JPWO2017057750A1 - 磁歪式センサ - Google Patents

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Abstract

生産性の向上と出力のばらつきの抑制との両立が可能な磁歪式センサを得る。トルクセンサ10は、基材12と基材12の外周面に設けられるめっき膜14とを備える。基材12は、めっき形成部24と、マスキング部20,28と、傾斜部22,26とを有する。めっき形成部24の外周面24aは、基材12の軸心を含みかつ基材12の軸方向に延びる断面において、該軸心に平行な面であり、傾斜部22,26の外周面22a,26aは、上記断面において上記軸心に対して傾斜する傾斜面である。めっき膜14は、上記軸方向における端部14a,14bが傾斜面22a,26a上に位置するように、めっき形成面24a上および傾斜面22a,26a上に形成されている。傾斜面22a,26a上のめっき膜14の厚みは、めっき形成面24a上のめっき膜14の厚みよりも小さい。

Description

本発明は、磁歪式センサに関する。
従来、機器の構成要素に作用するトルクを検出したり、該構成要素に作用する荷重を検出したりするために、磁歪式センサが用いられている。磁歪式センサの構成として、例えば、外周面に磁歪部が設けられた円柱状の基材と、該磁歪部を通る磁束を発生させる検出コイルとを有する構成が知られている。このような構成を有する磁歪式センサをトルクセンサとして用いた場合、基材に回転方向の力が加わることによって磁歪部に引張応力または圧縮応力が生じる。そのため、前記磁歪部の透磁率が変化する。トルクセンサは、この磁歪部の透磁率の変化を検出コイルによって検出することによって、前記基材に作用する力を検出することができる。
前記磁歪部としては、例えば、アモルファス薄帯またはめっき膜を用いることができる。前記磁歪部としてアモルファス薄帯を用いた場合、磁歪式センサの感度を向上させることができる。ところで、アモルファス薄帯を前記磁歪部として用いる場合には、前記アモルファス薄帯を、接着剤によって基材の外周面に貼り付ける必要がある。アモルファス薄帯を基材の外周面に精度良く貼り付けるためには、接着材を、前記基材の外周面に均一に塗布する必要がある。しかしながら、接着剤を基材の外周面に均一に塗布することは難しい。また、接着剤の量が適切ではない場合等には、アモルファス薄帯を基材に貼り付ける際に、前記アモルファス薄帯と前記基材との間から接着材がはみ出しやすい。この場合、はみ出した接着剤を除去するための処理が必要になる。さらに、アモルファス薄帯の厚みは小さいため、工業用ロボットによってアモルファス薄帯を取り扱うことは難しい。これらのことから、前記磁歪部としてアモルファス薄帯を用いる場合、生産性を高くすることが難しい。
生産性の観点からは、前記磁歪部としてめっき膜を用いることが考えられる。めっき膜を電気めっきによって形成する場合には、例えば特許文献1に開示されるように、マスキング部材によって基材の所定部分をマスキングした状態で、該基材をめっき液中に浸漬する。その後、めっき液中に電流を流すことによって、前記基材のうちマスキングされていない部分にめっき膜を形成する。
特許第4936969号公報
ところで、磁歪式センサを量産する際にめっき膜の形状(膜厚の分布等)がばらつくと、磁歪式センサの出力にもばらつきが生じる。磁歪式センサの出力にばらつきが生じることを抑制するためには、めっき膜の形状にばらつきが生じないように、再現性高くめっき膜を形成しなければならない。この場合、マスキングの管理を高精度で行う必要がある。
しかしながら、磁歪式センサを量産する場合には、基材の寸法誤差、マスキング部材の寸法誤差、およびマスキング部材の経時劣化等の種々の要因によって、基材を高精度でマスキングすることは難しい。そのため、磁歪式センサの出力にばらつきが生じることを抑制することは難しい。また、磁歪式センサの生産性を十分に向上させることも難しい。
したがって、本発明は、生産性の向上と出力のばらつきの抑制との両立が可能な磁歪式センサを得ることを目的とする。
電気めっきによるめっき膜の形成について本発明者らが検討を行った結果、めっき膜の端部(成膜時にマスキング部材に接する部分)において厚みが大きくなる場合があることが分かった。この場合、例えば検出コイル等によって生じ、かつめっき膜の端部を通る磁束が不均一になり、磁歪式センサの出力にばらつきが生じることが分かった。
また、基材の周方向におけるめっき膜の膜厚分布にばらつきが生じる場合があることも分かった。この場合、例えば、検出コイルに対する基材の回転角度によって、めっき膜を通る磁束の量が変動する。これにより、前記基材に回転方向の力が作用していない状態(無負荷時)でも、前記基材の回転角度によって、検出コイルに流れる電流の値が変動する。その結果、無負荷時の磁歪式センサの出力が前記基材の回転角度によって変動するため、磁歪式センサの検出精度が低下する。
そこで、めっき膜の膜厚について本発明者らが詳細に検討した結果、めっき膜を形成する際にマスキングの管理が不十分な場合に、めっき膜の端部の厚みが大きくなったり、めっき膜の端部において膜厚分布がばらついたりすることが分かった。
本発明者らがさらに検討を行った結果、めっき膜の端部の厚みを小さくすることによって、磁歪式センサの出力を安定させることができることが分かった。具体的には、めっき膜の端部の厚みを小さくすると、該端部を通る磁束が不均一になることを抑制できることが分かった。さらに、めっき膜の端部の形状にばらつきが生じた場合でも、該端部を通る磁束の量が基材の回転角度によって変動することを抑制できることが分かった。その結果、めっき膜を通る磁束の量が基材の回転角度によって変動することを、抑制できることも分かった。
