まれる有害元素を吸着・回収することができる、という本発明に特有の顕著な効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収・吸着パッドの一態様の断面図である。
【図2】本発明の吸収・吸着パッドの一態様の断面図である。
【図3】イオン吸着材(アパタイト)及び高吸水性ポリマーの混合物のX線回折ピークを示す図である。
【図4】イオン吸着材(アパタイト)及び高吸水性ポリマーの混合物にSrを吸着させた試料のX線回折ピークを示す図である。
【図5】エネルギー分散型X線分析装置による元素マッピング写真を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境汚染水、並びに、放射性漏洩液や放射性核種混合液等の放射性核種汚染水を短時間で吸収し、その中に含まれる有害元素を吸着材に吸着させ、有害核種の飛散を防止できる優れた吸収・吸着パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来行われている放射性汚染漏洩水の回収処理には、古着を再利用した布切れや紙等の、水の吸収率の低いウエス類が採用されている。また、有害イオンを選択的に吸着させる吸着材を併用した汚染水回収方法は、これまでの技術としては採用されていない。環境汚染水の回収技術についても同様である。
【0003】
従来技術として、例えば、環境汚染水中の重金属含有廃水の処理については非特許文献1等に記載され、また、有害金属の除去及び有害物質の除去については非特許文献2等に記載されているが、いずれもその処理は複雑である。
【0004】
【非特許文献1】
川北公夫、外1名,環境化学,槇書店,1976年8月15日,p.112−114
【非特許文献2】
古川淳二、外4名,環境保全と化学反応制御,学会出版センター,1978年3月25日,p.201〜227
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、放射性汚染水の漏洩処置及び回収の技術は、紙、ウエス等を用いての汚染水の除去のみを目的としたものであり、有害汚染核種の飛散防止を目的としたイオンを吸着する能力はなかった。さらに、有害元素を含んだ汚染水を短時間で吸収・回収できる高吸水性ポリマーとの併用法は用いられていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、環境汚染水及び放射性核種汚染水中に含まれる有害元素を水ごと短時間で回収することができる本発明の吸収・吸着パッドを開発した。
【0007】
すなわち、本発明の吸収・吸着パッドは、高吸水性ポリマーと、有害イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の吸収・吸着パッドは、水を短時間で吸収可能な高吸水性ポリマーと、イオンを吸着するためのイオン交換樹脂やイオン交換膜等のイオン交換体とを、吸水性の袋の内部に収納した構成をとることにより、公害問題で指摘されるような農薬汚染水等の環境汚染水、又は、原子力事故による飛来放射性核種による汚染水若しくは原子炉冷却配管からの不慮の漏洩による汚染水等の放射性核種汚染水を吸収し、その中に含まれる有害元素を吸着させることを可能とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収・吸着パッドは、高吸水性ポリマーと、有害イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において使用できる高吸水性ポリマーは、水に溶解することなくポリマー樹脂の自重の数倍〜約1000倍もの水を素早く、短時間で吸収し保持する能力を有するものである。例えば、住友精化株式会社製の高吸水性樹脂アクアキープ(商標)などがあるが、他社からも市販されており、400〜800gの水を40〜80秒程度の時間で吸収することができる。高吸水性ポリマーは、高分子重合技術により開発されたポリマーであり、各種の衛生材料、例えば、紙おむつや生理ナプキン等に用いられるほか、通信ケーブルの防水材、結露防止材などにおいて吸水の目的で使用されている。
【0011】
また、本発明において使用できる有害イオンを吸着する吸着材は、Ca10(PO4)6(OH)2(アパタイト)、又は、イオン交換樹脂若しくはイオン交換膜等のイオン交換体である。
【0012】
本発明の吸収・吸着パッドに用いるアパタイト吸着材は、2価以上の金属陽イオン全てに適用可能であり、有害陽イオンは骨格のCa2+と交換し結晶中に入るか、又はリン酸塩を形成する。
【0013】
イオン交換体は、陽イオン交換体又は陰イオン交換体等、吸着により回収すべき有害物質の種類に応じて適宜選択することができる。また、イオン交換体は、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基を繊維内に取り込んだカチオン交換繊維、トリメチルアンモニウム基、1〜3級アミノ基を繊維内に取り込んだアニオン交換繊維を、カット糸状、フェルト状で使用することができる。例えば、ニチビ株式会社製のカチオン交換タイプ、アニオン交換タイプ、両イオン適応タイプを使用することができるが、他社からも市販されている。
【0014】
本発明において使用することができる透水性袋は、水に溶解することなく汚染水を透過する性質をもつものであればいずれの材質であっても良い。
【0015】
本発明の吸収・吸着パッドは、回収すべき汚染水の量及び有害元素濃度(イオン数:汚染水に溶けるイオンの数)に依存して、吸水性ポリマーの量、並びに、有害元素吸着体の種類及び量を調節して使用することができる。
【0016】
本発明の吸収・吸着パッドの構造の一態様を図1に示す。図1においては、高吸水性ポリマーが一の透水性袋(内側)に収納されており、更にその透水性袋(内側)が他の透水性袋(外側)に収納され、これら二つの透水性袋の間にイオン吸着材が収納されている。
【0017】
また、本発明の吸収・吸着パッドの構造の別の態様を図2に示す。図2においては、高吸水性ポリマーとイオン吸着材とが、一の透水性袋に収納されている。
【0018】
本発明の更に別の態様としては、高吸水性ポリマーが一の透水性袋(内側)に収納され、その透水性袋(内側)が他の透水性袋(外側)に収納され、これら二つの透水性袋の間に陰イオン交換体が収納され、更に、陰イオン交換体を収納する透水性袋(外側)が別の透水性袋(最外側)に収納され、外側二つの透水性袋(外側、最外側)の間にアパタイトが収納された吸収・吸着パッドが挙げられる(図示せず)。このように、吸収・吸着パッドの構造を適宜変更することにより、より多くの有害元素を選択的に吸着することが可能となる。
【0019】
いずれの態様においても、本発明の吸収・吸着パッドは、高吸水性ポリマーと、有害元素吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とし、使用の際には、汚染水が透水性袋を通過して、イオン吸着剤に接触することにより有害元素が吸着され、高吸水性ポリマーに接触することにより汚染水が吸収される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、この実施例は本発明を例示するものであり、いかなる態様にも限定するものではない。
【0021】
(実施例)
