JPWO2016167185A1 - 車載制御装置 - Google Patents

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Abstract

還流MOSFETがオープン故障した場合であっても、還流MOSFETの発熱を抑えて還流MOSFETの機能を確保し、少なくとも車載制御装置の制御機能の必要とされる一部の機能を維持することができる車載制御装置を提供する。インダクタに通電する通電MOSFET(10)と、インダクタの通電エネルギーを還流する寄生ダイオードを有する還流MOSFET(11)とを備え、寄生ダイオードを経由して電流が流れているときの還流MOSFET(11)の温度を温度センサ(22)で検出し、この温度が所定温度以上になると寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させる構成とした。還流MOSFETがオープン故障した後も、寄生ダイオードを経由して還流電流を流すと共に、還流MOSFETの温度が所定温度以上になると還流電流を減少するので、還流MOSFETの発熱を抑えて還流MOSFETの機能を確保することができるようになる。

Description

本発明は自動車の制御を行なう車載制御装置に係り、特に制御機器に使用されているインダクタに流れる電流を制御する電子回路を備えた車載制御装置に関するものである。
自動車のような車両には内燃機関や走行制御機構等が搭載されており、これらの制御を行なうために種々の電子的に制御される制御機器が使用されている。制御機器としては電源制御機器や電動(電磁)制御機器等が代表的である。そして、これらの制御機器の構成要素としてコイル等のインダクタが多く使用されている。例えば、電源制御機器ではスイッチングレギュレータであるDC-DCコンバータに使用されるチョークコイル、電動制御機器では各種電動機の駆動コイルである。
そして、このようなコイル等のインダクタに供給される電流を制御する技術として、直流電源とグランド間に2つの電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETと表記する)からなるスイッチング素子を直列に接続し、交互にオン、オフを繰り返すことで、2つのMOSFETの間に接続されたインダクタに通電電流と還流電流を流す電子回路が知られている。このように2つのMOSFETを使用する理由は次の通りである。
例えば、コイルのようなインダクタを使用する電子回路として、特開2004−135404号公報(特許文献1)に示されているような、DC-DCコンバータが代表的な使用例である。この特許文献1に示されているように、一般的なDC-DCコンバータにおいては、グランド側に接続されるスイッチング素子はダイオードが用いられている。
しかしながら、ダイオードは、スイッチング素子としてMOSFETを使用した場合に比べ、消費電力が多くなる傾向があり効率が悪いものである。このため、最近では、グランド側に接続されるスイッチング素子として、オン抵抗が小さいMOSFETを使用することが多くなってきている。このような理由で2つのMOSFETを使用したDC−DCコンバータが多く採用されている。
特開2004−135404号公報
ところで、このようなMOSFETはその構造から寄生ダイオードを有している。そして、グランド側に接続されたMOSFET(以下、還流用MOSFETと表記する)のドレインとソース間がオンになるべき区間中に、何らかの原因(例えば、オープン故障)によってオフ状態になっていた場合、寄生ダイオードを経由してインダクタに還流電流が流れるようになる。このため、構成上はグランド側に接続される還流用MOSFETの代わりにダイオードを使用した場合と同じ構成になり、インダクタに還流電流を流す機能が付与されてしまうことになる。
そして、このような場合、還流用MOSFETのオン電圧に比べ、寄生ダイオードの順方向電圧はかなり高いため、消費電力が大きくなり発熱量も増加する。したがって、このとき還流用MOSFETは、低抵抗のオン抵抗経由で流れた場合よりも高い温度での動作となる。このため、還流用MOSFETの温度は設計的に設定された使用温度よりも高くなる。その結果、規定された還流用MOSFETの動作保証温度範囲より温度が高くなった場合には、例えば、還流用MOSFETが有するメタル配線材料がマイグレーションを起こすことにより構成材料が劣化し、最終的に還流用MOSFETが完全に故障する恐れが高くなる。
そして、このような課題を対策するために、還流用MOSFETの機能を停止させて異常回避処理を行うことが多く提案されている。例えば、DC-DCコンバータにおいては、電圧変換機能を停止することが行われている。したがって、この場合はDC-DCコンバータとしての電源電圧の生成ができなくなり、DC−DCコンバータから電力の供給を受ける制御装置は停止されることになる。
ところで、車載制御装置を備えた自動車においては、走行状態によっては車載制御装置の停止により運転者による自動車の制御ができなくなり、その結果、自動車が危険な状態に陥る場合もある。このため、還流用MOSFETがオープン故障した後も、車載制御装置の機能を維持させ続けたい場合がある。しかしながら、DC−DCコンバータの電圧変換機能を停止すると車載制御装置も停止するため、車載制御装置の機能を維持させることができないようになる。
また、これとは別に、自動車においては故障が発生した場合、安全なところまで退避することができるリンプホーム機能が必要とされている。しかしながら、上述したようにDC-DCコンバータの電圧変換機能を停止すると電源電圧の生成ができなくなり、もはや制御機器の制御、駆動ができなくリンプホーム機能が喪失される恐れがある。
これらの事情から還流用MOSFETがオープン故障した後も、DC−DCコンバータの機能を維持しておくことが要請されている。しかしながら、DC−DCコンバータの機能を維持しておくと、上述したように還流用MOSFETの寄生ダイオードによる発熱で還流用MOSFETの温度が高くなり、還流用MOSFETの構成材料が劣化して最終的に還流用MOSFETが完全に故障する恐れが高くなる。
