JP2013181875A - 二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システム - Google Patents

二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システム Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の劣化状態およびそれに基づく寿命予測を正確に行う二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システムを提供する。
【解決手段】電池パック10の放電量、放電レートおよび放電温度の履歴に基づき、現時点での積算放電量P、積算平均放電レートCおよび積算平均放電温度Tpを算出し、電池パック10の放置時の放置時間、充電状態および放置温度の履歴に基づき、現時点での積算放置時間U、積算平均充電状態Sおよび積算平均放置温度Tsを算出し、算出したこれらのデータを用い、電池パック10の現時点劣化量Ωを算出し、算出した現時点劣化量Ωと寿命時劣化量Ωmaxとの比から現時点劣化率Ωrateを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システムに関する。詳しくは、二次電池の劣化状態や寿命を正確に把握するための二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システムに関する。
近年、モータとエンジンとを組み合わせたハイブリッド車両(HEV)やプラグインハイブリッド車両(PHEV)、モータを搭載した電気自動車(BEV)などの電動車両には、Ni−MH電池やリチウムイオン二次電池などを直並列に並べた大容量・高出力の組電池が搭載されている。
また、電力平準化・緊急対応の観点から、太陽光発電や風力発電などの電力プラント、ビルや住宅などに二次電池が使用される。大規模サーバにおいては、無停電電源装置として二次電池が利用される。
上記のように利用されている二次電池は、使用に伴い劣化するものである。二次電池は、劣化すると容量・出力が低下していき、最終的には製品仕様を満足する性能が発揮できなくなり、交換する必要が生じる。
このため、二次電池の劣化を正確に計測して寿命を判定し、二次電池の交換時期を正確に把握することが求められる。
特許文献1には、二次電池の寿命を判定するために、二次電池の内部抵抗値を利用する方法が開示されている。
特開2010−164329号公報
しかしながら、二次電池の内部抵抗値は、充電状態(SOC)や電池温度によって変動するので、二次電池が一定の劣化状態でも異なる値となる場合がある。このため、二次電池の内部抵抗値を用いた場合には、二次電池の劣化を正確に算出できなかった。
本発明は、上記課題に鑑みたもので、その目的は、二次電池の劣化状態を正確に把握し、それに基づく寿命を正確に予測する二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システムを提供することにある。
(1) 二次電池(例えば、後述の電池パック10)の放電量、放電レートおよび放電温度を計測するステップ(例えば、後述のステップS4)と、計測した前記放電量、放電レートおよび放電温度の履歴に基づき、所定時点での積算放電量(例えば、後述の積算放電量P)、積算平均放電レート(例えば、後述の積算平均放電レートC)および積算平均放電温度(例えば、後述の積算平均放電温度Tp)を算出するステップ(例えば、後述のステップS5)と、前記二次電池の放置時の放置時間、充電状態および放置温度を計測するステップ(例えば、後述のステップS7)と、計測した前記放置時間、充電状態および放置温度の履歴に基づき、前記所定時点での積算放置時間(例えば、後述の積算放置時間U)、積算平均充電状態(例えば、後述の積算平均充電状態S)および積算平均放置温度(例えば、後述の積算平均放置温度Ts)を算出するステップ(例えば、後述のステップS8)と、算出した前記積算放電量、前記積算平均放電レート、前記積算平均放電温度、前記積算放置時間、前記積算平均充電状態および前記積算平均放置温度を用い、前記所定時点での前記二次電池の劣化量(例えば、後述の現時点劣化量Ω)を算出するステップ(例えば、後述のステップS9)と、算出した前記所定時点での前記二次電池の劣化量と予め設定した寿命時の前記二次電池の劣化量(例えば、後述の寿命時劣化量Ωmax)との比から前記所定時点での前記二次電池の劣化率(例えば、後述の現時点劣化率Ωrate)を算出するステップ(例えば、後述のステップS10)と、を含むことを特徴とする二次電池の劣化率算出方法。
本発明者らは、二次電池の電極表面に付着する不純物量が、二次電池の劣化量に対して相関関係を示すことを明らかにした。
そこで(1)の発明は、二次電池の劣化量を、電池放電時の二次電池の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分と、電池放置時の二次電池の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分との和として求める。
ここで、電池放電時の二次電池の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分は、積算放電量、積算平均放電レートおよび積算平均放電温度をパラメータとする関係式により求まる。
