JPWO2016208629A1 - 回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法、回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法、回転電機の製造方法 Download PDF

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Abstract

回転電機の固定子は、分割積層ヨーク部(31a)と、分割積層ヨーク部(31a)の両端に、2つの積層ティース部(31b、31c)とを備え、2つの積層ティース部(31b、31c)と分割積層ヨーク部(31a)は、それぞれの積層ティース部(31b、31c)の長手方向と、分割積層ヨーク部(31a)の長手方向とが同方向となって、分割積層ヨーク部(31a)の長手方向の両端に、それぞれの積層ティース部(31b、31c)が真っ直ぐに並ぶ状態から、2つの積層ティース部(31b、31c)が、分割積層ヨーク部(31a)に対して、固定子(3)の内側に向く状態となるように折り曲げ可能又は回転可能に連結されたものである。

Description

この発明は、回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法に関するものである。
従来、永久磁石型のロータを有するブラシレスモータの固定子は、円形状のヨークと、ヨークから径方向内側に突出する複数個の極アームで構成される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で提案されている固定子は、軸方向に垂直な断面の外周形状を円形から矩形に変更しており、直線状のヨークと、ヨークの両端部からヨークに対して直角方向に延びる2つの極アームを有する、軸方向に垂直な断面の外周形状がC字形状のコアを、2個、極アームが対向するように配置する構成となっている。
固定子の同上の外周形状を円形から矩形にすることにより、固定子の充填率(固定子の外形に対して、固定子構成部品が占める割合)を高めることができ、結果的に小型かつ高効率の回転電機を実現できる。また、コイルの巻線時において、外周形状が円形の固定子では、隣り合う各極アーム同士と巻線機との干渉を避けるために、巻線機の作動範囲が制約されるのに対して、外周形状がC字形状の各極アームでは、極アーム同士が隣り合わない側において巻線機の作動範囲の制約を受けない。これにより、コイルを極アームに対して整列に巻き易くなり、コイルの高密度化が図られる。
実用新案登録第3193357号、段落0002〜段落0005
特許文献1に記載の回転電機の固定子にあっては、コイルの巻線時において、各極アームの隣り合わない側では巻線機の作動範囲に制約を受けないが、隣り合う側にあるスロット空間においては、2つのティース部間に巻線機のノズルを差し込む隙間が必要であり、最終的にコイルとコイルの間にノズルの幅分の空間が残ってしまい、コイルの占積率を向上できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コイルの占積率の高い回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機の固定子は、
鉄心片を積層して形成された複数のコ字形の分割積層鉄心と、
前記分割積層鉄心の積層ティース部に巻線したコイルとからなる回転電機の固定子において、
前記分割積層鉄心は、
分割積層ヨーク部と、
前記分割積層ヨーク部の両端に、2つの前記積層ティース部とを備え、
2つの前記積層ティース部と前記分割積層ヨーク部は、それぞれの前記積層ティース部の長手方向と、前記分割積層ヨーク部の長手方向とが同方向となって、前記分割積層ヨーク部の長手方向の両端に、それぞれの前記積層ティース部が真っ直ぐに並ぶ状態から、2つの前記積層ティース部が、前記分割積層ヨーク部に対して、前記固定子の内側に向く状態となるように折り曲げ可能又は回転可能に連結されているものである。
この発明に係る回転電機は、前記固定子と、前記固定子の内側に回転可能に挿入された回転子とからなるものである。
この発明に係る回転電機の固定子の製造方法は、
電磁鋼板から、分割ヨーク部と前記分割ヨーク部の両端にティース部とが、前記分割ヨーク部の長手方向と前記ティース部の長手方向とが同方向となるように、帯状にまっすぐに配置した鉄心片を切り抜く鉄心片製造工程と、
複数の前記鉄心片を積層し、前記分割ヨーク部が積層された積層分割ヨーク部と、2つの前記ティース部が積層された2つの積層ティース部が、連結部によって折り曲げまたは回転可能に積層された分割積層鉄心中間体を形成する積層工程と、
前記分割積層鉄心中間体を、巻線機に、前記巻線機のフライヤの回転軸の軸方向と、前記分割積層鉄心中間体の長手方向が一致するように位置決め固定する位置決め固定工程と、
一方の前記積層ティース部にコイルを巻線する第一巻線工程と、
他方の前記積層ティース部にコイルを巻線する第二巻線工程と、
前記コイルを巻線した前記分割積層鉄心中間体の2つの前記積層ティース部を前記連結部において、同方向に折り曲げてコ字形の分割積層鉄心を形成する折り曲げ工程と、
隣り合う複数の前記分割積層鉄心の前記積層ティース部の自由端部同士を互いに固定する結合工程とを有するものである。
本発明に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、分割積層鉄心中間体の分割積層ヨーク部と、積層ティース部とが、コイル巻線時において真っ直ぐに帯状に配置されるので、一方の積層ティース部にコイルを巻線する時に、フライヤの先端が回転する回転面と、反対側の積層ティース部とが干渉することがない。これにより、フライヤの作動範囲に制約を受けないため、簡単に積層ティース部に整列巻きができ、一つのスロット内に収容される2つのコイル間に隙間が生じず、コイルの占積率を向上でき、固定子の充填率を高めることができる。また、コイル巻線時にフライヤの周囲に障害物が無いので、高速にコイルを巻線できる。また、コイル端末部の接続作業をなくすことができ、安価な回転電機の固定子を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る鉄心片の板取り配置図である。 この発明の実施の形態1に係る第一巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体の模式図である。 図4のX−X’線における断面図である。 この発明の実施の形態1に係る第二巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体の模式図である。 この発明の実施の形態1に係るコイルを巻線した分割積層鉄心の断面図である。 比較例の鉄心片の板取り配置図である。 この発明の実施の形態2に係る巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体の模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に回転電機のコイルを巻装した分割積層鉄心の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の構成を示す断面模式図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について、図を用いて説明する。
本明細書において、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」というときは、それぞれ、固定子の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」をいうものとする。また、「上」、「下」等と、上下関係をいうときは、固定子の中心から離れる方を「上」、固定子の中心に近づく方を「下」とする。
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転電機100の構成を示す断面模式図である。
回転電機100は、回転子2と固定子3とからなる。回転子2は、回転軸21と回転軸21の外周に配設した永久磁石22からなる。
固定子3は、コ字形の分割積層鉄心31、32を備える。分割積層鉄心31は、分割積層ヨーク部31aと、分割積層ヨーク部31aの長手方向の両端から直角に曲がって同方向に突出する2つの積層ティース部31b、31cとを備える。同様に、分割積層鉄心32は、分割積層ヨーク部32aと、分割積層ヨーク部32aの両端から直角に曲がって同方向に突出する2つの積層ティース部32b、32cとを備える。分割積層鉄心31と分割積層鉄心32は、どちらも同じ構成であるが、本明細書では、以降の説明の都合上、符号は分けて説明する。
積層ティース部31bと積層ティース部31cとの間に、積層ティース部31bに巻線されるコイル41bと積層ティース部31cに巻線されるコイル41cとを収納するスロットS1が形成される。同様に、積層ティース部32bと積層ティース部32cとの間に、積層ティース部32bに巻線されるコイル42bと積層ティース部32cに巻線されるコイル42cとを収納するスロットS2が形成される。なお、コイル41b、41c、42b、42cは、絶縁用のインシュレータ5を介して積層ティース部31b、31c、32b、32cに巻線されている。
分割積層鉄心31と分割積層鉄心32は、積層ティース部31bと積層ティース部32bとが直線状に並んで向き合い、積層ティース部31cと積層ティース部32cとが直線状に並んで向き合うように、回転子2を間に挟んで配置されている。積層ティース部31b、31c、32b、32cの回転子2側の自由端部の磁気吸引部31bz、31cz、32bz、32czは、それぞれ、回転子2の外周面に沿ってこれに対向している。
磁気吸引部31bz、31cz、32bz、32czの外周面には、軸方向に延在する蟻溝状の凹部31bzr、31czr、32bzr、32czr(樹脂部材結合部)を備える。凹部31bzrと凹部32bzrに樹脂製の固定部材7b(樹脂部材)の両端部を軸方向に嵌合して、積層ティース部31bと積層ティース部32bとを互いに固定する。同様に、凹部31czrと凹部32czrに樹脂製の固定部材7cの両端部を軸方向に嵌合して、周方向に隣り合う積層ティース部31cと積層ティース部32cを互いに固定する。なお、凹部31bzr、31czr、32bzr、32czrに替えて凸部とし、固定部材側に凹部を設けても良い。
次に、回転電機100の固定子3の製造方法を、図を用いて説明する。
図2は、回転電機100の固定子3の製造方法を示すフローチャートである。
図3は、連続する1枚の電磁鋼板Pから複数の鉄心片6を切り抜く時の配置を示す図である。
図4は、第一巻線工程を実施中の巻線機8と分割積層鉄心中間体30の模式図である。
図5は、図4のX−X’線における断面図である。
まず、最初に、分割積層鉄心31、32の元になる分割積層鉄心中間体30の製造工程を説明する。
図3に示す鉄心片6は、分割積層鉄心31、32の各積層を構成する板状の部材である。電磁鋼板Pから鉄心片6を切り抜く時点では、鉄心片6は、帯状の一枚の部材である。
鉄心片6は、図3に示す配置で、電磁鋼板Pから必要枚数切り抜かれる(鉄心片製造工程:S001)。鉄心片6は、長手方向中央に分割ヨーク部6aを備え、分割ヨーク部6aの長手方向の両端に薄肉部6sで連結されたティース部6bとティース部6cとを備える。鉄心片6の分割ヨーク部6aとティース部6b、6cとの間にはV字形状の切り欠き6vが設けられていて、相互に繋がっている部分が薄肉部6sである。
鉄心片6は、分割ヨーク部6aと2つのティース部6b、6cの長手方向が全て電磁鋼板Pの送り方向(長手方向=電磁鋼板Pの圧延方向D)と一致する。
本実施の形態では電磁鋼板Pの圧延方向Dに対して垂直方向に鉄心片6を2個並列配置しているが。鉄心片6の長手方向と電磁鋼板Pの圧延方向Dを揃えていれば、並列配置する数はそれ以上でも良い。
次に、切り抜いたままの帯状の鉄心片6を、そのまま軸方向に積層し、図示しない積層面の上下に設けた凹凸部をカシメて各鉄心片6間を結合し、分割積層鉄心中間体30を製造する(積層工程:S002)。鉄心片6の分割ヨーク部6aが積層された部分が、図4に示す分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aとなり、分割積層ヨーク部30aは、図1に示す分割積層鉄心31、32の分割積層ヨーク部31a、32aとなる。同様に、鉄心片6のティース部6b、6cが積層された部分が、分割積層鉄心中間体30の積層ティース部30b、30cとなり、積層ティース部30b、30cは、分割積層鉄心31、32の積層ティース部31b、31c、32b、32cとなる。
次に、絶縁体成型工程(S003)を実施する。絶縁体成型工程では、コイル40(コイル41b、41c、42b、42c)と分割積層鉄心中間体30(分割積層鉄心31、32)とを電気的に絶縁するインシュレータ5を積層ティース部30b、30cの外周に一体成型する。
次に、分割積層鉄心中間体30にコイル40を巻線する巻線機8の構成を説明する。
図4に示す巻線機8は、分割積層鉄心中間体30を固定するための回転位置決め機構80と、コイル40となるワイヤ41を繰り出すフライヤ88とを備える。回転位置決め機構80は、円盤状のベース部81と、く字形ブロック82と、分割積層ヨーク部30aをベース部81との間に挟んで固定する天板83及び2本のネジ84を備える。
回転位置決め機構80のベース部81は、回転軸Aを中心として図4の矢印A1の方向に回転可能である。く字形ブロック82は、ベース部81の盤面上の所定の位置に、分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aを位置決めするために使用する。ノックピン85は、2つの積層ティース部30b、30cにコイル40を連続して巻線する際に、2つのコイル40を接続する渡り線をガイドするために使用される。ノックピン85は、ベース部81に2本設置される。ノックピン85は、分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aと積層ティース部30b、30cが折り曲げ可能に連結されている積層薄肉連結部3sの外周側に設置されている。フライヤ88の回転軸Bは、回転位置決め機構80の回転軸Aに対して直交するように配置され、回転軸Bの軸方向cに前進及び後退可能である。
次に、コイル巻線工程について説明する。
コイル巻線工程は、位置決め固定工程(S100)と、第一巻線工程(S101)と、鉄心回転工程と(S102)と、第二巻線工程(S103)と、取り外し工程(S104)とからなる。まず、天板83の2つのネジ穴に、ネジ84を通し、く字形ブロック82のネジ穴に通して分割積層ヨーク部30aをベース部81に対して軸方向(積層方向)に板挟みしてベース部81に固定する(位置決め固定工程:S100)。
