JPWO2016158230A1 - スキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置 - Google Patents

スキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

スキルミオンを生成する際の消費電力を低減可能なスキルミオン生成方法を提供する。このスキルミオン生成方法では、キラルな結晶構造を有する絶縁性の磁性体12に磁場発生部14からの磁場を印加しながら、電場発生部16を用いて磁性体12に対し局所的に電場を印加する。これにより、磁性体12の内部にスキルミオンが生成される。磁性体12は少なくとも部分的に2〜300nmの範囲内の厚さを有する薄膜状であることが好ましく、磁場発生部14は、磁性体12の表面に対して略垂直に磁場を印加することが好ましい。

Description

本発明は、スキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置に関する。
非特許文献1には、キラルな金属磁性体中のスキルミオンを、微小な電流により駆動する技術が開示されている。また、特許文献1及び非特許文献1には、キラルな金属磁性体からなる帯状の薄膜試料に角部(切り欠き)を設け、所定強度の磁場を印加しながら該試料に電流を流すことにより、角部を起点としてスキルミオンを生成する方法が開示されている。
特開2014−175417号公報
X Z Yu, N Kanazawa, W Z Zhang, T Nagai, T Hara, K Kimoto, Y Matsui, Y Onose, Y Tokura, "Skyrmion flow near room temperature in an ultralow current density", Nature Communications, 3, 988, 7 August 2012 Junichi Iwasaki, Masahito Mochizuki, and Naoto Nagaosa, "Current-induced skyrmion dynamics in constricted geometries", Nature Nanotechnology, Volume 8, Pages 742-747, 8 September 2013
磁性体の磁化構造(電子スピンの配列)をデジタル情報として利用する磁気素子は、不揮発性、高い耐放射線性などの特徴を有するエレクトロニクスデバイスとして注目されており、その磁気情報を電気的に操作する試みが近年盛んに行われている。
近年、空間反転対称性を有しないキラルな結晶構造を有する一部の磁性体(例えば、MnSi,Fe1-xCoxSi,FeGe等)に外部磁場を印加することにより、該磁性体中において複数のスキルミオンが三角格子状に配列されたスキルミオン結晶が生成されることが確認されている。図13は、一個のスキルミオンの電子スピンの配列を模式的に示す斜視図であり、図中の各矢印は電子スピンの方向を示している。スキルミオンは、複数の電子スピンが渦巻状に配列されて成り、その中心部の磁化方向は外部磁場に対して反平行となっており、その周辺部の磁化方向は印加された外部磁場に対して平行となっている。
スキルミオンは、量子化されたトポロジカルな不変量であるスキルミオン数によって特徴付けられる。スキルミオン数は、連続的な変化に対して不変である。すなわち、強磁性体ではスピンの向きが一方向に揃っているが、そのような状態から一部のスピンの向きを連続的に変化させることによりスキルミオンのスピン配列を生成することは不可能である。従って、スキルミオンのスピン配列を生成する為には、スピンの向きに不連続的な変化を与える必要があり、そのときスキルミオン数の不連続な変化を伴う。それ故に、スキルミオンは、一度生成されると粒子的な安定性を有する。スキルミオンは、直径が3〜100nm程度であり極めて小さい。従って、スキルミオンを磁気記憶装置に応用することにより、単位情報を記憶するために必要な面積を、磁気バブルメモリなどの従来装置に比べて格段に小さくすることができる。
しかしながら、例えば特許文献1及び非特許文献2に記載された方法では、スキルミオンを生成する際に、抵抗率がゼロよりも大きい金属磁性体中を電流が流れる。従って、金属磁性体においてジュール熱が発生する。このジュール発熱によるエネルギー損失は、スキルミオンを用いた磁気記憶装置の消費電力を増大させる一因となる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減可能なスキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明によるスキルミオン生成装置は、スキルミオン相を有する絶縁性の磁性体と、磁性体に対し電場を印加することにより、磁性体内部にスキルミオンを生成する電場発生部と、を備える。また、本発明によるスキルミオン生成方法は、スキルミオン相を有する絶縁性の磁性体に対し、電場発生部からの電場を印加することにより、磁性体内部にスキルミオンを生成する。
