JPWO2017033740A1 - 導電性基板 - Google Patents

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Abstract

透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面側に形成され、前記透明基材と対向する第1の金属層表面と、前記第1の金属層表面と反対側に位置する第2の金属層表面とを有する金属層と、前記第2の金属層表面上に形成された黒化層とを備え、前記金属層の前記第2の金属層表面の表面粗さRaが0.01μm以上0.1μm以下である導電性基板を提供する。

Description

本発明は、導電性基板に関する。
特許文献1に開示されているように、高分子フィルム上に透明導電膜としてITO(酸化インジウム−スズ)膜を形成したタッチパネル用の透明導電性フィルムが従来から用いられている。
ところで、近年タッチパネルを備えたディスプレイの大画面化が進んでおり、これに対応してタッチパネル用の透明導電性フィルム等の導電性基板についても大面積化が求められている。しかし、ITOは電気抵抗値が高いため、導電性基板の大面積化に対応できないという問題があった。
このため、例えば特許文献2、3に開示されているようにITO膜にかえて銅等の金属箔を用いることが検討されている。しかし、例えば配線層に銅等の金属箔を用いた場合、銅等の金属箔は金属光沢を有しているため、反射によりディスプレイの視認性が低下するという問題がある。
そこで、銅等の金属箔により構成される配線層と共に、黒色の材料により構成される黒化層を形成した導電性基板が検討されている。
日本国特開2003−151358号公報 日本国特開2011−018194号公報 日本国特開2013−069261号公報
しかしながら、近年では導電性基板の光の反射率を特に抑制することが求められる場合があり、係る要求に対しては、黒化層を設けだけでは十分ではない場合があった。
上記従来技術の問題に鑑み、本発明の一側面では光の反射率を十分に抑制した導電性基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
透明基材と、
前記透明基材の少なくとも一方の面側に形成され、前記透明基材と対向する第1の金属層表面と、前記第1の金属層表面と反対側に位置する第2の金属層表面とを有する金属層と、
前記第2の金属層表面上に形成された黒化層とを備え、
前記金属層の前記第2の金属層表面の表面粗さRaが0.01μm以上0.1μm以下である導電性基板を提供する。
本発明の一態様によれば、光の反射率を十分に抑制した導電性基板を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る導電性基板の断面図。 本発明の実施形態に係る導電性基板の断面図。 本発明の実施形態に係る導電性基板の断面図。 本発明の実施形態に係る導電性基板の断面図。 本発明の実施形態に係るメッシュ状の配線を備えた導電性基板の上面図。 図3のA−A´線における断面図。 図3のA−A´線における断面図。 本発明の実施形態に係るロール・ツー・ロールスパッタリング装置の説明図。 本発明の実施形態に係るロール・ツー・ロールめっき装置の説明図。 第2の金属層表面の表面粗さと第2の黒化層表面の表面粗さとの相関図。 第2の金属層表面の表面粗さと反射率との相関図。
以下、本発明の導電性基板、および、導電性基板の製造方法の一実施形態について説明する。
(導電性基板)
本実施形態の導電性基板は、透明基材と、金属層と、黒化層とを備えた構成とすることができる。
そして、金属層は透明基材の少なくとも一方の面側に形成され、透明基材と対向する第1の金属層表面と、第1の金属層表面と反対側に位置する第2の金属層表面とを有することができる。そして、第2の金属層表面の表面粗さRaを0.01μm以上0.1μm以下とすることができる。また、黒化層は、第2の金属層表面上に形成することができる。
なお、本実施形態における導電性基板とは、金属層等をパターニングする前の透明基材の表面に金属層や黒化層を有する基板と、金属層等をパターニングして配線の形状にした基板、すなわち、配線基板とを含む。
ここでまず、本実施形態の導電性基板に含まれる各部材について以下に説明する。
透明基材としては特に限定されるものではなく、可視光を透過する絶縁体フィルムや、ガラス基板等を好ましく用いることができる。
可視光を透過する絶縁体フィルムとしては例えば、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、シクロオレフィン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム等の樹脂フィルム等を好ましく用いることができる。
特に、可視光を透過する絶縁体フィルムの材料として、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、ポリカーボネート等をより好ましく用いることができる。
透明基材の厚さについては特に限定されず、導電性基板とした場合に要求される強度や静電容量、光の透過率等に応じて任意に選択することができる。透明基材の厚さとしては例えば10μm以上200μm以下とすることができる。特にタッチパネルの用途に用いる場合、透明基材の厚さは20μm以上120μm以下とすることが好ましく、20μm以上100μm以下とすることがより好ましい。タッチパネルの用途に用いる場合で、例えば特にディスプレイ全体の厚さを薄くすることが求められる用途においては、透明基材の厚さは20μm以上50μm以下であることが好ましい。
透明基材の全光線透過率は高い方が好ましく、例えば全光線透過率は30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。透明基材の全光線透過率が上記範囲であることにより、例えばタッチパネルの用途に用いた場合にディスプレイの視認性を十分に確保することができる。
なお透明基材の全光線透過率はJIS K 7361−1に規定される方法により評価することができる。
次に金属層について説明する。
金属層を構成する材料は特に限定されず用途にあった電気伝導率を有する材料を選択できるが、例えば、金属層を構成する材料は、Cuと、Ni,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Mn,Co,Wから選ばれる少なくとも1種の以上の金属との銅合金、または銅を含む材料であることが好ましい。また、金属層は銅から構成される銅層とすることもできる。
透明基材の少なくとも一方の面上に金属層を形成する際の金属層の構成は特に限定されるものではないが、光の透過率を低減させないため、金属層と透明基材との間、または、金属層と黒化層との間に接着剤を配置しないことが好ましい。すなわち金属層は、他の部材の上面に直接形成されていることが好ましい。
他の部材の上面に金属層を直接形成するため、金属層は金属薄膜層を有することが好ましい。また、金属層は金属薄膜層と金属めっき層とを有していてもよい。
例えば透明基材の少なくとも一方の面上に、乾式めっき法により金属薄膜層を形成し、該金属薄膜層を金属層とすることができる。これにより、透明基材の少なくとも一方の面上に接着剤を介さずに金属層を形成できる。
金属薄膜層を乾式めっき法により成膜する具体的な方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法や蒸着法等が挙げられる。
また金属層をより厚くする場合には、乾式めっきにより金属薄膜層を成膜後に湿式めっき法により金属めっき層を成膜することもできる。すなわち、例えば透明基材または黒化層上に、乾式めっき法により金属薄膜層を形成し、該金属薄膜層を給電層として、湿式めっき法により金属めっき層を形成することができる。この場合、金属層は金属薄膜層と、金属めっき層とを有することになる。そして、金属層が金属薄膜層と金属めっき層とを有することで、この場合も透明基材上に接着剤を介さずに直接金属層を形成できる。
ここまで説明したように、金属層を乾式めっき法のみ、または乾式めっき法と湿式めっき法とを組み合わせて形成することにより透明基材または黒化層上に接着剤を介さずに直接金属層を形成できるため好ましい。
