JPWO2016162900A1 - 蓄電池管理装置 - Google Patents

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Abstract

蓄電池の劣化の程度を精度よく評価することを可能にした蓄電池管理装置を提供する。蓄電池管理装置(10A)は、情報取得部(11)と計数部(12)と評価部(13)と出力部(14)とを備える。情報取得部(11)は、蓄電池(213)の充電状態に関する情報を取得する。計数部(12)は、蓄電池(213)が充電されて満充電に到達した状態を蓄電池(213)の充電状態に関する情報から抽出し、満充電に到達した状態の発生回数を計数する。評価部(13)は、計数部(12)が計数した発生回数を用いて蓄電池(213)の劣化の程度を評価する。出力部(14)は、評価部(13)の評価結果を出力する。蓄電池(213)はソーラパネル(211)の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池である。

Description

本発明は、一般に蓄電池管理装置、とくに蓄電池の劣化を管理する蓄電池管理装置に関する。
従来、太陽電池を用いて蓄電池を充電する構成で、充電時の過充電到達回数を検出する技術が知られている(文献1[日本特許出願公開2005−192282])。文献1には、過充電到達回数が所定範囲内のときには放電深度を変えず、所定範囲未満のときに放電深度を浅くし、所定範囲を超えるときに放電深度を深くする技術が提案されている。
また、発電装置と蓄電池とを備える独立電源システムが知られている(文献2[日本特許出願公開2005−143217])。文献2に記載された独立電源システムは、ソーラパネル(太陽電池モジュール)と、太陽電池モジュールから出力される直流電圧を蓄積する蓄電池とを備える。この独立電源システムは、昼間には主として太陽電池モジュールから蓄電池への充電を行い、夜間には主として蓄電池の放電を行っている。
文献1には、蓄電池の寿命を確保する技術が記載されているが、文献1に記載された技術では、蓄電池の寿命を推定することはできない。また、文献2には、独立電源システムが記載されているが、文献2に記載された技術では、蓄電池の劣化の程度を推定することはできない。
本発明の目的は、蓄電池の劣化の程度を評価することを可能にした蓄電池管理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る形態の蓄電池管理装置は、蓄電池の充電状態に関する情報を取得する情報取得部と、前記蓄電池が充電されて満充電に到達した状態を前記蓄電池の充電状態に関する情報から抽出し、前記満充電に到達した状態の発生回数を計数する計数部と、前記計数部が計数した前記発生回数を用いて前記蓄電池の劣化の程度を評価する評価部と、前記評価部の評価結果を出力する出力部とを備え、前記蓄電池は太陽電池の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池であることを特徴とする。
本発明に係る形態の別の蓄電池管理装置は、蓄電池から電力が供給される電気負荷との間の電路に設けられ前記電路を導通させるオンの状態と前記電路を遮断するオフの状態とを選択するように構成された開閉器と、前記開閉器のオンの状態とオフの状態とを切り替える制御部とを備えた給電設備と併せて用いられ、前記蓄電池は太陽電池の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池であって、蓄電池の充電状態に関する情報を取得する情報取得部と、前記開閉器のオフからオンへの切替前後における前記蓄電池の電池電圧の変化分の推移を記録し、記録した前記変化分を用いて前記蓄電池の使用開始からの経過期間と前記変化分との関係を表す回帰式を求め、前記回帰式を用いて前記蓄電池が電池寿命に達するまでの期間を予測する評価部と、前記評価部の評価結果を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る形態の蓄電池管理装置では、蓄電池の劣化の程度を精度よく評価することが可能になるという効果がある。
実施形態1を示すブロック図である。 実施形態1における蓄電池の特性例を示す図である。 実施形態1における表示例を示す図である。 実施形態2を示すブロック図である。 実施形態3を示すブロック図である。 実施形態3の動作例を示す図である。 実施形態1、2、3に適用する一動作を説明する図である。 実施形態1、2、3に適用する一動作を説明する図である。
(概要)
以下に説明する蓄電池管理装置は、蓄電池の劣化の程度を判断する機能を有する。蓄電池管理装置は、給電設備と併せて用いられる。給電設備は、電源装置と開閉器と制御部とを備える。電源装置は、太陽電池と蓄電池とを備える。開閉器は、電源装置から電力が供給される電気負荷との間の電路に設けられ電路を導通させるオンの状態と電路を遮断するオフの状態との一方を選択するように構成される。制御部は、開閉器のオンの状態とオフの状態とを切り替える機能を有する。
電源装置は、独立型電源を想定している。独立型電源は、電気事業者が電力を供給するために敷設した電力系統に対して電気的に分離された電源を意味する。この種の電源装置は、電力系統であるグリッドから独立しているからオフグリッドと呼ばれることがある。この種の独立型電源は、電化が進んでいない辺境地あるいは島嶼のような地域であっても使用可能である。また、災害の被災地において電力系統が復旧するまでの間に、電力を供給する目的で使用することが可能である。なお、以下に説明する技術は、系統電源に連系する分散型電源であっても用いることが可能である。
電源装置は、発電装置としてソーラパネル(つまり、太陽電池)を用いている。ソーラパネルは、主として昼間に発電し、夜間はほとんど発電を行わないから、1日を単位として出力が変動する。言い換えると、ソーラパネルの発電電力は、1日を単位とする周期性を有していると言える。ただし、ソーラパネルの1日の発電量は、昼間でも、天候による変動があり、季節および地形に起因した日照時間の相違による変動がある。
電源装置は、さらに充電装置と電力変換器とを備える。充電装置は、ソーラパネルが発電した電力を用いて電圧を調節した直流を出力する。充電装置の出力電力は、蓄電池と電力変換器とに供給される。電力変換器は、DC/ACコンバータ(すなわち、インバータ)であって、直流電力を交流電力に変換し、この交流電力が電源装置の出力になる。
蓄電池は、充電装置と電力変換器とを接続する電路上に常時接続されている。この構成の電源装置において、ソーラパネルの出力電圧の変動は充電装置により抑制され、電気負荷が要求する電力の変動は蓄電池により抑制される。充電装置は、ソーラパネルの発電電力を蓄電池に供給するだけでなく、蓄電池の電池電圧など蓄電池の充電の状態を把握するための情報を監視する機能を有する。
上述した電源装置では、ソーラパネルの発電電力が、蓄電池の充電に利用されず、かつ電気負荷で利用される電力を超えていると、発電された電力に余剰が生じる。電源装置は独立型電源であるから、このような余剰の電力は、利用されずに破棄される。
電源装置としては、数kWh〜数百kWh程度の容量、かつ数kVA〜数十kVA程度の出力を想定している。また、電源装置は、自動車などを用いて移動可能な程度のサイズのハウジングを備えることが望ましい。ハウジングは箱状であって、ハウジングのサイズは、たとえば、輸送用のコンテナと同程度であって、幅および高さが2〜3m程度、長さが3〜15m程度の範囲に収まるように構成される。電源装置が、このようなハウジングを備えていれば、コンテナと同様の輸送手段を用いて設置現場まで電源装置を輸送し、設置現場で組み立てを行った後に、電気負荷との配線を敷設するだけで電源装置を利用することが可能になる。
なお、上述した数値は、説明のための例としての数値であって、限定する趣旨ではない。また、以下では、電源装置のハウジングが、ソーラパネルを搭載可能である構成を例示するが、ハウジングがソーラパネルを搭載可能であることは必須ではない。
