JPWO2016158546A1 - ヒトヘルペスウイルス6b抗原組成物 - Google Patents

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Abstract

ヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)に関する、安定的かつ大量供給が可能な抗原組成物を提供する。さらに上記抗原組成物を含むワクチンを提供する。さらには、上記抗原組成物の作製方法を提供する。HHV-6Bの表面タンパク質のうちgH、gL、gQ1及びgQ2を含むHHV-6B抗原四量複合体を抗原組成物とすることによる。HHV-6B抗原四量複合体によれば、安定的かつ大量供給が可能な抗原組成物を提供しうる。抗原組成物が安定的かつ大量供給できることから、係る抗原組成物を含むワクチンや医薬組成物を安定に供給することができ、産業上有利である。

Description

本発明は、ヒトヘルペスウイルス6Bの抗原組成物に関する。さらにはヒトヘルペスウイルス6Bの抗原組成物を含むワクチンに関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願特願2015-069965号優先権を請求する。
ヘルペスウイルスとは、ヘルペスウイルス科に属するウイルスの総称である。ヒトヘルペスウイルス6(human herpes virus 6: HHV-6)又は7(HHV-7)は、いずれもヘルペスウイルス科βヘルペスウイルス亜科に属する2本鎖DNAウイルスであり、突発性発疹(Exanthom subitum)の原因ウイルスである。HHV-6は2種の変種としてHHV-6A及びHHV-6Bに分類することができる。特にHHV-6Bは、乳幼児の突発性発疹の原因とされている。HHV-6Bによる乳幼児の脳炎は我が国で年間150-200例であり、その50%に神経学的後遺症を残すことが知られているが、これまでに有効な制御法は開発されていなかった。近年、HHV-6Bの表面タンパク質の一種として知られるgQ1における特定のアミノ酸配列が、HHV-6B特異的な中和抗体を誘導することが明らかになり、該配列を含む抗原を利用したHHV-6Bワクチンの開発が期待されてきた。特に表面タンパク質gQ1とgQ2の複合体である二量複合体(gQ1/gQ2)は、HHV-6Bの細胞侵入に必要なリガンド部位として公知であり、HHV-6Bワクチン抗原の有効な候補となり得ると考えられてきた。
HHV-6の主要な標的はT細胞系統のリンパ球とされているが、HHV-6Bは、ほとんどの成人に潜伏感染しており、乳幼児期の突発性発疹の原因ウイルスである。HHV-6Aに関してはその病原性はまだ報告されていない。HHV-6に感染した細胞では、gQ1はgQ2及びgH/gL複合体に結合してgH/gL/gQ1/gQ2(以下「四量複合体」という。)を形成する。この四量複合体は、ウイルスエンベロープにおいて見出される。HHV-6Aの四量複合体はヒトCD46に結合し、HHV-6BのものはヒトCD134に結合するとされている(非特許文献1〜3;非特許文献2の図8参照)。また、CD134との結合において機能的に働くHHV-6Bのリガンド構造は二量複合体(gQ1/gQ2)であって、四量複合体構造はレセプターとの結合に必須な構造でないことが知られている(非特許文献4)。非特許文献1は、gQ1及びgQ2に関する細胞内プロセシングに関する分析を行なったことを開示する。非特許文献2は、U100遺伝子産物についての解析並びにgH及びgLとの複合体形成に関する分析結果を開示する。
HHV-6AにおいてgQ1についての中和抗体が作製されたことは知られている(特許文献1)。一方、HHV-6Bにおいて、gQ1の特定アミノ酸配列をエピトープとする抗体又は抗原結合性断片やgQ1の特定アミノ酸配列を含む抗原や二量複合体(gQ1/gQ2)に関する抗原組成物や、当該抗原組成物を含むワクチンについて開示がある(特許文献1)。しかしながら、gQ1の特定アミノ酸配列を含む抗原は安定したペプチド発現量を得るのが困難である。例えば二量複合体(gQ1/gQ2)は、ペプチド発現細胞の生存率が低いことに起因して、抗原としては十分な収量が得られないため、安定的かつ大量供給が求められるワクチンの製造のために適した抗原が求められている。
Journal of Virology, 2004, Vol. 78(15) pp. 7969-7983 Journal of Virology, 2003, Vol. 77(4) pp. 2452-2458 Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 May 28; 110(22): 9096-9099 Journal of Virology, 2014, Vol. 88(18) pp. 10875-10882 Cellular Microbiology, 2009, 11(7), 1001-1006 Journal of Virology, 1993, Vol. 67(8) pp. 4611-4620 Journal of Virology, 2004, Vol. 78(9) pp. 4609-4616
WO2012/060025号公報(出願番号2012-541704)
本発明は、HHV-6Bに関する、安定的かつ大量供給が可能な抗原組成物とその作製方法を提供することを課題とする。さらに上記抗原組成物を含むワクチンを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、HHV-6Bの表面タンパク質のうちgH、gL、gQ1及びgQ2を含む四量複合体を抗原組成物とすることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、すなわち以下よりなる。
(1)HHV-6Bの抗原組成物であって、HHV-6Bの表面タンパク質のうち、gH、gL、gQ1及びgQ2を含む四量複合体からなる抗原組成物。
(2)gH、gL、gQ1及びgQ2が、各々、「発明を実施するための形態」の欄で特定されるいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチドを含む、四量複合体からなる抗原組成物。
(3)前記抗原組成物を含むHHV-6Bワクチン。
(4)前記抗原組成物を有効成分として含む、医薬組成物。
(5)前記抗原組成物の作製方法。
HHV-6Bの表面タンパク質のうち、gH、gL、gQ1及びgQ2を含む四量複合体によれば、安定的かつ大量供給が可能な抗原組成物を提供しうる。これにより、従来公知の二量複合体(gQ1/gQ2)に関する抗原組成物と比較してより優れた中和抗体誘導能を有する抗原組成物を得ることができた。