金属層の厚さは特に限定されるものではなく、金属層を配線として用いた場合に、該配線に供給する電流の大きさや配線幅等に応じて任意に選択することができる。
ただし、金属層が厚くなると、配線パターンを形成するためにエッチングを行う際にエッチングに時間を要するためサイドエッチが生じ易くなり、細線が形成しにくくなる等の問題を生じる場合がある。このため、金属層の厚さは5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
また、特に導電性基板の抵抗値を低くし、十分に電流を供給できるようにする観点から、例えば金属層は厚さが50nm以上であることが好ましく、60nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。
なお、金属層が上述のように金属薄膜層と、金属めっき層を有する場合には、金属薄膜層の厚さと、金属めっき層の厚さとの合計が上記範囲であることが好ましい。
金属層が金属薄膜層により構成される場合、または金属薄膜層と金属めっき層とにより構成される場合のいずれの場合でも、金属薄膜層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば50nm以上500nm以下とすることが好ましい。
本実施形態の導電性基板は、透明基材の少なくとも一方の面上に上記金属層、及び黒化層を有することができる。既述のように例えば金属層の表面に黒化層を配置することで、導電性基板の反射率を抑制できる。しかしながら、導電性基板の光の反射率を特に抑制することが求められる場合があり、係る要求に対しては、黒化層を形成するだけでは十分に応えられない場合があった。
そこで、本発明の発明者らは、導電性基板の光の反射率を特に抑制する方法について鋭意検討を重ねた。そして、透明基材の少なくとも一方の面上に形成した金属層のうち、導電性基板の表層側の面の表面粗さRaを所定の範囲とすることで導電性基板の光の反射を特に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の発明者らの検討によると、導電性基板に例えば黒化層を配置しても、導電性基板に対して照射された光の一部は黒化層を透過し、金属層の表面に到達する場合がある。そして、係る光が金属層表面で反射され、再度黒化層を透過するため、導電性基板の光の反射率を十分に抑制できていない場合があった。そこで、本実施形態の導電性基板においては、金属層のうち、導電性基板の表層側の面の表面粗さRaを所定の範囲とし、例えば黒化層を透過して、金属層に到達した光を乱反射させることで、導電性基板の反射率を抑制することを可能とした。
金属層の透明基材と対向する面を第1の金属層表面とし、第1の金属層表面と反対側に位置する面を第2の金属層表面とする。なお、金属層の第2の金属層表面は、透明基材と対向する第1の金属層表面とは反対側の面、すなわち導電性基板の表層側に位置する面になる。この場合、金属層の第2の金属層表面の表面粗さRaが0.01μm以上0.1μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.07μm以下であることがより好ましい。
第2の金属層表面の表面粗さRaを0.01μm以上とすることで、金属層表面に到達した光を乱反射させ、導電性基板の光の反射率を抑制することができる。
ただし、金属層の第2の金属層表面の表面粗さRaが大きくなりすぎると、導電性基板の色味に影響を与える恐れがある。このため、金属層の第2の金属層表面の表面粗さRaは0.1μm以下であることが好ましい。
なお、表面粗さRaは、JIS B 0601(2013)に算術平均粗さとして規定されており、例えば触針法もしくは光学的方法等により評価することができる。
次に、黒化層について説明する。
金属層は金属光沢を有するため、透明基材上に金属層をエッチングした配線を形成したのみでは金属層が光を反射し、例えばタッチパネル用の配線基板として用いた場合、ディスプレイの視認性が低下するという問題があった。そこで、金属層表面における光の反射を抑制するため、本実施形態の導電性基板においては、透明基材の少なくとも一方の面上に黒化層を設けることができる。
黒化層は例えば、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも1種以上の金属を含むことが好ましい。また、黒化層は、炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素をさらに含むこともできる。
黒化層の材料としては、酸化銅、窒化銅、硫化銅、硫化ニッケル、ニッケル亜鉛、スズニッケル、クロムおよびその化合物から選択されたいずれか1種以上の材料をより好ましく用いることができる。なお、これらの材料を用いる場合においても黒化層は、炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素をさらに含むこともできる。
黒化層の形成方法は特に限定されるものではなく、任意の方法により形成することができ、例えば乾式法、または湿式法により成膜することができる。
黒化層を乾式法により成膜する場合、その具体的な方法は特に限定されるものではないが、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法や蒸着法等の乾式めっき法を好ましく用いることができる。黒化層を乾式法により成膜する場合、膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。なお、黒化層には上述のように炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を添加することもでき、この場合は反応性スパッタリング法をさらに好ましく用いることができる。
黒化層を湿式法により成膜する場合には、黒化層の材料に応じためっき液を用い、例えばめっき法により成膜することができる。
なお、特に生産性良く成膜できることから、黒化層は湿式法により成膜することが好ましい。そして、湿式法により黒化層を成膜する場合、黒化層の材料としてニッケル亜鉛を好ましく用いることができる。これは、ニッケル亜鉛を用いた黒化層を成膜する場合、環境への影響が少なく、湿式めっきにより成膜しやすいからである。
ニッケル亜鉛を用いた黒化層は、少なくともニッケルイオンおよび亜鉛イオンを含むめっき液を用いて、めっき法により成膜することができる。なお、黒化層中に含まれる亜鉛の量を調整できるように、めっき液中の亜鉛濃度を調整できるようにめっき液を構成することが好ましい。
黒化層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば15nm以上であることが好ましく、25nm以上であることがより好ましい。これは、黒化層の厚さが薄い場合には、金属層表面における光の反射を十分に抑制できない場合があるため、上述のように黒化層の厚さを15nm以上とすることにより金属層表面における光の反射を特に抑制できるように構成することが好ましいためである。
黒化層の厚さの上限値は特に限定されるものではないが、必要以上に厚くすると応力により基板が湾曲し易くなる。また、黒化層を必要以上に厚くしても成膜に要する時間や、配線を形成する際のエッチングに要する時間が長くなり、コストの上昇を招くことになる。このため、黒化層の厚さは70nm以下とすることが好ましく、50nm以下とすることがより好ましい。
また、導電性基板の光の反射率を特に抑制する観点から、黒化層についても表面粗さRaが所定の範囲にあることが好ましい。ここで、黒化層の透明基材と対向する面を第1の黒化層表面とし、第1の黒化層表面と反対側に位置する面を第2の黒化層表面とする。なお、第2の黒化層表面は透明基材と対向する第1の黒化層表面とは反対側の面、すなわち導電性基板の表層側に位置する面になる。
この場合、第2の黒化層表面の表面粗さRaが0.016μm以上0.09μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.07μm以下であることがより好ましい。