このとき、分割積層鉄心中間体30は、分割積層ヨーク部30aの内周側の角部が、く字形ブロック82の回転軸A側の側面の角部に接触するように配置され、ベース部81上に位置決めされる。また、このとき、分割積層鉄心中間体30は、先にコイル40を巻線する一方の積層ティース部30bの自由端部側がフライヤ88の回転軸Bと対向するように配置され、他方の積層ティース部30cは、反対側を向いている。すなわち、分割積層鉄心中間体30の長手方向は、フライヤ88の回転軸Bの軸方向と一致する。
次に、積層ティース部30bに対して第一巻線工程(S101)を実施する。
巻線機8のフライヤ88を回転軸Bの軸方向cに移動させながら、積層ティース部30bの周囲にフライヤ88を旋回させ、コイル40を巻線する。このとき、フライヤ88の先端が回転する回転面Qと、反対側の積層ティース部30cとが干渉することはない。
図6は、第二巻線工程を実施中の巻線機8と分割積層鉄心中間体30の模式図である。積層ティース部30bに対してコイル40の巻線を終了したら、コイル40の巻き終わり部分を切断することなく、図4の矢印A1の方向に回転位置決め機構80を180度回転させる(鉄心回転工程:S102)。これにより、図6に示す渡り線42が、回転位置決め機構80のベース部81に備えた2つのノックピン85の外側に沿って引き回される。
続いて、積層ティース部30cに対して第二巻線工程(S103)を実施する。
巻線機8のフライヤ88を図6の紙面左右方向に移動させながら、積層ティース部30cの周囲にフライヤ88を旋回させ、コイル40を巻線する。フライヤ88の旋回方向は先の積層ティース部30bに巻いた方向とは同方向とする。第一巻線工程と同様に、フライヤ88の先端が回転する回転面Qと、反対側の積層ティース部30cとが干渉することはない。
このように、分割積層鉄心中間体30が有する2つの積層ティース部30b、30cにコイル40を巻線した後、分割積層鉄心中間体30を回転位置決め機構80から取り外す(取り外し工程:S104)。
図7は、コイルを巻線した分割積層鉄心31の断面図である。
次に、回転位置決め機構80から取り外した巻線済みの分割積層鉄心中間体30の積層ティース部30bと積層ティース部30cとを、積層薄肉連結部3sにおいて、鉄心片6の切り欠き6vが閉じる方向にコ字形形状となるように折り曲げて(折り曲げ工程:S004)分割積層鉄心31を得る。そして、同様の工程を繰り返して、コイルを巻線した分割積層鉄心32を得る。
次に、分割積層鉄心31と分割積層鉄心32を互いに積層ティース部側が対向するように配置し、凹部31bzrと凹部32bzrに固定部材7bを嵌合して固定する。強固に固定するには接着剤を用いても良い。同様に反対側の凹部31czrと凹部32czrに固定部材7cを嵌合して固定する。このようにして、2つの分割積層鉄心31、32は、固定部材7b、7cを介して一定間隔を保持して互いに結合された固定子3となる(結合工程:S005)。固定子3の内周側に回転子2を挿入し、図示しないフレームに収容して回転電機100を得る。
次に、本実施の形態において使用する鉄心片6の形状に関する効果について説明する。
図8は、比較例としての、従来の一体の鉄心片60bを電磁鋼板P2から板取する際の配置を示す図である。鉄心片60bの形状は、本実施の形態1に係る鉄心片6を薄肉連結部61で折り曲げた形状と同じとする。
鉄心片6を図3の電磁鋼板Pから板取りする際、図に示すような配置で板取りすると、一枚の鉄心片6の面積をA0とし、電磁鋼板Pの長手方向の長さをL1、長手方向に垂直方向の長さをL2とすると、材料の有効使用率(2A0/L1×L2)は、59%となる。
一方、図8に示すような配置で鉄心片60bを板取りすると、一枚の鉄心片60bの面積は、鉄心片6と同じA0である。この場合、電磁鋼板P2の長手方向の長さをL3、長手方向に垂直方向の長さをL4とすると、材料の有効使用率(2A0/L3×L4)は、52%となる。このように、図3に示す配置で板取りした方が、高い材料使用率が得られる。
また、本実施の形態に係る鉄心片6では、ティース部6b、6cと分割ヨーク部6aの双方において、磁束が流れる方向J1〜J3と電磁鋼板Pの圧延方向Dとが一致している。一般的に、圧延方向と、圧延方向と直交する方向では、圧延方向の方が磁気抵抗が小さく、鉄心に生じる鉄損を低減することができる。したがって、ティース部とヨーク部のうちの片方しか圧延方向Dに一致させることができない比較例の鉄心片60bと比べて、鉄心片6では、電磁鋼板Pの圧延方向Dと鉄心片6の長手方向を一致させて配置することで、分割積層鉄心31、32を通る磁束の流れがスムーズになり、良好な磁気特性が得られる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aと、積層ティース部30b、30cとがコイル40巻線時において真っ直ぐに帯状に配置されるので、一方の積層ティース部にコイル40を巻線する時に、フライヤ88の先端が回転する回転面Qと、反対側の積層ティース部30cとが干渉することがない。これにより、フライヤ88の作動範囲に制約を受けないため、簡単に積層ティース部30b、30cに整列巻きができ、一つのスロット内に収容される2つのコイル間に隙間が生じず、コイルの占積率を向上でき、固定子3の充填率(固定子3の外形に対して固定子構成部品が占める割合)を高めることができる。また、コイル40巻線時にフライヤ88の周囲に障害物が無いので、高速にコイルを巻線できる。また、コイル端末部の接続作業をなくすことができ、安価な回転電機100の固定子3を得ることができる。
また、固定部材7b、7cにより分割積層鉄心31、32の磁気吸引部31bzと32bz及び、31czと32czを相互に固定することで、磁気吸引部の位置精度を向上できる。
また、2つの積層ティース部30b、30cにそれぞれ巻線されるコイル40の間に渡り線42を切断することなく連続して引き回すことができるので、固定子3及び回転電機100の生産性を向上できる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9は、巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体30の模式図である。
図10は、本実施の形態に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。
図10においては、実施の形態1と異なる部分である同時巻線工程のフローチャートのみを示す。
実施の形態1のコイル巻線工程では、1つのフライヤ88により分割積層鉄心中間体30が有する2つの積層ティース部30b、30cに順次、第一巻線工程と第二巻線工程とを行っていたが、本実施の形態では、図9に示すように、2つのフライヤ88a、88bにより2つの積層ティース部30b、30cに同時にコイル40の巻線作業を行う(同時巻線工程:S201)。
フライヤ88a、88bの回転軸B1、B2は、回転位置決め機構80の回転軸Aに対して直交するように回転位置決め機構80を挟んで対向して配置され、それぞれ回転軸B1、B2の軸方向c1、c2に前進及び後退可能である。
