JPWO2016186201A1 - トコフェロールリン酸エステル塩およびその製造方法、皮膚外用剤 - Google Patents

トコフェロールリン酸エステル塩およびその製造方法、皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

下記式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩とする。(式(1)中、R1、R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはメチル基を表す。Mはアルカリ金属を表す。aは1.10以上2.00以下である。)[化1]

Description

本発明は、水溶性に優れたトコフェロールリン酸エステル塩およびその製造方法、これを用いた皮膚外用剤に関する。
本出願は、2015年5月20日に日本に出願された特願2015−102878に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、ビタミンEとして知られているトコフェロール類(α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等)およびその誘導体は、抗酸化作用、生体膜安定化作用、免疫賦活作用、血行促進作用等の効能を呈することが知られている。この効能を利用するため、トコフェロール類およびその誘導体は、古くから皮膚外用剤に配合されている。
皮膚外用剤に配合されるトコフェロール類およびその誘導体として、トコフェロールリン酸エステル塩などの水溶性のトコフェロール誘導体がある(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
特許文献1には、トコフェロールリン酸エステル塩を用いた美白用皮膚外用剤が提案されている。また、特許文献2には、トコフェロールリン酸エステル塩を用いた皮膚外用シワ防止剤が提案されている。
特開2004−26817号公報 特開2008−7428号公報 特開昭59−44375号公報 国際公開第97/14705号
しかしながら、従来のトコフェロールリン酸エステル塩は、水溶性が不十分である。このため、これを含む皮膚外用剤を製造する際に製剤化しにくい場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩およびその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩を含む生産性に優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩中のトコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル当量に着目して鋭意検討した。その結果、上記のアルカリ金属のモル当量を1.10以上とすることで、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、従来、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩は、上記のアルカリ金属のモル当量が1.10未満のものしか製造されていなかった。本発明者らが検討した結果、上記のアルカリ金属のモル当量が1.10未満のトコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩は、水溶性が不十分であった。
本発明は以下の構成を採用する。
[1] 式(1)で示されることを特徴とするトコフェロールリン酸エステル塩。
Figure 2016186201
(式(1)中、R、RおよびRは互いに独立に、水素原子またはメチル基を表す。Mはアルカリ金属を表す。aは1.10以上2.00以下である。)
[2] 式(1)中のaが1.10以上1.70以下であることを特徴とする、[1]に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
[3] 式(1)中のMがナトリウムであることを特徴とする、[1]または[2]に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載のトコフェロールリン酸エステル塩を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
[5] [1]乃至[3]のいずれかに記載のトコフェロールリン酸エステル塩を製造する製造方法であって、トコフェロールとリン酸化剤とを反応させてトコフェロールリン酸エステルを生成させた後、前記トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液中に硫酸水溶液を加えて前記トコフェロールリン酸エステルとともに析出した塩を溶解する工程と、前記塩を溶解した後の反応溶液からリン酸を除去する洗浄工程と、前記トコフェロールリン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で中和することにより、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を生成する中和工程とを有し、前記中和工程において使用するアルカリ金属水酸化物の量を、前記トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル数が1.17〜1.88となるようにするトコフェロールリン酸エステル塩の製造方法。
本発明のトコフェロールリン酸エステル塩は、トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル当量が1.10以上のものである。このため、優れた水溶性を有する。
本発明の皮膚外用剤は、本発明のトコフェロールリン酸エステル塩を含有する。このため、製剤化が容易であり、生産性に優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
「トコフェロールリン酸エステル塩」
本発明のトコフェロールリン酸エステル塩は、上記式(1)で示される。
(式(1)中、R、RおよびRは互いに独立に、水素原子またはメチル基を表す。Mはアルカリ金属を表す。aは1.10以上2.00以下である。)
式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩は、クロマン環の2位に不斉炭素原子を有するため、d体、l体の立体異性体、dl体が存在する。本発明のトコフェロールリン酸エステル塩は、これらの異性体のいずれをも含む。