これは第2の黒化層表面の表面粗さを、0.016μm以上とすることで、黒化層表面で光を乱反射させ、導電性基板の光の反射率を特に抑制することが可能になるからである。ただし、第2の黒化層表面の表面粗さが0.09μmを超えると、黒化層の色味が白っぽくなる場合がある。黒化層の色味が白っぽくなることで、導電性基板をディスプレイ用のタッチパネル等の用途等に用いた場合に、ディスプレイの視認性を低下させる恐れがあるため、0.09μm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の導電性基板は1層または2層以上の黒化層を有することができる。本実施形態の導電性基板に含まれるすべての黒化層について第2の黒化層表面の表面粗さRaが上記範囲であっても良く、一部の黒化層の第2の黒化層表面の表面粗さが上記範囲であってもよい。ただし、第2の黒化層表面の表面粗さを上記範囲とすることで導電性基板の光の反射率を特に抑制する効果を有することから、導電性基板に含まれる黒化層のうち、少なくとも最表層側の黒化層について、第2の黒化層表面の表面粗さが上記範囲を充足することが好ましい。
具体的には、例えば後述する図2Aに示した導電性基板20Aの場合、第2の黒化層132の第2の黒化層表面132aについて、表面粗さが上記範囲を充足することが好ましい。また、後述する図2Bに示した導電性基板20Bの場合、第2の黒化層132A、および/または132Bについて第2の黒化層表面について表面粗さが上記範囲を満たすことが好ましい。
次に、本実施形態の導電性基板の構成例について説明する。
上述のように、本実施形態の導電性基板は透明基材と、金属層と、黒化層と、を備えることができる。この際、金属層と、黒化層との層の数は特に限定されるものではなく、それぞれ1層づつ形成することもできるが、複数層形成することもできる。
金属層表面での光の反射の抑制のため、金属層の表面のうち光の反射を特に抑制したい面に黒化層が配置されていることが好ましい。このため、例えば第1の金属層表面、及び第2の金属層表面における光の反射を抑制する場合には、黒化層が金属層の第1の金属層表面、及び第2の金属層表面と接するように2層の黒化層を形成した積層構造とすることができる。すなわち、金属層は黒化層に挟まれた構造を有することができる。
具体的な構成例について、図1A、図1B、図2A、図2Bを用いて以下に説明する。図1A、図1B、図2A、図2Bは、本実施形態の導電性基板の、透明基材、金属層、黒化層の積層方向と平行な面における断面図の例を示している。
例えば、図1Aに示した導電性基板10Aのように、透明基材11の一方の面11a側に金属層12と、黒化層13と、を一層ずつその順に積層することができる。
図1Aに示した導電性基板10Aにおいては、金属層12の透明基材11と対向する面が第1の金属層表面12aとなり、第1の金属層表面12aと反対側に位置する面が第2の金属層表面12bとなる。また、黒化層13の透明基材11と対向する面が第1の黒化層表面13aとなり、第1の黒化層表面13aと反対側に位置する面が第2の黒化層表面13bとなる。図1Aに示した導電性基板10Aのように、本実施形態の導電性基板においては、黒化層13が、金属層12の第2の金属層表面12b上に形成された積層構造となる。すなわち、黒化層13は、金属層12の第2の金属層表面12bを覆うように形成されている。
また、図1Bに示した導電性基板10Bのように、透明基材11の一方の面11a側と、もう一方の面(他方の面)11b側と、にそれぞれ金属層12A、12Bと、黒化層13A、13Bと、を一層ずつその順に積層することができる。
黒化層はここまで説明したように金属層の第2の金属層表面上に配置することができるが、係る黒化層に加えて、透明基材と金属層との間にも黒化層を配置することができる。すなわち、黒化層を透明基材11の1つの面側に複数層設けた構成とすることもできる。例えば図2Aに示した導電性基板20Aのように、透明基材11の一方の面11a側に、第1の黒化層131と、金属層12と、第2の黒化層132と、をその順に積層することができる。図2Aに示した導電性基板20Aにおいては、金属層12の第2の金属層表面上に配置された第2の黒化層132に加えて、第1の黒化層131を透明基材11と金属層12との間に配置した積層構造となっている。
この場合も透明基材11の両面に金属層、第1の黒化層、第2の黒化層を積層した構成とすることができる。具体的には図2Bに示した導電性基板20Bのように、透明基材11の一方の面11a側と、もう一方の面(他方の面)11b側と、にそれぞれ第1の黒化層131A、131Bと、金属層12A、12Bと、第2の黒化層132A、132Bと、をその順に積層できる。
なお、図1B、図2Bでは、透明基材の両面に金属層と、黒化層と、を積層した場合において、透明基材11を対称面として透明基材11の上下に積層した層が対称になるように配置した例を示したが、係る形態に限定されるものではない。例えば、図2Bにおいて、透明基材11の一方の面11a側の構成を図1Aの構成と同様に、金属層12と、黒化層13と、をその順に積層した形態とし、透明基材11の上下に積層した層を非対称な構成としてもよい。
ここまで、本実施形態の導電性基板について説明してきたが、本実施形態の導電性基板においては、透明基材上に金属層と、黒化層とを設け、金属層の第2の金属層表面の表面粗さを所定の範囲としているため、金属層による光の反射を特に抑制することができる。
本実施形態の導電性基板の光の反射の程度については特に限定されるものではないが、例えば本実施形態の導電性基板は、波長400nm以上700nm以下の光の反射率の平均(平均反射率)は20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。これは波長400nm以上700nm以下の光の平均反射率が20%以下の場合、例えばタッチパネル用の導電性基板として用いた場合でもディスプレイの視認性を特に高めることができるためである。
反射率の測定は、黒化層に光を照射するようにして測定を行うことができる。すなわち、導電性基板に含まれる金属層及び黒化層のうち、黒化層側から測定を行うことができる。
具体的には例えば図1Aのように透明基材11の一方の面11aに金属層12、黒化層13の順に積層した場合、黒化層13に光を照射できるように、最表面Aに対して光を照射するようにして測定できる。
なお、後述のように導電性基板は金属層及び黒化層をエッチングすることにより配線を形成できるが、上記反射率は導電性基板のうち透明基材を除いた場合に最表面に配置されている黒化層の、光が入射する側の表面における反射率を示している。このため、エッチング処理前、または、エッチング処理を行った後であれば、金属層及び黒化層が残存している部分での測定値が上記範囲を満たしていることが好ましい。
なお、波長400nm以上700nm以下の光の平均反射率とは、400nm以上700nm以下の範囲内で波長を変化させて測定を行った際の測定結果の平均値を意味している。測定の際、波長を変化させる幅は特に限定されないが、例えば、10nm毎に波長を変化させて上記波長範囲の光について測定を行うことが好ましく、1nm毎に波長を変化させて上記波長範囲の光について測定を行うことがより好ましい。
本実施形態の導電性基板は上述のように例えばタッチパネル用の導電性基板として好ましく用いることができる。この場合、導電性基板はメッシュ状の配線を備えた構成とすることができる。
メッシュ状の配線を備えた導電性基板は、ここまで説明した本実施形態の導電性基板の金属層及び黒化層をエッチングすることにより得ることができる。
例えば、二層の配線によりメッシュ状の配線とすることができる。具体的な構成例を図3に示す。図3はメッシュ状の配線を備えた導電性基板30を金属層、黒化層の積層方向の上面側から見た図を示している。図3に示した導電性基板30は、透明基材11と、図中Y軸方向に平行な複数の配線31AとX軸方向に平行な配線31Bとを有している。なお、配線31A、31Bは金属層をエッチングして形成されており、該配線31A、31Bの上面および/または下面には図示しない黒化層が形成されている。また、黒化層は配線31A、31Bと同じ形状にエッチングされている。
透明基材11と配線31A、31Bとの配置は特に限定されない。透明基材11と配線との配置の構成例を図4A、図4Bに示す。図4A、図4Bは図3のA−A´線での断面図に当たる。
まず、図4Aに示したように、透明基材11の上下面にそれぞれ配線31A、31Bが配置されていてもよい。なお、この場合、配線31Aの上面、及び配線31Bの下面には、それぞれ配線と同じ形状にエッチングされた黒化層32A、32Bが配置されている。
また、図4Bに示したように、1組の透明基材11を用い、一方の透明基材11を挟むように一方の透明基材11の上下面に配線31A、31Bを配置し、かつ、一方の配線31Bは透明基材11間に配置されてもよい。この場合も、配線31A、31Bの上面には配線と同じ形状にエッチングされた黒化層32A、32Bが配置されている。
ただし、黒化層は金属層表面のうち光の反射を特に抑制したい面に配置されていることが好ましい。このため、図4Bに示した導電性基板において、例えば、図中下面側からの光の反射を抑制する必要がある場合には、黒化層32A、32Bに加えて、配線31A、31Bと透明基材11との間に、配線と同じ形状にエッチングされた黒化層をさらに設けてもよい。
図3及び図4Aに示したメッシュ状の配線を有する導電性基板は例えば、図1B、図2Bのように透明基材11の両面に金属層12A、12Bと、黒化層13A、13B(131A、132A、131B、132B)と、を備えた導電性基板から形成することができる。
図1Bの導電性基板を用いて形成した場合を例に説明すると、まず、透明基材11の一方の面11a側の金属層12A及び黒化層13Aを、図1B中Y軸方向に平行な複数の線状のパターンがX軸方向に所定の間隔をあけて配置されるようにエッチングを行う。図1B中のY軸方向とは、図1B中の紙面と垂直な方向を意味している。
そして、透明基材11のもう一方の面11b側の金属層12B及び黒化層13Bを図1B中X軸方向と平行な複数の線状のパターンがY軸方向に所定の間隔をあけて配置されるようにエッチングを行う。なお、図1B中のX軸方向は、各層の幅方向と平行な方向を意味している。
以上の操作により図3、図4Aに示したメッシュ状の配線を有する導電性基板を形成することができる。なお、透明基材11の両面のエッチングは同時に行うこともできる。すなわち、金属層12A、12B、黒化層13A、13Bのエッチングは同時に行ってもよい。
図3に示したメッシュ状の配線を有する導電性基板は、図1Aまたは図2Aに示した導電性基板を2枚用いることにより形成することもできる。図1Aの導電性基板を用いた場合を例に説明すると、図1Aに示した導電性基板2枚についてそれぞれ、金属層12及び黒化層13を、X軸方向と平行な複数の線状のパターンがY軸方向に所定の間隔をあけて配置されるようにエッチングを行う。そして、上記エッチング処理により各導電性基板に形成した線状のパターンが互いに交差するように向きをあわせて2枚の導電性基板を貼り合せることによりメッシュ状の配線を備えた導電性基板とすることができる。2枚の導電性基板を貼り合せる際に貼り合せる面は特に限定されるものではなく、図4Bのように導電性基板のうち、金属層12等が積層された側の面である、例えば図1Aにおける第2の黒化層表面13bと、金属層12等が積層されていない側の面である図1Aにおける面11bとを貼り合せてもよい。
なお、黒化層は金属層表面のうち光の反射を特に抑制したい面に配置されていることが好ましい。このため、図4Bに示した導電性基板において、図中下面側から光の反射を抑制する必要がある場合には、黒化層32A、32Bに加えて、配線31A、31Bと透明基材11との間に、黒化層をさらに設けてもよい。この場合、図1Aに示した導電性基板10Aに替えて、図2Aに示した導電性基板20Aを用いて、上述の場合と同様にエッチングを行うことで、配線31A、31Bと、透明基材11との間に、さらに黒化層を設けた構成とすることができる。
また、例えば透明基材11の金属層12等が積層されていない側の面である図1Aにおける面11b同士を貼り合せて断面が図4Aに示した構造となるように貼り合せてもよい。
なお、図3、図4A、図4Bに示したメッシュ状の配線を有する導電性基板における配線の幅や、配線間の距離は特に限定されるものではなく、例えば、配線に流す電流量等に応じて選択することができる。
また、図3、図4A、図4Bにおいては、直線形状の配線を組み合わせてメッシュ状の配線(配線パターン)を形成した例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、配線パターンを構成する配線は任意の形状とすることができる。例えばディスプレイの画像との間でモアレ(干渉縞)が発生しないようメッシュ状の配線パターンを構成する配線の形状をそれぞれ、ぎざぎざに屈曲した線(ジグザグ直線)等の各種形状にすることもできる。
このように2層の配線から構成されるメッシュ状の配線を有する導電性基板は、例えば投影型静電容量方式のタッチパネル用の導電性基板として好ましく用いることができる。
(導電性基板の製造方法)
次に本実施形態の導電性基板の製造方法の構成例について説明する。
本実施形態の導電性基板の製造方法は、透明基材を準備する透明基材準備工程と、
透明基材の少なくとも一方の面側に、透明基材と対向する第1の金属層表面と、第1の金属層表面と反対側に位置する第2の金属層表面とを有する金属層を形成する金属層形成工程と、
第2の金属層表面上に黒化層を形成する黒化層形成工程とを有することができる。
また、第2の金属層表面の表面粗さRaは0.01μm以上0.1μm以下とすることが好ましい。
以下に本実施形態の導電性基板の製造方法について説明するが、以下に説明する点以外については上述の導電性基板の場合と同様の構成とすることができるため説明を省略している。
透明基材を準備する工程は、例えば可視光を透過する絶縁体フィルムや、ガラス基板等により構成された透明基材を準備する工程であり、具体的な操作は特に限定されるものではない。例えば後段の工程での各工程に供するため必要に応じて任意のサイズに切断等を行うことができる。なお、好適に用いることができる透明基材については既述のため、説明を省略する。
次に金属層形成工程について説明する。
そして、金属層は既述のように、金属薄膜層を有することが好ましい。また、金属層は金属薄膜層と金属めっき層とを有することもできる。このため、金属層形成工程は、例えば乾式めっき法により金属薄膜層を形成する工程を有することができる。また、金属層形成工程は、乾式めっき法により金属薄膜層を形成する工程と、該金属薄膜層を給電層として、湿式めっき法の一種である電気めっき法により金属めっき層を形成する工程と、を有していてもよい。
上述のように乾式めっき法のみ、又は乾式めっき法と湿式めっき法とを組み合わせて金属層を形成することにより透明基材または黒化層上に接着剤を介さずに直接金属層を形成できるため好ましい。
金属薄膜層を形成する工程で用いる乾式めっき法としては、特に限定されるものではなく、例えば、蒸着法、スパッタリング法、又はイオンプレーティング法等を用いることができる。なお、蒸着法としては真空蒸着法を好ましく用いることができる。金属薄膜層を形成する工程で用いる乾式めっき法としては、特に膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることが好ましい。
金属薄膜層は例えばロール・ツー・ロールスパッタリング装置を用いて好適に成膜することができる。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置を用いた場合を例に金属薄膜層を形成する工程を説明する。
図5はロール・ツー・ロールスパッタリング装置50の一構成例を示している。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置50は、その構成部品のほとんどを収納した筐体51を備えている。
図5において筐体51の形状は直方体形状として示しているが、筐体51の形状は特に限定されるものではなく、内部に収容する装置や、設置場所、耐圧性能等に応じて任意の形状とすることができる。例えば筐体51の形状は円筒形状とすることもできる。
