JPWO2016186201A1 - トコフェロールリン酸エステル塩およびその製造方法、皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2015年5月20日に日本に出願された特願2015−102878に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特許文献1には、トコフェロールリン酸エステル塩を用いた美白用皮膚外用剤が提案されている。また、特許文献2には、トコフェロールリン酸エステル塩を用いた皮膚外用シワ防止剤が提案されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩およびその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩を含む生産性に優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。
[1] 式(1)で示されることを特徴とするトコフェロールリン酸エステル塩。
[3] 式(1)中のMがナトリウムであることを特徴とする、[1]または[2]に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載のトコフェロールリン酸エステル塩を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、本発明のトコフェロールリン酸エステル塩を含有する。このため、製剤化が容易であり、生産性に優れている。
「トコフェロールリン酸エステル塩」
本発明のトコフェロールリン酸エステル塩は、上記式(1)で示される。
(式(1)中、R1、R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはメチル基を表す。Mはアルカリ金属を表す。aは1.10以上2.00以下である。)
式(1)中のアルカリ金属Mとしては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。式(1)中のアルカリ金属Mは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。特に、アルカリ金属Mがナトリウムであると、優れた水溶性を有するトコフェロールリン酸エステル塩が得られるため好ましい。また、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩は、粉末であるため、取り扱いしやすく、好ましい。式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩が、2種以上のアルカリ金属Mを含む場合には、90%以上がナトリウムであることが好ましい。
a=(Mの含有量/Mの原子量)/(Tの含有量/Tの分子量)‥‥(2)
(式(2)中のMは、アルカリ金属を示し、Tは、トコフェロールリン酸エステルを示す。Mの含有量は、トコフェロールリン酸エステル塩中のアルカリ金属の含有量(質量%)である。Tの含有量は、トコフェロールリン酸エステル塩中のトコフェロールリン酸エステルの含有量(質量%)である。)
上記式(2)中のトコフェロールリン酸エステルTの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ用カラムを用いて、紫外可視分光器で検出して求めることができる。高速液体クロマトグラフ用カラムとしては、例えば、長鎖アルキル基、好ましくはオクタデシル基が結合したポリ(メタ)アクリレート系ゲルの充填されたものを用いる。
有機溶媒に対する溶解度の高いトコフェロールリン酸エステル塩を得るとともに、トコフェロールリン酸エステル塩を含む皮膚外用剤中におけるアルカリ金属Mによる塩析効果を抑制するために、式(1)中のaは1.60以下であることがより好ましく、1.50以下であることがさらに好ましい。
以上を総合すると、aが1.10以上1.70以下であると、水溶性と油溶性のバランスに優れたものとなる。
本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩は、例えば、以下に示す<1>〜<4>の工程を行う製造方法を用いて製造できる。
<1>トコフェロールとリン酸化剤とを反応させることにより、トコフェロールリン酸エステルを生成させる。その後、トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液中に硫酸水溶液を加え、トコフェロールリン酸エステルとともに析出した塩を溶解する。
<2>塩を溶解した後の反応溶液からリン酸(H3PO4)を除去するための洗浄工程を行う。
<3>トコフェロールリン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で中和することにより、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を生成する(中和工程)。
<4>必要に応じて、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を精製する。
リン酸化剤としては、オキシ塩化リン、トリメタリン酸、ポリリン酸などを用いることができる。
上記<1>においては、トコフェロールとリン酸化剤とを確実に反応させるために、トコフェロールに対してリン酸化剤を過剰に使用することが好ましい。
洗浄工程としては、トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液の有機層を、有機層の2倍以上の質量の水を用いて、3回以上くりかえし洗浄を行うことにより、反応溶液中に含まれるリン酸を除去する方法が挙げられる。
この場合、トコフェロールリン酸エステルを中和する工程において、式(1)中のaが1.10以上であるトコフェロールリン酸エステル塩が容易に得られる。式(1)中のaが1.15以上となるように、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は1.20以上とすることが好ましく、式(1)中のaが1.20以上となるように、上記のアルカリ金属のモル当量「b値」は1.30以上とすることが好ましい。
さらに、本実施形態のトコフェロールリン酸エステル塩が、式(1)中のaが、1.70以下のものである場合、これを含有する皮膚外用剤を製剤する際に使用する中和剤の使用量を抑制できる。このため、皮膚外用剤を製剤する際に添加した中和剤によって増加した無機塩が、皮膚外用剤中で析出してざらつき感を発生させることを防止できる。
次に、本発明の皮膚外用剤について説明する。
本実施形態の皮膚外用剤は、前記式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル塩を含有する。
天然油脂類としては、例えば、ホホバ油、オリーブ油、パーム油、ツバキ油、シアバターなどが挙げられる。
アルキルグリセリルエーテル類としては、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
