JPWO2016190433A1 - 害虫忌避塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法 - Google Patents

害虫忌避塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016190433A1
JPWO2016190433A1 JP2016542296A JP2016542296A JPWO2016190433A1 JP WO2016190433 A1 JPWO2016190433 A1 JP WO2016190433A1 JP 2016542296 A JP2016542296 A JP 2016542296A JP 2016542296 A JP2016542296 A JP 2016542296A JP WO2016190433 A1 JPWO2016190433 A1 JP WO2016190433A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pest repellent
group
meth
mass
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016542296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6230715B2 (ja
Inventor
杉島 正見
正見 杉島
昭 沼澤
昭 沼澤
純 繁谷
純 繁谷
上田 伸一
伸一 上田
賢治 相奈良
賢治 相奈良
隆一 金山
隆一 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
SC Environmental Science Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
SC Environmental Science Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, SC Environmental Science Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Publication of JPWO2016190433A1 publication Critical patent/JPWO2016190433A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6230715B2 publication Critical patent/JP6230715B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01MCATCHING, TRAPPING OR SCARING OF ANIMALS; APPARATUS FOR THE DESTRUCTION OF NOXIOUS ANIMALS OR NOXIOUS PLANTS
    • A01M29/00Scaring or repelling devices, e.g. bird-scaring apparatus
    • A01M29/12Scaring or repelling devices, e.g. bird-scaring apparatus using odoriferous substances, e.g. aromas, pheromones or chemical agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D201/00Coating compositions based on unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/02Emulsion paints including aerosols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/14Paints containing biocides, e.g. fungicides, insecticides or pesticides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives

Abstract

貯蔵前後で害虫忌避性が低下しない、害虫が好むような環境でも安定した性能を発揮する害虫忌避塗料組成物を提供する。本発明の害虫忌避塗料組成物は、樹脂エマルション、防虫剤としてピレスロイド系化合物、特定の無機粉末、及び有機溶剤とを含み、pHを特定範囲となるように調整してなるものであり、人や動物等の居住空間に安全に塗布することができるとともに、長期貯蔵後、湿度や温度が高い環境下においても安定した害虫忌避性を持続することができる。

Description

本発明は、害虫忌避塗料組成物に関し、さらに詳しくは、建築物の内壁などに塗布することによって、蚊などの害虫を寄せ付けない性質の被膜を形成するための塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法に関する。
従来、建築物や家電製品などを害虫による被害から防護する、あるいは安全や衛生に対する消費者の関心を満たすために、種々の対策がされてきた。
例えば、建築物等に使用される木材を食害する白蟻に対し、その予防、もしくは駆除を目的として白蟻防除コーティングを塗布することが行われている。
白蟻防除コーティングとして、例えば水性樹脂エマルション、シラン系撥水剤、コロイダルシリカ及び防蟻剤を含む組成物が開示されている(特許文献1)。