尚、上述の説明ではスイッチング素子としてMOSFETで説明しているが、これ以外に寄生ダイオードを有するスイッチング素子(例えば、バイポーラトランジスタ)についても同様である。したがって、本発明では寄生ダイオードが形成されるスイッチング素子の代表としてMOSFETを使用した例で説明するが、技術的な概念としては寄生ダイオードを有するスイッチング素子が対象である。
また、上述の説明では還流用MOSFETを使用したDC−DCコンバータの例を説明したが、本発明はDC−DCコンバータに限定されることなく、直流電源とグランド間に2つのスイッチング素子を直列に接続し、交互にオン、オフを繰り返すことで、2つのスイッチング素子間に接続されたインダクタに通電電流と還流電流を流す電子回路であれば適用することが可能である。
本発明の目的は、還流用スイッチング素子がオープン故障した場合であっても、還流用スイッチング素子の発熱を抑えて還流用スイッチング素子の機能を確保することができる車載制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、少なくとも、インダクタに通電する通電用スイッチング素子と、インダクタの通電エネルギーを還流する還流用スイッチング素子とを備え、還流用スイッチング素子の寄生ダイオードを経由して電流が流れているときの還流用スイッチング素子の温度を検出し、この温度が所定温度以上になると寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させる、ところにある。
本発明によれば、還流用スイッチング素子がオープン故障した後も、寄生ダイオードを経由して還流電流を流すと共に、還流用スイッチング素子の温度が所定温度以上になると還流電流を減少するので、還流用スイッチング素子がオープン故障した場合に、還流用スイッチング素子の発熱を抑えて還流用スイッチング素子の機能を確保することができるようになるものである。
本発明の第1の実施形態になる車載制御装置の構成を示した構成図である。 図1に示した車載制御装置の還流用スイッチング素子がオープン故障した時の制御状態を説明するフローチャートである。 図1に示す車載制御装置の構成部品を制御筐体に収納した状態を示す構成図である。 他の温度センサと兼用した図1に示す車載制御装置の構成部品を制御筐体に収納した状態を示す構成図である。 還流用MOSFETの温度を電流値から推定する第1の方法を説明するための構成図である。 還流用MOSFETの温度を電流値から推定する第2の方法を説明するための構成図である。 本発明の第2の実施形態になる車載制御装置の構成を示した構成図である。 第2の実施形態になる車載制御装置の変形例の構成を示した構成図である。
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明するが、図1に示す回路は制御機器としての電源制御機器を備えた車載制御装置の例を示している。尚、以下の説明ではスイッチング素子の代表としてMOSFETを用いて説明する。
図1は、通電用スイッチング素子である通電用MOSFET10と、還流用スイッチング素子である還流用MOSFET11が交互にオン、オフすることで、直流電源からの入力電圧12を所定の直流電圧に降圧して出力する電源回路を示している。この電源回路は降圧型DC−DCコンバータであり、これは車載制御装置14に内蔵されている。
通電用MOSFET10と還流用MOSFET11は、その構造から寄生ダイオードを有している。そして、通電用MOSFET10と還流用MOSFET11の間は、チョークコイルとしてのインダクタ15の一端に接続され、インダクタ15のもう一端は平滑コンデンサ16に接続され、降圧された直流電圧13を出力している。還流用MOSFET11の近傍には温度センサ22が配置されており、この温度センサ22は還流用MOSFET11の発熱によって生じる温度を測定するものである。
通電用MOSFET10は制御回路20からのゲート制御信号によって制御され、還流用MOSFET11は制御回路21からのゲート制御信号によって制御されている。したがって、制御回路20、21からのゲート制御信号によってDC−DCコンバータの電圧が調整されることになる。
出力された直流電圧13はマイコン電源25とセンサ電源26に供給されている。マイコン電源25はシリーズレギュレータから構成され、直流電圧13を降圧する機能を備えており、メインマイクロコンピュータ23、サブマイクロコンピュータ24に電源電圧を供給している。そして、サブマイクロコンピュータ24とマイコン電源25の間にはスイッチ27が介装されており、このスイッチ27は後述する還流電流を低減するときに制御されるスイッチである。
また、センサ電源26もシリーズレギュレータから構成され、直流電圧13を降圧する機能を備えており、センサ30、31の夫々に電源を供給している。ここで、センサ30はセンサ28とセンサ29とより構成された冗長センサ組立体であり、これらのセンサ28、29は同じ機能を備える冗長構成となっている。例えば、二重系のスロットル開度センサがこれに該当する。
そして、センサ28とセンサ電源26の間にはスイッチ32が介装されており、このスイッチ32は後述する還流電流を低減するときに制御されるスイッチである。ここで、センサ31は温度センサとすることができ、この温度センサ31が還流用MOSFET11の温度と相関がある機器の温度を測定できる場合は、還流用MOSFET11の温度と見做して使用することもできる。
また、車載制御装置14内に設けられた温度センサ36は、図示しないインジェクタ駆動回路の動作状態を監視している温度センサであり、この温度センサ36の温度検出信号を用いて還流用MOSFET11の温度を推定することができる。これについては後述する。
そして、通電用MOSFET10がオン状態で還流用MOSFET11がオフ状態のとき、通電電流がインダクタ15に流れ、インダクタ15にエネルギーが蓄積される。通電用MOSFET10がオフ状態で還流用MOSFET11がオン状態になると、インダクタ15に蓄えられたエネルギーにより、グランド側から還流用MOSFET11を介して還流電流がインダクタ15に流れる。正常動作の時、還流電流は低抵抗のオン抵抗を持った還流用MOSFET11のソース18からドレイン17に流れる。このような動作は良く知られたものである。