式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩は、R、RおよびRの全てがメチル基であるα−トコフェロールリン酸エステル塩、R、Rがメチル基でありRが水素原子であるγ−トコフェロールリン酸エステル塩、Rがメチル基でありRおよびRが水素原子であるσ−トコフェロールリン酸エステル塩のいずれかであることが好ましい。これらの中でも特に、生理活性が強く、入手が容易であるため、α−トコフェロールリン酸エステル塩またはγ−トコフェロールリン酸エステル塩が好ましい。
式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩に含まれるリン酸基は、負電荷を有しており、正電荷を有する1種以上のアルカリ金属イオンと塩を形成している。
式(1)中のアルカリ金属Mとしては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。式(1)中のアルカリ金属Mは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。特に、アルカリ金属Mがナトリウムであると、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩が得られるため好ましい。また、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩は、粉末であるため、取り扱いしやすく、好ましい。式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩が、2種以上のアルカリ金属Mを含む場合には、90%以上がナトリウムであることが好ましい。
式(1)中のaは、トコフェロールリン酸エステル(式(1)において括弧内の化学式で示す。)1モルに対するアルカリ金属Mのモル数(モル当量)である。式(1)中のaは1.10以上2.00以下であり、下記式(2)により求められる数値である。
a=(Mの含有量/Mの原子量)/(Tの含有量/Tの分子量)‥‥(2)
(式(2)中のMは、アルカリ金属を示し、Tは、トコフェロールリン酸エステルを示す。Mの含有量は、トコフェロールリン酸エステル塩中のアルカリ金属の含有量(質量%)である。Tの含有量は、トコフェロールリン酸エステル塩中のトコフェロールリン酸エステルの含有量(質量%)である。)
上記式(2)中のアルカリ金属Mの含有量は、例えば、ICP発光分析法、原子吸光光度法、炎光発光法、イオンクロマトグラフィーなどの方法により求めることができる。
上記式(2)中のトコフェロールリン酸エステルTの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ用カラムを用いて、紫外可視分光器で検出して求めることができる。高速液体クロマトグラフ用カラムとしては、例えば、長鎖アルキル基、好ましくはオクタデシル基が結合したポリ(メタ)アクリレート系ゲルの充填されたものを用いる。
式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩の水溶性は、式(1)中におけるaの数値の影響を受ける。式(1)中のaが1.10未満であると、トコフェロールリン酸エステル塩の水溶性が不足する。このため、化粧水等の皮膚外用剤を製剤する際に支障が生じる場合がある。式(1)中のaが1.10以上であると、トコフェロールリン酸エステル塩の水溶性が非常に良好となる。トコフェロールリン酸エステル塩の水溶性は、式(1)中のaが2.00に近いほど向上する。式(1)中のaは、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩を得るために、1.15以上であることが好ましく、1.20以上であることがより好ましい。
具体的には、式(1)中のaが1.00であるα−トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩の1質量%水溶液では、目視で濁りが観察される。これに対し、式(1)中のaが1.10であるα−トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩の1質量%水溶液では、濁りが観察されない。また、式(1)中のaが1.15であるα−トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩は、これの1質量%水溶液を調製する場合に、aが1.10である場合と比較して1/3程度の所要時間で効率よく水に溶解させることができる。
式(1)中のaは2.00以下であり、1.70以下であることが好ましい。式(1)中のaが1.70以下であると、十分な油溶性を有し、有機溶媒に対する溶解度が高いトコフェロールリン酸エステル塩となる。このようなトコフェロールリン酸エステル塩は、有機溶媒を用いて晶析することにより、容易に効率よく精製でき、好ましい。式(1)中のaが1.70以下であると、取扱いしやすい有機溶媒であるメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)に対する溶解性が特に高くなる。
また、式(1)中のaが1.70以下であると、トコフェロールリン酸エステル塩を含む皮膚外用剤を製造した場合に、皮膚外用剤中でのアルカリ金属Mによる塩析効果を抑制できる。このため、安定性に優れた皮膚外用剤を製造でき、好ましい。
有機溶媒に対する溶解度の高いトコフェロールリン酸エステル塩を得るとともに、トコフェロールリン酸エステル塩を含む皮膚外用剤中におけるアルカリ金属Mによる塩析効果を抑制するために、式(1)中のaは1.60以下であることがより好ましく、1.50以下であることがさらに好ましい。
以上を総合すると、aが1.10以上1.70以下であると、水溶性と油溶性のバランスに優れたものとなる。
「トコフェロールリン酸エステル塩の製造方法」
本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩は、例えば、以下に示す<1>〜<4>の工程を行う製造方法を用いて製造できる。
<1>トコフェロールとリン酸化剤とを反応させることにより、トコフェロールリン酸エステルを生成させる。その後、トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液中に硫酸水溶液を加え、トコフェロールリン酸エステルとともに析出した塩を溶解する。
<2>塩を溶解した後の反応溶液からリン酸(HPO)を除去するための洗浄工程を行う。
<3>トコフェロールリン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で中和することにより、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を生成する(中和工程)。
