JPWO2016199625A1 - オゾン生成装置 - Google Patents

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Abstract

オゾン生成装置(10)は、放電面(11)を有する誘電体部(1)と、誘電体部(1)の内部で互いに並んで延びるとともに、それぞれ放電面(11)に対向する放電電極(2)および対向電極(3)と、を備え、放電電極(2)または対向電極(3)は、放電面(11)から見て、長さ方向に電極の縁が延びた直線部(22,32)と、直線部(22,32)から電極の縁が曲がって延びた先端部(21,31)と、を備え、放電電極(2)と対向電極(3)との間に生じる静電容量の誘電体部(1)の内部に生じる成分は、先端部(21,31)の近傍の方が直線部(22,32)の近傍よりも小さい。

Description

本発明は、誘電体表面を放電面として放電を生じさせ、放電面に対向する空間中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成装置に関するものである。
誘電体の表面を放電面として利用するオゾン生成装置は、誘電体と、誘電体内部に設けた放電電極および対向電極と、を備える。このようなオゾン生成装置は、放電電極と対向電極との間に駆動電圧が印加されることによって、放電面や放電面近傍の空気中に放電を生じさせ、空気中の酸素からオゾンを生成する。オゾン生成装置が放電している状態で放電面を見ると、放電電極や対向電極の縁付近が発光するが、放電電極や対向電極の先端など電極の縁が曲がる付近は特に明るく発光する。この理由は、電極の縁が曲がる位置の近傍では、電極の縁が直線に延びる位置の近傍よりも、電界強度が強くなるためである。
オゾン生成装置を長時間にわたって駆動すると、放電面が明るく発光する領域ほど煤のような付着物が析出しやすい。そして、放電面への付着物の析出が進むと、オゾン生成装置の放電が停止することがある。また、明るく発光する位置の近傍では、誘電体の内部に存在する欠陥によって部分放電が生じやすく、この部分放電によって欠陥が拡がって誘電体の破壊が引き起こされることがある。
そこで、従来から、放電面における電界強度の分布を均一化する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。例えば、特許文献1に開示されたオゾン生成装置は、放電電極の先端部と対向電極の先端部とを丸め、これにより、電極先端部の近傍での電界強度を抑制している。
実開平5−35830号公報
ただし、特許文献1に開示されたオゾン生成装置のように、電極先端部が丸められていたとしても、放電電極や対向電極の側部、すなわち、電極の縁が直線に延びる部分に比べると電極先端部の方がより電界強度が強く、放電面において電極側部に比べると電極先端部の方がより明るく発光する。したがって、放電電極や対向電極の電極先端部が丸められていたとしても、放電面において電極先端部付近が明るく発光して劣化の起点となることを抑制するのは困難である。
そこで、本発明は、放電電極や対向電極がどのような電極形状であっても、放電面における電界強度の分布を均一化できる、オゾン生成装置の提供を目的とする。
本発明のオゾン生成装置は、放電面を有する誘電体部と、前記誘電体部の内部で互いに並んで延びるとともに、それぞれ前記放電面に対向する第1電極および第2電極と、を備え、前記第1電極は、前記放電面から見て、当該第1電極が延びる方向に電極の縁が延びた直線部と、前記直線部から電極の縁が曲がって延びた曲部と、を備え、前記第1電極と前記放電面との間において前記第1電極の単位面積当たりに生じる静電容量は、前記曲部の近傍の方が前記直線部の近傍よりも小さくなっている。
以下、第1電極と放電面との間において前記第1電極の単位面積当たりに生じる静電容量のことを第1の部分静電容量と称する。上記構成では、第1の部分静電容量が曲部の近傍と直線部の近傍とで等しい場合に比べて、放電面において曲部の近傍で電界集中を抑制できる。通常、放電面においては、直線部の近傍に比べて曲部の近傍の方が、より電界強度が強いので、上記のように曲部の近傍での電界集中を抑制することができれば、放電電極や対向電極がどのような電極形状であっても放電面における電界強度の分布を均一化できる。
前記誘電体部は、前記放電面から見て前記曲部を覆う比誘電率変更部を備え、前記比誘電率変更部は、前記誘電体部に比べて低い比誘電率を有することが好ましい。
この構成では、曲部と放電面との間の間隔を変えなくても、曲部の近傍で第1の部分静電容量を小さくすることができる。
前記第1電極と前記放電面との距離は、前記直線部の近傍の方が前記曲部の近傍よりも短いことが好ましい。
この構成では、曲部の近傍で誘電体部の比誘電率を変えなくても、曲部の近傍で第1の部分静電容量を小さくすることができる。
前記誘電体部は、前記放電面から見て前記曲部を覆う突出部を備え、前記突出部は、放電面において周囲に比べて突出していてもよい。また、前記第1電極は、前記曲部の近傍が前記放電面と離れる方向に曲がっていてもよい。
これらの構成では、第1電極と放電面との間隔が、直線部の近傍に比べて曲部の近傍の方でより離れる。
前記比誘電率変更部は、前記放電面から見て、前記直線部に交差する方向に延び、前記第2電極に重なっていることが好ましい。同様に前記突出部は、前記放電面から見て、前記直線部に交差する方向に延び、前記第2電極に重なっていることが好ましい。