ただし、成膜開始時に成膜に関係ない残留ガスを除去するため、筐体51内部は10−3Pa以下まで減圧できることが好ましく、10−4Pa以下まで減圧できることがより好ましい。なお、筐体51内部全てが上記圧力まで減圧できる必要はなく、スパッタリングを行う、後述するキャンロール53が配置された図中下側の領域のみが上記圧力まで減圧できるように構成することもできる。
筐体51内には、金属薄膜層を成膜する基材を供給する巻出ロール52、キャンロール53、スパッタリングカソード54a〜54d、巻取ロール55等を配置することができる。また、金属薄膜層を成膜する基材の搬送経路上には、上記各ロール以外に任意にガイドロールや、ヒーター56等を設けることもできる。
巻出ロール52、キャンロール53、巻取ロール55等にはサーボモータによる動力を備えることができる。巻出ロール52、巻取ロール55は、パウダークラッチ等によるトルク制御によって金属薄膜層を成膜する基材の張力バランスが保たれるように構成できる。
キャンロール53の構成についても特に限定されないが、例えばその表面が硬質クロムめっきで仕上げられ、その内部には筐体51の外部から供給される冷媒や温媒が循環し、略一定の温度に調整できるように構成されていることが好ましい。
スパッタリングカソード54a〜54dは、マグネトロンカソード式でキャンロール53に対向して配置することが好ましい。スパッタリングカソード54a〜54dのサイズは特に限定されないが、スパッタリングカソード54a〜54dの金属薄膜層を成膜する基材の幅方向の寸法は、金属薄膜層を成膜する基材の幅より広いことが好ましい。
金属薄膜層を成膜する基材は、ロール・ツー・ロール真空成膜装置であるロール・ツー・ロールスパッタリング装置50内を搬送されて、キャンロール53に対向するスパッタリングカソード54a〜54dで金属薄膜層が成膜される。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置50を用いて金属薄膜層を成膜する場合、成膜する組成に対応したターゲットをスパッタリングカソード54a〜54dに装着する。そして、金属薄膜層を成膜する基材を巻出ロール52にセットした装置内を真空ポンプ57a、57bにより真空排気した後、アルゴン等のスパッタリングガスを気体供給手段58により筐体51内に導入することができる。気体供給手段58の構成は特に限定されないが、図示しない気体貯蔵タンクを有することができる。そして、気体貯蔵タンクと筐体51との間に、ガス種ごとにマスフローコントローラー(MFC)581a、581b、及びバルブ582a、582bを設け、各ガスの筐体51内への供給量を制御できるように構成できる。図5ではマスフローコントローラーと、バルブとを2組設けた例を示しているが、設置する数は特に限定されず、用いるガス種の数に応じて設置する数を選択することができる。スパッタリングガスを筐体51内に供給する際、スパッタリングガスの流量及び、真空ポンプ57bと筐体51との間に設けられた圧力調整バルブ59の開度とを調整して装置内を例えば0.13Pa以上1.3Pa以下に保持し、成膜を実施することが好ましい。
この状態で、巻出ロール52から基材を例えば毎分1m以上20m以下の速さで搬送しながら、スパッタリングカソード54a〜54dに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給してスパッタリング放電を行う。これにより基材上に所望の銅薄膜層を連続成膜することができる。
なお、ロール・ツー・ロールスパッタリング装置50は上述した部材以外にも任意の部材を設けることができる。例えば図5に示したように、筐体51内の真空度を測定するための真空計60a、60bや、ベントバルブ61a、61b等を設けることができる。
次に金属めっき層を形成する工程について説明する。湿式めっき法により金属めっき層を形成する工程における条件、すなわち、電気めっき処理の条件は、特に限定されるものではなく、常法による諸条件を採用すればよい。例えば、金属めっき液を入れためっき槽に金属薄膜層を形成した基材を供給し、電流密度や、基材の搬送速度を制御することによって、金属めっき層を形成できる。
ここで、図6に本実施形態の導電性基板の製造方法の、湿式めっき法により金属めっき層を形成する工程において好適に用いることができるロール・ツー・ロール連続電気めっき装置(以下めっき装置70という)の一構成例を示す。
透明基材の少なくとも一方の面に金属薄膜層を成膜した金属薄膜層付透明基材F2は、巻出ロール71から巻き出され、電気めっき槽72内のめっき液721への浸漬を繰り返しながら連続的に搬送される。なお、721aはめっき液の液面を指している。
金属薄膜層付透明基材F2は、めっき液721に浸漬されている間に電気めっきにより金属薄膜層の表面に金属めっき層が成膜され、所定の膜厚の金属層が形成された後、導電性基板Sとして、巻取ロール73に巻き取れられる。なお、金属薄膜層付透明基材F2の搬送速度は、0.1m/分〜数十m/分の範囲が好ましい。
具体的に説明すると、金属薄膜層付透明基材F2は、巻出ロール71から巻き出され、給電ロール74aを経て、電気めっき槽72内のめっき液721に浸漬される。電気めっき槽72内に入った金属薄膜層付透明基材F2は、反転ロール75aを経て搬送方向が反転され、給電ロール74bにより電気めっき槽72外へ引き出される。
このように、金属薄膜層付透明基材F2が、めっき液外の給電ロール74a〜74eと、めっき液内の反転ロール75a〜75dとにより搬送されることで、めっき液への浸漬を複数回(図6では4回)繰り返すこととなる。そして、電気めっき槽72内の金属薄膜層付透明基材F2の搬送経路上には、アノード76a〜76hが配置されており、金属薄膜層付透明基材F2の金属薄膜層上に金属めっき層を形成できる。
給電ロール74aとアノード76aとの間には電源(図示せず)を接続しておくことができる。そして、給電ロール74a、アノード76a、めっき液、金属薄膜層付透明基材F2および電源により、電気めっき回路を構成できる。
なお、アノード76aの構成は特に限定されるものではなく、例えば導電性セラミックで表面をコーティングしたアノード等を用いることができる。
また、電気めっき槽72の外部に、めっき液721に金属めっき層を構成するための金属イオンを供給する機構を備えることができる。めっき液721への金属イオンを供給する方法は特に限定されるものではないが、例えば金属イオンとして銅イオンを供給する場合であれば、以下のいずれかの供給方法を用いることができる。
例えばめっき槽72に対して酸化銅水溶液、水酸化銅水溶液、炭酸銅水溶液等を供給することにより、めっき槽72内のめっき液721に銅イオンを供給できる。
もしくはめっき液721中に微量の鉄イオンを添加して、無酸素銅ボールを溶解してめっき槽72内のめっき液721に銅イオンを供給することもできる。
金属めっき層を成膜する際のめっき中における電流密度は、アノード76aから搬送方向下流に進むにつれて電流密度を段階的に上昇させ、アノード76gから76hで最大の電流密度となるようにすることが好ましい。
このように電流密度を上昇させることで、成膜する金属めっき層の変色を防ぐことができる。特に金属めっき層の膜厚が薄い場合に電流密度が高いと金属めっき層の変色が起こりやすいために、めっき中の電流密度は、後述するPeriodic Reverse電流めっきを行う場合の反転電流を除き0.1A/dm以上8A/dm以下が望ましい。これは、0.1A/dm以上とすることで、十分な速度で金属めっき層を成膜でき、8A/dm以下とすることで、成膜した金属めっき層に外観不良が生じることを抑制できるからである。
本実施形態の導電性基板においては既述のように、金属層形成工程で形成する金属層は、透明基材と対向する第1の金属層表面と、第1の金属層表面と反対側に位置する第2の金属層表面とを有することができる。そして、第2の金属層表面の表面粗さRaは0.01μm以上0.1μm以下とすることが好ましい。
金属層のうち、第2の金属層表面は、金属層の表面のうち、導電性基板の表層側に位置する表面になる。そして、第2の金属層表面を所望の表面粗さRaとする方法は特に限定されるものではなく、任意の方法を用いることができる。
第2の金属層表面を所望の表面粗さとする方法としては、例えば、成膜した金属層の表面をエッチングまたは化学研磨により表面処理することにより所望の表面粗さとする方法が挙げられる。