従来より、スキルミオンを発現するキラルな磁性体としては、MnSi,Fe1-xCoxSi,FeGeといったB20型と呼ばれる結晶構造を有する金属磁性体が知られているが、キラルな結晶構造を有する絶縁性の磁性体(例えばCu2OSeO3)においても、スキルミオン相が見出された。本発明者は、前述した課題を解決するために、このような絶縁性の磁性体に電場を印加することにより、該磁性体中にスキルミオンを生成する方法を見出した。絶縁性の磁性体に印加された電場は、磁性体にジュール発熱を生じさせない。従って、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減することができ、例えば省電力の磁気記憶装置を好適に実現できる。
また、上記のスキルミオン生成装置は、磁性体に磁場を印加する磁場発生部を更に備えてもよい。また、本発明によるスキルミオン生成方法は、磁性体に対して磁場を更に印加してもよい。これにより、磁性体中にスキルミオンを効率良く生成することができる。
また、上記のスキルミオン生成装置及びスキルミオン生成方法は、磁場を磁性体の表面に対して略垂直に印加してもよい。スキルミオンの外周部を構成する電子スピンと、スキルミオンの中心部を構成する電子スピンとは、互いに逆向きであり、且つ薄膜の厚さ方向を向く。また、スキルミオンの外周部は、磁場と平行な方向に磁化される。従って、このように磁性体の表面に対して略垂直な方向に磁場を印加することにより、スキルミオンを効率良く生成することができる。
また、上記のスキルミオン生成装置では、電場発生部が、針状の電極を有しており磁性体に対し局所的に電場を印加してもよい。同様に、上記のスキルミオン生成方法では、電場発生部が針状の電極を有し、磁性体に対し針状の電極から局所的に電場を印加してもよい。
磁性体にジュール発熱を生じさせることなくスキルミオンを生成する方法としては、例えば、該磁性体に対し局所的に磁場や電磁波を印加または照射することも考えられる。しかし、そのような方法では、磁場や電磁波を印加する領域を、単一のスキルミオンを生成可能な程度に小さく絞ることが困難である。電場であれば、前述した磁場や電磁波とは異なり、針状の電極を用いることによって、単一のスキルミオンを生成可能な程度に印加領域を小さく絞ることが可能となる。
また、上記のスキルミオン生成装置及びスキルミオン生成方法では、磁性体において電場が印加される領域が磁性体の縁の近傍に位置してもよい。これにより、スキルミオンが磁性体の縁に助けられて容易に生成される。
また、上記のスキルミオン生成装置及びスキルミオン生成方法では、磁性体が、少なくとも部分的に2〜300nmの範囲内の厚さを有する薄膜状であってもよい。このように、生成されるスキルミオンの直径より小さいか又は3倍程度以下の厚さを有する擬二次元状(すなわち薄膜状)に磁性体を形成することにより、広い温度範囲でスキルミオンが存在することが可能になり、常温に近い温度でも上記のスキルミオン生成方法及びスキルミオン生成装置を利用できることが期待される。
また、上記のスキルミオン生成装置及びスキルミオン生成方法では、磁性体がキラルな結晶構造を有してもよい。
また、本発明による磁気記憶装置は、スキルミオン相を有し、複数の記憶領域を含む絶縁性の磁性体と、書き込み対象とされた記憶領域に対し局所的に電場を印加することにより、情報を保持するためのスキルミオンを当該記憶領域に生成する針状の電極と、を備えることを特徴とする。このような磁気記憶装置によれば、上述したスキルミオン生成装置の構成を含むことにより、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減でき、省電力の磁気記憶装置を好適に実現できる。
また、上記の磁気記憶装置は、書き込み対象とされた記憶領域に磁場を印加する磁場発生部を更に備えてもよい。これにより、磁性体中にスキルミオンを効率良く生成することができる。
本発明によるスキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置によれば、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減することができる。
図1は、第1実施形態に係るスキルミオン生成装置の構成を概略的に示す斜視図である。 図2は、電子スピンの変化の様子を概念的に示す斜視図である。 図3は、Cu2OSeO3のモデルの相図を示す。 図4(a)〜図4(o)は、スキルミオン形成過程における磁化ベクトル及び電気分極ベクトルのシミュレーション結果を示す図である。 図5は、電場印加領域の径方向に沿って整列配置される磁化ベクトルおよび電気分極ベクトルの時空間的動態を模式的に示す図である。 図6(a)〜図6(c)は、磁性体の縁に対する電場印加領域の位置を示す図である。 図7は、電場強度と、生成されたスキルミオン数との関係を示すグラフである。 図8(a)〜図8(d)は、スキルミオン生成過程を模式的に示す図である。 図9は、外部磁場の大きさを変化させたときの電場強度と生成されたスキルミオン数との関係を示すグラフである。 図10(a)〜図10(p)は、スキルミオン形成過程における磁化ベクトル及び電気分極ベクトルのシミュレーション結果を示す図である。 図11は、第2変形例を示す図である。 図12は、第2実施形態に係る磁気記憶装置の構成を概略的に示す図である。 図13は、スキルミオンの電子スピンの配列を模式的に示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるスキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るスキルミオン生成装置の構成を概略的に示す斜視図である。図1に示されるように、このスキルミオン生成装置1Aは、磁性体12と、磁場発生部14と、電場発生部16とを備える。