高吸水性ポリマーと合成アパタイト微粉とを重量比で9:1に混合した試料100mgに0.01モルのSr溶液(模擬有害元素)2mlを吸収・吸着させた。次いで、500℃で1時間加熱し、試料を炭化したものをSEM−EDX(走査電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置)による元素マッピングとX線回折とによる定性分析を行った。
【0022】
図3〜5にイオン吸着材(アパタイト)及び高吸水性ポリマーの混合物のX線回折ピークとSEM−EDXで観察した写真(Srがアパタイト吸着材に吸着されている様子)とを示す。
【0023】
図3は混合物のX線回折ピークであり、図4は混合物にSrを吸着させた試料のX線回折ピークである。
【0024】
図3及び図4において、縦軸はカウント数であり元素の積算強度を表し、横軸のKeVがその元素特有のエネルギーを表し、ピーク上のCKaが炭素のKアルファ線、OKaが酸素のKアルファ線、NaKaがナトリウムのKアルファ線、PkaがリンのKアルファ線、CaKaがカルシウムのKアルファ線である。これらのピークは、その元素から放出されるアルファ線の最も強いピークを検出したものである。例えば、Naであれば、1.00KeVのエネルギーの位置にピークが検出されたとき、この元素はNaであると定性分析される。ピークの山が高い程、その元素の濃度が高いことを意味している。また、図3及び図4の右上の写真はX線分析を行った場所を示している。
【0025】
図5は、エネルギー分散型X線分析装置による元素マッピング写真であり、X線分析した箇所をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したものである。分析に用いる試料は、吸着処理されたものを500℃で分解し、殆ど灰になったものを定性分析しているので、吸着している場所の元素の定性が可能となる。写真には、Sr、Na、Caの元素分布の様子が示されている。Naは吸水性ポリマーの構成元素であり、一方、Caは元素吸着材であるアパタイトの成分であることから、これらを検出することにより、有害元素Srが、高吸水性ポリマーの成分であるNaの箇所ではなく、元素吸着材であるアパタイトの成分、Caの箇所に吸着されていることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
不慮の原因、例えば、有害農薬、原子力事故などによる飛来放射性核種に起因する環境汚染などで、環境中の水が有害元素で汚染されたとき、更には、放射性核種を含んだ液が異常漏洩したときに、本発明の吸収・吸着パッドを使用することにより、短時間で有害元素含有汚染液を吸収回収し、その液に含まれる有害元素を吸着・回収することができる、という本発明に特有の顕著な効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収・吸着パッドの一態様の断面図である。
【図2】本発明の吸収・吸着パッドの一態様の断面図である。
【図3】イオン吸着材(アパタイト)及び高吸水性ポリマーの混合物のX線回折ピークを示す図である。
【図4】イオン吸着材(アパタイト)及び高吸水性ポリマーの混合物にSrを吸着させた試料のX線回折ピークを示す図である。
【図5】エネルギー分散型X線分析装置による元素マッピング写真を示す図である。
Claims (1)
- 高吸水性ポリマーと、イオンを吸着する吸着材と、これらを収納する透水性袋とから構成されることを特徴とする、環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着回収に用いる吸収・吸着パッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003173024A JP2005009958A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着パッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003173024A JP2005009958A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着パッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005009958A true JP2005009958A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34096969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003173024A Pending JP2005009958A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 環境汚染水及び放射性核種汚染水の吸収・吸着パッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005009958A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013050438A (ja) * | 2011-05-06 | 2013-03-14 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | セシウム除去材 |
JP2013117508A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-06-13 | Seibu Shinbunsha Co Ltd | 放射性物質吸収剤、放射性物質吸収剤製造装置、除染方法および袋体 |
JP2013174544A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Junichi Iwamura | 放射性物質除去剤及び放射性物質分離方法 |
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JP2014228376A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | 凸版印刷株式会社 | 放射性物質吸着体及びこれを用いた放射性物質吸着袋 |
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WO2017082361A1 (ja) * | 2015-11-13 | 2017-05-18 | 株式会社クラレ | セシウム回収材及びセシウム回収方法 |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003173024A patent/JP2005009958A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2017082361A1 (ja) * | 2015-11-13 | 2017-05-18 | 株式会社クラレ | セシウム回収材及びセシウム回収方法 |
JPWO2017082361A1 (ja) * | 2015-11-13 | 2018-09-13 | 株式会社クラレ | セシウム回収材及びセシウム回収方法 |
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