特許文献1記載の組成物によれば、環境や人体に対しては有害ではなく、防蟻効果を発揮する被膜を形成することができるものである。また、白蟻防除コーティング組成物がコロイダルシリカなどを含んでいるので、多孔性の塗膜を形成でき、白蟻防除成分をしっかりと膜中に固定させることで塗膜形成後の白蟻防除性が長期に渡って発揮されるものである。しかしながら特許文献1では、記載のコーティング組成物を長期間貯蔵した後に塗布を行った際に、被膜の白蟻防除性が十分ではない問題がある。
一方、ゴキブリ等の害虫の問題を解決するために、防虫剤として合成ピレスロイド系化合物を、繊維製品や塗料に配合して防虫機能を持たせることはよく知られている。
例えば特許文献2には、塗装鋼板の着色塗膜層上に、該着色塗膜と同系色のあるいは透明なトップ塗膜層に防虫剤を添加して、防虫剤を効率的に使用した防虫塗装鋼板が提案されている。
かかる方法によれば、ある程度の期間防虫性能を発揮する塗装鋼板が得られるが、湿度が高く、温度が高いなど害虫が好んで集まる環境においては防虫性能を長期間にわたって維持することは困難である。
ところで、近年、地球温暖化の影響によりデング熱、マラリアなどの蚊を媒体とする感染症に対する関心が高まっており、蚊を対象とする害虫忌避塗料組成物のニーズが高くなっている。
しかしながら、白蟻やゴキブリ等の害虫を意図した従来の害虫忌避用組成物を防蚊塗料として建築物の内装に適用しても、人体に悪影響を及ぼさず、空間を自由に飛びまわる蚊に対して防蚊性を発揮する塗膜を形成する塗料を設計することは困難である上に、貯蔵後の塗料で形成された塗膜が安定した防蚊性を有し、高湿度、高温の環境下においても防蚊性を持続させることは困難である。
特開平11−256076号公報
特開2003−127272号公報
本発明の目的は、貯蔵前後で害虫忌避性が低下しない、害虫が好むような環境でも安定した性能を発揮する害虫忌避塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題に関して鋭意検討した結果、防虫剤としてピレスロイド系化合物を用い、特定の無機粉末と有機溶剤を含ませ、pHを特定範囲となるように塗料を調製することで、上記した課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
本発明の害虫忌避塗料組成物によれば、水系であり、人体に対して無害であり且つ蚊などの害虫に対しても忌避性を有するので、人や動物等の居住空間に安全に塗布することができる。
また、長期貯蔵後であっても、湿度や温度が高い環境下においても安定した害虫忌避性を持続する塗膜を形成することができる。
本発明の害虫忌避塗料組成物でいう害虫とは、通常の害虫であれば特に限定はされない。
一例としては例えば、アカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類;イエバエ等のハエ類;ユスリカ類;ブユ類;チョウバエ類;等の飛翔害虫、アリ類;ノミ類;ゴキブリ類;シロアリ類;ダニ類;クモ類;ダンゴムシ類;ムカデ類;ヤスデ類等の匍匐害虫等を挙げることができる。
本発明では、飛翔害虫、とくに蚊類に対して忌避性効果を発揮するものである。
本発明の害虫忌避塗料組成物は、樹脂エマルション、ピレスロイド系化合物、無機粉末、及び有機溶剤を含む。以下、各成分について説明する。
<樹脂エマルション>
本発明において、樹脂エマルションとしては、塗膜形成能を有するものであれば特に制限はなく、従来公知のものを制限なく使用することができ、その具体例としては、アクリル樹脂エマルション、アクリルシリコン樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、アルキド樹脂エマルション、メラミン樹脂エマルション、酢酸ビニルエマルション、シリコーン樹脂エマルション、酢酸ビニル・ベオバ樹脂エマルションなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、これらは単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
これらの中で、害虫忌避性の持続性に優れることから、アクリル樹脂エマルション、酢酸ビニルエマルション、シリコーン樹脂エマルションが好ましく、特にシリコーン樹脂エマルションがよい。
アクリル樹脂エマルションとしては、例えば水及び分散安定剤の存在で、(メタ)アクリロイル化合物を必須とし、その他の重合性不飽和モノマーを含む重合性不飽和モノマー成分を1段階で又は多段階で乳化重合することにより得られる、従来公知のエマルションを挙げることができる。
(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製、ISTA 高分岐状長鎖アルキルアクリレート)等の直鎖又は分岐状アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ヘキサフルオロ−i−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート;(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、(2−アクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェート、(2−メタクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェート等のリン酸基含有(メタ)アクリレート;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリロイルモノマー;イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等のイソシアナト基含有(メタ)アクリロイルモノマー;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の酸化硬化性基含有(メタ)アクリロイルモノマー;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート等;2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、テトラメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェート等の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、その他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクロレイン、ホルミルスチロール、炭素数4〜7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等)、アセトアセトキシアリルエステル等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;m−i−プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;エポキシ基含有重合性不飽和モノマー又は水酸基含有重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物等の酸化硬化性基含有重合性不飽和モノマー;フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル、パーフルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル等のフルオロビニルエーテル等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
これらアクリル樹脂エマルションは、製造してもよいしまた、市販されているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、「ボンコート」シリーズ、「ウォーターゾール」シリーズ(以上商品名、DIC社製);「アクリセット」シリーズ、「ユーダブル」シリーズ(以上商品名、日本触媒社製);「ポリゾール」シリーズ、(商品名、昭和高分子社製);「ヨドゾール」シリーズ、「カネビノール」シリーズ(以上、商品名、日本エヌエスシー社製);「ポリトロン」、「ポリデュレックス」(以上、商品名、旭化成ケミカルズ社製)、「リカボンド」シリーズ(商品名、中央理化工業社製);「プライマル」シリーズ(商品名、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製);「アクロナール」シリーズ(商品名、BASFジャパン社製);「モビニールニチゴー」シリーズ(商品名、モビニール社製);「カネカゼムラック」シリーズ、「カネビラック」シリーズ(以上、商品名、カネカ社製)等があげられる。
上記シリコーン樹脂エマルションとしては、ポリオルガノシロキサン鎖を有する樹脂エマルションであれば特に制限なく従来公知のものが使用でき、例えば、アルコキシシラン化合物又はその縮合物を重縮合してなるポリオルガノシロキサン類を水性媒体に分散、乳化又は溶解したエマルション;有機重合体にポリオルガノシロキサンを複合化させてなるエマルション;などが挙げられる。
上記において、ポリオルガノシロキサンの構成成分となるアルコキシシラン化合物としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基を有するシラン化合物を挙げることができる。なお、かかるアルコキシ基は、塩素原子やフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
また、アルコキシシラン化合物は、Si−C結合を有していてもよく、さらにアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、置換フェニル基またはアラルキル基などの炭化水素を有していてもよい。ここでアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、i−オクチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、及びn−ドデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基を挙げることができる。当該アルキル基は、その一部が塩素原子やフッ素原子などのハロゲン原子、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、メルカプト基、またはエポキシシクロヘキシル基等で置換されていてもよい。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基やシクロヘキシル基等を挙げることができる。かかるシクロアルキル基は一部が炭素数が1〜6の低級アルキル基で置換されていてもよく、かかるシクロアルキル基として4−エチルシクロヘキシル基を挙げることができる。アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、n−5−ヘキセニル基、4−ビニルシクロヘキセニル基などを;アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニルイル基、ナフチル基、アントリル基、及びフェナントリル基などを;置換フェニル基としては、o−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基などを;アラルキル基としては、ベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基などを挙げることができる。
