JPWO2017061143A1 - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

コイル部品の一例としての巻線型のコモンモードチョークコイルにおいて、浮遊容量の影響でモード変換特性が大きくなるといった不都合を解消する。巻芯部(45)上に、第1層の第1ワイヤ(43)と第2層の第2ワイヤ(44)との間で0.5ターンずれる0.5ずれ領域Aと、逆方向に1.5ターンずれる1.5ずれ領域Bとを軸線方向に沿って分布させる。0.5ずれ領域Aでは、1ターンごとに−1または+1と数値化される斜め容量が発生し、1.5ずれ領域Bでは、1ターンごとに+3または−3と数値化される斜め容量が発生する。ここで、0.5ずれ領域Aに位置する第2ワイヤ(44)のターン数の和を、1.5ずれ領域Bに位置する第2ワイヤのターン数の和の2倍以上かつ5倍以下とすることにより、斜め容量を、第1および第2ワイヤ全体でバランスさせ、浮遊容量の影響を低減する。

Description

この発明は、コイル部品に関するもので、特に、巻芯部上に2本のワイヤを巻回した構造を有する巻線型のコイル部品におけるワイヤの巻回態様についての改良に関するものである。
この発明が向けられるコイル部品の代表例として、コモンモードチョークコイルがある。
この発明にとって興味あるコモンモードチョークコイルが、たとえば、特許第4789076号公報(特許文献1)に記載されている。図9には、特許文献1に記載されたものと基本的に同様の構成を有するコモンモードチョークコイル41の外観が示されている。
図9に示すように、コモンモードチョークコイル41は、コア42と、それぞれインダクタを構成する第1ワイヤ43および第2ワイヤ44と、を備えている。コア42は、電気絶縁性材料、より具体的には、誘電体としてのアルミナ、磁性体としてのNi−Zn系フェライト、または樹脂などから構成される。コア42は、全体として断面四角形状をなしている。ワイヤ43および44は、たとえば、絶縁被覆された銅線から構成される。
コア42は、巻芯部45ならびに巻芯部45の各端部にそれぞれ設けられた第1鍔部46および第2鍔部47を有する。第1および第2ワイヤ43および44は、巻芯部45上において第1鍔部46側の第1端部から第2鍔部47側の第2端部に向かって互いに実質的に同じターン数をもって螺旋状に巻回されている。
第1鍔部46には、第1および第2端子電極48および49が設けられ、第2鍔部47には、第3および第4端子電極50および51が設けられる。端子電極48〜51は、たとえば、導電性ペーストの焼付け、導電性金属のめっき等によって形成される。なお、端子電極48〜51の位置からわかるように、図9は、コモンモードチョークコイル41を、実装基板側に向けられる実装面を上方に向けた姿勢で図示している。
第1ワイヤ43の各端部は、第1および第3端子電極48および50に接続され、第2ワイヤ44の各端部は、第2および第4端子電極49および51に接続される。これらの接続には、たとえば、熱圧着が適用される。
以上のような構成を有するコモンモードチョークコイル41は、図10に示すような等価回路を与えている。図10において、図9に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付している。
図10を参照して、コモンモードチョークコイル41は、第1および第3端子電極48および50間に接続される第1ワイヤ43によって構成される第1インダクタ52と、第2および第4端子電極49および51間に接続される第2ワイヤ44によって構成される第2インダクタ53と、を備える。これら第1インダクタ52と第2インダクタ53とは、互いに磁気結合されている。
図9では明瞭に表わされていないが、第1ワイヤ43は、巻芯部45の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、第2ワイヤ44は、その断面上の一部を第1ワイヤ43の隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回されている。
コモンモードチョークコイル41は、さらに、天板54を備える。天板54は、コア42と同様、たとえば、非磁性体としてのアルミナ、磁性体としてのNi−Zn系フェライト、または樹脂などから構成される。コア42および天板54が磁性体からなるとき、天板54が第1鍔部46および第2鍔部47間を連結するように設けられることによって、コア42は、天板54と協働して、閉磁路を構成する。
特許第4789076号公報
上述したコモンモードチョークコイル41において、そこに入力される信号周波数が高くなると、入力されたディファレンシャル信号成分のうち、コモンモードノイズに変換されて出力される割合であるモード変換特性が大きく現れることがある。
同種の問題は、コモンモードチョークコイルに限らず、たとえば、同じく第1ワイヤおよび第2ワイヤを備える巻線型チップトランスにおいても遭遇し得る。
そこで、この発明の目的は、上述した問題を解決し得るコイル部品を提供しようとすることである。
この発明は、一方および他方にそれぞれ第1端部および第2端部を有する巻芯部を含むコアと、上記巻芯部上において第1端部から第2端部に向かって互いに実質的に同じターン数をもって螺旋状に巻回された第1ワイヤおよび第2ワイヤと、を備える、コイル部品に向けられる。ここで、上記第1ワイヤは、巻芯部の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、上記第2ワイヤは、その大部分が断面上の一部を第1ワイヤの隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回される。
