本開示は、第1の筐体と第2の筐体とが着脱可能な電子機器に関する。
特許文献1は、ノートブック型コンピュータ(電子機器)を載置可能なドッキングステーション(載置装置)を開示している。ノートブック型コンピュータは、通常、キーボード及び中央演算処理装置を有する第1の筐体と、表示部を有する第2の筐体とを有し、第1の筐体と第2の筐体とが第1の回動軸心を中心として相対回動可能なように連結される。特許文献1のドッキングステーションは、ケース(筐体)の上面に、第1の筐体が載置される載置部を備えている。載置部には、ノートブック型コンピュータの第1の筐体の底面の被係止孔に係止可能な鉤部材(係止部材)が備えられている。係止部材は、操作部材を操作することにより、被係止孔に係止される係止状態と、係止されない非係止状態との間で移動することができる。
本開示は、第1の筐体と第2の筐体とが着脱可能な電子機器において、盗難に対するセキュリティを向上させることを目的とする。
本開示の電子機器は、第1のユニットと、表示部及び中央演算処理装置を有する第2のユニットとを備える。第1のユニットと第2のユニットとは、着脱可能なように連結される。第1のユニットと第2のユニットとが連結された状態において、第2のユニットの筐体と第1のユニットの所定の部位とが隣接するように構成されている。各ユニットには、それらが隣接する部分において、所定の載置装置の一の係止突起により係止されることが可能な被係止孔が設けられている。
本開示の電子機器では、第1のユニットと第2のユニットとの両方を、所定の載置装置の一の係止突起により係止することができる。そのため、載置装置に電子機器が載置されたて係止されたときに、第1のユニットと第2のユニットとの両方とも取り外し不可能となる。したがって、第1のユニットと第2のユニットとが分離可能な電子機器において、盗難に対するセキュリティを向上させることができる。
また、本開示の電子機器では、ユーザは、載置装置に対して電子機器を係止する際、第1のユニットと第2のユニットとのそれぞれに対して、係止操作を行う必要がなくなる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
図1は、本開示の実施の形態1に係る載置装置の斜視図である。
図2は、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す斜視図である。
図3Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の斜視図である。
図3Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器を第1のユニットと第2のユニットとに分離した状態で示す斜視図である。
図4Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の平面図である。
図4Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の側面図(図4Aの矢印Aによる側面図)である。
図5Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す平面図である。
図5Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す正面図(図5Aの矢印Bによる正面図)である。
図5Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す側面図(図5Aの矢印Cによる側面図)である。
図6Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の被係止孔の拡大斜視図(図3Aの矢印Dで示す部分の拡大斜視図)である。
図6Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の側面図(図5Cの係止部材近傍部分の一部簡略化拡大図)である。
図6Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の側面図(図5Cの係止部材近傍部分の一部簡略化拡大図)である。
図6Dは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の正面図(図5Bの係止部材近傍部分の一部破断拡大図)である。
図6Eは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の正面図(図5Bの係止部材近傍部分の一部破断拡大図)である。
図7Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図である。
図7Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図(図7Aの矢印Eによる斜視図)である。
図7Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Fによる側面図)である。
図7Dは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Gによる側面図)である。
図8Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(非係止状態のとき)。
図8Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(係止状態のとき)。
図9Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
図9Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
図10Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
図10Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(発明の背景)
ノートブック型コンピュータ等の電子機器には種々の重要な情報が記録されるため、盗難に対するセキュリティの向上が求められている。上記特許文献1に記載のドッキングステーションにおいて係止状態でロック可能とすれば、ノートブック型コンピュータを取り外し不可能とすることができる。
しかし、近年のノートブック型コンピュータは、表示部を有する第2の筐体側に中央演算処理装置が設けられ、かつキーボードを有する第1の筐体と、表示部及び中央演算処理装置を有する第2の筐体とが分離可能に構成されることがある。これにより、第2の筐体をタブレット型コンピュータとして利用することができる。このようなノートブック型コンピュータ(電子機器)に特許文献1の技術を適用した場合、第1の筐体はドッキングステーションに対して固定されるが、重要な情報が記録されている第2の筐体は取り外し可能となってしまう。
これに対して、第2の筐体に対しても第1の筐体の係止構造と同様の係止構造を適用することにより、第2の筐体についても取り外し不可能とすることが考えられる。しかし、この場合、ユーザは、第1の筐体と第2の筐体のそれぞれに対して、係止状態とする操作及びそれを解除する操作を行わなければならない。
そこで、本開示は、載置部に載置される電子機器が第1の筐体と第2の筐体とが分離可能に構成されている場合においても、盗難に対するセキュリティを向上可能な載置装置を提供する。また、本開示は、第1の筐体と第2の筐体との両方を一括して係止可能及び係止解除可能とする載置装置及び電子機器を提供する。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1を説明する。
[1.構成]
[1−1.載置装置の概要]
図1は、本開示の実施の形態1に係る載置装置の斜視図である。図2は、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す斜視図である。
本実施形態の載置装置1は、例えば自動車のダッシュボードに固定して利用されるものである。載置装置1は、図1に示すように、平たい台状の形状を有しており、載置装置1の筐体2の上面には、電子機器が載置される載置部11が設けられている。図2に示すように、載置部11に電子機器100を載置した状態でシリンダ錠24を操作することにより、電子機器100を載置装置1から取り外すことが不可能なようにロックすることができる。具体的には、シリンダ錠24を操作することにより、電子機器100の第2の筐体120が係止部材23により係止される。
載置装置1の車両への固定は、例えばボルトやネジ等の締結部材を用いて行うことができる。締結部材による固定は、外部から容易にはアクセスできない位置で、あるいは専用の工具類を用いなければ固定を解除できないような態様で行ってもよい。これにより、載置装置1自体を、車両から取り外すことが困難となる。なお、載置装置1は、車両でなく、企業や家庭の構造物やデスク等に固定した状態で利用されてもよい。
ここで、図1に示すように、装置の幅方向(以下において「装置幅方向」という)、装置の奥行方向(以下において「装置奥行方向」という)、装置の厚さ方向(以下において「装置厚さ方向」という)を定義している。装置厚さ方向は、載置装置1の載置部11の主面に略垂直な方向であり、電子機器100が載置される側を「上」、その反対側を「下」とする。装置奥行方向は、装置厚さ方向に直交する方向であって、図2のように載置装置1に、電子機器100(第1の筐体110を第2の筐体120に対して90度開いた状態)が載置されたときに電子機器100の表示部121に垂直となる方向であり、表示部121の表示面が存在する側を「前」、その反対側を「後」とする。装置幅方向は、装置奥行方向及び装置厚さ方向の両方に対して垂直な方向であって、装置奥行方向の「前」側から電子機器100の表示部121に向かったときの「左」側を「左」、その反対側を「右」とする。なお、本定義は、載置装置1及び電子機器の構成についての理解を容易にするために便宜上設定したものであり、構成要素の絶対的配置条件等を限定するものではない。なお、図2以後においては、前述の方向の定義に基づく「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」を示している。
以下において、まず、載置装置1に載置される電子機器100の構成について説明し、その後、載置装置1の構成について説明する。
[1−2.電子機器の構成]
図3Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の斜視図である。図3Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器を第1のユニットと第2のユニットとに分離した状態を示す斜視図である。
図3Aに示されるように、電子機器100は、第1のユニット101と、第2のユニット102とを備える。第2のユニット102と第1のユニット101とは着脱可能であり、これにより、電子機器100は、所謂、デタッチャブル型コンピュータとして構成されている。図3A及び図3Bは、本実施形態に係る電子機器100の斜視図である。具体的に、図3Aは第2のユニット102が第1のユニット101に装着された状態を示し、図3Bは第2のユニット102が第1のユニット101から取り外された状態を示す。
第2のユニット102は、タブレット型コンピュータである。第2のユニット102は、表示部121を有する。表示部121は、例えば液晶表示パネルである。また、表示部121は、ユーザのタッチ操作を受付可能なタッチパネルである。第2のユニット102は、中央演算処理装置(CPU)、揮発性記憶装置(RAM)、不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)、バッテリ等を内蔵している。不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)には、オペレーティングシステム(OS)、種々のアプリケーションプログラム、種々のデータ等が格納されている。中央演算処理装置(CPU)は、OS、アプリケーションプログラム、種々のデータを読み込んで演算処理を実行することにより、種々の機能を実現する。
第1のユニット101は、ユーザが入力処理を行うことが可能な入力部を備え、第2のユニット102を着脱可能である。第1のユニット101は、第1の筐体110と、ソケット130と、ヒンジ部140とを備える。
第1の筐体110は、例えばマグネシウム合金などの金属や樹脂により形成される。第1の筐体110の主面(装置厚さ方向の表側の面)には、上記の入力部として、キーボード111、タッチパッド112及び複数の操作ボタン113等が設けられている。
ソケット130は、第2のユニット102の第2の筐体120の上下方向の下側の側部120S(以下適宜「下側部120S」という)を収容可能である。
ヒンジ部140は、第1の筐体110の装置奥行方向の後側の側部側とソケット130の下側の側部とを、第1の筐体110とソケット130とが相対回動可能なように連結する。ヒンジ部140は、電子機器100の幅方向に平行な回動軸心AXを有する。ヒンジ部140は、例えば図3Aのように第2のユニット102と第1のユニット101とが例えば90度程度の角度をなすように開いた状態で保持することができる。また、ヒンジ部140は、第2のユニット102の第2の筐体120を第1のユニット101の第1の筐体110に対して閉じた状態(第2の筐体120の主面と第1の筐体110の主面とが近接して対向し、ほぼ平行となる状態)とすることができる。
ソケット130には、第2の筐体120の下側部120Sが収容された状態において、第2の筐体120のコネクタ(図示せず)と接続されるコネクタ(図示せず)が設けられている。これらのコネクタを介して、第2のユニット102と第1のユニット101との間で、種々の信号や電力の授受を行うことができる。例えば、第1のユニット101の第1の筐体110のキーボード111、タッチパッド112、複数の操作ボタン113等の入力部等から出力される信号を第2のユニット102に出力することができる。第2のユニット102は、これらの信号を受信し、受信した信号に基づく制御が可能である。したがって、電子機器100によれば、第1のユニット101に第2のユニット102を装着して、ノートブック型コンピュータとして利用することができる。また、第2のユニット102単体で、タブレット型コンピュータとして利用することができる。
[1−3.載置装置の構成]
載置装置1の構成について、前述の図1に加え、図4A、図4Bを参照して説明する。
図4Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の平面図である。図4Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の側面図(図4Aの矢印Aによる側面図)である。
これらの図に示すように、載置装置1は、台状の形状を有している。載置装置1の筐体2の上面には、電子機器100が載置される載置部11が設けられている。載置部11の周囲には、載置される電子機器100の第1の筐体110の側面部を断続的に取り囲むように、上方に突出する複数の突部12が設けられている。
載置部11の幅方向中央付近には、付勢突部材13が設けられている。付勢突部材13は、その上端が載置部11の上面よりも上方に所定量突出した第1位置(図1に示す位置)と、載置部11の上面よりも下方に退避した第2位置との間で、装置厚さ方向(上下方向)に移動可能なように筐体2により支持されている。付勢突部材13は、第1位置側に(上方に)バネ部材(図示せず)により付勢されている。付勢突部材13とバネ部材は、重量物である電子機器を載置部11からユーザが取り外す際に上方に持ち上げるのを支援する。