HHV-6Bの構造を示す概念図である。特にHHV-6B抗原四量複合体の構造を示す概念図である。(実施例1−1) HHV-6B抗原四量複合体の実施態様の1例及び比較例としての二量体を示す図である。(実施例1−1、1−6) HHV-6B抗原四量複合体及びgQ1/gQ2が、CD134と結合することを示す図である。(実施例1−1) HHV-6B抗原四量複合体の作製方法及び精製方法を示す概念図である。(実施例1−2) HHV-6B抗原四量複合体の製造工程において、Ni-アフィニティクロマトグラフィーにより溶出したタンパク質をウエスタンブロットに供し、gH、gL、gQ1、gQ2それぞれに対する抗体を用いて検出した結果を示す図である。(実施例1−2) HHV-6B抗原四量複合体が樹立した細胞の培養上清に分泌されていたタンパク質をウエスタンブロットに供し、gH、gL、gQ1、gQ2それぞれに対する抗体を用いて検出した結果を示す図である。(実施例1−2) HHV-6B抗原四量複合体が樹立した細胞の培養上清を濃縮した後、GST融合タンパク質切断用プロテアーゼを反応させ、HHV-6B抗原四量複合体とhIgG1Fc Hisを切断し、ゲル濾過カラムに通した時の溶出パターンを示す図である。(実施例1−2) HHV-6B抗原四量複合体の免疫試験として、マウスへのHHV-6B抗原四量複合体の投与スケジュールを示す図である。(実施例1−3) HHV-6B抗原四量複合体の免疫試験として、細胞性免疫試験の結果を示す図である。(実施例1−5) 四量複合体発現細胞について、全生細胞数の推移を示す図である。(実施例1−6) 四量複合体発現細胞について、浮遊細胞又は接着細胞の生細胞数の推移1を示す図である。(実施例1−6) 四量複合体発現細胞について、浮遊細胞又は接着細胞別の生細胞数の推移2を示す図である。(実施例1−6) 一量体又は二量体の各種HHV-6B抗原の免疫試験として、マウスへのHHV-6B抗原の投与スケジュールを示す図である。(比較例1−2) 一量体又は二量体の各種HHV-6B抗原の免疫試験として、ELISA抗体価測定結果を示す図である。(比較例1−2) HHV-6B抗原四量複合体とDPT-IPVとの併用効果の確認のための免疫試験として、マウスへの投与スケジュールを示す図である。(実施例2) HHV-6B抗原四量複合体とDPT-IPVとの併用効果の確認のための免疫試験として、ELISA抗体価測定結果を示す図である。(実施例2) HHV-6B抗原四量複合体とDPT-IPVとの併用効果の確認のための免疫試験として、細胞性免疫能測定結果を示す図である。(実施例2)
本発明は、HHV-6Bの抗原組成物に関する。さらにはHHV-6Bの抗原組成物を含むワクチンに関する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。本明細書において「抗原組成物」とは、選択された抗原に対する免疫応答をヒトなどの脊椎動物において誘発するための組成物をいう。HHV-6Bの抗原組成物とは、HHV-6Bに関する免疫原組成物である。抗原組成物は以下に詳述するが、本発明においてはHHV-6B又はHHV-6Bから精製された天然の産生物、合成生成物又は遺伝子操作したタンパク質、ペプチド、又はそのようなタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子であってもよい。本明細書において「ワクチン」とは、前記「抗原組成物」を含み、生体内に投与されて、抗体を産生しうる因子、細胞性免疫能を増強しうる因子をいい、又は係る因子を産生しうる物質をいう。
本明細書において使用される場合、用語「HHV-6B」は、ヒトヘルペスウイルス6Bの野生型、変異型のいずれをも含む。本明細書において、HHV-6Bの「野生株型」とは、人工的な改変を受けていない、天然より単離されたヘルペスウイルス株(HHV-6B)の型をいう。HHV-6B野生株の例としてHST株が挙げられるが、これに限定されない。本明細書においてHHV-6Bの「変異型」とは、野生型に変異誘発、多数回の継代培養などによって変異誘発をしたHHV-6Bの型をいう。変異誘発する場合、この変異誘発は、ランダムな変異導入であっても、部位特異的変異導入であってもよい。また、変異型には遺伝子組換え等の手法により得られたものも含まれる。
本発明のHHV-6Bの抗原組成物は、HHV-6Bの表面タンパク質のうちgH、gL、gQ1及びgQ2を含むHHV-6B抗原四量複合体からなる抗原組成物をいう(図1及び図2参照)。gH、gL、gQ1及びgQ2は、HHV-6B抗原四量複合体を形成する1つの分子であり、各タンパク質を形成するための遺伝子はGenBank:NC_000898において見出すことができる。
本明細書において、HHV-6Bの表面タンパク質のうちgHをコードする遺伝子は、例えば配列番号1に示す塩基配列で特定することができ、gHは配列番号2に示すアミノ酸配列で特定することができる。同様に、gLをコードする遺伝子は、例えば配列番号3に示す塩基配列で特定することができ、gLは配列番号4に示すアミノ酸配列で特定することができ、gQ1をコードする遺伝子は、例えば配列番号5に示す塩基配列で特定することができ、gQ1は配列番号6に示すアミノ酸配列で特定することができ、gQ2をコードする遺伝子は、例えば配列番号7に示す塩基配列で特定することができ、gQ2は配列番号8に示すアミノ酸配列で特定することができる。本発明の抗原組成物に使用されるgH、gL、gQ1及びgQ2は、上記配列で特定される物質に限定されるものではない。例えば各表面タンパク質について抗原として機能しうる部分を含み、gH、gL、gQ1及びgQ2からなるHHV-6B抗原四量複合体が立体構造を形成しうるものであればよい。以下、本発明のHHV-6B抗原四量複合体からなる抗原組成物に使用されるgH、gL、gQ1及びgQ2について詳述する。
(1)gHについて
gHは、本発明のHHV-6B抗原四量複合体を形成するタンパク質の1つである。抗原組成物の1つとして使用可能なgHは、配列番号10に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチド(10−a)又は(10−b)〜(10−f)のいずれかに示すポリペプチドを含むことができる。例えば配列番号2に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチドであってもよい。以下の(10−a)〜(10−f)のいずれかに示すポリペプチドにさらに配列番号11で特定されるポリペプチドが含まれていてもよい(図2参照)。例えば配列番号10で特定されるポリペプチドに配列番号11で特定されるポリペプチドが結合したポリペプチドは、配列番号9で特定されるポリペプチドである。配列番号10に示すアミノ酸配列は、配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列であって、シグナル配列を含まず、gHとしての抗原性の機能を有する部分を含むアミノ酸配列である。本明細書において、配列番号9で特定されるポリペプチドも本発明のgHに包含される。
(10−a)配列番号10に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(10−b)配列番号10に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(10−c)配列番号10をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(10−d)配列番号10に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