さらに本発明者らは、基材の外周面のうち、めっき膜の端部が位置する部分を、前記基材の軸心に対して傾斜させることによって、めっき膜の端部の厚みを小さくできることを見出した。
以上の知見に基づいて、本発明者らは、磁歪式センサについて以下のような構成に想到した。
本発明の一実施形態に係る磁歪式センサは、円柱状または円筒状の基材と、前記基材の外周面に設けられためっき膜とを備え、前記基材は、第1基部と、前記第1基部よりも大きい直径を有する第2基部と、前記基材の軸方向において前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、かつ、前記第1基部と前記第2基部とを接続する傾斜部と、を有し、前記第1基部の外周面は、前記基材の軸心を含みかつ該基材の軸方向に延びる断面において、前記軸心に平行な面であり、前記傾斜部の外周面は、前記断面において、前記軸心に対して傾斜する傾斜面であり、前記めっき膜は、前記軸方向における一端部が前記傾斜面上に位置するように、前記第1基部の外周面上および前記傾斜面上に形成され、前記傾斜面上の前記めっき膜の厚みは、前記第1基部の外周面上の前記めっき膜の厚みよりも小さい。
本発明の一実施形態に係る磁歪式センサによれば、生産性の向上と出力のばらつきの抑制とを両立できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るトルクセンサの概略構成を示す正面図である。 図2は、図1のトルクセンサの概略構成を断面で示す縦断面図である。 図3は、磁歪ユニットを示す正面図である。 図4は、図3の磁歪ユニットを断面で示す縦断面図である。 図5は、図4において破線で囲んだ部分を拡大して示す拡大図である。 図6は、めっき膜の形成方法の一例を説明するための図である。 図7は、他の実施形態に係るトルクセンサの概略構成を断面で示す縦断面図である。 図8は、磁歪ユニットの他の例を断面で示す縦断面図である。 図9は、図8において破線で囲んだ部分を拡大して示す拡大図である。 図10は、めっき膜の形成方法の他の例を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態に係る磁歪式センサについて説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態に係る磁歪式センサとして、磁歪式のトルクセンサについて説明する。
(トルクセンサの概略構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るトルクセンサ10の概略構成を示す正面図であり、図2は、トルクセンサ10の概略構成を断面で示す縦断面図である。
図1および図2を参照して、トルクセンサ10は、磁歪ユニット10aと検出ユニット10bとを有している。磁歪ユニット10aおよび検出ユニット10bは、それぞれ略円筒形状を有している。詳細は後述するが、磁歪ユニット10aは、回転可能に検出ユニット10bに挿入されている。トルクセンサ10においては、磁歪ユニット10aの後述する基材12にトルクが作用することによって、磁歪ユニット10aの後述するめっき膜14(図3参照)の透磁率が変化する。めっき膜14の透磁率の変化は、検出ユニット10bの後述する一対の検出コイル42a,42bによって検出される。これにより、基材12に作用するトルクが検出される。詳細な説明は省略するが、トルクセンサ10は、例えば、電動アシスト付き自転車の駆動装置において、踏力検出用トルクセンサとして用いることができる。
(磁歪ユニットの構成)
まず、磁歪ユニット10aの構成について説明する。図3は、磁歪ユニット10aを示す正面図であり、図4は、磁歪ユニット10aを断面で示す縦断面図である。また、図5は、図4において破線で囲んだ部分A,Bを拡大して示す拡大図である。
図3および図4を参照して、磁歪ユニット10aは、円筒状の基材12、基材12の外周面に設けられためっき膜14、および基材12の一端部に嵌め込まれた円環状の軸受け部材16を有している。なお、図2においては、図面の簡略化のために、めっき膜14の図示を省略している。
図3および図4を参照して、基材12は、基材12の軸方向における一端12aから他端12bに向かって順に、フランジ部18、支持部20、傾斜部22、めっき形成部24(第1基部)、傾斜部26、支持部28、保持部30およびフランジ部32を有している。
詳細な図示は省略するが、フランジ部18の外周面には、基材12の軸方向に延びるようにスプライン溝が形成されている。図1および図2を参照して、フランジ部18は、磁歪ユニット10aが検出ユニット10bに挿入された状態で、検出ユニット10bから検出ユニット10bの軸方向に突出している。
図4を参照して、支持部20の外周面20aは、基材12の軸心(図4中の一点鎖線参照)を含みかつ基材12の軸方向に延びる基材12の断面(以下、基材12の縦断面という。)において、軸心に平行な面である。同様に、めっき形成部24の外周面24aおよび支持部28の外周面28aは、それぞれ、基材12の縦断面において、基材12の軸心に平行な面である。めっき形成部24の直径は、支持部20の直径よりも小さい。めっき形成部24の直径は、支持部28の直径よりも小さい。本実施形態では、支持部20,28が第2基部に相当し、外周面24aが第1基部の外周面に相当する。なお、本実施形態では、支持部20および支持部28の直径は、フランジ部18の直径(スプライン外径)よりも小さい。
図4および図5を参照して、傾斜部22は、基材12の軸方向において支持部20とめっき形成部24との間に設けられ、かつ、支持部20とめっき形成部24とを接続している。傾斜部22の外周面22aは、基材12の縦断面において、基材12の軸心に対して傾斜する傾斜面である。本実施形態では、傾斜部22の直径は、支持部20からめっき形成部24に向かって徐々に減少している。したがって、外周面22aは、基材12の縦断面において、外周面20aから外周面24aに近づくほど基材12の径方向内方に位置するように、基材12の軸心に対して傾斜している。