なお、第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回されるのが、第2ワイヤの大部分としたのは、巻回状態の都合で、第2ワイヤのごく一部を巻芯部の周面に接するように巻回しなければならない状況があり得るからである。
このようなコイル部品において、上述した技術的課題を解決するため、この発明は以下のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、第1ワイヤおよび第2ワイヤの各々の第1端部側から数えたターン数n(nは自然数)で表現したとき、
(1) 第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第nターンまたは第n+1ターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤと第2ワイヤとの間で0.5ターンずれる0.5ずれ領域と、
(2) 0.5ずれ領域において、第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第nターンが嵌り込むとき、第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第n+2ターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤと第2ワイヤとの間で1.5ターンずれるか、または、0.5ずれ領域において、第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第n+1ターンが嵌り込むとき、第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第n−1ターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤと第2ワイヤとの間で1.5ターンずれる、1.5ずれ領域と、
が巻芯部の軸線方向に沿って分布している。
そして、上記0.5ずれ領域に位置する第2ワイヤのターン数の和は、上記1.5ずれ領域に位置する第2ワイヤのターン数の和の2倍以上かつ5倍以下であることを特徴としている。
このような構成によって、後述する考察から明らかにされるように、第1および第2ワイヤ間で発生する斜め容量を、第1および第2ワイヤ全体でバランスさせることができる。
この発明によれば、第1および第2ワイヤ間で生じる浮遊容量の影響を低減できる。したがって、たとえばコモンモードチョークコイルにあっては、モード変換特性を低減することができる。
この発明の第1の実施形態によるコイル部品としてのコモンモードチョークコイル61の底面図であり、実装基板側に向けられる面を示している。 図1に示したコモンモードチョークコイル61における第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態を模式的に示す断面図である。 図2に示した第1ワイヤ43の巻線手順を説明するための断面図である。 図2に示した第2ワイヤ44の巻線手順を説明するための断面図である。 図2に示した第1および第2ワイヤ43および44間で発生する斜め容量を説明するための断面図である。 図5に示した第1および第2ワイヤ43および44間で発生する斜め容量をより詳細に説明するための等価回路図である 図2の上半分に相当する図であって、この発明の第2の実施形態によるコモンモードチョークコイル61aにおける第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態を模式的に示す断面図である。 図2の上半分に相当する図であって、この発明の第3の実施形態によるコモンモードチョークコイル61bにおける第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態を模式的に示す断面図である。 特許文献1に記載されたものと基本的に同様の構成を有するコモンモードチョークコイル41の外観を示す斜視図である。 図9に示したコモンモードチョークコイル41の等価回路図である。 図9に示した第1および第2ワイヤ43および44間で発生する斜め容量を説明するための断面図である。 図11に示した第1および第2ワイヤ43および44間で発生する斜め容量をより詳細に説明するための等価回路図である
まず、上述のモード変換特性(以下、「Scd21」と記載する。)が増加する問題について、本件発明者らが発見した内容を以下に説明する。
上述の問題の原因は、コモンモードチョークコイル41に関連して生じる浮遊容量(分布容量)が、コモンモードチョークコイル41を通過する信号のバランスを崩してしまうことにある。
まず、図11および図12を参照して、コモンモードチョークコイル41において発生する浮遊容量について、より詳細に説明する。図11には、巻芯部45上での第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態の一部が拡大されて断面図で示されている。図11において、第1および第2ワイヤ43および44の各々の断面内に記入した数字は、ターン数を示している。すなわち、図11では、第1および第2ワイヤ43および44の各々の第1ターンから第3ターンまでが拡大されて断面図で示されている。また、図11において、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との区別を明確にするため、第1ワイヤ43を示す断面には、網掛けが施されている。