また、電池放置時の二次電池の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分は、積算放置時間、積算平均充電状態および積算平均放置温度をパラメータとする関係式により求まる。
したがって、二次電池の使用状態の履歴、すなわち放電量、放電レート、放電温度、放置時間、充電状態および放置温度の履歴によって、二次電池の劣化率を算出できる。
(1)の発明によると、上記各種パラメータを用いて二次電池の内部抵抗値に基づかずに二次電池の劣化率を正確に算出できる。このため、二次電池の劣化状態を、劣化状態測定時の充電状態や電池温度によって変動しない真の状態として正確に把握できる。
(2) 前記二次電池の劣化量を算出するステップでは、劣化量をΩとし、前記積算放電量をPとし、前記積算平均放電レートをCとし、前記積算平均放電温度をTpとし、前記積算放置時間をUとし、前記積算平均充電状態をSとし、前記積算平均放置温度をTsとすると、下記式(1)
Figure 2013181875
により、前記二次電池の劣化量を算出することを特徴とする(1)記載の二次電池の劣化率算出方法。
(2)の発明によると、二次電池の劣化量を、電池放電時の二次電池の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分と、電池放置時の二次電池の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分との和として、数式(1)に基づき定量的に算出できる。
(3) (1)又は(2)記載の二次電池の劣化率算出方法によって現時点での前記二次電池の劣化量を算出するステップ(例えば、後述のステップS9)と、計測した前記放電レート、放電温度、充電状態および放置温度の履歴に基づき、過去の任意のサンプリング期間の期間平均放電レート(例えば、後述の期間平均放電レートC1)、期間平均放電温度(例えば、後述の期間平均放電温度Tp1)、期間平均充電状態(例えば、後述の期間平均充電状態S1)および期間平均放置温度(例えば、後述の期間平均放置温度Ts1)を算出するステップ(例えば、後述のステップS11)と、算出した前記期間平均放電レート、前記期間平均放電温度、前記期間平均充電状態および前記期間平均放置温度を用い、前記二次電池の劣化量の予測関数(例えば、後述の予測関数Ωf(t))を導出するステップ(例えば、後述のステップS12)と、算出した現時点の前記二次電池の劣化量および導出した前記予測関数を用い、現時点の前記二次電池の劣化量から寿命時の前記二次電池の劣化量に至るまでの余命期間(例えば、後述の余命期間T)を算出するステップ(例えば、後述のステップS13)と、を含み、前記二次電池の寿命予測を行うことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
(3)の発明では、まず(1)又は(2)の発明を用いて現時点における二次電池の劣化量を正確に算出し、次にサンプリング期間についての二次電池劣化量の予測関数を導出する。そして導出した二次電池の劣化量の予測関数を用い、現時点の二次電池の劣化量から寿命時の二次電池の劣化量に至るまでの正確な余命期間を算出する。
したがって、サンプリング期間における二次電池の使用状態に応じた二次電池の寿命を正確に予測できる。
(4) 前記二次電池の前記余命期間を表示するステップ(例えば、後述のステップS14)を更に含み、前記サンプリング期間として複数の異なるサンプリング期間(例えば、後述のSP1、SP2)を設定し、前記複数の異なるサンプリング期間に応じたそれぞれの期間平均放電レート、期間平均放電温度、期間平均充電状態および期間平均放置温度を算出し、算出した前記それぞれの期間平均放電レート、期間平均放電温度、期間平均充電状態および期間平均放置温度を用い、前記複数の異なるサンプリング期間に応じたそれぞれの予測関数を導出し、算出した現時点の前記二次電池の劣化量および導出した前記それぞれの予測関数を用い、現時点の前記二次電池の劣化量から寿命時の前記二次電池の劣化量に至るまでのそれぞれの余命期間(例えば、後述のT1、T2)を算出し、前記それぞれの余命期間を同時に表示することを特徴とする(3)記載の二次電池の寿命予測方法。
(4)の発明によると、複数の異なるサンプリング期間における二次電池の使用状態に基づき、それぞれの余命期間として二次電池の寿命を正確に予測できる。このため、指定した種々のサンプリング期間の二次電池の使用状態に応じて、二次電池の寿命を様々に予測できる。
また、それぞれの余命期間を同時に表示することにより、どのサンプリング期間における二次電池の使用状態が好ましいか一目で視認できる。
(5) 二次電池の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する放電履歴記録部(例えば、後述のサイクル履歴部21)と、前記二次電池の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する放置履歴記録部(例えば、後述の放置履歴部22)と、前記放電履歴記録部および前記放置履歴記録部に記録されたデータに基づき、所定時点の前記二次電池の劣化量(例えば、後述の現時点劣化量Ω)を算出すると共に、算出した前記所定時点での前記二次電池の劣化量と予め設定した寿命時の前記二次電池の劣化量(例えば、後述の寿命時劣化量Ωmax)との比から前記所定時点での前記二次電池の劣化率(例えば、後述の現時点劣化率Ωrate)を算出する劣化算出部(例えば、後述の劣化算出部3)と、を備えたことを特徴とする二次電池の劣化率算出システム。
