JP6895771B2 - 蓄電池の劣化判定方法及び蓄電池の劣化判定装置 - Google Patents

蓄電池の劣化判定方法及び蓄電池の劣化判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電池の劣化判定方法及び蓄電池の劣化判定装置に関し、特に、サイクルユース鉛蓄電池の劣化状態を判定する蓄電池の劣化判定方法及び蓄電池の劣化判定装置に関する。
負荷に電力を供給する蓄電池としては、例えばピークカットや系統安定化等の用途で、放電及び充電を交互に繰り返して使用されるサイクルユース鉛蓄電池が知られている。このような蓄電池では、充電又は放電を開始してから終了するまでの電流値を積算した値と、充電又は放電の前後の電圧値に基づいて蓄電池の容量を算出している。
しかしながら、上記の蓄電池が劣化すると、蓄電池の容量が減少し、負荷が必要とする電力を供給することができなくなるおそれがあるため、蓄電池の劣化状態を把握する必要がある。
そこで、蓄電池の劣化状態を判定する方法として、蓄電池の充放電を開始する前と後の充電率SOC(State of Charge)、及び、開回路電圧OCV(Open
Circuit Voltage)の増減に対する割合を劣化度として算出することにより、蓄電池の電解液の減少や電極構成物質(鉛薄板)の欠落等の活物質の不活性劣化による劣化状態を判定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この判定方法では、蓄電池の内部抵抗の増加を監視し、正極活物質の減少によって劣化を判定している。
また、蓄電池の劣化の程度が進むにつれて内部抵抗値が増加することから、電流及び電圧の値から蓄電池の内部抵抗を算出し、放電後の電圧の値を補正して蓄電池の容量を算出する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−354050号公報 特許第3371588号公報
しかしながら、上述した方法では、蓄電池の内部抵抗を用いて判定しており、この内部抵抗は充電状態や温度によって変化するものである。また、この内部抵抗を充放電中の電流及び電圧の値から求める場合、充放電中の電流及び電圧の値によっても内部抵抗が変化することから、蓄電池の内部抵抗と蓄電池の劣化度合いの関係を求めるためには膨大なデータが必要となる。
したがって、上述した方法を、サイクルユース鉛蓄電池で支配的な劣化の要因である正極側の劣化を判定するために適用すると、蓄電池の劣化の状態を判定するのに膨大なデータの中から判定する必要があるため、判定までに時間がかかり精度が悪くなるという問題が生じる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、サイクルユース鉛蓄電池の劣化状態を短時間で精度良く判定することが可能な蓄電池の劣化判定方法及び蓄電
池の劣化判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る蓄電池の劣化判定方法は、負荷に電力を供給する蓄電池の劣化度合いを判定する蓄電池の劣化判定方法であって、健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを予め取得しておき、放電又は充電の開始時における開回路電圧から求まる充電率をSOCv0とし、劣化判定される対象蓄電池の放電又は充電を所定時間行い、前記放電又は充電を開始してから停止するまでの前記所定時間における電流値を積算し、当該積算した電流値に基づいて前記放電又は充電による前記対象蓄電池の充電率の変化量(ΔSOCi)を算出し、前記放電又は充電の停止時に前記対象蓄電池を開回路状態にして開回路電圧を測定し、当該測定した開回路電圧に対応する充電率(SOCv)を前記基準データから求め、下記に示す(1)式から前記対象蓄電池の容量を算出して、前記対象蓄電池の劣化度合いを判定することを特徴とする。
対象蓄電池の容量=健全な蓄電池の容量×ΔSOCi/|SOCv0−SOCv|
・・・(1)
上記目的を達成するために、本発明に係る蓄電池の劣化判定方法は、負荷に電力を供給する蓄電池の劣化度合いを判定する蓄電池の劣化判定方法であって、健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを予め取得しておき、放電又は充電の開始時における開回路電圧をOCV0とし、前記放電又は充電を開始してから停止するまでの前記所定時間における電流値を積算し、前記基準データから、当該積算した電流値から算出される充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量(ΔOCVi)を求め、前記放電又は充電の停止時に前記対象蓄電池を開回路状態にして開回路電圧(OCVv)を測定し、下記に示す(2)式から前記対象蓄電池の容量を算出して、前記対象蓄電池の劣化度合いを判定することを特徴とする。
対象蓄電池の容量=健全な蓄電池の容量×ΔOCVi/|OCV0−OCVv|
・・・(2)
本発明の一態様に係る蓄電池の劣化判定方法において、前記対象蓄電池の前記放電は、回復充電による満充電状態から開始する。
本発明の一態様に係る蓄電池の劣化判定方法において、前記対象蓄電池の前記放電は、開始時の電流値が前記健全な蓄電池の定格容量に対して10%に相当する電流値となるようにして行なう。