シリコーン油類としては、例えば、メチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンなどが挙げられる。
高分子類としては、例えば、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーなどが挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
天然系界面活性剤としては、例えば、水素添加大豆リン脂質、ホスファチジルセリン、デオキシコール酸ナトリウム、ソホロリピッドなどが挙げられる。
粉体類および色材類としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。
ビタミン類およびビタミン様作用因子類としては、例えば、ビタミンA類、カロテノイド類、ビタミンB2類、ビタミンD類、油溶性のビタミンE類、ユビキノン類、ビタミンK類、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸等が挙げられる。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
α−ヒドロキシ酸類としては、例えば、クエン酸、グリコール酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
美白剤としては、例えば、アルブチン、α−アルブチン、プラセンタエキス等が挙げられる。
化粧品原料としては、例えば、化粧品原料基準第二版注解、日本公定書協会編、1984(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格追補、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別許可基準、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別配合成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1997(薬事日報社)、化粧品原料辞典、平成3年(日光ケミカルズ)及び新しい化粧品機能素材300、2002(シーエムシー出版)等に記載されている化粧品原料が挙げられる。
本実施形態の皮膚外用剤は、トコフェロールリン酸エステル塩を含むことによる効果を所望する部位の皮膚と接触させるのに適した剤型、形態であることが好ましい。
本実施形態の皮膚外用剤は、使用者の性別、老若を問わない。また、本実施形態の皮膚外用剤は、動物類の皮膚に接触させるものであってもよい。
なお、以下の実施例および比較例において「%」は、質量%の意味であり、その趣旨に反しない限り全成分合計を100質量%とする。また、a値およびb値を後述の方法で算出し、その値を表1に併記した。
dl−α−トコフェロール25.0g(0.05モル)を、ピリジン9.3gを含むトルエン75mlに溶解させて溶液を作製した。作製した溶液を氷浴にて冷却して0℃とし、溶液を撹拌しながらリン酸化剤であるオキシ塩化リン9.8g(0.064モル)を5分間で滴下した。滴下終了後、室温で3時間反応させて、トコフェロールリン酸エステルを生成させた。次いで、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液中に6N−硫酸水溶液を50ml加え、3時間加熱還流させた。
その後、濾別した沈殿物を1リットルのメタノールに溶解し、150mlに濃縮して濃縮液とした。次いで、この濃縮液にアセトン20mlを滴下して白色の沈殿物を析出させた。その後、沈澱物をアセトンで洗浄して、減圧乾燥することにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末19.1gを得た。
リン酸化剤であるオキシ塩化リン13.7g(0.09モル)を、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)40gに溶解した。また、dl−α−トコフェロール30.0g(0.06モル)を、ピリジン11.2gを含むメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)36gに溶解させた。
水酸化ナトリウム3.1g(0.078モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
水酸化ナトリウム3.3g(0.083モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
実施例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄し、有機層に含まれているリン酸を除去するための洗浄を行うことなく、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。
実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するために、有機層と同量の質量の水を用いて有機層を2回洗浄したこと以外は、実施例2と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末23.2gを得た。
実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するために、有機層の2倍の質量の水を用いて有機層を2回洗浄したこと以外は、実施例2と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末23.1gを得た。
実施例3と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するための洗浄を行うことなく、無水硫酸ナトリウムで乾燥させたこと以外は、実施例3と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
実施例4と同様にして、トコフェロールリン酸エステルを含む溶液を、トコフェロールリン酸エステルを含む有機層と水層とに分離するまでの工程を行った。次いで、分離した有機層を1N−塩酸水溶液で洗浄した。その後、有機層に含まれているリン酸を除去するための洗浄を行うことなく、無水硫酸ナトリウムで乾燥させたこと以外は、実施例4と同様の工程を行った。このことにより、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
水酸化ナトリウム4.1g(0.103モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
水酸化ナトリウム4.5g(0.112モル)を溶解させたメタノール25mlを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である白色粉末を得た。
水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウム3.3g(0.059モル)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのカリウム塩である白色粉末を得た。