分割積層鉄心中間体30の回転位置決め機構80への固定は実施の形態1と同様である。コイル40巻線時、2つの積層ティース部30b、30cの自由端部は、それぞれフライヤ88a、88bの回転軸B1、B2と対向しており、2つのフライヤ88a、88bにより同時にコイル40の巻線作業が実施される。同時にコイル40を巻線後、2つの積層ティース部の巻き終わり部分又は巻き始め部分を結線することで、2つの積層ティース部30b、30cに巻線したコイル40同士を接続する。
本発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、2つのフライヤ88a、88bで2つの積層ティース部30b、30cに同時にコイル40を巻線できるので、コイル40の巻線作業の時間は実施の形態1と比べて半分以上短縮できる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態3に係る回転電機300の構成を示す断面模式図である。
図12は、本実施の形態に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。
図12においては、実施の形態1と異なる部分であるモールド工程のフローチャートのみを示す。
実施の形態1の固定子3は、固定部材7b、7cにより2つの分割積層鉄心31、32を結合していた。本実施の形態では、図11に示すように、回転電機300は、樹脂製のモールド部材307にて外周をモールドされている(モールド工程:S305)。
なお、モールド部材307は、図11のように全体を固定子303の全体を覆っても良いし、コイル41b、41c、42b、42cの周囲と、少なくとも分割積層鉄心31、32の積層ティース部31b、32bの自由端部同士と、積層ティース部31c、32cの自由端部同士とを覆うように成形されていればよい。
本発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、モールド部材307を分割積層鉄心31、32と一体成形するため、分割積層鉄心31、32を固定部材7b、7cを用いて固定して組み立てる実施の形態1の回転電機100に比べて、組み立てが容易となり、固定子303及び回転電機300の生産性が良い。また、モールド成形型を用いて高精度な位置出しが行える。
また、実施の形態1で固定部材7b、7cを嵌合した蟻溝状の凹部31bzr、31czr、32bzr、32czrに樹脂を充填して一体成形すれば、固定子303の剛性と精度を更に増すことができる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図13(a)は、本発明の実施の形態4に係る回転電機のコイルを巻装した分割積層鉄心331の構成を示す断面模式図である。
図13(b)は、図13(a)のY−Y’線における拡大断面図である。
実施の形態1の分割積層鉄心31は、分割積層ヨーク部31aと積層ティース部31b、31cとは積層薄肉連結部3sにより折り曲げ可能に連結されていたが、本実施の形態では図13(a)、(b)に示すように、分割積層ヨーク部331aと積層ティース部331b、331cは、分割積層鉄心331の各積層を構成する薄板状の鉄心片306aと積層ティース部331b、331cの各積層を構成する鉄心片306b、306c(実際にはそれぞれ二種類有る)とが、それぞれの鉄心片に設けた凹部と凸部をカシメ止めして回転可能に連結されている。
具体的には、図13(b)に示すように、積層ティース部331cの鉄心片306cの下面に凸部306cpを設け、交互に積層される分割積層ヨーク部331aの鉄心片306aの上面の凹部306arにこの凸部306cpをカシメて、回転可能な連結部Rを構成している。積層ティース部331b、331cに対してコイル40(41b、41c)を巻線する際は、実施の形態1と同様に、分割積層ヨーク部331aと積層ティース部331b、331cとが帯状に真っ直ぐになるように連結部Rを回転させて開くと良い。
本発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、コイル40巻線後に各積層ティース部331b、331cをコの字形の状態に戻す際の取り扱いが、実施の形態1の薄肉部の折り曲げに比べて容易になり、回転電機の固定子および回転電機の生産性を更に向上することができる。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図14は、本発明の実施の形態5に係る回転電機500の構成を示す断面模式図である。
実施の形態1の固定子3は、2個の分割積層鉄心31、32で構成されていたが、本実施の形態では、図14に示すように、固定子503は、3個のコの字形の分割積層鉄心331、332、333を有する。その他の構成は実施の形態1と同様である。
本発明の実施の形態5に係る回転電機500の固定子503、回転電機500、回転電機500の固定子503の製造方法によれば、実施の形態1よりも積層ティース部の数を増やし、多極化することで、回転電機500に生じるトルクリップルを低減できる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明は、回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法、回転電機の製造方法に関するものである。
従来、永久磁石型のロータを有するブラシレスモータの固定子は、円形状のヨークと、ヨークから径方向内側に突出する複数個の極アームで構成される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で提案されている固定子は、軸方向に垂直な断面の外周形状を円形から矩形に変更しており、直線状のヨークと、ヨークの両端部からヨークに対して直角方向に延びる2つの極アームを有する、軸方向に垂直な断面の外周形状がC字形状のコアを、2個、極アームが対向するように配置する構成となっている。
固定子の同上の外周形状を円形から矩形にすることにより、固定子の充填率(固定子の外形に対して、固定子構成部品が占める割合)を高めることができ、結果的に小型かつ高効率の回転電機を実現できる。また、コイルの巻線時において、外周形状が円形の固定子では、隣り合う各極アーム同士と巻線機との干渉を避けるために、巻線機の作動範囲が制約されるのに対して、外周形状がC字形状の各極アームでは、極アーム同士が隣り合わない側において巻線機の作動範囲の制約を受けない。これにより、コイルを極アームに対して整列に巻き易くなり、コイルの高密度化が図られる。
実用新案登録第3193357号、段落0002〜段落0005
特許文献1に記載の回転電機の固定子にあっては、コイルの巻線時において、各極アームの隣り合わない側では巻線機の作動範囲に制約を受けないが、隣り合う側にあるスロット空間においては、2つのティース部間に巻線機のノズルを差し込む隙間が必要であり、最終的にコイルとコイルの間にノズルの幅分の空間が残ってしまい、コイルの占積率を向上できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コイルの占積率の高い回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法、回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機の固定子は、
薄板帯状の鉄心片を積層して形成された積層鉄心と、
記積層鉄心に巻線したコイルとを備えた回転電機の固定子であって