かかる置換基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いるポリオルガノシロキサン類には、相異なる複数のアルコキシシラン化合物から構成されるものも含まれる。また相異なるポリオルガノシロキサンを2種以上任意に組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いられるシリコーン樹脂エマルションの具体的な市販品としては、制限はされないが、例えば、「WACKER BS 45」、「WACKER BS 1306」、「WACKER BSR 50」、「WACKER 290」、「WACKER SMK 1311」、及び「WACKER SMK 2101」(いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)、「TEGO Phobe 1000S」、「TEGO Phobe 1400」、「TEGO Phobe 1500N」、「TEGO Phobe 1600」、及び「TEGO Phobe 1650」、(いずれもエボニック デグサ社製)などが挙げられる。
酢酸ビニルエマルションとしては、例えば、水及び分散安定剤の存在下で、酢酸ビニルを単独で、もしくは酢酸ビニルおよびこれと共重合可能な重合性不飽和モノマー成分を乳化重合させることで得られる、樹脂エマルションを挙げることができる。
酢酸ビニルと共重合可能な重合性不飽和モノマー成分としては、上記アクリル樹脂エマルションにおいて(メタ)アクリロイル基含有化合物及びその他の重合性不飽和モノマーの説明で列記した化合物の中から、単独または2種以上の組合せを挙げることができる。
<ピレスロイド系化合物>
本発明においてピレスロイド系化合物としては、天然ピレスロイド系化合物であっても、合成ピレスロイド系化合物であってもよい。天然ピレスロイド系化合物としては、ピレトリン、シネリン、ジャスモリンが挙げられる。合成ピレスロイド系化合物は、天然ピレスロイドと化学構造が類似した合成化合物の総称であり、例えばアレスリン、フタルスリン、エムペントリン、テトラメトリン、α‐シペルメトリン、レスメトリン、プラレトリン、イミプロトリン、デルタメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、メトフルトリン、シラフルオフェン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、ブラトリン、エトフェンプロックス、シフルトリン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の害虫忌避塗料組成物においては、害虫忌避性の効果の点から、塗料固形分100質量部を基準とするピレスロイド系化合物の質量が0.15質量部以上にあるものであり、好ましくは0.30〜5.0質量部の範囲内が好ましい。
<無機粉末>
本発明の害虫忌避塗料組成物においては、無機粉末を必須成分として含有する。塗膜中に無機粉末を含むことによって害虫忌避持続性がより一層向上する。
無機粉末は、吸油量が本発明範囲にある限り特に制限されるものではないが、例えば体質顔料を挙げることができ、その具体例としては、含水二酸化ケイ素、天然結晶シリカ、アモルファスシリカ、無水ケイ酸、ヒュームドシリカ、シリカビーズなどの二酸化ケイ素系化合物;珪藻土、炭酸カルシウム;硫酸バリウム;パイロフィライト、カオリナイト、ハロイサイト、セリサイト、モンモリロナイト等のクレー;天然および合成のマイカ;ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、本発明においては、無機粉末は吸油量が320ml/100g以下にあることを特徴とするものであり、特に5〜300ml/100gの範囲内のものであることが適している。
吸油量が320ml/100gを超えると、貯蔵後の害虫忌避塗料組成物から形成される塗膜の害虫忌避性が不十分であり、好ましくない。
本明細書において吸油量とは、JIS K 5101の規定に準拠した煮あまに油法によって測定して求められるものである。
無機粉末の配合量としては、樹脂エマルション固形分100質量部を基準として10〜200質量部の範囲内であり、好ましくは15〜150質量部の範囲内が好適である。
無機粉末の配合量がこの範囲を外れると、形成される塗膜の害虫忌避性が十分発揮されず、好ましくない。
<有機溶剤>
本発明の害虫忌避塗料組成物は有機溶剤を含む。有機溶剤を含むことによって、ピレスロイド系化合物が塗膜中に均一的に分散され、塗膜の害虫忌避性能をより一層向上させることができると共に、貯蔵後の塗料から形成された塗膜でも安定して害虫忌避性を発揮することができる効果がある。
本発明において、有機溶剤には特に制限はなく、従来公知のものを使用することができるが、具体的には、メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル等のジプロピレングリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−i−ブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、2−ピロリドン等の含窒素系有機溶剤;オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン等のパラフィン系炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のナフテン系炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、メチルナフタレン、ジ−i−プロピルナフタレン等の芳香族系炭化水素類が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、上記有機溶剤の量が、樹脂エマルション固形分100質量部を基準として0.5〜20.0質量部の範囲内であり、好ましくは1.0〜10.0質量部の範囲内にあることが適している。