<4>必要に応じて、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を精製する。
上記<1>のトコフェロールリン酸エステルを生成する工程においては、トコフェロールとして、α−トコフェロール、γ−トコフェロール、σ−トコフェロールなどを用いることができる。トコフェロールは、これらの異性体のいずれであってもよい。
リン酸化剤としては、オキシ塩化リン、トリメタリン酸、ポリリン酸などを用いることができる。
上記<1>においては、トコフェロールとリン酸化剤とを確実に反応させるために、トコフェロールに対してリン酸化剤を過剰に使用することが好ましい。
本実施形態では、トコフェロールリン酸エステルを中和する前に、上記<2>のリン酸(HPO)を除去するための洗浄工程を行う。洗浄工程で除去されるリン酸は、上記<1>のトコフェロールリン酸エステルを生成する工程において、トコフェロールとの反応に使用されなかった余剰のリン酸化剤が、硫酸水溶液と反応して副生したものである。本実施形態では、上記<1>においてトコフェロールに対してリン酸化剤を過剰に使用した場合であっても、洗浄工程を行うことにより十分にリン酸が除去される。
洗浄工程としては、トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液の有機層を、有機層の2倍以上の質量の水を用いて、3回以上くりかえし洗浄を行うことにより、反応溶液中に含まれるリン酸を除去する方法が挙げられる。
上記<3>のトコフェロールリン酸エステルを中和する工程においては、例えば、トコフェロールリン酸エステルを溶媒に溶解させた溶液中に、溶媒に溶解させたアルカリ金属水酸化物を滴下する方法を用いることができる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができる。
本実施形態では、トコフェロールリン酸エステルを中和する工程において使用するアルカリ金属水酸化物の量を、トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル数(モル当量)[(アルカリ金属のモル数/トコフェロールリン酸エステルのモル数)以下「b値」という場合がある。]が1.17以上となるようにすることが好ましい。
この場合、トコフェロールリン酸エステルを中和する工程において、式(1)中のaが1.10以上であるトコフェロールリン酸エステル塩が容易に得られる。式(1)中のaが1.15以上となるように、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は1.20以上とすることが好ましく、式(1)中のaが1.20以上となるように、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は1.30以上とすることが好ましい。
また、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は、1.88以下とし、1.79以下とすることが好ましい。「b値」が1.88以下であると、式(1)中のaが1.80以下であるトコフェロールリン酸エステル塩が得られる。また、「b値」が1.79以下であると、トコフェロールリン酸エステルを中和する工程において、式(1)中のaが1.70以下であるトコフェロールリン酸エステル塩が得られる。式(1)中のaが1.60以下となるように、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は、1.68以下とすることが好ましく、式(1)中のaが1.50以下となるように、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は、1.58以下とすることが好ましい。
本実施形態において、上記<4>のトコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を精製する工程を行う場合、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を、有機溶媒を用いて晶析することにより精製することが好ましい。この場合、有機溶媒として、メタノール、アセトン、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)などを用いることができる。有機溶媒としては、取扱いしやすい有機溶媒であるメチル−t−ブチルエーテルを用いることが好ましい。
本実施形態の製造方法では、トコフェロールリン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で中和する中和工程<3>を行う前に、副生物であるリン酸(HPO)を除去するための洗浄工程<2>を行う。このため、中和工程<3>において、アルカリ金属水酸化物が、副生物であるリン酸と反応して消費されることが抑制される。したがって、上記の中和工程において使用するトコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル数(モル当量)「b値」と、中和後に生成するアルカリ金属塩中のトコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属Mのモル数(モル当量)である式(1)中のaとが近似する。よって、上記の中和工程において使用するアルカリ金属水酸化物の量を調節することで、式(1)中のaが、1.10以上のトコフェロールリン酸エステル塩が容易かつ確実に得られる。
これに対し、従来のトコフェロールリン酸エステル塩の製造方法では、上記の中和する工程において使用するアルカリ金属のモル当量と、中和後に生成するアルカリ金属塩の式(1)中のaとの差が大きかった。このため、中和する工程を行う前に、中和後に生成するアルカリ金属塩における式(1)中のaを予測することは困難であった。例えば、上記の中和する工程において使用するアルカリ金属のモル当量を1.2にした場合には、中和後に生成するアルカリ金属塩の式(1)中のaは1.0程度であった。
本発明者らが、鋭意検討した結果、トコフェロールリン酸エステルを生成する工程において副生したリン酸(HPO)が、中和する工程において使用するアルカリ金属水酸化物と反応するため、トコフェロールリン酸エステルの中和に寄与することなくアルカリ金属水酸化物が消費されることが分かった。また、上記の中和する工程において使用するアルカリ金属のモル当量のうち10〜40%が、副生したリン酸との反応によって消費されることが分かった。このことによって、上記の中和する工程において使用するアルカリ金属のモル当量よりも、中和後に生成するアルカリ金属塩の式(1)中のaが小さくなっていると推定される。