磁性体12は、スキルミオン相を有する絶縁性の磁性体である。ここで、「スキルミオン相を有する」とは、磁気相図上においてスキルミオンが安定して存在し得ることを意味する。このような磁性体としては、キラルな磁性体、すなわち結晶構造に反転対称性が無い磁性体が好適である。絶縁性のキラルな磁性体としては、例えばCu2OSeO3が挙げられる。Cu2OSeO3には、所定の磁場や温度の条件下において、複数のスキルミオンが三角格子状に配列されたスキルミオン結晶が生成され得ることが確認されている。
スキルミオンの安定性は、磁性体12の厚さに依存する。磁性体12がバルク状である場合には、スキルミオン相は、温度(T)と磁場(B)とによって示される相図において、極めて狭い領域に現れる傾向がある。これに対し、磁性体12が薄膜状である場合には、スキルミオン相は相図の広い領域に現れる傾向がある。従って、磁性体12は、少なくとも部分的に薄膜状(擬二次元状)であることが好ましい。これにより、広い温度範囲でスキルミオンが存在することが可能になり、また、常温に近い温度において本実施形態のスキルミオン生成装置1Aを利用可能となることが期待される。
一例では、磁性体12の厚さは、図13に示されたスキルミオンにおける渦巻状のスピン配列の直径よりも小さいか、あるいは直径の3倍程度以下であるとよい。これにより、スキルミオンの2次元的挙動を可能にできる。スキルミオンの直径は、典型的には3nm〜100nmであるから、磁性体12の好適な厚さは、例えば2nm〜300nmの範囲内である。
また、磁性体12の全体が薄膜状であっても良いし、磁性体12の一部が薄膜状であっても良い。磁性体12の全体が薄膜状である場合には、支持用の基材18の上に磁性体12が配置されてもよい。また、磁性体12の一部が薄膜状である場合には、磁性体12は、全体として厚い磁性体の一部が薄膜状に加工されることにより形成されてもよい。
磁場発生部14は、磁性体12に磁場を印加する。磁場発生部14は、例えば、磁場を磁性体12の表面に対して略垂直に印加する。図13に示されたように、スキルミオンの外周部を構成する電子スピンと、スキルミオンの中心部を構成する電子スピンとは、互いに逆向きであり、且つ薄膜状の磁性体12の厚さ方向を向く。また、スキルミオンの外周部は、磁場と平行な方向に磁化される。従って、このように磁性体12の表面に対して略垂直な方向に磁場を印加することにより、スキルミオンを効率良く生成することができる。
電場発生部16は、磁性体12に対し電場を印加することにより、磁性体12の内部にスキルミオンを生成する。本実施形態では、電場発生部16は針状の電極を有しており、磁性体12に対し局所的に電場を印加する。針状の電極は磁性体12の表面に対向して配置されており、その先端は磁性体12の表面に垂直な方向に突出している。電場発生部16は、電源17の一方の端子に電気的に接続されている。また、電源17の他方の端子は、磁性体12の裏面側に設けられた基材18に電気的に接続されている。基材18は導電性材料からなり、電場発生部16と対向する下部電極を構成する。従って、上述した局所的な電場は、電場発生部16と基材18との間に配置された磁性体12を貫通する。この電場は、例えば直径が10ナノメートル〜100ナノメートルの範囲内にある領域に印加されることが好適である。
以上に説明した構成を備えるスキルミオン生成装置1Aを用いた、本実施形態のスキルミオン生成方法は次の通りである。まず、磁場発生部14によって、磁性体12に対してスキルミオンが生成可能な適切な強度の磁場を印加する。次に、磁場を印加しながら、電場発生部16を用いて磁性体12に対し局所的に電場を印加する。すると、磁性体12内部において一方向に揃っていた電子スピンの方向が、電場によって変化する。図2は、その変化の様子を概念的に示す斜視図であり、図中の矢印は電子スピンの方向を示す。そして、一部の電子スピンの反転が生じ、その後に電場の印加を止めて磁化構造を緩和させることで、電子スピンが渦状に空間分布した単一のスキルミオンSkが生成される。