図11に示すように、第1層を構成する第1ワイヤ43と第2層を構成する第2ワイヤ44とは、第1ワイヤ43の第1ターンと第2ターンとの間の凹部に第2ワイヤ44の第1ターンが嵌り込み、第1ワイヤ43の第2ターンと第3ターンとの間の凹部に第2ワイヤ44の第2ターンが嵌り込む、といった規則をもって巻芯部45上に巻回されている。
一般化して表現すると、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に第2ワイヤ44の第nターンが嵌り込んでいる。その結果、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44とは、巻芯部45の軸線方向での位置は一致せず、互いに0.5ターンずれていることになる。
図12には、第1ワイヤ43および44の各々の第1ターンから第4ターンまでが図示されている。図12において、第1ワイヤ43および44の各々の1ターンが1つのインダクタ記号で表示されていて、第1ワイヤ43および44の各々の同一ターンは上下に整列するように図示されている。
このような巻回状態において、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との間には浮遊容量(分布容量)が発生する。浮遊容量の大きさは、ワイヤ43および44間の物理的な距離に比例するため、コモンモードチョークコイル41の特性に対しては、隣接するワイヤ43および44間に発生する浮遊容量の影響が支配的になる。隣接するワイヤ43および44間に発生する浮遊容量とは、具体的には、たとえば、図11において、第1ワイヤ43の第1ターンと第2ワイヤ44の第1ターンとの間に発生する浮遊容量や、第1ワイヤ43の第2ターンと第2ワイヤ44の第1ターンとの間に発生する浮遊容量などである。
ここで、本件発明者らは、Scd21を増加させる要因として、隣接するワイヤ43および44間に発生する浮遊容量のうち、第1ワイヤ43および第2ワイヤ44の異なるターン間での浮遊容量Cd(以下、「斜め容量Cd」と記載する。)の影響が大きいことにあることを発見した。したがって、図11および図12では、斜め容量Cdのみが図示されている。
コモンモードチョークコイル41における斜め容量Cdは、たとえば、第1ワイヤ43の第2ターンと第2ワイヤの第1ターンとの間というように、第1ワイヤ43の第n+1ターンと第2ワイヤの第nターンとの間に形成される。したがって、第1および第2ワイヤ43および44の各々の同一ターンが上下に整列するように図示された図12の等価回路図においては、斜め容量Cdはいわゆる「右肩下がり」の接続姿勢となっている。なお、この「右肩下がり」あるいは「右肩上がり」といった表現は、後の説明においても用いることにする。
次に、この「右肩下がり」の接続姿勢がScd21に与える影響を説明する。まず、図10において、第1端子電極48から入力した信号が第3端子電極50へ出力する割合をS21、第1端子電極48から入力した信号が第4端子電極51へ出力する割合をS41とする。また、同様に、第2端子電極49から入力した信号が第3端子電極50へ出力する割合をS23、第2端子電極49から入力した信号が第4端子電極51へ出力する割合をS43とする。
このとき、Scd21はS21+S41−S23−S43であり、式を変形すると、Scd21=(S21−S43)+(S41−S23)となる。ここで、S41およびS23は、第1ワイヤ43と第2ワイヤ43との間を伝播する信号についての特性であり、特に第1ワイヤ43と第2ワイヤ43との間に発生する浮遊容量を通じて伝わる信号の影響を大きく受ける。
この際、コモンモードチョークコイル41では、前述した斜め容量Cdの存在により、S41とS23とでは、一部の信号の伝播経路が異なる。たとえば、S41は、傾きが−1である斜め容量Cdによる経路(たとえば、第1ワイヤ43の第2ターンから第2ワイヤ44の第1ターンへの経路など)を伝わる信号を含む値である。当該信号は、第1ワイヤ43から第2ワイヤ44へ伝播する際に、あたかも−1ターン分位置が戻る(逆戻りする)かのように伝わる。一方、S23は、傾きが+1である斜め容量Cdによる経路(たとえば、第2ワイヤ44の第2ターンから第1ワイヤ43の第3ターンへの経路など)を伝わる信号を含む値である。当該信号は、第2ワイヤ44から第1ワイヤ43へ伝播する際に、あらかも+1ターン分位置が進む(ショートカットする)かのように伝わる。よって、上記2つの信号間では、インダクタ中を通過する距離が異なることで、信号の減衰特性が異なるため、S41とS23との間における非対称性が生じ、(S41−S23)が0とはならない。
なお、S41とS23とには、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44の同一ターン間に発生する(傾きが0である)浮遊容量による経路を伝わる信号も含まれるが、この経路については、S41と、S23とでは対称的であり、(S41−S23)の項に与える影響はほぼ無視できる。
このように、S41とS23との間には、この斜め容量Cdの傾きの差異に起因する信号伝播特性の非対称性が生じる。さらに、コモンモードチョークコイル41では、S41側はほぼ全ターンにわたって傾きが−1である斜め容量Cdの経路を有し、S23はほぼ全ターンにわたって傾きが+1である斜め容量Cdの経路を有する。すなわち、これら経路を伝わる信号の総和により、S41とS23との間における信号伝播特性の非対称性がさらに大きくなり、(S41−S23)の項が有意な値を持つことで、Scd21が大きくなるのである。
