JPWO2017043040A1 - 放射線照射装置の搬送補助方法および搬送補助装置、並びに放射線画像撮影装置 - Google Patents

放射線照射装置の搬送補助方法および搬送補助装置、並びに放射線画像撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線源を保持した放射線照射装置の撮影時の位置を適正な位置に設定できる放射線照射装置の搬送補助方法および装置、並びに放射線画像撮影装置を得る。【解決手段】搬送補助手段は、放射線源を、放射線源保持部の可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定する手段と、放射線照射装置の現在位置を検出する手段と、障害物の位置を検出する手段と、目標位置、現在位置および障害物の位置に基づいて、放射線照射装置を目標位置まで搬送することを補助する報知を行う報知手段とを備える。カメラ(28A〜28D)と制御装置(22)とにより、目標位置設定手段、現在位置検出手段および障害物位置検出手段が構成され、カメラ(28A〜28D)、制御装置(22)、モニタ(23)およびスピーカ(18)により報知手段が構成される。【選択図】図6

Description

本発明は、被検体の放射線画像を取得する際に被検体に放射線を照射する放射線照射装置の搬送を補助する方法、および装置に関するものである。
また本発明は、上述のような放射線照射装置を用いる放射線画像撮影装置に関するものである。
従来、例えば非特許文献1に示されているように、放射線源と電気回路等の放射線照射のための最小限の構成要素のみを搭載し、操作者が手で持って操作可能とした可搬型(ポータブル)の放射線照射装置が提案されている。この種の可搬型の放射線照射装置は、操作者が手で持って操作できる程度に軽量化されており、被検体を様々な方向から撮影する上で有利なものとなっている。
このような放射線画像撮影装置により被検体の放射線画像を撮影する際には、通常、被検体を透過した放射線の照射により被検体を表す放射線画像を記録する放射線検出器(いわゆる「Flat Panel Detector」)が使用される。このような放射線検出器として、筐体内に画像検出部、駆動用のバッテリおよび駆動に拘わる電気回路等の制御装置が収容されてなるカセッテ型の放射線検出器が周知である。そして、そのような放射線検出器を、被検体を間に置いて放射線照射装置に対向する位置に配し、その状態で放射線照射装置を駆動させれば、被検体を透過した放射線が放射線検出器に照射され、被検体を透過した放射線により表される放射線画像が取得される。
上記可搬型の放射線照射装置は、操作者が手で持って操作可能なものであるが、手振れを防止し、さらには操作者の手等への被ばくを防止するために、放射線源を有する線源部を保持する保持装置を備えた放射線照射装置が提案されている。上記非特許文献1には、そのような保持装置の例も示されており、特に、保持脚の下部に車輪部を設けて走行可能とした保持装置も示されている。
このような保持装置を備えた放射線照射装置は、基本的に、車輪により走行可能とされた脚部と、放射線源駆動用のバッテリおよび放射線源の駆動に関わる電気回路等からなる制御装置を収容して脚部の上に保持された本体部と、本体部に連結されたアーム部とを備え、アーム部の先端に線源部を取り付けることにより構成されている。
上述のように走行可能とされた放射線照射装置を放射線画像の撮影に使用する際には、操作者(使用者)の搬送力によって放射線照射装置が撮影現場まで搬送されるが、その搬送の際に放射線照射装置が、搬送経路やその近くに有る障害物と衝突したり干渉したりすることは当然回避されなければならない。特許文献1には、検査室内に関する複数の画像に基づいて検査室における障害物の位置を特定し、障害物の位置等に基づいて放射線源保持部の移動範囲を制限することにより、上記衝突を防止するようにした装置が開示されている。
また特許文献2には、放射線源と放射線検出器との相対的な位置関係情報を取得し、この位置関係情報に基づいて、走行可能とされた放射線照射装置の移動位置を案内制御する装置が開示されている。
特開2015−006333号公報 特開2014−168690号公報
東芝医療用品株式会社、X線撮影装置 IPF-21、[online]、[平成11年7月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.toshiba-iryouyouhin.co.jp/tmeds/xrays/ipf21.html〉
しかし特許文献2に示されているように、放射線源を保持した放射線照射装置の撮影時の適正位置を、放射線源と放射線検出器との相対的な位置関係だけに基づいて定めると、その適正位置に配置された放射線照射装置の近くに障害物が存在して、そのために放射線画像の撮影作業が不可能あるいは困難になる、といった問題が生じることもある。特許文献1に示された装置も、上述のような問題の発生を防止できないという点では同じである。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、放射線源を保持した放射線照射装置の撮影時の位置を、撮影に関わる作業を可能にする適正な位置に設定することを補助できる、放射線照射装置の搬送補助方法を提供することを目的とする。
また本発明は、上述のような放射線照射装置の搬送補助方法を実施できる搬送補助装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上述のような放射線照射装置の搬送補助方法を実施できる放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
本発明による放射線照射装置の搬送補助方法は、
放射線画像記録媒体に対して放射線を照射する放射線源および、放射線源の位置を変更可能にして放射線源を保持した可動の放射線源保持部を搭載し、使用者によって搬送可能とされた放射線照射装置を、放射線の照射を行う目標位置まで使用者が搬送することを補助する放射線照射装置の搬送補助方法であって、
放射線源を、上記放射線源保持部によって放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定し、
放射線照射装置の現在位置を検出し、
放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出し、
上記目標位置、現在位置および障害物の位置に基づいて、放射線照射装置を目標位置まで搬送することを補助する報知を行うことを特徴とするものである。
ここで、上記の「使用者によって搬送可能」とは、使用者が自身の搬送力だけで搬送可能であることは勿論、放射線照射装置がモータ等の動力装置を備えていて、使用者が動力装置を操作しながら動力のみで、あるいは動力を補助力として利用しながら搬送可能であることも含むものである。
また、上記目標位置の設定、現在位置の検出、および障害物の位置の検出は、この順に行うことに限られるものではなく、その他の任意の順で行われてもよい。
また、上記目標位置の設定は、必ずしも他のあらゆる処理に最優先して行われるものではない。例えば、この目標位置の設定の前に、放射線照射装置から放射線画像記録媒体までの距離を、一例として放射線画像記録媒体側から発せられる無線信号の強度に基づいて放射線照射装置側で検出し、この距離が予め定められた距離まで短くなったところで目標位置の設定を開始し、それに引き続いて上記報知を行うようにしてもよい。あるいは、救急処置室が例えばA室、B室、C室・・・と複数有り、放射線照射装置が現在はA室で使用されており、次はB室で使用されるような場合は、放射線照射装置がB室に入ったこと、および/またはA室から出たことを条件にして目標位置の設定を開始し、それに引き続いて上記報知を行うようにしてもよい。
なお、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記目標位置を設定した後、放射線照射装置が、目標位置を設定したときの目標位置までの距離よりも短い所定距離まで目標位置に接近した場合に、上記報知を開始することが望ましい。ここで、上記の「所定距離」とは、予め定められたある距離のことであり、特定の値の距離を意味するものではない。
あるいは、上記目標位置を設定した後、放射線照射装置が障害物まで所定距離に接近した場合に、上記報知を開始することも望ましい。上記の「所定距離」も、予め定められたある距離のことであり、特定の値の距離を意味するものではない。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、放射線照射装置が目標位置にあるときに、放射線源の放射線照射位置が放射線照射装置の右側にある場合は、作業用スペースを少なくとも放射線照射装置の右側に確保し、放射線源の放射線照射位置が放射線照射装置の左側にある場合は、作業用スペースを少なくとも放射線照射装置の左側に確保することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、目標位置を設定するために用いる放射線画像記録媒体の位置を、放射線照射装置に搭載した複数のカメラが撮影した各画像から再構成した画像、および/または1台のカメラが撮影した画像に基づいて検出することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、目標位置を設定するために用いる放射線画像記録媒体の位置を、放射線画像記録媒体が発する無線信号に基づいて検出することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、目標位置を設定するために用いる放射線画像記録媒体の位置を、放射線画像撮影のオーダーから取得することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、放射線照射装置の現在位置を、放射線照射装置に搭載した複数のカメラが撮影した各画像から再構成した画像、および/または1台のカメラが撮影した画像に基づいて検出することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、障害物の位置を、放射線照射装置に搭載した複数のカメラが撮影した各画像から再構成した画像、および/または1台のカメラが撮影した画像に基づいて検出することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、目標位置の設定を、放射線源を、放射線源保持部によって放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能であることに加えて、放射線源保持部の可動の範囲内に障害物が存在しないことを条件にして行うことが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、目標位置の設定を、放射線源を、放射線源保持部によって放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能であることに加えて、放射線源保持部の可動の範囲内に障害物が存在しているとき障害物の存在が放射線画像撮影を不可能にするものであるか否かを条件にして行うことが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記報知が、画像を表示する液晶パネル等の表示手段に表示される画像によるものであることが望ましい。