載置部11の右側には、電子機器100が載置部11に載置された状態で係止して固定するロック機構20が設けられている。ロック機構20の構成については後で詳述する。
図5Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す平面図である。図5Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す正面図(図5Aの矢印Bによる正面図)である。図5Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す側面図(図5Aの矢印Cによる側面図)である。
図5A、図5B、及び前述の図2に示すように、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、電子機器100の第1の筐体110が、載置部11の周囲に配置された複数の突部12により、断続的に取り囲まれる。そのため、載置された状態においては、第1の筐体110の装置幅方向及び装置奥行き方向への移動が規制される。換言すれば、電子機器100の第1の筐体110は、載置部11に対して所定の位置関係でのみ載置可能となる。
また、載置装置1に載置された電子機器100の第2の筐体120の装置幅方向の右側の側部に対して、後述する係止部材23を係止させるように構成している。そのため、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、第2の筐体120に対して係止部材23が係止されると、係止部材23により、第2の筐体120の装置厚さ方向及び装置奥行方向への移動が規制される。また、第2の筐体120は、下側部120Sがソケットに嵌められ、下側部120Sの前後及び左右がソケット130により覆われている。これにより、第2の筐体120は、装置幅方向への移動についても規制される。したがって、電子機器100は、いかなる方向に対しても移動が規制される。
[1−3.ロック機構]
ロック機構20は、可動突部材21、操作部材22、係止部材23、及びシリンダ錠24を有する。また、ロック機構20は、可動突部材21、操作部材22、及びシリンダ錠24の動きに応じて、係止部材23を駆動する移動機構を有する。これらの部材及び移動機構の具体的構成を説明する前に、まず、載置装置1の係止部材23と電子機器100の第2の筐体120との係止構造について説明する。
[1−3−1.載置装置の係止部材と電子機器の第2の筐体との係止構造]
図6Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の被係止孔の拡大斜視図(図3Aの矢印Dで示す部分の拡大斜視図)である。図6A、及び前述の図3Bに示されるように、電子機器の第2の筐体120は、右側部の下部に被係止孔120aを有している。また、電子機器の第1の筐体110のソケット130は、右側部の上部に被係止孔130aを有している。第2の筐体120の被係止孔120aとソケット130の被係止孔130aとは、第2の筐体120をソケット130に装着した状態で、ヒンジ部140の回動軸心AXに平行な方向から見たときに、重なる位置に形成されている。
図6B、および、図6Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の側面図(図5Cの係止部材近傍部分の一部簡略化拡大図)である。図6D、および、図6Eは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の正面図(図5Bの係止部材近傍部分の一部破断拡大図)である。
係止部材23は、筐体2により、装置幅方向に延びる第2軸37を中心として回動可能なように、構成されている。係止部材23は、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、初期位置と被係止孔側方位置との間で回動可能である。第2軸37の回動軸心AYは、ヒンジ部140の回動軸心AXの延長線上に位置する。つまり、第2軸37の回動軸心AYは、ヒンジ部140の回動軸心AXと同一軸心上にある。
また、係止部材23は、第2軸37の回動軸心AY方向に対して平行に移動可能なように構成されている。係止部材23は、載置装置1の右側面側から見たときに、第2軸37を中心として反時計回り方向に回動する方向に付勢されている。
係止部材23は、本体部23a、係止突起23b、当接部23cを有する。
本体部23aは、一端側において第2軸37により回動可能に支持されたレバー状の形状を有する。
係止突起23bは、本体部23aの装置幅方向内方側の側面から装置幅方向内方側に突出する突起である。係止突起23bは、第2の筐体120の被係止孔120a、130aに係止可能な形状及び大きさを有する。なお、係止突起23bの大きさと被係止孔120a、130aの大きさとは、係止突起23bが第2の筐体120の被係止孔120a、130aに係止した状態において、係止突起23bと被係止孔120a、130aとの間に隙間が生じる大きさとしてもよい。隙間が生じるようにしておくことにより、第2軸37の回動軸心AYが、ヒンジ部140の回動軸心AXに対して完全には同一軸心上にない場合でも、つまり、略同一軸心上にある場合でも、係止突起23bと被係止孔120a、130aとが係止可能となる。隙間の大きさを大きくすれば、同一軸心の程度が低下しても、係止突起23bが第2の筐体120の被係止孔120a、130aに係止した状態のまま、第2の筐体120と係止部材23とを連動させて回動させることができる。
当接部23cは、本体部23aの装置幅方向内方側かつ装置奥行方向後方側の端部から装置幅方向に延びる。
後に詳述するように、係止部材23が、軸部61を中心として回動すると、当接部23cが第2の筐体120の背面に当接し、このとき、係止部材23の係止突起23bが第2の筐体120の被係止孔120a、130aの装置幅方向外方側に位置する。この状態のときに、鍵を利用してシリンダ錠24をロック状態に回動させると、当接部23cが装置幅方向内方側に移動し、係止部材23の係止突起23bと第2の筐体120の被係止孔120a、130aとが係止する。
ロック機構20は、前述の可動突部材21、操作部材22、係止部材23、シリンダ錠24、及び移動機構(詳細については後述する)を有する。
可動突部材21は、載置部11に形成された上下貫通孔内で、上方突出位置と退避位置との間で、上下に移動可能に設けられている。「上方突出位置」とは、可動突部材21の上端が載置部11の上面よりも上方に所定量突出することとなる位置(図1、図7Cに示す位置)である。「退避位置」とは、可動突部材21が載置部11の上面よりも下方に退避することとなる位置(図9Aに示す位置)である。可動突部材21は、装置奥行方向の後方側に、装置奥行方向の後側を向く縦壁部21aを有している。
操作部材22は、装置奥行方向に移動可能なように、後述する可動プレート51にネジ等により固定されている。操作部材22は、係止部材23を、被係止孔側方位置またはその他の位置から、初期位置に回動させる際、つまり初期位置に戻す際にユーザにより操作される部材である。「被係止孔側方位置」とは、図6Cに示す、係止部材23の第2軸37を中心とする回動位置であって、載置部11上に載置された電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aと、係止部材23の係止突起23bとが、装置幅方向から見たときに、重なることとなる位置である。「被係止孔側方位置」は、電子機器100の第2の筐体120の回動位置に応じて変化する。係止部材23が被係止孔側方位置にあるときに、当該係止部材23を装置幅方向に移動させると、係止部材23の係止突起23bを、ソケット130の被係止孔120a、130aに係止させることができる。「初期位置」とは、図6Bに示す、係止部材23の第2軸37を中心とする回動位置であって、係止部材23が装置厚さ方向(上下方向)に対して略90度の角度で第2軸37の後側に倒れた状態で存在しており、かつそれ以上時計回り(装置幅方向の右側から左側を見たとき)に回動できなくなる位置である。回動できなくなるのは、可動突部材21の縦壁部21aと後述するギヤ部材32の前端部とが当接することによる。
シリンダ錠24は、対応する鍵を挿入することにより、軸部61を90度回転させることが可能な錠である。
移動機構は、第1移動機構30、第2移動機構50、第3移動機構60を有する。以下において、各移動機構の詳細について説明する。
[1−3−3.第1移動機構]
図7Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図である。図7Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図(図7Aの矢印Eによる斜視図)である。図7Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Fによる側面図)である。図7Dは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Gによる側面図)である。
第1移動機構30は、可動突部材21の装置厚さ方向の移動に基づいて係止部材23を被係止孔側方位置に移動させる機構である。
[1−3−3−1.第1移動機構の構成要素]
第1移動機構30は、固定部材31、ギヤ部材32、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35、第1軸36、第2軸37、第1バネ38、第2バネ39、ダンパ40、第3バネ41を有する。
固定部材31は、筐体2に対して移動不可能なように、ネジ(図示せず)により筐体2に固定されている。固定部材31は、本体部31a、後方延伸部31b、バネ係止部31c、前方延伸部31dを有する。本体部31aは、筐体2の載置部11に対してほぼ平行なプレート状の部位である。後方延伸部31bは、本体部31aから後方に延びる形状を有する。バネ係止部31cは、後方延伸部31bの後端に形成されている。前方延伸部31dは、本体部31aから前方に延びる形状を有する。
ギヤ部材32は、装置奥行方向に平行に移動可能なように、固定部材31の前方延伸部31dにギヤ部材支持手段(図示せず)を介して筐体2により支持されている。ギヤ部材32は、上面に第1ギヤ部32aを備え、下面に第2ギヤ部32bを有する。ギヤ部材32の前端には、第2バネ39の一端部が係止されるバネ係止部32cが形成されている。
第1軸36は、装置幅方向に延びる。第1軸36は、操作部材22の後方において筐体2に設けられた左右一対の支持部(図示せず)により支持されている。
第2軸37は、第1軸36よりも上方で装置幅方向に延びる。第2軸37は、左右一対の支持部14L、14Rにより支持されている(図6D参照)。
第1ギヤ33及び第2ギヤ34は、第1軸36を中心として回動可能なように構成されている。第1ギヤ33と第2ギヤ34とは相対回動不可能なように結合されている。第1ギヤ33の直径は、第2ギヤ34の直径よりも小さい。第1ギヤ33は、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合っており、第1ギヤ33及び第1ギヤ部32aにより、ラックアンドピニオンが構成される。
第3ギヤ35は、係止部材23の本体部23aの下部に、当該係止部材23と一体的に形成されている。第3ギヤ35は、第2軸37を中心として回動可能なように、かつ第2軸37の回動軸心AY方向に平行に移動可能なように、構成されている。第3ギヤ35は、第2ギヤ34に噛み合う。
第1バネ38は、伸縮方向が装置幅方向となるように、第2軸37上に配置されている。第1バネ38は、一端部が第3ギヤ35の左側面に当接し、他端部が支持部の右側面に当接し、第3ギヤ35を、装置幅方向において右側に付勢する。
第2バネ39は、伸縮方向が装置奥行方向となるように配置されている。第2バネ39は、一端部が固定部材31のバネ係止部31cに係止され、他端部がギヤ部材32のバネ係止部32cに係止され、ギヤ部材32を装置奥行方向の前側に引っ張る。
ダンパ40は、ギヤ部材32の第2ギヤ部32bに噛み合うギヤ(図示せず)と、当該ギヤの回動速度を低減させるダンパ部を備え、ギヤ部材32の装置奥行方向における移動の速度を低減する。
第3バネ41は、伸縮方向が略装置厚さ方向となるように配置されている。第3バネ41は、一端部が固定部材31の本体部31aに設けられたバネ係止部(図示せず)に係止され、他端部が可動突部材21のバネ係止部(図示せず)に係止され、可動突部材21を載置部11の上面から上方に突出するように付勢する。
[1−3−3−2.構成要素の位置関係等]
ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとは、(1)可動突部材21が上方突出位置にある場合に、ギヤ部材32が装置奥行方向において前側に移動してきたときに、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接し、(2)可動突部材21が退避位置にある場合に、ギヤ部材32が装置奥行方向において前側に移動したときは、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接しないように、これらの位置関係及び形状が設定されている。ここで、(1)のように当接しているときのギヤ部材32の装置奥行方向の位置をギヤ部材32の「初期位置」という。
[1−3−3−3.動作]
上記の構成により、(1)可動突部材21が上方突出位置にある場合、ギヤ部材32が第2バネ39に引っ張られることにより装置奥行方向において前側に移動する。ギヤ部材32が初期位置まで移動すると、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接することにより、ギヤ部材32のそれ以上の前方への移動が規制される。ギヤ部材32が初期位置にあるとき、係止部材23の本体部23aは、装置厚さ方向に対して後方に約90度回動して倒れた状態となる。これは、ギヤ部材32の第1ギヤ部32a、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35の噛み合い状態を適切に設定することで実現できる。
一方、(2)可動突部材21が退避位置にある場合には、ギヤ部材32は初期位置より前方への移動が規制されない。ギヤ部材32が第2バネ39に引っ張られることにより装置奥行方向において前側に移動するとき、可動突部材21が退避位置にあることで、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接しない。これにより、ギヤ部材32の初期位置より前方への移動が可能となる。これにより、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aは、可動突部材21が上方突出位置にあるときより前方へ移動することとなる。ギヤ部材32の第1ギヤ部32aが前方に移動することにより、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合されている係止部材23が、第2軸37を中心として前側に回動する。そして、後述するように、係止部材23の当接部23cが第2の筐体120に当接したときに、係止部材23の回動が規制される。これにより、係止部材23に係止された第3ギヤ35、第3ギヤ35に噛み合う第2ギヤ34、第2ギヤ34と相対回動不可能なように結合された第1ギヤ33の回動が連動して規制される。これにより、ギヤ部材32がそれ以上前方へ移動することが規制される。なお、載置部11に電子機器100が載置されていない状態で、利用者の指等により可動突部材21が退避位置に押し下げられたときには、係止部材23の当接部23cが第2の筐体120に当接することはなく、この場合、後述する可動プレート51の縦壁部51bに、ギヤ部材32の前端部が当接するまで、ギヤ部材32は装置奥行方向において前側に移動する。これに連動して、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35、及び係止部材23が連動して回動することとなる。