また、傾斜部26は、基材12の軸方向において支持部28とめっき形成部24との間に設けられ、かつ、支持部28とめっき形成部24とを接続している。傾斜部26の外周面26aは、基材12の縦断面において、基材12の軸心に対して傾斜する傾斜面である。本実施形態では、傾斜部26の直径は、支持部28からめっき形成部24に向かって徐々に減少している。したがって、外周面26aは、上記縦断面において、外周面28aから外周面24aに近づくほど基材12の径方向内方に位置するように、基材12の軸心に対して傾斜している。
図5を参照して、外周面22aと外周面20aとの接続部、および外周面22aと外周面24aとの接続部は、基材12の縦断面において曲線形状を有している。同様に、外周面26aと外周面28aとの接続部、および外周面26aと外周面24aとの接続部は、基材12の縦断面において曲線形状を有している。
図3および図4を参照して、保持部30の直径は、支持部28の直径およびフランジ部32の直径よりも小さい。これにより、支持部28とフランジ部32との間に、溝30aが形成されている。
図2および図4を参照して、基材12の内周面には、基材12の軸方向に延びるようにスプライン溝34が形成されている。なお、図2および図4においては、スプライン溝34を簡略化して示している。スプライン溝34は、基材12の軸方向において、基材12の中心よりも他端12b側に形成されている。本実施形態では、スプライン溝34の先端34a(基材12の軸方向において他端12b側の端)は、基材12の軸方向において他端12bよりも基材12の内方に位置する。すなわち、スプライン溝34は、基材12の軸方向において他端12bよりも基材12の内方に形成されている。
基材12の肉厚は、基材12の軸方向における両端部よりも中心部において大きい。図2を参照して、本実施形態では、後述する一対の検出コイル42a,42bに対向する部分の基材12の厚みは、基材12の両端部の厚みよりも大きい。
基材12は、例えば、金属材料(例えば、クロムモリブデン鋼等。)からなる。本実施形態では、基材12は、例えば、鍛造および機械加工によって製造される。具体的には、例えば、まず、金属の線材から切り出した所定の長さの金属材料を鍛造して、中空形状の部材を得る。上述のスプライン溝34およびフランジ部18のスプライン溝は、前記鍛造によって成形される。次に、前記鍛造後の部材に調質処理(例えば、焼入れおよび焼戻し処理。)を施した後、該部材の外周面を機械加工(例えば、旋盤加工。)によって切削する。これにより、所定形状の外周面20a,22a,24a,26a,28aが形成され、基材12が得られる。
図3を参照して、めっき膜14は、磁歪材料(例えば、Fe−Ni合金)からなり、磁歪部として機能する。めっき膜14は、例えば、電気めっき法によって形成される。図4および図5を参照して、めっき膜14は、円筒形状を有するように、めっき形成部24の外周面24a上および傾斜部22,26の外周面22a,26a上に形成されている。本実施形態では、めっき膜14の一方の端部14aは外周面22a上に位置し、めっき膜14の他方の端部14bは外周面26a上に位置している。外周面22a上のめっき膜14の厚みおよび外周面26a上のめっき膜14の厚みは、外周面24a上のめっき膜14の厚みよりも小さい。なお、外周面22a上のめっき膜14の厚み、外周面26a上のめっき膜14の厚み、および外周面24a上のめっき膜14の厚みは、それぞれ、外周面22a上に位置するめっき膜14の厚みの平均、外周面26a上に位置するめっき膜14の厚みの平均、および外周面24a上に位置するめっき膜14の厚みの平均を意味する。
図3を参照して、本実施形態では、めっき膜14は、磁歪部36および磁歪部38を有している。磁歪部36には、複数のスリット36aが形成されている。磁歪部38には、複数のスリット38aが形成されている。複数のスリット36aは、基材12の周方向において等間隔に形成されている。同様に、複数のスリット38aは、基材12に周方向において等間隔に形成されている。
基材12の径方向外方から見て、スリット36aは、基材12の軸心に対して45°傾斜している。また、基材12の径方向外方から見て、スリット38aは、基材12の軸心に対して、スリット36aとは異なる方向へ45°傾斜している。すなわち、本実施形態では、スリット36aとスリット38aとが直交するように、めっき膜14に複数のスリット36a,38aが形成されている。このような構成により、基材12にトルクが作用した場合、磁歪部36,38のうちの一方に圧縮応力が生じ、他方に引張応力が生じる。なお、図4および図5においては、複数のスリット36a,38aの図示を省略している。
図2および図4を参照して、軸受け部材16は、例えば金属材料からなる。軸受け部材16は、基材12の一端12aから基材12内に圧入されている。
(検出ユニットの構成)
図1および図2を参照して、検出ユニット10bは、ボビン40、一対の検出コイル42a,42b、コネクタ部44、ケース46、一対の保護プレート48a,48b、およびサークリップ50を備えている。
ボビン40は、例えば、樹脂材料からなる。図2を参照して、ボビン40は略円筒形状を有している。具体的には、ボビン40は、円筒部40a、および円筒部40aの外周面から円筒部40aの径方向外方に突出する複数(本実施形態では4つ)のフランジ部40b〜40eを含む。フランジ部40b〜40eは、円筒部40aの軸方向に互いに間隔を有するように設けられている。