なおこの表示手段としては、専用のものが用いられてもよいし、あるいは、放射線照射装置の制御のための入出力を行ったり、放射線照射野を確認するための画像を表示したりするその他の表示手段が兼用されてもよい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記報知として表示手段に表示される画像が、放射線照射装置の現在位置から目標位置までの経路を示す表示を含むものであることが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記報知として表示手段に表示される画像が、放射線照射装置の搬送方向前方の視界を示す画像を含むものであることが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記報知として表示手段に表示される画像が、放射線照射装置を上方から俯瞰した画像を含むものであることが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記報知が音声によるものであってもよい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記音声による報知が、この報知がなされる時点の放射線照射装置の搬送方向に対する搬送方向を知らせるものであることが望ましい。この「報知がなされる時点の放射線照射装置の搬送方向に対する搬送方向を知らせる」とは、報知がなされる時点の放射線照射装置の搬送方向に対して、搬送方向をどのように変えるべきか、あるいは搬送方向を変えないか、といったことを知らせることであり、より具体的には、「直進」、「右折」、あるいは「左折」というものである。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、上記報知に基づく適切な移動経路を放射線照射装置が搬送されている際に、この適切な移動経路から放射線照射装置が外れた場合、外れた旨を知らせる警告報知を発することが望ましい。
また、本発明による放射線照射装置の搬送補助方法においては、目標位置に放射線照射装置が到着した場合、この到着を知らせる報知を発することが望ましい。
本発明による放射線照射装置の搬送補助装置は、
放射線画像記録媒体に対して放射線を照射する放射線源および、放射線源の位置を変更可能にして放射線源を保持した可動の放射線源保持部を搭載し、使用者によって搬送可能とされた放射線照射装置を、放射線の照射を行う目標位置まで使用者が搬送することを補助する放射線照射装置の搬送補助装置であって、
放射線源を、放射線源保持部によって放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定する目標位置設定手段と、
放射線照射装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、
目標位置、現在位置および障害物の位置に基づいて、放射線照射装置を目標位置まで搬送することを補助する報知を行う報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明による放射線画像撮影装置は、
放射線画像記録媒体に対して放射線を照射する放射線源および、放射線源の位置を変更可能にして該放射線源を保持した可動の放射線源保持部を搭載し、使用者によって搬送可能とされた放射線照射装置と、
放射線源を、放射線源保持部によって放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定する目標位置設定手段と、
放射線照射装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、
目標位置、現在位置および障害物の位置に基づいて、放射線照射装置を目標位置まで搬送することを補助する報知を行う報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の放射線照射装置の搬送補助方法によれば、
放射線源を、放射線源保持部によって放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定し、
放射線照射装置の現在位置を検出し、
放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出し、
上記目標位置、現在位置および障害物の位置に基づいて、放射線照射装置を目標位置まで搬送することを補助する報知を行うようにしたので、
放射線源を保持した放射線照射装置の撮影時の位置を、その位置周囲での作業も可能である適正な位置に設定することを補助できるようになる。
本発明の一実施形態による搬送補助方法を実施する放射線照射装置の全体形状を示す斜視図 上記放射線照射装置の使用時の状態を示す図 上記放射線照射装置の一部を図2の矢印A方向から見た図 上記放射線照射装置の使用時の状態を示す斜視図 放射線検出器を放射線照射側である前面から見た外観斜視図 本発明の一実施形態による搬送補助装置の概略構成を示すブロック図 本発明の一実施形態による搬送補助方法における一部処理の流れを示すフローチャート 本発明の一実施形態による搬送補助方法における一部処理の流れを示すフローチャート 上記放射線照射装置における搬送補助のための表示画像の一例を示す概略図 上記放射線照射装置における搬送補助のための表示画像の別の例を示す概略図 本発明の一実施形態による搬送補助方法を説明する図 本発明の一実施形態による搬送補助方法を説明する図 本発明の一実施形態による搬送補助方法を説明する図 本発明の一実施形態による搬送補助方法を説明する図 上記放射線照射装置におけるモニタ表示画像の別の例を示す概略図 上記放射線照射装置におけるモニタ表示画像のさらに別の例を示す概略図 上記放射線照射装置におけるモニタ表示画像のさらに別の例を示す概略図 本発明の一実施形態による搬送補助方法における一部処理の流れを示すフローチャート 上記放射線照射装置における目標位置設定タイミングの例を説明する図 上記放射線照射装置における目標位置設定タイミングの別の例を説明する図 上記放射線照射装置におけるモニタ表示画像のさらに別の例を示す概略図 放射線照射装置に適用される車輪部の別の例を示す斜視図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による搬送補助方法を実施する放射線照射装置1の非使用時における全体形状を示す斜視図、図2は上記放射線照射装置1の使用時の状態を示す側面図である。なお以下では、例えば医療機関の床等の装置載置面上に放射線照射装置1が載置された状態において、鉛直方向上側、下側をそれぞれ「上」、「下」と称し、また、同じ状態において鉛直方向に対して直角となる方向を「水平」方向ということとする。また、以下では、鉛直方向をz方向、図2における左右方向をy方向、図2における紙面に垂直な方向をx方向と規定する。また、操作者が放射線照射装置1を図2に示すようにして使用する際、そして後述するようにモニタ23を見ながら放射線照射装置1を搬送する際、放射線照射装置1の前方は+y方向となるので、放射線照射装置1の「右側」とは図1の−x方向側を指すものとし、そして放射線照射装置1の「左側」とは図1の+x方向側を指すものとする。
図示のように本例の放射線照射装置1は、脚部10、本体部20、放射線源保持部としてのアーム部30、および線源部(放射線源)40を備える。
脚部10は、装置載置面2上を走行可能であり、板状の台座11と、台座11の下面の四隅に取り付けられた4つの車輪部12とを有している。車輪部12は一般的なキャスターと同様に、ゴムタイヤ等の車輪および、この車輪を回転可能に保持した旋回部等から構成されている。上記旋回部は、上下方向に延びる軸を中心として、水平面内で旋回可能に台座11に取り付けられている。これにより、脚部10は、装置載置面2上を任意の方向に走行可能とされている。
本体部20は、脚部10の上に設置されており、筐体21を備える。筐体21内には、放射線照射装置1の駆動を制御する制御装置22およびバッテリ(図示せず)が収容されている。制御装置22は、線源部40から発せられる放射線の線量、線質および照射時間等を始めとして、放射線照射装置1の各種動作を制御するための装置であり、例えば、制御のためのプログラムをインストールしたコンピュータ、専用のハードウェア、あるいは両者を組み合わせて構成される。また、筐体21の上面には、スピーカ18を内蔵したモニタ23が取り付けられている。筐体21の上部には、放射線照射装置1を押したり引いたりするための取っ手26がアダプタ27を介して取り付けられている。また、本体部20の右側面、後面、左側面、および前面にはそれぞれ、装置1の全周囲の画像を撮影するためのカメラ28A、28B、28C、および28Dが取り付けられている。これらのカメラ28A〜28Dとしては、例えば、撮影した動画を示すデジタル信号を出力するデジタルビデオカメラが用いられる。