なお、上述した浮遊容量としては、上述したようなワイヤ43および44間で生じる浮遊容量のほか、ワイヤ43および44と端子電極48〜51との間で生じる浮遊容量、コモンモードチョークコイル41が実装された状態で実装基板上の配線と基準大地面との間に生じる浮遊容量などがあり得るが、通常、ワイヤ43および44間で生じる浮遊容量、特に斜め容量Cdの傾きの総和による影響が最も大きいと考えられる。
本件発明者らは、上記のようなS41と、S23とが影響を受ける斜め容量Cdの傾きの総和に着目することにより、以降に説明する実施形態に想到するに至ったのである。
以下、この発明の実施形態の説明を、コモンモードチョークコイルについて行なう。
図1には、この発明の第1の実施形態によるコモンモードチョークコイル61が示されている。図1に示したコモンモードチョークコイル61は、前述した図9に示したコモンモードチョークコイル41と比べて、第1および第2ワイヤ43および44の巻回態様が異なるのみで、それ以外の構成は実質的に同様である。したがって、図1において、図9に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図1では、コモンモードチョークコイル61における、実装基板側に向けられる面が示されている。また、図1では、図9に示した天板54の図示が省略されている。また、図1において、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44とを明確に区別するため、第1ワイヤ43は黒塗りで、第2ワイヤ44は白抜きで図示されている。
図1に示したコモンモードチョークコイル61における第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態が図2に模式的断面図で示されている。図1と図2とを対比すれば、ワイヤ43および44のターン数に関して、図1に示したものは図2に示したものより少ないことからわかるように、図1では、ワイヤ43および44が省略的に図示されている。また、図2およびそれ以降の図面では、第1ワイヤ43を示す断面には網掛けが施され、第2ワイヤ44との区別が明確になるようにしている。
第1および第2ワイヤ43および44は、巻芯部45上において、第1鍔部46が設けられた第1端部62側から第2鍔部47が設けられた第2端部63に向かって互いに実質的に同じターン数をもって螺旋状に巻回されている。図2に示した第1および第2ワイヤ43および44の各々の断面内には、巻芯部45の第1端部62側から数えたターン数「1」〜「32」が記入されている。第1および第2ワイヤ43および44の各々の断面内へのターン数の記入は、図3および図4ならびに後述する図7および図8においても採用される。
第1ワイヤ43は、巻芯部45の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、第2ワイヤ44は、その大部分が断面上の一部を第1ワイヤの隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回される。
第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態の詳細を、図2とともに、図3および図4を参照して説明する。図3および図4において、巻芯部45の周囲に巻回される第1および第2ワイヤ43および44の各部分のうち、巻芯部45の手前側に位置する部分は実線で、巻芯部45によって隠れる部分は破線でそれぞれ模式的に示されている。なお、ワイヤ43および44の、巻芯部45によって隠れる部分については、すべてが図示されているわけではなく、特徴ある箇所のみが破線で示されている。
また、図2ないし図4には、巻芯部45の第1端部62から第2端部63に向かって、「0.5ずれ領域A」、「遷移領域C」および「1.5ずれ領域B」がこの順に表示されている。すなわち、巻芯部45の軸線方向に沿って、0.5ずれ領域A、遷移領域Cおよび1.5ずれ領域Bが分布している。これら領域A〜Cの各々の名称の由来は後述する説明により明らかにされるが、第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態の説明を、領域A〜Cの各々に分けて行なう。
まず、第1ワイヤ43の始端が第1端子電極48(図1参照)に接続される。
次いで、図3を主として参照して、第1ワイヤ43は、0.5ずれ領域Aでは、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第1ターンから第24ターンまで巻回される。
次いで、遷移領域Cでは、第1ワイヤ43における第24ターンから第25ターンへと移行する部分が位置し、第24ターンと第25ターンとの間に隙間が形成される。
次いで、1.5ずれ領域Bでは、第1ワイヤ43は、再び、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第25ターンから第32ターンまで巻回される。
そして、第1ワイヤ43の終端が第3端子電極50(図1参照)に接続される。その後、第2ワイヤ44が巻回される。
まず、第2ワイヤ44の始端が第2端子電極49(図1参照)に接続される。
次いで、図4を主として参照して、0.5ずれ領域Aでは、第1ワイヤ43のたとえば第1ターンと第2ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第1ターンが嵌り込むように、すなわち、一般化すると、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第nターンが嵌り込む状態で、第2ワイヤ44の第1ターンから第23ターンまで巻回される。