[1−3−4.第2移動機構]
第2移動機構50は、操作部材22の装置奥行方向の移動に基づいて係止部材23を初期位置に移動させる機構である。
[1−3−4−1.第2移動機構の構成要素]
第2移動機構50は、可動プレート51、第4バネ52、及び前述のギヤ部材32、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35、第1軸36、第2軸37、第1バネ38、第2バネ39、ダンパ40を有する。
操作部材22は、可動プレート51にネジ等により固定されている。
可動プレート51は、載置奥行き方向に対して平行に移動可能なように、可動プレート支持手段(図示せず)を介して筐体2により支持されている。可動プレート51は、本体部51a、縦壁部51b、バネ係止部51cを有する。
第4バネ52は、伸縮方向が装置奥行方向となるように配置されている。第4バネ52は、一端部が筐体2のバネ係止部2aに係止され、他端部が可動プレート51のバネ係止部51cに係止され、可動プレート51を装置奥行方向の前側に引っ張る。
第2移動機構50を構成するその他の部材の構成は、前述の通りである。
[1−3−4−2.構成要素の位置関係等]
ギヤ部材32と可動プレート51の縦壁部51bとは、ギヤ部材32と可動プレート51とが装置奥行方向において接近する方向に相対的に移動したときに、ギヤ部材32の前端部と可動プレート51の縦壁部51bとが当接するように、これらの位置関係及び形状が設定されている。
可動プレート51は、第4バネ52により装置奥行方向の前方側へ引っ張られている。操作部材22に対する移動操作がなされていない状態において、可動プレート51は、前端の縦壁部51dが筐体2に設けられた当接部2c(図7C参照)に当接するように、構成されている。なお、操作部材22に対する移動操作とは、操作部材22を装置奥行方向の後方へ移動させる操作である。これにより、可動プレート51の、それ以上の前方への移動が規制される。このように移動が規制されるときの可動プレート51の装置奥行方向の位置を当該可動プレート51の「初期位置」とする。なお、このとき、可動プレート51に固定されている操作部材22も、それ以上の前方への移動が規制される。このように移動が規制されるときの操作部材22の装置奥行方向の位置を当該操作部材22の「初期位置」とする。
[1−3−4−3.動作]
ギヤ部材32が初期位置にあるときに、第4バネ52の付勢力に抗して装置奥行方向において後方に操作部材22を所定量以上移動させると、可動プレート51が操作部材22に連動して装置奥行方向において後方に移動する。可動プレート51の後端部の縦壁部51bが、初期位置にあるギヤ部材32の前端部に当接した状態で、可動プレート51がさらに後方にまで移動すると、ギヤ部材32も連動して後方に移動する。これにより、操作部材22を後方に移動させることにより、ギヤ部材32を装置奥行方向において後方に移動させることができる。これに伴って、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合されている係止部材23が、第2軸37を中心として後側に回動する。また、ギヤ部材32を装置奥行方向において、可動突部材21の縦壁部21aよりも後方にまで移動させると、ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとの装置厚さ方向の重なりが無くなり、これにより、ギヤ部材32により上方への移動が規制されていた可動突部材21が退避位置から上方突出位置に移動する。
この後、操作部材22からユーザの手が離れた場合、操作部材22及び可動プレート51は、第4バネ52の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより、初期位置まで引き戻される。一方、ギヤ部材32は、第2バネ39の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより、前方へ移動するが、第3バネ41により可動突部材21が上方突出位置に突出していることにより、ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとが当接する。これにより、ギヤ部材32は、それ以上の前方、つまりギヤ部材32の初期位置よりも前方への移動が規制される。したがって、ギヤ部材32は、ギヤ部材32の初期位置に保持される。
[1−3−5.第3移動機構]
図8Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(非係止状態のとき)。図8Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(係止状態のとき)。
第3移動機構60は、シリンダ錠24に対する鍵を用いた施錠操作に応じて、係止部材23を装置幅方向において、被係止孔側方位置と係止位置との間で移動させる機構である。
第3移動機構60は、軸部61、回動板62、第1L型部材63、第2L型部材64、結合部材65を有する。
軸部61は、シリンダ錠24の回動軸部である。
回動板62は、一端側が軸部61に結合されている。回動板62の他端側には当接板62aが固定されている。当接板62aは、回動板62に対して垂直に設けられ、初期状態において軸部61の後方に位置している。初期状態において、当接板62aの装置幅方向内方側の端部は、装置厚さ方向の下側ほど装置幅方向において内方側に位置するように、傾斜している。
第1L型部材63は、装置幅方向の外方側の端部に縦壁部63aを備え、装置奥行方向から見た形状が略L字型に形成されている。縦壁部63aは、第3ギヤ35の装置幅方向外方側に配置されている。第3ギヤ35は、第1バネ38により装置幅方向外方側に付勢されており、第3ギヤ35の装置幅方向外方側の側面が縦壁部63aに当接している。
第2L型部材64は、装置幅方向の外方側の端部に縦壁部64aを備え、装置奥行方向から見た形状が略L字型に形成されている。
結合部材65は、第1L型部材63と第2L型部材64とを結合する。
結合部材65により結合された第1L型部材63と第2L型部材64との結合体66は、装置幅方向に平行に移動可能なように、結合体支持手段(図示せず)を介して筐体2により支持されている。
ここで、回動板62は、軸部61が初期位置から反時計回りに90度回動すると、装置幅方向内方側の端部が後述する第2L型部材64の縦壁部64aに当接し、結合体66を装置幅方向において内方側に移動させることとなる位置関係で配置されている。このように結合体66が装置幅方向において内方側に移動すると、第1L型部材63の縦壁部63aが第3ギヤ35の装置幅方向外方側の側面に当接していることにより、第3ギヤ35が装置幅方向内方側に移動することとなる。そのため、第3ギヤ35と一体の係止部材23が装置幅方向内方側に移動することとなる。
[1−4.作用]
本実施形態によると、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、電子機器100の第1の筐体110が、載置部11の周囲に配置された複数の突部12により、断続的に取り囲まれる。そのため、載置状態においては、第1の筐体110の装置幅方向及び装置奥行方向への移動が規制される。
また、本実施形態では、載置装置1に載置された電子機器100の第2の筐体120の右側部に対して、後述する係止部材23を係止させるように構成している。そのため、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、第2の筐体120に対して係止部材23が係止されると、係止部材23により、第2の筐体120の装置厚さ方向及び装置奥行方向への移動が規制される。さらに、第2の筐体120は、下側部120Sがソケットに嵌められ、下側部120Sの前後及び左右がソケット130により覆われているので、第2の筐体120は、装置幅方向への移動についても規制される。
したがって、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、第2の筐体120に対して係止部材23が係止されると、第1の筐体110及び第2の筐体120の両方、つまり電子機器100全体を、載置装置1から移動させることができなくなる。
さらに、本実施形態では、係止部材23が第2の筐体120に係止した状態のときに、後述するシリンダ錠24を鍵を利用して操作することにより、当該係止部材23の装置幅方向への移動をロック可能なように構成されている。係止部材23の装置幅方向への移動がロックされていると、係止部材23を係止状態から非係止状態にすることができない。載置装置1から電子機器100を取り外すには係止部材23を非係止状態とすることが必要であり、係止部材23を非係止状態とするためにはシリンダ錠24を鍵で操作する必要がある。したがって、シリンダ錠24の操作に必要な鍵を持たないユーザ以外の第3者が、載置装置1から電子機器100を取り外して持ち去ることが不可能となり、盗難に対するセキュリティが向上する。
以下において、ユーザが載置装置1の載置部11に電子機器100を載置し、シリンダ錠24をロック操作した場合の載置装置1による作用(動作)、載置装置1にロックされている電子機器100を取り外すためにユーザがシリンダ錠24に対するロック解除操作及び操作部材22に対する操作を行った場合の本載置装置1による作用(動作)について、以下、順を追って説明する。
[1−4−1.載置装置への取り付け]
まず、ユーザが載置装置1の載置部11に電子機器100を載置し、シリンダ錠24をロック操作した場合の載置装置1の動作について図9A、図9Bを参照して説明する。図9A、図9Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。なお、載置装置1に電子機器100が載置される前、載置装置1は初期状態にあるものとする。初期状態とは、シリンダ錠24がロック解除位置にあり、係止部材23が係止解除位置にあり(つまりギヤ部材32が初期位置にあり)、可動突部材21が上方突出位置にあり、操作部材22が初期位置にある状態を言う。
図7Cに示す初期状態において、ユーザにより載置装置1の載置部11に電子機器100が載置されると、図9Aに示すように、可動突部材21が退避位置に押し下げられる。そうすると、可動突部材21の縦壁部21aがギヤ部材32よりも下方に下がることとなり、ギヤ部材32の、可動突部材21の縦壁部21aとの当接が解除される。そのため、ギヤ部材32は、第2バネ39の引っ張り力により、装置奥行方向の前方側へ移動する。これに伴って、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合している係止部材23が、図9Bに示すように、初期位置から第2軸37を中心として時計回り(装置幅方向の左側から見たとき)に回動する。そして、係止部材23の当接部23cが第2の筐体120に当接したときに、係止部材23の回動が規制され、停止する。このとき、係止部材23の係止突起23bが、前述の図6C、図6Dに示すように、電子機器の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aに対して、装置幅方向の右側に所定距離離間した状態で位置する。
次に、ユーザが載置装置1のシリンダ錠24を鍵を利用して施錠状態にすると、シリンダ錠24の軸部61、及び軸部61に固定されている回動板62が図8Aに示す初期位置から図8Bに示す位置まで略90度回動する。このとき、回動板62の装置幅方向内方側の端部が第2L型部材64の縦壁部64aに当接し、これにより、第2L型部材64を有する結合体66が装置幅方向において内方側に移動する。結合体66が装置幅方向において内方側に移動すると、第1L型部材63の縦壁部63aと第3ギヤ35の装置幅方向外方側の側面とが当接していることにより、第3ギヤ35が第1バネ38の付勢力に抗して装置幅方向内方に移動する。そのため、第3ギヤ35と一体の係止部材23が装置幅方向内方側に移動し、これにより、係止部材23の係止突起23bが、電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aに進入し、両者が係止されることとなる。
そして、この状態で、シリンダ錠24から鍵を抜くと、シリンダ錠24の軸部61が、初期位置から略90度回動した状態で固定(ロック)される。つまり、係止部材23が装置幅方向内方側に移動して、係止部材23の係止突起23bが、電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aに進入し、両者が係止した状態で固定(ロック)された状態となる。このとき、係止部材23を、装置幅方向の外側に移動させようとしても、係止部材23の装置幅方向の外側への移動が結合体66により規制されているため、係止部材23を装置幅方向の外側へ移動させることはできない。したがって、正規のユーザ以外の第3者が電子機器100を載置装置1から取り外すことが不可能となる。よって、電子機器100の盗難に対するセキュリティが向上する。
[1−4−2.載置装置からの取り外し]
次に、正規のユーザが、載置装置1にロックされている電子機器100を取り外すために、ユーザがシリンダ錠24に対するロック解除操作、及び操作部材22に対する操作を行った場合の動作について図10A、図10Bを参照して説明する。図10A、図10Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
ユーザが鍵を利用してシリンダ錠24に対してロック解除操作を行うと、シリンダ錠24の軸部61、及び軸部61に固定されている回動板62がロック位置から初期位置側に略90度回動する。これにより、回動板62の装置幅方向内方側の端部と、結合体66の第2L型部材64の縦壁部64aとの当接が解除される。当接が解除されると、第3ギヤ35が第1バネ38の付勢力により装置幅方向外方に付勢されているため、結合体66及び第3ギヤ35が第1バネ38の付勢力により装置幅方向外方に移動することとなる。そのため、第3ギヤ35と一体の係止部材23が装置幅方向外方側に移動し、これにより、係止部材23の係止突起23bが、電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aから離脱し、両者の係止が解除されることとなる。
そして、ユーザは、電子機器100を上方に持ち上げて、載置装置1の載置部11から電子機器100を取り外す。
次に、ユーザは、操作部材22を、第4バネ52の付勢力に抗して装置奥行方向の後方側に移動させる。これにより、操作部材22が固定された可動プレート51が装置奥行方向において後側に所定量移動し、可動プレート51の後端部の縦壁部51bが、装置奥行方向において初期位置よりも前側に移動しているギヤ部材32の前端部に当接する。操作部材22を、さらに装置奥行方向において後側に移動させると、可動プレート51の縦壁部51bの移動に応じてギヤ部材32が装置奥行方向において後方に移動する。これに伴って、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合されている係止部材23が、第2軸37を中心として初期位置側に回動する。