ここで、還流用MOSFET11のドレイン17とソース18間にはオープン故障が発生する場合がある。具体的には、還流用MOSFET11のゲート19を制御する制御回路21が故障し、ゲート19の電圧が還流用MOSFET11をオンとする閾値電圧以下に固着した場合、またはゲート19の電圧が還流用MOSFET11を完全にオンすることができない中間電位となる場合(ハーフオン)、更には還流用MOSFET11が半故障した場合など、ドレイン17とソース18間の抵抗が十分に低抵抗とならない場合がある。尚、これら以外にも種々の原因があるが、ここでは原因自体が重要でないのでこれ以上の説明は省略する。
そして、この還流用MOSFET11にオープン故障が発生した場合、還流用MOSFET11のドレイン17とソース18の間が完全に電気的に絶縁された状態となれば還流電流は流れず、DC−DCコンバータは直流電圧13を出力できなくなる。しかしながら、上述の通り、還流用MOSFET11は、その構造からドレイン17とソース18間に寄生ダイオードを有している。その結果、オープン故障が発生した場合では、寄生ダイオードを経由した還流電流がインダクタ15に流れてしまい、DC−DCコンバータの電圧変換機能が維持され、所定の直流電圧13が出力される。
このため、DC−DCコンバータは直流電圧13を出力し続けるため、車載制御装置14の機能は維持されたままであるので自動車の走行には支障をきたさない。しかしながら、この状態では還流電流は低抵抗のオン抵抗で形成されたソース18からドレイン17の経路には流れず、寄生ダイオード経由で流れるため、還流用MOSFET11で消費される電力が大きくなり、発熱量が多くなって還流用MOSFET11温度が上昇する。
したがって、このとき還流用MOSFET11は、低抵抗のオン抵抗経由で流れた場合よりも高い温度での動作となる。このため、還流用MOSFET11の温度は設計的に設定した使用温度よりも高くなる。その結果、規定された還流用MOSFET1の動作保証温度範囲より温度が高くなった場合には、例えば、還流用MOSFET11が有するメタル配線材料がマイグレーションを起こすことにより構成材料が劣化し、最終的に完全に故障する恐れが高くなる。
このため、従来ではDC−DCコンバータの機能を停止するといった異常回避処理を実行している。そして、このような異常回避処理を実行すると、車載制御装置14自体の動作が停止されてしまうことになる。
しかしながら、一方で、車載制御装置14を備えた自動車の走行状態によっては、車載制御装置14の停止により運転者による自動車の制御ができなくなり、その結果、自動車が危険な状態に陥る場合もある。そのため、還流用MOSFET11がオープン故障の後も、車載制御装置14の機能を維持させ続けたい場合がある。或いは、自動車においては故障が発生した場合、安全なところまで退避することができるリンプホーム機能が必要とされている。
そこで、本実施形態では、上述したように還流用MOSFET11の近傍に、還流用MOSFET11の温度を測定する温度センサ22を配置しており、この温度センサ22で測定された温度をメインマイクロコンピュータ23に出力し、メインマイクロコンピュータ23はこの温度を所定の温度閾値と比較し、還流用MOSFET11の温度が所定の温度より高くなると、寄生ダイオードに流れる還流電流を減少するようにしている。このようにすると、還流用MOSFET11の温度上昇を抑制しながら、DC-DCコンバータによる電源電圧の生成を行い、車載制御装置の制御機能の必要とされる制御機能の一部を動作可能にしている。尚、必要とされる制御機能は車載制御装置14の仕様によって異なり、設計的に必要な制御機能を予め設定しておけば良いものである。
ここで、温度センサ22は種々のものが使用されるが、本実施形態ではサーミスタを使用することができる。サーミスタを使用する場合は、制御基板上で還流用MOSFET11に近接して実装することで、還流用MOSFET11の温度を正確に測定できる。また、還流用MOSFET11の半導体チップ上に温度検出ダイオードを形成して、還流用MOSFET11の温度を測定することも可能である。このような半導体チップは温度検出ダイオード付きパワーMOSFETとして良く知られている。
上述の通り、還流用MOSFET11の温度が設計的に設定した温度より高くなると構成材料の劣化の恐れがある。このため、本実施形態では還流用MOSFET11の近傍に温度センサ22を配置して、還流用MOSFET11の温度を監視する構成としている。そして、還流用MOSFET11の温度が設計的に設定した温度より高くなると、還流電流を低減して構成材料の劣化の恐れを少なくするようにしている。
尚、還流用MOSFET11が故障していない場合には、還流用MOSFET11の温度は設計的に設定した温度以内に抑えられているので、DC−DCコンバータは通常の動作を行う。したがって、還流用MOSFET11の温度を常に検出するような構成であっても何ら問題はない。また、図示しない異常検出手段によって還流用MOSFET11のオープン故障を検出した後に、これに応答して温度センサ22による温度監視を実施しても良いものである。
そして、温度センサ22が監視している還流用MOSFET11の温度は、メインマイクロコンピュータ23に送られている。メインマイクロコンピュータ23は、入力された温度情報を時間で微分した温度上昇率、または温度を時間で積分した積算温度値などを基に還流用MOSFET11の温度情報を算出して、還流用MOSFET11の発熱状態を監視している。測定された温度情報の処理方法は適切な方法を用いれば良く、要は還流用MOSFET11の発熱状態が判断できれば良いものである。