ここで、電場の印加によってスキルミオンが生成される原理は次の通りである。磁気構造を構成する磁化が、平行や反平行ではなく360度未満で180度以外の有限の角度でもって隣り合っている場合、その磁気構造は非共線的であるという。スキルミオンは典型的な非共線的な磁気構造の一つである。絶縁性の磁性体中における非共線的な磁気構造は、スピン軌道相互作用と呼ばれる物質中の相互作用を通じて、電子分布の空間的な偏りである電気分極を発現する。この電気分極は、それを引き起こす非共線的磁気構造と強く結合しているので、電場を印加して電気分極の配列を変化させることにより、磁気構造自体も電気分極と連動して生成される。このように、本実施形態のスキルミオン生成装置1A及び生成方法は、絶縁性の磁性体12中に形成されるスキルミオンと電気分極との結合を利用している。以下、このような生成原理について詳細に説明する。
例えばCu2OSeO3の結晶構造及び磁化構造は、4つのCu2+イオンを含む四面体状を呈している。そして、3つのスピンが上向き、1つのスピンが下向きの共線状スピン配列が、それぞれの四面体において実現される。磁性単位としてのこれらの4つのスピンは、単位磁化ベクトルmiとして扱われることができる。薄膜状のCu2OSeO3の磁気作用は、正方格子上における古典ハイゼンベルグ模型によって記述され得る。そのハミルトニアンは、次の数式(1)によって表される。
但し、数式(1)においてg=2であり、γは正方格子上の直交するボンドに対応する単位方向ベクトルである。また、Jは強磁性交換相互作用の結合定数であり、Dはジャロシンスキー・守谷相互作用の結合定数であり、μBはCu2OSeO3の透磁率であり、μ0は真空透磁率である。一例では、J=1(meV)であり、D/J=0.09である。このハミルトニアンは、磁性体表面に対して垂直に印加される静磁場H=(0,0,Hz)に対する強磁性交換相互作用、ジャロシンスキー・守谷相互作用、及び、ゼーマン相互作用を含んでいる。
図3は、このモデルの相図を示す。スキルミオンの結晶相は、下記の数式(2)の範囲において現れ、螺旋形の強磁性相に囲まれている。
スキルミオン結晶相において、スキルミオンは三角格子状に並んで結晶化する。このとき、磁化ベクトルmiは、各スキルミオンの周辺において静磁場Hに対し平行となり、中心において静磁場Hに対し反平行となる。スキルミオンが生成される際、スキルミオン結晶と強磁性相との間の相転移は最も重要な条件である。スキルミオンは、結晶形状としてだけでなく強磁性相の相欠陥としても現れる。以下、強磁性的に磁化が一様に揃った絶縁性の磁性体薄膜に対し電場発生部16からの電場を印加することによって、単離されたスキルミオンが作成され得ることを詳細に説明する。
非共線的なスキルミオンの磁化構造は、スピン依存性の金属−リガンド混成メカニズムによって、電気分極を誘発する。立方晶の対称性により、i番目の四面体における電気分極ベクトルpiは、三次元の磁化成分mia、mibおよびmicを用いて、次の数式(3)のように表される。
但し、実験データから、Cu2OSeO3における定数λの値は5.64×10-27(μCm)である。スキルミオンを成す磁化ベクトルmiによって誘発される電気分極piの空間分布は、上記の数式(3)から算出される。また、電気分極piの空間分布は、薄膜平面の選択に応じて変化する。
ここで、正味の磁化ベクトルMおよび強誘電性分極ベクトルPは、それぞれ、次の数式(4)及び(5)により表される局所的な寄与の和として与えられる。
ここで、添え字iは、3つが上向き、1つが下向きであるスピン群を有する銅イオンの四面体の番号を示し、Nはその四面体の総数である。そして、V(=1.76×10-283)は、四面体一つ当たりが占める空間の体積である。
上述したような磁気と電気との結合は、電気分極の分布を調整することによって電気的にスキルミオンを作成し操作する機会を提供する。このことを確認するために、本発明者は、四次のルンゲ・クッタ法を使用してランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式を数値解析することにより、局所的に電場が印加された下での数値的な磁化ベクトルmiおよび電気分極ベクトルpiの動態シミュレーションを行った。その方程式は、次の数式(6)によって表される。
但し、α(=0.04)はギルバート減衰定数である。有効磁場Hi effは、次の数式(7)に表されるハミルトニアンから、数式(8)によって算出される。
数式(7)の右辺第1項は、モデル・ハミルトニアン関数(前述した数式(1)を参照)である。また、数式(7)の右辺第2項は、局所的な電気分極ベクトルpiと電場Eとの結合を表す。すなわち、数式(7)の右辺第2項は、電場Eが領域Cの範囲内に一定時間印加されるものとすると、次の数式(9)のように表される。
本発明者によるシミュレーションによれば、単一のスキルミオンは、例えば[111]面を表面とする絶縁性のキラル磁性体の薄膜試料において、面直方向の静磁場Hの下、磁場方向に一様磁化した強磁性体中で生成される。図4(a)〜図4(o)は、スキルミオン形成過程における磁化ベクトルmi及び電気分極ベクトルpiのシミュレーション結果を示す図である。図4(a)〜図4(d)は、電場印加開始からそれぞれ0.924ナノ秒後、1.188ナノ秒後、1.254ナノ秒後、及び3.96ナノ秒後における電気分極ベクトルpiの向きを矢印で示し、且つ、pz/λ(pzは電気分極ベクトルpiのうち面直成分すなわち磁性体表面に垂直な成分)の変化の様子を色の濃淡で示している。