ここで、前述の第2電極と放電面との間において前記第2電極の単位面積当たりに生じる静電容量のことを第2の部分静電容量と称する。上記構成では、第1の部分静電容量と第2の部分静電容量とがともに、直線部の近傍に比べて曲部の近傍で小さくなるので、放電面における曲部の近傍での電界集中を更に抑制できる。
前記第2電極は、前記放電面から見て、当該第2電極が延びる方向に電極の縁が延びた直線部と、前記直線部から電極の縁が曲がって延びた曲部と、を備え、前記第2電極と前記放電面との間において前記第2電極の単位面積当たりに生じる静電容量(第2の部分静電容量)は、前記曲部の近傍の方が前記直線部の近傍よりも小さくなっていることが好ましい。
この構成では、放電面において第2電極の曲部近傍でも電界集中を抑制でき、放電面における電界強度の分布をより均一化できる。
前記オゾン生成装置は、前記放電面から見て前記第1電極と前記第2電極とが延びる方向に対して直交する方向に並べて複数対の前記第1電極および前記第2電極を備え、更に、繰り返しのパターンと循環する位相差とを有するN(N≧3)相の駆動電圧を出力する駆動電圧源を備え、前記複数対の第1電極および第2電極は、それらの並び順に従い第n(1≦n≦N)相目の駆動電圧が前記駆動電圧源から入力されることが好ましい。この構成では、放電面近傍の電界強度の分布が、各電極対が並ぶ方向に沿って循環するように変化する。これにより、放電面近傍で空間中の気体が電界強度の分布の影響を受けて各電極対が並ぶ方向に沿って移動する。このため、放電面への酸素の供給と放電面からのオゾンの離脱が促進され、オゾン生成量を増やすことができる。また、気体の流れが生じることで、ほこり等が放電面に吸着しにくくなり、オゾン生成装置の信頼性も向上する。
本発明のオゾン生成装置は、放電面を有する誘電体部と、前記誘電体部の内部で互いに並んで延びるとともに、それぞれ前記放電面に対向する第1電極および第2電極と、を備え、
前記第1電極は、前記放電面から見て、当該第1電極が延びる方向に電極の縁が延びた直線部と、前記直線部から電極の縁が曲がって延びた曲部と、を備え、
前記誘電体部は、前記放電面から見て前記曲部を覆う突出部を備え、
前記突出部は、前記放電面から厚み方向に突出している。
この構成では、曲部を覆うように突出部を設けることで、曲部の近傍における第1の部分静電容量が小さくなる。そのため、放電面で曲部近傍に生じる電界強度が抑制される。これにより、放電面における電界強度の分布を均一化できる。
なお、前記突出部は、前記放電面から見て、前記直線部に交差する方向に延びていることが好ましい。
本発明のオゾン生成装置によれば、放電面において曲部の近傍で電界集中を抑制できるので、放電面における電界強度の分布を均一化することができる。これにより、放電面において、曲部付近での付着物の析出や欠陥の拡がりを生じにくくすることができ、オゾン生成装置の信頼性を高められる。
図1は、第1の実施形態に係るオゾン生成装置の放電面から見た平面図である。 図2は、第1の実施形態に係るオゾン生成装置の正面から見た断面図である。 図3は、第1の実施形態に係るオゾン生成装置に生じる電気力線を示す模式図である。 図4(A)(B)は、第1の実施形態に係るオゾン生成装置に生じる静電容量を説明する模式図である。 図5は、第2の実施形態に係るオゾン生成装置の放電面から見た平面図である。 図6(A)(B)は、第3の実施形態に係るオゾン生成装置の正面から見た断面図である。 図7(A)(B)は、第4の実施形態に係るオゾン生成装置の正面から見た断面図である。 図8は、第5の実施形態に係るオゾン生成装置の放電面から見た平面図である。 図9(A)は、第6の実施形態に係るオゾン生成装置の電気接続図である。図9(B)は、駆動電圧V〜Vの時間波形図である。 図10は、オゾン生成装置の製造方法のフローチャートの一例を示す図である。
≪第1の実施形態≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係るオゾン生成装置10の放電面から見た平面図である。図2は、オゾン生成装置10の正面から見た断面図である。
オゾン生成装置10は、誘電体部1と、放電電極2と、対向電極3と、駆動電圧源4と、を備えている。
誘電体部1は、誘電体材料からなる。誘電体部1は、放電面(天面)11と底面12と左側面13と右側面14と正面15と背面16とを備えている。誘電体部1は、放電面11から見て四角状の平板である。なお、誘電体部1の放電面11から視た形状は、四角状に限られず、多角形状や円形状、楕円形状など任意の形状とすることができる。
放電電極2および対向電極3は、誘電体部1の内部に少なくとも一対設けている。放電電極2と対向電極3とは、それぞれの少なくとも一部領域が、底面12から放電面11に向かう方向(以下、厚み方向と称する。)に放電面11と対向している。また、放電電極2と対向電極3とは、左側面13から右側面14に向かう方向(以下、長さ方向と称する。)に沿って延びている。
ここでは、放電電極2と対向電極3とは、それぞれ放電面11と平行に拡がる平面導体からなり、互いに厚み方向に対向している。放電電極2は、対向電極3よりも放電面11側に位置している。対向電極3は、放電電極2よりも幅方向での寸法が広く、放電面11から見て、幅方向に放電電極2の両側からはみ出している。