特に本発明では、有機溶剤としてパラフィン系炭化水素類、芳香族系炭化水素類が好ましい。
かかる有機溶剤の具体例としては、i−パラフィン、アルキルベンゼンが挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
<界面活性剤>
本発明の害虫忌避塗料組成物は、界面活性剤を含むことが適している。
これにより、上記有機溶剤と共に、ピレスロイド系化合物が塗膜中に均一的に分散され、塗膜の害虫忌避性能をより一層向上させることができると共に、貯蔵後の塗料から形成された塗膜でも安定して害虫忌避性を発揮することができる効果がある。
かかる界面活性剤としては特に制限はなく、従来公知のものを使用することができるが、具体的には、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油エーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンベンジル(又はスチリル)フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ジアルキル又はジアルケニルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノ又はジアルキルナフタレン酸スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレン、モノ又はジアルキルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル(又はスチリル)フェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル(又はスチリル)フェニルエーテルホスフェート又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーホスフェート等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムクロライド、モノ又はジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、アルキルペンタメチルプロピレンジアミンクロライド、アルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ジアルキルジアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
特に本発明では、界面活性剤として非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が好ましい。
本発明において、ピレスロイド系化合物、有機溶剤、界面活性剤は、害虫忌避塗料組成物のいずれの製造段階において配合することができるが、ピレスロイド系化合物、有機溶剤、界面活性剤を含む成分を製薬剤として予め製造し、該製薬剤をその他成分と共に攪拌混合することが適当である。
上記製薬剤には、必要に応じて共力剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の成分を含ませることができる。
<害虫忌避塗料組成物>
本発明の害虫忌避塗料組成物には、さらに必要に応じてpH調整剤、増粘剤、湿潤剤、防腐剤、樹脂エマルション以外の改質用樹脂、着色顔料、造膜助剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、表面調整剤等の塗料用添加剤を適宜配合することができる。
これらのうちpH調整剤としては、無機酸、有機酸などの各種酸や水酸化ナトリウム等の無機アルカリや各種アミン系化合物が挙げられ、アミン系化合物が好ましく用いられる。このアミン系化合物としては、特に限定されないが、たとえばアンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどが挙げられる。
また、増粘剤としては、通常塗料用途等で増粘剤として使用されるものが制限なく使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性の繊維素誘導体;グァーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムなどの多糖類;ベントナイト、モンモリロナイト、コロイド状アルミナなどの無機系増粘剤;ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリエ−テルジアルキルエステル、ビニルメチルエ−テル−無水マレイン酸共重合物の部分エステル、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。これらのうち、水溶性の繊維素誘導体、多糖類、ポリビニルアルコール、及び無機系増粘剤など、特に水溶性の繊維素誘導体及び多糖類が、塗装作業性等の点から好適に使用できる。
上記増粘剤は樹脂エマルション固形分100質量部を基準として0.1〜10部、好ましくは0.2〜5部の範囲内で含まれることが適している。
上記のようにして得られる本発明の害虫忌避塗料組成物の、適正なpH範囲は、9.0未満であり、7.0〜8.5の範囲内にあることがより好ましい。pHが9.0を超えると塗料製造後初期段階では安定した害虫忌避性塗膜が得られるが、塗料貯蔵後には害虫忌避性が不十分となってしまう。
本明細書においてpHは、封缶状態の塗料の温度を20℃に調整し、pHメータで測定したものとする。
本発明の害虫忌避塗料組成物の塗装対象となる被塗物としては、特に制限されることなく、例えば、木質板、合板、中密度繊維板、プラスチック板、セメントモルタル、コンクリート板、PCパネル、ALCパネル、石綿スレート、石膏ボード、パーティクルボード、発泡セメントボード、木片セメント板、ケイ酸カルシウムボード、紙、金属などの素材を例示することができ、これらの素材は、その素材上に既存の或いは新規の塗膜が設けられたものであってもよい。