本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩は、トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル当量である式(1)中のaが、1.10以上のものである。このため、優れた水溶性を有する。したがって、これを含む皮膚外用剤を製造する場合に、容易に製剤化できる。
また、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩が、式(1)中のaが、1.70以下のものである場合、十分な油溶性を有し、かつ優れた水溶性を有するものとなる。したがって、これを含むクリーム、化粧水など様々な形態の皮膚外用剤を、容易に製造できる。また、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩が、式(1)中のaが、1.70以下のものである場合、これを含有する皮膚外用剤中でのアルカリ金属Mによる塩析効果が抑制される。このため、安定性に優れた皮膚外用剤が得られる。
さらに、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩が、式(1)中のaが、1.70以下のものである場合、これを含有する皮膚外用剤を製剤する際に使用する中和剤の使用量を抑制できる。このため、皮膚外用剤を製剤する際に添加した中和剤によって増加した無機塩が、皮膚外用剤中で析出してざらつき感を発生させることを防止できる。
また、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩は、固体の粉末として製造できるため、輸送が容易である、保存安定性に優れる、皮膚外用剤への配合が容易であるなどの効果が得られる。
また、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩は、皮膚に接触させると、皮膚に浸透した後にエステル結合が切れてトコフェロールとなり、コラーゲン合成促進効果およびコラーゲン分解抑制効果が発揮される。したがって、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩を含む皮膚外用剤を皮膚に接触させることにより、皮膚の加齢による形態変化の予防および改善効果が期待できる。よって、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩は、美肌効果を目的とする各種皮膚外用剤用途に広く使用できる。
「皮膚外用剤」
次に、本発明の皮膚外用剤について説明する。
本実施形態の皮膚外用剤は、前記式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩を含有する。
本実施形態の皮膚外用剤は、トコフェロールリン酸エステル塩を0.01〜20質量%含むことが好ましい。トコフェロールリン酸エステル塩の含有量が0.01質量%以上であると、トコフェロールリン酸エステル塩を含むことによる効果が発揮されやすい。トコフェロールリン酸エステル塩を含むことによる効果を得るには、トコフェロールリン酸エステル塩を0.03質量%以上含むことがより好ましく、0.05質量%以上含むことがさらに好ましい。
また、トコフェロールリン酸エステル塩の含有量が20質量%以下であると、トコフェロールリン酸エステル塩を皮膚外用剤中に容易に均一に溶解および/または分散させることができ、製剤化が容易で生産性に優れる皮膚外用剤となる。しかも、トコフェロールリン酸エステル塩の含有量が20質量%以下であると、皮膚外用剤中でのアルカリ金属Mによる塩析効果を抑制できる。このため、安定性に優れた皮膚外用剤となる。トコフェロールリン酸エステル塩を均一に溶解および/または分散させるとともに、安定性を向上させるためには、トコフェロールリン酸エステル塩を10質量%以下含むことがより好ましく、5質量%以下含むことがさらに好ましい。
本実施形態の皮膚外用剤は、トコフェロールリン酸エステル塩に加えて、一般に皮膚外用剤に用いられる成分など他の成分を含むことができる。本実施形態の皮膚外用剤に配合可能な他の成分としては、例えば、アスコルビン酸誘導体、炭化水素類、天然油脂類、脂肪酸類、高級アルコール類、アルキルグリセリルエーテル類、エステル類、シリコーン油類、高分子類、低級アルコール類、多価アルコール類、界面活性剤、紫外線吸収剤、粉体類および色材類、植物抽出物、アミノ酸類及びペプチド類、ビタミン類およびビタミン様作用因子類、防腐剤、酸化防止剤、封鎖剤、保湿剤、抗炎症剤、pH調整剤、塩類、α−ヒドロキシ酸類、美白剤、精油類、テルペン類、香料、水などが挙げられる。
アスコルビン酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸−2−リン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド、アスコルビン酸−6−パルミチン酸、アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸、アスコルビン酸−2−リン酸−6−ヘキシルデカン酸、アスコルビン酸−6−テトライソパルミチン酸などが挙げられる。アスコルビン酸誘導体塩としては、上記例示化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、スクワラン、ミネラル油などが挙げられる。
天然油脂類としては、例えば、ホホバ油、オリーブ油、パーム油、ツバキ油、シアバターなどが挙げられる。
脂肪酸類としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。
高級アルコール類としては、例えば、イソステアリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールなどが挙げられる。
アルキルグリセリルエーテル類としては、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニルなどが挙げられる。
シリコーン油類としては、例えば、メチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンなどが挙げられる。
高分子類としては、例えば、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーなどが挙げられる。
低級アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2-ブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、天然系界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