(10−e)(10−a)〜(10−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
(10−f)(10−a)〜(10−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチドであり得る。
(2)gLについて
gLは、本発明のHHV-6B抗原四量複合体を形成するタンパク質の1つである。抗原組成物の1つとして使用可能なgLは、配列番号12に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチド(12−a)又は(12−b)〜(12−f)のいずれかに示すポリペプチドを含むことができる。例えば配列番号4に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチドであってもよい。ここで、配列番号12に示すアミノ酸配列は、配列番号4に示すアミノ酸配列の部分配列であって、シグナル配列を含まず、gLとしての抗原性の機能を有する部分を含むアミノ酸配列である。
(12−a)配列番号12に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(12−b)配列番号12に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(12−c)配列番号12をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(12−d)配列番号12に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
(12−e)(12−a)〜(12−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
(12−f)(12−a)〜(12−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチドであり得る。
(3)gQ1について
本明細書で使用される「gQ」とはタンパク質であって、HHV-6Bでは、gQ遺伝子は37kDaタンパク質をコードするものであり、オルタナティブスプライシング転写物に由来するものである。gQ1は、本発明のHHV-6B抗原四量複合体を形成するタンパク質の1つである。抗原組成物の1つとして使用可能なgQ1は、配列番号13に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチド(13−a)又は(13−b)〜(13−f)のいずれかに示すポリペプチドを含むことができる。例えば配列番号6に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチドであってもよい。ここで、配列番号13に示すアミノ酸配列は、配列番号6に示すアミノ酸配列の部分配列であって、シグナル配列を含まず、gQ1としての抗原性の機能を有する部分を含むアミノ酸配列である。
(13−a)配列番号13に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(13−b)配列番号13に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(13−c)配列番号13をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(13−d)配列番号13に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
(13−e)(13−a)〜(13−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
(13−f)(13−a)〜(13−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチドであり得る。
(4)gQ2について
gQ2は、本発明のHHV-6B抗原四量複合体を形成するタンパク質の1つである。抗原組成物の1つとして使用可能なgQ2は、配列番号14に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチド(14−a)又は(14−b)〜(14−f)のいずれかに示すポリペプチドを含むことができる。例えば配列番号8に示すアミノ酸配列で特定されるポリペプチドであってもよい。ここで、配列番号14に示すアミノ酸配列は、配列番号8に示すアミノ酸配列の部分配列であって、シグナル配列を含まず、gQ2としての抗原性の機能を有する部分を含むアミノ酸配列である。
(14−a)配列番号14に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(14−b)配列番号14に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(14−c)配列番号14をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(14−d)配列番号14に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
(14−e)(14−a)〜(14−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
(14−f)(14−a)〜(14−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチドであり得る。
本明細書においてワクチンとは、前記抗原組成物を含み、生体内に投与されて、抗体を産生しうる因子、細胞性免疫能を増強しうる因子をいい、又は係る因子を産生しうる物質をいう。本発明は、本発明の抗原組成物を有効成分として含む医薬組成物にも及ぶ。本発明の医薬組成物には上記有効成分の他、薬学的に受容可能な担体を含むことができる。
本発明における有効成分としての抗原組成物の免疫学的な効果は、当該分野において公知の任意の方法を用いて確認することができる。そのような方法としては、例えば、ELISA法、中和法、HI法、RCF法、INF-γ Elispot法、攻撃試験等が挙げられるがそれらに限定されない。
本明細書において、本発明の抗原組成物を有効成分として含む医薬組成物の「有効量」とは、その有効成分が目的とする薬効を発揮することができる量をいう。
本明細書において、抗原組成物を有効成分として含む医薬組成物の投与経路は、予防又は治療に際し最も効果的なものを使用するのが好ましく、例えば直腸内、鼻腔内、皮内、皮下、筋肉内、静脈内等の非経口投与や経口投与が挙げられる。投与形態としては、注射剤、乳剤、座剤、貼付剤、点鼻剤やカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等が挙げられる。
本明細書において「薬学的に受容可能な担体」は、医薬を製造するときに使用される物質であり、有効成分に有害な影響を与えないものをいう。そのような薬学的に受容可能な担体としては、例えば、抗酸化剤、安定剤、保存剤、抗生物質、着色剤、不活化剤、等張化剤、pH調節剤、希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、増粘剤、送達ビヒクル、賦形剤及び/又は薬学的アジュバントが挙げられるがそれらに限定されない。