害虫忌避塗料組成物の塗装は、特に制限なしに従来公知の塗布方法、例えば、ローラ、刷毛、スプレー、またはロールコーティングやフローコーティング等の方法で行うことができ、常温乾燥の条件でも硬化できるが、必要に応じて強制乾燥又は加熱乾燥を行うこともできる。
上記の如きして得られた害虫忌避性塗膜は、クリヤー塗膜であれば、被塗物が有する色相外観を変えることなく、質感を向上させることができ、適しているが、用途によって着色顔料等の着色剤を含ませることによる着色塗膜であっても差し支えない。
また、本発明においては、害虫忌避性の機能を十分に発揮するためには、本発明の害虫忌避塗料組成物から形成される塗膜中に含まれるピレスロイド系化合物の質量が塗布面1mあたり0.2〜10.0g/m、より好ましくは0.5〜8.0g/mとなるような範囲に塗布量を調整して、上記害虫忌避性塗膜とすることが適当である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。ここで、『部』および『%』はそれぞれ『質量部』および『質量%』を意味する。
<防蚊塗料の製造>
実施例1〜6及び比較例1〜7
表1に示す配合組成で攪拌・混合して各種の防蚊塗料(A)〜(M)を得た。表1における(注)は次の通りである。
(注)「ニップシール E−1009」:商品名、東ソーシリカ社製、含水二酸化ケイ素、吸油量250ml/100g
(注)「CELITE 281」:商品名、Celite Co.社製、焼成珪藻土、吸油量140ml/100g
(注)「MIN−U−SIL30」:商品名、US.SILICA社製、天然結晶シリカ吸油量26ml/100g
(注)「タンカルMC−75」:商品名、白石カルシウム社製、炭酸カルシウム、吸油量19ml/100g
(注)「SMクレー」:商品名、フジライト工業社製、含水クレー、吸油量32ml/100g
(注)「G−80」:商品名、三共製粉社製、炭酸カルシウム、吸油量9ml/100g
(注)「サイリシア 350」:商品名、富士シリア化学社製、含水二酸化ケイ素、吸油量325ml/100g
(注)「WACKER BS 45」:旭化成ワッカーシリコーン社製、シリコーン樹脂エマルション、固形分50%。
(注)「WACKER BS 1306」:旭化成ワッカーシリコーン社製、変性シリコーン樹脂エマルション、固形分55%。
(注)「TEGO Phobe 1600」:エボニック デグサ社製、シリコーン樹脂エマルション(ポリジメチルシロキサン含有)、固形分50%。
(注)「TEGO Phobe 1600」:エボニック デグサ社製、シリコーン樹脂エマルション(ポリメチル−フェニルシロキサン含有)、固形分50%。
(注)「ボンコートCG−8370」:商品名、DIC社製、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルション、固形分50%
(注)「ボンコート6620EF」:商品名、DIC社製、酢ビ・ベオバ共重合樹脂エマルション、固形分50%
(注)製薬剤(P−1):ペルメトリン40%、「アルケンL」24.0%、「IPソルベント2028」15.0%、N−メチルピロリドン4.0%、「ニューカルゲンCP−120」7.0%、「ニューカルゲンKL−30」10.0%
(注)製薬剤(P−2):ペルメトリン40%、「アルケンL」28.0%、「IPソルベント2028」15.0%、「ニューカルゲンKL−30」17.0%
(注)製薬剤(P−3):ペルメトリン40%、「アルケンL」24.0%、「IPソルベント2028」20.0%、N−メチルピロリドン4.0%、「ニューカルゲンCP−120」7.0%、「ニューカルゲンKL−30」5.0%
(注)製薬剤(P−4):フェノトリン30%、酢酸エチル70%、
(注)製薬剤(P−5):デルタメトリン30%、エタノール70%
(注)「アルケンL」:JX日鉱日石エネルギー社製、芳香族系炭化水素
(注)「IPソルベント2028」:出光興産社製、パラフィン系炭化水素
(注)「ニューカルゲンCP−120」:竹本油脂社製、ポリオキシアルキレン系乳化剤
(注)「ニューカルゲンKL−30」:竹本油脂社製、ポリオキシアルキレン系乳化剤
Figure 2016190433
<防蚊処理板の作成>
実施例7〜12及び比較例8〜14
ベニヤ板(28cm×20cm)に、上記実施例及び比較例で得られた防蚊塗料(A)〜(M)を、ハケにて100g/mの塗布量で塗装し、室温で2時間乾燥して、各防蚊処理板を作成した。実施例10〜11、および比較例10においては、防蚊塗料による塗膜上にさらに100g/mの塗布量で塗り重ね塗装し、室温で2週間乾燥して、防蚊処理板とした。
<貯蔵後の防蚊塗料を用いて処理した防蚊処理板の作成>
上記実施例及び比較例で得られた防蚊塗料(A)〜(M)を40℃で1ヶ月貯蔵したものを処理液として用いて、同様にして防蚊処理板を作成した。
<蚊忌避試験>
(1)試験ケージ(18cm×28cm、高さ20cm)の壁面(長辺)の片方に防蚊処理板を張って防蚊処理区とし、もう片方にブランク板を張って無処理区とした。壁面(短辺)、天面、底面は何も張らず、ケージ網のままとし、試験ボックスとした。
(2)(1)で作成した試験ボックスに、100〜500匹のヒトスジシマカ(Aedes albopictus)成虫を放虫した。
(3)1、2、3、4、5時間後に防蚊処理区、無処理区に止まった供試虫をカウントし、忌避率(%)を下式にて算出した。蚊の数のカウントは3分毎に3回繰り返し、その合計数とした。
忌避率(%)=
(無処理区に止まっている蚊の数)/
{(防蚊処理区に止まっている蚊の数)+(無処理区に止まっている蚊の数)}×100