天然系界面活性剤としては、例えば、水素添加大豆リン脂質、ホスファチジルセリン、デオキシコール酸ナトリウム、ソホロリピッドなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ウロカニン酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体などが挙げられる。
粉体類および色材類としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。
アミノ酸類及びペプチド類としては、例えば、コラーゲン、小麦ペプチドなどが挙げられる。
ビタミン類およびビタミン様作用因子類としては、例えば、ビタミンA類、カロテノイド類、ビタミンB2類、ビタミンD類、油溶性のビタミンE類、ユビキノン類、ビタミンK類、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、パラヒドロキシアニソール、没食子酸オクチル等が挙げられる。
封鎖剤としては、例えば、エデト酸、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、乳酸菌培養液、酵母エキス、セラミド等が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸グリセリン、グリチルレチン酸ステアリル、塩化リゾチーム、ヒドロコルチゾン、アラントイン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等が挙げられる。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
α−ヒドロキシ酸類としては、例えば、クエン酸、グリコール酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
美白剤としては、例えば、アルブチン、α−アルブチン、プラセンタエキス等が挙げられる。
テルペン類としては、例えば、ピネン、テルピネン、テルピノーレン、ミルセン、ロンギフィーレン等が挙げられる。
本実施形態の皮膚外用剤は、上述した成分以外に、必要に応じて、既存の化粧品原料をさらに含有するものであってもよい。
化粧品原料としては、例えば、化粧品原料基準第二版注解、日本公定書協会編、1984(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格追補、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別許可基準、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別配合成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1997(薬事日報社)、化粧品原料辞典、平成3年(日光ケミカルズ)及び新しい化粧品機能素材300、2002(シーエムシー出版)等に記載されている化粧品原料が挙げられる。
本実施形態の皮膚外用剤は、使用時に皮膚と接触させて用いるものであればどのような剤型、形態であってもよい。
本実施形態の皮膚外用剤は、トコフェロールリン酸エステル塩を含むことによる効果を所望する部位の皮膚と接触させるのに適した剤型、形態であることが好ましい。
皮膚外用剤の形態としては、例えば、スキンミルク、スキンクリーム、ファンデーションクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、シェービングクリーム、クレンジングフォーム、化粧水、ローション、パック、口紅、頬紅、アイシャドー、マニキュア、石鹸、ボディーシャンプー、ハンドソープ、シャンプー、リンス、ヘアトニック、トリートメント、ヘアクリーム、ヘアスプレー、育毛剤、養毛剤、染毛剤、整髪料、脱毛剤、ふけ防止剤、歯磨、義歯接着剤、うがい剤、パーマネントウェーブ剤、カーリング剤、スタイリング剤、軟膏剤、パップ剤、テープ剤、入浴剤、制汗剤、日焼防止剤等が挙げられる。
皮膚外用剤の剤型としては、固体、液体、半固体、気体のいずれであってもよい。具体的には、粉体、顆粒、錠形、ゲル状、泡状などの剤型が挙げられる。
本実施形態の皮膚外用剤は、使用者の性別、老若を問わない。また、本実施形態の皮膚外用剤は、動物類の皮膚に接触させるものであってもよい。
本実施形態の皮膚外用剤は、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩を含む成分を、所定の含有量となるように用い、その剤型、形態に応じて、常法に従って、溶解、混合あるいは分散するなどの方法により製造できる。
本実施形態の皮膚外用剤は、優れた水溶性を有している上述した実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩を含有している。よって、本実施形態の皮膚外用剤は、製剤化が容易で生産性に優れている。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において「%」は、質量%の意味であり、その趣旨に反しない限り全成分合計を100質量%とする。また、a値およびb値を後述の方法で算出し、その値を表1に併記した。
(実施例1)
dl−α−トコフェロール25.0g(0.05モル)を、ピリジン9.3gを含むトルエン75mlに溶解させて溶液を作製した。作製した溶液を氷浴にて冷却して0℃とし、溶液を撹拌しながらリン酸化剤であるオキシ塩化リン9.8g(0.064モル)を5分間で滴下した。滴下終了後、室温で3時間反応させて、トコフェロールリン酸エステルを生成させた。次いで、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液中に6N−硫酸水溶液を50ml加え、3時間加熱還流させた。
その後、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を分液ロートに入れ、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離した。分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するために、有機層の2倍の質量の水を用いて有機層を3回洗浄した。
洗浄後の有機層をエバポレータにて濃縮乾固させた。その後、乾固物に1−プロパノール100mlを加えて溶解し、水酸化ナトリウム2.4g(0.059モル)を溶解させたメタノール25mlを滴下し、35℃〜40℃に加温して1時間反応させて中和し、沈殿物を濾別した。