また、金属薄膜層を成膜する際のスパッタリング条件を選択することにより、金属薄膜層の最表面の表面粗さを所望の表面粗さとする方法が挙げられる。なお、金属層が金属薄膜層のみから構成される場合には、金属薄膜層の最表面が、金属層についての所望の表面粗さとなるようにスパッタリングの条件を選択することができる。また、金属層が金属薄膜層と金属めっき層とを有する場合には、金属薄膜層上に金属めっき層を成膜した際に、金属めっき層の表面粗さが金属層についての所望の表面粗さとなるように金属薄膜層を成膜する際のスパッタリングの条件を選択することができる。
その他の方法として、金属層が金属薄膜層と、金属めっき層とを含む場合に、金属めっき層を成膜する際のめっき条件を選択することにより、金属層の最表面を所望の表面粗さとすることができる。
具体的には例えば金属めっき層を成膜する際、金属めっき層を成膜する工程の後半の任意のタイミングで、通常のめっき時よりも電流密度(Dk値)を低下させ、低電流密度で金属めっき層を成膜する方法が挙げられる。低電流密度で金属めっき層を成膜することで、電流密度を下げる前よりも成膜した金属めっき層の表面を粗くすることができるため、電流密度を調整することで、所望の表面粗さとすることができる。
また、金属めっき層を成膜する際にPR電流(Periodic Reverse電流)めっきを行うことにより金属層の表面粗さを所望の表面粗さとすることができる。PR電流めっきは金属めっき層を成膜する際に電流の方向を任意のタイミングで反転させるめっき方法であり、電流の方向は周期的に反転させることができる。PR電流めっきにおいて、電流のめっきを反転させることで、成膜した金属めっきの一部が溶解する。このため、金属めっき層の表面粗さを容易に調整することができる。
第2の金属層表面を所望の表面粗さとする方法として、金属層をエッチングまたは化学研磨する方法、金属薄膜層のスパッタリング条件を選択する方法、低電流密度を用いためっき法、PR電流めっき法を挙げたが、これらはいずれか1つの方法選択して実施することができる。または2つ以上の方法を選択し、組み合わせることで、第2の金属層表面を所望の表面粗さとすることもできる。
第2の金属層表面を所望の表面粗さとする方法として、上述の方法の中では特にPR電流めっき法を用いることが好ましい。これはめっき時に供給する電流の向きを任意のタイミングで反転させることで比較的容易に金属層の表面を所望の表面粗さとすることができるからである。
ここで、PR電流めっき法を用いて、第2の金属層表面の表面粗さを所望の範囲とする方法について以下に説明する。
PR電流めっき法を用いて第2の金属層表面の表面粗さを所望の範囲とする場合には、金属めっき層の第2の金属層表面から100nm以上1500nm以下の範囲についてPR電流めっき法を用いて成膜することが好ましい。なお、金属めっき層のうち一部をPR電流めっき法を用いて成膜する場合、例えば通常の電気めっき法により金属めっき層の成膜を開始した後、第2の金属層表面から所定の範囲の厚さについてPR電流めっき法を用いて金属めっき層を成膜することができる。
PR電流を使用する場合、通常のめっき時の電流(正電流)とは電流の向きを反転させた反転電流は、電流値が正電流の1倍以上9倍以下となるように加えると良い。これは、正電流の1倍以上とすることで、成膜した金属めっき層の表面の一部を効率よく融解させることができるからである。そして、9倍以下とすることで、金属めっき層の表面が急激に融解し、第2の金属層表面の表面粗さが大きくなりすぎることを防止することができるからである。
反転電流時間割合としては、PR電流めっき法を用いてめっきを行うめっき時間のうち、1%以上20%以下が望ましい。これはめっき時間のうち反転電流時間割合を1%以上とすることで、成膜した金属めっき層の表面の一部を十分に融解させ、表面粗さを大きくすることができるからである。また、めっき時間のうち反転電流時間割合を20%以下とすることで、成膜した金属めっき層の表面が大幅に融解し、金属めっき層の成膜速度が大幅に低下することを抑制できるからである。
また、PR電流めっき法において、反転電流を流し終えてから次の反転電流を流すまでの間隔、すなわち反転電流の周期は、10m秒以上300m秒以下が好ましく、20m秒以上300m秒以下がより好ましい。これは反転電流を流してから、正電流を流す時間が10m秒未満では、正電流を再度流し始めてから金属めっき層の成膜が十分に進行していない時点で反転電流を流すことになり、金属めっき層の成膜速度が落ち、生産性が低下する恐れがあるからである。また、反転電流を流してから、正電流を流す時間が300m秒を超えると、正電流を流し始めてから次に反転電流を流すまでに成膜された金属めっき層の膜厚が厚くなる恐れがある。この様に正電流を流して成膜した金属めっき層の膜厚が厚くなると、正電流を流す前に反転電流を流したことで金属めっき層の表面粗さを高くした効果が低減し、生産性が低くなる恐れがあるからである。
なお、めっき電圧は、例えば上述の電流密度や、反転電流と正電流とのめっき時間等が実現できるように適宜調整することができる。
図6に示しためっき装置70によりPR電流めっき法を実施する場合、例えば金属薄膜層付透明基材F2の搬送経路の下流側から1つ以上のアノードで正電流と反転電流とを周期的に反転させるPR電流を流すことで実施できる。PR電流を流すアノード数は、金属めっき層の表面から透明基材側にPR電流めっき法で金属めっき層を成膜する範囲の割合をどのようにするかで決まる。例えばめっき槽72内に設置したアノード76a〜76hのうち、アノード76hには正電流と反転電流とを周期的に反転させるPR電流を供給し、必要に応じてアノード76g、アノード76f、アノード76e等にもPR電流を供給できる。
なお、全アノードにPR電流を供給して、金属めっき層全てをPR電流めっき法により成膜することもできるが、PR電流用の整流器が高価な為、製造コストが増加する恐れがある。そして、金属めっき層全体をPR電流めっき法により成膜する必要はなく、例えば第2の金属層表面から透明基材方向に100nm以上1500nm以下の膜厚をPR電流めっき法で成膜すれば、第2の金属層表面の表面粗さを所望の範囲とすることができる。このため、上述の様に、めっき装置70に設置したアノードのうち、金属薄膜層付透明基材F2の搬送経路の下流側の一部のアノードについてのみPR電流を供給することが好ましい。
次に、黒化層形成工程について説明する。
黒化層形成工程において黒化層は任意の方法により形成することができる。例えば乾式法、または湿式法により成膜することができる。
黒化層を乾式法により成膜する場合、その具体的な方法は特に限定されるものではないが、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法や蒸着法等の乾式めっき法を好ましく用いることができる。黒化層を乾式法により成膜する場合、膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。なお、黒化層には既述のように炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を添加することもできるが、この場合は反応性スパッタリング法をさらに好ましく用いることができる。
黒化層を湿式法により成膜する場合には、黒化層の材料に応じためっき液を用い、例えばめっき法により成膜することができる。
なお、特に生産性良く成膜できることから、黒化層は湿式法により成膜することが好ましい。そして、湿式法により黒化層を成膜する場合、黒化層の材料としてニッケル亜鉛を好ましく用いることができる。
ニッケル亜鉛を用いた黒化層は、少なくともニッケルイオンおよび亜鉛イオンを含むめっき液を用いてめっき法により成膜することができる。なお、ニッケル亜鉛を用いた黒化層を電気めっき法により成膜する場合には、例えば金属層形成工程において説明したロール・ツー・ロール連続電気めっき装置を用いることができる。めっき液721に対してニッケルイオン及び亜鉛イオンを供給する方法としては、例えば金属塩水溶液として供給する方法が挙げられる。