検出コイル42aは、フランジ部40bとフランジ部40cとの間において円筒部40aに巻かれている。検出コイル42bは、フランジ部40dとフランジ部40eとの間において円筒部40aに巻かれている。本実施形態では、例えば、検出コイル42a,42bは融着層を有している。検出コイル42a,42bにおいては、隣り合うコイル線同士が、自己融着によって互いに固定されている。なお、検出コイル42a,42bが融着層を有していなくてもよい。この場合、含浸処理等の他の手段によって、隣り合うコイル線同士を互いに固定してもよい。
詳細な説明は省略するが、フランジ部40bには、検出コイル42a,42bに電気的に接続される複数の端子が設けられている。これらの端子を保護するように、フランジ部40bにコネクタ部44が取り付けられている。上記の複数の端子には、図示しない制御基板の端子が電気的に接続される。この制御基板には、演算回路が設けられている。前記演算回路は、例えば、検出コイル42a,42bのインピーダンスの変化に基づいて基材12に作用するトルクを算出する。
図1および図2を参照して、ケース46は、例えば、低炭素鋼等の金属材料からなる。ケース46は、円筒形状を有している。図2を参照して、ケース46内にボビン40が挿入されている。ケース46は、検出コイル42a,42bを径方向外方から覆っている。
図1を参照して、ケース46の一端部には、複数の略U字状の貫通孔46aが形成されている。また、貫通孔46aを形成することによって、略長方形状のカシメ部46bが形成されている。本実施形態では、複数のカシメ部46bが、ケース46の周方向において等間隔に形成されている。ケース46は、複数のカシメ部46bを用いたカシメ加工によって、ボビン40に固定されている。
図1および図2を参照して、保護プレート48a,48bは、それぞれ、円環形状を有する。保護プレート48a,48bは、それぞれ、例えば、樹脂材料からなる。保護プレート48aは、ボビン40の一端面と基材12のフランジ部18との間に設けられている。保護プレート48bは、ボビン40の他端面とサークリップ50との間に設けられている。本実施形態では、保護プレート48aは、ボビン40の一端面の摩耗を防止するために設けられている。保護プレート48bは、ボビン40の他端面の摩耗を防止するために設けられている。サークリップ50は、略C字形状を有し、基材12の溝30aに嵌められている。本実施形態では、サークリップ50は、金属材料からなる。サークリップ50は、ボビン40および保護プレート48a,48bが、基材12に対して基材12の軸方向に移動することを防止するために設けられている。
(磁歪ユニットと検出ユニットとの関係)
図2を参照して、検出ユニット10bを磁歪ユニット10aに取り付ける際には、例えば、保護プレート48aを、基材12の他端12bから基材12に嵌める。次に、一体に構成されたボビン40、検出コイル42a,42b、コネクタ部44およびケース46を、基材12の他端12bから基材12に嵌める。次に、保護プレート48bを、基材12の他端12bから基材12に嵌める。最後に、サークリップ50を溝30aに嵌める。これにより、検出ユニット10bの磁歪ユニット10aへの取り付けが完了する。
本実施形態では、基材12は、支持部20の外周面20aおよび支持部28の外周面28aが、ボビン40の内周面に回転可能に支持されている。ボビン40は、めっき膜14(図3参照)に接触しないように、めっき膜14を基材12の径方向外方から覆っている。検出コイル42a,42bは、基材12の径方向においてめっき膜14に対向する位置に設けられている。より具体的には、基材12の径方向において、検出コイル42aは磁歪部36に対向する位置に設けられ、検出コイル42bは磁歪部38に対向する位置に設けられている。なお、本実施形態では、上述のように、基材12は、ボビン40の内周面に直接的に支持されているが、基材12がリング状の軸受け部材等を介してボビン40の内周面に間接的に支持されてもよい。
(トルクセンサの利用例)
本実施形態に係るトルクセンサ10は、例えば、電動アシスト付き自転車の駆動装置において、踏力検出用トルクセンサとして用いることができる。この場合、図2を参照して、基材12に、電動アシスト付き自転車のクランク軸52が挿入される。具体的には、クランク軸52の外周面に設けられたスプライン溝(図示せず)と、基材12の内周面のスプライン溝34とが噛み合うように、クランク軸52が基材12に挿入される。これにより、クランク軸52から基材12にトルクを伝達することができる。
基材12のフランジ部18は、例えば、ワンウェイクラッチを介して電動アシスト付き自転車のチェーンスプロケット(図示せず)に接続される。検出ユニット10b(より具体的には、例えばボビン40)は、図示しない固定部材を用いて、駆動装置(図示せず)の筐体に固定される。
上記のような構成において、クランク軸52から基材12にトルクが伝達されることにより、例えば、磁歪部36に圧縮応力が生じるとともに、磁歪部38に引張応力が生じる。これにより、磁歪部36の透磁率が小さくなるとともに、磁歪部38の透磁率が大きくなる。その結果、検出コイル42aのインピーダンスが小さくなるとともに、検出コイル42bのインピーダンスが大きくなる。検出コイル42a,42bのインピーダンスの変化に基づいて、トルクセンサ10は、基材12に作用するトルクを検出することができる。
(めっき膜の形成方法の一例)
以下、めっき膜14の形成方法を簡単に説明する。図6は、めっき膜14の形成方法の一例を説明するための図である。なお、めっき膜14の形成方法は下記の例に限定されず、公知の種々の方法を用いてめっき膜14を形成することができる。
