JPWO2017073426A1 - 漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法 - Google Patents
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Abstract
本発明にかかる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法は、対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求め、気象要素のデータに基づいて、前記求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求め、前記求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に表示する。この際に、本発明にかかる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法は、前記求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更する。
Description
本発明は、空間に漏洩した所定のガスを検出する漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法に関し、特に、漏洩位置をその信頼度に応じた表示態様で表示できる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法に関する。
例えば、可燃性ガス、毒性ガスおよび有機溶剤の蒸気等のガスが配管やタンク等から漏洩した場合、早期に対処する必要がある。このため、漏洩ガス等のガスを測定し、表示する装置が要望されている。このような装置として、例えば、特許文献1には、異常検出装置が開示されている。
この特許文献1に開示された異常検出装置は、被監視場所を撮像する複数の可視光撮像手段と、画像信号を表示する表示手段と、画像信号を演算処理して被監視場所で発生する異常を検出する処理手段と、前記複数の撮像手段のうち、1または複数の撮像手段からの画像信号を表示手段に与え、残余の撮像手段からの画像信号を処理手段に与える表示/異常検出切換え手段とを含む。この異常検出装置における前記処理手段は、画像Aと、画像Aから時間△t1だけずれた画像Bとの差分を各画素ごとに求め、これら各差分を閾値と比較することで2値化画像を生成し、この2値化画像における画像Aと画像Bとの変化領域を変化発生領域として求めて前記異常を検出し、前記表示手段は、この求めた変化発生領域を表示している(特許文献1の図4参照)。
ところで、ガスの漏洩に対処するためには、ガスが漏洩している位置(漏洩位置)を特定する必要がある。この漏洩位置を画像処理によって画像から求めようとすると、例えば気温や降雨等の大気の状態が外乱として影響し、このため、比較的正確に漏洩位置が求められる場合(誤差が小さい場合)とそうではない場合(誤差が大きい場合)とが生じてしまう。この求めた漏洩位置が前記外乱による比較的大きな誤差を含み比較的正確ではない場合、そのまま漏洩位置として表示してしまうと、この漏洩位置は、真の漏洩位置から乖離しているため、この求めた漏洩位置の現場に到着した作業員は、漏洩しているはずのガスがその位置で漏洩していないので、漏洩位置を探索しなければならず、漏洩の対処に徒に時間を要してしまう。また、漏洩位置を求める処理を繰り返している場合であって、前記外乱によって比較的正確に漏洩位置を求められていない場合では、各処理ごとに漏洩位置が区々に異なり前記漏洩位置が様々な位置で表示されるため、表示がちらついてしまう。
また、前記特許文献1では、漏洩位置が比較的正確に求められていない場合は、想定されておらず、その示唆もない。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、誤差の程度を含めて漏洩位置の信頼性を表示でき、前記ちらつきを低減できる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法を提供することである。
本発明にかかる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法は、対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求め、気象要素のデータに基づいて、前記求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求め、前記求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に表示する。この際に、本発明にかかる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法は、前記求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更する。したがって、本発明にかかる漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法は、誤差の程度を含めて漏洩位置の信頼性を表示でき、前記ちらつきを低減できる。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態における漏洩ガス検出装置の構成を示すブロック図である。図2は、実施形態における漏洩ガス検出装置の使用状況を説明するための模式図である。図3は、実施形態の漏洩ガス検出装置における信頼度テーブルの一例を示す図である。図4は、実施形態の漏洩ガス検出装置における範囲サイズテーブルの一例を示す図である。