本発明の抗原組成物を有効成分として含む医薬組成物は、HHV-6Bに起因する疾患(例えば、突発性発疹等)の予防又は治療、あるいはその両方に使用することができる。
本発明は、上記本発明の抗原組成物の製造方法にも及ぶ。ペプチドとしての抗原組成物の製造方法は特に制限されず、ペプチドを合成する自体公知の方法と同様にして製造することができ、例えば、有機合成法(固相合成法、液相合成法等)及び生化学的合成法、遺伝子組換法等によって合成することができる。遺伝子組換えの手法による場合は、細胞培養により製造することができる。使用可能な細胞は、遺伝子組換の手法に宿主細胞として適用可能な細胞であればよく、特に限定されない。例えば動物細胞、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞や原核細胞等であっても良い。遺伝子発現ベクター、宿主細胞の形質転換方法、細胞培養方法、精製方法等は、特に限定されるものではなく、自体公知の方法又は今後開発されるあらゆる方法を適用することができる。
本発明の理解を助けるために、以下に実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は本実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。なお、HHV-6Bに存在する特異的なタンパク質の概念を図1に示した。本実施例で作製するHHV-6B抗原四量複合体の実施例用の1例を図2に示した。又比較例としての二量複合体の例も図2に示した。
(実施例1−1)HHV-6B抗原四量複合体の作製
本実施例では、HHV-6B抗原四量複合体の作製方法について説明する。
(1)コドンをヒト化したHHV-6B HST株のgQ1、gQ2、gH及びgLのcDNAそれぞれをpCAGGS-MCSベクターに挿入し、各発現ベクターを作製した。gHのcDNAではシグナル配列とトランスメンブレン領域を削除し、IL-2のシグナル配列とhuman IgG1FcとPreScission Protease cleavage siteとHis tagを付加した。本実施例において、シグナル配列(ss)とトランスメンブレン領域(TM)を削除したgHは、配列番号10に示すアミノ酸配列で特定され、human IgG1FcとPreScission Protease cleavage siteとHis tag(hIgG1Fc His)は、配列番号11で特定される。配列番号10で特定されるポリペプチドに配列番号11で特定されるポリペプチドを結合させたgHは配列番号9で特定されるポリペプチドであり、以下の実施例では、便宜上「gH-hIgG1Fc」という場合がある。
(2)上記(1)で作製したgQ2及びgL発現ベクターを、下記の配列番号15及び16に示す塩基配列からなる各プライマーを用いてPCR法で増幅し、その産物を制限酵素HindIIIで処理し、gQ2発現カセット又はgL発現カセットを作製した。
プライマー1: acaaagcttATTGATTATTGACTAG(配列番号15)
プライマー2: acaaagcttGGGCTGCAGGTC(配列番号16)
(3)上記(1)で作製したgQ1及びgH発現ベクターを各々制限酵素HindIIIで処理した。上記(2)で作製したgQ2発現カセットをgQ1発現ベクターと、gL発現カセットをgH発現ベクターと、各々ライゲーションした。pPurベクターをテンプレートとし、下記の配列番号17及び18に示す塩基配列からなる各プライマーを用いてPCR法で増幅し、その産物を制限酵素XhoIで処理し、ピューロマイシン発現カセットを作製した。
プライマー3: acactcgagTTGTGTCAGTTAGGGTG(配列番号17)
プライマー4: acactcgagagACATGATAAGATAC(配列番号18)
(4)上記(3)で作製したgQ1、gQ2発現ベクターを制限酵素SalIで処理し、ピューロマイシン発現カセットとライゲーションした。
(5)pMC1neoベクターをテンプレートとし、下記の配列番号19及び20に示す塩基配列からなる各プライマーを用いてPCR法で増幅し、その産物を制限酵素XhoIで処理し、ネオマイシン発現カセットを作製した。
プライマー5: acactcgagCAGTGTGGTTTTCAAG(配列番号19)
プライマー6: acactcgagGGATCCGAACAAACGAC(配列番号20)
(6)上記(3)で作製したgH、gL発現ベクターを制限酵素SalIで処理し、ネオマイシン発現カセットとライゲーションした。
(7)上記(4)で作製したgQ1、gQ2ベクターと、上記(6)で作製したgH、gL発現ベクターとを混合し、Lipofectamin2000(Invitrogen)を用いてHEK293sGnTI-細胞(ATCC:CRL-3022) に導入した。導入された細胞を1μg/μLのピューロマイシンを添加した培地で培養し、4遺伝子とも発現した細胞を限界希釈法でクローニングし、4遺伝子発現細胞を樹立した。
(8)上記樹立した4遺伝子発現細胞の培地を1μg/μLのピューロマイシンを添加した Ex-cell 293培地(ニチレイ; 24561C-10L)に変更し、2日ごとにEx-cell 293培地を回収、交換した。
(9)4遺伝子発現細胞の培養上清をCD134発現細胞と反応させ、CD134発現細胞表面に結合したgHにhIgG1Fcが融合した HHV-6B抗原四量複合体(以下、「HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)」という場合がある。)を、抗Fc融合タンパク抗体を用いてフローサイトメトリー(Flow cytometry)により検出した。分泌されたHHV-6B抗原はHHV-6Bの侵入レセプター(entry receptor)であるCD134と結合した(図3)。
(実施例1−2)HHV-6B抗原四量複合体の精製
本実施例では、HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)の精製について説明する。製法の概念図を図4に示した。実施例1−1で回収した4遺伝子発現細胞の培養上清に200 mM Na2PO4溶液を1/20当量と50% スラリーのNi-NTAアガロース樹脂(Qiagen)を1/500当量加え、4℃で14時間撹拌した。
Ni-NTAアガロース樹脂体積に対し20当量の洗浄バッファー(20 mM リン酸ナトリウム pH 7.4, 500 mM NaCl, 20 mM imidazole)を用いて洗浄し、2当量の溶出バッファー(20 mM Tris-HCl pH 8.0, 500 mM NaCl, 120 mM imidazole)で、Ni-アフィニティクロマトグラフィーによりタンパク質を溶出した。溶出したタンパク質をウエスタンブロットに供し、gH、gL、gQ1、gQ2それぞれに対する抗体を用いて検出した(図5)。実施例1の(7)で樹立した4遺伝子発現細胞の培養上清にHHV-6B抗原四量複合体(Fc+)が分泌されていた(図6)。
HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)が分泌されていた培養上清を、分画分子量 50,000の遠心式フィルターAmicon Ultra-0.5(Merck Millipore)を用いて吸光度A280 = 0.2-0.5まで13,500g, 4℃で限外濾過濃縮を行なった。1 mg当たり8単位(unit)のGST融合タンパク質切断用プロテアーゼ(PreScission Protease:GE-Healthcare)を用意し、これに終濃度5 mMのジチオスレイトールを加えて氷上で30分静置したのち、上記HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を含む試料に添加して4℃で48時間反応させた。
液体クロマトグラフィーシステム(AKTA pure 25)を用いて4℃の条件でタンパク質を精製した。ゲル濾過カラムHiLoad 16/600 Superdex 200 pg(GE-Healthcare)をバッファーA(20 mM Tris-HCl pH8.0, 100 mM NaCl)で平衡化し、試料を2 mLずつ添加して濾過した。溶出ピークをSDS-PAGEで分析し、HHV-6B抗原四量複合体に相当する溶出ピークを回収した。HHV-6B抗原四量複合体は単一ピークとして溶出し、分取可能であった(図7)。
前記液体クロマトグラフィーシステム(AKTA pure 25)により4℃の条件下で陽イオン交換カラムMonoQ 5/50 GL(GE-Healthcare)を上記バッファーAで平衡化し、HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)画分を添加した。5 mLのバッファーAで洗浄後、バッファーAからバッファーB(20 mM Tris-HCl pH8.0, 1 M NaCl)への濃度勾配によって溶出させ、HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)に相当するピークを回収した。
分画分子量 50,000の遠心式フィルターAmicon Ultra-0.5(Merck Millipore)を用いて13,500g, 4℃で限外濾過濃縮を行ない、本発明のHHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を作製した(図6)。
(実施例1−3)HHV-6B抗原四量複合体の免疫試験(抗体産生)
実施例1−2で作製したHHV-6B抗原四量複合体(Fc+) 100μgと溶液として等量のTiter Max Gold(フナコシ、Titer Max Gold, Inc、Cat No. CYT: G-1x5)を混合し、超音波処理(Sonication: output=3)を氷上で10秒間4回行なった。23Gの針、1 mLシリンジを用いてマウス(BALB/c、メス、4週齢、各群3匹、Control : PBS)の背中に100μgずつ皮下投与した。投与スケジュールは2週間間隔で3回行った。3回目の投与から4週間後に、血液と脾臓を回収した(図8)。
ペントバルビタール(ソムノペンチル: 50mg/ mL)100μLをマウスの腹腔に投与し、麻酔下で心臓採血(23Gの針、1 mLシリンジ)し、及び脾臓を採取した。血液約1 mLを1.5 mLチューブに入れ、37℃で1時間インキュベーションし、14000rpm、4℃で30分間遠心処理した。血清(上層)を別の1.5 mLチューブに移し、56℃で30分間、ブロックインキュベーターにて非働化処理した後、抗体価測定に使用した。脾臓は採取後、20 mLのRPMI培地を加えた50 mLチューブに入れて氷上で運搬した。Ficoll-conray液を用いた密度勾配遠心により単核球を回収し、細胞性免疫能の測定に使用した。
上記血清について間接蛍光抗体法(IFA)により、HHV-6B抗原に対する抗体価を測定した。HHV-6B HST株感染MT4細胞(Cell to cell 4日目の細胞、後期タンパク質の発現確認済)又は、四量複合体発現293T細胞を抗原プレートのために使用した。四量複合体発現293T細胞による抗原プレートは以下の方法により作製した。293T細胞を2×106個/12 mL DMEM: 8% FBSで10cmディッシュに播種し、翌日リン酸カルシウム法で、pCAGGSMCS-gH 3μg、pCAGGSMCS-gL 6μg、pCAGGSMCS-gQ1 3μg、pCAGGSMCS-gQ2 6μgを各々トランスフェクション後、培養3日目に細胞を回収し、抗原プレートを作製した(抗gH、gL、gQ1、gQ2 のそれぞれの抗体を用いて各タンパク質の発現を確認した)。
PBS/ 2% BSAを用いて段階希釈(10〜1280倍)したマウス血清を、各抗原プレートにのせ、37℃で30分間インキュベーションにより反応させた。各プレートをPBS/ 0.02% Tween20を用いて洗浄後、乾燥した。2次抗体(100倍希釈FITC conjugate rabbit anti-mouse IgGを使用)をのせ、37℃・20分インキュベーションで反応させ、PBS/ 0.02% Tween20 にて洗浄後、乾燥した。封入し、蛍光顕微鏡下で蛍光を観察した。蛍光が観察可能なマウス血清の最大希釈倍率を抗体価とした。HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を投与したマウスで、HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)に対する抗体産生が確認された。
(実施例1−4)HHV-6B抗原四量複合体の免疫試験(中和抗体価)
実施例1−3で取得した血清を試料として、血清中に産生したHHV-6B抗原四量複合体(Fc+)の中和抗体価を測定した。実施例1−3で取得したマウス血清を3% FBS含有RPMI培地で段階希釈(40〜1280倍)した。希釈した血清100μLにHHV-6B(HST株)ウイルス液100μLを加え、37℃で30分間、反応させた(10分おきにロッキング)。3×106 個のMT4細胞をFBS含有RPMI培地1 mLに懸濁し、各マウス血清+ウイルス液を10μLずつ(3×104 個)添加した。490×g・40分・35℃で遠心して感染させた。細胞を角底96ウェルプレートへ移し、490×g・5分間・室温でペレットダウンした。細胞ペレットを3% FBS含有RPMI培地200μLで洗浄した。細胞ペレットに3% FBS含有RPMI培地200μLを加えて懸濁し、96ウェルプレート(平底)に移し、37℃ 5% CO2インキュベータで4日培養した。培養4日後、感染細胞を角底96ウェルプレートに移して490×g・5 min・室温で遠心し、培養液を20μL程度残して上清を吸引した。細胞を全て回収して30μLの5×sample buffer(2ME含む)に懸濁し、ウエスタンブロット(anti-BIE1×1000、Internal controlとしてanti-α-tubulin×10000)にてHHV-6Bタンパク質IE1を検出し、感染の有無を確認した。IE1が検出されないマウス血清の最大希釈倍率を中和抗体価とした。HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を投与したマウスで、HHV-6Bに対する中和抗体産生が確認された。