積層された前記鉄心片の長手方向中央に位置するヨーク部、および、前記ヨーク部の長手方向両端にそれぞれ1つずつ、回動可能に連結されたティース部とからなる前記積層鉄心と、
2つの前記ティース部に巻線されたコイルとを備えたものである。
この発明に係る回転電機は、
回転子と、前記固定子とを備え、
前記ヨーク部は、前記ヨーク部の長手方向が、前記回転子の回転軸を中心とする周方向に沿うように配置され、前記ティース部は、前記ティース部の長手方向が、前記ヨーク部の長手方向と直角となるように、前記回転子の方向に延びて配置されているものである。
この発明に係る回転電機の固定子の製造方法は、
薄板帯状の鉄心片を積層して形成された積層鉄心と、
前記積層鉄心に巻線したコイルとを備えた回転電機の固定子の製造方法であって、
前記鉄心片が積層された前記積層鉄心は、
長手方向中央に位置するヨーク部、および、前記ヨーク部の長手方向両端にそれぞれ1つずつ、回動可能に連結されたティース部とからなり、
電磁鋼板から、前記ヨーク部を構成する部分および2つの前記ティース部を構成する部分とからなる前記鉄心片を、前記ヨーク部を構成する部分が、両側の前記ティース部を構成する部分に挟まれ、かつ、前記ヨーク部を構成する部分と2つの前記ティース部を構成する部分とが、それぞれの長手方向を一致させるように配置された状態で切り抜く鉄心片製造工程と、
切り抜かれた前記鉄心片を積層する積層工程と、
2つの前記ティース部のうち、一方のティース部に巻線する第一巻線工程と、
2つの前記ティース部のうち、前記一方のティース部とは、前記ヨーク部を挟んで反対側に位置する他方のティース部に巻線する第二巻線工程と、
前記コイルが巻線された、前記一方のティース部および前記他方のティース部のそれぞれを、前記ヨーク部の長手方向両端の連結部分を中心に同方向に直角に折り曲げる折り曲げ工程と、
を備えたものである。
また、この発明に係る回転電機の製造方法は、
回転子と、
前記回転子の回転軸を中心とする周方向に沿って配置され、薄板帯状の鉄心片を積層して形成された積層鉄心および前記積層鉄心に巻線したコイルとを有する固定子と、
を備えた回転電機の製造方法であって、
前記鉄心片が積層された前記積層鉄心は、
長手方向中央に位置するヨーク部、および、前記ヨーク部の長手方向両端にそれぞれ1つずつ、回動可能に連結されたティース部とからなり、
電磁鋼板から、前記ヨーク部を構成する部分および2つの前記ティース部を構成する部分とからなる鉄心片を、前記ヨーク部を構成する部分が、両側の前記ティース部を構成する部分に挟まれ、かつ、前記ヨーク部を構成する部分と2つの前記ティース部を構成する部分とが、それぞれの長手方向を一致させるように配置された状態で切り抜く鉄心片製造工程と、
切り抜かれた前記鉄心片を積層する積層工程と、
2つの前記ティース部のうち、一方のティース部に前記コイルを巻線する第一巻線工程と、
2つの前記ティース部のうち、前記一方のティース部とは、前記ヨーク部を挟んで反対側に位置する他方のティース部に前記コイルを巻線する第二巻線工程と、
前記コイルが巻線された、前記一方のティース部および前記他方のティース部のそれぞれを、前記ヨーク部の長手方向両端の連結部分を中心に同方向に直角に折り曲げる折り曲げ工程と、
前記回転軸を中心とする周方向に沿って、前記コイルが巻線された前記積層鉄心を、各前記ティース部の先端に設けた磁気吸引部が、前記回転子に対向するように配置する工程と、
を備えたものである。
本発明に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法、回転電機の製造方法によれば、分割積層鉄心中間体の分割積層ヨーク部と、積層ティース部とが、コイル巻線時において真っ直ぐに帯状に配置されるので、一方の積層ティース部にコイルを巻線する時に、フライヤの先端が回転する回転面と、反対側の積層ティース部とが干渉することがない。これにより、フライヤの作動範囲に制約を受けないため、簡単に積層ティース部に整列巻きができ、一つのスロット内に収容される2つのコイル間に隙間が生じず、コイルの占積率を向上でき、固定子の充填率を高めることができる。また、コイル巻線時にフライヤの周囲に障害物が無いので、高速にコイルを巻線できる。また、コイル端末部の接続作業をなくすことができ、安価な回転電機の固定子を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る鉄心片の板取り配置図である。 この発明の実施の形態1に係る第一巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体の模式図である。 図4のX−X’線における断面図である。 この発明の実施の形態1に係る第二巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体の模式図である。 この発明の実施の形態1に係るコイルを巻線した分割積層鉄心の断面図である。 比較例の鉄心片の板取り配置図である。 この発明の実施の形態2に係る巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体の模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に回転電機のコイルを巻装した分割積層鉄心の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の構成を示す断面模式図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について、図を用いて説明する。
本明細書において、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」というときは、それぞれ、固定子の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、「内側」、「外側」をいうものとする。また、「上」、「下」等と、上下関係をいうときは、固定子の中心から離れる方を「上」、固定子の中心に近づく方を「下」とする。
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転電機100の構成を示す断面模式図である。
回転電機100は、回転子2と固定子3とからなる。回転子2は、回転軸21と回転軸21の外周に配設した永久磁石22からなる。
固定子3は、コ字形の分割積層鉄心31、32を備える。分割積層鉄心31は、分割積層ヨーク部31aと、分割積層ヨーク部31aの長手方向の両端から直角に曲がって同方向に突出する2つの積層ティース部31b、31cとを備える。同様に、分割積層鉄心32は、分割積層ヨーク部32aと、分割積層ヨーク部32aの両端から直角に曲がって同方向に突出する2つの積層ティース部32b、32cとを備える。分割積層鉄心31と分割積層鉄心32は、どちらも同じ構成であるが、本明細書では、以降の説明の都合上、符号は分けて説明する。
積層ティース部31bと積層ティース部31cとの間に、積層ティース部31bに巻線されるコイル41bと積層ティース部31cに巻線されるコイル41cとを収納するスロットS1が形成される。同様に、積層ティース部32bと積層ティース部32cとの間に、積層ティース部32bに巻線されるコイル42bと積層ティース部32cに巻線されるコイル42cとを収納するスロットS2が形成される。なお、コイル41b、41c、42b、42cは、絶縁用のインシュレータ5を介して積層ティース部31b、31c、32b、32cに巻線されている。
