JP5031231B2 - 放電時間算出装置及び放電時間算出方法 - Google Patents
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Description
上記直流電力供給システムで、停電や、整流器の故障が起きると、その瞬間に蓄電池からの放電に切り替わり、この蓄電池放電は直流電力供給システムが必要とする時間の間行われ、一瞬でも負荷設備への電力供給が途絶えることは無い。これは、直流電力供給システムが必要とする時間における蓄電池放電が可能なような蓄電池容量が選定されていることによる。
C=(1/L)・K・I
ここで、使用蓄電池はCS形鉛蓄電池であり、保守率L=0.8、最低蓄電池温度:5℃、許容最低電圧:1.8V/セルという条件が与えられるものとすると、L=0.8、I=50、K=5.6となる。従って、上記C=(1/L)・K・I=(1/0.8)×5.6×50=350Ah/10HRとなる。
なお、容量換算時間Kは、図24に示す、保持時間−容量換算時間特性からここの条件(終止電圧と保持時間)に応じて求める。また、容量換算時間Kは、鉛蓄電池の放電特性(例:図25)に基づいて定められたものである。
C:電池容量
K:容量換算時間
I:電流
L:保守率
従って、Ch、Cn、Ccのうち、最大値3750Ah/10HR以上の鉛蓄電池、すなわち4000Ah/10HRが適当である。
また、請求項5に記載の発明は、蓄積された電力を負荷に供給する二次電池と、該負荷と該二次電池とに接続されており該負荷と該二次電池とに電力を供給する電源装置を含んで構成される電源システムにおいて、前記電源装置から該負荷と該二次電池とに電力を供給するように前記電源装置が接続されており、前記電源装置によって充電される二次電池の放電時間を算出する放電時間算出方法であって、前記二次電池と前記電源装置から前記負荷に供給される負荷電流を検出するステップと、前記電流検出手段の検出結果を繰り返し得るステップと、 予め前記二次電池の種々の放電電流における放電時間と放電電圧との関係を示す放電電圧特性カーブを記憶するステップと、前記測定手段によって得られた前記負荷電流に基づいて作成され、予め決まった期間内における負荷電流の変化を示す負荷電流パターンに基づいて、前記負荷電流パターンによって示される期間内の所定の時刻から経過した時点の電流値を当該負荷電流パターンから前記放電電流の値として得て、この放電電流に対する放電電圧特性カーブを前記記憶手段から読み出し、前記得られた放電電流の値に基づいて第1の放電電流の電流値に対応した第1の放電電圧特性カーブを作成し、前記得られた放電電流の値が前記第1の放電電流の電流値から第2の放電電流の電流値に変化した場合には、前記第2の放電電流の電流値に対応した第2の放電電圧特性カーブを作成し、前記第2の放電電圧特性カーブの作成にあたり、前記第1の放電電流の期間においては、前記第1の放電電流の値が変化するまでに前記二次電池から放電された電気量を前記第1の放電電流の電流値と放電時間の値の積によって求め、前記第2の放電電流の期間においては、該第2の放電電圧特性カーブにおいて前記第1の放電電流の電流値で前記放電された電気量に至る時点を開始点として作成し、前記放電電流を得る処理から前記第2の放電電圧特性カーブを作成するまでの処理を順次、放電終止電圧に達するまで繰り返し行うことにより放電持続時間を推定するステップと、を含むことを特徴とする放電時間算出方法である。
これにより、定期的に負荷電流の計測を行い放電持続時間を算出し、必要とされるバックアップ時間が確保されているか否かのチェックを行うことができる。その際、放電による蓄電池の電圧低下の推移まで推定することができる。また、放電持続時間に不足が生じる場合には警報を発することができるので、設置された電池容量と負荷電流との関係を常に適正に管理することができ、信頼性の高い電源システムを構築することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態による放電時間算出装置の基本構成を示すブロック図である。図1において、放電時間算出装置1は、演算部2、電流測定部3、測定処理部4、データ記憶部5、表示部6、入力部7、電流センサ部8、および電源部9からなる。データ記憶部5は、電池データとしての各種情報、例えば、製造メーカ、製造年、機種、ロット毎の電池データ、容量経年低下データ、容量の温度変化データなどを記憶する。また、データ記憶部5(記憶手段)は、予め二次電池の種々の放電電流における放電時間とい放電電圧との関係を示す放電電圧特性カーブ(後述する図3)を記憶する。
演算部2は、データが収集されると、指定された計算開始時刻から放電開始を想定し、蓄電池の放電持続時間Tを計算する。具体的には、演算部2(推定手段)は、放電電流に対応する放電電圧特性カーブをデータ記憶部5から読み出すことにより放電持続時間を推定する。また、演算部2は、二次電池の放電途中において電流測定部3が計測した負荷電流(放電電流)に変化が生じた場合、変化が生じた後の新たな放電電流における放電電圧特性カーブをデータ記憶部5から読み出して放電持続時間を推定し直す。