そして、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aよりも後方にまで移動すると、ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとの装置厚さ方向(上下方向)の当接(重なり)が解除され、その結果、それまでギヤ部材32との重なりにより上方への移動が規制されていた可動突部材21が、第4バネ52の付勢力により、退避位置から上方突出位置に移動することとなる。
そして、その後、ユーザが操作部材22から手を離すと、操作部材22及び可動プレート51は、第4バネ52の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより、初期位置まで引き戻される。可動突部材21は第3バネ41の付勢力により上方突出位置に保持される。また、ギヤ部材32は、第2バネ39の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより前方へ移動し、ギヤ部材32の前端部が上方突出位置に保持された可動突部材21の縦壁部21aに当接する。これにより、ギヤ部材32は、ギヤ部材32の初期位置よりも前方への移動が規制される。したがって、ギヤ部材32は、ギヤ部材32の初期位置に保持される。つまり、載置装置の状態が、図7Bに示す初期状態で保持されることとなる。
[2.効果等]
[2−1.第1移動機構等]
本実施形態の載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。電子機器100は、第1の筐体110と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120とを備える。第1の筐体110と第2の筐体120とは、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結されている。
載置装置1は、載置部11と、係止部材23と、可動突部材21(移動部材)と、第1移動機構30(移動機構)と、を備える。載置部11は、第1の筐体110を載置装置1に対して所定の位置関係で載置可能とするものである。係止部材23は、係止部材23の初期位置と第2の筐体120の回動位置に応じた位置との間で移動可能に設けられており、電子機器100を第2の筐体120において係止可能なものである。可動突部材21(移動部材)は、載置部11に第1の筐体110が載置されたとき、第1の筐体110と当接するように配置される。さらに、可動突部材21は、第1の筐体110の当接により装置厚さ方向(所定方向)に移動する。係止部材23が初期位置にあるときに、可動突部材21が装置厚さ方向に移動すると、第1移動機構30(移動機構)は、係止部材23を、初期位置から、第2の筐体120の回動位置に応じた位置に移動させる。
これにより、本実施形態の載置装置1では、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120において係止部材23により電子機器100が係止される。そのため、重要な情報等が記録された第2の筐体120の盗難に対するセキュリティが向上する。
特に、本実施形態の載置装置1では、載置部11に第1の筐体110が載置されると、自動的に係止部材23を、初期位置から、第2の筐体120の回動位置に応じた位置に移動させることができる。これにより、係止部材23と、被係止孔120aおよび130aとの位置あわせが容易となる。また、電子機器100が載置装置1に載置された状態で第2の筐体120を回動させ、第2の筐体120の回動位置が変化しても、係止部材23はそれに追従する。
本実施形態において、係止部材23は、第2の筐体120に対して所定の方向からのみ係止可能に構成される。また、載置部11の周囲には、載置部11に載置された第1の筐体110の、装置幅方向及び装置奥行方向(所定の方向)への移動を規制する突部12が設けられている。
これにより、係止部材23が第2の筐体120に対して所定の方向から係止されたときに、載置部11の周囲に設けられた突部12により、載置部11に載置された第1の筐体110の、所定の方向に対して平行な方向への移動が規制される。そのため、第2の筐体120に対する係合を行うだけで、第1の筐体110と第2の筐体120との両方を、1回の操作で、載置装置1から取り外し不可能とすることができる。
なお、移動部材として、載置部11に第1の筐体110が載置されたときに当接するように配置され、第1の筐体110の当接により装置厚さ方向(所定方向)に移動する可動突部材21に代えて、ユーザ操作により移動する移動部材を設けてもよい。
本実施形態において、電子機器100は、第1の筐体110と第2の筐体120とが着脱可能に構成されている。
本実施形態によると、第1の筐体110と第2の筐体120とが着脱可能に構成されている場合においても、第1の筐体110と第2の筐体120との両方を、1回の操作で、載置装置1から取り外し不可能とすることができる。
本実施形態において、係止部材23は、回動軸心AY(第2の回動軸心)を中心として回動可能なように当該載置装置1の筐体2により支持される。回動軸心AYは、載置部11に第1の筐体110が載置された状態のときの電子機器100の回動軸心AXと略同一軸心上に配置されている。係止部材23は、当接部23cを有する。当接部23cは、係止部材23が回動軸心AYを中心として初期位置側から第2の筐体120の回動位置に応じた位置へ回動したときに、第2の筐体120に当接し、当該係止部材23のそれ以上の回動を規制する当接部23cを有する。
これにより、係止部材23は、第1の筐体110が載置部11に載置されたときに回動軸心AXと略同一軸心上となる位置に配置された回動軸心AYを中心として回動し、第2の筐体120において電子機器100を係止することとなる。これにより、簡単な構造で、第2の筐体120を載置装置1に係止することができる。さらに、回動軸心AXと回動軸心AYが略同一軸心上にあるため、第2の筐体120を載置装置1に係止した状態でも、第2の筐体120をスムーズに回動させることができる。
なお、移動部材として、載置部11に第1の筐体110が載置されたときに当接するように配置され、第1の筐体110の当接により所定方向に移動する移動部材に代えて、ユーザ操作により移動する移動部材を設けてもよい。
[2−2.第2移動機構]
本実施形態の載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。電子機器100は、第1の筐体110と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120とを備える。第1の筐体110と第2の筐体120とは、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結されている。
載置装置1は、載置部11と、係止部材23と、操作部材22(移動部材)と、第2移動機構50(移動機構)と、を備える。載置部11は、第1の筐体110を当該載置装置1に対して所定の位置関係で載置可能とするものである。係止部材23は、係止部材23の初期位置と第2の筐体120の回動位置に応じた位置との間で移動可能に設けられており、電子機器100を第2の筐体120において係止可能なものである。操作部材22は、ユーザ操作により所定方向に移動する。第2移動機構50は、係止部材23が第2の筐体120の回動位置に応じた位置にあるときに、操作部材22が所定方向に移動すると、係止部材23を、第2の筐体120の回動位置に応じた位置から、係止部材23の初期位置に移動させる。
これにより、本実施形態の載置装置1では、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120において係止部材23により電子機器100が係止される。そのため、重要な情報等が記録された第2の筐体120の盗難等に対するセキュリティが向上する。
特に、本実施形態の載置装置1では、移動部材を操作するだけで、係止部材23を、自動的に、第2の筐体120の回動位置に応じた位置から、初期位置に移動させることができる。
なお、移動部材として、ユーザ操作により移動する操作部材22(移動部材)に代えて、載置部11に第1の筐体110が載置されたときに当接するように配置され、第1の筐体110の当接により所定方向に移動する移動部材を設けてもよい。このとき、移動機構は、係止部材23が第2の筐体120の回動位置に応じた位置にあるときに、移動部材が所定方向とは反対方向に移動すると、係止部材23を、第2の筐体120の回動位置に応じた位置から、初期位置に移動させる。
[2−3.回動軸心]
本実施形態の載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。電子機器100は、第1の筐体110と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120とを備える。第1の筐体110と第2の筐体120とは、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結されている。
載置装置1は、載置部11と、係止部材23と、を備える。載置部11は、第1の筐体110を当該載置装置1に対して所定の位置関係で載置可能とするものである。係止部材23は、第2の筐体120において電子機器100を係止可能なものである。係止部材23は、第1の筐体110が載置部11に載置されたときに回動軸心AXと略同一軸心上となる位置に配置された回動軸心AY(第2の回動軸心)を中心として回動可能なように設けられる。
これにより、本実施形態の載置装置1では、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120において係止部材23により電子機器100が係止される。そのため、重要な情報等が記録された第2の筐体120の盗難等に対するセキュリティが向上する。
特に、本実施形態の載置装置1では、係止部材23は、第1の筐体110が載置部11に載置されたときに回動軸心AXと略同一軸心上となる位置に配置された回動軸心AYを中心として回動する。すなわち、係止部材23の回動軸心と第2の筐体120の回動軸心とは、略同一軸心上にある。これにより、簡単な構造で、第2の筐体120の回動位置にかかわらず、電子機器100を載置装置1に係止することができる。
本実施形態において、載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。載置装置1と電子機器100とを係止した状態において、第2の筐体120が回動したときに、係止部材23を第2の筐体120の回動に追従して回動させるため、載置装置1は第2バネ39(追従手段)をさらに備える。
これにより、係止部材23を、第2の回動軸心を中心として、第2の筐体120の回動に追従して回動させることができる。
[2−4.電子機器]
本実施形態の電子機器100は、第1のユニット101と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2のユニット102とを備える。第1のユニット101と第2のユニット102とは、着脱可能なように連結された電子機器100である。
電子機器100は、第1のユニット101と第2のユニット102とが連結された状態において、第2のユニット102の筐体と第1のユニット101の所定の部位とが隣接するように構成されている。
第1のユニット101、第2のユニット102には、それらが隣接する部分において、載置装置1の一の係止突起23bにより係止されることが可能な被係止孔120a、130aがそれぞれ設けられている。
すなわち、第1のユニット101には、第1の被係止孔130aが設けられ、第2のユニット102には、第2の被係止孔120aが設けられている。第1の被係止孔130aと第2の被係止孔120aとは、第1のユニット101と第2のユニット102とが連結された状態において、連通するように設けられている。これにより、載置装置1の一の係止突起23bを、第1の被係止孔130aと第2の被係止孔120aとを通るように挿入することができる。載置装置1の一の係止突起23bを第1の被係止孔130aと第2の被係止孔120aとを通るように挿入することで、第1のユニット101と第2のユニット102とが載置装置1に係止される。
これにより、本実施形態の電子機器100では、第1のユニット101と第2のユニット102との両方を、所定の載置装置1の一の係止突起23bにより係止することができる。そのため、載置装置1に電子機器100が載置された状態で係止されたときに、第1のユニット101と第2のユニット102との両方とも取り外し不可能となる。したがって、第1のユニット101と第2のユニット102とが分離可能な電子機器100において、盗難に対するセキュリティを向上させることができる。
また、本開示の電子機器100では、ユーザは、載置装置1に対して電子機器100を係止する際、第1のユニット101と第2のユニット102とのそれぞれに対して、係止操作を行う必要がなくなる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
本実施形態において、第1のユニット101は、本体を構成する第1の筐体110と、第2のユニット102を装着可能なソケット130と、第1の筐体110とソケット130とを、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結するヒンジ部140とを備える。ここで、被係止孔130aが設けられた第1のユニット101の所定の部位は、ソケット130である。
すなわち、第1のユニット101が備えるソケット130には、第1の被係止孔130aが設けられている。第1の被係止孔130aは、第2のユニット102がソケット130に装着されているとき、第2の被係止孔120aと連通するように設けられている。
これにより、第2のユニット102とソケット130とを、所定の載置装置1の一の係止突起23bにより係止することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、第1の筐体と、表示部及び中央演算処理装置を有する第2の筐体とを備え、第1の筐体と第2の筐体とが第1の回動軸心を中心として相対回動可能なように連結された電子機器、及び当該電子機器が載置される載置装置に広く適用可能である。
1 載置装置
2 筐体
2a バネ係止部
2c 当接部
11 載置部
12 突部
13 付勢突部材
20 ロック機構
21 可動突部材
21a 縦壁部
22 操作部材
23 係止部材
23a 本体部
23b 係止突起
23c 当接部
24 シリンダ錠
30 第1移動機構
31 固定部材
31a 本体部
31b 後方延伸部
31c バネ係止部
32 ギヤ部材
32a 第1ギヤ部
32b 第2ギヤ部
32c バネ係止部
33 第1ギヤ
34 第2ギヤ
35 第3ギヤ
36 第1軸
37 第2軸
38 第1バネ
39 第2バネ
40 ダンパ
41 第3バネ
50 第2移動機構
51 可動プレート
51a 本体部
51b 縦壁部
51c バネ係止部
51d 縦壁部
52 第4バネ
60 第3移動機構
61 軸部
62 回動板
62a 当接板
63 第1L型部材
63a 縦壁部
64 第2L型部材
64a 縦壁部
65 結合部材
100 電子機器
101 第1のユニット
102 第2のユニット
110 第1の筐体
111 キーボード
112 タッチパッド
113 操作ボタン
120 第2の筐体
120a 被係止孔