(5)の発明によると、(1)の発明と同様の作用、効果を奏する。
(6) 二次電池の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する放電履歴記録部(例えば、後述のサイクル履歴部21)と、前記二次電池の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する放置履歴記録部(例えば、後述の放置履歴部22)と、前記放電履歴記録部および前記放置履歴記録部に記録されたデータに基づき、現時点の前記二次電池の劣化量(例えば、後述の現時点劣化量Ω)を算出する劣化算出部(例えば、後述の劣化算出部3)と、前記放電履歴記録部および前記放置履歴記録部に記録されたデータに基づいて算出された、過去の任意のサンプリング期間の期間平均放電レート(例えば、後述の期間平均放電レートC1)、期間平均放電温度(例えば、後述の期間平均放電温度Tp1)、期間平均充電状態(例えば、後述の期間平均充電状態S1)および期間平均放置温度(例えば、後述の期間平均放置温度Ts1)を用い、前記二次電池の劣化量の予測関数(例えば、後述の予測関数Ωf(t))を導出し、前記二次電池の劣化変遷を予測する劣化変遷予測部(例えば、後述の劣化変遷予測部4)と、前記劣化変遷予測部の予測に基づき、現時点の前記二次電池の劣化量から寿命時の前記二次電池の劣化量(例えば、後述の寿命時劣化量Ωmax)に至るまでの余命期間(例えば、後述の余命期間T)を算出する寿命算出部(例えば、後述の寿命算出部5)と、を備えたことを特徴とする二次電池の寿命予測システム。
(6)の発明によると、(3)の発明と同様の作用、効果を奏する。
本発明によれば、二次電池の劣化状態を正確に把握し、それに基づく寿命を正確に予測する二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システムを提供できる。
本発明の実施形態に係る電池寿命予測システムの概略構成を示すブロック図である。 上記実施形態に係る積算放電量と電池放電時劣化量との関係を示す図である。 上記実施形態に係る積算放置時間と電池放置時劣化量との関係を示す図である。 上記実施形態に係る電池パックの劣化量の予測関数を示す図である。 上記実施形態に係る表示部に表示される任意のサンプリング期間に応じた余命期間を示す図である。 上記実施形態に係る表示部に表示される2種のサンプリング期間に応じた余命期間を示す図である。 上記実施形態に係る電池パックの寿命予測方法を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<実施形態>
図1は、本実施形態に係る二次電池の劣化率算出方法、二次電池の寿命予測方法、二次電池の劣化率算出システムおよび二次電池の寿命予測システムを適用する電池寿命予測システム1の概略構成を示すブロック図である。
(電池寿命予測システム)
本実施形態に係る電池寿命予測システム1は、二次電池の電池パック10に接続され、電池パック10の劣化状態を把握すると共に電池パック10の寿命を予測する。
二次電池の電池パック10は、ハイブリッド車両(HEV)やプラグインハイブリッド車両(PHEV)、モータを搭載した電気自動車(BEV)などの電動車両あるいは太陽光発電や風力発電などの電力プラント、ビルや住宅などに使用される。
電池パック10の蓄電池は、2極式セルであり、正極材料には、LiCoO2を用い、負極材料には、グラファイトを用いる。電池パックのセパレータには、ポリプロピレン製樹脂フィルムを用い、電解液は、LiPF6/EC・DECであってよい。
電池パック10は、電流センサ11と、温度センサ12と、電圧センサ13とを有する。
電流センサ11および温度センサ12は、電池パック10の劣化状態を把握するために電池パック10の蓄電池の放電時および放置時の電流および電池温度をそれぞれ検出する。
電圧センサ13は、電池パック10が使用時に性能を発揮できるか否かを判別するために電池パック10の蓄電池の両極間の電圧を検出する。
電流センサ11、温度センサ12および電圧センサ13は、それぞれ電池寿命予測システム1に接続されており、これらの出力は、電池寿命予測システム1に送信される。
電池寿命予測システム1は、電池使用履歴算出部2と、劣化算出部3と、劣化変遷予測部4と、寿命算出部5と、表示部6とを備える。
電池使用履歴算出部2は、サイクル履歴部21と放置履歴部22とから構成され、電池パック10の使用履歴を算出および記録する。
電池使用履歴算出部2には、電流センサ11および温度センサ12の検出値が送信されると共に、電池パック10の電池セルの情報などが予め記憶される。
サイクル履歴部21は、電流センサ11および温度センサ12が検出した電池パック10の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する。
放置履歴部22は、電流センサ11および温度センサ12が検出した電池パック10の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する。