分割積層鉄心31と分割積層鉄心32は、積層ティース部31bと積層ティース部32bとが直線状に並んで向き合い、積層ティース部31cと積層ティース部32cとが直線状に並んで向き合うように、回転子2を間に挟んで配置されている。積層ティース部31b、31c、32b、32cの回転子2側の自由端部の磁気吸引部31bz、31cz、32bz、32czは、それぞれ、回転子2の外周面に沿ってこれに対向している。
磁気吸引部31bz、31cz、32bz、32czの外周面には、軸方向に延在する蟻溝状の凹部31bzr、31czr、32bzr、32czr(樹脂部材結合部)を備える。凹部31bzrと凹部32bzrに樹脂製の固定部材7b(樹脂部材)の両端部を軸方向に嵌合して、積層ティース部31bと積層ティース部32bとを互いに固定する。同様に、凹部31czrと凹部32czrに樹脂製の固定部材7cの両端部を軸方向に嵌合して、周方向に隣り合う積層ティース部31cと積層ティース部32cを互いに固定する。なお、凹部31bzr、31czr、32bzr、32czrに替えて凸部とし、固定部材側に凹部を設けても良い。
次に、回転電機100の固定子3の製造方法を、図を用いて説明する。
図2は、回転電機100の固定子3の製造方法を示すフローチャートである。
図3は、連続する1枚の電磁鋼板Pから複数の鉄心片6を切り抜く時の配置を示す図である。
図4は、第一巻線工程を実施中の巻線機8と分割積層鉄心中間体30の模式図である。
図5は、図4のX−X’線における断面図である。
まず、最初に、分割積層鉄心31、32の元になる分割積層鉄心中間体30の製造工程を説明する。
図3に示す鉄心片6は、分割積層鉄心31、32の各積層を構成する板状の部材である。電磁鋼板Pから鉄心片6を切り抜く時点では、鉄心片6は、帯状の一枚の部材である。
鉄心片6は、図3に示す配置で、電磁鋼板Pから必要枚数切り抜かれる(鉄心片製造工程:S001)。鉄心片6は、長手方向中央に分割ヨーク部6aを備え、分割ヨーク部6aの長手方向の両端に薄肉部6sで連結されたティース部6bとティース部6cとを備える。鉄心片6の分割ヨーク部6aとティース部6b、6cとの間にはV字形状の切り欠き6vが設けられていて、相互に繋がっている部分が薄肉部6sである。
鉄心片6は、分割ヨーク部6aと2つのティース部6b、6cの長手方向が全て電磁鋼板Pの送り方向(長手方向=電磁鋼板Pの圧延方向D)と一致する。
本実施の形態では電磁鋼板Pの圧延方向Dに対して垂直方向に鉄心片6を2個並列配置しているが。鉄心片6の長手方向と電磁鋼板Pの圧延方向Dを揃えていれば、並列配置する数はそれ以上でも良い。
次に、切り抜いたままの帯状の鉄心片6を、そのまま軸方向に積層し、図示しない積層面の上下に設けた凹凸部をカシメて各鉄心片6間を結合し、分割積層鉄心中間体30を製造する(積層工程:S002)。鉄心片6の分割ヨーク部6aが積層された部分が、図4に示す分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aとなり、分割積層ヨーク部30aは、図1に示す分割積層鉄心31、32の分割積層ヨーク部31a、32aとなる。同様に、鉄心片6のティース部6b、6cが積層された部分が、分割積層鉄心中間体30の積層ティース部30b、30cとなり、積層ティース部30b、30cは、分割積層鉄心31、32の積層ティース部31b、31c、32b、32cとなる。
次に、絶縁体成型工程(S003)を実施する。絶縁体成型工程では、コイル40(コイル41b、41c、42b、42c)と分割積層鉄心中間体30(分割積層鉄心31、32)とを電気的に絶縁するインシュレータ5を積層ティース部30b、30cの外周に一体成型する。
次に、分割積層鉄心中間体30にコイル40を巻線する巻線機8の構成を説明する。
図4に示す巻線機8は、分割積層鉄心中間体30を固定するための回転位置決め機構80と、コイル40となるワイヤ41を繰り出すフライヤ88とを備える。回転位置決め機構80は、円盤状のベース部81と、く字形ブロック82と、分割積層ヨーク部30aをベース部81との間に挟んで固定する天板83及び2本のネジ84を備える。
回転位置決め機構80のベース部81は、回転軸Aを中心として図4の矢印A1の方向に回転可能である。く字形ブロック82は、ベース部81の盤面上の所定の位置に、分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aを位置決めするために使用する。ノックピン85は、2つの積層ティース部30b、30cにコイル40を連続して巻線する際に、2つのコイル40を接続する渡り線をガイドするために使用される。ノックピン85は、ベース部81に2本設置される。ノックピン85は、分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aと積層ティース部30b、30cが折り曲げ可能に連結されている積層薄肉連結部3sの外周側に設置されている。フライヤ88の回転軸Bは、回転位置決め機構80の回転軸Aに対して直交するように配置され、回転軸Bの軸方向cに前進及び後退可能である。
次に、コイル巻線工程について説明する。
コイル巻線工程は、位置決め固定工程(S100)と、第一巻線工程(S101)と、鉄心回転工程と(S102)と、第二巻線工程(S103)と、取り外し工程(S104)とからなる。まず、天板83の2つのネジ穴に、ネジ84を通し、く字形ブロック82のネジ穴に通して分割積層ヨーク部30aをベース部81に対して軸方向(積層方向)に板挟みしてベース部81に固定する(位置決め固定工程:S100)。
このとき、分割積層鉄心中間体30は、分割積層ヨーク部30aの内周側の角部が、く字形ブロック82の回転軸A側の側面の角部に接触するように配置され、ベース部81上に位置決めされる。また、このとき、分割積層鉄心中間体30は、先にコイル40を巻線する一方の積層ティース部30bの自由端部側がフライヤ88の回転軸Bと対向するように配置され、他方の積層ティース部30cは、反対側を向いている。すなわち、分割積層鉄心中間体30の長手方向は、フライヤ88の回転軸Bの軸方向と一致する。
次に、積層ティース部30bに対して第一巻線工程(S101)を実施する。
巻線機8のフライヤ88を回転軸Bの軸方向cに移動させながら、積層ティース部30bの周囲にフライヤ88を旋回させ、コイル40を巻線する。このとき、フライヤ88の先端が回転する回転面Qと、反対側の積層ティース部30cとが干渉することはない。
図6は、第二巻線工程を実施中の巻線機8と分割積層鉄心中間体30の模式図である。積層ティース部30bに対してコイル40の巻線を終了したら、コイル40の巻き終わり部分を切断することなく、図4の矢印A1の方向に回転位置決め機構80を180度回転させる(鉄心回転工程:S102)。これにより、図6に示す渡り線42が、回転位置決め機構80のベース部81に備えた2つのノックピン85の外側に沿って引き回される。
続いて、積層ティース部30cに対して第二巻線工程(S103)を実施する。
巻線機8のフライヤ88を図6の紙面左右方向に移動させながら、積層ティース部30cの周囲にフライヤ88を旋回させ、コイル40を巻線する。フライヤ88の旋回方向は先の積層ティース部30bに巻いた方向とは同方向とする。第一巻線工程と同様に、フライヤ88の先端が回転する回転面Qと、反対側の積層ティース部30cとが干渉することはない。