実施形態における漏洩ガス検出装置は、例えばガス管(配管)やガスタンク等のガスを収容するガス収容部を含む所定の対象領域の画像から、前記ガス収容部から空間に漏洩した前記ガスの漏洩位置を求め、この求めた漏洩位置を表示する装置である。実施形態における漏洩ガス検出装置は、この求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲(領域)で表示部に表示し、前記範囲の大きさを、漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度に応じて変更する。前記信頼度は、好ましくは、所定の気象要素の測定結果に基づいて求められる。より詳しくは、実施形態における漏洩ガス検出装置は、対象領域の画像を取得する画像取得部と、気象要素に関するデータを取得する気象要素取得部と、前記画像取得部で取得した前記対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求める漏洩位置処理部と、前記気象要素取得部で取得した気象要素のデータに基づいて、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求める信頼度処理部と、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に対して表示可能とする表示処理部とを備え、前記表示処理部は、前記信頼度処理部で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更するものである。このような本実施形態における漏洩ガス検出装置Dは、例えば、図1に示すように、制御処理部4と、インターフェース部(IF部)7と、記憶部8とを備え、図1に示す例では、さらに、赤外線撮像部1と、可視撮像部2と、気象要素測定部3と、入力部5と、表示部6とを備える。
赤外線撮像部1は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、対象領域を赤外で撮像し、前記対象領域の赤外線画像を生成する装置である。赤外線撮像部1は、例えば、対象領域の赤外線光学像(赤外の光学像)を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記対象領域の赤外線光学像を電気的な信号に変換する赤外線イメージセンサ、および、前記赤外線イメージセンサの出力を画像処理することで赤外線画像のデータを生成する赤外線画像処理部等を備える赤外カメラ等である。赤外線撮像部1は、対象領域の赤外線画像(赤外線画像のデータ)を制御処理部4へ出力する。
可視撮像部2は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、対象領域を可視で撮像し、前記対象領域の可視画像を生成する装置である。可視撮像部2は、例えば、対象領域の光学像(可視光の光学像)を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記対象領域の光学像を電気的な信号に変換するイメージセンサ、および、前記イメージセンサの出力を画像処理することで可視画像のデータを生成する可視画像処理部等を備える可視カメラ等である。可視撮像部2は、対象領域の可視画像(可視画像のデータ)を制御処理部4へ出力する。
気象要素測定部3は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、所定の気象要素を測定する装置である。前記気象要素は、大気の状態(気象)を表すものであり、好ましくは、湿度、降雨量、風速、日射量および気温のうちの1または複数を含む。例えば、前記気象要素が湿度(相対湿度または絶対湿度)である場合、気象要素測定部3は、湿度計を備えて構成される。また例えば、前記気象要素が降雨量である場合、気象要素測定部3は、雨量計を備え構成される。また例えば、前記気象要素が風速である場合、気象要素測定部3は、風速計を備えて構成される。また例えば、前記気象要素が日射量である場合、気象要素測定部3は、日射計を備えて構成される。また例えば、前記気象要素が気温である場合、気象要素測定部3は、温度計を備えて構成される。本実施形態では、後述のように、信頼度は、相対湿度および風速に基づいて求められており、これに応じて気象要素測定部3は、湿度計および風速計を備えて構成されている。気象要素測定部3は、この測定した気象要素の測定結果(本実施形態では相対湿度および風速)を制御処理部4へ出力する。
入力部5は、制御処理部4に接続され、例えば、漏洩ガスを検出する検出動作の開始を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば対象領域の識別子の入力等の漏洩ガスの検出を実行する上で必要な各種データを漏洩ガス検出装置Dに入力する機器であり、例えば、所定の機能を割り付けられた複数の入力スイッチ、キーボードおよびマウス等である。表示部6は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、入力部5から入力されたコマンドおよびデータ、ならびに、漏洩ガス検出装置Dによって検出されたガス雲、ガスが漏れ出している位置(箇所)である漏洩位置、その漏洩位置の信頼度およびその警告等を出力する機器であり、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイおよび有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