表示手段としてのモニタ23は液晶パネル等からなり、被検体Hの撮影により取得された放射線画像、および装置1の制御に必要な各種情報を表示する。また、モニタ23はタッチパネル方式の入力部24を備えており、装置1の操作に必要な各種指示の入力を受け付ける。なお制御装置22が入力部24と共に、放射線照射装置1の各種操作を指示するためのコンソール(操作卓)として機能する。本実施形態では制御装置22が入力部24と別体に構成されているが、それらは一体的に構成されてもよい。このモニタ23は、傾きおよび回転位置を変更可能に本体部20の上面に取り付けられている。またモニタ23は、本体部20に対して着脱可能とされてもよい。モニタ23が本体部20から外された場合は、モニタ23と制御装置22との間で無線で通信を行うように構成される。
アーム部30は、本体部20に保持されている。詳細には、アーム部30は、本体部20の取っ手26とは反対側の面、すなわち、図2における右側の面に保持されている。アーム部30は、例えばパンタグラフ機構等からなる昇降機構50により、本体部20に対して昇降可能とされている。アーム部30は、第1アーム31、第2アーム32、第1回動部33、第2回動部34および線源保持部35を備える。第1アーム31の先端には線源保持部35を介して線源部40が保持されている。なお、以降の説明において、第1アーム31における線源部40側の端部を上端部、第2アーム32側の端部を下端部とする。また、第2アーム32における第1アーム31側の端部を上端部、本体部20側の端部を下端部とする。
第1アーム31と第2アーム32とは、第1回動部33により回動軸AX1の周りに回動可能に連結されている。回動軸AX1はx方向に延びる軸である。第1アーム31は回動軸AX1を中心にして、第2アーム32となす角度が変更されるように回動する。第1回動部33は、第1アーム31が第2アーム32に対して摩擦機構を介して回動するように両者を保持している。このため第1アーム31は、ある程度強い外力が加えられることによって回動可能であり、外力が加えられない限り回動せず、第2アーム32に対する相対角度を維持する。
第2アーム32は、昇降機構50の上端部に取り付けられたアダプタ51に対して、第2回動部34を介して回動軸AX2の周りに回動可能に連結されている。回動軸AX2はx方向に延びる軸である。第2アーム32は回動軸AX2を中心にして、本体部20のアーム部30を保持している側の面となす角度が変わるようにyz面内で回動する。第2回動部34は、第2アーム32がアダプタ51に対して摩擦機構を介して回動するように両者を保持している。このため第2回動部34は、ある程度強い外力が加えられることによって回動可能であり、外力が加えられない限り回動せず、本体部20に対する相対角度を維持する。
図3は、放射線照射装置1の一部を図2の矢印A方向から見た図である。図3に示すように、本体部20の図2における右側の面には、昇降機構50による昇降動作の際に、アダプタ51が通過可能な溝29が形成されている。なお、図3においては、説明の都合上、モニタ23およびアーム部30を省略している。また、放射線照射装置1が使用される際、アーム部30は上記初期位置から、第1アーム31および第2アーム32が展開された使用位置に移行する。この使用位置の一例にアーム部30が設定されている放射線照射装置1を図4に示す。以下、この図4も参照して説明を続ける。
線源保持部35は概略U字形状とされ、第1アーム31の先端に取り付けられている。線源部40は第1アーム31の先端に対して、線源保持部35を介して回動軸AX3の周りに回動可能に連結されている。回動軸AX3はx方向に延びる軸である。線源部40は回動軸AX3を中心にして、第1アーム31となす角度が変更されるように回動する。線源保持部35は、線源部40が第1アーム31に対して摩擦機構を介して回動するように両者を保持している。このため、線源部40は、ある程度強い外力が加えられることによって回動可能であり、外力が加えられない限り回動せず、第1アーム31に対する相対角度を維持する。
また上記アダプタ51は、昇降機構50に対して、回動軸AX4の周りに回動可能に連結されている。回動軸AX4はz方向に延びる軸である。アダプタ51は、回動軸AX4を中心にしてxy面内で回動する。アダプタ51がこのように回動すれば、アーム部30全体がxy面内で回動する。アダプタ51は、昇降機構50に対して摩擦機構を介して回動するように両者を保持している。このため、アダプタ51に連結しているアーム部30は、ある程度強い外力が加えられることによって回動可能であり、外力が加えられない限り回動せず、xy面内における回動位置を維持する。
以上の通り本例では、第1アーム31の第2アーム32に対する回動、第2アーム32の本体部20に対するyz面内回動、線源部40の第1アーム31に対する回動、およびアーム部30全体の昇降機構50に対するxy面内回動が、摩擦機構を介してなされるものとされているが、公知のロック機構により回動位置を固定するものとしてもよい。この場合、ロック機構を解除することにより、第1アーム31、第2アーム32、線源部40およびアーム部30全体の回動が可能となる。そして、所望の回動位置においてロック機構をロックすることにより、回動位置を固定することができる。
ここで、図1に示す放射線照射装置1の非使用時において、アーム部30は初期位置にある。アーム部30の初期位置とは、第1アーム31および第2アーム32を折り畳んだ状態で、アーム部30全体が昇降機構50に対してy方向に離れて存在し、かつ、アーム部30が昇降機構50による上下方向移動位置内の最低位置にある位置である。特に本例においては、初期位置を、図1に示すように、第1アーム31および第2アーム32をこれ以上回動しなくなる限界まで折り畳んだ状態におけるアーム部30の位置とする。なお、初期位置において第2アーム32は、第1回動部33が第2回動部34よりも上方に位置する状態となっている。
ここで、アーム部30の全体が昇降機構50に対して+y方向に離れて存在する位置を、アーム部30の初期回動位置と言うこととする。なお上記+y方向とは、図2における右方向である。アーム部30はこの初期回動位置から、前述したように回動軸AX4を中心にしてxy面内で回動可能である。この回動は例えば、回動軸AX4を中心にして右回りに45°、左回りに45°の範囲でなされる。
なお、上記の初期位置においては、第1アーム31と第2アーム32とが締結ベルト36により締結可能である。締結ベルト36は、例えば一端部が第2アーム32に取り付けられたもので、その他端部には面ファスナーが取り付けられている。第1アーム31の図1における表示面と反対側の面には、締結ベルト36の面ファスナーと対応する面ファスナーが取り付けられている。そして、締結ベルト36を図1における第1アーム31の右側の面から反対側の面に回して、締結ベルト36の面ファスナーを、第1アーム31に取り付けられた面ファスナーに接続する。これにより、初期位置においては、第1アーム31は第2アーム32に対して回動しなくなる。
線源部40は、筐体41内に、放射線源、および放射線の照射範囲を絞るためのコリメータ等が収容されて構成されている。放射線源は、例えばX線管球、昇圧回路およびX線管球を冷却する冷却手段等から構成されている。線源部40の放射線源からの放射線の出射は、操作者がモニタ23の入力部24から入力する指示によって行われる。なお入力部24は、放射線照射装置1の各種操作を実行させるための情報を入力するものであり、制御装置22およびモニタ23と共に、撮影オーダーの管理、撮影画像の画像処理、撮影画像の表示等を行うコンソール(操作卓)を構成している。
本例において、被検体Hの放射線画像撮影時には、図2に示すように、ベッド3に仰臥している被検体Hの下に放射線検出器80を配置し、線源部40の放射線源から出射した例えばX線等の放射線を、被検体Hを透過させて放射線検出器80に照射することにより行われる。
ここで、図5を参照して放射線検出器80について簡単に説明する。図5は放射線検出器を放射線照射側である前面から見た外観斜視図である。図に示すように本例の放射線検出器80は、放射線画像記録媒体である画像検出部81、およびこの画像検出部81を収容する筐体82を備えたカセッテ型の放射線検出器である。画像検出部81は、周知のように、入射した放射線を可視光に変換するシンチレータ(蛍光体)、およびTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板を備える。TFTアクティブマトリクス基板上には、シンチレータからの可視光に応じた電荷を蓄積する複数の画素が配列された矩形状の撮像領域が形成される。なお、この放射線検出器80では、画像検出部81が放射線画像記録媒体そのものであるが、本明細書では便宜上、放射線検出器80全体のことも放射線画像記録媒体と称することがある。
筐体82には、画像検出部81の他に、TFTのゲートにゲート駆動信号を与えてTFTをスイッチングさせるゲートドライバ、および画素に蓄積された電荷をアンプによりアナログ電圧信号に変換した後、このアナログ電圧信号をAD変換してX線画像を表すデジタル画像信号を得、この放射線画像情報としてのデジタル画像信号をメモリに保存する信号処理回路等を備えた撮影制御部等が内蔵されている。なお、上記デジタル画像信号は、放射線検出器80の内蔵メモリに保存されてもよいし、あるいは、有線または無線通信によって外部のコンソールに転送されてもよい。また筐体82は、例えば、銀塩写真フイルムを記録媒体として用いるフィルムカセッテや、IP(Imaging Plate)を記録媒体として用いるCR(Computed Radiography)カセッテとほぼ同様の、国際規格ISO(International Organization for Standardization)4090:2001に準拠した大きさとされている。
筐体82の前面の四隅には、放射線検出器80を識別するための識別情報を表すマーカ84A〜84Dが付与されている。本例において、マーカ84A〜84Dの各々は、直交する2つのバーコードから構成されている。なお上述のようなマーカは、4個設けることは必ずしも必要ではなく、その他例えば1個、あるいは2個等のマーカが設けられてもよい。また、マーカの設置位置も筐体82の隅部に限られるものではなく、筐体82の辺の部分に設置されてもよい。またマーカ84A〜84Dは、無線で識別情報を発するものとされてもよい。
次に、本例の放射線照射装置1における放射線画像撮影前の操作について説明する。放射線照射装置1は図1に示す非使用時の状態、つまりアーム部30を収納した状態で、脚部10の車輪部12にて病院の床等の装置載置面2上を走行させながら使用位置まで搬送される。この放射線照射装置1の搬送は、操作者(装置使用者)が取っ手26を持って放射線照射装置1を押したり引いたりする搬送力によってなされる。