そして、メインマイクロコンピュータ23は、還流用MOSFET11の温度が所定の温度閾値を越えたと判断すると、還流用MOSFET11の温度上昇の原因となっている、寄生ダイオードに流れる還流電流を低減させることで、還流用MOSFET11の温度を下げることが可能である。これによって、還流用MOSFET11の温度を低下させ、還流用MOSFET11の信頼性が保証できる状態にすることで、DC−DCコンバータの動作を維持させることができる。したがって、結果的に車載制御装置の制御機能の少なくとも一部の制御機能を正常な状態に維持することが可能となる。
ここで、所定の温度閾値は、還流用MOSFET11の動作保障温度の最大値付近に決められており、これによって還流用MOSFET11の機能低下を抑制することができる。例えば、還流用MOSFET11の動作保証温度が175℃であった場合には、還流用MOSFET11の温度が175℃に達した際に還流電流を低減させる制御に移行するようにしている。
以上のようなDC-DCコンバータの還流用MOSFET11のオープン故障での対応方法を図2に示すフローチャートによって説明する。このフローチャートはメインマイクロコンピュータ23によって実行されるものである。
図2において、ステップS10では還流用MOSFET11に故障が生じたかどうかを判断している。例えば、還流用MOSFET11のゲート信号路の断線故障が生じた場合においては、ゲート信号路に断線検出手段を設けることによって還流用MOSFET11に故障が生じたかどうかを判断することができる。尚、このステップS10を実行しないで以下に示す制御ステップを実行することもできる。そして、ステップS10で還流用MOSFET11が故障したと判断されないとエンドに抜けてこの処理を終了する。
一方、ステップS10で還流用MOSFET11が故障したと判断されると、ステップS11では、還流用MOSFET11の温度を検出する。この温度は温度センサ22で測定されたものである。尚、ステップS11はステップS10を実行しないで、常に還流用MOSFET11の温度を検出している場合も実行されても良いものである。
ステップS11で、還流用MOSFET11の温度検出が終了するとステップS12に進み、ステップS12では所定の温度閾値を越えたかどうかが判断される。この所定の温度閾値はメインマイクロコンピュータ23のメモリに記憶されており、還流用MOSFET11の温度が設計的に設定した温度より高くなって還流用MOSFET11の構成材料の劣化の恐れが出る温度に設定されている。本実施例では上述したように還流用MOSFET11の動作保障温度の最大値付近に決められている。ステップS12で、還流用MOSFET11の温度が所定の温度閾値を越えていないと判断されるとエンドに抜けてこの処理を終了する。
一方、ステップS12で還流用MOSFET11の温度が所定の温度閾値を越えていると判断されると、少なくとも寄生ダイオードに多量の電流が流れているものと見做して、ステップS13では還流用MOSFET11の還流電流を低減する処理を行う。この還流電流を低減する方法としては、車載制御装置14が実行する制御機能の一部を停止することが考えられる。すなわち、制御機能を実行するための電気的負荷の駆動を停止すれば還流電流を低減することが可能となる。この具体的な処理については後述する。ステップS13で還流電流が低減されると、次にステップS14が実行される。
ステップS14では、還流用MOSFET11の還流電流が低減された後に還流用MOSFET11の温度が所定の温度閾値以下に下がったかどうかが判断される。温度が所定の閾値以下に下がっていなければステップS15に進む。一方、温度が所定の閾値以下に下がっていればステップS16に進む。
ステップS16では、還流用MOSFET11の温度が所定の温度閾値以下に下がったことから、これ以上の還流電流の低減を行う必要がないので、現状の状態を維持してエンドに抜ける。この場合、新たな制御機能の停止等を行う必要がないので、車載制御装置14はこの状態で自動車の運転状態を維持することになる。
一方、ステップS14で温度が所定の閾値以下に下がっていないと判断されると、ステップS15では所定時間が経過したかどうかが判断される。所定時間が経過していないと判断されると、再びステップS13に戻って更に還流用MOSFET11の還流電流を低減する処理を行う。本実施例では、後述するようにサブマイクロコンピュータ23を停止して還流電流を低減し、更に温度が所定閾値以下に下がらない場合は、センサの作動を停止して還流電流を低減している。また、ステップS15で所定時間が経過したと判断されると、これ以上還流電流を低減しても還流用MOSFET11の温度を低減できないと判断してステップS17に進む。
ステップS17では、還流用MOSFET11の構成材料の劣化に至る可能性があると判断して、DC−DCコンバータの動作を停止してエンドに抜ける。これによって、車載制御装置14が停止されることになる。
以上のような制御ステップをメインマイクロコンピュータ23で実行することによって、還流用MOSFET11がオープン故障を生じた時に、寄生ダイオードを経由して電流が流れているときの還流用MOSFET11の温度を検出し、この温度が所定温度以上になると寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させることができる。これによって、還流用MOSFET11がオープン故障した場合に、還流用MOSFET11の発熱を抑えて還流用MOSFET11の機能を確保すると共に、少なくとも車載制御装置の制御機能の一部を維持することができるようになるものである。
次に、還流電流を低減するための具体的な方法について説明する。図1に示しているように、DC−DCコンバータによって生成された直流電圧13は、マイコン電源25で降圧された後、メインマイクロコンピュータ23、サブマイクロコンピュータ24、図示しないその他の電気的負荷に供給されている。また、同様に直流電圧13は、センサ電源26で降圧された後、車載制御装置14の外部に設置された各種センサの電気的負荷に供給されている。