黒化層形成工程で形成する黒化層は、透明基材と対向する第1の黒化層表面と、第1の黒化層表面と反対側に位置する第2の黒化層表面とを有することができる。そして、第2の黒化層表面の表面粗さRaが0.016μm以上0.09μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.07μm以下であることがより好ましい。
これは第2の黒化層表面の表面粗さが、0.016μm以上とすることで、黒化層表面で光を乱反射させ、導電性基板の光の反射率を特に抑制することが可能になるからである。ただし、第2の黒化層表面の表面粗さが0.09μmを超えると、黒化層の色味が白っぽくなる場合がある。黒化層の色味が白っぽくなることで、導電性基板をディスプレイ用のタッチパネル等の用途等に用いた場合に、ディスプレイの視認性を低下させる恐れがあるため、0.09μm以下であることが好ましい。
黒化層の厚さは例えば15nm以上であることが好ましく、25nm以上であることがより好ましい。また、黒化層の厚さの上限値は特に限定されるものではないが、例えば黒化層の厚さは70nm以下とすることが好ましく、50nm以下とすることがより好ましい。
第2の黒化層表面の表面粗さを上述の範囲とする方法は特に限定されるものではなく、例えば既述の第2の金属層表面の表面粗さを所定の範囲内とする方法として挙げたのと同様の方法を選択することができる。具体的には、成膜した黒化層の第2の黒化層表面をエッチングまたは化学研磨する方法や、黒化層をスパッタリング法により成膜する場合においてスパッタリング条件を選択する方法が挙げられる。また、黒化層を電気めっき法により成膜する場合において低電流密度を用いためっき法や、PR電流めっき法等を用いることもできる。
しかし、黒化層は既述のように数十nm程度の厚さとすることが好ましい。このように黒化層はその膜厚を薄くすることが好ましいため、その黒化層の下層に位置する層の表面、例えば金属層の第2の金属層表面の表面粗さの影響を強く受ける。このため、例えば所定の表面粗さを有する金属層の第2の金属層表面上に、低電流密度を用いためっき法等に依らず、常法のめっき法により黒化層を成膜することで黒化層の第2の黒化層表面についても所望の表面粗さとすることができる。
なお、既述のように、金属層の第2の金属層表面上に形成される黒化層に加えて、透明基材と金属層との間にも黒化層を配置することができる。この場合は、透明基材を準備する工程の後、金属層形成工程の前にさらに黒化層形成工程を実施できる。なお、透明基材が通常絶縁性材料であることから、透明基材と金属層との間に黒化層を形成するための黒化層形成工程においては、乾式法により黒化層を形成することが好ましい。その他の点については上述の黒化層形成工程と同様にして実施することができる。
そして、ここで説明した導電性基板の製造方法により得られる導電性基板は、メッシュ状の配線を備えた導電性基板とすることができる。この場合、上述の工程に加えて、金属層と、黒化層と、をエッチングすることにより、配線を形成するエッチング工程をさらに有することができる。
係るエッチング工程は例えば、まず、エッチングにより除去する部分に対応した開口部を有するレジストを、導電性基板の最表面に形成する。図1Aに示した導電性基板の場合、導電性基板の最表面のうち、黒化層13等を積層した側の面である最表面A上にレジストを形成することができる。なお、図1Aにおいて導電性基板の最表面Aは第2の黒化層表面13bと同じ面を意味する。また、エッチングにより除去する部分に対応した開口部を有するレジストの形成方法は特に限定されないが、例えばフォトリソグラフィー法により形成することができる。
次いで、レジスト上面からエッチング液を供給することにより、金属層12、黒化層13のエッチングを実施することができる。
なお、図1Bのように透明基材11の両面に金属層、黒化層を配置した場合には、導電性基板の最表面A及びBにそれぞれ所定の形状の開口部を有するレジストを形成し、透明基材11の両面に形成した金属層、黒化層を同時にエッチングしてもよい。
また、透明基材11の両側に形成された金属層及び黒化層について、一方の側ずつエッチング処理を行うこともできる。すなわち、例えば、金属層12A及び黒化層13Aのエッチングを行った後に、金属層12B及び黒化層13Bのエッチングを行うこともできる。
エッチング工程において用いるエッチング液は特に限定されるものではなく、エッチングを行う層を構成する材料に応じて任意に選択することができる。例えば、層毎にエッチング液を変えることもでき、また、同じエッチング液により同時に金属層、及び黒化層をエッチングすることもできる。
エッチング工程で形成するパターンについては特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。例えば図1Aに示した導電性基板10Aの場合、既述のように金属層12、及び黒化層13を複数の直線や、ぎざぎざに屈曲した線(ジグザグ直線)を含むようにパターンを形成することができる。
また、図1Bに示した導電性基板10Bの場合、金属層12Aと、金属層12Bとでメッシュ状の配線となるようにパターンを形成することができる。この場合、黒化層13Aは金属層12Aと同様の形状に、黒化層13Bは金属層12Bと同様の形状になるようにそれぞれパターニングを行うことが好ましい。
また、例えばパターニング工程で上述の導電性基板10Aについて金属層12等をパターニングした後、パターニングした2枚以上の導電性基板を積層する積層工程を実施することもできる。積層する際、例えば各導電性基板の銅層のパターンが交差するように積層することにより、メッシュ状の配線を備えた積層導電性基板を得ることもできる。
積層した2枚以上の導電性基板を固定する方法は特に限定されるものではないが、例えば接着剤等により固定することができる。
以上に本実施形態の導電性基板及び導電性基板の製造方法について説明した。係る導電性基板によれば、第1の金属層表面と、第2の金属層表面とを有する金属層の第2の金属層表面の表面粗さRaを0.01μm以上0.1μm以下としている。このため、黒化層を透過し、金属層表面に到達した光について光の反射を抑制し、導電性基板の反射率を特に低減することで、例えばタッチパネル用の導電性基板とした場合に、視認性の低下を抑制することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって、なんら限定されるものではない。
(評価方法)
以下の実施例、比較例において作製した導電性基板の評価方法について説明する。
(1)反射率
以下の各実施例、比較例において作製した導電性基板について反射率の測定を行った。
測定は、紫外可視分光光度計(株式会社 島津製作所製 型式:UV−2550)に反射率測定ユニットを設置して行った。
後述のように各実施例、比較例では図1Aに示した構造を有する導電性基板を作製した。このため、反射率測定は図1Aに示した導電性基板10Aの黒化層13等を積層した側に露出した最表面Aに対して入射角5°、受光角5°として、波長400nm以上700nm以下の範囲の光を照射して実施した。なお、導電性基板に照射した光は、400nm以上700nm以下の範囲内で、1nm毎に波長を変化させて測定を行い、測定結果の平均を該導電性基板の反射率の平均とした。
(2)表面粗さ
表面粗さRaは、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス社製 型式:VK―X150)を用いて測定した。
(導電性基板の作製条件)
以下に各実施例、比較例における導電性基板の作製条件、及び評価結果を示す。
[実施例1]
図1Aに示した構造を有する導電性基板を作製した。
(透明基材準備工程、金属層形成工程)
まず、幅500mm、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製の透明基材を準備し、該透明基材上に金属薄膜層として、図5に示したロール・ツー・ロールスパッタリング装置により、厚さ200nmの銅薄膜層を形成した。次いで、銅薄膜層上に金属めっき層である銅めっき層を形成した。なお、透明基材として用いたポリエチレンテレフタレート樹脂製の透明基材について、全光線透過率をJIS K 7361−1に規定された方法により評価を行ったところ97%であった。