ところで、上述した電源装置は、蓄電池を備えており、蓄電池は充電および放電を繰り返すうちに、蓄電可能な最大電力量が低下する。つまり、蓄電池は、充電および放電を繰り返す間に劣化することが知られている。蓄電池は、劣化すれば交換することが必要であり、ユーザにとって交換時期を知ることは重要である。蓄電池の交換は、一般的には以下のいずれかの時期が選択される。すなわち、蓄電池を交換するタイミングは、定期的に定められている時点、定期点検で交換時期と判断された時点、実使用でユーザが不便を感じた時点のいずれかに基づいていることが多い。
しかしながら、蓄電池を定期的に交換する場合、交換時期が余裕を持つように定められていることが多いから、交換の時点では蓄電池の劣化の程度が低いにもかかわらず、蓄電池を交換する可能性が高くなる。つまり、蓄電池の交換頻度が高くなり、コスト高になるという問題が生じる。また、定期点検を行って交換時期を判断する場合には、人による作業が必要になり、結果的には人件費が発生してコスト高になる。さらに、ユーザが不便を感じた時点で交換する場合は、ユーザにとって不便である程度に蓄電池の劣化の程度が進んでいるから、交換時期としては遅すぎることになる。とくに、蓄電池の入手に長期間を要する場合には、ユーザが不便を感じてから蓄電池が実際に交換されるまでに、蓄電池がさらに劣化して使用不能になる可能性もある。
蓄電池管理装置は、蓄電池を使用する間に、蓄電池の劣化の程度を評価し、評価結果を出力することによって、ユーザが蓄電池の交換時期を判断する目安を与えるように構成されている。
(全体構成)
以下、図面を用いて説明する。図1に示すように、蓄電池管理装置10Aは、給電設備20と併せて用いられる。給電設備20は、電源装置21と開閉器22と制御部23とを備える。開閉器22と制御部23とは、電力制御装置24を構成する。開閉器22は、電源装置21と電気負荷30との間の電路に設けられ、この電路を導通させるオンの状態と、この電路を遮断するオフの状態との一方を選択する。図1に示す構成例では、電力制御装置24が蓄電池管理装置10Aを備えているが、蓄電池管理装置10Aを電力制御装置24とは別に設けることが可能である。
図1に示す構成例では、電気負荷30が複数設けられ、かつ電力制御装置24が複数の電気負荷30に一対一に対応した複数の開閉器22を備えている。ただし、一つの開閉器22が複数の電気負荷30に電気的に接続されていてもよい。また、開閉器22と電気負荷30とが一つずつあっても、蓄電池管理装置10Aを利用することは可能である。
電源装置21は、ソーラパネル211と充電装置212と蓄電池213と電力変換器214とにより構成され、コンテナのような箱状のハウジング2に搭載される。電源装置21と電力制御装置24とにより給電設備20が構成され、ハウジング2は給電設備20の運搬および設置にも利用される。
ソーラパネル211は、ハウジング2を利用して設置されるか、あるいは自立するように構成される。たとえば、ソーラパネル211は、ハウジング2の屋根に取り付けた架台に載せることが可能である。また、ソーラパネル211の一部をハウジング2の屋根で支持し、残りの部分を地面に建てた支柱で支持することも可能である。あるいはまた、ソーラパネルを地面に自立する架台に載せることも可能である。ソーラパネル211の設置作業は、電源装置21の輸送前と輸送後とのどちらで行ってもよいが、通常は、輸送後に設置現場で行われる。
蓄電池213は、鉛蓄電池を想定している。鉛蓄電池は、放電量(または電池残量)と電池電圧との関係がほぼ線形であって、放電量の管理が容易であり、また比較的安価であって入手も比較的容易であるという長所を有している。ただし、鉛蓄電池は、長期にわたって使用するために、過放電を防止し、放電後はただちに充電するように、充電および放電の管理を行う必要がある。
また、満充電まで充電した蓄電池213を放電し、次に満充電まで充電するまでの期間を1サイクルとすると、蓄電池213の電池寿命は1サイクルの期間における放電深度の最大値(以下、最大放電深度という)によって変化することが知られている。放電深度は、定格容量に対する放電量の比を百分率で表した値であって、蓄電池213の定格容量に対して80%の電力量を放電した場合には、放電深度は80%になる。
ところで、新品の蓄電池213の使用を開始した時点から蓄電池213の交換が必要になる時点までのサイクル数は、1サイクルの期間における最大放電深度に応じて、たとえば図2に示す関係になる。図2において、特性aは最大放電深度が20%の場合、特性bは最大放電深度が40%の場合、特性cは最大放電深度が80%の場合を示している。
図2では、蓄電池213の交換が必要になる時点を、蓄電池213から放電可能な最大の電力量が、蓄電池213の定格容量の80%まで低下した時点に定めている。つまり、蓄電池213が放電可能な電力量が、定格容量の80%まで低下した時点を電池寿命とみなしている。図2によれば、電池寿命に達するまでのサイクル数は、最大放電深度が20%では4000サイクル、最大放電深度が40%では2000サイクル、最大放電深度が80%では1000サイクルである。
図2は蓄電池213の容量(つまり、放電可能な最大の電力量)とサイクル数との関係を模式的に表しており、蓄電池213の仕様に応じた相違は生じるが、蓄電池213が鉛蓄電池であれば、放電可能な最大の電力量とサイクル数とは同様の関係になる。そして、1サイクルの期間における最大放電深度が電池寿命に与える影響も、鉛蓄電池の仕様によらず、図2に示した例と同様の関係になる。なお、蓄電池213は鉛蓄電池に限定されないが、蓄電池213の種類に応じて制御内容の修正が必要になる。
充電装置212は、ソーラパネル211の出力を安定化し、ほぼ一定の直流電圧を出力するように構成されている。充電装置212の出力電圧は、蓄電池213の仕様である推奨電圧と蓄電池213の接続の態様とにより定められ、たとえば、12V、24V、48Vなどから選択される。また、充電装置212は、蓄電池213の電池電圧および充電電流を監視することによって、出力電圧の値および出力電流の値を制御する機能を有している。
鉛蓄電池は、電池電圧が上昇しすぎると過充電になる。そのため、充電装置212は、第1の充電状態と第2の充電状態と第3の充電状態との3種類の充電状態を切り替えて、蓄電池213の過充電を防止している。
第1の充電状態では、電池残量が少ない期間において採用され、充電装置212は、比較的大きい充電電流で充電を行う。第1の充電状態で充電が進み、蓄電池213の電池電圧が設定された電圧値に達すると、充電装置212は、第2の充電状態に移行する。
第2の充電状態に移行させる電圧値は、蓄電池213がほぼ満充電に達したことを判定するように設定されている。第2の充電状態では、充電装置212は、充電電流を断続的に流すことによって、電池電圧を設定された電圧値に維持しながら充電を継続し、満充電に近づくように蓄電池213の充電を継続する。第2の充電状態では、蓄電池213の電池電圧が設定された電圧値に維持されているから、蓄電池213の過充電が避けられる。
第2の充電状態では、電池電圧は設定された電圧値に維持されるから、第2の充電状態を維持する期間は、時間を用いて定められる。たとえば、第2の充電状態は2〜3時間程度維持される。第2の充電状態を維持する期間が終了すると、充電装置212は、第3の充電状態に移行する。
第3の充電状態では、充電装置212は、出力電圧を、第2の充電状態において維持されている電圧よりも低い電圧値に設定する。第3の充電状態は、フロート充電を行う状態であり、フロート充電を行うために設定された電圧値まで出力電圧を引き下げる。これは、蓄電池213が満充電になった状態でさらに充電を継続すると、蓄電池213が過充電になるからである。したがって、第3の充電状態において設定される電圧値は、蓄電池213の過充電を防止する程度に設定される。
第1の充電状態では、ソーラパネル211が発電した電力はほぼすべて蓄電池213の充電に用いられる。つまり、第1の充電状態ではソーラパネル211が発電した最大限の電力が蓄電池213の充電に利用される。ただし、第1の充電状態の期間であっても、電池残量が所定の下限値以上であれば、電気負荷30に対する電力の供給は可能である。
第2の充電状態で蓄電池213が満充電になると、第3の充電状態に移行する。第3の充電状態では、ソーラパネル211の発電電力が電気負荷30の要求する電力よりも多ければ、ソーラパネル211が発電した電力の少なくとも一部は、余剰の電力として破棄される。第3の充電状態において、ソーラパネル211が発電する電力では電気負荷30が必要とする電力が充足されない場合は、蓄電池213から不足分の電力が補われる。