車載制御装置14は、主な機能制御の役割を持つメインマイクロコンピュータ23と、メインマイクロコンピュータ23を監視するサブマイクロコンピュータ24を有している。ここで、サブマイクロコンピュータ24は、メインマイクロコンピュータ23が正常に動作しているかを監視する役割を担っており、自動車の制御機能を備えていない。つまり、サブマイクロコンピュータ24の動作を停止させても、車載制御装置14の制御機能は維持されている。
したがって、図2に示すステップS13では、還流用MOSFET11の還流電流を減らす方法として、スイッチ27をオフにして電気的負荷の1つであるサブマイクロコンピュータ24への給電を停止し、サブマイクロコンピュータ24の動作を停止させている。これにより、サブマイクロコンピュータ24の消費電流分を還流電流から低減させることができる。
また、マイクロコンピュータには1つの半導体チップに複数のコアを搭載したマルチコアマイクロコンピュータがある。複数のコアを持つことで性能アップを実現している場合がある。さらに、2つのコアが同じ処理を行う冗長構成を持ち、その処理結果を比較し、結果が同じであればコアは正常に動作し、結果が異なれば、いずれかのコアに異常があると判断しているマイクロコンピュータもある。
したがって、メインマイクロコンピュータ23やサブマイクロコンピュータ24にマルチコアマイクロコンピュータが使用されている場合においては、電気的負荷の1つである少なくとも1つのコアの作動を停止させることで消費電力を低減することが可能である。したがって、残余のコアによって自動車が安全な状態に移行する最低限の制御が可能である場合には、1つのコアの作動を停止させることで、マルチコアマイクロコンピュータの消費電流を低減でき、その結果、還流用MOSFET11の還流電流を低減させることができる。
また、車載制御装置14の外部には、同じ物理量を検知する冗長構成を持ったセンサ28とセンサ29が備ええられている。車載制御装置14は、これらセンサ28、29に電源を供給するためにセンサ電源26を備えており、センサ28とセンサ29によって得られた物理量はメインマイクロコンピュータ23に送られている。
センサ28とセンサ29は、一方のセンサに故障が発生した場合に自動車が制御不能となり、危険な状態に陥るのを防止するために、センサ28とセンサ29からなる冗長センサ組立体30としている。このような冗長センサ組立体30を持ったセンサの場合には、いずれか一方のセンサが動作を停止しても、もう一方のセンサから必要な物理量を取得することが可能であり、自動車の制御には影響は与えない。
したがって、図2に示すステップS13では、還流用MOSFET11の還流電流を減らす方法として、メインマイクロコンピュータ23は、スイッチ32をオフにして、電気的負荷の1つである冗長構成を持つセンサ28への給電を停止することで、冗長センサ組立体30が消費する電流を低減することができ、その結果、還流用MOSFET11の還流電流を低減させることができる。
また、この他の電気的負荷としては空気、燃料、潤滑油等の物理量を制御する種々の電気的アクチュエータがあり、これらの電気的アクチュエータの1つ以上の駆動を停止して、還流電流を低減することも可能である。この場合、駆動を停止する順番が設定されており、制御の観点から駆動を停止しても影響が少ないものから駆動を停止するように決められている。
ここで、ステップS13では、ステップS14、15の判断に基づき、段階的に還流電流を低減するので、DC-DCコンバータの機能をできるだけ維持することができるようになる。また、還流電流を低減する順序は優先順位が決められており、自動車を制御する上で影響が少ないものほど早く制御機能が停止されるように構成されている。この順序は車載制御装置14の仕様によって適切に選択されれば良いものである。
上述の通り、本実施例では、メインマイクロコンピュータ23を監視するサブマイクロコンピュータ24の機能を停止させることで還流電流を低減させることができる。また、冗長構成を持ったセンサ組立体のいずれか一方を停止させることで還流電流を低減させることができる。更には、電動アクチュエータの優先順位が低い電動アクチュエータから停止させることで還流電流を低減させることができる。このように、自動車の制御に大きな影響を与えることなく、還流電流を低減させることが可能である。
尚、本実施例ではサブマイクロコンピュータ23、冗長センサ組立体のセンサ28、電動アクチュエータ等の動作が停止されるので、これらの電気的負荷に発生する異常を検出できないことが考えられる。しかしながら、本実施例においては、すでに還流用MOSFET11にオープン故障が発生している状態にある。このため、還流用MOSFET11にオープン故障が発生してから自動車が安全な状態に移行するまでの期間に限って、上述の異常の検出を行わない制御としてもさほど問題は生じない。また、このときには、図示しない故障検知ランプ等を利用して、自動車の乗員に対して異常の発生を通知し、速やかに自動車を安全な状態に移行するように促すことも可能である。
以上述べた通り、本実施例によれば、還流用MOSFETがオープン故障を生じた時に、寄生ダイオードを経由して電流が流れているときの還流用MOSFETの温度を検出し、この温度が所定温度以上になると寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させることができる。これによって、還流用MOSFETがオープン故障した場合に、還流用MOSFETの発熱を抑えて還流用MOSFETの機能を確保すると共に、少なくとも車載制御装置の制御機能の一部を維持することができるようになるものである。
図3には、車載制御装置14の内部を示しており、DC−DCコンバータが配置されている付近を示している。
参照番号40は制御箱であり、アルミニウム、或いはアルミニウム合金から作られている。この制御箱40には制御基板41が配置され、図示しない固定ボルトによって制御基板41が制御箱40の内部に固定されている。DC−DCコンバータ43は還流用MOSFET11、サーミスタよりなる温度センサ22、通電用MOSFET10の順序に配置されており、還流用MOSFET11、温度センサ22、通電用MOSFET10の中心線を延長した延長線の両側にインダクタ15と平滑コンデンサ16が配置されている。また、通電用MOSFET10の両側にはマイコン電源25とセンサ電源26が配置されている。