ここで、「アーム部30を収納した状態」とは、アーム部30が前述した初期位置にある状態である。なお、救急治療に対応する場合等においては、放射線照射装置1は、アーム部30を展開した状態のまま、上述と同様にして使用位置まで運ばれることもある。車輪部12の各々は、前述した通り自身が旋回可能に台座11に取り付けられているので、放射線照射装置1は前後左右方向に移動可能で、また大きくカーブするようにも移動可能であり、さらには、その場で旋回することも可能である。したがって放射線照射装置1は、小回りが利く状態で迅速に使用位置まで搬送され得る。
放射線画像の撮影は、前述した図2に示すように、例えばベッド3の上に仰臥している被検体Hに対して行われる。被検体Hの近くに放射線照射装置1を配置する際には、車輪部12により放射線照射装置1を、被検体Hの身長方向に移動させることも可能である。これにより、放射線照射装置1を容易に最適位置に配置することができる。
次に、本発明の一実施形態による放射線照射装置の搬送補助方法について説明する。この搬送補助方法は、前述したように放射線照射装置1を操作者の搬送力によって、放射線照射を行う位置(目標位置)まで搬送する際に、放射線照射装置1が障害物に当たらないような移動経路をモニタ23に表示したり、またスピーカ18により音声で知らせたりする報知を行うものである。
図6は、この報知を行う搬送補助装置の基本構成を示したブロック図である。この搬送補助装置は、前述したように本体部20の右側面、後面、左側面、および前面にそれぞれ取り付けられたカメラ28A、28B、28C、および28Dと、これらのカメラ28A〜28Dの出力を受ける前述の制御装置22と、制御装置22が出力する画像信号を受ける前述のモニタ23と、制御装置22が出力する音声信号を受ける前述のスピーカ18と、制御装置22に各種指示を入力する前述の入力部24とから構成されている。
本実施形態では、上記カメラ28A〜28Dと制御装置22とにより、本発明の搬送補助装置における目標位置設定手段、現在位置検出手段および障害物位置検出手段が構成されている。なお障害物位置検出手段としては、放射線照射装置1の四方のステレオ画像を撮影する複数のカメラ等を用いることもできる。そのような複数のカメラは、本体部20に搭載する他、線源部40に搭載してもよい。また、カメラ28A〜28D、制御装置22、モニタ23およびスピーカ18は、本発明の搬送補助装置における報知手段を構成している。
次に図7および図8を参照して、上記搬送補助方法が実施されるときの放射線照射装置1の搬送について説明する。なお本実施形態では、放射線照射装置1の搬送補助は、基本的に、放射線照射装置1が障害物に近付いたら搬送補助を開始する「障害物接近モード」と、放射線照射装置1が後述する目標位置に近付いたら搬送補助を開始する「目標位置接近モード」のいずれかで選択的に行われるようになっている。図7および図8では、上記2つのモードの選択がなされて、搬送補助が終了するまでの処理の流れを示している。
図7に示すように、まずステップS1において放射線照射装置1の電源がONにされた上で搬送が開始され、操作者の搬送力により放射線照射装置1は放射線画像の撮影場所に近付いて行く(ステップS2)。この撮影場所は、例えば救急室のベッドの近くであり、そのベッドに近接させて、IC(Integrated Circuit)タグのリーダーが設置される。放射線照射装置1は自身の識別情報やその他の情報を記録したICタグを備えており、上記リーダーはこのICタグの記録情報を読み取るものである。なお、上記救急室、ベッドおよびリーダーの配置例については、後に詳しく説明する。
上記ステップS2で放射線照射装置1が撮影場所に近付いて行くと、この放射線照射装置1のICタグの記録情報が上記リーダーによって読み取られる。各放射線照射装置1および上記リーダーには、既定条件として、上記2つのモードのどちらを優先させるかが登録されている。一般に、前方視界が良くない放射線照射装置1であれば、「障害物接近モード」が規定条件として設定され、また前方視界が良い放射線照射装置1であっても、例えば撮影現場となる救急室等が乱雑になっている場合は「障害物接近モード」が既定(デファクト)モードとして設定される。通常、リーダーの方には上記2つのモードの設定は登録されず、基本的に放射線照射装置1の方の既定モードが採用される。ただし、リーダーの方にモードが設定されている場合は、放射線照射装置1の既定モードは無視されて、リーダーの設定モードが採用される。
放射線照射装置1の電源がONにされると、モニタ23には放射線照射装置1の全周囲を示す画像すなわち全周囲画像が表示される(ステップS3)。本発明の搬送補助方法が実施される場合、操作者は上記モニタ23の表示画像を見ながら搬送を行うので、この場合の放射線照射装置1の搬送方向は、図1の+y方向となる。つまりこの+y方向が、搬送方向前方となる。
ここで、上記全周囲画像について説明する。図6に示す制御装置22は、カメラ28A〜28Dがそれぞれ撮影した本体右側画像、本体後側画像、本体左側画像および本体前側画像から、放射線照射装置1の全周囲画像を再構成する。なおこの再構成される全周囲画像には、放射線照射装置1自身の一部も表示される。この全周囲画像は、モニタ23に表示される。モニタ23に表示される画像の例を図9および図10に示す。この図9および図10に示す画像は、カーナビゲーションシステムに例えれば、自動車の前方状況を示す画像に相当するものであり、全周囲画像の一部だけを用いて表示される(このように前方だけを示す画像も、便宜的に全周囲画像と称することにする)。また本実施形態ではその他に、同じくカーナビゲーションシステムに例えれば、運転している自動車を上方から俯瞰した画像に相当する全周囲画像をモニタ23に表示させることもできる。この全周囲画像については、後に詳しく説明する。
全周囲画像をモニタ23に表示させる際に制御装置22は、前述したように放射線検出器80の筐体82に付与されているマーカ84A〜84Dを例えば画像処理によって検出し、これらのマーカ84A〜84Dが含まれる方位の、つまりは放射線検出器80が含まれる方位の全周囲画像をモニタ23に表示させる。そこで、もし放射線照射装置1が放射線検出器80を検出できる位置まで到達しているなら、図9および図10に示される通りモニタ23には、放射線検出器80と共に、その上下に各々存在する被検体Hおよびベッド3も表示されることになる。これらの放射線検出器80、被検体Hおよびベッド3の位置は、放射線照射装置1が最終的に到達すべき位置つまり目標位置を算出する上で利用される。なお、図10に示す全周囲画像は、図9に示す全周囲画像と比べると、放射線検出器80、被検体Hおよびベッド3に対して放射線照射装置1がより接近した時点のものであるので、放射線検出器80、被検体Hおよびベッド3がより大きく表示されるものとなる。
上記筐体82には、モーションセンサを内蔵しておくのが望ましい。そうした場合は、上記マーカ84A〜84Dが被検体Hに隠れて検出できないとき、マーカ84A〜84Dの初期位置と、モーションセンサが出力するモーション信号とに基づいて放射線検出器80の位置を追跡することが可能になる。さらには、上記筐体82に、放射線検出器80の個体情報を無線で発する手段を設けておき、その無線の信号から放射線検出器80の位置を検出するようにしてもよい。
このときモニタ23には、さらに、放射線照射装置1の台座11および線源部の筐体41も表示される。それらの表示は、放射線照射装置1の現在位置の表示に相当する。またモニタ23には、もしベッド等の障害物Bが存在すれば、それも表示される。この表示は、障害物位置の表示に相当する。またモニタ23には、後述する搬送補助が開始された後は、放射線照射装置1を搬送する上での適切な移動経路、つまり障害物Bと衝突したり干渉したりすることのない移動経路を示す、例えば矢印Ar等による経路が表示される。なお、この移動経路は、放射線照射装置1の走行性能も考慮して設定されるものであって、必ずしも放射線照射装置1の現在位置から目標位置までの直線経路を示すものではない。
図7に戻って、操作者はステップS4において、モニタ23に撮影対象である被検体H等が表示されているかどうかを判断する。通常この判断はYES、つまり表示がなされるが、もし表示されていなければ、さらに被検体Hに接近する方向に放射線照射装置1を搬送する(ステップS5)。上記ステップS4における判断の前に、ステップS6において、別方向から放射線照射装置1を被検体Hに接近させることもあるが、この点については後に説明する。なお、上記被検体H等がモニタ23に表示されていれば、通常ここで、ベッド3上において被検体Hの下に放射線検出器80がセットされる。
次のステップS7において制御装置22は、上述のようにしてマーカ84A〜84Dを、つまりは放射線検出器80を検出したか否か判断する。なお図7および図8においては、放射線検出器80を「カセッテ」と表記して示す。ステップS7において放射線検出器80が検出されていると、制御装置22は次にステップS8において、目標位置の算出を開始する。この目標位置の算出は基本的に、前述した再構成画像中の放射線検出器80の位置に基づいてなされる。
ステップS7において放射線検出器80が検出されない場合、制御装置22はステップS9において、モニタ23に「カセッテをセットしないですか?」との表示をさせると共に、「はい」と「いいえ」の表示をさせる。操作者はこれらの表示を見て、もし放射線検出器80のセットを忘れていたなら、「いいえ」の表示を押して、入力部24から制御装置22にその旨を入力させる。それと共に操作者は、忘れていた放射線検出器80のセットを行う。そうして放射線検出器80がセットされれば、ステップS7において放射線検出器80が検出されることになる。