また、放電電極2は、左側面13側に誘電体部1の内部で終端する先端部21を有し、先端部21の右側面14側に誘電体部1の右側面14に至る直線部22を有している。直線部22は、放電面11から見て、電極の縁が長さ方向に沿って延びている。先端部21は、放電面11から見て、電極の縁が直線部32から曲がって幅方向に延びている。したがって、先端部21は、放電電極2における「曲部」に相当している。
対向電極3は、右側面14側に誘電体部1の内部で終端する先端部31を有し、先端部31の左側面13側に誘電体部1の左側面13に至る直線部32を有している。直線部32は、放電面11から見て、電極の縁が長さ方向に沿っている。先端部31は、放電面11から見て、電極の縁が直線部32から曲がって幅方向に沿って延びている。したがって、先端部31は、対向電極3における「曲部」に相当している。
また、誘電体部1は、放電面11に突出部17,18を備えている。突出部17,18は、誘電体部1の放電面11において周囲から厚み方向に突出する部位である。放電面11は、突出部17,18を除いて平坦である。また、突出部17は、放電面11を見て、放電電極2の先端部21を覆うように幅方向に延びている。また、突出部18は、放電面11を見て、対向電極3の先端部31を覆うように幅方向に延びている。
駆動電圧源4は、放電電極2の直線部22側の一端と、対向電極3の直線部32側の一端との間に電気的に接続されている。ここでは、駆動電圧源4は、対向電極3を基準電位に接続し、基準電位に対する交番電圧を放電電極2に印加する。このような交番電圧が放電電極2と対向電極3との間に印加されることによって、放電電極2および対向電極3の周囲には交番電界が生じることになる。
図3は、オゾン生成装置10における放電電極2および対向電極3の周辺における交番電界を示す模式図である。図3中には、上記交番電界によって生じる電気力線を点線で示している。
この交番電界は、放電電極2から誘電体部1の内部のみを経由してそのまま対向電極3に至る電気力線Aと、放電電極2から放電面11側に伸びて誘電体部1の外部に拡がり、誘電体部1の内部に戻って対向電極3に至る電気力線Bとを生じる。誘電体部1の外部で、電気力線Bがある程度以上に高密度になると、すなわち、誘電体部1の外部での電界強度がある程度以上に強くなると、放電面11や放電面11の近傍の空間に絶縁破壊が生じ、これにより放電が生じる。オゾン生成装置10においては、放電面11において放電電極2の縁から近傍外側の対向電極3に重なる領域で電気力線Bが高密度になることから、この領域で放電が生じやすくなる。
図4(A)は、放電電極2において単位面積当たりで生じる、対向電極3との間の静電容量を、集中定数として表現した等価回路の模式図である。
放電電極2において単位面積当たりで生じる対向電極3との間の静電容量Cは、図3において電気力線Aとした電界を生じる部分静電容量Caと、電気力線Bとした電界を生じる部分静電容量Cbとを並列接続した容量回路とみなすことができる。すなわち静電容量Cは、次式で表すことができる。
C=Ca+Cb また、電気力線Bによる部分静電容量Cbは、更に、放電電極2と放電面11との間に電気力線Bを生じる第1の部分静電容量C1と、対向電極3と放電面11との間に電気力線Bを生じる第2の部分静電容量C2と、放電面11または放電面11近傍の空間中に電気力線Bを生じる第3の部分静電容量C3とを直列接続した容量回路とみなすことができる。すなわち、電気力線Bによる部分静電容量Cbは、次式で表すことができる。
1/Cb=1/C1+1/C2+1/C3 このような等価回路を有するオゾン生成装置10では、図1および図2に示した突出部17,18を備えていることにより、誘電体部1における先端部21,31付近では、誘電体部1における直線部22,32付近に比べて、放電電極2や対向電極3から放電面11までの厚みが大きくなる。このことにより、誘電体部1における先端部21,31付近では、誘電体部1における直線部22,32付近に比べて、第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2が小さいものになる。
ここで放電電極2や対向電極3から放電面11までの厚みが部分静電容量に及ぼす影響についてより詳細に説明する。第1の部分静電容量C1は、放電電極2から放電面11までの距離をL1とし、真空の誘電率をε0とし、誘電体部1における比誘電率をεrとし、放電電極2における面積をA(ここでは、静電容量Cは単位面積あたりのものであるためにA=1)とした場合に、次式で表すことができる。
C1=ε0×εr×A/L1=ε0×εr/L1 同様に第2の部分静電容量C2は、対向電極3から放電面11までの距離をL2とした場合に、次式で表すことができる。
C2=ε0×εr×A/L2=ε0×εr/L2 これらの式において、距離L1,L2が大きくなると部分静電容量C1、C2は小さくなり、逆に距離L1,L2が小さくなると部分静電容量C1、C2は大きくなる。したがて、放電電極2や対向電極3から放電面11までの厚みが大きい先端部21,31付近では、誘電体部1における直線部22,32付近に比べて、第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2が小さくなる。
図4(B)は、突出部17,18が設けられた部分に生じる第1の部分静電容量をC1’とし、第2の部分静電容量をC2’として表示し、また、突出部17,18が設けられていない部分に生じる第1の部分静電容量をC1’’とし、第2の部分静電容量をC2’’として示す模式図である。