なお、入力部5および表示部6からタッチパネルが構成されてもよい。このタッチパネルを構成する場合において、入力部5は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置である。このタッチパネルでは、表示装置の表示面上に位置入力装置が設けられ、表示装置に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として漏洩ガス検出装置Dに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い漏洩ガス検出装置Dが提供される。
IF部7は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、外部機器との間でデータの入出力を行う回路であり、例えば、シリアル通信方式であるRS−232Cのインターフェース回路、Bluetooth(登録商標)規格を用いたインターフェース回路、IrDA(Infrared Data Asscoiation)規格等の赤外線通信を行うインターフェース回路、および、USB(Universal Serial Bus)規格を用いたインターフェース回路等である。また、IF部7は、有線または無線によって通信する通信カード等であり、例えばイーサネット環境等の通信ネットワークを介して例えばサーバ装置等の外部装置との間で通信しても良い(イーサネットは登録商標である)。
記憶部8は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、漏洩ガス検出装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、赤外線撮像部1で生成された対象領域の赤外線画像に基づいて、ガス収容部から空間に漏洩した漏洩ガスで形成されたガス雲のガス雲画像領域を抽出するガス雲処理プログラムや、赤外線撮像部1で生成された前記対象領域の赤外線画像に基づいて、前記ガス収容部から前記空間に漏洩した漏洩ガスの漏洩位置を求める漏洩位置処理プログラムや、気象要素測定部3で測定した気象要素の測定結果に基づいて、前記漏洩位置処理プログラムで求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求める信頼度処理プログラムや、前記漏洩位置処理プログラムで求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲(領域)で表示部6に表示する表示処理プログラムや、前記信頼度処理プログラムで求めた信頼度が所定の閾値以下である場合に、前記信頼度が前記閾値以下である旨の警告を行う警告処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、気象要素測定部3で測定した気象要素の測定結果に基づいて信頼度を求めるために用いられる、前記気象要素の測定結果と前記信頼度との対応関係(信頼度対応関係)や、信頼度に基づいて漏洩位置を表示するための前記範囲の大きさを求めるために用いられる、前記信頼度と前記範囲の大きさとの対応関係(範囲サイズ対応関係)等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部8は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。記憶部8は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部4のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部8は、比較的大容量の記憶容量を持つハードディスクを備えても良い。
記憶部8は、前記信頼度対応関係および前記範囲サイズ対応関係を予め記憶するために、信頼度情報記憶部81および範囲サイズ情報記憶部82を機能的に備える。
信頼度情報記憶部81は、前記信頼度対応関係を予め記憶するものである。前記信頼度対応関係は、本実施形態では相対湿度および風速と信頼度との対応関係であり、テーブル形式で信頼度情報記憶部81に予め記憶されている。相対湿度および風速と信頼度との対応関係を表す信頼度テーブル810は、例えば、図3に示すように、各湿度812の各行と各風速811の各列から成る2次元マトリクスの各欄に、それらに対応する各信頼度を登録することで構成されている。例えば、1行1列の欄には、相対湿度が0%以上25%未満であって風速が0m/s以上3m/s未満である場合に対応した信頼度100%が登録され、3行2列の欄には、相対湿度が50%以上75%未満であって風速が3m/s以上15m/s未満である場合に対応した信頼度40%が登録されている。
なお、前記気象要素が湿度である場合、前記湿度が高くなるに従って前記信頼度が小さくなるように、前記湿度と前記信頼度との対応関係が予め適宜に設定される。前記気象要素が降雨量である場合、前記降雨量が多くなるに従って前記信頼度が小さくなるように、前記降雨量と前記信頼度との対応関係が予め適宜に設定される。前記気象要素が風速である場合、前記風速が速くなるに従って前記信頼度が小さくなるように、前記風速と前記信頼度との対応関係が予め適宜に設定される。前記気象要素が日射量である場合、前記日射量が少なくなるに従って前記信頼度が小さくなるように、前記日射量と前記信頼度との対応関係が予め適宜に設定される。前記気象要素が気温である場合、前記漏洩ガスによって形成されるガス雲の背景温度と前記気温との差が小さくなるに従って前記信頼度が小さくなるように、前記気温および前記背景温度に基づく前記差と前記信頼度との対応関係が予め適宜に設定される。