本発明の一態様に係る蓄電池の劣化判定方法において、前記対象蓄電池の前記放電は、回復充電による満充電状態から開始し、前記健全な蓄電池の放電可能容量の最大値まで行なう。
上記目的を達成するために、本発明に係る蓄電池の劣化判定装置は、負荷に電力を供給する蓄電池の劣化度合いを判定する蓄電池の劣化判定装置であって、健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを記憶する記憶部と、劣化判定される対象蓄電池の充電又は放電の電流値を検出する電流検出部と、前記対象蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、前記電流検出部で検出された前記電流値を積算する電流積算部と、前記電流積算部で積算された前記電流値に基づいて前記対象蓄電池の充電率の変化量を算出し、又は前記基準データから、前記対象蓄電池の充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量を算出する変化量算出部と、前記電圧検出部により検出された前記対象蓄電池における前記充電又は放電の開始時の第1開回路電圧及び前記充電又は放電の停止時の第2開回路電圧をそれぞれ取得する開回路電圧取得部と、前記記憶部に記
憶された前記基準データから、前記開回路電圧取得部により取得された前記第1及び第2開回路電圧に対応する充電率をそれぞれ抽出する充電率抽出部と、前記変化量算出部により算出された、前記対象蓄電池の充電率の変化量、又は前記対象蓄電池の充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量と、前記充電率抽出部により抽出された前記第1及び第2の開回路電圧に対応する充電率、又は前記充電率抽出部により抽出された前記第1及び第2の開回路電圧とから算出される前記対象蓄電池の容量を、前記健全な蓄電池の容量と比較して、前記対象蓄電池の劣化度合いを判定する劣化判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄電池の劣化判定方法及び蓄電池の劣化判定装置によれば、サイクルユース用の蓄電池の劣化状態を短時間で精度良く判定することができる。
本発明の実施の形態に係る蓄電池の劣化判定装置の全体構成を示す略線的概念図である。 図1に示す蓄電池の劣化判定装置の機能を概念的に示すブロック図である。 図1に示す蓄電池の放電時の充電率と開回路電圧との相関関係を示す特性図である。 蓄電池の容量を評価する評価対象蓄電池の放電時の充電率と開回路電圧との相関関係を示す特性図である。 図1に示す蓄電池の劣化判定装置で行われる劣化判定処理の手順を示すフローチャートである。 図1に示す蓄電池の劣化判定装置で行われる劣化判定処理の変形例の手順を示すフローチャートである。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
[蓄電池の劣化判定装置の全体構成]
はじめに、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る蓄電池の劣化判定装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る劣化判定装置1の全体構成を示す略線的概念図である。
図1に示す劣化判定装置1は、主として、ピークカットや系統安定化等の用途で使用されるサイクルユース鉛蓄電池の劣化度合いを判定する装置として用いられるものである。
この劣化判定装置1は、負荷に電力を供給する蓄電式の鉛蓄電池である蓄電池11a,11b,…,11n(以下、蓄電池11a,11b,…,11nの各々を「セル」ともいう。)と、交流直流変換器であるPCS(Power Conditioning Subsystem)12と、蓄電池11に対して直列に接続された電流センサ13と、蓄電池11に対して並列に接続された電圧センサ14と、温度を検出する温度センサ15と、所定の相関関係を求めた基準データが記憶された記憶領域を有する記憶部16と、蓄電池11の劣化状態を判定する制御部17とを備えている。
蓄電池11は、劣化判定される対象蓄電池(以下、対象蓄電池11ともいう。)であり、充放電可能なサイクルユース用の鉛蓄電池である。この蓄電池11は、複数のセル11a,11b,…,11nが直列に接続された数百Ah〜数千Ahの大容量の鉛蓄電池である。
PCS12は、蓄電池11の充放電動作を制御する制御ユニットであり、具体的に、蓄電池11を充電する場合は、図示を省略する商用電源からの交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を蓄電池11に印加して蓄電池11を充電する制御を行う。また、蓄電池11を放電する場合は、蓄電池11の直流電圧を交流電圧に変換し、図示を省略する負荷側に変換した交流電力を出力する制御を行う。そして、PCS12は、蓄電池11の充電動作を行うように制御しているのか、又は、蓄電池11の放電動作を行うように制御しているのかの動作情報を制御部17に送信する。
電流センサ13は、対象蓄電池11の充電又は放電の電流値を検出し、検出した電流値は電流情報として制御部17に送信する。
電圧センサ14は、対象蓄電池11の電圧を検出し、検出した電圧値を電圧情報として制御部17に送信する。また、電圧センサ14は、対象蓄電池11を開回路状態にした場合における開回路電圧を測定する。
温度センサ15は、対象蓄電池11自体、又は、対象蓄電池11の周囲の環境温度を検出し、検出した温度を温度情報として制御部17に送信する。