誘電体部1において、放電面11から放電電極2や対向電極3までの厚みは、突出部17,18が設けられている部分で大きく、突出部17,18が設けられていない部分では小さい。このため、前述の部分静電容量C1,C2の導出式に照らせば、突出部17,18が設けられている部分での部分静電容量C1’,C2’は、突出部17,18が設けられていない部分での部分静電容量C1’’,C2’’よりも小さいものになる。
ここで、第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2が放電面11における電界強度に及ぼす影響について説明すると、図4(A)に示す駆動電圧源4から放電電極2と対向電極3との間に駆動電圧V0を印加した場合、第1の部分静電容量C1と第2の部分静電容量C2との合成容量をC12とし、放電面11にて第3の部分静電容量C3に印加される電圧をV3とすると、電圧V3は、次式で表すことができる。
V3=(C12/(C3+C12))×V0 この式は、第1の部分静電容量C1と第2の部分静電容量C2との合成容量C12が小さいほど、第3の部分静電容量C3に印加される電圧V3が低くなることを示している。
すなわち、放電面11において、先端部21,31を覆うように突出部17,18を設けることで部分静電容量C1、C2が小さくなると、放電面11で先端部21,31近傍に生じる電圧V3が低くなり、電界強度が弱くなることを示している。
通常、放電電極2や対向電極3における先端部21,31のように電極の縁が曲がる箇所は、直線部22,32のように電極の縁が直線状の箇所に比べて、近傍での電界強度がより強くなる。したがって、突出部17,18が設けられていなければ、放電面11において先端部21,31近傍で放電が生じやすくなり、先端部21,31近傍が明るく発光して付着物や欠陥が成長する問題が顕在化する恐れがある。しかしながら、本実施形態のオゾン生成装置10では、放電面11を見て先端部21,31に重なるように突出部17,18を設けているので、放電面11において先端部21,31近傍で放電を生じにくくすることができる。したがって、放電面11において先端部21,31の近傍で過度な放電が生じることを抑制して、付着物や欠陥が成長する問題が顕在化することを防ぐことができる。
なお、本実施形態においては、1対の放電電極2および対向電極3のみを設ける構成例を示したが、本発明は、この構成例に限られるものではない。例えば、2対またはそれよりも多くの放電電極2および対向電極3を設けることもできる。複数対の放電電極2および対向電極3を設ける場合には、突出部17,18を複数対の放電電極2および対向電極3に渡るように設けることができる。または、放電電極2および対向電極3の対毎に、それぞれの先端部21,31に個別に重なるように突出部を設けることもできる。
また、本実施形態においては、放電電極2が対向電極3よりも放電面11の近くに設けられる構成例を示したが、本発明は、この構成例に限られるものではない。例えば、放電電極2と対向電極3との機能を入れ替えて、放電面11に近い方の電極を対向電極とし、放電面11から離れる方の電極を放電電極とすることもできる。
また、本実施形態においては、放電電極2の先端部21と対向電極3の先端部31とのそれぞれを、突出部17,18が覆う構成例を示したが、本発明は、この構成例に限られるものではない。例えば、いずれか一方の先端部のみを覆うように突出部を設けることもできる。この場合には、放電面11の近くに位置する先端部の近傍が最も電界集中し易いので、放電面11の近くに位置する先端部を覆うように突出部を設けることが好ましい。
また、本実施形態においては、放電電極2や対向電極3の先端部21,31を、放電面11から見て電極の縁がまがる「曲部」として、突出部17,18が覆う構成例を示したが、本発明は、この構成例に限られるものではない。例えば、放電電極2や対向電極3の長さ方向の中央付近にクランク状に曲がる部分を設け、その曲がる部分を「曲部」として、突出部で覆うこともできる。
≪第2の実施形態≫
図5は、本発明の第2の実施形態に係るオゾン生成装置10Aの放電面11から見た平面図である。
オゾン生成装置10Aは、誘電体部1Aと、放電電極2Aと、対向電極3Aと、駆動電圧源4(不図示)と、を備えている。ここでは、放電電極2Aと対向電極3Aとは、それぞれ放電面11と平行に拡がる平面導体からなり、厚み方向に対向せずに幅方向に並んでいる。また、放電電極2Aと対向電極3Aとは、交互に2つずつ、すなわち2対設けている。なお、放電電極2Aと対向電極3Aは、それぞれ厚み方向において同じ高さ位置に設けられている。また、それぞれの幅方向の寸法は同じである。
また、誘電体部1Aの放電面11には、第1の実施形態と同様に、放電電極2Aの先端部21を覆うように突出部17を設けるとともに、対向電極3Aの先端部31を覆う突出部18を設けている。
このような構成のオゾン生成装置10Aにおいても、突出部17,18が先端部21,31付近を覆うので、放電電極2Aや対向電極3Aから放電面11までの距離を大きくすることができる。したがって、この実施形態においても、やはり、先端部21,31付近で第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2を小さくすることができ、また、放電面11において先端部21,31近傍の電界強度を弱くすることができる。これにより、本実施形態のオゾン生成装置10Aでも、放電面11において先端部21,31の近傍で過度な放電が生じることを抑制して、付着物や欠陥が成長する問題が顕在化することを防ぐことができる。