このように、分割積層鉄心中間体30が有する2つの積層ティース部30b、30cにコイル40を巻線した後、分割積層鉄心中間体30を回転位置決め機構80から取り外す(取り外し工程:S104)。
図7は、コイルを巻線した分割積層鉄心31の断面図である。
次に、回転位置決め機構80から取り外した巻線済みの分割積層鉄心中間体30の積層ティース部30bと積層ティース部30cとを、積層薄肉連結部3sにおいて、鉄心片6の切り欠き6vが閉じる方向にコ字形形状となるように折り曲げて(折り曲げ工程:S004)分割積層鉄心31を得る。そして、同様の工程を繰り返して、コイルを巻線した分割積層鉄心32を得る。
次に、分割積層鉄心31と分割積層鉄心32を互いに積層ティース部側が対向するように配置し、凹部31bzrと凹部32bzrに固定部材7bを嵌合して固定する。強固に固定するには接着剤を用いても良い。同様に反対側の凹部31czrと凹部32czrに固定部材7cを嵌合して固定する。このようにして、2つの分割積層鉄心31、32は、固定部材7b、7cを介して一定間隔を保持して互いに結合された固定子3となる(結合工程:S005)。固定子3の内周側に回転子2を挿入し、図示しないフレームに収容して回転電機100を得る。
次に、本実施の形態において使用する鉄心片6の形状に関する効果について説明する。
図8は、比較例としての、従来の一体の鉄心片60bを電磁鋼板P2から板取する際の配置を示す図である。鉄心片60bの形状は、本実施の形態1に係る鉄心片6を薄肉連結部61で折り曲げた形状と同じとする。
鉄心片6を図3の電磁鋼板Pから板取りする際、図に示すような配置で板取りすると、一枚の鉄心片6の面積をA0とし、電磁鋼板Pの長手方向の長さをL1、長手方向に垂直方向の長さをL2とすると、材料の有効使用率(2A0/L1×L2)は、59%となる。
一方、図8に示すような配置で鉄心片60bを板取りすると、一枚の鉄心片60bの面積は、鉄心片6と同じA0である。この場合、電磁鋼板P2の長手方向の長さをL3、長手方向に垂直方向の長さをL4とすると、材料の有効使用率(2A0/L3×L4)は、52%となる。このように、図3に示す配置で板取りした方が、高い材料使用率が得られる。
また、本実施の形態に係る鉄心片6では、ティース部6b、6cと分割ヨーク部6aの双方において、磁束が流れる方向J1〜J3と電磁鋼板Pの圧延方向Dとが一致している。一般的に、圧延方向と、圧延方向と直交する方向では、圧延方向の方が磁気抵抗が小さく、鉄心に生じる鉄損を低減することができる。したがって、ティース部とヨーク部のうちの片方しか圧延方向Dに一致させることができない比較例の鉄心片60bと比べて、鉄心片6では、電磁鋼板Pの圧延方向Dと鉄心片6の長手方向を一致させて配置することで、分割積層鉄心31、32を通る磁束の流れがスムーズになり、良好な磁気特性が得られる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、分割積層鉄心中間体30の分割積層ヨーク部30aと、積層ティース部30b、30cとがコイル40巻線時において真っ直ぐに帯状に配置されるので、一方の積層ティース部にコイル40を巻線する時に、フライヤ88の先端が回転する回転面Qと、反対側の積層ティース部30cとが干渉することがない。これにより、フライヤ88の作動範囲に制約を受けないため、簡単に積層ティース部30b、30cに整列巻きができ、一つのスロット内に収容される2つのコイル間に隙間が生じず、コイルの占積率を向上でき、固定子3の充填率(固定子3の外形に対して固定子構成部品が占める割合)を高めることができる。また、コイル40巻線時にフライヤ88の周囲に障害物が無いので、高速にコイルを巻線できる。また、コイル端末部の接続作業をなくすことができ、安価な回転電機100の固定子3を得ることができる。
また、固定部材7b、7cにより分割積層鉄心31、32の磁気吸引部31bzと32bz及び、31czと32czを相互に固定することで、磁気吸引部の位置精度を向上できる。
また、2つの積層ティース部30b、30cにそれぞれ巻線されるコイル40の間に渡り線42を切断することなく連続して引き回すことができるので、固定子3及び回転電機100の生産性を向上できる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9は、巻線工程を実施中の巻線機と分割積層鉄心中間体30の模式図である。
図10は、本実施の形態に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。
図10においては、実施の形態1と異なる部分である同時巻線工程のフローチャートのみを示す。
実施の形態1のコイル巻線工程では、1つのフライヤ88により分割積層鉄心中間体30が有する2つの積層ティース部30b、30cに順次、第一巻線工程と第二巻線工程とを行っていたが、本実施の形態では、図9に示すように、2つのフライヤ88a、88bにより2つの積層ティース部30b、30cに同時にコイル40の巻線作業を行う(同時巻線工程:S201)。
フライヤ88a、88bの回転軸B1、B2は、回転位置決め機構80の回転軸Aに対して直交するように回転位置決め機構80を挟んで対向して配置され、それぞれ回転軸B1、B2の軸方向c1、c2に前進及び後退可能である。
分割積層鉄心中間体30の回転位置決め機構80への固定は実施の形態1と同様である。コイル40巻線時、2つの積層ティース部30b、30cの自由端部は、それぞれフライヤ88a、88bの回転軸B1、B2と対向しており、2つのフライヤ88a、88bにより同時にコイル40の巻線作業が実施される。同時にコイル40を巻線後、2つの積層ティース部の巻き終わり部分又は巻き始め部分を結線することで、2つの積層ティース部30b、30cに巻線したコイル40同士を接続する。
本発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、2つのフライヤ88a、88bで2つの積層ティース部30b、30cに同時にコイル40を巻線できるので、コイル40の巻線作業の時間は実施の形態1と比べて半分以上短縮できる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態3に係る回転電機300の構成を示す断面模式図である。
図12は、本実施の形態に係る回転電機のコイル巻線工程を示すフローチャートである。
図12においては、実施の形態1と異なる部分であるモールド工程のフローチャートのみを示す。
実施の形態1の固定子3は、固定部材7b、7cにより2つの分割積層鉄心31、32を結合していた。本実施の形態では、図11に示すように、回転電機300は、樹脂製のモールド部材307にて外周をモールドされている(モールド工程:S305)。
なお、モールド部材307は、図11のように全体を固定子303の全体を覆っても良いし、コイル41b、41c、42b、42cの周囲と、少なくとも分割積層鉄心31、32の積層ティース部31b、32bの自由端部同士と、積層ティース部31c、32cの自由端部同士とを覆うように成形されていればよい。