劣化算出部3は、電池使用履歴算出部2に記録されたデータに基づき、電池パック10の現時点の劣化量(以下、現時点劣化量Ωという)を算出する。また劣化算出部3は、算出した現時点劣化量Ωと、予め設定した電池パック10の寿命時の劣化量(以下、寿命時劣化量Ωmaxという)との比から現時点の劣化率(以下、現時点劣化率Ωrateという)を算出する。
劣化変遷予測部4は、電池使用履歴算出部2に記録されたデータに基づいて算出された、過去の任意のサンプリング期間の期間平均放電レートC1、期間平均放電温度Tp1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1を用い、電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を算出し、電池パック10の劣化変遷を予測する。
寿命算出部5は、劣化変遷予測部4の予測に基づき、電池パック10の現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tを算出する。
表示部6は、劣化算出部3で算出された電池パック10の現時点劣化率Ωrateや、寿命算出部5で算出された電池パックの現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間T(寿命)などを表示する。
上記構成の本実施形態に係る電池寿命予測システム1は、電池パック10の劣化量を、電池放電時の電池パック10の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分と、電池放置時の電池パック10の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分との和として求める。
ここで、電池パック10の電極表面に付着する不純物量と、電池パック10の劣化量とに相関関係が生じることは、本発明者らが見出したものである。
そして、上記方法により電池パック10の現時点劣化量Ωを正確に算出する。また過去の任意のサンプリング期間についての電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を算出する。そして算出した電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を用い、電池パック10の現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの正確な余命期間Tを算出する。
ここで、電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を用いて算出された現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tは、サンプリング期間に基づくので、サンプリング期間における電池パック10の使用状態に応じて当該余命期間Tが変化する。つまり、設定するサンプリング期間における電池パック10の使用状態が、予測される電池パック10の寿命に反映される。
以下、電池寿命予測システム1の各構成を用いて、電池パック10の寿命予測方法について詳述する。
(サイクル履歴部)
サイクル履歴部21は、電流センサ11および温度センサ12が検出した電池パック10の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する。
放電量、放電レートおよび放電温度を計測する際の基準となる放電期間は、電流センサ11によって放電開始から放電終了(すなわち、充電又は放置への遷移)までの期間としてよい。放電量は、放電時電流と放電期間の積により求めればよい。放電レートは、放電期間における放電電流に対応するC値と当該蓄電池の基準C値との比で求めればよい。放電温度は、放電期間における電池温度を求めればよい。
サイクル履歴部21は、電池放電時の放電量、放電レートおよび放電温度の履歴に基づき、現時点での積算放電量P、積算平均放電レートCおよび積算平均放電温度Tpを算出する。
積算放電量Pは、電池パック10の使用開始から現時点までの電池放電時の放電量を積算して求めればよい。積算平均放電レートCは、電池パック10の使用開始から現時点までの電池放電時の放電レートの平均値とすればよい。積算平均放電温度Tpは、電池パック10の使用開始から現時点までの放電期間の温度の平均値とすればよい。
(放置履歴部)
放置履歴部22は、電流センサ11および温度センサ12が検出した電池パック10の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する。
放置時間は、電流センサ11によって電流がゼロになってから放置終了(すなわち、充電又は放電への遷移)までの期間(放置期間)としてよい。放置期間の充電状態は、直近の満充電状態を基準にそれ以降であって当該放置期間に入るまでの積算放電量および積算充電量から求めればよい。放置温度は、放置期間における電池温度を求めればよい。
放置履歴部22は、電池放置時の放置時間、充電状態および放置温度の履歴に基づき、現時点での積算放置時間U、積算平均充電状態Sおよび積算平均放置温度Tsを算出する。
積算放置時間Uは、電池パック10の使用開始から現時点までの電池放置時の放置時間を積算して求めればよい。積算平均充電状態Sは、電池パック10の使用開始から現時点までの電池放置時の充電状態の平均値とすればよい。積算平均放置温度Tsは、電池パック10の使用開始から現時点までの放置期間の温度の平均値とすればよい。