(実施例1−5)HHV-6B抗原四量複合体の免疫試験(細胞性免疫)
HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を投与したマウスにおける細胞性免疫の測定をした。実施例1−3と同手法で回収したマウス脾臓由来単核球を用いて、IFN-γ Elispotアッセイを行なった。刺激因子としてHHV-6B又は水痘ウイルス(VZV)を用い、IFN-γ産生細胞の数を測定した。HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を投与したマウスで、HHV-6B刺激によりIFN-γが産生された(図9)。
(実施例1−6)HHV-6B抗原四量複合体を導入した細胞の推移
HHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を導入した細胞(四量複合体発現細胞)と、gQ1-hIgG1FcQ1/Q2(図2参照)を導入した細胞(gQ1/Q2発現細胞)の培養時の生細胞数を比較した。コントロールとしてHEK293T細胞を用いた。各細胞濃度が1×105/ well 、2×105/ well、 3×105/ well、 5×105/ wellになるように、6ウェルプレートに播種した。3日後、1μg/μL ピューロマイシン含み、無血清のEx-cell 293培地(ニチレイ; 24561C-10L)に交換し、培養を開始した。培養上清中に分泌されたHHV-6B抗原四量複合体(Fc+)を回収するときと同じスケジュールで、培養上清の回収と培地交換を行い、培養を続け、上清中の浮遊細胞を回収し、経時的に生細胞数をカウントした。生細胞数は、上清中の浮遊細胞と接着細胞について各々カウントした。
その結果、gQ1/gQ2発現細胞よりも四量複合体発現細胞の方が生細胞数が多く、長期の培養に適していた(図10〜12)。
(比較例1−1)各種HHV-6B抗原の作製
本比較例では、実施例1で作製したHHV-6B抗原四量複合体との比較のため、HHV-6B抗原一量体(gH)、HHV-6B抗原二量複合体(gH/gL)、HHV-6B抗原一量体(gQ1)及びHHV-6B抗原二量複合体(gQ1/gQ2)の各抗原について、免疫誘導能等を確認した。まず、各種HHV-6B抗原の作製の作製方法について示す。
コドンをヒト化したHHV-6B HST株のgH、gL、gQ1と、ストレプトアビジン結合ペプチド配列からなるsbp(streptavidin binding peptide sequence)タグ付きgQ2の配列cDNAをそれぞれ作製した。gH又はgQ1を含むcDNAを各々pCAGGS-MCSベクターに挿入し、各発現ベクターを作製した。gLとgQ2の発現カセット(プロモーターとpolyA配列を含む)を増幅し、それぞれgHとgQ1を組込んだプラスミドに、HindIIIを用いて挿入した。これにより4種の各遺伝子を含む発現プラスミド(gH-発現プラスミド、gH/gL-発現プラスミド、gQ1-発現プラスミド、gQ1/gQ2-発現プラスミド)を作製した。
4種の各遺伝子を含む発現プラスミドをリン酸カルシウム法を用いて293T細胞に導入し、培養した。培養2日後、細胞を回収し、protease inhibitors(Sigma)を含むTNE バッファー(10 mM Tris-HCl [pH 7.8], 0.15 M NaCl, 1 mM EDTA, 1% NP40 [Nacalai Tesque])で可溶化した。可溶化した細胞にgH又はgQ1に対する抗体を架橋したストレプトアビジンセファロース(GE Healthcare)を加え、4℃で8時間反応させた。セファロースをTNEバッファーで洗浄し、8 mMビオチン溶液を用いてHHV-6B抗原であるgH、gH/gL、gQ1及びgQ1/gQ2を各々溶出した。溶出液をMillipore(TM) Amicon(TM) 30(Millipore)でPBSに置換し、各抗原を精製した。
(比較例1−2)免疫誘導能の確認
本比較例では、比較例1−1で作製した一量体(gH)、二量複合体(gH/gL)、一量体(gQ1)及び二量複合体(gQ1/gQ2)の各HHV-6B抗原について、免疫誘導能を確認した。各抗原溶液と等量のTiter Max Gold(フナコシ、Titer Max Gold, Inc、Cat No. CYT: G-1x5)を混合し、超音波処理(Sonication: output=3)を氷上で10秒間4回行ない、各抗原試料とした。23Gの針、1 mLシリンジを用いてマウス(BALB/c、メス、4週齢、各群3匹、Control : PBS)の背中に各抗原試料を50μgずつ皮下投与した。投与スケジュールは0、4、8週間の計3回行った。3回目の投与から4週間後に採血した(図13)。
ペントバルビタール(ソムノペンチル: 50mg/ mL)100μLをマウスの腹腔に投与し、麻酔下で心臓採血(23Gの針、1 mLシリンジ)した。血液約1 mLを1.5 mLチューブに入れ、37℃で1時間インキュベーションし、14000rpm、4℃で30分間遠心処理した。血清(上層)を別の1.5 mLチューブに移し、56℃で30分間、ブロックインキュベーターにて非働化処理したものを、免疫誘導能確認のための試験用試料として使用した。
(1)ELISA法による免疫誘導能の確認
上記各免疫誘導処理を行った試験用試料について、免疫誘導能をELISA法により確認した。ELISA法に使用するHHV-6B抗原四量複合体は以下の方法により作製した。コドンをヒト化したHHV-6B HST株のgH、gL、gQ1と、ストレプトアビジン結合ペプチド配列からなるsbp(streptavidin binding peptide sequence)タグ付きgQ2の配列cDNAをそれぞれ作製した。gH又はgQ1を含むcDNAを各々pCAGGS-MCSベクターに挿入し、各発現ベクターを作製した。gLとgQ2の発現カセット(プロモーターとpolyA配列を含む)を増幅し、それぞれgHとgQ1を組込んだプラスミドに、HindIIIを用いて挿入した。2種の発現プラスミドをリン酸カルシウム法を用いて293T細胞に導入し、培養2日後、細胞を回収し、protease inhibitors(Sigma)を含むTNE バッファー(10 mM Tris-HCl [pH 7.8], 0.15 M NaCl, 1 mM EDTA, 1% NP40 [Nacalai Tesque])で可溶化した。可溶化した細胞にストレプトアビジンセファロース(GE Healthcare)を加え、4℃で8時間反応させてビオチンでHHV-6B抗原四量複合体を溶出した。溶出液をMillipore(TM) Amicon(TM) 30(Millipore)でPBSに置換し、HHV-6B抗原四量複合体を精製した。上記作製した精製HHV-6B抗原四量複合体を用いてELISA測定用プレートを作製した。25倍から51,200倍までの各希釈した試験用試料について、ELISA測定用プレート上で常法に従い各々抗原抗体反応を行い、波長405nmでの吸光度を測定し免疫誘導能を確認した(図14及び表3)。その結果、各種抗原のうち、一量体に比べて二量複合体からなる抗原で処理した方が高い免疫誘導能が確認された。