水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウム3.3g(0.059モル)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、トコフェロールリン酸エステルのカリウム塩である白色粉末を得た。
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6で得られたトコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)について、上記式(2)を用いて、トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属Mのモル当量(以下「a値」という場合がある。)を算出した。算出したa値を表1〜表3に示す。
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6で得られた各トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)の約10ppm(質量基準)の水溶液を調製し、試料溶液とした。そして、次の条件で標準溶液の吸光度から得た検量線を用いて、試料溶液中のナトリウム(またはカリウム)含有濃度(ppm)を算出した。これを用いて下記式により各トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)中のアルカリ金属Mの含有量(質量%)を求めた。
=試料溶液中のナトリウム(またはカリウム)含有濃度(ppm)×試料溶液の希釈倍率×10000
可燃性ガス:アセチレン
支燃性ガス:空気
ランプ:ナトリウム中空陰極ランプ
波長:589.0nm
<試料溶液中のカリウムの吸光度測定条件>
可燃性ガス:アセチレン
支燃性ガス:空気
ランプ:カリウム中空陰極ランプ
波長:766.5nm
<測定条件>
カラム:アサヒパックODP−50 6D(Shodex(登録商標))
溶離液:1%含水メタノールに0.1mol/Lの濃度となるように酢酸ナトリウムを溶解したもの
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出器:UV287nm
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6において、トコフェロールリン酸エステルを中和する工程において使用した水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)のトコフェロールリン酸エステル1モルに対するモル数(モル当量)[(水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)のモル数/トコフェロールリン酸エステルのモル数)以下「b値」という場合がある。]を算出した。なお、トコフェロールリン酸エステルのモル数は、原料として使用したdl−α−トコフェロールのモル数とみなして算出した。その結果を表1〜表3に示す。
また、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)の生成に使用した水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)およびdl−α−トコフェロールのモル数を表1〜表3に合わせて示す。
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6で得られたトコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)の水溶性を、以下に示す方法により評価した。
トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩(またはカリウム塩)1.0gを、室温(25℃)の水100gに入れて撹拌し、溶解した。そして、溶解してから3時間後の状況を目視にて観察した。その結果を表1〜表3に示す。
実施例5、実施例6で得られたトコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩のメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)への溶解性を、以下に示す方法により評価した。
トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩1.0gを、室温(25℃)の2%含水MTBE100gに入れて撹拌して溶解し、その状況を目視にて観察した。その結果を表2に示す。
また、実施例1では比較例1とb値が同じ、実施例2では比較例2および比較例3とb値が同じ、実施例3では比較例4とb値が同じ、実施例4では比較例5とb値が同じ、実施例7では比較例6とb値が同じであるのに、いずれも実施例の方がa値が大きかった。
この理由は、実施例1〜4、実施例7においては、トコフェロールリン酸エステルを中和する前に、副生物であるリン酸を除去する洗浄を行ったため、a値とb値との差が小さくなったことによるものと推定される。
さらに実施例5では、a値が1.70以下であるため、水溶性と油溶性のバランスに優れていることが判る。
Claims (5)
- 式(1)中のaが1.10以上1.70以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
- 式(1)中のMがナトリウムであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のトコフェロールリン酸エステル塩。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のトコフェロールリン酸エステル塩を含有する、皮膚外用剤。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のトコフェロールリン酸エステル塩を製造する製造方法であって、
トコフェロールとリン酸化剤とを反応させてトコフェロールリン酸エステルを生成させた後、前記トコフェロールリン酸エステルを含む反応溶液中に硫酸水溶液を加えて前記トコフェロールリン酸エステルとともに析出した塩を溶解する工程と、
前記塩を溶解した後の反応溶液からリン酸を除去する洗浄工程と、
前記トコフェロールリン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で中和することにより、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩を生成する中和工程とを有し、
前記中和工程において使用するアルカリ金属水酸化物の量を、前記トコフェロールリン酸エステル1モルに対するアルカリ金属のモル数が1.17〜1.88となるようにするトコフェロールリン酸エステル塩の製造方法。
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