次いで、遷移領域Cでは、第2ワイヤ44は、第23ターンに対して隙間を形成した状態で第24ターンが巻回され、さらに、第24ターンに対して隙間を形成した状態で第25ターンが巻回される。これら第24ターンおよび第25ターンは、巻芯部45の周面に接する状態で巻回される。このとき、図3と図4とを対照すればわかるように、第2ワイヤ44は、3箇所において、第1ワイヤ43と交差する。
次いで、1.5ずれ領域Bでは、まず、第2ワイヤ44の第26ターンが、自身の第25ターンと第1ワイヤ43の第25ターンとの間の凹部に嵌り込み、続いて、第1ワイヤ43のたとえば第25ターンと第26ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第27ターンが嵌り込むというように、すなわち、一般化すれば、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第n+2ターンが嵌り込む状態で、第2ワイヤ44の第26ターンから第32ターンまで巻回される。
そして、第2ワイヤ44の終端が第4端子電極51(図1参照)に接続される。
なお、図2および図4において、第2ワイヤ44に隣接するように図示された点線の円は、そこに巻回されない部分、すなわち「空き」が形成されることを明示するためのものである。
以上のように構成されたコモンモードチョークコイル61において発生する斜め容量について、図5および図6を参照して説明する。図5には、巻芯部45上での第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態の一部が拡大されて断面図で示されている。図5において、第1および第2ワイヤ43および44の各々の断面内または断面近傍に記入した数字は、ターン数を示している。すなわち、図5では、第1および第2ワイヤ43および44の各々の第1ターンから第3ターンまで、第1ワイヤ43の第25ターンから第27ターンまで、ならびに第2ワイヤ44の第26ターンから第28ターンまでが示されている。
図5において示されるように、0.5ずれ領域Aでは、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44とは、互いに0.5ターンずれている。このことから、「0.5ずれ領域」の名称が与えられる。他方、1.5ずれ領域Bでは、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44とは、互いに1.5ターンずれている。このことから、「1.5ずれ領域」の名称が与えられる。「遷移領域」は、0.5ずれ領域Aから1.5ずれ領域Bへと移行する領域であることを意味している。
図6には、図12と同様の手法により、第1および第2ワイヤ43および44の各々の同一ターンが上下に整列するように図示されながら、図5に示した第1および第2ワイヤ43および44の異なるターン間で発生する浮遊容量(斜め容量)が等価回路図で示されている。
0.5ずれ領域Aでは、第1ワイヤ43および第2ワイヤ44の配置は、前述の図11に示した配置と同様であり、図12に示す等価回路と同様の等価回路が形成される。したがって、図5に示した0.5ずれ領域Aにおいては、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との間に、図6の0.5ずれ領域Aにおいて示すように、いわゆる「右肩下がり」の斜め容量Cdが形成される。特に、第2ワイヤ44側から見ると0.5ずれ領域Aにおける斜め容量Cdの傾きは「+1」である。
他方、1.5ずれ領域Bでは、図5に示すように、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との間に、斜め容量Cd1およびCd2が形成される。図6の1.5ずれ領域に示すように、等価回路図においては、斜め容量Cd1およびCd2は、ともに、いわゆる「右肩上がり」の接続姿勢となっている。特に、第2ワイヤ44側から見ると1.5ずれ領域Bにおける斜め容量Cd1の傾きは「−1」であり、斜め容量Cd2の傾きは「−2」である。
ここで、斜め容量Cdならびに斜め容量Cd1およびCd2の各々を数値化して、各々の大きさおよび作用について考察する。
たとえば、図6の0.5ずれ領域Aに示した斜め容量Cdのように、「右肩下がり」の接続姿勢を有している場合には、斜め容量を数値化するにあたって、「+」の符号を付すことにする。逆に、たとえば、図6の1.5ずれ領域Bに示した斜め容量Cd1またはCd2のように、「右肩上がり」の接続姿勢を有している場合には、斜め容量を数値化するにあたって、「+」の符号を付すことにする。
また、図6の0.5ずれ領域Aに示した斜め容量Cdまたは図6の1.5ずれ領域Bに示した斜め容量Cd1のように、斜め容量を発生させる第1ワイヤ43側のターン数と第2ワイヤ44側のターン数との差が「1」である場合には、斜め容量の絶対値を「1」と数値化する。また、図6の1.5ずれ領域Bに示した斜め容量Cd2のように、斜め容量を発生させる第1ワイヤ43側のターン数と第2ワイヤ44側のターン数との差が「2」である場合には、斜め容量の絶対値を「2」と数値化することにする。
上述の規則に従えば、図5の0.5ずれ領域Aにおいて生じる斜め容量Cdは「+1」と数値化することができる。すなわち、0.5ずれ領域Aでは、第2ワイヤ44の1ターンごとに「+1」の斜め容量が生じていることになる。また、図5の1.5ずれ領域Bにおいて生じる斜め容量Cd1は「−1」と数値化することができ、同じく図5の1.5ずれ領域Bにおいて生じる斜め容量Cd2は「−2」と数値化することができる。したがって、1.5ずれ領域Bでは、第2ワイヤ44の1ターンごとに(−1)+(−2)=−3の斜め容量が生じていることになる。