範囲サイズ情報記憶部82は、前記範囲サイズ対応関係を予め記憶するものである。前記範囲サイズ対応関係において、本実施形態では、信頼度が低くなるに従って前記範囲の大きさが大きくなるように、信頼度に前記範囲の大きさが適宜に対応付けられている。前記範囲サイズ対応関係は、テーブル形式で範囲サイズ情報記憶部82に予め記憶されている。範囲の大きさは、本実施形態では、画面全体を分割する分割数で表されており、前記信頼度と前記範囲の大きさとの対応関係を表す範囲サイズテーブル820は、例えば、図4に示すように、信頼度を登録する信頼度フィールド821と、信頼度フィールド821に登録された信頼度に対応する分割数を登録する分割数フィールド822とを備え、信頼度ごとにレコードを持つ。例えば、1行目のレコードにおける信頼度フィールド821には、信頼度100%が登録され、これに対応する分割数フィールド822には、24×32(画面縦方向の縦長が等分に24分割され、画面横方向の横長が等分に32分割され、その結果、画面全体が等分に24×32=768分割される)が登録されている。この場合、前記範囲の大きさは、画面全体を等分に768分割した場合における1区画の大きさである。また例えば、5行目のレコードにおける信頼度フィールド821には、信頼度20%が登録され、これに対応する分割数フィールド822には、エラー(警告)が登録されている。この場合、エラーが表示される。本実施形態では、エラー表示として後述のように警告が実行される。
図1に戻って、制御処理部4は、漏洩ガス検出装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、ガス収容部から空間に漏洩した漏洩ガスの漏洩位置を検出し、この漏洩位置に対する信頼度を求め、漏洩位置、その信頼度および警告を表示するための回路である。制御処理部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部4には、制御処理プログラムが実行されることによって、制御部41、ガス雲処理部42、漏洩位置処理部43、信頼度処理部44、警告処理部45および表示処理部46が機能的に構成される。
制御部41は、漏洩ガス検出装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するためのものである。制御部41は、気象要素測定部3から、その気象要素の測定結果(本実施形態では相対湿度および風速)を取得する。
ガス雲処理部42は、赤外線撮像部1で生成された対象領域の赤外線画像に基づいて、ガス収容部から空間に漏洩した漏洩ガスで形成されたガス雲のガス雲画像領域を抽出するものである。
ここで、例えば、図2に示すように、本実施形態における漏洩ガス検出装置Dは、対象領域における赤外線画像および可視画像それぞれを赤外線撮像部1および可視撮像部2それぞれで撮像することができるように、赤外線撮像部1の撮影方向および可視撮像部2の撮影方向それぞれを前記対象領域に向けて固定的に配設される。このように配設された赤外線撮像部1は、対象領域内に存在する個々の物体(背景物)OBが輻射(放射)した赤外線(背景輻射赤外線、背景放射赤外線)を撮像する。そして、図2に示すように、例えば配管等のガス収容部PYからガスが漏洩し、赤外線撮像部1と前記背景物OBとの間に、前記漏洩した漏洩ガスのガス雲GSが存在すると、背景輻射赤外線は、ガス雲GSを介して赤外線撮像部1に到達する。ガス雲GSは、そのガス固有の吸収線の波長で前記背景輻射赤外線の一部を吸収し、またガス雲GS自体の温度に応じた赤外線を輻射する。背景輻射赤外線に対するその吸収量は、ガス雲GSの濃度に従い、そして、ガス雲GSの厚みに従うので、結局、ガス雲GSの濃度厚み積に従う。このため、赤外線撮像部1によって撮像され生成された対象領域の赤外線画像では、ガス雲GSを介した部分画像の輝度値は、前記ガス雲GSを介しなかった部分画像の輝度値と相違する。したがって、ガス雲処理部42は、例えば、前記対象領域の赤外線画像から、予め設定された所定の判定閾値Dth以下の単位時間当たりの輝度値の変化量を持つ画素の領域を抽出することによって、ガス雲GSのガス雲画像領域を抽出できる。
漏洩位置処理部43は、赤外線撮像部1で生成した前記対象領域の赤外線画像に基づいて、ガス収容部から空間に漏洩した漏洩ガスの漏洩位置を求めるものである。漏洩位置処理部43は、例えば、時系列に連続した複数のガス雲画像領域を時刻を遡って辿ることで推定できる。また例えば、漏洩位置処理部43は、時系列に連続した複数のガス雲画像領域に基づいてガス雲GSにおける複数のオプティカルフローを求め、複数のオプティカルフローを時刻を遡って辿ることで推定できる。
信頼度処理部44は、気象要素測定部3で測定した気象要素の測定結果に基づいて、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求めるものである。より具体的には、本実施形態では、信頼度処理部44は、気象要素測定部3で測定した相対湿度および風速に対応する信頼度を、信頼度情報記憶部81に記憶された信頼度テーブル810から求める。例えば、相対湿度が45%であって風速が1m/sである場合には、信頼度処理部44は、信頼度テーブル810から信頼度を80%とする。
警告処理部45は、信頼度処理部44で求めた信頼度が所定の閾値以下である場合に、前記信頼度が前記閾値以下である旨の警告を行うものである。より具体的には、本実施形態では、警告処理部45は、信頼度処理部44で求めた信頼度が20%以下である場合に、「信頼度の演算はエラーです」等の前記信頼度が前記閾値(この例では20%)以下である旨を表すメッセージを表示部6に表示するエラー表示を表示処理部46に行わせる。