本発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、モールド部材307を分割積層鉄心31、32と一体成形するため、分割積層鉄心31、32を固定部材7b、7cを用いて固定して組み立てる実施の形態1の回転電機100に比べて、組み立てが容易となり、固定子303及び回転電機300の生産性が良い。また、モールド成形型を用いて高精度な位置出しが行える。
また、実施の形態1で固定部材7b、7cを嵌合した蟻溝状の凹部31bzr、31czr、32bzr、32czrに樹脂を充填して一体成形すれば、固定子303の剛性と精度を更に増すことができる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図13(a)は、本発明の実施の形態4に係る回転電機のコイルを巻装した分割積層鉄心331の構成を示す断面模式図である。
図13(b)は、図13(a)のY−Y’線における拡大断面図である。
実施の形態1の分割積層鉄心31は、分割積層ヨーク部31aと積層ティース部31b、31cとは積層薄肉連結部3sにより折り曲げ可能に連結されていたが、本実施の形態では図13(a)、(b)に示すように、分割積層ヨーク部331aと積層ティース部331b、331cは、分割積層鉄心331の各積層を構成する薄板状の鉄心片306aと積層ティース部331b、331cの各積層を構成する鉄心片306b、306c(実際にはそれぞれ二種類有る)とが、それぞれの鉄心片に設けた凹部と凸部をカシメ止めして回転可能に連結されている。
具体的には、図13(b)に示すように、積層ティース部331cの鉄心片306cの下面に凸部306cpを設け、交互に積層される分割積層ヨーク部331aの鉄心片306aの上面の凹部306arにこの凸部306cpをカシメて、回転可能な連結部Rを構成している。積層ティース部331b、331cに対してコイル40(41b、41c)を巻線する際は、実施の形態1と同様に、分割積層ヨーク部331aと積層ティース部331b、331cとが帯状に真っ直ぐになるように連結部Rを回転させて開くと良い。
本発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子、回転電機、回転電機の固定子の製造方法によれば、コイル40巻線後に各積層ティース部331b、331cをコの字形の状態に戻す際の取り扱いが、実施の形態1の薄肉部の折り曲げに比べて容易になり、回転電機の固定子および回転電機の生産性を更に向上することができる。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図14は、本発明の実施の形態5に係る回転電機500の構成を示す断面模式図である。
実施の形態1の固定子3は、2個の分割積層鉄心31、32で構成されていたが、本実施の形態では、図14に示すように、固定子503は、3個のコの字形の分割積層鉄心331、332、333を有する。その他の構成は実施の形態1と同様である。
本発明の実施の形態5に係る回転電機500の固定子503、回転電機500、回転電機500の固定子503の製造方法によれば、実施の形態1よりも積層ティース部の数を増やし、多極化することで、回転電機500に生じるトルクリップルを低減できる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (10)

  1. 鉄心片を積層して形成された複数のコ字形の分割積層鉄心と、
    前記分割積層鉄心の積層ティース部に巻線したコイルとからなる回転電機の固定子において、
    前記分割積層鉄心は、
    分割積層ヨーク部と、
    前記分割積層ヨーク部の両端に、2つの前記積層ティース部とを備え、
    2つの前記積層ティース部と前記分割積層ヨーク部は、それぞれの前記積層ティース部の長手方向と、前記分割積層ヨーク部の長手方向とが同方向となって、前記分割積層ヨーク部の長手方向の両端に、それぞれの前記積層ティース部が真っ直ぐに並ぶ状態から、2つの前記積層ティース部が、前記分割積層ヨーク部に対して、前記固定子の内側に向く状態となるように折り曲げ可能又は回転可能に連結されている回転電機の固定子。
  2. 2つの前記積層ティース部は、それぞれ前記積層ティース部の自由端部であって、前記固定子の内側に挿入される回転子と対向する磁気吸引部の外周面に、軸方向に延在する樹脂部材結合部を有し、
    周方向に隣り合う2つの前記分割積層鉄心の、周方向に隣り合う前記積層ティース部同士が、前記樹脂部材結合部に固定された樹脂部材によって互いに固定されている請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記樹脂部材は、モールド部材である請求項2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記分割積層ヨーク部と前記積層ティース部とは、積層薄肉連結部によって折り曲げ可能に連結されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記分割積層ヨーク部と前記積層ティース部とは、前記分割積層ヨーク部および前記積層ティース部を構成する鉄心片の積層面に設けられた凹凸部を嵌合した連結部によって回転可能に連結されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機の固定子と、
    前記固定子の内側に回転可能に挿入された回転子とからなる回転電機。
  7. 電磁鋼板から、分割ヨーク部と前記分割ヨーク部の両端にティース部とが、前記分割ヨーク部の長手方向と前記ティース部の長手方向とが同方向となるように、帯状にまっすぐに配置した鉄心片を切り抜く鉄心片製造工程と、
    複数の前記鉄心片を積層し、前記分割ヨーク部が積層された積層分割ヨーク部と、2つの前記ティース部が積層された2つの積層ティース部が、連結部によって折り曲げまたは回転可能に積層された分割積層鉄心中間体を形成する積層工程と、
    前記分割積層鉄心中間体を、巻線機に、前記巻線機のフライヤの回転軸の軸方向と、前記分割積層鉄心中間体の長手方向が一致するように位置決め固定する位置決め固定工程と、
    一方の前記積層ティース部にコイルを巻線する第一巻線工程と、
    他方の前記積層ティース部にコイルを巻線する第二巻線工程と、
    前記コイルを巻線した前記分割積層鉄心中間体の2つの前記積層ティース部を前記連結部において、同方向に折り曲げてコ字形の分割積層鉄心を形成する折り曲げ工程と、
    隣り合う複数の前記分割積層鉄心の前記積層ティース部の自由端部同士を互いに固定する結合工程とを有する回転電機の固定子の製造方法。
  8. 前記第一巻線工程と、前記第二巻線工程との間に、
    前記分割積層鉄心中間体を180度回転させる、鉄心回転工程を有する請求項7に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  9. 前記第一巻線工程と、前記第二巻線工程とを、2つの前記フライヤにより同時に実行する同時巻線工程を有する請求項7に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  10. 前記鉄心片の長手方向は、前記電磁鋼板の圧延方向と一致している請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の回転電機の固定子の製造方法。
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