また、図4(e)〜図4(h)は、電場印加開始からそれぞれ上記の経過時間後における磁化ベクトルmiの向きを矢印で示し、磁化ベクトルmiの面直成分mzの変化の様子を色の濃淡で示している。更に、図4(i)〜図4(l)は、磁化ベクトルmiの二次元分布を立体的に示しており、図4(m)〜図4(o)は、それぞれ図4(j)〜図4(l)のジャロシンスキー・守谷相互作用のエネルギーの二次元分布を立体的に示している。なお、図4では、試料中央の直径40サイトの円内にある磁化に電場を印加し、電場印加開始から1.98ナノ秒後に電場をオフしている。また、図4では、磁性体に一様に印加する面直磁場をgμBμ0z/J=6.3×10−3とし、試料中央の直径40サイトの円内に印加する面直電場をEz=−3.98×10(V/m)としている(Ezは電場Eの面直成分)。
成分Ezが負である電場Eの印加は、図4(a)〜(c)に示されるように、電場印加領域において、電気分極piの再配列を引き起こす。そして、図4(e)〜(g)、(i)〜(k)に示されるように、この電気分極piの再配列に伴って、その領域内の大部分の磁化ベクトルmiが、面直方向から面内方向(すなわち磁性体表面に沿った方向)へ回転する。本発明者は、図4(f)と図4(g)との間、及び図4(j)と図4(k)との間に、電場印加領域の中心において局所的な磁化ベクトルmiの180度の反転が瞬時に生じることを見出した。図4(m)〜図4(o)に示されるように、ジャロシンスキー・守谷相互作用のエネルギーは、磁化ベクトルmiが局所的に瞬時に反転する直前に著しく増大し、反転した直後に著しく減少する。これらのエネルギー変化は、図4(m)及び図4(n)において、鋭い正及び負のピークとしてそれぞれ現れている。
局所的な磁化ベクトルmiの反転が一たび生じると、電場Eのオフの後、図4(d)、図4(h)、図4(l)、及び図4(o)に示されるように、磁化ベクトルmi、電気分極pi、及びジャロシンスキー・守谷相互作用のエネルギーの空間分布の緩和によって、磁化配置の緩和と再構成が自発的に生じ、単離されたスキルミオンSkが生成される。このようなスキルミオン構造の全発生過程は、2〜3ナノ秒以内といった極めて短い時間に生じる。
以上に説明したスキルミオンの電気的生成メカニズムにおいては、次の2つの事実が重要である。一つは、磁化ベクトルmiにおいて面直成分mzが支配的であるか若しくは磁化ベクトルmiが[111]軸に対して平行である場合、静磁場Hのもとで局所的な電気分極pi(pz<0)が生じ、磁化ベクトルmiにおいて面内方向成分が支配的であるか若しくは磁化ベクトルmiが[111]軸に対して垂直である場合、静磁場Hのもとで局所的な電気分極pi(pz>0)が生じる点である。他の一つは、数式(1)に示されたジャロシンスキー・守谷相互作用(但しD>0)が、磁化ベクトルmiの時計周りの回転の伝播(磁化ベクトルmiの並び方向(図5(a)の矢印A1)に沿った伝播)に有利に働く点である。
図5(a)〜(e)は、電場印加領域の径方向に沿って整列配置される磁化ベクトルmiおよび電気分極ベクトルpiの時空間的動態を模式的に示す図である。図5(a)に示されるように、全ての磁化ベクトルmiが面直方向を向いている最初の強磁性状態においては、全ての電気分極ベクトルpiは面直方向(但しpz>0)を向いている。そして、Ez<0である電場Eが印加されると、図5(b)に示されるように、pz>0の状態からpz<0の状態に電気分極ベクトルpiが反転することに伴い、磁化ベクトルmiは面内方向へ回転する。このとき、電場印加領域の周縁部近傍におけるこのような磁化ベクトルmiの回転は時計回りである傾向がある。それは、磁化ベクトルmiの空間的変化がジャロシンスキー・守谷相互作用の存在下において電場印加領域の外側の強磁性領域と滑らかに接続されるようにするためである。これに対し、電場印加領域の中心付近における磁化ベクトルmiの回転は、図5(c)に示されるように、必然的に反時計回りとなる。しかし、それはジャロシンスキー・守谷相互作用に関する限り不都合な変化である。そして、Ez<0及びpz<0である領域において磁化ベクトルmiが面内方向を向いている場合、磁化ベクトルmiは、極めて急激に反時計回りに回転する。このような磁化配置は、図4(m)に示されたような鋭い正のピークを伴う、大きなジャロシンスキー・守谷相互作用のエネルギーの損失を引き起こす。磁化ベクトルmiのこの不安定なエネルギー配列を解消するために、中心の磁化ベクトルmiは、図5(d)に示されるように、最終的にmz>0の状態からmz<0の状態に反転する。この局所的な磁化ベクトルmiの瞬間的な反転により、電場印加領域の中心に位置する磁化ベクトルmiは、図4(n)に示されたような鋭い負のピークを伴う大きなジャロシンスキー・守谷相互作用のエネルギーの利得を獲得する。こうして局所的に反転した磁化ベクトルmiは、スキルミオンの核となる。図4(l)及び図4(o)に示されるように、電場Eがオフとされた後においても、磁化ベクトルmiの配列はスキルミオンのスピン構造を維持する。