表示処理部46は、可視撮像部2で生成された対象領域の可視画像、ガス雲処理部42で抽出されたガス雲画像領域、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置、信頼度処理部44で求めた信頼度、および、必要に応じて警告処理部45で判定した警告を表示部6に表示するものである。より具体的には、表示処理部46は、可視撮像部2で生成された対象領域の可視画像に、ガス雲処理部42で抽出されたガス雲画像領域を重畳して表示部6に表示し、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部6に対して表示可能とし、そして、信頼度処理部44で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更することで漏洩位置に対する信頼度を表示部6に表示する。この漏洩位置および信頼度の表示に関し、より詳しくは、表示処理部46は、信頼度処理部44で求めた信頼度に対応する前記範囲の大きさを、範囲サイズ情報記憶部82に記憶された範囲サイズテーブル820から求め、この求めた範囲の大きさで、漏洩位置を含む前記範囲を表示部6に表示する。例えば、信頼度が80%である場合には、表示処理部46は、範囲サイズテーブル820から分割数を12×16=192とし、前記範囲の大きさを、縦方向の縦長を等分に12分割すると共に横方向の横長を等分に16分割することで全画面を等分に192分割した場合の1区画の大きさとする。範囲サイズテーブル820には、上述したように、信頼度が低くなるに従って前記範囲の大きさが大きくなるように、信頼度に前記範囲の大きさが対応付けられているので、表示処理部46は、信頼度処理部44で求めた信頼度が低くなるに従って前記範囲の大きさが大きくなるように、前記範囲の大きさを変更する。また、警告処理部45による警告の要否の判定結果に応じて警告が必要である場合には、表示処理部46は、上述のように、「信頼度の演算はエラーです」等を表示部6に表示する。
なお、上述において、漏洩ガス検出装置Dは、これら赤外線撮像部1、可視撮像部2、気象要素測定部3、制御処理部4、入力部5、表示部6、IF部7および記憶部8を1つに纏めて構成されて良い。この場合、赤外線撮像部1は、対象領域の画像を取得する画像取得部の一例に相当し、気象要素測定部3は、気象要素に関するデータを取得する気象要素取得部の一例に相当する。あるいは、漏洩ガス検出装置Dは、これら赤外線撮像部1、可視撮像部2および気象要素測定部3を1つに纏めて構成したセンサ部と、これら制御処理部4、入力部5、表示部6、IF部7および記憶部8を1つに纏めて構成し、前記センサ部と有線または無線によって通信可能に接続した本体部とを備えて構成されて良い。この場合、IF部7は、対象領域の画像を取得する画像取得部の他の一例に相当し、さらに、気象要素に関するデータを取得する気象要素取得部の他の一例に相当する。そして、これらの場合において、遠隔地で監視可能となるように、表示部6は、さらに、有線または無線によって通信可能に接続される状態で分離され、遠隔地に配置されても良い。
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、実施形態における漏洩ガス検出装置の動作を示すフローチャートである。図6は、実施形態の漏洩ガス検出装置において、信頼度が100%である場合の漏洩位置の表示態様を説明するための模式図である。図7は、実施形態の漏洩ガス検出装置において、信頼度が80%である場合の漏洩位置の表示態様を説明するための模式図である。図8は、実施形態の漏洩ガス検出装置において、信頼度が60%である場合の漏洩位置の表示態様を説明するための模式図である。図9は、実施形態の漏洩ガス検出装置において、信頼度が40%である場合の漏洩位置の表示態様を説明するための模式図である。
このような漏洩ガス検出装置Dは、赤外線撮像部1の撮影方向および可視撮像部2の撮影方向それぞれを対象領域に向けて配設され、ユーザ(オペレータ)によって図略の電源スイッチがオンされると、制御処理部4は、必要な各部の初期化を実行し、制御処理プログラムの実行によって、制御処理部4には、制御部41、ガス雲処理部42、漏洩位置処理部43、信頼度処理部44、警告処理部45および表示処理部46が機能的に構成される。そして、ユーザによって入力部5から検出動作の開始が入力され指示されると、対象領域に対しガスの検出動作を開始する。
より具体的には、図5において、まず、漏洩ガス検出装置Dは、赤外線撮像部1によって、前記対象領域を赤外で撮像し、前記対象領域の赤外線画像を生成して取得する。この前記対象領域の赤外線画像(赤外線画像の画像データ)は、赤外線撮像部1から制御処理部4へ出力される(S1)。
次に、漏洩ガス検出装置Dは、可視撮像部2によって、前記対象領域を可視で撮像し、前記対象領域の可視画像を生成して取得する。この前記対象領域の可視画像(可視画像の画像データ)は、可視撮像部2から制御処理部4へ出力される(S2)。
次に、漏洩ガス検出装置Dは、制御処理部4によって、対象領域の空間にガス収容部から漏洩した漏洩ガスで形成されたガス雲GSが発生したか否かを判定する(S3)。なお、ガス漏れを検出する場合には、前記ガス雲GSが漏洩ガスによって形成されたものと想定することで、この処理S3によってガス漏れの有無が判定できる。より具体的には、制御処理部4は、ガス雲処理部42によって、赤外線撮像部1で生成された対象領域の赤外線画像に基づいてガス雲GSのガス雲画像領域を抽出する。この結果、ガス雲画像領域が抽出されなかった場合(No)には、制御処理部4は、ガス雲GSの不発生と判定し、後述の処理S9を実行する。一方、ガス雲画像領域が抽出された場合(Yes)には、制御処理部4は、ガス雲GSの発生と判定し、次の処理S4を実行する。