図6を参照して、めっき膜14を形成する際には、例えば、めっき液中において基材12の径方向外方に電極54を配置する。また、マスキング部材56,58によって、支持部20,28の外周面(マスキング面)20a,28aをマスキングする。図6の例では、基材12の軸方向において、マスキング部材56の先端部が、外周面20aと外周面22aとの接続部よりも、外周面22a側に突出している。また、基材12の軸方向において、マスキング部材58の先端部が、外周面28aと外周面26aとの接続部よりも、外周面26a側に突出している。なお、図示は省略するが、めっき膜14の形成時には、マスキング部材56,58によって、フランジ部18、保持部30およびフランジ部32もマスキングされている。
上記のように電極54およびマスキング部材56,58を配置した後、電極54と基材12との間に電位差を生じさせる。これにより、めっき液中の金属イオンによって、基材12の外周面にめっき膜14が形成される。図6の例では、外周面20a,28aがマスキング部材56,58によってマスキングされているので、外周面22a,24a,26a上にめっき膜14が形成される。
(本実施形態の作用効果)
トルクセンサ10では、傾斜部22は、めっき形成部24(第1基部)と支持部(第2基部)20との間に設けられ、かつ、めっき形成部24と支持部20とに接続されている。また、傾斜部26は、めっき形成部24(第1基部)と支持部(第2基部)28との間に設けられ、かつ、めっき形成部24と支持部28とに接続されている。さらに、めっき形成部24の直径は、支持部20,28の直径よりも小さい。傾斜部22,26の直径は、支持部20,28からめっき形成部24に向かって徐々に減少している。このような構成において、例えば、図6に示すようにめっき膜14を形成する場合、マスキング部材56の先端部と外周面22aとの間には、支持部20に近づくほど狭くなる空間が形成される。同様に、マスキング部材58の先端部と外周面26aとの間には、支持部28に近づくほど狭くなる空間が形成される。この場合、めっき膜14の形成時に、外周面22a,26aに供給される金属イオンの量は、支持部20,28に近づくほど少なくなる。これにより、外周面22a,26a上に形成されるめっき膜14の厚みも、支持部20,28に近づくほど小さくなる。その結果、めっき膜14の端部14a,14bの厚みを制御するために基材12を高精度でマスキングしなくても、端部14a,14bの厚みを、めっき形成部24の外周面24a上のめっき膜14の厚みよりも容易に小さくすることができる。なお、めっき膜14の端部14a,14bの厚みは、それぞれ、端部14a,14bにおけるめっき膜14の厚みの平均を意味する。めっき形成部24の外周面24a上のめっき膜14の厚みは、めっき形成部24の外周面24a上に位置するめっき膜14の厚みの平均を意味する。
めっき膜14の端部14a,14bの厚みが上記のように小さくなることによって、例えば、検出コイル42a,42bによって磁束を発生させた際に、端部14a,14bを通る磁束が不均一になることを抑制できる。また、めっき膜14の端部14a,14bの厚みが小さいため、端部14a,14bの形状にばらつきが生じた場合でも、めっき膜14の端部14a,14bを通る磁束の量が基材12の回転角度によって変動することを抑制できる。これにより、めっき膜14を通る磁束の量が基材12の回転角度によって変動することを抑制できる。これらの結果、トルクセンサ10の出力を安定させることができる。
したがって、本実施形態によれば、めっき膜14の形成時に基材12を高精度でマスキングしなくても、トルクセンサ10の出力にばらつきが生じることを抑制できる。すなわち、トルクセンサ10の生産性の向上と出力のばらつきの抑制とを両立できる。
トルクセンサ10では、傾斜部22の外周面22aと支持部20の外周面20aとの接続部は、基材12の縦断面において曲線形状を有している。同様に、傾斜部26の外周面26aと支持部28の外周面28aとの接続部は、基材12の縦断面において曲線形状を有している。ここで、基材12の切削加工時には、前記接続部に微小なバリが発生する場合がある。この場合、マスキング部材56,58によって前記接続部を覆っていても、めっき膜14の形成時にバリに電流が集中して流れることにより、バリがめっきされるおそれがある。このようにバリがめっきされた場合、めっきによって成長したバリによって、トルクセンサ10の構成部材(例えば、ボビン40等)が損傷するおそれがある。しかし、前記接続部を、基材12の縦断面において曲線形状にすることよって、基材12の切削加工時に前記接続部にバリが発生することを防止することができる。これにより、トルクセンサ10の構成部材の損傷を防止することができる。
トルクセンサ10では、ボビン40は、めっき膜14を基材12の径方向外方から覆っている。このため、ボビン40によって、めっき膜14を保護することができる。また、基材12は、外周面20a,28aがボビン40の内周面に回転可能に支持されている。これにより、めっき膜14とボビン40との接触を防止できる。その結果、めっき膜14の損傷を防止することができる。
(他の実施形態)
上述の磁歪ユニット10aの基材12では、めっき形成部24(第1基部)の直径が支持部(第2基部)20,28の直径よりも小さい。しかしながら、基材の形状は上述の例に限定されない。例えば、めっき形成部(第1基部)の直径が支持部(第2基部)の直径よりも大きくてもよい。以下、このような構成を有するトルクセンサ60について、簡単に説明する。
図7は、本発明の他の実施形態に係るトルクセンサ60の概略構成を断面で示す縦断面図である。トルクセンサ60は、磁歪ユニット60aと検出ユニット60bとを有している。以下、上述のトルクセンサ10との相違点を中心に、トルクセンサ60について簡単に説明する。なお、図7においては、図面の簡略化のために、後述するめっき膜64の図示を省略している。