何らかの事情が有って、放射線検出器80のセットを後回しにする場合、操作者は上記「はい」の表示を押して、入力部24から制御装置22にその旨を入力させる。その場合制御装置22はステップS10において、被検体Hに対する撮影オーダーから、検出済みの被検体Hの位置に基づいて放射線検出器80の位置を予測し、その予測位置をモニタ23に表示させる。すなわち、撮影オーダーには例えば「胸部立位正面」や「腹部臥位正面」といった撮影部位、撮影姿勢および撮影方向に関する情報が含まれるのが一般的であるので、これらの情報を利用すれば、被検体Hの位置に対して放射線検出器80がどのような位置にセットされるかを予測可能となる。また、こうして放射線検出器80の予測位置をモニタ23に表示させる場合は、それと併せて、この放射線検出器80の位置は予測されたものであること、そして放射線検出器80のセットを促す旨の表示がモニタ23においてなされる。なお、放射線検出器80のセットをすると、後述するアーム部30の可動範囲内に放射線検出器80が収まらない場合は、スピーカ18から警告音を発生させたり、モニタ23に警告の表示を出させたりすることが望ましい。上記モニタ23への表示がなされると、制御装置22はステップS7で放射線検出器80が検出された場合と同様に、次にステップS8において目標位置の算出を開始する。
ステップS8の処理を開始すると制御装置22は、次に図8に示すステップS11において、アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80を検出し、かつ、放射線照射装置1の周囲に作業用スペースを確保できる目標位置を設定可能かどうか判断する。ここで、上記の「アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80を検出」とは、詳しく説明すれば、アーム部30によって線源部40の位置を変更させ得る可動範囲内で線源部40を、放射線検出器80に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能であることを意味する。本実施形態におけるアーム部30の可動範囲は、図11に矢印Mで示すアーム部30の回動範囲であり、これは図2に示した回動軸AX4の周りのアーム部30の回動範囲である。
また本実施形態では、上記「所定の作業用スペース」として、予め定められた、図11に示す3つの領域RA、RBおよびRCを想定している。領域RAは、放射線照射装置1の搬送方向後方側に設定する作業用スペースであり、領域RBは放射線照射装置1の左側に設定する作業用スペース、領域RCは放射線照射装置1の右側に設定する作業用スペースである。これらの作業用スペースのうち、領域RAの作業用スペースは、放射線照射装置1の搬送作業も含めて、放射線画像撮影に係る作業を進める上で必須の作業用スペースである。一方、領域RBの作業用スペースと領域RCの作業用スペースは、放射線画像撮影に係る作業を放射線照射装置1の側方から行うためのスペースであって、双方とも確保されれば特に好ましいが、一般には、少なくとも一方だけが確保されればよいものである。いずれの領域RA、RBおよびRCも、具体的には、最低1人の人間が楽に通過できる程度の大きさに設定される。また、その設定する大きさは、操作者の体型に応じて適宜変更可能としておくのがより好ましい。
ステップS11における判定がYESの場合、制御装置22はステップS12において目標位置を算出して設定し、それを目標位置として決定する。なお、この目標位置の設定する詳しいタイミングについては、後に詳しく説明する。また、この目標位置が決定すると、モニタ23には例えば図15に示すような俯瞰状態の全周囲画像が表示される。ここに示される通り俯瞰状態の全周囲画像では、被検体H、放射線検出器80およびベッド3と共に、放射線照射装置1と、その三方に設定される作業用スペースとしての領域RA、RBおよびRCと、弧状の矢印Mとその両端の線分で示すアーム部30の回動範囲とが表示される。また、障害物(図15ではハッチングを付した円で示す)が存在する場合は、その障害物も表示される。
そして目標位置が設定された際の全周囲画像では、「目標位置を設定しました」、「目標の位置」、「現在の位置」、「既定のナビモード:目標位置接近モード」といった表示と共に、図中実線Uで示す適切な移動経路、および実線Uが適切な移動経路であることを示す表示「移動経路」が併せて示される。
ステップS11における判定がNOの場合、制御装置22はステップS13において、第1アーム31および第2アーム32を延ばす方向に作業スペースが確保できているかどうかを判定する。これは、第1アーム31および第2アーム32を収納した状態でステップS11における判定がNOの場合でも、第1アーム31および第2アーム32を延ばした状態とするなら、アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80を検出し、かつ、放射線照射装置1の周囲に所定の作業用スペースを確保可能なこともあるからである。
ステップS13における判定がYESの場合、制御装置22はステップS12において目標位置を決定する。ステップS13における判定がNOの場合、操作者は放射線照射装置1を、当初とは別の方向から目標位置に近付ける(図7に示したステップS6)。それにより処理の流れは、図7に示したステップS4に戻る。
図8のステップS12において目標位置が決定されると、制御装置22はステップS14において、モニタ23に放射線照射装置1の現在位置、決定された目標位置、障害物を表示させると共に、前述した既定モードすなわち「障害物接近モード」および「目標位置接近モード」のうちの一方を表示させる。この際のモニタ23における表示は、例えば既定モードが「目標位置接近モード」である場合は、
「放射線照射装置:目標位置接近モード
No.5ベッド:モード設定なし
よって目標位置接近モードを採用しました。」
のようなものとされる。
なお図8では、上記2つのモードをまとめて「ナビモード」と表記して示している。操作者はこれらの表示を見て、必要があればステップS15において既定モードではない方の別のモード(この場合は「障害物接近モード」)を選択し、選択したモードを入力部24から制御装置22に入力する。例えば、図15に示した目標位置設定時のモニタ23の表示を見たところ障害物が沢山存在している場合などは、操作者はこのステップS15において「障害物接近モード」を選択する。このモードの選択および入力は、例えばタッチパネル方式のモニタ23に表示された2つのモード名ボタンから1つを選択して、それをタッチすることによってなされる。
制御装置22は次にステップS16において、上記別のモードの選択がなされたかどうかを判定し、選択されたと判定された場合は例えばモニタ23に、
「放射線照射装置:目標位置接近モード
No.8ベッド:障害物接近モード
よって障害物接近モードを採用しました。」
といった表示を出させる。操作者はモニタ23の画面を見て障害物接近モードにあることを確認しながら、放射線照射装置1をさらに目標位置に近付けるように搬送する(ステップS17)。この搬送が続くと、放射線照射装置1は障害物に接近することになる。その状態になると制御装置22はモニタ23に、図16に示すような全周囲画像を表示させる。この際モニタ23には、「ナビを開始します」、「目標の位置」、「現在の位置」、「選択ナビモード:障害物接近モード」といった表示と共に、図中実線Uで示す適切な移動経路、および実線Uが適切な移動経路であることを示す表示「移動経路」が併せて示される。また制御装置22は、上記モニタ23による移動経路の表示と共に、特に「前進して下さい」といった音声による搬送案内を行う。以上のように、画像表示による案内と音声による案内を並行して行えば、操作者が、適切な移動経路の案内を見逃したり、聞き逃したりしても、適切な移動経路を把握することが可能になる。特に、放射線照射装置1が障害物に近接した際には、操作者は障害物を見ることに気を取られがちであるから、スピーカ18の音声の報知による案内を行うのが望ましい。これは、目標位置接近モードおよび障害物接近モードのいずれが設定されている場合でも同じである。
放射線照射装置1の搬送は、放射線照射装置1が目標位置に到達したところで終了する(ステップS18)。この搬送が終了した際のモニタ23の表示画面例を、図17に示す。
なお、上記ステップS15では、特に必要がなければ、既定モードに代えて別のモードを選択する操作はなされなくても構わない。そうした場合はステップS16において、当然、別のモードの選択はなされていないと判定される。この判定がなされた場合、制御装置22はステップS19において放射線照射装置1の動きを検出した上で、「障害物接近モードは選択されていません」等の報知をモニタ23に表示させ、あるいは、その旨をスピーカ18により音声で報知させる。作業者はその報知を確認した上で、放射線照射装置1をさらに目標位置に近付ける搬送を続ける。つまり上記別のモードの選択がなされない場合、換言すれば規定モードに設定されたままの場合、ステップS16およびステップS19の処理が繰り返されるが、操作者はそれに関わりなく放射線照射装置1の搬送を続けることができる。
以下、「障害物接近モード」あるいは「目標位置接近モード」でなされる放射線照射装置1の搬送補助について、図11〜図14を参照して詳しく説明する。なお、以下で説明する搬送補助に関わるモニタ23の表示、およびスピーカ18の音声出力は、基本的に全て制御装置22の指令に基づいてなされるものである。
「障害物接近モード」は、障害物に近付いたら放射線照射装置1の搬送補助を開始するモードで、放射線照射装置1の前方視認性が悪い場合に適したモードである。このモードにおける放射線照射装置1の搬送位置変化の例を図11に示す。なお同図中では障害物を、ハッチングを付した円で示している。この図11では、放射線照射装置1の位置を上方から俯瞰した状態で示してあるが、前述したようにこの状態で示す全周囲画像も、図9および図10の状態で示す全周囲画像の代わりにモニタ23に表示される。その場合、2通りの全周囲画像は、例えば操作者が全周囲画像の表示状態を切り替える指示を入力部24から入力することにより切替表示される。
なお図11では、説明のために、時間経過に伴って変化する放射線照射装置1の位置を3通り示してあるが、全周囲画像を表示する場合は勿論、表示する時点で現在位置にある放射線照射装置1のみがリアルタイムで表示される。そのようにモニタ23に表示される全周囲画像の一例を、図15に示す。ここに示される通り俯瞰状態の全周囲画像では、被検体H、放射線検出器80およびベッド3と共に、放射線照射装置1と、その三方に設定される作業用スペースとしての領域RA、RBおよびRCと、弧状の矢印Mとその両端の線分で示すアーム部30の回動範囲とが表示される。なお上記放射線検出器80の位置に基づいて、放射線照射装置1の目標位置が算出される。すなわち、既知である放射線照射装置1の仕様を参照すれば、放射線検出器80の位置に対して放射線照射装置1をどのような相対位置に配置すれば、正常に放射線画像撮影が可能であるかが分かるので、その相対位置を目標位置とすればよい。