記憶部16は、健全時の蓄電池(新品時又は設計時の蓄電池11)の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を所定の温度毎に求めた基準データが記憶された基準データ記憶領域を有している。この基準データの詳細については後述する。また、記憶部16は、制御部17で行われる制御処理に必要な各種算出式や各センサ13,14,15で検出された検出値に基づく情報等を記憶する記憶領域を有している。
制御部17は、PCS12、電流センサ13、電圧センサ14、及び、温度センサ15から受信した情報を参照して蓄電池11の劣化度合いを判定する。なお、詳細については後述する。
[劣化判定装置の機能]
次いで、図2を参照して、劣化判定装置1の制御部17の機能について説明する。図2は、図1に示す劣化判定装置1の制御部17の機能を概念的に示すブロック図である。制御部17は、機能的な観点から説明すれば、基準データ取得部71と、情報取得部72と、電流積算部73と、変化量算出部74と、開回路電圧取得部75と、充電率抽出部76と、劣化判定部77とを備えている。
基準データ取得部71は、記憶部16の基準データ記憶領域の中から温度センサ15から送信された温度情報に基づく温度に対応する基準データを取得する。例えば、温度センサ15が検出した対象蓄電池11の温度が25℃の場合、蓄電池11の温度が25℃の場合における健全時の蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データ(後述する図3の直線L1参照)を取得する。
情報取得部72は、PSC12から送信される動作情報、電流センサ13から送信される電流情報、電圧センサ14から送信される電圧情報、温度センサ15から送信される温度情報を受信する。
電流積算部73は、電流センサ13から送信される電流情報に基づく電流値を積算し、変化量算出部74に積算した電流値を送出する。
変化量算出部74は、電流積算部73で積算された電流値に基づいて放電又は充電によ
る対象蓄電池11の充電率の変化量(ΔSOCi)を算出し、算出した変化量を劣化判定部77に送出する。具体的に、放電による対象蓄電池11の充電率の変化量(ΔSOCi)を算出する場合は、下記に示す(3)式から算出する。
ΔSOCi=(積算された電流値/健全な蓄電池の満充電容量)×100(%)
・・・(3)
開回路電圧取得部75は、電圧センサ14により測定された開回路電圧を取得する。具体的には、対象蓄電池11における充電又は放電の開始時の第1開回路電圧及び充電又は放電の停止時の第2開回路電圧をそれぞれ取得し、取得した第1開回路電圧及び第2開回路電圧を充電率抽出部76に送出する。
充電率抽出部76は、基準データ取得部71から送出された基準データから、開回路電圧取得部75により取得された第1開回路電圧に対応する充電率(SOCv0)と、第2開回路電圧に対応する充電率(SOCv)をそれぞれ抽出し、抽出した充電率(SOCv0,SOCv)を劣化判定部77に送出する。
劣化判定部77は、変化量算出部74により算出された対象蓄電池11の充電率の変化量と、充電率抽出部76により抽出された第1開回路電圧及び第2開回路電圧に対応する充電率とを、健全な蓄電池の容量と比較して対象蓄電池11の劣化度合いを判定する。なお、劣化度合いを判定する詳細な方法については後述する。
[充電率(SOC)と開回路電圧(OCV)との相関関係]
次いで、健全な蓄電池の充電率(SOC)と開回路電圧(OCV)との相関関係について説明する。図3は、図1に示す蓄電池11の健全時における放電時の充電率と開回路電圧との相関関係を示す特性図である。
図3に示すように、健全時の蓄電池を満充電状態の充電率(SOC=100%)から放電終止電圧(SOC=0%、以下、放電終止状態ともいう。)まで放電すると、満充電状態の開回路電圧(OCV0)は放電が進むにつれて直線L1に沿って低下し、放電終止状態となると開回路電圧(OCV1)まで低下する。そして、健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)とは比例関係にあるため、開回路電圧の値を測定すると、測定した開回路電圧に対応する充電率(SOC)を求めることができる。
上述したように、蓄電池11はサイクルユース鉛蓄電池であるため、蓄電池11の劣化の要因は正極側の正極格子腐食や活物質軟化等による劣化が支配的である。そして、正極側が劣化した蓄電池11における満充電状態では、電解液中の硫酸の濃度が健全時の濃度と等しいため、健全時と劣化時の満充電状態における開回路電圧(OCV)は一致する。
しかしながら、正極側が劣化した蓄電池11を放電終止状態まで放電すると、内部抵抗増加により健全時よりも早く放電終止電圧に到達し、放電容量が低下する。また、蓄電池11の正極側が劣化すると、活物質の脱落等が生じ、放電するために使用する活物質の量が健全時より減少しているため、放電終止状態まで放電すると、蓄電池11の電解液中の硫酸濃度が健全時よりも高い状態となり、開回路電圧(OCVv)は健全時の開回路電圧(OCV1)よりも高くなる。
このため、図3に示すように、正極側が劣化した蓄電池11では、満充電状態の充電率(SOC=100%)から充電した電荷を失う放電終止状態(充電率(SOC=0%))まで放電すると、満充電状態では開回路電圧(OCV0)は健全時と等しくなり、放電が進むにつれて直線L2に沿って低下し、放電終止状態となると開回路電圧(OCVv)まで低下する。