120S 下側部
121 表示部
130 ソケット
130a 被係止孔
140 ヒンジ部
AX 回動軸心
AY 回動軸心
本開示は、第1の筐体と第2の筐体とが着脱可能な電子機器に関する。
特許文献1は、ノートブック型コンピュータ(電子機器)を載置可能なドッキングステーション(載置装置)を開示している。ノートブック型コンピュータは、通常、キーボード及び中央演算処理装置を有する第1の筐体と、表示部を有する第2の筐体とを有し、第1の筐体と第2の筐体とが第1の回動軸心を中心として相対回動可能なように連結される。特許文献1のドッキングステーションは、ケース(筐体)の上面に、第1の筐体が載置される載置部を備えている。載置部には、ノートブック型コンピュータの第1の筐体の底面の被係止孔に係止可能な鉤部材(係止部材)が備えられている。係止部材は、操作部材を操作することにより、被係止孔に係止される係止状態と、係止されない非係止状態との間で移動することができる。
本開示は、第1の筐体と第2の筐体とが着脱可能な電子機器において、盗難に対するセキュリティを向上させることを目的とする。
本開示の電子機器は、第1のユニットと、表示部及び中央演算処理装置を有する第2のユニットとを備える。第1のユニットと第2のユニットとは、着脱可能なように連結される。第1のユニットと第2のユニットとが連結された状態において、第2のユニットの筐体と第1のユニットの所定の部位とが隣接するように構成されている。各ユニットには、それらが隣接する部分において、所定の載置装置の一の係止突起により係止されることが可能な被係止孔が設けられている。
本開示の電子機器では、第1のユニットと第2のユニットとの両方を、所定の載置装置の一の係止突起により係止することができる。そのため、載置装置に電子機器が載置されたて係止されたときに、第1のユニットと第2のユニットとの両方とも取り外し不可能となる。したがって、第1のユニットと第2のユニットとが分離可能な電子機器において、盗難に対するセキュリティを向上させることができる。
また、本開示の電子機器では、ユーザは、載置装置に対して電子機器を係止する際、第1のユニットと第2のユニットとのそれぞれに対して、係止操作を行う必要がなくなる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
図1は、本開示の実施の形態1に係る載置装置の斜視図である。
図2は、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す斜視図である。
図3Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の斜視図である。
図3Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器を第1のユニットと第2のユニットとに分離した状態で示す斜視図である。
図4Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の平面図である。
図4Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の側面図(図4Aの矢印Aによる側面図)である。
図5Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す平面図である。
図5Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す正面図(図5Aの矢印Bによる正面図)である。
図5Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す側面図(図5Aの矢印Cによる側面図)である。
図6Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の被係止孔の拡大斜視図(図3Aの矢印Dで示す部分の拡大斜視図)である。
図6Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の側面図(図5Cの係止部材近傍部分の一部簡略化拡大図)である。
図6Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の側面図(図5Cの係止部材近傍部分の一部簡略化拡大図)である。
図6Dは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の正面図(図5Bの係止部材近傍部分の一部破断拡大図)である。
図6Eは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の正面図(図5Bの係止部材近傍部分の一部破断拡大図)である。
図7Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図である。
図7Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図(図7Aの矢印Eによる斜視図)である。
図7Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Fによる側面図)である。
図7Dは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Gによる側面図)である。
図8Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(非係止状態のとき)。
図8Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(係止状態のとき)。
図9Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
図9Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
図10Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
図10Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(発明の背景)
ノートブック型コンピュータ等の電子機器には種々の重要な情報が記録されるため、盗難に対するセキュリティの向上が求められている。上記特許文献1に記載のドッキングステーションにおいて係止状態でロック可能とすれば、ノートブック型コンピュータを取り外し不可能とすることができる。
しかし、近年のノートブック型コンピュータは、表示部を有する第2の筐体側に中央演算処理装置が設けられ、かつキーボードを有する第1の筐体と、表示部及び中央演算処理装置を有する第2の筐体とが分離可能に構成されることがある。これにより、第2の筐体をタブレット型コンピュータとして利用することができる。このようなノートブック型コンピュータ(電子機器)に特許文献1の技術を適用した場合、第1の筐体はドッキングステーションに対して固定されるが、重要な情報が記録されている第2の筐体は取り外し可能となってしまう。
これに対して、第2の筐体に対しても第1の筐体の係止構造と同様の係止構造を適用することにより、第2の筐体についても取り外し不可能とすることが考えられる。しかし、この場合、ユーザは、第1の筐体と第2の筐体のそれぞれに対して、係止状態とする操作及びそれを解除する操作を行わなければならない。
そこで、本開示は、載置部に載置される電子機器が第1の筐体と第2の筐体とが分離可能に構成されている場合においても、盗難に対するセキュリティを向上可能な載置装置を提供する。また、本開示は、第1の筐体と第2の筐体との両方を一括して係止可能及び係止解除可能とする載置装置及び電子機器を提供する。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1を説明する。
[1.構成]
[1−1.載置装置の概要]
図1は、本開示の実施の形態1に係る載置装置の斜視図である。図2は、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す斜視図である。
本実施形態の載置装置1は、例えば自動車のダッシュボードに固定して利用されるものである。載置装置1は、図1に示すように、平たい台状の形状を有しており、載置装置1の筐体2の上面には、電子機器が載置される載置部11が設けられている。図2に示すように、載置部11に電子機器100を載置した状態でシリンダ錠24を操作することにより、電子機器100を載置装置1から取り外すことが不可能なようにロックすることができる。具体的には、シリンダ錠24を操作することにより、電子機器100の第2の筐体120が係止部材23により係止される。
載置装置1の車両への固定は、例えばボルトやネジ等の締結部材を用いて行うことができる。締結部材による固定は、外部から容易にはアクセスできない位置で、あるいは専用の工具類を用いなければ固定を解除できないような態様で行ってもよい。これにより、載置装置1自体を、車両から取り外すことが困難となる。なお、載置装置1は、車両でなく、企業や家庭の構造物やデスク等に固定した状態で利用されてもよい。
ここで、図1に示すように、装置の幅方向(以下において「装置幅方向」という)、装置の奥行方向(以下において「装置奥行方向」という)、装置の厚さ方向(以下において「装置厚さ方向」という)を定義している。装置厚さ方向は、載置装置1の載置部11の主面に略垂直な方向であり、電子機器100が載置される側を「上」、その反対側を「下」とする。装置奥行方向は、装置厚さ方向に直交する方向であって、図2のように載置装置1に、電子機器100(第1の筐体110を第2の筐体120に対して90度開いた状態)が載置されたときに電子機器100の表示部121に垂直となる方向であり、表示部121の表示面が存在する側を「前」、その反対側を「後」とする。装置幅方向は、装置奥行方向及び装置厚さ方向の両方に対して垂直な方向であって、装置奥行方向の「前」側から電子機器100の表示部121に向かったときの「左」側を「左」、その反対側を「右」とする。なお、本定義は、載置装置1及び電子機器の構成についての理解を容易にするために便宜上設定したものであり、構成要素の絶対的配置条件等を限定するものではない。なお、図2以後においては、前述の方向の定義に基づく「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」を示している。
以下において、まず、載置装置1に載置される電子機器100の構成について説明し、その後、載置装置1の構成について説明する。
[1−2.電子機器の構成]
図3Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の斜視図である。図3Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器を第1のユニットと第2のユニットとに分離した状態を示す斜視図である。
図3Aに示されるように、電子機器100は、第1のユニット101と、第2のユニット102とを備える。第2のユニット102と第1のユニット101とは着脱可能であり、これにより、電子機器100は、所謂、デタッチャブル型コンピュータとして構成されている。図3A及び図3Bは、本実施形態に係る電子機器100の斜視図である。具体的に、図3Aは第2のユニット102が第1のユニット101に装着された状態を示し、図3Bは第2のユニット102が第1のユニット101から取り外された状態を示す。
第2のユニット102は、タブレット型コンピュータである。第2のユニット102は、表示部121を有する。表示部121は、例えば液晶表示パネルである。また、表示部121は、ユーザのタッチ操作を受付可能なタッチパネルである。第2のユニット102は、中央演算処理装置(CPU)、揮発性記憶装置(RAM)、不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)、バッテリ等を内蔵している。不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)には、オペレーティングシステム(OS)、種々のアプリケーションプログラム、種々のデータ等が格納されている。中央演算処理装置(CPU)は、OS、アプリケーションプログラム、種々のデータを読み込んで演算処理を実行することにより、種々の機能を実現する。
第1のユニット101は、ユーザが入力処理を行うことが可能な入力部を備え、第2のユニット102を着脱可能である。第1のユニット101は、第1の筐体110と、ソケット130と、ヒンジ部140とを備える。
第1の筐体110は、例えばマグネシウム合金などの金属や樹脂により形成される。第1の筐体110の主面(装置厚さ方向の表側の面)には、上記の入力部として、キーボード111、タッチパッド112及び複数の操作ボタン113等が設けられている。
ソケット130は、第2のユニット102の第2の筐体120の上下方向の下側の側部120S(以下適宜「下側部120S」という)を収容可能である。
ヒンジ部140は、第1の筐体110の装置奥行方向の後側の側部側とソケット130の下側の側部とを、第1の筐体110とソケット130とが相対回動可能なように連結する。ヒンジ部140は、電子機器100の幅方向に平行な回動軸心AXを有する。ヒンジ部140は、例えば図3Aのように第2のユニット102と第1のユニット101とが例えば90度程度の角度をなすように開いた状態で保持することができる。また、ヒンジ部140は、第2のユニット102の第2の筐体120を第1のユニット101の第1の筐体110に対して閉じた状態(第2の筐体120の主面と第1の筐体110の主面とが近接して対向し、ほぼ平行となる状態)とすることができる。
ソケット130には、第2の筐体120の下側部120Sが収容された状態において、第2の筐体120のコネクタ(図示せず)と接続されるコネクタ(図示せず)が設けられている。これらのコネクタを介して、第2のユニット102と第1のユニット101との間で、種々の信号や電力の授受を行うことができる。例えば、第1のユニット101の第1の筐体110のキーボード111、タッチパッド112、複数の操作ボタン113等の入力部等から出力される信号を第2のユニット102に出力することができる。第2のユニット102は、これらの信号を受信し、受信した信号に基づく制御が可能である。したがって、電子機器100によれば、第1のユニット101に第2のユニット102を装着して、ノートブック型コンピュータとして利用することができる。また、第2のユニット102単体で、タブレット型コンピュータとして利用することができる。
[1−3.載置装置の構成]
載置装置1の構成について、前述の図1に加え、図4A、図4Bを参照して説明する。
図4Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の平面図である。図4Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置の側面図(図4Aの矢印Aによる側面図)である。
これらの図に示すように、載置装置1は、台状の形状を有している。載置装置1の筐体2の上面には、電子機器100が載置される載置部11が設けられている。載置部11の周囲には、載置される電子機器100の第1の筐体110の側面部を断続的に取り囲むように、上方に突出する複数の突部12が設けられている。
載置部11の幅方向中央付近には、付勢突部材13が設けられている。付勢突部材13は、その上端が載置部11の上面よりも上方に所定量突出した第1位置(図1に示す位置)と、載置部11の上面よりも下方に退避した第2位置との間で、装置厚さ方向(上下方向)に移動可能なように筐体2により支持されている。付勢突部材13は、第1位置側に(上方に)バネ部材(図示せず)により付勢されている。付勢突部材13とバネ部材は、重量物である電子機器を載置部11からユーザが取り外す際に上方に持ち上げるのを支援する。