処理S4では、漏洩ガス検出装置Dは、漏洩位置処理部43によって、赤外線撮像部1で生成した前記対象領域の赤外線画像に基づいて、ガス収容部から空間に漏洩した漏洩ガスの漏洩位置を求める。
次に、漏洩ガス検出装置Dは、制御部41によって、気象要素測定部3から気象要素の測定結果(本実施形態では相対湿度および風速)を取得する(S5)。
次に、漏洩ガス検出装置Dは、信頼度処理部44によって、気象要素測定部3で測定した気象要素の測定結果に基づいて、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置に対する信頼度を求める(S6)。より具体的には、信頼度処理部44は、気象要素測定部3で測定した相対湿度および風速に対応する信頼度を、信頼度情報記憶部81に記憶された信頼度テーブル810から求める。
次に、漏洩ガス検出装置Dは、警告処理部45によって、警告の要否を判定する(S7)。より具体的には、警告処理部45は、信頼度処理部44で求めた信頼度が前記閾値以下であるか否かを判定することで警告の要否を判定し、信頼度処理部44で求めた信頼度が前記閾値以下である場合には、警告が必要と判定し、信頼度処理部44で求めた信頼度が前記閾値を越えている場合には、警告が不要と判定する。
次に、漏洩ガス検出装置Dは、表示処理部46によって、これら上述の各処理によって求められた、可視撮像部2で生成された対象領域の可視画像、ガス雲処理部42で抽出されたガス雲画像領域、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置、信頼度処理部44で求めた信頼度、および、必要に応じて警告処理部45で判定した警告を表示部6に表示する(S8)。より具体的には、表示処理部46は、可視撮像部2で生成された対象領域の可視画像に、ガス雲処理部42で抽出されたガス雲画像領域をその位置合わせを行って重畳して表示部6に表示し、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部6に表示し、そして、信頼度処理部44で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更することで漏洩位置に対する信頼度を表示部6に表示する。
この漏洩位置および信頼度の表示に関し、より詳しくは、表示処理部46は、信頼度処理部44で求めた信頼度に対応する前記範囲の大きさを、範囲サイズ情報記憶部82に記憶された範囲サイズテーブル820から求め、この求めた範囲の大きさで、漏洩位置を含む前記範囲を表示部6に表示する。例えば、処理S6で信頼度が100%と求められた場合には、表示処理部46は、範囲サイズテーブル820から分割数を24×32=768とし、図6に示すように、縦方向の縦長を等分に24分割すると共に横方向の横長を等分に32分割することで全画面を等分に768分割した場合の1区画の大きさとする前記範囲の大きさで、漏洩位置RP1を表示部6に表示する。また例えば、処理S6で信頼度が80%と求められた場合には、表示処理部46は、範囲サイズテーブル820から分割数を12×16=192とし、図7に示すように、縦方向の縦長を等分に12分割すると共に横方向の横長を等分に16分割することで全画面を等分に192分割した場合の1区画の大きさとする前記範囲の大きさで、漏洩位置RP2を表示部6に表示する。また例えば、処理S6で信頼度が60%と求められた場合には、表示処理部46は、範囲サイズテーブル820から分割数を6×8=48とし、図8に示すように、縦方向の縦長を等分に6分割すると共に横方向の横長を等分に8分割することで全画面を等分に48分割した場合の1区画の大きさとする前記範囲の大きさで、漏洩位置RP3を表示部6に表示する。また例えば、処理S6で信頼度が40%と求められた場合には、表示処理部46は、範囲サイズテーブル820から分割数を3×4=12とし、図9に示すように、縦方向の縦長を等分に3分割すると共に横方向の横長を等分に4分割することで全画面を等分に12分割した場合の1区画の大きさとする前記範囲の大きさで、漏洩位置RP4を表示部6に表示する。漏洩位置RPの表示は、例えば、前記範囲の輪郭線を所定の色(例えば赤色やオレンジ色等)で表示したり、前記範囲全体を点滅させて表示したり、前記範囲内を所定のハッチ(例えば網掛けや斜線等)で表示したり等で実施される。なお、各区画の境界線(格子(グリッド)線)が例えば細線や破線等の所定の線種で表示部6に表示されても良い。また、警告処理部45による警告の要否の判定結果に応じて警告が必要である場合には、表示処理部46は、「信頼度の演算はエラーです」等を表示部6に表示する(図略)。
図5に戻って、そして、処理S9では、漏洩ガス検出装置Dは、制御処理部4によって、ユーザによる検出動作の終了を入力部5で受け付けているか否かを判断し、検出動作の終了を入力部5で受け付けている場合(Yes)には、処理を終了し、検出動作の終了を入力部5で受け付けていない場合(No)には、処理を処理S1に戻す。
以上説明したように、本実施形態における漏洩ガス検出装置Dおよびこれに実装された漏洩ガス検出方法は、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置を、その漏洩位置を含む範囲(領域)で表示し、さらに、その範囲の大きさを信頼度に応じて変更する。このため、上記漏洩ガス検出装置Dおよび漏洩ガス検出方法は、漏洩位置を範囲で表示するので前記ちらつきを低減でき、前記範囲の大きさで誤差(真の漏洩位置と前記求めた漏洩位置との差)の程度を含めて漏洩位置の信頼性を表示できる。したがって、ユーザは、誤差の程度を含めて漏洩位置の信頼性を、範囲の大きさの視認でより容易に認識でき、その信頼度に応じて現場に急行すべきか様子を見るべきか等のより適切な判断を下すことができる。