このように、健全時と正極側の劣化時では、満充電状態における開回路電圧(OCV)は変化しないものの、放電終止状態における正極側の劣化時の開回路電圧(OCVv)は健全時の開回路電圧(OCV1)よりも高くなる。このため、健全時の直線L1の傾きと、正極側の劣化時の直線L2の傾きとは異なり、正極側の劣化が進行すると放電するために使用する活物質の量が減少して直線L1よりも傾きが大きくなる。そこで、上記の劣化判定装置1では、充電率(SOC)の変化量と開回路電圧(OCV)の変化量とから直線L2の傾きを求め、健全時の直線L1の傾きと比較することにより蓄電池11の劣化度合いを判定する。
すなわち、上記の劣化装置1では、健全時の蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを予め取得しておき、放電の開始時における充電率をSOCv0とし、劣化判定される対象蓄電池11の放電を所定時間行い、放電を開始してから停止するまでの所定時間における電流値を積算し、積算した電流値に基づいて放電による対象蓄電池の充電率の変化量(ΔSOCi)を算出し、放電の停止時に対象蓄電池を開回路状態にして開回路電圧を測定し、測定した開回路電圧に対応する充電率(SOCv)を基準データから求め、下記に示す(1)式から対象蓄電池11の容量を算出して、対象蓄電池11の劣化度合いを判定する。
対象蓄電池の容量=健全な蓄電池の容量×ΔSOCi/|SOCv0−SOCv|
・・・(1)
次いで、上記の(1)式により求められる対象蓄電池11の容量と、実際に測定した対象蓄電池11の容量と比較することにより、上記の(1)式により求められる対象蓄電池11の容量を評価する。
容量を評価する蓄電池は、定格容量50(Ah)、初期実容量55.7(Ah)であり、図4に示す開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)の相関関係にある蓄電池を評価対象蓄電池とした。そして、この評価対象蓄電池の充電率を100%から37.2%まで放電し、その後に100%まで充電する充放電を繰り返し実施することにより評価対象蓄電池を劣化させた。
また、劣化を進行させた各経過年数において、評価対象蓄電池を満充電状態から放電終止電圧(1.8V/セル)まで放電した時の電流値を積算して評価対象蓄電池の実容量を
算出した。さらに、評価対象蓄電池の初期実容量に基づく充電率の変化量(ΔSOCi)を62.8%とした場合における放電開始時における開回路電圧から求まる充電率(SOCv0)と放電停止時の開回路電圧に対応する充電率(SOCv)を測定し、評価対象蓄電池の容量を測定、及び、上記の(1)式により評価対象蓄電池の容量を求めた。
さらに、各経過年数における評価対象蓄電池の容量を測定した実容量(Ah)、放電の開始時における充電率(SOCv0)と放電停止時の開回路電圧に対応する充電率(SOCv)との差(%)、及び、評価対象蓄電池の容量を求めた計算値(Ah)を表1に示す。
Figure 0006895771
表1に示すように、初期状態では55.7Ahであった対象蓄電池の実容量は、経過年数aでは51.5Ah、経過年数bでは46.2Ah、経過年数cでは40.4Ahと少なくなり、年数が経過するにともなって評価対象蓄電池の劣化が進行していることが認められた。
また、初期状態及び劣化の経過年数aでは、評価対象蓄電池の容量を測定した実容量(Ah)と、上記の(1)式により評価対象蓄電池の容量を求めた計算値(Ah)の値は一致していることが認められた。
また、経過年数bでは、実容量が46.2Ahに対して計算値が48.6Ahであり、経過年数cでは、実容量が40.4に対して計算値が42.8Ahであり、実容量(Ah)と計算値(Ah)との差はわずかであった。
以上のことから、本発明の実施の形態に係る蓄電池の劣化判定装置1では、上記の(1)式から対象蓄電池11の容量を高精度に算出することができると評価できる。
[劣化判定処理]
次いで、図5を参照して、制御部17で行われる劣化判定処理について説明する。図5は、図1に示す蓄電池の劣化判定装置1で行われる劣化判定処理の手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、劣化判定装置1の制御部17は、ステップS101において、最初に情報取得部72がPSC12から取得した動作情報や蓄電池の電圧、充電率等に基づいて、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態であるか否かを判定する。ステップS101において、制御部17は、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態ではないと判断した場合(ステップS101:NO)、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態になるまで待機する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態であると判断した場合(ステップS101:YES)、次のステップS102の処理に進む。
ステップS102において、制御部17は、回復充電による満充電状態となってから所定時間(例えば、16時間)が経過したか否かを判定する。具体的には、充放電を継続して停止している時間(以下、充放電停止継続時間ともいう。)が所定時間経過したか否か