載置部11の右側には、電子機器100が載置部11に載置された状態で係止して固定するロック機構20が設けられている。ロック機構20の構成については後で詳述する。
図5Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す平面図である。図5Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す正面図(図5Aの矢印Bによる正面図)である。図5Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に電子機器を載置した状態を示す側面図(図5Aの矢印Cによる側面図)である。
図5A、図5B、及び前述の図2に示すように、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、電子機器100の第1の筐体110が、載置部11の周囲に配置された複数の突部12により、断続的に取り囲まれる。そのため、載置された状態においては、第1の筐体110の装置幅方向及び装置奥行き方向への移動が規制される。換言すれば、電子機器100の第1の筐体110は、載置部11に対して所定の位置関係でのみ載置可能となる。
また、載置装置1に載置された電子機器100の第2の筐体120の装置幅方向の右側の側部に対して、後述する係止部材23を係止させるように構成している。そのため、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、第2の筐体120に対して係止部材23が係止されると、係止部材23により、第2の筐体120の装置厚さ方向及び装置奥行方向への移動が規制される。また、第2の筐体120は、下側部120Sがソケットに嵌められ、下側部120Sの前後及び左右がソケット130により覆われている。これにより、第2の筐体120は、装置幅方向への移動についても規制される。したがって、電子機器100は、いかなる方向に対しても移動が規制される。
[1−3.ロック機構]
ロック機構20は、可動突部材21、操作部材22、係止部材23、及びシリンダ錠24を有する。また、ロック機構20は、可動突部材21、操作部材22、及びシリンダ錠24の動きに応じて、係止部材23を駆動する移動機構を有する。これらの部材及び移動機構の具体的構成を説明する前に、まず、載置装置1の係止部材23と電子機器100の第2の筐体120との係止構造について説明する。
[1−3−1.載置装置の係止部材と電子機器の第2の筐体との係止構造]
図6Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置に載置される電子機器の被係止孔の拡大斜視図(図3Aの矢印Dで示す部分の拡大斜視図)である。図6A、及び前述の図3Bに示されるように、電子機器の第2の筐体120は、右側部の下部に被係止孔120aを有している。また、電子機器の第1の筐体110のソケット130は、右側部の上部に被係止孔130aを有している。第2の筐体120の被係止孔120aとソケット130の被係止孔130aとは、第2の筐体120をソケット130に装着した状態で、ヒンジ部140の回動軸心AXに平行な方向から見たときに、重なる位置に形成されている。
図6B、および、図6Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の側面図(図5Cの係止部材近傍部分の一部簡略化拡大図)である。図6D、および、図6Eは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の正面図(図5Bの係止部材近傍部分の一部破断拡大図)である。
係止部材23は、筐体2により、装置幅方向に延びる第2軸37を中心として回動可能なように、構成されている。係止部材23は、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、初期位置と被係止孔側方位置との間で回動可能である。第2軸37の回動軸心AYは、ヒンジ部140の回動軸心AXの延長線上に位置する。つまり、第2軸37の回動軸心AYは、ヒンジ部140の回動軸心AXと同一軸心上にある。
また、係止部材23は、第2軸37の回動軸心AY方向に対して平行に移動可能なように構成されている。係止部材23は、載置装置1の右側面側から見たときに、第2軸37を中心として反時計回り方向に回動する方向に付勢されている。
係止部材23は、本体部23a、係止突起23b、当接部23cを有する。
本体部23aは、一端側において第2軸37により回動可能に支持されたレバー状の形状を有する。
係止突起23bは、本体部23aの装置幅方向内方側の側面から装置幅方向内方側に突出する突起である。係止突起23bは、第2の筐体120の被係止孔120a、130aに係止可能な形状及び大きさを有する。なお、係止突起23bの大きさと被係止孔120a、130aの大きさとは、係止突起23bが第2の筐体120の被係止孔120a、130aに係止した状態において、係止突起23bと被係止孔120a、130aとの間に隙間が生じる大きさとしてもよい。隙間が生じるようにしておくことにより、第2軸37の回動軸心AYが、ヒンジ部140の回動軸心AXに対して完全には同一軸心上にない場合でも、つまり、略同一軸心上にある場合でも、係止突起23bと被係止孔120a、130aとが係止可能となる。隙間の大きさを大きくすれば、同一軸心の程度が低下しても、係止突起23bが第2の筐体120の被係止孔120a、130aに係止した状態のまま、第2の筐体120と係止部材23とを連動させて回動させることができる。
当接部23cは、本体部23aの装置幅方向内方側かつ装置奥行方向後方側の端部から装置幅方向に延びる。
後に詳述するように、係止部材23が、軸部61を中心として回動すると、当接部23cが第2の筐体120の背面に当接し、このとき、係止部材23の係止突起23bが第2の筐体120の被係止孔120a、130aの装置幅方向外方側に位置する。この状態のときに、鍵を利用してシリンダ錠24をロック状態に回動させると、当接部23cが装置幅方向内方側に移動し、係止部材23の係止突起23bと第2の筐体120の被係止孔120a、130aとが係止する。
ロック機構20は、前述の可動突部材21、操作部材22、係止部材23、シリンダ錠24、及び移動機構(詳細については後述する)を有する。
可動突部材21は、載置部11に形成された上下貫通孔内で、上方突出位置と退避位置との間で、上下に移動可能に設けられている。「上方突出位置」とは、可動突部材21の上端が載置部11の上面よりも上方に所定量突出することとなる位置(図1、図7Cに示す位置)である。「退避位置」とは、可動突部材21が載置部11の上面よりも下方に退避することとなる位置(図9Aに示す位置)である。可動突部材21は、装置奥行方向の後方側に、装置奥行方向の後側を向く縦壁部21aを有している。
操作部材22は、装置奥行方向に移動可能なように、後述する可動プレート51にネジ等により固定されている。操作部材22は、係止部材23を、被係止孔側方位置またはその他の位置から、初期位置に回動させる際、つまり初期位置に戻す際にユーザにより操作される部材である。「被係止孔側方位置」とは、図6Cに示す、係止部材23の第2軸37を中心とする回動位置であって、載置部11上に載置された電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aと、係止部材23の係止突起23bとが、装置幅方向から見たときに、重なることとなる位置である。「被係止孔側方位置」は、電子機器100の第2の筐体120の回動位置に応じて変化する。係止部材23が被係止孔側方位置にあるときに、当該係止部材23を装置幅方向に移動させると、係止部材23の係止突起23bを、ソケット130の被係止孔120a、130aに係止させることができる。「初期位置」とは、図6Bに示す、係止部材23の第2軸37を中心とする回動位置であって、係止部材23が装置厚さ方向(上下方向)に対して略90度の角度で第2軸37の後側に倒れた状態で存在しており、かつそれ以上時計回り(装置幅方向の右側から左側を見たとき)に回動できなくなる位置である。回動できなくなるのは、可動突部材21の縦壁部21aと後述するギヤ部材32の前端部とが当接することによる。
シリンダ錠24は、対応する鍵を挿入することにより、軸部61を90度回転させることが可能な錠である。
移動機構は、第1移動機構30、第2移動機構50、第3移動機構60を有する。以下において、各移動機構の詳細について説明する。
[1−3−3.第1移動機構]
図7Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図である。図7Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部斜視図(図7Aの矢印Eによる斜視図)である。図7Cは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Fによる側面図)である。図7Dは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構の要部側面図(図7Aの矢印Gによる側面図)である。
第1移動機構30は、可動突部材21の装置厚さ方向の移動に基づいて係止部材23を被係止孔側方位置に移動させる機構である。
[1−3−3−1.第1移動機構の構成要素]
第1移動機構30は、固定部材31、ギヤ部材32、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35、第1軸36、第2軸37、第1バネ38、第2バネ39、ダンパ40、第3バネ41を有する。
固定部材31は、筐体2に対して移動不可能なように、ネジ(図示せず)により筐体2に固定されている。固定部材31は、本体部31a、後方延伸部31b、バネ係止部31c、前方延伸部31dを有する。本体部31aは、筐体2の載置部11に対してほぼ平行なプレート状の部位である。後方延伸部31bは、本体部31aから後方に延びる形状を有する。バネ係止部31cは、後方延伸部31bの後端に形成されている。前方延伸部31dは、本体部31aから前方に延びる形状を有する。
ギヤ部材32は、装置奥行方向に平行に移動可能なように、固定部材31の前方延伸部31dにギヤ部材支持手段(図示せず)を介して筐体2により支持されている。ギヤ部材32は、上面に第1ギヤ部32aを備え、下面に第2ギヤ部32bを有する。ギヤ部材32の前端には、第2バネ39の一端部が係止されるバネ係止部32cが形成されている。
第1軸36は、装置幅方向に延びる。第1軸36は、操作部材22の後方において筐体2に設けられた左右一対の支持部(図示せず)により支持されている。
第2軸37は、第1軸36よりも上方で装置幅方向に延びる。第2軸37は、左右一対の支持部14L、14Rにより支持されている(図6D参照)。
第1ギヤ33及び第2ギヤ34は、第1軸36を中心として回動可能なように構成されている。第1ギヤ33と第2ギヤ34とは相対回動不可能なように結合されている。第1ギヤ33の直径は、第2ギヤ34の直径よりも小さい。第1ギヤ33は、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合っており、第1ギヤ33及び第1ギヤ部32aにより、ラックアンドピニオンが構成される。
第3ギヤ35は、係止部材23の本体部23aの下部に、当該係止部材23と一体的に形成されている。第3ギヤ35は、第2軸37を中心として回動可能なように、かつ第2軸37の回動軸心AY方向に平行に移動可能なように、構成されている。第3ギヤ35は、第2ギヤ34に噛み合う。
第1バネ38は、伸縮方向が装置幅方向となるように、第2軸37上に配置されている。第1バネ38は、一端部が第3ギヤ35の左側面に当接し、他端部が支持部の右側面に当接し、第3ギヤ35を、装置幅方向において右側に付勢する。
第2バネ39は、伸縮方向が装置奥行方向となるように配置されている。第2バネ39は、一端部が固定部材31のバネ係止部31cに係止され、他端部がギヤ部材32のバネ係止部32cに係止され、ギヤ部材32を装置奥行方向の前側に引っ張る。
ダンパ40は、ギヤ部材32の第2ギヤ部32bに噛み合うギヤ(図示せず)と、当該ギヤの回動速度を低減させるダンパ部を備え、ギヤ部材32の装置奥行方向における移動の速度を低減する。
第3バネ41は、伸縮方向が略装置厚さ方向となるように配置されている。第3バネ41は、一端部が固定部材31の本体部31aに設けられたバネ係止部(図示せず)に係止され、他端部が可動突部材21のバネ係止部(図示せず)に係止され、可動突部材21を載置部11の上面から上方に突出するように付勢する。
[1−3−3−2.構成要素の位置関係等]
ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとは、(1)可動突部材21が上方突出位置にある場合に、ギヤ部材32が装置奥行方向において前側に移動してきたときに、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接し、(2)可動突部材21が退避位置にある場合に、ギヤ部材32が装置奥行方向において前側に移動したときは、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接しないように、これらの位置関係及び形状が設定されている。ここで、(1)のように当接しているときのギヤ部材32の装置奥行方向の位置をギヤ部材32の「初期位置」という。
[1−3−3−3.動作]
上記の構成により、(1)可動突部材21が上方突出位置にある場合、ギヤ部材32が第2バネ39に引っ張られることにより装置奥行方向において前側に移動する。ギヤ部材32が初期位置まで移動すると、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接することにより、ギヤ部材32のそれ以上の前方への移動が規制される。ギヤ部材32が初期位置にあるとき、係止部材23の本体部23aは、装置厚さ方向に対して後方に約90度回動して倒れた状態となる。これは、ギヤ部材32の第1ギヤ部32a、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35の噛み合い状態を適切に設定することで実現できる。
一方、(2)可動突部材21が退避位置にある場合には、ギヤ部材32は初期位置より前方への移動が規制されない。ギヤ部材32が第2バネ39に引っ張られることにより装置奥行方向において前側に移動するとき、可動突部材21が退避位置にあることで、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aに当接しない。これにより、ギヤ部材32の初期位置より前方への移動が可能となる。これにより、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aは、可動突部材21が上方突出位置にあるときより前方へ移動することとなる。ギヤ部材32の第1ギヤ部32aが前方に移動することにより、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合されている係止部材23が、第2軸37を中心として前側に回動する。そして、後述するように、係止部材23の当接部23cが第2の筐体120に当接したときに、係止部材23の回動が規制される。これにより、係止部材23に係止された第3ギヤ35、第3ギヤ35に噛み合う第2ギヤ34、第2ギヤ34と相対回動不可能なように結合された第1ギヤ33の回動が連動して規制される。これにより、ギヤ部材32がそれ以上前方へ移動することが規制される。なお、載置部11に電子機器100が載置されていない状態で、利用者の指等により可動突部材21が退避位置に押し下げられたときには、係止部材23の当接部23cが第2の筐体120に当接することはなく、この場合、後述する可動プレート51の縦壁部51bに、ギヤ部材32の前端部が当接するまで、ギヤ部材32は装置奥行方向において前側に移動する。これに連動して、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35、及び係止部材23が連動して回動することとなる。