信頼度が低くなるほど漏洩位置処理部で求めた漏洩位置がばらつくことになるが、上記漏洩ガス検出装置Dおよび漏洩ガス検出方法は、信頼度処理部44で求めた信頼度が低くなるほど前記範囲の大きさを大きくするので、前記ちらつきをより低減できる。
上記漏洩ガス検出装置Dおよび漏洩ガス検出方法は、警告処理部45をさらに備えるので、信頼度が閾値以下であることの注意をユーザに喚起できる。
上記漏洩ガス検出装置Dおよび漏洩ガス検出方法は、前記信頼度に影響する、湿度、降雨量、風速、日射量および気温のうちの1または複数(上述では代表的に典型的な相対湿度および風速)を前記気象要素として採用するので、前記信頼度を適切に評価できる。
なお、上述の実施形態では、警告処理部45は、メッセージによるエラー表示で警告を表示部6に表示したが、警告処理部45は、前記警告として、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置を含む前記範囲を表示処理部46に所定の色(例えば黄色等)で塗りつぶさせても良い。すなわち、警告処理部45は、信頼度処理部44で求めた信頼度が所定の閾値以下である場合に、表示処理部46によって、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置を含む前記範囲を例えば黄色等の所定の色で塗りつぶす。これによれば、漏洩ガス検出装置Dおよび漏洩ガス検出方法は、前記警告として、漏洩位置処理部43で求めた漏洩位置を含む前記範囲を所定の色で塗りつぶすので、前記範囲の視認で、信頼度が閾値以下であることの注意をユーザに喚起できる。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
一態様にかかる漏洩ガス検出装置は、対象領域の画像を取得する画像取得部と、気象要素に関するデータを取得する気象要素取得部と、前記画像取得部で取得した前記対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求める漏洩位置処理部と、前記気象要素取得部で取得した気象要素のデータに基づいて、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求める信頼度処理部と、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に対して表示可能とする表示処理部とを備え、前記表示処理部は、前記信頼度処理部で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更する。好ましくは、上述の漏洩ガス検出装置において、前記画像取得部は、外部機器からデータの入力を受けるインターフェース部であり、前記インターフェース部は、前記外部機器として、対象領域を撮像し前記対象領域の画像を生成する撮像部から、前記対象領域の画像の入力を受ける。好ましくは、上述の漏洩ガス検出装置において、前記画像取得部は、対象領域を撮像し、前記対象領域の画像を生成する撮像部である。好ましくは、上述の漏洩ガス検出装置において、前記気象要素取得部は、外部機器からデータの入力を受けるインターフェース部であり、前記インターフェース部は、前記外部機器として、所定の気象要素を測定する気象要素測定部から、前記気象要素に関わるデータの入力を受ける。好ましくは、上述の漏洩ガス検出装置において、前記気象要素取得部は、所定の気象要素を測定する気象要素測定部である。
このような漏洩ガス検出装置は、漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を、その漏洩位置を含む範囲(領域)で表示し、さらに、その範囲の大きさを信頼度に応じて変更する。このため、上記漏洩ガス検出装置は、漏洩位置を範囲で表示するので前記ちらつきを低減でき、前記範囲の大きさで誤差の程度を含めて漏洩位置の信頼性を表示できる。したがって、ユーザは、誤差(真の漏洩位置と前記求めた漏洩位置との差)の程度を含めて漏洩位置の信頼性を、範囲の大きさの視認でより容易に認識でき、その信頼度に応じて現場に急行すべきか様子を見るべきか等のより適切な判断を下すことができる。
他の一態様では、上述の漏洩ガス検出装置において、前記表示処理部は、前記信頼度処理部で求めた信頼度が低くなるに従って前記範囲の大きさが大きくなるように、前記範囲の大きさを変更する。
信頼度が低くなるほど漏洩位置処理部で求めた漏洩位置がばらつくことになるが、このような漏洩ガス検出装置は、信頼度処理部で求めた信頼度が低くなるほど前記範囲の大きさを大きくするので、前記ちらつきをより低減できる。
他の一態様では、これら上述の漏洩ガス検出装置において、前記信頼度処理部で求めた信頼度が所定の閾値以下である場合に、前記信頼度が前記閾値以下である旨の警告を行う警告処理部をさらに備える。
このような漏洩ガス検出装置は、前記警告処理部をさらに備えるので、信頼度が閾値以下であることの注意をユーザに喚起できる。
他の一態様では、上述の漏洩ガス検出装置において、前記警告処理部は、前記警告として、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を含む前記範囲を前記表示処理部に所定の色で塗りつぶさせる。
このような漏洩ガス検出装置は、前記警告として、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を含む前記範囲を所定の色で塗りつぶすので、前記範囲の視認で、信頼度が閾値以下であることの注意をユーザに喚起できる。