図11に戻って、同図に示す3通りの放射線照射装置1の位置は、時間経過に従って図11の紙面の下から上に、つまり、次第に被検体Hに近付くように変化する。同図で最下位に示す位置から上下方向中央位置までの放射線照射装置1の移動経路、つまり図中破線Tで示す移動経路は、周囲に障害物が存在しないため搬送補助はなされず、操作者が自分の判断のみに基づいて放射線照射装置1を搬送している経路である。
上記の上下方向中央に示す位置に放射線照射装置1が到達すると、周囲に障害物が存在するために、設定されている「障害物接近モード」の搬送補助が開始する。それによりモニタ23には、先に図9に示したような全周囲画像や、あるいは放射線照射装置1の位置を上方から俯瞰した全周囲画像に、搬送補助のための情報が併せて表示される。つまり、図9に示した全周囲画像では前述した通り、例えば矢印Ar等による適切な移動経路、つまり障害物Bと衝突したり干渉したりすることのない移動経路が併せて表示される。また、放射線照射装置1の位置を上方から俯瞰した全周囲画像においては、図11に矢印Uで示す適切な移動経路が併せて表示される。あるいは図6に示したスピーカ18により、「このまま直進して下さい」や「左折して下さい」といった音声による搬送補助のメッセージが報知される。なお、搬送補助がなされているときに、適切な移動経路から放射線照射装置1が外れた場合は、その旨を示す警告報知を例えばスピーカ18による音声等で発生させることが望ましい。そのような警告報知が発せられることにより、操作者は適切な移動経路から放射線照射装置1が外れていることを容易に理解でき、放射線照射装置1を直ぐに適切な移動経路に戻すことができる。
上記の表示や音声による適切な移動経路の報知を参考にして放射線照射装置1が搬送されると、最終的に放射線照射装置1は、図11中で最上位に示す目標位置に到達する。図15の俯瞰状態を示す全周囲画像の表示は、このように放射線照射装置1が図11中で最上位に示す位置に到達したときの状態を示している。図11に示す例では、目標位置において、アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80が存在し、また、設定されている作業用スペースの領域RA、RBおよびRC内に障害物は存在していない。そこで、この状態になったなら、アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80が存在することの報知、および、その時点で放射線照射装置1の搬送を終了させるための報知をさせることが望ましい。そのような報知は、モニタ23の表示による報知とスピーカ18の音声による報知のいずれか一方、あるいは双方によって行うことができる。この報知がなされれば、操作者は、放射線照射装置1が放射線画像撮影可能な位置に配置されたことを容易に把握できるようになる。
なお、以上説明した図11における表示の仕方は、特記しない限り、後述する図12〜図14においても同様である。
次に、障害物の存在状況が、以上説明した場合と異なる場合の搬送補助に関して、図12および図13を参照して説明する。図12に示す例では、放射線照射装置1が目標位置に到達したとき、作業用スペースの領域RA、RBおよびRCのうち、領域RCの一部に障害物が存在するようになる。制御装置22は、全周囲画像に基づいてその旨を検知し、どの領域に障害物が存在するか報知させる。そのような報知は、モニタ23の表示による報知とスピーカ18の音声による報知のいずれか一方、あるいは双方によって行うことができる。
操作者は、図12の矢印Tで示すように放射線照射装置1を搬送している際に、上記報知を受けると、報知された領域RCにおける障害物の存在により、放射線画像撮影の作業が全く不可能になるか、あるいは、その作業への影響はあるものの放射線画像撮影自体は可能であるかを判別する。このとき、操作者が例えば後者であると判別すると、操作者は「障害物接近モード」の搬送補助を開始するように、入力部24から指示を与える。制御装置22はこの指示を受けると搬送補助を開始させる。それにより、例えば放射線照射装置1を俯瞰する状態の全周囲画像に図12中の矢印Uで示す適切な移動経路が表示されたり、また、図9や図10に示す全周囲画像に矢印Arで示す適切な移動経路が表示されたり、さらには、スピーカ18により適切な移動経路を示す音声メッセージが発せられたりする。
図13に示す例でも図12の例と同様に、放射線照射装置1が目標位置に到達したとき、作業用スペースの領域RA、RBおよびRCのうち、領域RCの一部に障害物が存在するようになる。制御装置22は、全周囲画像に基づいてその旨を検知し、どの領域に障害物が存在するか報知させる。そのような報知は、モニタ23の表示による報知とスピーカ18の音声による報知のいずれか一方、あるいは双方によって行うことができる。
操作者は、放射線照射装置1を搬送している際に、上記報知を受けると、報知された領域RCにおける障害物の存在により、放射線画像撮影の作業が全く不可能になるか、あるいは、その作業への影響はあるものの放射線画像撮影自体は可能であるかを判別する。このとき操作者は、アーム部30が延ばされる方向も考慮に入れて、上記の判別を行う。
そしてこの場合は前者であると判別すると、操作者は搬送補助を行うための指示入力は行わない。それによりこの場合は、操作者が自身の判断のみに基づいて放射線照射装置1を搬送し、図13中に矢印Tで示すような移動経路で、当初予定していたのとは別の方向から放射線検出器80および被検体Hに近付ける。その間も全周囲画像が表示され続けるので、目標位置に放射線照射装置1が到達したとき、アーム部30が延ばされても放射線画像撮影が可能であるか否かを操作者は判別できる。ここで、上記別の方向としては、アーム部30が延びる方向に障害物が存在しなくなるような方向が選択される。
なお、図13に示す例では、放射線照射装置1が目標位置に到達したとき、作業用スペースの領域RA、RBおよびRCのうち、領域RCの一部に障害物が存在するようになる。このとき制御装置22が、全周囲画像に基づいてその旨を検知し、どの領域に障害物が有るかに応じて放射線照射位置を決定し、その決定した位置を指定する表示をモニタ23に出させるようにしてもよい。すなわち、例えば図13の例ならば、「装置の左側で放射線を照射して下さい」といった表示がモニタ23においてなされる。操作者はこの表示を見て、アーム部30を例えば図13の可動範囲における最左端の回動位置(回動軸AX4周りの回動の位置)に設定する。こうすれば、右側の作業用スペース領域RCに障害物が存在していても、それに影響を受けずに、左側の作業用スペースの領域RBを使って放射線画像撮影の作業を行うことができる。
なお、以上述べた、障害物の存在により放射線画像撮影の作業が全く不可能になるか、あるいは、その作業への影響はあるものの放射線画像撮影自体は可能であるかを判別すること、並びに、放射線照射装置1を当初予定していたのとは別の方向から放射線検出器80および被検体Hに近付けることは、後述する「目標位置接近モード」の搬送補助において実施されてもよい。
また、以上説明した「障害物接近モード」の搬送補助を設定中、障害物が検知されないために搬送補助が実行されない場合は、放射線照射装置1の現在位置が、目標位置に対して予め定められた距離まで近付いたところで、後述する「目標位置接近モード」の搬送補助が実行されるようにしてもよい。
そのようにする場合の処理の流れを、図18のフローチャートを参照して説明する。この処理はステップS51にて開始し、当初は障害物接近モードが実行されている(ステップS52)。この障害物接近モードの実行中、ステップS53において、放射線照射装置1と目標位置との距離が設定値以下であるかどうかが判別される。この設定値は例えば3m程度とされる。ステップS53においてNOと判別された場合は、ステップS52とステップS53の処理が繰り返される。
ステップS53においてYESと判別された場合は、ステップS54において障害物接近モードから目標位置接近モードに切り替えて搬送補助がなされる。放射線照射装置1はそのまま目標位置に近付いて行き(ステップS55)、ステップS56で処理が終了する。以上により、放射線照射装置1が障害物に近付かないために案内補助がなされず、そのために放射線照射装置1がベッド等に衝突してしまう事態を防止可能となる。
次に図14を参照して、「目標位置接近モード」でなされる放射線照射装置1の搬送補助について説明する。「目標位置接近モード」は、放射線照射装置1の近くにおける障害物の有無に拘わらず、放射線照射装置1が目標位置に近付いたら搬送補助を開始するモードで、放射線照射装置1の前方視認性が良い場合に適したモードである。すなわち、前方視認性が良くて操作者が放射線照射装置1の搬送を容易に行っているのに、画像表示や音声による搬送補助がなされると、操作者の作業の自由性が損なわれて操作者に拘束感を与えてしまうので、放射線照射装置1が目標位置から遠くに有る間は搬送補助を行わないのが望ましい。
このモードにおける放射線照射装置1の搬送位置変化の例を図14に示す。この図14では、放射線照射装置1の位置を上方から俯瞰した状態で示してあるが、前述したようにこの状態で示す全周囲画像も、図9および図10の状態で示す全周囲画像の代わりにモニタ23に表示される。その場合、2通りの全周囲画像は、例えば操作者が全周囲画像の表示状態を切り替える指示を入力部24から入力することにより切替表示される。この表示画像の切替えは、例えば放射線照射装置1が目標位置から比較的遠くに有る間は図9および図10の状態で示す画像を表示させ、目標位置に近付いたら、図15のように放射線検出器80の近傍を示す画像を表示させる、というようになされる。なお、放射線検出器80の近傍を示す画像は、前述した再構成による画像ではなく、1台のカメラが撮影した画像を用いてもよい。また、上述のような切替表示は行わずに、図9および図10の状態の画像だけを表示させる場合は、放射線照射装置1の前方の状況を撮影するカメラを1台だけ用いて、その撮影画像を表示させればよい。