ここで、0.5ずれ領域Aに位置する第2ワイヤ44のターン数の和をN0.5とし、1.5ずれ領域Bに位置する第2ワイヤ44のターン数の和をN1.5としたとき、0.5ずれ領域Aでは、全体として+1×N0.5の斜め容量が発生し、1.5ずれ領域Bでは、全体として−3×N1.5の斜め容量が発生する。
したがって、0.5ずれ領域Aに位置する第2ワイヤ44のターン数の和N0.5が、1.5ずれ領域Bに位置する第2ワイヤ44のターン数の和N1.5の3倍、すなわち、N0.5=N1.5×3であれば、0.5ずれ領域Aでは、全体として+1×N0.5=+1×N1.5×3=+3×N1.5の斜め容量が発生することになり、1.5ずれ領域B全体での−3×N1.5の斜め容量と相殺され、第1および第2ワイヤ43おい44間で発生する斜め容量を、第1および第2ワイヤ43および44全体でバランスさせることができる。したがって、第1および第2ワイヤ43および44間で生じる斜め容量の影響を低減でき、コモンモードチョークコイル61のモード変換特性を低減することができる。
なお、実際には、モード変換特性に影響を及ぼす浮遊容量としては、上述したようなワイヤ43および44間で生じる浮遊容量のほか、ワイヤ43および44と端子電極48〜51との間で生じる浮遊容量、コモンモードチョークコイル41が実装された状態で実装基板上の配線と基準大地面との間に生じる浮遊容量などがあり得る。したがって、これらの浮遊容量などを考慮して、さらには、第2ワイヤ44のターン数が1:3に割り切れない場合もあり得ることを考慮して、上述した0.5ずれ領域Aに位置する第2ワイヤ44のターン数の和N0.5は、1.5ずれ領域Bに位置する第2ワイヤ44のターン数の和N1.5のちょうど3倍であることに限らず、2倍以上かつ5倍以下であることがこの発明の範囲とされる。
図2に示した具体的な巻回状態について言えば、0.5ずれ領域Aでは、第2ワイヤ44のターン数の和N0.5は、「23」であり、1.5ずれ領域Bでは、第2ワイヤ44のターン数の和N1.5は、「6」である。したがって、第2ワイヤ44のターン数の和N0.5は、第2ワイヤ44のターン数の和N1.5の23/6≒3.8倍ということになる。
前述したように、N0.5/N1.5の値につき、この発明では、2倍以上かつ5倍以下といった範囲を有している。図2に示した巻回態様の場合、第1層を構成する第1ワイヤ43の上に乗る状態にある、第2層となる第2ワイヤ44のうち、0.5ずれ領域Aおよび1.5ずれ領域Bに属するものの総ターン数、すなわちN0.5+N1.5は29である。このN0.5+N1.5=29を2つに分けて、
0.5が20、N1.5が9の場合には、N0.5/N1.5が約2.2となり、
0.5が21、N1.5が8の場合には、N0.5/N1.5が約2.6となり、
0.5が22、N1.5が7の場合には、N0.5/N1.5が約3.1となり、
0.5が23、N1.5が6の場合には、N0.5/N1.5が約3.8となり、
0.5が24、N1.5が5の場合には、N0.5/N1.5が4.8となる。
したがって、上記のいずれの場合も、N0.5/N1.5の値が2倍以上かつ5倍以下といった範囲内にあり、この発明の範囲内であるということができる。
次に、図7を参照して、この発明の第2の実施形態によるコモンモードチョークコイル61aについて説明する。図7には、コモンモードチョークコイル61aにおける第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態が示されている。図7は、図2の上半分に相当する図である。よって、図7において、図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示したコモンモードチョークコイル61aでは、巻芯部45の軸線方向に沿って、図2に示したコモンモードチョークコイル61の場合とは逆で、第1端部62から第2端部63に向かって、1.5ずれ領域B、遷移領域C、0.5ずれ領域Aの順で分布している。
第1ワイヤ43は、1.5ずれ領域B、遷移領域Cおよび0.5ずれ領域Aにわたって、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第1ターンから第32ターンまで巻回される。
第2ワイヤ44は、1.5ずれ領域Bにおいては、第1ターンから第8ターンまで巻回される。まず、第2ワイヤ44の第1ターンは、巻芯部45の周面に接しかつ第1ワイヤの第1ターンに接する状態で巻回され、第2ターンは、自身の上記第1ターンと第1ワイヤ43の第1ターンとの間の凹部に嵌り込むように巻回される。以後、第2ワイヤ44の第3ターンは、第1ワイヤ43の第1ターンと第2ターンとの間の凹部に嵌り込むように、すなわち、一般化すると、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第n+2ターンが嵌り込むように巻回される。
次いで、遷移領域Cにおいて、第2ワイヤ44は、第8ターンから第9ターンへとまで移行する部分が位置する。点線の円によって、巻回されない「空き」の部分が形成されることが示されているように、第8ターンと第9ターンとの間には隙間が形成される。このとき、図示されないが、第2ワイヤ44は、3箇所において、第1ワイヤ43と交差する。