他の一態様では、これら上述の漏洩ガス検出装置において、前記気象要素は、湿度、降雨量、風速、日射量および気温のうちの1または複数である。好ましくは、前記気象要素が湿度(相対湿度または絶対湿度)である場合、前記気象要素測定部は、湿度計を備え、前記湿度が高くなるに従って前記信頼度は、小さくなる。好ましくは、前記気象要素が降雨量である場合、前記気象要素測定部は、雨量計を備え、前記降雨量が多くなるに従って前記信頼度は、小さくなる。好ましくは、前記気象要素が風速である場合、前記気象要素測定部は、風速計を備え、前記風速が速くなるに従って前記信頼度は、小さくなる。好ましくは、前記気象要素が日射量である場合、前記気象要素測定部は、日射計を備え、前記日射量が少なくなるに従って前記信頼度は、小さくなる。好ましくは、前記気象要素が気温である場合、前記気象要素測定部は、温度計を備え、前記漏洩ガスによって形成されるガス雲の背景温度と気温との差が小さくなるに従って前記信頼度は、小さくなる。
このような漏洩ガス検出装置は、前記信頼度に影響する、湿度、降雨量、風速、日射量および気温のうちの1または複数を前記気象要素として採用するので、前記信頼度を適切に評価できる。
他の一態様にかかる漏洩ガス検出方法は、対象領域の画像を取得する画像入力工程と、気象要素に関するデータを取得する気象要素入力工程と、前記画像入力工程で取得した前記対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求める漏洩位置処理工程と、前記気象要素入力工程で取得した気象要素のデータに基づいて、前記漏洩位置処理工程で求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求める信頼度処理工程と、前記漏洩位置処理工程で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に対して表示可能とする表示処理工程とを備え、前記表示処理工程は、前記信頼度処理工程で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更する。
このような漏洩ガス検出方法は、漏洩位置処理工程で求めた漏洩位置を、その漏洩位置を含む範囲で表示し、さらに、その範囲の大きさを信頼度に応じて変更する。このため、上記漏洩ガス検出方法は、漏洩位置を範囲で表示するので前記ちらつきを低減でき、前記範囲の大きさで誤差の程度を含めて漏洩位置の信頼性を表示できる。したがって、ユーザは、誤差の程度を含めて漏洩位置の信頼性を、範囲の大きさの視認でより容易に認識でき、その信頼度に応じて現場に急行すべきか様子を見るべきか等のより適切な判断を下すことができる。
この出願は、2015年10月29日に出願された日本国特許出願特願2015−212505を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、漏洩ガス検出装置および漏洩ガス検出方法が提供できる。
Claims (6)
- 対象領域の画像を取得する画像取得部と、
気象要素に関するデータを取得する気象要素取得部と、
前記画像取得部で取得した前記対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求める漏洩位置処理部と、
前記気象要素取得部で取得した気象要素のデータに基づいて、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求める信頼度処理部と、
前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に対して表示可能とする表示処理部とを備え、
前記表示処理部は、前記信頼度処理部で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更する、
漏洩ガス検出装置。 - 前記表示処理部は、前記信頼度処理部で求めた信頼度が低くなるに従って前記範囲の大きさが大きくなるように、前記範囲の大きさを変更する、
請求項1に記載の漏洩ガス検出装置。 - 前記信頼度処理部で求めた信頼度が所定の閾値以下である場合に、前記信頼度が前記閾値以下である旨の警告を行う警告処理部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の漏洩ガス検出装置。 - 前記警告処理部は、前記警告として、前記漏洩位置処理部で求めた漏洩位置を含む前記範囲を前記表示処理部に所定の色で塗りつぶさせる、
請求項3に記載の漏洩ガス検出装置。 - 前記気象要素は、湿度、降雨量、風速、日射量および気温のうちの1または複数である、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の漏洩ガス検出装置。 - 対象領域の画像を取得する画像入力工程と、
気象要素に関するデータを取得する気象要素入力工程と、
前記画像入力工程で取得した前記対象領域の画像に基づいて、空間に漏洩したガスの漏洩位置を求める漏洩位置処理工程と、
前記気象要素入力工程で取得した気象要素のデータに基づいて、前記漏洩位置処理工程で求めた漏洩位置に対する信頼性の程度を表す指標である信頼度を求める信頼度処理工程と、
前記漏洩位置処理工程で求めた漏洩位置を、前記漏洩位置を含む範囲で表示部に対して表示可能とする表示処理工程とを備え、
前記表示処理工程は、前記信頼度処理工程で求めた信頼度に応じて前記範囲の大きさを変更する、
漏洩ガス検出方法。
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