[1−3−4.第2移動機構]
第2移動機構50は、操作部材22の装置奥行方向の移動に基づいて係止部材23を初期位置に移動させる機構である。
[1−3−4−1.第2移動機構の構成要素]
第2移動機構50は、可動プレート51、第4バネ52、及び前述のギヤ部材32、第1ギヤ33、第2ギヤ34、第3ギヤ35、第1軸36、第2軸37、第1バネ38、第2バネ39、ダンパ40を有する。
操作部材22は、可動プレート51にネジ等により固定されている。
可動プレート51は、装置奥行方向に対して平行に移動可能なように、可動プレート支持手段(図示せず)を介して筐体2により支持されている。可動プレート51は、本体部51a、縦壁部51b、バネ係止部51cを有する。
第4バネ52は、伸縮方向が装置奥行方向となるように配置されている。第4バネ52は、一端部が筐体2のバネ係止部2aに係止され、他端部が可動プレート51のバネ係止部51cに係止され、可動プレート51を装置奥行方向の前側に引っ張る。
第2移動機構50を構成するその他の部材の構成は、前述の通りである。
[1−3−4−2.構成要素の位置関係等]
ギヤ部材32と可動プレート51の縦壁部51bとは、ギヤ部材32と可動プレート51とが装置奥行方向において接近する方向に相対的に移動したときに、ギヤ部材32の前端部と可動プレート51の縦壁部51bとが当接するように、これらの位置関係及び形状が設定されている。
可動プレート51は、第4バネ52により装置奥行方向の前方側へ引っ張られている。操作部材22に対する移動操作がなされていない状態において、可動プレート51は、前端の縦壁部51dが筐体2に設けられた当接部2c(図7C参照)に当接するように、構成されている。なお、操作部材22に対する移動操作とは、操作部材22を装置奥行方向の後方へ移動させる操作である。これにより、可動プレート51の、それ以上の前方への移動が規制される。このように移動が規制されるときの可動プレート51の装置奥行方向の位置を当該可動プレート51の「初期位置」とする。なお、このとき、可動プレート51に固定されている操作部材22も、それ以上の前方への移動が規制される。このように移動が規制されるときの操作部材22の装置奥行方向の位置を当該操作部材22の「初期位置」とする。
[1−3−4−3.動作]
ギヤ部材32が初期位置にあるときに、第4バネ52の付勢力に抗して装置奥行方向において後方に操作部材22を所定量以上移動させると、可動プレート51が操作部材22に連動して装置奥行方向において後方に移動する。可動プレート51の後端部の縦壁部51bが、初期位置にあるギヤ部材32の前端部に当接した状態で、可動プレート51がさらに後方にまで移動すると、ギヤ部材32も連動して後方に移動する。これにより、操作部材22を後方に移動させることにより、ギヤ部材32を装置奥行方向において後方に移動させることができる。これに伴って、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合されている係止部材23が、第2軸37を中心として後側に回動する。また、ギヤ部材32を装置奥行方向において、可動突部材21の縦壁部21aよりも後方にまで移動させると、ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとの装置厚さ方向の重なりが無くなり、これにより、ギヤ部材32により上方への移動が規制されていた可動突部材21が退避位置から上方突出位置に移動する。
この後、操作部材22からユーザの手が離れた場合、操作部材22及び可動プレート51は、第4バネ52の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより、初期位置まで引き戻される。一方、ギヤ部材32は、第2バネ39の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより、前方へ移動するが、第3バネ41により可動突部材21が上方突出位置に突出していることにより、ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとが当接する。これにより、ギヤ部材32は、それ以上の前方、つまりギヤ部材32の初期位置よりも前方への移動が規制される。したがって、ギヤ部材32は、ギヤ部材32の初期位置に保持される。
[1−3−5.第3移動機構]
図8Aは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(非係止状態のとき)。図8Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における係止部材近傍部分の拡大斜視図(図7Aの矢印Eによる拡大斜視図)である(係止状態のとき)。
第3移動機構60は、シリンダ錠24に対する鍵を用いた施錠操作に応じて、係止部材23を装置幅方向において、被係止孔側方位置と係止位置との間で移動させる機構である。
第3移動機構60は、軸部61、回動板62、第1L型部材63、第2L型部材64、結合部材65を有する。
軸部61は、シリンダ錠24の回動軸部である。
回動板62は、一端側が軸部61に結合されている。回動板62の他端側には当接板62aが固定されている。当接板62aは、回動板62に対して垂直に設けられ、初期状態において軸部61の後方に位置している。初期状態において、当接板62aの装置幅方向内方側の端部は、装置厚さ方向の下側ほど装置幅方向において内方側に位置するように、傾斜している。
第1L型部材63は、装置幅方向の外方側の端部に縦壁部63aを備え、装置奥行方向から見た形状が略L字型に形成されている。縦壁部63aは、第3ギヤ35の装置幅方向外方側に配置されている。第3ギヤ35は、第1バネ38により装置幅方向外方側に付勢されており、第3ギヤ35の装置幅方向外方側の側面が縦壁部63aに当接している。
第2L型部材64は、装置幅方向の外方側の端部に縦壁部64aを備え、装置奥行方向から見た形状が略L字型に形成されている。
結合部材65は、第1L型部材63と第2L型部材64とを結合する。
結合部材65により結合された第1L型部材63と第2L型部材64との結合体66は、装置幅方向に平行に移動可能なように、結合体支持手段(図示せず)を介して筐体2により支持されている。
ここで、回動板62は、軸部61が初期位置から反時計回りに90度回動すると、装置幅方向内方側の端部が後述する第2L型部材64の縦壁部64aに当接し、結合体66を装置幅方向において内方側に移動させることとなる位置関係で配置されている。このように結合体66が装置幅方向において内方側に移動すると、第1L型部材63の縦壁部63aが第3ギヤ35の装置幅方向外方側の側面に当接していることにより、第3ギヤ35が装置幅方向内方側に移動することとなる。そのため、第3ギヤ35と一体の係止部材23が装置幅方向内方側に移動することとなる。
[1−4.作用]
本実施形態によると、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、電子機器100の第1の筐体110が、載置部11の周囲に配置された複数の突部12により、断続的に取り囲まれる。そのため、載置状態においては、第1の筐体110の装置幅方向及び装置奥行方向への移動が規制される。
また、本実施形態では、載置装置1に載置された電子機器100の第2の筐体120の右側部に対して、後述する係止部材23を係止させるように構成している。そのため、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、第2の筐体120に対して係止部材23が係止されると、係止部材23により、第2の筐体120の装置厚さ方向及び装置奥行方向への移動が規制される。さらに、第2の筐体120は、下側部120Sがソケットに嵌められ、下側部120Sの前後及び左右がソケット130により覆われているので、第2の筐体120は、装置幅方向への移動についても規制される。
したがって、載置装置1に電子機器100が載置された状態において、第2の筐体120に対して係止部材23が係止されると、第1の筐体110及び第2の筐体120の両方、つまり電子機器100全体を、載置装置1から移動させることができなくなる。
さらに、本実施形態では、係止部材23が第2の筐体120に係止した状態のときに、後述するシリンダ錠24を鍵を利用して操作することにより、当該係止部材23の装置幅方向への移動をロック可能なように構成されている。係止部材23の装置幅方向への移動がロックされていると、係止部材23を係止状態から非係止状態にすることができない。載置装置1から電子機器100を取り外すには係止部材23を非係止状態とすることが必要であり、係止部材23を非係止状態とするためにはシリンダ錠24を鍵で操作する必要がある。したがって、シリンダ錠24の操作に必要な鍵を持たないユーザ以外の第3者が、載置装置1から電子機器100を取り外して持ち去ることが不可能となり、盗難に対するセキュリティが向上する。
以下において、ユーザが載置装置1の載置部11に電子機器100を載置し、シリンダ錠24をロック操作した場合の載置装置1による作用(動作)、載置装置1にロックされている電子機器100を取り外すためにユーザがシリンダ錠24に対するロック解除操作及び操作部材22に対する操作を行った場合の本載置装置1による作用(動作)について、以下、順を追って説明する。
[1−4−1.載置装置への取り付け]
まず、ユーザが載置装置1の載置部11に電子機器100を載置し、シリンダ錠24をロック操作した場合の載置装置1の動作について図9A、図9Bを参照して説明する。図9A、図9Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。なお、載置装置1に電子機器100が載置される前、載置装置1は初期状態にあるものとする。初期状態とは、シリンダ錠24がロック解除位置にあり、係止部材23が係止解除位置にあり(つまりギヤ部材32が初期位置にあり)、可動突部材21が上方突出位置にあり、操作部材22が初期位置にある状態を言う。
図7Cに示す初期状態において、ユーザにより載置装置1の載置部11に電子機器100が載置されると、図9Aに示すように、可動突部材21が退避位置に押し下げられる。そうすると、可動突部材21の縦壁部21aがギヤ部材32よりも下方に下がることとなり、ギヤ部材32の、可動突部材21の縦壁部21aとの当接が解除される。そのため、ギヤ部材32は、第2バネ39の引っ張り力により、装置奥行方向の前方側へ移動する。これに伴って、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合している係止部材23が、図9Bに示すように、初期位置から第2軸37を中心として時計回り(装置幅方向の左側から見たとき)に回動する。そして、係止部材23の当接部23cが第2の筐体120に当接したときに、係止部材23の回動が規制され、停止する。このとき、係止部材23の係止突起23bが、前述の図6C、図6Dに示すように、電子機器の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aに対して、装置幅方向の右側に所定距離離間した状態で位置する。
次に、ユーザが載置装置1のシリンダ錠24を鍵を利用して施錠状態にすると、シリンダ錠24の軸部61、及び軸部61に固定されている回動板62が図8Aに示す初期位置から図8Bに示す位置まで略90度回動する。このとき、回動板62の装置幅方向内方側の端部が第2L型部材64の縦壁部64aに当接し、これにより、第2L型部材64を有する結合体66が装置幅方向において内方側に移動する。結合体66が装置幅方向において内方側に移動すると、第1L型部材63の縦壁部63aと第3ギヤ35の装置幅方向外方側の側面とが当接していることにより、第3ギヤ35が第1バネ38の付勢力に抗して装置幅方向内方に移動する。そのため、第3ギヤ35と一体の係止部材23が装置幅方向内方側に移動し、これにより、係止部材23の係止突起23bが、電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aに進入し、両者が係止されることとなる。
そして、この状態で、シリンダ錠24から鍵を抜くと、シリンダ錠24の軸部61が、初期位置から略90度回動した状態で固定(ロック)される。つまり、係止部材23が装置幅方向内方側に移動して、係止部材23の係止突起23bが、電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aに進入し、両者が係止した状態で固定(ロック)された状態となる。このとき、係止部材23を、装置幅方向の外側に移動させようとしても、係止部材23の装置幅方向の外側への移動が結合体66により規制されているため、係止部材23を装置幅方向の外側へ移動させることはできない。したがって、正規のユーザ以外の第3者が電子機器100を載置装置1から取り外すことが不可能となる。よって、電子機器100の盗難に対するセキュリティが向上する。
[1−4−2.載置装置からの取り外し]
次に、正規のユーザが、載置装置1にロックされている電子機器100を取り外すために、ユーザがシリンダ錠24に対するロック解除操作、及び操作部材22に対する操作を行った場合の動作について図10A、図10Bを参照して説明する。図10A、図10Bは、本開示の実施の形態1に係る載置装置のロック機構における動作を説明する図である(図7Aの矢印F方向から見た図)。
ユーザが鍵を利用してシリンダ錠24に対してロック解除操作を行うと、シリンダ錠24の軸部61、及び軸部61に固定されている回動板62がロック位置から初期位置側に略90度回動する。これにより、回動板62の装置幅方向内方側の端部と、結合体66の第2L型部材64の縦壁部64aとの当接が解除される。当接が解除されると、第3ギヤ35が第1バネ38の付勢力により装置幅方向外方に付勢されているため、結合体66及び第3ギヤ35が第1バネ38の付勢力により装置幅方向外方に移動することとなる。そのため、第3ギヤ35と一体の係止部材23が装置幅方向外方側に移動し、これにより、係止部材23の係止突起23bが、電子機器100の第2の筐体120及びソケット130の被係止孔120a、130aから離脱し、両者の係止が解除されることとなる。
そして、ユーザは、電子機器100を上方に持ち上げて、載置装置1の載置部11から電子機器100を取り外す。
次に、ユーザは、操作部材22を、第4バネ52の付勢力に抗して装置奥行方向の後方側に移動させる。これにより、操作部材22が固定された可動プレート51が装置奥行方向において後側に所定量移動し、可動プレート51の後端部の縦壁部51bが、装置奥行方向において初期位置よりも前側に移動しているギヤ部材32の前端部に当接する。操作部材22を、さらに装置奥行方向において後側に移動させると、可動プレート51の縦壁部51bの移動に応じてギヤ部材32が装置奥行方向において後方に移動する。これに伴って、ギヤ部材32の第1ギヤ部32aに噛み合う第1ギヤ33、第1ギヤ33と相対回動不可能なように結合された第2ギヤ34、第2ギヤ34に噛み合う第3ギヤ35が、連動して回動する。これにより、第3ギヤ35と結合されている係止部材23が、第2軸37を中心として初期位置側に回動する。