蓄電池213が放電することにより、蓄電池213の電池電圧が第3の充電状態における設定電圧よりも低下し、この状態が所定時間継続すると、充電装置212では、第3の充電状態から第1の充電状態に移行する。なお、充電装置212は、充電状態を切り替えるタイミングを定めるために、蓄電池213の電池電圧だけではなく、蓄電池213の充電電流および放電電流の値を併用することも可能である。
充電装置212は、ソーラパネル211が発電した電力のうち破棄されている電力が生じていると、余剰があると判断する。充電装置212の判断結果は、電源情報として電源装置21の外部に取り出すことが可能になっている。電源情報は、ソーラパネル211が発電しているか否かの情報、および蓄電池213の電池電圧の値も含む。そのため、充電装置212は、電源装置21において適宜に配置された電流センサ215などの出力を監視し、電源情報を生成して出力する機能を有している。図1に示す構成例では、電流センサ215が充電電流および放電電流を計測するように設けられているが、電流センサ215は他にも適宜に配置される。
電力変換器214は、充電装置212または蓄電池213から直流電力を受けて交流電力を出力する。電力変換器214から出力される交流電圧の実効値は、たとえば、100Vあるいは220Vなどに設定される。充電装置212および電力変換器214は、基本的にはスイッチング電源である。
図1に示す構成例は、複数の電気負荷30を備える。電源装置21からそれぞれの電気負荷30に給電する電路は複数系統に分岐している。以下、電気負荷30ごとに電力を供給する電路を負荷電路31と呼ぶ。電源装置21に電気的に接続された主電路32は、複数系統の負荷電路31に分岐する。複数系統の負荷電路31それぞれには複数個の開閉器22が一対一に対応し、開閉器22は負荷電路31ごとに挿入される。開閉器22のオンとオフとは、開閉器22ごとに個別に制御される。したがって、開閉器22がオンである負荷電路31に接続された電気負荷30のみが電源装置21から受電する。
開閉器22は、たとえば、電磁継電器、電磁接触器、リモコンブレーカなどから選択される。電磁継電器は、アマチュアを備える電磁石装置を用いて接点を駆動する開閉器を意味し、電磁接触器は、直進移動するアクチュエータを備えた電磁石装置を用いて接点を駆動する開閉器を意味する。また、リモコンブレーカは、接点のオンとオフとを遠隔で操作できるブレーカを意味する。なお、開閉器22は、1次側への指示に応じて2次側の電路を導通または遮断できる構成であればよく、機械式の接点を備える構成に限らず、半導体スイッチを用いた開閉器であってもよい。なお、開閉器22のオンとオフは、開閉器22の1次側へのオンまたはオフの指示に応じて、2次側の電路を導通または遮断するという意味で用いている。
開閉器22のオンとオフとは、制御部23を構成する処理部230から指示される。なお、図1において、実線は電力の経路を表し、破線は情報の経路を表す。処理部230は、電源装置21から電気負荷30に流れる電流と、電源装置21から出力される電源情報とを用いて、個々の開閉器22のオンとオフとを決定する。
電源装置21から電気負荷30に流れる電流は、主電路32に配置された電流センサ34が監視する。制御部23は、電流センサ34の出力から電流値を求める計測部231を備える。計測部231は、電源装置21の出力電圧も監視することが望ましい。電源情報は、充電装置212と通信する通信部232が取得する。電流センサ34は、トロイダルコアのような環状コアに巻線を巻き付けた構成、平面状の空芯コイルであるロゴスキーコイル、ホール素子あるいは磁気抵抗素子のような磁気応動素子を磁気コアに取り付けた構成などから選択される。
制御部23は、通信部232を通して電源装置21から電源情報を取得しており、電源装置21が第1の充電状態から第2の充電状態に移行すると、原則としてすべての開閉器22をオンにする。電源装置21の容量と電気負荷30の消費電力との関係は、すべての開閉器22をオンにすることができるように定められている。
ところで、電源装置21が給電する電力は変動する。そのため、処理部230は、開閉器22をオンにした後に、電気負荷30に流れる電流値を計測部231から受け取る。そして、処理部230は、この電流値が電源装置21の容量を超えないように、オンにする開閉器22を優先順位に従って制限する。
処理部230は、通信部232を通して充電装置212から電源情報を受け取っており、電源装置21において、第2の充電状態で動作している期間、および第3の充電状態で余剰が生じて電力を破棄している期間を認識する。処理部230は、蓄電池213が満充電に近い状態であることを電源情報によって認識すると、すべての開閉器22をオンにした後に、計測部231から通知される電流値が、電源装置21の容量以下になるように、優先順位の低い開閉器22から順にオフにする。開閉器22の優先順位は、電気負荷30の場所および種類によって人為的に定められ、制御部23に設けた記憶部233が記憶する。要するに、処理部230がすべての開閉器22をオンにできるのは、蓄電池213が満充電に近い期間のみであり、蓄電池213が満充電ではない期間には、特定の電気負荷30に対応する開閉器22のみをオンにするように定められている。なお、蓄電池213が満充電に近い状態は、上述したように、第2の充電状態と、第3の充電状態のうち電力に余剰が生じている状態とである。
制御部23は、プログラムに従って動作するプロセッサを備えたデバイスと、他装置との間で情報を授受するためのインターフェイスを構成するデバイスとを主なハードウェア要素にしている。プロセッサを備えるデバイスは、プロセッサがメモリと一体であるマイコン(Microcontroller)、あるいはプロセッサをメモリとは別に必要とするMPU(Micro Processing Unit)などから選択される。
また、プログラムは、ROM(Read Only Memory)に書き込まれているが、プログラムを更新することを考慮する場合は、EEPROMにプログラムを書き込み、インターネットのような電気通信回線を通して更新用のプログラムを提供してもよい。また、プログラムは、コンピュータで読取可能な光ディスクのような記録媒体で提供してもよい。あるいは、プログラムは、コンピュータに対して着脱可能な半導体メモリのような記憶媒体を用いて提供してもよい。
(実施形態1)
上述した給電設備20に用いている蓄電池213を交換するタイミングは、蓄電池管理装置10Aが判断する。図1に示す構成例では、給電設備20が蓄電池管理装置10Aを備えている。蓄電池管理装置10Aは、給電設備20の制御部23とハードウェア要素を兼用することが可能である。つまり、上述したプロセッサ、インターフェイスなどのデバイスを制御部23と蓄電池管理装置10Aとが共用することが可能である。ただし、蓄電池管理装置10Aは給電設備20とは別に設けてもよい。
蓄電池管理装置10Aは、充電装置212と通信することにより、蓄電池213が満充電に到達した状態を抽出する。すなわち、蓄電池管理装置10Aは、充電装置212から蓄電池213の充電状態に関する情報を取得する情報取得部11を備える。また、蓄電池管理装置10Aは、情報取得部11が取得した情報から、蓄電池213が満充電に到達した状態を抽出し、満充電に到達した状態の発生回数を計数する計数部12を備える。計数部12は、充電装置212が第2の充電状態から第3の充電状態に移行した状態、すなわちソーラパネル211の発電電力の余剰を破棄している状態を、蓄電池213が満充電に到達した状態と判断するように構成されている。計数部12は、蓄電池213の使用を開始した後に蓄電池213が満充電に到達した回数を記憶するために記憶部121を備える。
上述した構成において、計数部12が計数した回数は、蓄電池213が満充電に到達した状態の回数であるから、上述したサイクル数に相当する。サイクル数は電池寿命を決める要素であるから、計数部12が計数した回数は蓄電池213を交換するタイミングの目安として用いることが可能である。