なお、本実施形態においても第1の実施形態の末尾で説明したように構成を適宜変更することができる。例えば、放電電極2Aおよび対向電極3Aの対を設ける数を変更することができる。また、放電電極2Aおよび対向電極3Aの対毎に個別に重ねるように突出部を設けることができる。また、放電電極2Aの先端部21と対向電極3Aの先端部31とのいずれか一方のみを覆うように突出部を設けることもできる。また、放電電極2Aや対向電極3Aの長さ方向の中央付近にクランク状などのように曲がる部分を設け、その曲がる部分を「曲部」として、突出部で覆うこともできる。
≪第3の実施形態≫
図6(A)は、本発明の第3の実施形態に係るオゾン生成装置10Bの正面から見た断面図である。オゾン生成装置10Bは、誘電体部1Bと、放電電極2Bと、対向電極3Bと、駆動電圧源4(不図示)と、を備えている。誘電体部1Bは、第1の実施形態とは異なり、突出部が設けられておらず、放電面11の全面がほぼ平坦である。そして、突出部に替えて、放電電極2Bと対向電極3Bとに、湾曲部17B,18Bが設けられている。
放電電極2Bおよび対向電極3Bは、第1の実施形態と同様に平面導体からなるが、正面から見て湾曲部17B,18Bが設けられた位置で、放電面11と平行な方向から湾曲し、湾曲部17B,18Bよりも先端部21,31側の領域を、湾曲部17B,18Bよりも直線部22,32側の領域と比べて、より放電面11から離している。これにより、オゾン生成装置10Bにおいては、突出部を設けていなくても、先端部21,31付近で、放電電極2Bや対向電極3Bから放電面11までの距離を大きくすることができる。したがって、この実施形態においても、やはり、先端部21,31付近で第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2を小さくすることができ、また、放電面11において先端部21,31近傍の電界強度を弱くすることができる。これにより、本実施形態のオゾン生成装置10Bでも、放電面11において先端部21,31の近傍で過度な放電が生じることを抑制して、付着物や欠陥が成長する問題が顕在化することを防ぐことができる。
なお、本実施形態においても第1の実施形態の末尾で説明したように構成を適宜変更することができる。例えば、放電電極2Bおよび対向電極3Bの対を設ける数を変更することができる。また、放電電極2Bや対向電極3Bの長さ方向の中央付近にクランク状などのように曲がる部分を設け、その曲がる部分を「曲部」として、突出部で覆うこともできる。
図6(B)は、第3の実施形態の変形例に係るオゾン生成装置10Cの正面から見た断面図である。オゾン生成装置10Cは、誘電体部1Cと、放電電極2Cと、対向電極3Cと、駆動電圧源4(不図示)と、を備えている。このオゾン生成装置10Cは、第2の実施形態と同様、放電電極2Cと対向電極3Cとが厚み方向における同じ高さ位置に設けられ、互いに幅方向に並んでいる。そして、この構成においても、放電電極2Cと対向電極3Cとに、湾曲部17C,18Cを設け、これにより、先端部21,31の近傍を放電面11から離している。このように、放電電極と対向電極とが同じ高さ位置に並ぶ構成であっても、放電電極と対向電極とに湾曲部を設ける第3の実施形態を実現することもできる。
≪第4の実施形態≫
図7(A)は、本発明の第4の実施形態に係るオゾン生成装置10Dの正面から見た断面図である。オゾン生成装置10Dは、誘電体部1Dと、放電電極2Dと、対向電極3Dと、駆動電圧源4(不図示)と、を備えている。誘電体部1Dは、第1の実施形態や第2の実施形態とは異なり、突出部や湾曲部が設けられておらず、それらに替えて比誘電率変更部17D,18Dが設けられている。比誘電率変更部17D,18Dは、誘電体部1Dにおける周囲よりも比誘電率が低い誘電体材料で構成された部位である。比誘電率変更部17D,18Dは、放電電極2Dや対向電極3Dの先端部21,31を覆うように設けられている。
ここで、第1の実施形態で示した第1の部分静電容量の式と第2の部分静電容量の式とを再び示すと、C1=ε0×εr/L1および、C2=ε0×εr/L2である。
これらの式においてεrは、比誘電率であり、比誘電率εrが小さくなると第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2は小さくなる。したがって、本実施形態で示すように、突出部や湾曲部が設けられていなくても、周囲よりも比誘電率が低い比誘電率変更部17D,18Dが先端部21,31の近傍に設けられることで、やはり第1の部分静電容量C1や第2の部分静電容量C2を小さくすることができ、また、放電面11において先端部21,31近傍の電界強度を弱くすることができる。これにより、本実施形態のオゾン生成装置10Dでも、放電面11において先端部21,31の近傍で過度な放電が生じることを抑制して、付着物や欠陥が成長する問題が顕在化することを防ぐことができる。
なお、本実施形態においても第1の実施形態の末尾で説明したように構成を適宜変更することができる。例えば、放電電極2Dおよび対向電極3Dの対を設ける数を変更することができる。また、放電電極2Dの先端部21と対向電極3Dの先端部31とのいずれか一方のみを覆うように比誘電率変更部を設けることもできる。また、放電電極2Dや対向電極3Dの長さ方向の中央付近にクランク状などのように曲がる部分を設け、その曲がる部分を「曲部」として、比誘電率変更部で覆うこともできる。