(劣化算出部)
劣化算出部3は、電池使用履歴算出部2に記録された各種データに基づき、電池パック10の現時点劣化量Ωを算出する。
ここで、電池放電時の電池パック10の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量(以下、電池放電時劣化量Ωaという)は、積算放電量P、積算平均放電レートCおよび積算平均放電温度Tpをパラメータとする関係式により求めることができる。
図2は、本実施形態に係る積算放電量Pと電池放電時劣化量Ωaとの関係を示す図である。
図2に示すように、電池放電時劣化量Ωaは、積算放電量Pの1/2累乗に対し、以下の式(2)の関係を示す。
Figure 2013181875
なお、Ωaは電池放電時劣化量、Pは積算放電量、Cは積算平均レート、Tpは積算平均放電温度である。
また、a、b、Lは電池材料に固有の定数であり、予め電池セル情報として劣化算出部3に記憶されている。
また、電池放置時の電池パック10の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量(以下、電池放置時劣化量Ωbという)は、積算放置時間U、積算平均充電状態Sおよび積算平均放置温度Tsをパラメータとする関係式により求めることができる。
図3は、本実施形態に係る積算放置時間Uと電池放置時劣化量Ωbとの関係を示す図である。
図3に示すように、電池放置時劣化量Ωbは、積算放置時間Uの1/2累乗に対し、以下の式(3)の関係を示す。
Figure 2013181875
なお、Ωbは電池放置時劣化量、Uは積算放置時間、Sは積算平均充電状態、Tsは積算平均放置温度である。
また、d、e、Mは電池材料に固有の定数であり、予め電池セル情報として劣化算出部3に記憶されている。
以上の原理を用い、劣化算出部3は、現時点劣化量Ωを、電池放電時劣化量Ωaと電池放置時劣化量Ωbとの和として算出する。
すなわち、下記式(1)により、電池パック10の現時点劣化量Ωを算出する。
Figure 2013181875
なお、Ωは現時点劣化量、Pは積算放電量、Cは積算平均レート、Tpは積算平均放電温度、Uは積算放置時間、Sは積算平均充電状態、Tsは積算平均放置温度である。
劣化算出部3は、算出した現時点劣化量Ωと、予め設定した電池パック10の寿命時劣化量Ωmaxとの比から現時点劣化率Ωrateを算出する。
すなわち、下記式(4)により、電池パック10の現時点劣化率Ωrateを算出する。
Figure 2013181875
ここで、Ωrateは現時点劣化率、Ωは現時点劣化量、Ωmaxは寿命時劣化量である。
(劣化変遷予測部)
劣化変遷予測部4は、電池使用履歴算出部2に記録されたデータに基づき、電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を算出し、電池パック10の劣化変遷を予測する。
まず、ユーザにより過去の任意のサンプリング期間を予め設定する。サンプリング期間は、例えば、現時点を含む1日や1週間や1月などの期間、前日のみ、一昨日のみ、先週、先月などの期間として指定できる。またサンプリング期間は、ユーザを変更した時点から現時点までの期間や、ユーザごとの期間などとして指定してもよい。
サンプリング期間は、サンプリング開始時点とサンプリング終了時点とを指定することで設定するものであってよい。
サンプリング期間は、劣化変遷予測部4に記憶しておく。
次に、サンプリング期間における、期間積算放電量P1、期間平均放電レートC1、期間平均放電温度Tp1、期間放置時間U1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1を算出する。
期間積算放電量P1、期間平均放電レートC1および期間平均放電温度Tp1は、サイクル履歴部21の電池使用時の放電量、放電レートおよび放電温度の履歴に基づく。
期間積算放電量P1は、サンプリング期間における放電量を積算して求めればよい。期間平均放電レートC1は、サンプリング期間における放電レートの平均値とすればよい。期間平均放電温度TP1は、サンプリング期間における放電温度の平均値とすればよい。
期間放置時間U1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1は、放置履歴部22の電池放置時の放置時間、充電状態および放置温度の履歴に基づく。
期間放置時間U1は、サンプリング期間における放置時間を積算して求めればよい。期間平均充電状態S1は、サンプリング期間における充電状態の平均値とすればよい。期間平均放置温度Ts1は、サンプリング期間における放置温度の平均値とすればよい。
次に、サンプリング期間における、期間平均放電レートC1、期間平均放電温度Tp1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1を用い、式(1)におけるサンプリング期間における劣化量の係数K1および係数R1を算出する。
すなわち、下記式(5)、(6)のように算出される。
Figure 2013181875
なお、C1は期間平均放電レート、Tp1は期間平均放電温度、S1は期間平均充電状態、Ts1は期間平均放置温度である。
次に、係数K1および係数R1を用いた予測関数Ωf(t)を導出する。