表示部6は、データ記憶部5に記憶されている各種データや計算された放電持続時間T等を表示する。また、表示部6(警報手段)は、上記放電持続時間Tが十分でないと判断された場合、つまり、演算部2が推定した放電持続時間Tが入力部7に入力されるバックアップ時間よりも短い場合に、その旨を通知(警報)する。入力部7は、電池データの入力や、負荷パターン上の計算開始時刻等を指示する。また、入力部7(入力手段)には、蓄電池(二次電池)の放電によるバックアップ時間が入力される。ここで、バックアップ時間とは、蓄電池の使用者が所望する蓄電池による放電持続時間をいう。電源部9は、商用電源10から所定の直流電圧を生成して各部に供給する。
図4は、0.1CAで5時間放電させた後、0.5CAの電流で放電させた場合を示している。この場合、まず、0.1CAで5時間放電させているので、50%の電気量の放電が点P1まで行なわれる。次の0.5CAの放電では、この0.5CAの電流での50%放電させた点P2から放電が継続する。
このことから、電圧特性カーブの推定法は妥当であることが分かる。
図4〜図6で説明した処理は、放電時間算出装置1の演算部2(推定手段)において、電流測定部3が測定する負荷電流(放電電流)が変化する前の電流値において、負荷電流が変化するまでに蓄電池(二次電池)から放電された電気量を積算し、変化後の放電電流においてはその放電電流における放電電圧特性カーブにおいて変化前の電流値で放電された電気量に至る時点を開始点とすることにより放電持続時間を推定することによって実現される。
従って、鉛蓄電池と異なり、リチウムイオン二次電池では、電流が経時的に変化する負荷であっても、時間で区切った電気量の積算が可能である(例えば図7参照)。本実施形態では、この原理に従って電池容量の算出を行う。また、負荷電流から、放電持続時間の算出を行う場合には、この逆の計算で行う。
実験は、選定した負荷パターンに沿って実際に電池の放電を行わせて求めた放電電圧特性カーブを求め、この放電電圧特性カーブと、負荷パターンに沿った放電を仮定して、上述した方法で求めた放電途中の放電電圧特性カーブとを比較している。更に、これらのカーブから放電持続時間の推定値と実測値とを比較している。
なお、上述した実験では、東洋システム製の充放電試験装置(TOSCAT3000U)を使用して行った。また、二次電池として、40AhLiイオン電池を用いた。このLiイオン電池は、実験前に4.1V/セルに充電したものを使用した。実験時の温度は25度であった。
この結果、両者は1%程度の誤差で一致した。同様の実験を複数のパターンについて行い、誤差を求めたが、誤差は図10に示すように1%程度であった。
このように本実施形態では、放電電流に対応した放電電圧特性カーブを求め、放電持続時間の算出を行う。
負荷電流が設計値よりも減少する場合には、電池からの放電によるバックアップ可能な時間は延長させる方向となり、過大な容量の電池が設置されていると点を除けば、安全サイドであり問題は無い。問題は、実際の負荷電流が設計値よりも大きくなった場合であり、通信等の例で言えば、通信の需要が増した場合、または、電源設備に接続される通信設備数が増加した場合、等が挙げられる。このような場合、実際の負荷の消費電流は、電池設置当初の値から増加しており、蓄電池からの放電によるバックアップが行われた場合、当初のバックアップ時間の確保が困難となり、サービス障害となる恐れがある。
このような場合、当初の放電持続時間が確保できなくなっているので、保守上付随的な問題が生じる可能性がある。そこで、定期的に負荷電流の計測を行い、設置蓄電池の容量が、必要とされるバックアップ時間に適したものであるか否かのチェックが必要となる。本実施形態では、このような電池容量の確認を行い、時間が不足する場合には、例えば、監視装置に対して通知(警報)を行うようにしている。
次に、入力部7から放電持続時間の計算開始時刻を設定し(S2)、警報の発報レベル(例えば、70%、80%など)を入力する(S3)。次に、入力部7から所望する放電持続時間(必要とされる放電時間)を入力する(S4)。
各種データの入力が終了すると、電流センサ部8により、負荷電流を検出し、電流測定部3により、所定の計測期間中、上記負荷電流を計測する(S5)。次に、計測期間中における、計測した負荷電流のパターン(例えば、図8(a))を演算部2により作成する(S6)。また、第1の負荷電流ステップにおける放電電圧特性カーブ(例えば、図8(b))を演算部2により作成する(S7)。
次に、放電持続時間の計算値を表示部6に表示する(S11)。表示部6には、図16に示すような画像が表示される。
上記放電持続時間(必要される放電時間)に対して、放電持続時間が不足する場合には、表示部6等により警報を発出する(S12)。
なお、監視センタに、本実施形態による放電時間算出装置1(またはその機能)が設けられる場合には、予め、電流計測と放電可能時間算出のインターバルを設定しておくことが可能である。
また、図21は、本実施形態による放電時間算出装置1を監視センタに設けた際のブロック図である。この場合、各通信ビルの蓄電池設備40〜43からの負荷電流データを監視センタ45に収集し、本実施形態による放電時間算出装置1によって放電持続時間を一括して計算する。
そして、このような放電持続時間の確認の結果を監視装置等に対して通知し、放電持続時間に不足が生じる場合、警報を発することができる。よって、常に設置された電池容量と負荷電流との関係を適正に管理することができ、信頼性の高い電源システムを構築することができる。