図14に戻って、同図に示す3通りの放射線照射装置1の位置は、時間経過に従って下から上に、つまり被検体Hに近付くように変化する。同図で最下位に示す位置から上下方向中央位置までの放射線照射装置1の移動経路、つまり図中破線Tで示す移動経路は、放射線照射装置1が目標位置に近付いていないため搬送補助はなされず、操作者が自分の考えのみに基づいて放射線照射装置1を搬送している経路である。
上記の上下方向中央に示す位置、つまり、放射線照射装置1の目標位置から予め定められた適当な距離だけ離れた位置に放射線照射装置1が到達すると、設定されている「目標位置接近モード」の搬送補助が開始する。それによりモニタ23には、先に図9に示したような全周囲画像や、あるいは放射線照射装置1の位置を上方から俯瞰した全周囲画像に、搬送補助のための情報が併せて表示される。つまり、図9に示した全周囲画像では前述した通り、例えば矢印Ar等による適切な移動経路、つまり障害物Bと衝突したり干渉したりすることのない移動経路が併せて表示される。また、放射線照射装置1の位置を上方から俯瞰した全周囲画像においては、図14に矢印Uで示す適切な移動経路が併せて表示される。あるいは図6に示したスピーカ18により、「このまま直進して下さい」や「左折して下さい」といった音声による搬送補助のメッセージが音声で報知される。なお、この音声による搬送補助のメッセージは、不要の場合は操作者が煩わしさを感じることもあるので、放射線照射装置1が目標位置にある程度近付くまでは行わないようにしてもよい。また、搬送補助がなされているときに、適切な移動経路から放射線照射装置1が外れた場合は、その旨を示す警告報知を例えばスピーカ18による音声等で発生させることが望ましい。
上記の表示や音声による適切な移動経路の報知を参考にして放射線照射装置1が搬送されると、最終的に放射線照射装置1は、図14中で最上位に示す目標位置に到達する。図14に示す例では、目標位置において、アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80が存在し、また、設定されている作業用スペースの領域RA、RBおよびRC内に障害物は存在していない。そこで、この状態になったなら、アーム部30の可動範囲内に放射線検出器80が存在することの報知、および、その時点で放射線照射装置1の搬送を終了させるための報知をさせることが望ましい。そのような報知は、モニタ23の表示による報知とスピーカ18の音声による報知のいずれか一方、あるいは双方によって行うことができる。
以上説明した「障害物接近モード」あるいは「目標位置接近モード」で放射線照射装置1の搬送補助がなされた後、放射線照射装置1が目標位置に到達したならば、その位置の放射線照射装置1を使用して放射線画像の撮影がなされる。この放射線画像の撮影は、通常は下記の手順でなされる。
まず、車輪部12の車輪回転がロックされ、放射線照射装置1が目標位置に固定される。次にモニタ23における画像表示モードが、再構成された全周囲画像を表示するモードから、被検体H周りの放射線検出器80および放射線照射野を表示するモードに自動あるいは手動で切り替えられる。なお後者の表示モードで表示される画像は、一般には、線源部40に取り付けられた図示外のカメラによって撮影される。この後者の表示モードで表示される画像の一例を、図21に示す。本例では、放射線検出器80と共に、線源部40のコリメータ41Cの位置が表示される。この放射線検出器80の位置は、例えば前述したように無線で識別情報を発するマーカ84A〜84Dを放射線照射装置1側の受信器(図示せず)で検出し、その検出情報に基づいて検出される。またコリメータ41Cの位置は、例えば線源部40の仕様と、検出された線源部40の位置(これはアーム部30の状態から検出可能である)とに基づいて演算されるものである。こうして求められた放射線検出器80およびコリメータ41Cの位置を示す表示が、上記カメラによって撮影された光学画像にオーバーレイ表示される。
操作者は、上記画像を観察しながらアーム部30を操作し、モニタ23の表示画像中に放射線検出器80が見えるようになったら、放射線検出器80を、それまでのスリープ状態から電源ON状態に移行させる。操作者は引き続き上記画像を観察し、そして最終的には被検体Hとその周囲の状況を目視で確認し、例えば放射線検出器80の中心とコリメータ41Cの中心が一致するようにアーム部30を操作し、次いで放射線検出器80を、それまでの待機状態から撮影レディ状態に移行させる。
次いで、放射線曝射、放射線検出器80における電荷蓄積、蓄積電荷に対応した放射線画像の読取り、および画像データの転送の一連の操作がなされて、放射線画像撮影が終了する。
そして、放射線画像撮影が終了すると、モニタ23における表示モードが、自動あるいは手動操作によって全周囲画像表示モードに切り替えられ、放射線照射装置1が別の場所に搬送され得る状態となる。
次に、先に述べた目標位置の設定のタイミングについて、図19および図20を参照して詳しく説明する。この設定については、放射線照射装置1が使用される部屋が複数有って、それぞれの部屋に有るベッドに対して個別に目標位置が設定される場合と、放射線照射装置1が使用される部屋が1つだけ有って、その部屋の中の複数ベッドの各々に対して個別に目標位置が設定される場合とが考えられる。
図19は前者の場合を概略的に示すものである。この例では、救急室A、救急室Bおよび救急室Cの3つの部屋が有り、救急室A、救急室Bおよび救急室C内にそれぞれベッドA、ベッドBおよびベッドCが置かれている。そしてベッドA、ベッドBおよびベッドCの各々の近くに、前述したリーダーA、BおよびCが配置されている。また放射線照射装置1には、前述したICタグ100が取り付けられている。
放射線照射装置1は図示のように、例えば救急室A、救急室Bおよび救急室Cの順で各部屋に入り、各部屋内で目標位置を設定する。まず救急室A内に放射線照射装置1が入室すると、放射線照射装置1が目標位置設定モードに移行する。そして、放射線照射装置1がリーダーAに近付くと、リーダーAがICタグ100を読み取る。この場合は、リーダーAの配置場所が目標位置設定のターゲット場所となる。
以上の通りにして救急室A内で目標位置が設定されたなら、放射線照射装置1が順次救急室B、救急室C内に搬送され、各部屋内で救急室Aにおけるのと同様に目標位置が設定される。
なお、ICタグ100の読み取り距離設定(通常は10m程度)は重要である。すなわち、読み取った位置で放射線照射装置1に搭載されたカメラで全周囲画像を取得したしたとき、その全周囲画像内にベッドが入ることが好ましい。つまり、ベッドが全周囲画像内に入っていないと、目標位置を設定することが不可能になる。また、リーダーA、BおよびCとICタグ100との組み合わせは、事前に放射線照射装置1に登録しておく。また、リーダーA、BおよびCは必ずしもベッドの近くに配設する必要はなく、室内のその他の適当な場所(例えば壁等)でもよい。放射線照射装置1と部屋側のその他の通信としては、ベッドにAP(アクセスポイント)が内蔵されていて、そのAPから定期的に発するビーコン信号を放射線照射装置1側で受信する方法も適用可能である。このような通信方法は、救急室には周辺機器が置かれていたり、点滴の支柱等により障害物となるものが多いことを考慮すると、特に好ましいと言える。
図20は、放射線照射装置1が使用される部屋が1つだけ有って、その部屋の中の複数ベッドの各々に対して個別に目標位置が設定される場合について概略的に示すものである。このような場合、救急室内に複数のベッドがあるので、入室前はもちろん、入室直後も、どのベッドで目標位置を設定してよいか分かり難い。そこで、各ベッドA、ベッドBおよびベッドCにそれぞれリーダーA、BおよびCが配置されていて、各リーダーに放射線照射装置1が近付くことで各リーダーがICタグ100を読み取ることができ、放射線照射装置1が目標位置設定モードへ移行する。
この場合は、リーダーA、BおよびCの方で、各々ICタグ読み取り可能距離が適切に設定される。なお、ベッドA、ベッドBおよびベッドCが非常に近接している場合は、複数のリーダーが読み取り実行してしまう場合があり得る。そのような場合に備えて、放射線照射装置1のモニタ23に、複数のリーダーが読み取り実行したことを表示させて、操作者が目標位置設定するベッドを選択できるようにしておくことが望ましい。
ここで、放射線照射装置1に適用される車輪部に関して、前述したキャスター状の車輪部12以外の例について説明する。図22に示す車輪部は、例えばオムニホイール(登録商標)から構成されたものである。図22は一例として、このオムニホイール700が図1に示した放射線照射装置1の台座11に脚保持部712を介して取り付けられた状態を示している。
オムニホイール700は全方向移動車輪の一つであって、車軸701に取り付けられて回転軸AX11の周りを正逆回転可能である回転体702と、この回転体702の外周部に取り付けられた複数のローラ703とを有している。ローラ703としては、例えば樽型のローラが適用されている。
本例では回転体702において、左右に分けて7個ずつ、つまり合計で14個のローラ703が取り付けられている。左右一方側の7個のローラ703はそれぞれ、回転軸AX11と同軸の1つの円の接線方向に延びる回転軸AX12を中心に正逆回転可能にして、回転体702に取り付けられている。この点は、左右他方側の7個のローラ703についても同様である。また、左右一方側の7個のローラ703はそれぞれ、左右他方側の7個のローラ703同士の隙間に向かい合う位置に配されている。以上の構成を有するオムニホイール700は、車軸701を受承する軸受部704を介して、脚保持部712に取り付けられている。
上記オムニホイール700においては、回転体702と、14個のローラ703とが1つの回転車輪を構成している。すなわち、脚保持部712を有する放射線照射装置に図中の矢印P方向に作用する力が加えられると、回転体702およびローラ703からなる車輪が14個のローラ703を車輪の外周面として回転軸AX11の周りに回転し、脚12の、つまりは放射線照射装置の矢印P方向への移動を容易化する。また、脚保持部712を有する放射線照射装置に図中の矢印Q方向に作用する力が加えられると、接地しているローラ703が回転軸AX12の周りに回転し、脚保持部712の、つまりは放射線照射装置の矢印Q方向への移動を容易化する。
なお、全方向移動車輪としては、以上説明したオムニホイール700の他に、例えば特開2013−081659号公報に示されているメカナムホイールも適用可能である。