蓄電池213は、ソーラパネル211の発電電力を用いて充電されるから、蓄電池213が満充電に到達する状態は、おおむね1日に1回である。ただし、ソーラパネル211の発電能力、蓄電池213の容量、電気負荷30の大きさ、日射量などの諸条件により、蓄電池213が満充電に到達する状態が1日に複数回生じる場合もある。蓄電池213が1日に満充電に到達する回数が複数回になるという事象が生じる日数は比較的少ないと考えられ、また、このような事象が生じる場合の蓄電池213の放電量は少なく劣化の程度は小さいと考えられる。そのため、計数部12は、1日に計数する回数の上限を1回に制限してもよい。
ところで、上述したように、1サイクルの期間における最大放電深度も電池寿命を決める要素である。したがって、給電設備20は、最大放電深度を制限する構成を備えていることが望ましい。電気負荷30に供給される電流は、電流センサ215が監視しているから、電流センサ215の出力から求めた電流値に基づいて蓄電池213の放電量が求められる。蓄電池213が満充電に到達した後における蓄電池213の放電量を給電設備20の制御部23が監視し、放電量が所定値に達した時点で、制御部23が複数の開閉器22のすべてを遮断すれば、1サイクルの期間における最大放電深度の制限が可能になる。
給電設備20が上述のように1サイクルの期間における最大放電深度を制限している場合には、計数部12が計数したサイクル数と、蓄電池213が放電可能な最大の電力量との関係が決まるから、サイクル数によって電池寿命を精度よく知ることが可能になる。すなわち、1サイクルの期間における最大放電深度を制限することにより、最大放電深度を制限しない場合に比べて、蓄電池213の交換時期をより正確に見積もることが可能になる。
蓄電池管理装置10Aは、評価部13と出力部14とを備える。評価部13は、計数部12が計数したサイクル数を用いて蓄電池213の劣化の程度を評価する。評価部13は、1サイクルの期間における最大放電深度が制限されているか否かにかかわらず、計数部12が計数したサイクル数を、劣化の程度を表す評価値に換算する。出力部14は、評価部13の評価結果を出力する。図1に示す構成例において、出力部14は、評価部13の評価結果を液晶表示器のような表示器40に表示可能なデータに変換するように構成されている。したがって、ユーザは表示器40の表示内容によって蓄電池213の寿命に関する目安が得られる。
評価部13は、劣化の程度を表す評価値として、定格容量に対して蓄電池213が放電可能な最大の電力量の割合を求めることが可能である。蓄電池213に関して、図2のようなサイクル数と放電可能な最大の電力量との関係を、評価部13が記憶部131に記憶していれば、この割合は、計数部12が計数したサイクル数から簡単に求めることが可能である。
ところで、上述した構成では、ユーザは蓄電池213の劣化の程度を知ることが可能であるから、蓄電池213の交換時期を予測することが可能である。ただし、蓄電池213の劣化の程度から推定される蓄電池213の交換時期は、ユーザによってばらつきが生じる。図1に示す蓄電池管理装置10Aは、蓄電池213の使用開始からの経過時間を計時する時計部15を備え、評価部13が劣化の程度を時間に換算することによって、蓄電池213の交換時期を評価値として求めることを可能にしている。
この場合、評価部13は、新品の蓄電池213の使用開始から交換時期までのサイクル数について標準値と、時計部15が計時した蓄電池213の使用開始からの経過時間とを記憶部131に格納する。記憶部131に格納しているサイクル数の標準値に対する計数部12が計数したサイクル数の比を求め、この比の逆数を記憶部131に格納している経過時間に乗じると、蓄電池213の使用開始から電池寿命までの時間が予測できる。そして、このようにして予測した時間から、記憶部131に格納している経過時間を減算すれば、蓄電池213が電池寿命に達するまでの残り時間を推定できる。
ここでは、給電設備20の制御部23が、1サイクルの期間における最大放電深度を40%に制限している場合を想定する。すなわち、この例では、1サイクルの期間における放電深度の下限値が40%に設定されている。この条件は、図2の特性bに対応するから、蓄電池213が放電可能な最大の電力量が、定格容量の80%まで低下するサイクル数は2000サイクルである。つまり、蓄電池213の交換が推奨されるまでのサイクル数は2000サイクルであり、記憶部131には標準値として2000サイクルが設定される。
一方、計数部12が計数しているカウント数が1600サイクルであって、時計部15が計時した経過時間が4年間であるとすれば、2000サイクルに達するまでの年数は、4年×(2000/1600)=5年と予測できる。また、求めた時間である5年から、経過時間である4年を減算すれば、電池寿命までの残り時間を1年と推定できる。なお、この例では、計算を容易にするために、時間の単位として年を用いているが、時間の単位として日を用いることが望ましい。
上述のようにして評価部13が求めた値を表示器40に表示した例を図3に示す。図3の表示例では、蓄電池213の使用開始からの期間(すなわち、運用期間)が4年と示され、蓄電池213の交換時期までの期間が1年と示されている。このように蓄電池213の交換時期の目安が示されていると、ユーザは交換用の蓄電池213を注文してから入手するまでの期間を考慮して、交換用の蓄電池213を準備することが可能になる。
以上説明したように本実施形態の蓄電池管理装置10Aは、情報取得部11と計数部12と評価部13と出力部14とを備える。情報取得部11は、蓄電池213の充電状態に関する情報を取得する。計数部12は、蓄電池213が充電されて満充電に到達した状態を蓄電池213の充電状態に関する情報から抽出し、満充電に到達した状態の発生回数を計数する。評価部13は、計数部12が計数した発生回数を用いて蓄電池213の劣化の程度を評価する。出力部14は、評価部13の評価結果を出力する。
この構成によれば、蓄電池213の充電状態に関する情報を取得することによって、蓄電池213の劣化の程度の目安を得ることが可能になる。すなわち、蓄電池213が満充電に到達した状態の発生回数によって、ユーザは蓄電池213の交換時期を推定することが可能になる。
とくに、蓄電池213は太陽電池(ソーラパネル211)の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池である場合、満充電に近い状態を維持するほうが電池寿命が長くなるから、満充電に到達した状態の発生回数を劣化の程度の目安に用いることが有効である。
この構成において、太陽電池(ソーラパネル211)の発電電力は充電装置212を通して蓄電池213に充電されることが望ましい。この場合、情報取得部11は、充電装置212から蓄電池213の充電状態に関する情報を取得するように構成される。また、計数部12は、太陽電池(ソーラパネル211)の発電電力に蓄電池213の充電には用いない余剰電力が生じた状態を満充電に到達した状態と判断するように構成されていることが望ましい。
この構成によれば、充電装置212が蓄電池213を充電する際の動作に関する情報を情報取得部11が充電装置212から受け取ることにより、計数部12は、蓄電池213が満充電に到達した状態か否かを判断することが可能になる。
蓄電池管理装置10Aは、蓄電池213の使用開始からの経過時間を計時する時計部15を備えることが望ましい。この場合、評価部13は、評価した蓄電池213の劣化の程度と時計部15が計時した経過時間とを用いて交換時期までの残り時間を推定する。また、出力部14は、評価部13の評価結果として交換時期までの残り時間を出力することが望ましい。
この構成によれば、蓄電池213の交換時期までの時間が推定されるから、交換用の蓄電池213を用意するタイミングを決めることが容易である。
(実施形態2)
実施形態1では、1サイクルの期間における放電深度の下限値を定め、評価部13は、1サイクルの期間において放電深度が下限値に達したと仮定して劣化の程度を評価している。つまり、放電深度の下限値が40%に設定されている場合に、評価部13は、最大放電深度が40%の場合の放電可能な電力量が低下する割合を一律に適用して劣化の程度を評価している。図2に示した例では、2000サイクルで放電可能な電力量が20%低下するから、劣化の程度は−20%/2000=−0.01%である。