ここで、スキルミオンの生成に必要な電場Eの強さは、磁性体中における電場印加位置によって異なる。例えば、磁性体の縁(edge)の近傍に電場を印加する場合、その他の場合と比較して、スキルミオンの生成に必要な電場の強さを抑えることができる。磁性体の縁から遠い位置に電場を印加する際には、磁化ベクトルmiを局所的に反転させるために大きなエネルギーを消費する。これに対し、磁性体の縁から近い位置に電場を印加する際には、比較的小さなエネルギーによって磁化ベクトルmiを局所的に反転させることができる。その理由としては、磁性体の縁から近い位置では回転させるべきスピンの個数が少ないこと、及び、磁性体の縁においては磁化の分布が不連続であり、それによって位相不変量の連続的な変化が可能になり、位相幾何学的な制約が緩和されることが挙げられる。
図6(a)〜図6(c)は、磁性体12の縁12aに対する電場印加領域21の位置を示す図であり、半径rが20サイトである電場印加領域21と縁12aとの間の距離dが、81サイトである場合(図6(a))、35サイトである場合(図6(b))、及び21サイトである場合(すなわち電場印加領域21が縁12aとほぼ接している場合。図6(c))をそれぞれ示す。また、図7は、図6(a)〜図6(c)に示された各場合における電場強度と、生成されたスキルミオン数との関係を示すグラフであり、グラフG11は図6(a)に、グラフG12は図6(b)に、グラフG13は図6(c)にそれぞれ対応している。
図7のグラフG11に示されるように、電場印加領域21が磁性体12の縁12aから遠く離れている場合には、スキルミオン生成のための電場の閾値Es1の絶対値は大きな値(例えば4.0×10(eV/m))となる。これに対し、図7のグラフG12に示されるように、電場印加領域21が磁性体12の縁12aから近い場合には、スキルミオン生成のための電場の閾値Es2の絶対値は格段に小さな値(例えば1.4×10(eV/m))となる。
図8は、電場印加領域21の位置を図6(b)とした場合における、スキルミオン生成過程を模式的に示す図である。電場の印加開始後0.33ナノ秒の時点では、磁化ベクトルmiが回転を開始する(図8(a))。なお、図中の破線は電場印加領域21を示す。次に、電場の印加開始後0.66ナノ秒の時点では、磁性体12の縁12aにおいて磁化ベクトルmiが反転し、スキルミオンの種が発生する(図8(b))。続いて、電場の印加開始後0.99ナノ秒の時点では、スキルミオンの種が電場印加領域21に向けて移動する(図8(c))。その後、電場の印加開始後1.98ナノ秒の時点では、スキルミオンSkが電場印加領域21内において安定して維持される(図8(d))。このように、電場印加領域21が縁12aの近傍に位置する場合、スキルミオンは、縁12aに助けられることにより容易に生成される。
なお、図7のグラフG13に示されるように、電場印加領域21が磁性体12の縁12aにほぼ接する場合には、スキルミオンは生成されない。この場合、極めて小さな電場によって磁化ベクトルmiが反転するが、電場がオフとされた直後に、スキルミオンの種は縁12aに吸収され、消滅する。
上記の結果から、磁性体12の表面に垂直な方向から見た本実施形態の電場発生部16の中心(針状電極の先端)と磁性体12の縁12aとの距離は、20nm〜40nmの範囲に含まれることが好ましい。
スキルミオンの生成に必要な電場の強さは、電場印加領域21の位置だけでなく、例えば外部磁場の強さによっても異なる。図9は、スキルミオン結晶相と強磁性相との臨界磁場(gμBμ0z/J=6.25×10-3)近傍で外部磁場の大きさを変化させたときの電場強度と生成されたスキルミオン数との関係を示すグラフであり、グラフG21はgμBμ0z/J=6.5×10-3とした場合、グラフG22はgμBμ0z/J=6.3×10-3とした場合、グラフG23はgμBμ0z/J=5.7×10-3とした場合をそれぞれ示している。この場合、電場の閾値は、グラフG21では1.7×108(eV/m)、グラフG22では1.4×108(eV/m)、グラフG23では1.1×108(eV/m)となっており、スキルミオン結晶相と強磁性相との相境界近傍では、外部磁場Hzが小さいほど、スキルミオンの生成に必要な電場の強さが小さくなることがわかる。
以上に説明した、本実施形態によるスキルミオン生成装置およびスキルミオン生成方法により得られる効果について説明する。磁性体に電流を流すことでスキルミオンを生成する方式と異なり、本実施形態では、絶縁性の磁性体12に電場を印加することによってスキルミオンを生成する。絶縁性の磁性体12に印加される電場は、磁性体12にジュール発熱を生じさせない。従って、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減することができ、例えば省電力の磁気記憶装置を好適に実現できる。
また、本実施形態のように、電場発生部16が針状の電極を有し、磁性体12に対し針状の電極から局所的に電場を印加してもよい。磁性体12にジュール発熱を生じさせることなくスキルミオンを生成する方法としては、例えば、磁性体12に対し局所的に磁場や電磁波を印加または照射することも考えられる。しかし、そのような方法では、磁場や電磁波を印加する領域を、単一のスキルミオンを生成可能な程度に小さく絞ることが困難である。電場であれば、前述した磁場や電磁波とは異なり、針状の電極を用いることによって、単一のスキルミオンを生成可能な程度に印加領域を小さく絞ることが可能となる。