図8は、磁歪ユニット60aを断面で示す縦断面図である。図9は、図8において破線で囲んだ部分C,Dを拡大して示す拡大図である。磁歪ユニット60aが上述の磁歪ユニット10aと異なる点は、次の点である。図8を参照して、磁歪ユニット60aは、磁歪ユニット10aの基材12およびめっき膜14の代わりに、基材62およびめっき膜64を有している。
基材62が上述の基材12と異なる点は、次の点である。図8を参照して、基材62は、基材12の支持部20、傾斜部22、めっき形成部24および傾斜部26の代わりに、保持部66、支持部68、傾斜部70、めっき形成部72(第1基部)および傾斜部74を有している。
図8を参照して、保持部66の外周面66aは、基材62の軸心(図8中の一点鎖線参照)を含みかつ基材62の軸方向に延びる基材62の断面(以下、基材62の縦断面という。)において、軸心に平行な面である。同様に、支持部68の外周面68aおよびめっき形成部72の外周面72aは、基材62の縦断面において、基材62の軸心に平行な面である。保持部66の直径は、フランジ部18の直径および支持部68の直径よりも小さい。このような構成により、フランジ部18と支持部68との間に、溝66bが形成されている。めっき形成部72の直径は、支持部68,28の直径よりも大きい。本実施形態では、支持部68,28が第2基部に相当し、外周面72aが第1基部の外周面に相当する。なお、本実施形態では、支持部68の直径は、フランジ部18の直径および支持部28の直径よりも大きい。
図8および図9を参照して、傾斜部70は、基材62の軸方向において支持部68とめっき形成部72との間に設けられ、かつ、支持部68とめっき形成部72とを接続している。図9を参照して、傾斜部70の外周面70aは、基材62の縦断面において、基材62の軸心に対して傾斜する傾斜面である。本実施形態では、傾斜部70の直径は、支持部68からめっき形成部72に向かって徐々に増加している。したがって、外周面70aは、前記縦断面において、外周面68aから外周面72aに近づくほど基材62の径方向外方に位置するように、基材62の軸心に対して傾斜している。
図8および図9を参照して、傾斜部74は、基材62の軸方向において支持部28とめっき形成部72との間に設けられ、かつ、支持部28とめっき形成部72とを接続している。図9を参照して、傾斜部74の外周面74aは、基材62の縦断面において、基材62の軸心に対して傾斜する傾斜面である。本実施形態では、傾斜部74の直径は、支持部28からめっき形成部72に向かって徐々に増加している。したがって、外周面74aは、前記縦断面において、外周面28aから外周面72aに近づくほど基材62の径方向外方に位置するように、基材62の軸心に対して傾斜している。
外周面70aと外周面68aとの接続部、および外周面70aと外周面72aとの接続部は、それぞれ、基材62の縦断面において曲線形状を有している。同様に、外周面74aと外周面28aとの接続部、および外周面74aと外周面72aとの接続部は、それぞれ、基材62の縦断面において曲線形状を有している。
図8および図9を参照して、めっき膜64は、円筒形状を有するように、めっき形成部72の外周面72a上および傾斜部70,74の外周面70a,74a上に形成されている。本実施形態では、図9を参照して、めっき膜64の一方の端部64aは外周面70a上に位置している。めっき膜64の他方の端部64bは外周面74a上に位置している。外周面70a上のめっき膜64の厚みおよび外周面74a上のめっき膜64の厚みは、外周面72a上のめっき膜64の厚みよりも小さい。なお、めっき膜64にも、上述の複数のスリット36a,38aと同様の複数のスリットが形成されている。外周面70a上のめっき膜64の厚み、外周面74a上のめっき膜64の厚み、および外周面72a上のめっき膜64の厚みは、それぞれ、外周面70a上に位置するめっき膜64の厚みの平均、外周面74a上に位置するめっき膜64の厚みの平均、および外周面72a上に位置するめっき膜64の厚みの平均を意味する。
図7を参照して、検出ユニット60bは、ボビン76、検出コイル78a,78b、コネクタ部80、ケース82、保護プレート84a,84b、サークリップ86a,86b、および軸受け部材88a,88bを備えている。なお、ボビン76、検出コイル78a,78b、コネクタ部80、ケース82、保護プレート84a,84b、およびサークリップ86a,86bは、それぞれ、検出ユニット10bのボビン40、検出コイル42a,42b、コネクタ部44、ケース46、保護プレート48a,48b、およびサークリップ50と同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
軸受け部材88a,88bは、それぞれ、円環形状を有している。軸受け部材88a,88bは、それぞれ、例えば樹脂材料からなる。軸受け部材88aは、基材62の一端から基材62に嵌められている。軸受け部材88bは、基材62の他端から基材62に嵌められている。本実施形態では、基材62は、軸受け部材88a,88bを介してボビン76に間接的に回転可能に支持されている。具体的には、基材62は、支持部68の外周面68aおよび支持部28の外周面28aが、軸受け部材88a,88bを介して、ボビン76の内周面に回転可能に支持されている。ボビン76は、めっき膜64(図8参照)に接触しないように、めっき膜64を、基材62の径方向外方から覆っている。
ボビン76と基材62のフランジ部18との間に、保護プレート84aおよびサークリップ86aが設けられている。本実施形態では、保護プレート84aがボビン76の一端面に接触するように、基材62の溝66bに保護プレート84aおよびサークリップ86aが嵌められている。ボビン76の他端面に接触するように、保護プレート84bが設けられている。サークリップ86bは、保護プレート84bの一方の面(ボビン76が接触する面とは反対側の面)に接触するように、基材62の溝30aに嵌められている。本実施形態では、サークリップ86a,86bによって、ボビン76および軸受け部材88a,88bが基材62から抜け落ちることが防止されている。