次いで、0.5ずれ領域Aでは、第1ワイヤ43のたとえば第9ターンと第10ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第9ターンが嵌り込むように、すなわち、一般化すると、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第nターンが嵌り込む状態で、第2ワイヤ44の第9ターンから第31ターンまで巻回される。最後に、第2ワイヤ44の第32ターンが巻芯部45の周面に接しかつ第1ワイヤの第32ターンに接する状態で巻回される。
以上のような図7に示した具体的な巻回状態では、1.5ずれ領域Bでは、第2ワイヤ44のターン数の和N1.5は、「6」であり、0.5ずれ領域Aでは、第2ワイヤ44のターン数の和N0.5は、「23」である。したがって、第2ワイヤ44のターン数の和N0.5は、第2ワイヤ44のターン数の和N1.5の23/6≒3.8倍ということになる。
次に、図8を参照して、この発明の第3の実施形態によるコモンモードチョークコイル61bについて説明する。図8には、図7の場合と同様、コモンモードチョークコイル61bにおける第1および第2ワイヤ43および44の巻回状態が示されている。図8は、図2の上半分に相当する図である。よって、図8において、図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示したコモンモードチョークコイル61bでは、巻芯部45の軸線方向に沿って、第1の0.5ずれ領域A1、第1の遷移領域C1、1.5ずれ領域B、第2の遷移領域C2および第2の0.5ずれ領域A2が、第1端部62から第2端部63に向かってこの順序で分布している。
第1ワイヤ43は、第1の0.5ずれ領域A1では、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第1ターンから第16ターンまで巻回される。
次いで、第1の遷移領域C1では、第1ワイヤ43における第16ターンから第17ターンへと移行する部分が位置し、第16ターンと第17ターンとの間に隙間が形成される。
次いで、1.5ずれ領域B、第2の遷移領域C2および第2の0.5ずれ領域A2にわたって、第1ワイヤ43は、再び、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第17ターンから第32ターンまで巻回される。
他方、第2ワイヤ44については、第1の0.5ずれ領域A1において、第1ワイヤ43のたとえば第1ターンと第2ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第1ターンが嵌り込むように、すなわち、一般化すると、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第nターンが嵌り込む状態で、第2ワイヤ44の第1ターンから第15ターンまで巻回される。
次いで、第1の遷移領域C1では、第2ワイヤ44は、第15ターンに対して隙間を形成した状態で第16ターンが巻回され、さらに、第16ターンに対して隙間を形成した状態で第17ターンが巻回される。これら第16ターンおよび第17ターンは、巻芯部45の周面に接する状態で巻回される。このとき、図示しないが、第2ワイヤ44は、3箇所において、第1ワイヤ43と交差する。
次いで、1.5ずれ領域Bでは、まず、第2ワイヤ44の第18ターンが、自身の第17ターンと第1ワイヤ43の第17ターンとの間の凹部に嵌りこむ状態で巻回される。続いて、第1ワイヤ43のたとえば第17ターンと第18ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第19ターンが嵌り込むように、すなわち、一般化すれば、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第n+2ターンが嵌り込む状態で、第2ワイヤ44の第18ターンから第24ターンまで巻回される。
次いで、第2の遷移領域C2において、第2ワイヤ44は、第24ターンから第25ターンへとまで移行する部分が位置する。点線の円によって、巻回されない「空き」の部分が形成されることが示されているように、第24ターンと第25ターンとの間には隙間が形成される。このとき、図示されないが、第2ワイヤ44は、3箇所において、第1ワイヤ43と交差する。
次いで、第2の0.5ずれ領域A2では、第1ワイヤ43のたとえば第25ターンと第26ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第25ターンが嵌り込むように、すなわち、一般化すると、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第nターンが嵌り込む状態で、第2ワイヤ44の第25ターンから第31ターンまで巻回される。最後に、第2ワイヤ44の第32ターンが巻芯部45の周面に接しかつ第1ワイヤの第32ターンに接する状態で巻回される。
以上のような図8に示した具体的な巻回状態では、2つの0.5ずれ領域A1およびA2での第2ワイヤ44の合計ターン数の和N0.5は、「22」であり、1.5ずれ領域Bでは、第2ワイヤ44のターン数の和N1.5は、「6」である。したがって、第2ワイヤ44のターン数の和N0.5は、第2ワイヤ44のターン数の和N1.5の22/6≒3.7倍ということになる。
図8に示した実施形態の変形例として、2箇所に分割された0.5ずれ領域A1およびA2がさらに3箇所以上に分割されてもよく、また、1.5ずれ領域Bが複数箇所に分布するように分割されてもよい。すなわち、図8に示した実施形態には、0.5ずれ領域および1.5ずれ領域の少なくとも一方について、複数の箇所に分布していてもよいことを明示する意義がある。