一方、実使用上では、1サイクルの期間における最大放電深度は日々変動する。以下では、1サイクルの期間における最大放電深度の変動に応じて劣化の程度を調節した構成例について説明する。図4のように、本実施形態の蓄電池管理装置10Bは、1サイクルの期間における最大放電深度を抽出するために、実施形態1の蓄電池管理装置10Aに対して監視部16を付加している。監視部16は、情報取得部11が取得した情報を用いて、1サイクルの期間における最大放電深度を抽出するように構成されている。1サイクルの期間における最大放電深度は、充電装置212から得られるソーラパネル211の発電電力と、計測部231が計測している電気負荷30の消費電力とを用いて求められる。
たとえば、発電電力量が1000Wh、消費電力量が2000Whであって、充電装置212および電力変換器214の変換効率が95%、蓄電池213の定格容量が10kWhであるとする。この場合、放電深度は、(2000/0.95−1000)/10000≒0.11という計算で求められる。つまり、放電深度は11%になる。
この構成例において、評価部13は、1サイクルの期間における最大放電深度に応じた劣化の程度を、たとえば表1のように対応付けている。表1では劣化の程度を標準劣化度と呼び、1サイクルの期間における最大放電深度を10%ずつの区間に分け、区間ごとに標準劣化度を設定している。表1のようなデータは、評価部13に設けた記憶部131に格納される。
Figure 2016162900
表1では、最大放電深度が30%を超え40%以下の場合、標準劣化度が−0.01%である。つまり、1サイクルの期間における最大放電深度が一律に40%と仮定されている上述の構成例に対応するように劣化の程度が設定されている。1サイクルの期間における最大放電深度が30%以下であれば、劣化の程度はより少なくなるから、表1では最大放電深度が30%以下の区間では標準劣化度を−0.01%よりも小さい値に設定している。
1サイクルの期間における最大放電深度がわかれば、最大放電深度に対応する標準劣化度を求め、サイクルごとに求めた標準劣化度を累積することによって、蓄電池213の使用開始からの劣化の程度を評価することが可能になる。
たとえば、1サイクル前に満充電に到達した状態での劣化の程度が−1.00であり、今回のサイクルでの最大放電深度が11%であったとすれば、標準劣化度は−0.005%であるから、標準劣化度の累積値は、−1.005%になる。つまり、蓄電池213が放電可能な電力量は、定格容量に対して98.995%(=100%−1.005%)になる。
本実施形態の蓄電池管理装置10Bでは、評価部13は、計数部12が1サイクルを計数するたびに、監視部16から1サイクルの期間の最大放電深度を受け取る。評価部13は、この最大放電深度を記憶部131に格納しているデータと照らし合わせることによって標準劣化度を抽出する。さらに、評価部13は、抽出した標準劣化度を、記憶部131に格納している過去の標準劣化度の累積値に加算することにより、蓄電池213の使用開始からの劣化の程度を求める。すなわち、評価部13は、蓄電池213の使用開始から標準劣化度を累積することによって、劣化の程度を評価する値を求める。評価部13が求めた劣化の程度は、出力部14を通して出力され、たとえば表示器40に表示される。
なお、上述した構成例では、蓄電池213の劣化の程度とサイクルとの関係が線形であると仮定して1サイクルの期間における最大放電深度に対する標準劣化度を、加算用に設定している。これに対して、蓄電池213の劣化の程度とサイクルとの関係を非線形と仮定して1サイクルの期間における最大放電深度に対する標準劣化度を、乗算用に設定することも可能である。
上述した本実施形態の蓄電池管理装置10Bは、蓄電池213の充電状態に関する情報を用いて、蓄電池213が満充電に到達してから次に満充電に到達するまでの期間における蓄電池213の最大放電深度を抽出する監視部16を備える。評価部13は、蓄電池213が満充電に到達してから次に満充電に到達するまでの期間における蓄電池213の劣化の程度を表す標準劣化度を、最大放電深度に対応付けるように構成されている。また、評価部13は、計数部12が発生回数を計数するたびに、最大放電深度に対応する標準劣化度を累積させることにより、蓄電池213の使用開始からの劣化の程度を評価する。
この構成によれば、1サイクル当たりの蓄電池213の劣化の程度を最大放電深度にかかわりなく一律に定めている場合に比較すると、蓄電池213の劣化の程度をきめ細かく評価することが可能になる。その結果、蓄電池213の交換時期の推定精度が高くなり、蓄電池213の交換頻度の低減につながる。
ところで、標準劣化度は、1サイクルの期間がほぼ1日に対応している場合を想定して設定されている。しかしながら、天候あるいは季節によって1日の日射量が変動すると、1サイクルの期間が1日には対応せず、蓄電池213が満充電に到達しない状態が長期間にわたって継続する可能性がある。鉛蓄電池は、満充電ではない状態で使用を継続すると劣化が進むから、1サイクルの期間が長期にわたる場合には、蓄電池213の劣化の程度を補正する必要がある。
そのため、時計部15は、蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間を計時するように構成されており、評価部13は、時計部15が計時した継続期間に応じて蓄電池213の劣化の程度を補正するように構成されている。評価部13は、蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間と、継続期間に応じた補正劣化度とを対応付けた表2のようなデータを記憶部131に格納している。
Figure 2016162900
表2では、蓄電池213が満充電に到達しない状態の継続期間が7日間以上である場合に蓄電池213の劣化の程度を補正するように補正劣化度を定めている。つまり、7日以上連続して蓄電池213が満充電に到達しないという事象が生じる場合は、蓄電池213の劣化が進むから、この事象による劣化の程度を補正する補正劣化度を定めている。
時計部15は、情報取得部11が取得した情報を用いて蓄電池213が満充電ではない状態の継続時間を計時する。つまり、蓄電池213が満充電に到達した後に、蓄電池213が満充電ではない状態に移行すると、時計部15は満充電ではない状態の継続期間を計時する。一方、評価部13は、時計部15が計時した継続時間が7日間になると、記憶部131から補正劣化度を抽出し、記憶部131に記憶している劣化の程度を補正する。
たとえば、蓄電池213が満充電に到達した時点で、蓄電池213が放電可能な電力量が定格容量に対して98.995%であるとする。その後、蓄電池213が満充電ではない状態が7日連続すると、評価部13は、補正劣化度である−0.01%を記憶部131から抽出し、蓄電池213が放電可能な電力量の定格容量に対する割合を98.985%(=98.995%−0.01%)に補正する。さらに、蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間が8日目になると、評価部13は、8日目の補正劣化度である−0.013%を記憶部131から抽出し、7日目の補正劣化度との差分である−0.003%の補正を行う。つまり、蓄電池213が放電可能な電力量の定格容量に対する割合を98.982%(=98.985%−0.003%)に補正する。
蓄電池213の劣化の程度を補正する条件としては、蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間のほかに、蓄電池213の充電条件、蓄電池213の環境温度などを考慮することが望ましい。
たとえば、大容量の蓄電池213が必要である場合には、複数のセルで蓄電池213が構成されるから、蓄電池213を使用する間に、セルの充電量(つまり、充電可能な電力量)などにばらつきが生じる。そのため、通常よりも高い電圧で蓄電池213を充電する均等化充電が実施されることがある。均等化充電が実施された場合は、蓄電池213の充電量が回復するから、蓄電池213の劣化の程度を補正することが望ましい。
そのため、蓄電池管理装置10Bは、蓄電池213が常時よりも高電圧である所定電圧で充電された状態を判別する判別部17を備えている。この所定電圧は、均等化充電を行う際の電圧であり、判別部17は、充電装置212から取得した情報に基づいて、均等化充電が実施されたか否かを判別する。判別部17により均等化充電の実施が判別されたときには、評価部13は記憶部131に保持している蓄電池213の劣化の程度を、充電回復度で補正する。充電回復度は、均等化充電によって蓄電池213の充電量が回復したときに、蓄電池213の寿命を延長するように劣化の程度を補正するように設定され、記憶部131に格納されている。充電回復度の値は、均等化充電の1回の実施に対して固定的に定められる。