すなわち、予測関数Ωf(t)は、式(1)を用い、下記式(7)のように導出される。
Figure 2013181875
ここで、Ωf(t)は劣化量の予測関数、P(t)は放電量の変数、U(t)は放置時間の変数である。
図4は、本実施形態に係る電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を示す図である。図4では、横軸に使用時間をとり、縦軸に劣化量をとって予測関数Ωf(t)を示す。図4に示す黒丸は、現時点に至るまでの記録された劣化量のプロットであり、白丸は、予測関数Ωf(t)に従った将来予測される劣化量のプロットである。
図4に示すように、電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)により、係数K1および係数R1を用いた場合、すなわちサンプリング期間の使用状態を維持した場合の劣化量の変遷が予測できる。
(寿命算出部)
寿命算出部5は、劣化算出部3が算出した現時点劣化量Ωおよび劣化変遷予測部4が導出した予測関数Ωf(t)により、現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの期間を、現時点と、図4に示す予測関数Ωf(t)が寿命時劣化量Ωmaxに到達する寿命時点との間の余命期間Tとして算出する。
電池パック10の寿命を定める電池セル寿命などの情報は、寿命算出部5に予め記憶されている。
(表示部)
表示部6は、劣化算出部3で算出された電池パック10の現時点劣化率Ωrateや、寿命算出部5で算出された電池パック10の現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tなどを表示する。
図5〜図6は、表示部6に表示されるデータの例である。
図5は、本実施形態に係る表示部6に表示される任意のサンプリング期間SP1に応じた余命期間T1を示す図である。図5に示す黒三角は、サンプリング期間SP1で記録された劣化量のプロットである。また、白三角は、サンプリング期間SP1の予測関数Ωf(t)に従った将来予測される劣化量のプロットである。これらプロットは、電池パック10の劣化量の変化を表す。
また、T1は、サンプリング期間SP1の予測関数Ωf(t)に従った現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tである。
図6は、本実施形態に係る表示部6に表示される2種のサンプリング期間SP1,SP2に応じた余命期間T1,T2を示す図である。図6に示す黒三角は、サンプリング期間SP1で記録された劣化量のプロットであり、黒四角は、サンプリング期間SP2で記録された劣化量のプロットである。また、白三角は、サンプリング期間SP1の予測関数Ωf(t)1に従った将来予測される劣化量のプロットであり、白四角は、サンプリング期間SP2の予測関数Ωf(t)2に従った将来予測される劣化量のプロットである。これらプロットは、電池パック10の劣化量の変化を表す。
また、T1は、サンプリング期間SP1の予測関数Ωf(t)1に従った現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tであり、T2は、サンプリング期間SP2の予測関数Ωf(t)2に従った現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tである。
図6に示すように、サンプリング期間(SP1,SP2)を異ならせて複数設定することで、複数の異なるサンプリング期間(SP1,SP2)における電池パック10の使用状態のそれぞれに基づき、複数の余命期間T(T1,T2)として電池パック10の寿命をそれぞれ正確に予測して同時に表示できる。
図6に示す表示により、ユーザは、どのサンプリング期間における電池パック10の使用状態が好ましいか一目で視認できる。
以下、フローチャートを用いて電池パック10の寿命予測方法について説明する。
図7は、本実施形態に係る電池パック10の寿命予測方法を示すフローチャートである。
ステップS1では、サンプリング期間の設定を行う。ユーザが電池寿命予測システム1に対してサンプリング期間を入力し、劣化変遷予測部4にサンプリング期間が記憶される。サンプリング期間は、サンプリング開始時点および終了時点を指定することで入力されるものであってよい。
なお、サンプリング期間は、異なる期間(SP1,SP2など)で複数設定されるものであってよい。
ステップS2では、電池パック10を稼動(放電)させた状態か否かを判別する。S2において、電池パック10を稼動させた状態(放電)の場合には、S3へ移行する。S2において、電池パック10を稼動させない状態(放置)の場合には、S6へ移行する。
ステップS3では、電流センサ11と、温度センサ12と、電圧センサ13とによって、電池放電時の電流、電池温度および電圧を検出する。
ステップS4では、サイクル履歴部21により、電流センサ11および温度センサ12が検出した電池放電時の電池パック10の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する。
ステップS5では、サイクル履歴部21により、ステップS4で求めた電池放電時の放電量、放電レートおよび放電温度の履歴に基づき、現時点での積算放電量P、積算平均放電レートCおよび積算平均放電温度Tpを算出する。