そして、ギヤ部材32の前端部が可動突部材21の縦壁部21aよりも後方にまで移動すると、ギヤ部材32と可動突部材21の縦壁部21aとの装置厚さ方向(上下方向)の当接(重なり)が解除され、その結果、それまでギヤ部材32との重なりにより上方への移動が規制されていた可動突部材21が、第3バネ41の付勢力により、退避位置から上方突出位置に移動することとなる。
そして、その後、ユーザが操作部材22から手を離すと、操作部材22及び可動プレート51は、第4バネ52の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより、初期位置まで引き戻される。可動突部材21は第3バネ41の付勢力により上方突出位置に保持される。また、ギヤ部材32は、第2バネ39の引っ張り力により前方へ引っ張られることにより前方へ移動し、ギヤ部材32の前端部が上方突出位置に保持された可動突部材21の縦壁部21aに当接する。これにより、ギヤ部材32は、ギヤ部材32の初期位置よりも前方への移動が規制される。したがって、ギヤ部材32は、ギヤ部材32の初期位置に保持される。つまり、載置装置の状態が、図7Bに示す初期状態で保持されることとなる。
[2.効果等]
[2−1.第1移動機構等]
本実施形態の載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。電子機器100は、第1の筐体110と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120とを備える。第1の筐体110と第2の筐体120とは、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結されている。
載置装置1は、載置部11と、係止部材23と、可動突部材21(移動部材)と、第1移動機構30(移動機構)と、を備える。載置部11は、第1の筐体110を載置装置1に対して所定の位置関係で載置可能とするものである。係止部材23は、係止部材23の初期位置と第2の筐体120の回動位置に応じた位置との間で移動可能に設けられており、電子機器100を第2の筐体120において係止可能なものである。可動突部材21(移動部材)は、載置部11に第1の筐体110が載置されたとき、第1の筐体110と当接するように配置される。さらに、可動突部材21は、第1の筐体110の当接により装置厚さ方向(所定方向)に移動する。係止部材23が初期位置にあるときに、可動突部材21が装置厚さ方向に移動すると、第1移動機構30(移動機構)は、係止部材23を、初期位置から、第2の筐体120の回動位置に応じた位置に移動させる。
これにより、本実施形態の載置装置1では、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120において係止部材23により電子機器100が係止される。そのため、重要な情報等が記録された第2の筐体120の盗難に対するセキュリティが向上する。
特に、本実施形態の載置装置1では、載置部11に第1の筐体110が載置されると、自動的に係止部材23を、初期位置から、第2の筐体120の回動位置に応じた位置に移動させることができる。これにより、係止部材23と、被係止孔120aおよび130aとの位置あわせが容易となる。また、電子機器100が載置装置1に載置された状態で第2の筐体120を回動させ、第2の筐体120の回動位置が変化しても、係止部材23はそれに追従する。
本実施形態において、係止部材23は、第2の筐体120に対して所定の方向からのみ係止可能に構成される。また、載置部11の周囲には、載置部11に載置された第1の筐体110の、装置幅方向及び装置奥行方向(所定の方向)への移動を規制する突部12が設けられている。
これにより、係止部材23が第2の筐体120に対して所定の方向から係止されたときに、載置部11の周囲に設けられた突部12により、載置部11に載置された第1の筐体110の、所定の方向に対して平行な方向への移動が規制される。そのため、第2の筐体120に対する係合を行うだけで、第1の筐体110と第2の筐体120との両方を、1回の操作で、載置装置1から取り外し不可能とすることができる。
なお、移動部材として、載置部11に第1の筐体110が載置されたときに当接するように配置され、第1の筐体110の当接により装置厚さ方向(所定方向)に移動する可動突部材21に代えて、ユーザ操作により移動する移動部材を設けてもよい。
本実施形態において、電子機器100は、第1の筐体110と第2の筐体120とが着脱可能に構成されている。
本実施形態によると、第1の筐体110と第2の筐体120とが着脱可能に構成されている場合においても、第1の筐体110と第2の筐体120との両方を、1回の操作で、載置装置1から取り外し不可能とすることができる。
本実施形態において、係止部材23は、回動軸心AY(第2の回動軸心)を中心として回動可能なように当該載置装置1の筐体2により支持される。回動軸心AYは、載置部11に第1の筐体110が載置された状態のときの電子機器100の回動軸心AXと略同一軸心上に配置されている。係止部材23は、当接部23cを有する。当接部23cは、係止部材23が回動軸心AYを中心として初期位置側から第2の筐体120の回動位置に応じた位置へ回動したときに、第2の筐体120に当接し、当該係止部材23のそれ以上の回動を規制する。
これにより、係止部材23は、第1の筐体110が載置部11に載置されたときに回動軸心AXと略同一軸心上となる位置に配置された回動軸心AYを中心として回動し、第2の筐体120において電子機器100を係止することとなる。これにより、簡単な構造で、第2の筐体120を載置装置1に係止することができる。さらに、回動軸心AXと回動軸心AYが略同一軸心上にあるため、第2の筐体120を載置装置1に係止した状態でも、第2の筐体120をスムーズに回動させることができる。
なお、移動部材として、載置部11に第1の筐体110が載置されたときに当接するように配置され、第1の筐体110の当接により所定方向に移動する移動部材に代えて、ユーザ操作により移動する移動部材を設けてもよい。
[2−2.第2移動機構]
本実施形態の載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。電子機器100は、第1の筐体110と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120とを備える。第1の筐体110と第2の筐体120とは、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結されている。
載置装置1は、載置部11と、係止部材23と、操作部材22(移動部材)と、第2移動機構50(移動機構)と、を備える。載置部11は、第1の筐体110を当該載置装置1に対して所定の位置関係で載置可能とするものである。係止部材23は、係止部材23の初期位置と第2の筐体120の回動位置に応じた位置との間で移動可能に設けられており、電子機器100を第2の筐体120において係止可能なものである。操作部材22は、ユーザ操作により所定方向に移動する。第2移動機構50は、係止部材23が第2の筐体120の回動位置に応じた位置にあるときに、操作部材22が所定方向に移動すると、係止部材23を、第2の筐体120の回動位置に応じた位置から、係止部材23の初期位置に移動させる。
これにより、本実施形態の載置装置1では、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120において係止部材23により電子機器100が係止される。そのため、重要な情報等が記録された第2の筐体120の盗難等に対するセキュリティが向上する。
特に、本実施形態の載置装置1では、移動部材を操作するだけで、係止部材23を、自動的に、第2の筐体120の回動位置に応じた位置から、初期位置に移動させることができる。
なお、移動部材として、ユーザ操作により移動する操作部材22(移動部材)に代えて、載置部11に第1の筐体110が載置されたときに当接するように配置され、第1の筐体110の当接により所定方向に移動する移動部材を設けてもよい。このとき、移動機構は、係止部材23が第2の筐体120の回動位置に応じた位置にあるときに、移動部材が所定方向とは反対方向に移動すると、係止部材23を、第2の筐体120の回動位置に応じた位置から、初期位置に移動させる。
[2−3.回動軸心]
本実施形態の載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。電子機器100は、第1の筐体110と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120とを備える。第1の筐体110と第2の筐体120とは、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結されている。
載置装置1は、載置部11と、係止部材23と、を備える。載置部11は、第1の筐体110を当該載置装置1に対して所定の位置関係で載置可能とするものである。係止部材23は、第2の筐体120において電子機器100を係止可能なものである。係止部材23は、第1の筐体110が載置部11に載置されたときに回動軸心AXと略同一軸心上となる位置に配置された回動軸心AY(第2の回動軸心)を中心として回動可能なように設けられる。
これにより、本実施形態の載置装置1では、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2の筐体120において係止部材23により電子機器100が係止される。そのため、重要な情報等が記録された第2の筐体120の盗難等に対するセキュリティが向上する。
特に、本実施形態の載置装置1では、係止部材23は、第1の筐体110が載置部11に載置されたときに回動軸心AXと略同一軸心上となる位置に配置された回動軸心AYを中心として回動する。すなわち、係止部材23の回動軸心と第2の筐体120の回動軸心とは、略同一軸心上にある。これにより、簡単な構造で、第2の筐体120の回動位置にかかわらず、電子機器100を載置装置1に係止することができる。
本実施形態において、載置装置1は、電子機器100を載置するのに用いられる載置装置である。載置装置1と電子機器100とを係止した状態において、第2の筐体120が回動したときに、係止部材23を第2の筐体120の回動に追従して回動させるため、載置装置1は第2バネ39(追従手段)をさらに備える。
これにより、係止部材23を、第2の回動軸心を中心として、第2の筐体120の回動に追従して回動させることができる。
[2−4.電子機器]
本実施形態の電子機器100は、第1のユニット101と、表示部121及び中央演算処理装置を有する第2のユニット102とを備える。第1のユニット101と第2のユニット102とは、着脱可能なように連結された電子機器100である。
電子機器100は、第1のユニット101と第2のユニット102とが連結された状態において、第2のユニット102の筐体と第1のユニット101の所定の部位とが隣接するように構成されている。
第1のユニット101、第2のユニット102には、それらが隣接する部分において、載置装置1の一の係止突起23bにより係止されることが可能な被係止孔120a、130aがそれぞれ設けられている。
すなわち、第1のユニット101には、第1の被係止孔130aが設けられ、第2のユニット102には、第2の被係止孔120aが設けられている。第1の被係止孔130aと第2の被係止孔120aとは、第1のユニット101と第2のユニット102とが連結された状態において、連通するように設けられている。これにより、載置装置1の一の係止突起23bを、第1の被係止孔130aと第2の被係止孔120aとを通るように挿入することができる。載置装置1の一の係止突起23bを第1の被係止孔130aと第2の被係止孔120aとを通るように挿入することで、第1のユニット101と第2のユニット102とが載置装置1に係止される。
これにより、本実施形態の電子機器100では、第1のユニット101と第2のユニット102との両方を、所定の載置装置1の一の係止突起23bにより係止することができる。そのため、載置装置1に電子機器100が載置された状態で係止されたときに、第1のユニット101と第2のユニット102との両方とも取り外し不可能となる。したがって、第1のユニット101と第2のユニット102とが分離可能な電子機器100において、盗難に対するセキュリティを向上させることができる。
また、本開示の電子機器100では、ユーザは、載置装置1に対して電子機器100を係止する際、第1のユニット101と第2のユニット102とのそれぞれに対して、係止操作を行う必要がなくなる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
本実施形態において、第1のユニット101は、本体を構成する第1の筐体110と、第2のユニット102を装着可能なソケット130と、第1の筐体110とソケット130とを、回動軸心AX(第1の回動軸心)を中心として相対回動可能なように連結するヒンジ部140とを備える。ここで、被係止孔130aが設けられた第1のユニット101の所定の部位は、ソケット130である。
すなわち、第1のユニット101が備えるソケット130には、第1の被係止孔130aが設けられている。第1の被係止孔130aは、第2のユニット102がソケット130に装着されているとき、第2の被係止孔120aと連通するように設けられている。
これにより、第2のユニット102とソケット130とを、所定の載置装置1の一の係止突起23bにより係止することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、第1の筐体と、表示部及び中央演算処理装置を有する第2の筐体とを備え、第1の筐体と第2の筐体とが第1の回動軸心を中心として相対回動可能なように連結された電子機器、及び当該電子機器が載置される載置装置に広く適用可能である。
1 載置装置
2 筐体
2a バネ係止部
2c 当接部
11 載置部
12 突部
13 付勢突部材
20 ロック機構
21 可動突部材
21a 縦壁部
22 操作部材
23 係止部材
23a 本体部
23b 係止突起
23c 当接部
24 シリンダ錠
30 第1移動機構
31 固定部材
31a 本体部
31b 後方延伸部
31c バネ係止部
32 ギヤ部材
32a 第1ギヤ部
32b 第2ギヤ部
32c バネ係止部
33 第1ギヤ
34 第2ギヤ
35 第3ギヤ
36 第1軸
37 第2軸
38 第1バネ
39 第2バネ
40 ダンパ
41 第3バネ
50 第2移動機構
51 可動プレート
51a 本体部
51b 縦壁部
51c バネ係止部
51d 縦壁部
52 第4バネ
60 第3移動機構
61 軸部
62 回動板
62a 当接板
63 第1L型部材
63a 縦壁部
64 第2L型部材
64a 縦壁部
65 結合部材
100 電子機器
101 第1のユニット
102 第2のユニット
110 第1の筐体
111 キーボード
112 タッチパッド
113 操作ボタン
120 第2の筐体
120a 被係止孔
120S 下側部
121 表示部
130 ソケット
130a 被係止孔
140 ヒンジ部
AX 回動軸心
AY 回動軸心