たとえば、記憶部131が記憶している蓄電池213の劣化の程度が99.985%であり、充電回復度が0.01%に定められている場合を想定する。判別部17が均等化充電の実施を判別すると、評価部13は、記憶部131から充電回復度である0.01%を読み出し、記憶部131に格納されている劣化の程度である99.985%を、99.995%(=99.985%+0.01%)に補正する。このように、均等化充電によって蓄電池213の充電量が回復した場合には、蓄電池213の劣化の程度を引き上げるように補正する。
また、蓄電池213の環境温度は、蓄電池213の劣化の程度に影響することが知られている。一般的には蓄電池213の環境温度が高くなると、蓄電池213の劣化が進むことが知られている。たとえば、20℃以上の温度環境で使用し、基準温度を25℃に設定する場合を想定する。20℃から25℃では、鉛蓄電池の劣化の程度は環境温度の影響を受けないことが知られている。したがって、環境温度が25℃以上である場合に、劣化の程度を補正すればよい。
蓄電池管理装置10Bは、蓄電池213の環境温度を考慮して劣化の程度を評価するために、情報取得部11が取得する情報には蓄電池213が含まれる。図4に示す構成例では、充電装置212が、蓄電池213の充電状態を監視するために蓄電池213の環境温度を監視しており、充電装置212から蓄電池213の環境温度を取得する。充電装置212が蓄電池213の環境温度を計測する機能を有していない場合には、蓄電池213の環境温度を監視する温度センサを別途に設けることも可能である。
蓄電池213の環境温度を考慮する場合、評価部13は、環境温度に応じて蓄電池213の劣化の程度を補正する。すなわち、評価部13は、環境温度と温度劣化度とを対応付けた表3のようなデータを記憶部131に格納している。
Figure 2016162900
表3の環境温度は、所定期間における環境温度の平均値であって、所定期間はたとえば1週間(7日間)に定められる。評価部13は、情報取得部11が取得した蓄電池213の環境温度について、1週間の平均値を求め、求めた平均値を記憶部131に照らし合わせることにより温度劣化度を抽出する。温度劣化度を適用して劣化の程度を補正するタイミングは、環境温度の平均値を求めるタイミングとする。たとえば、評価部13は、日曜日の午前零時ごとに環境温度の平均値を求め、温度劣化度を抽出し、記憶部131に格納されている蓄電池213の劣化の程度を補正する。
具体例で示すと、1週間における環境温度の平均値が35℃であった場合、表3によれば温度劣化率は−0.004%である。環境温度の平均値を求めた時点で記憶部131に格納されている劣化の程度が99.985%であるとすれば、補正後の劣化の程度は、99.981%(=99.985%−0.004%)になる。
本実施形態では、最大放電深度を考慮して劣化の程度を求める構成を除いて、蓄電池213の劣化の程度を補正する技術は、適宜に組み合わせて用いることが可能である。すなわち、満充電に到達しない状態が連続する日数に対する補正、均等化充電に対する補正、環境温度に対する補正は、必要に応じて適宜に組み合わせることが可能である。また、これらの補正を行わずに、蓄電池213の劣化の程度を評価することも可能である。
本実施形態の他の構成および動作は実施形態1と同様である。すなわち、実施形態1と同符号を付した構成は、実施形態1と同様に動作する。
上述した本実施形態の蓄電池管理装置10Bにおいて、時計部15は、情報取得部11が取得した情報を用いて蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間を計時するように構成されている。評価部13は、蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間における蓄電池213の劣化の程度を表す補正劣化度を、継続期間に対応付けるように構成されている。また、評価部13は、蓄電池213が満充電ではない状態の継続期間に応じて、蓄電池213の使用開始からの劣化の程度を補正劣化度で補正することが望ましい。
また、蓄電池管理装置10Bは、情報取得部11が取得した情報を用いて蓄電池213が常時よりも高電圧である所定電圧で充電された状態を判別する判別部17をさらに備えていてもよい。この場合、評価部13は、蓄電池213が常時よりも高電圧である所定電圧で充電される場合に備えて、蓄電池213を所定電圧で充電した場合の劣化の程度を表す充電回復度が定められる。そして、評価部13は、蓄電池213が所定電圧で充電されたことを判別部17が判別した場合に、蓄電池213の使用開始からの劣化の程度を充電回復度で補正することが望ましい。
さらに、情報取得部11は、蓄電池213の環境温度に関する情報を取得するように構成されていてもよい。この場合、評価部13は、環境温度に応じた蓄電池213の劣化の程度を表す温度劣化度を、所定の単位期間における前記蓄電池の環境温度の代表値に対応付けるように構成される。評価部13は、単位期間ごとに環境温度の代表値に応じた温度劣化度を累積させることにより、蓄電池213の使用開始からの劣化の程度を評価することが可能になる。
これらの構成では、蓄電池213を使用する条件に応じて蓄電池213の劣化の程度の評価を調節することができるから、蓄電池213の劣化の程度を見積もる精度を高めることが可能になる。
(実施形態3)
本実施形態は、蓄電池213の劣化の程度を、蓄電池213の電池電圧に基づいて評価する構成を採用している。図5に示すように、給電設備20は、電気負荷30に電力を供給する負荷電路31に挿入した開閉器22を備える。図5に示す蓄電池管理装置10Cの構成は、図1に示した蓄電池管理装置10Aの構成から計数部12を除いた構成である。ただし、評価部13の動作は実施形態1とは異なる。
実施形態1で説明したように、蓄電池213の放電深度に下限値が定められていると、蓄電池213の放電深度が下限値に達した時点で制御部23は開閉器22をオフにし、電気負荷30への給電を停止させる。その後、蓄電池213の充電が進み、蓄電池213に充電された電力量が回復すると、制御部23は、開閉器22をオンにして電気負荷30への給電を再開する。
開閉器22がオフからオンに移行した時点での蓄電池213の電池電圧の変動の大きさは、所定の条件下では、蓄電池213の使用開始からの日数(あるいはサイクル数)に対して、図6のように線形に変化する。すなわち、開閉器22がオフであって蓄電池213が無負荷である状態から、開閉器22がオンになって蓄電池213に負荷が接続された状態に移行すると、蓄電池213の電池電圧が降下する。そして、この電圧の大きさは蓄電池213の劣化の程度を表している。このような事象が生じるのは、蓄電池213の劣化が進むと、蓄電池213の内部抵抗が増加することに起因していると考えられる。
ただし、開閉器22がオフからオンに移行したときの電池電圧の変動の大きさは、条件によって変動するから、蓄電池213の劣化の程度を電池電圧の変動によって評価するには、一定条件の下で電池電圧の変動の大きさを計測する必要がある。そこで、本実施形態では、蓄電池213の充電が行われていない期間、または蓄電池213が満充電に到達して余剰電力が破棄されている期間などを条件として、開閉器22がオフからオンに移行したときの電池電圧の変動分の推移を記録する。また、開閉器22がオフからオンに移行するたびに電気負荷30の大きさが変動すると、電池電圧が電気負荷30の大きさの影響を受けるから、記憶部131に電池電圧の変動分の推移を記録する条件は、電気負荷30の消費電力でも定めている。たとえば、電気負荷30の消費電力が、1000W±10%などの条件を満足するときに、電池電圧の変動分を記憶部131に記録する。開閉器22をオフからオンに移行させてから、電気負荷30の消費電力および電池電圧を計測するタイミングは、開閉器22のオン直後の電圧および電流のドリフトを考慮して、オンから所定時間が経過した時点に設定されている。この所定時間は、30秒から1分などの範囲で選択される。