(2)中和法による免疫誘導能の確認
上記各免疫誘導処理を行った試験用試料について、免疫誘導能を中和法により確認した。採取した血液約1 mLを1.5 mLチューブに入れ、37℃で1時間インキュベーションし、14000rpm、4℃で30分間遠心処理し、非働化処理していないものを、中和抗体価測定による免疫誘導能確認のための試験用試料として使用した。10、20、40、80、160倍に段階希釈した試験用試料を、ウイルス液(HHV-6B、HST株)と混合して37℃で30分反応させ、試験用試料とウイルスの各混合液をMT4細胞に感染させた後37℃で1時間遠心処理を行った。細胞をRPMI(3%FBS)にて培養し、1日経過後細胞を回収し、IE1に対する抗体を用いて間接蛍光抗体法(IFA)にて中和抗体価を測定した(表4)。その結果、一量体と、二量複合体からなる抗原での処理では、免疫誘導能がほとんど確認されず、HHV-6B抗原四量複合体のほうが免疫誘導能は高かった。
(実施例2)HHV-6B抗原四量複合体とDPT-IPVとの併用効果の確認
本実施例では、本願発明のHHV-6B抗原四量複合体と公知の四種混合ワクチンであるDPT-IPVを併用したときのHHV-6Bに対する免疫誘導能について確認した。ここでDPT-IPVは、ジフテリア、百日せき、破傷風及びポリオに対する予防ワクチンであり、破傷風や百日せき等についての抗体誘導能が確認されている。本実施例では、本発明のHHV-6B抗原四量複合体は、gHのhIgG1Fc部分を含まない以外は実施例1と同手法により作製したものを使用した。本実施例で使用するgHのhIgG1Fcを含まないHHV-6B抗原四量複合体をHHV-6B抗原四量複合体(Fc-)という。
本実施例では、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-) とDPT-IPVを含む五種混合ワクチン、DPT-IPV単独、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-) を用いてマウス(BALB/c、メス、4週齢)に免疫誘導処理を行った(各群7匹)。HHV-6B抗原四量複合体(Fc-) は100μg、DPT-IPVはヒト投与量の1/8量を投与した。各ワクチンは、マウス(BALB/c、メス、4週齢、各群7匹、Control : PBS)の背中に500μLずつ皮下投与した。投与は0、4、10、16週目の計4回行った。投与開始2、6、12、18週目に、実施例1−3と同手法により採血し、20週目に全血採血した(図15)。採取した血液を比較例1と同手法により処理し、免疫誘導能確認のための試験用試料を調製した。
(1)ELISA法による免疫誘導能の確認
比較例1同手法に従い、ELISA法にて血清中の抗体価を確認した(図16、表5)。その結果、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)でもHHV-6Bに対する高い免疫誘導能が得られたが、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)とDPT-IPVとを併用した五種混合ワクチンでさらに高い免疫誘導能が確認された。一方、DPT-IPV単独の場合にはPBSの場合と同様に殆ど免疫誘導がされていなかった。HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)とDPT-IPVを併用することにより、相乗効果が確認された。
(2)中和法による免疫誘導能の確認
比較例1と同手法に従い、間接蛍光抗体法(IFA)にて中和抗体価を測定した(表6)。その結果、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)でもHHV-6Bに対する高い免疫誘導能が得られ、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)とDPT-IPVとを併用した五種混合ワクチンでは同等以上の高い免疫誘導能が確認された。一方、DPT-IPV単独の場合にはPBSの場合と同様に殆ど免疫誘導がされていなかった。
(3)細胞性免疫法による免疫誘導能の確認 (Elispot法)
実施例1−3と同手法で回収したマウス脾臓由来単核球を用いて、 Elispotプレート(ミリポア)を用いてアッセイを行なった。ELISpotアッセイは、T細胞の応答を誘導する能力を測定することによって、ワクチンの効果を判定するために使用される。Elispotプレート(ミリポア)はFBSを含むRPMIでブロッキング処理を行った後、マウスの脾臓細胞を1×106又は0.5×106個/ウェル加え、100μLのPHAで刺激し、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)等又はPBSを加え、40時間37℃で培養し、形成されたIFN-γ産生細胞のスポットをKS ELISPOT(Carl Zeiss)を用いてカウントした(図17)。その結果、HHV-6B抗原四量複合体(Fc-)でもHHV-6Bに対する細胞免疫誘導能が得られたが、HHV-6B抗原四量複合体とDPT-IPVとを併用した五種混合ワクチンではより高い免疫誘導能が確認された。一方、DPT-IPV単独の場合にはPBSの場合と同様に殆ど免疫誘導がされなかった。
以上詳述したように、HHV-6Bの表面タンパク質のうち、gH、gL、gQ1及びgQ2を含むHHV-6B抗原四量複合体によれば、安定的かつ大量供給が可能な抗原組成物を提供しうる。抗原組成物を安定的かつ大量供給できることから、係る抗原組成物を含むワクチンや医薬組成物を安定に供給することができ、産業上有利である。
(配列番号1)GenBank:NC_000898情報に基づくgHをコードする遺伝子の塩基配列
(配列番号2)GenBank:NC_000898情報に基づくgHのアミノ酸配列
(配列番号3)GenBank:NC_000898情報に基づくgLをコードする遺伝子の塩基配列
(配列番号4)GenBank:NC_000898情報に基づくgLのアミノ酸配列
(配列番号5)GenBank:NC_000898情報に基づくgQ1をコードする遺伝子の塩基配列
(配列番号6)GenBank:NC_000898情報に基づくgQ1のアミノ酸配列
(配列番号7)GenBank:NC_000898情報に基づくgQ2をコードする遺伝子の塩基配列
(配列番号8)GenBank:NC_000898情報に基づくgQ2のアミノ酸配列
(配列番号9)配列番号10及び11に示すアミノ酸配列を結合したアミノ酸配列
(配列番号10)配列番号2で特定されるアミノ酸配列のうち、シグナル配列とトランスメンブレン領域を削除したgHのアミノ酸配列
(配列番号11)hIgG1Fcのアミノ酸配列
(配列番号12)配列番号4で特定されるアミノ酸配列のうち、シグナル配列を削除したgLのアミノ酸配列
(配列番号13)配列番号6で特定されるアミノ酸配列のうち、シグナル配列を削除したgQ1のアミノ酸配列
(配列番号14)配列番号8で特定されるアミノ酸配列のうち、シグナル配列を削除したgQ2のアミノ酸配列
(配列番号15)プライマー1を特定する配列