次に、めっき膜64の形成方法について簡単に説明する。めっき膜64は、例えば、電気めっき法によって形成される。具体的には、例えば、図10に示すように、めっき液中において基材62の径方向外方に電極54を配置する。また、マスキング部材56,58によって、支持部68,28の外周面(マスキング面)68a,28a、および傾斜部70,74の外周面70a,74aの一部をマスキングする。図10の例では、外周面70a,74aの大部分および外周面72aが露出するように、マスキング部材56,58は配置されている。上記のように電極54およびマスキング部材56,58を配置した後、電極54と基材62との間に電位差を生じさせる。これにより、めっき液中の金属イオンによって、外周面70a,72a,74a上にめっき膜64が形成される。
上述のように、本実施形態では、めっき形成部72の直径は、支持部(第2基部)68,28の直径よりも大きく、傾斜部70,74の直径は、支持部68,28からめっき形成部72に向かって徐々に増加している。ここで、図10を参照して、一般に、電極54と基材62との間のめっき液の電気抵抗は、電極54と基材62との距離が小さいほど小さくなる。このため、基材62の外周面のうち、電極54との距離が近い部分においてめっき膜64が優先的に成長する。基材62においては、めっき形成部72の直径は、傾斜部70,74の直径よりも大きい。このため、電極54とめっき形成部72の外周面(第1基部の外周面)72aとの距離は、電極54と傾斜部70,74の外周面(傾斜面)70a,74aとの距離よりも小さい。これにより、電極54と外周面72aとの間のめっき液の電気抵抗は、電極54と外周面70a,74aとの間のめっき液の電気抵抗よりも小さい。その結果、外周面70a,74a上よりも外周面72a上において優先的にめっき膜64を成長させることができる。言い換えると、外周面70a,74a上のめっき膜64の成長を、外周面72a上のめっき膜64の成長よりも遅くすることができる。これにより、外周面70a,74a上のめっき膜64の厚みを、外周面72a上のめっき膜64の厚みよりも容易に小さくできる。すなわち、めっき膜64の端部64a,64bの厚みを制御するために基材62を高精度でマスキングしなくても、端部64a,64bの厚みを、外周面72a上のめっき膜64の厚みよりも容易に小さくできる。
さらに、上述のように、傾斜部70,74の直径は、支持部68,28からめっき形成部72に向かって徐々に増加している。この場合、基材62の径方向における電極54と外周面70a,74aとの距離は、基材62の軸方向において支持部68,28に近づくほど大きくなる。すなわち、電極54と外周面70a,74aとの間のめっき液の電気抵抗は、基材62の軸方向において支持部68,28に近づくほど大きくなる。このため、外周面70a,74a上のめっき膜64の成長は、支持部68,28に近づくほど遅くなる。これにより、外周面70a,74a上に形成されるめっき膜64の厚みを、支持部68,28に近づくほど小さくすることができる。その結果、めっき膜64の端部64a,64bの厚みをより確実に小さくできる。
以上により、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、めっき膜64の形成時に基材62を高精度でマスキングしなくても、トルクセンサ60の出力にばらつきが生じることを抑制できる。すなわち、トルクセンサ60の生産性の向上と出力のばらつきの抑制とを両立できる。
本実施形態では、傾斜部70の外周面(傾斜面)70aとめっき形成部72の外周面(第1基部の外周面)72aとの接続部は、基材62の縦断面において曲線形状を有している。同様に、傾斜部74の外周面(傾斜面)74aとめっき形成部72の外周面(第1基部の外周面)72aとの接続部は、基材62の縦断面において曲線形状を有している。ここで、外周面(第1基部の外周面)72aが外周面(マスキング面)68a,28aよりも突出している基材62において、前記接続部に角が存在すると、その角においてめっき膜64の厚みが大きくなる場合がある。しかし、本実施形態では、前記接続部を、基材12の縦断面において曲線形状にすることよって、前記接続部においてめっき膜64の厚みが大きくなることを防止することができる。これにより、めっき膜64のうち前記接続部近傍の領域を通る磁束が不均一になることを防止することができる。その結果、トルクセンサ60の出力のばらつきを十分に抑制することができる。
上述の実施形態では、円筒状の基材12,62を用いた場合について説明したが、円柱状の基材を用いてもよい。
上述の実施形態では、支持部20,28,68(第2基部)の外周面(マスキング面)が、基材12,62の縦断面において基材12,62の軸心に平行な面である場合について説明した。しかしながら、支持部の外周面が、基材の縦断面において該基材の軸心に対して傾斜していてもよい。
上述の実施形態では、基材12,62の軸方向において、支持部20,68とめっき形成部24,72との間、および支持部28とめっき形成部24,72との間に、それぞれ、傾斜部22,26,70,74が設けられている。しかしながら、支持部20とめっき形成部24との間、および支持部28とめっき形成部24との間のいずれか一方のみに、傾斜部が設けられていてもよい。
上述の実施形態では、外周面22a,70aと外周面20a,68aとの接続部、外周面22a,70aと外周面24a,72aとの接続部、外周面26a,74aと外周面28aとの接続部および外周面26a,74aと外周面24a,72aとの接続部は、それぞれ、基材62の縦断面において曲線形状を有している。しかしながら、これらの接続部のうち一部または全部は、基材12,62の縦断面において曲線形状ではなく、直線形状などの曲線以外の形状であってもよい。