を判定する。制御部17は、回復充電による満充電状態となってから所定時間が経過していないと判断した場合には(ステップS102:NO)、図5に示す劣化判定処理を終了する。
一方、制御部17は、回復充電による満充電状態となってから所定時間が経過したと判断した場合(ステップS102:YES)、次のステップS103の処理に進む。
ステップS103において、制御部17は、基準データ取得部71により記憶部16の基準データ記憶領域の中から開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを取得し、次のステップS104の処理に進む。具体的には、温度センサ15から送信された温度情報に基づく温度に対応する基準データを取得する。
ステップS104において、制御部17は、開回路電圧取得部75により放電開始時の第1開回路電圧を取得し、次のステップS105に進む。
ステップS105において、制御部17は、情報取得部72がPSC12から取得した動作情報に基づいて、対象蓄電池11の放電が開始されたか否かを判定する。制御部17は、対象蓄電池11の放電が開始されていないと判定した場合(ステップS105:NO)、対象蓄電池11の放電が開始されるまで待機する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11の放電が開始されたと判定した場合(ステップS105:YES)、次のステップS106に進む。
ステップS106において、制御部17は、電流積算部73により電流センサ13から送信される電流情報に基づく電流値を積算して、次のステップS107に進む。
ステップS107において、制御部17は、情報取得部72がPSC12から取得した動作情報に基づいて、放電を停止したか否かを判定する。制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止していないと判定した場合(ステップS107:NO)、ステップS106の処理に戻る。すなわち、制御部17は、放電を停止するまで電流値を積算する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止したと判定した場合(ステップS107:YES)、次のステップS108に進む。
ステップS108において、制御部17は、変化量算出部74により充電率の変化量(ΔSOCi)を算出し、次のステップS109に進む。具体的には、上記(3)式に基づいて充電率の変化量(ΔSOCi)を算出する。
ステップS109において、制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止してから所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、充放電停止継続時間が所定時間経過したか否かを判定する。制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止してから所定時間経過していないと判定した場合には(ステップS109:NO)、図5に示す劣化判定処理を終了する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11の放電が停止してから所定時間経過したと判定した場合(ステップS109:YES)、次のステップS110に進む。
ステップS110において、制御部17は、開回路電圧取得部75により放電停止時の第2開回路電圧を取得し、次のステップS111に進む。
ステップS111において、制御部17は、充電率抽出部76により、基準データ取得部71から送出された基準データから、開回路電圧取得部75により取得された第1開回路電圧に対応する充電率(SOCv0)と、第2開回路電圧に対応する充電率(SOCv)をそれぞれ抽出し、次のステップS112に進む。
ステップS112において、制御部17は、劣化判定部77により劣化度合いを判定する。具体的には、上記(1)式に基づいて対象蓄電池11の容量を算出し、健全な蓄電池の容量と比較する。例えば、健全な蓄電池の容量が55.7Ahに対して対象蓄電池11の容量が51.5Ahである場合は劣化度合いが低いと判定し、対象蓄電池11の容量が42.8Ahである場合は劣化度合いが高いと判定する。
なお、ステップS102及びステップS109において、充放電停止継続時間が所定時間経過していない場合、すなわち、所定時間充放電停止状態が継続しない場合は、図5に示す劣化判定処理を終了する場合について説明したが、所定時間経過するまで待機してもよい。
上述した劣化判定装置1における劣化判定方法によれば、対象蓄電池11の充電率の変化量と、第1及び第2の開回路電圧に対応する充電率とから算出された対象蓄電池11の容量を、健全な蓄電池の容量と比較して対象蓄電池11の劣化度合いを判定するため、劣化状態を短時間で精度良く判定することができる。
また、上述したように、蓄電池11は、産業用の鉛蓄電池であるため、セル11a,11b,…,11n間の出力電圧のバラツキ解消や正極側の活物質除去のために定期的に回復充電を実施する必要がある。このため、回復充電による満充電状態から放電した電流値を積算することにより、劣化度合いを判定するために別途に充放電する必要がなく、また、電流値を別途に測定する必要がないため、劣化度合いの判定に使用するデータの容量を少なくすることができる。