1 放射線照射装置
2 装置載置面
3 ベッド
10 脚部
11 台座
12 車輪部
18 スピーカ
20 本体部
21 筐体
22 制御装置
23 モニタ
24 入力部
28A〜28D カメラ
30 アーム部
31 第1アーム
32 第2アーム
40 線源部
50 昇降機構
80 放射線検出器
84A〜84D 放射線検出器のマーカ
100 ICタグ
700 オムニホイール

Claims (21)

  1. 放射線画像記録媒体に対して放射線を照射する放射線源および、前記放射線源の位置を変更可能にして該放射線源を保持した可動の放射線源保持部を搭載し、使用者によって搬送可能とされた放射線照射装置を、前記放射線の照射を行う目標位置まで使用者が搬送することを補助する放射線照射装置の搬送補助方法であって、
    前記放射線源を、前記放射線源保持部によって該放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、前記放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、前記放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定し、
    前記放射線照射装置の現在位置を検出し、
    前記放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出し、
    前記目標位置、前記現在位置および前記障害物の位置に基づいて、前記放射線照射装置を前記目標位置まで搬送することを補助する報知を行うことを特徴とする放射線照射装置の搬送補助方法。
  2. 前記目標位置を設定した後、前記放射線照射装置が、前記目標位置を設定したときの前記目標位置までの距離よりも短い所定距離まで前記目標位置に接近した場合に、前記報知を開始する請求項1記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  3. 前記目標位置を設定した後、前記放射線照射装置が前記障害物まで所定距離に接近した場合に、前記報知を開始する請求項1記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  4. 前記放射線照射装置が前記目標位置にあるときに、前記放射線源の放射線照射位置が放射線照射装置の右側にある場合は、前記作業用スペースを少なくとも前記放射線照射装置の右側に確保し、前記放射線源の放射線照射位置が前記放射線照射装置の左側にある場合は、前記作業用スペースを少なくとも前記放射線照射装置の左側に確保する請求項1から3いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  5. 前記目標位置を設定するために用いる前記放射線画像記録媒体の位置を、前記放射線照射装置に搭載した複数のカメラが撮影した各画像から再構成した画像、および/または1台のカメラが撮影した画像に基づいて検出する請求項1から4いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  6. 前記目標位置を設定するために用いる前記放射線画像記録媒体の位置を、該放射線画像記録媒体が発する無線信号に基づいて検出する請求項1から5いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  7. 前記目標位置を設定するために用いる前記放射線画像記録媒体の位置を、放射線画像撮影のオーダーから取得する請求項1から6いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  8. 前記放射線照射装置の現在位置を、該放射線照射装置に搭載した複数のカメラが撮影した各画像から再構成した画像、および/または1台のカメラが撮影した画像に基づいて検出する請求項1から7いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  9. 前記障害物の位置を、前記放射線照射装置に搭載した複数のカメラが撮影した各画像から再構成した画像、および/または1台のカメラが撮影した画像に基づいて検出する請求項1から8いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  10. 前記目標位置の設定を、前記放射線源を、前記放射線源保持部によって該放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、前記放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、前記放射線照射装置の周囲に前記作業用スペースを確保可能であることに加えて、前記放射線源保持部の可動の範囲内に前記障害物が存在しないことを条件にして行う請求項1から9いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  11. 前記目標位置の設定を、前記放射線源を、前記放射線源保持部によって該放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、前記放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、前記放射線照射装置の周囲に前記作業用スペースを確保可能であることに加えて、前記放射線源保持部の可動の範囲内に前記障害物が存在しているとき障害物の存在が放射線画像撮影を不可能にするものであるか否かを条件にして行う請求項1から9いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  12. 前記報知が、画像を表示する表示手段に表示される画像によるものである請求項1から11いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  13. 前記報知として前記表示手段に表示される画像が、前記放射線照射装置の現在位置から目標位置までの経路を示す表示を含むものである請求項12記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  14. 前記報知として前記表示手段に表示される画像が、前記放射線照射装置の搬送方向前方の視界を示す画像を含むものである請求項12または13記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  15. 前記報知として前記表示手段に表示される画像が、前記放射線照射装置を上方から俯瞰した画像を含むものである請求項12または13記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  16. 前記報知が音声によるものである請求項1から11いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  17. 前記音声による報知が、該報知がなされる時点の前記放射線照射装置の搬送方向に対する搬送方向を知らせるものである請求項16記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  18. 前記報知に基づく適切な移動経路を前記放射線照射装置が搬送されている際に、該適切な移動経路から前記放射線照射装置が外れた場合、外れた旨を知らせる警告報知を発する請求項1から17いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  19. 前記目標位置に前記放射線照射装置が到着した場合、該到着を知らせる報知を発する請求項1から18いずれか1項記載の放射線照射装置の搬送補助方法。
  20. 放射線画像記録媒体に対して放射線を照射する放射線源および、前記放射線源の位置を変更可能にして該放射線源を保持した可動の放射線源保持部を搭載し、使用者によって搬送可能とされた放射線照射装置を、前記放射線の照射を行う目標位置まで使用者が搬送することを補助する放射線照射装置の搬送補助装置であって、
    前記放射線源を、前記放射線源保持部によって該放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、前記放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、前記放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定する目標位置設定手段と、
    前記放射線照射装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    前記放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、
    前記目標位置、前記現在位置および前記障害物の位置に基づいて、前記放射線照射装置を前記目標位置まで搬送することを補助する報知を行う報知手段とを備えたことを特徴とする放射線照射装置の搬送補助装置。
  21. 放射線画像記録媒体に対して放射線を照射する放射線源および、前記放射線源の位置を変更可能にして該放射線源を保持した可動の放射線源保持部を搭載し、使用者によって搬送可能とされた放射線照射装置と、
    前記放射線源を、前記放射線源保持部によって該放射線源の位置を変更させ得る可動範囲内で、前記放射線画像記録媒体に対する放射線画像撮影が可能となる放射線照射位置に配置可能で、かつ、前記放射線照射装置の周囲に作業用スペースを確保可能である放射線照射装置の目標位置を設定する目標位置設定手段と、
    前記放射線照射装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    前記放射線照射装置の搬送に対して障害となる障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、
    前記目標位置、前記現在位置および前記障害物の位置に基づいて、前記放射線照射装置を前記目標位置まで搬送することを補助する報知を行う報知手段とを備えたことを特徴とする放射線画像撮影装置。
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