たとえば、蓄電池213の充電が行われていないときに、開閉器22をオフからオンにし、開閉器22のオンから1分後における電気負荷30の消費電力が990Wであったとする。この状態は、電池電圧の変動分を記憶部131に記録する条件を満足している。ここで、開閉器22がオフである状態では電池電圧が50.00Vであり、開閉器22がオンになってから1分後の電池電圧が49.00Vであったとすると、記憶部131には変動分として1.00Vが記録される。
本実施形態の評価部13は、制御部23が開閉器22をオフからオンに移行させたときに、オフとオンとの切替前後における蓄電池213の電池電圧の変化分を記憶部131に記録する。記憶部131に、所定期間のデータが蓄積されると、評価部13は、蓄積されたデータに基づいて電池寿命に達する時点を推定することが可能になる。蓄積されるデータは、表4のようになる。
Figure 2016162900
ここで、電池電圧の変動分の推移は、日数(あるいはサイクル数)に対して線形性を示すことが知られている。したがって、数百日程度の所定日数分のデータがあれば、電池電圧の変化分と日数との関係を表す回帰式を求めることが可能になる。図6には回帰式に対応した回帰直線L1を示している。本実施形態では、評価部13は、蓄積した電池電圧の変動分の推移に関するデータから回帰式を求める。一方、蓄電池213の電池寿命は、電池電圧の変化分の値によって定めることが可能である。図6では、蓄電池213が電池寿命であるときの電池電圧の変化分に対する判定値を1.50Vに定めている。
評価部13は、蓄積したデータから求めた回帰直線L1に基づいて、電池寿命であるときの電池電圧の変化分が判定値に達する交換予定日P1を求める。交換予定日P1は、蓄電池213の使用開始から電池寿命に達するまでの日数であるが、使用開始日は既知であるから年月日に置き換えることが望ましい。このような交換予定日P1を求めることによって、ユーザは蓄電池213の交換が必要になる日の目安を得ることができる。
本実施形態では、給電設備20において、通常の動作として行われる開閉器22の制御に際して、蓄電池213の充電状態および電気負荷30の消費電力が所定の条件を満足している場合に、蓄電池213の電池電圧の変動分の推移を記録している。したがって、電池寿命を予測するための専用作業が不要であり、給電設備20が通常動作を行う間に、電池寿命を予測するためのデータを収集することが可能になる。また、記憶部131に記録したデータを用いて回帰直線L1を求め、この回帰直線L1を用いて電池寿命に達する時期を予測するから、データの蓄積量が増加するほど予測精度が高くなる。また、蓄電池213の運用中に回帰直線L1を修正することが可能であり、蓄電池213の使用時間が長くなるほど電池寿命の予測精度を高めることが可能になる。
本実施形態の他の構成および動作は実施形態1と同様である。すなわち、実施形態1と同符号を付した構成は、評価部13を除いて実施形態1と同様に動作する。
本実施形態の蓄電池管理装置10Cは、給電設備20と併せて用いられる。給電設備20は、開閉器22と制御部23とを備える。開閉器22は、蓄電池213から電力が供給される電気負荷30との間の電路(負荷電路31、主電路32)に設けられ電路を導通させるオンの状態と電路を遮断するオフの状態との一方を選択するように構成される。制御部23は、開閉器22のオンの状態とオフの状態とを切り替える。蓄電池213は太陽電池(ソーラパネル211)の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池である。蓄電池管理装置10Cは、情報取得部11と評価部13と出力部14とを備える。情報取得部11は、蓄電池213の充電状態に関する情報を取得する。評価部13は、開閉器22のオフからオンへの切替前後における蓄電池213の電池電圧の変化分の推移を記録する。また、評価部13は、記録した変化分を用いて蓄電池213の使用開始からの経過期間と変化分との関係を表す回帰式を求める。さらに、評価部13は、回帰式を用いて蓄電池213が電池寿命に達するまでの期間を予測する。出力部14は、評価部13の評価結果を出力する。
この構成によれば、給電設備20から電気負荷30への電力の供給と遮断とを行うために開閉器22のオンとオフとを行う間に、蓄電池213の劣化の程度を評価するためのデータが蓄積される。したがって、特別な制御を行うことなく蓄電池213の劣化の程度を評価することが可能になる。
なお、本実施形態において蓄電池213の使用開始からの経過期間を日数あるいはサイクル数を用いて表しているが、日数あるいはサイクル数ではなく、経過期間を表すことができれば、時間などでもよい。
(蓄電池の交換時の処理)
実施形態1では、蓄電池213の劣化の程度を評価するためのデータを記憶部121および記憶部131に記憶している。記憶部121および記憶部131が記憶しているデータは、蓄電池213の使用開始から蓄積したデータを含んでおり、このようなデータは、蓄電池213が交換されると記憶部121および記憶部131から消去する必要がある。したがって、蓄電池管理装置10Aは、蓄電池213の交換を検出し、かつ蓄電池213の交換を検出すると記憶部121および記憶部131のデータを消去するように構成されていることが望ましい。
ここでは、実施形態3のように開閉器22がオフからオンに移行する前後での蓄電池213の電池電圧の変動分の推移を記憶部131に記録し、記憶部131に記録したデータを用いて蓄電池213の交換を検出している。実施形態3において説明したように、電池電圧の変動分は、蓄電池213の劣化が進むと増加する。一方、蓄電池213が交換されると、電池電圧の変動分は低下する。すなわち、図7に示すように、蓄電池213が交換予定日P1に近い交換日P2に交換されると、その直後には、電池電圧の変動分が大幅に小さくなる。したがって、電池電圧の変動分の低下が所定の閾値を超える場合に、蓄電池213が交換されたと推定することが可能である。
評価部13は、電池電圧の変動分が所定の閾値を超えて低下したという事象が検出された場合に、蓄電池213が交換されたと判断し、記憶部121および記憶部131において、蓄電池213の劣化のために蓄積したデータを消去する。すなわち、ユーザは蓄電池213の交換作業を行うだけで、記憶部121および記憶部131のデータを消去する作業を行う必要がないから、データの消去忘れを防止することができる。
蓄電池213が交換されたことを検出するには、電気負荷30の消費電力が所定値である期間の蓄電池213の電池電圧を用いてもよい。つまり、上述した動作では、開閉器22がオフからオンに移行したときの電池電圧の変動分を用いているが、開閉器22がオンである期間の電池電圧のみを用いて蓄電池213が交換されたことを推定してもよい。
この場合、蓄電池213の電池電圧を記録するタイミングは、蓄電池213が満充電に到達した状態から蓄電池213が放電され、電気負荷30での消費電力量が所定量に達した時点であることを条件にする。たとえば、蓄電池213が満充電に到達してから蓄電池213の放電が開始され、電気負荷30の消費電力量が1000Whに達した時点での電池電圧を記憶部131に記録する。また、ソーラパネル211が発電している場合は、電気負荷30での消費電力量から発電電力量を差し引いた電力量が1000Whに達した時点での電池電圧を記憶部131に記録することが望ましい。
蓄電池213の劣化が進むと、蓄電池213の容量が減少するから、消費電力量が同じであっても電池残量の低下率が大きくなる。そして、蓄電池213の電池残量と電池電圧との関係は線形性を有しているから、上述のように消費電力量が所定量に達した時点での電池電圧は、蓄電池213の劣化が進むと低下する。すなわち、蓄電池213が満充電に到達してから電気負荷30での消費電力量が所定量に達した時点の電池電圧は、図8に直線L2で示すように、蓄電池213の使用開始からの経過日数に応じて低下する。
一方、蓄電池213が新品に交換された後には、同様の条件で計測した蓄電池213の電池電圧は、交換前よりも高くなる。このことから、図8のように、蓄電池213の交換日P3の後に、電池電圧が所定の閾値を超えて上昇した場合に、蓄電池213が交換されたと推定することが可能である。