図7(B)は、第4の実施形態の変形例に係るオゾン生成装置10Eの正面から見た断面図である。オゾン生成装置10Eは、誘電体部1Eと、放電電極2Eと、対向電極3Eと、駆動電圧源4(不図示)と、を備えている。このオゾン生成装置10Eは、第2の実施形態と同様、放電電極2Eと対向電極3Eとが同じ高さ位置で並んでいる。そして、このような構成において、放電電極2Eと対向電極3Eとに重なるように、比誘電率変更部17E,18Eを設け、これにより、先端部21,31の近傍で部分静電容量C1,C2を小さくしている。このように、放電電極と対向電極とが同じ高さ位置で並ぶ構成であっても、比誘電率変更部を設ける第4の実施形態を実現することができる。
≪第5の実施形態≫
図8は、本発明の第5の実施形態に係るオゾン生成装置10Fの放電面11から見た平面図である。オゾン生成装置10Fは、誘電体部1Fと、放電電極2Fと、対向電極3Fと、駆動電圧源4(不図示)と、を備えている。この実施形態は、第2の実施形態と誘電体部1Fが有する突出部17F,18Fの形状が相違している。突出部17Fは、各放電電極2Fに対して個別に設けられ、それぞれの先端部21のみに重なるように設けられている。また、突出部18Fは、各対向電極3Fに対して個別に設けられ、それぞれの先端部31のみに重なるように設けられている。このように突出部を設けることもできる。
≪第6の実施形態≫
図9(A)は、本発明の第6の実施形態に係るオゾン生成装置10Gの電気接続図である。オゾン生成装置10Gは、概要構成については前述の第1の実施形態の構成と同じであり、誘電体部1Gと放電電極2Gと対向電極3G(不図示)と駆動電圧源4Gとを備えている。ここでは、放電電極2Gと対向電極3Gとは4対以上設けられている。放電電極2Gおよび対向電極3Gの各対は幅方向に並ぶ順番に4組に組み分けされている。そして、駆動電圧源4Gは、放電電極2Gおよび対向電極3Gの各対の組数と同じ4相の駆動電圧V〜Vを出力するよう構成している。各組の放電電極2Gには、組番号に対応する相番号の駆動電圧V〜Vが入力されるよう構成している。
図9(B)は、駆動電圧V〜Vの時間波形図である。駆動電圧V〜Vは、それぞれ同じ繰り返しパターンと、相番号の順に位相差90°を有している。したがって、駆動電圧V〜Vは、相番号の順に位相差が循環する関係になっている。
このように構成されたオゾン生成装置10Gにおいては、放電面11近傍の電界強度の分布が幅方向に沿って循環するように変化する。これにより、放電面11の近傍で空間中の気体が電界強度の影響を受けて幅方向に沿って移動することになる。このため、放電面への酸素の供給と放電面からのオゾンの離脱が促進され、オゾン生成量を増やすことができる。また、気体の流れが生じることで、ほこり等が放電面に吸着しにくくなり、オゾン生成装置10Gの信頼性も向上する。
なお、本実施形態では、駆動電圧V〜Vとしてパルス波信号を用いる例を示したが、駆動電圧V〜Vは、その他にも正弦波信号や矩形波信号を用いることも可能である。パルス波信号や矩形波信号を用いれば、正弦波信号を用いる場合よりも、放電が開始される電圧を低電圧化することができ、より好ましい。また、本実施形態では、駆動電圧の相数を4とする例を示したが、駆動電圧の相数は3以上であれば任意の整数を採用することができる。また、本実施形態では、各駆動電圧で同じパターン波形となる例を示したが、各駆動電圧のパターン波形は同じでなくても良い。例えば振幅や繰り返しの周期が相違する駆動電圧を用いるようなこともできる。
≪製造方法の例示と信頼性試験≫
各実施形態に係るオゾン生成装置の実機を用い、信頼性試験を行った。
まず、オゾン生成装置の製造方法を、突出部を設けた実機の場合を代表として説明する。
図10は、オゾン生成装置の実機における製造方法のフローチャートを示す図である。
突出部を備える実機の製造では、まず、誘電体グリーンシートの形成を行った(S1)。具体的には、CaO-B2O3-Al2O3-SiO2ガラスとAl2O3をトルネン/エタノール混合溶媒と分散剤、バインダーとともにボールミルで8hr分散処理を行った後、ドクターブレード法により誘電体グリーンシートを形成した。なお、誘電体グリーンシートの製造に用いる各種材料や具体的な工法は上記に限定されるものではなく、誘電体部を構成する誘電体材料の種類に応じて設定するとよい。例えば、誘電体材料としては、Al2O3、SiO2、ZrO2、各種ガラス、BaTiO3などの酸化物、LTCCを構成するガラスと酸化物フィラーとの混合物、エポキシやポリイミドなどの樹脂、など誘電体部に高い絶縁性を実現することができるものであれば適宜の材料を用いることができる。
次に、実機の製造では、放電電極および対向電極となる導体ペーストパターンの形成を行った(S2)。具体的には、スクリーン印刷により、Agペーストを誘電体グリーンシートに印刷することにより、放電電極および対向電極となる導体ペーストパターンを形成した。
なお導体ペーストの材料は、誘電体グリーンシートに対して形成可能であれば特に限定されるものではないが、酸化物材料などからなる誘電体グリーンシートと同時焼成する場合には、導体ペーストとしては、Cu、Ag、Pd、Pt、W、もしくは、RuO2の抵抗ペーストなどを選択することが望ましい。
次に、実機の製造では、複数の誘電体グリーンシートを積み重ねて積層し、圧力を加えて一体化した後に焼成した(S3)。この際、放電電極上の誘電体厚みが40μm、対向電極上の誘電体厚みが120μm、全体の厚みが500μmとなるようにした。