温度センサ22は、通電用MOSFET10と還流用MOSFET11の間で、しかも還流用MOSFET11の近傍で、還流用MOSFET11側に寄せて配置されている。そして、還流用MOSFET11、温度センサ22、通電用MOSFET10の中心線は共通であり、3者は一直線上に配置されている。そして、温度センサ22は通電用MOSFET10、マイコン電源25、センサ電源26から離れていることから、温度センサ22は還流用MOSFET11の温度を正確に測定することが可能となる。
図4は別の車載制御装置14の内部を示しており、DC-DCコンバータの他に燃料噴射弁の制御回路が搭載されている。
図4において、制御箱40はアルミニウム、或いはアルミニウム合金から作られている。この制御箱40には制御基板41が配置され、図示しない固定ボルトによって制御基板41が制御箱40の内部に固定されている。DC−DCコンバータ43は還流用MOSFET11、通電用MOSFET10の順序に配置されており、還流用MOSFET11、サーミスタよりなる温度センサ22、通電用MOSFET10の中心線を延長した延長線の両側にインダクタ15と平滑コンデンサ16が配置されている。また、通電用MOSFET10の両側にはマイコン電源25とセンサ電源26が配置されている。尚、図3に示す温度センサ22は搭載されていない。
DC−DCコンバータ43の隣には、燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動回路44と、この燃料噴射弁駆動回路44の電源である昇圧回路ブロック45が配置されている。昇圧回路ブロック45は周知の昇圧型DC−DCコンバータであり、MOSFET46、ダイオード47、インダクタ48、コンデンサ49とか構成されている。
そしてMOSFET46の近傍にはサーミスタからなる温度センサ50が設けられている。この温度センサ50は図1に示した温度センサ36である。そして、このサーミスタからなる温度センサ50は、DC-DCコンバータ43の還流用MOSFET11の温度の影響を受けるので、この温度センサ50を図3に示す温度センサ22の代わりに使用することができる。特に、図3のように温度センサ22を還流用MOSFET11の近傍に配置できない場合には有効な方法である。
更には、図1に示す温度センサ31が還流用MOSFET11の温度と相関がある機器の温度を測定できる場合は、還流用MOSFET11の温度と見做して使用することもできる。
以上に説明した実施例は、還流用MOSFET11の温度を温度センサによって測定するものであるが、還流用MOSFET11の温度は、上述の通り還流電流量と相関がある。このため、還流用MOSFET11のオープン故障の発生後に還流電流検出手段によって、還流用MOSFET11の還流電流量を監視することで、還流電流量から還流用MOSFET11の温度を推定することが可能である。この場合、還流用MOSFET11の温度を監視する温度センサ22を省くことが可能となる。尚、還流用MOSFET11の温度は、還流電流を時間で微分や積分した値から推定しても良い。
図5にはグランド側と還流用MOSFET11の間に電流検出センサを配置した例を示している。
図5において、グランド側と還流用MOSFET11には電流検出センサ37が配置されている。電流検出センサ37は、グランド側と還流用MOSFET11の間にシャント抵抗37Aを介装し、このシャント抵抗37Aの間の電圧降下をオペアンプ37Bで増幅してメインマイクロコンピュータ23に入力している。メインマイクロコンピュータ23では入力された電流信号から温度情報を推定し、図2のステップS12以降の処理を実行することができる。更に、温度情報に変換せずに電流信号をそのまま使用し、所定の温度閾値に対応する所定の電流閾値と比較することによって図2に示す制御を行なうことができる。
図6には還流用MOSFET11にセンスMOSよりなる電流検出センサを配置した例を示している。図6において、センスMOS38は還流用MOSFET11の両側の端子に接続されており、MOSFET38A、MOSFET38B、オペアンプ38C、オペアンプ38D等から構成されている。このセンサMOS38によって電流を検出することは良く知られている。そして、センサMOS38によって検出された電流信号はメインマイクロコンピュータ23に入力される。
メインマイクロコンピュータ23は、図5の場合と同様に入力された電流信号から温度情報を推定し、図2のステップS12以降の処理を実行することができる。更に、温度情報に変換せずに電流信号をそのまま使用し、所定の温度閾値に対応する所定の電流閾値と比較することによって図2に示す制御を行なうことができる。
以上述べた通り、本実施例によれば、還流用MOSFETがオープン故障を生じた時に、寄生ダイオードを経由して電流が流れているときの還流用MOSFETの温度を検出し、この温度が所定温度以上になると寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させることができる。これによって、還流用MOSFETがオープン故障した場合に、還流用MOSFETの発熱を抑えて還流用MOSFETの機能を確保すると共に、少なくとも車載制御装置の制御機能の一部を維持することができるようになるものである。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。実施形態1ではDC−DCコンバータの例を示したが、第2の実施形態では電動制御機器のコイル、或いは電磁制御機器のコイルを駆動する駆動回路に本発明を適用した例である。尚、第1の実施形態と同じ参照番号は同じ構成要素を示しているので、詳細な説明は省略する。
図7は、通電用スイッチング素子である通電用MOSFET10と、還流用スイッチング素子である還流用MOSFET11が交互にオン、オフすることで、コイル等のインダクタ33を有する電動制御機器、または電磁制御機器を駆動する回路を示している。