以上、図面を参照して説明したコモンモードチョークコイル61、61aおよび61bでは、いずれも、0.5ずれ領域A、A1およびA2において、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第nターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との間で0.5ターン分のずれを生じさせていた。この場合には、これらコモンモードチョークコイル61、61aおよび61bにおいて見られるように、1.5ずれ領域Bにおいては、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤ44の第n+2ターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との間で1.5ターン分のずれを生じさせる構成が採用される。
しかしながら、この発明の実施形態は上記の場合に限らず、0.5ずれ領域において、第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第n+1ターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤ43と第2ワイヤ44との間で0.5ターン分のずれを生じさせるようにしてもよい。この場合には、1.5ずれ領域においては、第1ワイヤ43の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2ワイヤの第n−1ターンが嵌り込むことによって、第1ワイヤと第2ワイヤとの間で1.5ターン分のずれを生じさせる構成が採用される。
ただし、上記の構成は、図示した実施形態が備える構成において、ターン数を数える方向を逆にした(たとえば、第2端部63側から数えた)だけの構成であり、本質的には同じ構成とも言える。したがって、図示は省略している。
以上、この発明を図示したコモンモードチョークコイルに係る実施形態に関連して説明したが、この発明は巻線型チップトランスにも適用することができる。また、図示した各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
41,61,61a,61b コモンモードチョークコイル
42 コア
43 第1ワイヤ
44 第2ワイヤ
45 巻芯部
46 第1の鍔部
47 第2の鍔部
48〜51 端子電極
62 第1端部
63 第2端部
A,A1,A2 0.5ずれ領域
B 1.5ずれ領域
Cd,Cd1,Cd2 斜め容量(浮遊容量)

Claims (1)

  1. 一方および他方にそれぞれ第1端部および第2端部を有する巻芯部を含むコアと、
    前記巻芯部上において前記第1端部から前記第2端部に向かって互いに実質的に同じターン数をもって螺旋状に巻回された第1ワイヤおよび第2ワイヤと、
    を備え、
    前記第1ワイヤは、前記巻芯部の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、
    前記第2ワイヤは、その大部分が断面上の一部を前記第1ワイヤの隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら前記第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回され、
    前記第1ワイヤおよび前記第2ワイヤの各々の前記第1端部側から数えたターン数n(nは自然数)で表現したとき、
    (1) 前記第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、前記第2ワイヤの第nターンまたは第n+1ターンが嵌り込むことによって、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとの間で0.5ターンずれる0.5ずれ領域と、
    (2) 前記0.5ずれ領域において、前記第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、前記第2ワイヤの第nターンが嵌り込むとき、前記第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、前記第2ワイヤの第n+2ターンが嵌り込むことによって、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとの間で1.5ターンずれるか、または、前記0.5ずれ領域において、前記第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、前記第2ワイヤの第n+1ターンが嵌り込むとき、前記第1ワイヤの第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、前記第2ワイヤの第n−1ターンが嵌り込むことによって、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとの間で1.5ターンずれる、1.5ずれ領域と、
    が前記巻芯部の軸線方向に沿って分布しており、
    前記0.5ずれ領域に位置する前記第2ワイヤのターン数の和は、前記1.5ずれ領域に位置する前記第2ワイヤのターン数の和の2倍以上かつ5倍以下である、
    コイル部品。
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