一方ステップS6では、電流センサ11と、温度センサ12と、電圧センサ13とによって、電池放置時の電流、電池温度および電圧を検出する。
ステップS7では、放置履歴部22により、電流センサ11および温度センサ12が検出した電池放置時の電池パック10の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する。
ステップS8では、放置履歴部22により、電池放置時の放置時間、充電状態および放置温度の履歴に基づき、現時点での積算放置時間U、積算平均充電状態Sおよび積算平均放置温度Tsを算出する。
ステップS9では、劣化算出部3により、サイクル履歴部21と放置履歴部22とから構成される電池使用履歴算出部2に記録された各種データに基づき、電池パック10の現時点劣化量Ωを算出する。すなわち、式(1)により電池パック10の現時点劣化量Ωを算出する。
ステップS10では、劣化算出部3により、式(4)により電池パック10の現時点劣化率Ωrateを算出する。
ステップS11では、劣化変遷予測部4により、電池使用履歴算出部2に記録されたデータに基づき、サンプリング期間の期間平均放電レートC1、期間平均放電温度Tp1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1を算出する。
サンプリング期間が複数存在する場合には、それぞれの期間平均放電レートC1、期間平均放電温度Tp1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1を算出する。
ステップS12では、劣化変遷予測部4により、サンプリング期間の期間平均放電レートC1、期間平均放電温度Tp1、期間平均充電状態S1および期間平均放置温度Ts1を用い、電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を導出し、電池パック10の劣化変遷を予測する。すなわち、式(7)により予測関数Ωf(t)を導出し、図4に示すように電池パック10の劣化変遷を予測する。
サンプリング期間が複数存在する場合には、それぞれの予測関数(Ωf(t)1,Ωf(t)2など)を導出する。
ステップS13では、寿命算出部5により、図4に示すように、劣化変遷予測部4の予測に基づき、現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tを算出する。
サンプリング期間(SP1,SP2)が複数存在する場合には、それぞれの余命期間T(T1,T2)を算出する。
ステップS14では、表示部6により、劣化算出部3で算出された電池パック10の現時点劣化率Ωrateや、図5〜図6に示す寿命算出部5で算出された電池パック10の現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの余命期間Tなどを表示する。サンプリング期間(SP1,SP2)が複数存在する場合には、それぞれの余命期間T(T1,T2)を表示する。
以上の本実施形態に係る電池寿命予測システム1によれば、以下の効果を奏する。
(1)上記した積算放電量P、積算平均放電レートC、積算平均放電温度Tp、積算放置時間U、積算平均充電状態Sおよび積算平均放置温度Tsという各種パラメータを用いて電池パック10の内部抵抗値に基づかずに電池パック10の現時点劣化率Ωrateを正確に算出できる。このため、電池パック10の劣化状態を、現時点の充電状態や電池温度によって変動しない真の状態として正確に把握できる。
(2)電池パック10の現時点劣化量Ωを、電池使用時の電池パック10の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分(Ωa)と、電池放置時の電池パック10の電極表面に付着する不純物量に相関する劣化量分(Ωb)との和として、数式(1)に基づき定量的に算出できる。
(3)まず式(1)を用いて電池パック10の現時点劣化量Ωを正確に算出し、次にサンプリング期間についての電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を導出する。そして導出した電池パック10の劣化量の予測関数Ωf(t)を用い、現時点劣化量Ωから寿命時劣化量Ωmaxに至るまでの正確な余命期間Tを算出する。
したがって、サンプリング期間における電池パック10の使用状態に応じた電池パック10の寿命を正確に予測できる。
(4)複数の異なるサンプリング期間(SP1,SP2)における電池パック10の使用状態に基づき、それぞれの余命期間T(T1,T2)として電池パック10の寿命を正確に予測できる。このため、採用する種々のサンプリング期間の電池パック10の使用状態に応じて、電池パック10の寿命を様々に予測できる。
また、それぞれの余命期間T(T1,T2)を同時に表示することにより、どのサンプリング期間における電池パック10の使用状態が好ましいか一目で視認できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に包含される。
上記実施形態における電池寿命予測システム1では、電池パック10の余命期間Tを求めることが前提のため、劣化算出部3で電池パック10の現時点劣化量Ωを算出するものであったが、これに限られない。例えば、劣化算出部では電池パックの所定時点での劣化量を算出するものであってもよい。