電動制御機器としては、代表的には内燃機関に供給される空気の量を制御する電制絞り弁装置や、内燃機関の吸排気弁の開閉位相を制御する電制可変動弁装置等が知られている。また、電磁制御機器としては、代表的には自動車のオートマチックトランスミッションに使用されるリニアソレノイドが知られている。そして、インダクタ33は電動機に使用されている三相電磁コイル、或いはリニアソレノイドに使用されている電磁コイルである。
実施例1でも述べたように、通電用MOSFET10と還流用MOSFET11は、その構造から寄生ダイオードを有している。図7にあるように、通電用MOSFET10の一端は直流電源(高圧)に接続され、通電用MOSFET10の他端は還流用MOSFET11の一端と接続され、更に還流用MOSFET11の他端はグランド側に接続されている。また、通電用MOSFET10の他端と還流用MOSFET11の一端の間は、コイルであるインダクタ33の一端に接続され、インダクタ33のもう一端はグランドに接続されている。図示しないが、インダクタ33と並列にコンデンサが接続される場合もある。また、第1の実施形態と同様に還流用MOSFET11の近傍には温度センサ22が配置されている。この温度センサ22は第1の実施形態と同様のものである。
そして、第1の実施形態例と同様に還流用MOSFET11がオープン故障した後、還流用MOSFET11の寄生ダイオード経由で還流電流が流れるため、還流用MOSFET11の温度が上昇し、還流用MOSFET11の温度が設計的に設定した温度より高くなり、還流用MOSFET11の構成材料の劣化の恐れを生じる。したがって、還流用MOSFET11の構成材料の劣化を避けるため、第1の実施形態で述べたように通電用MOSFET10や還流用MOSFET11の機能を停止すると、インダクタ33自体の駆動ができなくなる。
このため、還流用MOSFET11がオープン故障した後、還流用MOSFET11の構成材料の劣化を抑制しつつ、インダクタ33を駆動させ続けることが必要である。したがって、第1の実施形態と同様に還流用MOSFET11の近傍に温度センサ22を配置し、測定した温度をメインマイクロコンピュータ23に送る構成としている。そして、メインマイクロコンピュータ23は、温度情報に基づきながらインダクタ33の駆動状態を調整して還流電流を制御する。
このための制御フローは図2に示す制御フローと実質同様であるが、ステップS13では還流用MOSFET11の還流電流を低減するために、通電用MOSFET10の通電時間を短くする。これによってインダクタ33に流れる電流が低減されるようになる。これは、メインマイクロコンピュータ23からの制御指令によって、制御回路20からのゲート制御信号が通電用MOSFET10の通電時間を短くするように制御されることによって実行される。
ここで、還流用MOSFET11の還流電流を低減すると、結果的にインダクタ33の駆動電流が低減されるため、正常動作時のインダクタ3の駆動電流とは異なるものとなる。しかしながら、自動車を安全な状態に移行させるためには、インダクタ33を駆動させる必要がある。このため、インダクタ33に流れる電流を低減させた場合であっても、自動車が安全な状態に移行する動作が可能となる場合には、本実施形態のように還流用MOSFET11の温度情報に基づきながら、インダクタ33を駆動させ続けることが必要である。
例えば、電制絞り弁装置においては、還流用MOSFET11のオープン故障により絞り弁を所定の正常時の開度まで開けない場合であっても、電制絞り弁装置を停止させない状態に維持している。しかしながら、この状態で還流用MOSFET11の温度が所定の温度閾値まで高くなると、還流用MOSFET11の構成材料が劣化し、最終的に完全に故障する恐れが高くなる。
そこで、本実施例ではインダクタ33に流れる電流を低減し、結果的に還流電流を低減することによって、還流用MOSFET11の機能を維持し、自動車を安全な状態に移行させるための最低限の開度が維持できるようにしている。
このように、少なくとも自動車が安全な状態に移行するまでの間、還流用MOSFET11の温度情報に基づきながらインダクタ33に流れる電流を制御することで、還流用MOSFET11の機能を維持して電制絞り弁装置の制御を行なうことが可能となる。
図8は図7の変形例を示す図である。図8において、通電用MOSFET10の一端はグランド側に接続され、通電用MOSFET10の他端は還流用MOSFET11の一端が接続され、更に還流用MOSFET11の他端は直流電源(高圧)側に接続されている。また、通電用MOSFET10の他端と還流用MOSFET11の一端の間は、コイルであるインダクタ33の一端に接続され、インダクタ33のもう一端は直流電源に接続している。また、第2の実施形態と同様に還流用MOSFET11の近傍には温度センサ22が配置されている。この温度センサ22は第1の実施形態と同様のものである。
そして、第2の実施形態例と同様に還流用MOSFET11がオープン故障した後、還流用MOSFET11の寄生ダイオード経由で還流電流が流れるため、還流用MOSFET11の温度が上昇し、還流用MOSFET11の温度が設計的に設定した温度より高くなり還流用MOSFET11の構成材料の劣化の恐れを生じる。
このため、還流用MOSFET11がオープン故障した後、還流用MOSFET11の構成材料の劣化を抑制しつつ、インダクタ33を駆動させ続けることが必要である。したがって、図7に示す第2の実施形態と同様に還流用MOSFET11の近傍に温度センサ22を配置し、測定した温度をメインマイクロコンピュータ23に送る構成としている。そして、メインマイクロコンピュータ23からの制御指令によって、制御回路20からのゲート信号が通電用MOSFET10の通電時間を短くするように制御される。これによって、インダクタ33の駆動状態を調整して還流電流を低減する。
このように、この変形例も図7に示す実施例と同様に、少なくとも自動車が安全な状態に移行するまでの間、還流用MOSFET11の温度情報に基づきながらインダクタ33に流れる電流を制御することで、還流用MOSFET11の機能を維持して電制絞り弁装置の制御を行なうことが可能となる。