(第1変形例)
上記実施形態では、強磁性相となる強さの面直磁場(gμBμ0z/J=6.3×10−3)を磁性体に印加してシミュレーションを行ったが(図4を参照)、ヘリカル磁性相となる強さの面直磁場を印加した状態においても、スキルミオンを好適に生成することができる。すなわち、本変形例のシミュレーションによれば、単一のスキルミオンは、例えば[001]面を表面とする絶縁性のキラル磁性体の薄膜試料において、面直方向に印加した静磁場Hが強い時に実現する強磁性状態中だけでなく、面直方向に印加した静磁場Hが弱い時に実現するヘリカル磁性状態中においても生成され得る。
図10(a)〜図10(h)は、電場印加開始直後(0ナノ秒後)と、電場印加開始からそれぞれ0.132ナノ秒後、0.33ナノ秒後、0.66ナノ秒後、0.792ナノ秒後、0.99ナノ秒後、1.32ナノ秒後、及び1.98ナノ秒後における電気分極piの向きを矢印で示し、且つ、px/λ(pxは電気分極ベクトルpiの面直成分)の変化の様子を色の濃淡で示している。また、図10(i)〜図10(p)は、電場印加開始からそれぞれ上記の経過時間後における磁化ベクトルmiの向きを矢印で示し、磁化ベクトルのmiの面直成分mzの変化の様子を色の濃淡で示している。なお、図10では、試料中央近傍の直径40サイトの円内にある磁化に電場を印加し、電場印加開始から0.66ナノ秒後に電場をオフしている。また、図10では試料に一様に印加する面直磁場をgμμ/J=1.875×10−3とし、試料中央の直径40サイトの円内に印加する面直電場をEz=+3.98×10(V/m)としている。
成分Ezが正である電場Eの印加は、図10(a)〜(d)に示されるように、電場印加領域において電気分極piの再配列を引き起こす。そして、図10(i)〜(l)に示されるように、この電気分極piの再配列に伴って、その領域内の大部分の磁化ベクトルmiが、面直方向から面内方向(すなわち磁性体表面に沿った方向)へ回転する。そして、電場印加領域の中心において局所的な磁化ベクトルmiの180度の反転が瞬時に生じる。局所的な磁化ベクトルmiの反転が一たび生じると、電場Eのオフの後、図10(e)〜(h)、図10(m)〜(p)に示されるように、磁化ベクトルmiと電気分極piの空間分布の緩和によって、磁化配置の緩和と再構成が自発的に生じ、単離されたスキルミオンSkが生成される。
(第2変形例)
上記実施形態では、磁場発生部14が磁性体12の表面と対向する位置に間隔をあけて配置される例を示したが、磁場発生部の配置はこれに限られない。例えば、図11に示されるスキルミオン生成装置1Bのように、磁場発生部としての強磁性体層19を磁性体12の裏面(若しくは表面)に貼り付けた形態であっても、磁性体12に対して磁場を好適に印加することができる。この場合、強磁性体層19は、例えば磁性体12の裏面と導電性の基材18との間に配置されてもよい。このような構成によっても、スキルミオンを効率良く生成することができる。
(第3変形例)
上記実施形態では、磁場発生部14が磁性体12に磁場を印加する例を示したが、磁場発生部を省くことも可能である。例えば、磁性体12を磁気異方性の強い材料、例えばキラル磁性体のような強い磁気異方性を有する磁性体とすることにより、磁場を印加せず、電場発生部16からの電界のみによってスキルミオンを生成することができると考えられる。
(第2実施形態)
続いて、上記実施形態のスキルミオン生成方法を利用した磁気記憶装置の構成について説明する。図12は、本実施形態に係る磁気記憶装置30の構成を概略的に示す図である。図12に示されるように、この磁気記憶装置30は、磁性体32と、磁場発生部34と、電場発生部36とを備える。
磁性体32は、第1実施形態の磁性体12と同様に、スキルミオン相を有する絶縁性の磁性体である。但し、本実施形態の磁性体32は、所定方向に並ぶ複数の記憶領域32aを含む。各記憶領域32aには、単一のスキルミオンが形成されることにより、1ビットの情報が書き込まれ、保持される。磁場発生部34は、書き込み対象とされた記憶領域32aに磁場(外部磁場)を印加する。磁場発生部34により印加される磁場は、第1実施形態において説明された磁場と同様である。電場発生部36は、書き込み対象とされた記憶領域32aに対し電場を印加することにより、情報を保持するためのスキルミオンSkを当該記憶領域32aに生成する。電場発生部36は、例えば針状の電極を有しており、記憶領域32aに対し局所的に電場を印加する。生成されたスキルミオンSkは、例えば電場勾配や温度勾配を利用して、所定位置に移動することができる。
また、スキルミオンSkを読み出す方式としては、磁性体32をホールバー型に形成し、スキルミオンSkのホール効果を利用して読み出す方式、トンネル磁気抵抗効果を利用して読み出す方式などがある。
本実施形態の磁気記憶装置30によれば、第1実施形態に係るスキルミオン生成装置1Aの構成を含むことにより、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減でき、省電力の磁気記憶装置を好適に実現できる。