なお、上述した劣化判定処理では、ステップS101において対象蓄電池11が回復充電による満充電状態であるか否かを判定し、回復充電による満充電状態である場合に劣化判定を行う場合について説明したが、ステップS101において蓄電池11が充放電停止状態であるか否かを判定し、充放電停止状態である場合に劣化判定を行ってもよい。
また、上述した劣化判定処理では、ステップS104において放電開始時の第1開回路電圧を取得する前に基準データを取得する場合について説明したが、基準データを取得するタイミングは適宜変更することが可能であり、ステップS111において、第1開回路電圧に対応する充電率(SOCv0)と、第2開回路電圧に対応する充電率(SOCv)をそれぞれ抽出する前に基準データを取得していればよい。
さらに、上述した劣化判定処理では、回復充電による満充電状態となってから放電を開始する場合について説明したが、放電は、開始時の電流値が健全な蓄電池の定格容量に対して10%に相当する電流値となるようにして行なってもよい。サイクルユース鉛蓄電池は、10時間容量率で容量が決定されており、定格容量の10%の電流値で放電して電流値や電圧値等のデータを取得することが多い。このため、対象蓄電池11の放電の開始時を、健全な蓄電池の定格容量に対して10%に相当する電流値となった時としてもよい。このように、放電の開始時を定格容量の10%に相当する電流値となった時とすることにより、正確に対象蓄電池11の劣化度合いを判定することができる。
また、回復充電による満充電状態から放電を開始し、健全な蓄電池の放電可能容量の最大値となると放電を停止してもよい。なすなわち、満充電状態から運用充電率(SOC)
範囲の上限値まで放電する調整放電やピークカット運転終了までの調整放電による電流値を積算して充電率の変化量(ΔSOCi)を求め、調整放電の停止時に第2開回路電圧を取得する。このように調整放電による電流値や調整放電の停止時の第2開回路電圧を利用することにより、劣化度合いを判定するためのデータを別途に測定する必要がなくなり、劣化度合いの判定に使用するデータの容量を少なくすることができる。
[変形例]
次いで、図6を参照して、図1の劣化判定装置1の変形例について説明する。以下の変形例では、図1の劣化判定装置1と同一の構成要素には同一の符号を付し、以下に異なる部分を説明する。
以下の変形例では、上記の劣化判定装置1において、開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを予め取得しておき、放電の開始時における開回路電圧をOCV0とし、放電を開始してから停止するまでの所定時間における電流値を積算し、基準データから、積算した電流値から算出される充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量(ΔOCVi)を求め、放電の停止時に対象蓄電池11を開回路状態にして、開回路電圧(OCVv)を測定し、下記に示す(2)式から対象蓄電池11の容量を算出して、対象蓄電池11の劣化度合いを判定する。
対象蓄電池の容量=健全な蓄電池の容量×ΔOCVi/|OCV0−OCVv|
・・・(2)
まず、上記の(2)式により求められる対象蓄電池11の容量と、実際に測定した対象蓄電池11の容量と比較することにより、上記の(2)式により求められる対象蓄電池11の容量を評価する。
容量の評価は、上述した評価対象蓄電池を満充電状態から放電終止電圧(1.8V/セ
ル)まで放電した時の電流値を積算して評価対象蓄電池の実容量を算出した。さらに、評価対象蓄電池の初期実容量に基づく充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量(ΔOCVi)を62.8%(0.53V)とした場合における放電開始時の開回路電圧(OCV0)と放電停止時の開回路電圧(OCV1)を測定し、上記の(2)式により評価対象蓄電池の容量を求めた。
さらに、各経過年数における評価対象蓄電池の容量を測定した実容量(Ah)、放電の開始時における開回路電圧(OCV0)と放電停止時における開回路電圧(OCV)との差、及び、評価対象蓄電池の容量を求めた計算値(Ah)を表2に示す。
Figure 0006895771
表2に示すように、初期状態及び劣化の経過年数aでは、評価対象蓄電池の容量を測定した実容量(Ah)と、上記の(2)式により評価対象蓄電池の容量を求めた計算値(Ah)の値は一致し、経過年数b及び経過年数cでは、実容量(Ah)と計算値(Ah)との差はわずかであった。
以上のことから、上記の(2)式から対象蓄電池11の容量を高精度に算出することができると評価できる。
次いで、図6を参照して、制御部17で行われる劣化判定処理の変形例について説明する。図6は、図1に示す蓄電池の劣化判定装置1で行われる劣化判定処理の変形例の手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、劣化判定装置1の制御部17は、ステップS201において、最初に情報取得部72がPSC12から取得した動作情報や蓄電池の電圧、充電率等に基づいて、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態であるか否かを判定する。ステップS201において、制御部17は、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態ではないと判断した場合(ステップS201:NO)、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態になるまで待機する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11が回復充電による満充電状態であると判断した場合(ステップS201:YES)、次のステップS202の処理に進む。