金属層である銅層の成膜条件について説明する。なお、金属層である銅層は以下に説明するように銅薄膜層、及び銅めっき層を有する。
図5に示したロール・ツー・ロールスパッタリング装置50の巻出ロール52に、上述の透明基材をセットした。また、スパッタリングカソード54a〜54dに、銅のターゲットをセットした。
次にロール・ツー・ロールスパッタリング装置50のヒーター56を100℃に加熱し、透明基材を加熱し、基材中に含まれる水分を除去した。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置50の筐体51内を1×10−4Paまで排気した後、筐体51内に気体供給手段58によりアルゴンガスのみを導入し、圧力が0.3Paになるように調整した。そして、透明基材を巻出ロール52から毎分2mの速さで搬送しながら、スパッタリングカソード54a〜54dに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給し、スパッタリング放電を行い、透明基材上に金属薄膜層である銅薄膜層を連続成膜した。係る操作により透明基材上に金属薄膜層として銅薄膜層を厚さが200nmとなるように形成した。
次いで、電気めっき法で、直流電源により電流密度(Dk値)を1A/dmとして銅めっき層を400nm析出させた。
得られた金属層である銅層の第2の金属層表面12bをエッチングにより処理した後、第2の金属層表面12bの表面粗さを測定したところ、平均表面粗さが0.022μmであることを確認できた。
(黒化層形成工程)
次に、金属層12の上面、すなわち第2の金属層表面に、黒化層13を膜厚が60nmとなるように形成した。黒化層としてはニッケル亜鉛層を形成した。
図6に示したロール・ツー・ロール連続電気めっき装置70において、全てのアノードに対して正電流を電流密度が0.4A/dmとなるように供給し、めっき液としてニッケルイオンおよび亜鉛イオンを含むニッケル・亜鉛めっき液を用いた点以外は上記銅めっき層と同様に成膜した。
得られた黒化層の第2の黒化層表面の平均表面粗さを測定したところ、0.025μmであった。
また、作製した導電性基板の反射率を、測定したところ反射率の平均は13.99%であった。
結果を表1に示す。
[実施例2]
銅めっき層を成膜する際、直流電源により実施例1と同じ電流密度(Dk値)で銅めっき層を厚さが200nmとなるように析出させた後、PR電源により、さらに銅めっき層を厚さが200nmとなるように析出させ、合計厚さが400nmの銅めっき層を成膜した点、及び銅層の第2の金属層表面についてエッチング処理を行わなかった点以外は実施例1と同様にして導電性基板の作製を行った。
なお、PR電源は、正電流の電流密度(Dk値)を3A/dmとし、反転電流の電流値を、正電流の電流値の3倍になるように供給した。そして、反転電流は、PR電流めっき法によるめっき時間のうち10%であり、反転電流を供給してから次に反転電流を供給するまでの時間、すなわち正電流の供給時間は50m秒とした。
得られた金属層である銅層の第2の金属層表面の平均表面粗さを測定したところ、平均表面粗さが0.057μmであることを確認できた。
また、金属層上に実施例1と同様にして黒化層を成膜したところ、黒化層の第2の黒化層表面の平均表面粗さは、0.060μmであった。
作製した導電性基板の反射率を、測定したところ反射率の平均は5.53%であった。
結果を表1に示す。
[比較例1]
電気めっき法で、直流電源により銅めっき層を膜厚が4000nmとなるように析出させ、銅層の第2の金属層表面についてエッチング処理を行わなかった点以外は実施例1と同様にして、導電性基板を作製した。
金属層である第2の金属層表面の平均表面粗さを測定したところ0.009μmであることが確認できた。
また、金属層上に実施例1と同様に黒化層を成膜した後、黒化層の第2の黒化層表面の平均表面粗さを測定したところ、0.015μmであった。
作製した導電性基板の反射率を、測定したところ、反射率の平均は20.76%であり、20%以下との導電性基板の仕様から外れていることが確認された。このため、導電性基板としては使用できなかった。
結果を表1に示す。
[比較例2]
金属めっき層を成膜する際、直流電源により銅めっき層を厚さが2000nmとなるように析出させた後、PR電源により、さらに銅めっき層を厚さが2000nmとなるように析出させ、合計厚さが4000nmの銅めっき層を成膜した点、及び銅層の第2の金属層表面についてエッチング処理を行わなかった点以外は実施例1と同様にして導電性基板の作製を行った。
なお、PR電源は、反転電流の電流値と、正電流の電流値が同じになるように供給した。そして、反転電流は、めっき時間のうち5%であり、反転電流を供給してから次に反転電流を供給するまでの時間、すなわち正電流の供給時間は100m秒とした。
得られた金属層である銅層の第2の金属層表面の平均表面粗さを測定したところ、平均表面粗さが0.105μmであることを確認できた。
また、金属層上に実施例1と同様にして黒化層を成膜したところ、黒化層の第2の黒化層表面の平均表面粗さは、0.094μmであった。
作製した導電性基板の反射率を、測定したところ反射率の平均は0.73%であった。しかし、黒化層の色調が良好ではないため、導電性基板として使用できなかった。
結果を表1に示す。
Figure 2017033740
各実施例、比較例で測定した、第2の金属層表面の表面粗さと、第2の黒化層表面の表面粗さとの相関を図7に、第2の金属層表面の表面粗さと反射率との相関を図8にそれぞれ示す。
図7に示したように、第2の金属層表面の表面粗さと、第2の金属層表面に形成された黒化層の第2の黒化層表面の表面粗さとはほぼ直線状の相関を示すことが確認できた。これは黒化層の膜厚が薄いために、第2の金属層表面の表面粗さと、第2の黒化層表面の表面粗さとがほぼ等しい値をとるためと考えられる。
また、図8から、第2の金属層表面の表面粗さRaを0.01μm以上とすることで、導電性基板の反射率を大幅に低減できることを確認できた。
以上に導電性基板を、実施形態および実施例等で説明したが、本発明は上記実施形態および実施例等に限定されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本出願は、2015年8月26日に日本国特許庁に出願された特願2015−166771号に基づく優先権を主張するものであり、特願2015−166771号の全内容を本国際出願に援用する。
10A、10B、20A、20B、30 導電性基板
11 透明基材
12、12A、12B 金属層
13、13A、13B、131、132、131A、131B、132A、132B、32A、32B 黒化層
12a 第1の金属層表面
12b 第2の金属層表面
13a 第1の黒化層表面
13b、132a 第2の黒化層表面

Claims (5)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の少なくとも一方の面側に形成され、前記透明基材と対向する第1の金属層表面と、前記第1の金属層表面と反対側に位置する第2の金属層表面とを有する金属層と、
    前記第2の金属層表面上に形成された黒化層とを備え、
    前記金属層の前記第2の金属層表面の表面粗さRaが0.01μm以上0.1μm以下である導電性基板。
  2. 前記黒化層は、前記透明基材と対向する第1の黒化層表面と、前記第1の黒化層表面と反対側に位置する第2の黒化層表面とを有し、
    前記第2の黒化層表面の表面粗さRaが0.016μm以上0.09μm以下である請求項1に記載の導電性基板。
  3. 波長400nm以上700nm以下の光の反射率の平均が20%以下である請求項1または2に記載の導電性基板。
  4. 前記金属層の厚さが50nm以上であり。
    前記黒化層の厚さが15nm以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導電性基板。
  5. メッシュ状の配線を備えた請求項1乃至4のいずれか一項に記載の導電性基板。
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