Claims (5)
- 蓄積された電力を負荷に供給する二次電池と、該負荷と該二次電池とに接続されており該負荷と該二次電池とに電力を供給する電源装置を含んで構成される電源システムにおいて、前記電源装置から該負荷と該二次電池とに電力を供給するように前記電源装置が接続されており、前記電源装置によって充電される二次電池の放電時間を算出する放電時間算出装置であって、
前記二次電池と前記電源装置から前記負荷に供給される負荷電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段の検出結果を繰り返し得る測定手段と、
予め前記二次電池の種々の放電電流における放電時間と放電電圧との関係を示す放電電圧特性カーブを記憶する記憶手段と、
前記測定手段によって得られた前記負荷電流に基づいて作成され、予め決まった期間内における負荷電流の変化を示す負荷電流パターンに基づいて、前記負荷電流パターンによって示される期間内の所定の時刻から経過した時点の電流値を当該負荷電流パターンから前記放電電流の値として得て、この放電電流に対する放電電圧特性カーブを前記記憶手段から読み出し、前記得られた放電電流の値に基づいて第1の放電電流の電流値に対応した第1の放電電圧特性カーブを作成し、前記得られた放電電流の値が前記第1の放電電流の電流値から第2の放電電流の電流値に変化した場合には、前記第2の放電電流の電流値に対応した第2の放電電圧特性カーブを作成し、前記第2の放電電圧特性カーブの作成にあたり、前記第1の放電電流の期間においては、前記第1の放電電流の値が変化するまでに前記二次電池から放電された電気量を前記第1の放電電流の電流値と放電時間の値の積によって求め、前記第2の放電電流の期間においては、該第2の放電電圧特性カーブにおいて前記第1の放電電流の電流値で前記放電された電気量に至る時点を開始点として作成し、前記放電電流を得る処理から前記第2の放電電圧特性カーブを作成するまでの処理を順次、放電終止電圧に達するまで繰り返し行うことにより放電持続時間を推定する推定手段と、
を有することを特徴とする放電時間算出装置。 - 前記推定手段は、前記放電電流に等しい電流の放電電圧特性カーブが前記記憶手段に記憶されていない場合、補完法によって前記放電電流における放電電圧特性カーブを求めることを特徴とする請求項1に記載の放電時間算出装置。
- 前記二次電池の放電によるバックアップ時間を入力する入力手段と、
前記推定手段が推定した放電持続時間が前記入力手段に入力されたバックアップ時間よりも短い場合に警報を発する警報手段と、
を更に有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の放電時間算出装置。 - 前記推定手段は、
前記二次電池の電池容量に対して、検出された該二次電池の電池容量の経年変化に基づいた外挿補間、或いは、該二次電池の使用年数の平方根を用いた比例演算により導かれた経年変化による容量低下推定値に基づいて補正を行う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の放電時間算出装置。 - 蓄積された電力を負荷に供給する二次電池と、該負荷と該二次電池とに接続されており該負荷と該二次電池とに電力を供給する電源装置を含んで構成される電源システムにおいて、前記電源装置から該負荷と該二次電池とに電力を供給するように前記電源装置が接続されており、前記電源装置によって充電される二次電池の放電時間を算出する放電時間算出方法であって、
前記二次電池と前記電源装置から前記負荷に供給される負荷電流を検出するステップと、
前記電流検出手段の検出結果を繰り返し得るステップと、
予め前記二次電池の種々の放電電流における放電時間と放電電圧との関係を示す放電電圧特性カーブを記憶するステップと、
前記測定手段によって得られた前記負荷電流に基づいて作成され、予め決まった期間内における負荷電流の変化を示す負荷電流パターンに基づいて、前記負荷電流パターンによって示される期間内の所定の時刻から経過した時点の電流値を当該負荷電流パターンから前記放電電流の値として得て、この放電電流に対する放電電圧特性カーブを前記記憶手段から読み出し、前記得られた放電電流の値に基づいて第1の放電電流の電流値に対応した第1の放電電圧特性カーブを作成し、前記得られた放電電流の値が前記第1の放電電流の電流値から第2の放電電流の電流値に変化した場合には、前記第2の放電電流の電流値に対応した第2の放電電圧特性カーブを作成し、前記第2の放電電圧特性カーブの作成にあたり、前記第1の放電電流の期間においては、前記第1の放電電流の値が変化するまでに前記二次電池から放電された電気量を前記第1の放電電流の電流値と放電時間の値の積によって求め、前記第2の放電電流の期間においては、該第2の放電電圧特性カーブにおいて前記第1の放電電流の電流値で前記放電された電気量に至る時点を開始点として作成し、前記放電電流を得る処理から前記第2の放電電圧特性カーブを作成するまでの処理を順次、放電終止電圧に達するまで繰り返し行うことにより放電持続時間を推定するステップと、
を含むことを特徴とする放電時間算出方法。
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