以上述べた通り本発明によれば、少なくとも、インダクタに通電する通電用スイッチング素子と、インダクタの通電エネルギーを還流する寄生ダイオードを有する還流用スイッチング素子とを備え、寄生ダイオードを経由して電流が流れているときの還流用スイッチング素子の温度を検出し、この温度が所定温度以上になると寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させる構成とした。
これによれば、還流用スイッチング素子がオープン故障した後も、寄生ダイオードを経由して還流電流を流すと共に、還流用スイッチング素子の温度が所定温度以上になると還流電流を減少するので、還流用スイッチング素子がオープン故障した場合に、還流用スイッチング素子の発熱を抑えて還流用スイッチング素子の機能を確保することができるようになるものである。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…通電用MOSFET、11…還流用MOSFET、12…入力電圧、13…直流電圧、14…車載制御装置、15…インダクタ、16…平滑コンデンサ、17…還流用MOSFETのドレイン端子、18…還流用MOSFETのソース端子、19…還流用MOSFETのゲート端子、20…制御回路、21…制御回路、22…温度センサ、23…メインマイクロコンピュータ、24…サブマイクロコンピュータ、25…マイコン電源、26…センサ電源、27…スイッチ、28、 29…センサ、30…冗長センサ組立体、31…温度センサ、32…スイッチ、33…インダクタ、34、 35…直流電源、36…温度センサ。

Claims (11)

  1. 交互にオン、オフされる通電用スイッチング素子及び寄生ダイオードを有する還流用スイッチング素子と、前記通電用スイッチング素子と前記還流用スイッチング素子の接続部に接続されているインダクタに、前記通電用スイッチング素子をオンさせて前記通電用スイッチング素子を介して通電電流を流し、前記還流用スイッチング素子をオンさせて前記還流用スッチング素子を介して還流電流を流す制御回路を備えた車載制御装置において、
    前記還流用スイッチング素子の前記寄生ダイオードを経由して還流電流が流れているときの前記還流用スイッチング素子の温度が所定の温度閾値以上になると、前記寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させる制御手段を設けたことを特徴とする車載制御装置。
  2. 請求項1記載の車載制御装置において、
    前記制御手段は、前記還流用スイッチング素子にオープン故障が発生した時に前記還流用スイッチング素子の温度情報を検出するか、或いは常に前記還流用スイッチング素子の温度情報を検出することを特徴とする車載制御装置。
  3. 請求項2記載の車載制御装置において、
    前記還流用スイッチング素子の温度情報は、前記還流用スイッチング素子の近傍に配置された温度センサによって検出されるか、或いは、前記還流用スイッチング素子に一体的に形成された温度センサによって検出されることを特徴とする車載制御装置。
  4. 請求項2記載の車載制御装置において、
    前記還流用スイッチング素子の温度情報は、前記還流用スイッチング素子に流れる還流電流によって推定されることを特徴とする車載制御装置。
  5. 請求項2記載の車載制御装置において、
    前記還流用スイッチング素子に流れる還流電流は、前記還流用スイッチング素子とグランド側の間に介装されたシャント抵抗によって検出されるか、或いは前記還流用スイッチング素子の両端に接続されたセンスMOSによって検出されることを特徴とする車載制御装置。
  6. 請求項2記載の車載制御装置において、
    前記還流用スイッチング素子の温度情報は、前記還流用スイッチング素子の温度の影響を受ける他の温度センサによって検出されることを特徴とする車載制御装置。
  7. 請求項1に記載の車載制御装置において、
    前記所定の温度閾値は、前記還流用スイッチング素子の動作保証温度に基づいて決められており、前記制御手段は前記還流用スイッチング素子の温度が前記還流用スイッチング素子の動作保証温度に基づいて決められた前記所定の温度閾値以上になると、前記寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させることを特徴とする車載制御装置。
  8. 請求項1に記載の車載制御装置において、
    前記通電用スイッチング素子及び前記還流用スイッチング素子はMOSFETから構成されていることを特徴とする車載制御装置。
  9. 請求項1に記載の車載制御装置において、
    前記通電用スイッチング素子、前記還流用スイッチング素子、及び前記インダクタによって電源回路が形成されており、前記制御手段は、前記還流用スイッチング素子の温度が所定の温度閾値以上になると、前記電源回路に接続されている電気的負荷の1つ以上を停止させて前記寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させることを特徴とする車載制御装置。
  10. 請求項9に記載の車載制御装置において、
    前記電気的負荷は、機能が同じ2つ以上の電気的負荷、或いは監視機能を有する電気的負荷、或いは物理量を制御する電気的負荷であり、前記制御手段は、前記還流用スイッチング素子の温度が所定の温度閾値以上になると、前記機能が同じ2つ以上の電気的負荷の一方の電気的負荷、或いは前記監視機能を有する電気的負荷、或いは前記物理量を制御する電気的負荷の1つ以上を停止することを特徴とする車載制御装置。
  11. 請求項1に記載の車載制御装置において、
    前記インダクタは電動機のコイル、或いは電磁コイルであり、前記制御手段は、前記還流用スイッチング素子の温度が所定の温度閾値以上になると、前記通電用スイッチング素子の通電時間を短くして前記寄生ダイオードに流れる還流電流を減少させることを特徴とする車載制御装置。
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