評価部13は、記憶部131に記録された電池電圧が所定の閾値を超えて上昇したという事象が検出された場合に、蓄電池213が交換されたと判断し、記憶部121および記憶部131において、蓄電池213の劣化のために蓄積したデータを消去する。この処理によっても、ユーザは蓄電池213の交換作業を行うだけで、記憶部121および記憶部131のデータを消去する作業を行う必要がないから、データの消去忘れを防止することができる。
以上説明した蓄電池管理装置10Aにおいて、評価部13は、蓄電池213について評価した劣化の程度に関するデータを記憶する記憶部131を備える。また、評価部13は、蓄電池213が放電していない状態の電池電圧と放電している状態の電池電圧との変動分が、所定の閾値を超えて低下した場合に、蓄電池213が交換されたと推定する。あるいは、評価部13は、蓄電池213が放電している状態において放電した電力量が所定量に達した時点での電池電圧が、所定の閾値を超えて上昇した場合に、蓄電池213が交換されたと推定してもよい。評価部13は、蓄電池213が交換されたと推定されると、記憶部131が記憶している蓄電池213の劣化の程度に関するデータを消去する
この構成によれば、評価部13は、蓄電池213が交換されたことを、蓄電池213の電池電圧に基づいて推定するから、蓄電池213の交換を検出するために別の装置を設ける必要がない。しかも、蓄電池213が交換されると、蓄電池213の劣化の程度に関するデータを記憶部131から消去するから、ユーザが蓄電池213の交換作業を行うだけで、評価部13は新たな蓄電池213の劣化の程度を評価することが可能になる。
以上説明した記憶部121および記憶部131に格納されたデータを消去する処理は、実施形態1、実施形態2、実施形態3のいずれにおいても適用することが可能である。すなわち、上述した蓄電池の交換時の処理は、実施形態1の蓄電池管理装置10Aだけではなく、実施形態2の蓄電池管理装置10Bあるいは実施形態3の蓄電池管理装置10Cにも上述したデータを消去する処理は適用可能である。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。

Claims (10)

  1. 蓄電池の充電状態に関する情報を取得する情報取得部と、
    前記蓄電池が充電されて満充電に到達した状態を前記蓄電池の充電状態に関する情報から抽出し、前記満充電に到達した状態の発生回数を計数する計数部と、
    前記計数部が計数した前記発生回数を用いて前記蓄電池の劣化の程度を評価する評価部と、
    前記評価部の評価結果を出力する出力部とを備え、
    前記蓄電池は太陽電池の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池である
    ことを特徴とする蓄電池管理装置。
  2. 前記太陽電池の発電電力は充電装置を通して前記蓄電池に充電され、
    前記情報取得部は、
    前記充電装置から前記蓄電池の充電状態に関する情報を取得するように構成され、
    前記計数部は、前記太陽電池の発電電力に前記蓄電池の充電には用いない余剰電力が生じた状態を前記満充電に到達した状態と判断するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の蓄電池管理装置。
  3. 前記蓄電池の使用開始からの経過時間を計時する時計部をさらに備え、
    前記評価部は、
    評価した前記蓄電池の劣化の程度と前記時計部が計時した前記経過時間とを用いて交換時期までの残り時間を推定し、
    前記出力部は、
    前記評価部の評価結果として前記交換時期までの残り時間を出力する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の蓄電池管理装置。
  4. 前記蓄電池の充電状態に関する情報を用いて、前記蓄電池が前記満充電に到達してから次に前記満充電に到達するまでの期間における前記蓄電池の最大放電深度を抽出する監視部をさらに備え、
    前記評価部は、
    前記蓄電池が前記満充電に到達してから次に前記満充電に到達するまでの期間における前記蓄電池の劣化の程度を表す標準劣化度を、前記最大放電深度に対応付けるように構成されており、
    前記計数部が前記発生回数を計数するたびに、前記最大放電深度に対応する前記標準劣化度を累積させることにより、前記蓄電池の使用開始からの劣化の程度を評価する
    ことを特徴とする請求項3記載の蓄電池管理装置。
  5. 前記時計部は、
    前記情報取得部が取得した前記情報を用いて前記蓄電池が満充電ではない状態の継続期間を計時するように構成され、
    前記評価部は、
    前記蓄電池が前記満充電ではない状態の前記継続期間における前記蓄電池の劣化の程度を表す補正劣化度を、前記継続期間に対応付けるように構成されており、
    前記蓄電池が前記満充電ではない状態の前記継続期間に応じて、前記蓄電池の使用開始からの劣化の程度を前記補正劣化度で補正する
    ことを特徴とする請求項4記載の蓄電池管理装置。
  6. 前記情報取得部が取得した前記情報を用いて前記蓄電池が常時よりも高電圧である所定電圧で充電された状態を判別する判別部をさらに備え、
    前記評価部は、
    前記蓄電池が常時よりも高電圧である所定電圧で充電される場合に備えて、前記蓄電池を前記所定電圧で充電した場合の劣化の程度を表す充電回復度が定められており、
    前記蓄電池が前記所定電圧で充電されたことを前記判別部が判別した場合に、前記蓄電池の使用開始からの劣化の程度を前記充電回復度で補正する
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の蓄電池管理装置。
  7. 前記情報取得部は、前記蓄電池の環境温度に関する情報を取得するように構成され、
    前記評価部は、
    前記環境温度に応じた前記蓄電池の劣化の程度を表す温度劣化度を、所定の単位期間における前記蓄電池の環境温度の代表値に対応付けるように構成されており、
    前記単位期間ごとに前記環境温度の代表値に応じた前記温度劣化度を累積させることにより、前記蓄電池の使用開始からの劣化の程度を評価する
    ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の蓄電池管理装置。
  8. 蓄電池から電力が供給される電気負荷との間の電路に設けられ前記電路を導通させるオンの状態と前記電路を遮断するオフの状態との一方を選択するように構成された開閉器と、前記開閉器のオンの状態とオフの状態とを切り替える制御部とを備えた給電設備と併せて用いられ、
    前記蓄電池は太陽電池の発電電力を用いて充電される鉛蓄電池であって、
    蓄電池の充電状態に関する情報を取得する情報取得部と、
    前記開閉器のオフからオンへの切替前後における前記蓄電池の電池電圧の変化分の推移を記録し、記録した前記変化分を用いて前記蓄電池の使用開始からの経過期間と前記変化分との関係を表す回帰式を求め、前記回帰式を用いて前記蓄電池が電池寿命に達するまでの期間を予測する評価部と、
    前記評価部の評価結果を出力する出力部とを備える
    ことを特徴とする蓄電池管理装置。
  9. 前記評価部は、
    前記蓄電池について評価した劣化の程度に関するデータを記憶する記憶部を備え、
    前記蓄電池が放電していない状態の電池電圧と放電している状態の電池電圧との変動分が、所定の閾値を超えて低下した場合に、前記蓄電池が交換されたと推定し、
    前記記憶部が記憶している前記蓄電池の劣化の程度に関するデータを消去する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電池管理装置。
  10. 前記評価部は、
    前記蓄電池について評価した劣化の程度に関するデータを記憶する記憶部を備え、
    前記蓄電池が放電している状態において放電した電力量が所定量に達した時点での電池電圧が、所定の閾値を超えて上昇した場合に、前記蓄電池が交換されたと推定し、
    前記記憶部が記憶している前記蓄電池の劣化の程度に関するデータを消去する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電池管理装置。
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