(4)1,2,3,4,5時間で各々得られた忌避率(%)の平均値を下記4段階の基準にて評価した。結果を表2に示す。
◎:忌避率(%)の平均値が80%以上、
〇:忌避率(%)の平均値が70%以上で80%未満、
△:忌避率(%)の平均値が60%以上で70%未満、
×:忌避率(%)の平均値が60%未満。
Figure 2016190433

Claims (11)

  1. 樹脂エマルション、ピレスロイド系化合物、吸油量が320ml/100g以下の無機粉末、及び有機溶剤を含み、樹脂エマルション固形分100質量部を基準とする無機粉末の質量が10〜200質量部、有機溶剤の質量が0.5〜20.0質量部であり、塗料固形分100質量部を基準とするピレスロイド系化合物の質量が0.15質量部以上にあり、温度が20℃の時の塗料pHが9.0未満であることを特徴とする、害虫忌避塗料組成物。
  2. 樹脂エマルションがシリコーン樹脂エマルションである、請求項1記載の害虫忌避塗料組成物。
  3. ピレスロイド系化合物が、ペルメトリン、α‐シペルメトリン、フェノトリン及びデルタメトリンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の害虫忌避塗料組成物。
  4. 有機溶剤がパラフィン系炭化水素類及び/又は芳香族系炭化水素類である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の害虫忌避塗料組成物。
  5. 界面活性剤をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の害虫忌避塗料組成物。
  6. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤である、請求項5に記載の害虫忌避塗料組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の害虫忌避塗料組成物により形成される、害虫忌避性塗膜。
  8. クリヤー塗膜である、請求項7に記載の害虫忌避性塗膜。
  9. ピレスロイド系化合物の量が0.2〜10.0g/m2である、請求項7又は8に記載の害虫忌避性塗膜。
  10. 被塗物に請求項1ないし6のいずれか1項に記載の害虫忌避塗料組成物を塗布することを特徴とする、害虫忌避方法。
  11. 請求項10に記載の方法により得られる、害虫忌避性を有する物品。
JP2016542296A 2015-05-27 2016-05-27 害虫忌避塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法 Active JP6230715B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107977 2015-05-27
JP2015107977 2015-05-27
PCT/JP2016/065803 WO2016190433A1 (ja) 2015-05-27 2016-05-27 害虫忌避塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016190433A1 true JPWO2016190433A1 (ja) 2017-06-22
JP6230715B2 JP6230715B2 (ja) 2017-11-15

Family

ID=57392936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016542296A Active JP6230715B2 (ja) 2015-05-27 2016-05-27 害虫忌避塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6230715B2 (ja)
WO (1) WO2016190433A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101992942B1 (ko) * 2017-04-07 2019-10-01 한국생산기술연구원 건축 도료용 해충기피 분말 및 이의 제조방법
JP7060465B2 (ja) * 2017-11-24 2022-04-26 花王株式会社 乳化重合用界面活性剤組成物
JP7160266B2 (ja) * 2017-12-27 2022-10-25 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 有害節足動物防除樹脂組成物
CN109265347A (zh) * 2018-10-31 2019-01-25 长乐巧通工业设计有限公司 除虫菊酯与生物真菌互配灭蚊剂及其制造方法
JP7281248B2 (ja) * 2018-11-08 2023-05-25 スズカファイン株式会社 水性塗料組成物とこれを用いた害虫防除方法
CN114890813B (zh) * 2022-05-19 2022-12-09 湖北工业大学 一种抗蚊虫生态水泥基轻质板材的制备方法
CN116855138A (zh) * 2023-07-05 2023-10-10 佛山市东鹏陶瓷有限公司 一种驱蚊组合物、墙体驱蚊涂料、制备方法及其用途

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135405A (ja) * 1997-07-24 1999-02-09 Daiwa Kagaku Kogyo Kk 害虫防除性塗料
JP2001181116A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Chemkor Co Ltd 防虫組成物及びこれを使用した防虫塗料