その後、濾別した沈殿物を1リットルのメタノールに溶解し、150mlに濃縮して濃縮液とした。次いで、この濃縮液にアセトン20mlを滴下して白色の沈殿物を析出させた。その後、沈澱物をアセトンで洗浄して、減圧乾燥することにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末19.1gを得た。
(実施例2)
リン酸化剤であるオキシ塩化リン13.7g(0.09モル)を、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)40gに溶解した。また、dl−α−トコフェロール30.0g(0.06モル)を、ピリジン11.2gを含むメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)36gに溶解させた。
その後、オキシ塩化リンを含むメチル−t−ブチルエーテル溶液に、dl−α−トコフェロールを含むメチル−t−ブチルエーテル溶液を、50℃以下の液温を保ちながら滴下ロートから滴下し、30分間撹拌して反応させて、トコフェロールリン酸エステルを生成させた。次いで、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液中に、15%硫酸水溶液97gを40℃以下の液温を保ちながら加え、30分間撹拌した。
その後、実施例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を有機層と水層とに分離した。その後、水酸化ナトリウム2.9g(0.072モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末23.4gを得た。
(実施例3)
水酸化ナトリウム3.1g(0.078モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
(実施例4)
水酸化ナトリウム3.3g(0.083モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄し、有機層に含まれているリン酸を除去するための洗浄を行うことなく、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。
その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた有機層をエバポレータにて濃縮乾固させ、実施例1と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末18.9gを得た。
(比較例2)
実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するために、有機層と同量の質量の水を用いて有機層を2回洗浄したこと以外は、実施例2と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末23.2gを得た。
(比較例3)
実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するために、有機層の2倍の質量の水を用いて有機層を2回洗浄したこと以外は、実施例2と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末23.1gを得た。
(比較例4)
実施例3と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するための洗浄を行うことなく、無水硫酸ナトリウムで乾燥させたこと以外は、実施例3と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
(比較例5)
実施例4と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するための洗浄を行うことなく、無水硫酸ナトリウムで乾燥させたこと以外は、実施例4と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
(実施例5)
水酸化ナトリウム4.1g(0.103モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
(実施例6)
水酸化ナトリウム4.5g(0.112モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
(実施例7)
水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウム3.3g(0.059モル)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのカリウム塩である白色粉末を得た。
(比較例6)
水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウム3.3g(0.059モル)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのカリウム塩である白色粉末を得た。
「a値の算出」
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6で得られたトコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)について、上記式(2)を用いて、トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属Mのモル当量(以下「a値」という場合がある。)を算出した。算出したa値を表1〜表3に示す。
なお、上記式(2)中のアルカリ金属Mの含有量は、原子吸光光度法(フレーム法)を用いて、下記に示す方法により求めた。
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6で得られた各トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)の約10ppm(質量基準)の水溶液を調製し、試料溶液とした。そして、次の条件で標準溶液の吸光度から得た検量線を用いて、試料溶液中のナトリウム(またはカリウム)含有濃度(ppm)を算出した。これを用いて下記式により各トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)中のアルカリ金属Mの含有量(質量%)を求めた。
トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)中のナトリウム(またはカリウム)含有量(質量%)