上述の実施形態で説明したトルクセンサ10,60におけるボビン40,76及びケース46,82の構成は、一例である。そのため、ボビン40,76及びケース46,82の構成は、磁歪部36,38を通る磁束を、検出コイル42a,42b,78a,78bによって発生可能な構成であれば、どのような構成であってもよい。また、磁歪ユニット10aと検出ユニット10bとの接続構造も、上述の実施形態の構成に限らず、磁歪ユニット10aと検出ユニット10bとを接続可能な構成であればどのような構成であってもよい。
上述の実施形態では、本発明をトルクセンサに適用した場合について説明したが、本発明は、種々の磁歪式センサに適用することができる。例えば、本発明を磁歪式の変位センサに適用してもよく、磁歪式の荷重センサに適用してもよい。
本発明は、めっき膜の透磁率の変化を検出する種々の磁歪式センサに利用できる。
本発明の一実施形態に係る磁歪式センサは、円柱状または円筒状の基材と、前記基材の外周面に設けられためっき膜とを備え、前記基材は、第1基部と、第2基部と、前記基材の軸方向において前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、かつ、前記第1基部と前記第2基部とを接続する傾斜部と、を有し、前記第1基部の外周面は、前記基材の軸心を含みかつ該基材の軸方向に延びる断面において、前記軸心に平行な面であり、前記傾斜部の外周面は、前記断面において、前記軸心に対して傾斜する傾斜面であり、前記めっき膜は、前記軸方向における一端部が前記傾斜面上に位置するように、前記第1基部の外周面上および前記傾斜面上に形成され、前記傾斜面上の前記めっき膜の厚みは、前記第1基部の外周面上の前記めっき膜の厚みよりも小さい。
本実施形態では、傾斜部70の外周面(傾斜面)70aとめっき形成部72の外周面(第1基部の外周面)72aとの接続部は、基材62の縦断面において曲線形状を有している。同様に、傾斜部74の外周面(傾斜面)74aとめっき形成部72の外周面(第1基部の外周面)72aとの接続部は、基材62の縦断面において曲線形状を有している。ここで、外周面(第1基部の外周面)72aが外周面(マスキング面)68a,28aよりも突出している基材62において、前記接続部に角が存在すると、その角においてめっき膜64の厚みが大きくなる場合がある。しかし、本実施形態では、前記接続部を、基材62の縦断面において曲線形状にすることよって、前記接続部においてめっき膜64の厚みが大きくなることを防止することができる。これにより、めっき膜64のうち前記接続部近傍の領域を通る磁束が不均一になることを防止することができる。その結果、トルクセンサ60の出力のばらつきを十分に抑制することができる。

Claims (7)

  1. 円柱状または円筒状の基材と、
    前記基材の外周面に設けられためっき膜とを備え、
    前記基材は、第1基部と、前記第1基部よりも大きい直径を有する第2基部と、前記基材の軸方向において前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、かつ、前記第1基部と前記第2基部とを接続する傾斜部と、を有し、
    前記第1基部の外周面は、前記基材の軸心を含みかつ該基材の軸方向に延びる断面において、前記軸心に平行な面であり、
    前記傾斜部の外周面は、前記断面において、前記軸心に対して傾斜する傾斜面であり、
    前記めっき膜は、前記軸方向における一端部が前記傾斜面上に位置するように、前記第1基部の外周面上および前記傾斜面上に形成され、
    前記傾斜面上の前記めっき膜の厚みは、前記第1基部の外周面上の前記めっき膜の厚みよりも小さい、磁歪式センサ。
  2. 前記傾斜部の直径は、前記第2基部から前記第1基部に向かって徐々に減少する、請求項1に記載の磁歪式センサ。
  3. 前記傾斜面と前記第2基部の外周面との接続部は、前記断面において曲線形状を有している、請求項2に記載の磁歪式センサ。
  4. 前記傾斜部の直径は、前記第2基部から前記第1基部に向かって徐々に増加する、請求項1に記載の磁歪式センサ。
  5. 前記傾斜面と前記第1基部の外周面との接続部は、前記断面において曲線形状を有している、請求項4に記載の磁歪式センサ。
  6. 前記基材は、一対の前記傾斜部と、一対の前記第2基部とを有し、
    前記軸方向において、前記第1基部の一方端に前記一対の傾斜部のうち一方の傾斜部が接続され、前記第1基部の他方端に前記一対の傾斜部のうち他方の前記傾斜部が接続され、
    前記一方の傾斜部に前記一対の第2基部のうち一方の第2基部が接続され、前記他方の傾斜部に前記一対の第2基部のうち他方の第2基部が接続され、
    前記軸方向における前記めっき膜の一端部が前記一方の傾斜部の傾斜面上に形成され、前記軸方向における前記めっき膜の他端部が前記他方の傾斜部の傾斜面上に形成され、
    前記めっき膜の前記一端部および前記他端部の厚みは、前記第1基部の外周面上における前記めっき膜の厚みよりも小さい、請求項1から5のいずれか一つに記載の磁歪式センサ。
  7. 前記めっき膜の透磁率の変化を検出する検出コイルと、
    前記検出コイルを保持しかつ前記基材が挿入される円筒状のボビンとをさらに備え、
    前記ボビンは、前記基材の径方向外方から前記めっき膜を覆い、
    前記基材は、前記第2基部が前記ボビンの内周面に直接的または間接的に回転可能に支持されている、請求項1から6のいずれか一つに記載の磁歪式センサ。
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