また、本発明は、二次電池の寿命予測システムとしてだけでなく、二次電池の劣化率算出システムとしても構成できる。
1…電池寿命予測システム
21…サイクル履歴部(放電履歴記録部)
22…放置履歴部(放置履歴記録部)
3…劣化算出部
4…劣化変遷予測部
5…寿命算出部
10…電池パック

Claims (6)

  1. 二次電池の放電量、放電レートおよび放電温度を計測するステップと、
    計測した前記放電量、放電レートおよび放電温度の履歴に基づき、所定時点での積算放電量、積算平均放電レートおよび積算平均放電温度を算出するステップと、
    前記二次電池の放置時の放置時間、充電状態および放置温度を計測するステップと、
    計測した前記放置時間、前記充電状態および前記放置温度の履歴に基づき、前記所定時点での積算放置時間、積算平均充電状態および積算平均放置温度を算出するステップと、
    算出した前記積算放電量、前記積算平均放電レート、前記積算平均放電温度、前記積算放置時間、前記積算平均充電状態および前記積算平均放置温度を用い、前記所定時点での前記二次電池の劣化量を算出するステップと、
    算出した前記所定時点での前記二次電池の劣化量と予め設定した寿命時の前記二次電池の劣化量との比から前記所定時点での前記二次電池の劣化率を算出するステップと、を含むことを特徴とする二次電池の劣化率算出方法。
  2. 前記二次電池の劣化量を算出するステップでは、劣化量をΩとし、前記積算放電量をPとし、前記積算平均放電レートをCとし、前記積算平均放電温度をTpとし、前記積算放置時間をUとし、前記積算平均充電状態をSとし、前記積算平均放置温度をTsとすると、下記式(1)
    Figure 2013181875
    により、前記二次電池の劣化量を算出することを特徴とする請求項1記載の二次電池の劣化率算出方法。
  3. 請求項1又は2記載の二次電池の劣化率算出方法によって現時点での前記二次電池の劣化量を算出するステップと、
    計測した前記放電レート、放電温度、充電状態および放置温度の履歴に基づき、過去の任意のサンプリング期間の期間平均放電レート、期間平均放電温度、期間平均充電状態および期間平均放置温度を算出するステップと、
    算出した前記期間平均放電レート、前記期間平均放電温度、前記期間平均充電状態および前記期間平均放置温度を用い、前記二次電池の劣化量の予測関数を導出するステップと、
    算出した現時点の前記二次電池の劣化量および前記予測関数を用い、現時点の前記二次電池の劣化量から寿命時の前記二次電池の劣化量に至るまでの余命期間を算出するステップと、を含み、前記二次電池の寿命予測を行うことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  4. 前記二次電池の前記余命期間を表示するステップを更に含み、
    前記サンプリング期間として複数の異なる前記サンプリング期間を設定し、
    前記複数の異なるサンプリング期間に応じたそれぞれの期間平均放電レート、期間平均放電温度、期間平均充電状態および期間平均放置温度を算出し、算出した前記それぞれの期間平均放電レート、期間平均放電温度、期間平均充電状態および期間平均放置温度を用い、前記複数の異なるサンプリング期間に応じたそれぞれの予測関数を導出し、算出した現時点の前記二次電池の劣化量および導出した前記それぞれの予測関数を用い、現時点の前記二次電池の劣化量から寿命時の前記二次電池の劣化量に至るまでのそれぞれの余命期間を算出し、前記それぞれの余命期間を同時に表示することを特徴とする請求項3記載の二次電池の寿命予測方法。
  5. 二次電池の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する放電履歴記録部と、
    前記二次電池の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する放置履歴記録部と、
    前記放電履歴記録部および前記放置履歴記録部に記録されたデータに基づき、所定時点の前記二次電池の劣化量を算出すると共に、算出した前記所定時点での前記二次電池の劣化量と予め設定した寿命時の前記二次電池の劣化量との比から前記所定時点での前記二次電池の劣化率を算出する劣化算出部と、を備えたことを特徴とする二次電池の劣化率算出システム。
  6. 二次電池の放電量、放電レートおよび放電温度を計測してこれらの履歴を記録する放電履歴記録部と、
    前記二次電池の放置時間、充電状態および放置温度を計測してこれらの履歴を記録する放置履歴記録部と、
    前記放電履歴記録部および前記放置履歴記録部に記録されたデータに基づき、現時点の前記二次電池の劣化量を算出する劣化算出部と、
    前記放電履歴記録部および前記放置履歴記録部に記録されたデータに基づいて算出された、過去の任意のサンプリング期間の期間平均放電レート、期間平均放電温度、期間平均充電状態および期間平均放置温度を用い、前記二次電池の劣化量の予測関数を導出し、前記二次電池の劣化変遷を予測する劣化変遷予測部と、
    前記劣化変遷予測部の予測に基づき、現時点の前記二次電池の劣化量から寿命時の前記二次電池の劣化量に至るまでの余命期間を算出する寿命算出部と、を備えたことを特徴とする二次電池の寿命予測システム。
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