ステップS202において、制御部17は、回復充電による満充電状態となってから所定時間(例えば、16時間)が経過したか否かを判定する。具体的には、充放電停止継続時間が所定時間経過したか否かを判定する。制御部17は、回復充電による満充電状態となってから所定時間が経過していないと判断した場合には(ステップS202:NO)、図6に示す劣化判定処理を終了する。
一方、制御部17は、回復充電による満充電状態となってから所定時間が経過したと判断した場合(ステップS202:YES)、次のステップS203の処理に進む。
ステップS203において、制御部17は、基準データ取得部71により記憶部16の基準データ記憶領域の中から開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求
めた基準データを取得し、次のステップS204の処理に進む。
ステップS204において、制御部17は、開回路電圧取得部75により放電開始時の第1開回路電圧(OCV0)を取得し、次のステップS205に進む。
ステップS205において、制御部17は、情報取得部72がPSC12から取得した動作情報に基づいて、対象蓄電池11の放電が開始されたか否かを判定する。制御部17は、対象蓄電池11の放電が開始されていないと判定した場合(ステップS205:NO)、対象蓄電池11の放電が開始されるまで待機する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11の放電が開始されたと判定した場合(ステップS205:YES)、次のステップS206に進む。
ステップS206において、制御部17は、電流積算部73により電流センサ13から送信される電流情報に基づく電流値を積算して、次のステップS207に進む。
ステップS207において、制御部17は、情報取得部72がPSC12から取得した動作情報に基づいて、放電を停止したか否かを判定する。制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止していないと判定した場合(ステップS207:NO)、ステップS206の処理に戻る。すなわち、制御部17は、放電を停止するまで電流値を積算する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止したと判定した場合(ステップS207:YES)、次のステップS208に進む。
ステップS208において、制御部17は、変化量算出部74により開回路電圧の変化量(ΔOCVi)を算出し、次のステップS209に進む。具体的には、上記(3)式に基づいて充電率の変化量(ΔSOCi)を算出し、ステップS203で取得した基準データに基づいて充電率の変化量(ΔSOCi)を開回路電圧の変化量(ΔOCVi)に換算する。
ステップS209において、制御部17は、対象蓄電池11の放電を停止してから所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、充放電停止継続時間が所定時間経過したか否かを判定する。制御部17は、対象蓄電池11の放電が停止してから所定時間経過していないと判定した場合には(ステップS209:NO)、図6に示す劣化判定処理を終了する。
一方、制御部17は、対象蓄電池11の放電が停止してから所定時間経過したと判定した場合(ステップS209:YES)、次のステップS210に進む。
ステップS210において、制御部17は、開回路電圧取得部75により放電停止時の第2開回路電圧(OCVv)を取得し、次のステップS211に進む。
ステップS211において、制御部17は、劣化判定部77により劣化度合いを判定する。具体的には、上記(2)式に基づいて対象蓄電池11の容量を算出し、健全な蓄電池の容量と比較する。
なお、ステップS202及びステップS209において、充放電停止継続時間が所定時間経過していない場合、すなわち、所定時間充放電停止状態が継続しない場合は、図6に示す劣化判定処理を終了する場合について説明したが、所定時間経過するまで待機してもよい。
上述した変形例における劣化判定方法によれば、対象蓄電池11の開回路電圧の変化量と、第1の開回路電圧及び第2の開回路電圧とから算出された対象蓄電池11の容量を、健全な蓄電池の容量と比較して、対象蓄電池11の劣化度合いを判定するため、劣化状態を短時間で精度良く判定することができる。
なお、上述した劣化判定処理では、ステップS201において対象蓄電池11が回復充電による満充電状態であるか否かを判定し、回復充電による満充電状態である場合に劣化判定を行う場合について説明したが、ステップS201において蓄電池11が充放電停止状態であるか否かを判定し、充放電停止状態である場合に劣化判定を行ってもよい。
上述した実施の形態における蓄電池の劣化判定装置1及び蓄電池の劣化判定方法では、放電を開始してから停止するまでの電流値を積算し、積算した電流値に基づいて対象蓄電池11の充電率の変化量(ΔSOCi)、又は、開回路電圧の変化量(ΔOCVi)を求める場合について説明したが、充電を開始してから停止するまでの電流値を積算して変化量を求めてもよい。