WO2002022753A1 (fr) * 2000-09-11 2002-03-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Couche d'agent repulsif contre les insectes nuisibles, revetement a base d'agent repulsif contre les insectes nuisibles et methode de preparation
JP2003171619A (ja) * 2001-12-06 2003-06-20 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物
CN101225260A (zh) * 2008-01-31 2008-07-23 奥顿开林(江苏)化工有限公司 具有杀虫功效的内墙涂料
JP2013176906A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 木製部材、木質基材用塗料組成物、及び木質基材の保護方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135405A (ja) * 1997-07-24 1999-02-09 Daiwa Kagaku Kogyo Kk 害虫防除性塗料
JP2001181116A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Chemkor Co Ltd 防虫組成物及びこれを使用した防虫塗料
WO2002022753A1 (fr) * 2000-09-11 2002-03-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Couche d'agent repulsif contre les insectes nuisibles, revetement a base d'agent repulsif contre les insectes nuisibles et methode de preparation
JP2003171619A (ja) * 2001-12-06 2003-06-20 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物
CN101225260A (zh) * 2008-01-31 2008-07-23 奥顿开林(江苏)化工有限公司 具有杀虫功效的内墙涂料
JP2013176906A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 木製部材、木質基材用塗料組成物、及び木質基材の保護方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6230715B2 (ja) 2017-11-15
WO2016190433A1 (ja) 2016-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6230715B2 (ja) 害虫忌避塗料組成物及びこれを用いた害虫の忌避方法
JP5004229B2 (ja) コーティング剤
ES2750534T3 (es) Revestimiento protector transparente reversible con agua para sustratos
AU2014237825B2 (en) Water-based compositions that resist dirt pick-up
JP2006257395A (ja) エマルション組成物
JP7128321B2 (ja) 被膜形成方法
JP2016503445A (ja) 保色性を改善するための、被覆剤における水性ポリマー分散液の使用
US10364196B2 (en) Multi-functional coating system for cementitious composite materials
JP6946114B2 (ja) 水性被覆材
JP5974323B2 (ja) 漆喰塗布面の艶消し防汚処理材およびそれを用いた防汚仕上げ方法
JP2023115332A (ja) 水性被覆材
AU2018242148B2 (en) Coating composition and use thereof
JP2012503050A (ja) 塩基性添加剤を含む塗料材料
JP4982122B2 (ja) 塗装方法
JP2015520784A (ja) ポリアクリル酸リチウムの分散剤としての使用
RU2345108C1 (ru) Водно-дисперсионная эластичная грунтовка
CN106318066A (zh) 一种气雾型杀虫水性墙面漆及其制备方法
US20100303939A1 (en) Insect Repellling Paint
JP2024007025A (ja) 塗材仕上げ構造及び塗材仕上げ工法
KR102499507B1 (ko) 내스크래치성을 갖는 무광 도료 조성물
US9068099B2 (en) Hydrophobic coatings that provide renewable hydrophilic surface
RU2783821C1 (ru) Водно-дисперсионная краска с защитными свойствами против бактерий, вирусов и грибков
JP7212278B2 (ja) 塗装方法及び下塗り塗料
JP2001348529A (ja) 水性塗料組成物、透湿性塗膜および透湿性塗膜形成方法
KR20060129845A (ko) 수성 균열도료와 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6230715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250