そして、実機の製造では、突出部の形成を行った(S4)。具体的には、電極印刷した誘電体グリーンシートの電極印刷パターンの曲部を覆うように、ガラスペースト、もしくは誘電体ペーストを各電極の先端部がおおわれるような印刷パターンで塗布し、ガラスペーストを焼きつけることにより、突出部を誘電体厚みが10μmとなるように形成した。
以上のようにして、突出部を備えるオゾン生成装置の実機を製造した。
なお、上記した実機の製造方法においては、突出部をガラスペーストの塗布と焼きつけにより形成したが、例えば、シート状の誘電体材料を所望のパターンに打ち抜いて、焼成後または未焼成の積層体に積層し、これを焼成することにより、突出部を形成するようにしてもよい。また、突出部の材料としては、ガラスペーストの他、任意の絶縁性材料を用いることができる。ただし、信頼性などの観点からは、誘電体部の要部と突出部とで熱膨張率などの特性が近いことが望ましいので、突出部の材料としてはそのような特性が得られるものを選択することが望ましい。また、突出部の誘電体厚みは、5μm以上あることが望ましい。突出部の厚みがこれよりも薄い場合には、突出部の製造ばらつきによって、放電電極や対向電極の先端部近傍での放電を低減できない場合がある。また、放電電極と放電面の間の間隔は、10μm〜100μmの範囲に納まることが好ましい。この間隔が10μm以下であると、誘電体部における絶縁性が乏しくなり、放電時に破壊的な放電が生じることがある。一方で、この間隔が100μm以上であると、放電に必要な電圧が高くなり、昇圧回路に利用されるトランスの大型化などにより電源コストが上昇してしまう。したがって上記間隔は、50μm以下が特に好ましい。また、各電極の幅や、幅方向の隣接間隔は、10μm〜200μmであればよく、特に30μm〜100μmであることが望ましい。これらが30μmを下回ると、印刷方式での配線形成の難易度が上がり、歩留まりが悪くなる。また、100μm以下であれば、より安価なトランスの使用が可能な、低電圧での駆動が可能となる。
また、突出部ではなく湾曲部を設ける場合には、突出部を形成する工程(S4)を行わずに、誘電体グリーンシートを積層して焼成する工程(S3)で、放電電極や対向電極に対して先端部のみに重なるパターン(例えば枠状)の誘電体グリーンシートを、放電面に積層する。そして、積層体の全体に圧力をかけながら焼成する。この際、バインダーの流動によって放電面が平坦化するように、各主材料や圧力、加熱時間などを設定する。これにより積層体内部の導体ペーストパターンが、枠状の誘電体グリーンシートの形状に沿って厚み方向に変形するので、放電電極や対向電極を湾曲させることができる。
また、突出部や湾曲部ではなく、比誘電率変更部を設ける場合には、突出部を形成する工程(S4)を行わずに、誘電体グリーンシートを積層して焼成する工程(S3)で、放電電極や対向電極に対して先端部のみに重なるように開口を設けた誘電体グリーンシートを放電面に積層して焼成する。そして、焼成後に、異なる比誘電率を有する誘電体材料のペースト等で放電部の開口を埋めて、そのペーストを固体化させる工程を行うことで、比誘電率変更部を設けることができる。
以上のような製造方法で製造した各実施形態に係る実機および比較例に係る実機に対し、信頼性試験を行った。信頼性試験においては、槽内を40℃−90%環境に保った恒温槽において、各実機を所定時間(500hr)連続放電させた。そして、連続放電中に、ケース内の気体を一定の速度でオゾン濃度計に吸引してオゾン濃度を測定した。連続放電の開始初期のオゾン濃度と連続放電終了直後のオゾン濃度を以下に示す。
放電電極と対向電極とが厚み方向に対向する実機においては、以下の信頼性試験の結果が得られた。
・第1の実施形態(図1:突出部あり、電極対向型)初期:22.1ppm → 試験後:20.5ppm | オゾン濃度低下率:7.2%
・第3の実施形態(図6(A):湾曲部あり、電極対向型)初期:22.8ppm → 試験後:21.5ppm | オゾン濃度低下率:5.7%
・比較例(突出部、湾曲部なし、電極対向型)初期:24.5ppm → 試験後:17.65ppm | オゾン濃度低下率:28%
これらの結果、本発明の実施形態に係る実機では、比較例に比べてオゾン濃度の低下が大幅に抑制されている。これは、本発明の実施形態に係る実機では、放電電極および対向電極の先端部から放電面までの厚みが増した結果、電極先端部の近傍で放電を抑制でき、煤のような付着物の析出が抑制されたためと考えられる。
また、本発明の実施形態に係る実機同士を比較すると、突出部を設ける構成よりも湾曲部を設ける構成のほうが、オゾン濃度および低下率ともに良好になる傾向が確認された。
これは、湾曲部を設ける構成では放電面が平坦になるために、放電面への外気の供給とオゾンの離脱が生じやすくなったためと考えられる。
また、放電電極と対向電極とが同じ高さ位置で幅方向に並ぶ場合、以下の信頼性試験の結果が得られた。
・第2の実施形態(図5:突出部連続、電極櫛型)初期:27.6ppm → 試験後:23.8ppm | オゾン濃度低下率:13.8%
・第5の実施形態(図8:突出部分離、電極櫛型)初期:27.3ppm → 試験後:24.1 ppm | オゾン濃度低下率:11.7%
・第3の実施形態(図6(B):湾曲部、電極櫛型)初期:28.6ppm → 試験後:25.8 ppm | オゾン濃度低下率:9.7%
・比較例(突出部、湾曲部なし:電極櫛型)初期:30.8ppm → 試験後:16.3 ppm | オゾン濃度低下率:47.1%