本発明によるスキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述したスキルミオン生成方法及びスキルミオン生成装置によれば、スキルミオンを消去することも可能である。すなわち、スキルミオンを生成したときの電場とは逆向きの電場を針状電極によってスキルミオンに対し印加することで、スキルミオン生成時とは真逆の作用により磁化ベクトルの再反転を生じさせ、スキルミオンを消去することができる。また、上述したスキルミオン生成方法では磁性体に対して磁場の印加を開始し、その後に電場を印加しているが、まず電場の印加を開始し、その後に磁場を印加することによっても、スキルミオンを好適に形成することができる。
本発明は、スキルミオンを生成する際の消費電力を低減することができるスキルミオン生成装置、スキルミオン生成方法、および磁気記憶装置として利用可能である。特に、本発明によれば、電場を印加するだけでスキルミオンを生成できる。スキルミオンは高い安定性を有し、電場や温度の勾配を利用して容易に移動させることができる。従って、本発明は、情報記憶密度が高く、低消費電力の記憶装置への応用が可能である。
1A…スキルミオン生成装置、12…磁性体、14…磁場発生部、16…電場発生部、17…電源、18…基材、19…強磁性体層、21…電場印加領域、30…磁気記憶装置、32…磁性体、32a…記憶領域、34…磁場発生部、36…電場発生部。

Claims (16)

  1. スキルミオン相を有する絶縁性の磁性体と、
    前記磁性体に対し電場を印加することにより、前記磁性体内部にスキルミオンを生成する電場発生部と、
    を備えることを特徴とする、スキルミオン生成装置。
  2. 前記磁性体に磁場を印加する磁場発生部を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のスキルミオン生成装置。
  3. 前記磁場発生部は、前記磁場を前記磁性体の表面に対して略垂直に印加することを特徴とする、請求項2に記載のスキルミオン生成装置。
  4. 前記電場発生部は、針状の電極を有しており前記磁性体に対し局所的に前記電場を印加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスキルミオン生成装置。
  5. 前記磁性体において前記電場が印加される領域が前記磁性体の縁の近傍に位置することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスキルミオン生成装置。
  6. 前記磁性体は、少なくとも部分的に2〜300nmの範囲内の厚さを有する薄膜状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスキルミオン生成装置。
  7. 前記磁性体がキラルな結晶構造を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスキルミオン生成装置。
  8. スキルミオン相を有する絶縁性の磁性体に対し、電場発生部からの電場を印加することにより、前記磁性体内部にスキルミオンを生成することを特徴とする、スキルミオン生成方法。
  9. 前記磁性体に対して磁場を更に印加することを特徴とする、請求項8に記載のスキルミオン生成方法。
  10. 前記磁場を前記磁性体の表面に対して略垂直に印加することを特徴とする、請求項9に記載のスキルミオン生成方法。
  11. 前記電場発生部が針状の電極を有し、前記磁性体に対し前記針状の電極から局所的に前記電場を印加することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載のスキルミオン生成方法。
  12. 前記磁性体において前記電場が印加される領域が前記磁性体の縁の近傍に位置することを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載のスキルミオン生成方法。
  13. 前記磁性体は、少なくとも部分的に2〜300nmの範囲内の厚さを有する薄膜状であることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載のスキルミオン生成方法。
  14. 前記磁性体がキラルな結晶構造を有することを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一項に記載のスキルミオン生成方法。
  15. スキルミオン相を有し、複数の記憶領域を含む絶縁性の磁性体と、
    書き込み対象とされた前記記憶領域に対し電場を印加することにより、情報を保持するためのスキルミオンを当該記憶領域に生成する電場発生部と、
    を備えることを特徴とする、磁気記憶装置。
  16. 書き込み対象とされた前記記憶領域に磁場を印加する磁場発生部を更に備えることを特徴とする、請求項15に記載の磁気記憶装置。
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