(配列番号16)プライマー2を特定する配列
(配列番号17)プライマー3を特定する配列
(配列番号18)プライマー4を特定する配列
(配列番号19)プライマー5を特定する配列
(配列番号20)プライマー6を特定する配列

Claims (9)

  1. ヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)の抗原組成物であって、HHV-6Bの表面タンパク質のうち、gH、gL、gQ1及びgQ2を含む四量複合体からなる抗原組成物。
  2. gHが、以下(10−a)〜(10−f)のいずれかで特定されるポリペプチドを含む、請求項1に記載の抗原組成物:
    (10−a)配列番号10に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (10−b)配列番号10に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (10−c)配列番号10をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
    (10−d)配列番号10に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
    (10−e)(10−a)〜(10−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
    (10−f)(10−a)〜(10−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド。
  3. gHが、以下(10−a)〜(10−f)のいずれかで特定されるポリペプチドに加えてさらに配列番号11に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドを含む、請求項1又は2に記載の抗原組成物:
    (10−a)配列番号10に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (10−b)配列番号10に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (10−c)配列番号10をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
    (10−d)配列番号10に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
    (10−e)(10−a)〜(10−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
    (10−f)(10−a)〜(10−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド。
  4. gLが、以下(12−a)〜(12−f)のいずれかで特定されるポリペプチドを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の抗原組成物:
    (12−a)配列番号12に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (12−b)配列番号12に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (12−c)配列番号12をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
    (12−d)配列番号12に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
    (12−e)(12−a)〜(12−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;又は
    (12−f)(12−a)〜(12−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド。
  5. gQ1が、以下の(13−a)〜(13−f)より選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の抗原組成物:
    (13−a)配列番号13に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (13−b)配列番号13に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (13−c)配列番号13をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
    (13−d)配列番号13に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
    (13−e)(13−a)〜(13−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (13−f)(13−a)〜(13−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド。
  6. gQ2が、以下の(14−a)〜(14−f)より選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の抗原組成物:
    (14−a)配列番号14に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (14−b)配列番号14に示すアミノ酸配列のうち1以上のアミノ酸が置換、付加及び欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列からなり、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (14−c)配列番号14をコードする塩基配列のスプライス変異体又は対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
    (14−d)配列番号14に示すアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;
    (14−e)(14−a)〜(14−d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
    (14−f)(14−a)〜(14−d)のいずれか1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の抗原組成物を含むHHV-6Bワクチン。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の抗原組成物を有効成分として含む、医薬組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の抗原組成物の作製方法。
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