=試料溶液中のナトリウム(またはカリウム)含有濃度(ppm)×試料溶液の希釈倍率×10000
<試料溶液中のナトリウムの吸光度測定条件>
可燃性ガス:アセチレン
支燃性ガス:空気
ランプ:ナトリウム中空陰極ランプ
波長:589.0nm
<試料溶液中のカリウムの吸光度測定条件>
可燃性ガス:アセチレン
支燃性ガス:空気
ランプ:カリウム中空陰極ランプ
波長:766.5nm
上記式(2)中のトコフェロールリン酸エステルTの含有量(質量%)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、下記に示す測定条件で、標準品を使用した検量線を作製し、これを用いて試料溶液(トコフェロールリン酸エステルの濃度約1000ppm(質量基準))を分析することにより算出した。
<測定条件>
カラム:アサヒパックODP−50 6D(Shodex(登録商標))
溶離液:1%含水メタノールに0.1mol/Lの濃度となるように酢酸ナトリウムを溶解したもの
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出器:UV287nm
「b値の算出」
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6において、トコフェロールリン酸エステルを中和する工程において使用した水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)のトコフェロールリン酸エステル1モルに対するモル数(モル当量)[(水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)のモル数/トコフェロールリン酸エステルのモル数)以下「b値」という場合がある。]を算出した。なお、トコフェロールリン酸エステルのモル数は、原料として使用したdl−α−トコフェロールのモル数とみなして算出した。その結果を表1〜表3に示す。
また、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)の生成に使用した水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)およびdl−α−トコフェロールのモル数を表1〜表3に合わせて示す。
「水溶性」
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6で得られたトコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)の水溶性を、以下に示す方法により評価した。
トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)1.0gを、室温(25℃)の水100gに入れて撹拌し、溶解した。そして、溶解してから3時間後の状況を目視にて観察した。その結果を表1〜表3に示す。
「溶媒溶解性」
実施例5、実施例6で得られたトコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩のメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)への溶解性を、以下に示す方法により評価した。
トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩1.0gを、室温(25℃)の2%含水MTBE100gに入れて撹拌して溶解し、その状況を目視にて観察した。その結果を表2に示す。
Figure 2016186201
Figure 2016186201
Figure 2016186201
表1〜表3に示すように、a値が1.10以上である実施例1〜実施例7のトコフェロールリン酸エステル塩は、水溶性の評価の結果が透明であり、優れた水溶性を有していることが分かった。これに対し、a値が1.10未満である比較例1〜比較例6のトコフェロールリン酸エステル塩は、水溶性の評価の結果が白濁であり、水溶性が不十分であった。
また、実施例1では比較例1とb値が同じ、実施例2では比較例2および比較例3とb値が同じ、実施例3では比較例4とb値が同じ、実施例4では比較例5とb値が同じ、実施例7では比較例6とb値が同じであるのに、いずれも実施例の方がa値が大きかった。
この理由は、実施例1〜4、実施例7においては、トコフェロールリン酸エステルを中和する前に、副生物であるリン酸を除去する洗浄を行ったため、a値とb値との差が小さくなったことによるものと推定される。
さらに実施例5では、a値が1.70以下であるため、水溶性と油溶性のバランスに優れていることが判る。

Claims (5)

  1. 式(1)で示されることを特徴とするトコフェロールリン酸エステル塩。
    Figure 2016186201
    (式(1)中、R、RおよびRは互いに独立に、水素原子またはメチル基を表す。
    Mはアルカリ金属を表す。aは1.10以上2.00以下である。)
  2. 式(1)中のaが1.10以上1.70以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
  3. 式(1)中のMがナトリウムであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のトコフェロールリン酸エステル塩を含有する、皮膚外用剤。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のトコフェロールリン酸エステル塩を製造する製造方法であって、
    トコフェロールとリン酸化剤とを反応させてトコフェロールリン酸エステルを生成させた後、前記トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液中に硫酸水溶液を加えて前記トコフェロールリン酸エステルとともに析出した塩を溶解する工程と、
    前記塩を溶解した後の反応溶液からリン酸を除去する洗浄工程と、
    前記トコフェロールリン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で中和することにより、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を生成する中和工程とを有し、
    前記中和工程において使用するアルカリ金属水酸化物の量を、前記トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル数が1.17〜1.88となるようにするトコフェロールリン酸エステル塩の製造方法。
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