これらの結果からも、本発明の実施形態に係る実機では、やはり比較例に比べてオゾン濃度の低下が大幅に抑制されている。また、本発明の実施形態に係る実機同士を比較しても、やはり突出部を設ける構成よりも湾曲部を設ける構成のほうがオゾン濃度および低下率が良好になる。更には、突出部を設ける場合でも、突出部を分離して設けるよりも突出部を連続して延びるように設ける構成のほうが、オゾン濃度および低下率が良好になる傾向が確認された。これらのことも、放電面が連続的な形状であるほうが、放電面への外気の供給とオゾンの離脱が生じやすくなるためと考えられる。
また、駆動電圧に位相差を持たせることで、放電面に気流を発生させる場合、以下の信頼性試験の結果が得られた。
・第6の実施形態(突出部あり:気流型)初期:35.7ppm → 試験後:31.2 ppm | オゾン濃度低下率:12.6%
・第3の比較例(突出部なし:気流型)初期:37.0ppm → 試験後:19.8 ppm | オゾン濃度低下率:46.5%
これらの結果からも、本発明の実施形態に係る実機では、やはり比較例に比べてオゾン濃度の低下が大幅に抑制されている。また、上記実機では放電面に気流が発生することによって、放電面への外気の供給とオゾンの離脱が促進されるので、他の構造に比べて格段に高いオゾン濃度が得られている。
なお、以上に説明した各実施形態や実機の構成はあくまで例示であり、本発明の作用効果は特許請求の範囲の構成であれば、どのような構成であっても得ることができる。また、各実施形態に開示した構成は、どのように組み合わせてもよい。
1…誘電体部
2…放電電極
3…対向電極
4…駆動電圧源
10…オゾン生成装置
11…放電面
12…底面
13…左側面
14…右側面
15…正面
16…背面
17,18,17F,18F…突出部
17B,18B,17C,18C…湾曲部
17D,18D,17E,18E…比誘電率変更部
21,31…先端部
22,32…直線部

Claims (11)

  1. 放電面を有する誘電体部と、
    前記誘電体部の内部で互いに並んで延びるとともに、それぞれ前記放電面に対向する第1電極および第2電極と、を備え、
    前記第1電極は、前記放電面から見て、当該第1電極が延びる方向に電極の縁が延びた直線部と、前記直線部から電極の縁が曲がって延びた曲部と、を備え、
    前記第1電極と前記放電面との間において前記第1電極の単位面積当たりに生じる静電容量は、前記曲部の近傍の方が前記直線部の近傍よりも小さい、
    オゾン生成装置。
  2. 前記誘電体部は、前記放電面から見て前記曲部を覆う比誘電率変更部を備え、
    前記比誘電率変更部は、前記誘電体部に比べて低い比誘電率を有する、
    請求項1に記載のオゾン生成装置。
  3. 前記比誘電率変更部は、前記放電面から見て、前記直線部に交差する方向に延び、前記第2電極に重なっている、
    請求項2に記載のオゾン生成装置。
  4. 前記第1電極と前記放電面との距離は、前記直線部の近傍の方が前記曲部の近傍よりも短い、
    請求項1〜3のいずれかに記載のオゾン生成装置。
  5. 前記誘電体部は、前記放電面から見て前記曲部を覆う突出部を備え、
    前記突出部は、前記放電面において周囲に比べて突出している、
    請求項4に記載のオゾン生成装置。
  6. 前記突出部は、前記放電面から見て、前記直線部に交差する方向に延び、前記第2電極に重なっている、
    請求項5に記載のオゾン生成装置。
  7. 前記第1電極は、前記曲部の近傍が前記放電面と離れる方向に曲がっている、
    請求項4〜6のいずれかに記載のオゾン生成装置。
  8. 前記第2電極は、前記放電面から見て、当該第2電極が延びる方向に電極の縁が延びた直線部と、前記直線部から電極の縁が曲がって延びた曲部と、を備え、
    前記第2電極と前記放電面との間において前記第2電極の単位面積当たりに生じる静電容量は、前記曲部の近傍の方が前記直線部の近傍よりも小さい、
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のオゾン生成装置。
  9. 前記放電面から見て前記第1電極と前記第2電極とが延びる方向に対して直交する方向に並べて複数対の前記第1電極および前記第2電極を備え、
    繰り返しのパターンと循環する位相差とを有するN(N≧3)相の駆動電圧を出力する駆動電圧源を更に備え、
    前記複数対の第1電極および第2電極は、それらの並び順に従い第n(1≦n≦N)相目の駆動電圧が前記駆動電圧源から入力される、
    請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のオゾン生成装置。
  10. 放電面を有する誘電体部と、
    前記誘電体部の内部で互いに並んで延びるとともに、それぞれ前記放電面に対向する第1電極および第2電極と、を備え、
    前記第1電極は、前記放電面から見て、当該第1電極が延びる方向に電極の縁が延びた直線部と、前記直線部から電極の縁が曲がって延びた曲部と、を備え、
    前記誘電体部は、前記放電面から見て前記曲部を覆う突出部を備え、
    前記突出部は、前記放電面から厚み方向に突出している、
    オゾン生成装置。
  11. 前記突出部は、前記放電面から見て、前記直線部に交差する方向に延びている、
    請求項10に記載のオゾン生成装置。
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