[他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態においては、劣化判定装置1は、ピークカットや系統安定化等の産業用の鉛蓄電池の劣化度合いを判定する場合について説明したが、住宅内に設置された各種機器(照明機器、エアコン、家電、オーディオビジュアル機器等)に電力を供給するための蓄電池の劣化度合いを判定するのに適用してもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係る蓄電池の劣化判定方法及び蓄電池の劣化判定装置1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
1 劣化判定装置
11 蓄電池
12 PCS
13 電流センサ
14 電圧センサ
15 温度センサ
16 記憶部
17 制御部
71 基準データ取得部
72 情報取得部
73 電流積算部
74 変化量算出部
75 開回路電圧取得部
76 充電率抽出部
77 劣化判定部

Claims (3)

  1. 負荷に電力を供給する蓄電池の劣化度合いを判定する蓄電池の劣化判定方法であって、
    健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを予め取得しておき、
    劣化判定される対象蓄電池の回復充電による満充電状態における開回路電圧から求まる充電率をSOCv0とし、
    前記満充電状態から前記対象蓄電池の運用充電率(SOC)範囲の上限値まで放電し
    前記放電を開始してから停止するまでの所定時間における電流値を積算し、当該積算した電流値に基づいて前記放電による前記対象蓄電池の充電率の変化量(ΔSOCi)を算出し、
    前記放電の停止時に前記対象蓄電池を開回路状態にして開回路電圧を測定し、当該測定した開回路電圧に対応する充電率(SOCv)を前記基準データから求め、
    下記に示す(1)式から前記対象蓄電池の容量を算出して、前記対象蓄電池の劣化度合いを判定することを特徴とする蓄電池の劣化判定方法。
    対象蓄電池の容量=健全な蓄電池の容量×ΔSOCi/|SOCv0−SOCv|
    ・・・(1)
  2. 負荷に電力を供給する蓄電池の劣化度合いを判定する蓄電池の劣化判定方法であって、
    健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを予め取得しておき、
    劣化判定される対象蓄電池の回復充電による満充電状態における開回路電圧をOCV0とし、
    前記満充電状態から前記対象蓄電池の運用充電率(SOC)範囲の上限値まで放電し、
    前記放電を開始してから停止するまでの所定時間における電流値を積算し、前記基準データから、当該積算した電流値から算出される充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量(ΔOCVi)を求め、
    前記放電の停止時に前記対象蓄電池を開回路状態にして開回路電圧(OCVv)を測定し、
    下記に示す(2)式から前記対象蓄電池の容量を算出して、前記対象蓄電池の劣化度合いを判定することを特徴とする蓄電池の劣化判定方法。
    対象蓄電池の容量=健全な蓄電池の容量×ΔOCVi/|OCV0−OCVv|
    ・・・(2)
  3. 負荷に電力を供給する蓄電池の劣化度合いを判定する蓄電池の劣化判定装置であって、
    健全な蓄電池の開回路電圧(OCV)と充電率(SOC)との相関関係を求めた基準データを記憶する記憶部と、
    劣化判定される対象蓄電池の充電又は放電の電流値を検出する電流検出部と、
    前記対象蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電流検出部で検出された前記電流値を積算する電流積算部と、
    前記電流積算部で積算された前記電流値に基づいて前記対象蓄電池の充電率の変化量を算出し、又は前記基準データから、前記対象蓄電池の充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量を算出する変化量算出部と、
    前記電圧検出部により検出された前記対象蓄電池における前記充電又は放電の開始時の第1開回路電圧及び前記充電又は放電の停止時の第2開回路電圧をそれぞれ取得する開回路電圧取得部と、
    前記記憶部に記憶された前記基準データから、前記開回路電圧取得部により取得された前記第1及び第2開回路電圧に対応する充電率をそれぞれ抽出する充電率抽出部と、
    前記変化量算出部により算出された、前記対象蓄電池の充電率の変化量、又は前記対象蓄電池の充電率の変化量に対応する開回路電圧の変化量と、前記充電率抽出部により抽出された前記第1及び第2の開回路電圧に対応する充電率、又は前記充電率抽出部により抽出された前記第1及び第2の開回路電圧とから算出される前記対象蓄電池の容量を、前記健全な蓄電池の容量と比較して、前記対象蓄電池の劣化度合いを判定する劣化判定部と、
    を備え
    前記対象蓄電池の回復充電による満充電状態から前記対象蓄電池の運用充電率(SOC)範囲の上限値まで放電後に、前記劣化判定部が前記対象蓄電池の劣化度合いを判定することを特徴とする蓄電池の劣化判定装置。
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